説明

蛍光ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置

【課題】隣り合う蛍光ランプを交互に配置する直下方式のバックライトユニットの製造方法において、蛍光ランプの方向を識別する。
【解決手段】ガラスバルブ26と、ガラスバルブ26の両端部の内部に設けられた電極28、30と、電極28、30に接続され、かつガラスバルブ26の両端部から導出されたリード線22、24と、ガラスバルブ26の両端部を除いた内面に形成された蛍光体層32とを有する蛍光ランプ20であって、ガラスバルブ26の一端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さと、ガラスバルブ26の他端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さとが、センサにより識別できる程度に異なり、ガラスバルブ26、電極28、30またはリード線22、24のいずれかにマークが施されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置に関し、特に、当該バックライトユニットの筐体内に蛍光ランプを配置する際に、適切な方向を認識するための技術などに関する。
【背景技術】
【0002】
バックライトユニットは、液晶パネルの背面に取り付けられて、液晶ディスプレイ装置の光源として使用されるものである。バックライトユニットの方式は、大別して、エッジライト方式と直下方式とがある。
上記直下方式のバックライトユニットは、液晶パネル側の面が光を取り出すために開口している筐体と、筐体内に配置された複数本の蛍光ランプを備えている。上記開口は、樹脂製の拡散板、拡散シート、レンズシート等で覆われている。
【0003】
蛍光ランプのガラスバルブの内面には蛍光体層が形成されている。ガラスバルブの長手方向において、この蛍光体層の厚みは不均一となっている。バックライトに用いられる蛍光ランプは、管径が数[mm]程度と細いタイプであるため、特に、蛍光体層の厚みが不均一となりやすい。
すなわち、ガラスバルブの長手方向において、蛍光体層の膜厚が一方側が厚く他方側が薄いという関係となっている。係る膜厚の差は点灯時に輝度差として表出し、輝度むらの原因となり得る。
【0004】
このため、直下方式のバックライトユニットでは、隣接する蛍光ランプ間で長手方向の向きを交互にした状態で、筐体内に収納することで輝度むらの抑制を図っている。
従来のバックライトユニットの製造方法においては、作業者が、ランプの一方にのみ設けられた識別マーク(ロットNo等)を一本一本目視で確認して、長手方向の向きを識別し筐体内に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11‐250807号公報
【特許文献2】特開平11‐008327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、係る従来の識別用マークを用いる方法では、識別用マークを付するための工程やその設備が必要となりコスト高を招くという問題がある。
また、従来の方法は、作業の自動化に適しているとは言い難い。
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであって、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、識別マークを付するための工程や設備が不要であり、簡単な方法で蛍光ランプの向きを自動的に識別することを可能にする直下方式のバックライトユニットの製造方法、当該製造方法に用いられる蛍光ランプ及び当該蛍光ランプを用いたバックライトユニットなどを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光ランプは、ガラスバルブと、前記ガラスバルブの両端部の内部に設けられた電極と、前記電極に接続され、かつ前記ガラスバルブの両端部から外部に導出されたリード線と、前記ガラスバルブの両端部を除いた内面に形成された蛍光体層とを有する蛍光ランプであって、ガラスバルブの一端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さと、ガラスバルブの他端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さとが、センサにより識別できる程度に異なり、前記ガラスバルブ、前記電極または前記リード線のいずれかにマークが施されていることを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブの蛍光体層不存在領域における外周または内周に、前記マークが設けられていることが好ましい。
また、本発明に係る蛍光ランプは、前記マークは、ガラスバルブ外周の蛍光体層不存在領域に相当する位置に複数設けられており、複数の前記マークは、ガラスバルブの長手方向における位置が互いに略等しいと共に、ガラスバルブの周回方向に関わらず一の方向から前記マークが見えるように、当該周回方向に互いに間隔を空けた位置に設けられていることが好ましい。
さらに、本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブの一端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さと、前記ガラスバルブの他端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さとの差が、2[mm]以上であることが好ましい。
本発明に係る蛍光ランプは、前記電極は、有底筒状であり、少なくとも一方の前記電極の内面または外面の少なくとも一面の一部に一次粒子が単体結晶から形成され、当該単体結晶の平均粒径が1[μm]以下である酸化マグネシウムを含む蛍光ランプ用エミッタと、を備えることが好ましい。
本発明に係る蛍光ランプは、前記電極は、有底筒状であり、少なくとも一方の前記電極は、ニッケルを母材とし、酸化イットリウムが0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内で添加された電極材料からなることが好ましい。
本発明に係る蛍光ランプは、前記ガラスバルブの内部に、アルゴンガスとネオンガスとを含む混合ガスが封入され、x−y直交座標系において、混合ガスの封入圧[Torr]をx軸上にとり、駆動電流値[mA]をy軸上にとった場合、(x,y)座標で表される点(10,10)、点(10,7.6)、点(21,6)、点(31,4)、点(49,4)、点(51,6)、点(52,8)、点(53,10)、点(10,10)を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分上を含む)に存するいずれかの点のx座標値が前記混合ガスの封入圧に、y座標値が駆動電流値に設定されており、かつ、前記混合ガスに前記アルゴンガスが20[%]以上の分圧比で含まれていることが好ましい。
本発明に係るバックライトユニットは、筐体内に、前記蛍光ランプを備えることを特徴とする。
本発明に係る液晶表示装置は、前記バックライトユニットを備えることを特徴とする、
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る蛍光ランプによれば、例えば、直下方式のバックライトユニットの製造方法において、蛍光体層の存在領域と不存在領域との境界部と、マークとの間の長さの差異を利用してガラスバルブの長手方向の向きを識別し、バックライトユニットの筐体内への配置に用いることができる。
また、本発明に係るバックライトユニットおよび液晶表示装置によれば、輝度むらを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1に係る直下方式のバックライトユニット1の構成を示す概略斜視図である。
【図2】図2(a)は、冷陰極蛍光ランプ20の概略構成を示す管軸Xを含む断面図である。図2(b)は、ガラスバルブ26において、蛍光体層32が形成された領域を示す模式図である。図2(c)は、電極28の断面図である。
【図3】冷陰極蛍光ランプ20の製造工程を示す図である。
【図4】冷陰極蛍光ランプ20の製造工程を示す図である。
【図5】図5(a)は、ランプフィーダ60を模式的に示す図、図5(b)は、ランプの向き合わせ工程を示す図、図5(c)は、ランプの筐体10内への設置工程を示す図である。
【図6】実施の形態1の変形例1に係るガラスバルブ26aを示す図であり、図6(a)は、識別用のマークが印刷されたガラスバルブ26aを示す模式図である。図6(b)は、図6(a)のC−C線における断面図である。
【図7】実施の形態1の変形例2に係るガラスバルブ26bを示す図である。
【図8】実施の形態1の変形例3に係るガラスバルブ26を示す図である。
【図9】実施の形態1の変形例4に係る冷陰極蛍光ランプを示す平面図。
【図10】実施の形態2に係る蛍光ランプの斜視図
【図11】同じく蛍光ランプの要部拡大断面図
【図12】(a)同じく蛍光ランプにおいて部材にマーキングを施した場合の斜視図、(b)(a)のA−A’断面図
【図13】実施の形態2に係る蛍光ランプの正面断面図
【図14】実施の形態2〜3に係る変形例1を示した要部拡大断面図
【図15】実施の形態2〜3に係る変形例2を示した要部拡大断面図
【図16】実施の形態2〜3に係る変形例3を示した要部拡大断面図
【図17】外部電極型蛍光ランプ用ソケットの斜視図
【図18】(a)実施の形態3に係る変形例4を外部電極型蛍光ランプ用ソケットに取り付けた状態を示す正面図、(b)同じく側面図、(c)蛍光ランプを冷陰極蛍光ランプ用ソケットに取り付けた状態を示す正面図、(d)同じく側面図
【図19】冷陰極蛍光ランプ用ソケットの斜視図
【図20】従来技術に係る図であり、ガラス管とリード線の封着部の外側に耐熱封止材を有する冷陰極蛍光ランプの要部拡大断面図
【図21】実施の形態4におけるバックライトユニットの要部斜視図である。
【図22】実施の形態4における冷陰極蛍光ランプの要部分解図である。
【図23】実施の形態4の変形例1に係る図であり、(a)同じく蛍光ランプの変形例の要部拡大正面断面図、(b)(a)のA−A´断面図。
【図24】実施の形態14に係る蛍光ランプの管軸を含む正面断面図
【図25】実施の形態4の変形例3に係る図であり、(a)蛍光ランプの要部拡大正面断面図、(b)同じくB−B´断面図
【図26】実施の形態4の変形例4に係る図であり、(a)蛍光ランプのの要部拡大正面断面図、(b)同じくC−C´断面図
【図27】実施の形態4の変形例5に係る図であり、(a)蛍光ランプの要部拡大正面断面図、(b)同じくD−D´断面図
【図28】実施の形態4の変形例6に係る図であり、(a)蛍光ランプのの要部拡大正面断面図、(b)同じくE−E´断面図
【図29】実施の形態4の変形例7に係る図であり、(a)蛍光ランプの要部拡大断面図、(b)同じくF−F´断面図
【図30】実施の形態4の変形例8に係る図であり、(a)蛍光ランプの要部拡大正面断面図、(b)同じくG−G´断面図
【図31】実施の形態4の変形例9に係る図であり、(a)蛍光ランプの要部拡大正面断面図、(b)同じく要部拡大底面断面図、(c)同じくH−H´断面図
【図32】実施の形態4の変形例10に係る図であり、(a)蛍光ランプの要部拡大正面断面図、(b)同じく要部拡大底面断面図、(c)同じくI−I´断面図
【図33】実施の形態4の変形例11に係る図であり、(a)蛍光ランプの要部拡大正面断面図、(b)同じく要部拡大底面断面図、(c)同じくJ−J´断面図
【図34】実施の形態5における熱陰極蛍光ランプの要部分解図である。
【図35】実施の形態6における冷陰極蛍光ランプの要部分解図である。
【図36】実施の形態7における熱陰極蛍光ランプの要部分解図である。
【図37】実施の形態8におけるバックライトユニットの要部斜視図である。
【図38】実施の形態9におけるバックライトユニットの要部斜視図である。
【図39】ガラスバルブにおいて蛍光体層が形成された領域を示す模式図である。
【図40】冷陰極蛍光ランプの製造工程を示す概略工程図である。
【図41】冷陰極蛍光ランプの製造工程を示す概略工程図である。
【図42】実施の形態4〜9に係る変形例12におけるガラスバルブを示す概略模式図である。
【図43】実施の形態4〜9に係る変形例13におけるガラスバルブの概略構成を示す模式図である。
【図44】実施の形態10に係る図であって、アルゴンガスが10[%]の分圧比で混合されている混合ガスの封入圧とランプの駆動電流とを異ならせた際の発光効率の変化について調査した実験結果を示す図である。
【図45】図44の実験結果から、封入圧60[Torr]のときの発光効率を100とした場合のその他の各封入圧−駆動電流の値を百分比で表した図である。
【図46】図45を基に、封入圧60[Torr]の冷陰極蛍光ランプよりも、発光効率がそれぞれ3[%]、5[%]、7[%]、10[%]向上する範囲を示した図である。
【図47】図46における各点の座標値を記した図である。
【図48】混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比を異ならせた場合の輝度維持率について調査した実験結果を示す図である。
【図49】アルゴンガスが40[%]の分圧比で混合されている混合ガスの封入圧とランプの駆動電流とを異ならせた際の発光効率の変化について調査した実験結果から、封入圧60[Torr]のときの発光効率を100とした場合のその他の各封入圧−駆動電流の値を百分比で表した図である。
【図50】(a)は、冷陰極蛍光ランプ3220の概略構成を示す一部切欠図である。(b)は、ガラスバルブ3305において、蛍光体膜3308が形成された領域を示す模式図である。(c)は、電極3306の断面図である。
【図51】電極3306の製造方法を示す図である。
【図52】実施の形態12に係る蛍光ランプの一例を示す一部拡大断面図である。
【図53】図52の電極4012のエミッタ4012bの他の形成状態を示す断面図である。
【図54】図52の電極4012のエミッタ4012bのさらに他の形成状態を示す断面図である。
【図55】図52の電極4012の他の例を示す断面図である。
【図56】(a)実施の形態12に係る蛍光ランプの他の例を示す断面図である。(b)図56のI−I線の断面図である。
【図57】本発明に用いる単結晶酸化マグネシウム微粒子の一例を示す電子顕微鏡写真である。
【図58】実施例1、比較例1及び比較例2の各蛍光ランプのランプ電流とランプ電圧との関係を示す図である。
【図59】スパッタリング量を比較した測定結果を示す表である。
【図60】蛍光ランプを用いた表示装置の一例を示す一部切断斜視図である。
【図61】バックライトユニットにおける点灯装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施の形態1)
本発明に係る実施の形態1について、図面を参照しながら説明する。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
図1は、本実施の形態に係る直下方式のバックライトユニット1の構成を示す概略斜視図である。同図において内部の構造がわかるように光学シート類16の一部を切り欠いて示している。
【0011】
直下方式のバックライトユニット1は、複数の蛍光ランプ20と、光を取り出す液晶パネル側の面だけが開口しており、複数の蛍光ランプ20(以下、単に「ランプ20」という場合がある。)を収納する筐体10と、この筐体10の開口を覆う光学シート類16とを備えている。
ランプ20は直管状をしており、直管の長手方向の軸が筐体10の長手方向(横方向)に略一致した姿勢の14[本]のランプ20が、筐体10の短手方向(縦方向)に所定間隔を空けて交互に配置されている。
【0012】
「交互に」とは、隣り合うランプ20間で第1封止部と第2封止部とが反対方向になっているという意味である。図1においては、ランプ20の第1封止部と第2封止部とをそれぞれ四角囲みの数字で「1」、「2」と区別している。
なお、これらのランプ20は、図外の駆動回路により点灯される。
筐体10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面11に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。なお、筐体の材料としては、樹脂以外の材料、例えば、アルミニウム等の金属材料により構成しても良い。
【0013】
筐体10の開口部は、透光性の光学シート類16で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。光学シート類16は、拡散板13、拡散シート14およびレンズシート15を積層してなる。
拡散板13及び拡散シート14は、ランプ20から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、当該シート15の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ20から発せられた光が光学シート類16の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。なお、拡散板13の材料としては、PC(ポリカーボネイト)樹脂を用いることができる。
2.蛍光ランプの構成
つぎに、図2を参照しながら本実施の形態に係る蛍光ランプ20の構成について説明する。図2(a)は、蛍光ランプ20の概略構成を示す管軸Xを含む断面図である。図2(b)は、ガラスバルブ26において、蛍光体層32が形成された領域を示す模式図である。図2(c)は、電極28の断面図である。
【0014】
本実施の形態に係る蛍光ランプは、冷陰極蛍光ランプ(以下、単に「ランプ20」という。)であって、管軸Xに対して垂直に切った断面が略円形状で直管状をしたガラスバルブ(ガラス容器)26を有する。このガラスバルブ26は、例えば外径3.0[mm]、内径2.0[mm]であって、その材料はホウケイ酸ガラスである。以下に記すランプ20の寸法は、外径3.0[mm]、内径2.0[mm]のガラスバルブ26の寸法に対応する値ある。言うまでもなくこれらの値は一例であり実施態様が限定されるものではない。
【0015】
ガラスバルブ26の内部には、水銀がガラスバルブ26の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、60[Torr]で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンとネオン(Ar-5[%]、Ne-95[%])の混合ガスが用いられる。
また、ガラスバルブ26の内面には蛍光体層32が形成されている。蛍光体層32は、水銀から放射された紫外線を、それぞれ赤色・緑色・青色に変換する赤色蛍光体・緑色蛍光体・青色蛍光体を含んでいる。
【0016】
この赤色蛍光体の材料としてはY:Eu3+(YOX)、緑色蛍光体の材料としてはLaPO:Ce3+,Tb3+(LAP)、青色蛍光体の材料としてはBaMgAl1627:Eu2+(BAMーB,ユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム)を用いることができる。
蛍光体層32は、ガラスバルブ26長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ20点灯時の発光特性に影響することとなる。
【0017】
さらに、ガラスバルブ26の両端部からはリード線22(24)が外部へ向けて導出されている。リード線22(24)は、ビードガラス21(23)を介してガラスバルブ26の両端部に封着されたものである。
このリード線22(24)は、例えば、タングステンからなる内部リード線22A(24A)と、ニッケルからなる外部リード線22B(24B)とからなる継線である。内部リード線22A、24Aの線径は1[mm]、全長は3[mm]で、外部リード線22B、24Bの線径は0.8[mm]、全長は5[mm]である。
【0018】
内部リード線22A(24A)の先端部にはホロー型の電極28(30)が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
電極28,30は同じ形状をしており、図2(c)に示す各部の寸法は、電極長L1=5[mm]、外径pO=1.70[mm]、内径pi=1.50[mm]、肉厚t=0.10[mm]である。
【0019】
ランプ20の点灯時には、有底筒状をした電極28,30の筒内部及び電極28,30間で放電が生じることとなる。
図2(b)に示すように、ガラスバルブ26の第1封止部側の、境界部(蛍光体層32が存在する領域と不存在の領域との境界)34から電極28の根元までの距離b1と、境界部36から電極30の根元までの距離b2とで、b2はb1より長くなっている(b2>b1)。ここでいう、電極の根元とは、リード線22(24)に固着されている電極28(30)の付け根部分の意味である。
【0020】
なお、蛍光体層32以外の電極28,30、リード線22,24といった部材の位置は左右対称に設けられているので、結果として、境界部34(36)から外部リード線22B(24B)の外側先端までの距離c1,c2とを比べると、c2はc1より長くなっている(c2>c1)。
また、境界部34から第1封止部側端部までの距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1
と、境界部36から第2封止部側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
【0021】
なお、ガラスバルブの端部は、製造工程上のばらつきにより、その形状がばらつくことがあるが、本実施の形態における端部とは、その長手方向における外側先端のことをいう。

これらの寸法は、例えば次の通りである。
【0022】
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]、b1=5.0[mm]、b2=7.0[mm]、c1=14.0[mm]、c2=16.0[mm]
本発明に係る蛍光ランプ20は、上記したようにb2がb1より大きいため、b2またはb1の一方を対象として所定範囲内に収まっているかをセンサを用いて検出したり、b2及びb1の距離をセンサを用いて検出して両者の差を求めることにより、ランプ20(ガラスバルブ26)の長手方向の向きを識別することが可能となる。識別マークを付するための工程や設備が不要となり製造コストを抑えることも可能となる。
【0023】
また、蛍光体層32はガラスバルブ26の全周に形成されているため、ガラスバルブ26の周回方向(回転方向)に関わらず、一方向から検出することができ、センシングの設備構成を簡素化できる。
さらに、蛍光体層の不存在領域と存在領域との境界と、電極やリード線といったランプの構成部品との距離を検出に利用するため、ランプが一般的に備える構成部品を向き識別に有効に活用することができる。
【0024】
なお、c1,c2またはa1,a2もそれぞれ距離が異なっているため同様に検出及び識別に利用することが可能である。
3.冷陰極蛍光ランプの製造方法
次に、上記構成を有する蛍光ランプ20の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について冷陰極蛍光ランプの製造工程に沿って詳述する。
【0025】
図3,図4は蛍光ランプ20の製造工程を示す図である。
まず、準備した直管状のガラス管46を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管46内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管46内面に蛍光体懸濁液を塗布する(工程A)。この吸い上げは光学的センサ45により液面を検出することで、液面がガラス管の所定高さになるように設定される。このときの液面高さの誤差は、蛍光体懸濁液の粘度や液面の表面張力等の影響を受けるため比較的大きく、±0.5[mm]程度の誤差が生じる。
【0026】
次に、ガラス管46内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管46内面にブラシ47を挿入して、ガラス管46端部の不要な蛍光体分を除去する(工程B)。
続いて、ガラス管46を不図示の加熱炉内に移送して焼成を行い、蛍光体層32を得る。
その後、蛍光体層32が形成されたガラス管46に、電極30、ビードガラス23を含む電極ユニット37を挿入した後、仮止めを行う(工程C)。仮止めとは、ビードガラス23が位置するガラス管46の外周部分をバーナー48で加熱して、ビードガラス23の外周の一部をガラス管46内周面に固着することをいう。ビードガラス23の外周の一部しか固着しないので、ガラス管46の管軸方向の通気性は維持される。なお、この場合の加熱温度は、ガラス管46外周表面において約900[℃]である。
【0027】
次に、反対側からガラス管46に、電極28、ビードガラス21を含む電極ユニット38を挿入した後、ビードガラス21が位置するガラス管46の外周部分をバーナー50で加熱し、ガラス管46を封着して気密封止(第1封止)する(工程D)。この場合の加熱温度は、ガラス管46の外周表面において約1100[℃]である。また、第1封止における封止位置の設定値から誤差は高々0.5[mm]程度である。
【0028】
工程Cにおける電極ユニット37の挿入位置及び工程Dにおける電極ユニット38の挿入位置は、封止後のガラスバルブ26の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極ユニット38は、第2封止部側の電極ユニット37と比べて、蛍光体層32に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。
【0029】
続いて、ガラス管46の、電極30よりも端部寄りの一部をバーナー52で加熱して、くびれ部分46Aを形成した後、水銀ペレット54をガラス管46に投入する(工程E)。水銀ペレット54は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
続いて、ガラス管46内の排気とガラス管46内への希ガスの充填を行う(工程F)。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管46の水銀ペレット54側端部に装着し、先ず、ガラス管46内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管46全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管46の外周表面において約380[℃]である。これによって、蛍光体層32に潜入している不純ガスを含めガラス管46内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
【0030】
希ガスが充填されると、ガラス管46の水銀ペレット54側端部をバーナー56で加熱して封止する(工程G)。
続いて、図4に示すように、水銀ペレット54をガラス管46周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程H)。その後、ガラス管46を加熱炉57内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極28の方へ移動させる。
【0031】
次に、ビードガラス23が位置するガラス管46外周部分をバーナー58で加熱して、ガラス管46を封着して気密封止(第2封止)する(工程I)。この場合の加熱温度は、ガラス管46外周において約900[℃]である。第2封止における封止位置の設定値から誤差は、第1封止と同様に0.5[mm]程度である。
続いて、ガラス管46の、上記第2封止部分よりも水銀ペレット54側の端部部分を切り離す(工程J)。
【0032】
以上の工程を経ることにより、蛍光ランプ20が製造される。
4.バックライトユニットの製造方法
次に、バックライトユニットの製造工程において、特にランプの方向の検出に関わる工程について図5を用いて説明する。
図5(a)は、ランプフィーダ60を模式的に示す図である。図5(b)は、ランプの方向合わせ工程を示す図である。図5(c)は、ランプの筐体10内への設置工程を示す図である。
【0033】
ランプフィーダ60は、台座66にランプ20を1本ずつ供給する装置である。
台座66は、ランプ20が設置されるための溝66aを有し、また台座を図5(b)の示す矢印の方向に360[°]回転させる機構を備えている。
溝66a内には、ランプ20設置されており、このランプ20の両端部に対応する位置の上方には、センサ64a,64bが配置されている。このセンサはランプの一方側の端部にだけ配置しても構わない。
【0034】
センサ64a,64bは例えば光学式センサの一種である画像センサであり、上記a2、a1を検出することによりランプの方向を検出する。
センサ64a,64bにより検出されたランプの長手方向の向きに対応して、台座66を回転させることによりランプの向き合わせを行うこととなる。
向き合わせされたランプ20は、リード線22(24)を不図示の把持部材に把持されて、隣接するランプ20間で長手方向の向きが反対になるようにソケット67に嵌め込まれることとなる。
【0035】
図5(c)に示すように、筐体10の反射板11には、ランプ20の取り付け位置に対応する位置に、それぞれ一組のソケット67が配置されている。
ソケット67は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ソケット67は、挟持板67a,67bとそれら挟持板67a,67bを下端縁で連結する連結片67cと、連結片67cから突出した接続板67dとからなる。
【0036】
挟持板67a,67bには、ランプ20の外径に合わせた凹部が設けられている。
接続板67dは、連結片67cから筐体10の外側方向に延びた後、所定高さまで斜めに延び、再び筐体10の外側方向に延びている。接続板67dの自由端部には、リード線の外径に合わせた例えばV字状の凹部が形成されている。
挟持片67a,67bの凹部内にランプ20の端部をはめ込むことにより、挟持板67a,67bの板ばね作用によってランプ20がソケット67に保持される。同時に、ランプ20のリード線22,24を接続板67d自由端部の凹部にはめ込むことで、凹部の板ばね作用により、リード線22,24が接続板67dに物理的に接続されると共に、電気的にも接続される。
5.変形例
(変形例1)
より方向合わせの精度を向上させるために、ガラスバルブ26の蛍光体層32が形成された領域から外れた外周の位置に、長手方向の向きに関する識別用のマークを印刷する構成を取ることが考えられる。以下、実施の形態1に係る変形例1として説明する。
【0037】
識別用のマークが印刷されたガラスバルブ26aを図6(a)に、そのC−C線における端面図を図6(b)にそれぞれ示す。
ガラスバルブ26aの端部外周には、識別用の3個のマーク70a,70b,70cが形成されている。
マーク70a,70b,70cは、ガラスバルブ26aの長手方向における位置が互いに略等しい。
【0038】
なお、マーク70a,70b,70cは、第1封止部側に形成するよりも、より蛍光体層不存在領域の長い第2封止部側の端部外周に形成する方が好ましい。
マーク70a〜70cは例えばスクリーン印刷により形成されたものである。なお、スクリーン印刷に替えて、グラビア印刷やインクジェット印刷を用いてもよい。
このような、識別用のマーク70a〜70cが形成されたガラスバルブ26aを用いれば、例えば、境界部34からマーク70a〜70cまでの距離を検出することにより、長手方向の向き識別が可能である。
【0039】
また、マーク70a〜70cのそれぞれの中心部(要部)は、ガラスバルブ26aの横断面を見た場合において、バルブの中心点Oから略120[°]の等間隔を空けた位置となっている。このように、マーク70a〜70cは、ガラスバルブ26aの周回方向(回転方向)に関わらず、マークの測定対象部位が見える位置関係にあるため、確実に一方向からセンサを用いてマーク70a〜70cのいずれかを検出することが可能である。
【0040】
なお、マーク70a〜70cとして、文字を印刷しても構わない。その文字の印刷方向はガラスバルブ26aの長手方向であってもよいし、ガラスバルブの周回方向でもよい。また文字として、ロットナンバーを印刷しても構わない。
(変形例2)
また、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてもよい。以下、実施の形態1に係る蛍光ランプの変形例2として説明する。
【0041】
図7に示すように、ガラスバルブ26bの第2封止部側には、蛍光体層32とは別に、蛍光体層33が形成されている。蛍光体層33は、電極28,30間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体層である。
本変形例では、例えば、境界36と蛍光体層33との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
【0042】
(変形例3)
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態1に係る変形例3として説明する。
図8は、変形例3に係るガラスバルブ26の概略構成を示す模式図であり、図8(a)は、電極、ビードガラス、リード線の外観を示し、図8(b)では、ガラスバルブ26と蛍光体層32を管軸Xを含む断面で示し、リード線22a,電極28は外観を示している。また、図8(c)では、電極28も形状がわかるよう管軸Xを含む断面で示している。なお、図8においては、図2と同様の構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0043】
図8(a)の例では、方向識別に用いるための、ビードガラス21に着色が施されている(図中、斜線は着色を示している)。
この場合、境界34とビードガラス21の境界34から遠い側との距離d、境界34とビードガラス21の境界34に近い側との距離eを検出に用いることができる。ビードガラスへの着色は、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
【0044】
図8(b)の例では、円筒形をした電極28中央下部の周回方法にマーク71が付されている。この例では、境界34とリング状をしたマーク71との距離fを検出に用いることができる。マーク71は、ガラスバルブ26の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
図8(c)の例では、電極28aは、有底筒状の電極28とは形状が異なり、両端が開口した筒状である。このように、用いることができる電極の形状は有底筒状に限らず、筒状、棒状であっても構わない。
【0045】
電極28aは、開口部分の端部において、リード線22aの頭部をかしめて固定されている。
また、リード線22aの周回方向にマーク72が付されている。この例では、境界34とマーク72との距離gを検出に用いることができる。マーク72も、マーク71と同様にガラスバルブ26の回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
【0046】
(変形例4)
ランプの両端部に大径部を形成することで、ランプの長手方向の位置決めをすることが可能である。以下、実施の形態1に係る変形例4として説明する。
本変形例4に係る蛍光ランプ1001は、図9(a)に示すように、両方のリード線1004a,1004bの先端部に大径部1009a,1009bが形成されている。該大径部1009a,1009bは、リード線1004a,1004bの先端部を加熱溶融させて玉状に形成されている。なお、大径部1009a,1009bは、当該大径部1009a,1009bを形成することを考慮した長さにリード線1004a,1004bを予め切断した後、そのリード線1004a,1004bの先端部を溶かして形成するようにしてもよいし、リード線1004a,1004bを切断することなく先端部を溶かして形成するようにしてもよい。
【0047】
そして、各リード線1004a,1004bは、ソケット1006に保持された状態で、大径部1009a,1009bがソケット1006よりも外側に位置する長さに設定されている。
図9において、ソケット1006は模式的に示しているが、その上面に溝部1007を有するもので、溝部1007にリード線1004a,1004bを挟み込んで接続するものである。
【0048】
そして、本変形例に係る蛍光ランプ1001は、ソケット1006よりも外側に延出した大径部1009a,1009bがソケット1006のランプ1001と反対側の端面1008に係止されることで蛍光ランプ1001の長手方向の位置決めを行うようになっている。
両方のリード線1004a,1004bが蛍光ランプ1001の各端からの延出長さが同一に設定されるとともに、各リード線1004a,1004bの先端部に大径部1009a,1009bが形成されることで、各リード線1004a,1004bを保持するソケット1006のそれぞれの端面(外側に向く端面)1008が、各リード線1004a,1004bを位置決めする位置決め手段として機能するようになっている。
【0049】
従って、一方のリード線1004aのみならず他方のリード線1004bについても位置決めされるため、蛍光ランプ1001の取り付け誤差等による蛍光体層32のエッジ34,36の位置ズレの発生が確実に防止され、エッジの観察によってリード線1004a,1004b(蛍光ランプ1001)の取り付けの可否を的確に把握することができる。従って、複数の蛍光ランプ1001に対してその軸線と直交する方向に、蛍光体層32のエッジを検出するセンサSを移動させつつ各エッジ34を検出するだけで、蛍光ランプ1001の取り付けの良否を確実に把握することができ、不良が発生している場合には事前に改善することができる。
【0050】
また、図9(b)に示すように、大径部1009bの代替として、ガラスバルブ26のリード線1004b側において、ソケット1006の蛍光ランプ1001の反対側の端部をガラスバルブ26に接触させることによって、蛍光ランプ1001の取り付けの安定化を図る構成としても構わない。
また、図9(c)に示すように、ガラスバルブ26のリード線1004a側において、ソケット1006を大径部1009aとガラスバルブ26との間に挟みこむことで、蛍光ランプ1001を固定する構成としても構わない。この場合、リード線1004a側のみで蛍光ランプ1001の長手方向の位置決めをすることができる。
6.補足事項
(1)蛍光体層不存在領域の長さの差について
上記実施の形態1において説明したように、ランプ20の製造工程においては、ガラス管の蛍光体懸濁液の液面の検出誤差が最大±0.5[mm]、第1及び第2封止部の封止時における誤差それぞれ最大で0.5[mm]程度が見込まれる。
【0051】
また、センサとして200万[画素]の画像センサを用いれば、1[画素]を0.1[mm]に設定することが可能であるため、0.1[mm]単位での測定精度を実現できる。
これらの事情を考慮すれば、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも2[mm]以上あれば、確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。
【0052】
なお、ガラスバルブの一端部側と他端部側とで、蛍光体層不存在領域の長さの差が少なくとも3[mm]以上であれば、より確実にセンサを用いて長手方向の向きを識別することができる。この場合、画像センサは、0.5[mm]単位での測定精度のもので構わない。また、長さの差の上限値は例えば8[mm]程度である。8[mm]より大きくすると、発光に寄与しない蛍光体不存在領域が長くなり、有効発光長が確保しにくくなるからである。
(2)保護層について
実施の形態1においては、ガラスバルブの内面に、水銀消耗を防止等を目的とした保護層(保護膜)を有さない蛍光ランプについて説明したが、係る保護層を有する蛍光ランプにも本発明を適用することができる。
【0053】
具体的には、ガラスバルブの一端部から延びる保護層不存在領域と、他端部から延びる保護層不存在領域を異ならせ、両者の差異をセンサを用いて検出することで、ガラスバルブの長手方向の向きを識別可能である。すなわち、ガラスバルブの内面に形成された層状の物質であれば、蛍光体層に限らず保護層も利用することができる。
(3)ランプ種類
実施の形態1では、冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明したが、本発明は、熱陰極型蛍光ランプや、外部電極型蛍光ランプにも適用することが可能である。
【0054】
外部電極型蛍光ランプとは、ガラスバルブ内部に電極を有さず、ガラスバルブの両端部外周に電極を有するタイプの蛍光ランプである。係る外部電極型蛍光ランプに本発明を適用する場合には、蛍光体層の形成された領域と蛍光体層の形成されていない領域の境界をセンサにより検出できるようにするため、電極材料として透明電極を用いたり又は蛍光体層を電極と重ならない位置に形成するなどする必要がある。
(実施の形態2)
実施の形態2〜5の構成を説明する前に、その構成に到達した経緯について説明する。
【0055】
近年、液晶表示装置の需要の伸びに伴い、液晶表示装置の製造メーカーでは生産効率を上げるためにバックライトユニットへの冷陰極蛍光ランプ6901の自動挿入化を進めている。図20に示すような冷陰極蛍光ランプ6901の自動挿入化にあたっては、リード線6905とソケットとの接続作業の容易化が重要になる。そこで、図40に示すようなソケット6006が用いられている。ソケット6006は、ステンレスやりん青銅からなる板材を加工したものであって、リード線6905が嵌め込まれる嵌込部6006aを有している。そして、リード線6905を嵌込部6006aを押し拡げるように弾性変形させて嵌め込む。その結果、嵌込部6006aに嵌め込まれたリード線6905は、嵌込部6006aの復元力によって押圧され、外れにくくなる。これにより、リード線6905を嵌込部6006aへ容易に嵌め込むことができつつ、外れにくくすることができる。
【0056】
しかし、リード線6905を嵌込部6006aに嵌め込む際、リード線6905のうち、ガラスバルブ6902の管端から突出した部分に対して、リード線6905の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わり、リード線6905におけるガラスバルブ6902への封着部6902aの外側の付け根部分6905b(以下、「リード線の付け根部6905b」という)が支点となり、ガラスバルブ6902の封着部6902aに負荷がかかって、クラックが発生することがある。
【0057】
そこで、このようなクラックの発生を防止する手段として、図20に示すように封着部6902aの外側をセラミックス製または樹脂製の耐熱封止材6907で覆うことが提案されている(例えば日本国特開平10−112287号公報等参照)。
ところが、ガラスバルブ6902の封着部6902aの外側をセラミックス製または樹脂製の耐熱封止材6907で覆ったとしても、ガラスバルブ6902の封着部6902aにクラックが生じる場合がある。
【0058】
実施の形態2〜3では、上記の課題に鑑み、例えば、リード線をソケットへ嵌め込むときに、ガラスバルブの封止部にクラックが生じるのを十分に防止する蛍光ランプを提供する。
本発明の実施の形態2に係る蛍光ランプを図10に示す。図10におけるランプの管軸を含む要部拡大断面図を図11に示す。実施の形態2に係る蛍光ランプは、図10に示すように、バックライト用の直管状の冷陰極蛍光ランプ6008(以下、単に「ランプ6008」という)であって、ガラスバルブ26と、このガラスバルブ26内の両端部に設けられた電極(図示せず)と、一端部がこの電極に接続され、かつ他端部がガラスバルブ26の管端から外側に導出しているリード線6005とガラスバルブ26の管端の外側に緩衝材6009を介して取り付けられている部材6010とを備えている。なお、実施の形態1と同様にガラスバルブ26の一端部側と他端部側とで、蛍光体層32の不存在領域の長さが異なっている。
【0059】
ガラスバルブ26は、ホウケイ酸ガラスを加工したものであって管軸X方向に対して垂直に切った断面が円環形状であって、全長が730[mm]、外径が4[mm]、内径が3[mm]、肉厚が0.5[mm]である。
リード線6005は、例えば、タングステン(W)製の内部リード線6005aと、半田等に付着し易いニッケル(Ni)製の外部リード線6005cとの継線からなり、内部リード線6005aと外部リード線6005cとの接合面が、ガラスバルブ26の外表面とほぼ面一である。すなわち、内部リード線6005aは、その一端部がホロー状の電極30の底部に電気的かつ機械的に接続され、外部リード線6005cと継線されている他端部側の大半がガラスバルブ26に封着されている。外部リード線6005cは、実質的に全体がガラスバルブ26の外部に位置している。内部リード線6005aは、断面が略円形であって、全長が3[mm]、線径が1.0[mm]である。外部リード線6005cは、断面が略円形であって、全長Lが10[mm]、線径が0.8[mm]である。
【0060】
なお、リード線6005の構成は上記構成に限定されず、例えば、内部リード線6005aと外部リード線6005cが分けられておらず、一本線で構成されていてもよいし、または内部リード線6005aあるいは外部リード線6005cがさらに複数の線を継線したものでもよい。
ガラスバルブ26の管端の外側、すなわち端面には、ガラスバルブ26から突出して真っ直ぐ延びる外部リード線6005cが嵌挿された略円板状の部材6010が、エポキシ系樹脂等の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009を介して取付けられている。部材6010は、例えばニッケル(Ni)製であって、その外径が例えば4[mm]、肉厚mが5[mm]であり、かつその中心部に外部リード線6005cを嵌挿させるための直径0.8[mm]の貫通孔6010cが形成されている。ここで、部材6010の弾性率は、緩衝材6009の弾性率よりも低い。例えばNiの弾性率は約200[GPa]であり、例えばエポキシ系樹脂の耐熱性弾性接着剤からなる緩衝材6009の弾性率は約10[MPa]である。なお、ここでの弾性率とは、ヤング率のことを指す。
【0061】
部材6010のガラスバルブ26側の端面とガラスバルブ26の管端との間の距離lは、内部リード線6005aと外部リード線6005cとを例えばレーザー溶接で接合され、その接合部分に団子状態の接合痕が形成されている場合、0.5[mm]程度が好ましい。部材6010を緩衝材6009を介してガラスバルブ26の端部の外側に安定して接着させるためである。また、リード線6005のうち、部材6010から突出している部分の長さnは、5[mm]程度が好ましい。ソケット6006(図40参照)との接触の安定性を確保するためである。
【0062】
なお、緩衝材6009および部材6010は、上記の構成に限定されない。緩衝材6009として、例えばゴム(弾性率:約1.5[MPa]〜5.0[MPa])やポリエチレン(弾性率:約0.7[GPa])等を適用することができる。緩衝材6009は、弾性接着剤等の接着性の高いものの方が好ましいが、緩衝材6009と部材6010との接着性が小さい場合には、部材6010と外部リード線6005cを半田等によって接合することにより部材6010を外部リード線6005cに補助的に固定することが可能である。また、部材6010として、例えばアルミニウム(弾性率:約70[GPa])や銅(弾性率:約130[GPa])等を適用することができる。なお、緩衝材6009と部材6010との弾性率の差は一桁以上あることが好ましい。
【0063】
以上のとおり、実施の形態2に係る蛍光ランプの構成によれば、例えば、リード線6005をソケット6に嵌め込むときやランプ6008をバックライトユニットに組み込んだ後の移動による衝撃等によってリード線6005の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わっても、ガラスバルブ26の封着部26aにクラックが生じることを防止することができる。すなわち、リード線6005に加わる力の支点がリード線6005と部材6010との接触部分にあるために、その力が緩衝材6009を介してのみガラスバルブ26の封着部26aに伝わるため、封着部26aにかかる負荷を低減することができる。
【0064】
ところで、実施の形態1と同様、少なくとも一方の部材6010に適当なマークをするか、各々の部材6010の少なくとも一部の色を変えることによってランプ6008の第一封止側と第二封止側を判別することができる。
図12は、部材6010の周回方向の側面にマーキングを施した場合の例である。図12(a)はランプ6008の一端を示す斜視図であり、図12(b)はそのA−A’断面図である。
【0065】
また、各々の部材6010の管軸X方向の長さの差が2[mm]以上ある場合には、その長さの差を検出することによっても、ランプ6008の方向を識別することが可能である。
また、各々の部材6010の少なくとも一部で色違いにし、センサーによってその色の違いを認識する場合は、上記のようにセンサーによってマーク6011を認識する場合よりも認識の確実性を高めることができる。
【0066】
さらに、部材6010におけるガラスバルブ26の管端と反対側の端面や、周回方向の側面にロットナンバーや製造番号等をマーキングすることによってランプの製造元等の識別を行うことも可能となる。
(実施の形態3)
図13は、本発明の実施の形態3に係る蛍光ランプの管軸を含む断面図である。本実施の形態に係る蛍光ランプ6012は、冷陰極管蛍光ランプと外部電極型蛍光ランプとのそれぞれの長所を取って形成された外部内部電極型蛍光ランプ(以下、単に「ランプ6012」という)である。ランプ6012は、その一端に外部電極6013が形成され、他端に本発明の実施の形態2に係る蛍光ランプの電極30と同様の内部電極30が配置されている他は、実施の形態2に係る蛍光ランプと同じ構成を有している。また、実施の形態1と同様にガラスバルブ26の一端部側と他端部側とで、蛍光体層32の不存在領域の長さが異なっている。よって、ランプ20(図2参照)と同じ部材には同じ符号を付して説明を省略し、外部電極6013について詳細に説明する。
【0067】
外部電極6013は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ26の端部の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。また、半田を超音波ディッピングすることにより外部電極6013を形成してもよい。
【0068】
また、外部電極6013は、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ26に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ26の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ26の管端部に被せてもよい。
また、図13には図示していないが、ガラスバルブ26の内面であって、外部電極6013と対向する部分に例えば酸化イットリウム(Y23)の保護膜を設けてもよい。保護膜を設けることにより、ガラスバルブ26のその部分に水銀イオンが衝撃することによって起こるガラス削れやピンホールを防止することができる。
【0069】
なお、保護膜は、上記の構成に限定されない。例えば、シリカ(SiO2)やアルミナ
(Al23)等の金属酸化物を用いてもよい。特に、保護膜が酸化イットリウムやシリカで形成されている場合には、保護膜に水銀が付着し難く、水銀消費が少ない。
また、保護膜は、本発明において必須の構成要素ではなく、形成されていなくてもよく、また、ガラスバルブ26の内面の外部電極対向部分だけでなく、ガラスバルブ26の内面の全体に亘って形成されていてもよい。
【0070】
以上のとおり、実施の形態3に係る蛍光ランプの構成によれば、例えば、リード線6005をソケット6に嵌め込むときやランプ6012をバックライトユニットに組み込んだ後の移動による衝撃等によってリード線6005の線軸に対して略垂直な成分を含む力が加わっても、ガラスバルブ26の封着部26aにクラックが生じることを防止することができる。すなわち、リード線6005に加わる力の支点がリード線6005と部材6010との接触部分にあるために、その力が緩衝材6009を介してのみガラスバルブ26の封着部26aに伝わるため、封着部26aにかかる負荷を低減することができる。
(実施の形態2〜3の変形例)
以上、本発明を上記した実施の形態2〜3に示された具体例に基づいて説明したが、本発明の内容が各実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を用いることができる。
【0071】
1.変形例1
一実施例として、図14に示すように、部材6028においてガラスバルブ26側の面の形状が凹面状でもよい。この場合、部材6028のガラスバルブ26側の端面の面積が、略平面の場合よりも大きくなり、蛍光ランプ6029のリード線6005をソケット6006に嵌め込む際、部材6028に加わって部材6028からガラスバルブ26の管端に伝わる力をより分散することができ、ガラスバルブ26の封着部26aにクラックが発生するおそれをより低減することができる。また、ガラスバルブ26の管端は通常、丸みを帯びた形状であるため、部材6028のガラスバルブ26側の端面が平面である場合よりも、部材6028を安定して固定することができる。さらに、緩衝材6030として樹脂製接着剤を用いた場合には、樹脂製接着剤をより薄く形成することができ、部材6028とガラスバルブ26との接着性を高めることができる。
【0072】
2.変形例2
また、一実施例として、図15に示すように、部材6031においてガラスバルブ26側の面であって、リード線6005が嵌挿されている部分に、凹部6031aを形成してもよい。一般的に内部リード線6005aと外部リード線6005cは、例えばレーザー溶接によって接合されており、その接合部に団子状態の接合痕6032が形成されてしまう。そこで、図15に示すように、部材6031に凹部6031aを形成することで、接合痕6032をその凹部6031aに収容することができ、緩衝材6033として弾性接着剤を用いた場合に緩衝材6033をより薄く形成できるので、部材6031とガラスバルブ26との接着性を高めることができる。
【0073】
3.変形例3
また、一実施例として、図16に示すように、部材6035の形状を略円錐形状にし、その斜面6035aをガラスバルブ26と反対側なるように部材6035をガラスバルブ26に取り付けてもよい。これにより、部材6035の寸法を大きくすることなく、マーキングの領域を拡大することができ、斜面6035aにマーキングを施すことにより、マークの認識性を高めることができる。また、部材6035が例えば金属製の場合には、部材6035の形状が管軸X方向の厚みが同じ円盤状である場合に比べて、放熱作用が大きくなりすぎるのを抑制することができ、電極30の周辺の温度低下によって引き起こされる電極30の周辺での水銀凝集を防止し、蛍光ランプ6036を長寿命化させることができる。
【0074】
4.変形例4
また、一実施例として部材6039(図18参照)を導電性の素材で構成し、外部リード線6005cと部材6039とを半田等により電気的に接続させることで、図17に示すような外部電極型蛍光ランプ用ソケット6037に挿入させることもできる。また、導電性素材が金属である場合には、その大きさによっては、放熱作用により、電極30の過剰な温度上昇を抑制することもできる。図18は、蛍光ランプ6038のソケット6006、6037への取り付け状態を示す図である。冷陰極蛍光ランプ6038を外部電極用ソケット6037に挿入した場合の正面図を図18(a)に示し、同じく右側面図を図18(b)に示す。また、冷陰極蛍光ランプ6038を、冷陰極蛍光ランプ用ソケット6006(図40参照)に挿入した場合の正面図を図18(c)に示し、同じく右側面図を図18(d)に示す。図18(a)〜(d)に示すように、部材6039が導電性であることにより、冷陰極蛍光ランプ用および外部電極型蛍光ランプ用の異なるタイプのソケット6006、6037に対応する蛍光ランプ6038を提供することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4〜9は、ガラスバルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な封着方法を採用した蛍光ランプすることを可能とするものである。
【0075】
実施の形態4の構成を説明する前に、構成に到達した経緯について説明する。
従来、液晶表示装置等のバックライトに用いられる蛍光ランプは、液晶表示装置等に対する小型化の要求に応えるべく、小型化の一途を辿ってきた。
従来のバックライト用の小型の蛍光ランプでは、製造工程においてランプの構成部材であるガラスバルブの端部を封止する際に円柱状のビードガラスを用いて封止する、いわゆるビード封止が採用されており、そのビード封止された端部からバルブの外方に延出された導入線で放電ランプを照明装置の筐体に支持させて放電ランプと筐体とを電気的に接続し(日本国特開2005−183011号公報、日本国特開2005−294019号公報を参照)、この導入線を通じて放電ランプ内の電極に電力を供給して当該放電ランプを点灯させていた。
【0076】
また、いわゆるビード封止された端部を覆うように有底筒状の口金を配設し(日本国特許第3462306号公報,日本国実開昭64−48851号公報,日本国特開平07−262910号公報を参照)、当該口金で筐体に支持されかつ筐体側電気接点と電気的に接続できるものもある。
近年、液晶表示装置の中でも、パーソナルコンピュータ用の液晶モニタや液晶テレビ受像機等に対して大型化の要求があり、この要求に応じてバックライト用の蛍光ランプに対しても大型化、大口径化の要求がある。
【0077】
上記のように、大型化の要求に応えるにあたり大口径のガラスバルブの封止工程において、ビード封止を採用すると、ビードガラスにおいて径の大きなものを新たに用意する必要が生じるが、外径が大きく内径の小さなビードガラスは作製が困難であるうえ、ガラスバルブ径の変動に伴って寸法の異なるビードガラスを用意する必要が生じてコスト上昇に繋がることから、ガラスバルブの封止工程において、発明者は、ビード封止に替えて、いわゆる圧潰封止を採用することを検討している。
【0078】
当該圧潰封止は、上記ビードガラスが必要ないので、上記大口径バルブの封止には、都合が良い。
しかし、圧潰封止をバックライト用の蛍光ランプに採用する際、導入線を圧潰封止後、常圧下でガラスバルブ内を給排気するための給排気管をガラスバルブ端部に封着させる必要があり、そのため、ビード封止の場合に比べて、導入線を配置できる部位が狭くなるため、導入線を細くする必要があり、導入線で支持した場合、負荷により導入線の屈曲や断線が生じ放電ランプを支持できないおそれがある。
【0079】
そこで、蛍光ランプを支持するため、ガラスバルブ端部を口金で覆ってこの口金で蛍光ランプを支持しかつ筐体側電気接点と電気的に接続すると、上記圧潰封止では、ガラスバルブ端部を圧潰するので、当該端部の加工歪みが上記ビード封止に比べて大きく、そのような加工歪みの大きい端部を口金で覆った場合、ランプ点灯時あるいは消灯時において口金とガラスバルブ端部との間で生じる温度差に起因して発生した応力によって当該端部でクラック(亀裂)が伸展し、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じるおそれがある。
【0080】
実施の形態4では上記問題点に鑑み、ガラスバルブ端部への負荷を抑制して支持されることができかつ電気的接続可能な蛍光ランプとこれを備えた照明装置とを提供する。
以下、図面を用いて実施の形態4に係る冷陰極蛍光ランプおよびバックライトユニット(照明装置)について説明する。本実施の形態では、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明する。
1.直下方式のバックライトユニットの構成
本実施の形態における直下方式のバックライトユニット2005の構成は、図1で説明したバックライトユニット1の構成と基本的には同様であるため概略構成の説明は省略する。
【0081】
図21はバックライトユニット2005の要部斜視図である。筐体10内面11の底壁11aのうち、上記光学シート類16の周縁領域相当位置にソケット2084が設けられており、冷陰極蛍光ランプ2007の口金2072がそれぞれソケット2084と嵌合し電気的に接続されると共にこれに保持される。
2.冷陰極蛍光ランプの構成
つぎに、図22を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ2007(以下、単に「ランプ2007」という場合がある。)の構成について説明する。図22(a)は、冷陰極蛍光ランプ2007の概略構成を示す一部切欠図である。図22(b)は、電極2017,2019の断面図である。
【0082】
ランプ2007は、略円形横断面で直管状をしたガラスバルブ(ガラス容器)2015を有する。このガラスバルブ2015は、例えば外径6.0[mm]、内径5.0[mm]であって、その材料はソーダガラス、ホウケイ酸ガラス等である。本実施の形態では、ソーダガラスを用いている。以下に記すランプ2007の寸法は、外径6.0[mm]、内径5.0[mm]のガラスバルブ2015の寸法に対応する値である。言うまでもなくこれらの値は一例であり実施態様が限定されるものではない。
【0083】
ガラスバルブ2015の内部には、水銀がガラスバルブ2015の容積に対して所定の比率、例えば、0.6[mg/cc]で封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、20[Torr](20×133.32[Pa])で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンガスが用いられる。
また、ガラスバルブ2015の内面には蛍光体層2021が形成されている。蛍光体層2021は、水銀から放射された紫外線を、それぞれ赤色・緑色・青色に変換する赤色蛍光体・緑色蛍光体・青色蛍光体を含んでいる。
【0084】
蛍光体層2021は、例えば、青色蛍光体がユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al1627:Eu2+](略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリウ
ム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+](略号:LAP)
及び赤色蛍光体がユウロピウム付活酸化イットリウム[Y23:Eu3+](略号:YOX)からなる希土類蛍光体で形成されている。
【0085】
蛍光体層2021は、ガラスバルブ2015長手方向で均一ではなく、例えば、第1封止部側から第2封止部側に行くにつれて厚くなっており、この膜厚の不均一がランプ2007点灯時の発光特性に影響することとなる。
さらに、ガラスバルブ2015の端のそれぞれでは、圧潰されて封止部2032,2033が形成されている。ガラスバルブ2015の封止部2032,2033の各々からは
導入線2025,2027が2本、外部へ向けて導出されている。
【0086】
この導入線2025,2027は、例えば、ジュメット線からなる内部リード線2025A(2027A)と、ニッケルからなる外部リード線2025B(2027B)とからなる継線である。内部リード線2025A(2027A)の線径は0.3[mm]、全長は10[mm]で、外部リード線2025B(2027B)の線径は0.3[mm]、全長は10[mm]である。
【0087】
なおかつ例えば外径が2.4[mm]、内径が1.6[mm]の給排気管2031が1本、各封止部2032,2033に封着されている。
内部リード線2025A(2027A)の先端部には、ニッケル(Ni)製のホロー型電極2017(2019)が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
【0088】
電極2017,2019は同じ形状をしており、図22(b)に示す各部の寸法は、電極長L1=12.5[mm]、外径pO=4.70[mm]、内径pi=4.20[mm]、肉厚t=0.10[mm]である。
ランプ2007の点灯時には、有底筒状をした電極2017の筒内面と、同じく有底筒状をした電極2019の筒内面との間で放電が生じることとなる。
【0089】
電極2017,2019の形状はこれに限定されず、棒状、板状であってもよい。導入線2025,2027の本数はガラスバルブ2015の封止部2032,2033のそれぞれにおいて、1本であってもよいが、2本封着させておくと、ビード封止の場合に比べて細くなった導入線2025,2027で電極2017,2019を確実に支持することができ、なおかつ製造時において電極2017,2019の軸位置とガラスバルブ2015の軸位置とを合わせる際、位置決めが容易になって好ましい。
【0090】
給排気管2031の各々の内方端はガラスバルブ2015内空間に達し、かつ導入線2025,2027先端に取り付けられた電極2017,2019よりも当該封止部2032,2033側に位置する。
給排気管2031の各々の外方端は当該封止部2032,2033外側の所定の距離まで、例えば、封止部2032,2033それぞれの外端から8[mm]延出されており、チップオフされて封じられている。
【0091】
なお、既述の「封止部2032,2033」では、ガラスバルブ2015が完全に封止されているわけではなく、封止部2032,2033に封着された給排気管2031から常圧下でガラスバルブ2015の内方空間を給排気した後、給排気管2031の各々の外方端が封止されてガラスバルブ2015が完全に封止される。
そして、給排気管2031のうち当該封止部2032,2033外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2015外部に引き出された導入線2025,2027が巻回され、これら給排気管2031延出部およびこれらに巻回された導入線2025,2027を覆うように口金2072が固着され、導入線2025,2027のそれぞれが各口金2072および各給排気管2031延出部と密着している。
【0092】
各口金2072が導入線2025,2027と接触を保ちながら給排気管2031延出部のそれぞれに固着されているので、導入線のみで冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線2025,2027に対して断線するような負荷が加わることを抑制してランプ2007を支持しかつ導入線2025,2027と筐体10側のソケット2084(図21参照)とを電気的に接続することができる。
【0093】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2015端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
口金2072は、スリーブ状であり、固着前においてその内径が導入線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金2072の固着方法はこれに限らず、固着前においてその内径が導入線2025,2027巻回済みの給排気管2031の外径より大きいものを半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。また、口金2072の形状も上記のものに限らず、キャップ状であっても良い。
【0094】
スリーブ状の口金2072において一方の開口端から他方の開口端にかけてスリーブ軸方向と平行なスリットが形成されていれば、弾性力によって嵌めて固着することが容易となって好ましい。
本実施の形態では、導入線2025,2027を給排気管2031の延出部に巻回しその上から口金2072を固着させたが、これに限定されず、導入線2025,2027を巻回させることなく給排気管2031の延出部にガラスバルブ2015の封止部2032,2033から伸ばしたままその上から口金2072を固着させても良い。
【0095】
導入線2025,2027を給排気管2031延出部に巻回した場合、巻回させずに伸びたままの導入線2025,2027の上から口金2072を固着させた場合に比べて、導入線2025,2027のそれぞれと各口金2072との電気的接続を確実にすることができ、特にスリーブ状の口金2072にスリットが入ったものを用いたときに、導入線2025,2027を口金2072で挟み損ねることを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
【0096】
口金2072を半田や導電性接着剤で給排気管2031に固着すると、弾性力によって嵌めて固着する場合に比べて給排気管2031への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べて給排気管2031への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
本実施の形態では、口金2072は、ガラスバルブ2015の各封止部2032,2033から離間されて、導入線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着されている。
【0097】
具体的には、口金2072のうちガラスバルブ2015の封止部2032,2033側の一端がガラスバルブ2015の封止部2032,2033から0.5[mm]以上離されて、口金2072が固着されている。
給排気管2031のうちガラスバルブ2015の封止部2032,2033に被着された部分では、当該封止部2032,2033形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管2031とガラスバルブ2015とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、口金2072を当該封止部2032,2033に接触するように給排気管2031に巻回すると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、冷陰極蛍光ランプ2007を筐体10のソケット2084で支持できず、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障の生じる場合がある。
【0098】
本実施の形態では、各口金2072は、そのガラスバルブ2015側の端がガラスバルブ2015の封止部2032,2033から離間した状態で固着されているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、冷陰極蛍光ランプ2007を筐体10のソケット2084で支持することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できるので好ましい。
【0099】
本実施の形態では、口金2072をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて口金2072が、給排気管2031それぞれのガラスバルブ2015外側の先端を覆うことなく取着されるので好ましい。
給排気管2031それぞれのガラスバルブ2015外側の先端は、既述のようにガラスバルブ2015の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端に口金2072を被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時に口金2072と給排気管2031との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からバルブ内空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
【0100】
本実施の形態では、スリーブ状の口金2072を用い、これを給排気管2031のガラスバルブ2015外側の先端に被着させずに給排気管2031に固着させているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
(実施の形態4のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2072が導入線2025,2027を覆いながら給排気管2031延出部のそれぞれに固着されているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線2025,2027に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
【0101】
なおかつ、当該構成を採用することによって、圧潰されてなる封止部2032,2033を避けて口金2072を固着させることができるので、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2015端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2007を支持しかつこれと筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
【0102】
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ2007では、導入線2025,2027およびガラスバルブ2015端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
また、本実施の形態では、各口金2072を、ガラスバルブ2015の封止部2032,2033から離間させて、導入線2025,2027を覆いながら給排気管2031のそれぞれに固着させているので、給排気管2031に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2031への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2007の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0103】
そのうえ、本実施の形態では、スリーブ状の口金2072を用い、これを給排気管2031のガラスバルブ2015外側の先端を覆わずに給排気管2031に固着させているので、給排気管2031に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2031への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2007の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態4の変形例)
実施の形態4の変形例について説明する。
【0104】
(変形例1)
変形例1の冷陰極蛍光ランプ5100は、図23に示すように、電極2019の外側の底面におけるリード線5104との接合予定位置にあらかじめ穴を設けておき、その穴にリード線5104を挿入した後に電極2019とリード線5104とをレーザー溶接等により接合している。
【0105】
こうすることで、電極2019とリード線5104との接合の安定性を高めることができる。
(変形例2)
変形例2の蛍光ランプ2008(以下、単に「ランプ2008」という場合がある。)は、図24に示すように、その一端の外面に外部電極5201を有し、他端の内部に内部電極2019を有する内部外部電極蛍光ランプである。
【0106】
ランプ2008は、その一端の外面に外部電極2009を有し、それに伴う構成を除いては図22で説明した冷陰極蛍光ランプ2007と実質的に同じ構成を有している。よって、外部電極2009とそれに伴う構成については詳細に説明し、それ以外の点については省略する。
外部電極2009は、例えば、アルミニウムの金属箔からなり、シリコーン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤(図示せず)によってガラスバルブ2015の端部全体の外周面を覆うように貼着されている。なお、導電性粘着剤において、シリコーン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
【0107】
また、外部電極2009は、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ2015に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ2015の電極形成部分の全周に塗布することによって形成してもよいし、金属製のキャップをガラスバルブ2015の端部に被せてもよい。
また、図24には図示していないが、ガラスバルブ2015の内面であって、外部電極2009が形成された領域に例えば酸化イットリウム(Y)の保護膜を設けてもよい。保護膜を設けることにより、ガラスバルブ2015のその部分に水銀イオンが衝撃することによって起こるガラス削れやピンホールを防止することができる。
【0108】
なお、保護膜は、酸化イットリウムに代えて、例えばシリカ(SiO)やアルミナ(Al)等の金属酸化物を用いてもよい。特に、保護膜が酸化イットリウムやシリカで形成されている場合には、保護膜に水銀が付着し難く、水銀消費が少ない。
もっとも、保護膜は、本発明において必須の構成要素ではなく、全く形成されていなくてもよいし、その一方で、ガラスバルブ2015の内面の全体に亘って形成されていてもよい。
【0109】
なお、図24に示す例では、給排気管2031が内部電極2017側のみにあるが、外部電極2009側のみにあってもよいし、その両側に設けてもよい。
(変形例3)
変形例3に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大正面断面図を図25(a)に、そのB−B´断面図を図25(b)にそれぞれ示す。蛍光ランプ5107は、管軸方向に伸びる1本のリード線5106の端部が電極2019の外側の底面と平行な方向にL字状に折り曲げられており、その折り曲げた部分5106aのほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。この構成により、リード線5106と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5106と電極2019との接合の安定性を高めることができる。
【0110】
(変形例4)
変形例4に係る蛍光ランプの変形例2の管軸を含む要部拡大正面断面図を図26(a)に、そのC−C´断面図を図26(b)にそれぞれ示す。この場合、1本のリード線5108はコの字状に折り曲げられており、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5108aほぼ全体と電極2019の外側の底面とが接合されている。つまり、リード線5108は、中間部5108aにおいて電極2019とほぼ線状にまたは面状に接合されている。この構成により、リード線5108と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5108と電極2019との接合の安定性を高めることができる。また、リード線5108は、中間部5108aを除くその両部分がガラスバルブ2015に封着され、支えられている。そのために、ガラスバルブ2015に支持されている電極2019の軸ずれ、すなわちガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。
【0111】
(変形例5)
変形例5は変形例4とは、リード線の形状が異なる。具体的には、リード線のコの字状に曲げられたリード線の2つの折り曲げ部に挟まれた中間部が、電極の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状に折り曲げられている点が異なる。
変形例5に係る蛍光ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図27(a)に、そのD−D´断面図を図27(b)にそれぞれ示す。この場合、1本のリード線5110は、まずコの字状に折り曲げられており、さらに、その2つの折り曲げ部に挟まれた中間部5110aは、電極2019の外側の底面と平行を保ちつつジグザグ状になるように2回折り曲げられている。すなわち、中間部5110aは、略Z字状に折り曲げられている。この構成により、リード線5110と電極2019の外側の底面との接触面積をさらに大きくし、リード線5110と電極2019の底面との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、図27(a)および(b)に示すリード線5110は、その折り曲げ部に挟まれた部分5110aを電極の外側の底面と平行を保ちつつ2回折り曲げたものであるが、折り曲げ回数や折り曲げた後の形状はこれに限定されるものではない。例えば、中間部5110aが電極2019の外側の底面に対して平行な円形状の軌道を描くものであってもよいし、星型や渦巻き型等であってもよい。
【0112】
(変形例6)
変形例6に係る蛍光ランプは、変形例1に係る蛍光ランプとは、電極の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極は、その外側の底面から突出した凸部を有し、リード線は、その凸部の側面においてほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
【0113】
変形例6の蛍光ランプの管軸を含む要部拡大断面図を図28(a)に、そのE−E´断面図を図28(b)にそれぞれ示す。変形例6は、電極2019の外側の底面から突出した円柱状の凸部2019aを有し、それぞれ2本のリード線5104が凸部2019aの側面に接合されている。この場合、リード線5104と電極2019の外側の底面との接触面積を大きくし、リード線5104と電極2019との接合の安定性を高めることができる。なお、図28においては、リード線5104が凸部の側面だけでなく、電極の底面にも接合しているように見えるが、リード線5104のガラスバルブ2015内部に位置する一端面が電極の底面と接合されていてもよい。この場合、凸部の側面とのみ接合している場合に比べて、さらにリード線5104と電極2019との接合の安定性を高めることができる。また、凸部2019aの側面にリード線5104の線径と同程度の幅の溝を形成し、その溝にリード線5104を嵌め込んで接合することにより、リード線5104と電極2019との接合の位置ずれを防止することができる。
【0114】
(変形例7)
蛍光ランプの変形例7は、変形例6とは、リード線の形状および電極とリード線との接合状態が異なる。具体的には、電極の凸部の側面にリード線が巻き付けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例7の管軸を含む要部拡大正面断面図を56(a)に、そのF−F´断面図を図29(b)にそれぞれ示す。変形例5は、電極2019の外側の底面から突出した円柱状の凸部2019aを有し、リード線5113がその凸部2019aの側面に巻き付けられるようにして電極2019とリード線5113とがほぼ線状にまたは面状に接合されている。この場合、リード線5113と電極2019との接合の安定性をさらに高め、ガラスバルブ2015の管軸Xに対する電極2019の長手方向の中心軸の傾きを抑制することができる。なお、凸部2019aへのリード線5113の巻き付け回数、方向等については図29(a)および図29(b)に示すものに限定されない。
【0115】
(変形例8)
蛍光ランプの変形例8は、変形例4とは、電極の形状および電極とリード線の接合状態が異なる。具体的には、電極の外側の底面には、その先端面に溝部を有する凸部が形成されており、リード線がその溝部に挿入されて、ほぼ線状にまたは面状に接合されている点が異なる。
【0116】
蛍光ランプの変形例8の管軸を含む要部拡大正面断面図を図30(a)に、そのG−G´断面図を図30(b)にそれぞれ示す。変形例8は、電極2019の外側の底面から突出した直方体状であって、その先端面に溝部2019bが形成された凸部を有している。変形例4と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019bに挿入され、例えば溶接等により、電極2019とリード線5108とが接合されている。溝部2019bの溝の幅は、リード線の線径とほぼ同程度で、例えば0.4[mm]である。
【0117】
なお、溝部2019bにリード線5108の中間部5108aを挿入した後、凸部を外側からかしめることで、リード線5108と電極2019を簡易的に接合することができる。さらに、かしめた後に溶接することで、リード線5108と電極2019との接合強度をさらに高めることができる。

また、凸部2019aの形状は、直方体状以外にも、円柱状、円錐状、四面体状、六面体状等であってもよい。特に、直方体や立方体の場合、その側面に平行な溝部を設け、リード線5108を挿入した後にかしめを行う場合、かしめを行う治具がずれにくく安定しやすい。
【0118】
(変形例9)
蛍光ランプの変形例9は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の位置が異なる。具体的には、溝部が、凸部の先端面ではなく、側面に設けられている点が異なる。
蛍光ランプの変形例9の管軸を含む要部拡大正面断面図を図31(a)に、その要部拡大底面断面図を図31(b)に、そのH−H´断面図を図31(c)にそれぞれ示す。変形例9では、変形例8における凸部2019aの先端面に形成された溝部2019bに代えて、凸部2019aの側面に溝部2019cが形成されている。リード線5108は、変形例4と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019cに挿入され、例えば溶接等により、電極2019とリード線5108とが接合されている。
【0119】
この場合、ガラスバルブ2015の管軸方向における電極2019とリード線5108との接合強度を高めることができる。
(変形例10)
本発明の実施の形態13に係る蛍光ランプの変形例10は、変形例8とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
【0120】
蛍光ランプの変形例10の管軸を含む要部拡大正面断面図を図32(a)に、その要部拡大底面断面図を図32(b)に、そのI−I´断面図を図32(c)にそれぞれ示す。
変形例10は、変形例8と実質的に同一の凸部2019aを有している。さらに、変形例7と同様に凸部2019aの先端面に溝部2019dが形成されているが、溝部2019dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
【0121】
リード線5108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019dに挿入され、凹凸形状の溝部2019dの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
この場合、電極2019とリード線5108との接合強度をさらに高めることができる。
【0122】
(変形例11)
蛍光ランプの変形例11は、変形例9とは、電極の凸部の溝部の形状が異なる。具体的には、溝部の互いに対向する内側面形状が凹凸形状となっている点が異なる。
蛍光ランプの変形例11の管軸を含む要部拡大正面断面図を図33(a)に、その要部拡大底面断面図を図33(b)に、そのJ−J´断面図を図33(c)にそれぞれ示す。
【0123】
変形例11は、変形例10と実質的に同一の凸部2019aを有している。さらに、変形例7と同様に凸部2019aの側面に溝部2019dが形成されているが、溝部2019dの互いに対向する内側面形状は、凹凸形状となっている。
リード線5108は、変形例2と実質的に同一のものであり、その中間部5108aは、溝部2019dに挿入され、凹凸形状の溝部2019eの内側面にクリップ状に挟み込まれている。
【0124】
この場合、ガラスバルブ2015の管軸方向における電極2019とリード線5108との接合強度をさらに高めることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態は、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプではなく熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態4と異なるので、実施の形態4と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
【0125】
図34は、本実施の形態における熱陰極蛍光ランプ2071の要部分解図である。図34に示すように、熱陰極蛍光ランプ2071は、直管形状のガラスバルブ2151に放電媒体が封入され、ガラスバルブ2151端部近傍に電極2171,2191が配されてなる。
本実施の形態では、給排気管2311のうちガラスバルブ2151の封止部2321,2331外側に延出された部分のそれぞれに対してガラスバルブ2151外部に引き出された導入線2251,2271がほぼ直線状に接触しており、これら給排気管2311延出部および導入線2251,2271を覆うように口金が固着され、導入線2251,2271が口金2721および給排気管2311と密着している。
【0126】
図34の部分拡大図に示すように、口金2721のそれぞれは、導電部2721a,2721bと絶縁部2721cとからなりかつスリット2721dを有し、スリーブ状の口金2721において導電部2721a,2721b同士を絶縁部2721cおよびスリット2721dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、導入線2251は口金2721の導電部2721bおよび給排気管2311と密着し、他方において、導入線2271は口金2721の導電部2721aおよび給排気管2311と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、筐体8側のソケット2084(図21参照)から電力供給するとき、導入線2251,2271同士で短絡させることなく、電極2171(2191)を構成するフィラメント2231に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極2171,2191同士での放電を促すことができる。なお、口金2721を固着させた後においても口金2721のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金2721がスリット2721dを有している。口金2721が当該構成を採用することにより、当該導電部2721a,2721b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
【0127】
口金2721の固着方法は半田あるいは導電性接着剤を用いる。導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べて給排気管2331への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
口金を半田あるいは導電性接着剤で固着する場合、上記導電部2721a,2721b同士を互いに電気的に絶縁性を有する部材で接続してなる口金を用いてもよい。当該口金を用いると、スリットが無いので、スリット2721dの入った口金2721と比べて、口金の機械的強度を向上させることができる。
【0128】
(実施の形態5のまとめ)
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2071を採用しており、実施の形態4において蛍光ランプとして採用された冷陰極傾向ランプ7と異なるが、実施の形態4と同様に、口金2721のそれぞれが導入線2251,2271を覆いながら給排気管2311延出部のそれぞれに固着されているので、導入線2251,2271に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2151端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2071を支持しかつこれと筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
【0129】
したがって、本実施の形態にかかる熱陰極蛍光ランプ2071では、実施の形態4と同様に導入線2251,2271およびガラスバルブ2151端部への付加を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
また、本実施の形態では、実施の形態4と同様に、各口金2721を、ガラスバルブ2151の封止部2321,2331から離間させて、導入線2251,2271を覆いながら給排気管2311のそれぞれに固着させているので、熱陰極蛍光ランプ2071の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0130】
そのうえ、本実施の形態では、実施の形態4と同様に、スリーブ状の口金2721を用い、これを給排気管2311の外方端を覆わずに給排気管2311に固着させているので、熱陰極蛍光ランプ2071の電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。(実施の形態6)
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材である口金の配設位置等に大きな特徴があり、その他の構成について実施の形態4における構成と略同一であるので、特徴部分のみ説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
【0131】
図35は、本実施の形態における冷陰極蛍光ランプ2073(以下、単に「ランプ2073」という場合がある。)の部分分解図である。図35に示すように、冷陰極蛍光ランプ2073では、実施の形態4と比べて、給排気管2312のガラスバルブ2152外側の先端はガラスバルブ2152の封止部2322,2332からの距離が短く、実施の形態4と同様にチップオフされて封止されている。
【0132】
本実施の形態では、ガラスバルブ2152の外部に引き出された導入線2252,2272が折り曲げられており、ガラスバルブ2152の封止部2322,2332とその近傍を避けてガラスバルブ2152の胴部、具体的には、ガラスバルブ2152に内包された電極2172,2192を覆う位置で、導入線2252,2272と接触しながら口金2722が固着され、導入線2252,2272が、当該位置でガラスバルブ2152および口金2722と密着している。
【0133】
口金2722が導入線2252,2272と接触を保ちながらガラスバルブ2152の封止部2322,2332を避けて電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線2252,2272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつ導入線2252,2272と筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
【0134】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2152の端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつこれと筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態4と比べると、給排気管2312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ2073のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。
【0135】
口金2722のそれぞれが、電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているが、当該ガラスバルブ2152の部分では、電極2172,2192とガラスバルブ2152の内面との間隙が極めて小さいために、円筒状の電極2172,2192の外壁と対向するガラスバルブ2152の内面に蛍光体層2212が形成されていても発光しない。
【0136】
各電極2172,2192のガラスバルブ2152内方側の端よりも、上記口金2722および導入線2252,2272がガラスバルブ2152の内方側に配置されていると、ランプ73の発光を遮ることになるので、これら口金2722および導入線2252,2272は、各電極2172,2192のガラスバルブ2152内方端よりもガラスバルブ2152の外方側に配置されていることが好ましい。
【0137】
口金2722は、スリーブ状であり、固着前においてその内径が導入線2252,2272の線径およびガラスバルブ2152の外径の合計より小さいものを拡げ、弾性力によって嵌めて固着させてなる。口金2722の固着方法はこれに限らず、半田あるいは導電性接着剤で固着しても良い。
本実施の形態では、導入線2252,2272をその軸方向がガラスバルブ2152の軸方向と同じになるようにして電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持していたが、これに限定されず、導入線2252,2272を、電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に巻回させて、当該ガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持しても良い。
【0138】
導入線2252,2272のそれぞれを上記ガラスバルブ2152の部分と各口金2722とで挟持すると、伸びたままの導入線2252,2272を挟持する場合と比べて、口金2722との電気的接続を確実にすることができ、特に口金2722がスリットの入ったスリーブ状であることから、導入線2252,2272を口金2722で挟み損ねることを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
【0139】
口金2722を半田や導電性接着剤でガラスバルブ2152に固着すると、弾性力によって固着する場合に比べてガラスバルブ2152への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べてガラスバルブ2152への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
(実施の形態6のまとめ)
既述したように本実施の形態では、口金2722が導入線2252,2272と接触を保ちながらガラスバルブ2152の封止部2322,2332を避けて電極2172,2192を覆うガラスバルブ2152の部分に固着されているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線2252,2272に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつ導入線2252,2272と筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
【0140】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2152の端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2073を支持しかつこれと筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかる冷陰極蛍光ランプ2073では、導入線2252,2272およびガラスバルブ2152の端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
【0141】
そして、当該構成を採用することによって、実施の形態4と比べると、給排気管2312の長手方向の長さを小さくすることができ、冷陰極蛍光ランプ2073のうち発光しない部分の割合を小さくすることができ、好ましい。

(実施の形態7)
本実施の形態は、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプを採用した点が実施の形態6と異なるので、実施の形態6と比較して相違点のみについて説明し、その他の構成についてはここでの説明を省略する。
【0142】
図36は、本実施の形態における熱陰極蛍光ランプ2074の要部分解図である。図36に示すように熱陰極蛍光ランプ2074は、直管形状のガラスバルブ2153に放電媒体が封入され、ガラスバルブ2153端部近傍に電極2173,2193が配されてなる。
本実施の形態では、ガラスバルブ2153の外部に引き出された導入線2253,2273が折り曲げられ、ガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けてガラスバルブ2153の胴部、具体的には、ガラスバルブ2153に内包された電極2172,2192を覆う位置で、導入線2253,2273と接触しながら口金2723が固着され、導入線2253,2273が口金723およびガラスバルブ2153と密着している。
【0143】
電極2173,2193は、それぞれガラスバルブ2153の内包空間にて導入線2253,2273を支持するガラス製のステム2292と導入線2253,2273内方端同士を結ぶフィラメント2233を含んでいるが、口金2723は、ガラスバルブ2153胴部のうち、電極2173,2193を構成するステム2292を覆う位置で固着されているのが好ましい。
【0144】
なぜなら、フィラメント2233とガラスバルブ2153の内面との間が実施の形態6に比べて広いので、電極2173,2193と対向するガラスバルブ2153内面に蛍光体層2213が形成されていると、発光に寄与するからである。
発光に寄与する電子は、電極2173,2193のフィラメント2233同士の間で発生するが、フィラメント2233とガラスバルブ2153の内面との間隙が実施の形態6よりも広いので、当該間隙に発光寄与電子の進入する可能性が高い。したがって、口金2723および導入線2253,2273のガラスバルブ2153外側端は、ガラスバルブ2153に対して確実に固定できる限度において、できるだけガラスバルブ2153の端(封止部2323,2333)側に配置されていることが好ましい。
【0145】
本実施の形態では、口金2723の好ましい配設位置を上記のように設定しているが、設計上、ガラスバルブ2153のうち蛍光体層2213が形成されていない領域が口金2723を確実に固定できる限度に存在すれば、その領域にて口金2723を固定することが最も好ましい。
図36の部分拡大図に示すように、口金2723のそれぞれは、導電部2723a,2723bと絶縁部2723cとからなりかつスリット2723dを有し、スリーブ状の口金2723において導電部2723a,2723b同士を絶縁部2723cおよびスリット2723dが電気的に絶縁する構成となっている。例えば、一方において、導入線2253は口金2723の導電部2723bおよびガラスバルブ2153と密着し、他方において、導入線273は口金2723の導電部2723aおよびガラスバルブ2153と密着している。当該構成を採用することにより、ランプ始動時において、筐体10側のソケット2084から電力を供給するとき、導入線2253,273同士で短絡させることなく、電極2172(2192)を構成するフィラメント2233に通電させ、これを発熱させることができ、以降、電極2172,2192同士での放電を促すことができる。なお、口金2723を固着させた後においても口金2723のスリーブ形状は維持され、すなわち、固着状態において口金2723がスリット2723dを有している。口金2723が当該構成を採用することにより、導電部2723a,2723b同士は固着後においても電気的絶縁を維持できる。
【0146】
口金2723の固着方法は半田あるいは導電性接着剤を用いる。導電性接着剤で固着すると、半田で固着する場合に比べてガラスバルブ2153への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
(実施の形態7のまとめ)
本実施の形態では、蛍光ランプとして熱陰極蛍光ランプ2074を採用しており、実施の形態6において蛍光ランプとして採用された冷陰極蛍光ランプ2073と異なるが、実施の形態6と同様に、口金2723のそれぞれが導入線2253,2273と接触しながらガラスバルブ2153の封止部2323,2333とその近傍を避けて、ガラスバルブ2153の胴部に、具体的にはガラスバルブ2153に内包された電極2173,2193を覆う位置で、固着されているので、導入線2253,2273に負荷が加わることを抑制し、かつ従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2153端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2074を支持しかつこれと筐体10側のソケット2084とを電気的に接続することができる。
【0147】
したがって、本実施の形態にかかる熱陰極蛍光ランプ2074では、実施の形態6と同様に導入線2253,2273およびガラスバルブ2153端部への負荷を抑制して支持されることができ、電気的接続を行うことができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、冷陰極蛍光ランプの構成部材から口金を廃し、ガラスバルブに内包された電極に電力を供給するためガラスバルブ外方に引き出された導入線を直接、バックライトユニット側の電気接点であるソケットに接触させた点に特徴があり、その他の構成については実施の形態4の構成と略同一であるので、特徴部分のみ言及し、その他の部分についてはここでの説明を省略する。
【0148】
図37は、本実施の形態におけるバックライトユニット2105の要部斜視図であり、内部の様子が分かるように光学シート類を省略している。図37に示すように、バックライトユニット2105の部材である筐体2109の底壁2111aのうち、光学シート類の周縁領域相当位置にソケット2184が設けられている。
そして、冷陰極蛍光ランプ2107の部材であるガラスバルブ2115端部の封止部2324,2334から延出された導入線2254,2274が、同様に延出された給排気管2314に巻回され、給排気管2314のうち導入線2254,2274巻回済みの延出部分がソケット2184に嵌合して冷陰極蛍光ランプ2107が筐体2109に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
【0149】
ソケット2184の各々は、それ1つが同極性に設定されており、ガラスバルブ2115それぞれの各端部から延出された2本の導入線2254,2274を同極性に設定することができる。
バックライトユニット2105では、ソケット2184の各々が、導入線2254,2274と接触を保ちながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線2254,2274に対して断線するような負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107をソケット2184に支持させかつソケット2184を導入線2254,2274と電気的に接続することができる。
【0150】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2115端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107をソケット2184に支持させかつソケット2184と電気的に接続することができる。
本実施の形態では、導入線2254,2274巻回済みの給排気管2314の延出部と筐体2109のソケット2184とを嵌合させたが、これに限定されず、導入線2254,2274をガラスバルブ2115の封止部2324,2334から伸ばしたままソケット2184と嵌合させても良い。その場合、ソケット2184の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管2314に巻回してこれに導入線2254,2274を仮止めさせてからソケット2184に差し込むと、導入線2254,2274を確実にソケット2184に差し込むことができて好ましい。
【0151】
導入線2254,2274を給排気管2314延出部に巻回した場合、巻回させずに伸びたままの導入線2254,2274と給排気管2314とを同時にソケット2184に嵌合させる場合に比べて、ソケット2184との電気的接続を確実にすることができ、特にソケット2184がスリーブ状であるので、導入線2254,2274の取りこぼしを防ぐことができて、歩留まり向上の観点から好ましい。
【0152】
本実施の形態では、ソケット2184に押圧力を付与して、この押圧力でソケット2184と導入線2254,2274巻回済みの給排気管2314延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管2314への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管2314への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
【0153】
本実施の形態において、ソケット2184は、ガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間されて、その内面が導入線2254,2274と接触しながら給排気管2314のそれぞれと嵌合している。
具体的には、ソケット2184のうちガラスバルブ2115の封止部2324,2334側の一端がガラスバルブ2115の封止部2324,2334から0.5[mm]以上離されて、ソケット2184が給排気管2314と嵌合している。
【0154】
給排気管2314のうちガラスバルブ2115の封止部2324,2334に被覆された部分では、当該封止部2324,2334形成時に加工歪みが生じており、そしてもともと給排気管2314とガラスバルブ2115とは別部材であることからこれらの接合箇所では多数の微小空隙が存在していると考えられる。したがって、ソケット2184を当該封止部2324,2334に接触するように給排気管2314と嵌合させると、ランプ点灯時あるいは消灯時にソケット2184と給排気管2314との間で生じる温度差に起因して当該接合箇所に応力が発生し、発生した応力によって当該接合箇所にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内の空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
【0155】
本実施の形態では、ソケット2184がガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間しているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
本実施の形態では、ソケット2184をスリーブ状にしているので、キャップ状のものに比べて、ソケット2184が給排気管2314それぞれのガラスバルブ2115の外側の先端を覆うことなく取着されて好ましい。
【0156】
給排気管2314それぞれの外方端は、既述のようにガラスバルブ2115の内方空間に給排気した後、チップオフされて封止されているので、当該先端でも加工歪みが発生し、加工歪の発生している先端にキャップ状のソケットを被着させると、ランプ点灯時あるいは消灯時にソケット2184と給排気管2314との間で生じる温度差に起因して当該先端に応力が発生し、発生した応力によって当該先端にクラック(亀裂)が伸展しやすく、当該クラック伸展箇所からガラスバルブ内の空間に封入されていた放電ガスが漏れてランプの点灯に支障が生じる場合がある。
【0157】
本実施の形態では、スリーブ状のソケット2184を用い、これを給排気管2314のガラスバルブ2115外側の先端を覆わずに給排気管2314と嵌合させているので、上記応力の発生を抑制することができ、上記接合箇所でのクラック(亀裂)伸展を抑制することができ、既述のような放電ガス漏れを抑制できて好ましい。
(実施の形態8のまとめ)
既述したように本実施の形態では、ソケット2184が導入線2254,2274と接触しながら給排気管2314延出部のそれぞれと嵌合しているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線2254,2274に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107を支持しかつこれと筐体2109のソケット2184とを電気的に接続することができる。
【0158】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2115端部に負荷が加わることを抑制して冷陰極蛍光ランプ2107を支持しかつこれと筐体2109のソケット2184とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2105では、導入線2254,2274およびガラスバルブ2115端部への負荷を抑制して冷陰極蛍光ランプ2107への電気的接続および支持を行うことができる。
【0159】
また、本実施の形態では、筐体2109のソケット2184を、ガラスバルブ2115の封止部2324,2334から離間させて、導入線2254,2274と接触させながら給排気管2314のそれぞれと嵌合させているので、給排気管2314に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2314への負荷を抑制することができて、冷陰極ランプ2107への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0160】
そのうえ、本実施の形態では、スリーブ状のソケット2184を用い、これを給排気管2314のガラスバルブ2115外側の先端を覆わずに給排気管2314と嵌合させているので、給排気管2314に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2314への負荷を抑制することができて、冷陰極蛍光ランプ2107への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、蛍光ランプに熱陰極蛍光ランプを採用した点で実施の形態8と異なるのみであるので、実施の形態8と共通する部分についてはここでの説明を省略する。
【0161】
図38は、本実施の形態におけるバックライトユニット2205の要部斜視図であり、内部の様子が分かるように光学シート類を省略している。
本実施の形態では、熱陰極蛍光ランプ2207が用いられており、その部材であるガラスバルブ2154端部の封止部2325,2335から延出された導入線2255,2275が、同様に延出された給排気管2315に沿っており、導入線2255,2275と並行する給排気管2315の延出部分がソケット2284に嵌合して熱陰極蛍光ランプ2207が筐体2209に対して電気的に接続されるとともにこれに保持される。
【0162】
その場合、ソケット2284の長手方向の長さよりも幅の小さい絶縁性の両面テープを給排気管2315に巻回してこれに導入線2255,2275を仮止めさせてからソケット2284に差し込むと、導入線2255,2275の取りこぼしを防いで導入線2255,2275を確実にソケット2284に差し込むことができ、歩留まり向上の観点から好ましい。
【0163】
本実施の形態では、ソケット2284の各々が2ピース構造になっており、ガラスバルブ2154それぞれの各端部から延出された2本の導入線2255,2275とガラスバルブ2154に内包された電極のフィラメント(不図示)とで電流経路を形成することができる。ソケット2284の構成はこれに限定されず、物理的に一体であっても既述の電流経路を形成できるように電気的に絶縁された構造であっても良い。
【0164】
そして、本実施の形態において、ソケット2284の各ピースのうち導入線2255,2275および給排気管2315を支持する部分では、給排気管2315軸に垂直な断面が屈曲形状を有する。すなわち、ソケット2284の各ピースの当該支持部分では、導入線2255,2275および給排気管2315に臨む内壁が谷折りの状態となっており、給排気管2315の表面に沿う導入線2255,2275がこの谷折りの内壁に嵌っている。本実施の形態では、当該構成を有することにより、ソケット2284を構成する各ピースの当該支持部分における給排気管2315軸に垂直な断面が円弧状のものに比べ、導入線2255,2275がソケット2284を構成する各ピースの間に嵌ってピース同士で短絡が生じることを抑制することができる。
【0165】
ソケット2284の各々が、導入線2255,2275と接触を保ちながら給排気管2315延出部のそれぞれと嵌合しているので、導入線で冷陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線2255,2275に対して断線するような負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207をソケット2284に支持させかつソケット2284を導入線2255,2275と電気的に接続することができる。
【0166】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2154端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207をソケット2284に支持させかつソケット2284と電気的に接続することができる。
本実施の形態では、ソケット2284に押圧力を付与して、この押圧力でソケット2284と導入線2255,2275および給排気管2315延出部とを締結していたが、半田や導電性接着剤で当該締結を実施すると、当該押圧力で締結する場合に比べて給排気管2315への負荷を減らすことができて好ましく、導電性接着剤で締結すると、半田で締結する場合に比べて給排気管2315への熱的負荷を減らすことができてより好ましい。
【0167】
(実施の形態9のまとめ)
既述したように本実施の形態では、ソケット2284が導入線2255,2275と接触しながら給排気管2315延出部のそれぞれと嵌合しているので、導入線で熱陰極蛍光ランプを支持しかつこれと筺体側の電気接点とを電気的に接続する場合に比べると、導入線2255,2275に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207を支持しかつこれと筐体2209のソケット2284とを電気的に接続することができる。
【0168】
なおかつ、当該構成を採用することによって、従来のビード封止の場合に比べて加工歪みの大きいガラスバルブ2154の端部に負荷が加わることを抑制して熱陰極蛍光ランプ2207を支持しかつこれと筐体2209のソケット2284とを電気的に接続することができる。
したがって、本実施の形態にかかるバックライトユニット2205では、導入線2255,2275およびガラスバルブ2154端部への負荷を抑制して熱陰極蛍光ランプ2207への電気的接続および支持を行うことができる。
【0169】
また、本実施の形態でも実施の形態5と同様に、筐体2209のソケット2284を、ガラスバルブ2154の封止部2325,2335から離間させて、導入線2255,2275と接触ながら給排気管2315のそれぞれと嵌合させているので、給排気管2315に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2315への負荷を抑制することができて、熱陰極ランプ2207への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
【0170】
そのうえ、本実施の形態でも実施の形態5と同様に、スリーブ状のソケット2284を用い、これを給排気管2315のガラスバルブ2154外側の先端を覆わずに給排気管2315と嵌合させているので、給排気管2315に生じる応力の発生を抑制することができ、給排気管2315への負荷を抑制することができて、熱陰極蛍光ランプ2207への電気的接続および支持をさらに確実にすることができる。
(実施の形態4〜9の補足事項)
<ランプの交互配置について>
図39は、ガラスバルブにおいて蛍光体層が形成された領域を示す模式図である。
【0171】
図39では、蛍光体層の形成領域について説明するため、上記各実施の形態で示した他の構成部材、例えば、口金2072(2721,2722)、給排気管2031(2311,2312,2313,2314,2315)、導入線2025,2027などを省略している。
図39に示すように、実施の形態1と同様に、ガラスバルブ2015(2115,2151,2152,2153,2154)の第1封止部側の、境界部(蛍光体層2021(
2211,2212,2213)が存在する領域と不存在の領域との境界)2034から第1封止部2032(2321,2322,2323,2324,2325)側端部まで
の距離(蛍光体層不存在領域の長さ)a1と、境界部2036から第2封止部2033(2331,2332,2333)側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
【0172】
その寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]。
実施の形態1において説明したように、a1とa2との距離を異ならせることで蛍光ランプの方向識別に活用できる。
<冷陰極蛍光ランプの製造方法>
次に、上記構成を有する蛍光ランプ2007(2071,2073,2074,2107,2207)の製造方法の内、特に蛍光体層の形成や両封止部の形成に関わる工程について詳述する。以下の記述においては、冷陰極蛍光ランプを一例に用いて説明するが、同様に熱陰極蛍光ランプにおいても当該製造方法を適用できることは言うまでもない。
【0173】
図40,図41は冷陰極蛍光ランプ2020の製造工程を示す図である。図40,図41で示す製造工程は、図3,図4で示したものと大部分共通している。この共通部分の説明は簡単にし、給排気管2316の挿入、圧潰封止などについては異なる部分について詳しく説明する。
まず、準備した直管状のガラス管2046を垂下させてタンク内の蛍光体懸濁液に浸す。ガラス管2046内を負圧にすることで、タンク内の蛍光体懸濁液を吸い上げ、ガラス管2046内面に蛍光体懸濁液を塗布する(工程A)。
【0174】
次に、ガラス管2046内に塗布された蛍光体懸濁液を乾燥させた後に、ガラス管2046内面にブラシ2047を挿入して、蛍光体層2214のうちガラス管2046端側の不要な部分を除去する(工程B)。
その後、蛍光体層2214が形成されたガラス管2046に電極2174、給排気管2316を挿入した後、給排気管2316の管軸方向の通気性は維持した状態で、当該ガラス管2046の一端(第2封止部側)をバーナー2048で熱して圧潰封止する(工程C)。
【0175】
また、封止位置の設定値からの誤差は0.5[mm]程度である。
次に、反対側の開口端からガラス管2046に、電極2194、給排気管2316を挿入した後、他端を圧潰封止し、その後、管軸方向に通気性が維持された給排気管2316(第1封止部側)の端部を気密にチップオフする(工程D)。
また、封止位置の設定値からの誤差は反対側と同様に0.5[mm]程度である。
【0176】
工程Cにおける電極2174の挿入位置及び工程Dにおける電極2194の挿入位置は、封止後のガラス管2046の両端部からそれぞれ延びる蛍光体層2214不存在領域の長さが、異なるような位置に調整される。第1封止部側の電極2194は、第2封止部側の電極2174と比べて、蛍光体層2214に重なる位置のより奥にまで挿入されることとなる。 続いて、通気性が維持された状態の給排気管2316(第2封止部側)のうち、端部寄りの一部をバーナー2052で加熱してくびれ部分を形成した後、水銀ペレット2054を給排気管2316に投入する(工程E)。水銀ペレット2054は、チタン−タンタル−鉄の焼結体に水銀を含浸させたものである。
【0177】
続いて、ガラス管2046内の排気とガラス管2046内への希ガスの充填を行う(工程F)。具体的には、図示しない給排気装置のヘッドをガラス管2046の水銀ペレット2054側端部に装着し、先ず、ガラス管2046内を排気して真空にすると共に、図示しない加熱装置によってガラス管2046全体を外周から加熱する。この場合の加熱温度は、ガラス管2046の外周表面において約380[℃]である。これによって、蛍光体層2214に潜入している不純ガスを含めガラス管2046内の不純ガスが排出される。加熱を止めた後、所定量の希ガスが充填される。
【0178】
希ガスが充填されると、第2封止部側の給排気管316の水銀ペレット2054側端部をバーナー2056で加熱して封止する(工程G)。
続いて、図41に示す工程Hでは、水銀ペレット2054をガラス管2046の周囲に配された高周波発振コイル(不図示)によって誘導加熱して水銀を前記焼結体から追い出す(水銀出し工程)。その後、ガラス管2046を加熱炉2057内で加熱して、追い出した水銀を第1封止部側の電極2194の方へ移動させる。
【0179】
次に、工程Eにて形成されたくびれ部分よりも電極2174,2194側でかつ必要な長さを残すように給排気管2316をバーナー2058で加熱しチップオフして気密封止する(工程I,J)。封止位置の設定値から誤差は、同様に0.5[mm]程度である。
以上の工程を経ることにより、冷陰極蛍光ランプが完成される。
<識別用マークについて>
(変形例12)
実施の形態4〜9のガラスバルブにおいては、ガラスバルブ内周(内面)の蛍光体層を一部残し、残部分を長手方向の向き識別用マークとして用いてよい。以下、実施の形態4〜9に係る変形例12として説明する。
【0180】
図42に示すように、ガラスバルブ2015bの第2封止部2033b側には、蛍光体層2021bとは別に、蛍光体層2022が形成されている。蛍光体層2022は、電極2017,2019間の放電領域から外れた領域に位置しているため、発光には実質的に寄与しない蛍光体層である。
本変形例では、例えば、境界2036bと蛍光体層2022との距離a3を検出に用いることができる。また、識別用マークが蛍光体層であるため、紫外線の照射による発光を検出に利用でき、簡易な構成のセンサを用いることができる。
【0181】
(変形例13)
ガラスバルブに識別用マークを別途付さずとも、元々ランプが備えている構成部材に工夫を施すことで、長手方向の向きの識別を実現できる。以下、実施の形態4〜9に係る変形例13として説明する。
図43は、変形例13に係るガラスバルブの概略構成を示す模式図であり、図43(a)(b)では、ガラスバルブ2015c,2015dと蛍光体層2021c,2021dを断面で示し、導入線2025c,2027c,2251d,2271d,電極2017c,2017dは外観を示している。また、図43(c)では、電極2017eも形状がわかるよう断面で示している。なお、図43においては、図43,図34と同様の構成部材についてはその説明を省略する。
【0182】
図43(a)の例では、方向識別に用いるためのマーク2075が円筒型電極2017cの中央下部の周回方向に施されている(図中、斜線は着色を示している)。
この場合、境界2034cとリング状のマーク2075との距離eを検出に用いることができる。電極2017cへのマーキングは、ガラスバルブ外周へのマーキングに比べて消えにくく、また色を鮮明にすることができるのでセンサ精度を向上させることができる。
【0183】
図43(b)の例では、熱陰極蛍光ランプへの適用例を示しており、フィラメント2231dに接続された内部リード線2251dA,271dAを支持するガラスステム2291dが着色されている。この例では、境界2034とガラスステム2291dとの距離fを検出に用いることができる。ガラスステム2291dは、ガラスバルブ2015dの回転方向に関わらずどの方向からも確認可能であり、センシングの設備構成を簡素化できる。
【0184】
図43(c)の例では、口金2072eの周回方向にマーク2076が付されている。この例では、境界2034eとマーク2076との距離gを検出に用いることができる。マーク2076も、マーク2075と同様にガラスバルブ2015eの回転方向に関わらずどの方向からも確認可能である。
電極17eの形状は有底筒状であるが、これに限らず、両端開口筒状、棒状であっても構わない。
(実施の形態10)
本実施の形態では、混合ガスの組成を工夫することで、現行の冷陰極蛍光ランプと代替させても輝度維持率上問題は無く、かつ発光効率のさらに向上した蛍光ランプを提供する。
【0185】
本実施の形態について、図面を参照しながら、蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明する。
本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプの構成は、図2で説明した冷陰極蛍光ランプ20と基本的には同様であるため説明を省略する。もっとも、ランプ20内に封入する希ガスの組成・封入圧が異なるため、これらの点について以下詳しく述べる。
【0186】
ここで、前記したように、希ガスの封入圧を下げればランプの発光効率が向上すると一般的に考えられている。このことを確認すべく、本願発明者は、封入圧が発光効率に与える影響を調査すべく実験を行った。
実験に供した冷陰極蛍光ランプのガラスバルブの外径は3[mm]、内径は2[mm]、全長は450[mm]である。また、ガラスバルブ内には、分圧比でネオン90[%]、アルゴン10[%]からなる混合ガスが封入されている。
【0187】
この混合ガスの25[℃]における封入圧(全圧)が異なる冷陰極蛍光ランプを作製した。封入圧は10[Torr]、20[Torr]、40[Torr]、60[Torr]及び80[Torr]の5通りとした。また、各封入圧において冷陰極蛍光ランプに流す駆動電流も、4[mA]、6[m
A]、8[mA]、及び10[mA]の4通りに変化させた。点灯の際の周囲温度は、バック
ライトユニット内の温度環境を考慮して50[℃]に設定した。
【0188】
実験結果を図44に示す。なお、ここにおける発光効率の値は、冷陰極蛍光ランプから得られる輝度[cd/m2]を入力電力[W]で除したものである。
図44から、駆動電流が10[mA]の場合、封入圧を80[Torr]から下げていくと、封入圧が40[Torr]になるまで発光効率は徐々に向上し、40[Torr]以下では横ばいになることが分かる。
【0189】
一方、駆動電流が8,6,4[mA]の場合、封入圧を80[Torr]から下げていくと、封入圧が40[Torr]になるまで発光効率は徐々に向上するものの、40[Torr]あたりを境に、発光効率は低下に転じることが分かる。ここで、封入圧を下げれば発光効率は向上すると一般的に考えられていたところ、駆動電流によっては、封入圧を下げすぎるとかえって発光効率が下がってしまうことが見出された。
【0190】
現行の冷陰極蛍光ランプにおける混合ガスの封入圧が60[Torr]であることから、この60[Torr]に対し、封入圧(および電流)の違いによって発光効率がどの程度異なってくるのかを分かりやすくするため、図44を基にして図45を作成した。ここで、混合ガスの封入圧が60[Torr]である冷陰極蛍光ランプを、以下、「基準ランプ」と称する。
図45は、封入圧が60[Torr]のときの発光効率に対する、各封入圧−各駆動電流における発光効率を百分比で表したグラフである。
【0191】
図45から、例えば、駆動電流が10[mA]の場合、基準ランプよりも5[%]以上発光効率を向上させたいときは、封入圧を50[Torr]以下に設定すればよいことが分かる。また、例えば、封入圧が40[Torr]の場合、基準ランプよりも5[%]以上発光効率を向上させたい場合は、駆動電流は4[mA]では足らず、6[mA]あれば足りることが分かる。すなわち、封入圧と駆動電流の組み合わせを適当なものとすることにより、基準ランプよりも所定のアップ率で発光効率を向上させることができる。
【0192】
ここで、基準ランプよりも発光効率を所定比率向上させる場合の封入圧と駆動電流との組み合わせが分かりやすようにするため、図45に基づいて図46を作成した。ここで、前記所定比率は、3[%]、5[%]、7[%]、および10[%]とした。
図46は、x−y直交座標系において、x軸上に混合ガスの封入圧[Torr]、y軸上に駆動電流値[mA]をとって、前記所定比率毎に、基準ランプより少なくとも当該所定比率分の発光効率が向上する範囲を示した図である。
【0193】
例えば、図46において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1「●」(黒丸)および「◆」(黒ひし形)で表す点を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも発光効率が少なくとも3[%]向上する。すなわち、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点P1〜点P7、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも発光効率が少なくとも3[%]向上する。
【0194】
同じく、図46において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点Q1〜点Q6、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも発光効率が少なくとも5[%]向上する。
また、図46において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1、点R1〜点R4、点S1を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分を含む)で設定すれば、基準ランプよりも発光効率が少なくとも7[%]向上する。
【0195】
さらに、図46において、封入圧と駆動電流値の組み合わせを、点S1と点S2を結ぶ線分上の値に設定すれば、基準ランプよりも発光効率が少なくとも10[%]向上する。
各点の座標値を図47に示す。
図47に示す座標値を基に、例えば、基準ランプよりも発光効率を7[%]向上させる場合について説明する。x−y直交座標系において、冷陰極蛍光ランプのガラスバルブに封入される混合ガスの封入圧[Torr]をx軸上にとり、冷陰極蛍光ランプに流す駆動電流[
mA]の値をy軸上にとった場合、(x,y)座標で表される点S1(10,10)、点
R1(10,9.3)、点R2(27,8)、点R3(39,8)、点R4(46,10
)、点S1(10,10)を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分上を含む)の点のx座標値とy座標値をそれぞれ封入圧と駆動電流値に設定することにより、基準ランプよりも発光効率が少なくとも比率7[%]アップした冷陰極蛍光ランプとすることができる。
【0196】
上述したように、基準ランプ(封入圧60[Torr])よりも適切な範囲で封入圧を下げると発光効率が向上する。ところが、封入圧を下げると、今度は、輝度維持率が低下することが判明した。そこで、本願発明者は、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比を適当なものにすることにより、輝度維持率の低下を抑制することができることを実験により見出した。
【0197】
当該実験は、外径3.4[mm]、内径2.4[mm]、全長450[mm]のガラスバルブを有する冷陰極蛍光ランプを用い周囲温度25[℃]の環境下、駆動電流8[mA]で行った。
実験結果を図48に示す。
図48において、点「■」(黒四角)を結ぶ曲線M1は、アルゴン10[%]、ネオン90[%]からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
【0198】
同じく、点「◆」(黒ひし形)を結ぶ曲線M2は、アルゴン20[%]、ネオン80[%]からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
同じく、点「▲」(黒三角)を結ぶ曲線M3は、アルゴン40[%]、ネオン60[%]からなる混合ガスを40[Torr]の封入圧で封入してなる冷陰極蛍光ランプの輝度維持率曲線である。
【0199】
図48から、アルゴンガスの分圧比によって、輝度維持率が変動することがわかる。
ここで、500時間経過時における輝度維持率が93[%]以上であることが、実用上要求され、[背景技術]の欄で記載した現行ランプは、これを満足している。
したがって、この基準に照らし合わせると、混合ガスに占めるアルゴンガスの分圧比を20[%]以上にすることによって、換言すれば、封入ガスに少なくとも20[%]の分圧比でアルゴンガスを混合することによって、実用上、満足のいく輝度維持率を得ることができ、輝度維持率に関して、現行のランプと代替しても問題は無い。
【0200】
以上説明したように、基準ランプ(混合ガスの封入圧:60[Torr])よりも所定発光効率向上させる場合の混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲は、図46に示す実験結果から画定できる。また、輝度維持率の観点から、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比を20[%]以上とする。
ここで、図46に示す実験結果は、混合ガスにおけるアルゴンガスの分圧比が10[%]の冷陰極蛍光ランプに基づくものであるため、上記組み合わせ範囲の有効性が問題となるとも思われる。そこで、アルゴンガスの分圧比が40[%]の冷陰極蛍光ランプについても、発光効率に関する実験を行った。
【0201】
当該実験は、外径3.4[mm]、内径2.4[mm]、全長450[mm]のガラスバルブを有する冷陰極蛍光ランプを用い周囲温度50[℃]の環境下で行った。
実験結果を図49に示す。図49は、先に説明した図45に対応するものである。
図45と図49を比較すると、アルゴンガスの分圧比を10[%](図45)から40[%](図49)に増加させると、封入圧60[Torr]を基準にしたときの発光効率の百分比が、全体的に向上することが分かる。すなわち、アルゴンの分圧比によっても発光効率は変動し、アルゴンの混合量が多いほど(分圧比が高いほど)発光効率も高くなることが、図45および図49から読み取ることができる。
【0202】
したがって、アルゴンガスの分圧比が10[%]で発光効率が低めである図46に基づいて、混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲を画定していれば、アルゴンガスの分圧比がそれ以上の場合(10[%]を超える場合)には、より高い発光効率が得られることとなる。したがって、図46に基づいて混合ガスの封入圧と駆動電流の組み合わせの範囲を画定することに問題は無い。
(実施の形態10の補足事項)
(1)ランプ形状について
実施の形態では、ランプ形状を直管状とした(図2)。しかしながら、本発明は、「U」字状、「コ」字状、あるいは、「L」字状をしたランプにも適用可能である。
(実施の形態11)
実施の形態11は、電極の構成材料を工夫することで、低コストでありながら、高い耐スパッタ性を実現するものである。本実施の形態では蛍光ランプとして冷陰極蛍光ランプを例に挙げて説明する。
1.冷陰極蛍光ランプ220の構成
図50を参照しながら本実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ3220の構成について説明する。図50(a)は、冷陰極蛍光ランプ3220の概略構成を示す一部切欠図である。図50(b)は、ガラスバルブ3305において、蛍光体膜3308が形成された領域を示す模式図である。図50(c)は、電極3306の断面図である。
【0203】
ランプ3220は、略円形横断面で直管状をしたガラスバルブ(ガラス容器)3305を有する。このガラスバルブ3305は、例えば外径2.4[mm]、内径2.0[mm]、長さ約350[mm]であって、その材料はホウケイ酸ガラスである。以下に記すランプ3220の寸法は、外径2.4[mm]、内径2.0[mm]のガラスバルブ3305の寸法に対応する値である。言うまでもなくこれらの値は一例であり実施態様が限定されるものではない。
【0204】
ガラスバルブ3305の内部には、水銀がガラスバルブ3305の容積に対して所定の比率、例えば、1.20[mg]封入され、また、アルゴン、ネオン等の希ガスが所定の封入圧、例えば、60(Torr)で封入されている。なお、上記希ガスとしては、アルゴンとネオン(Ar-5[%]、Ne-95[%])の混合ガスが用いられる。
また、ガラスバルブ3305の内面には蛍光体膜3308が形成されている。蛍光体膜3308は、水銀から放射された紫外線を、それぞれ赤色・緑色・青色に変換する赤色蛍光体・緑色蛍光体・青色蛍光体を含んでいる。
【0205】
このリード線3302、3304は、例えば、タングステンからなる内部リード線3302A、3304Aと、ニッケルからなる外部リード線3302B、3304Bとからなる継線である。内部リード線3302A、3304Aの線径は1[mm]、全長は3[mm]で、外部リード線3302B、3304Bの線径は0.8[mm]、全長は5[mm]である。
【0206】
内部リード線3302A、3304Aの先端部には、一方の端部に開口を有する凹部が形成された略カップ形状をした、有底筒状の所謂ホロー型の電極3306、3307が固着されている。この固着は、例えばレーザ溶接を利用して行う。
電極3306,3307は同じ形状をしており、図50(c)に示す各部の寸法は、電極長L1=5.5[mm]、外径PO=1.70[mm]、内径Pi=1.50[mm]、肉厚t=0.10[mm]である。
【0207】
電極3306、3307は、ニッケル母体に酸化イットリウム(Y)が0.46[wt%]、シリコン(Si)が0.14[wt%]添加(ドープ)されてなる。酸化イットリウムを添加することによって電極3306、3307の耐スパッタ性を向上させることができる。また、シリコンを添加することによって電極3306、3307が酸化するのを防止することができる。
【0208】
ランプ3220の点灯時には、有底筒状をした電極3306,3307の筒内部及び電極3306,3307間で放電が生じることとなる。
実施の形態1と同様、本実施の形態においても、図50(b)に示すように、ガラスバルブ3305の第1封止部側の、境界部(蛍光体膜3308が存在する領域と不存在の領域との境界)3309から電極3306の根元までの距離b1と、境界部3310から電
極3307の根元までの距離b2とで、b2はb1より長くなっている(b2>b1)。ここ
でいう、電極の根元とは、リード線3302、3304に固着されている電極3306、3307の付け根部分の意味である。
【0209】
なお、蛍光体膜3308以外の電極3306,3307、リード線3302,3304といった部材の位置は、例えば、左右対称に設けられているので、結果として、境界部3309、3310から外部リード線3302B、3304Bの外側先端までの距離c1,
c2とを比べると、c2はc1より長くなっている(c2>c1)。
また、境界部3309から第1封止部側端部までの距離(蛍光体膜の不存在領域の長さ)a1と、境界部310から第2封止部側端部までの距離a2とを比べると、a2はa1より長くなっている(a2>a1)。
【0210】
これらの寸法は、例えば次の通りである。
a1=8.0[mm]、a2=10.0[mm]、b1=5.0[mm]、b2=7.0[mm]、c1=14.0[mm]、c2=16.0[mm]
2.電極3306の製造方法
次に、電極3306の製造方法について説明する。なお、電極3307も電極3306と同様にして製造されるので、電極3306の製造方法の説明を以って電極3307の製造方法の説明に代える。なお、冷陰極蛍光ランプ3220の製造方法は、図3、図4で説明したものと同様であるから説明を省略する。
【0211】
本実施の形態においては、上述のように、ニッケルに酸化イットリウムやシリコンを添加したインゴットを線状に加工した後(線引き)、ヘッダ加工によって圧造する。図51は、電極3306の製造方法を示す図である。先ず、線引きしたインゴット3701を所定の長さに切断する(図51(a))。
次に、切断したインゴット3701をダイス3702に格納し(図51(b))、プレス3703にてインゴット3701を1回〜数回圧縮成形する(図51(c)〜(e))。その後、成形されたインゴット3701をイジェクトバー(図示省略)にてダイス3702から取り出すと、電極3306を得ることができる。
【0212】
このようにすれば、冷間鍛造にて電極3306を得ることができるので、電極3306の製造コストを低減することができる。また、ニッケルはタングステンやニオブよりも軟らかいので、少ない圧縮回数で電極3306を成形することができるという意味でも製造コストを低減することができる。
3.耐スパッタ性の評価
次に、本発明に係る電極と酸化イットリウムを添加していないニッケル電極とについて耐スパッタ性を評価したので、その評価結果について説明する。
【0213】
評価に用いた冷陰極蛍光ランプは何れもガラスバルブの外径が2.4[mm]、内径2.0[mm]、ホロー型電極の外径1.7[mm]、内径1.5[mm]、長さ5.5[mm]、電極間距離(電極先端から電極先端までの間隔)が330[mm]であって、ネオン−アルゴン(5[%])混合ガスが8[kPa](60[Torr])と飽和蒸気圧の水銀が封入されている。また、60[kHz]の正弦波形の電圧が印加され、電流量は[6mA]である。
【0214】
このような条件の下、雰囲気温度が25[℃]で5,000[時間]点灯し続けた後に、電極のスパッタ量について標本数5[本]の平均値を求めたところ、純ニッケル電極では2.8[μg]であったのに対して、本発明に係る電極では1.8[μg]であった。すなわち、本発明を用いることによってスパッタ量を35[%]も低減することができた。
【0215】
なお、本評価においては、電極開口部付近のガラスバルブ内壁に堆積した金属膜を化学分析にて定量することによってスパッタ量を求めた。
また、純ニオブ電極のスパッタ量を同様にして求めたところ0.8μgと、本発明に係る電極よりもスパッタ量が小さいことが確認されたが、コストとスパッタ量を共に低減するという本発明の目的に照らせば、本発明の効果はこの結果によって何ら損なわるものではない。
(実施の形態11の補足事項)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論である。
【0216】
(1) 上記実施の形態においては、専らニッケルを母材として酸化イットリウムを0.46[wt%]添加した場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、酸化イットリウムの添加量が0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内であれば、本発明の同様の効果を得ることができる。
(2) 上記実施の形態においては、専ら酸化イットリウムを添加する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、酸化イットリウムに加えて、脱酸剤として、シリコン、チタン(Ti)、ストロンチウム(Sr)又はカルシウム(Ca)の何れか1以上を添加してもよい。このようにすれば、電極が酸化するのを防止することができる。
【0217】
(3) 上記実施の形態においては、専らヘッダ加工によって電極3306を製造する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、ヘッダ加工に代えて絞り加工を用いて電極を成形しても良い。
(4) 上記実施の形態においては、専ら冷陰極としてホロー型電極を用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでもなく、ホロー型電極に代えて棒状の電極を用いても良い。何れの形状の電極を用いても本発明の効果は同じである。
【0218】
(7) ガラスバルブ3305の寸法が上記実施の形態に限定されないのは言うまでもなく、これに代えて他の寸法を採用しても本発明の効果に変わりはない。
なお、外部電極型放電ランプの形状をスリムに保つためには、内径が1.4[mm]〜7.0[mm]、肉厚が0.2[mm]〜0.6[mm]であることが好ましい。
また、ガラスバルブ3305の横断面は略円形状に限られないのは言うまでもなく、略楕円形状としても良い。
【0219】
(8) 蛍光体膜3308の組成が上記実施の形態に限定されないのは言うまでもなく、これに代えて他の組成を採用しても本発明の効果は同じである。
(9) ガラスバルブ3305の形状はコ字型、U字型、或いはL字型であっても良く、ランプの断面形状は円形でも扁平でも良い。扁平の場合、ランプの断面形状が楕円形状でも長円形状でも良い。また、ランプの長さは1500[mm]以下であれば良い。
(実施の形態12)
実施の形態12は、蛍光ランプの使用中における飛散の少ない蛍光ランプ用エミッタ及びそれを用いた高発光効率且つ長寿命の蛍光ランプを提供するものである。
【0220】
図52は、本実施の形態に係るの蛍光ランプの一例を示す一部拡大断面図である。なお、図52は、蛍光ランプの一端を示したものであり、他端は、図52に示す一端と同様であるため、図示を省略する。
蛍光ランプ4010は、ガラスバルブ4011と、ガラスバルブ4011の内部に配置された一対の電極4012とを備える。
【0221】
ガラスバルブ4011は、ホウ珪酸ガラス等からなり、その内面には、蛍光体膜4013が形成されている。ガラスバルブ4011の両端は、ガラスビード4014によって封止されている。ガラスビード4014によって封止されたガラスバルブ4011の内部には、水銀及び希ガス(図示せず)が封入されている。
蛍光体膜4013は、例えば、青色蛍光体がユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム〔BaMg2Al1627:Eu2+〕(略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリ
ウム・テルビウム共付活リン酸ランタン〔LaPO4:Ce3+,Tb3+〕(略号:LAP
)及び赤色蛍光体がユウロピウム付活酸化イットリウム〔Y23:Eu3+〕(略号:YOX)を含む3波長型の蛍光体を用いると需要の高いRGB表色系のランプ、特に白色ランプとなるので好ましい。但し、蛍光体膜4013の材料は、上記蛍光体に限定されない。
【0222】
次に、電極4012について説明する。電極4012は、金属スリーブ4012aと、金属スリーブ4012aの少なくとも一部に設けられたエミッタ4012bとを備える。金属スリーブ4012aの外径S1と内径S2との差、即ち金属スリーブ4012aの厚さは、通常0.1[mm]〜0.2[mm]に設定され、また、金属スリーブ4012aのカップ長L1は、その基部長L2の約3[倍]の長さに設定されるが、これらに限定はされない。
【0223】
なお、図52には、金属スリーブ4012aの内面にエミッタ4012bが形成されている一例を示しているが、金属スリーブ4012aの一部にエミッタ4012bが形成されているものであれば、エミッタ4012bの形成位置について制限はない。但し、エミッタ4012bを金属スリーブ4012aの少なくとも内面に設けることによって、冷陰極動作に起因するイオン衝撃によるエミッタ4012bのスパッタリングを防止でき、エミッタ効果を長期間持続させることができる。
【0224】
また、上記スパッタリングと封入ガス圧とは相関関係があり、封入ガス圧が低圧の場合には、金属スリーブ4012aの比較的底部でスパッタリングが発生しやすくなり、封入ガス圧が高圧の場合には、金属スリーブ4012aの口開部付近でスパッタリングが発生しやすくなる。そこで、封入ガス圧が1Torr以下の低圧では、図53に示すように、エミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの低面部と、金属スリーブ4012aの底面部から上方に1/3の高さまでの内側面部とに形成することが好ましい。また、封入ガス圧が10[Torr]以上の高圧では、図54に示すように、エミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの開口部から下方に1/3の深さまでの内側面部に形成することが好ましい。さらに、封入ガス圧が1[Torr]を超え、10[Torr]未満の中圧では、少なくともエミッタ4012bを、金属スリーブ4012aの低面部及び開口部から上下それぞれ1/3までの内側面部に形成することが好ましい。エミッタ4012bは、スパッタリングそのものに対する耐久性が大きいため、封入ガス圧に応じてエミッタ4012bの形成位置を変更することにより、イオン衝撃による金属スリーブ4012a自体の飛散(スパッタリング)も防止できる。
【0225】
なお、図52では、カップ状電極を用いた例を示したが、棒状電極を用いることもできる。その場合には、上記スパッタリングと封入ガス圧との関係は、封入ガス圧が高圧(10[Torr]以上)の場合には、棒状電極の先端部及びその先端部から下方に1/3までの側面部にスパッタリングが発生しやすくなり、封入ガス圧が中低圧(10[Torr]未満)の場合には、棒状電極の先端部及びその先端部から下方に2/3までの側面部にスパッタリングが発生しやすくなる。従って、上記カップ状電極の場合と同様に、棒状電極の場合でも封入ガス圧に応じて、スパッタリングが発生しやすい棒状電極の位置にスパッタリングそのものに対する耐久性が大きいエミッタを配置することが好ましい。
【0226】
金属スリーブ4012aは、エミッタの焼成温度(例えば、550[℃])以上の耐熱性がある金属からなる。金属スリーブ4012aの材料としては、例えば、ニッケル、ステンレス鋼、コバルト、鉄等を用いることができる。金属スリーブ4012aの一端は、タングステン等からなる内部リード線4015に挿入されて溶接されており、内部リード線4015はガラスビード4014を通って外部リード線4016に接続されている。
【0227】
なお、図52では、電極4012として、金属スリーブ4012aの基部を内部リード線4015に挿入して溶接により接合した例を示したが、図55に示すように、電極4012として、金属スリーブ4012aと内部リード線4015とが一体化されたものを使用することもできる。
また、金属スリーブ4012aの表面の中心線平均粗さ(Ra)は、1[μm]〜10[μm]が好ましい。この範囲内であれば、エミッタ4012bの脱落の抑制効果が大きくなるからである。
【0228】
エミッタ4012bは、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子から形成されている。この単結晶酸化マグネシウム微粒子は、金属マグネシウムの蒸気と酸素との気相酸化反応で生成でき、例えば、図57の電子顕微鏡写真に示すような立方体の単結晶構造を有している。
エミッタ4012bは、上記単結晶酸化マグネシウム微粒子とバインダと溶媒とを混合したエミッタ塗布液を、金属スリーブ4012aに塗布した後に熱処理することによって形成できる。上記バインダとしては、例えば、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリエチレンオキシド等が使用できる。また、上記溶媒としては、例えば、酢酸ブチル、化学式Cn2n+1OH(n=1〜4)で表されるアルコール等が使用できる。
【0229】
また、図52では、直管状の蛍光ランプ4010について説明したが、本発明の蛍光ランプは直管状に限らず、「U」字状又は「コ」の字状等の屈曲管であってもよい。また、蛍光ランプ4010は、その断面が円形である円筒型ランプに限られない。例えば、図37(a)に示すような断面が楕円形を有する偏平型ランプであってもよい。なお、図37(b)は、図37(a)のI−I線の断面図である。
(実施の形態12の実施例)
以下、実施の形態12の一例である冷陰極蛍光ランプについて、実施例を用いて具体的に説明する。
【0230】
(実施例1)
実施例1では、前述の実施形態で説明した蛍光ランプ10の一例について説明する。図52を参照して、蛍光ランプ4010は、ニッケルからなる外径(S1)1.7[mm]、内径(S2)1.5[mm]、カップ長(L1)5.5[mm]、基部長(L2)1.5[mm]の金属スリーブ4012aの一端にタングステンからなる外径0.6[mm]の内部リード線4015が挿入され、金属スリーブ4012aの一端が圧潰溶接されて両者が接続されている。
【0231】
ガラスバルブ4011は外径2.4[mm]、内径2.0[mm]のホウ珪酸ガラスからなり、ガラスバルブ4011の両端部に電極4012が配置されている。電極4012は、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子からなるエミッタ4012bを備える。
また、ガラスバルブ4011の両端部は、ホウ珪酸ガラスからなるガラスビード4014で封止されており、内部リード線4015は、ガラスビード4014を通ってステンレス鋼製の外部リード線4016に接続されている。一対の電極4012の先端間の距離は330[mm]とした。また、ガラスバルブ4011の内面には蛍光体膜4013を形成し、その内部には水銀とともにアルゴンとネオンとの混合ガスを8[kPa]の圧力になるように封入した。
【0232】
蛍光体膜4013としては、青色蛍光体がユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム〔BaMg2Al1627:Eu2+〕(略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリウ
ム・テ
ルビウム共付活リン酸ランタン〔LaPO4:Ce3+,Tb3+〕(略号:LAP)及び赤
色蛍光体がユウロピウム付活酸化イットリウム〔Y23:Eu3+〕(略号:YOX)を、BAM−B:LAP:YOX=4:3:3の重量比で混合した3波長型の蛍光体を用いた。
【0233】
実施例1の蛍光ランプは、以下に示す方法で作製した。
最初に、金属スリーブ4012aの内面に、エミッタ4012bを以下の方法で形成した。先ず、一次粒子が単結晶体からなり、且つその単結晶体の平均粒径が1[μm]以下である単結晶酸化マグネシウム微粒子を準備した。その後、上記単結晶酸化マグネシウム微粒子10[kg]を、ニトロセルロース(バインダ)と酢酸ブチル(溶媒)との混合溶液(ニトロセルロース1.5[wt%]の酢酸ブチル溶液)20[リットル]に分散させることによって、エミッタ塗布液を調製した。次に、金属スリーブ4012aの内面にこのエミッタ塗布液をスプレー法により塗布し、これを空気中で自然乾燥させた。
【0234】
その後、エミッタ塗布液を塗布した金属スリーブ4012aを、アルゴン雰囲気の還元炉で約550[℃]に加熱することによって、単結晶酸化マグネシウム微粒子を金属スリーブ4012へ固着するとともに、バインダ及び溶媒の除去を行い、エミッタ4012bを備える電極4012を形成した。
続いて、電極4012を、蛍光体膜4013が塗布されたガラスバルブ4011の両端に配置し、一方の電極4012のみを先にアルゴン雰囲気中でガラスビード4014を介して加熱封着した。続いて、ガラスバルブ4011の内部に水銀及びアルゴンとネオンの混合ガスを8kPaになるように導入し、最後に他方の電極4012とガラスバルブ4011とをガラスビード4014を介して加熱封着して、実施例1の蛍光ランプを作製した。
【0235】
(比較例1)
エミッタ4012bを全く形成しなかった金属スリーブ4012aからなる電極4012を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の蛍光ランプを作製した。
(比較例2)
実施例1で用いた単結晶酸化マグネシウム微粒子に代えて、平均粒径18[μm]の酸化マグネシウム粒子を用いた以外は、実施例1と同様にして比較例2の蛍光ランプを作製した。
【0236】
<ランプ電圧の測定>
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流4[mArms](実効値)、点灯周波数60[kHz]の条件で高周波点灯回路を用いて点灯させ、ランプ電圧(実効値:Vrms)を測定した。また、同様にしてランプ電流を6[mArms]、8[mArms]、10[mArms]にそれぞれ変更してランプ電圧を測定した。その結果を図58に示す。
【0237】
図58から明らかなように、実施例1のランプ電圧は、比較例1及び比較例2のランプ電圧に比べて、32[Vrms]〜43[Vrms]程度低減できた。
<スパッタリング量の測定>
実施例1、比較例1及び比較例2の蛍光ランプを用いて、周囲温度25[℃]、ランプ電流6[mArms]、点灯周波数60kHzの条件で高周波点灯回路を用いて6000[時間]点灯させ、スパッタリング量を測定した。ここで、スパッタリング量とは、冷陰極動作に起因するイオン衝撃によるエミッタ4012b及び金属スリーブ4012aの成分が飛散し、飛散した成分がガラスバルブ4011の内壁に堆積付着した総量をいう。飛散物の採取は、両端の電極4012の周辺のガラスバルブ4011を酸に浸漬して、飛散物を酸に溶解して行った。スパッタリング量は、飛散物を溶解した溶液をICP質量分析法で分析して求めた。
【0238】
図59は、スパッタリング量を比較した測定結果を示す表である。

図59から明らかなように、実際例1は、比較例1及び比較例2に比べて、スパッタリング量が少なく、蛍光ランプの長寿命化を図ることができる。なお、実施例1及び比較例2のスパッタリング量には、エミッタ4012bの飛散によるMgO成分と、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分とが含まれ、比較例1のスパッタリング量には、金属スリーブ4012aの飛散によるNi成分のみが含まれると考えられる。
<実施の形態1〜12の補足>
1.蛍光体層の組成について>
以上、実施の形態1〜12について説明したが、蛍光体層は上記で説明したものに限定されず、蛍光体層の材料として特に次に示す材料を用いることが可能である。
【0239】
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313[nm]の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
【0240】
(a)青色
ユウロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム〔Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl1017〕又は〔Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であることが好ましい。
【0241】
このような蛍光体としては、例えば、ユウロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム〔BaMg2Al1627:Eu2+〕、〔BaMgAl1017:Eu2+〕(略号:BA
M−B)や、ユウロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム〔(Ba,Sr)Mg2Al1627:Eu2+〕、〔(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+
(略号:SBAM−B)等がある。
【0242】
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート〔MgGa24:Mn2+〕(略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛〔Ce(Mg,Zn)Al1119:Mn2+〕(略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム〔CeMgAl1119:Tb3+〕(略号:CAT)
・ユウロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム〔Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl1017〕又は〔Ba1-x-ySrxEuyMg2-z
zAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
【0243】
このような蛍光体としては、例えば、ユウロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム〔BaMg2Al1627:Eu2+,Mn2+〕、〔BaMgAl1017
Eu2+,Mn2+〕(略号:BAM−G)や、ユウロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム〔(Ba,Sr)Mg2Al1627:Eu2+,M
2+〕、〔(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+〕(略号:SBAM−G)等がある。
【0244】
(c)赤色
・ユウロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム〔Y(P,V)O4:Eu3+〕(略
号:YPV)
・ユウロピウム付活バナジン酸イットリウム〔YVO4:Eu3+〕(略号:YVO)
・ユウロピウム付活イットリウムオキシサルファイド〔Y22S:Eu3+〕(略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム〔3.5MgO・0.5MgF2・Ge
2:Mn4+〕(略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム〔YVO4:Dy3+〕(赤と緑の2成分
発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313[nm]を吸収する。)のみ、緑色にLAP(313[nm]を吸収しない。)とBAM−G(313[nm]を吸収する。)、赤色にYOX(313[nm]を吸収しない。)とYVO(313[nm]を吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313[nm]を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50[%]より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313nmの紫外線を吸収する蛍光体を含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0245】
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光ピーク強度をプロットしたものである。)の強度を100[%]としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0246】
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる冷陰極蛍光ランプや外部電極蛍光ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0247】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、通常の3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
(a)青色
・ユウロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト〔Sr10(PO46Cl2:E
2+〕(略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユウロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト〔(Sr,Ca,Ba)10(PO46Cl2:Eu2+〕(略号:SBCA)も使用で
き、上記波長313[nm]の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0248】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0249】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0250】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
【0251】
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いた場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCトライアングル)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行う。
【0252】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)NTSC比が92[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)NTSC比が100[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95[%]となり、例1及び2に比べて輝度を10[%]向上させることができる。
【0253】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである。
2.ガラスバルブの材料について
図2を参照しながら、ガラスバルブの材料について補足説明する。
ガラスバルブ26の材料はホウケイ酸ガラスに限らず、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダガラス等を用いてもよい。この場合に、暗黒始動性が改善できる。すなわち、上記したようなガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く
含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラス管内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、(保護膜の形成されていない)ガラス管内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと思われるからである。
【0254】
特に、後述する実施の形態19に係る蛍光ランプのような外部内部電極型蛍光ランプや外部電極型蛍光ランプでは、ガラス管材料におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、3[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。5[mol%]未満であると暗黒始動時間が1[秒]を超える確率が高くなり(換言すると、5[mol%]以上であれば暗黒始動時間が1[秒]以内になる確率が高くなる)、20[mol%]を超えると、長時間の使用によりガラス管が白色化して輝度の低下を招いたり、ガラス管の強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
【0255】
また、自然環境保護を考慮した場合、鉛フリーガラスを用いるのが好ましい。ただ、鉛フリーガラスは、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合がある。そこで、0.1[wt%]以下といった不純物レベルで鉛を含有するガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
また、ガラスに遷移金属の酸化物をその種類によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることによ
り254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0256】
また、酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープ
することにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0257】
また、酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率10[mol%]より多くドープした場合、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、リード線6005がタングステン(W)製である場合に、リード線6005の熱膨張係数(約44×10-7[K-1])とガラスの熱膨張係数に差異が生じ、封着が困難となるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上10[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。ただし、リード線6005がコバール(Koval)製やモリブデン(Mo)製の場合には、リード線6005の熱膨張係数(約51×10-7[K-1])がタングステン製の場合よりも大きくなるため、酸化亜鉛を組成比率14[mol%]以下までドープすることができる。
【0258】
また、酸化鉄(Fe23)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0259】
また、ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、外部電極蛍光ランプ(EEFL)や長尺の冷陰極蛍光ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0260】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
なお、ガラスの熱膨張係数を調節することにより、ランプ20(図2参照。)のリード線22,24との封着強度を高めることができる。例えば、リード線22,24がタングステン(W)製の場合には、36×10−7[K-1]〜45×10−7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0261】
また、リード線22,24がコバール(Kovar)製、モリブデン(Mo)製の場合には45×10−7[K-1]〜56×10−7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を7[mol%]〜14[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
また、リード線22,24がジュメット製の場合には94×10-7[K-1]近傍とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を20[mol%]〜30[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の値とすることができる。
【0262】
3.液晶表示装置と回路構成について
次に、本発明の蛍光ランプを用いた表示装置について説明する。図60は、本発明の蛍光ランプを用いた表示装置4101、例えば液晶テレビの概要を示している。
図60に示す表示装置4101は、例えば、32インチの液晶テレビであり、液晶画面ユニット4103とバックライトユニット(蛍光ランプユニット)1とを備える。図60で示すバックライトユニット1は、図1で説明したバックライトユニット1と縦横比が若干異なるものの基本的には同様な構成であるので同じ符号を付して説明を省略する。
【0263】
液晶画面ユニット4103は、例えば、カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。液晶画面ユニット4103の下端部には、電子安定器4104が配されており、この電子安定器4104によって、バックライトユニット1に備えられた複数本の冷陰極蛍光ランプ20の全ての点灯が行われる。なお、図60において、4105は操作ボタン、4106はリモコンである。
【0264】
次に、冷陰極蛍光ランプ20(図2参照)を点灯させるための点灯装置について説明する。
図61は、冷陰極蛍光ランプ20を点灯させるための点灯装置100の構成を示すブロック図である。なお、図61では、冷陰極蛍光ランプ20を一つしか図示していないが、点灯装置100には、複数本の冷陰極蛍光ランプ20が並列接続されている。また、各冷陰極蛍光ランプ20の一方のリード線は、冷陰極蛍光ランプ20毎に設けられたバラストコンデンサ80を介して、点灯装置100に電気的に接続されている。このバラストコンデンサ80により、後述する一台の電子安定器(インバータ)4104で、複数の冷陰極蛍光ランプ20を並列点灯させることができる。
【0265】
図61に示すように、点灯装置100は、DC電源回路102と電子安定器4104とからなる。電子安定器4104は、DC/DCコンバータ106、DC/ACインバータ108、高電圧発生回路110、管電流検出回路112、および制御回路114とから構成される。
DC電源回路102は、商用交流電源(100V)から直流電圧を生成し、電子安定器4104に給電する。DC/DCコンバータ106は、前記直流電圧を所定の大きさの直流電圧に変換して、DC/ACインバータ108に供給する。DC/ACインバータ108は、所定の周波数の交流矩形電流を生成して、高電圧発生回路110に送る。高電圧発生回路110はトランス(不図示)を含んでおり、高電圧発発生回路110で発生した高電圧は、冷陰極蛍光ランプ20に印加される。
【0266】
一方、管電流検出回路112は、DC/ACインバータ108の入力側に接続されており、間接的に冷陰極蛍光ランプ20のランプ電流(駆動電流)を検出し、その検出信号を制御回路114に送出する。制御回路114は、前記検出信号に基づき、内部メモリ(不図示)に設定された基準電流値を参照して、当該基準電流値の定電流で各冷陰極蛍光ランプ20を点灯すべくDC/DCコンバータ106、DC/ACインバータ108を制御する。
【0267】
したがって、内部メモリの基準電流値を図46に基づいて画定した駆動電流値に設定することにより、当該駆動電流値(基準電流値)で、各冷陰極蛍光ランプ20が定電流駆動されることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0268】
本発明に係る直下方式のバックライトユニットの製造方法によれば、簡単な方法で蛍光ランプの長手方向の向きを識別することが可能となる。
【符号の説明】
【0269】
1 直下方式のバックライトユニット
20 蛍光ランプ
26,26a,26b ガラスバルブ
32 蛍光体膜
33 蛍光体膜(識別用マーク)
34,36 境界部
70a,70b,70c,71,72 識別用マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスバルブと、前記ガラスバルブの両端部の内部に設けられた電極と、前記電極に接続され、かつ前記ガラスバルブの両端部から外部に導出されたリード線と、前記ガラスバルブの両端部を除いた内面に形成された蛍光体層とを有する蛍光ランプであって、
前記ガラスバルブの一端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さと、前記ガラスバルブの他端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さとが、センサにより識別できる程度に異なり、
前記ガラスバルブ、前記電極または前記リード線のいずれかにマークが施されていることを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項2】
前記ガラスバルブの蛍光体層不存在領域における外周または内周に、前記マークが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項3】
前記マークは、ガラスバルブ外周の蛍光体層不存在領域に相当する位置に複数設けられており、
複数の前記マークは、ガラスバルブの長手方向における位置が互いに略等しいと共に、ガラスバルブの周回方向に関わらず一の方向から前記マークが見えるように、当該周回方向に互いに間隔を空けた位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
【請求項4】
前記ガラスバルブの一端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さと、前記ガラスバルブの他端部から延びる蛍光体層不存在領域の長さとの差が、2[mm]以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項5】
前記電極は、有底筒状であり、
少なくとも一方の前記電極の内面または外面の少なくとも一面の一部に一次粒子が単体結晶から形成され、当該単体結晶の平均粒径が1[μm]以下である酸化マグネシウムを含む蛍光ランプ用エミッタと、を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項6】
前記電極は、有底筒状であり、
少なくとも一方の前記電極は、ニッケルを母材とし、酸化イットリウムが0.1[wt%]から1.0[wt%]の範囲内で添加された電極材料からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項7】
前記ガラスバルブの内部に、アルゴンガスとネオンガスとを含む混合ガスが封入され、x−y直交座標系において、混合ガスの封入圧[Torr]をx軸上にとり、駆動電流値[mA]をy軸上にとった場合、(x,y)座標で表される点(10,10)、点(10,7.6)、点(21,6)、点(31,4)、点(49,4)、点(51,6)、点(52,8)、点(53,10)、点(10,10)を順次、線分で結んで囲まれる領域内(前記線分上を含む)に存するいずれかの点のx座標値が前記混合ガスの封入圧に、y座標値が駆動電流値に設定されており、かつ、前記混合ガスに前記アルゴンガスが20[%]以上の分圧比で含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光ランプ。
【請求項8】
筐体内に、請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光ランプを備えることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項9】
請求項8に記載のバックライトユニットを備えることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【公開番号】特開2009−200055(P2009−200055A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132114(P2009−132114)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【分割の表示】特願2008−501741(P2008−501741)の分割
【原出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】