説明

薄膜形成方法

【課題】大面積の基板に対して効果的にアシスト成膜を行うことができる薄膜形成方法を提供する。
【解決手段】クラスターイオンアシスト蒸着によって、クラスターイオンビームLのビームスポットよりも大きいサイズの基板7に薄膜を形成する際に、基板7を回転させながら基板7の表面7Aに膜材料を蒸着して薄膜を形成する。そして、基板7の回転中心Rと周端の一点7aとを含む領域にビームスポットを形成し、基板7の回転により薄膜全体にクラスターイオンを照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラスターイオンアシスト蒸着によって基板に薄膜を形成する薄膜形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光学、エレクトロニクスの分野で薄膜を用いた素子が多く用いられている。これら素子の薄膜形成方法として、基板に形成した膜に荷電粒子を照射し、その荷電粒子のエネルギーによって膜特性を改善するアシスト成膜が行われている。その代表例としてイオンアシスト蒸着法がある。これはイオンを膜や基板に照射することで基板無加熱であっても、十分な充填密度や密着性を有した薄膜を形成できるものである。
【0003】
ところで、膜材料によっては、イオンを照射することで膜への損傷が起きてしまう場合がある。例えば、紫外領域の光学素子として有用な弗化物材料で形成された薄膜については、イオンにより弗素が解離してしまい、膜の光吸収が増加してしまう。
【0004】
このため、膜材料を基板に蒸着させる際に、イオン照射による弗化物などの膜の損傷を回避できるように、クラスターイオンを照射してアシスト成膜を行う成膜方法が提案されている(特許文献1参照)。これとは別にクラスターイオンによりアシスト成膜を行う成膜方法として、基板表面に成膜した後にクラスターイオンを膜表面に対して偏向しながら照射することで膜特性を改善する技術も提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−232534号公報
【特許文献2】特開2001−192807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のクラスターイオンを照射してアシスト成膜を行う方法では、薄膜形成を行う対象基板の大きさが問題となる。すなわち、クラスターイオンを発生させるクラスターイオン源は、イオン化させる前のクラスター流が指向性を持っているため、照射可能な面積が対象基板の大きさに対して十分でない場合があるからである。具体的に説明すると、クラスターは、サブmmオーダーのオリフィスを有するノズルからガスを噴出させることで形成されるが、ガス流の中心付近に多く形成される。したがって、射出されるクラスターイオンのビームスポット(つまり、照射面積)は、大面積の基板に対して必然的に小さいものとなってしまう。
【0007】
そこで、静電レンズを用いて射出角度を広げてクラスターイオンの照射面積を大きくする方法が考えられる。しかし、この方法では、クラスターイオンの照射面積が大きくなるので、できるだけ多くのクラスターイオンを引き出す必要があり、数kV以上の高電圧でイオンの引出しと加速を行わなければならない。このように高電圧で加速された高エネルギーのクラスターイオンの照射面積を被照射基板上での電流密度が均一となるように広げることは容易ではなく、装置の大型化や複雑化を招き大幅なコストアップが生じてしまう。
【0008】
また、クラスターイオンビームの射出角度を広げると、イオンの基板への入射角度(基板面の法線と入射するイオンとが成す角度)が、クラスターイオンビームの中心から径方向に離れるに連れて大きくなる。このようにイオンの入射角度が増大すると、正弦則により基板面に対する法線方向のイオンの運動エネルギーが低下するためにアシスト効果が低下し、膜特性の改善が図られない部分が生じることがある(アシスト効果のムラ)。このことは、特許文献2のようにクラスターイオンビームを偏向照射させた場合も同様に問題となる。
【0009】
そこで、本発明は、大面積の基板に対して効果的にアシスト成膜を行うことができる薄膜形成方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、クラスターイオンアシスト蒸着によって、クラスターイオンビームのビームスポットよりも大きいサイズの基板に薄膜を形成する薄膜形成方法において、前記基板を回転させながら前記基板の表面に膜材料を蒸着して薄膜を形成する蒸着工程と、前記基板の回転中心と周端とを含む領域に前記ビームスポットを形成し、前記基板の回転により前記薄膜の全体にクラスターイオンを照射する照射工程と、を備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板のサイズがクラスターイオンビームのビームスポットよりも大きくても、基板を回転させることでクラスターイオンを薄膜全体に照射することができるので、クラスターイオンによるアシスト成膜を効果的に行うことができる。そして、クラスターイオンビームを拡散又は偏向することでアシスト成膜する場合に比べ、薄膜に対するイオンの入射角度を小さくすることができ、膜特性を効果的に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態に係る成膜装置の説明図であり、(a)は、成膜装置全体の構成を示す図、(b)は、成膜装置のクラスターイオン源の詳細な構成を示す図である。
【図2】基板上でのビームの照射範囲を示す図である。
【図3】LaF膜の厚さを変えてクラスターイオンを照射した場合のLaF膜の屈折率を示すグラフである。
【図4】誘電体多層膜ミラーの膜の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)に示す成膜装置100は、真空チャンバー1と、基板7を回転駆動する駆動部5と、膜厚モニタ3と、蒸着源4と、アシスト源としてのクラスターイオン源8と、基板7上に形成される膜厚分布を調整するマスク6と、を備えている。また、成膜装置100は、マスク6を回転駆動するマスク駆動部9を備えている。これら基板7、駆動部5、膜厚モニタ3、蒸着源4、クラスターイオン源8、マスク6及びマスク駆動部9は、真空チャンバー1内に配置されている。
【0014】
真空チャンバー1は、バルブ2を通してバックグラウンドプレッシャーで1×10−5Pa程度まで真空排気される。蒸着源4は、電気抵抗加熱により膜材料を加熱・蒸発させる。基板7は、駆動部5により例えば60rpmの回転速度で回転駆動され、マスク6は、基板7とは異なる回転速度(例えば30rpm)でマスク駆動部9により回転駆動される。マスク6は、蒸着源4と基板7との間に配置され、このマスク6によって、蒸着源4から蒸発して飛散する膜材料分子Vの流れの一部がカットされ、基板7の表面7Aの全体に均等な厚さで薄膜が形成されていくようになっている。膜厚モニタ3は、水晶振動子を用いたモニタであり、基板7近傍に配置され、これにより基板7への成膜速度をモニタする。なお、図1(a)に示す基板7は、所定の曲率半径を有する凹面状基板である。そして凹面である表面7Aに薄膜を形成することで、凹面鏡が形成される。なお、本実施の形態では、凹面鏡である光学素子を製造する場合について説明するが、レンズ等の光学素子を製造する場合であってもよい。
【0015】
図1(b)に示すクラスターイオン源8は、ノズル11、スキマー13、ホットフィラメント14、加速電源16、静電レンズ17、質量フィルタ18及び調整電極19から成る。ノズル11は、オリフィス径が120μmであり、このノズル11から真空中へArやXeといった希ガスが噴出されることで、断熱膨張によりガス原子が数百〜数千個凝集してクラスターを形成する。このクラスター流Lcのうちスキマー13によって中心成分を通過させ、ホットフィラメント14からの熱電子によりそれをイオン化する。イオン化されたクラスターは加速電源16によって数〜数十keVに加速されてクラスターイオンビームLとなる。クラスターイオンビームLは静電レンズ17によって質量フィルタ18に入射するように調整され、質量フィルタ18の磁場によってクラスターのサイズ(質量)が選別される。さらに調整電極19により、ビーム断面形状が静電的に調整される。
【0016】
本実施の形態では、基板7に蒸着された薄膜にクラスターイオンを照射するクラスターイオンアシスト蒸着を行う。ここで、基板7は、クラスターイオンビームLのビームスポット(ビーム照射面積)よりも大きいサイズに形成されている。
【0017】
ところで、一原子又は一分子イオンを照射するアシスト成膜では間欠照射しても充填密度が高い膜が形成されないが、我々は、鋭意研究の結果、クラスターイオンを照射する場合においては、間欠照射であっても充填密度が高い膜が得られることを見出した。つまり、クラスターイオンを用いたアシスト成膜では、間欠照射であってもアシスト効果があるということである。特に、膜材料が弗化物材料の場合には、膜に損傷を与えることを抑制できるので、効果的である。この弗化物材料としては、LaF、GdF、NdF、MgF、SmF若しくはAlF、又はこれらの混合物である。
【0018】
クラスターイオン源8は、図1(a)に示すように、基板7の回転中心Rの軸方向と直交する方向に回転中心Rに対向する位置からずらして配置されている。そして、クラスターイオンビームLのビームスポットが、基板7の回転中心Rと周端とを含む領域に形成されるように、クラスターイオン源8のビーム放射方向が、基板7の回転中心Rの軸に対して傾けられている。
【0019】
次に、成膜装置100による薄膜形成方法について説明する。まず、基板7を駆動部5により回転させながら基板7の表面7Aに膜材料を蒸着して薄膜を形成する(蒸着工程)。この蒸着工程では、蒸着源4で蒸発した膜材料がマスク6を介して基板7の表面に均一に蒸着される。
【0020】
次に、この蒸着動作と並行して、クラスターイオン源8からは、クラスターイオンビームLが射出される。クラスターイオンビームLは、図2に示すように、基板7の表面7Aに形成された薄膜に照射される。具体的に説明すると、少なくとも基板7の回転中心Rと周端の一点7aとを含む領域にビームスポットLsが形成される。つまり、少なくとも基板7の回転中心Rから半径方向に周端の一点7aに延びる直線7bを含む領域にビームスポットLsが形成される。なお、図2に示すように、基板7は、平面視円形状に形成されている。
【0021】
このビームスポットLsは、クラスターイオンビームLが回転中心Rの軸に対して傾斜して基板7に照射されるので楕円形状となる。そして、基板7は回転しているので、クラスターイオンは、基板7の表面7Aに形成した薄膜全体に照射される(照射工程)。このような照射方法を用いることで大面積の基板に対して、クラスターイオンビームの入射角度の分布幅を小さくすることができる。これによりクラスターイオンビームのアシスト効果のムラを抑え、効率的な大面積基板への照射が可能となる。
【0022】
このように、クラスターイオンビームLが薄膜に間欠照射されるようになっているが、回転中心Rに対して、非軸対称(非回転中心軸対称)にクラスターイオンビームLが照射されるので、基板7の回転によって照射領域を広くとることができる。これにより、クラスターイオンビームLのビームスポットLsが小さくても大口径の基板7への薄膜形成に対応することができる。
【0023】
ところで、クラスターイオンの衝突により効果的に改質される膜の深さ方向の範囲は、1nm以下である。図3は、LaF膜の厚さを変えてクラスターイオンを照射した場合のLaF膜の屈折率を示すグラフであり、このグラフからも明らかなように、膜厚が1nmを超えると、LaF膜の屈折率が低下する。つまり、屈折率の変化は膜の充填密度により変化するので、クラスターイオンを照射から次にクラスターイオンを照射までの間(時間)に形成される膜厚が1nmを超えなければ、緻密な膜が形成される。
【0024】
したがって、本実施の形態では、基板7の回転により薄膜にクラスターイオンビームLが照射されてから次にクラスターイオンビームLが照射されるまでの間に形成される薄膜の厚さを、1nm以下としている。
【0025】
具体的には、基板7の回転中心R近傍には、クラスターイオンビームLが連続照射されるが、基板7の周端近傍には、クラスターイオンビームLが間欠照射されることとなるので、基板7の周端近傍を基準に設定すればよい。すなわち、基板7の周端近傍の部分にクラスターイオンビームLが照射されてから次にクラスターイオンビームLが照射されるまでの間に形成される薄膜の厚さを、1nm以下とすればよい。この成膜速度は、蒸着源4の膜材料の蒸発量、マスク6の回転速度、及び基板7の回転速度を調整することにより設定される。
【0026】
なお、1種類の膜材料(例えば、LaF)で成膜する場合について説明したが、異なる材料の膜を交互に多数積層成膜することで、誘電体多層膜ミラーを形成することができる。例えば、図4に示すように、MgF膜20とLaF膜21とを交互に多数積層成膜することで、誘電体多層膜ミラーが形成される。この場合、大面積の基板であっても、高い反射率のミラーを製造することができる。
【0027】
以上、本実施の形態では、基板7のサイズがクラスターイオンビームLのビームスポットLsよりも大きくても、基板7を回転させることでクラスターイオンを薄膜全体に照射することができるので、アシスト成膜を効果的に行うことができる。そして、クラスターイオンビームを拡散又は偏向してアシスト成膜する場合に比べ、薄膜に対するイオンの入射角度を小さくすることができ、膜特性を効果的に改善することができる。これにより、紫外領域のレーザーを用いた半導体露光装置に用いられるレンズやミラーなどの大口径の光学素子の製造を基板無加熱で行うことが可能となる。
【0028】
また、クラスターイオン源8は、1つ備えていればよく、クラスターイオン源を複数備える必要がないので、真空チャンバー1内へ流入するガス量が許容値を超えることはなく、また、省スペース及び低コストを実現することができる。
【0029】
また、基板7を回転移動させているので、基板をXYステージに搭載してXY方向に移動させる場合と比較して、基板の移動スペースを確保する必要がないので、省スペースとなる。また、本実施の形態では、基板7を回転させながら膜材料を蒸着しているので、基板7の表面に部分的に膜材料が照射されない領域が生じたり、膜厚のムラが生じたりするのを抑制できる。このように、基板7の表面全体に膜材料を均一に蒸着することができるので、回転する基板7に向けてクラスターイオンビームLを照射した場合、クラスターイオンビームLが基板7の表面に直接照射されるのを抑制でき、また、膜に均一に照射することができる。したがって、クラスターイオンビームLによる基板7のエッチングを抑制でき、クラスターイオンビームLのエッチングによる基板7の形状変化を抑制でき、良好にアシスト成膜を行うことができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例1として、図1に示した装置を用いて形成したLaF膜の特性について述べる。真空チャンバー内で蒸発・飛散させることでLaF膜を直径Φ300mmの平板基板上に形成する際に、平均的なクラスターサイズ(クラスター1個を形成する原子・分子の数)が2000個で、20keVのエネルギーのArクラスターイオンを照射した。クラスターイオンビームの照射領域での平均的な電流密度は1.0μA/cmである。成膜速度(基板上に単位時間あたりに積層されるLaF膜の膜厚)は0.1nm/sである。また、クラスターイオンビームの照射範囲は、角度35°以下、辺の長さが150mmの扇形状である。クラスターイオンの入射角度が増加した場合、基板法線方向のクラスターの運動エネルギーが低下することでそのアシスト効果が減少してしまう。さらに基板上でのその電流密度も低下してしまう。このため、クラスターイオンの入射角度が増加すると、アシスト効果はその角度のcos二乗則により低下していく傾向が見られる。実施例1ではアシスト効果が入射角度によって大きく変化しないようにクラスターイオンの入射角度が35°以下に抑えられている。また上記の条件では、基板上の任意の部分で、クラスターイオンが衝突してから、次の衝突までに形成されるLaF膜の膜厚が1nmである。
【0031】
また、比較例1として、成膜速度を0.2nm/sとし、基板上の任意の部分でのクラスターイオンが衝突してから次の衝突までに形成される膜厚が2nmとした。実施例1及び比較例1のテープテストについての結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
この表1に示すテープテストについては、実施例1及び比較例1のいずれにおいてもO.K.であり、密着性の良い膜が形成されていることがわかった。つまり、いずれの場合においてもアシスト成膜が効果的に行われていることが確認できた。
【0034】
次に、実施例1及び比較例1についての屈折率と膜厚との関係を表2に示す。
【0035】
【表2】

【0036】
表2に示すように、比較例1の屈折率は、基板中心からの距離がいずれであっても、1.66であった。これに対し、実施例1の屈折率は、基板中心からの距離がいずれであっても、1.69であり、比較例1よりも充填密度の高い膜であった。
【0037】
これにより、蒸着した膜厚が1nm以下の状態でクラスターイオンを照射した方が、1nmを超える場合よりも、充填密度の高い膜が形成されることが確認された。そして、大面積(Φ300mm)の基板において、充填密度が高く、密着性の良いLaF膜が、無加熱で形成することが可能となることが確認された。
【0038】
次に、本発明の実施例2として、図1示した装置を用いて製造した誘電体多層膜ミラーの特性について述べる。真空チャンバー内で蒸発・飛散させることで図4に示したMgF膜20とLaF膜21を直径Φ350mm、曲率半径200mmの凹面基板上に交互に、光学的膜厚(物理的膜厚×屈折率)0.25λ(λ=193nm)で、合計46層形成した。基板上に形成する際に、平均的なクラスターサイズ(クラスター1個を形成する原子・分子の数)が2000個で、25keVのクラスターイオンを照射した。クラスターイオンビームの照射領域での平均的な電流密度は1.0μA/cmである。成膜速度(基板上に単位時間あたりに積層されるLaF膜の膜厚)は0.1nm/sである。また、クラスターイオンビームの照射範囲は、角度35°、辺の長さが175mmの扇形状である。上記の条件では、基板上の任意の部分で、クラスターイオンが衝突してから、次の衝突までに形成されるLaF膜の膜厚が1nmである。
【0039】
また、比較例2として、成膜速度を0.2nm/sとし、基板上の任意の部分でのクラスターイオンが衝突してから次の衝突までに形成される膜厚が2nmとした。実施例2及び比較例2により形成されたミラーの反射率を表3示す。
【0040】
【表3】

【0041】
表3に示すように、比較例2の反射率は、基板中心からの距離がいずれであっても、95%であった。これに対し、実施例2の反射率は、基板中心からの距離がいずれであっても、99%であり、比較例2よりも高い反射率であった。これにより、蒸着した膜厚が1nm以下の状態でクラスターイオンを照射した方が、1nmを超える場合よりも、更に高い反射率の大面積のミラーを製造できることが確認された。
【0042】
また、実施例から判るように本発明は、従来技術では困難であった弗化物材料の大面積基板へのイオンアシスト成膜において特にその効果を発揮する。
【符号の説明】
【0043】
4 蒸着源
7 基板
8 クラスターイオン源
100 成膜装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラスターイオンアシスト蒸着によって、クラスターイオンビームのビームスポットよりも大きいサイズの基板に薄膜を形成する薄膜形成方法において、
前記基板を回転させながら前記基板の表面に膜材料を蒸着して薄膜を形成する蒸着工程と、
前記基板の回転中心と周端とを含む領域に前記ビームスポットを形成し、前記基板の回転により前記薄膜の全体にクラスターイオンを照射する照射工程と、を備えたことを特徴とする薄膜形成方法。
【請求項2】
前記基板の回転により前記薄膜にクラスターイオンビームが照射されてから次にクラスターイオンビームが照射されるまでの間に形成される前記薄膜の厚さを、1nm以下としたことを特徴とする請求項1に記載の薄膜形成方法。
【請求項3】
前記膜材料が弗化物材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−242174(P2010−242174A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92908(P2009−92908)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】