説明

蒸気弁

【課題】高温・高圧下での信頼性を向上させることができる蒸気弁を提供する。
【解決手段】本発明による蒸気弁1は、弁座2を有する弁本体3と、弁座2に当接自在な弁体4と、一端部5aが弁体4に連結された弁棒5と、弁棒5の他端部5bに連結部材6を介して連結された駆動軸7と、駆動軸7に連結され、弁棒5を駆動する駆動装置8とを備えている。このうち連結部材6は、弁棒5の他端部5bに連結された弁棒側部材10と、この弁棒側部材10に固定されるとともに駆動軸7に連結された駆動軸側部材11とを有している。また、弁棒側部材10は耐熱材料により形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気タービンプラントにおいて使用される蒸気弁に係り、とりわけ、信頼性を向上させることができる蒸気弁に関する。
【背景技術】
【0002】
図8に、蒸気弁が用いられる一般的な蒸気タービンプラント80を示す。このような蒸気タービンプラント80は、ボイラー81から蒸気が主蒸気管82および蒸気弁(主蒸気止め弁83、蒸気加減弁84)を通って蒸気タービン85に供給され、蒸気タービン85において蒸気がもつ熱エネルギが運動エネルギに変換されて蒸気タービン85のロータを回転させ、この蒸気タービン85のロータにタービン軸86を介して連結された発電機87が発電するように構成されている。
【0003】
このうち蒸気弁は、一般に、弁座を有する弁本体と、この弁本体の弁座に当接自在な弁体と、この弁体の一端部に連結された弁棒と、この弁棒の他端部にカップリング(クロスヘッド)を介して連結された駆動軸と、駆動軸に連結され、弁棒を駆動する駆動装置とを備えている(例えば、特許文献1参照)。駆動装置に、この駆動装置を制御する制御装置が接続されている。このようにして、蒸気弁は、制御装置からの指令を受けて、駆動装置により弁棒が駆動されて弁体が弁座に対して離接し、蒸気弁の開度が制御されて、蒸気タービンに流入する蒸気の流量を遮断または調整することができるように構成されている。
【0004】
このような蒸気弁は、一般に、図9に示すように、弁棒88の他端部に弁棒側おねじ部89が形成され、カップリング90の弁棒88側に、この弁棒側おねじ部89に螺合する弁棒側めねじ部91が形成されている。同様にして、駆動軸92の一端部に駆動軸側おねじ部93が形成され、カップリング90の駆動軸92側に、この駆動軸側おねじ部93に螺合する駆動軸側めねじ部94が形成されている。
【0005】
ところで、近年、環境保全のためにCO2(二酸化炭素)の排出を抑制することが求められ、蒸気タービンプラントの発電効率を高くすることが積極的に進められている。すなわち、蒸気タービンに供給される蒸気の高温化、高圧化が計られ、具体的には、従来566℃であった蒸気の温度を700℃を超える温度に上昇させることが計画されている。
【特許文献1】特開2001−221008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このように高温化、高圧化された蒸気が蒸気弁を通流する場合、この高温の蒸気から弁本体、弁体および弁棒を介してカップリングに伝わる熱量が増大し、カップリングの温度が上昇する。一方、カップリングの弁棒側めねじ部には、蒸気弁の開閉状態に関わらず機械的応力が負荷されている。このため、蒸気弁に通流する蒸気の温度が高温化された場合に、カップリング、特にその弁棒側めねじ部が十分に信頼性を有するか否かが問題となる。
【0007】
このことに対処するために、カップリングを、全体として耐熱性を有する特殊な材料を用いて形成する方法が考えられる。しかしながら、この特殊な材料は一般的な材料に比べて市販性が劣り高価であるため、このような特殊な材料を多量に使用する場合、蒸気弁の製造コストが上昇するという問題がある。また、この特殊な材料を入手する入手期間が一般的な材料に比べて長くなるため、材料の調達が困難になるという問題もある。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、高温・高圧下での信頼性を向上させることができる蒸気弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、弁座を有する弁本体と、前記弁座に当接自在な弁体と、一端部が前記弁体に連結された弁棒と、前記弁棒の他端部に連結部材を介して連結された駆動軸と、前記駆動軸に連結され、前記弁棒を駆動する駆動装置と、を備え、前記連結部材は、前記弁棒の他端部に連結された弁棒側部材と、前記弁棒側部材に固定されるとともに前記駆動軸に連結された駆動軸側部材とを有し、前記弁棒側部材は耐熱材料により形成されていることを特徴とする蒸気弁である。
【0010】
本発明は、前記弁棒の前記他端部におねじ部が形成され、前記連結部材の前記弁棒側部材は、前記弁棒の前記おねじ部に螺合するめねじ部を含むことを特徴とする蒸気弁である。
【0011】
本発明は、前記弁棒側部材の前記めねじ部は、当該めねじ部の強度を増大させるめねじ補強部材からなり、前記めねじ補強部材は耐熱材料により形成されていることを特徴とする蒸気弁である。
【0012】
本発明は、前記弁棒の前記他端部に嵌込凹部が形成され、前記連結部材の前記弁棒側部材は、前記弁棒の前記嵌込凹部に嵌め込まれる係合部を有する第1弁棒側部材と、前記第1弁棒側部材に固定される第2弁棒側部材とを含み、前記第1弁棒側部材は耐熱材料により形成されていることを特徴とする蒸気弁である。
【0013】
本発明は、前記弁棒側部材と前記駆動軸側部材は、前記弁棒側部材と前記駆動軸側部材を貫通するボルトと、当該ボルトに螺合するナットとにより締結して固定され、前記ナットは前記駆動軸側部材の駆動軸側に位置することを特徴とする蒸気弁である。
【0014】
本発明は、前記耐熱材料はニッケル基合金からなることを特徴とする蒸気弁である。
【0015】
本発明は、弁座を有する弁本体と、前記弁座に当接自在な弁体と、一端部が前記弁体に連結され、他端部に弁棒側係合凹部が形成された弁棒と、前記弁棒の他端部に連結部材を介して連結され、前記連結部材側の一端部に駆動軸側係合凹部が形成された駆動軸と、前記駆動軸の他端部に連結され、前記弁棒を駆動する駆動装置と、を備え、前記連結部材は、前記弁棒および前記駆動軸に沿って延びる分割面を介して2つに分割された一対の分割部材を有し、前記各分割部材は、前記弁棒の前記弁棒側係合凹部に係合する弁棒側凸部と、前記駆動軸の前記駆動軸側係合凹部に係合する駆動軸側凸部とを含んでいることを特徴とする蒸気弁である。
【0016】
本発明は、前記連結部材の近傍に、当該連結部材に冷却気体を吹き付ける冷却気体吹付手段が設けられていることを特徴とする蒸気弁である。
【0017】
本発明は、前記連結部材の側面に、当該連結部材を冷却する冷却フィンが設けられていることを特徴とする蒸気弁である。
【0018】
本発明は、前記弁本体と前記連結部材との間に、当該弁本体から放出される熱を遮蔽して前記連結部材側へ伝達されることを防止する遮熱板が設けられていることを特徴とする蒸気弁である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、弁棒と駆動軸とを連結する連結部材のうち、弁棒の他端部に連結された弁棒側部材が耐熱材料により形成されている。このことにより、蒸気弁に高温の蒸気が通流して、連結部材の弁棒側部材の温度が上昇した場合においても、弁棒側部材が強度低下することを抑制することができる。このため、駆動装置により弁棒を確実に駆動させて弁体を弁座に対して開閉することができ、信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1および図2は、本発明の第1の実施の形態における蒸気弁を示す図である。このうち図1は、本発明の第1の実施の形態における蒸気弁の全体構成を示す概略図であり、図2は、本発明の第1の実施の形態における蒸気弁のカップリングを示す図である。
【0021】
まず、図1により蒸気弁1の全体構成について説明する。図1に示すように、蒸気弁1は、弁座2を有する弁本体3と、この弁座2に当接自在な弁体4と、一端部(下端部)5aが弁体4に連結された弁棒5とを備えている。このうち弁本体3は、ボイラー81(図8参照)から送られてくる高温の蒸気が流入する入口3aと、この流入した蒸気が弁体4と弁座2との間を通って蒸気タービン85(図8参照)に向けて流出する出口3bとを有している。
【0022】
また、弁棒5の他端部(上端部)5bにカップリング(連結部材)6を介して駆動軸7の一端部(下端部)7aが連結され、この駆動軸7の他端部(上端部)7bに弁棒5を駆動する駆動装置8が連結されている。さらに、駆動装置8に、この駆動装置8を制御する制御装置(図示せず)が接続されている。
【0023】
このうちカップリング6は、図2に示すように、弁棒5の他端部5bに連結された弁棒側部材10と、弁棒側部材10に固定されるとともに駆動軸7の一端部7aに連結された駆動軸側部材11とを有している。これら弁棒側部材10と駆動軸側部材11は溶接により固定され、弁棒側部材10と駆動軸側部材11との間に溶接部12が形成されている。本実施の形態において、溶接部12は、カップリング6の弁棒5方向の中央、すなわち上下方向の中央部よりも下側位置に設けられており、したがって、この弁棒側部材10の大きさは駆動軸側部材11の大きさよりも小さくなっている。
【0024】
図2を用いてカップリング6についてさらに詳細に述べると、弁棒5のカップリング6側の他端部5bに弁棒側おねじ部(おねじ部)13が形成されており、カップリング6の弁棒側部材10は、この弁棒側おねじ部13に螺合する弁棒側めねじ部(めねじ部)14を含んでいる。このことにより、弁棒側部材10は、その弁棒側めねじ部14を弁棒側おねじ部13に螺合して、弁棒5に連結することができるように構成されている。
【0025】
同様に、駆動軸7の一端部7aに駆動軸側おねじ部15が形成されており、カップリング6の駆動軸側部材11は、この駆動軸側おねじ部15に螺合する駆動軸側めねじ部16を含んでいる。このことにより、駆動軸側部材11は、その駆動軸側めねじ部16を駆動軸側おねじ部15に螺合して、駆動軸7に連結することができるように構成されている。
【0026】
また、カップリング6の弁棒側部材10は全体として耐熱材料により形成されている。この耐熱材料としては、後述する炭素鋼、クロムモリブデン鋼(CrMo鋼)などの一般的な材料よりも耐熱性を有していることが好ましく、例えばニッケル基合金を用いることが好適である。一方、駆動軸側部材11は、このような耐熱材料を用いることなく一般的な材料により形成されていることが好ましく、例えば炭素鋼、クロムモリブデン鋼を用いることが好適である。
【0027】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0028】
図1および図2に示す蒸気弁1において、ボイラー81(図8参照)から送られてきた高温の蒸気を蒸気タービン85(図8参照)に供給する場合、制御装置(図示せず)からの指令を受けて駆動装置8が、駆動軸7およびカップリング6を介して弁棒5を駆動して駆動装置8側(上方)へ移動させる。このことにより、弁棒5の一端部5aに連結された弁体4が弁本体3の弁座2から離れて蒸気弁1を開弁させることができる。この場合、ボイラー81から送られてきた高温の蒸気は弁本体3の入口3aを通って弁本体3内に流入し、弁体4と弁座2との間を通って弁本体3の出口3bから流出して蒸気タービン85へ供給される。この間、制御装置により蒸気弁1の開度が制御されるため、蒸気タービン85へ供給される高温の蒸気の流量を調整することができる。
【0029】
一方、蒸気タービン85に供給されていた高温の蒸気を遮断する場合、制御装置からの指令を受けて駆動装置8が駆動軸7およびカップリング6を介して弁棒5を駆動して弁本体3側(下方)へ移動させる。このことにより、弁棒5の一端部5aに連結された弁体4が弁本体3の弁座2に当接して蒸気弁1が閉じられ、蒸気タービンへ供給されていた高温の蒸気を遮断することができる。
【0030】
この間、弁本体3内に流入した高温の蒸気から弁体4および弁棒5を介してカップリング6の弁棒側部材10の弁棒側めねじ部14に熱が伝わり、この弁棒側めねじ部14の温度が上昇する。
【0031】
しかしながら、本実施の形態においては、弁棒側部材10は全体として耐熱材料により形成されているため、弁棒側めねじ部14が温度上昇した場合においてもこの弁棒側めねじ部14の強度が低下することを抑制することができる。このため、弁棒側部材10の弁棒側めねじ部14に負荷される機械的応力に対して確実に耐えることができる。
【0032】
このように本実施の形態によれば、弁棒5と駆動軸7とを連結するカップリング6のうち、弁棒5の弁棒側おねじ部13に螺合する弁棒側めねじ部14を含む弁棒側部材10が全体として耐熱材料により形成されている。このことにより、蒸気弁1に高温の蒸気が通流して弁棒側部材10の弁棒側めねじ部14の温度が上昇した場合においても、この弁棒側めねじ部14が強度低下することを抑制することができる。このため、駆動装置8により弁棒5を確実に駆動させて弁体4を弁座2に対して開閉することができ、高温・高圧下での信頼性を向上させることができる。
【0033】
また本実施の形態によれば、溶接部12の位置をカップリング6の軸方向の中央部よりも下側位置に設けたので、耐熱材料により形成されたカップリング6の弁棒側部材10の大きさは、一般的な材料により形成された駆動軸側部材11の大きさよりも小さくなっている。このため、耐熱材料を用いる量を少なくして、蒸気弁1の製造コストが上昇すること、および蒸気弁1を製造する際、または保守点検する際に材料を調達する期間が長くなることを抑制することができる。
【0034】
第2の実施の形態
次に、図3により、本発明の第2の実施の形態における蒸気弁について説明する。ここで図3は、本発明の第2の実施の形態における蒸気弁のカップリングを示す図である。
【0035】
図3に示す第2の実施の形態における蒸気弁においては、弁棒側部材が耐熱材料により形成されためねじ補強部材からなっている点が異なり、他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図3において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0036】
図3に示すように、弁棒側部材10は弁棒側めねじ部14からなり、この弁棒側めねじ部14は機械的強度を増大させるとともに耐熱材料により形成されためねじ補強部材17からなっている。このめねじ補強部材17は、コイルばねのような形状を有し、母材(駆動軸側部材11)に埋め込まれることにより強固なめねじを形成することができるものである。
【0037】
すなわち、図3に示すように、駆動軸側部材11に、めねじ補強部材17の形状に対応した穴11aが形成され、この穴11aに弁棒側部材10を構成するめねじ補強部材17が埋め込まれて固定されている。このとき、駆動軸側部材11に形成された穴11aは、めねじ補強部材17の外径に対応しているため、めねじ補強部材17の内径よりも大きな径を有している。このことにより、駆動軸側部材11に形成された穴11aに負荷される応力を緩和して低減させることができる。なお、このめねじ補強部材17としては、例えば、耐熱材料により形成されたヘリサート(登録商標)を用いることが好適である。
【0038】
このように本実施の形態によれば、弁棒側部材10は機械的強度を増大させるとともに耐熱材料により形成されためねじ補強部材17からなっている。このことにより、蒸気弁1に高温の蒸気が通流してこのめねじ補強部材17の温度が上昇した場合においても、このめねじ補強部材17が強度低下することを抑制することができる。このため、駆動装置8により弁棒5を確実に駆動させて弁体4を弁座2に対して開閉することができ、高温・高圧下での信頼性を向上させることができる。
【0039】
また本実施の形態によれば、カップリング6のうち耐熱材料により形成される部分は、弁棒側部材10を構成するめねじ補強部材17のみである。このため、耐熱材料を用いる量をより一層少なくして、蒸気弁1の製造コストが上昇すること、および蒸気弁1を製造する際、または保守点検する際に材料を調達する期間が長くなることを抑制することができる。
【0040】
第3の実施の形態
次に、図4により、本発明の第3の実施の形態における蒸気弁について説明する。ここで図4は、本発明の第3の実施の形態における蒸気弁のカップリングを示す図である。
【0041】
図4に示す第3の実施の形態における蒸気弁においては、カップリングの弁棒側部材は、弁棒の弁棒側おねじ部に螺合する弁棒側めねじ部を含み、耐熱材料により形成される第1弁棒側部材と、この第1弁棒側部材に固定される第2弁棒側部材とを有し、弁棒側部材の第2弁棒側部材と駆動軸側部材がボルトとナットとにより締結されて固定される点が異なり、他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図4において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0042】
図4に示すように、弁棒5は、弁棒本体20と、この弁棒本体20の駆動軸7側(弁棒5の他端部5b)に形成され、弁棒本体20の外径よりも小さな外径を有する弁棒側おねじ部21と、この弁棒本体20と弁棒側おねじ部21との間に形成された段部22とを有している。
【0043】
また、カップリング6の弁棒側部材10は、弁棒5の弁棒側おねじ部21に螺合する弁棒側めねじ部27を有する第1弁棒側部材(スリーブ)26と、第1弁棒側部材26に固定される第2弁棒側部材28とを有している。
【0044】
このうち第1弁棒側部材26は、第1部材本体29と、この第1部材本体29の外径よりも大きな外径を有する外周凸部30とを含んでいる。また、第2弁棒側部材28は、第1弁棒側部材26の外周凸部30の外径に対応する外径を有する第2部材本体31と、この第2部材本体31の内径よりも小さく、第1弁棒側部材26の第1部材本体29の外径に対応する内径を有する内周凸部32と、この内周凸部32により形成される嵌合穴33とを含んでいる。この嵌合穴33は、弁棒5の弁棒本体20の外径よりも小さい内径を有している。
【0045】
このような第2弁棒側部材28を弁棒5に連結させる場合、まず、第2弁棒側部材28の嵌合穴33に弁棒5の弁棒側おねじ部21を挿入させて第2弁棒側部材28を弁棒5の段部22に当接させる。その後、第1弁棒側部材26の弁棒側めねじ部27が弁棒5の弁棒側おねじ部21に螺合されて締め付けられる。このことにより、第2弁棒側部材28の嵌合穴33に第1弁棒側部材26の第1部材本体29が嵌合されるとともに、第2弁棒側部材28の内周凸部32が第1弁棒側部材26の外周凸部30と弁棒5の段部22との間に挟持され、第2弁棒側部材28が弁棒5に連結される。
【0046】
この第1弁棒側部材26は、耐熱材料により形成されている。これに対して、第2弁棒側部材28は、後述するように、耐熱材料により形成されることなく、一般的な材料により形成することができる。
【0047】
一方、駆動軸7は、駆動軸本体23と、この駆動軸本体23の弁棒5側(駆動軸7の一端部7a)に形成され、駆動軸本体23の外径よりも小さな外径を有する駆動軸側おねじ部24と、この駆動軸本体23と駆動軸側おねじ部24との間に形成された段部25とを有している。
【0048】
また、カップリング6の駆動軸側部材11は、駆動軸7の駆動軸側おねじ部24に螺合する駆動軸側めねじ部34を有している。このことにより、駆動軸側部材11は、その駆動軸側めねじ部34を駆動軸7の駆動軸側おねじ部24に螺合して駆動軸7の段部25に当接させ、駆動軸7に連結することができるように構成されている。なお、この駆動軸側部材11は、耐熱材料により形成されることなく、一般的な材料により形成されていることが好ましい。
【0049】
さらに、図4に示すように、弁棒側部材10と駆動軸側部材11は、弁棒側部材10の第2弁棒側部材28および駆動軸側部材11を貫通するボルト35と、当該ボルト35に螺合するナット36とにより締結して固定され、ナット36が駆動軸側部材11の駆動軸7側(上側)に位置している。
【0050】
図4に示す本実施の形態において、蒸気弁1(図1参照)に高温の蒸気が通流すると、弁本体3内に流入した高温の蒸気から弁体4および弁棒5を介してカップリング6の第1弁棒側部材26の弁棒側めねじ部27に熱が伝わり、この弁棒側めねじ部27の温度が上昇する。
【0051】
しかしながら上述したように、第1弁棒側部材26は耐熱材料により形成されているため、第1弁棒側部材26の弁棒側めねじ部27が温度上昇した場合においてもこの弁棒側めねじ部27の強度が低下することを抑制することができる。
【0052】
また、第2弁棒側部材28は第1弁棒側部材26にねじ連結されることなく、第2弁棒側部材28の嵌合穴33が第1弁棒側部材26の第1部材本体29に嵌合されて固定されている。このとき、第2弁棒側部材33の嵌合穴33は、第1弁棒側部材26の弁棒側めねじ部27の内径よりも大きな内径を有している。このことにより、この嵌合穴33に負荷される機械的応力を緩和して低減させることができる。このため、第2弁棒側部材28は耐熱材料により形成されることなく、一般的な材料により形成させることができる。
【0053】
このように本実施の形態によれば、弁棒5と駆動軸7とを連結するカップリング6の第1弁棒側部材26のうち、弁棒5の弁棒側おねじ部21に螺合する弁棒側めねじ部27を含む第1弁棒側部材26が耐熱材料により形成されている。このことにより、蒸気弁1に高温の蒸気が通流して第1弁棒側部材26の弁棒側めねじ部27の温度が上昇した場合においても、この弁棒側めねじ部27が強度低下することを抑制することができる。このため、駆動装置8により弁棒5を確実に駆動させて弁体4を弁座2に対して開閉することができ、高温・高圧下での信頼性を向上させることができる。
【0054】
また本実施の形態によれば、第2弁棒側部材28は、耐熱材料により形成されることなく一般的な材料により形成させることができる。カップリング6のうち耐熱材料により形成される部分は、弁棒側部材10のうちの第1弁棒側部材26のみである。このため、耐熱材料を用いる量をより一層少なくして、蒸気弁1の製造コストが上昇すること、および蒸気弁1を製造する際、または保守点検する際に材料を調達する期間が長くなることを抑制することができる。
【0055】
また本実施の形態によれば、ナット36を駆動軸側部材11の駆動軸7側(上側)に配置させてボルト35とナット36を締結して、弁棒側部材10と駆動軸側部材11とを固定させている。この場合、ナット36は高温の蒸気が通流する弁本体3とは反対側となる駆動軸7側に位置している。このことにより、ボルト35とナット36の締結部の温度が上昇して強度低下することを抑制することができ、この結果、耐熱材料により形成されたボルト35とナット36を用いることなく、一般的な材料により形成されたボルト35とナット36を用いて、信頼性を確保することができる。
【0056】
さらに、ナット36を駆動軸側部材11の駆動軸7側(上側)に配置したことにより、何らかの原因によりボルト35とナット36の締結が緩んでナット36がボルト35から外れるとボルト35が落下する。したがって、このようなボルト35とナット36の締結が緩んだ場合でも、そのような異常をカップリング6の駆動軸7側から容易に発見することができる。
【0057】
第4の実施の形態
次に、図5により、本発明の第4の実施の形態における蒸気弁について説明する。ここで図5は、本発明の第4の実施の形態おける蒸気弁のカップリングを示す図である。
【0058】
図5に示す第4の実施の形態における蒸気弁においては、カップリングの弁棒側部材が、弁棒の弁棒側嵌込凹部に嵌め込まれる弁棒側係合部を含み、耐熱材料により形成される第1弁棒側部材と、この第1弁棒側部材に固定される第2弁棒側部材とを有し、駆動軸側部材が、駆動軸の駆動軸側嵌込凹部に嵌め込まれる駆動軸側係合部を有している点が異なり、他の構成は、図4に示す第3の実施の形態と略同一である。なお、図5において、図4に示す第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0059】
図5に示すように、弁棒5は、弁棒本体40と、この弁棒本体の駆動軸7側(弁棒5の他端部5b)に形成され、湾曲した弁棒側嵌込凹部(嵌込凹部)41とを有している。この弁棒本体40と弁棒側嵌込凹部41との間に、弁棒本体40の外径よりも小さな外径を有する小径部42が形成され、さらに弁棒本体40と小径部42との間に、段部43が形成されている。
【0060】
また、カップリング6の弁棒側部材10は、弁棒5の弁棒側嵌込凹部41に嵌め込まれる弁棒側係合部(係合部)45を含む第1弁棒側部材(カラー)41と、第1弁棒側部材44に固定される第2弁棒側部材46とを有している。このうち第2弁棒側部材46は、弁棒5の小径部42の外径に対応する内径を有する被挟持部47と、この被挟持部47により形成される嵌合穴48とを含んでいる。
【0061】
また第1弁棒側部材44は、弁棒5および駆動軸7に沿って延びる分割面(図示せず)を介して2つに分割されている。このことにより、第2弁棒側部材46を弁棒5に連結させる場合、まず、第2弁棒側部材46の嵌合穴48に弁棒5の小径部42を挿入させて第2弁棒側部材46を弁棒5の段部43に当接させる。その後、2つに分割された各第1弁棒側部材44の弁棒側係合部45が弁棒5の弁棒側嵌込凹部41に嵌め込まれ、一体に結合される。このようにして、第2弁棒側部材46の嵌合穴48に弁棒5の小径部42が嵌合されるとともに、第2弁棒側部材46の被挟持部47が、第1弁棒側部材44と弁棒5の段部43との間に挟持され、第2弁棒側部材46が弁棒5に連結される。
【0062】
また、カップリング6の第1弁棒側部材44は、耐熱材料により形成されている。これに対して、第2弁棒側部材46は、耐熱材料により形成されることなく、一般的な材料により形成されていることが好ましい。
【0063】
一方、駆動軸7の一端部7aに駆動軸側嵌込凹部49が形成されている。カップリング6の駆動軸側部材11は、この駆動軸側嵌込凹部49に嵌め込まれる駆動軸側係合部50を有し、弁棒5および駆動軸7に沿って延びる分割面(図示せず)を介して2つに分割されている。このことにより、駆動軸側部材11は、その駆動軸側係合部50を駆動軸側嵌込凹部49に嵌め込み、駆動軸7に連結することができるように構成されている。なお、この駆動軸側部材11は、耐熱材料により形成されることなく、一般的な材料により形成されていることが好ましい。
【0064】
図5に示す本実施の形態において、蒸気弁1(図1参照)に高温の蒸気が通流すると、弁本体3内に流入した高温の蒸気から弁体4および弁棒5を介してカップリング6の第1弁棒側部材44の弁棒側係合部45に熱が伝わり、この弁棒側係合部45の温度が上昇する。
【0065】
しかしながら上述したように、第1弁棒側部材44は耐熱材料により形成されているため、弁棒側係合部45が温度上昇した場合においてもこの弁棒側係合部45の強度が低下することを抑制することができる。
【0066】
このように本実施の形態によれば、弁棒5と駆動軸7とを連結するカップリング6の弁棒側部材10うち、弁棒5の弁棒側嵌込凹部41に係合する弁棒側係合部45を含む第1弁棒側部材44が耐熱材料により形成されている。このことにより、蒸気弁1に高温の蒸気が通流して第1弁棒側部材44の弁棒側係合部45の温度が上昇した場合においても、この弁棒側係合部45が強度低下することを抑制することができる。また、弁棒5と第1弁棒側部材44はねじ連結されることがないため、第1弁棒側部材44に負荷される応力を緩和して低減させることができる。このため、駆動装置8により弁棒5を確実に駆動させて弁体4を弁座2に対して開閉することができ、高温・高圧下での信頼性を向上させることができる。
【0067】
また本実施の形態によれば、カップリング6の第1弁棒側部材44の弁棒側係合部45により係合される弁棒5の弁棒側嵌込凹部41が湾曲している。このことにより、この弁棒側嵌込凹部41に負荷される応力を緩和して低減することができ、信頼性を向上させることができる。
【0068】
さらに本実施の形態によれば、カップリング6のうち耐熱材料により形成される部分は、弁棒側部材10のうちの第1弁棒側部材44のみである。このため、耐熱材料を用いる量をより一層少なくして、蒸気弁1の製造コストが上昇すること、および蒸気弁1を製造する際、または保守点検する際に材料を調達する期間が長くなることを抑制することができる。
【0069】
第5の実施の形態
次に、図6により、本発明の第5の実施の形態における蒸気弁について説明する。ここで図6は、本発明の第5の実施の形態における蒸気弁のカップリングを示す図である。
【0070】
図6に示す第5の実施の形態における蒸気弁においては、カップリングは、弁棒および駆動軸に沿って延びる分割面を介して2つに分割された一対の分割部材を有し、各分割部材は、弁棒の弁棒側係合凹部に係合する弁棒側凸部と、駆動軸の駆動軸側係合凹部に係合する駆動軸側凸部とを含む点が異なり、他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図6において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0071】
図6に示すように、弁棒5の他端部5bに、弁棒側係合凹部60が形成されているとともに、駆動軸7の一端部7aに駆動軸側係合凹部61が形成されている。
【0072】
また、カップリング6は、弁棒5および駆動軸7に沿って延びる分割面62を介して2つに分割された一対の分割部材63を有している。各分割部材63は、弁棒5の弁棒側係合凹部60に係合する弁棒側凸部64と、駆動軸7の駆動軸側係合凹部61に係合する駆動軸側凸部65とを含んでいる。
【0073】
さらに、図6に示すように、各分割部材63は、各分割部材63を分割面62に対して直交する方向に貫通するボルト66と、当該ボルト66に螺合するナット67とにより締結して固定されている。
【0074】
このような各分割部材63を弁棒5および駆動軸7に連結させる場合、まず、各分割部材63の弁棒側凸部64を弁棒5の弁棒側係合凹部60に係合させるとともに、各分割部材63の駆動軸側凸部65を駆動軸7の駆動軸側係合凹部61に係合させて、各分割部材63を互いに当接させる。その後、ボルト66とナット67を用いて各分割部材63が締結されて固定される。このようにして、弁棒5と駆動軸7が連結される。
【0075】
図6に示す本実施の形態において、蒸気弁1(図1参照)に高温の蒸気が通流すると、弁本体3内に流入した高温の蒸気から弁体4および弁棒5を介してカップリング6の各分割部材63の弁棒側凸部64に熱が伝わり、この弁棒側凸部64の温度が上昇する。
【0076】
しかしながら、各分割部材63は、弁棒5に対してねじ連結されることがなく、その弁棒側凸部64が弁棒5の弁棒側係合凹部60に係合して、ボルト66とナット67を用いて締結されて弁棒5に連結されている。このことにより、各分割部材63の弁棒側凸部64に負荷される応力を緩和して低減させることができる。このため、各分割部材63は、耐熱材料により形成されることなく、一般的な材料により形成させることができる。
【0077】
このように本実施の形態によれば、カップリング6は、弁棒5および駆動軸7に沿って延びる分割面62を介して2つに分割された一対の分割部材63を有し、各分割部材63は、弁棒5の弁棒側係合凹部60に係合する弁棒側凸部64と、駆動軸7の駆動軸側係合凹部61に係合する駆動軸側凸部65とを含み、ボルト66とナット67により締結されて固定されている。このことにより、各分割部材63の弁棒側凸部64に負荷される応力を低減させることができ、蒸気弁1に高温の蒸気が通流してカップリング6の各分割部材63の弁棒側凸部64の温度が上昇した場合においても、この弁棒側凸部64が強度低下することを抑制することができる。このため、駆動装置8により弁棒5を確実に駆動させて弁体4を弁座2に対して開閉することができ、高温・高圧下での信頼性を向上させることができる。
【0078】
また本実施の形態によれば、カップリング6の各分割部材63は、耐熱材料を用いることなく一般的な材料により形成させることができる。このため、蒸気弁1の製造コストが上昇すること、および蒸気弁1を製造する際、または保守点検する際に材料を調達する期間が長くなることを抑制することができる。
【0079】
第6の実施の形態
次に、図7により、本発明の第6の実施の形態における蒸気弁について説明する。ここで図7は、本発明の第6の実施の形態における蒸気弁を示す図である。
【0080】
図7に示す第6の実施の形態における蒸気弁においては、カップリングの近傍にカップリングに冷却気体を吹き付ける冷却気体吹付手段が設けられ、カップリングの側面にカップリングを冷却する冷却フィンが設けられ、弁本体とカップリングとの間に弁本体から放出される熱を遮蔽する遮熱板が設けられている点が異なり、他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図7において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0081】
図7に示すように、カップリング6の近傍に、冷却ノズル70aを有し、カップリング6に冷却気体(好ましくは圧縮空気)を吹き付ける冷却気体吹付手段70が設けられている。
【0082】
また、カップリング6の側面に、このカップリング6を冷却する冷却フィン71が設けられている。この冷却フィン71は、ニッケル基合金などの耐熱材料、および炭素鋼、クロムモリブデン鋼などの一般的な材料よりも伝熱性の良い材料により形成されていることが好ましい。このことによりカップリング6を効率良く冷却することができる。
【0083】
さらに、弁本体3とカップリング6との間に、この弁本体3から放出される熱を遮蔽してカップリング6側へ伝達されることを防止する遮熱板72が設けられている。
【0084】
図7に示す本実施の形態において、蒸気弁1(図1参照)に高温の蒸気が通流すると、弁本体3内に流入した高温の蒸気から、まず弁本体3および弁体4に熱が伝わり、その後弁棒5を介してカップリング6に熱が伝わり、このカップリング6の温度が上昇する。
【0085】
しかしながら、この間、カップリング6の近傍に設けられた冷却気体吹付手段70の冷却ノズル70aから冷却気体が吹き付けられ、カップリング6の側面に設けられた冷却フィン71から、カップリング6に伝わった熱が効率良く放出される。また、弁本体3とカップリング6との間に設けられた遮熱板72により、この弁本体3から放出される熱が遮蔽される。
【0086】
このように本実施の形態によれば、カップリング6の近傍に冷却気体吹付手段70が設けられ、このカップリング6の側面に冷却フィン71が設けられ、さらに、弁本体3とカップリング6との間に遮熱板72が設けられている。このことにより、弁本体3からカップリング6に伝わった熱を効率良く放出することができるとともに、弁本体3から放出される熱がカップリング6に伝達されることを防止することができる。このため、カップリング6の温度が上昇して機械的強度が低下することを抑制することができる。この結果、駆動装置8により弁棒5を確実に駆動させて弁体4を弁座2に対して開閉することができ、高温・高圧下での信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態における蒸気弁の全体構成を示す概略図。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態における蒸気弁のカップリングを示す図。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態における蒸気弁のカップリングを示す図。
【図4】図4は、本発明の第3の実施の形態における蒸気弁のカップリングを示す図。
【図5】図5は、本発明の第4の実施の形態おける蒸気弁のカップリングを示す図。
【図6】図6は、本発明の第5の実施の形態おける蒸気弁のカップリングを示す図。
【図7】図7は、本発明の第6の実施の形態おける蒸気弁の全体構成を示す図。
【図8】図8は、一般的な蒸気タービンプラントを示す図。
【図9】図9は、従来の蒸気弁のカップリングを示す図。
【符号の説明】
【0088】
1 蒸気弁
2 弁座
3 弁本体
3a 入口
3b 出口
4 弁体
5 弁棒
5a 一端部
5b 他端部
6 カップリング
7 駆動軸
7a 一端部
7b 他端部
8 駆動装置
10 弁棒側部材
11 駆動軸側部材
11a 穴
12 溶接部
13 弁棒側おねじ部
14 弁棒側めねじ部
15 駆動軸側おねじ部
16 駆動軸側めねじ部
17 めねじ補強部材
20 弁棒本体
21 弁棒側おねじ部
22 段部
23 駆動軸本体
24 駆動軸側おねじ部
25 段部
26 第1弁棒側部材
27 弁棒側めねじ部
28 第2弁棒側部材
29 第1部材本体
30 外周凸部
31 第2部材本体
32 内周凸部
33 嵌合穴
34 駆動軸側めねじ部
35 ボルト
36 ナット
40 弁棒本体
41 弁棒側嵌込凹部
42 小径部
43 段部
44 第1弁棒側部材
45 弁棒側係合部
46 第2弁棒側部材
47 被挟持部
48 嵌合穴
49 駆動軸側嵌込凹部
50 駆動軸側係合部
60 弁棒側係合凹部
61 駆動軸側係合凹部
62 分割面
63 分割部材
64 弁棒側凸部
65 駆動軸側凸部
66 ボルト
67 ナット
70 冷却気体吹付手段
70a 冷却ノズル
71 冷却フィン
72 遮熱板
80 蒸気タービンプラント
81 ボイラー
82 主蒸気管
83 主蒸気止め弁
84 蒸気加減弁
85 蒸気タービン
86 タービン軸
87 発電機
88 弁棒
89 弁棒側おねじ部
90 カップリング
91 弁棒側めねじ部
92 駆動軸
93 駆動軸側おねじ部
94 駆動軸側めねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座を有する弁本体と、
前記弁座に当接自在な弁体と、
一端部が前記弁体に連結された弁棒と、
前記弁棒の他端部に連結部材を介して連結された駆動軸と、
前記駆動軸に連結され、前記弁棒を駆動する駆動装置と、を備え、
前記連結部材は、前記弁棒の他端部に連結された弁棒側部材と、前記弁棒側部材に固定されるとともに前記駆動軸に連結された駆動軸側部材とを有し、
前記弁棒側部材は耐熱材料により形成されていることを特徴とする蒸気弁。
【請求項2】
前記弁棒の前記他端部におねじ部が形成され、
前記連結部材の前記弁棒側部材は、前記弁棒の前記おねじ部に螺合するめねじ部を含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸気弁。
【請求項3】
前記弁棒側部材の前記めねじ部は、当該めねじ部の強度を増大させるめねじ補強部材からなり、
前記めねじ補強部材は耐熱材料により形成されていることを特徴とする請求項2に記載の蒸気弁。
【請求項4】
前記弁棒の前記他端部に嵌込凹部が形成され、
前記連結部材の前記弁棒側部材は、前記弁棒の前記嵌込凹部に嵌め込まれる係合部を有する第1弁棒側部材と、前記第1弁棒側部材に固定される第2弁棒側部材とを含み、
前記第1弁棒側部材は耐熱材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気弁。
【請求項5】
前記弁棒側部材と前記駆動軸側部材は、前記弁棒側部材と前記駆動軸側部材を貫通するボルトと、当該ボルトに螺合するナットとにより締結して固定され、前記ナットは前記駆動軸側部材の駆動軸側に位置することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の蒸気弁。
【請求項6】
前記耐熱材料はニッケル基合金からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の蒸気弁。
【請求項7】
弁座を有する弁本体と、
前記弁座に当接自在な弁体と、
一端部が前記弁体に連結され、他端部に弁棒側係合凹部が形成された弁棒と、
前記弁棒の他端部に連結部材を介して連結され、前記連結部材側の一端部に駆動軸側係合凹部が形成された駆動軸と、
前記駆動軸の他端部に連結され、前記弁棒を駆動する駆動装置と、を備え、
前記連結部材は、前記弁棒および前記駆動軸に沿って延びる分割面を介して2つに分割された一対の分割部材を有し、
前記各分割部材は、前記弁棒の前記弁棒側係合凹部に係合する弁棒側凸部と、前記駆動軸の前記駆動軸側係合凹部に係合する駆動軸側凸部とを含んでいることを特徴とする蒸気弁。
【請求項8】
前記連結部材の近傍に、当該連結部材に冷却気体を吹き付ける冷却気体吹付手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の蒸気弁。
【請求項9】
前記連結部材の側面に、当該連結部材を冷却する冷却フィンが設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の蒸気弁。
【請求項10】
前記弁本体と前記連結部材との間に、当該弁本体から放出される熱を遮蔽して前記連結部材側へ伝達されることを防止する遮熱板が設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の蒸気弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−121523(P2010−121523A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295865(P2008−295865)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(395009938)東芝アイテック株式会社 (82)
【Fターム(参考)】