茶用包装及びこれを用いた包装茶
【課題】
本発明の課題は、使用分量ごとに分封を可能とし、保管時は空気の通過を阻止し酸化を防止し、使用時は包装が水に溶けて、水を通過させることで茶成分が水に溶けることを可能とする茶用包装と、これを使用した包装茶を提供することである。
【解決手段】
本発明の茶用包装と、これを使用した包装茶では、無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られたカプセル又は袋である茶封体を有する茶用包装、及び、更に茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉を通過させない程度の大きさの多数の開口を有したカプセル、又は袋であるフィルタ体を有する茶用包装であり、これを用いた茶又は茶粉末、又はその混合体を封じた包装茶であることを特徴とする。
本発明の課題は、使用分量ごとに分封を可能とし、保管時は空気の通過を阻止し酸化を防止し、使用時は包装が水に溶けて、水を通過させることで茶成分が水に溶けることを可能とする茶用包装と、これを使用した包装茶を提供することである。
【解決手段】
本発明の茶用包装と、これを使用した包装茶では、無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られたカプセル又は袋である茶封体を有する茶用包装、及び、更に茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉を通過させない程度の大きさの多数の開口を有したカプセル、又は袋であるフィルタ体を有する茶用包装であり、これを用いた茶又は茶粉末、又はその混合体を封じた包装茶であることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、使用されるまで酸化防止がなされ、使用する際に便利な茶用の包装とこれを用いた包装茶に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、茶は、茶筒に入れて保管され使用されてきた。使用する度に茶筒を開封するため、その都度、新たな空気が入り、酸素も供給されるため、酸化が次第に進行し、褐色化するのをよく目にしてきた。このような中で、使用する頻度に影響されないで、使用分のみを使用時に開封する流れも「即席飲料」として展開してきた。
１つ目は、１回の使用量ごとに小袋に包装したものがある。
２つ目は、特許文献１に茶を錠剤状に成形したものが開示され、更に、特許文献２では、成形を容易にするために麦芽糖を、酸化防止を行うためにトレハロースを加えて成形したものが開示されている。
３つ目は、特許文献３では、カテキン類、シュウ酸、サイクロデキストリンを含有したインスタント粉末茶が開示されている。
４つ目は、特許文献４に緑茶抽出エキスと緑茶粉末による即席粉末茶が開示されている。
前２者の例では、錠剤化の成形で麦芽糖を加えないと固形化されないという難点があり、多量に加わるため、茶本来の味が変わってしまう欠点がある。トレハロースによる処理も、茶に施すために茶の本来の風味に影響がある。後２者の例では、茶エキスが主役のインスタント化によって、本来の茶の味に近づけるものであっても、本来の茶の風味を生かすものではない。飲茶の文化は、栄養を得るためだけではない、伝統に培われたもので茶自体を生した中での展開が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特許第３５４１１８０号
【特許文献２】特許第３８５７０６９号
【特許文献３】特許第３８６３４８２号
【特許文献４】特開昭６３−３４７５５号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、茶葉又は茶粉末の本来の呈味を生かすべく、使用分量ごとに分封を可能とし、保管時は空気の通過を阻止し酸化を防止し、使用時は、包装が水に溶けて、水を通過させることで茶成分が水に溶けることを可能とする茶用包装と、これを使用した包装茶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の茶用包装及びこれを用いた包装茶は、無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られたカプセル又は袋または挟むための２枚のシート構造のいずれかである茶封体を有する茶用包装、及び、更に茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉を通過させない程度の大きさの多数の開口を有したカプセル、又は袋、又は挟むための２枚のシート構造のいずれかであるフィルタ体を有する茶用包装であり、これを用いた茶又は茶粉末、又はその混合体を封じた包装茶であることを特徴とする。
【０００６】
請求項１記載の発明は、茶用包装であって、無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られた茶を入れるためのカプセル又は袋または挟むための２枚のシート構造のいずれかである茶封体を有することを特徴とする。
【０００７】
請求項２記載の発明は、請求項１記載の茶用包装において、前記茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉または茶粉末を通過させない大きさの多数の開口を有した非水溶性のカプセル、又は袋であるフィルタ体を有することを特徴とする。
【０００８】
請求項３記載の発明は、請求項２記載の茶用包装において、前記茶封体と前記フィルタ体を貼り付けられた一体構成にしたことを特徴とする。
【０００９】
請求項４記載の発明は、請求項２又は請求項３記載の茶用包装において、前記茶封体を前記フィルタ体の内側に配置されたことを特徴とする。
【００１０】
請求項５記載の発明は、請求項１記載の茶用包装において、使用時に必要な分量の茶を入れる多数の凹みをもつ容器本体と、茶を入れた後に、前記容器本体に蓋をするための容器蓋を有し、前記容器本体と前記容器蓋の各々が、水は通し茶葉または茶粉末を通過させない大きさの多数の開口を有した非水溶性の膜を有するフィルタ体と、無味無臭で且つ可食性の水溶性膜を有することで空気から茶を遮断するように封じを行う茶封体を有することで前記２枚のシート構造を構成したことを特徴とする。
【００１１】
請求項６記載の発明は、請求項５記載の茶用包装において、前記容器本体に前記容器蓋を被せた場合に、互いに接触する面側に前記茶封体を配置し、前記茶封体同士が前記フィルタ体の内側で合わさるように構成したことを特徴とする。
【００１２】
請求項７記載の発明は、包装茶であって、請求項１から請求項６のいずれかに記載の茶用包装に茶葉又は茶粉末、又はその混合体を封じたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１３】
以上の様に構成されているので、本発明の茶用包装及びこれを用いた包装茶では、使用時前には酸化を防止でき、使用時に使用分のみ水にいれるだけで茶が飲める状態になる。又携帯等に便利である。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明による茶用包装及びこれを用いた包装茶の一実施態様を示す図である。
【図２】本発明による茶用包装及びこれを用いた包装茶の別の一実施態様を示す図であり、集合化茶用包装を示す。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
本発明による茶用包装及びこれを用いた包装茶は、無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られたカプセル又は袋又は挟むための２枚のシート構造のいずれかである茶封体を有する茶用包装、及び、更に茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉を通過させない程度の大きさの多数の開口を有したカプセル、又は袋、又は挟むための２枚のシート構造のいずれかであるフィルタ体を有する茶用包装であることを特徴とし、これを用いた茶又は茶粉末、又はその混合体を封じた包装茶を提供できる。以下、実施例で説明する。
【００１６】
本発明で使用される無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜の茶封体の素材としては、プルラン、ポルフィラン、オブラート、澱粉誘導体、グルコマンナンなどが知られている。カプセル又は、袋状にした４０〜２００μm程度の厚みの膜を利用できる。これらの膜は、空気を通さないので、茶を封じたときに酸化防止が出来て、いつまでの新鮮な茶の風味と色を保持できる。
使用時には、茶が封じされた包装ごと茶碗やボトルの水に入れると、包装が水に溶けて、茶が水に溶け茶を飲むことが出来ることとなる。
【００１７】
茶葉を通過させない程度の大きさの多数の開口を有したカプセル又は袋又は、挟むための２枚のシート構造のいずれかであるフィルタ体では、開口部の大きさは、茶葉は通過せず粉末が通過する程度のサイズ、又は、水に溶けた茶が通過できれば良いので、それ以下が好ましい。茶粉末のサイズ１６メッシュ以下を考えると、これ以下の小サイズが好ましい。開口部は、袋を形成する膜に開いた穴であってもよいし、網状に編まれた網穴でも良いし、紙フィルタのように水を通過させる細かな空隙を有するものでもよい。勿論、素材は、無毒性、無味、無臭、非水溶性である必要がある。これに適って使用できる素材として、紙、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ＰＥＴ、ＰＴＦＥなどがある。紙は、安価な上、使用後の処理が容易であり、捨てても環境問題を起こさないので好都合である。
【００１８】
図１は、本発明による茶用包装の一実施態様を示す図である。
１−Ａ−１において、茶用包装１は、前記の素材例えばプルランで出来たカプセル状の茶封体であって、茶を入れる筒状部２と蓋３を有している。筒状部２と蓋３との少なくともいずれかがプルラン等の水溶性の素材で出来ている。茶が入った状態で蓋３がされると、空気が筒状部２の内側に通わないので、茶の酸化が進行しない。
【００１９】
１−Ａ−２において、茶用包装１は、前記の素材例えばプルランで出来た袋状の茶封体であって、茶を入れる封筒状の袋部２と蓋３を有している。袋部２に茶を入れて、蓋３を閉じると空気が筒状部２の内側に通わないので、茶の酸化が進行しない。
【００２０】
蓋３の密閉には、霧吹きで水分を界面に与えるようにして袋部２と蓋３を接触することで、両者界面を一時溶かし、水分を乾燥させると界面を密着させることが出来るが、これにこだわらない。
【００２１】
１−Ｂ−１において、１−Ａ−１で説明した茶封体である水溶性の筒状部２と蓋３の表側に、フィルタ体のカバーを付けた茶用包装の例である。フィルタ体の素材は、前記のように例えば紙であり、筒状部２の表面を覆う筒カバー４、蓋３の表面を覆う蓋カバー５となっていて、それらは、水を通す開口部６を有している。穴や空隙は、種々の形状が取れる。
断面を示すために挿入した切断面７に対して矢印方向から見た断面は、１−Ｂ−１−Ｄに示しているようになっている。筒状部２の膜と筒カバー４は一体的に密着状態でも良いし、離れていてもよい。
【００２２】
１−Ｂ−２において、１−Ａ−２の袋状の茶封体である水溶性の袋部２と蓋３の表側に、フィルタ体のカバーを付けた茶用包装の例である。フィルタ体の素材は、前記のように例えば紙であり、筒状部２の表面を覆う筒カバー４、蓋３の表面を覆う蓋カバー５となっていて、それらは、水を通す開口部６を有している。穴や空隙は、種々の形状が取れる。
断面を示すために挿入した切断面７に対して矢印方向から見た断面は、１−Ｂ−２−Ｄに示しているようになっている。筒状部２の膜と筒カバー４は一体的に密着状態でも良いし、離れていてもよい。開口部の形状は、この例では、円形の穴を示したがこれにこだわらない。
【００２３】
１−Ｃ−１と１−Ｃ−２は、フィルタ体が目（開口部）の細かい網になっているものであり、それぞれ１−Ｂ−１と１−Ｂ−２のフィルタ体が網に変わったものである。
尚、図では、網目が粗く描いてあるが、茶粒のフィルタになるのであるから実際は、細かなものである。
【００２４】
これらの例では、開口部は、カプセル又は袋の全面につけたが、一部にあるものでもよい。勿論、筒部にはあって蓋には無い場合もある。
【００２５】
尚、茶封体とフィルタ体は、別体でも一体でも良いが、一体形成されている方が、茶封体に茶を入れることと、茶封体とフィルタ体を互いの中に入れることの2度手間を省くことが出来て好都合である。又、別体の場合は、茶封体をフィルタ体の内側に入れた方が、茶粉末の外部への漏れをなくし、外部から見えなくすることが可能、茶封体の保管時の水分吸収が少なくて都合がよい。又。手で触れたときの手の水分の影響が回避できるので好ましい。
【００２６】
図２は、本発明による茶用包装及びこれを用いた包装茶の別の一実施態様、特に集合化された茶用包装を示す図である。２−Ａにおいて、茶葉又は茶粉末１１がフィルタ体と例えばプルランの茶封体の一体になった容器に封じられている例の図である。茶を除いた容器について説明する。２−Ｂにおいて、容器は、使用時に必要な分量の茶を入れる多数の凹み１２をもつ容器本体１３と、茶を入れた後に、蓋をするための容器蓋１４を持っている。容器本体１３、容器蓋１４とも、フィルタ体膜１５と茶封体膜１６で形成され、その面上で、容器蓋１４を容器本体１３に被せたときに互いに接触する面に無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜（例えば、プルラン膜）の茶封体膜１６を有する。使用時に必要な分量の茶を入れる多数の凹み（茶収納部）を有する集合化された茶用包装が茶封体とフィルタ体の一体構成で実現されている。切断面１７で切った場合に凹み１２の断面が２−Ｃに示される。凹み１２と容器本体１３、容器蓋１４のフィルタ体膜１５と茶封体膜１６の構成が示されている。茶封体膜１６が、フィルタ体１５の外側にあることも可能であるが、内側の方が茶封体膜１６が容器の外部の湿気（水分）に曝されることが少ない点又、それによる汚れ付着が無い点、茶封体膜１６を直接手で触れなくて良い（手の湿気の影響を回避）点で有利である。
【００２７】
以上のような茶用包装に茶葉や茶粉末を入れた包装茶は、保管時は、茶封体が空気を遮断して茶の酸化を防止し、使用時には、茶封体が水に溶けて茶が水と親和し、飲める茶が出来上がる。又、フィルタ体がある場合には、ある大きさ以上の茶葉や粉末を水の中に出さないので、飲んだときに口の中に固形物が入らないで済む。
このような包装茶は、ペットボトルや茶碗などの容器に包装茶ごと入れて、水をいれるか、又は予め水を入れておけば、茶が飲める状態になる。
又、包装茶をさらにアルミ袋や高分子樹脂の袋などに一括又は分封で包装されていてもよい。又、光による茶の劣化を防ぐため、光が通過しない包装にすることも好ましい。
尚、茶は緑茶以外に、紅茶やコーヒーなどや煎じ薬草茶なども含むことは言うまでもない。
【００２８】
空気を通さない水溶性の茶封体が無くて、フィルタ体のみの包装で茶を保管した場合は、水を通過させるものであるから、当然空気も通過できて酸化が進行するので好ましくない。空気を通過させず水に溶ける茶封体であること、この中に茶が保管されることが重要となる。
【００２９】
更に、特許文献１から特許文献４の従来のものは、エキスを用いたり、茶そのものに酸化防止の処理を加えたり、錠剤化のため麦芽糖などの茶以外のものを加えるのに対して、本発明によるものは、茶自体には処理を加える必要が無いだけに茶文化本来の伝統を尊重したものとなっている。
又、酸化防止のための茶封体の密封の程度は、密封がもっとも好ましいが、一部が開いた完全な封じでなくとも、空気の入り方が違う分効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【００３０】
以上のように本発明に係る茶用包装及びこれを用いた包装茶では、使用時前には酸化を防止でき、使用時に使用分のみ水にいれるだけで茶が飲める状態になるので、きわめて便利且つ有効であるので、産業上利用性が極めて大きい。
【符号の説明】
【００３１】
１ 茶用包装
２ 筒状部
３ 蓋
４ 筒カバー
５ 蓋カバー
６ 開口部
７ 切断面
１１ 茶葉又は茶粉末
１２ 凹み
１３ 容器本体
１４ 容器蓋
１５ フィルタ体膜
１６ 茶封体膜
１７ 切断面
【技術分野】
【０００１】
本発明は、使用されるまで酸化防止がなされ、使用する際に便利な茶用の包装とこれを用いた包装茶に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、茶は、茶筒に入れて保管され使用されてきた。使用する度に茶筒を開封するため、その都度、新たな空気が入り、酸素も供給されるため、酸化が次第に進行し、褐色化するのをよく目にしてきた。このような中で、使用する頻度に影響されないで、使用分のみを使用時に開封する流れも「即席飲料」として展開してきた。
１つ目は、１回の使用量ごとに小袋に包装したものがある。
２つ目は、特許文献１に茶を錠剤状に成形したものが開示され、更に、特許文献２では、成形を容易にするために麦芽糖を、酸化防止を行うためにトレハロースを加えて成形したものが開示されている。
３つ目は、特許文献３では、カテキン類、シュウ酸、サイクロデキストリンを含有したインスタント粉末茶が開示されている。
４つ目は、特許文献４に緑茶抽出エキスと緑茶粉末による即席粉末茶が開示されている。
前２者の例では、錠剤化の成形で麦芽糖を加えないと固形化されないという難点があり、多量に加わるため、茶本来の味が変わってしまう欠点がある。トレハロースによる処理も、茶に施すために茶の本来の風味に影響がある。後２者の例では、茶エキスが主役のインスタント化によって、本来の茶の味に近づけるものであっても、本来の茶の風味を生かすものではない。飲茶の文化は、栄養を得るためだけではない、伝統に培われたもので茶自体を生した中での展開が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特許第３５４１１８０号
【特許文献２】特許第３８５７０６９号
【特許文献３】特許第３８６３４８２号
【特許文献４】特開昭６３−３４７５５号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明の課題は、茶葉又は茶粉末の本来の呈味を生かすべく、使用分量ごとに分封を可能とし、保管時は空気の通過を阻止し酸化を防止し、使用時は、包装が水に溶けて、水を通過させることで茶成分が水に溶けることを可能とする茶用包装と、これを使用した包装茶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明の茶用包装及びこれを用いた包装茶は、無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られたカプセル又は袋または挟むための２枚のシート構造のいずれかである茶封体を有する茶用包装、及び、更に茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉を通過させない程度の大きさの多数の開口を有したカプセル、又は袋、又は挟むための２枚のシート構造のいずれかであるフィルタ体を有する茶用包装であり、これを用いた茶又は茶粉末、又はその混合体を封じた包装茶であることを特徴とする。
【０００６】
請求項１記載の発明は、茶用包装であって、無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られた茶を入れるためのカプセル又は袋または挟むための２枚のシート構造のいずれかである茶封体を有することを特徴とする。
【０００７】
請求項２記載の発明は、請求項１記載の茶用包装において、前記茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉または茶粉末を通過させない大きさの多数の開口を有した非水溶性のカプセル、又は袋であるフィルタ体を有することを特徴とする。
【０００８】
請求項３記載の発明は、請求項２記載の茶用包装において、前記茶封体と前記フィルタ体を貼り付けられた一体構成にしたことを特徴とする。
【０００９】
請求項４記載の発明は、請求項２又は請求項３記載の茶用包装において、前記茶封体を前記フィルタ体の内側に配置されたことを特徴とする。
【００１０】
請求項５記載の発明は、請求項１記載の茶用包装において、使用時に必要な分量の茶を入れる多数の凹みをもつ容器本体と、茶を入れた後に、前記容器本体に蓋をするための容器蓋を有し、前記容器本体と前記容器蓋の各々が、水は通し茶葉または茶粉末を通過させない大きさの多数の開口を有した非水溶性の膜を有するフィルタ体と、無味無臭で且つ可食性の水溶性膜を有することで空気から茶を遮断するように封じを行う茶封体を有することで前記２枚のシート構造を構成したことを特徴とする。
【００１１】
請求項６記載の発明は、請求項５記載の茶用包装において、前記容器本体に前記容器蓋を被せた場合に、互いに接触する面側に前記茶封体を配置し、前記茶封体同士が前記フィルタ体の内側で合わさるように構成したことを特徴とする。
【００１２】
請求項７記載の発明は、包装茶であって、請求項１から請求項６のいずれかに記載の茶用包装に茶葉又は茶粉末、又はその混合体を封じたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１３】
以上の様に構成されているので、本発明の茶用包装及びこれを用いた包装茶では、使用時前には酸化を防止でき、使用時に使用分のみ水にいれるだけで茶が飲める状態になる。又携帯等に便利である。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明による茶用包装及びこれを用いた包装茶の一実施態様を示す図である。
【図２】本発明による茶用包装及びこれを用いた包装茶の別の一実施態様を示す図であり、集合化茶用包装を示す。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
本発明による茶用包装及びこれを用いた包装茶は、無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られたカプセル又は袋又は挟むための２枚のシート構造のいずれかである茶封体を有する茶用包装、及び、更に茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉を通過させない程度の大きさの多数の開口を有したカプセル、又は袋、又は挟むための２枚のシート構造のいずれかであるフィルタ体を有する茶用包装であることを特徴とし、これを用いた茶又は茶粉末、又はその混合体を封じた包装茶を提供できる。以下、実施例で説明する。
【００１６】
本発明で使用される無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜の茶封体の素材としては、プルラン、ポルフィラン、オブラート、澱粉誘導体、グルコマンナンなどが知られている。カプセル又は、袋状にした４０〜２００μm程度の厚みの膜を利用できる。これらの膜は、空気を通さないので、茶を封じたときに酸化防止が出来て、いつまでの新鮮な茶の風味と色を保持できる。
使用時には、茶が封じされた包装ごと茶碗やボトルの水に入れると、包装が水に溶けて、茶が水に溶け茶を飲むことが出来ることとなる。
【００１７】
茶葉を通過させない程度の大きさの多数の開口を有したカプセル又は袋又は、挟むための２枚のシート構造のいずれかであるフィルタ体では、開口部の大きさは、茶葉は通過せず粉末が通過する程度のサイズ、又は、水に溶けた茶が通過できれば良いので、それ以下が好ましい。茶粉末のサイズ１６メッシュ以下を考えると、これ以下の小サイズが好ましい。開口部は、袋を形成する膜に開いた穴であってもよいし、網状に編まれた網穴でも良いし、紙フィルタのように水を通過させる細かな空隙を有するものでもよい。勿論、素材は、無毒性、無味、無臭、非水溶性である必要がある。これに適って使用できる素材として、紙、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ＰＥＴ、ＰＴＦＥなどがある。紙は、安価な上、使用後の処理が容易であり、捨てても環境問題を起こさないので好都合である。
【００１８】
図１は、本発明による茶用包装の一実施態様を示す図である。
１−Ａ−１において、茶用包装１は、前記の素材例えばプルランで出来たカプセル状の茶封体であって、茶を入れる筒状部２と蓋３を有している。筒状部２と蓋３との少なくともいずれかがプルラン等の水溶性の素材で出来ている。茶が入った状態で蓋３がされると、空気が筒状部２の内側に通わないので、茶の酸化が進行しない。
【００１９】
１−Ａ−２において、茶用包装１は、前記の素材例えばプルランで出来た袋状の茶封体であって、茶を入れる封筒状の袋部２と蓋３を有している。袋部２に茶を入れて、蓋３を閉じると空気が筒状部２の内側に通わないので、茶の酸化が進行しない。
【００２０】
蓋３の密閉には、霧吹きで水分を界面に与えるようにして袋部２と蓋３を接触することで、両者界面を一時溶かし、水分を乾燥させると界面を密着させることが出来るが、これにこだわらない。
【００２１】
１−Ｂ−１において、１−Ａ−１で説明した茶封体である水溶性の筒状部２と蓋３の表側に、フィルタ体のカバーを付けた茶用包装の例である。フィルタ体の素材は、前記のように例えば紙であり、筒状部２の表面を覆う筒カバー４、蓋３の表面を覆う蓋カバー５となっていて、それらは、水を通す開口部６を有している。穴や空隙は、種々の形状が取れる。
断面を示すために挿入した切断面７に対して矢印方向から見た断面は、１−Ｂ−１−Ｄに示しているようになっている。筒状部２の膜と筒カバー４は一体的に密着状態でも良いし、離れていてもよい。
【００２２】
１−Ｂ−２において、１−Ａ−２の袋状の茶封体である水溶性の袋部２と蓋３の表側に、フィルタ体のカバーを付けた茶用包装の例である。フィルタ体の素材は、前記のように例えば紙であり、筒状部２の表面を覆う筒カバー４、蓋３の表面を覆う蓋カバー５となっていて、それらは、水を通す開口部６を有している。穴や空隙は、種々の形状が取れる。
断面を示すために挿入した切断面７に対して矢印方向から見た断面は、１−Ｂ−２−Ｄに示しているようになっている。筒状部２の膜と筒カバー４は一体的に密着状態でも良いし、離れていてもよい。開口部の形状は、この例では、円形の穴を示したがこれにこだわらない。
【００２３】
１−Ｃ−１と１−Ｃ−２は、フィルタ体が目（開口部）の細かい網になっているものであり、それぞれ１−Ｂ−１と１−Ｂ−２のフィルタ体が網に変わったものである。
尚、図では、網目が粗く描いてあるが、茶粒のフィルタになるのであるから実際は、細かなものである。
【００２４】
これらの例では、開口部は、カプセル又は袋の全面につけたが、一部にあるものでもよい。勿論、筒部にはあって蓋には無い場合もある。
【００２５】
尚、茶封体とフィルタ体は、別体でも一体でも良いが、一体形成されている方が、茶封体に茶を入れることと、茶封体とフィルタ体を互いの中に入れることの2度手間を省くことが出来て好都合である。又、別体の場合は、茶封体をフィルタ体の内側に入れた方が、茶粉末の外部への漏れをなくし、外部から見えなくすることが可能、茶封体の保管時の水分吸収が少なくて都合がよい。又。手で触れたときの手の水分の影響が回避できるので好ましい。
【００２６】
図２は、本発明による茶用包装及びこれを用いた包装茶の別の一実施態様、特に集合化された茶用包装を示す図である。２−Ａにおいて、茶葉又は茶粉末１１がフィルタ体と例えばプルランの茶封体の一体になった容器に封じられている例の図である。茶を除いた容器について説明する。２−Ｂにおいて、容器は、使用時に必要な分量の茶を入れる多数の凹み１２をもつ容器本体１３と、茶を入れた後に、蓋をするための容器蓋１４を持っている。容器本体１３、容器蓋１４とも、フィルタ体膜１５と茶封体膜１６で形成され、その面上で、容器蓋１４を容器本体１３に被せたときに互いに接触する面に無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜（例えば、プルラン膜）の茶封体膜１６を有する。使用時に必要な分量の茶を入れる多数の凹み（茶収納部）を有する集合化された茶用包装が茶封体とフィルタ体の一体構成で実現されている。切断面１７で切った場合に凹み１２の断面が２−Ｃに示される。凹み１２と容器本体１３、容器蓋１４のフィルタ体膜１５と茶封体膜１６の構成が示されている。茶封体膜１６が、フィルタ体１５の外側にあることも可能であるが、内側の方が茶封体膜１６が容器の外部の湿気（水分）に曝されることが少ない点又、それによる汚れ付着が無い点、茶封体膜１６を直接手で触れなくて良い（手の湿気の影響を回避）点で有利である。
【００２７】
以上のような茶用包装に茶葉や茶粉末を入れた包装茶は、保管時は、茶封体が空気を遮断して茶の酸化を防止し、使用時には、茶封体が水に溶けて茶が水と親和し、飲める茶が出来上がる。又、フィルタ体がある場合には、ある大きさ以上の茶葉や粉末を水の中に出さないので、飲んだときに口の中に固形物が入らないで済む。
このような包装茶は、ペットボトルや茶碗などの容器に包装茶ごと入れて、水をいれるか、又は予め水を入れておけば、茶が飲める状態になる。
又、包装茶をさらにアルミ袋や高分子樹脂の袋などに一括又は分封で包装されていてもよい。又、光による茶の劣化を防ぐため、光が通過しない包装にすることも好ましい。
尚、茶は緑茶以外に、紅茶やコーヒーなどや煎じ薬草茶なども含むことは言うまでもない。
【００２８】
空気を通さない水溶性の茶封体が無くて、フィルタ体のみの包装で茶を保管した場合は、水を通過させるものであるから、当然空気も通過できて酸化が進行するので好ましくない。空気を通過させず水に溶ける茶封体であること、この中に茶が保管されることが重要となる。
【００２９】
更に、特許文献１から特許文献４の従来のものは、エキスを用いたり、茶そのものに酸化防止の処理を加えたり、錠剤化のため麦芽糖などの茶以外のものを加えるのに対して、本発明によるものは、茶自体には処理を加える必要が無いだけに茶文化本来の伝統を尊重したものとなっている。
又、酸化防止のための茶封体の密封の程度は、密封がもっとも好ましいが、一部が開いた完全な封じでなくとも、空気の入り方が違う分効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【００３０】
以上のように本発明に係る茶用包装及びこれを用いた包装茶では、使用時前には酸化を防止でき、使用時に使用分のみ水にいれるだけで茶が飲める状態になるので、きわめて便利且つ有効であるので、産業上利用性が極めて大きい。
【符号の説明】
【００３１】
１ 茶用包装
２ 筒状部
３ 蓋
４ 筒カバー
５ 蓋カバー
６ 開口部
７ 切断面
１１ 茶葉又は茶粉末
１２ 凹み
１３ 容器本体
１４ 容器蓋
１５ フィルタ体膜
１６ 茶封体膜
１７ 切断面
【特許請求の範囲】
【請求項１】
無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られた茶を入れるためのカプセル又は袋または挟むための２枚のシート構造のいずれかである茶封体を有することを特徴とする茶用包装。
【請求項２】
前記茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉または茶粉末を通過させない大きさの多数の開口を有した非水溶性のカプセル、又は袋であるフィルタ体を有することを特徴とする請求項１記載の茶用包装。
【請求項３】
前記茶封体と前記フィルタ体を貼り付けられた一体構成にしたことを特徴とする請求項２記載の茶用包装。
【請求項４】
前記茶封体を前記フィルタ体の内側に配置されたことを特徴とする請求項２又は請求項３記載の茶用包装。
【請求項５】
使用時に必要な分量の茶を入れる多数の凹みをもつ容器本体と、茶を入れた後に、前記容器本体に蓋をするための容器蓋を有し、前記容器本体と前記容器蓋の各々が、水は通し茶葉または茶粉末を通過させない大きさの多数の開口を有した非水溶性の膜を有するフィルタ体と、無味無臭で且つ可食性の水溶性膜を有することで空気から茶を遮断するように封じを行う茶封体を有することで前記２枚のシート構造を構成したことを特徴とした請求項１記載の茶用包装。
【請求項６】
前記容器本体に前記容器蓋を被せた場合に、互いに接触する面側に前記茶封体を配置し、前記茶封体同士が前記フィルタ体の内側で合わさるように構成したことを特徴とする請求項５記載の茶用包装。
【請求項７】
請求項１から請求項５のいずれかに記載の茶用包装に茶葉又は茶粉末、又はその混合体を封じたことを特徴とする包装茶。
【請求項１】
無味、無臭で且つ可食性の水溶性膜で作られた茶を入れるためのカプセル又は袋または挟むための２枚のシート構造のいずれかである茶封体を有することを特徴とする茶用包装。
【請求項２】
前記茶封体の内側または外側に、水は通し、茶葉または茶粉末を通過させない大きさの多数の開口を有した非水溶性のカプセル、又は袋であるフィルタ体を有することを特徴とする請求項１記載の茶用包装。
【請求項３】
前記茶封体と前記フィルタ体を貼り付けられた一体構成にしたことを特徴とする請求項２記載の茶用包装。
【請求項４】
前記茶封体を前記フィルタ体の内側に配置されたことを特徴とする請求項２又は請求項３記載の茶用包装。
【請求項５】
使用時に必要な分量の茶を入れる多数の凹みをもつ容器本体と、茶を入れた後に、前記容器本体に蓋をするための容器蓋を有し、前記容器本体と前記容器蓋の各々が、水は通し茶葉または茶粉末を通過させない大きさの多数の開口を有した非水溶性の膜を有するフィルタ体と、無味無臭で且つ可食性の水溶性膜を有することで空気から茶を遮断するように封じを行う茶封体を有することで前記２枚のシート構造を構成したことを特徴とした請求項１記載の茶用包装。
【請求項６】
前記容器本体に前記容器蓋を被せた場合に、互いに接触する面側に前記茶封体を配置し、前記茶封体同士が前記フィルタ体の内側で合わさるように構成したことを特徴とする請求項５記載の茶用包装。
【請求項７】
請求項１から請求項５のいずれかに記載の茶用包装に茶葉又は茶粉末、又はその混合体を封じたことを特徴とする包装茶。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１３−７５（Ｐ２０１３−７５Ａ）
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１３５５８９（Ｐ２０１１−１３５５８９）
【出願日】平成２３年６月１７日（２０１１．６．１７）
【出願人】（３９６０２０１３２）株式会社システック (101)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月１７日（２０１１．６．１７）
【出願人】（３９６０２０１３２）株式会社システック (101)
【Ｆターム（参考）】
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