説明

薄型基板用支持体脱着設備及びその脱着方法

【課題】本発明は、薄型基板用支持体脱着設備及びその脱着方法を提供する。
【解決手段】本体100と、該本体100内部に設けられ、上下方向に駆動するシリンダ110と、該本体100上に設けられる真空チャンバ120と、該真空チャンバ120内でシリンダ110上に結合されて支持体10が設けられる真空チャック130と、本体100上に設けられた支持台上に設けられ、薄型基板30が結合される多孔チャック140とから構成される。これによって、薄型基板30と支持体10とを脱着する工程で薄型基板30の損傷を最小化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型基板用支持体脱着設備及びその脱着方法に関するもので、詳しくは、本体と、該本体内部に設けられ、上下方向に駆動するシリンダと、該本体上に設けられる真空チャンバと、該真空チャンバ内で前記シリンダ上に結合されて支持体が設けられる真空チャックと、該本体上に設けられた支持台上に設けられ、薄型基板が結合される多孔チャックとから構成される装置を用いることによって、薄型基板と支持体とを脱着する過程において該薄型基板の損傷を最小化する設備及び方法に関するのである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子を生産する製造工程は、ウエハ基板を加工してチップを作る「前工程」、該チップにリード線を付けてパッケージング作業を行う「組立工程」、各工程ごとに不良有無を検査する「検査工程」に大別される。
【0003】
このうち、加工が完了したウエハ基板にリード線を取り付けてパッケージングを行う「組立工程」において、特にWLP工程ではウエハ基板が装備の支持体と脱着される過程で損傷が発生し易いことがある。
【0004】
一方、一般にシリコンを用いるウエハ基板が利用されて来たが、最近、薄型基板の材料として有機物素材が研究されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−060039号公報
【特許文献2】特開2010−177034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、該有機物素材の半導体ウエハ基板は、反り及び損傷がより発生し易い。そのため、半導体工程の進行に不都合があって工程性を改善するための半導体ウエハ基板用支持体脱着設備及びその脱着方法が必要となる。ひいては、WLP工程においてウエハ基板だけではなく薄型の基板に全て適用可能な基板用支持体脱着設備及びその方法が必要となる。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みて成されたものであって、本体と、該本体内部に設けられ、上下方向に駆動するシリンダと、該本体上に設けられる真空チャンバと、該真空チャンバ内で、該シリンダ上に結合され、支持体が設けられる真空チャックと、該本体上に設けられた支持台上に設けられ、薄型基板が結合される多孔チャックとから構成される装置を用いることによって、薄型基板と支持体とを脱着する過程において薄型基板の損傷を最小化する設備及びその方法を提供することに、その目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するために、本発明の好適な実施形態による薄型基板用支持体脱着設備は、本体と、該本体内部に設けられ、上下方向に駆動するシリンダと、前記本体上に設けられる真空チャンバと、該真空チャンバ内で、前記、シリンダ上に結合され、支持体が設けられる真空チャックと、該本体上に設けられた支持台上に設けられ、薄型基板が結合される多孔チャックとを含んで構成される。
【0009】
前記多孔チャックは、多孔性の材料を含むことができる。
【0010】
前記真空チャックは、その上面に真空領域を有することができる。
【0011】
前記真空チャックは、その上面の一側に空気噴射口を備えることができる。
【0012】
また、上記目的を解決するために、本発明の他の好適な実施形態による薄型基板用支持体脱着方法は、真空チャックに支持された支持体と結合している薄型基板の脱着方法であって、該基板を多孔チャックに実装して吸気する工程と、空気を噴射して前記基板と前記支持体とを分離する工程とを含んで構成される。
【0013】
前記多孔チャックは、多孔性材料を含むことができる。
【0014】
前記真空チャックは、その上面に真空領域を有することができる。
【0015】
前記真空チャックは、その上面の一側に空気噴射口を備えることができる。
【0016】
前記支持体と前記基板との分離工程において、前記真空チャックを一側から傾ける工程をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、WLP工程で薄型基板の反りや損傷の現象を最小化すると共に、薄型基板の脱着を容易に行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の薄型基板用支持体脱着設備を示す正面図である。
【図2a】本発明の薄型基板用支持体脱着設備の真空チャックの平面図であって、真空領域を示す図である。
【図2b】本発明の薄型基板用支持体脱着設備の真空チャックの平面図であって、空気噴射領域を示す図である。
【図3】本発明の薄型基板用支持体脱着設備の真空チャックに付着された支持体と再生テープとが結合された状態を示す平面図である。
【図4a】本発明の薄型基板用支持体脱着設備を用いる脱着方法を示す断面図である。
【図4b】本発明の薄型基板用支持体脱着設備を用いる脱着方法を示す断面図である。
【図4c】本発明の薄型基板用支持体脱着設備を用いる脱着方法を示す断面図である。
【図4d】本発明の薄型基板用支持体脱着設備を用いる脱着方法を示す断面図である。
【図4e】本発明の薄型基板用支持体脱着設備を用いる脱着方法を示す断面図である。
【図4f】本発明の薄型基板用支持体脱着設備を用いる脱着方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態は図面を参考にして詳細に説明する。次に示される各実施の形態は当業者にとって本発明の思想が十分に伝達されることができるようにするために例として挙げられるものである。従って、本発明は以下示している各実施の形態に限定されることなく他の形態で具体化されることができる。そして、図面において、装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることができる。明細書全体に渡って同一の参照符号は同一の構成要素を示している。
【0020】
本明細書で使われた用語は、実施形態を説明するためのものであって、本発明を制限しようとするものではない。本明細書において、単数形は文句で特別に言及しない限り複数形も含む。明細書で使われる「含む」とは言及された構成要素、ステップ、動作及び/又は素子は、一つ以上の他の構成要素、ステップ、動作及び/又は素子の存在または追加を排除しないことに理解されたい。
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態による薄型基板用支持体脱着設備及びその脱着方法について説明すれば、次のとおりである。
【0022】
[薄型基板用支持体脱着設備]
図1は、本発明の薄型基板用支持体脱着設備の正面図である。同図のように、本発明による設備は、本体100と、シリンダ110と、真空チャンバ120と、真空チャック130と、多孔チャック140とで構成される。
【0023】
詳しくは、本発明の薄型基板用支持体脱着設備は、本体100と、該本体100の内部に設けられ、上下方向に駆動するシリンダ110と、該本体100上に設けられる真空チャンバ120と、該真空チャンバ120内でシリンダ110上に結合されて支持体10が設けられる真空チャック130と、該本体100上に設けられた支持台上に設けられ、薄型基板が結合される多孔チャック140とを含んで構成される。
【0024】
前記本体100は、本発明の薄型基板用支持体脱着設備を支持する機能をする。
【0025】
前記シリンダ110は、前記本体100内部に設けられ、上下方向に駆動することによって、該シリンダ110上に結合されている真空チャック130が上下方向に駆動され、それによって支持された支持体10が薄型基板(図1には図示せず)30との脱着が円滑に行われるようになる。
【0026】
前記支持体10は、本発明の装置内で薄型基板の反り現象を改善して工程の進行を容易にするものであって、金属、セラミックス、ガラス高分子など、工程の進行性を確保可能な材料ならいずれでも使用が可能である。
【0027】
前記支持体10には、再生テープ(図1には図示せず)20が付着される。この再生テープ20は、前記支持体10と薄型基板30のマスク層とを互いに連結する機能をし、脱着が数回可能な再生素材が挙げられる。
【0028】
前記真空チャンバ120は、前記本体100に設けられ、薄型基板30と支持体10との脱着工程が真空状態で行われるように空間を形成する機能をする。特に、前記薄型基板30と支持体10との付着工程の際、界面における気泡を最小化する。
【0029】
前記真空チャック130は、前記真空チャンバ120内で前記シリンダ110上に結合され、支持体10が設けられるもので、薄型基板30と支持体10とが付着工程で真空ラミネーティングを行われるように、真空環境を形成する。
【0030】
ここで、前記真空チャック130は、前記シリンダ110と連結される下部固定枠131によって支持される。該下部固定枠131には貫通部が形成されており、該貫通部を通じて貫通ピン132が貫くことによって真空チャック130が固定される。該貫通部の一側には、貫通ピン132が動き得る一定な空間部133が存在し、該真空チャック130が傾斜運動できるようになる。
【0031】
前記多孔チャック140は、前記本体100上に設けられた支持台上に設けられ、薄型基板30が結合される部材であって、前記支持体10と薄型基板30とが付着される場合、前記多孔チャック140は前記薄型基板30と分離され、前記支持体10と薄型基板30とが脱着される場合は、前記多孔チャック140は前記薄型基板30と付着される。
【0032】
前記多孔チャック140は、前記薄型基板30の損傷を最小化するために、多孔性の材料から成るのが望ましい。
【0033】
図2aは、真空チャック130の真空領域を示す平面図であって、図2bは、真空チャック130の空気噴射領域を示す平面図である。
【0034】
まず、図2aに示すように、真空チャック130の上面には真空領域134が形成される。前述のように、支持体10と薄型基板30との付着工程において、前記真空領域134を介して真空ラミネーティングが行われる。ここで、前記真空領域134はこれに限定するものではなく、多様な変形が可能であり、当業者にとっては自明なものである。
【0035】
また、図2bに示すように、真空チャック130の上面には空気噴射口135が形成されている。該空気噴射口135は、支持体10と薄型基板30との脱着工程において真空チャック130から支持体10を経って薄型基板30の方へ空気を噴射(blow)することによって、薄型基板30の損傷を最小化すると共に脱着が容易に行われるようにする。支持体10には、前記空気噴射口135から抜けて来る空気が通過するように、図3に示すような気孔11が形成される。
【0036】
特に、該空気噴射口135は真空チャック130の一側のみに設けられている。この場合、該一側のみで空気噴射が行われ、真空チャック130が傾きながら薄型基板30と脱着されるため、該薄型基板30の損傷を最小化すると共に脱着も容易に行われる。
【0037】
一方、前述のように、前記支持体10の上部には再生テープ20が付着される。図3で示すように、支持体10に設けられる気孔11が露出するように、該再生テープ20には一定なオープン領域21が形成される。
【0038】
[薄型基板用支持体脱着方法]
図4a〜図4fは、本発明の薄型基板用支持体脱着設備を用いる脱着方法を示す断面図である。
【0039】
脱着工程に先立って、その前提になる付着工程に対して説明すると、まず、再生テープ20が付着された支持体10と薄型基板30とを各々真空チャック130、多孔チャック140に実装する(図4a)。
【0040】
続いて、該真空チャック130に圧力を加えて、前記再生テープ20が付着された支持体10と薄型基板30とを真空ラミネーティングする。真空チャック130の上面に形成された真空領域134を介して真空ラミネーティングが行われる(図4b)。
【0041】
続いて、前記多孔チャック140から薄型基板30を分離して前記再生テープ20が付着された支持体10の上部に薄型基板30を付着する(図4c)。該薄型基板30は、前記多孔チャック140から分離され、該薄型基板30は前記支持体10に付着された再生テープ20によって支持体10に付着されることによって付着工程が完了する。
【0042】
次に、本発明の脱着工程に対して説明する。まず、前記薄型基板30を前記多孔チャック140に実装し吸気する(図4d)。前述のように、多孔チャック140は多孔性材料からなるため、吸気が可能である。このような吸気過程によって、多孔チャック140に前記薄型基板30が良く付着されて支持体10からの薄型基板30の離脱が容易に行われる。
【0043】
続いて、真空チャック130の空気噴射口135を通じて空気を噴射して前記薄型基板30と前記再生テープ20が付着された支持体10とを分離することによって、脱着工程が完了する(図4e及び図4f)。前記真空チャック130は、一側に空気噴射口135を備え、これを通じて一側のみから空気を噴射するため、図4fに示すように前記真空チャック130が一側から傾くようになり、薄型基板30の損傷なしに脱着が容易になる。
【0044】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0045】
10 支持体
20 再生テープ
30 薄型基板
100 本体
110 シリンダ
120 真空チャンバ
130 真空チャック
140 多孔チャック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体内部に設けられ、上下方向に駆動するシリンダと、
前記本体上に設けられる真空チャンバと、
前記真空チャンバ内で前記シリンダ上に結合され、支持体が設けられる真空チャックと、
前記本体上に設けられた支持台上に設けられ、薄型基板が結合される多孔チャックと、
を含む薄型基板用支持体脱着設備。
【請求項2】
前記多孔チャックは、多孔性の材料を含む請求項1に記載の薄型基板用支持体脱着設備。
【請求項3】
前記真空チャックは、その上面に真空領域を有する請求項1に記載の薄型基板用支持体脱着設備。
【請求項4】
前記真空チャックは、その上面の一側に空気噴射口を備える請求項1に記載の薄型基板用支持体脱着設備。
【請求項5】
真空チャックに支持された支持体と結合する薄型基板の脱着方法において、
前記基板を多孔チャックに実装して吸気する工程と、
空気を噴射して前記基板と前記支持体とを分離する工程と、
を含む薄型基板用支持体脱着方法。
【請求項6】
前記多孔チャックは、多孔性材料を含む請求項5に記載の薄型基板用支持体脱着方法。
【請求項7】
前記真空チャックは、その上面に真空領域を有する請求項5に記載の薄型基板用支持体脱着方法。
【請求項8】
前記真空チャックは、その上面の一側に空気噴射口を含む請求項5に記載の薄型基板用支持体脱着方法。
【請求項9】
前記支持体と前記基板との分離工程において、前記真空チャックを一側から傾ける工程を含む請求項5に記載の薄型基板用支持体脱着方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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