説明

落とし蓋

【課題】従来、鍋などの調理器具に用いられる落とし蓋には、金属や木製の物、樹脂製の物や使い捨ての紙製の物などがあったが、使い捨てでない落とし蓋であって、洗いやすく清潔にかつ使いやすく、パーツ数も少なく、さらに製造も容易な落とし蓋は存在しなかった。
【解決手段】上記の問題を解決するため、本発明は薄い軟質素材で落とし蓋の蓋板を作り、その蓋板の中央に設けた突起部にリングを通して蓋板1を絞ることにより、洗いやすい単一の蓋板でありながら鍋の大きさに合わせて大きさを変えることが可能であり、またパーツ数が少なく製造も容易な落とし蓋を提供可能とした。また、蓋板か突起部にリングを繋ぐリング保持部を設けてそれらを一体成形することにより、より使いやすく洗いやすく、作りやすい落とし蓋を提供可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍋などの調理器具に用いる落とし蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、落とし蓋には木製や金属製、樹脂製、紙製などのものがあった。
【0003】
その中には鍋などの大きさに合わせて落とし蓋の大きさを変えられるものもあり、金属や硬質な樹脂によって作られた扇状のパーツを組み合わせることで大きさを変えることを可能にしていた。
【0004】
そうしたパーツの組み合わせからなる落とし蓋はパーツの重なる部分に汚れが溜まることがあり、そのため落とし蓋の分解を容易にして洗いやすくしたものもあった。
【0005】
また、紙製の落とし蓋には外周を切り取ることで鍋の大きさに合わせるというものもあった。こうした紙製の落とし蓋は使い捨てであった。
【特許文献1】特開2008−279217
【特許文献2】特開2005−253939
【特許文献3】実用新案登録3142830号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、鍋の大きさにあわせて大きさを変えることが可能であり、同時にパーツ数が少なくて使いやすく、洗いやすく清潔な落とし蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では薄い軟質素材で落とし蓋の蓋板を作り、その中央に突起部を備え、蓋板より十分小さく突起部より十分大きいリングを用いる。
【0008】
また、蓋板又は突起部にリングを繋ぐヒモ、もしくは帯状のリング保持部を設ける。
【0009】
また、蓋板、突起部、保持部およびリングを一体成形もできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の落とし蓋は突起部を通すようにリングを蓋板に乗せ、突起部を引いて蓋板を絞ることで単一の蓋板でありながら落とし蓋の大きさを調節出来る。
【0011】
また、蓋板又は突起部にリングを繋ぐヒモ、もしくは帯状のリング保持部を設けることにより、リングを無くす可能性がなくなりさらに使いやすくなる。
【0012】
また、蓋板、突起部、リング保持部およびリングを一体成形にすることにより、より洗いやすくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1、図2、図3に基づいて説明する。
【0014】
図1は本発明に掛かる落とし蓋の図であり、図2はリング3を突起部2に通して蓋板1に乗せた状態を示し、図3は突起部2を引いて蓋板1を絞った状態を示す。
【0015】
蓋板1は耐熱のシリコン樹脂等の柔軟性に優れた軟質素材で作られており、突起部2、リング3、蓋板1の外周の一部より伸びるリング保持部4も同様の素材で一体に成形されている。突起部2には蓋板1を絞らずに使用する時にリング3を引っかけておくための突起が設けられている。
【0016】
蓋板1を絞って使用する場合図3のような状態で鍋などに入った材料の上に乗せられることになる。この時、突起部2の位置が高くなるため、突起部2を摘んで蓋を外すことは容易であるし、リング保持部4をお玉や菜箸で引っかけて持ち上げることも可能である。蓋板1をより確実に材料の上に広げるため、リング3の内部に金属などの重りとなる物を入れても良い。
【0017】
使用後はリング3を突起部2から外す事により、図1の平坦な状態に戻して洗うことが出来る。この時は全体が平坦であるため洗いやすく、リング3をフックなどに引っかけて落とし蓋を釣るし、干すことも容易であり清潔である。
【実施例1】
【0018】
図4は突起部2の先端にリング保持部4を設けた、本発明の実施例の図である。
【0019】
この場合、リング3の内側にリング保持部4を通す形で図4にあるような落とし蓋として使用できる状態になり、その逆の動作を行うことで洗いやすい状態になる。
【実施例2】
【0020】
図5はリング保持部4を設けずリング3が独立している本発明の落とし蓋の実施例の図である。
【0021】
この場合、リング3を金属のような重量のあるものにすることが容易であり、絞って蓋板1を小さくして用いる場合、蓋板1が確実に材料の上に伸びるようにしやすい。
【0022】
また、突起部2の上部にはリング3が外れないように左右に張り出す突起がある。この時突起部2は別の素材で作って取り付けても良いが、蓋板1と同じ柔軟な素材で一体成形している場合、突起を曲げてリング3を取りだし、分けて洗うことが可能である。

【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、鍋の大きさにあわせて大きさを変えることが可能であり、同時にパーツ数が少なくて使いやすく、洗いやすく清潔な落とし蓋を提供することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を実施するための最良の形態に掛かる、蓋板1と突起部2、リング3、蓋板1の外周の一部より伸びるリング保持部4が一体に成形された本発明の落とし蓋の斜視図。
【図2】図1の落とし蓋において、リング3を突起部2に通して蓋板1に乗せた本発明の落とし蓋の斜視図。
【図3】図2の落とし蓋において、突起部2を引いて蓋板1を絞った本発明の落とし蓋の斜視図。
【図4】本発明の実施例1に掛かる、突起部2の先端にリング保持部4が設けられた本発明の落とし蓋の斜視図。
【図5】本発明の実施例2に掛かる、リング保持部4を設けずリング3が独立している本発明の落とし蓋の斜視図。
【符号の説明】
【0025】
1 蓋板
2 突起部
3 リング
4 リング保持部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質素材で成形された蓋板の中央に突起部を備え、蓋板より十分小さく突起部より十分大きいリングを用い、リングを突起部に通して蓋板を絞ることで蓋板の大きさを調整出来ることを特徴とした落とし蓋。
【請求項2】
請求項1記載の落とし蓋において、蓋板又は突起部に、一端にリングを結合させたヒモ、もしくは帯状のリング保持部を備えてなることを特徴とした落とし蓋。
【請求項3】
請求項2記載の落とし蓋において、蓋板、突起部、リングおよびリング保持部が一体に成形されていることを特徴とした落とし蓋。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−97968(P2011−97968A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−252530(P2009−252530)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【特許番号】特許第4529004号(P4529004)
【特許公報発行日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(306031180)
【出願人】(307022963)
【Fターム(参考)】