説明

蛍光染料とポリオールを含有するヒトのケラチン物質を染色するための組成物、その方法及びその使用

【課題】特にケラチン繊維等のケラチン物質に対する良好な染色親和性、外的要因、特にシャンプーに対する良好な耐性を有し、処理される物質、特にケラチン繊維を損傷することなく、明色化を達成することが可能な組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも一の特定の蛍光染料と少なくとも一の特定のポリオールを含有する組成物、及びこれらの組成物を使用する方法及び装置に関する。同様に、少なくとも一の蛍光染料と少なくとも一の特定のポリオールを含有する組成物の、ヒトのケラチン物質、特にケラチン繊維、例えば人工的に染色された又は着色された毛髪、及び色黒の皮膚の、明色化効果を伴う染色のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、少なくとも一の特定の蛍光染料と少なくとも一の特定のポリオールを含有する組成物、及びこれらの組成物を使用する方法及び装置に関する。同様に、少なくとも一の蛍光染料と少なくとも一の特定のポリオールを含有する組成物の、ヒトのケラチン物質、特にケラチン繊維、例えば人工的に染色された又は着色された毛髪、及び色黒の皮膚の、明色化効果を伴う染色のための使用に関する。
【0002】
色黒の皮膚の個人が皮膚の色を白くすることを望む場合、この目的のために、脱色剤(bleaching agent)を含有する化粧品用又は皮膚用組成物を使用するのが一般的である。
脱色剤として最も一般的に使用されている物質は、ヒドロキノンとその誘導体、コウジ酸とその誘導体、アゼライン酸、及びアルブチンとその誘導体の単独物又は他の活性剤と組合せたものである。
しかしながらこれらの薬剤には欠点がないわけではない。特に、皮膚の脱色効果を得るためには、長期間、多量に使用する必要がある。さらに、それらを含有する組成物を適用しても、即時的効果は観察されない。
加えて、ヒドロキノンとその誘導体は、目に見えて分かるほどの脱色効果が生じるのに有効な量で使用される。特にヒドロキノンはメラノサイトに対する細胞毒性が知られている。
さらに、コウジ酸とその誘導体は高価であり、よって広く市場に流通する製品として大量に使用できないといった欠点を有する。
しかして、自然な外観の、より明るく、均質、均一な皮膚トーンを得られるようにでき、皮膚に適用した後に、満足のいく透明性を有するこれら組成物が、今なお必要とされている。
【0003】
ヘアケアの分野において、毛髪の染色には、主として2つのタイプがある。
第1は半永久的な染色すなわち直接染色であり、これは、数回の洗髪に対して耐性があり、程度の差はあれ明白な色調変化を毛髪の天然の色調に付与することを可能にする染料を使用する。これらの染料は直接染料として知られ、2つの異なる方法で使用され得る。着色は、直接染料(群)を含有する組成物を、ケラチン繊維に直接適用するか、又は酸化脱色剤、好ましくは過酸化水素水溶液を含有する組成物と、直接染料(群)を含有する組成物とで即座調製した混合物を適用することにより、実施することができる。このような方法は「明色化直接染色」と称される。
【0004】
第2は永久的染色すなわち酸化染色である。これは、使用時に、酸化物質と混合されて、酸化縮合プロセスにより着色した化合物及び染料を生じうる無色か弱く着色した化合物である「酸化」染料前駆体を用いて実施される。多くの場合、過剰な赤、オレンジ又は金色の光沢を有する色調を中和又は弱めるために、又はこれとは逆に赤、オレンジ又は金色の光沢を目立たせるために、酸化ベース及びカップラーと、一又は複数の直接染料とを組合せることが必要とされている。
【0005】
入手可能な直接染料の中で、ニトロベンゼン直接染料には十分な強度がなく、インドアミン類、キノン染料及び天然染料はケラチン繊維との親和性が低く、従って、繊維が被るであろう種々の処理、特にシャンプーに対する堅牢性が不十分な着色にしか至らない。
加えて、ヒトのケラチン繊維に対して明色化効果を得る必要性がある。この明色化は、従来的には、場合によっては一般的に過酸塩と組合せられた過酸化水素からなる酸化系を介して、毛髪のメラニンを脱色するプロセスを介して達成される。この脱色系には、ケラチン繊維を劣化させ、それらの美容特性を損なうといった欠点がある。
【特許文献1】特開2001−172120号公報
【特許文献2】特開平11−343218号公報
【0006】
本発明の目的は、上述した問題を解決する、特にケラチン繊維等のケラチン物質に対する良好な染色親和性、外的要因、特にシャンプーに対する良好な耐性を有し、処理される物質、特にケラチン繊維を損傷することなく、明色化を達成することが可能な組成物を提供することである。
しかして、驚くべきことに、また予期しないことに、特定のポリオールの存在下、蛍光染料、特にオレンジの領域を有するものを使用することで、これらの目的を達成可能であることを見出した。
【0007】
よって本発明の第1の主題は、化粧品的に許容可能な媒体に、該媒体に溶解する少なくとも一の蛍光染料、及び次の式(I):
【化1】

[上式中:
Aは1〜35の炭素原子を有し、2〜10のヘテロ原子が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和の炭化水素ベース鎖である二価の基を示し、
ないしRは互いに独立して、水素原子、C-Cアルキル基、又はC-Cモノ-又はポリヒドロキシアルキル基を示し、
nは0又は1を示す]
の、3以上の炭素原子を有し、500g/mol未満の分子量を有する少なくとも一つのポリオールを含有せしめてなる組成物にあり;該組成物は、蛍光剤として、2-[2-(4-ジアルキルアミノ)フェニルエテニル]-1-アルキルピリジニウムを含有せず、ここでピリジニウム環のアルキル基は、メチル又はエチル基を表し、ベンゼン環のアルキル基はメチル基を表し、対イオンはハロゲン化物である。
【0008】
本発明の第2の主題は、次の工程:
a)本発明の組成物を、所望の着色及び明色化がなされるのに十分な時間、ヒトのケラチン繊維に適用し、
b)場合によっては繊維をすすぎ、
c)場合によってはシャンプーで繊維を洗浄してすすぎ、
d)繊維を乾燥するか、又は乾燥するまで放置する、
ことを実施する、明色化効果を有するヒトのケラチン繊維の染色方法に関する。
【0009】
本発明の他の主題は、本発明の組成物を皮膚に適用し、ついで皮膚を乾燥させるか、又は乾燥するまで放置する、明色化効果を有する、色黒の皮膚の着色するための方法からなる。
本発明の他の主題は、化粧品的に許容可能な媒体に、該媒体に溶解する少なくとも一の蛍光染料、及び次の式(I):
【化2】

[上式中:
Aは1〜35の炭素原子を有し、2〜10のヘテロ原子が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和の炭化水素ベース鎖である二価の基を示し、
ないしRは互いに独立して、水素原子、C-Cアルキル基、又はC-Cモノ-又はポリヒドロキシアルキル基を示し、
nは0又は1を示す]
の、3以上の炭素原子を有し、500g/mol未満の分子量を有する少なくとも一つのポリオールを含有せしめてなる組成物の、明色化効果を伴うヒトのケラチン物質を染色するための使用に関する。
【0010】
本発明の組成物は、特にケラチン物質における蛍光染料の良好な固定を可能にするもので、このことは蛍光染料を単独で使用して得られる場合よりも、蛍光効果及び明色化効果が増加することに現れている。
また、結果として、洗浄又はシャンプーに対する耐性が良好であることも見出された。
しかしながら、本発明の他の特徴及び利点は、以下の記載及び実施例を読むことにより、より明らかになるであろう。
特に別の定義を示さない限りは、本明細書に与えられた値の範囲の限界値は、これらの範囲に含まれる。
【0011】
よって、先に記載したように、本発明の組成物は、化粧品的に許容可能な媒体に、該媒体に溶解する少なくとも一の蛍光染料、及び次の式(I):
【化3】

[上式中:
Aは1〜35の炭素原子を有し、2〜10のヘテロ原子(特に酸素又は窒素)が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和の炭化水素ベース鎖である二価の基を示し、
ないしRは互いに独立して、水素原子、C-Cアルキル基、又はC-Cモノ-又はポリヒドロキシアルキル基を示し、
nは0又は1を示す]
の、3以上の炭素原子を有し、500g/mol未満の分子量を有する少なくとも一つのポリオールを含有せしめてなる。
好ましくは、式(I)の二価の基Aの炭化水素ベース鎖は、ヘテロ原子を何ら含有しない。
【0012】
本発明の特に有利な一実施態様において、A基は直鎖状又は分枝状で1〜8の炭素原子を有するアルキレン基を示す。
本発明で使用され得る式(I)のポリオール類として、それらに限定されることを望むものではないが、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール(2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール)、イソプレングリコール(3-メチル-1,3-ブタンジオール)、2,3-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヘキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、3-メチル-1,3,5-ペンタントリオール、及び1,2,4-ブタントリオールの単独物又は混合物を挙げることができる。
本発明の式(I)のポリオール(類)は、組成物の全重量に対して約0.01重量%〜約30重量%、特に約0.1重量%〜約20重量%、好ましくは約0.5重量%〜約10重量%である。
【0013】
本発明の組成物は少なくとも一の蛍光染料をさらに含有する。
本発明の目的に対して、「蛍光染料」なる用語は、それ自体で着色させる分子である染料と、可視スペクトルと、場合によっては紫外線スペクトル(360〜760ナノメートルの範囲の波長)の光を吸収するが、標準的な染料とは異なり、スペクトルの可視領域で放たれるより長い波長の蛍光に、吸収したエネルギーを転換する染料を意味する。
【0014】
本発明の蛍光染料は、蛍光増白剤とは区別される。増白剤(ブライトナー)、蛍光ブライトナー、蛍光増白剤、蛍光白色化剤(fluorescent whitening agents)、ホワイトナー(whiteners)又は蛍光ホワイトナーとしても知られている蛍光増白剤は、無色透明の化合物であり、可視領域の光を吸収せず、紫外線領域(200〜400ナノメートルの範囲の波長)のみを吸収し、吸収されたエネルギーをスペクトルの可視領域で放たれたより長い波長の蛍光に転換するため、染色はしない;色の印象は、主として青色(400〜500ナノメートルの範囲の波長)の純粋な蛍光のみから生じる。
最後に、組成物に使用される蛍光染料は、組成物の媒体に溶解する。蛍光染料は、それ自体組成物の媒体に不溶の蛍光顔料とは区別されることは注目すべきである。
【0015】
特に、本発明で使用される中和されていてもよい蛍光染料は、15〜25℃の温度で、少なくとも0.001g/l、特に少なくとも0.5g/l、好ましくは少なくとも1g/l、一実施態様においてさらに好ましくは少なくとも5g/l、組成物の媒体に溶解する。
さらに本発明の特徴の一つにおいて、組成物は、蛍光剤として、2-[2-(4-ジアルキルアミノ)フェニルエテニル]-1-アルキルピリジニウムを含有せず、ここでピリジニウム環のアルキル基は、メチル又はエチル基を表し、ベンゼン環のアルキル基はメチル基を表し、対イオンはハロゲン化物である。
【0016】
本発明の特定の実施態様において、組成物は、蛍光染料として、アゾ、アゾメチン又はメチンモノカチオン性複素環蛍光染料から選択される化合物を含有しない。
本発明で好ましく使用される蛍光染料は、オレンジの領域の染料である。
好ましくは、本発明の蛍光染料は、500〜650ナノメートルの範囲の波長、好ましくは550〜620ナノメートルの範囲の波長において最大反射率を至らしめる。
【0017】
本発明の蛍光染料のいくつかは、それ自体公知の化合物である。
使用され得る蛍光染料の例としては、次のファミリー:ナフタルイミド類;カチオン性又は非カチオン性クマリン類(coumarins);キサンテノジキノリジン類(例えば特にスルホローダミン類);アザキサンテン類;ナフトラクタム類;アズラクトン類;オキサジン類;チアジン類;ジオキサジン類;アゾ、アゾメチン又はメチン型のポリカチオン性蛍光着色料の単独物又は混合物、好ましくは次のファミリー:ナフタルイミド類;カチオン性又は非カチオン性クマリン類;アザキサンテン類;ナフトラクタム類;アズラクトン類;オキサジン類;チアジン類;ジオキサジン類;アゾ、アゾメチン又はメチン型のポリカチオン性蛍光着色料の単独物又は混合物に属する蛍光染料を挙げることができる。
【0018】
上述した染料として、特に:
− 次の構造:
【化4】

を有し、サンド社(Sandoz)から販売されているブリリアントイエローB6GL;
− 次の構造:
【化5】

を有し、プロラボ社(Prolabo)、アルドリッチ社(Aldrich)又はカルロ・エルバ社(Carlo Erba)から販売されている、ベイシックイエロー2又はオーラミンO、
4,4'-(イミドカルボニル)ビス(N,N-ジメチルアニリン)モノヒドロクロリド-CAS No.2465-27-2;
を挙げることができる。
【0019】
また、次の式:
【化6】

[上式中:
及びRは同一でも異なっていてもよく:
・水素原子;
・少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜10の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;
・アリール又はアリールアルキル基であって、アリール基が6つの炭素原子を有し、アルキル基が1〜4の炭素原子を有し;アリール基が、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する一又は複数の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよいもの;
を表し;
・またR及びRは、窒素原子と共に複素環を形成するように結合していてもよく、また一又は複数の他のヘテロ原子を有していてもよく、ここで複素環は、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、好ましくは1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよく;
・さらにR又はRは、窒素原子、及び該窒素原子を担持するフェニル基の炭素原子の一つを有する複素環に含まれていてもよく;
及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子又は1〜4の炭素原子を有するアルキル基を表し;
は同一でも異なっていてもよく、少なくとも一のヘテロ原子が挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基、ハロゲン原子又は水素原子を表し;
は同一でも異なっていてもよく、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を担持する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;ハロゲン原子;水素原子を表し;
Xは:
・少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、2〜14の炭素原子を有するアルケニル基、又は1〜14の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;
・少なくとも一のハロゲン原子;少なくとも一のヘテロ原子で置換されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアミノアルキル基;少なくとも一のヘテロ原子で置換されていてもよい、1〜14の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよい、5-又は6員の複素環基;
・少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を担持する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜10の炭素原子を有する少なくとも一のアルキル基、又は少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基(類)、1〜4の炭素原子を有するアルキル基で離間していてもよい縮合又は非縮合の芳香族又は二芳香族基;
・ジカルボニル基;
を表し、
・またX基は一又は複数のカチオン電荷を担持可能であり;
aは0又は1と等しく;
は同一でも異なっていてもよく、有機又は無機アニオンを表し;
nは、少なくとも2に等しく、多くとも蛍光化合物に存在するカチオン電荷の数に等しい整数である]
を有する化合物を挙げることもできる。
【0020】
「へテロ原子」なる用語は、酸素又は窒素原子を表すことを想起すべきである。
このような原子を担持する基としては、とりわけヒドロキシル、アルコキシ、カルボニル、アミノ、アンモニウム、アミド(-N-CO-)及びカルボキシル(-O-CO-又は-CO-O-)基を挙げることができる。
アルケニル基に関し、それらは一又は複数の不飽和炭素-炭素結合(-C=C-)、好ましくは単一の炭素-炭素二重結合のみを有する。
【0021】
この一般式において、R及びRは同一でも異なっていてもよく、特に:
・水素原子;
・少なくとも一のヒドロキシル、アミノ又はアンモニウム基、又は塩素もしくはフッ素原子で置換されていてもよく、又は酸素原子が挿入されていてもよい、1〜10の炭素原子、特に1〜6の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有するアルキル基;
・1〜4の炭素原子、好ましくは1又は2の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基で置換されていてもよいベンジル又はフェニル基;
・窒素原子と共に、窒素及び/又は酸素原子、及び/又は窒素及び/又は酸素原子を担持する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよい、ピロロ、ピロリジノ、イミダゾリノ、イミダゾロ、イミダゾリウム、ピラゾリノ、ピペラジノ、モルホリノ、モルホロ、ピラゾロ又はトリアゾロ型の複素環基;
を表す。
【0022】
上述したアミノ又はアンモニウム基に関し、窒素原子により担持される基は同一でも異なっていてもよく、特に水素原子、C-C10、好ましくはC-Cアルキル基又はアリールアルキル基を表し、特にアリール基は6の炭素原子を有し、アルキル基は1〜10の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有する。
本発明の有利な一実施態様において、R及びR基は同一でも異なっていてもよく、水素原子;直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基;ヒドロキシル基で置換されていてもよいC-Cアルキル基;アミノ又はアンモニウム基を担持するC-Cアルキル基;C-Cクロロアルキル基;酸素原子又は酸素原子を担持する基(例えばエステル)が挿入されたC-Cアルキル基;芳香族基、例えばフェニル、ベンジル又は4-メチルフェニル;複素環基、例えばピロロ、ピロリジノ、イミダゾロ、イミダゾリノ、イミダゾリウム、ピペラジノ、モルホロ、モルホリノ、ピラゾロ又はトリアゾロ基で、少なくとも一のC-Cアルキル又は芳香族基で置換されていてもよいものを表す。
好ましくは、R及びR基は同一でも異なっていてもよく、水素原子、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基、例えばメチル、エチル、n-ブチル又はn-プロピル基;2-ヒドロキシエチル;アルキルトリメチルアンモニウム又はアルキルトリエチルアンモニウム基で、アルキル基が直鎖状のC-Cアルキル基であるもの;(ジ)アルキルメチルアミノ又は(ジ)アルキルエチルアミノ基で、アルキル基が直鎖状のC-Cアルキル基であるもの;-CHCHCl;-(CH)-OCH又は-(CH)-OCHCHでnが2〜6の範囲の整数であるもの;-CHCH-OCOCH;-CHCHCOOCHを表す。
【0023】
好ましくは、R及びR基は同一でも異なっていてもよいが、好ましくは同一であり、メチル基又はエチル基を表す。
及びR基は同一でも異なっていてもよく、ピロリジノ、3-アミノピロリジノ、3-(ジメチル)アミノピロリジノ、3-(トリメチル)アミノピロリジノ、2,5-ジメチルピロロ、1H-イミダゾロ、4-メチルピペラジノ、4-ベンジルピペラジノ、モルホロ、3,5-(tert-ブチル)-1H-ピラゾロ、1H-ピラゾロ又は1H-1,2,4-トリアゾロ型の複素環基を表してもよい。
及びR基は同一でも異なっていてもよく、次の式(I)及び(II):
【化7】

[上式中、R'は水素原子、又はC-Cアルキル基、-CHCHOH、-CHCHOCHを表す]
の複素環を表し、これを形成するように結合しうる。
【0024】
本発明の特定の実施態様において、Rは同一でも異なっていてもよく、水素原子、フッ素又は塩素原子、又は酸素又は窒素原子が挿入されていてもよい1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基を表す。
置換基が水素以外である場合、有利には、R及びR基で置換された窒素原子を担持する環の炭素に対して3及び/又は5位、好ましくは該炭素に対して3位にあることに注目される。
有利には、R基は同一でも異なっていてもよく、水素原子;直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基;-O-R51でR51が直鎖状のC-Cアルキル基を表すもの;-R52-O-CHでR52が直鎖状のC-Cアルキル基を表すもの;-R53-N(R54)でR53が直鎖状のC-Cアルキル基を表し、R54は同一でも異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表すもの、を表す。
好ましくは、Rは同一でも異なっていてもよく、水素、メチル又はメトキシを表し、さらに好ましくは、Rは水素原子を表す。
【0025】
特定の一実施態様において、R基は同一でも異なっていてもよく、水素原子;直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基;-Xで、Xが塩素、臭素又はフッ素原子を表すもの;-R61-O-R62で、R61が直鎖状のC-Cアルキル基を表し、R62がメチル基を表すもの;-R63-N(R64)でR63が直鎖状のC-Cアルキル基を表し、R64は同一でも異なっていてもよく、水素原子又はメチル基を表すもの;-N(R65)で、R65は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は直鎖状のC-Cアルキル基を表すもの;-NHCOR66で、R66がC-Cアルキル基、C-Cクロロアルキル基を表すもの、基-R67-NH又は-R67-NH(CH)又は-R67-N(CH)又は-R67-N(CH)又は-R67-N(CHCH)で、R67がC-Cアルキル基を表すもの、を表す。
置換基が水素以外である場合、好ましくは、ピリジニウム環の窒素原子に対して2及び/又は4位、さらに好ましくは該窒素原子に対して4位にあることに注目される。
特に、これらのR基は同一でも異なっていてもよく、水素原子、又はメチル又はエチル基を表し、Rは好ましくは水素原子を表す。
【0026】
及びR基に関し、これらの基は同一でも異なっていてもよく、有利には、水素原子、又は1〜4の炭素原子を有するアルキル基、特にメチル基を表す。好ましくは、R及びRは互いに水素原子を表す。
【0027】
上述したように、Xは:
・少なくとも一のハロゲン原子、少なくとも一のヘテロ原子を担持する少なくとも一の基、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい直鎖状又は分枝状で2〜14の炭素原子を有するアルケニル基、又は1〜14の炭素原子を有するアルキル基;
・少なくとも一のハロゲン原子;少なくとも一のヘテロ原子で置換されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアミノアルキル基、1〜14の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよい、5-又は6員の複素環基;
・少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を担持する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜10の炭素原子を有する少なくとも一のアルキル基、又は少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基(類)、1〜4の炭素原子を有するアルキル基で離間していてもよい縮合又は非縮合の芳香族又は二芳香族基;
・ジカルボニル基;
を表す。
さらに、X基は一又は複数のカチオン電荷を担持可能であることが示される。
【0028】
よって、Xは、直鎖状又は分枝状で1〜14の炭素原子を有するアルキル基、又は2〜14の炭素原子を有するアルケニル基を表してよく、一又は複数の酸素及び/又は窒素原子、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子を担持する一又は複数の基、及び/又はフッ素又は塩素原子が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい。
この種の基として、特にヒドロキシル、アルコキシ(特にC-Cアルキル型のR基を有する)、アミノ、アンモニウム、アミド、カルボニル及びカルボキシル基(-COO-又は-O-CO-)で、特にアルキルオキシ型の基を有するものを挙げることができる。
窒素原子が存在する場合、それは第4級化又は第4級化されていない形態であってもよいことを記すべきである。この場合、他の基、又は第4級化又は第4級化されていない窒素原子により担持される他の2つの基は同一又は異なっており、水素原子、又はC-Cアルキル基、好ましくはメチルであってよい。
【0029】
他の変形例において、X基は、ハロゲン原子、又は少なくとも一のへテロ原子を有する基(好ましくはヒドロキシル基)で置換されていてもよい1〜10の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアミノアルキル基;1〜14の炭素原子、特に1〜10の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよい、イミダゾロ、ピラゾロ、トリアジノ又はピリジノ型の5-又は6員の複素環基を表す。アミノ基は、好ましくは複素環に結合していることを記載すべきである。
【0030】
他の可能性において、X基は、少なくとも一の酸素及び/又は窒素原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基(例えば、カルボニル、カルボキシル、アミド、アミノ又はアンモニウム基)が挿入されていてもよく、1〜10の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有する少なくとも一のアルキル基、及び/又は少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基(類)、1〜4の炭素原子を有するアルキル基で離間していてもよい縮合又は非縮合の二芳香族基(特に10〜12の炭素原子を有するもの)、又は芳香族基(特に6つの炭素原子を有するもの)を表す。
【0031】
芳香族基、好ましくはフェニル基は1,2、1,3又は1,4基、好ましくは1,3及び1,4位の結合を介して、CR基に結合していることを記すべきである。1,4位における結合を介して結合したフェニル基が、一又は二の置換基を担持しているならば、これ又はこれらの置換基(類)は、好ましくはCR基の一つに対して、1,4位に位置している。1,3位における結合を介して結合したフェニル基が、一又は二の置換基を担持しているならば、後者は、好ましくはCR基の一つに対して、1及び/又は3位に位置している。
基が二芳香族である場合、それは、好ましくは非縮合であり、単結合(すなわち2つの環の互いの炭素)、又はアルキル基、好ましくはCH又はC(CH)型のもので離間可能な2つのフェニル基を有する。好ましくは、芳香族環は置換基を担持しない。前記二芳香族基は4,4'位における結合を介して、CR基に結合していることを記すべきである。
【0032】
適切なX基の例としては、特に1〜13の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、ペンチレン及びヘキシレン;2-ヒドロキシプロピレン及び2-ヒドロキシ-n-ブチレン;-CHCHOCHCH-、1,6-ジデオキシ-d-マンニトール、-CH(CH)CH-、-CHCH(CH)-(CH)(CH)-CHCH-、CO-CO-、3,3-ジメチルペンチレン、2-アセトキシエチレン、ブチレン-1,2,3,4-テトラオール等の、少なくとも一のヘテロ原子を担持する基(例えば、ヒドロキシル、アミノ、アンモニウム、カルボニル又はカルボキシル)、及び/又は一又は複数の窒素及び/又は酸素原子で置換されるか及び/又は挿入されたC-C13アルキレン基;-CH=CH-;1,4-フェニレン、1,3-フェニレン、1,2-フェニレン、2,6-フルオロベンゼン、4,4'-ビフェニレン、1,3-(5-メチルベンゼン)、1,2-ビス(2-メトキシ)ベンゼン、ビス(4-フェニル)メタン、3,4-安息香酸メチル及び1,4-ビス(アミドメチル)フェニル等の、一又は複数のハロゲン原子及び/又は少なくとも一のヘテロ原子を担持する一又は複数の基、及び/又は一又は複数のアルキル基で置換された芳香族又は二芳香族基;複素環型の基、例えばピリジン、又は2,6-ビスピリジン、イミダゾール、イミダゾリウム又はトリアジン等の誘導体を挙げることができる。
【0033】
本発明の特定の実施態様において、Xは、直鎖状又は分枝状のC-C13アルキル基;-CHCH(OH)CH-;-CHCH(Cl)CH-;-CHCH-OCOCH-;-CHCHCOOCH-;Raが直鎖状のC-Cアルキル基を表し、Rbが直鎖状のC-Cアルキル基を表す-Ra-O-Rb-;RcがC-Cアルキル基を表し、Rdが水素原子又はC-Cアルキル基を表し、ReがC-Cアルキル基を表す-Rc-N(Rd)-Re-;Rfが直鎖状のC-Cアルキル基を表し、Rgは好ましくは同一であり、C-Cアルキル基を表し、Rhが直鎖状のC-Cアルキル基を表す-Rf-N(Rg)-Rh-;-CO-CO-を表す。
【0034】
Xは、次の式:
【化8】

[上式中、Ri及びRjは同一でも異なっていてもよく、直鎖状のC-Cアルキル基を表す]
の二価の基等の、1〜14の炭素原子、特に1〜10の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有する少なくとも一のアルキル基で置換されていてもよいイミダゾール基をさらに表し得る。
同様に、Xは次の:
【化9】

二価のトリアジンベース基からも選択され得る。
他の可能性において、Xは次の:
【化10】

二価の芳香族基を表してもよい。
【0035】
これらの蛍光化合物の一般式において、Yは有機又は無機アニオンを表す。いくつかのアニオンYが存在するならば、これらのアニオンは同一でも異なっていてもよい。
無機由来のアニオンとしては、これらに限定されることを望むわけではないが、ハロゲン原子から誘導されるアニオン、好ましくは塩化物、又はヨウ化物、スルファート類又はビスルファート類、ニトラート類、ホスファート類、リン酸水素、二水素リン酸塩、炭酸塩及び重炭酸塩を挙げることができる。
有機由来のアニオンとしては、ハロゲン原子、又は少なくとも一のヒドロキシル又はアミノ基で置換されていてもよい、飽和又は不飽和で芳香族又は非芳香族のモノカルボン酸又はポリカルボン酸、スルホン酸又は硫酸の塩から誘導されるアニオンを挙げることができる。使用に適した非限定的例には、アセタート類、ヒドロキシアセタート類、アミノアセタート類、(トリ)クロロアセタート類、ベンゾキシアセタート類、プロピオナート類、及び塩素原子を担持する誘導体、フマラート類、オキサラート類、アクリラート類、マロナート類、スクシナート類、ラクタート類、タルトラート類、グリコラート類、シトラート類、安息香酸塩及びメチル又はアミノ基を担持する誘導体、アルキルスルファート類、トシラート類、ベンゼンスルホナート類、トルエンスルホナート類等が含まれる。
好ましくは、アニオンYは同一でも異なっていてもよく、塩化物、スルファート、メトスルファート及びエトスルファートから選択される。
【0036】
最後に、整数nは少なくとも2であり、多くとも蛍光化合物に存在するカチオン電荷の数に等しい整数である。
好ましくは、詳細に記載されている蛍光化合物は、対称化合物である。
これらの化合物は、第1工程において、トリルスルホニル又はメタンスルホニル型の基、又はハロゲン原子、好ましくは臭素、場合によっては塩素から選択され得る2つの脱離基を有する試薬と、α-ピコリンを反応させることにより合成され得る。
この第1工程は、ジメチルホルムアミド等の必須ではない溶媒の存在下でなされる。
α-ピコリンのモル数は、一般的に、脱離基を有する試薬1モル当たり2の範囲である。
加えて、反応は、溶媒が存在する場合は溶媒の、及び/又は試薬の還流温度で通常なされる。
ついで、この第1工程で誘導された生成物を、次の式:
【化11】

[上式中、R、R及びRは上述した同様の意味を有する]
の対応するアルデヒドと接触させる。
【0037】
このケースにおいて、反応は、適切な溶媒の存在下、好ましくは還流点で実施されてもよい。
アルデヒドのR及びR基は、先に詳述した一般式に示した意味を有することを記すべきである。
また、前記基が水素原子を表すアルデヒドを使用し、標準的な方法に従い、一般式に記載されたような適切な基によるこれら水素原子の置換を、第2工程で完了させることができる。
米国特許第4256458号に記載された合成法が、特に参照される。
【0038】
本発明の組成物に存在する蛍光染料(群)は、組成物の全重量に対して、約0.01重量%〜20重量%、有利には0.05重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%である。
【0039】
化粧品的に許容可能な媒体は、一般的に水、又は一又は複数の一般的な有機溶媒と水との混合物からなる。
使用に適した有機溶媒としては、特にアルコール類、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール、又はグリコール類又はグリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、モノエチルエーテル又はモノブチルエーテル、プロピレングリコール及びそのエーテル、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール及びジエチレングリコールアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル又はモノブチルエーテル、又はポリオール類、例えばグリセロールを挙げることができる。ポリエチレングリコール類及びポリプロピレングリコール類、及びこれら全ての化合物の混合物が溶媒として使用され得る。
上述した一般的な溶媒は、それが存在するならば、組成物の全重量に対して、一般的に1重量%〜40重量%、より好ましくは5重量%〜30重量%である。
【0040】
本発明の組成物のpHは、一般的に約3〜12、好ましくは約5〜11である。
それは、当該分野、特にヒトのケラチン繊維を染色するために一般的に使用される酸性化剤又は塩基性化剤を用いて所望の値に調節することができる。
挙げることのできる酸性化剤の例には、無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸、及びスルホン酸が含まれる。
挙げることのできる塩基性化剤の例には、例えば、アンモニア水、アルカリ性炭酸塩類、アルカノールアミン類、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンとその誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び次の式(A):
【化12】

[ここで、Wは、C-Cアルキル基又はヒドロキシル基で置換されていてもよいプロピレン残基であり;R、R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子、又はC-Cアルキル基又はC-Cヒドロキシアルキル基を表す]
の化合物が含まれる。
【0041】
本発明の特定の一実施態様において、組成物は蛍光染料(群)に加えて、例えばニトロベンゼン染料から選択され得る、非イオン性、カチオン性又はアニオン性の、一又は複数の付加的な非蛍光直接染料をさらに含有していてもよい。
次の赤又はオレンジのニトロベンゼン直接染料:
− 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-N-(γ-ヒドロキシプロピル)アミノベンゼン、
− N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン、
− 1-アミノ-3-メチル-4-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-6-ニトロベンゼン、
− 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、
− 1,4-ジアミノ-2−ニトロベンゼン、
− 1-アミノ-2-ニトロ-4-メチルアミノベンゼン、
− N-(β-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-パラ-フェニレンジアミン、
− 1-アミノ-2-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-5-クロロベンゼン、
− 2-ニトロ-4-アミノジフェニルアミン、
− 1-アミノ-3-ニトロ-6-ヒドロキシベンゼン、
− 1-(β-アミノエチル)アミノ-2-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、
− 1-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)オキシ-3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、
− 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン、
− 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン、
− 1-メトキシ-3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、
− 2-ニトロ-4'-ヒドロキシジフェニルアミン、及び
− 1-アミノ-2-ニトロ-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン、
が特に適切に使用される。
【0042】
本発明の組成物は、これらのニトロベンゼン染料に加えて又は置き換えて、黄、緑-黄、青又は紫色のニトロベンゼン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、ベンゾキノン染料、インジゴイド染料、又はトリアリールメタンベース染料から選択される一又は複数の付加的な直接染料をさらに含有してもよい。
これらの付加的な直接染料は、特に、「ベイシックブラウン16」、「ベイシックブラウン17」、「ベイシックイエロー57」、「ベイシックレッド76」、「ベイシックバイオレット10」、「ベイシックブルー26」及び「ベイシックブルー99」の名称で、色指数(Color Index)、第3版で知られている染料を挙げることのできる塩基性染料、又は特に、「アシッドオレンジ7」、「アシッドオレンジ24」、「アシッドイエロー36」、「アシッドレッド33」、「アシッドレッド184」、「アシッドブラック2」、「アシッドバイオレット43」及び「アシッドブルー62」の名称で、色指数、第3版で知られている染料を挙げることのできる酸性直接染料、又はカチオン性直接染料、例えばその内容が本発明の主要部分を形成する国際公開第95/01772号、国際公開第95/15144号及び欧州特許公開第714954号に記載されているものであってもよい。
【0043】
付加的な、黄及び黄-緑ニトロベンゼン直接染料として、例えば:
− 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン、
− 1-メチルアミノ-2-ニトロ-5-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)オキシベンゼン、
− 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メトキシ-4-ニトロベンゼン、
− 1-(β-アミノエチル)アミノ-2-ニトロ-5-メトキシベンゼン、
− 1,3-ジ(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-ニトロ-6-クロロベンゼン、
− 1-アミノ-2-ニトロ-6-メチルベンゼン、
− 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-ニトロベンゼン、
− N-(β-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-4-トリフルオロメチルアニリン、
− 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンゼンスルホン酸、
− 4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸、
− 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロクロロベンゼン、
− 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロメチルベンゼン、
− 4-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)アミノ-3-ニトロトリフルオロメチルベンゼン、
− 1-(β-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、
− 1,3-ジアミノ-4-ニトロベンゼン、
− 1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン、
− 1-アミノ-2-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ-5-ニトロベンゼン、
− 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、及び
− 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンズアミド、
から選択される化合物を挙げることができる。
【0044】
付加的な、青又は紫色のニトロベンゼン直接染料としては、例えば:
− 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
− 1-(γ-ヒドロキシプロピル)アミノ-4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
− 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-(N-メチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
− 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-(N-エチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
− 1-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)アミノ-4-(N-エチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
− 次の式:
【化13】

[上式中:
− Rは、C-Cアルキル基、又はβ-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル又はγ-ヒドロキシプロピル基を表し;
− R及びRは同一でも異なっていてもよく、β-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル、γ-ヒドロキシプロピル又はβ,γ-ジヒドロキシプロピル基を表し、R、R又はR基の少なくとも一はγ-ヒドロキシプロピル基を表し、Rがγ-ヒドロキシプロピル基である場合、R及びRは同時にはβ-ヒドロキシエチル基を示すことができない]
の2-ニトロ-パラ-フェニレンジアミン類、例えば仏国特許第2692572号に記載されているものから選択される化合物を挙げることができる。
【0045】
付加的な直接染料(群)が存在する場合、それらは、この重量に対して約0.0005重量%〜12重量%、さらにより好ましくはこの重量に対して約0.005重量%〜6重量%を占める。
酸化染色を意図している場合、本発明の組成物は、蛍光化合物(群)に加えて、酸化染色に従来から使用されている酸化ベースから選択される、少なくとも一の酸化ベースを含有しており、酸化ベースとしては、特にパラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類及び複素環ベース、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩を挙げることができる。
【0046】
パラ-フェニレンジアミン類としては、例えばパラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、及び4'-アミノフェニル-1-(3-ヒドロキシ)ピロリジン、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩を特に挙げることができる。
【0047】
上述したパラ-フェニレンジアミン類の中でも、最も好ましいものは、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、及び2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩である。
【0048】
ビス(フェニル)アルキレンジアミン類としては、例えばN,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン、及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩を特に挙げることができる。
【0049】
パラ-アミノフェノール類としては、例えばパラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、及び4-アミノ-2-フルオロフェノール、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩を特に挙げることができる。
オルト-アミノフェノール類としては、例えば2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、及び5-アセトアミド-2-アミノフェノール、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩を挙げることができる。
複素環ベースとしては、特にピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩を挙げることができる。
酸化ベース(類)が使用される場合、それらは、組成物の全重量に対して0.0005〜12重量%、好ましくは0.005〜6重量%である。
【0050】
本発明の化粧品用組成物が酸化染色を意図している場合、それらは蛍光染料及び酸化ベースに加えて、蛍光染料及び酸化ベース(類)を使用して得られた色調を変化させ、又は光沢に富ませるために、少なくとも一のカップラーをさらに含有してよい。
本発明の化粧品用組成物に使用され得るカップラーは、酸化染色において従来から使用されているカップラーから選択することができ、このようなものとしては、特にメタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、及び複素環カップラー、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩を挙げることができる。
【0051】
これらのカップラーは、特に2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、セサモール、α-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール、及び6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンズイミダゾール、及びそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩から選択される。
カップラー(類)が存在する場合、それらは、組成物の全重量に対して、通常0.0001重量%〜10重量%、好ましくは0.005重量%〜5重量%である。
【0052】
一般的に、本発明の組成物において使用され得る(酸化ベース及びカップラーとの)酸付加塩は、特に塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、乳酸塩及び酢酸塩から選択される。
本発明の組成物に使用され得る(酸化ベース及びカップラーとの)アルカリ剤との付加塩は、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属、アンモニア、アルカノールアミン類を含む有機アミン類、及び式(A)の化合物との付加塩から選択される。
【0053】
また本発明の組成物は、従来から使用されている種々のアジュバント、例えばアニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性の界面活性剤又はその混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性のポリマー類又はその混合物、無機又は有機増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、バッファー、分散剤、コンディショナー、例えば、カチオン、カチオン性又は両性のポリマー、変性もしくは未変性で揮発性もしくは非揮発性のシリコーン類、皮膜形成剤、セラミド類、防腐剤、安定剤及び乳白剤をさらに含有してもよい。
【0054】
特に好ましく使用される増粘剤は、当業者によく知られており、特に非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性の会合性ポリマーをベースにした増粘系である。
好ましくは非イオン性、アニオン性又は両性型の一又は複数の界面活性剤が存在する場合、それらの含有量は、組成物の全重量に対して0.01重量%〜30重量%である。
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の組成物に固有の有利な特性が、考慮される添加により悪影響を受けないか、又は実質的に受けないないように留意して、これ又はこれらの任意の付加的な化合物(類)を選択するであろう。
【0055】
本発明の組成物は、種々の形態、例えば、液体、シャンプー、クリーム又はゲル、又は任意の他の適切な形態であり得る。
本発明の好ましい実施態様において、本発明の組成物は明色化染色シャンプーの形態をしている。
【0056】
本発明の組成物において、場合によっては、一又は複数のカップラーの存在下、一又は複数の酸化ベースが使用される場合、又は明色化直接染色において蛍光染料(群)が使用される場合、本発明の組成物は、過酸化水素、過酸化尿素、臭素酸アルカリ金属塩、過ホウ酸塩及び過硫酸塩等の過酸塩、二電子又は四電子オキシドレダクターゼ及びペルオキシダーゼ等の酵素から選択される少なくとも一の酸化剤をさらに含有し得る。過酸化水素又は酵素の使用が特に好ましい。
【0057】
また本発明の主題は、化粧品的に許容可能な媒体に、該媒体に溶解する少なくとも一の蛍光染料、及び次の式(I):
【化14】

[上式中:
Aは1〜35の炭素原子を有し、2〜10のヘテロ原子が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和の炭化水素ベース鎖である二価の基を示し、
ないしRは互いに独立して、水素原子、C-Cアルキル基、又はC-Cモノ-又はポリヒドロキシアルキル基を示し、
nは0又は1を示す]
の、3以上の炭素原子を有し、500g/mol未満の分子量を有する少なくとも一つのポリオールを含有せしめてなる組成物の、明色化効果を伴うヒトのケラチン物質を染色するための使用にある。
この使用において、蛍光化合物は、次のファミリー:ナフタルイミド類;カチオン性又は非カチオン性クマリン類;キサンテノジキノリジン類(特に例えばスルホローダミン類);アザキサンテン類;ナフトラクタム類;アズラクトン類;オキサジン類;チアジン類;ジオキサジン類;アゾ、アゾメチン又はメチン型のモノカチオン性又はポリカチオン性蛍光着色料の単独物又は混合物に属する蛍光化合物から選択され得る。
【0058】
特に挙げることのできる化合物には、既に先に詳述されている式F1、F2及びF3の化合物が含まれる。
同様に、次の構造(F4):
【化15】

[上式中、Rはメチル又はエチル基を表し;R'はメチル基を表し、Xは塩化物、ヨウ化物、スルファート、メトスルファート、アセタート又はペルクロラート等のアニオンを表す]
の化合物を使用することができる。この種の化合物の例としては、Rがエチル基を表し、R'がメチル基を表し、Xがヨウ化物を表す、ユビケム社(Ubichem)から販売されている感光性染料NK-557を挙げることができる。
【0059】
組成物に存在する種々の添加剤の性質及び含有量に関して上述した全ては有効であり、この部分では繰り返さない。
本発明において、「ヒトのケラチン物質」なる用語は、皮膚、毛髪、爪、睫毛及び眉毛、特に色黒の皮膚および人工的に染色された又は着色された毛髪を意味する。
本発明の目的において、「色黒の皮膚」なる用語は、CIEL L系で測定される明度Lが45以下、好ましくは40以下である皮膚を意味し、ここで、L=0は黒に等価であり、L=100は白に等価である。この明度に対応する皮膚タイプは、アフリカ人の皮膚、アフリカ系アメリカ人の皮膚、スペイン系アメリカ人の皮膚、インド人の皮膚及び北アフリカ人の皮膚である。
本発明の目的において、「人工的に染色された又は着色された毛髪」なる表現は、そのトーン高さが6(ダークブロンド)以下、好ましくは4(チェスナットブラウン)以下である毛髪を意味する。
【0060】
毛髪の明色化は、明色化の程度又はレベルを特徴付ける「トーン高さ」により評価される。「トーン」という概念は、一つのトーンが各色調をその直前又は直後の色調から分離する天然の色調の分類に基づいている。天然の色調のこの定義と分類は、ヘアスタイリング専門家にはよく知られており、Charles Zviak 1988, Masson, pp.215及び278の文献「Sciences des Traitements capillaires[Hair treatment sciences]」に公表されている。
トーン高さは1(黒)〜10(ライトブロンド)の範囲であり、一単位が一トーンに相当し;数字が高くなればなる程、色調は明るくなる。
【0061】
本発明の他の主題は、次の工程:
a)本発明の組成物を、所望の着色及び明色化がなされるのに十分な時間、ヒトのケラチン繊維に適用し、
b)場合によっては該繊維をすすぎ、
c)場合によってはシャンプーで該繊維を洗浄してすすぎ、
d)繊維を乾燥するか、又は乾燥するまで放置する、
ことを実施する、明色化効果を有するヒトのケラチン繊維の染色方法に関する。
【0062】
本発明の主題は、上述した組成物を皮膚に適用し、ついで皮膚を乾燥させるか、又は乾燥するまで放置する、明色化効果を有する、色黒の皮膚の着色するための方法にある。
組成物に存在する種々の添加剤の性質及び含有量に関して上述した全ては有効であり、この部分では繰り返さない。
特に本発明の方法は、ヒトのケラチン繊維、特に染色された又は着色された毛髪、又は色黒の皮膚を処理するのに適している。
特に、本発明の方法で有利に処理され得る繊維は、6(ダークブロンド)以下、好ましくは4(チェスナットブラウン)以下のトーン高さを有する。
さらに、本発明で処理可能な色黒の皮膚は、CIEL L系で測定されて45以下、好ましくは40以下の明度Lを有する。
【0063】
本発明の第1の実施態様において、明色化効果を伴う繊維の染色方法は、酸化剤の非存在下、酸化染料又はカップラーを含有しない組成物を用いて実施される。
本発明の第2の実施態様において、明色化効果を伴う繊維の染色方法は、酸化染料又はカップラーを含有しない組成物を用いるが、酸化剤(類)の存在下で実施される。
【0064】
本発明のこれらの染色方法の第1の変形例では、上述した少なくとも一の組成物を、所望の着色及び明色化がなされるの十分な時間、繊維、特に毛髪に適用し、ついで毛髪をすすぎ、場合によってはシャンプーで洗浄し、再度すすいで乾燥させる。
本発明におけるこれらの染色方法の第2の変形例は、上述した少なくとも一の組成物を、最終的なすすぎをすることなく、所望の着色又は明色化がなされるのに十分な時間、繊維、特に毛髪に適用する。
本発明の染色方法の第3の変形例において、該染色方法は、一方では、蛍光染料及び特定のポリオールに加えて、場合によっては少なくとも一の酸化ベース及び/又はカップラーを含有する組成物、他方では、化粧品的に許容可能な媒体に、少なくとも一の酸化剤を含有せしめてなる組成物を別々に保管し、ついで、使用時にそれらを混合することからなる予備工程を含み、ついで、該混合物を所望する着色がなされるのに十分な時間ケラチン繊維、特に毛髪に適用し、その後繊維をすすぎ、場合によってはシャンプーで洗浄し、再度すすいで乾燥させる。
【0065】
繊維、特に毛髪を着色し、また明色化効果を得るのに必要な時間は、約5〜60分、特に約5〜約40分である。
着色し、明色化効果を得るのに必要な温度は、一般的に室温(15〜25℃)〜80℃、特に15〜40℃である。
【0066】
本発明の他の主題は、本発明の組成物を収容している少なくとも一の区画と、少なくとも一の酸化剤を含有する組成物を収容している少なくとも一の他の区画を具備する、ケラチン繊維、特に毛髪を染色するための多区画具にある。この多区画具は、繊維に所望の混合物を塗布可能な手段を具備したもの、例えば仏国特許第2586913号に記載されている多区画具であってよい。
【0067】
本発明の組成物がケラチン繊維、例えばチェスナットブラウンの毛髪の処理に使用されるならば、該組成物により次の結果が達成可能であることを記しておくべきである:
400〜700ナノメートルの範囲の波長の可視光線を放射した場合の毛髪の反射率を測定し、波長の関数としての反射率曲線を、本発明の組成物で処理された毛髪と未処理の毛髪とで比較すると、500〜700ナノメートルの範囲の波長において、処理された毛髪に相当する反射率曲線は、未処理の毛髪に相当するものよりも高いことが見出された。
このことは、500〜700ナノメートル、好ましくは540〜700ナノメートルの範囲の波長において、処理された毛髪に相当する反射率曲線が未処理の毛髪に相当する反射率曲線よりも高い少なくとも一の範囲が存在することを意味する。「〜より高い」なる用語は、反射率の少なくとも0.05%、好ましくは少なくとも0.1%の差を意味する。
しかしながら、500〜700ナノメートル、好ましくは540〜700ナノメートルの範囲の波長において、処理された繊維に相当する反射率曲線が、未処理の繊維に相当する反射率曲線と重なり合っているか、又はそれ以下である一又は複数の範囲が存在することを示唆している。
好ましくは、処理された毛髪の反射率曲線と未処理の毛髪の反射率曲線との差異が最大になる波長は、500〜650ナノメートルの範囲の波長、好ましくは550〜620ナノメートルの範囲の波長にある。
【0068】
加えて、好ましくは、本発明の組成物により、CIEL L系で測定して、6以上の変数bを有し、b/aの絶対値の比率が、以下に記載する選択試験に従い1.2を超える色調に毛髪及び皮膚を明色化することができる。
【0069】
選択試験
チェスナットブラウンのケラチン繊維、特に毛髪に、チェスナットブラウンの繊維1グラム当たり組成物10グラムの割合で組成物を適用する。繊維全てに行き渡るように、組成物を展伸する。組成物を放置して、室温(20〜25℃)で20分間作用させる。ついで、繊維を水ですすぎ、ラウリルエーテル硫酸塩ベースのシャンプーで洗浄する。続いて乾燥する。次に、繊維の分光比色的特徴を測定し、L座標を決定する。
CIEL L系では、a及びbは2つの色軸を示し:aは緑/赤の色軸を示し(+aは赤、−aは緑である)、bは青/黄の色軸を示し(+bは黄、−bは青である);a及びbの値がゼロに近い値はグレーの色調に相当する。
【実施例】
【0070】
次の実施例は本発明を例証することを意図したものであり、その範囲を限定するものではない。
実施例
蛍光化合物
【化16】

93gの2-ピコリンを、110℃のジメチルホルムアミド中において5時間、120gの1,6-ジブロモヘキサンと反応させる。
沈殿した生成物を回収し、濾過する。
上述にて得られた109gの生成物をメタノールに溶解させ、82.82gのp-ジメチルアミノベンズアルデヒドを、ピロリジンの存在下、2回に分けて添加する。
ついで、混合物を30分間放置する。
沈殿した形態の生成物を回収する。
質量分析:266
元素分析:C:62.43%;H:6.40%;Br:23.07%;N:8.09%
式は次の通りである:C3644・2Br
【0071】
組成物
【表1】

着色
組成物を20分の放置時間で、天然のチェスナットブラウンの毛髪(トーン高さ4)の束に適用する。
ついで束をすすぎ、フードにて30分乾燥させる。
束に、顕著な明色化効果が観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品的に許容可能な媒体に、該媒体に溶解する少なくとも一の蛍光染料と、次の式(I):
【化1】

[上式中:
Aは1〜35の炭素原子を有し、2〜10のヘテロ原子が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和の炭化水素ベース鎖である二価の基を示し、
ないしRは互いに独立して、水素原子、C-Cアルキル基、又はC-Cモノ-又はポリヒドロキシアルキル基を示し、
nは0又は1を示す]
の、3以上の炭素原子を有し、500g/mol未満の分子量を有する少なくとも一つのポリオールを含有せしめてなる組成物であって、
蛍光剤として、2-[2-(4-ジアルキルアミノ)フェニルエテニル]-1-アルキルピリジニウムを含有せず、ここでピリジニウム環のアルキル基が、メチル又はエチル基を表し、ベンゼン環のアルキル基がメチル基を表し、対イオンはハロゲン化物であることを特徴とする組成物。
【請求項2】
二価の基Aの炭化水素ベース鎖がヘテロ原子を何ら含有しないことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
A基が直鎖状又は分枝状で1〜8の炭素原子を有するアルキレン基を示すことを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
式(I)のポリオール類が、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール、ヘキシレングリコール、2,3-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,3,5-ペンタントリオール、及び1,2,4-ブタントリオールの単独物又は混合物から選択されることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
式(I)のポリオールが、組成物の全重量に対して0.01重量%〜30重量%、好ましくは0.1重量%〜20重量%、特に0.5重量%〜10重量%であることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
中和されていてもよい蛍光染料が、少なくとも0.001g/l、特に少なくとも0.5g/l、好ましくは少なくとも1g/l、さらに好ましくは15〜25℃の温度で少なくとも5g/l、化粧品用媒体に溶解することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
蛍光染料がオレンジの領域の染料であることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
蛍光染料が、500〜650ナノメートルの範囲の波長、好ましくは550〜620ナノメートルの範囲の波長において最大反射率を至らしめることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
蛍光染料が、次のファミリー:ナフタルイミド類;カチオン性又は非カチオン性クマリン類;キサンテノジキノリジン類;アザキサンテン類;ナフトラクタム類;アズラクトン類;オキサジン類;チアジン類;ジオキサジン類;アゾ、アゾメチン又はメチン型のポリカチオン性蛍光染料の単独物又は混合物に属する蛍光染料から選択されることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
蛍光染料が、次の構造
【化2】



[上式中:
及びRは同一でも異なっていてもよく:
・水素原子;
・少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜10の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;
・アリール又はアリールアルキル基であって、アリール基が6つの炭素原子を有し、アルキル基が1〜4の炭素原子を有し;アリール基が、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する一又は複数の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよいもの;
を表し;
・またR及びRは、窒素原子と共に複素環を形成するように結合していてもよく、また一又は複数の他のヘテロ原子を有していてもよく、ここで複素環は、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、好ましくは1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよく;
・さらにR又はRは、窒素原子、及び該窒素原子を担持するフェニル基の炭素原子の一つを有する複素環に含まれていてもよく;
及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子又は1〜4の炭素原子を有するアルキル基を表し;
は同一でも異なっていてもよく、少なくとも一のヘテロ原子が挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基、ハロゲン原子又は水素原子を表し;
は同一でも異なっていてもよく、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を担持する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;ハロゲン原子;水素原子を表し;
Xは:
・少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、2〜14の炭素原子を有するアルケニル基、又は1〜14の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;
・少なくとも一のハロゲン原子;少なくとも一のヘテロ原子で置換されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアミノアルキル基;少なくとも一のヘテロ原子で置換されていてもよい、1〜14の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよい、5-又は6員の複素環基;
・少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を担持する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜10の炭素原子を有する少なくとも一のアルキル基、又は少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、1〜4の炭素原子を有するアルキル基で離間していてもよい縮合又は非縮合の芳香族又は二芳香族基;
・ジカルボニル基;
を表し、
・またX基は一又は複数のカチオン電荷を担持可能であり;
aは0又は1と等しく;
は同一でも異なっていてもよく、有機又は無機アニオンを表し;
nは、少なくとも2に等しく、多くとも蛍光化合物に存在するカチオン電荷の数に等しい整数である]
を有する染料により形成される群から選択されることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
蛍光染料が、組成物の全重量に対して、0.01重量%〜20重量%、特に0.05重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲の重量濃度で存在していることを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
非イオン性、カチオン性又はアニオン性の、少なくとも一の付加的な非蛍光直接染料をさらに含有していることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
付加的な非蛍光直接染料が、ニトロベンゼン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、ベンゾキノン染料、インジゴイド染料、トリアリールメタンベース染料、又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
付加的な直接染料が、組成物の全重量に対して0.0005重量%〜12重量%、特に0.005重量%〜6重量%であることを特徴とする、請求項12又は13に記載の組成物。
【請求項15】
明色化染色シャンプーの形態をしていることを特徴とする、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
パラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類及び複素環ベース、又はそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩から選択される、少なくとも一の酸化ベースを含有していることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
酸化ベースが、組成物の全重量に対して0.0005重量%〜12重量%、特に0.005重量%〜6重量%であることを特徴とする、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、及び複素環カップラー、又はそれらの酸又はアルカリ剤との付加塩から選択される少なくとも一のカップラーを含有していることを特徴とする、請求項16又は17に記載の組成物。
【請求項19】
カップラーが染色用組成物の全重量に対して0.0001重量%〜10重量%、特に0.005重量%〜5重量%であることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも一の酸化剤を含有していることを特徴とする、請求項1ないし19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、臭素酸アルカリ金属塩、過ホウ酸塩及び過硫酸塩等の過酸塩、二電子又は四電子オキシドレダクターゼ及びペルオキシダーゼ等の酵素から選択されることを特徴とする、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
次の工程:
a)請求項1ないし21のいずれか1項に記載の組成物を、所望の着色及び明色化がなされるのに十分な時間、ヒトのケラチン繊維に適用し、
b)場合によっては該繊維をすすぎ、
c)場合によってはシャンプーで該繊維を洗浄してすすぎ、
d)繊維を乾燥するか、又は乾燥するまで放置する、
を実施することからなることを特徴とする、明色化効果を有するヒトのケラチン繊維の染色方法。
【請求項23】
一方では、請求項1ないし14及び16ないし19のいずれか1項に記載の組成物、他方では、化粧品的に許容可能な媒体に、少なくとも一の酸化剤を含有せしめてなる組成物を別々に保管し、ついで、使用時にそれらを混合することからなる予備工程を含み、ついで、該混合物を所望する着色がなされるのに十分な時間繊維に適用し、その後繊維をすすぎ、場合によってはシャンプーで洗浄し、再度すすいで乾燥させることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
6以下、好ましくは4以下のトーン高さを有する毛髪に、組成物を適用することを特徴とする、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の組成物を皮膚に適用し、ついで皮膚を乾燥するか、又は乾燥するまで放置することを特徴とする、明色化効果を有する色黒の皮膚の着色方法。
【請求項26】
請求項1ないし14及び16ないし19のいずれか1項に記載の組成物を収容する少なくとも一の区画と、少なくとも一の酸化剤を含有する組成物を収容する少なくとも一の他の区画を具備する、ヒトのケラチン繊維を染色及び明色化するための多区画具。
【請求項27】
化粧品的に許容可能な媒体に、該媒体に溶解する少なくとも一の蛍光染料、及び次の式(I):
【化3】

[上式中:
Aは1〜35の炭素原子を有し、2〜10のヘテロ原子が挿入されていてもよい、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和の炭化水素ベース鎖である二価の基を示し、
ないしRは互いに独立して、水素原子、C-Cアルキル基、又はC-Cモノ-又はポリヒドロキシアルキル基を示し、
nは0又は1を示す]
の、3以上の炭素原子を有し、500g/mol未満の分子量を有する少なくとも一つのポリオールを含有せしめてなる組成物の、明色化効果を伴うヒトのケラチン物質を染色するための使用。
【請求項28】
蛍光染料がオレンジの領域の染料であることを特徴とする、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
蛍光染料が、500〜650ナノメートルの範囲の波長、好ましくは550〜620ナノメートルの範囲の波長において最大反射率を至らしめることを特徴とする、請求項27又は28に記載の使用。
【請求項30】
蛍光染料が、次のファミリー:ナフタルイミド類;カチオン性又は非カチオン性クマリン類;スルホローダミン類等のキサンテノジキノリジン類;アザキサンテン類;ナフトラクタム類;アズラクトン類;オキサジン類;チアジン類;ジオキサジン類;アゾ、アゾメチン又はメチン型のモノカチオン性又はポリカチオン性蛍光染料の単独物又は混合物に属する蛍光染料から選択されることを特徴とする、請求項27ないし29のいずれか1項に記載の使用。
【請求項31】
蛍光染料が、次の構造
【化4】



[上式中:
及びRは同一でも異なっていてもよく:
・水素原子;
・少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜10の炭素原子、好ましくは1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;
・アリール又はアリールアルキル基であって、アリール基が6つの炭素原子を有し、アルキル基が1〜4の炭素原子を有し;アリール基が、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する一又は複数の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよいもの;
を表し;
・またR及びRは、窒素原子と共に複素環を形成するように結合していてもよく、また一又は複数の他のヘテロ原子を有していてもよく、ここで複素環は、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、好ましくは1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよく;
・さらにR又はRは、窒素原子、及び該窒素原子を担持するフェニル基の炭素原子の一つを有する複素環に含まれていてもよく;
及びRは同一でも異なっていてもよく、水素原子又は1〜4の炭素原子を有するアルキル基を表し;
は同一でも異なっていてもよく、少なくとも一のヘテロ原子が挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基、ハロゲン原子又は水素原子を表し;
は同一でも異なっていてもよく、少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を担持する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;ハロゲン原子;水素原子を表し;
Xは:
・少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよく、及び/又は少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を有する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、2〜14の炭素原子を有するアルケニル基、又は1〜14の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状のアルキル基;
・少なくとも一のハロゲン原子;少なくとも一のヘテロ原子で置換されていてもよい、1〜4の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアミノアルキル基;少なくとも一のヘテロ原子で置換されていてもよい、1〜14の炭素原子を有する少なくとも一の直鎖状又は分枝状のアルキル基で置換されていてもよい、5-又は6員の複素環基;
・少なくとも一のヘテロ原子及び/又は少なくとも一のへテロ原子を担持する基が置換されるか及び/又は挿入されていてもよい、1〜10の炭素原子を有する少なくとも一のアルキル基、又は少なくとも一のハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基、1〜4の炭素原子を有するアルキル基で離間していてもよい縮合又は非縮合の芳香族又は二芳香族基;
・ジカルボニル基;
を表し、
・またX基は一又は複数のカチオン電荷を担持可能であり;
aは0又は1と等しく;
は同一でも異なっていてもよく、有機又は無機アニオンを表し;
nは、少なくとも2に等しく、多くとも蛍光化合物に存在するカチオン電荷の数に等しい整数である]、
【化5】

(上式中、Rはメチル又はエチル基を表し;R'はメチル基を表し、Xは塩化物、ヨウ化物、スルファート、メトスルファート、アセタート又はペルクロラート等のアニオンを表す)
を有する染料により形成される群から選択されることを特徴とする、請求項27ないし30のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
ケラチン物質が、人工的に染色された毛髪又は着色された毛髪であることを特徴とする、請求項27ないし31のいずれか1項に記載の使用。
【請求項33】
毛髪が6以下、好ましくは4以下のトーン高さを有することを特徴とする、請求項32に記載の使用。

【公開番号】特開2006−273866(P2006−273866A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176590(P2006−176590)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【分割の表示】特願2004−108982(P2004−108982)の分割
【原出願日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】