説明

薄膜リチウム二次電池形成装置

【課題】ドライな環境でリチウム二次電池を形成する技術を提供する。
【解決手段】薄膜リチウム二次電池形成装置1は、長手方向を有する形状に形成された移動室2と、移動室2の長手方向の一端と他端に、それぞれ設けられ、大気と移動室2との間に接続と遮断が可能な入口扉81と、出口扉82と移動室2内に配置され、入口扉側81を上流とし、出口扉側82を下流として、移動室2に搬入された基板70を上流から下流へ移動させる移動機構と、移動室2内の基板の移動方向に沿って複数設けられ、移動室2内を入口扉81と出口扉82の間で複数の領域に直列に区分けする複数の仕切装置83とを有している。入口扉81と出口扉82との間の移動室2には、移動室2の内部雰囲気を希ガス雰囲気にできるガス導入装置55が接続されている。ガス導入装置55により移動室2内部に希ガスを導入してドライな環境でリチウム二次電池を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜リチウム二次電池を一貫装置によりドライな環境で生産する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池は、携帯電話やノートパソコンの充電池として広く用いられているが、電解液の液漏れが起こらない固体電解質を用いたリチウム二次電池が注目されている。
リチウム二次電池を構成するリチウムは、水分と反応し易いので、露点温度が−50℃程度のドライルームの中に製造装置を配置し、作業員は防護服を着て製造している。
【0003】
基板が移動する移動室を同一雰囲気のボックスで繋いで構成すると、ドライルーム等は不要になるが、処理装置毎に区切られていない。生産中に一つの処理装置にトラブルが発生した場合に、トラブルが発生した処理装置をメンテナンスするために大気に曝すと、他の処理装置で処理した基板も大気に曝されるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−282731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、リチウム二次電池の生産において、移動室内部に希ガスを導入してドライな環境でリチウム二次電池を形成する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、リチウムを含む金属から成る正電極膜と、前記正電極膜と接触する正極集電体膜と、前記正電極膜の上に配置されリチウムを含む固体電解質から成る固体電解質膜と、前記固体電解質膜の上に配置された負電極膜と、前記負電極膜と接触する負極集電体膜と、を有する薄膜リチウム二次電池を製造する薄膜リチウム二次電池形成装置であって、長手方向を有する形状に形成された移動室と、前記移動室の前記長手方向の一端と他端に、それぞれ設けられ、大気と前記移動室との間に接続と遮断が可能な搬入室と搬出室と、前記移動室内に配置され、前記搬入室側を上流とし、前記搬出室側を下流として、前記移動室に搬入された基板を前記上流から前記下流へ移動させる移動機構と、前記移動室には、前記搬入室側から、前記搬出室側に向けて、固体電解質膜を形成する固体電解質膜形成装置と、前記負電極膜を形成する負電極膜形成装置とがこの順序で接続され、前記固体電解質膜形成装置と前記負電極膜形成装置とが接続された部分の前記移動室の部分は、開閉可能な仕切装置によって気密にされるように構成された薄膜リチウム二次電池形成装置である。
また、本発明は、前記薄膜リチウム二次電池は、前記負電極膜上に保護膜を有し、前記保護膜を形成する保護膜形成装置は、前記移動室の、前記負電極膜形成装置が接続された部分と、前記搬出室が接続された部分との間の位置に接続された薄膜リチウム二次電池形成装置である。
また、本発明は、前記移動室には、前記固体電解質膜形成装置が接続された部分と前記搬入室が接続された部分との間の部分に、前記正電極膜を形成する正電極膜形成装置が接続された薄膜リチウム二次電池形成装置である。
また、本発明は、前記移動室には、前記正電極膜形成装置が接続された部分と、前記搬入室が接続された部分の間に前記正極集電体膜を形成する正極集電体膜形成装置が接続された薄膜リチウム二次電池形成装置である。
また、本発明は、前記移動室には、前記固体電解質膜形成装置が接続された部分と、前記負電極膜形成装置が接続された部分との間の部分に、前記負極集電体膜を形成する負極集電体膜形成装置が接続された薄膜リチウム二次電池形成装置である。
また、本発明は、前記移動室の前記搬入室と前記搬出室の間の位置には、前記移動室内の前記基板を搬出する搬出入室が設けられた薄膜リチウム二次電池形成装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、リチウム二次電池を製造するときに、リチウムを大気に曝さずに済み、ドライな雰囲気内でリチウム二次電池を一貫して生産できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】リチウム二次電池一貫装置の構成図
【図2】リチウム二次電池量産装置の構成図
【図3】(a):薄膜リチウム二次電池の平面図(b):薄膜リチウム二次電池のA−A’裁断断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1の符号1は、薄膜リチウム二次電池が製造できるリチウム二次電池一貫装置であり、細長の移動室2を有している。
移動室2の側面には、正極集電体膜形成装置7と、正電極膜形成装置8と、電解質膜形成装置9と、負極集電体膜形成装置10と、負電極膜形成装置11と、保護膜形成装置12とが、第一〜第六の仕込取出室231〜236を介して、接続されており、移動室2の各装置9〜12の接続部分と、移動室2の両端の部分には、それぞれ、仕切装置83が設けられ、区切られている。
移動室2の長手方向の一端には、仕切装置83を介して搬入室31が接続されており、他端には、同様に、仕切装置83を介して搬出室32が接続されている。
搬入室31と大気の間には入口扉81が設けられ、搬出室32と大気の間には出口扉82が設けられている。
【0010】
移動室2内には、不図示の移動機構が配置されており、移動室2の内部で基板を移動させることができる。
仕切装置83は、移動室2内の上流側から下流側に沿って複数設けられているから、移動室2内を入口扉81と出口扉82の間で複数の領域に直列に区分けされている。
【0011】
仕切装置83は、真空バルブであり、開閉可能に構成されおり、当該仕切装置83の上流側の領域と下流側の領域とを接続し、又は遮断するように構成されている。仕切装置83のうち、最上流に位置する仕切装置83と、入口扉81に挟まれた部分が搬入室31であり、また、基板の搬送方向の最下流に位置する仕切装置83と出口扉82の間が搬出室32である。
【0012】
搬入室31と搬出室32との間の移動室2の部分には、移動室2の内部雰囲気をガス雰囲気にできるガス導入装置55が接続されている。ここでは、ガスは、露点温度が−60℃以上−50℃以下の希ガスであり、アルゴンガスが用いられている。
移動室2内で基板を処理する際には、移動室2の内部は、ガス導入装置55が導入するアルゴンガスの雰囲気にされている。移動室2の内部に導入されたガスは、ガス排出装置56によって移動室2から外部へ排出される。また、ガス排出装置56とガス導入装置55との間に循環装置(不図示)を設け、ガス排出装置56から排出された希ガスをガス導入装置55に戻し、移動室2の内部に導入するようにしても良い。
【0013】
移動室2の両端の仕切装置83を閉じ、搬入室31の内部雰囲気と搬出室32の内部雰囲気とを、移動室2の内部雰囲気から遮断し、その状態で、入口扉81と、出口扉82を開けると、移動室2の内部を所望のガスの雰囲気に維持しながら、搬入室31の内部雰囲気と搬出室32の内部雰囲気とを、大気に接続することができる。このとき、大気側から搬入室31内に基板を搬入し、また、搬出室31内の基板を大気に搬出することができる。符号70は搬入した基板であり、符号71は搬出する基板である。
【0014】
次いで、入口扉81と出口扉82を閉じ、搬入室31と搬出室32の内部雰囲気を大気雰囲気と遮断する。
搬入室31と、搬出室32には、それぞれ真空排気系541、542と、ガス導入系511、512が接続されており、移動室2の内部雰囲気から遮断した後、真空排気系541、542を動作させて搬入室31と、搬出室32との内部雰囲気を真空雰囲気にし、ガス導入系511、512によって搬入室31と、搬出室32との内部にガス導入装置55が導入するガスと同じガスを導入すると、搬入室31と搬出室32の内部雰囲気を、移動室2の内部雰囲気と同じガスの雰囲気にすることができる。
【0015】
搬入室31と搬出室32を移動室2と同じガスの雰囲気にすると、搬入室31から移動室2への基板70の搬入と、移動室2から搬出室32への基板の搬出を行うことができる。
【0016】
移動室2の仕切装置83で区切られた部分である前室88〜92のうち、搬入室31に最も近い第一前室88には、正極集電体膜形成装置7と正電極膜形成装置8とが接続されており、第一の前室88に順番に隣接する第二〜五の前室89〜92には、電解質膜形成装置9と、負極集電体膜形成装置10と、負電極膜形成装置11と、保護膜形成装置12とが、この順序でそれぞれ一装置ずつ接続されている。
【0017】
第一〜第六の仕込取出室231〜236には、それぞれ真空排気系611〜616と、ガス導入装置55と同じガスを導入するガス導入系521〜526とがそれぞれ接続されている。
【0018】
第一〜第六の仕込取出室231〜236の内部雰囲気をそれぞれ移動室2の内部雰囲気と遮断して、真空排気系611〜616を動作させて第一〜第六の仕込取出室231〜236の内部雰囲気を真空雰囲気にした後、ガス導入系521〜526を動作させ、第一〜第六の仕込取出室231〜236の内部雰囲気を移動室2の内部雰囲気と同じ雰囲気にすると、第一〜第五の前室88〜92内と第一〜第六の仕込取出室231〜236内との間で基板を移動させることができる。
【0019】
各膜形成装置7〜12には、それぞれ真空排気系531〜536がそれぞれ接続されている。各膜形成装置7〜12内で基板を処理している間は、移動室2は常圧程度のガス雰囲気に置かれているのに対し、第一〜第六の仕込取出室231〜236の内部と各膜形成装置7〜12の内部は真空雰囲気に置かれている。
【0020】
第一〜第六の仕込取出室231〜236が移動室2と同じガス雰囲気にするときには、第一〜第六の仕込取出室231〜236の内部雰囲気は、膜形成装置7〜12の内部雰囲気から遮断されている。
第一〜第六の仕込取出室231〜236の、それぞれの内部雰囲気を移動室2の内部雰囲気と遮断し、真空排気系611〜616を動作させると、第一〜第六の仕込取出室231〜236のそれぞれの内部雰囲気を真空雰囲気にできる。第一〜第六の仕込取出室231〜236の内部が真空雰囲気になると、それぞれの各膜形成装置7〜12の内部雰囲気と接続でき、その間で基板を搬送することができる。
【0021】
その際、各膜形成装置7〜12では、内部で基板を真空処理して第一〜第六の仕込取出室231〜236に戻すことができる。
上記リチウム二次電池一貫装置1で基板70を真空処理する際、移動室2を希ガス雰囲気にし、第一〜第六の仕込取出室231〜236の内部を真空雰囲気にしておく。
【0022】
次いで、大気が混入せずにそれらの雰囲気を維持するように、搬入室31の仕切装置83を開け、搬入室31内の基板70を、搬入室31から移動室2の第一の前室88に搬入し、開けた仕切装置83を閉じる。仕切装置83は基板70を移動させるときに開閉する。
【0023】
第一の前室88内に搬入された基板は、第一の前室88から、第一の仕込取出室231を介して正極集電体膜形成装置7に移動させ、正極集電体膜形成装置7内で、基板表面に薄膜(正極集電体膜)を形成した後、第一の仕込取出室231を介して、第一の前室88に戻し、第一の前室88内を下流側に移動させ、第二の仕込取出室232を介して正電極膜形成装置8に搬入する。
正電極膜形成装置8内では、正極集電体膜形成装置7内で形成された薄膜(正極集電体膜)の表面に、その薄膜と接触させて薄膜(正電極膜)を形成する。
【0024】
次いで、第二の仕込取出室232を介して第一の前室88に戻し、第一の前室88内の下流に移動させる。
第一の前室88には、アニール室6が接続されており、アニール室6内に基板を搬入し、加熱処理を行う。
加熱処理後基板をアニール室6から第一の前室88内に戻し、仕切装置83を開け、基板を第一の前室88から第二の前室89に移動させ、第二〜第五の前室に接続された、電解質膜形成装置9と、負極集電体膜形成装置10と、負電極膜形成装置11と、保護膜形成装置12との内部に、この順序で搬入・搬出させ、各室9〜12内で、電解質膜と、負極集電体膜と、電解質膜と負極集電体膜とに接触する負電極膜と、保護膜をこの順序で形成する。負極集電体膜と正極集電体膜の一部以外の部分は保護膜で覆う。
【0025】
基板に各薄膜を形成した後、基板を搬出室32に移動させる。符号71は、搬出室32内に移動された基板を示している。次いで、搬出室32と移動室2(第五の前室92)との間の仕切装置83を閉じた後、出口扉82を開けて基板71を大気に取り出す。
以上により、正極集電体膜から保護膜を形成するまで、大気に曝さずにリチウム二次電池を製造することができる。
【実施例1】
【0026】
図3(a)、(b)に、本発明のリチウム二次電池一貫装置1によって製造されたリチウム二次電池73を示す。
上記手順により、ガラス、シリコン、又はマイカのいずれかから成る基板40の表面に正極集電体膜形成装置7によって、PtとTi、又はCrいずれかの金属から成る正極集電体膜41を形成し、正電極膜形成装置8により正極集電体膜41表面上に、正電極膜42を形成した。正電極膜42は、LiCoO2膜、LiNiO2膜、LiMnO2膜、又はLiFePO4膜のうち、いずれか一層から成る薄膜である。
【0027】
次いで、アニール室6内で表面に正電極膜42が形成された基板40をアニールした後、電解質膜形成装置9により、正電極膜42の表面を覆うようにLiPONから成る電解質膜43を成膜した。
次に、負極集電体膜形成装置10により、電解質膜43の上に、Cu、又はNiのいずれかの金属から成る負極集電体膜44を、一部が電解質膜43上に乗るようにして形成し、次いで、負電極膜形成装置11により、電解質膜43の上に、Liを含有する負電極膜45を、負極集電体膜44に一部接触させて形成する。ここでは、蒸着法によって形成した。ここでは、負電極膜45は、リチウムから成る。
【0028】
次に、保護膜形成装置12により、負電極膜45の表面上に保護膜46を形成し、正極集電体膜41の一部と、負極集電体膜44の一部を露出させ、他の部分を保護膜46によって覆い、薄膜リチウム二次電池73を形成した。
保護膜46は、ここでは、Al23膜、Al膜、Al23膜を、下層からこの順序で積層させた積層膜であるが、ポリ尿素膜を保護膜46として形成してもよい。
なお、保護膜46は、金属、又は金属酸化物に限定されず、リチウムから水分を保護すれば有機、又は無機材料でもよい。
【0029】
また、本発明のリチウム二次電池一貫装置1は、正極集電体膜形成装置7、又は負極集電体膜形成装置10のいずれか一台を減らしても上述した薄膜リチウム二次電池を形成することができる。
【0030】
図2の、リチウム二次電池量産装置50は、図1のリチウム二次電池一貫装置1から正極集電体膜形成装置7を減らした場合の装置であり、このリチウム二次電池量産装置50は、負極集電体膜形成装置10が接続された第三の前室90に、搬出入室36が接続されている。
この搬出入室36は、第三の前室90内部のガス雰囲気を維持しながら、第三の前室90内と搬出入室36との間で基板を移動させることができ、更に、第三の前室90内部のガス雰囲気を維持しながら、搬出入室36と大気の間で基板を移動させることができるようにされている。
【0031】
負極集電体膜形成装置10の内部には、正極集電体膜41を形成するターゲットと、負極集電体膜44を形成するターゲットが別々に配置されている。
搬入室31から搬入した基板は、先ず、正電極膜形成装置8で正電極膜42を形成する。次いで、基板を負極集電体膜形成装置10に移動させ、この負極集電体膜形成装置10によって正極集電体膜41を形成し、第4の仕込取出室234に移動させる。
【0032】
搬出入室36は、負極集電体膜形成装置10の第4の仕込取出室234と対面する位置に配置されており、移動室2内を上流側に戻すことなく、第4の仕込取出室234から搬出入室36に移動させ、移動室2内のガス雰囲気を維持しながら、大気に取り出す。
大気に取り出した基板は、搬入室31から移動室2内に搬入し、アニール室6でアニールした後、電解質膜形成装置9内に移動させ、電解質膜43を形成する。
電解質膜43を形成した基板は、負極集電体膜形成装置10に移動させ、負極集電体膜44を形成し、次いで、負電極膜形成装置11と、保護膜形成装置12とによって、負電極膜45と保護膜46とを形成し、リチウム二次電池を構成させて、搬出室32から大気に取り出す。
【0033】
このように、上記リチウム二次電池量産装置50によれば、基板表面に薄膜を形成する際に、搬入室31から移動室2内に搬入した基板を、搬出入室36から大気に取り出した後、搬入室31内に戻し、再度移動室2内を移動させて薄膜を形成することが出来る。
なお、搬出入室36から、薄膜を形成した基板を搬入するようにすれば、他の薄膜形成室を省略することもできる。要するに、本発明では、移動室2のどの位置にも搬出室(搬出入室36も含まれる)を設けても、いずれかの膜形成装置7〜12を省略することができるが、その搬出室は、基板を移動室内で逆流させないように、いずれかの膜形成装置7〜12と対面した位置がよい。
【0034】
なお、正極集電体膜41と負極集電体膜44が交叉しない形状の場合は、リチウム二次電池一貫装置1から負極集電体膜形成装置10を減らすことが可能である。図1の配置のリチウム二次電池一貫装置1において、負極集電体膜形成装置10を設けない場合は、正極集電体膜形成装置7の内部に正極集電体膜41を形成するターゲットと、負極集電体膜44を形成するターゲットを配置し、正極集電体膜41と正電極膜42とを形成した基板を搬出入室から大気に取り出し、アニールした後、正極集電体膜形成装置7によって、負極集電体膜44を形成し、電解質膜形成装置9により電解質膜43を形成した後、負電極膜形成装置11によってリチウム金属から成る負電極膜44を形成し、保護膜形成装置12によって保護膜46を形成すればよい。
【0035】
上述したプロセスでは、搬送機構として多数のローラーやベルトが近接して配置されて構成され、搬送機構上を基板が移動するためには、基板をトレイに載せるとよい。
【符号の説明】
【0036】
2……移動室
7……正極集電体膜形成装置
8……正電極膜形成装置
9……電解質膜形成装置
10……負極集電体膜形成装置
11……負電極膜形成装置
12……保護膜形成装置
231〜236……第一〜第六の仕込取出室


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムを含む金属から成る正電極膜と、
前記正電極膜と接触する正極集電体膜と、
前記正電極膜の上に配置されリチウムを含む固体電解質から成る固体電解質膜と、
前記固体電解質膜の上に配置された負電極膜と、
前記負電極膜と接触する負極集電体膜と、
を有する薄膜リチウム二次電池を製造する薄膜リチウム二次電池形成装置であって、
長手方向を有する形状に形成された移動室と、
前記移動室の前記長手方向の一端と他端に、それぞれ設けられ、大気と前記移動室との間に接続と遮断が可能な搬入室と搬出室と、
前記移動室内に配置され、前記搬入室側を上流とし、前記搬出室側を下流として、前記移動室に搬入された基板を前記上流から前記下流へ移動させる移動機構と、
前記移動室には、前記搬入室側から、前記搬出室側に向けて、固体電解質膜を形成する固体電解質膜形成装置と、前記負電極膜を形成する負電極膜形成装置とがこの順序で接続され、前記固体電解質膜形成装置と前記負電極膜形成装置とが接続された部分の前記移動室の部分は、開閉可能な仕切装置によって気密にされるように構成された薄膜リチウム二次電池形成装置。
【請求項2】
前記薄膜リチウム二次電池は、前記負電極膜上に保護膜を有し、
前記保護膜を形成する保護膜形成装置は、前記移動室の、前記負電極膜形成装置が接続された部分と、前記搬出室が接続された部分との間の位置に接続された請求項1記載の薄膜リチウム二次電池形成装置。
【請求項3】
前記移動室には、前記固体電解質膜形成装置が接続された部分と前記搬入室が接続された部分との間の部分に、前記正電極膜を形成する正電極膜形成装置が接続された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の薄膜リチウム二次電池形成装置。
【請求項4】
前記移動室には、前記正電極膜形成装置が接続された部分と、前記搬入室が接続された部分の間に前記正極集電体膜を形成する正極集電体膜形成装置が接続された請求項3記載の薄膜リチウム二次電池形成装置。
【請求項5】
前記移動室には、前記固体電解質膜形成装置が接続された部分と、前記負電極膜形成装置が接続された部分との間の部分に、前記負極集電体膜を形成する負極集電体膜形成装置が接続された請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の薄膜リチウム二次電池形成装置。
【請求項6】
前記移動室の前記搬入室と前記搬出室の間の位置には、前記移動室内の前記基板を搬出する搬出入室が設けられた請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の薄膜リチウム二次電池形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−16286(P2013−16286A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146886(P2011−146886)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】