薄型電池
【課題】電極集電端子が設けられている部分のシール強度を強化し、かつ、外部から導電性部材が刺さった場合でも、電池温度の上昇を抑制する。
【解決手段】薄型電池は、発電要素3と、2枚の外装体10A、10Bと、発電要素3の正極集電部と接続され、発電要素の上下面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている正極集電端子1と、発電要素3の負極集電部と接続され、発電要素3の上下面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている負極集電端子2とを備える。発電要素3の外周のうち、少なくとも正極集電部および負極集電部が設けられている側は、折り曲げられた2枚の外装体の一方または両方によって包み込まれ、該2枚の外装体は、発電要素3の上下面で第1の接着が行われ、発電要素3の外周のうち、残りの側の外側で、2枚の外装体を接着する第2の接着が行われる。第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。
【解決手段】薄型電池は、発電要素3と、2枚の外装体10A、10Bと、発電要素3の正極集電部と接続され、発電要素の上下面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている正極集電端子1と、発電要素3の負極集電部と接続され、発電要素3の上下面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている負極集電端子2とを備える。発電要素3の外周のうち、少なくとも正極集電部および負極集電部が設けられている側は、折り曲げられた2枚の外装体の一方または両方によって包み込まれ、該2枚の外装体は、発電要素3の上下面で第1の接着が行われ、発電要素3の外周のうち、残りの側の外側で、2枚の外装体を接着する第2の接着が行われる。第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池の発電要素を2枚のラミネートフィルムで挟み込んで、端部を熱融着させることによって、発電要素を密封した薄型電池が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−192471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の薄型電池では、発電要素の外部に突出している電極集電端子が設けられている部分をラミネートフィルムで密閉させる際のシール強度が他の部分に比べて弱くなる。
【0005】
また、電池の外部から内部へ釘などの導電部材が突き刺さると、電池内部の電極間がショートして、電池の温度が上昇する。
【0006】
本発明は、電極集電端子が設けられている部分のシール強度を強化することができ、かつ、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、電池温度の上昇を抑制することができる薄型電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による薄型電池は、発電要素と、発電要素を密封するための2枚の外装体と、発電要素の正極集電部と接続され、発電要素の積層方向における両外側面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている正極集電端子と、発電要素の負極集電部と接続され、発電要素の積層方向における両外側面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている負極集電端子とを備える。発電要素の外周のうち、少なくとも前記正極集電部および前記負極集電部が設けられている側は、折り曲げられた2枚の外装体の一方または両方によって包み込まれ、該2枚の外装体は、発電要素の積層方向における両外側面で接着される第1の接着が行われる。発電要素の積層方向を軸とする外周のうち、折り曲げられた2枚の外装体によって包み込まれていない側は、前記発電要素の外側において、2枚の外装体を接着する第2の接着が行われる。第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、2枚の外装体は、正極集電端子および負極集電端子によって少なくとも一部が覆われている発電要素の積層方向における両外側面で接着するので、正極集電端子および負極集電端子が設けられている部分のシール強度を強化することができる。また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、正極集電部から、正極集電端子、導電性部材、負極集電端子を介して負極集電部へと電流が流れるので、内部短絡部に電流が集中するのを防いで、電池温度の上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1の実施形態における薄型電池の概観構成を示す図である。
【図2】図2(a)は、薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図2(b)は、薄型電池を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(e)は、第1の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態における薄型電池の外部から、導電性部材である釘が突き刺さった場合の電流の流れについて説明するための図である。
【図5】図5(a)は、第2の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図5(b)は、第2の実施形態における薄型電池を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図6】図6(a)〜図6(e)は、第2の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図7】図7は、第3の実施形態における薄型電池の概観構成を示す図である。
【図8】図8(a)は、第3の実施形態における薄型電池を図7のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図8(b)は、第2の実施形態における薄型電池を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図9】図9は、第3の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図10】図10(a)は、第4の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図10(b)は、第4の実施形態における薄型電池を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図11】図11(a)〜図11(c)は、第4の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図12】図12は、第5の実施形態における薄型電池の概観構成を示す図である。
【図13】図13(a)は、第5の実施形態における薄型電池を図12のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図13(b)は、第5の実施形態における薄型電池を図12のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図14】図14(a)〜図14(c)は、第5の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図15】図15は、第6の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。
【図16】図16は、第7の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。
【図17】図17は、第8の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における薄型電池100の概観構成を示す図である。この薄型電池100は、単体として使用することもできるし、複数個を接続して、組電池として使用することもできる。複数個を接続して構成される組電池は、例えば、電気自動車やハイブリッド車の駆動用電源として用いられる。
【0011】
図2(a)は、薄型電池100を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図2(b)は、薄型電池100を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。この薄型電池100では、発電要素3を2枚のラミネートフィルム(外装体)10A、10Bで封入している。
【0012】
発電要素3の正極集電部4には、金属等の導電性の素材からなる正極集電端子(正極タブ)1が接続されている。一方、発電要素の負極集電部5には、金属等の導電性の素材からなる負極集電端子(負極タブ)2が接続されている。なお、正極集電部4は、発電要素3の構成要素である複数の正極板と接続されており、負極集電部5は、発電要素3の構成要素である複数の負極板と接続されている。
【0013】
ラミネートフィルム10Aは、発電要素3の積層方向における外側面である下面と接しており、ラミネートフィルム10Bは、発電要素3の積層方向における外側面である上面と接している。正極集電端子1は、発電要素3の上面と接しているラミネートフィルム10Bを覆うように、すなわち、発電要素3の上面を覆うように、配置されている。また、負極集電端子2は、発電要素3の下面と接しているラミネートフィルム10Aを覆うように、すなわち、発電要素3の下面を覆うように、配置されている。
【0014】
発電要素3の下面と接しているラミネートフィルム10Aは、折り曲げられて、正極集電端子1を覆うように構成されている。すなわち、折り曲げられたラミネートフィルム10Aは、発電要素3の正極集電部側を包み込んで、発電要素3の上面を覆っている。また、発電要素3の上面と接しているラミネートフィルム10Bは、折り曲げられて、負極集電端子2を覆うように構成されている。すなわち、折り曲げられたラミネートフィルム10Bは、発電要素3の負極集電部側を包み込んで、発電要素3の下面を覆っている。
【0015】
ただし、ラミネートフィルム10Aは、正極集電端子1を完全に覆ってしまわないような長さとしている。すなわち、正極集電端子1の表面の一部は、ラミネートフィルム10Aで覆われていない。同様に、ラミネートフィルム10Bは、負極集電端子2を完全に覆ってしまわないような長さとしている。すなわち、負極集電端子2の表面の一部は、ラミネートフィルム10Bで覆われていない。
【0016】
図3は、第1の実施形態における薄型電池100の製造方法を示す図である。まず始めに、図3(a)に示すように、発電要素3の正極集電部4と、正極集電端子1の端部とを溶接するとともに、発電要素3の負極集電部5と負極集電端子2とを溶接する。
【0017】
続いて、図3(b)に示すように、ラミネートフィルム10Bが上、ラミネートフィルム10Aが下になるように、2枚のラミネートフィルム10A、10Bで発電要素3を挟み込む。ただし、次行程で、正極集電部4を包み込むように、ラミネートフィルム10Aを上方向に折り曲げられるように、ラミネートフィルム10Aの位置を調節する。また、負極集電部5を包み込むように、ラミネートフィルム10Bを下方向に折り曲げられるように、ラミネートフィルム10Bの位置を調節する。図3(b)に示す例では、ラミネートフィルム10Aの右面が発電要素3の下面と接するように、また、ラミネートフィルム10Bの左面が発電要素3の上面と接するように配置している。
【0018】
続いて、正極集電部4を包み込んで、発電要素3の上面を覆うように、ラミネートフィルム10Aおよび正極集電端子1を上方に折り曲げる。また、負極集電部5を包み込んで、発電要素3の下面を覆うように、ラミネートフィルム10Bおよび負極集電端子2を下方に折り曲げる(図3(c)参照)。
【0019】
続いて、ラミネートフィルム10A、10Bを発電要素3の上面で、正極集電端子1に接着するとともに、ラミネートフィルム10A、10Bを発電要素3の下面で、負極集電端子2に接着する(図3(d)参照)。ここでは、この接着を第1の接着と呼ぶ。この状態では、発電要素3の積層方向を軸とする外周のうち、正極集電部側および負極集電部側はラミネートフィルム10A、10Bによって封じ込まれているが、正極集電部4または負極集電部5が設けられていない側は、未封入である。
【0020】
このとき、集電端子1、2とラミネートフィルム10A、10Bとを気密に接着するために、集電端子1、2の接着部分に熱融着する樹脂フィルムを巻くことが好ましい。また、熱融着時の熱が発電要素3に悪影響を与えないように、ラミネートフィルム10A、10Bの熱融着部分と発電要素3との間に、熱伝導度の低い薄板を置くことが好ましい。熱伝導度の低い薄板とは、例えば、プラスチックやガラスである。
【0021】
さらに、未封入の発電要素3の外周を封入するために、未封入の発電要素3の外周において、ラミネートフィルム10Aと10Bを接着する(図3(d)参照)。ここでは、この接着を第2の接着と呼ぶ。第2の接着も熱融着により実現することができる。より具体的には、未封入の二辺のうちの一方の辺を接着した後、ラミネートフィルム内に電解液を充填する。その後、もう一方の辺を接着して、気密に密閉する。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図3(e)参照)。
【0022】
上述した第1の接着は、発電要素3の上面および下面で行い、第2の接着部分の接着面積よりも広くする。すなわち、第1の接着部分の接着強度は、第2の接着部分の接着強度よりも大きい。これにより、電池に異常が生じて、内部でガスが発生し、電池の内圧が上昇した場合には、第2の接着部分からガスが噴出する。
【0023】
複数の薄型電池を積層した組電池では、内部で発生したガスを電池外部に排出するための排ガス弁が各薄型電池に設けられていることがある。上述したように、本実施形態における薄型電池100では、第2の接着部分からガスが噴出するように制御することができるので、ガスの噴出方向の位置に排ガス弁を設けることによって、効果的にガスを電池外部に排出させることができる。
【0024】
図4は、第1の実施形態における薄型電池100の外部から、導電性部材である釘40が突き刺さった場合の電流の流れについて説明するための図である。釘40が電池内部に突き刺さると、釘40を介して、電池内部で電極間短絡(内部短絡)が生じるとともに、正極集電部4から、正極集電端子1、釘40、負極集電端子2を介して、負極集電部5へと電流が流れる。すなわち、電池内部を短絡する電流経路とは別の電流バイパス経路ができるので、内部短絡部に電流が集中するのを防いで、発熱を緩やかにすることができる。
【0025】
以上、第1の実施形態における薄型電池は、発電要素3と、発電要素3を密封するための2枚のラミネートフィルム10A、10Bと、発電要素3の正極集電部4と接続され、発電要素3の上面を覆う正極集電端子1と、発電要素3の負極集電部5と接続され、発電要素3の下面を覆う負極集電端子2とを備える。発電要素3の外周のうち、電極が設けられている側は、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれて、発電要素3の上面および下面でそれぞれ接着される第1の接着が行われ、発電要素3の外周のうち、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれていない側は、その外側において、2枚のラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着が行われている。また、第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。2枚のラミネートフィルム10A、10Bは、正極集電端子1および負極集電端子2によって少なくとも一部が覆われている発電要素3の積層方向における両外側面で接着するので、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができる。また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、正極集電部4から、正極集電端子1、釘40、負極集電端子2を介して、負極集電部5へと電流が流れるので、内部短絡部に電流が集中するのを防いで、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0026】
<第2の実施形態>
第2の実施形態における薄型電池100Aの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0027】
図5(a)は、第2の実施形態における薄型電池100Aを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図5(b)は、第2の実施形態における薄型電池100Aを図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。図5(a)に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0028】
発電要素3の正極集電部4には、正極集電端子1が接続されている。一方、発電要素の負極集電部5には、負極集電端子2が接続されている。
【0029】
ラミネートフィルム10Bは、二つ折りの状態で、正極集電部4および負極集電部5と対向する側から、発電要素3の上面および下面を覆うように配置されている。正極集電端子1は、発電要素3の上面を覆っているラミネートフィルム10Bを覆うように配置されている。また、負極集電端子2は、発電要素3の下面を覆っているラミネートフィルム10Bの外側を覆うように配置されている。
【0030】
ラミネートフィルム10Aは、二つ折りの状態で、正極集電部4および負極集電部5を包み込んで、正極集電端子1および負極集電端子2の表面を覆うように配置されている。
【0031】
図6は、第2の実施形態における薄型電池100Aの製造方法を示す図である。まず始めに、ラミネートフィルム10Bを二つ折りにして、発電要素3の側方の四辺のうち、正極集電部4および負極集電部5が設けられている辺と対向する辺の側から、発電要素3を挟み込む(図6(a)、図6(b)参照)。
【0032】
次に、発電要素3の上面において、ラミネートフィルム10Bの上に正極集電端子1を配置して、正極集電端子1の端部と発電要素3の正極集電部4とを溶接する。また、発電要素3の下面において、ラミネートフィルム10Bの下に負極集電端子2を配置して、負極集電端子2の端部と発電要素3の負極集電部5とを溶接する(図6(c)参照)。
【0033】
続いて、ラミネートフィルム10Aを二つ折りにして、発電要素3の四辺のうち、正極集電部4および負極集電部5が設けられている辺の側から、正極集電端子1および負極集電端子2を覆うように、発電要素3の全体を挟み込む(図6(d)参照)。
【0034】
この後、ラミネートフィルム10A、10Bを発電要素3の上面で、正極集電端子1に接着するとともに、ラミネートフィルム10A、10Bを発電要素3の下面で、負極集電端子2に接着する第1の接着を行う。また、第1の接着後に、未封入の発電要素3の残りの辺を封入するために、未封入の辺の外側において、二つ折りにしたラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着を行う。第1の接着および第2の接着は、第1の実施形態と同様に、熱融着により実現することができる。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図6(e)参照)。
【0035】
この場合も、上述した第1の接着は、発電要素3の上面および下面で行うため、第2の接着部分の接着面積よりも広い。すなわち、第1の接着部分の接着強度は、第2の接着部分の接着強度よりも大きい。
【0036】
以上、第2の実施形態における薄型電池は、電池の発電要素3と、発電要素3を密封するための2枚のラミネートフィルム10A、10Bと、発電要素3の正極集電部4と接続され、発電要素3の上面を覆う正極集電端子1と、発電要素3の負極集電部5と接続され、発電要素3の下面を覆う負極集電端子2とを備える。発電要素3の外周のうち、電極が設けられている側およびその対向側は、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれて、発電要素3の上面および下面でそれぞれ接着される第1の接着が行われ、発電要素3の外周のうち、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれていない側は、その外側において、2枚のラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着が行われている。また、第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。このような構成とすることにより、第1の実施形態における薄型電池と同様に、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができ、また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0037】
<第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態における薄型電池100Bの概観構成を示す図である。第3の実施形態における薄型電池100Bでは、正極集電端子1と負極集電端子2が同一の方向に突出している。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0038】
図8(a)は、第3の実施形態における薄型電池100Bを図7のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図8(b)は、第3の実施形態における薄型電池100Bを図7のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。図8(a)に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0039】
図9は、第3の実施形態における薄型電池100Bの製造方法を示す図である。ラミネートフィルム10Aは、発電要素3を包み込むように、折りたためる長さとなっており、ラミネートフィルム10Bよりも長い。
【0040】
まず始めに、発電要素3の上面に、ラミネートフィルム10A、正極集電端子1、ラミネートフィルム10B、負極集電端子2を順に重ね、正極集電端子1の端部と発電要素3の正極集電部4とを溶接するとともに、負極集電端子2の端部と発電要素3の負極集電部5とを溶接する(図9(a))。
【0041】
続いて、図9(a)の矢印90の向きに、すなわち、下方向から発電要素3を包み込むように、ラミネートフィルム10Aを折り曲げる。換言すると、ラミネートフィルム10Aを下方向に折り曲げた後、正極集電部4および負極集電部5を包み込むように、上方向に折り曲げる。図9(b)は、発電要素3を包み込むように、ラミネートフィルム10Aを折り曲げた状態を示している。
【0042】
続いて、図9(b)の矢印91の向きに、すなわち、発電要素3の下面を覆うように、重なっている正極集電端子1、ラミネートフィルム10B、負極集電端子2、ラミネートフィルム10Aを折り曲げる。
【0043】
この後、発電要素3の上面で、ラミネートフィルム10A、10Bを正極集電端子1および負極集電端子2に接着するとともに、発電要素3の下面で、ラミネートフィルム10A、10Bを正極集電端子1および負極集電端子2に接着する第1の接着を行う。また、第1の接着後に、未封入の発電要素3の残りの辺を封入するために、未封入の辺の外側において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着を行う(図9(c)参照)。第1の接着および第2の接着は、第1の実施形態と同様に、熱融着により実現することができる。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図9(d)参照)。
【0044】
この場合も、上述した第1の接着は、発電要素3の上面および下面で行うため、第2の接着部分の接着面積よりも広い。すなわち、第1の接着部分の接着強度は、第2の接着部分の接着強度よりも大きい。
【0045】
第3の実施形態における薄型電池100Bでは、図8(a)および図8(b)に示すように、発電要素3の上面および下面のそれぞれを覆うように、正極集電端子1および負極集電端子2が配置されている。従って、薄型電池100Bの外部から釘などの導電性部材が突き刺さって、電池を貫通せずに内部で止まった場合でも、正極集電部4から、正極集電端子1、釘、負極集電端子2を介して、負極集電部5へと電流が流れる。すなわち、電池内部の電極間短絡だけでなく、集電端子間の短絡も生じるため、電極間短絡部に電流が集中するのを防いで、発熱を緩やかにすることができる。
【0046】
以上、第3の実施形態における薄型電池は、電池の発電要素3と、発電要素3を密封するための2枚のラミネートフィルム10A、10Bと、発電要素3の正極集電部4と接続され、発電要素3の上面および下面を覆う正極集電端子1と、発電要素3の負極集電部5と接続され、発電要素3の上面および下面を覆う負極集電端子2とを備える。発電要素3の外周のうち、電極が設けられている側およびその対向側は、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれて、発電要素3の上面および下面でそれぞれ接着される第1の接着が行われ、発電要素3の外周のうち、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれていない側は、その外側において、2枚のラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着が行われている。また、第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。このような構成とすることにより、第1の実施形態における薄型電池と同様に、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができ、また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、熱暴走の発生を抑制することができる。特に、正極集電端子1および負極集電端子2はそれぞれ、発電要素3の上面および下面を覆うように設けられているので、外部から釘などの導電性部材が突き刺さって、電池を貫通せずに内部で止まった場合でも、電極間短絡部に電流が集中するのを防いで、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0047】
<第4の実施形態>
第4の実施形態における薄型電池100Cの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0048】
図10(a)は、第4の実施形態における薄型電池100Cを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図10(b)は、第4の実施形態における薄型電池100Cを図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。図10(a)に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、互いに反対の方向に設けられている。
【0049】
ラミネートフィルムとして、プラスチックフィルムの間に、ガス透過バリア層としてのアルミニウム箔を設けた構成のものが知られている。第4の実施形態では、ラミネートフィルム10A、10Bとして、プラスチックフィルムの間にアルミニウム箔を設けたものを用いる。また、プラスチックフィルムの間のアルミニウム箔を、正極集電端子1および負極集電端子2として用いる。なお、負極活物質がグラファイト系の場合は、アルミニウム箔を負極集電端子2として用いることはできないので、正極集電端子1にのみアルミニウム箔を用いる。
【0050】
ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔は、正極集電部4と接続されている。すなわち、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔は、正極集電端子1として機能する。図10(a)、図10(b)において、正極集電端子1として図示されているものは、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔である。
【0051】
また、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔は、負極集電部5と接続されている。すなわち、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔は、負極集電端子2として機能する。図10(a)、図10(b)において、負極集電端子2として図示されているものは、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔である。
【0052】
図11は、第4の実施形態における薄型電池100Cの製造方法を示す図である。まず始めに、図11(a)に示すように、発電要素3の正極集電部4と、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔とを溶接するとともに、発電要素3の負極集電部5とラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔とを溶接する。
【0053】
次に、図11(a)の矢印110の向きに、発電要素3の上面を覆うように、ラミネートフィルム10Aを上方に折り曲げる。また、図11(a)の矢印111の向きに、発電要素3の下面を覆うように、ラミネートフィルム10Bを下方に折り曲げる。
【0054】
次に、図11(b)の矢印112の向きに、発電要素3の下面を覆うように、ラミネートフィルム10Aを下方に折りたたむ。また、図11(b)の矢印113の向きに、発電要素3の上面を覆うように、ラミネートフィルム10Bを上方に折りたたむ。
【0055】
この後、発電要素3の上面において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着するとともに、発電要素3の下面において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着する第1の接着を行う。また、第1の接着後に、未封入の発電要素3の残りの辺を封入するために、未封入の辺の外側において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着を行う。第1の接着および第2の接着は、第1の実施形態と同様に、熱融着により実現することができる。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図11(c)参照)。
【0056】
この場合も、上述した第1の接着は、発電要素3の上面および下面で行うため、第2の接着部分の接着面積よりも広い。すなわち、第1の接着部分の接着強度は、第2の接着部分の接着強度よりも大きい。
【0057】
以上、第4の実施形態における薄型電池100Cによれば、第1の実施形態における薄型電池100と同様に、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができ、また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0058】
特に、ラミネートフィルム10A、10Bは、プラスチックフィルムの間のアルミニウム箔を設けた構成であり、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔は、正極集電端子1として機能し、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔は、負極集電端子2として機能するので、部品点数を減らすことができ、薄型電池のサイズを小さくすることができる。
【0059】
<第5の実施形態>
図12は、第5の実施形態における薄型電池100Dの概観構成を示す図である。第5の実施形態における薄型電池100Dでは、正極集電端子1と負極集電端子2が同一の方向に突出している。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0060】
図13(a)は、第5の実施形態における薄型電池100Dを図12のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図13(b)は、第5の実施形態における薄型電池100Dを図12のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。図13(a)に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0061】
第5の実施形態における薄型電池100Dにおいても、第4の実施形態と同様に、ラミネートフィルム10A、10Bとして、プラスチックフィルムの間にアルミニウム箔を設けたものを用いる。また、ラミネートフィルム10Aのアルミニウム箔を、正極集電端子1として用い、ラミネートフィルム10Bのアルミニウム箔を、負極集電端子2として用いる。
【0062】
図14は、第5の実施形態における薄型電池100Dの製造方法を示す図である。まず始めに、図14(a)に示すように、発電要素3の正極集電部4と、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔の一端141とを溶接するとともに、発電要素3の負極集電部5とラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔の一端142とを溶接する。そして、図14(a)の矢印145、146の向きに、発電要素3の上面を覆うように、ラミネートフィルム10Aおよび10Bを上方に折り曲げる。
【0063】
続いて、図14(b)の矢印147の向きに、発電要素3の下面を覆うように、ラミネートフィルム10Aおよび10Bを下方に折り曲げる。
【0064】
この後、発電要素3の上面および下面において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着する第1の接着を行う。また、第1の接着後に、未封入の発電要素3の残りの辺を封入するために、未封入の辺の外側において、ラミネートフィルム10A、10Bを密着させる第2の密着を行う。第1の密着および第2の密着は、第1の実施形態と同様に、熱融着により実現することができる。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図14(c)参照)。
【0065】
以上、第5の実施形態における薄型電池100Dによれば、第1の実施形態における薄型電池100と同様に、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができ、また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0066】
特に、ラミネートフィルム10A、10Bは、プラスチックフィルムの間のアルミニウム箔を設けた構成であり、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔は、正極集電端子1として機能し、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔は、負極集電端子2として機能するので、部品点数を減らすことができ、薄型電池のサイズを小さくすることができる。
【0067】
<第6の実施形態>
第6の実施形態における薄型電池100Eの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0068】
図15は、第6の実施形態における薄型電池100Eを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。図15に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0069】
第6の実施形態における薄型電池100Eの製造方法は、第2の実施形態における薄型電池100Aの製造方法と同じである。第6の実施形態における薄型電池100Eが第2の実施形態における薄型電池100Aと異なるのは、正極集電端子1と負極集電端子2の折り曲げ部分の形状である。図5(a)に示すように、第2の実施形態における薄型電池100Aでは、正極集電端子1の折り曲げ部分、すなわち、発電要素3の上面を覆うように、正極集電端子1を折り曲げている角の部分の形状は、ほぼ直角の形状であった。同様に、負極集電端子2の折り曲げ部分の形状もほぼ直角の形状であった。
【0070】
これに対して、第6の実施形態における薄型電池100Eでは、正極集電端子1の折り曲げ部分、および、負極集電端子2の折り曲げ部分の形状を、丸みのある曲線形状としている。これにより、集電端子1、2を直角に折り曲げることによる金属疲労の発生を防止することができる。
【0071】
なお、正極集電端子1および負極集電端子2のうちのいずれか一方の折り曲げ部分の形状を、丸みのある曲線形状としてもよい。
【0072】
<第7の実施形態>
第7の実施形態における薄型電池100Fの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0073】
図16は、第7の実施形態における薄型電池100Fを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。図16に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0074】
第7の実施形態における薄型電池100Fでは、発電要素3を覆っているラミネートフィルム10A内の正極集電端子1および負極集電端子2に、絶縁体、例えば、絶縁性のテープまたはフィルム160を接着する。絶縁性のテープまたはフィルム160を接着する箇所は、少なくとも、正極集電部4または負極集電部5と接触する可能性がある箇所、および、集電端子同士が接触する可能性がある箇所とする。これにより、折り曲げた集電端子1、2と、正極集電部4または負極集電部5との間の短絡、または、集電端子間の短絡を防止することができる。
【0075】
<第8の実施形態>
第8の実施形態における薄型電池100Gの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0076】
図17は、第8の実施形態における薄型電池100Gを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。図17に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0077】
第8の実施形態における薄型電池100Gでは、少なくとも、正極集電端子1と正極集電部4とを接続している箇所、および、負極集電端子2と負極集電部5とを接続している箇所を補強用部材170、例えば、弾性体または樹脂ケースで囲う。好ましくは、図17に示すように、正極集電端子1と正極集電部4とを接続している箇所、および、負極集電端子2と負極集電部5とを接続している箇所を含む、発電要素3の厚みと同程度の範囲を補強用部材170で囲う。これにより、電池外部からの衝撃による集電端子1、2と電極4、5との接続箇所の破断を防止することができる。
【0078】
なお、正極集電端子1と正極集電部4とを接続している箇所、および、負極集電端子2と負極集電部5とを接続している箇所のうち、いずれか一方の箇所を補強用部材で覆うようにしてもよい。
【0079】
本発明は、上述した第1〜第8の実施形態に限定されることはない。上述した各実施形態では、正極集電端子1および負極集電端子2は、発電要素3の上面および/または下面の全体を覆っているものとして説明したが、少なくとも一部を覆うような構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0080】
1…正極集電端子
2…負極集電端子
3…発電要素
4…正極集電部
5…負極集電部
10A、10B…ラミネートフィルム
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G…薄型電池
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電池の発電要素を2枚のラミネートフィルムで挟み込んで、端部を熱融着させることによって、発電要素を密封した薄型電池が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−192471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の薄型電池では、発電要素の外部に突出している電極集電端子が設けられている部分をラミネートフィルムで密閉させる際のシール強度が他の部分に比べて弱くなる。
【0005】
また、電池の外部から内部へ釘などの導電部材が突き刺さると、電池内部の電極間がショートして、電池の温度が上昇する。
【0006】
本発明は、電極集電端子が設けられている部分のシール強度を強化することができ、かつ、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、電池温度の上昇を抑制することができる薄型電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による薄型電池は、発電要素と、発電要素を密封するための2枚の外装体と、発電要素の正極集電部と接続され、発電要素の積層方向における両外側面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている正極集電端子と、発電要素の負極集電部と接続され、発電要素の積層方向における両外側面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている負極集電端子とを備える。発電要素の外周のうち、少なくとも前記正極集電部および前記負極集電部が設けられている側は、折り曲げられた2枚の外装体の一方または両方によって包み込まれ、該2枚の外装体は、発電要素の積層方向における両外側面で接着される第1の接着が行われる。発電要素の積層方向を軸とする外周のうち、折り曲げられた2枚の外装体によって包み込まれていない側は、前記発電要素の外側において、2枚の外装体を接着する第2の接着が行われる。第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、2枚の外装体は、正極集電端子および負極集電端子によって少なくとも一部が覆われている発電要素の積層方向における両外側面で接着するので、正極集電端子および負極集電端子が設けられている部分のシール強度を強化することができる。また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、正極集電部から、正極集電端子、導電性部材、負極集電端子を介して負極集電部へと電流が流れるので、内部短絡部に電流が集中するのを防いで、電池温度の上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、第1の実施形態における薄型電池の概観構成を示す図である。
【図2】図2(a)は、薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図2(b)は、薄型電池を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図3】図3(a)〜図3(e)は、第1の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態における薄型電池の外部から、導電性部材である釘が突き刺さった場合の電流の流れについて説明するための図である。
【図5】図5(a)は、第2の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図5(b)は、第2の実施形態における薄型電池を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図6】図6(a)〜図6(e)は、第2の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図7】図7は、第3の実施形態における薄型電池の概観構成を示す図である。
【図8】図8(a)は、第3の実施形態における薄型電池を図7のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図8(b)は、第2の実施形態における薄型電池を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図9】図9は、第3の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図10】図10(a)は、第4の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図10(b)は、第4の実施形態における薄型電池を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図11】図11(a)〜図11(c)は、第4の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図12】図12は、第5の実施形態における薄型電池の概観構成を示す図である。
【図13】図13(a)は、第5の実施形態における薄型電池を図12のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図13(b)は、第5の実施形態における薄型電池を図12のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。
【図14】図14(a)〜図14(c)は、第5の実施形態における薄型電池の製造方法を示す図である。
【図15】図15は、第6の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。
【図16】図16は、第7の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。
【図17】図17は、第8の実施形態における薄型電池を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態における薄型電池100の概観構成を示す図である。この薄型電池100は、単体として使用することもできるし、複数個を接続して、組電池として使用することもできる。複数個を接続して構成される組電池は、例えば、電気自動車やハイブリッド車の駆動用電源として用いられる。
【0011】
図2(a)は、薄型電池100を図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図2(b)は、薄型電池100を図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。この薄型電池100では、発電要素3を2枚のラミネートフィルム(外装体)10A、10Bで封入している。
【0012】
発電要素3の正極集電部4には、金属等の導電性の素材からなる正極集電端子(正極タブ)1が接続されている。一方、発電要素の負極集電部5には、金属等の導電性の素材からなる負極集電端子(負極タブ)2が接続されている。なお、正極集電部4は、発電要素3の構成要素である複数の正極板と接続されており、負極集電部5は、発電要素3の構成要素である複数の負極板と接続されている。
【0013】
ラミネートフィルム10Aは、発電要素3の積層方向における外側面である下面と接しており、ラミネートフィルム10Bは、発電要素3の積層方向における外側面である上面と接している。正極集電端子1は、発電要素3の上面と接しているラミネートフィルム10Bを覆うように、すなわち、発電要素3の上面を覆うように、配置されている。また、負極集電端子2は、発電要素3の下面と接しているラミネートフィルム10Aを覆うように、すなわち、発電要素3の下面を覆うように、配置されている。
【0014】
発電要素3の下面と接しているラミネートフィルム10Aは、折り曲げられて、正極集電端子1を覆うように構成されている。すなわち、折り曲げられたラミネートフィルム10Aは、発電要素3の正極集電部側を包み込んで、発電要素3の上面を覆っている。また、発電要素3の上面と接しているラミネートフィルム10Bは、折り曲げられて、負極集電端子2を覆うように構成されている。すなわち、折り曲げられたラミネートフィルム10Bは、発電要素3の負極集電部側を包み込んで、発電要素3の下面を覆っている。
【0015】
ただし、ラミネートフィルム10Aは、正極集電端子1を完全に覆ってしまわないような長さとしている。すなわち、正極集電端子1の表面の一部は、ラミネートフィルム10Aで覆われていない。同様に、ラミネートフィルム10Bは、負極集電端子2を完全に覆ってしまわないような長さとしている。すなわち、負極集電端子2の表面の一部は、ラミネートフィルム10Bで覆われていない。
【0016】
図3は、第1の実施形態における薄型電池100の製造方法を示す図である。まず始めに、図3(a)に示すように、発電要素3の正極集電部4と、正極集電端子1の端部とを溶接するとともに、発電要素3の負極集電部5と負極集電端子2とを溶接する。
【0017】
続いて、図3(b)に示すように、ラミネートフィルム10Bが上、ラミネートフィルム10Aが下になるように、2枚のラミネートフィルム10A、10Bで発電要素3を挟み込む。ただし、次行程で、正極集電部4を包み込むように、ラミネートフィルム10Aを上方向に折り曲げられるように、ラミネートフィルム10Aの位置を調節する。また、負極集電部5を包み込むように、ラミネートフィルム10Bを下方向に折り曲げられるように、ラミネートフィルム10Bの位置を調節する。図3(b)に示す例では、ラミネートフィルム10Aの右面が発電要素3の下面と接するように、また、ラミネートフィルム10Bの左面が発電要素3の上面と接するように配置している。
【0018】
続いて、正極集電部4を包み込んで、発電要素3の上面を覆うように、ラミネートフィルム10Aおよび正極集電端子1を上方に折り曲げる。また、負極集電部5を包み込んで、発電要素3の下面を覆うように、ラミネートフィルム10Bおよび負極集電端子2を下方に折り曲げる(図3(c)参照)。
【0019】
続いて、ラミネートフィルム10A、10Bを発電要素3の上面で、正極集電端子1に接着するとともに、ラミネートフィルム10A、10Bを発電要素3の下面で、負極集電端子2に接着する(図3(d)参照)。ここでは、この接着を第1の接着と呼ぶ。この状態では、発電要素3の積層方向を軸とする外周のうち、正極集電部側および負極集電部側はラミネートフィルム10A、10Bによって封じ込まれているが、正極集電部4または負極集電部5が設けられていない側は、未封入である。
【0020】
このとき、集電端子1、2とラミネートフィルム10A、10Bとを気密に接着するために、集電端子1、2の接着部分に熱融着する樹脂フィルムを巻くことが好ましい。また、熱融着時の熱が発電要素3に悪影響を与えないように、ラミネートフィルム10A、10Bの熱融着部分と発電要素3との間に、熱伝導度の低い薄板を置くことが好ましい。熱伝導度の低い薄板とは、例えば、プラスチックやガラスである。
【0021】
さらに、未封入の発電要素3の外周を封入するために、未封入の発電要素3の外周において、ラミネートフィルム10Aと10Bを接着する(図3(d)参照)。ここでは、この接着を第2の接着と呼ぶ。第2の接着も熱融着により実現することができる。より具体的には、未封入の二辺のうちの一方の辺を接着した後、ラミネートフィルム内に電解液を充填する。その後、もう一方の辺を接着して、気密に密閉する。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図3(e)参照)。
【0022】
上述した第1の接着は、発電要素3の上面および下面で行い、第2の接着部分の接着面積よりも広くする。すなわち、第1の接着部分の接着強度は、第2の接着部分の接着強度よりも大きい。これにより、電池に異常が生じて、内部でガスが発生し、電池の内圧が上昇した場合には、第2の接着部分からガスが噴出する。
【0023】
複数の薄型電池を積層した組電池では、内部で発生したガスを電池外部に排出するための排ガス弁が各薄型電池に設けられていることがある。上述したように、本実施形態における薄型電池100では、第2の接着部分からガスが噴出するように制御することができるので、ガスの噴出方向の位置に排ガス弁を設けることによって、効果的にガスを電池外部に排出させることができる。
【0024】
図4は、第1の実施形態における薄型電池100の外部から、導電性部材である釘40が突き刺さった場合の電流の流れについて説明するための図である。釘40が電池内部に突き刺さると、釘40を介して、電池内部で電極間短絡(内部短絡)が生じるとともに、正極集電部4から、正極集電端子1、釘40、負極集電端子2を介して、負極集電部5へと電流が流れる。すなわち、電池内部を短絡する電流経路とは別の電流バイパス経路ができるので、内部短絡部に電流が集中するのを防いで、発熱を緩やかにすることができる。
【0025】
以上、第1の実施形態における薄型電池は、発電要素3と、発電要素3を密封するための2枚のラミネートフィルム10A、10Bと、発電要素3の正極集電部4と接続され、発電要素3の上面を覆う正極集電端子1と、発電要素3の負極集電部5と接続され、発電要素3の下面を覆う負極集電端子2とを備える。発電要素3の外周のうち、電極が設けられている側は、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれて、発電要素3の上面および下面でそれぞれ接着される第1の接着が行われ、発電要素3の外周のうち、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれていない側は、その外側において、2枚のラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着が行われている。また、第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。2枚のラミネートフィルム10A、10Bは、正極集電端子1および負極集電端子2によって少なくとも一部が覆われている発電要素3の積層方向における両外側面で接着するので、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができる。また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、正極集電部4から、正極集電端子1、釘40、負極集電端子2を介して、負極集電部5へと電流が流れるので、内部短絡部に電流が集中するのを防いで、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0026】
<第2の実施形態>
第2の実施形態における薄型電池100Aの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0027】
図5(a)は、第2の実施形態における薄型電池100Aを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図5(b)は、第2の実施形態における薄型電池100Aを図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。図5(a)に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0028】
発電要素3の正極集電部4には、正極集電端子1が接続されている。一方、発電要素の負極集電部5には、負極集電端子2が接続されている。
【0029】
ラミネートフィルム10Bは、二つ折りの状態で、正極集電部4および負極集電部5と対向する側から、発電要素3の上面および下面を覆うように配置されている。正極集電端子1は、発電要素3の上面を覆っているラミネートフィルム10Bを覆うように配置されている。また、負極集電端子2は、発電要素3の下面を覆っているラミネートフィルム10Bの外側を覆うように配置されている。
【0030】
ラミネートフィルム10Aは、二つ折りの状態で、正極集電部4および負極集電部5を包み込んで、正極集電端子1および負極集電端子2の表面を覆うように配置されている。
【0031】
図6は、第2の実施形態における薄型電池100Aの製造方法を示す図である。まず始めに、ラミネートフィルム10Bを二つ折りにして、発電要素3の側方の四辺のうち、正極集電部4および負極集電部5が設けられている辺と対向する辺の側から、発電要素3を挟み込む(図6(a)、図6(b)参照)。
【0032】
次に、発電要素3の上面において、ラミネートフィルム10Bの上に正極集電端子1を配置して、正極集電端子1の端部と発電要素3の正極集電部4とを溶接する。また、発電要素3の下面において、ラミネートフィルム10Bの下に負極集電端子2を配置して、負極集電端子2の端部と発電要素3の負極集電部5とを溶接する(図6(c)参照)。
【0033】
続いて、ラミネートフィルム10Aを二つ折りにして、発電要素3の四辺のうち、正極集電部4および負極集電部5が設けられている辺の側から、正極集電端子1および負極集電端子2を覆うように、発電要素3の全体を挟み込む(図6(d)参照)。
【0034】
この後、ラミネートフィルム10A、10Bを発電要素3の上面で、正極集電端子1に接着するとともに、ラミネートフィルム10A、10Bを発電要素3の下面で、負極集電端子2に接着する第1の接着を行う。また、第1の接着後に、未封入の発電要素3の残りの辺を封入するために、未封入の辺の外側において、二つ折りにしたラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着を行う。第1の接着および第2の接着は、第1の実施形態と同様に、熱融着により実現することができる。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図6(e)参照)。
【0035】
この場合も、上述した第1の接着は、発電要素3の上面および下面で行うため、第2の接着部分の接着面積よりも広い。すなわち、第1の接着部分の接着強度は、第2の接着部分の接着強度よりも大きい。
【0036】
以上、第2の実施形態における薄型電池は、電池の発電要素3と、発電要素3を密封するための2枚のラミネートフィルム10A、10Bと、発電要素3の正極集電部4と接続され、発電要素3の上面を覆う正極集電端子1と、発電要素3の負極集電部5と接続され、発電要素3の下面を覆う負極集電端子2とを備える。発電要素3の外周のうち、電極が設けられている側およびその対向側は、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれて、発電要素3の上面および下面でそれぞれ接着される第1の接着が行われ、発電要素3の外周のうち、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれていない側は、その外側において、2枚のラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着が行われている。また、第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。このような構成とすることにより、第1の実施形態における薄型電池と同様に、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができ、また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0037】
<第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態における薄型電池100Bの概観構成を示す図である。第3の実施形態における薄型電池100Bでは、正極集電端子1と負極集電端子2が同一の方向に突出している。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0038】
図8(a)は、第3の実施形態における薄型電池100Bを図7のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図8(b)は、第3の実施形態における薄型電池100Bを図7のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。図8(a)に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0039】
図9は、第3の実施形態における薄型電池100Bの製造方法を示す図である。ラミネートフィルム10Aは、発電要素3を包み込むように、折りたためる長さとなっており、ラミネートフィルム10Bよりも長い。
【0040】
まず始めに、発電要素3の上面に、ラミネートフィルム10A、正極集電端子1、ラミネートフィルム10B、負極集電端子2を順に重ね、正極集電端子1の端部と発電要素3の正極集電部4とを溶接するとともに、負極集電端子2の端部と発電要素3の負極集電部5とを溶接する(図9(a))。
【0041】
続いて、図9(a)の矢印90の向きに、すなわち、下方向から発電要素3を包み込むように、ラミネートフィルム10Aを折り曲げる。換言すると、ラミネートフィルム10Aを下方向に折り曲げた後、正極集電部4および負極集電部5を包み込むように、上方向に折り曲げる。図9(b)は、発電要素3を包み込むように、ラミネートフィルム10Aを折り曲げた状態を示している。
【0042】
続いて、図9(b)の矢印91の向きに、すなわち、発電要素3の下面を覆うように、重なっている正極集電端子1、ラミネートフィルム10B、負極集電端子2、ラミネートフィルム10Aを折り曲げる。
【0043】
この後、発電要素3の上面で、ラミネートフィルム10A、10Bを正極集電端子1および負極集電端子2に接着するとともに、発電要素3の下面で、ラミネートフィルム10A、10Bを正極集電端子1および負極集電端子2に接着する第1の接着を行う。また、第1の接着後に、未封入の発電要素3の残りの辺を封入するために、未封入の辺の外側において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着を行う(図9(c)参照)。第1の接着および第2の接着は、第1の実施形態と同様に、熱融着により実現することができる。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図9(d)参照)。
【0044】
この場合も、上述した第1の接着は、発電要素3の上面および下面で行うため、第2の接着部分の接着面積よりも広い。すなわち、第1の接着部分の接着強度は、第2の接着部分の接着強度よりも大きい。
【0045】
第3の実施形態における薄型電池100Bでは、図8(a)および図8(b)に示すように、発電要素3の上面および下面のそれぞれを覆うように、正極集電端子1および負極集電端子2が配置されている。従って、薄型電池100Bの外部から釘などの導電性部材が突き刺さって、電池を貫通せずに内部で止まった場合でも、正極集電部4から、正極集電端子1、釘、負極集電端子2を介して、負極集電部5へと電流が流れる。すなわち、電池内部の電極間短絡だけでなく、集電端子間の短絡も生じるため、電極間短絡部に電流が集中するのを防いで、発熱を緩やかにすることができる。
【0046】
以上、第3の実施形態における薄型電池は、電池の発電要素3と、発電要素3を密封するための2枚のラミネートフィルム10A、10Bと、発電要素3の正極集電部4と接続され、発電要素3の上面および下面を覆う正極集電端子1と、発電要素3の負極集電部5と接続され、発電要素3の上面および下面を覆う負極集電端子2とを備える。発電要素3の外周のうち、電極が設けられている側およびその対向側は、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれて、発電要素3の上面および下面でそれぞれ接着される第1の接着が行われ、発電要素3の外周のうち、折り曲げられたラミネートフィルム10A、10Bによって包み込まれていない側は、その外側において、2枚のラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着が行われている。また、第1の接着の接着面は、第2の接着の接着面よりも広い。このような構成とすることにより、第1の実施形態における薄型電池と同様に、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができ、また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、熱暴走の発生を抑制することができる。特に、正極集電端子1および負極集電端子2はそれぞれ、発電要素3の上面および下面を覆うように設けられているので、外部から釘などの導電性部材が突き刺さって、電池を貫通せずに内部で止まった場合でも、電極間短絡部に電流が集中するのを防いで、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0047】
<第4の実施形態>
第4の実施形態における薄型電池100Cの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0048】
図10(a)は、第4の実施形態における薄型電池100Cを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図10(b)は、第4の実施形態における薄型電池100Cを図1のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。図10(a)に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、互いに反対の方向に設けられている。
【0049】
ラミネートフィルムとして、プラスチックフィルムの間に、ガス透過バリア層としてのアルミニウム箔を設けた構成のものが知られている。第4の実施形態では、ラミネートフィルム10A、10Bとして、プラスチックフィルムの間にアルミニウム箔を設けたものを用いる。また、プラスチックフィルムの間のアルミニウム箔を、正極集電端子1および負極集電端子2として用いる。なお、負極活物質がグラファイト系の場合は、アルミニウム箔を負極集電端子2として用いることはできないので、正極集電端子1にのみアルミニウム箔を用いる。
【0050】
ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔は、正極集電部4と接続されている。すなわち、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔は、正極集電端子1として機能する。図10(a)、図10(b)において、正極集電端子1として図示されているものは、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔である。
【0051】
また、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔は、負極集電部5と接続されている。すなわち、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔は、負極集電端子2として機能する。図10(a)、図10(b)において、負極集電端子2として図示されているものは、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔である。
【0052】
図11は、第4の実施形態における薄型電池100Cの製造方法を示す図である。まず始めに、図11(a)に示すように、発電要素3の正極集電部4と、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔とを溶接するとともに、発電要素3の負極集電部5とラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔とを溶接する。
【0053】
次に、図11(a)の矢印110の向きに、発電要素3の上面を覆うように、ラミネートフィルム10Aを上方に折り曲げる。また、図11(a)の矢印111の向きに、発電要素3の下面を覆うように、ラミネートフィルム10Bを下方に折り曲げる。
【0054】
次に、図11(b)の矢印112の向きに、発電要素3の下面を覆うように、ラミネートフィルム10Aを下方に折りたたむ。また、図11(b)の矢印113の向きに、発電要素3の上面を覆うように、ラミネートフィルム10Bを上方に折りたたむ。
【0055】
この後、発電要素3の上面において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着するとともに、発電要素3の下面において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着する第1の接着を行う。また、第1の接着後に、未封入の発電要素3の残りの辺を封入するために、未封入の辺の外側において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着する第2の接着を行う。第1の接着および第2の接着は、第1の実施形態と同様に、熱融着により実現することができる。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図11(c)参照)。
【0056】
この場合も、上述した第1の接着は、発電要素3の上面および下面で行うため、第2の接着部分の接着面積よりも広い。すなわち、第1の接着部分の接着強度は、第2の接着部分の接着強度よりも大きい。
【0057】
以上、第4の実施形態における薄型電池100Cによれば、第1の実施形態における薄型電池100と同様に、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができ、また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0058】
特に、ラミネートフィルム10A、10Bは、プラスチックフィルムの間のアルミニウム箔を設けた構成であり、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔は、正極集電端子1として機能し、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔は、負極集電端子2として機能するので、部品点数を減らすことができ、薄型電池のサイズを小さくすることができる。
【0059】
<第5の実施形態>
図12は、第5の実施形態における薄型電池100Dの概観構成を示す図である。第5の実施形態における薄型電池100Dでは、正極集電端子1と負極集電端子2が同一の方向に突出している。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0060】
図13(a)は、第5の実施形態における薄型電池100Dを図12のY−Y平面で切断した場合の断面図であり、図13(b)は、第5の実施形態における薄型電池100Dを図12のZ−Z平面で切断した場合の断面図である。図13(a)に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0061】
第5の実施形態における薄型電池100Dにおいても、第4の実施形態と同様に、ラミネートフィルム10A、10Bとして、プラスチックフィルムの間にアルミニウム箔を設けたものを用いる。また、ラミネートフィルム10Aのアルミニウム箔を、正極集電端子1として用い、ラミネートフィルム10Bのアルミニウム箔を、負極集電端子2として用いる。
【0062】
図14は、第5の実施形態における薄型電池100Dの製造方法を示す図である。まず始めに、図14(a)に示すように、発電要素3の正極集電部4と、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔の一端141とを溶接するとともに、発電要素3の負極集電部5とラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔の一端142とを溶接する。そして、図14(a)の矢印145、146の向きに、発電要素3の上面を覆うように、ラミネートフィルム10Aおよび10Bを上方に折り曲げる。
【0063】
続いて、図14(b)の矢印147の向きに、発電要素3の下面を覆うように、ラミネートフィルム10Aおよび10Bを下方に折り曲げる。
【0064】
この後、発電要素3の上面および下面において、ラミネートフィルム10A、10Bを接着する第1の接着を行う。また、第1の接着後に、未封入の発電要素3の残りの辺を封入するために、未封入の辺の外側において、ラミネートフィルム10A、10Bを密着させる第2の密着を行う。第1の密着および第2の密着は、第1の実施形態と同様に、熱融着により実現することができる。これにより、発電要素3は、ラミネートフィルム10Aおよび10Bによって完全に封入される(図14(c)参照)。
【0065】
以上、第5の実施形態における薄型電池100Dによれば、第1の実施形態における薄型電池100と同様に、正極集電端子1および負極集電端子2が設けられている部分のシール強度を強化することができ、また、電池外部から導電性部材が刺さった場合でも、熱暴走の発生を抑制することができる。
【0066】
特に、ラミネートフィルム10A、10Bは、プラスチックフィルムの間のアルミニウム箔を設けた構成であり、ラミネートフィルム10A内のアルミニウム箔は、正極集電端子1として機能し、ラミネートフィルム10B内のアルミニウム箔は、負極集電端子2として機能するので、部品点数を減らすことができ、薄型電池のサイズを小さくすることができる。
【0067】
<第6の実施形態>
第6の実施形態における薄型電池100Eの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0068】
図15は、第6の実施形態における薄型電池100Eを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。図15に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0069】
第6の実施形態における薄型電池100Eの製造方法は、第2の実施形態における薄型電池100Aの製造方法と同じである。第6の実施形態における薄型電池100Eが第2の実施形態における薄型電池100Aと異なるのは、正極集電端子1と負極集電端子2の折り曲げ部分の形状である。図5(a)に示すように、第2の実施形態における薄型電池100Aでは、正極集電端子1の折り曲げ部分、すなわち、発電要素3の上面を覆うように、正極集電端子1を折り曲げている角の部分の形状は、ほぼ直角の形状であった。同様に、負極集電端子2の折り曲げ部分の形状もほぼ直角の形状であった。
【0070】
これに対して、第6の実施形態における薄型電池100Eでは、正極集電端子1の折り曲げ部分、および、負極集電端子2の折り曲げ部分の形状を、丸みのある曲線形状としている。これにより、集電端子1、2を直角に折り曲げることによる金属疲労の発生を防止することができる。
【0071】
なお、正極集電端子1および負極集電端子2のうちのいずれか一方の折り曲げ部分の形状を、丸みのある曲線形状としてもよい。
【0072】
<第7の実施形態>
第7の実施形態における薄型電池100Fの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0073】
図16は、第7の実施形態における薄型電池100Fを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。図16に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0074】
第7の実施形態における薄型電池100Fでは、発電要素3を覆っているラミネートフィルム10A内の正極集電端子1および負極集電端子2に、絶縁体、例えば、絶縁性のテープまたはフィルム160を接着する。絶縁性のテープまたはフィルム160を接着する箇所は、少なくとも、正極集電部4または負極集電部5と接触する可能性がある箇所、および、集電端子同士が接触する可能性がある箇所とする。これにより、折り曲げた集電端子1、2と、正極集電部4または負極集電部5との間の短絡、または、集電端子間の短絡を防止することができる。
【0075】
<第8の実施形態>
第8の実施形態における薄型電池100Gの概観構成は、図1に示す第1の実施形態における薄型電池100の概観構成と同じである。なお、第1の実施形態における薄型電池100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、詳しい説明は省略する。
【0076】
図17は、第8の実施形態における薄型電池100Gを図1のY−Y平面で切断した場合の断面図である。図17に示すように、正極集電部4および負極集電部5は、電池の同一辺側に設けられている。
【0077】
第8の実施形態における薄型電池100Gでは、少なくとも、正極集電端子1と正極集電部4とを接続している箇所、および、負極集電端子2と負極集電部5とを接続している箇所を補強用部材170、例えば、弾性体または樹脂ケースで囲う。好ましくは、図17に示すように、正極集電端子1と正極集電部4とを接続している箇所、および、負極集電端子2と負極集電部5とを接続している箇所を含む、発電要素3の厚みと同程度の範囲を補強用部材170で囲う。これにより、電池外部からの衝撃による集電端子1、2と電極4、5との接続箇所の破断を防止することができる。
【0078】
なお、正極集電端子1と正極集電部4とを接続している箇所、および、負極集電端子2と負極集電部5とを接続している箇所のうち、いずれか一方の箇所を補強用部材で覆うようにしてもよい。
【0079】
本発明は、上述した第1〜第8の実施形態に限定されることはない。上述した各実施形態では、正極集電端子1および負極集電端子2は、発電要素3の上面および/または下面の全体を覆っているものとして説明したが、少なくとも一部を覆うような構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0080】
1…正極集電端子
2…負極集電端子
3…発電要素
4…正極集電部
5…負極集電部
10A、10B…ラミネートフィルム
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G…薄型電池
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電要素と、
前記発電要素を密封するための2枚の外装体と、
前記発電要素の正極集電部と接続され、前記発電要素の積層方向における両外側面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている正極集電端子と、
前記発電要素の負極集電部と接続され、前記発電要素の積層方向における両外側面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている負極集電端子と、
を備え、
前記発電要素の外周のうち、少なくとも前記正極集電部および前記負極集電部が設けられている側は、折り曲げられた前記2枚の外装体の一方または両方によって包み込まれ、該2枚の外装体は、前記発電要素の積層方向における両外側面で接着される第1の接着が行われ、
前記発電要素の積層方向を軸とする外周のうち、前記折り曲げられた2枚の外装体によって包み込まれていない側は、前記発電要素の外側において、前記2枚の外装体を接着する第2の接着が行われ、
前記第1の接着の接着面は、前記第2の接着の接着面よりも広い、
ことを特徴とする薄型電池。
【請求項2】
前記第1の接着は、前記正極集電端子が前記2枚の外装体に挟持された状態、および、前記負極集電端子が前記2枚の外装体に挟持された状態で行われている、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄型電池。
【請求項3】
前記外装体は、プラスチックフィルムの間に金属箔を設けた構成であり、
前記2枚の外装体のうちの一方の外装体の金属箔は、前記正極集電端子として機能し、他方の外装体の金属箔は、前記負極集電端子として機能する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄型電池。
【請求項4】
前記正極集電端子は、前記発電要素の積層方向における両外側面のうちの一方の面を覆い、
前記負極集電端子は、前記発電要素の積層方向における両外側面のうちの他方の面を覆っている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項5】
前記正極集電端子および前記負極集電端子はそれぞれ、前記発電要素の積層方向における両外側面を覆っている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項6】
前記正極集電端子および前記負極集電端子のうちの少なくとも一方の集電端子の折り曲げ部分の形状は、曲線形状である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項7】
前記外装体内の正極集電端子および負極集電端子の一部は、絶縁体で覆われている、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項8】
前記発電要素の正極集電部と前記正極集電端子とを接続している箇所、および、前記発電要素の負極集電部と前記負極集電端子とを接続している箇所のうちの少なくとも一方の箇所を補強用部材で覆う、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項1】
発電要素と、
前記発電要素を密封するための2枚の外装体と、
前記発電要素の正極集電部と接続され、前記発電要素の積層方向における両外側面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている正極集電端子と、
前記発電要素の負極集電部と接続され、前記発電要素の積層方向における両外側面のうちの少なくとも一方の面の少なくとも一部を覆っている負極集電端子と、
を備え、
前記発電要素の外周のうち、少なくとも前記正極集電部および前記負極集電部が設けられている側は、折り曲げられた前記2枚の外装体の一方または両方によって包み込まれ、該2枚の外装体は、前記発電要素の積層方向における両外側面で接着される第1の接着が行われ、
前記発電要素の積層方向を軸とする外周のうち、前記折り曲げられた2枚の外装体によって包み込まれていない側は、前記発電要素の外側において、前記2枚の外装体を接着する第2の接着が行われ、
前記第1の接着の接着面は、前記第2の接着の接着面よりも広い、
ことを特徴とする薄型電池。
【請求項2】
前記第1の接着は、前記正極集電端子が前記2枚の外装体に挟持された状態、および、前記負極集電端子が前記2枚の外装体に挟持された状態で行われている、
ことを特徴とする請求項1に記載の薄型電池。
【請求項3】
前記外装体は、プラスチックフィルムの間に金属箔を設けた構成であり、
前記2枚の外装体のうちの一方の外装体の金属箔は、前記正極集電端子として機能し、他方の外装体の金属箔は、前記負極集電端子として機能する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄型電池。
【請求項4】
前記正極集電端子は、前記発電要素の積層方向における両外側面のうちの一方の面を覆い、
前記負極集電端子は、前記発電要素の積層方向における両外側面のうちの他方の面を覆っている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項5】
前記正極集電端子および前記負極集電端子はそれぞれ、前記発電要素の積層方向における両外側面を覆っている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項6】
前記正極集電端子および前記負極集電端子のうちの少なくとも一方の集電端子の折り曲げ部分の形状は、曲線形状である、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項7】
前記外装体内の正極集電端子および負極集電端子の一部は、絶縁体で覆われている、
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の薄型電池。
【請求項8】
前記発電要素の正極集電部と前記正極集電端子とを接続している箇所、および、前記発電要素の負極集電部と前記負極集電端子とを接続している箇所のうちの少なくとも一方の箇所を補強用部材で覆う、
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の薄型電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−114929(P2013−114929A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260664(P2011−260664)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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