蓋の固定構造及び蓋の固定方法
【課題】各種のコンクリート構造物を施工する際などに好適に採用することのできる蓋の固定構造を提供する。
【解決手段】側溝用の天板100を、開口部111が設けられた開口版(開口部材)110と、一対のコンクリート版120と、グレーチング版130とで構成するとともに、コンクリート版120における反対側を向く一対の面α1,α2を下広がりに傾斜して形成し、グレーチング版130の面β1を面α1とは逆傾斜で形成し、開口版110における面γ1を面α2とは逆傾斜で形成した。これにより、開口部111の両端部に一対のコンクリート版120を嵌め込んだ後に、開口部111の中央部にグレーチング版130を嵌め込み、グレーチング版130を開口版110に対して固定した際に、コンクリート版120が、面β1と面γ1との間で楔状に保持された状態となるようにすることができる。
【解決手段】側溝用の天板100を、開口部111が設けられた開口版(開口部材)110と、一対のコンクリート版120と、グレーチング版130とで構成するとともに、コンクリート版120における反対側を向く一対の面α1,α2を下広がりに傾斜して形成し、グレーチング版130の面β1を面α1とは逆傾斜で形成し、開口版110における面γ1を面α2とは逆傾斜で形成した。これにより、開口部111の両端部に一対のコンクリート版120を嵌め込んだ後に、開口部111の中央部にグレーチング版130を嵌め込み、グレーチング版130を開口版110に対して固定した際に、コンクリート版120が、面β1と面γ1との間で楔状に保持された状態となるようにすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部が設けられた開口部材と、前記開口部を覆う複数の開口部用蓋版とを用いる蓋の固定構造に関する。また、この蓋の固定構造を用いて開口部用蓋版を開口部材に固定する蓋の固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路脇などに設けられる側溝は、断面U字状の側溝本体の上面を蓋で塞いだ形態のものや、門型の側溝本体の開口部を蓋で塞いだ形態のものが一般的となっている。この種の側溝において、その蓋の多くは、厚手で重量の重いコンクリート版が使用されている。このため、側溝を新規に施工する場合や、古くなった側溝を改修する場合や、側溝のメンテナンスを行う場合などには、重い蓋を持ち上げなければならず、作業員の肉体に多大な負担を強いていた。したがって、蓋の全体をグレーチング版として軽量化することも行われている。しかし、蓋を軽量化すると、その上を自動車などが通過した際に蓋が跳ね上がりやすくなるという別の問題が生ずる。このため、蓋としてグレーチング版を使用する場合には、通常、ボルトなどの固定手段を用いて蓋を側溝本体に固定する。ところが、グレーチング版は、コンクリート版よりも値段が高いという欠点があった。
【0003】
このような実状に鑑みてか、これまでには、中央に開口部を有するコンクリートスラブからなる開口版と、前記開口部における特定の区画を覆うコンクリート版と、前記開口部における前記特定の区画に隣接する他の区画を覆うグレーチング版とでその天板を構成した側溝も提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1には、上記の構成を採用することにより、天板を持ち上げる際に手掛かりとなる切欠が不用あるいは小さくできて安全性に優れ、かつ、排水効率が高いにもかかわらず経済的なものとすることができる旨も記載されている。
【0004】
ところが、特許文献1の側溝において、グレーチング版(同文献の図1〜8における符号35で示される部分)は、ロック用の支持棒(同文献の図8〜10における符号29で示される部分)にフック(同文献の図8における符号51で示される部分)を掛止することにより開口版に留められるものの、コンクリート版は、開口版に対して直接的に固定されない。このため、天板の上を自動車などが通過する際には、コンクリート版がガタついて騒音や振動が発生してしまう。重量のあるコンクリート版を使用することにより、その跳ね上がりを防止できたとしても、そのガタツキまでは防止することができないからである。コンクリート版のガタツキを防ぐために、グレーチング版だけでなくコンクリート版まで、上記のロック用の支持棒とフックで留めるようにするのでは、天板の製造コストが高くなってしまう。特に、開口部材の開口部を覆うコンクリート版やグレーチング版を小型化・軽量化して、側溝を施工、改修、メンテナンスする際の作業の省力化を図る場合には、従来よりもコンクリート版やグレーチング版の設置枚数が増加するため、コンクリート版やグレーチング版を開口版に固定する際の手間も増加し、かえって施工性が低下するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−003440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、開口部材に設けられた開口部に複数の開口部用蓋版を嵌め込んで固定する蓋の固定構造であって、全ての開口部用蓋版が開口部材に対してしっかりと固定され、それらの開口部用蓋版がガタついたり、跳ね上がったりするおそれがなく、かつ、開口部材へ開口部用蓋版を固定する際の手間を軽減することもでき、各種のコンクリート構造物を施工する際にも好適に採用することのできる蓋(開口部用蓋版)の固定構造をできるだけ安価に提供するものである。また、この蓋の固定構造を用いて開口部用蓋版を開口部材に固定する蓋(開口部用蓋版)の固定方法を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、開口部が設けられた開口部材と、前記開口部における特定の区画を覆う開口部用蓋版Aと、前記開口部における前記特定の区画に隣接する他の区画を覆う開口部用蓋版Bと、を用いる蓋の固定構造であって、前記開口部における前記特定の区画に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部における前記他の区画に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Aが開口部材に対して保持された状態となるようにしたことを特徴とする蓋の固定構造を提供することによって解決される。本発明の蓋の固定構造は、その用途を限定されるものではないが、側溝や水路など、蓋で塞ぐ必要のあるコンクリート構造物に好適に採用することができる。この種のコンクリート構造物は、重量があるため、施工性を向上する要求が強いからである。側溝としては、断面U字状の一般的な側溝や、断面逆U字状の自由勾配側溝(天端に開口部が設けられた門型の側溝本体を有する側溝)などが例示される。また、ボックスカルバートやスラブなどに設けられた開口部を塞ぐために使用する蓋の固定構造にも採用することができる。
【0008】
本発明の蓋の固定構造において、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Aが開口部材に対して保持された状態とするための具体的な構成は、特に限定されない。しかし、以下の構成を採用すると好ましい。すなわち、開口部用蓋版Aの外周面を構成する各面のうち、互いに反対側を向く一対の面α1,α2を下広がりとなるように傾斜して形成し、開口部用蓋版Bの外周面を構成する各面のうち、開口部用蓋版Aの面α1と接触する面β1を面α1とは逆傾斜で形成し、開口部材における前記開口部を形成する各内周面のうち、開口部用蓋版Aの面α2と接触する面γ1を面α2とは逆傾斜で形成し、前記開口部における前記特定の区画に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部における前記他の区画に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Bの面β1で開口部用蓋版Aの面α1が押されて、開口部用蓋版Bの面β1と前記開口部の面γ1との間で開口部用蓋版Aが開口部材に対して楔状に保持された状態となるようにすると好ましい。これにより、開口部材に対する開口部用蓋版Bの固定を外さない限りは、開口部用蓋版Aも開口部材から取り外すことができない構造とすることができる。
【0009】
また、本発明の蓋の固定構造においては、開口部用蓋版Aの面α1又は開口部用蓋版Bの面β1にゴムシートを貼り付けることも好ましい。これにより、開口部用蓋版Bに対する開口部用蓋版Aのガタツキを防止することが可能になる。したがって、開口部用蓋版Aや開口部用蓋版Bの上側を自動車などが通過する際に発生する騒音や振動を低減するだけでなく、開口部用蓋版Aや開口部用蓋版Bの破損を防止することも可能になり、開口部用蓋版Aや開口部用蓋版Bの耐久性を高めることが可能となる。同様の理由で、開口部用蓋版Aの面α2又は前記開口部の面γ1にゴムシートを貼り付けることも好ましい。これにより、開口部材に対する開口部用蓋版Aのガタツキを防止することが可能になる。さらに、本発明の蓋の固定構造において、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で固定する手段は、特に限定されないが、通常、ボルトが用いられる。
【0010】
さらにまた、本発明の蓋の固定構造において、開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bで覆われる前記開口部は、1つの開口部材に対して1箇所のみ設けてもよいし、複数箇所に設けてもよい。開口部材の大きさや形状などに応じて適宜決定される。また、開口部用蓋版Aと開口部用蓋版Bは、1つの開口部に対して1枚ずつのみ嵌め込んでもよいが、1つの開口部に対して、開口部用蓋版Aや開口部用蓋版Bを複数枚ずつ嵌め込んでもよい。例えば、一対(2枚)の開口部用蓋版Aで前記開口部における両端部を覆い、1枚の開口部用蓋版Bで前記開口部における中央部を覆う場合などが挙げられる。このような構成を採用することにより、前記開口部の両端部に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部の中央部に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で固定すると、一対の開口部用蓋版Aが開口部用蓋版Bによってそれぞれ外側(前記開口部の両端部に向かう向き)に押されて、開口部用蓋版Bの面β1と前記開口部の面γ1との間で楔状に保持された状態となるようにすることができる。
【0011】
ところで、本発明の蓋の固定構造において、開口部材、開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bを形成する素材は、蓋の固定構造の用途などによって異なり、特に限定されない。しかし、開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bの少なくとも一方は、コンクリートにより形成されたものであると好ましい。コンクリートによって形成された開口部用蓋版は、重量があるため、開口部用蓋版を小型化・軽量化して省力化を図る場合には、本発明の蓋の固定構造を採用して施工性を向上する意義があるからである。開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bの少なくとも一方をコンクリートによって形成した場合には、強度などを考慮して、それを固定する開口部材も、通常、コンクリートにより形成される。また、本発明の蓋の固定構造を、側溝用の天板などに採用する場合には、開口部材及び開口部用蓋板Aを、コンクリートにより形成し、開口部用蓋版Bをグレーチングにより形成すると好ましい。これにより、本発明の蓋の固定構造を用いた複合構造体(側溝用の天板など)を、跳ね上がりにくく安価であるというコンクリートの利点と、取り扱いやすく施工が容易であるというグレーチングの利点を兼ね合わせたものとすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によって、開口部材に設けられた開口部に複数の開口部用蓋版を嵌め込んで固定する蓋の固定構造であって、全ての開口部用蓋版が開口部材に対してしっかりと固定され、それらの開口部用蓋版がガタついたり、跳ね上がったりするおそれがなく、かつ、開口部材へ蓋を固定する際の手間を軽減することもでき、各種のコンクリート構造物を施工する際にも好適に採用することのできる蓋の固定構造をできるだけ安価に提供することが可能になる。また、この固定構造を用いて開口部用蓋版を開口部材に固定する蓋の固定方法を提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部をコンクリート版(開口部用蓋板A)とグレーチング版(開口部用蓋版B)とで覆う前の状態を示した斜視図である。
【図2】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部の両端部をコンクリート版(開口部用蓋版A)で覆った後の状態を示した斜視図である。
【図3】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部の両端部をコンクリート版(開口部用蓋版A)で覆った後の状態を図2のx1−x1面で切断した断面図である。
【図4】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部をコンクリート版(開口部用蓋版A)とグレーチング版(開口部用蓋版B)とで覆った後の状態を示した斜視図である。
【図5】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部をコンクリート版(開口部用蓋版A)とグレーチング版(開口部用蓋版B)とで覆った後の状態を図4のx1−x1面で切断した断面図である。
【図6】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成する開口版(開口部材)の平面図である。
【図7】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成する開口版(開口部材)を図6におけるx1−x1面で切断した断面図である。
【図8】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成する開口版(開口部材)を図6におけるy1−y1面で切断した断面図である。
【図9】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するコンクリート版(開口部用蓋版A)の平面図である。
【図10】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するコンクリート版(開口部用蓋版A)の側面図である。
【図11】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するコンクリート版(開口部用蓋版A)の正面図である。
【図12】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するグレーチング版(開口部用蓋版B)の平面図である。
【図13】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するグレーチング版(開口部用蓋版B)の側面図である。
【図14】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するグレーチング版(開口部用蓋版B)の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.蓋の固定構造の概要
本発明の蓋の固定構造の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、開口部が設けられた開口版と、前記開口部における所定箇所を覆うコンクリート版及びグレーチング版とで構成された側溝用の天板を例に挙げて、本発明の蓋の固定構造を説明する。以下の説明文中、「開口版」は、上述した「開口部材」に対応し、「コンクリート版」は、上述した「開口部用蓋版A」に対応し、「グレーチング版」は、上述した「開口部用蓋版B」に対応する。すなわち、本実施態様の「蓋の固定構造」における「蓋」は、「天板」や「開口版」を指すのではなく、「開口部用蓋版A」と「開口部用蓋版B」を指すことに注意されたい。図1は、開口部11をコンクリート版120とグレーチング版130とで覆う前における天板100を示した斜視図である。図2は、開口部11の両端部をコンクリート版120で覆った後における天板100を示した斜視図である。図3は、開口部11の両端部をコンクリート版120で覆った後における天板100を図2のx1−x1面で切断した断面図である。図4は、開口部11をコンクリート版120とグレーチング版130とで覆った後における天板100を示した斜視図である。図5は、開口部11をコンクリート版120とグレーチング版130とで覆った後における天板100を図4のx1−x1面で切断した断面図である。
【0015】
本実施態様の天板100は、図1に示すように、メンテナンス用の開口部111が設けられた開口版110と、開口部111における両端部を覆う一対のコンクリート版120と、開口部111における中央部を覆うグレーチング版130とで構成されたものとなっている。この天板100は、図2,3に示すように、開口版110の開口部111における両端部にそれぞれコンクリート版120を嵌め込んだ後に、図4,5に示すように、開口部111における中央部にグレーチング版130を嵌め込み、グレーチング版130を開口版110に対して下向きに押さえ付けた状態で開口版110とグレーチング版130とを固定することにより、コンクリート版120が開口版110に対して保持された状態となるものとなっている。天板100には、天板100の上面を流れる水を天板100の裏側に導くための導水溝及び導水孔が、天板100の長手方向中心線に沿ってスリット状に設けられている。
【0016】
2.開口版
開口版110は、図6〜8に示すように、平面視略矩形状の厚板となっており、その中央部に開口部111が設けられた枠体となっている。図6は、開口版110の平面図である。図7は、開口版110を図6におけるx1−x1面で切断した断面図である。図8は、開口版110を図6におけるy1−y1面で切断した断面図である。開口版110の材質は、必要な強度を発揮できるのであれば特に限定されないが、成形の容易さや、コストなどを考慮して、通常、コンクリートとされる。本実施態様の天板100においては、鉄筋を配した厚板状のコンクリートスラブを開口版110として利用している。
【0017】
開口部11は、図6に示すように、開口版110の長手方向に沿って設けられた平面視略矩形状のものとなっている。開口部111における長手方向に沿った一対の側縁には、図6に示すように、第一段部111aと第二段部111bとが形成されている。第一段部111aは、図5に示すように、コンクリート版120の側縁を載せるための部分となっており、開口部111の前記側縁における両端部に形成されている。一方、第二段部111bは、図5に示すように、グレーチング版130の側縁を載せるための部分となっており、開口部111の前記側縁における中央部に形成されている。このように、第一段部111a及び第二段部111bを設けるとこにより、コンクリート版120やグレーチング版130の位置決めが容易になるなど、天板100をより容易に施工することができるようになっている。
【0018】
第一段部111a及び第二段部111bを設ける高さは、特に限定されないが、通常、それらにコンクリート版120及びグレーチング版130を載せた際に、コンクリート版120及びグレーチング版130の上面が開口版110の上面と面一となる高さに設定される。これにより、施工後の天板100の上面を平坦に形成することができる。図5に示すように、本実施態様の天板100においては、コンクリート版120の方がグレーチング版130よりも厚く形成されているため、第一段部111a(低段部)は、第二段部111b(高段部)よりも低く設定されている。グレーチング版130の側縁を載せる第二段部111bの上面には、グレーチング版130を開口版110に固定するボルト140(図4を参照)を固定するためのボルト穴が設けられている。
【0019】
開口版110における開口部111を形成する各内周面のうち、開口版110の長手方向に対向する一対の面γ1は、図7に示すように、逆傾斜(垂直よりも切り立った逆勾配の状態)で形成されている。この面γ1には、図5に示すように、コンクリート版120及びグレーチング版130で開口部111を塞いだ際に、コンクリート版120の面α2が面接触するようになっている。このため、面γ1の逆傾斜角度θ4(図7を参照)は、面α2の傾斜角度θ2と一致するようになっている。ここで、「傾斜角度θ2」及び「逆傾斜角度θ4」は、鉛直面(垂直面)を基準とした角度を意味している。これについては、後述する傾斜角度θ2と逆傾斜角度θ4についても同様である。
【0020】
3.コンクリート版(開口部用蓋版A)
コンクリート版120は、図9〜11に示すように、平面視略矩形状の厚板となっている。図9は、コンクリート版120の平面図である。図10は、コンクリート版120の側面図である。図11は、コンクリート版120の正面図である。コンクリート版120(開口部用蓋版A)の材質は、必要な強度を発揮できるのであれば特に限定されないが、成形の容易さや、コストなどを考慮して、通常、コンクリートとされる。本実施態様の天板100においては、鉄筋を配した厚板状のコンクリートスラブをコンクリート版120として利用している。
【0021】
コンクリート版120の外周面を構成する各面のうち、天板100の長手方向で互いに反対側を向く一対の面α1,α2は、図10に示すように、下広がり(下縁側が外方に突き出て上縁側が内方に控えた状態)となるように傾斜して形成されている。本実施態様の天板100においては、コンクリート版120における一の側面上部を面α1としており、該一の側面とは反対側の他の側面上部から水平方向へ設けた凸部121の先端を面α2としている。コンクリート版120の面α1には、図5に示すように、コンクリート版120及びグレーチング版130で開口部111を塞いだ際に、グレーチング版120の面β1が面接触するようになっている。このため、面α1の傾斜角度θ1(図10を参照)は、面β1の逆傾斜角度θ3(図13を参照)と一致するようになっている。面α1の傾斜角度θ1は、面α2の傾斜角度θ2と異なってもよいが、通常、等しくされる。本実施態様の天板100においては、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2と逆傾斜角度θ3と逆傾斜角度θ4の全てを等しい値に設定している。
【0022】
具体的に、傾斜角度θ1(図10を参照)や、傾斜角度θ2(図10を参照)や、逆傾斜角度θ3(図13を参照)や、逆傾斜角度θ4(図13を参照)をどの程度に設定するかは特に限定されない。しかし、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4を小さくしすぎると、面α1,α2,β1,γ1が鉛直(垂直)に近くなって、コンクリート版120がグレーチング版130の面β1と開口版110の面γ1との間で楔状に保持されにくくなるおそれがある。このため、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、通常、1°以上とされる。傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、2°以上であると好ましく、3°以上であるとより好ましい。
【0023】
一方、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4を大きくしすぎると、コンクリート版120、グレーチング版130及び開口版110のエッジが鋭くなり、コンクリート版120、グレーチング版130及び開口版110が破損しやすくなるおそれがある。このため、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、通常、45°以下とされる。傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、30°以下であると好ましく、15°以下であるとより好ましく、10°以下であるとさらに好ましい。本実施態様の天板100において、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、いずれも約4°となっている。
【0024】
4.グレーチング版(開口部用蓋版B)
グレーチング版130は、図12〜14に示すように、平面視略矩形状の厚板となっている。図12は、グレーチング版130の平面図である。図13は、グレーチング版130の側面図である。図14は、グレーチング版130の正面図である。グレーチング版130(開口部用蓋版B)の材質は、必要な強度を発揮できるのであれば特に限定されない。本実施態様の天板100においては、鋼材を格子状に組んだ金属板をグレーチング版130として利用している。グレーチング版130の外周面を構成する各面のうち、コンクリート版120の面α1と接触する面β1は、既に述べた通り、面α1とは逆傾斜で形成してる。
【0025】
5.蓋の固定方法
続いて、上記の本発明の蓋の固定構造を用いて、コンクリート版120(開口部用蓋版A)及びグレーチング版130(開口部用蓋版B)を開口版110に固定する蓋の固定方法の好適な実施態様について具体的に説明する。
【0026】
まず、図2,3に示すように、開口版110の開口部111における長手方向両端部に、一対のコンクリート版120を嵌め込む。それぞれのコンクリート版120は、その両側の側縁が、開口版110における低段部111aに載るように配置する。開口版110の面γ1は逆傾斜となっており、開口部111の長手方向両端部の真上からは、コンクリート版120の面α2が開口版110の面γ1に面接触した状態となるようにはコンクリート版120を嵌め込むことができない。このため、コンクリート版120は、開口部111の長手方向両端部よりも僅かに中央部寄りの場所に嵌め込み、その後、開口部111の長手方向両端部に向けて押し込むようにする。このときはまだ、コンクリート版120の面α2は、開口版110の面γ1から離れた状態であってもよいが、面α2と面γ1の隙間が大きいと、一対のコンクリート版120の隙間が狭くなり、一対のコンクリート版120の隙間にグレーチング版130を嵌め込みにくくなるおそれがある。したがって、コンクリート版120の面α2は、開口版110の面γ1に軽く接触させておくと好ましい。
【0027】
次に、図4,5に示すように、開口版110の開口部111における長手方向中央部に、グレーチング版130を嵌め込む。グレーチング版130は、その面β1をコンクリート版120の面α1に接触させながら嵌め込む。コンクリート版120の面α1は下広がりに傾斜しており、グレーチング版130の面β1は逆傾斜となっている。このため、コンクリート版120は、その面α2が開口版110の面γ1に当接した状態となるまで、レーチング版130によって開口部111の両端部側に押されてスライドする。グレーチング版130を、その下面が高段部111bの上面に接触するまで下側に押し込むと、ボルト140を用いてグレーチング版130を開口版110に固定する。以上により、本発明の蓋の固定方法は完了する。
【0028】
上記の蓋の固定方法では、ボルト140でグレーチング版130を開口版110に固定しただけにもかかわらず、グレーチング版130だけでなく、コンクリート版120までもが開口版110に固定されて跳ね上がらない状態となっている。加えて、ボルト140を外してグレーチング版130を開口版110から取り外しただけで、コンクリート版120までもが開口版110から取り外すことが可能な状態となる。また、このように少ない手順で開口部111を開閉できるので、側溝などの施工作業を効率的に行うだけでなく、そのメンテナンス作業や改修作業なども効率的に行うことが可能なものとなっている。また、高価なグレーチング版130の使用量を抑えることができるので、コストを抑えることも可能となっている。
【符号の説明】
【0029】
100 側溝用の天板
110 開口版(開口部材)
111 開口部
111a 低段部(第一段部)
111b 高段部(第二段部)
120 コンクリート版(開口部用蓋版A)
121 凸部
130 グレーチング版(開口部用蓋版B)
140 ボルト(固定手段)
α1 面
α2 面
β1 面
γ1 面
θ1 面α1の傾斜角度
θ2 面α2の傾斜角度
θ3 面β1の逆傾斜角度
θ4 面γ1の逆傾斜角度
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部が設けられた開口部材と、前記開口部を覆う複数の開口部用蓋版とを用いる蓋の固定構造に関する。また、この蓋の固定構造を用いて開口部用蓋版を開口部材に固定する蓋の固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路脇などに設けられる側溝は、断面U字状の側溝本体の上面を蓋で塞いだ形態のものや、門型の側溝本体の開口部を蓋で塞いだ形態のものが一般的となっている。この種の側溝において、その蓋の多くは、厚手で重量の重いコンクリート版が使用されている。このため、側溝を新規に施工する場合や、古くなった側溝を改修する場合や、側溝のメンテナンスを行う場合などには、重い蓋を持ち上げなければならず、作業員の肉体に多大な負担を強いていた。したがって、蓋の全体をグレーチング版として軽量化することも行われている。しかし、蓋を軽量化すると、その上を自動車などが通過した際に蓋が跳ね上がりやすくなるという別の問題が生ずる。このため、蓋としてグレーチング版を使用する場合には、通常、ボルトなどの固定手段を用いて蓋を側溝本体に固定する。ところが、グレーチング版は、コンクリート版よりも値段が高いという欠点があった。
【0003】
このような実状に鑑みてか、これまでには、中央に開口部を有するコンクリートスラブからなる開口版と、前記開口部における特定の区画を覆うコンクリート版と、前記開口部における前記特定の区画に隣接する他の区画を覆うグレーチング版とでその天板を構成した側溝も提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1には、上記の構成を採用することにより、天板を持ち上げる際に手掛かりとなる切欠が不用あるいは小さくできて安全性に優れ、かつ、排水効率が高いにもかかわらず経済的なものとすることができる旨も記載されている。
【0004】
ところが、特許文献1の側溝において、グレーチング版(同文献の図1〜8における符号35で示される部分)は、ロック用の支持棒(同文献の図8〜10における符号29で示される部分)にフック(同文献の図8における符号51で示される部分)を掛止することにより開口版に留められるものの、コンクリート版は、開口版に対して直接的に固定されない。このため、天板の上を自動車などが通過する際には、コンクリート版がガタついて騒音や振動が発生してしまう。重量のあるコンクリート版を使用することにより、その跳ね上がりを防止できたとしても、そのガタツキまでは防止することができないからである。コンクリート版のガタツキを防ぐために、グレーチング版だけでなくコンクリート版まで、上記のロック用の支持棒とフックで留めるようにするのでは、天板の製造コストが高くなってしまう。特に、開口部材の開口部を覆うコンクリート版やグレーチング版を小型化・軽量化して、側溝を施工、改修、メンテナンスする際の作業の省力化を図る場合には、従来よりもコンクリート版やグレーチング版の設置枚数が増加するため、コンクリート版やグレーチング版を開口版に固定する際の手間も増加し、かえって施工性が低下するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−003440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、開口部材に設けられた開口部に複数の開口部用蓋版を嵌め込んで固定する蓋の固定構造であって、全ての開口部用蓋版が開口部材に対してしっかりと固定され、それらの開口部用蓋版がガタついたり、跳ね上がったりするおそれがなく、かつ、開口部材へ開口部用蓋版を固定する際の手間を軽減することもでき、各種のコンクリート構造物を施工する際にも好適に採用することのできる蓋(開口部用蓋版)の固定構造をできるだけ安価に提供するものである。また、この蓋の固定構造を用いて開口部用蓋版を開口部材に固定する蓋(開口部用蓋版)の固定方法を提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、開口部が設けられた開口部材と、前記開口部における特定の区画を覆う開口部用蓋版Aと、前記開口部における前記特定の区画に隣接する他の区画を覆う開口部用蓋版Bと、を用いる蓋の固定構造であって、前記開口部における前記特定の区画に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部における前記他の区画に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Aが開口部材に対して保持された状態となるようにしたことを特徴とする蓋の固定構造を提供することによって解決される。本発明の蓋の固定構造は、その用途を限定されるものではないが、側溝や水路など、蓋で塞ぐ必要のあるコンクリート構造物に好適に採用することができる。この種のコンクリート構造物は、重量があるため、施工性を向上する要求が強いからである。側溝としては、断面U字状の一般的な側溝や、断面逆U字状の自由勾配側溝(天端に開口部が設けられた門型の側溝本体を有する側溝)などが例示される。また、ボックスカルバートやスラブなどに設けられた開口部を塞ぐために使用する蓋の固定構造にも採用することができる。
【0008】
本発明の蓋の固定構造において、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Aが開口部材に対して保持された状態とするための具体的な構成は、特に限定されない。しかし、以下の構成を採用すると好ましい。すなわち、開口部用蓋版Aの外周面を構成する各面のうち、互いに反対側を向く一対の面α1,α2を下広がりとなるように傾斜して形成し、開口部用蓋版Bの外周面を構成する各面のうち、開口部用蓋版Aの面α1と接触する面β1を面α1とは逆傾斜で形成し、開口部材における前記開口部を形成する各内周面のうち、開口部用蓋版Aの面α2と接触する面γ1を面α2とは逆傾斜で形成し、前記開口部における前記特定の区画に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部における前記他の区画に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Bの面β1で開口部用蓋版Aの面α1が押されて、開口部用蓋版Bの面β1と前記開口部の面γ1との間で開口部用蓋版Aが開口部材に対して楔状に保持された状態となるようにすると好ましい。これにより、開口部材に対する開口部用蓋版Bの固定を外さない限りは、開口部用蓋版Aも開口部材から取り外すことができない構造とすることができる。
【0009】
また、本発明の蓋の固定構造においては、開口部用蓋版Aの面α1又は開口部用蓋版Bの面β1にゴムシートを貼り付けることも好ましい。これにより、開口部用蓋版Bに対する開口部用蓋版Aのガタツキを防止することが可能になる。したがって、開口部用蓋版Aや開口部用蓋版Bの上側を自動車などが通過する際に発生する騒音や振動を低減するだけでなく、開口部用蓋版Aや開口部用蓋版Bの破損を防止することも可能になり、開口部用蓋版Aや開口部用蓋版Bの耐久性を高めることが可能となる。同様の理由で、開口部用蓋版Aの面α2又は前記開口部の面γ1にゴムシートを貼り付けることも好ましい。これにより、開口部材に対する開口部用蓋版Aのガタツキを防止することが可能になる。さらに、本発明の蓋の固定構造において、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で固定する手段は、特に限定されないが、通常、ボルトが用いられる。
【0010】
さらにまた、本発明の蓋の固定構造において、開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bで覆われる前記開口部は、1つの開口部材に対して1箇所のみ設けてもよいし、複数箇所に設けてもよい。開口部材の大きさや形状などに応じて適宜決定される。また、開口部用蓋版Aと開口部用蓋版Bは、1つの開口部に対して1枚ずつのみ嵌め込んでもよいが、1つの開口部に対して、開口部用蓋版Aや開口部用蓋版Bを複数枚ずつ嵌め込んでもよい。例えば、一対(2枚)の開口部用蓋版Aで前記開口部における両端部を覆い、1枚の開口部用蓋版Bで前記開口部における中央部を覆う場合などが挙げられる。このような構成を採用することにより、前記開口部の両端部に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部の中央部に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で固定すると、一対の開口部用蓋版Aが開口部用蓋版Bによってそれぞれ外側(前記開口部の両端部に向かう向き)に押されて、開口部用蓋版Bの面β1と前記開口部の面γ1との間で楔状に保持された状態となるようにすることができる。
【0011】
ところで、本発明の蓋の固定構造において、開口部材、開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bを形成する素材は、蓋の固定構造の用途などによって異なり、特に限定されない。しかし、開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bの少なくとも一方は、コンクリートにより形成されたものであると好ましい。コンクリートによって形成された開口部用蓋版は、重量があるため、開口部用蓋版を小型化・軽量化して省力化を図る場合には、本発明の蓋の固定構造を採用して施工性を向上する意義があるからである。開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bの少なくとも一方をコンクリートによって形成した場合には、強度などを考慮して、それを固定する開口部材も、通常、コンクリートにより形成される。また、本発明の蓋の固定構造を、側溝用の天板などに採用する場合には、開口部材及び開口部用蓋板Aを、コンクリートにより形成し、開口部用蓋版Bをグレーチングにより形成すると好ましい。これにより、本発明の蓋の固定構造を用いた複合構造体(側溝用の天板など)を、跳ね上がりにくく安価であるというコンクリートの利点と、取り扱いやすく施工が容易であるというグレーチングの利点を兼ね合わせたものとすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によって、開口部材に設けられた開口部に複数の開口部用蓋版を嵌め込んで固定する蓋の固定構造であって、全ての開口部用蓋版が開口部材に対してしっかりと固定され、それらの開口部用蓋版がガタついたり、跳ね上がったりするおそれがなく、かつ、開口部材へ蓋を固定する際の手間を軽減することもでき、各種のコンクリート構造物を施工する際にも好適に採用することのできる蓋の固定構造をできるだけ安価に提供することが可能になる。また、この固定構造を用いて開口部用蓋版を開口部材に固定する蓋の固定方法を提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部をコンクリート版(開口部用蓋板A)とグレーチング版(開口部用蓋版B)とで覆う前の状態を示した斜視図である。
【図2】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部の両端部をコンクリート版(開口部用蓋版A)で覆った後の状態を示した斜視図である。
【図3】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部の両端部をコンクリート版(開口部用蓋版A)で覆った後の状態を図2のx1−x1面で切断した断面図である。
【図4】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部をコンクリート版(開口部用蓋版A)とグレーチング版(開口部用蓋版B)とで覆った後の状態を示した斜視図である。
【図5】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板において、開口版(開口部材)における開口部をコンクリート版(開口部用蓋版A)とグレーチング版(開口部用蓋版B)とで覆った後の状態を図4のx1−x1面で切断した断面図である。
【図6】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成する開口版(開口部材)の平面図である。
【図7】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成する開口版(開口部材)を図6におけるx1−x1面で切断した断面図である。
【図8】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成する開口版(開口部材)を図6におけるy1−y1面で切断した断面図である。
【図9】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するコンクリート版(開口部用蓋版A)の平面図である。
【図10】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するコンクリート版(開口部用蓋版A)の側面図である。
【図11】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するコンクリート版(開口部用蓋版A)の正面図である。
【図12】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するグレーチング版(開口部用蓋版B)の平面図である。
【図13】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するグレーチング版(開口部用蓋版B)の側面図である。
【図14】本発明の蓋の固定構造を利用した側溝用の天板を構成するグレーチング版(開口部用蓋版B)の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.蓋の固定構造の概要
本発明の蓋の固定構造の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。以下においては、開口部が設けられた開口版と、前記開口部における所定箇所を覆うコンクリート版及びグレーチング版とで構成された側溝用の天板を例に挙げて、本発明の蓋の固定構造を説明する。以下の説明文中、「開口版」は、上述した「開口部材」に対応し、「コンクリート版」は、上述した「開口部用蓋版A」に対応し、「グレーチング版」は、上述した「開口部用蓋版B」に対応する。すなわち、本実施態様の「蓋の固定構造」における「蓋」は、「天板」や「開口版」を指すのではなく、「開口部用蓋版A」と「開口部用蓋版B」を指すことに注意されたい。図1は、開口部11をコンクリート版120とグレーチング版130とで覆う前における天板100を示した斜視図である。図2は、開口部11の両端部をコンクリート版120で覆った後における天板100を示した斜視図である。図3は、開口部11の両端部をコンクリート版120で覆った後における天板100を図2のx1−x1面で切断した断面図である。図4は、開口部11をコンクリート版120とグレーチング版130とで覆った後における天板100を示した斜視図である。図5は、開口部11をコンクリート版120とグレーチング版130とで覆った後における天板100を図4のx1−x1面で切断した断面図である。
【0015】
本実施態様の天板100は、図1に示すように、メンテナンス用の開口部111が設けられた開口版110と、開口部111における両端部を覆う一対のコンクリート版120と、開口部111における中央部を覆うグレーチング版130とで構成されたものとなっている。この天板100は、図2,3に示すように、開口版110の開口部111における両端部にそれぞれコンクリート版120を嵌め込んだ後に、図4,5に示すように、開口部111における中央部にグレーチング版130を嵌め込み、グレーチング版130を開口版110に対して下向きに押さえ付けた状態で開口版110とグレーチング版130とを固定することにより、コンクリート版120が開口版110に対して保持された状態となるものとなっている。天板100には、天板100の上面を流れる水を天板100の裏側に導くための導水溝及び導水孔が、天板100の長手方向中心線に沿ってスリット状に設けられている。
【0016】
2.開口版
開口版110は、図6〜8に示すように、平面視略矩形状の厚板となっており、その中央部に開口部111が設けられた枠体となっている。図6は、開口版110の平面図である。図7は、開口版110を図6におけるx1−x1面で切断した断面図である。図8は、開口版110を図6におけるy1−y1面で切断した断面図である。開口版110の材質は、必要な強度を発揮できるのであれば特に限定されないが、成形の容易さや、コストなどを考慮して、通常、コンクリートとされる。本実施態様の天板100においては、鉄筋を配した厚板状のコンクリートスラブを開口版110として利用している。
【0017】
開口部11は、図6に示すように、開口版110の長手方向に沿って設けられた平面視略矩形状のものとなっている。開口部111における長手方向に沿った一対の側縁には、図6に示すように、第一段部111aと第二段部111bとが形成されている。第一段部111aは、図5に示すように、コンクリート版120の側縁を載せるための部分となっており、開口部111の前記側縁における両端部に形成されている。一方、第二段部111bは、図5に示すように、グレーチング版130の側縁を載せるための部分となっており、開口部111の前記側縁における中央部に形成されている。このように、第一段部111a及び第二段部111bを設けるとこにより、コンクリート版120やグレーチング版130の位置決めが容易になるなど、天板100をより容易に施工することができるようになっている。
【0018】
第一段部111a及び第二段部111bを設ける高さは、特に限定されないが、通常、それらにコンクリート版120及びグレーチング版130を載せた際に、コンクリート版120及びグレーチング版130の上面が開口版110の上面と面一となる高さに設定される。これにより、施工後の天板100の上面を平坦に形成することができる。図5に示すように、本実施態様の天板100においては、コンクリート版120の方がグレーチング版130よりも厚く形成されているため、第一段部111a(低段部)は、第二段部111b(高段部)よりも低く設定されている。グレーチング版130の側縁を載せる第二段部111bの上面には、グレーチング版130を開口版110に固定するボルト140(図4を参照)を固定するためのボルト穴が設けられている。
【0019】
開口版110における開口部111を形成する各内周面のうち、開口版110の長手方向に対向する一対の面γ1は、図7に示すように、逆傾斜(垂直よりも切り立った逆勾配の状態)で形成されている。この面γ1には、図5に示すように、コンクリート版120及びグレーチング版130で開口部111を塞いだ際に、コンクリート版120の面α2が面接触するようになっている。このため、面γ1の逆傾斜角度θ4(図7を参照)は、面α2の傾斜角度θ2と一致するようになっている。ここで、「傾斜角度θ2」及び「逆傾斜角度θ4」は、鉛直面(垂直面)を基準とした角度を意味している。これについては、後述する傾斜角度θ2と逆傾斜角度θ4についても同様である。
【0020】
3.コンクリート版(開口部用蓋版A)
コンクリート版120は、図9〜11に示すように、平面視略矩形状の厚板となっている。図9は、コンクリート版120の平面図である。図10は、コンクリート版120の側面図である。図11は、コンクリート版120の正面図である。コンクリート版120(開口部用蓋版A)の材質は、必要な強度を発揮できるのであれば特に限定されないが、成形の容易さや、コストなどを考慮して、通常、コンクリートとされる。本実施態様の天板100においては、鉄筋を配した厚板状のコンクリートスラブをコンクリート版120として利用している。
【0021】
コンクリート版120の外周面を構成する各面のうち、天板100の長手方向で互いに反対側を向く一対の面α1,α2は、図10に示すように、下広がり(下縁側が外方に突き出て上縁側が内方に控えた状態)となるように傾斜して形成されている。本実施態様の天板100においては、コンクリート版120における一の側面上部を面α1としており、該一の側面とは反対側の他の側面上部から水平方向へ設けた凸部121の先端を面α2としている。コンクリート版120の面α1には、図5に示すように、コンクリート版120及びグレーチング版130で開口部111を塞いだ際に、グレーチング版120の面β1が面接触するようになっている。このため、面α1の傾斜角度θ1(図10を参照)は、面β1の逆傾斜角度θ3(図13を参照)と一致するようになっている。面α1の傾斜角度θ1は、面α2の傾斜角度θ2と異なってもよいが、通常、等しくされる。本実施態様の天板100においては、傾斜角度θ1と傾斜角度θ2と逆傾斜角度θ3と逆傾斜角度θ4の全てを等しい値に設定している。
【0022】
具体的に、傾斜角度θ1(図10を参照)や、傾斜角度θ2(図10を参照)や、逆傾斜角度θ3(図13を参照)や、逆傾斜角度θ4(図13を参照)をどの程度に設定するかは特に限定されない。しかし、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4を小さくしすぎると、面α1,α2,β1,γ1が鉛直(垂直)に近くなって、コンクリート版120がグレーチング版130の面β1と開口版110の面γ1との間で楔状に保持されにくくなるおそれがある。このため、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、通常、1°以上とされる。傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、2°以上であると好ましく、3°以上であるとより好ましい。
【0023】
一方、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4を大きくしすぎると、コンクリート版120、グレーチング版130及び開口版110のエッジが鋭くなり、コンクリート版120、グレーチング版130及び開口版110が破損しやすくなるおそれがある。このため、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、通常、45°以下とされる。傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、30°以下であると好ましく、15°以下であるとより好ましく、10°以下であるとさらに好ましい。本実施態様の天板100において、傾斜角度θ1,θ2及び逆傾斜角度θ3,θ4は、いずれも約4°となっている。
【0024】
4.グレーチング版(開口部用蓋版B)
グレーチング版130は、図12〜14に示すように、平面視略矩形状の厚板となっている。図12は、グレーチング版130の平面図である。図13は、グレーチング版130の側面図である。図14は、グレーチング版130の正面図である。グレーチング版130(開口部用蓋版B)の材質は、必要な強度を発揮できるのであれば特に限定されない。本実施態様の天板100においては、鋼材を格子状に組んだ金属板をグレーチング版130として利用している。グレーチング版130の外周面を構成する各面のうち、コンクリート版120の面α1と接触する面β1は、既に述べた通り、面α1とは逆傾斜で形成してる。
【0025】
5.蓋の固定方法
続いて、上記の本発明の蓋の固定構造を用いて、コンクリート版120(開口部用蓋版A)及びグレーチング版130(開口部用蓋版B)を開口版110に固定する蓋の固定方法の好適な実施態様について具体的に説明する。
【0026】
まず、図2,3に示すように、開口版110の開口部111における長手方向両端部に、一対のコンクリート版120を嵌め込む。それぞれのコンクリート版120は、その両側の側縁が、開口版110における低段部111aに載るように配置する。開口版110の面γ1は逆傾斜となっており、開口部111の長手方向両端部の真上からは、コンクリート版120の面α2が開口版110の面γ1に面接触した状態となるようにはコンクリート版120を嵌め込むことができない。このため、コンクリート版120は、開口部111の長手方向両端部よりも僅かに中央部寄りの場所に嵌め込み、その後、開口部111の長手方向両端部に向けて押し込むようにする。このときはまだ、コンクリート版120の面α2は、開口版110の面γ1から離れた状態であってもよいが、面α2と面γ1の隙間が大きいと、一対のコンクリート版120の隙間が狭くなり、一対のコンクリート版120の隙間にグレーチング版130を嵌め込みにくくなるおそれがある。したがって、コンクリート版120の面α2は、開口版110の面γ1に軽く接触させておくと好ましい。
【0027】
次に、図4,5に示すように、開口版110の開口部111における長手方向中央部に、グレーチング版130を嵌め込む。グレーチング版130は、その面β1をコンクリート版120の面α1に接触させながら嵌め込む。コンクリート版120の面α1は下広がりに傾斜しており、グレーチング版130の面β1は逆傾斜となっている。このため、コンクリート版120は、その面α2が開口版110の面γ1に当接した状態となるまで、レーチング版130によって開口部111の両端部側に押されてスライドする。グレーチング版130を、その下面が高段部111bの上面に接触するまで下側に押し込むと、ボルト140を用いてグレーチング版130を開口版110に固定する。以上により、本発明の蓋の固定方法は完了する。
【0028】
上記の蓋の固定方法では、ボルト140でグレーチング版130を開口版110に固定しただけにもかかわらず、グレーチング版130だけでなく、コンクリート版120までもが開口版110に固定されて跳ね上がらない状態となっている。加えて、ボルト140を外してグレーチング版130を開口版110から取り外しただけで、コンクリート版120までもが開口版110から取り外すことが可能な状態となる。また、このように少ない手順で開口部111を開閉できるので、側溝などの施工作業を効率的に行うだけでなく、そのメンテナンス作業や改修作業なども効率的に行うことが可能なものとなっている。また、高価なグレーチング版130の使用量を抑えることができるので、コストを抑えることも可能となっている。
【符号の説明】
【0029】
100 側溝用の天板
110 開口版(開口部材)
111 開口部
111a 低段部(第一段部)
111b 高段部(第二段部)
120 コンクリート版(開口部用蓋版A)
121 凸部
130 グレーチング版(開口部用蓋版B)
140 ボルト(固定手段)
α1 面
α2 面
β1 面
γ1 面
θ1 面α1の傾斜角度
θ2 面α2の傾斜角度
θ3 面β1の逆傾斜角度
θ4 面γ1の逆傾斜角度
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が設けられた開口部材と、
前記開口部における特定の区画を覆う開口部用蓋版Aと、
前記開口部における前記特定の区画に隣接する他の区画を覆う開口部用蓋版Bと、
を用いる蓋の固定構造であって、
前記開口部における前記特定の区画に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部における前記他の区画に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Aが開口部材に対して保持された状態となるようにしたことを特徴とする蓋の固定構造。
【請求項2】
開口部用蓋版Aの外周面を構成する各面のうち、互いに反対側を向く一対の面α1,α2が下広がりとなるように傾斜して形成され、
開口部用蓋版Bの外周面を構成する各面のうち、開口部用蓋版Aの面α1と接触する面β1が、面α1とは逆傾斜で形成され、
開口部材における前記開口部を形成する各内周面のうち、開口部用蓋版Aの面α2と接触する面γ1が、面α2とは逆傾斜で形成され、
前記開口部における前記特定の区画に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部における前記他の区画に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Bの面β1で開口部用蓋版Aの面α1が押されて、開口部用蓋版Bの面β1と前記開口部の面γ1との間で開口部用蓋版Aが開口部材に対して楔状に保持された状態となるようにした請求項1記載の蓋の固定構造。
【請求項3】
開口部用蓋版Aの面α1又は開口部用蓋版Bの面β1にゴムシートを貼り付けた請求項2記載の蓋の固定構造。
【請求項4】
ボルトを用いて、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で固定する請求項1〜3いずれか記載の蓋の固定構造。
【請求項5】
一対の開口部用蓋版Aが、前記開口部における両端部を覆い、開口部用蓋版Bが、前記開口部における中央部を覆う請求項1〜4いずれか記載の蓋の固定構造。
【請求項6】
開口部材及び開口部用蓋板Aが、コンクリートにより形成され、開口部用蓋版Bがグレーチングにより形成された請求項1〜5いずれか記載の蓋の固定構造。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか記載の蓋の固定構造を用いて開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bを開口部材に固定する蓋の固定方法。
【請求項1】
開口部が設けられた開口部材と、
前記開口部における特定の区画を覆う開口部用蓋版Aと、
前記開口部における前記特定の区画に隣接する他の区画を覆う開口部用蓋版Bと、
を用いる蓋の固定構造であって、
前記開口部における前記特定の区画に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部における前記他の区画に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Aが開口部材に対して保持された状態となるようにしたことを特徴とする蓋の固定構造。
【請求項2】
開口部用蓋版Aの外周面を構成する各面のうち、互いに反対側を向く一対の面α1,α2が下広がりとなるように傾斜して形成され、
開口部用蓋版Bの外周面を構成する各面のうち、開口部用蓋版Aの面α1と接触する面β1が、面α1とは逆傾斜で形成され、
開口部材における前記開口部を形成する各内周面のうち、開口部用蓋版Aの面α2と接触する面γ1が、面α2とは逆傾斜で形成され、
前記開口部における前記特定の区画に開口部用蓋版Aを嵌め込んだ後に、前記開口部における前記他の区画に開口部用蓋版Bを嵌め込み、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で開口部材と開口部用蓋版Bとを固定することにより、開口部用蓋版Bの面β1で開口部用蓋版Aの面α1が押されて、開口部用蓋版Bの面β1と前記開口部の面γ1との間で開口部用蓋版Aが開口部材に対して楔状に保持された状態となるようにした請求項1記載の蓋の固定構造。
【請求項3】
開口部用蓋版Aの面α1又は開口部用蓋版Bの面β1にゴムシートを貼り付けた請求項2記載の蓋の固定構造。
【請求項4】
ボルトを用いて、開口部用蓋版Bを開口部材に対して下向きに押さえ付けた状態で固定する請求項1〜3いずれか記載の蓋の固定構造。
【請求項5】
一対の開口部用蓋版Aが、前記開口部における両端部を覆い、開口部用蓋版Bが、前記開口部における中央部を覆う請求項1〜4いずれか記載の蓋の固定構造。
【請求項6】
開口部材及び開口部用蓋板Aが、コンクリートにより形成され、開口部用蓋版Bがグレーチングにより形成された請求項1〜5いずれか記載の蓋の固定構造。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか記載の蓋の固定構造を用いて開口部用蓋版A及び開口部用蓋版Bを開口部材に固定する蓋の固定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−117342(P2012−117342A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270342(P2010−270342)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000211237)ランデス株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000211237)ランデス株式会社 (35)
【Fターム(参考)】
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