説明

荷揃え装置及びその荷揃え装置を備えた荷揃えシステム

【課題】出庫ラインへの物品の出庫を速やかに開始させて、出庫ラインへの物品の出庫を効率よく行いながら、出庫ラインにて種類ごとに一纏めに区分けして出庫すること。
【解決手段】入庫ライン4にて搬送される物品2を分岐搬送して出庫ライン10に合流搬送させる分岐合流ライン11と、物品数管理手段にて管理する出庫物品数及び搬送物品数に基づいて、物品2の複数の種類の夫々について最終物品搬送状態であるか否かを判別する最終物品搬送状態判別手段と、最終物品搬送状態と判別されるまでは入庫搬送状態に切り換え、最終物品搬送状態と判別されると選択条件に基づいて入庫搬送状態と分岐搬送状態との何れかに切り換える搬送状態切換手段と、分岐箇所24に最終物品が到達すると、分岐箇所24に到達した最終物品と同一種類を保管手段8から出庫すべき物品の種類として出庫手段9に対して出庫指令を行う出庫指令手段とが備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入庫ラインにて一列状態で順次搬送されてくる複数種の物品を受け入れて、複数の収納部の何れかにその物品の種類がどの種類であるかを識別して保管する保管手段と、出庫指令により前記保管手段から出庫すべき物品の種類が指令されると、前記保管手段に保管されている物品から前記出庫指令により指令された種類と同一種類の物品の全てを選び出して前記保管手段から出庫ラインに出庫する出庫手段とが備えられている荷揃え装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような荷揃え装置は、例えば、物流センター等に設けられ、入庫ラインにて一列状態で順次搬送されてくる複数種の物品を、出庫ラインにて種類ごとに一纏めに区分けして出庫するものである。ここで、物品の種類とは、例えば、物品の出荷先としており、出荷先にかかわらず順不同で搬送されてくる複数の出荷先の物品を出荷先ごとに一纏めに区分けすることにより、出荷場等において出荷先ごとに荷積み梱包等する作業をスムーズに行えるようにしている。
【0003】
例えば、出荷先から注文される全ての物品を保管している倉庫や平置棚等の倉庫部が設けられており、出荷先からの注文に基づいて、倉庫部に保管されている物品から出荷すべき物品を選び出し、その選び出した物品を出荷先にかかわらず一列状態で順次入庫ラインに搬送することにより荷揃え装置にて荷揃えを行うようにしている。
従来の荷揃え装置では、入庫ラインが、複数の出荷先の物品を順次搬送しており、保管手段が入庫ラインにて搬送される物品を順次受け入れて、保管手段における複数の収納部の何れかにその物品の出荷先がどこであるかを管理して保管している。そして、出庫手段は、複数の出荷先の夫々について、出庫ラインに出庫する物品の数を示す出庫物品数及び保管手段に保管された物品の数を示す保管物品数を管理しており、その出庫物品数及び保管物品数に基づいて、ある出荷先について出庫ラインに出庫する物品の全てが保管手段に保管されたと判別すると、その出荷先の物品を出庫すべきタイミングであるとして、その出荷先と同一出荷先の物品の全てを選び出して保管手段から出庫ラインに一纏めにして出庫している。(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に記載の荷揃え装置では、保管手段が、入庫ラインにて出荷先にかかわらず順不同で搬送される物品を順次受け入れて複数の収納部の何れかに保管しているので、倉庫部から入庫ラインに搬送されてきた物品を出荷先ごとに一纏めに区分けする処理を行う必要がなく、それだけ構成の簡素化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−160906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の荷揃え装置では、ある種類について出庫する物品の全てが保管手段に保管されると、その種類の物品を出庫すべきタイミングになったとして出庫ラインへの物品の出庫を開始している。そのために、物品の複数の種類の夫々について、全ての物品を一旦保管手段に保管し終えるまでは、出庫ラインへの物品の出庫を開始できず、出庫ラインへ物品を出庫できるまでに時間がかかっていた。また、上記特許文献1に記載の荷揃え装置では、一旦保管手段に保管させたのち出庫ラインに出庫させる処理を物品の複数の種類の夫々について全ての物品に対して行う必要があり、しかも、保管手段の保管数として、物品の複数の種類の夫々について全ての物品を保管できるだけの保管数を確保する必要があった。よって、荷揃え装置として高能力のものが求められることとなっていた。
【0006】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、出庫ラインへの物品の出庫を速やかに開始させて、出庫ラインへの物品の出庫を効率よく行いながら、出庫ラインにて種類ごとに一纏めに区分けして出庫することができる荷揃え装置及びその荷揃え装置を備えた荷揃えシステムを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明に係る荷揃え装置の第1特徴構成は、入庫ラインにて一列状態で順次搬送されてくる複数種の物品を受け入れて、複数の収納部の何れかにその物品の種類がどの種類であるかを識別して保管する保管手段と、出庫指令により前記保管手段から出庫すべき物品の種類が指令されると、前記保管手段に保管されている物品から前記出庫指令により指令された種類と同一種類の物品の全てを選び出して前記保管手段から出庫ラインに出庫する出庫手段とが備えられている荷揃え装置において、
前記入庫ラインにて搬送される物品を分岐搬送して前記保管手段を迂回させて前記出庫ラインに合流搬送させる分岐合流ラインと、前記物品の複数の種類の夫々について、前記出庫ラインに出庫する物品の数を示す出庫物品数及び前記入庫ラインにおける前記分岐合流ラインの分岐箇所に向けて搬送された物品の数を示す搬送物品数を管理する物品数管理手段と、前記物品数管理手段にて管理する前記出庫物品数及び前記搬送物品数に基づいて、前記物品の複数の種類の夫々について、前記出庫ラインに出庫すべき最後の物品である最終物品が前記分岐箇所に向けて搬送された最終物品搬送状態であるか否かを判別する最終物品搬送状態判別手段と、前記最終物品搬送状態判別手段にて前記最終物品搬送状態と判別されるまでは、前記分岐箇所に向けて搬送された物品を前記入庫ラインにて前記保管手段まで搬送する入庫搬送状態に切り換え、前記最終物品搬送状態判別手段にて前記最終物品搬送状態と判別されると、前記入庫搬送状態と前記分岐箇所に向けて搬送された物品を前記分岐合流ラインにて分岐搬送させる分岐搬送状態とのうち選択条件に基づいて選択した側に切り換える搬送状態切換手段と、前記物品の複数の種類の夫々について前記分岐箇所に前記最終物品が到達すると、前記分岐箇所に到達した最終物品と同一種類を前記保管手段から出庫すべき物品の種類として前記出庫手段に対して前記出庫指令を行う出庫指令手段とが備えられている点にある。
【0008】
本特徴構成によれば、物品数管理手段は、物品の複数の種類の夫々について、出庫物品数及び搬送物品数を管理しているので、種類ごとに出庫ラインに出庫する物品の数が異なっても、種類ごとに出庫物品数及び搬送物品数を的確に把握しておくことができる。最終物品搬送状態判別手段は、入庫ラインの分岐箇所に向けて物品が搬送されると、その物品の種類における出庫物品数と搬送物品数とを比較することにより、分岐箇所に向けて搬送した物品が最終物品であるか否かを判別することができ、最終物品搬送状態であるか否かを的確に判別することができる。ここで、最終物品とは、複数の種類の夫々において、出庫ラインに出庫すべき物品のうち分岐箇所に向けて搬送される最終の物品であり、各種類に1つずつ存在することになる。
【0009】
最終物品搬送状態判別手段にて最終物品搬送状態ではないと判別していると、搬送状態切換手段は、入庫搬送状態に切り換えるので、分岐箇所に向けて搬送された物品は保管手段まで搬送されて保管手段に保管される。よって、最終物品搬送状態判別手段にて最終物品搬送状態ではないと判別されている場合には、物品数管理手段にて管理されている搬送物品数がカウントアップされていくとともに、保管手段に順次物品が保管されていく。
【0010】
そして、最終物品搬送状態判別手段にて最終物品搬送状態であると判別されていると、搬送状態切換手段は選択条件に基づいて入庫搬送状態と分岐搬送状態との何れかを選択してその選択した側に切り換える。選択条件としては、例えば、最終物品を分岐合流ラインにて分岐搬送させたのち出庫ラインに合流搬送させるまでに要する第1時間と最終物品と同一種類の物品を保管手段から前記出庫ラインに要する第2時間とに基づいて、第1時間の方が第2時間よりも短いときには入庫搬送状態を選択し、第1時間の方が第2時間よりも長いときには分岐搬送状態を選択するための条件を選択条件とすることができる。また、例えば、最終物品搬送状態判別手段にて最終物品搬送状態であると判別していると、常時分岐搬送状態を選択するための条件を選択条件とすることもできる。
このように、最終物品搬送状態となった場合には、搬送状態切換手段が、入庫搬送状態に切り換えるだけでなく、分岐搬送状態にも切換可能としている。そして、搬送状態切換手段が分岐搬送状態に切り換えると、分岐箇所に向けて搬送された最終物品は、分岐合流ラインに分岐搬送されて、保管手段に搬送させずに出庫ラインに出庫させることができる。
【0011】
出庫指令手段は、分岐箇所に最終物品が到達したことをもって、その最終物品と同一種類を保管手段から出庫すべき物品の種類として出庫手段に対して出庫指令を行い、最終物品と同一種類の物品について保管手段から出庫ラインへの出庫が開始される。これにより、保管手段に搬送された最終物品は、それよりも先に保管手段に保管されている同一種類の物品と一纏めにして出庫ラインに出庫することができる。また、分岐合流ラインに分岐搬送された最終物品は、保管手段から出庫ラインに出庫された同一種類の物品と合流することになり、同一種類の物品を一纏めにして出庫ラインにて出庫することができる。
【0012】
以上のことから、搬送状態切換手段が分岐搬送状態に切り換えることにより最終物品については保管手段に保管させずに出庫ラインに出庫させることができながら、種類ごとに一纏めに区分けすることができる。しかも、複数の種類の夫々について単に最終物品搬送状態であるか否かを判別するだけで、物品の複数種の夫々について保管手段から出庫ラインへ出庫すべきタイミングを管理することができる。よって、出庫ラインへの物品の出庫を効率よく行いながら、物品の複数種の夫々について出庫すべきタイミングを容易に管理することができる荷揃え装置を実現できるに至った。また、分岐合流ラインに分岐搬送させる最終物品については、一旦保管手段に保管させたのち出庫ラインに出庫させる処理を必要とせず、保管手段に保管させる必要がないので、それだけ荷揃え装置として求められる能力を低減することができる。
【0013】
本発明に係る荷揃え装置の第2特徴構成は、前記選択条件は、前記最終物品を前記分岐箇所から前記分岐合流ラインに分岐搬送させて前記出庫ラインに合流搬送させるまでに要する第1時間と前記最終物品と同一種類の物品を前記保管手段から前記出庫ラインに出庫させるまでに要する第2時間とに基づいて定められている点にある。
【0014】
例えば、保管手段へ向けて物品を搬送している途中であったり、保管手段に保管されている物品が多い等により第2時間が長くなり、第2時間が第1時間よりも長くなることがある。この場合に、分岐搬送状態に切り換えると、最終物品と同一種類の物品が保管手段から出庫されるよりも以前に、最終物品が出庫ラインへの合流点に搬送されることになる。よって、同一種類の物品を一纏めにして出庫ラインにて出庫するためには、最終物品と同一種類の物品が保管手段から出庫されるまで最終物品を待たせておく必要が生じ、かえって荷揃え作業を効率よく行えなくなる可能性がある。
そこで、本特徴構成によれば、例えば、第2時間が第1時間よりも長くなるときには、入庫搬送状態を選択し、第2時間が第1時間以下のときには、分岐搬送状態を選択するための条件を選択条件として、第1時間及び第2時間に基づいて選択条件を定めることができる。これにより、第2時間が第1時間よりも長いときには、入庫搬送状態に切り換えることができ、最終物品も保管手段へ搬送して、それ以外の物品と一纏めにして出庫ラインに出庫することができる。よって、第1時間及び第2時間に基づいて定められた選択条件によって入庫搬送状態と分岐搬送状態との何れかを選択して、荷揃えを効率よく行うことができる。
【0015】
本発明に係る荷揃え装置の第3特徴構成は、前記保管手段から出庫された物品と前記分岐合流ラインにて搬送される物品とを種類ごとで区分けして前記出庫ラインにて合流搬送させる合流搬送手段が設けられている点にある。
【0016】
保管手段に保管されている物品は、種類ごとで一纏めにされて出庫される。一方、分岐合流ラインにて分岐搬送する物品は、最終物品だけであるので、種類ごとに区分けされて出庫ラインに向けて搬送される。これにより、合流搬送手段は、単に、同一種類の保管手段から出庫された物品と分岐合流ラインの物品とを合流搬送させるだけで、保管手段から出庫された物品と分岐合流ラインの物品とを種類ごとで区分けして出庫ラインにて合流搬送させることができる。よって、合流搬送手段を簡易な構成としながら、同一種類の物品を一纏めにして出庫ラインにて出庫することができる。また、例えば、保管手段から出庫された物品についても、分岐合流ラインの物品についても、物品を貯留しながら出庫ラインに合流搬送させる構成としても、合流搬送手段にて合流搬送させることにより、同一種類の物品を一纏めにして出庫ラインにて出庫することを確実に行うことができる。
【0017】
本発明に係る荷揃え装置の第4特徴構成は、前記保管手段は、前記複数の収納部を備えた物品収納棚と、前記入庫ラインにて搬送される物品を受け入れる受入部と前記複数の収納部の夫々との間で物品を搬送自在な物品搬送装置とを備えて構成され、前記物品搬送装置は、前記複数の収納部の夫々と前記出庫ラインに出庫する出庫部との間で物品を搬送自在に構成され、前記出庫手段は、前記出庫指令により指令された種類と同一種類の物品を前記物品搬送装置にて前記出庫ラインに出庫する点にある。
【0018】
本特徴構成によれば、入庫ラインから受入部に物品が受け入れられると、物品搬送装置が受入部から複数の収納部の何れかに物品を搬送させるので、入庫ラインにて順次搬送される物品を順次収納部に収納させることができる。そして、物品を収納部に収納する際に、入庫手段が、その物品がどの種類であるか及びどの収納部に収納するか等の収納情報を管理しておくことができる。しかも、出庫手段は、収納情報に基づいて、出庫指令にて指令された種類と同一種類の物品の全てを選び出し、その選び出した物品を物品搬送装置にて収納部から出庫部に搬送して出庫ラインに出庫させることができる。これにより、物品搬送装置を保管手段としても出庫手段としても用いることができ、それだけ構成の簡素化を図ることができる。
【0019】
本発明に係る荷揃え装置の第5特徴構成は、前記保管手段は、前記複数の収納部としての複数の貯留ラインと、前記入庫ラインにて搬送される物品を種類ごとに前記複数の貯留ラインに仕分ける仕分け手段とを備えて構成され、前記複数の貯留ラインの夫々は、貯留している物品の全てを前記出庫ラインに搬送自在に構成され、前記出庫手段は、前記出庫指令により指令された種類と同一種類の物品を前記貯留ラインにて前記出庫ラインに出庫する点にある。
【0020】
本特徴構成によれば、仕分け手段が、入庫ラインにて搬送される物品を種類ごとに複数の貯留ラインに仕分けるので、入庫ラインにて順次搬送される物品を同一種類の物品は同一の貯留ラインに貯留させることができる。そして、出庫手段は、出庫指令にて指令された種類と同一種類の物品を貯留している貯留ラインから貯留している物品の全てを出庫ラインに搬送させて出庫ラインに出庫させることができる。これにより、貯留ラインを保管手段としても出庫手段としても用いることができ、それだけ構成の簡素化を図ることができる。また、出庫ラインに物品を出庫させる際には、単に、単一の貯留ラインから貯留している物品の全てを搬送するだけでよく、複雑な制御等を必要とせず、この点からも構成の簡素化に寄与できる。
【0021】
本発明に係る荷揃え装置の第6特徴構成は、前記物品数管理手段は、前記搬送物品数として、前記保管手段に保管された物品の数を示す保管物品数を管理している点にある。
【0022】
本特徴構成によれば、物品数管理手段は、保管物品数を搬送物品数として管理しているので、最終物品搬送状態判別手段は、出庫物品数と保管物品数とを比較することにより、最終物品搬送状態であるか否かを判別できる。これにより、最終物品以外の物品が保管手段に実際に保管されているのかどうかを考慮しながら、最終物品搬送状態の判別を行うことができる。
【0023】
例えば、最終物品が分岐箇所に向けて搬送されたときに、最終物品以外の物品が入庫ラインでの搬送途中等により未だ保管手段に保管されていないときには、最終物品以外の物品について、まず、保管手段に一旦保管させ、その後保管手段から出庫ラインに出庫させるので、出庫ラインに出庫されるまでに時間がかかる。よって、最終物品を分岐合流ラインにて分岐搬送させて出庫ラインに合流搬送させると、最終物品とそれ以外の物品とで出庫ラインに出庫されるタイミングにかなりの時間差が生じ、出庫ラインにて種類ごとに物品を一纏めに区分けすることが難しくなる可能性がある。そこで、上述の如く、物品数管理手段は、保管物品数を搬送物品数として管理しておくことで、最終物品が分岐箇所に向けて搬送されたときに最終物品以外の物品が未だ保管手段に保管されていないときには、搬送物品数としての保管物品数がカウントアップされていないので、搬送物品数が出庫物品数よりも1だけ小さい数にならない。よって、最終物品搬送状態判別手段にて最終物品搬送状態ではないと判別することになり、搬送状態切換手段を入庫搬送状態に切り換えさせることができる。これにより、最終物品が分岐箇所に向けて搬送されたときに、最終物品以外の物品が未だ保管手段に保管されていないときには、最終物品もそれ以外の物品と同様に保管手段に一旦保管したのち一纏めにして出庫ラインに出庫させることができ、出庫ラインにて種類ごとに物品を一纏めに区分けすることを確実に行える。
【0024】
本発明に係る荷揃え装置の第7特徴構成は、前記保管手段、前記出庫手段、前記物品数管理手段、前記最終物品搬送状態判別手段、前記搬送状態切換手段、及び、前記出庫指令手段を1つの単位装置群として、1つの前記入庫ラインに対して複数の前記単位装置群が設けられ、前記入庫ラインにて搬送される前記物品を前記単位装置群の前記保管手段ごとに仕分ける装置群仕分け手段と、前記各単位装置群から出庫される物品を前記単位装置群ごとで区分けして合流させる合流手段とが設けられている点にある。
【0025】
本特徴構成によれば、入庫ラインにて搬送されてくる物品の複数の種類を、複数の単位装置群の夫々に割り当てることにより、入庫ラインにて搬送されてくる複数種の物品を複数の単位装置群に分担させて、種類ごとに一纏めにして区分けすることができる。そして、各単位荷揃え群から出庫される物品を合流させる際に、合流手段が各単位装置群から出庫される物品を単位装置群ごとで区分けして合流させるので、種類ごとに一纏めに区分けして合流させることができる。よって、物品の種類数が多くても、複数の単位装置群にて分担しながら効率よく種類ごとに一纏めに区分けすることができる。
【0026】
本発明に係る荷揃え装置を備えた荷揃えシステムの特徴構成は、上記第1〜第7特徴構成の何れかの荷揃え装置が複数備えられ、前記物品の種類が、1つ又は複数の種類が属するグループごとに区分けされ、全ての前記物品の種類について順次物品を搬送する上位入庫ラインと、前記上位入庫ラインの物品を前記グループごとに前記荷揃え装置の前記入庫ラインに仕分ける上位仕分手段とが備えられている点にある。
【0027】
本特徴構成によれば、物品の種類のグループを複数の荷揃え装置の夫々に割り当てることにより、上位仕分手段にて上位入庫ラインの物品をグループごとに荷揃え装置に仕分けることができる。上位入庫ラインにて搬送されてくる複数のグループの物品を複数の荷揃え装置にグループ分けして、各荷揃え装置にて種類ごとに一纏めにして区分けすることができる。よって、複数のグループの物品を効率よく種類ごとに一纏めにして区分けすることができる荷揃えシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】荷揃えシステムの平面図
【図2】荷揃え装置の平面図
【図3】荷揃え装置の構成ブロック図
【図4】荷揃え装置における物品の流れ状態を示す図
【図5】荷揃え装置の動作を示すフローチャート
【図6】荷揃え装置の平面図
【図7】荷揃え装置の要部平面図
【図8】別実施形態における荷揃え装置の平面図
【図9】別実施形態における荷揃え装置の平面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明に係る荷揃え装置を備えた荷揃えシステムの実施形態について図面に基づいて説明する。
この荷揃えシステムは、図1に示すように、本発明に係る荷揃え装置1が複数(例えば4つ)備えられ、物品2の種類を例えば物品2の出荷先(例えば顧客や店舗)としており、物品2の出荷先が、1つ又は複数の出荷先が属するグループごとに区分けされている。そして、1つの荷揃え装置1に対して1つのグループが割り当てられており、どのグループに属する出荷先の物品2をどの荷揃え装置1にて荷揃えを行うかが定められている。
【0030】
この荷揃えシステムでは、上位入庫ライン3にて搬送される全ての出荷先の物品2を、まず、同一グループの出荷先の物品2については同一の荷揃え装置1に仕分けるべく、出庫先のグループごとに荷揃え装置1に仕分ける。そして、同一グループの出荷先の物品2が仕分けられた複数の荷揃え装置1の夫々では、出荷先ごとに搬送方向に一列に並ぶ状態で一纏めに区分けして出庫ライン10にて出庫している。
【0031】
この荷揃えシステムでは、全ての出荷先の物品2について順次物品2を搬送する上位入庫ライン3と、上位入庫ライン3の物品2を出荷先のグループごとに荷揃え装置1の入庫ライン4に仕分ける上位仕分け手段5とが設けられている。そして、図示は省略するが、出荷先に出荷する物品2の全てが倉庫部に保管されており、出荷先からの注文に基づいて、倉庫部に保管されている物品2から出荷すべき物品2を選び出し、その選び出した物品2を上位入庫ライン3に順次搬送している。上位入庫ライン3は、倉庫部から出荷先がどこかにかかわらず順不同で搬送される物品2をその順序のまま一列状態で搬送するラインである。ここで、上位入庫ライン3に搬送される物品2には、その物品2の出荷先がどこであるか及びその物品2がどんな物品であるか等の出庫物品情報を有するバーコードラベルやIDタグ等の情報記憶媒体が設置されている。ちなみに、図1に示すものでは、上位入庫ライン3は、何れかの荷揃え装置1に仕分けることができなかった物品2を、荷揃え装置1よりも搬送方向の上流側に戻すように構成されている。
【0032】
上位仕分け手段5は、詳細な図示は省略するが、例えば、上位入庫ライン3の物品2を順次搬送させるメイン仕分けラインに複数の荷揃え装置1の入庫ライン4の夫々が分岐接続され、メイン仕分けラインの物品2を各入庫ライン4に分岐搬送させるプッシャー等の分岐部材(図示省略)を備えて構成されている。
上位仕分け手段5は、例えば、メイン仕分けラインの搬送方向の最も上流箇所等に、上位入庫ライン4から搬送されてくる物品2に設置された情報記憶媒体の出庫物品情報を読み取る情報読み取り装置(図示省略)が設けられており、この情報読み取り装置にて読み取った出庫物品情報から出荷先がどこであるか等の情報を取得している。
そして、上位仕分け手段5の上位仕分け制御装置は、情報読み取り装置にて読み取った出庫物品情報に基づいて、同一グループの出荷先の物品2については、同一の入庫ライン4に分岐搬送させるべく、分岐部材の作動を制御することにより、メイン仕分けラインの物品2を出荷先のグループごとに各入庫ライン4に仕分けている。
【0033】
図2及び図3に示すように、複数の荷揃え装置1の夫々は、入庫ライン4と、保管手段8と、出庫手段9と、出庫ライン10と、分岐合流ライン11と、物品数管理手段12と、最終物品搬送状態判別手段13と、搬送状態切換手段14と、出庫指令手段15とを備えて構成されている。ここで、例えば、物品数管理手段12、最終物品搬送状態判別手段13及び搬送状態切換手段14等は、荷揃え装置1の作動を制御する制御装置に備えられている。
【0034】
入庫ライン4は、順次搬送されてくる物品2をその順序のまま一列状態で搬送するラインであり、出荷先がどこかにかかわらず順不同で物品2を搬送している。入庫ライン4には、出荷先が同一グループの物品2が搬送されてくる。
【0035】
保管手段8は、入庫ライン4にて順次搬送されてくる物品2を受け入れて、複数の収納部19の何れかにその物品2の出荷先がどの出荷先であるかを管理して保管する。保管手段8は、複数の収納部19を備えた物品収納棚20と、入庫ラインの物品2を受け入れる受入部21と複数の収納部19の夫々との間、及び、複数の収納部19の夫々と出庫ライン10に出庫する出庫部22との間で物品2を搬送自在な物品搬送装置23(例えばスタッカークレーン)とを備えて構成されている。
【0036】
物品収納棚20は、収納部19に対する物品2の出し入れ方向が互いに対向するように一対配設され、一対の物品収納棚20の間に物品搬送装置23の移動経路が配設されている。受入部21は、物品2を搬送自在な搬送装置等から構成されており、入庫ライン4の物品2を物品搬送装置23との間での物品2の授受箇所に搬送自在に構成されている。出庫部22は、物品2を搬送自在な搬送装置等から構成されており、物品搬送装置23との間での物品2の授受箇所にて受け取った物品2を出庫ライン10に搬送自在に構成されている。
そして、例えば、物品2に設置された情報記憶媒体の出庫物品情報を読み取る情報読み取り装置が受入部21に設けられており、保管手段8の作動を制御する保管制御装置が、情報読み取り装置にて読み取った出庫物品情報に基づいて、出荷先がどこの物品2をどの収納部19に収納したかの収納情報を管理しながら、受入部21にて受け入れた物品2を順次複数の収納部19の何れかに収納すべく、物品搬送装置23の作動を制御する。
【0037】
出庫手段9は、出庫指令により保管手段8から出庫すべき物品2の出荷先が指令されると、保管手段8に保管されている物品2から出庫指令により指令された出荷先と同一出荷先の物品2の全てを選び出して保管手段8から出庫ライン10に出庫する。保管手段8の保管制御装置は、管理している収納情報に基づいて、出庫指令により指令された出荷先と同一出荷先の物品2の全てを出庫部22に出庫させるべく、物品搬送装置23の作動を制御する。これにより、出庫手段9は、保管手段8としての物品搬送装置23を用いて、出庫指令により指令された出荷先と同一出荷先の物品2の全てを出庫ライン10に出庫する。
【0038】
上述の如く、荷揃え装置1は、入庫ライン4にて搬送されてくる出荷先が同一グループの複数の出荷先の物品2を順次保管手段8に保管するのであるが、本発明に係る荷揃え装置1では、複数の出荷先の夫々について、単に、全ての物品2を保管手段8に保管するのではなく、出庫ライン10に出庫すべき最後の物品2である最終物品を保管手段8に搬送する状態と保管手段8に搬送させずに出庫ライン10に出庫させる状態とに切換自在に構成されている。ここで、最終物品とは、複数の種類の夫々において、出庫ラインに出庫すべき物品のうち分岐箇所に向けて搬送される最終の物品であり、各種類に1つずつ存在することになる。
また、本発明に係る荷揃え装置1では、入庫ライン4における分岐合流ライン11の分岐箇所24に最終物品が到達することをもって、最終物品と同一出荷先の物品2について保管手段8から出庫ライン10への出庫を開始している。そこで、本発明に係る荷揃え装置1は、分岐合流ライン11、物品数管理手段12、最終物品搬送状態判別手段13、搬送状態切換手段14、及び、出庫指令手段15を備えて構成されている。
【0039】
分岐合流ライン11は、入庫ライン4にて搬送される物品2を分岐搬送して保管手段8を迂回して出庫ライン10に合流搬送させるラインであり、物品2を一列状態で搬送している。
物品数管理手段12は、物品2の複数の出荷先の夫々について、出庫ライン10に出庫する物品2の数を示す出庫物品数、及び、入庫ライン4における分岐合流ライン11の分岐箇所24に向けて搬送された物品2の数を示す搬送物品数を管理している。そして、物品数管理手段12は、出荷先からの注文に基づいて複数の出荷先の夫々について出庫物品数を取得している。また、物品数管理手段12は、保管手段8の保管制御装置との間で各種情報を通信自在に構成されており、保管手段8の保管制御装置は、物品搬送装置23にて収納部19への物品2の収納を完了すると、その収納した物品2の出荷先を識別可能とする保管完了情報を物品数管理手段12に送信する。これにより、物品数管理手段12は、保管手段8の保管制御装置からの保管完了情報に基づいて複数の出荷先の夫々について保管手段8に保管された物品2の数を示す保管物品数をカウントしており、この保管物品数を搬送物品数として管理している。
【0040】
最終物品搬送状態判別手段13は、物品数管理手段12が管理する出庫物品数及び搬送物品数に基づいて、複数の出荷先の夫々について、最終物品が分岐箇所24に向けて搬送された最終物品搬送状態であるか否かを判別する。最終物品搬送状態判別手段13は、例えば、分岐箇所24に到達する物品2の情報記憶媒体の出庫物品情報を読み取る情報読み取り装置25(例えば情報記憶媒体がバーコードであればバーコードリーダ)を備えており、その情報読み取り装置25にて読み取った出庫物品情報により分岐箇所24に向けて搬送された物品2の出荷先がどの出荷先であるかを把握している。そして、最終物品搬送状態判別手段13は、分岐箇所24に向けて搬送された物品2の出荷先と同一出荷先についての出庫物品数及び搬送物品数を物品数管理手段12から読み出して、その搬送物品数が出庫物品数よりも1つだけ小さいと、最終物品搬送状態であると判別する。
情報読み取り装置25の設置位置については適宜変更することが可能である。例えば、上位入庫ライン3から分岐仕分けライン7に分岐された分岐箇所や、入庫ライン4において分岐箇所24よりも搬送方向の上流側に情報読み取り装置25を設置することが可能である。このように、情報読み取り装置25の設置箇所を変更することにより、最終物品搬送状態であるか否かの判別を、分岐箇所24に最終物品2が到達したタイミングに限らず、それよりも早いタイミング(物品2が分岐仕分けライン7に分岐されたタイミングや入庫ライン4にて分岐箇所24に向けて物品2を搬送している途中のタイミング)に行うこともできる。
【0041】
搬送状態切換手段14は、最終物品搬送状態判別手段13にて最終物品搬送状態と判別されるまでは、分岐箇所24に向けて搬送された物品2を入庫ライン4にて保管手段8まで搬送する入庫搬送状態に切り換える。また、搬送状態切換手段14は、最終物品搬送状態判別手段13にて最終物品搬送状態と判別されると、入庫搬送状態と分岐箇所24に向けて搬送された物品2を分岐合流ライン11にて分岐搬送させる分岐搬送状態とのうち選択状態に基づいて選択した側に切り換える。
【0042】
ここで、選択条件としては、最終物品を分岐箇所24から分岐合流ライン11に分岐搬送させて出庫ライン10に合流搬送させるまでに要する第1時間と最終物品と同一種類の物品を保管手段8から出庫ライン10に出庫させるまでに要する第2時間とに基づいて定めている。例えば、第2時間が第1時間よりも長くなるときには、入庫搬送状態を選択し、第2時間が第1時間以下のときには、分岐搬送状態を選択するための条件を選択条件と定めている。このように選択条件を定めると、搬送状態切換手段14は、分岐箇所24に向けて最終物品を搬送すると、第1時間及び第2時間を求めて第1時間と第2時間との大小関係を比較する。そして、搬送状態切換手段14は、第2時間が第1時間よりも長くなるときには入庫搬送状態に切り換え、第2時間が第1時間以下のときには分岐搬送状態に切り換える。
【0043】
また、最終物品の1つ手前の物品が分岐箇所24を通過してから、分岐箇所24に最終物品が到達するまでの時間が短いと、第2時間が長くなる。そこで、上述の如く、第1時間と第2時間との大小関係を選択条件とする構成に代えて、最終物品の1つ手前の物品が分岐箇所24を通過してからの経過時間について、第1時間と第2時間との大小関係の判別基準となる設定時間を定めることができる。これにより、最終物品の1つ手前の物品が分岐箇所24を通過してからの経過時間が設定時間よりも短いときには、入庫搬送状態に切り換え、最終物品の1つ手前の物品が分岐箇所24を通過してからの経過時間が設定時間以上のときには、分岐搬送状態に切り換えるための条件を選択条件として定めることもできる。
【0044】
搬送状態切換手段14は、例えば、入庫ライン4の物品2から退避する退避位置と入庫ライン4の物品2に接触して分岐合流ライン11に案内する案内位置とに位置変更自在な切換部26を備えており、搬送状態切換手段14の搬送状態切換制御装置が、入庫搬送状態に切り換えるときには切換部26を退避位置に切り換え、分岐搬送状態に切り換えるときには切換部26を案内位置に切り換えるべく、切換部26の位置切換を制御する。
【0045】
出庫指令手段15は、分岐箇所24に最終物品が到達すると、分岐箇所24に到達した最終物品と同一出荷先を保管手段8から出庫すべき物品2の出荷先として出庫手段9に対して出庫指令を行う。これにより、出庫手段9は、出庫指令手段15からの出庫指令にて指令された出荷先と同一出荷先の物品2の全てを選び出して保管手段8から出庫ライン10に出庫する。よって、保管手段8から出庫ライン10に出庫された物品2と分岐合流ライン11にて分岐搬送された物品2とが出庫ライン10にて合流することになり、同一出荷先の物品2を搬送方向に一列に並ぶ状態で一纏めに区分けして出庫ライン10にて出庫している。
ちなみに、この実施形態では、出庫指令手段15は、情報読み取り装置25の検出情報に基づいて分岐箇所24に最終物品が到達したことを検出しているが、例えば、分岐箇所24よりも搬送方向の上流側に情報読み取り装置25が設置されている場合には、その情報読み取り装置25の検出情報に加えて、その情報読み取り装置25の設置位置から分岐箇所24に物品2が搬送されるまでに要する時間に基づいて、分岐箇所24に最終物品が到達したことを検出することもできる。
【0046】
以下、図4及び図5に基づいて荷揃え装置1の動作について説明する。
ここで、出荷先のグループ分けについては、1つのグループに対して複数の出荷先が属するようにグループ分けされており、上位入庫ライン3からの分岐搬送先として、1つの荷揃え装置1に対して1つのグループが割り当てられている。そして、例えば、図4に示す荷揃え装置1には、出荷先がA〜Hの8つの出荷先の物品2の荷揃えを行うように割り当てられている。これにより、図4に示す入庫ライン4には、出荷先がA〜Hの物品2が搬送されてくる。
【0047】
図4(a)及び図4(b)に示すように、物品数管理手段12は、出荷先がA〜Hの物品2の夫々について、出庫物品数及び搬送物品数(保管物品数)を管理している。このとき、最終物品搬送状態判別手段13は、分岐箇所24に向けて出荷先Aの物品2が搬送されていると判別すると、出荷先Aについての出庫物品数と搬送物品数とを比較して最終物品搬送状態であるか否かを判別する(ステップ#1)。図4(a)に示すように、搬送物品数(2)が出庫物品数(4)よりも2だけ小さいと、最終物品搬送状態判別手段13は、分岐箇所24に向けて搬送された物品2が出荷先Aの最終物品ではないとして、最終物品搬送状態ではないと判別する。そして、搬送状態切換手段14は、最終物品搬送状態判別手段13による最終物品搬送状態ではないとの判別に伴って、入庫搬送状態に切り換えて、分岐箇所24に向けて搬送された出荷先Aの物品2を入庫ライン4にて保管手段8まで搬送させて保管手段8にて複数の収納部19の何れかに収納させる(ステップ#2)。
このようにして、最終物品搬送状態判別手段13にて分岐箇所24に向けて搬送された物品2について最終物品搬送状態ではないと判別されると、その分岐箇所24に向けて搬送された物品2が入庫ライン4にて保管手段8まで搬送されて保管手段8に保管される。そして、分岐箇所24に向けて搬送された物品2について最終物品搬送状態であると判別されるまで、分岐箇所24に到達した物品2が入庫ライン4にて保管手段8まで搬送されて保管手段8に保管されていく。
【0048】
図4(b)に示すように、搬送物品数(3)が出庫物品数(4)よりも1だけ小さいと、分岐箇所24に向けて搬送された物品2が出荷先Aの最終物品2aであるとして、最終物品搬送状態判別手段13にて最終物品搬送状態であると判別する(ステップ#1)。そして、搬送状態切換手段14は、選択条件により入庫搬送状態か分岐搬送状態かの何れかを選択してその選択した側に切り換える(ステップ#3〜#5)。選択条件については、最終物品を分岐箇所24から分岐合流ライン11に分岐搬送させて出庫ライン10に合流搬送させるまでに要する第1時間と最終物品と同一種類の物品を保管手段8から出庫ライン10に出庫させるまでに要する第2時間とに基づいて、例えば、第2時間が第1時間よりも長くなるときには、入庫搬送状態を選択し、第2時間が第1時間以下のときには、分岐搬送状態を選択するための条件が定められている。そこで、搬送状態切換手段14は、分岐箇所24に向けて最終物品を搬送すると、第1時間及び第2時間を求めて第1時間と第2時間との大小関係を比較する。そして、搬送状態切換手段14は、第2時間が第1時間よりも長くなるときには入庫搬送状態に切り換え、第2時間が第1時間以下のときには分岐搬送状態に切り換える。
図4(b)に示すものでは、搬送状態切換手段14が分岐搬送状態に切り換えた場合を示しており、分岐箇所24に向けて搬送された出荷先Aの最終物品2aを分岐合流ライン11に分岐搬送させている。ちなみに、搬送状態切換手段14が入庫搬送状態に切り換えた場合については、図4(a)と同様である。
【0049】
最終物品搬送状態判別手段13にて最終物品搬送状態であると判別されると、出庫指令手段15は、分岐箇所24に出荷先Aの最終物品2aが到達すると、出庫すべき物品2の出荷先をAとして出庫手段9に対して出庫指令を行う(ステップ#6)。これにより、出庫手段9は、出庫指令手段15からの出庫指令にて指令された出荷先がAである物品2の全てを選び出して保管手段8から出庫ライン10に出庫する。
【0050】
このようにして、入庫搬送状態に切り換えられて出荷先Aの最終物品2aが保管手段8まで搬送された場合は勿論のこと、分岐搬送状態に切り換えられて出荷先Aの最終物品2aが分岐合流ライン11に分岐搬送された場合であっても、図4(c)に示すように、保管手段8から出庫された出荷先Aの物品2の全てと分岐合流ライン11にて分岐搬送された出荷先Aの物品2を合流させることになり、出荷先Aの物品2を搬送方向に一列に並ぶ状態で一纏めに区分けして出庫ライン10にて出庫する。
【0051】
ここで、図6に示すように、保管手段8から出庫部22に出庫された出荷先Aの物品2と分岐合流ライン11にて出庫ライン10の合流点に向けて搬送された出荷先Aの物品2とを出庫ライン10に合流搬送させるに当たり、保管手段8から出庫部22に出庫された物品2と分岐合流ライン11の物品2とを種類ごとで区分けして出庫ライン10にて合流搬送させる合流搬送手段30が設けられている。合流搬送手段30は、例えば、出庫ライン10への物品2の合流を許容する合流状態と物品2の合流を禁止する合流禁止状態とに切換自在な合流切換部31を備えて構成されている。合流搬送手段30の合流搬送制御装置は、図外の各種センサ等(例えば物品が通過したか否かを検出するセンサ)の検出情報に基づいて、出荷先Aの物品2の全てが出庫ライン10に合流されるまで出荷先Bの物品2の出庫ライン10への合流搬送を禁止し、出荷先Aの物品2の全てが出庫ライン10に合流されると出荷先Bの物品2の出庫ライン10への合流搬送を許容すべく、合流切換部31の作動を制御する。ちなみに、図4(c)に示すものでは、保管手段8から出庫された複数の物品2の搬送方向の後ろ側に分岐合流ライン11の物品2を合流させているが、同一種類の物品2を一纏めにすることができればよいので、保管手段8から出庫された複数の物品2に対してどの箇所に分岐合流ライン11の物品2を合流させるかは適宜変更が可能である。また、合流搬送手段30の構成については、合流切換部31を備える構成に限らず、例えば、分岐合流ライン11の搬送を停止する等により物品2の出庫ライン11への合流搬送を禁止することも可能であり、その他の構成を適応することも可能である。
【0052】
このようにして、合流搬送手段30を設けているので、例えば、保管手段8から出庫された物品2をある程度貯留しながら出庫ライン10に合流搬送させる構成を出庫部22等に備えさせ、分岐合流ライン11にて物品2を貯留しながら出庫ライン10に合流搬送させる構成を分岐合流ライン11に備えさせても、保管手段8から出庫された物品2と分岐合流ライン11の物品2とを種類ごとで区分けして出庫ライン10にて合流搬送させることができる。
【0053】
そして、図4や図6では、分岐箇所24に向けて出荷先Aの物品2を搬送させた場合を説明しているが、出荷先B〜Hの物品2についても同様に、分岐箇所24に向けて物品2を搬送させるたびに、その物品2の出荷先における最終物品2aであるか否かにより最終物品搬送状態であるか否かを判別する。これにより、出荷先B〜Hの物品2の夫々についても、最終物品2aが分岐箇所24に向けて搬送されるまでは、保管手段8に順次保管していき、最終物品2aが分岐箇所24に向けて搬送されると、入庫搬送状態と分岐搬送状態との何れかを選択して切り換え、分岐箇所24に最終物品2aが到達したことをもって、最終物品2a以外の同一出荷先の物品についての保管手段8から出庫ライン10への出庫を開始させ、出荷先が同一の物品2を搬送方向に一列に並ぶ状態で一纏めに区分けして出庫ライン10にて出庫している。
【0054】
ここで、物品数管理手段12は、保管物品数を搬送物品数として管理しておくことで、最終物品2aが分岐箇所24に到達したときに最終物品以外の物品2が未だ保管手段8に保管されていないときには、保管物品数が出庫物品数よりも1だけ小さい数にならないようにすることができる。よって、最終物品搬送状態判別手段13にて最終物品搬送状態ではないと判別することになり、搬送状態切換手段14を入庫搬送状態に切り換えさせることができる。これにより、最終物品2aを分岐箇所24に向けて搬送したときに、最終物品以外の物品2が未だ保管手段8に保管されていないときには、最終物品2aもそれ以外の物品2と同様に保管手段8に一旦保管したのち一纏めにして出庫ライン10に出庫させることができ、出庫ライン10にて種類ごとに物品2を一纏めに区分けすることを確実に行える。
【0055】
また、物品数管理手段12は、保管物品数を搬送物品数として管理しているが、分岐箇所24に設けられた情報読み取り装置25にて分岐箇所24に到達した物品2の出荷先がどこであるかを把握することができるので、情報読み取り装置25の読み取り情報に基づいて、搬送物品数を管理することもできる。
ちなみに、物品数管理手段12は、保管物品数と搬送物品数との両方を管理することもできる。これにより、最終物品搬送状態判別手段13は、搬送物品数から最終物品搬送状態であるか否かを判別するとともに、最終物品搬送状態であっても最終物品以外の物品2が未だ保管手段8に保管されていない未保管状態であるか否かをも判別することができる。そして、搬送状態切換手段14は、最終物品搬送状態判別手段13にて未保管状態であると判別されると、入庫搬送状態に切り換えることも可能である。
【0056】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態では、図7に示すように、保管手段8、出庫手段8、物品数管理手段12、最終物品搬送状態判別手段13、搬送状態切換手段14、及び、出庫指令手段15を1つの単位装置群16として、1つの入庫ライン4に対して複数の単位装置群16(例えば2つ)を設けている。ちなみに、図7に示すものでは、出庫ライン10及び分岐合流ライン11については複数の単位装置群16で兼用している。
【0057】
この第2実施形態では、1つの単位装置群16に対して複数の出荷先が割り当てられており、どの出荷先の物品2をどの単位装置群16にて荷揃えを行うかが定められている。
入庫ライン4には、複数の単位装置群16に割り当てられた出荷先の物品2が搬送されてくるので、入庫ライン4の物品2を単位装置群16ごとに仕分ける装置群仕分け手段17が設けられている。装置群仕分け手段17は、入庫ライン4の物品2を各単位装置群16の受入部21に分岐搬送させるプッシャー等の分岐部材(図示省略)を備えており、上位仕分け手段5の上位仕分け制御装置は、例えば情報読み取り装置にて読み取った出庫物品情報に基づいて、各単位装置群16に割り当てられた出荷先の物品2については、同一の受入部21に分岐搬送させるべく、分岐部材の作動を制御することにより、入庫ライン4の物品2を単位装置群16ごとに仕分けている。
【0058】
また、出庫ライン10は、複数の単位装置群16で兼用しているので、出庫ライン10には、複数の単位装置群16の夫々から出庫される物品2が合流搬送される。そこで、出庫ライン10にて種類ごとに物品2を搬送方向に一列に並ぶ状態で一纏めに区分けして搬送させるために、各単位装置群16から出庫される物品2を単位装置群16ごとで区分けして出庫ライン10に合流させる合流手段18が設けられている。合流手段18は、例えば、ある単位装置群16の出庫部22に出庫された物品2を出庫ライン10に合流させる場合に、図外の各種センサの検出情報等に基づいて、他の単位装置群16の出庫部22から出庫ライン10に物品2を合流させているか否かを判別し、合流させていないと判別すると、そのある単位装置群16の出庫部22から物品2を出庫ライン10に合流させるべく、出庫部22の作動を制御し、合流させていると判別すると、そのある単位装置群16の出庫部22から出庫ライン10への物品2の合流を禁止すべく、出庫部22の作動を制御する。合流手段18の構成については、出庫部22の作動を制御する構成に限らず、例えば、出庫部22から出庫ライン10への合流を許容する状態と禁止する状態とに切換自在な切換手段を備え、その切換手段の作動を制御する等により、各単位装置群16から出庫される物品2を単位装置群16ごとで区分けして出庫ライン10に合流させることも可能であり、その他の構成を適応することも可能である。
【0059】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、図8に示すように、上位入庫ライン3の搬送方向に隣接する荷揃え装置1同士における分岐合流ライン11及び出庫ライン10の一部を兼用して構成することもできる。ちなみに、図8では、荷揃え装置1に単位装置群16が1つ備えられている場合を示している。
図8に示すものでは、図中上方側に位置する荷揃え装置1の分岐合流ライン11に図中下方側に位置する荷揃え装置1の分岐合流ライン11を合流接続することにより、分岐合流ライン11の一部を兼用している。また、図中上方側に位置する荷揃え装置1の出庫ライン10に図中下方側に位置する荷揃え装置1の出庫ライン10を合流接続することにより、出庫ライン10の一部を兼用している。
【0060】
(2)上記実施形態では、保管手段8を、複数の収納部19を備えた物品収納棚20と、入庫ラインの物品2を受け入れる受入部21と複数の収納部19の夫々との間、及び、複数の収納部19の夫々と出庫ライン10に出庫する出庫部22との間で物品2を搬送自在な物品搬送装置23(例えばスタッカークレーン)とを備えて構成している。この構成に代えて、例えば、図9に示すように、保管手段8を、複数の収納部としての複数の貯留ライン30と、入庫ライン4の物品2を種類ごとに複数の貯留ライン30に仕分ける仕分け手段31とを備えて構成することもできる。仕分け手段31は、図示は省略するが、入庫ライン4の物品2を分岐搬送自在な分岐搬送部を備えており、物品2が仕分け先となる貯留ライン30に到達すると分岐搬送部にてその物品2を分岐搬送させて、図9に示すように、出荷先A〜Fごとに複数の貯留ライン30に仕分けている。この場合、複数の貯留ライン30の夫々は、貯留している物品2の全てを出庫ライン10に搬送自在に構成されており、出庫手段9は、出庫指令により指令された出荷先と同一出荷先の物品2を貯留ライン30にて出庫ライン10に出庫する。
【0061】
(3)上記実施形態において、物品の種類を物品の出荷先としているが、例えば、物品の種類を物品の品種とすることもでき、物品の種類をどのように定めるかは適宜変更が可能である。
【0062】
(4)上記実施形態において、選択条件を第1時間及び第2時間に基づいて定めているが、例えば、最終物品搬送状態判別手段13にて最終物品搬送状態と判別されていると、常時、分岐搬送状態を選択するための条件を選択条件とすることもできる。また、入庫搬送状態と分岐搬送状態とを切換自在な人為操作式の切換スイッチを設け、その切換スイッチが切り換えられている側を選択する条件を選択条件とすることもでき、各種の条件を選択条件として定めることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 荷揃え装置
2 物品
3 上位入庫ライン
4 入庫ライン
5 上位仕分け手段
8 保管手段
9 出庫手段
10 出庫ライン
11 分岐合流ライン
12 物品数管理手段
13 最終物品搬送状態判別手段
14 搬送状態切換手段
15 出庫指令手段
16 単位装置群
17 装置群仕分け手段
18 合流手段
19 収納部
20 物品収納棚
21 受入部
22 出庫部
23 物品搬送装置
24 分岐箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入庫ラインにて一列状態で順次搬送されてくる複数種の物品を受け入れて、複数の収納部の何れかにその物品の種類がどの種類であるかを識別して保管する保管手段と、
出庫指令により前記保管手段から出庫すべき物品の種類が指令されると、前記保管手段に保管されている物品から前記出庫指令により指令された種類と同一種類の物品の全てを選び出して前記保管手段から出庫ラインに出庫する出庫手段とが備えられている荷揃え装置であって、
前記入庫ラインにて搬送される物品を分岐搬送して前記保管手段を迂回させて前記出庫ラインに合流搬送させる分岐合流ラインと、
前記物品の複数の種類の夫々について、前記出庫ラインに出庫する物品の数を示す出庫物品数及び前記入庫ラインにおける前記分岐合流ラインの分岐箇所に向けて搬送された物品の数を示す搬送物品数を管理する物品数管理手段と、
前記物品数管理手段にて管理する前記出庫物品数及び前記搬送物品数に基づいて、前記物品の複数の種類の夫々について、前記出庫ラインに出庫すべき最後の物品である最終物品が前記分岐箇所に向けて搬送された最終物品搬送状態であるか否かを判別する最終物品搬送状態判別手段と、
前記最終物品搬送状態判別手段にて前記最終物品搬送状態と判別されるまでは、前記分岐箇所に向けて搬送された物品を前記入庫ラインにて前記保管手段まで搬送する入庫搬送状態に切り換え、前記最終物品搬送状態判別手段にて前記最終物品搬送状態と判別されると、前記入庫搬送状態と前記分岐箇所に向けて搬送された物品を前記分岐合流ラインにて分岐搬送させる分岐搬送状態とのうち選択条件に基づいて選択した側に切り換える搬送状態切換手段と、
前記物品の複数の種類の夫々について前記分岐箇所に前記最終物品が到達すると、前記分岐箇所に到達した最終物品と同一種類を前記保管手段から出庫すべき物品の種類として前記出庫手段に対して前記出庫指令を行う出庫指令手段とが備えられている荷揃え装置。
【請求項2】
前記選択条件は、前記最終物品を前記分岐箇所から前記分岐合流ラインに分岐搬送させて前記出庫ラインに合流搬送させるまでに要する第1時間と前記最終物品と同一種類の物品を前記保管手段から前記出庫ラインに出庫させるまでに要する第2時間とに基づいて定められている請求項1に記載の荷揃え装置。
【請求項3】
前記保管手段から出庫された物品と前記分岐合流ラインにて搬送される物品とを種類ごとで区分けして前記出庫ラインにて合流搬送させる合流搬送手段が設けられている請求項1又は2に記載の荷揃え装置。
【請求項4】
前記保管手段は、前記複数の収納部を備えた物品収納棚と、前記入庫ラインにて搬送される物品を受け入れる受入部と前記複数の収納部の夫々との間で物品を搬送自在な物品搬送装置とを備えて構成され、
前記物品搬送装置は、前記複数の収納部の夫々と前記出庫ラインに出庫する出庫部との間で物品を搬送自在に構成され、
前記出庫手段は、前記出庫指令により指令された種類と同一種類の物品を前記物品搬送装置にて前記出庫ラインに出庫する請求項1〜3の何れか1項に記載の荷揃え装置。
【請求項5】
前記保管手段は、前記複数の収納部としての複数の貯留ラインと、前記入庫ラインにて搬送される物品を種類ごとに前記複数の貯留ラインに仕分ける仕分け手段とを備えて構成され、
前記複数の貯留ラインの夫々は、貯留している物品の全てを前記出庫ラインに搬送自在に構成され、
前記出庫手段は、前記出庫指令により指令された種類と同一種類の物品を前記貯留ラインにて前記出庫ラインに出庫する請求項1〜3の何れか1項に記載の荷揃え装置。
【請求項6】
前記物品数管理手段は、前記搬送物品数として、前記保管手段に保管された物品の数を示す保管物品数を管理している請求項1〜5の何れか1項に記載の荷揃え装置。
【請求項7】
前記保管手段、前記出庫手段、前記物品数管理手段、前記最終物品搬送状態判別手段、前記搬送状態切換手段、及び、前記出庫指令手段を1つの単位装置群として、1つの前記入庫ラインに対して複数の前記単位装置群が設けられ、
前記入庫ラインにて搬送される前記物品を前記単位装置群の前記保管手段ごとに仕分ける装置群仕分け手段と、
前記各単位装置群から出庫される物品を前記単位装置群ごとで区分けして合流させる合流手段とが設けられている請求項1〜6の何れか1項に記載の荷揃え装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項に記載の荷揃え装置が複数備えられ、
前記物品の種類が、1つ又は複数の種類が属するグループごとに区分けされ、
全ての前記物品の種類について順次物品を搬送する上位入庫ラインと、
前記上位入庫ラインの物品を前記グループごとに前記荷揃え装置の前記入庫ラインに仕分ける上位仕分手段とが備えられている荷揃えシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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