説明

薄膜積層コンデンサ

【課題】 電極と誘電体が平坦状に形成できて、生産性が良好で、断線の無い薄膜積層コンデンサを提供する。
【解決手段】 本発明の薄膜積層コンデンサにおいて、絶縁基板1上と誘電体2の上面には、第1の電極3の第1の主電極部3aと第2の電極4の第2の副電極部4bが存在し、また、異なる誘電体2の上面には、第1の電極3の第1の副電極部3bと第2の電極4の第2の主電極部4aが存在するようにしたため、誘電体2の上面は、従来の階段状の側部を無くすることが出来て、平坦状に形成でき、その形成が容易となって、生産性の良好なもの得られると共に、誘電体2の上面への第1,第2の電極3,4の形成も容易となり、且つ、誘電体2の上面での第1,第2の電極3,4の断線の無いものが得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は種々の電子機器や電子回路ユニット等に使用して好適な薄膜積層コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
図13は従来の薄膜積層コンデンサの断面図であり、次に、従来の薄膜積層コンデンサの構成を図13に基づいて説明すると、ベース基板51の上面には絶縁層52が設けられる共に、この絶縁層52上には、5層に積層された誘電体53が形成され、この誘電体53は、対向する側面側で互い違いに、上層と下層が積層されてなる階段状の側部53a、53bが設けられている。
【0003】
第1の電極54は、絶縁層52上、及び偶数層の誘電体53の上面に形成された第1の電極部54aと、この第1の電極部54aに繋がり、それぞれの階段状の側部53a上に設けられた第1の側部電極部54bと、この第1の側部電極部54bに繋がった状態で、側部53aの側面に設けられた第1の側面電極部54cを有し、第1の側面電極部54cが絶縁層52上に設けられた最下部に位置する第1の電極部54aに接続されている。
【0004】
第2の電極55は、第1の電極部54aに誘電体53を介して対向し、奇数層の誘電体53の上面に形成された第2の電極部55aと、この第2の電極部55aに繋がり、それぞれの階段状の側部53ba上に設けられた第2の側部電極部55bと、この第2の側部電極部55bに繋がった状態で、側部53bの側面に設けられた第2の側面電極部55cを有し、第2の側面電極部55cが絶縁層52上に設けられている。
【0005】
そして、誘電体53は、誘電体53の上面に形成された第2の電極部55aの端部を順次覆う構成によって、第1の側部電極部54b側に階段状の側部53aが形成され、また、誘電体53の上面に形成された第1の電極部54aの端部を順次覆う構成によって、第2の側部電極部55b側に階段状の側部53bが形成され、しかも、積層された誘電体53と側部53a、53bとの間の段差は、第1,第2の電極54,55の数に対応して、上部になるに従って大きくなって、従来の薄膜積層コンデンサが形成されている。(例えば、特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】特開2003−234245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の薄膜積層コンデンサは、第1,第2の電極54,55のそれぞれが異なる誘電体53上に形成されているため、誘電体53は、階段状の側部53a、53bが存在して、全体が平坦状に形成できず、その形成が面倒で、生産性が悪くなると共に、階段状の側部53a、53b上への第1,第2の側部電極部54b、55bの形成が面倒で、生産性が悪くなる上に、第1,第2の側部電極部54b、55bが階段状の側部53a、53bの角部で断線が生じるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は電極と誘電体が平坦状に形成できて、生産性が良好で、断線の無い薄膜積層コンデンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、絶縁基板と、この絶縁基板上に複数の層に積層され、平坦な上面を有する誘電体と、前記絶縁基板上と前記誘電体の上面に設けられ、互いに対向してコンデンサを形成する第1,第2の電極とを備え、前記第1の電極は、前記絶縁基板上と前記誘電体の上面に設けられた第1の主電極部と、この第1の主電極部と異なる前記誘電体の上面に設けられた第1の副電極部と、前記誘電体の側面に設けられ、前記第1の正、副電極部に接続された第1の側面電極部を有し、前記第2の電極は、前記第1の副電極部と同じ前記誘電体の上面に設けられ、前記第1の主電極部に対向する第2の主電極部と、前記第1の主電極部と同じ前記絶縁基板上、及び前記誘電体の上面に設けられた第2の副電極部と、前記誘電体の側面に設けられ、前記第2の正、副電極部に接続された第2の側面電極部を有し、前記第1の主電極部と前記第2の副電極部間、及び前記第1の副電極部と前記第2の主電極部間には、隙間部が設けられた構成とした。
【0010】
また、第2の解決手段として、前記第1の主電極部と前記第2の副電極部、及び前記第1の副電極部と前記第2の主電極部は、上下方向において非対向状態にした構成とした。
また、第3の解決手段として、前記隙間部は、それぞれの前記誘電体の上面において、上下方向に対してずれた状態で設けられた構成とした。
また、第4の解決手段として、積層された前記誘電体の全体の前記側面は、前記絶縁基板に対して垂直状態に形成された構成とした。
【0011】
また、第5の解決手段として、前記誘電体の上面に設けられた前記第1の主電極部、及び前記第1の副電極部のそれぞれの端部からは、前記誘電体の前記側面に沿って前記絶縁基板の方向に延びる電極部が設けられ、前記第1の側面電極部が前記電極部の積層によって形成されると共に、前記誘電体の上面に設けられた前記第2の主電極部、及び前記第2の副電極部のそれぞれの端部からは、前記誘電体の前記側面に沿って前記絶縁基板の方向に延びる電極部が設けられ、前記第2の側面電極部が前記電極部の積層によって形成された構成とした。
【0012】
また、第6の解決手段として、前記第1,第2の側面電極部は、最上部に位置する前記誘電体の前記側面において、厚みが最も薄く形成されると共に、最上部の前記誘電体から前記絶縁基板上に位置する最下部の前記誘電体に行くに従って、漸次厚く形成された構成とした。
また、第7の解決手段として、前記第1,第2の電極は、最上部に位置する前記誘電体の上面に設けられた厚みがそれ以外の前記誘電体の上面に設けられたものより厚くした構成とした。
【0013】
また、第8の解決手段として、前記絶縁基板上には、前記第1,第2の電極に接続される配線パターンを有し、前記第1,第2の電極が一直線上の位置で前記配線パターンに接続された構成とした。
また、第9の解決手段として、前記絶縁基板上には、前記第1,第2の電極に接続される配線パターンを有し、前記第1,第2の電極が互いに直交した位置で前記配線パターンに接続された構成とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明の薄膜積層コンデンサにおいて、第1の電極は、絶縁基板上と誘電体の上面に設けられた第1の主電極部と、この第1の主電極部と異なる誘電体の上面に設けられた第1の副電極部と、誘電体の側面に設けられ、第1の正、副電極部に接続された第1の側面電極部を有し、第2の電極は、第1の副電極部と同じ誘電体の上面に設けられ、第1の主電極部に対向する第2の主電極部と、第1の主電極部と同じ絶縁基板上、及び誘電体の上面に設けられた第2の副電極部と、誘電体の側面に設けられ、第2の正、副電極部に接続された第2の側面電極部を有し、第1の主電極部と第2の副電極部間、及び第1の副電極部と第2の主電極部間には、隙間部が設けられた構成とした。
即ち、絶縁基板上と誘電体の上面には、第1,第2の電極の主電極部と副電極部が存在するようにしたため、誘電体の上面は、従来の階段状の側部を無くすることが出来て、平坦状に形成でき、その形成が容易となって、生産性の良好なもの得られると共に、誘電体の上面への第1,第2の電極の形成も容易となり、且つ、誘電体の上面での第1,第2の電極の断線の無いものが得られる。
【0015】
また、第1の主電極部と第2の副電極部、及び第1の副電極部と第2の主電極部は、上下方向において非対向状態にしたため、主電極部のみで容量値の形成が出来て、精度の良い容量値が得られる。
【0016】
また、隙間部は、それぞれの誘電体の上面において、上下方向に対してずれた状態で設けられたため、上下方向での隙間部の積み重ねによる誘電体の凹みが分散できて、誘電体の上面を一層平坦状に出来る。
【0017】
また、積層された誘電体の全体の側面は、絶縁基板に対して垂直状態に形成されたため、それぞれの誘電体は、大きさを等しく、且つ、小さくできて、小型化を図ることが出来る。
【0018】
また、誘電体の上面に設けられた第1の主電極部、及び第1の副電極部のそれぞれの端部からは、誘電体の側面に沿って絶縁基板の方向に延びる電極部が設けられ、第1の側面電極部が電極部の積層によって形成されると共に、誘電体の上面に設けられた第2の主電極部、及び第2の副電極部のそれぞれの端部からは、誘電体の側面に沿って絶縁基板の方向に延びる電極部が設けられ、第2の側面電極部が電極部の積層によって形成されたため、第1,第2の側面電極部を厚くできて、断線の無いものが得られる。
【0019】
また、第1,第2の側面電極部は、最上部に位置する誘電体の側面において、厚みが最も薄く形成されると共に、最上部の誘電体から絶縁基板上に位置する最下部の誘電体に行くに従って、漸次厚く形成されたため、第1,第2の側面電極部を厚くできて、断線の無いものが得られる。
【0020】
また、第1,第2の電極は、最上部に位置する誘電体の上面に設けられた厚みがそれ以外の誘電体の上面に設けられたものより厚くしたため、最上部の誘電体の側面における側面電極部を厚くできて、断線の無いものが得られる。
【0021】
また、絶縁基板上には、第1,第2の電極に接続される配線パターンを有し、第1,第2の電極が一直線上の位置で配線パターンに接続されたため、特に、コンデンサを接続するための配線パターンが一直線上に配置されたものに好適である。
【0022】
また、絶縁基板上には、第1,第2の電極に接続される配線パターンを有し、第1,第2の電極が互いに直交した位置で配線パターンに接続されたため、特に、コンデンサを接続するための配線パターンが直交状態に配置されたものに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の薄膜積層コンデンサの図面を説明すると、図1は本発明の薄膜積層コンデンサの第1実施例に係る断面図、図2は本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第1工程を示す説明図、図3は本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第2工程を示す説明図、図4は本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第3工程を示す説明図、図5は本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第4工程を示す説明図、図6は本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第5工程を示す説明図、図7は本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第6工程を示す説明図、図8は本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第7工程を示す説明図、図9は本発明の薄膜積層コンデンサの第2実施例に係る平面図、図10は図9の10−10線における断面図、図11は図9の11−11線における断面図、図12は本発明の薄膜積層コンデンサの第3実施例に係る要部拡大断平面図である。
【0024】
次に、本発明の薄膜積層コンデンサの構成を図1に基づいて説明すると、アルミナや低温焼成セラミック等からなる絶縁基板1上には、複数の層に積層(例えば、3層)された誘電体2が形成され、この誘電体2は、酸化シリコン等からなり、それぞれの上面が平坦状をなすと共に、積層された誘電体2の全体の側面が絶縁基板1に対して垂直状態に形成され、それぞれの誘電体2の大きさ(上面の面積)が等しく形成されている。
【0025】
第1の電極3は、絶縁基板1上、及び偶数層の誘電体2の上面に形成された第1の主電極部3aと、奇数層の誘電体2の上面に形成された第1の副電極部3bと、第1の主、副電極部3a、3bに繋がり、誘電体2の側面に設けられた第1の側面電極部3cを有し、絶縁基板1の上面に設けられた1層目の第1の主電極部3aの一部は、絶縁基板1に設けられた配線パターンPに接続される引出部となっている。
【0026】
また、それぞれの誘電体2の上面に設けられた第1の主電極部3a、及び第1の副電極部3bのそれぞれの端部からは、誘電体2の側面に沿って絶縁基板1の方向に延びる電極部が設けられ、第1の側面電極部3cが電極部の積層によって形成され、また、第1の側面電極部3cは、最上部に位置する誘電体2の側面において、厚みが最も薄く形成されると共に、最上部の誘電体2から絶縁基板1上に位置する最下部の誘電体2に行くに従って、漸次厚く形成されている。
【0027】
なお、この実施例では、絶縁基板1と誘電体2に形成される第1の電極3の厚みが等しいもので説明したが、第1の電極3は、最上部に位置する誘電体2の上面に設けられた厚みがそれ以外の誘電体2の上面に設けられたものより厚くしても良く、この場合、最上部の誘電体2の側面における第1の側面電極部3cを厚くできて、断線の無いものが得られる。
【0028】
第2の電極4は、奇数層の誘電体2の上面に形成された第2の主電極部4aと、絶縁基板1上、及び偶数層の誘電体2の上面に形成された第2の副電極部4bと、第2の主、副電極部4a、4bに繋がり、誘電体2の側面に設けられた第2の側面電極部4cを有し、絶縁基板1の上面に設けられた1層目の第2の副電極部4bの一部は、絶縁基板1に設けられた配線パターンPに接続される引出部となっている。
【0029】
また、それぞれの誘電体2の上面に設けられた第2の主電極部4a、及び第2の副電極部4bのそれぞれの端部からは、誘電体2の側面に沿って絶縁基板1の方向に延びる電極部が設けられ、第2の側面電極部4cが電極部の積層によって形成され、また、第2の側面電極部4cは、最上部に位置する誘電体2の側面において、厚みが最も薄く形成されると共に、最上部の誘電体2から絶縁基板1上に位置する最下部の誘電体2に行くに従って、漸次厚く形成されている。
【0030】
なお、この実施例では、絶縁基板1と誘電体2に形成される第2の電極4の厚みが等しいもので説明したが、第2の電極4は、最上部に位置する誘電体2の上面に設けられた厚みがそれ以外の誘電体2の上面に設けられたものより厚くしても良く、この場合、最上部の誘電体2の側面における第2の側面電極部4cを厚くできて、断線の無いものが得られる。
【0031】
そして、第1,第2の電極3,4が形成された際、第1の主電極部3aと第2の副電極部4b、及び第1の副電極部3bと第2の主電極部4aは、同じ層に形成されると共に、第1の主電極部3aと第2の副電極部4b間、及び第1の副電極部3bと第2の主電極部4a間には、所定の幅寸法を持った隙間部Sが設けられ、また、第1,第2の電極3,4の第1、第2の主電極部3a、4aは、誘電体2を介して互いに対向して、コンデンサ(容量)が形成されると共に、第1の主電極部3aと第2の副電極部4b、及び第1の副電極部3bと第2の主電極部4aは、上下方向において非対向状態となっている。
【0032】
この第1実施例における薄膜積層コンデンサは、第1,第2の電極3,4が一直線上に延び、この第1,第2の電極3,4が一直線上に配置された配線パターンPに接続されて、本発明の薄膜積層コンデンサが形成されている。
【0033】
次に、本発明の薄膜積層コンデンサの製造方法を図2〜図8に基づいて説明すると、先ず、第1工程では、図2に示すように、第1の電極3の第1の主電極部3aと第2の電極4の第2の副電極部4bが隙間部Sを持たせた状態で、リフトオフによって絶縁基板1上に形成される。
なお、この実施例における第1,第2の電極3,4は、それぞれ2層によって形成され、例えばTaからなる下部層と例えばTiからなる上部層で構成されている。
【0034】
次に、図3の第2工程において、第1の主電極部3aと第2の副電極部4b上には、引出部となる部分を露出した状態で、REIによって1層目の誘電体2が形成され、しかる後、図4の第3工程において、誘電体2の上面には、第1の副電極部3bと第2の主電極部4aが隙間部Sを持たせた状態で、リフトオフによって形成されると共に、誘電体2の側面には、第1,第2の側面電極部3c、4cを形成するための電極部がリフトオフによって形成される。
【0035】
次に、図5の第4工程において、2層目の誘電体2が第1の副電極部3bと第2の主電極部4a上にRIEによって形成され、しかる後、図6の第5工程において、2層目の誘電体2の上面には、第1の主電極部3aと第2の副電極部4bが隙間部Sを持たせた状態で、リフトオフによって形成されると共に、1層目と2層目の誘電体2の側面には、第1,第2の側面電極部3c、4cを形成するための電極部がリフトオフによって形成される。
その結果、1層目の誘電体2の側面には、2層の電極部が形成された状態になる。
【0036】
次に、図7の第6工程では、3層目の誘電体2が第1の主電極部3aと第2の副電極部4b上にRIEによって形成され、しかる後、図8の第7工程では、3層目の誘電体2の上面には、第1の副電極部3bと第2の主電極部4aが隙間部Sを持たせた状態で、リフトオフによって形成されると共に、1層目から3層目の誘電体2の側面には、第1,第2の側面電極部3c、4cを形成するための電極部がリフトオフによって形成される。
その結果、1層目の誘電体2の側面には、3層の電極部が形成され、2層目の誘電体2の側面には、2層の電極部が形成されてた状態で、第1,第2の側面電極部3c、4cが形成されて、本発明の薄膜積層コンデンサの製造が完了する。
【0037】
また、図9〜図11は本発明の薄膜積層コンデンサの第2実施例を示し、この第2実施例について説明すると、第1,第2の電極3,4は、互いに直交する方向に形成され、第1の電極3の第1の主電極部3aと第2の電極4の第2の副電極部4bは、絶縁基板1上、及び同じ誘電体2の上面に形成され、第1の主電極部3aが隙間部Sを持って分離した2つの第2の副電極部4bによって挟まれた状態となり、また、第1の電極3の第1の副電極部3bと第2の電極4の第2の主電極部4aは、同じ誘電体2の上面に形成され、第2の主電極部4aが隙間部Sを持って分離した2つの第1の副電極部3bによって挟まれた状態となっている。
【0038】
そして、第1、第2の電極3,4が互いに直交して配置された配線パターンPに接続されて、本発明の第2実施例の薄膜積層コンデンサが形成されている。
その他の構成は、上記第1実施例と同様の構成を有し、同一部品に同一番号を付し、ここではその説明を省略する。
【0039】
また、図12は本発明の薄膜積層コンデンサの第3実施例を示し、この第3実施例について説明すると、隙間部Sは、それぞれの誘電体2の上面において、上下方向に対してずれた状態で設けられ、これによって、上下方向での隙間部Sの積み重ねによる誘電体2の凹みが分散できて、誘電体2の上面が平坦状に出来るようにし、また、第1,第2の電極3,4は、最上部に位置する誘電体2の上面に設けられた厚みがそれ以外の誘電体2の上面に設けられたものより厚くし、これによって、最上部の誘電体2の側面における側面電極部3c、4cを厚くできて、断線の無いものが得られるようにしたものである。
その他の構成は、上記第1実施例と同様の構成を有し、同一部品に同一番号を付し、ここではその説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の薄膜積層コンデンサの第1実施例に係る断面図。
【図2】本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第1工程を示す説明図。
【図3】本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第2工程を示す説明図。
【図4】本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第3工程を示す説明図。
【図5】本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第4工程を示す説明図。
【図6】本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第5工程を示す説明図。
【図7】本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第6工程を示す説明図。
【図8】本発明の薄膜積層コンデンサに係る製造方法の第7工程を示す説明図。
【図9】本発明の薄膜積層コンデンサの第2実施例に係る平面図。
【図10】図9の10−10線における断面図。
【図11】図9の11−11線における断面図。
【図12】本発明の薄膜積層コンデンサの第3実施例に係る要部拡大断面図。
【図13】従来の薄膜積層コンデンサの断面図。
【符号の説明】
【0041】
1:絶縁基板
2:誘電体
3:第1の電極
3a:第1の主電極部
3b:第1の副電極部
3c:第1の側面電極部
4:第2の電極
4a:第2の主電極部
4b:第2の副電極部
4c:第2の側面電極部
P:配線パターン
S:隙間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、この絶縁基板上に複数の層に積層され、平坦な上面を有する誘電体と、前記絶縁基板上と前記誘電体の上面に設けられ、互いに対向してコンデンサを形成する第1,第2の電極とを備え、前記第1の電極は、前記絶縁基板上と前記誘電体の上面に設けられた第1の主電極部と、この第1の主電極部と異なる前記誘電体の上面に設けられた第1の副電極部と、前記誘電体の側面に設けられ、前記第1の正、副電極部に接続された第1の側面電極部を有し、前記第2の電極は、前記第1の副電極部と同じ前記誘電体の上面に設けられ、前記第1の主電極部に対向する第2の主電極部と、前記第1の主電極部と同じ前記絶縁基板上、及び前記誘電体の上面に設けられた第2の副電極部と、前記誘電体の側面に設けられ、前記第2の正、副電極部に接続された第2の側面電極部を有し、前記第1の主電極部と前記第2の副電極部間、及び前記第1の副電極部と前記第2の主電極部間には、隙間部が設けられたことを特徴とする薄膜積層コンデンサ。
【請求項2】
前記第1の主電極部と前記第2の副電極部、及び前記第1の副電極部と前記第2の主電極部は、上下方向において非対向状態にしたことを特徴とする請求項1記載の薄膜積層コンデンサ。
【請求項3】
前記隙間部は、それぞれの前記誘電体の上面において、上下方向に対してずれた状態で設けられたことを特徴とする請求項1、又は2記載の薄膜積層コンデンサ。
【請求項4】
積層された前記誘電体の全体の前記側面は、前記絶縁基板に対して垂直状態に形成されたことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の薄膜積層コンデンサ。
【請求項5】
前記誘電体の上面に設けられた前記第1の主電極部、及び前記第1の副電極部のそれぞれの端部からは、前記誘電体の前記側面に沿って前記絶縁基板の方向に延びる電極部が設けられ、前記第1の側面電極部が前記電極部の積層によって形成されると共に、前記誘電体の上面に設けられた前記第2の主電極部、及び前記第2の副電極部のそれぞれの端部からは、前記誘電体の前記側面に沿って前記絶縁基板の方向に延びる電極部が設けられ、前記第2の側面電極部が前記電極部の積層によって形成されたことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の薄膜積層コンデンサ。
【請求項6】
前記第1,第2の側面電極部は、最上部に位置する前記誘電体の前記側面において、厚みが最も薄く形成されると共に、最上部の前記誘電体から前記絶縁基板上に位置する最下部の前記誘電体に行くに従って、漸次厚く形成されたことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の薄膜積層コンデンサ。
【請求項7】
前記第1,第2の電極は、最上部に位置する前記誘電体の上面に設けられた厚みがそれ以外の前記誘電体の上面に設けられたものより厚くしたことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の薄膜積層コンデンサ。
【請求項8】
前記絶縁基板上には、前記第1,第2の電極に接続される配線パターンを有し、前記第1,第2の電極が一直線上の位置で前記配線パターンに接続されたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の薄膜積層コンデンサ。
【請求項9】
前記絶縁基板上には、前記第1,第2の電極に接続される配線パターンを有し、前記第1,第2の電極が互いに直交した位置で前記配線パターンに接続されたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の薄膜積層コンデンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−319284(P2006−319284A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−143141(P2005−143141)
【出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】