説明

薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ

【課題】
携帯及び使用が簡単な傷口等の手当に便利な薬剤等のアプリケータ用の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータを提供する。
【解決手段】
1回分の液状、半液状又は粉末状薬剤の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータは、薬剤を含む破壊可能なブリスター20と共に剥離して分離可能な漏洩防止材料の2個の部分13、14により構成される保護カバー12を備えている。このブリスター20は、保護カバー12の一方の部分13の内面25に取り付けられている。また、この部分13の外面には、接着性ドレシング19を含む剥離カバー18が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ(包装体)に関し、特に液状、半液状又は粉末状の医薬剤、消毒薬、化粧品又はその他の組成物をユーザの肌にアプライ(又は塗布)するアプリケータ用の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
旅行中又はスポーツの際には、1回に使用する分量の化粧品、医薬剤又は消毒薬剤(以下、総称して「薬剤」という)をパッケージングして用意又は携帯し、このパッケージングは、1回のみ使用する(即ち、使用後に廃棄する)のが好ましい。
【0003】
例えば、外周を熱シールしたプラスチック材料の2枚のシートによるフレキシブル壁を有する小さなブリスター内に上述のような1回分の材料を包み込むことが知られている。例えば、ブリスターは、上述のような材料を使用して相互に連結された連続する発泡体ストリップ状にすることも可能である。熱シールの前に、所定分量の薬剤等をシート間に注入し、その後、ブリスターを分離して使用する。このような方法が例示されていると共に、このようなブリスターをアプリケータ形成ポーチに一体化する方法も開示されている(例えば、特許文献1参照)。このアプリケータ形成部分は、漏洩防止カプセルにより保護されている。使用時には、ポーチを扁平にし、薬剤等がアプリケータに沁み出し、肌に貼り付けるか又はそれが殺菌剤の場合には、巻き付けられる。
【0004】
【特許文献1】フランス特許出願第FR99/14729号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような従来のアプリケータは、パッケージング及びその作業性が十分でなく、改善する必要があるという課題があった。
【0006】
本発明は、従来技術の上述した課題ないし欠点に鑑みなされたものであり、このような課題を克服又は軽減する薬剤用の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特に、本発明は、1回使用する分量の液状、半液状又は粉末状薬剤を含み、破壊可能且つ漏洩防止されたブリスターのパッケージングであって、漏洩防止材料の2つの分離可能部分よりなる保護カバーを備え、このブリスターは、これら2つの部分の内面に被着されることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、ブリスターがアプリケータを含むポーチ内に保持されると、このポーチは、上述した2つの部分の一方の上述した内面に固定される。この場合には、ブリスターが壊されたとき、アプリケータには薬剤が入り込む。この操作は、ユーザが指でカバーに十分な圧力を加えてアプリケータ内部のブリスターを破壊することを、保護カバーを開く前に行うことを可能にする。
なお、この薬剤の使用にアプリケータが不要の場合には、ブリスターは内面に直接固定してもよい。
【0009】
本発明の好適実施例によると、保護カバーは、典型的には相互に積層されたプラスチック及び金属材料のシートである2つのフレキシブル且つ漏洩防止部分から形成される。これら2つの部分は、ポーチの位置を包囲する外周の接合部により連結される。その結果、このパッケージングがユーザに提供されると、ポーチは漏洩防止された保護カバー内に完全に包囲され、ブリスターは、アプリケータを含むポーチ内に包囲される。このポーチは、保護カバーを構成する2つの部分の一方の内面においてポーチの1面を介して熱シールすることが可能である。
【0010】
本発明による効果的な実施例によると、ポーチ自身は、内面が固定されたフレキシブル材料(典型的には不織布タイプ)の第1部分及びアプリケータを形成する材料の第2部分により構成される。これら2つの部分は、閉じた外周接合部により連結され、その間にブリスターキャプティブを保持する。コットンウール片等がポーチ内、好ましくはブリスター及びアプリケータを形成するフレキシブルで、且つ多孔質材料間に保持されてもよい。
【0011】
本発明の更に別の実施例によると、上述したパッケージングは、傷又は火傷手当用の1回分量の消毒薬又は治療薬剤を含んでおり、このパッケージングは、接着性ドレシングを有している。
【発明の効果】
【0012】
本発明の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータによると、次のような実用上の顕著な効果を有する。先ず、保護カバーを一度開くと、容易に肌にアプライでき、ユーザは、指に問題の薬剤を付着させる恐れがない。また、接着性ドレシングを含んでいる剥離カバーが保護カバーの外面の1面を介して固定されている。その結果、ドレシングをパッケージング自身が有しており、薬剤がアプライされた後で、ユーザは傷口を保護するための接着性ドレシングを捜す必要がない。
【0013】
好ましくは片手のみで極めて容易に薬剤をアプライ可能にするために、ドレシングの外面は、保護カバーに固定されていない剥離カバー部分の内面に弱く取り付けられている。
なお、このタイプのドレシングは米国特許第5,511,689号にも開示されているが、それをパッケージングに配置することにより、使用を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明による薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータの要旨を一層明確にするために、その好適実施例を示す添付図面を参照して、構成及び作用を詳細に説明する。
【0015】
ユーザに提供される使い捨て又は1回用パッケージング11は、外観的にはカバー12の形態であり、このカバーは以下「保護カバー」と称し、漏洩防止材料の2個の分離可能部分(又はパーツ)13、14により構成される。このアプリケータが消毒薬等の用途のとき、この保護カバー12は、その1面に別のカバー(剥離カバー)18を有する。この別のカバー18は、剥離可能であり、且つ接着性ドレシング19を保持している。この剥離カバー18及びドレシング19の特徴については後述する。これは単にオプションであって、パッケージング11内に含まれる薬剤が傷や火傷の手当用であって、その後でドレシング19により保護される際に有用である。
【0016】
また、このパッケージング11は、漏洩防止のブリスター20を含んでおり、これを破壊すると1回分の薬剤が解放される。このブリスター20は、保護カバー12を構成する2つの部分13、14の一方13の内面に取り付けられている。換言すると、ブリスター20は、保護カバー12を開いても保護カバー12から外れない。この実施例では、ブリスター20は、アプリケータを含んでいるポーチ24内に収められているが、この構成自体は既知である。このポーチ24は、保護カバー12の一方である部分13の内面25に固定されている。ブリスター20は破壊可能であるので、一度このブリスター20を壊すと、アプリケータには薬剤が沁み込むことになる。この操作は、それを開く前に保護カバー12にユーザが圧力を加えることにより行われる。
【0017】
図3から理解されるように、ポーチ24は、内面25に固定、特に熱シール、されたフレキシブル材料の第1部分26及びフレキシブル且つ多孔質である材料の第2部分28により構成されて、アプリケータを形成する。ここに説明する具体例では、第1部分26は、不織布タイプの材料のシートであり、他方、第2部分28も、不織布タイプの材料のシートであるが、薬剤をアプライするために必要な全ての品質要件を具備している。毛羽立っていないコットン(綿)ベースの不織布材料を使用するのが好ましい。
【0018】
上述した2つの部分26、28は、同一形状及び寸法であり、周囲の接合部30で連結されている。これらの間には、ブリスター20が保持されている。更に、コットンウール(綿羊毛)片32又は類似物がポーチ24内のブリスター20及び第2部分28間に収容されている。ポーチ24の壁面を形成する2つの部分は連結され、ポーチ24は、接合部30の外形形状を有する加熱工具を押し当て、それらの組成材料を溶かすことにより、保護カバー12の部分13の内面25に熱シールされている。
【0019】
また、これら2つの部分13、14は、フレキシブル材料により形成され、ポーチ24の位置を包囲する接合部35で連結されている。薬剤のアプリケーションを容易にするために、保護カバー12の各部分13、14の表面積は、漏洩防止材料の2つの部分の一方の中心に固定されているポーチ24の表面積よりもかなり広い。よって、接合部35は、ポーチ24により占められる面積よりもかなり大きく、漏洩防止材料の部分の略中央にある領域を包囲する。この接合部35は、強くない接着性又は熱シール線であり、これら両部分は引っ張ることにより容易に分離可能である。ある金属化されたプラスチック材料の積層体が、このような「剥離特性」を有するように設計されている。
【0020】
例えば、ポーチ24が固定される部分13は、厚さ12μmのポリエチレン(PE)層、金属層及び厚さ80μmのポリエチレン層の積層体により構成され、剥離可能な構成となる。保護カバー12を形成する他の部分は、同様構成の別の積層体により構成してもよい。相互に圧接された2つの表面の少なくとも一方は、これら2つの部分に対応する形状の加熱工具を押し当て閉じた接合部35が形成され、その後、そのポーチ24が熱シールされた後、剥離可能に処理される。
【0021】
図示のように、接合部35の長さの一部は、フレキシブル材料の2つの部分13、14の相互に対向するエッジ(端縁)から離れる方向へ延びており、これによりこれら両部分13、14の分離時に使用される2個のプルタブ(引っ張り部)36、37を構成している。保護カバー12内に含まれた後、ポーチ24(及び特にアプリケータ内では)は、ガンマ線により消毒処理が施される。
【0022】
薬剤を使用するときには、閉じた保護カバー12の中央部をもみ、ブリスター20を壊す。そこで、薬剤がアプリケータを湿らせ(図4参照)、そこで少なくとも3辺において保護カバー12を開くことが可能である。保護カバー12を開くと、ポーチ24の取り扱いが容易になり、アプリケータを介して利用可能になった薬剤を容易に使用可能にする(図5参照)。
【0023】
接着性ドレシング19を含んでいる剥離カバー18は、その一面において保護カバー12の外面の1つに固定されている。保護カバー12の外面に取り付けられた剥離カバー18の内部39は、剥離カバー18を開くために必要な力よりもかなり大きな力で破壊に抵抗する。
【0024】
その結果、剥離カバー18の内部は、剥離カバー18を開いたとき、保護カバー12に取り付けられたままであるので、ドレシング19を取り出し可能である(図6参照)。しかし、このドレシング19の外面は、保護カバー12に固定されていない剥離カバー18の外部分40の内面に弱く固定(例えば、弱い接着)されている。
【0025】
従って、剥離カバー18を開くと、ドレシング19は、引っ張り部分40に取り付けられたままである。一度接着部分が分離されると、この剥離カバー18の分離部分を、消毒された部分に触れる恐れなく、ドレシング19をアプライ(肌の所定部分に貼り付け)することができる(図7参照)。
【0026】
これが肌に一度アプライされると、ドレシング19の接着部分は、肌に十分な強度で貼り付けられ(図8参照)、これにより、剥離カバー18の部分40に張力を与えると、その部分がドレシング19から確実に分離されるようにする。ドレシング19を含む剥離カバー18が、ポーチ24を含む保護カバー12に固定された後に、消毒処理を実施してもよい。
【0027】
以上、本発明による薬剤又は化粧品用使い捨てアプリケータの好適実施例の構成及び作用を詳述した。しかし、このような実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の精神を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であること、当業者には容易に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明によるパッケージングの好適実施例の斜視図である。
【図2】図1に示すパッケージングの下側を示す図である。
【図3】図2に示すパッケージングの線III−IIIに沿う断面図である。
【図4】使用準備のために開いたパッケージングの斜視図である。
【図5】傷口に適用する直前の状態を示す図である。
【図6】接着性ドレシングをパッケージングから剥離している状態を示す斜視図である。
【図7】剥離されたドレッシングを傷口へ貼り付ける直前の状態を示す図である。
【図8】ドレシングで傷口を保護している状態を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
11 アプリケータ
12 保護カバー
13、14 漏洩防止シート部分
18 剥離カバー
19 接着性ドレシング
20 ブリスター
24 ポーチ
25 シートの内面
26、28 ポーチを構成する部分
32 コットンウール
30、35 接合部
36、37 プルタブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1回分の薬剤等を含む破壊可能な漏洩防止ブリスター(20)を有する液状、半液状又は粉末状薬剤の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータにおいて、
漏洩防止材料の分離可能な2つの部分(13、14)よりなる保護カバー(12)を備え且つ前記ブリスター(20)が前記2つの部分の一方の内面(25)に取り付けられていることを特徴とする薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項2】
前記ブリスター(20)は、アプリケータよりなるポーチ(24)内に収められ、該ポーチ(24)は前記内面(25)に取り付けられ、前記アプリケータは前記ブリスターが壊されたとき、前記薬剤に浸されることを特徴とする請求項1に記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項3】
前記ポーチ(24)は、前記内面(25)に取り付けられたフレキシブル材料の第1部分(26)及びフレキシブル且つ多孔質材料の第2部分(28)よりなり、前記アプリケータを形成し、更に前記2つの部分(26、28)は外周の接合部(30)により連結され、且つ前記ブリスター(20)がそれらの間に保持されることを特徴とする請求項2に記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項4】
コットンウール(32)片は、前記ポーチ(24)内に収納されていることを特徴とする請求項3に記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項5】
前記保護カバー(12)は、前記ポーチ(24)の位置を包囲する接合部(35)により連結された2つの部分により構成されることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項6】
前記接合部(35)は、前記ポーチ(24)が占める領域より十分大きく且つそれを略中心とする領域を包囲することを特徴とする請求項5に記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項7】
前記接合部(35)は、低強度の接着又は熱シール線であり、前記2つの部分を「剥離」効果により分離可能にすることを特徴とする請求項5又は6に記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項8】
前記接合部(35)は、その長さの一部分が前記2つのフレキシブル材料部分の対向するエッジから離れて延び、前記2つの部分を分離可能にするプルタブ(36、37)を形成することを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項9】
接着性ドレシング(19)を含む剥離カバー(18)は、前記保護カバー(12)の外面に取り付けられる面を有することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。
【請求項10】
前記ドレシング(19)の外面は、前記保護カバー(12)に固定されていない前記剥離カバー(18)の部分(40)の内面に低強度で取り付けられていることを特徴とする請求項9に記載の薬品又は化粧品用使い捨てアプリケータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−504480(P2006−504480A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549273(P2004−549273)
【出願日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003239
【国際公開番号】WO2004/041137
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(505163327)ディー−ラボ (2)
【氏名又は名称原語表記】D−LAB
【住所又は居所原語表記】La Borie Basse, F−24130 PRIGONRIEUX, France
【Fターム(参考)】