説明

薄型電池

【課題】可撓性に極めて優れた薄型電池を提供することを目的とする。
【解決手段】正極、負極および正極と負極との間に介在する電解質層を積層した電極構成体を備えるシート状の電極群と、電極群を密閉収納するフィルム外装体と、を含み、フィルム外装体が、第一の樹脂フィルムと、第一の樹脂フィルムの一面に順に積層された、厚みが0.01〜1μmの金属材料または無機材料の蒸着層と第二の樹脂フィルムとを積層した蒸着層含有ラミネートフィルムから形成されている薄型電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性のある薄型電池に関する。更に詳しくは、電極群を収容する外装体の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、高性能化に伴い、その電源として用いられる電池にも小型、軽量であることが求められている。このような電池として、マイクロコンピュータチップを内蔵したICカードやRFID(Radio Frequency Identification)等の分野に用いられる薄型電池が開発されている。
【0003】
代表的な薄型電池は、例えば、下記特許文献1に開示されたような、アルミニウム箔の両面に樹脂フィルムをラミネートしたラミネートフィルムから形成された袋状の外装体に、シート状の電極群を収容した後、開口部を熱融着することにより電極群を密閉したものが知られている。
【0004】
また、例えば、下記特許文献2は、薄型電池の外装体の構造として、電池に取付けられかつ電池を封入する可撓性高分子ベースフィルムと、電池をカプセル状に封じ込めシールすべくベースフィルム上に堆積された可撓性無機材料層とを有する薄型電池用の電池パッケージを開示する。
【0005】
ところで、近年、例えば、下記特許文献3に開示されたような、薬剤の皮膚からの浸透性を電気を用いてコントロールするイオントフォレシスの原理を用いたような経皮投薬機器(イオントフォレシス経皮投薬機器)や、下記特許文献4に開示されたような、生体の肌に接触させて生体情報を取得するような生体情報取得装置の開発が進められている。なお、イオントフォレシスは、一方の電極の下に配置したイオン性薬剤と他方の電極との間に電圧を印加し、その電界によってイオン性薬剤を加速することにより皮下に浸透させる方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−285881号公報
【特許文献2】特開平6−23179号公報
【特許文献3】特開平6−23179号公報
【特許文献4】特開2011−92543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
例えば、ICカードの電源として用いられるような従来の薄型電池は、ICカードの本体自身が剛性を有しており、薄型電池はこのようなカード本体に支えられるために、求められる可撓性のレベルはカード本体の可撓性よりも低い範囲で充分であった。ICカードは、例えば90度以下の角度のような鋭角に折り曲げられるような用いられ方はしない。一方、上述したような、生体の肌に接触させて用いられる、イオントフォレシス経皮投薬機器や生体情報を取得するような生体情報取得機器としては、機器を薄型化すること、及び、肌に接触させた状態で生体が運動しても肌の動きに追従するように大きく変形することが求められることがある。そして、そのような機器の設計の自由度を高めるために、高いレベルで可撓性により優れた薄型電池が求められている。しかし、従来の薄型電池のような可撓性が充分に高くない薄型電池を上述したような生体の肌に接触させて用いられる機器の電源として用いた場合、生体に密着させて使用するときに、硬すぎて、使用者に違和感を生じさせるおそれがあった。
【0008】
本発明は、可撓性に極めて優れた薄型電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面は、正極、負極および正極と負極との間に介在する電解質層を積層した電極構成体を備えるシート状の電極群と、電極群を密閉収納するフィルム外装体と、を含み、フィルム外装体が、第一の樹脂フィルムと、第一の樹脂フィルムの一面に順に積層された、厚み0.01〜1μmの金属材料または無機材料の蒸着層と第二の樹脂フィルムとを積層した蒸着層含有ラミネートフィルムを含むラミネートフィルムから形成されている薄型電池である。
【0010】
本発明者は、薄型電池の折り曲げ時の力学的挙動を考察したときに、これまで着目されてこなかった外装体の機械的特性が可撓性に大きな影響を与えることに気付いた。具体的には、図7に示すように、電極群90を含む薄型電池100を折り曲げたとき、外装体101の外側は伸び、内側は圧縮されるために、外装体101が薄型電池100の可撓性に大きな影響を与えることに気付いた。薄型電池の外装体には、従来から厚膜のアルミ箔をガスバリア層とし、樹脂層を積層した積層フィルムが広く用いられてきた。本発明においては、厚膜のアルミ箔のような厚いガスバリア層の代わりに、蒸着膜からなる薄いガスバリア層を用いることにより、薄型電池の外装体の伸び特性を大きく向上させることができることに気付いた。なお、ガスバリア性は長期的に用いられる電池用途においては、ある程度低下するかもしれないが、短期的に用いられるような電池用途の場合には過剰に高いガスバリア性は要求されない。
【0011】
上記薄型電池においては、ラミネートフィルムの引張弾性率が100MPa以下であり、また、電極群の曲げ弾性率が300MPa以下であり、電極群の厚みが700μm以下であることが、より高い可撓性が得られる点から好ましい。
【0012】
また、負極が負極活物質としてリチウムを含み、蒸着層は3ボルト(vs.Li+/Li)以上の耐電圧を有することが好ましい。正極の端部のバリ等により、正極とバリア層が微視的に短絡した場合、ガスバリア層が酸化されて破損するおそれがあった。このような場合において、上述したような耐電圧の高い蒸着層をガスバリア層として用いることにより、ガスバリア層の溶出や分解による破損を抑制することができる。このような、3ボルト(vs.Li+/Li)以上の耐電圧を有する蒸着層を形成する材料としては、アルミニウム,チタン,ニッケル,鉄,白金,金,銀,パラジウム等の金属材料や、酸化ケイ素,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム等の無機酸化物材料が挙げられる。
【0013】
また、上記薄型電池においては、負極が負極活物質としてリチウムを含み、第一の樹脂フィルムが厚み10〜100μmのポリアミド系フィルムであり、第二の樹脂フィルムが厚み20〜100μmのポリオレフィンフィルムであり、ラミネートフィルムの総厚みが30〜200μmであり、フィルム外装体の外面側に第一の樹脂フィルムが、フィルム外装体の内面側に第二の樹脂フィルムが配設されていることが好ましい。ポリオレフィンフィルムは耐還元性が比較的高いために、ガスバリア層である蒸着層の還元を効果的に抑制し、ポリアミド系フィルムは耐薬品性、機械的強度、耐磨耗性等が高いために、外部からの損傷を効果的に抑制することができる。
【0014】
また、本発明の他の一局面は、正極、負極および正極と負極との間に介在する電解質層を積層した電極構成体を備えるシート状電極群と、電極群を密閉収納するフィルム外装体と、を含み、フィルム外装体は、互いに周端部で接合された、第一ラミネートフィルムと第一ラミネートフィルムよりも高い引張弾性率を有する第二ラミネートフィルムとからなり、第一ラミネートフィルムが、第一の樹脂フィルムと、第一の樹脂フィルムの一面に順に積層された、厚み0.01〜1μmである金属材料または無機材料の蒸着層と第二の樹脂フィルムとを積層した蒸着層含有ラミネートフィルムから形成されている薄型電池である。上述したように、薄型電池を折り曲げたときには外装体の外側は伸び、内側は圧縮される。従って、薄型電池の外装体として、折り曲げられたときに外側に位置する第一ラミネートフィルムの引張弾性率を内側に位置する第二ラミネートフィルムの引張弾性率よりも低くすることにより、薄型電池の外装体の可撓性を大きく向上させることができる。なお、内側に位置する第二ラミネートフィルムとして、アルミニウム箔のような厚膜の金属箔をガスバリア層として備えた金属箔含有ラミネートフィルムを用いることにより、ガスバリア性と可撓性のバランスに優れた外装体を備えた薄型電池が得られる。このような薄型電池においては、電極群の曲げ弾性率が300MPa以下であり、第一ラミネートフィルムの引張弾性率が100MPa以下であり、第二ラミネートフィルムの引張弾性率が100MPaよりも高いことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、可撓性に優れた薄型電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は実施形態の薄型電池10の部分破断斜視図である。
【図2】図2は図1のI−I'断面の断面模式図である。
【図3】図3はフィルム外装体4を形成する蒸着層含有ラミネートフィルム14の断面模式図である。
【図4】図4は他の実施形態の薄型電池20の断面模式図である。
【図5】図5は薄型電池10を搭載する電子機器の使用例を示す模式図である。
【図6】図6は実施例の屈曲保存後の容量維持率の測定方法を説明するための説明図である。
【図7】図7は薄型電池を折り曲げたときの力の掛かり方を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の薄型電池の一実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態の薄型電池10の部分破断斜視図である。本実施形態の薄型電池10は、ラミネートフィルムを外装体とした非水電解質電池である。図1中、1は電極群、2は電極群1の正極集電体に接続された正極リード、3は電極群1の負極集電体に接続された負極リード、4は電極群1を密閉収納するフィルム外装体である。
【0018】
図1に示すように、薄型電池10は、正極と、負極と、正極と負極との間に介在する電解質層とを積層した電極構成体を含む、シート状の電極群1をフィルム外装体4で密閉収納して形成されている。そして、電極群1の正極集電体に接続された正極リード2及び負極集電体に接続された負極リード3がそれぞれ、正極端子及び負極端子としてフィルム外装体4から導出されている。
【0019】
図2は図1のI−I'断面の断面模式図である。図2に示すように、電極群1は、リチウムを吸蔵放出する正極5、リチウムを吸蔵放出する負極6及び、正極5と負極6との間に介在する電解質層7を積層したシート状の電極群である。また、正極5は正極活物質層5aと正極集電体5bとを含み、負極5は負極活物質層6aと負極集電体6bとを含む。
【0020】
正極5は、例えば、正極集電体5bの表面に正極活物質層形成用スラリーを塗布し、乾燥及び圧延することにより形成される。正極活物質層形成用スラリーは、例えば、正極活物質,結着剤,導電材を分散媒中に配合して混合することにより調製される。正極活物質の具体例としては、例えば、二酸化マンガン;フッ化黒鉛;塩化チオニル;リチウムコバルト酸化物,リチウムニッケル酸化物,リチウムマンガン酸化物等を主成分とするリチウム含有複合酸化物;LiYPO4,Li2YPO4F(式中、YはCo、Ni、Mn及びFeよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を示す)等で表されるオリビン型リン酸リチウム;等が挙げられる。結着剤の具体例としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン,ポリテトラフルオロエチレン,ポリヘキサフルオロプロピレン,スチレンブタジエンゴム,変性アクリルゴム等が挙げられる。また、導電剤の具体例としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等のグラファイト類;アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類;炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維等が挙げられる。分散媒の具体例としては、ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,メチルホルムアミド,N−メチル−2−ピロリドン,ジメチルアミン,アセトン,シクロヘキサノン等が挙げられる。また、正極集電体の具体例としては、例えば、ステンレス鋼,チタン,アルミニウム,アルミニウム合金等からなる金属箔が挙げられる。なお、正極集電体は、金属箔の代わりにプラズマ化学気相成長法(PVD法)や化学気相成長法(CVD法)を用いて薄膜状に形成した蒸着膜であってもよい。
【0021】
負極6は、例えば、負極集電体6bの表面に負極活物質層形成用スラリーを塗布し、乾燥及び圧延することにより形成される。負極活物質層形成用スラリーは、例えば、負極活物質と結着剤と必要に応じて導電剤等を分散媒中に配合して混合することにより調製される。負極活物質の具体例としては、例えば、リチウムまたはリチウム合金,黒鉛系材料のような各種炭素材料,負極電位下で充電時にリチウムと合金化することによりリチウムを吸蔵し、且つ放電時にリチウムを放出する珪素系活物質や錫系活物質のような合金系負極活物質等が挙げられる。結着剤,分散媒,導電剤としては、正極で用いる結着剤と同様のものを用いることができる。また、負極集電体の具体例としては、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼、チタン、ニッケル等からなる金属箔が挙げられる。また、負極集電体も、金属箔の代わりにPVD法やCVD法を用いて薄膜上に形成してもよい。また、負極としては、負極活物質であるリチウムまたはリチウム合金を金属箔のまま用いてもよい。また、負極活物質層としては、負極活物質であるリチウムまたはリチウム合金の金属箔を負極集電体に圧着して形成してもよい。
【0022】
電解質層7としては、例えば、高分子電解質、固体電解質、セパレータに含浸させた非水電解液等を用いることができる。これらの中では漏液を抑制することができる点から高分子電解質または固体電解質が特に好ましい。
【0023】
高分子電解質は、例えば、リチウム塩と非水溶媒とを混合した電解液をマトリクスポリマーと一体化することにより調製される。また、このような高分子電解質はセパレータに含浸させたり、電極上に塗布したりすることにより固定してもよい。リチウム塩の具体例としては、例えば、LiClO4,LiBF4,LiPF6,LiAlCl4,LiSbF6,LiSCN,LiCF3SO3,LiCF3CO2,LiAsF6,LiB10Cl10,低級脂肪族カルボン酸リチウム,LiCl,LiBr,LiI,LiBCl4,ホウ酸塩類,イミド塩類等が挙げられる。また、非水溶媒の具体例としては、例えば、プロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル;ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン,γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル;等が挙げられる。マトリクスポリマーの具体例としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF),フッ化ビニリデン(VdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とを繰り返し単位に含む共重合体,フッ化ビニリデン(VdF)とトリフルオロエチレン(TFE)とを繰り返し単位に含む共重合体等のフッ素系ポリマー;シリコンゲル;アクリルゲル;アクリロニトリルゲル;ポリフォスファゼン変性ポリマー;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピレンオキサイド及びこれらの複合ポリマーや架橋ポリマー、変性ポリマー等が挙げられる。
【0024】
固体電解質は、例えば、正極上又は負極上に、PVD法やCVD法を用いて、リチウムイオン伝導体の蒸着膜を堆積させることにより形成できる。リチウムイオン伝導体の具体例としては、リチウム硫化物等が挙げられる。
【0025】
セパレータに含浸させた非水電解液は、正極と負極との間に介在する樹脂製多孔膜であるセパレータに上述したようなリチウム塩と非水溶媒とを混合して調製された非水電解液を含浸させることにより調製される。樹脂製多孔膜の具体例としては、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィンや、ポリアミドイミド等のポリアミド等の樹脂から成形された微多孔膜が好ましく用いられる。
【0026】
正極リード2及び負極リード3は、例えば、正極集電体または負極集電体にそれぞれ溶接により接続される。正極リードとしては、例えば、アルミニウムリード等が好ましく用いられる。また、負極リードとしては、例えば、銅リード、銅合金リード、ニッケルリード等が好ましく用いられる。
【0027】
図1及び図2に示すように、電極群1はシート状である。そして、電極群1は高い可撓性を有することが好ましい。従って、電極群1の厚みとしては、1000μm以下、さらには700μm以下、とくには400μm以下であることが好ましい。電極群の厚みの下限は特に限定されないが、実用上の容量を確保しうる点から10μm以上、さらには50μm以上であることが好ましい。また、電極群の可撓性の目安としては、後述する方法で測定された曲げ弾性率が300MPa以下、さらには200MPa以下、とくには100MPa以下であることが好ましい。
【0028】
次に、図3を参照して、フィルム外装体4を形成する蒸着層含有ラミネートフィルム14について詳しく説明する。図3はフィルム外装体4を形成する蒸着層含有ラミネートフィルム14の断面模式図である。蒸着層含有ラミネートフィルム14は、第一の樹脂フィルム14aと、第一の樹脂フィルム14aの一面に順に積層された、厚み0.01〜1μmの金属材料または無機材料の蒸着層14bと、第二の樹脂フィルム14cとからなる層を含む積層体である。
【0029】
蒸着層含有ラミネートフィルム14は、第一の樹脂フィルム14aの一面に厚み0.01〜1μmの金属材料または無機材料の蒸着層14bを形成し、さらに、第二の樹脂フィルム14cをラミネートすることにより製造される。第一の樹脂フィルム及び第二の樹脂フィルムを形成する樹脂は特に限定されないが、具体的には、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリアミド6,ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド46,ポリアミド9T,ポリアミド66等のポリアミド;またはそれらの変性体が挙げられる。第一の樹脂フィルム及び第二の樹脂フィルムの厚みとしては、それぞれ、10〜100μm、さらには15〜80μmであることが、耐還元性、ガスバリア性、耐摩擦性等を維持しながら、可撓性を維持できる点から好ましい。
【0030】
蒸着層14bはガスバリア層として機能する層である。負極活物質、特に、リチウムを含む負極活物質は還元性が高く、空気中の水分と接触した場合、速やかに水分と反応して酸化されて腐食し易い傾向がある。蒸着層14bは負極活物質の酸化や腐食を抑制することを目的として配置される。
【0031】
蒸着層14bは、第一の樹脂フィルム14aの一面に金属材料または無機材料を蒸着して厚み0.01〜1μmになるように堆積させることにより形成される。蒸着法の具体例としては、真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、化学気相成長法、プラズマ化学気相成長法、溶射法等が挙げられる。これらの中では、真空蒸着法が特に好ましく用いられる。
【0032】
蒸着層14bの形成に用いられる材料は特に限定されないが、リチウム基準(vs.Li+/Li)で3ボルト以上の耐電圧を有する蒸着層を形成しうる金属材料または無機材料、具体的には、例えば、アルミニウム,チタン,ニッケル,鉄,白金,金,銀,パラジウム等の金属材料や、酸化ケイ素,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム等の無機酸化物材料が好ましい。耐電圧に優れた蒸着層をガスバリア層として用いることにより、ガスバリア層の酸化等による破損を抑制することができる。また、これらの中では、得られる蒸着層含有ラミネートフィルムの可撓性とガスバリア性とのバランスに優れる点からアルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウムが特に好ましい。なお、耐電圧は、金属材料の場合は電解質中に溶出する溶出電位、無機材料の場合には分解電位を意味する。
【0033】
蒸着層の厚みは0.01〜1μmであり、好ましくは0.01〜0.5μm、さらに好ましくは0.02〜0.2μmである。蒸着層の厚みが1μmを超える場合には、得られる蒸着層含有ラミネートフィルムの可撓性が乏しくなり、その結果、薄型電池の可撓性も乏しくなる。また、蒸着層の厚みが0.01μm未満の場合には、得られる蒸着層含有ラミネートフィルムのガスバリア性が乏しくなる。
【0034】
このような蒸着層含有ラミネートフィルムの全厚としては、30〜200μm、さらに好ましくは30〜160μmであることが好ましい。蒸着層含有ラミネートフィルムの全厚が薄すぎる場合には、外装体としての強度やガスバリア性能の信頼性が低下する傾向があり、厚すぎる場合には、得られる蒸着層含有ラミネートフィルムの可撓性が乏しくなり、その結果、薄型電池の可撓性も乏しくなる傾向がある。
【0035】
また、蒸着層含有ラミネートフィルムは後述するような方法で測定された引張弾性率が、100MPa以下、さらには60MPa以下であることがシート状の電極を備えた薄型電池の可撓性を維持する点から好ましい。引張弾性率の下限は特に限定されないが、実用上、10MPa以上であることが好ましい。
【0036】
なお、蒸着層含有ラミネートフィルムの中でも、特には、第一の樹脂フィルムが厚みが10〜100μmのポリアミド系フィルムであり、第二の樹脂フィルムが厚み20〜100μmのポリオレフィンフィルムであり、総厚が30〜200μmであるものが、可撓性、ガスバリア性、及び機械的特性のバランスに優れている点から特に好ましい。
【0037】
図1及び図2に示すように、蒸着層含有ラミネートフィルムは電極群1を密閉収納するフィルム外装体4を形成する材料として用いられる。フィルム外装体は、例えば、所定のサイズに切断された蒸着層含有ラミネートフィルムの周縁部分を熱融着部とし、この熱融着部を熱融着して接合することにより電極群1を密閉収納するためのフィルム外装体4に成形される。そして、フィルム外装体4に正極リード2及び負極リード3のそれぞれの一端を外部に導出したまま電極群1を収納した後、密閉することにより薄型電池10が得られる。
【0038】
薄型電池の電極群とフィルム外装体との総厚みは、1mm以下、さらには0.6mm以下、とくには0.3mm以下であることが好ましい。薄型電池の電極群とフィルム外装体との総厚みが厚すぎる場合には、可撓性が低下する。
【0039】
なお、本実施形態では、上述したような蒸着層含有ラミネートフィルム同士を接合させることにより蒸着層含有ラミネートフィルムのみから形成されたフィルム外装体を用いた例について代表的に詳しく説明したが、蒸着層含有ラミネートフィルムのみから形成されたフィルム外装体の代わりに、図4に示すように、第一ラミネートフィルム21として蒸着層含有ラミネートフィルムを用い、第二ラミネートフィルム22として第一ラミネートフィルムよりも高い引張弾性率を有するその他のラミネートフィルム、具体的には、アルミニウム箔のような厚膜の金属箔をガスバリア層として備えた金属箔含有ラミネートフィルムとを用いて、互いに接合させたフィルム外装体を用いた薄型電池20のような形態であってもよい。このようなフィルム外装体によれば、蒸着層含有ラミネートフィルムである第一ラミネートフィルム21がフィルム外装体の可撓性を大きく向上させることに寄与し、金属箔含有ラミネートフィルムである第二ラミネートフィルム22がガスバリア性の確保に寄与する。従って、ガスバリア性と可撓性とのバランスに優れた外装体を備えた薄型電池が得られる。なお、この場合には、薄型電池20のフィルム外装体は、折り曲げられたときに外側に蒸着層含有ラミネートフィルムが位置するように電池を配置し、折り曲げられたときに内側に金属箔含有ラミネートフィルムが位置するように電池を配置することが好ましい。このように配置することにより、充分な薄型電池の可撓性を確保することができる。
【0040】
上述したような可撓性に優れた薄型電池は、可撓性が特に要求されるような電子機器の電源として特に限定なく用いられる。具体的には、特に、生体の肌に接触させて用いられるイオントフォレシス経皮投薬機器や生体情報を取得するための生体情報取得機器の電源として好ましく用いられる。図5に、一例として、本実施形態の薄型電池10を電源として備えた、イオントフォレシス経皮投薬機器30の模式説明図を示す。陽極31及び陰極32を備えたイオントフォレシス経皮投薬機器30は湾曲を有する人体の腕40に密着させて用いられている。薄型電池10は、高い可撓性を有するために、人体の腕のような湾曲した部分に密着させる電子機器の電源として用いても、その湾曲に添った形で容易に変形することができる。
【実施例】
【0041】
以下に実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は実施例により何ら限定されて解釈されるものではない。
【0042】
[実施例1]
(電極群の作製)
正極活物質として電解二酸化マンガン100質量部、導電剤としてアセチレンブラック5質量部、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部を適量のN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPという)に添加し、混合することにより正極合剤ペーストを調製した。そして、正極集電体となる、厚み15μmのアルミニウム箔の片面に正極合剤ペーストを塗布し、乾燥した後、圧延し、50mm×50mmのサイズに切り抜くことにより、総厚が115μmの正極を得た。続いて、アルミニウム製の正極リードを正極集電体に溶接した。
【0043】
一方、一辺に12mm×5mmの突出部を有する50mm×50mmの略正方形に打抜いた厚み20μmの銅箔の片面(表面粗さ2.6μm)に、負極活物質であるリチウム金属箔(50mm×50mm、厚み20μm)を100N/cmの線圧で圧着した。そして、幅3.0mm、長さ20mmの銅製の電極リードを超音波溶接した。
【0044】
一方、プロピレンカーボネート(PC):ジメトキシエタン(DME)=6:4(質量比)の割合で混合して得られた非水溶媒に、電解質塩としての過塩素酸リチウム(LiClO4)を1mol/kgとなるように溶解させて、液体電解質を調製した。そして、溶剤としてジメチルカーボネート(DMC)を媒体として、得られた液体電解質とマトリクス高分子とをマトリクス高分子:液体電解質=1:10(質量比)の割合になるように混合することにより、ゲル高分子電解質の溶液を調製した。なお、マトリクス高分子としては、ヘキサフルオロプロピレンとポリフッ化ビニリデンの共重合体(ヘキサフルオロプロピレン含有量:7%)を用いた。そして、得られたゲル高分子電解質溶液を、多孔質ポリエチレンから成るセパレータの両面及び正極活物質層に均一に塗布し、溶剤を揮発させることにより、正極及びセパレータにゲル高分子電解質を含浸させた。
【0045】
ゲル高分子電解質を含浸させた正極の表面に、ゲル高分子電解質を含浸させた厚み35μmのセパレータを介して、活物質層同士が対向するように負極を積層し、その後90℃、0.5MPaで1分間熱プレスすることにより厚み190μmの薄型電池用電極群を作製した。
【0046】
(薄型電池の作製)
第一の樹脂フィルムが厚み15μmのポリアミド6からなるフィルムであり、第二の樹脂フィルムが厚み35μmのポリエチレンフィルムからなるフィルムであり、第一の樹脂フィルムと第二の樹脂フィルムとの間に厚み0.05μmの酸化アルミニウムの蒸着層が設けられた総厚約50μmのラミネートフィルムaからなるシート状の袋体を作成した。具体的には、ラミネートフィルムaを60mm×65mmの寸法の長方形状に切断し、得られた2枚のラミネートフィルムaの切断片を重ね合わせて、その3辺の約3mmの幅の周端部で互いに熱融着させて一つの開口部を有する袋体に加工した。そして、得られた袋体に上述した電極群を収容し、その開口部から正極リード及び負極リードを外部に導出した状態で、開口部を熱融着することにより総厚約0.3mmの薄型電池Aを得た。
【0047】
(評価)
得られた薄型電池及び電極群等の特性を次のような方法により評価した。
【0048】
〈電極群の曲げ弾性率〉
JIS K7171の測定方法に準拠して、電極群の曲げ弾性率を測定した。なお、電極群の試験片の形状は、長さ50mm、幅50mm、厚み0.19mmの短冊型試験片を用いた。なお、支持台は支点間距離L30mm、先端半径R2mmのものを用いた。また、先端半径R5mmの圧子を100mm/分で移動させ、試験片の中央部に荷重を加えた。
【0049】
〈ラミネートフィルムの引張弾性率〉
ラミネートフィルムを平行部幅5mm、標線間距離20mmの引張試験3号ダンベルに切出し、JIS K7161に準拠して5mm/分の引張速度にて万能試験機を用いて引張試験を行い、引張弾性率を求めた。
【0050】
〈薄型電池の可撓性〉
薄型電池の可撓性を曲げ弾性率の評価により判定した。具体的には、JIS K7171の測定方法に準じて、薄型電池の曲げ弾性率を測定した。なお、試験片としては、得られた薄型電池をそのまま用いた。支持台は支点間距離L30mm、先端半径R2mmのものを用いた。また、先端半径R5mmの圧子を100mm/分で移動させ、試験片の中央部に荷重を加えた。
〈薄型電池の電池容量〉
25℃の環境下にて、閉路電圧が1.8Vに達するまで、薄型電池を250μA/cm2の電流密度で放電し、放電容量を求めた。なお、電流密度は、正極活物質層の厚み方向の面における単位面積あたりの電流値を指す。
【0051】
〈屈曲保存後の容量維持率〉
薄型電池を25℃の環境下にて、閉路電圧が3Vに達するまで、250μA/cm2の電流密度で放電した。その後、図6に示すように、薄型電池30(薄型電池A)の両端の熱溶着で閉じられた部分を、互いに対向するように水平に配置された伸縮可能な固定部材51で固定した。そして、図6に示すように、曲率半径Rが20mmの曲面部を有する治具52を薄型電池30に押し当て、曲面部に沿って薄型電池10を変形させた。その後、治具52を薄型電池30から引き離し、変形を元に戻した。この屈曲変形を10000回繰り返した。そして、この10000回の屈曲変形処理が与えられた薄型電池を60℃の環境下で90日間保存した。そして、屈曲変形処理及び90日間保存処理を施さなかった薄型電池(未処理の薄型電池)及び10000回の屈曲変形処理及び90日間保存処理を与えた薄型電池(処理後の薄型電池)をそれぞれ、25℃の環境下で、閉路電圧が1.8Vに達するまで、250μA/cm2の電流密度で放電し、それぞれの放電容量を求めた。そして、下記式:
屈曲保存後の容量維持率(%)=(処理後の薄型電池の放電容量/未処理の薄型電池の放電容量)×100
により、屈曲保存後の容量維持率(%)を求めた。
結果を表1に示す。
【0052】
【表1】

【0053】
[実施例2]
第一の樹脂フィルムと第二の樹脂フィルムとの間に、厚み0.05μmの酸化アルミニウムの蒸着層を備えた実施例1のラミネートフィルムaに代えて、厚み0.05μmの酸化ケイ素の蒸着層を備えた総厚約50μmのラミネートフィルムbを用いた以外は実施例1と同様にして薄型電池Bを得、評価した。結果を表1に示す。
【0054】
[実施例3]
第一の樹脂フィルムと第二の樹脂フィルムとの間に、厚み0.05μmの酸化アルミニウムの蒸着層を備えた実施例1のラミネートフィルムaに代えて、厚み0.05μmのアルミニウムの蒸着層を備えた総厚約50μmのラミネートフィルムcを用いた以外は実施例1と同様にして薄型電池Cを得、評価した。結果を表1に示す。
【0055】
[実施例4]
第一の樹脂フィルムと第二の樹脂フィルムとの間に、厚み0.05μmの酸化アルミニウムの蒸着層を備えた実施例1のラミネートフィルムaに代えて、厚み0.05μmの窒化ケイ素の蒸着層を備えた総厚約50μmのラミネートフィルムdを用いた以外は実施例1と同様にして薄型電池Dを得、評価した。結果を表1に示す。
【0056】
[実施例5]
第一の樹脂フィルムと第二の樹脂フィルムとの間に、厚み0.05μmの酸化アルミニウムの蒸着層を備えた実施例1のラミネートフィルムaに代えて、厚み0.2μmの酸化ケイ素の蒸着層を備えた総厚約50μmのラミネートフィルムeを用いた以外は実施例1と同様にして薄型電池Eを得、評価した。結果を表1に示す。
【0057】
[実施例6]
第一の樹脂フィルムと第二の樹脂フィルムとの間に、厚み0.05μmの酸化アルミニウムの蒸着層を備えた実施例1のラミネートフィルムaに代えて、厚み1μmの酸化ケイ素の蒸着層を備えた総厚約51μmのラミネートフィルムeを用いた以外は実施例1と同様にして薄型電池Eを得、評価した。結果を表1に示す。
【0058】
[実施例7]
袋体を作成するために用いられた2枚のラミネートフィルムとして、1枚の切断片として実施例2で用いたラミネートフィルムbを用いた。そして、もう1枚の切断片として、第一の樹脂フィルムと第二の樹脂フィルムとの間に、厚み0.05μmの酸化アルミニウムの蒸着層を備えた実施例1のラミネートフィルムaに代えて、厚み35μmのアルミニウム箔層を備えた総厚約85μmのラミネートフィルムfを用いた。そして、ラミネートフィルムbとラミネートフィルムfとからなる袋体を用いた以外は、実施例1と同様にして薄型電池Fを得、評価した。結果を表1に示す。
【0059】
[比較例1]
袋体を作成するために用いられた2枚のラミネートフィルムとして、実施例5で用いたラミネートフィルムfを用いた以外は実施例1と同様にして薄型電池Gを得、評価した。結果を表1に示す。
【0060】
表1から、本発明に係る実施例1〜7で得られた薄型電池は何れも曲げ弾性率が100MPa以下であり、可撓性に極めて優れていることがわかる。一方、厚さ35μmのアルミニウム箔をガスバリア層として備えたラミネートフィルムのみからなる袋体を外装体として用いた比較例1の薄型電池は、曲げ弾性率が390MPaであり、可撓性が低いことが分かる。また、実施例1〜実施例5のように、ガスバリア層として特に薄い蒸着膜を用いた場合には、実施例6のように厚い蒸着層を備えた薄型電池よりも、可撓性に優れていることが分かる。なお、蒸着層の中でも、リチウム基準(vs.Li+/Li)で3ボルト未満の耐電圧を有する窒化ケイ素膜を用いた実施例4は、耐酸化性能がやや低いためか、屈曲保存後の容量維持率は低かった。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の薄型電池は、可撓性に極めて優れているために、例えば、生体の肌に接触させて用いられる、イオントフォレシス経皮投薬機器や生体情報を取得するような生体情報取得機器の電源として好ましく用いられる。
【符号の説明】
【0062】
1 電極群
2 正極リード
3 負極リード
4 フィルム外装体
5 正極
6 負極
7 電解質層
10,20,30 薄型電池
14 蒸着層含有ラミネートフィルム
14a 第一の樹脂フィルム
14b 蒸着層
14c 第二の樹脂フィルム
21 第一ラミネートフィルム
22 第二ラミネートフィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極および前記正極と前記負極との間に介在する電解質層を積層した電極構成体を備えるシート状の電極群と、前記電極群を密閉収納するフィルム外装体と、を含み、
前記フィルム外装体が、
第一の樹脂フィルムと、前記第一の樹脂フィルムの一面に順に積層された、厚み0.01〜1μmの金属材料または無機材料の蒸着層と第二の樹脂フィルムとを積層した蒸着層含有ラミネートフィルムを含むラミネートフィルムから形成されていることを特徴とする薄型電池。
【請求項2】
前記蒸着層含有ラミネートフィルムの引張弾性率が100MPa以下である請求項1に記載の薄型電池。
【請求項3】
前記電極群の曲げ弾性率が300MPa以下であり、前記電極群の厚みが700μm以下である請求項1又は2に記載の薄型電池。
【請求項4】
前記負極が負極活物質としてリチウムを含み、前記蒸着層が3ボルト(vs.Li+/Li)以上の耐電圧を有する請求項1〜3の何れか1項に記載の薄型電池。
【請求項5】
前記蒸着層が、アルミニウム,チタン,ニッケル,鉄,白金,金,銀,パラジウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属材料からなる請求項1に記載の薄型電池。
【請求項6】
前記蒸着層が、酸化ケイ素,酸化マグネシウム,酸化アルミニウムからなる群から選ばれる少なくとも一種の無機酸化物材料からなる請求項1に記載の薄型電池。
【請求項7】
前記負極が負極活物質としてリチウムを含み、
前記第一の樹脂フィルムが厚み10〜100μmのポリアミド系フィルムであり、
前記第二の樹脂フィルムが厚み20〜100μmのポリオレフィンフィルムであり
前記ラミネートフィルムの総厚みが30〜200μmであり、
前記フィルム外装体の外面側に前記第一の樹脂フィルムが、前記フィルム外装体の内面側に前記第二の樹脂フィルムが配設された請求項1〜6の何れか1項に記載の薄型電池。
【請求項8】
正極、負極および前記正極と前記負極との間に介在する電解質層を積層した電極構成体を備えるシート状電極群と、前記電極群を密閉収納するフィルム外装体と、を含み、
前記フィルム外装体は、互いに周端部で接合された、第一ラミネートフィルムと前記第一ラミネートフィルムよりも高い引張弾性率を有する第二ラミネートフィルムとからなり、
前記一ラミネートフィルムが、
第一の樹脂フィルムと、前記第一の樹脂フィルムの一面に順に積層された、厚みが0.01〜1μmである金属材料または無機材料の蒸着層と第二の樹脂フィルムとを積層した蒸着層含有ラミネートフィルムから形成されていることを特徴とする薄型電池。
【請求項9】
前記第二ラミネートフィルムが、第三の樹脂フィルムと、前記第三の樹脂フィルムの一面に順に積層された、金属箔と第四の樹脂フィルムとを積層した金属箔含有ラミネートフィルムから形成されている請求項8記載の薄型電池。
【請求項10】
前記電極群の曲げ弾性率が300MPa以下であり、前記第一ラミネートフィルムの引張弾性率が100MPa以下であり、前記第二ラミネートフィルムの引張弾性率が100MPaよりも高い請求項8または9に記載の薄型電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−48041(P2013−48041A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185768(P2011−185768)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】