説明

薄型の減圧治療システム

【課題】薄型の減圧治療装置およびシステムが提供される。
【解決手段】装置は、成形可能な導管ホルダ205と、導管ホルダを通る導管と、柔軟なベース265とを含む。この導管ホルダは、第1と第2のバルクヘッド面215、220と、凸状の上面210と、組織部位に隣接する組織接触領域に沿うよう適合した下面とを有する。導管の端部は、第1のバルクヘッド面と実質的に同一面にあり、縦軸は、第1と第2のバルクヘッド面に実質的に垂直である。ベースは、第1の側で導管ホルダの下面に接続され、第1のバルクヘッド面に隣接するオーバーレイゾーンを形成するために第1のバルクヘッド面を越えて延在する。接着剤は、柔軟なベースを組織接触領域に固定するために柔軟なベースの第2の側に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、組織治療システム、特に、薄型の減圧治療システムに関する。
【背景技術】
【0002】
臨床試験と治療は、減圧を組織部位の近くにかけることが、組織部位での新しい組織の成長を増大させ、加速させることを示してきた。この現象の適用は非常に多いが、減圧の適用は、傷の治療において特に成功してきた。(しばしば「負圧創傷治療」、「減圧治療」、または「真空治療」として医療界で言及されてきた)この治療は、より早い治癒と肉芽組織の増加形成とを含む。一般的に、減圧は、多孔質パッドまたは他のマニホルド装置を通じて組織にかけられる。この多孔質パッドは、減圧を組織に分配することができる細胞または孔と、組織から引かれるチャネリング流体とを含む。多孔質パッドはしばしば、治療を容易にする他の要素を有するドレッシングに組み込まれる。
【0003】
従来では、ドレッシングは小さい傷への適用はむしろ厄介で困難であった。ドレッシング上に単に配置されたり、転がったりすることは、特に、管の接合、肘や他の要素といった比較的硬い要素と接触して患者に重大な困難、あるいは圧力誘導された傷の原因となるかもしれない。さらに、これらのアクションはドレッシングを圧縮し、減圧の適用の妨げになるかもしれない。さらに、これらのドレッシングの輪郭と任意の隆起は、通常の活動の間、患者の被服または周囲へのスナッギングの見込み、痛みに関するリスク、および組織の再損傷の可能性を呈する。
【0004】
従って、既知のドレッシングの不都合を軽減する改良ドレッシングへの大きな要求があった。
【0005】
本書に引用されるすべての参照は、法律によって許容できる最大限まで参照により組み込まれる。参照が本書に十分に組み込まれない限り、背景目的のための参照により組み込まれ、当業者の一人の知識を示す。
【発明の概要】
【0006】
減圧治療システムに提示される問題は、本発明のシステムと方法により解決される。薄型の減圧治療装置および方法は本発明の原理により提供される。
【0007】
薄型の減圧治療装置の一実施例は、成形可能な導管ホルダと、導管ホルダを通り延在する導管と、柔軟なベースとを含む。この導管ホルダは、実質的に平行な第1および第2のバルクヘッド面と、凸状の上面と、組織部位に隣接する組織接触領域の形状に実質的に沿うよう適合した下面とを有する。この導管は、一端が、第1のバルクヘッド面と実質的に同一面にあり、縦軸が、第1および第2のバルクヘッド面に実質的に垂直であるよう導管ホルダを通り延在する。柔軟なベースは導管ホルダの下面に接続される第1の側を有し、柔軟なベースは第1のバルクヘッド面を越えて延在し、第1のバルクヘッド面に隣接するオーバーレイゾーンを形成する。接着剤は、柔軟なベースを組織接触領域に固定するために、柔軟なベースの第2の側に配置されている。
【0008】
薄型の減圧治療システムの一実施例は、成形可能な導管ホルダと、導管ホルダで受けられた導管と、ベースと、多孔質パッドと、ドレープと、この導管と流体接続され、導管と多孔質パッドとを通じて減圧を送達する減圧源とを含む。導管ホルダは、実質的に平行な第1および第2のバルクヘッド面と、凸状の上面と、組織部位に隣接する組織接触領域の形状に実質的に沿うよう適合した下面とを有する。この導管は、導管の端部が、第1のバルクヘッド面と実質的に同一面にあり、縦軸が、第1および第2のバルクヘッド面に実質的に垂直であるよう導管ホルダで受けられる。ベースは導管ホルダの下面に接続される第1の側を有し、このベースは第1のバルクヘッド面を越えて延在し、第1のバルクヘッド面に隣接するオーバーレイゾーンを形成する。接着剤は、ベースを組織部位に隣接する組織接触領域に固定するために、ベースの第2の側に配置されている。多孔質パッドは組織部位に接触するよう構成された第1の送達部位と、ベースのオーバーレイゾーンと接触し、組織部位への柔軟な移動を適用するよう構成されるブリッジ領域とを含む。
【0009】
また、本発明の原理によると、薄型の減圧治療装置およびシステムを作成し、用いる方法が提供される。薄型の減圧治療装置を作成する一実施例は、第1の柔軟な膜を弓形形状の上に配置することと、導管を第1の柔軟な膜上に配置することと、シリコーンを導管上およびその周りに押し出すことと、第2の柔軟な膜をシリコーンと導管上に配置することと、第2の柔軟な膜の端部を第1の柔軟な膜の端部に固定することと、ドレープが導管の開口に隣接する第1の柔軟な膜の端部を越えて延在するよう第1の柔軟な膜よりも大きな寸法を有するドレープに第1の柔軟な部材を固定することとを含む。
【0010】
薄型の減圧治療装置を用いる一方法は、オーバーレイゾーンが組織部位に隣接し、導管ホルダが組織部位と反対のオーバーレイゾーンに隣接するよう第1の柔軟な膜を配置することと、ブリッジ領域がオーバーレイゾーンに整列し、第1の送達領域が組織部位に整列するよう多孔質パッドを配置することと、導管ホルダにおいて、導管を通して多孔質パッドを減圧源に接続することと、第2の柔軟な膜を組織接触領域にシールすることと、導管と多孔質パッドとを通して減圧源からの減圧を組織部位にかけることとを含む。
【0011】
本発明の別の目的、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な説明を参照してより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明による減圧治療システムの略図を示す。
【図2】図2は、本発明による薄型のアダプタの拡大図を示す。
【図3】図3は、本発明による図2の組み立てられた薄型のアダプタの斜視図を示す。
【図4】図4は、本発明による図3の組み立てられた薄型のアダプタの斜視図を示し、ブリッジオーバーレイゾーンを越えて配置された多孔質パッドを有する。
【図5】図5は、本発明による図3の組み立てられた薄型のアダプタの斜視図を示し、多孔質パッドの代替実施例を有する。
【図6】図6は、本発明によるドレープによってカバーされた図4の組み立てられた薄型のアダプタと多孔質パッドとを示す。
【図7】図7は、本発明による多導管を有する薄型のアダプタの代替実施例の斜視図を示す。
【図8】図8は、本発明による凹状成形ベースを有する薄型のアダプタの代替実施例の正面図を示す。
【0013】
[好適な実施例の詳細な説明]
以下の好適な実施例の詳細な説明において、参照は、発明が実施されてもよい特定の好適な実施例の例示方法として示される、この部分を形成する添付の図面に関してなされる。これらの実施例は、当業者が発明を実施することができるよう十分に詳細に記載され、別の実施例が利用され、論理的、構造的、機械的、電気的、および化学的な変更が、本発明の精神または範囲を越えることなくなされてもよいことを理解されたい。当業者が本発明を実施することができるのに必要ではない詳細を避けるために、記載は当業者に周知の特定の情報を省略できる。以下の詳細な説明は、従って、限定の意味ではなく、本発明の範囲は添付のクレームによってのみ規定される。
【0014】
本明細書の文脈の中で、「減圧」という用語は、治療対象となる組織部位で、周囲圧力より低い圧力を言う。大抵の場合、この減圧は、患者が位置するロケーションの周囲圧力より低くなる。「減圧」や「負圧」は、組織部位にかけられる圧力を記載するのに用いられてもよいが、組織にかけられる実際の圧力は、通常完全な真空に関する圧力よりはるかに低いかもしれない。この命名と一致して、減圧または負圧の増加は、絶対圧力の相対的な減少を言い、減圧または負圧の減少は、絶対圧力の相対的な増加を言う。
【0015】
図1は、本発明の顕著な特徴を組み込む減圧治療システム100の略図である。減圧治療システム100は、治療用に組織部位120に適用されるドレッシング110を含む。ドレッシング110は、導管130によって減圧源125に流体接続されている。特定の実施例において、減圧システム110はまた、組織部位から抽出される液体と他の非気体性の浸出液を回収するキャニスタ140を含んでもよい。
【0016】
図2は、薄型のアダプタ200の一実施例の拡大図である。この実施例において、アダプタ200は、導管ホルダ205と、第1のバルクヘッド面215と、第1のバルクヘッド面215と実質的に平行な第2のバルクヘッド面220とを含む。この実施例において、導管ホルダ205は凸状の上面210を有し、導管ホルダ205の外形を最小にする。この導管ホルダ205はまた、導管ホルダ205の長さを通り延在する導管225を含み、第1のバルクヘッド面215上に開口230と、第2のバルクヘッド面220上に開口235とを有する。
【0017】
導管ホルダ205は、例えば、室温加硫(RTV)シリコーンなどの、モールド中に押し出されるか、射出される任意の材料からなってもよい。導管130は、導管225中に挿入されてもよく、接続されてもよく、開口230と減圧源125との間に流体経路を設置する。
【0018】
導管ホルダ205の構成によっては、導管ホルダ205は任意に、柔軟な膜240と245に示されるようなニトリルフィルムといった組織接触に一層好適な材料の柔軟な膜間に囲まれてもよい。このような実施例において、柔軟な膜245は柔軟な膜250に取り付けられる。
【0019】
代替的に、柔軟な膜245は省略されてもよいし、柔軟な膜240は柔軟な膜250に直接取り付けられてもよい。この柔軟な膜250は、好適にはポリウレタン材料である。接着面256を有するドレープ255は、一方の側で柔軟な膜250に接着される。ドレープ255は、接着面256の反対側で、任意の生体適合性の接着面257を含んでもよい。この生体適合性の接着面257は、アクリル性の接着剤またはヒドロゲルといった任意の好適な接合剤からなってもよい。この生体適合性の接着面257は、薄型のアダプタが組織部位に適用される際の位置に固定するために損傷を受けていない組織に適用されてもよい。ドレープ255が生体適合性の接着面257を含む場合、保護ライナ260が、接着を保護し、取り扱いを容易にするために生体適合性の接着面257に適用される。組織部位120への適用前に保護ライナ260が取り去られ、その下にある接着剤を露出させる。柔軟な膜250と、ドレープ255と、任意で保護ライナ260は、ベース265を具える。通常ドレープ255は、十分に高い水蒸気透過率(MTVR)を有する任意の柔軟材料からなってもよく、一般的に、1日に600mg/m以上で組織の浸軟を排除する。ポリウレタンは、ドレープ255用の好適な材料の一例である。柔軟材料250とドレープ255の柔軟性のため、ベース265は大抵の組織部位の輪郭に容易に沿う。
【0020】
図3は、組み立てられた薄型のアダプタ200の斜視図である。導管ホルダ205は、第1のバルクヘッド面215の頂点とベース265との間に計測された高さhを有する。図3に示されているように、ベース265は第1のバルクヘッド面215を越えて延在し、第1のバルクヘッド面215と開口230とに隣接するブリッジオーバーレイゾーン300を形成する。
【0021】
図4は、(図4では見えない)ブリッジオーバーレイゾーン300上に配置された多孔質パッド400を有する組み立てられた薄型のアダプタ200の斜視図である。通常この多孔質パッド400は、多孔質ブリッジ402と第1の送達領域404とを含む。図4はまた、開口235と一端部で接続している(図4には示されていない)導管130の断面を示している。この多孔質パッド400は、第1のバルクヘッド面215における開口230をカバーするのに十分な厚さtを有し、通常これは、導管ホルダ205の高さhと同じ寸法である。この多孔質パッド400はまた、組織部位をカバーするために、第1のバルクヘッド面215から延在してブリッジオーバーレイゾーン300からはみ出すのに十分な奥行きdを有する。図4はまた、より深い浸透のため組織部位の中へ挿入しうる任意の多孔エクステンション405を示す。別個の要素として、図4に多孔質エクステンション405が描写されているが、多孔質パッド400と多孔質エクステンション405が1つの要素を形成するよう、多孔質エクステンション405は多孔質パッド400と一体型の要素であってもよい。同様に、多孔質パッド400と多孔質エクステンション405は、簡易なブロック片として示されているが、それらは任意の所望の形状に適合されてもよい。例えば、多孔質パッド400は、導管ホルダ205の外形、または不規則な組織部位の形状に沿うようカットされていてもよい。
【0022】
多孔質パッド400と多孔質エクステンション405とは、減圧治療に好適である既知の任意の材料を表し、その寸法と形は、様々な寸法と形の組織部位を収容するよう変更できる。好適には、多孔質パッド400と多孔質エクステンション405とは、減圧または流体を組織部位へ、または組織部位からの分配を容易にする複数の流体チャネルまたは経路を有する。一実施例において、多孔質パッド400と多孔質エクステンション405とは、流体チャネルと圧力マニホルドとして機能する結合型セルまたは細孔を含む多孔泡沫である。この多孔泡沫は、ポリウレタンまたはKinetic Concepts,Inc.of San Antonio,Texasによって製造されたGRANUFOAMといった別のタイプの連続気泡、網目状の泡沫であってもよい。連続気泡泡沫が用いられる場合、空隙率は異なってもよいが、好適には約400乃至600ミクロンである。代替的に、特別な生物学的な適用に好適なガーゼや他の材料は、多孔質パッド400や多孔質エクステンション405を構成するのに用いることができる。
【0023】
図5は、多孔質パッドの代替実施例を有する薄型のアダプタ200の斜視図である。図5が示すように、多孔質パッドは、多孔質ブリッジ502や第1の送達要素504といった1以上の別個の要素からなってもよい。このような代替実施例は、薄型のアダプタ200を有する一般的なブリッジ要素をパッケージングするのに有利であるが、必要に応じて、特定の組織部位にフィットするようさらなる要素を認めてもよい。
【0024】
図6は、薄型のアダプタ200、多孔質パッド400、およびドレープ600の斜視図である。ドレープ600は、薄型のアダプタ200と多孔質パッド400とをカバーし、目的の組織部位に隣接する組織接触領域に適用される面605上に接着剤を含む(図示せず)。この接着剤は、アクリル接着剤またはヒドロゲルとして任意の好適な接着剤からなってもよい。シールは、周囲から組織部位を隔離し、減圧が適用される際、組織部位で減圧を維持するのを助ける。凸状の上面210は、テーパされた側方縁部を提供し、これはドレープ600と組織部位に隣接する組織接触領域との間の漏れのリスクを最小限にする。ドレープ255が任意の生体適合性の接着面257を含まない場合、接着剤はまた、薄型のアダプタ200と多孔質パッド400とを固定することができる。ドレープ255のように、通常ドレープ600は、一般的に、1日に600mg/mより大きな浸軟を排除するために、十分に高い水蒸気透過率(MTVR)を有する任意の柔軟材料からなる。
【0025】
操作時、保護ライナ260は(存在するなら)取り去られ、接着面257(存在するなら)を露出させ、ブリッジオーバーレイゾーン300が損傷を受けていない組織上にあり、組織部位120にすぐ隣接するよう薄型のアダプタ200が配置される。(多孔質パッド400のような)多孔質パッドは、それが第1のバルクヘッド面215から延在し、組織部位120をカバーすべくブリッジオーバーレイゾーン300から張り出す一方、一端部が、第1のバルクヘッド面215において開口230をカバーするよう配置される。ドレープ600は、次いで、薄型のアダプタ200と多孔質パッド400上に配置され、ドレープ600の端部は、薄型のアダプタ200周りの損傷を受けていない組織と、組織部位120周りの損傷を受けていない組織に対して押される。導管130は、次いで、第2のバルクヘッド面220において、開口235を通して一端で導管225に接続され、他端で収集キャニスタ140または減圧源125に接続される。減圧は、それから、導管130、導管225、およびパッド400を通して組織部位120に送達されてもよい。
【0026】
図7は、薄型のアダプタ700の代替実施例の斜視図である。この実施例において、アダプタ700は、凸状の上面710、第1のバルクヘッド面715、および第1のバルクヘッド面715に実質的に平行な第2のバルクヘッド面720を有する導管ホルダ705を具える。この導管ホルダ705はまた、導管ホルダ705の長さを通して延在する2本の導管725と730とを具え、2つの開口735と740とを第1のバルクヘッド面715に有し、第2の開口745と750とを第2のバルクヘッド面720に有する。図7に描写されるようなこれらの多導管は、減圧の適用と共に圧力モニタリングや流体分配のような適用に利点がある。代替的に、マルチルーメン導管は、任意の1対の導管で代用してもよい。
【0027】
図8は、薄型のアダプタ800の別の代替実施例の正面図である。この実施例において、薄型のアダプタ800は、凸状上面810、第1のバルクヘッド面815、および第1のバルクヘッド面815に実質的に平行な(図示しない)第2のバルクヘッド面を有する導管ホルダ805を具える。この導管ホルダ805はまた、導管ホルダ805の長さを通り延在する(図示せず)導管を具え、開口830を第1のバルクヘッド面815に、(図示せず)開口を(図示せず)第2のバルクヘッド面に有する。この導管ホルダ805は、指や他のリムといった特定の組織部位の輪郭に沿うよう成形されたベース835に取り付けられている。このような実施例におけるベース835は、室温加硫(RTV)シリコーンといったモールドに押出されるか、あるいは射出されてもよく、あるいは室温で、容易に操作されてもよい任意の生体適合性材料からなってもよい。
【0028】
上述の原理と特徴を具体化する薄型のアダプタは、一般的に、以下のように構成されてもよく、例示のための柔軟な膜240と245とを有する薄型のアダプタ200として上述の実施例に言及する。最初に、柔軟な膜240と245とは、実質的に等しい形状と寸法とに切断され、柔軟な膜245は、所望の輪郭または形状の型に固定または配置される。薄型のアダプタ200用には、形状は実質的に平らであるべきだが、その形状は、薄型のアダプタ800のような代替実施例を形成するために凸状面を有してもよい。導管225が、次いで、柔軟な膜245を横切って配置される。導管ホルダ205の材料は、次いで、導管225上およびその周りに押出され、開口230が、第1のバルクヘッド面215と実質的に平らになり、開口235が、第2のバルクヘッド面220と実質的に平らになるように、導管225の各端部周りに第1のバルクヘッド面215と第2のバルクヘッド面220とを形成する。材料は、凸状の上面210を形成するよう成形される。柔軟な膜240は、次いで、導管225とその周りの材料にわたり伸長され、柔軟な膜240の端部は、任意の接着剤、接合剤、糸、ステープル、または他の好適な手段を用いて、柔軟な膜245の端部に固定される。ドレープ255は、所望の幅の端が側方および導管ホルダ205の正面に延在するよう寸法調整することにより準備される。小さな組織部位用に、境界線幅は1cmのオーダーであってもよい。導管225周りの材料を硬化させる時間を与えるために、必要なら、柔軟な膜245がドレープ255の接着面256上に配置される。柔軟な膜250は、接着面256上の任意の露出した接着剤を覆うために、導管ホルダ225周りに配置される。最終的に、保護ライナは、必要に応じて接着面257に適用される。
【0029】
当業者は、本発明が、組織治療を提供する必要がある多くの部位に適用されることができると分かるであろう。例えば、薄型のアダプタの形状は、平面、凸状、またはサドル型の表面外形のような解剖学的な特徴に適合するよう変化してもよい。同様に、多孔質ブリッジの形状と寸法は、様々な寸法と形状の組織部位に適合するよう変更されてもよい。さらに、複数の薄型のアダプタは、薄型の導管と相互に接続するポートを用いて直列に使用されてもよく、整形の外固定のハードウェアの貫入ポイントにとって有利であってもよい。
【0030】
有位な利点を有する発明が提供されてきたことは、前述から明らかである。発明は、その形態のいくつかにのみ示されている一方、そのように限定されておらず、その精神から逸脱することなく、様々な変化や変更が可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
減圧治療装置であって、
第1のバルクヘッド面と、当該第1のバルクヘッド面に対して実質的に平行な第2のバルクヘッド面と、凸形状の上面と、組織部位に隣接する組織接触領域と同等の形状に適合可能な下面とを有する導管ホルダと;
前記第1のバルクヘッド面の開口から前記第2のバルクヘッド面の開口へと前記導管ホルダを通って延在し、減圧源から減圧を受けるよう構成された第1の導管と;
前記導管ホルダの下面に接続される面を有し、前記第1のバルクヘッド面を超えて延在して前記第1のバルクヘッド面に隣接するブリッジオーバーレイゾーンを構成するベースと;
前記組織部位と接触するよう構成された第1の送達領域と、多孔質ブリッジであって、当該多孔質ブリッジが前記ベースの前記ブリッジオーバーレイゾーンに配置された場合に前記第1のバルクヘッド面に接触して前記第1の導管と流体連通するよう構成された多孔質ブリッジとを有する多孔質パッドと、
を具えることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置がさらに、前記第2のバルクヘッド面の開口と流体連通する一端を有し、前記減圧源から減圧を受けるよう構成された第2の導管を具えていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置がさらに、前記第1の導管、前記導管ホルダ、および前記多孔質パッドの周りに密閉空間を作成し、それらを覆うよう寸法調整されたドレープを具えており、前記第1の導管は前記組織接触領域と平行であることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、前記導管ホルダが、室温加硫シリコーンから形成されることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、前記ベースが、前記導管ホルダの下面に接着接続されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置がさらに、第2の導管であって、一端が前記第1のバルクヘッド面と同一面にあり、縦軸が前記第1および第2のバルクヘッド面と垂直であるよう前記第1の導管に隣接配置されている第2の導管を具えることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、前記導管ホルダがさらに、
前記下面を形成する第1の柔軟な膜と;
前記上面を形成する第2の柔軟な膜と;
前記第1および第2の柔軟な膜間の前記第1の導管を囲むために前記第1および第2の柔軟な膜間に配置される成形可能な材料と、
を具えることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、前記第1および第2の柔軟な膜がニトリルフィルムであることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置がさらに、前記組織部位中に延在するよう前記第1の送達領域に隣接配向されている多孔質拡張領域を具えることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、前記多孔質ブリッジの領域が、前記第1のバルクヘッド面と類似の断面形状を有する側面を有していることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、前記多孔質パッドが厚さ(t)を有し、前記導管ホルダが高さ(h)を有し、これらが等しいことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、前記多孔質ブリッジの領域が、前記組織部位に対して垂直の側面を有していることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、前記第1の送達領域および前記多孔質ブリッジの領域が分離した構成要素であり、それぞれが他方の接触面と各々流体連通する接触面を有していることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、前記第1の送達領域および前記多孔質ブリッジの領域が、別個の構成要素であることを特徴とする装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−66765(P2013−66765A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−276464(P2012−276464)
【出願日】平成24年12月19日(2012.12.19)
【分割の表示】特願2010−541537(P2010−541537)の分割
【原出願日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】