蛍光X線分析装置、蛍光X線分析方法、およびプログラム

【課題】回折線による分析精度の低下を抑制することができる蛍光X線分析装置を提供する。
【解決手段】蛍光X線分析装置100は、スペクトルから、二次X線ピークを抽出する二次X線ピーク抽出部12と、抽出された前記二次X線ピークのエネルギー幅を算出する二次X線ピーク幅算出部13と、抽出された前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する蛍光X線ピーク幅情報取得部14と、二次X線ピーク幅算出部13が算出した前記二次X線ピークのエネルギー幅が、前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、抽出された前記二次X線ピークを回折線ピークと判定する回折線ピーク判定部15と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光X線分析装置、蛍光X線分析方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光X線分析装置は、試料にX線源からの一次X線を照射し、発生した二次X線(蛍光X線や回折線)の強度を検出器で検出して、試料を構成する元素濃度等を分析するものである。試料が結晶構造を有する場合、一次X線が試料で回折して、検出器に入射することがある。その回折線によるピークが二次X線のスペクトル上に現れると、蛍光X線によるピークと区別がつかない妨害線となり、分析精度が低下してしまう場合があった。
【0003】
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、試料の向きを二次元的もしくは三次元的に変えて測定を行う蛍光X線分析装置が開示されている。ブラッグ条件は、試料(結晶面)の向きに応じて変わるので、試料の向きを変えながら測定を行うことにより、回折線の強度は変化する。特許文献1の蛍光X線分析装置では、二次X線の強度が最小値を示す回転方向に試料を位置決めすることにより、回折線の影響を低減している。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、X線源と試料との間にフィルターを入れることにより、X線源で発生する一次X線のうち、測定対象の蛍光X線と波長が同一であって、かつ、試料で回折されるX線を十分に減衰させて、回折線を実質上発生させない蛍光X線分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−126768号公報
【特許文献2】特開2001−349851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の蛍光X線分析装置では、例えば、試料の種類(例えば、結晶構造)が変わるごとに、回折線の影響が少ない方向を探さなければならず、また、同種の試料であっても、同じ結晶方位となるように、試料をステージ上に配置しなければならなかった。また、特許文献2に記載の蛍光X線分析装置では、例えば、蛍光X線の波長に応じて、様々なフィルターを準備しなければならなかった。
【0007】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明のいくつかの態様によれば、回折線による分析精度の低下を抑制することができる蛍光X線分析装置、蛍光X線分析方法、およびプログラムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る蛍光X線分析装置は、
試料に一次X線を照射するX線照射部と、
前記試料から発生した少なくとも蛍光X線を含む二次X線の強度を測定する検出部と、
前記二次X線の強度に基づいて、スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
前記スペクトルから、二次X線ピークを抽出する二次X線ピーク抽出部と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー幅を算出する二次X線ピーク幅算出部と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する蛍光X線ピーク幅情報取得部と、
前記二次X線ピーク幅算出部が算出した前記二次X線ピークのエネルギー幅が、前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、抽出された前記二次X線ピークを回折線ピークと判定する回折線ピーク判定部と、
を含む。
【0009】
このような蛍光X線分析装置によれば、回折線ピーク判定部が、二次X線ピークのエネルギー幅が当該二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、当該二次X線ピークを回折線ピークと判定する。これにより、回折線ピークを特定することができるため、回折線による分析精度の低下を抑制することができる。また、このような蛍光X線分析装置によれば、回折線による分析精度の低下を抑制するために、例えば、試料をステージに配置する際に、回折線の影響が少ない方向を探したり、結晶方位が同じになるように試料をステージ上に配置したりしなくてもよい。また、例えば、蛍光X線の波長に応じて、様々なフィルターを準備しなくてもよい。したがって、回折線による分析精度の低下を、容易に抑制することができる。
【0010】
(2)本発明に係る蛍光X線分析装置において、
さらに、蛍光X線のエネルギー値の情報を記憶する記憶部を含み、
前記二次X線ピーク抽出部は、前記蛍光X線のエネルギー値の情報に基づいて、前記スペクトルから蛍光X線ピーク以外の前記二次X線ピークを抽出してもよい。
【0011】
このような蛍光X線分析装置によれば、回折線ピーク判定部が判定を行う前に、予め回折線ピークの候補を絞ることができる。
【0012】
(3)本発明に係る蛍光X線分析装置において、
前記回折線ピーク判定部は、さらに、前記二次X線ピークの周期に基づいて、抽出された前記二次X線ピークが回折線ピークか否かを判定してもよい。
【0013】
このような蛍光X線分析装置によれば、より精度の高い分析を行うことができる。
【0014】
(4)本発明に係る蛍光X線分析方法は、
少なくとも蛍光X線を含む二次X線のスペクトルから、二次X線ピークを抽出する二次X線ピーク抽出工程と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー幅を算出する二次X線ピーク幅算出工程と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する蛍光X線ピーク幅情報取得工程と、
前記二次X線ピーク幅算出工程で算出した前記二次X線ピークのエネルギー幅が、前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、抽出された前記二次X線ピークを回折線ピークと判定する回折線ピーク判定工程と、
を含む。
【0015】
このような蛍光X線分析装置によれば、回折線ピーク判定工程において、二次X線ピークのエネルギー幅が当該二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、当該二次X線ピークを回折線ピークと判定する。これにより、回折線ピークを特定することができるため、回折線による分析精度の低下を抑制することができる。また、このような蛍光X線分析方法によれば、回折線による分析精度の低下を抑制するために、例えば、試料をステージに配置する際に、回折線の影響が少ない方向を探したり、結晶方位が同じになるように試料をステージ上に配置したりしなくてもよい。また、例えば、蛍光X線の波長に応じて、様々なフィルターを準備しなくてもよい。したがって、回折線による分析精度の低下を、容易に抑制することができる。
【0016】
(5)本発明に係るプログラムは、
少なくとも蛍光X線を含む二次X線のスペクトルから、二次X線ピークを抽出する二次X線ピーク抽出部と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー幅を算出する二次X線ピーク幅算出部と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する蛍光X線ピーク幅情報取得部と、
前記二次X線ピーク幅算出部が算出した前記二次X線ピークのエネルギー幅が、前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、抽出された前記二次X線ピークを回折線ピークと判定する回折線ピーク判定部としてコンピューターを機能させる。
【0017】
このようなプログラムによれば、回折線ピーク判定部が、二次X線ピークのエネルギー幅が当該二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、当該二次X線ピークを回折線ピークと判定する。これにより、回折線ピークを特定することができるため、回折線による分析精度の低下を抑制することができる。また、このようなプログラムによれば、回折線による分析精度の低下を抑制するために、例えば、試料をステージに配置する際に、回折線の影響が少ない方向を探したり、結晶方位が同じになるように試料をステージ上に配置したりしなくてもよい。また、例えば、蛍光X線の波長に応じて、様々なフィルターを準備しなくてもよい。したがって、回折線による分析精度の低下を、容易に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係る蛍光X線分析装置の構成の一例を示す図。
【図2】エネルギー分散型の蛍光X線分析装置で測定された、回折線ピークを含むスペクトルと蛍光X線ピークを含むスペクトル。
【図3】本実施形態に係る蛍光X線分析方法の一例を示すフローチャート。
【図4】スペクトル生成部が生成した二次X線のスペクトルの一例を示すグラフ。
【図5】二次X線ピーク抽出部が作成した二次X線ピークリストの一例を示す表。
【図6】二次X線ピーク抽出部が作成した回折線ピーク候補リストの一例を示す表。
【図7】第1変形例に係る蛍光X線分析方法の一例を示すフローチャート。
【図8】二次X線ピーク間の差分を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0020】
1. 蛍光X線分析装置
まず、本実施形態に係る蛍光X線分析装置について説明する。図1は、本実施形態に係る蛍光X線分析装置100の構成の一例を示す図である。
【0021】
蛍光X線分析装置100は、図1に示すように、X線照射部1と、検出部3と、処理部10と、を含む。蛍光X線分析装置100は、例えば、さらに、発生器電源2と、一次X線フィルター4と、一次X線フィルター制御部5と、第1コリメーター6と、第1コリメーター制御部7と、第2コリメーター8と、操作部20と、表示部22と、記憶部24と、情報記憶媒体26と、を含んでいる。蛍光X線分析装置100は、エネルギー分散型の蛍光X線分析装置である。
【0022】
蛍光X線分析装置100の測定対象となる試料Sは、例えば、結晶構造を有する。このような試料Sとしては、例えば、シリコン単結晶ウエハーやガリウムヒ素ウエハー等の単結晶ウエハーが挙げられる。試料Sは、結晶構造を有していれば特に限定されない。
【0023】
X線照射部1は、試料Sに一次X線Pxを照射する。X線照射部1は、例えば、X線管である。X線照射部1には、発生器電源2から所定の電圧および所定の電流が供給される。これにより、X線照射部1は、一次X線Pxを発生させる。発生器電源2は、処理部10によって制御される。
【0024】
一次X線フィルター4および第1コリメーター6は、X線照射部1と試料Sとの間に配置されている。一次X線フィルター4は、X線照射部1で発生した連続X線成分や特性X線の一部を吸収することができる。これにより、一次X線Pxから連続X線成分や特性X線の一部を除去することができる。一次X線フィルター4は、例えば、金属箔である。一次X線フィルター4の特性は、分析対象となる元素に応じて、制御される。一次X線フィルター制御部5は、処理部10からの制御信号に基づいて、一次X線フィルター4を制御する。
【0025】
第1コリメーター6は、X線照射部1で発生した一次X線Pxの通過する範囲を限定する。これにより、試料Sの所望の領域に一次X線Pxを照射することができる。第1コリメーター6は、第1コリメーター制御部7によって制御される。第1コリメーター制御部7は、処理部10からの制御信号に基づいて、第1コリメーター6を制御して、一次X線Pxの通過する範囲を制御する。
【0026】
第2コリメーター8は、試料Sと検出部3との間に配置されている。第2コリメーター8は、試料Sで発生した二次X線Sxが通過する範囲を限定する。二次X線Sxは、試料Sに一次X線Pxが照射されることによって発生するX線である。二次X線Sxは、少なくとも蛍光X線を含む。二次X線Sxは、さらに、回折線等を含むことができる。回折線とは、一次X線が試料Sで回折されることで生じるX線をいう。回折線は、ブラッグ条件を満たすときに現れる。
【0027】
検出部3は、二次X線Sxの強度を検出する。検出部3は、例えば、シリコン半導体検出器である。検出部3は、検出した二次X線Sxの強度に基づいて、二次X線強度データを生成し、当該二次X線強度データを処理部10(スペクトル生成部11)に出力する。
【0028】
処理部10は、スペクトル生成部11と、二次X線ピーク抽出部12と、二次X線ピーク幅算出部13と、蛍光X線ピーク幅情報取得部14と、回折線ピーク判定部15と、を含む。処理部10の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0029】
スペクトル生成部11は、検出部3で検出された二次X線Sxの強度に基づいて、二次X線のスペクトルを生成する。二次X線のスペクトルは、例えば、横軸にエネルギー、縦軸に二次X線Sxの強度をとったグラフとして表される。
【0030】
二次X線ピーク抽出部12は、スペクトル生成部11が生成した二次X線Sxのスペクトルから二次X線ピークを抽出する。ここで、二次X線ピークとは、二次X線Sxのスペクトルに現れるピークをいう。二次X線ピークには、少なくとも蛍光X線ピークが含まれる。蛍光X線ピークとは、蛍光X線の強度を反映したピークである。また、二次X線ピークには、例えば、回折線ピーク、サムピーク、エスケープピーク等の妨害線ピークが含まれる場合がある。回折線ピークとは、回折線の強度を反映したピークである。二次X線ピーク抽出部12は、例えば、二次X線Sxのスペクトルから二次X線ピークを抽出して、二次X線ピークとそのエネルギー値からなる二次X線ピークリストを作成する。
【0031】
また、二次X線ピーク抽出部12は、蛍光X線のエネルギー値の情報に基づいて、二次X線Sxのスペクトルから、蛍光X線ピーク以外の二次X線ピークを抽出する。二次X線ピーク抽出部12は、例えば、蛍光X線のエネルギー値の情報に基づいて、二次X線ピークリストから蛍光X線ピークを除去し、妨害線ピーク候補リストを作成する。ここで、妨害線ピークとは、二次X線ピークのうち、蛍光X線ピーク以外のピークをいい、例えば、回折線ピーク、サムピーク、エスケープピーク等が含まれる。
【0032】
二次X線ピーク抽出部12は、蛍光X線のエネルギー値と一致する二次X線ピークを蛍光X線ピークとし、二次X線ピーク候補リストから除去してもよい。また、二次X線ピーク抽出部12は、さらに、α線、β線等のピークを考慮して、該当する二次X線ピークを蛍光X線ピークとし、二次X線ピークリストから除去してもよい。X線ピーク抽出部12は、さらに、α線、β線等のピークの強度を考慮して、該当する二次X線ピークを蛍光X線ピークとし、二次X線ピークリストから除去してもよい。
【0033】
なお、二次X線ピーク抽出部12は、上述した方法を用いて蛍光X線ピークか否か判断できない場合には、そのような二次X線ピークを、妨害線ピーク候補としてもよい。
【0034】
蛍光X線のエネルギー値の情報は、元素ごとに示された蛍光X線のエネルギー値の情報を含む。また、蛍光X線のエネルギー値の情報は、例えば、さらに、元素ごとに、α線のエネルギー値およびその強度、β線のエネルギー値およびその強度を含む情報であってもよい。蛍光X線のエネルギー値の情報は、例えば、情報記憶媒体(記憶部)26に格納されており、二次X線ピーク抽出部11は、この情報記憶媒体26から、蛍光X線のエネルギー値の情報を取得することができる。
【0035】
また、二次X線ピーク抽出部12は、例えば、二次X線Sxのスペクトルから、蛍光X線ピーク、サムピーク、およびエスケープピーク以外の二次X線ピークを抽出する。二次X線ピーク抽出部12は、例えば、サムピークのエネルギー値の情報およびエスケープピークのエネルギー値の情報に基づいて、妨害線ピーク候補リストから、サムピーク、およびエスケープピークを除去することによって、回折線ピーク候補リストを作成する。二次X線ピーク抽出部12は、例えば、サムピークが現れるエネルギー値およびエスケープピークが現れるエネルギー値を、公知の計算式に従って求める。
【0036】
二次X線ピーク幅算出部13は、二次X線ピーク抽出部12が抽出した二次X線ピークのエネルギー幅を算出する。二次X線ピーク幅算出部13は、例えば、抽出した二次X線ピークを、所定の関数でフィッティングして、エネルギー幅を算出する。ピークのエネルギー幅は、例えば、半値幅である。二次X線ピーク幅算出部13は、例えば、回折線ピーク候補リストに挙げられた二次X線ピークについて、エネルギー幅を算出する。
【0037】
蛍光X線ピーク幅情報取得部14は、二次X線ピーク抽出部12が抽出した二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する。蛍光X線ピークのエネルギー幅は、当該蛍光X線ピークのエネルギー値における検出器3のエネルギー分解能に対応する。測定や計算によって得られた蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報は、例えば、情報記憶媒体26に格納される。そして、蛍光X線ピーク幅情報取得部14は、情報記憶媒体26から、蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する。蛍光X線ピーク幅情報取得部14は、例えば、回折線ピーク候補リストに挙げられた二次X線ピークのエネルギー値について、蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する。
【0038】
回折線ピーク判定部15は、二次X線ピーク幅算出部13が算出した二次X線ピークのエネルギー幅が、当該二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、二次X線ピークを回折線ピークと判定する。
【0039】
回折線ピークと蛍光X線ピークとは、二次X線のスペクトルにおいて、同じエネルギー値に現れた場合に、互いに異なる大きさのエネルギー幅を持つ。蛍光X線は、エネルギー幅がほぼゼロであり、蛍光X線ピークのエネルギー幅は、検出器の分解能のみから決定される。一方、回折線ピークのエネルギー幅は、幾何的な配置に依存したエネルギー幅と検出器の分解能から決定される。幾何的な配置に依存したエネルギー幅は有限の値であり、この値は無視できない。
【0040】
具体的に、幾何的な配置に依存したエネルギー幅について示す。幾何的な配置に依存したエネルギー幅、すなわち、点光源から有限の取り込み角Δθをもつ検出器の取り込みエネルギー幅ΔEdiffractionは下記式(1)で示すことができる。
【0041】
【数1】

【0042】
エネルギー分散型蛍光X線分析装置では、検出器は有限の大きさを持つので、取り込み角Δθは有限の大きさである。有限のエネルギー幅をもつX線が検出された場合、エネルギー幅ΔEは、下記式(2)のようになる。
【0043】
【数2】

【0044】
検出器の分解能ΔEresolutionに比べて、幾何的なエネルギー幅ΔEdiffractionが無視できない大きさの場合、観測される回折線のエネルギー幅(ΔE)は、蛍光X線のエネルギー幅(ΔEresolution)よりも拡がる。
【0045】
例えば、θ=45°、Δθ=10mrad、回折線のエネルギー5.8keVのとき、幾何的な配置に依存したエネルギー幅ΔEdiffractionは、上記式(1)から、58eVとなる。5.8keVにおける検出器のエネルギー分解能ΔEresolutionを150eVとすると、観測される回折線ピークのエネルギー幅ΔEは、160eVとなる。すなわち、回折線ピークのエネルギー幅ΔEは、蛍光X線ピークのエネルギー幅ΔEresolutionよりも10eVだけ大きい。
【0046】
図2は、エネルギー分散型の蛍光X線分析装置で測定された、回折線ピークを含むスペクトルと蛍光X線ピークを含むスペクトルである。図2に示すように、実際に測定を行った結果からも、同じエネルギー値において、回折線ピークのエネルギー幅が、蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きくなることがわかる。
【0047】
このように、同じエネルギー値において、回折線ピークのエネルギー幅は、蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きくなる。したがって、同じエネルギー値において、二次X線ピークのエネルギー幅が、蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、当該二次X線ピークを回折線ピークと判定することができる。
【0048】
回折線ピーク判定部15は、例えば、回折線ピーク候補リストにあがったすべての二次X線ピーク(ピーク1〜ピークn)について、回折線ピークか否かの判定を行う。
【0049】
操作部20は、ユーザーが操作情報を入力するためのものであり、入力された操作情報を処理部10に出力する。操作部20の機能は、キーボード、マウス、タッチパネル型ディスプレイなどのハードウェアにより実現することができる。
【0050】
表示部22は、処理部10によって生成された画像を表示するものであり、その機能は、LCD、CRTなどにより実現できる。表示部22は、スペクトル生成部11が生成した二次X線のスペクトルを表示することができる。また、表示部22は、二次X線ピーク抽出部12が作成したリスト(二次X線ピークリスト、回折線ピーク候補リスト)を表示することができる。また、表示部22は、回折線ピーク判定部15が判定した結果を表示することができる。
【0051】
記憶部24は、処理部10のワーク領域となるもので、その機能はRAMなどにより実現できる。情報記憶媒体26(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部10は、情報記憶媒体26に格納されるプログラムに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。情報記憶媒体26には、処理部10の各部としてコンピューターを機能させるためのプログラムを記憶することができる。
【0052】
2. 蛍光X線分析方法
次に、本実施形態に係る蛍光X線分析方法について説明する。本実施形態に係る蛍光X線分析方法は、本発明に係る蛍光X線分析装置を用いて行うことができる。図3は、本実施形態に係る蛍光X線分析方法の一例を示すフローチャートである。以下、図1に示す蛍光X線分析装置および図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0053】
本実施形態に係る蛍光X線分析方法では、二次X線Sxのスペクトルに現れた二次X線ピークが、回折線ピークか否かを判定する。
【0054】
(1)まず、二次X線Sxのスペクトルから二次X線ピークを抽出する(二次X線ピーク抽出工程S11)。
【0055】
本工程では、まず、二次X線Sxのスペクトルを生成する。具体的には、X線照射部1が、試料Sに一次X線Pxを照射し、検出器3が、発生した二次X線Sxの強度を検出する。検出器3は、検出した二次X線Sxの強度情報を、スペクトル生成部11に出力する。スペクトル生成部11は、二次X線Sxの強度情報に基づいて、二次X線Sxのスペクトルを生成する。
【0056】
図4は、スペクトル生成部11が生成した二次X線Sxのスペクトルの一例を示すグラフである。二次X線Sxのスペクトルは、図4に示すように、横軸にエネルギー、縦軸に二次X線Sxの強度をとったグラフとして表される。
【0057】
次に、二次X線ピーク抽出部11が、スペクトル生成部11が生成した二次X線Sxのスペクトルから二次X線ピークを抽出する。
【0058】
本工程では、まず、二次X線ピーク抽出部12が、二次X線Sxのスペクトルから二次X線ピークを抽出して、二次X線ピークリストを作成する。
【0059】
図5は、二次X線ピーク抽出部12が作成した二次X線ピークリストの一例を示す表である。二次X線ピークリストは、例えば、図5に示すように、二次X線Sxのスペクトルに現れた二次X線ピークとそのエネルギー値からなる。
【0060】
次に、二次X線ピーク抽出部12が、蛍光X線のエネルギー値の情報に基づいて、図5に示す二次X線ピークリストから、蛍光X線ピークを除去し、妨害線ピーク候補リストを作成する。蛍光X線のエネルギー値の情報は、例えば、情報記憶媒体(記憶部)26に格納されており、二次X線ピーク抽出部11は、この情報記憶媒体26から、蛍光X線のエネルギー値の情報を取得することができる。
【0061】
次に、二次X線ピーク抽出部12が、サムピークのエネルギー値の情報およびエスケープピークのエネルギー値の情報に基づいて、妨害線ピーク候補リストから、サムピークおよびエスケープピークを除去し、回折線ピーク候補リストを作成する。二次X線ピーク抽出部12は、例えば、サムピークが現れるエネルギー値およびエスケープピークが現れるエネルギー値を、公知の計算式に従って求める。
【0062】
図6は、二次X線ピーク抽出部12が作成した回折線ピーク候補リストの一例を示す表である。回折線ピーク候補リストは、例えば、図6に示すように、回折線ピークの候補となる二次X線ピークとそのエネルギー値からなる。
【0063】
(2)次に、二次X線ピーク幅算出部13が、二次X線ピーク抽出部12が抽出した二次X線ピークのエネルギー幅を算出する(二次X線ピーク幅算出工程S12)。
【0064】
二次X線ピーク幅算出部13は、図6に示す、回折線ピーク候補リストにあがった二次X線ピーク(ピーク1〜ピークn)について、そのエネルギー幅を算出する。
【0065】
(3)次に、蛍光X線ピーク幅情報取得部14が、二次X線ピーク抽出部12が抽出した二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する(蛍光X線ピーク幅情報取得工程S13)。
【0066】
蛍光X線ピーク幅情報取得部14は、例えば、図6に示す回折線ピーク候補リストから1つの回折線ピーク候補を選択し、その回折線ピーク候補のエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅(検出器の分解能)の情報を取得する。具体的には、蛍光X線ピーク幅情報取得部14は、例えば、図6に示す回折線ピーク候補リストからピーク1を選択し、ピーク1のエネルギー値1.0keVにおける蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する。エネルギーごとの蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報は、予め情報記憶媒体26に格納されており、蛍光X線ピーク幅情報取得部14は、情報記憶媒体26から、対応する蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する。蛍光X線ピーク情報取得部14は、他の回折線ピーク候補(ピーク2〜ピークn)についても、同様に、対応する蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する。
【0067】
(4)次に、回折線ピーク判定部15が、二次X線ピーク幅算出部13が算出した二次X線ピークのエネルギー幅が、当該二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きいか否かを判定する(回折線ピーク判定工程S14)。
【0068】
回折線ピーク判定部15は、図6に示す回折線ピーク候補リストに挙げられたピーク1からピークnの各々について、回折線ピークか否かを判定する。回折線ピーク判定部15は、二次X線ピークのエネルギー幅が、同じエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合(工程S15でYESの場合)、当該二次X線ピークを、回折線ピークと判定する(工程S16)。また、回折線ピーク判定部15は、二次X線ピークのエネルギー幅が、同じエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅以下の場合(工程S15でNOの場合)、当該二次X線ピークを、回折線ピークではないと判定する(工程S17)。
【0069】
回折線ピーク判定部15が、回折線ピーク候補リストに記載されたすべての二次X線ピークについて判定を行った場合(工程S18でYESの場合)、処理を終了する。回折線ピーク候補リストに記載されたすべての二次X線ピークについて判定を行っていない場合、工程S14に戻る。
【0070】
以上の工程により、二次X線Sxのスペクトルに現れた二次X線ピークに対して、回折線ピークか否かを判定することができる。
【0071】
本実施形態では、二次X線ピークのエネルギー幅が、当該二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、当該二次X線ピークを回折線ピークと判定する。これにより、回折線ピークを特定することができるため、回折線による分析精度の低下を抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、例えば、蛍光X線分析装置において、試料をステージに配置する際に、回折線の影響が少ない方向を探したり、結晶方位が同じになるように試料をステージ上に配置したりしなくてもよい。また、例えば、蛍光X線の波長に応じて、様々なフィルターを準備しなくてもよい。このように、本実施形態によれば、回折線による分析精度の低下を、容易に抑制することができる。
【0072】
本実施形態では、蛍光X線のエネルギー値の情報に基づいて、二次X線Sxのスペクトルから蛍光X線ピーク以外の二次X線ピークを抽出することができる。これにより、予め回折線ピークの候補を絞ることができ、その後の工程S12,S13,S14での処理数を減らすことができる。
【0073】
3. 変形例
次に、本実施形態の変形例について説明する。なお、上述した図1に示す蛍光X線分析装置100および図3に示す本実施形態に係る蛍光X線分析方法を示すフローチャートと異なる点について説明し、同様の点については説明を省略する。
【0074】
(1)第1変形例
まず、第1変形例について説明する。図7は、本変形例に係る蛍光X線分析方法の一例を示すフローチャートである。
【0075】
本変形例に係る蛍光X線分析方法では、図7に示すように、図3に示す蛍光X線分析方法に加えて、さらに、回折線ピーク判定工程S14(以下「第1回折線ピーク判定工程S14」ともいう)の後に、回折線ピーク判定部15が、二次X線ピークの周期に基づいて、二次X線ピーク抽出部12が抽出した二次X線ピークが回折線ピークか否かを判定する工程(第2回折線ピーク判定工程S19)を含む。
【0076】
本変形例では、第1回折線ピーク判定工程S14で回折線ピークと判定された場合(工程S15でYESの場合)、第2回折線ピーク判定工程S19を行う。
【0077】
第2回折線ピーク判定工程S19では、回折線ピーク判定部15が、回折線ピーク候補リストに挙げられた二次X線ピークから周期性を有するピークを抽出する。
【0078】
具体的には、まず、回折線ピーク候補リストに挙げられた二次X線ピーク(ピーク1〜ピークn)間の差分を計算する。
【0079】
図8は、二次X線ピーク間の差分を示す表である。
【0080】
次に、回折線ピーク判定部15は、図8に示す表から、同じエネルギー差を有するピークを検索する。同じエネルギー差を有するピークは、周期性を有するといえるため、回折線ピークと判定できる。
【0081】
このようにして、第2回折線ピーク判定工程S19において、二次X線ピークが周期性を有していると判定された場合(工程S20でYESの場合)、当該二次X線ピークを、回折線ピークと判定する(工程S21)。第2回折線ピーク判定工程S19において、二次X線ピークが周期性を有していないと判定された場合(工程S20でNOの場合)、抽出された二次X線ピークが回折線ピークでないと判定する(工程S22)。
【0082】
この結果、第1回折線ピーク判定工程S14と第2回折線ピーク判定工程S19の両方で回折線ピークと判定された二次X線ピークは、最終的に回折線ピークと判定される。また、判定工程S14および判定工程S19の少なくとも一方で回折線ピークでないと判定された二次X線ピークは、最終的に回折線ピークではないと判定される。
【0083】
ここで、第2回折線ピーク判定工程S19の判定原理について説明する。
【0084】
回折線は、ブラッグ条件を満たすときに現れる。
【0085】
2dsinθ=nλ
ただし、dは結晶の面間隔であり、θは格子面と一次X線のなす角であり、nは次数(n=1,2,3,4,・・・)であり、λはX線の波長である。
【0086】
結晶性の試料を測定するときに、試料Sの位置、X線照射部1の位置、検出器3の位置が固定されているなら、上記式の左辺は一定値である。右辺はX線の波長の整数倍であり、次数nが増えると波長が短く(エネルギーが高く)なる。つまり、回折線は、周期的に観測される。この周期性を観測することにより、回折線か否かを判定することができる。
【0087】
回折線ピーク判定部15は、回折線ピーク候補リストに記載されたすべての二次X線ピークについて判定を行った場合(工程S18でYESの場合)、処理を終了する。回折線ピーク候補リストに記載されたすべての二次X線ピークについて判定を行っていない場合、工程S14に戻る。
【0088】
本変形例によれば、二次X線ピークの周期性(判定工程S19)および二次X線ピークのエネルギー幅(判定工程S14)の2つのパラメーターに基づいて、判定を行うことにより、より精度の高い解析を行うことができる。
【0089】
なお、回折線ピーク候補リストに挙げられた二次X線ピークから周期性を有するピークを抽出する方法は、特に限定されず、例えば、フーリエ変換を用いてもよい。
【0090】
また、第1回折線ピーク判定工程S14と第2回折線ピーク判定工程S19の順番は特に限定されず、例えば、判定工程S19を行った後に、判定工程S14を行ってもよい。
【0091】
また、回折線ピーク判定部15は、判定工程S14と判定工程S19の両方で回折線ピークと判定された二次X線ピークを、Aランクと判定し、判定工程S14および判定工程S19のいずれか一方で、回折線ピークで判定された二次X線ピークを、Bランクと判定し、いずれの工程でも回折線ピークと判定されなかった二次X線ピークを、Cランクと判定する。ここで、Aランクが最も回折線ピークである可能性が高く、次にBランクが回折線ピークである可能性が高く、Cランクが回折線ピークである可能性が最も低い。このように、回折線ピーク判定部15は、二次X線ピークごとに、回折線ピークである可能性をランク付けしてもよい。
【0092】
(2)第2変形例
次に、第2変形例について説明する。上述した実施形態では、二次X線ピーク抽出部12は、図6に示すように、スペクトル生成部11が生成した二次X線のスペクトルから、蛍光X線ピーク、サムピーク、回折線ピークであると判定できるものを除いた回折線ピーク候補のリストを作成した。これに対して、二次X線ピーク抽出部12は、スペクトル生成部11が生成した二次X線のスペクトルから、蛍光X線ピーク、サムピーク、エスケープピークを除かずに、二次X線ピークのリストを作成してもよい。すなわち、二次X線ピーク抽出部12は、図5に示す二次X線ピークリストのみを作成してもよい。
【0093】
本変形例では、蛍光X線分析装置100は、この二次X線ピークリストに基づいて、図3に示す工程S12〜S17や、図7に示す工程S12〜S20を行う。
【0094】
なお、上述した実施形態は一例であって、これらに限定されるわけではない。
【0095】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0096】
Px 一次X線、Sx 二次X線、S 試料、1 X線照射部、2 発生器電源、
3 検出器、4 一次X線フィルター、5 一次X線フィルター制御部、
6 第1コリメーター、7 第1コリメーター制御部、8 第2コリメーター、
10 処理部、11 スペクトル生成部、12 二次X線ピーク抽出部、
13 二次X線ピーク幅算出部、14 蛍光X線ピーク幅情報取得部、
15 回折線ピーク判定部、20 操作部、22 表示部、24 記憶部、
26 情報記憶媒体、100 蛍光X線分析装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に一次X線を照射するX線照射部と、
前記試料から発生した少なくとも蛍光X線を含む二次X線の強度を測定する検出部と、
前記二次X線の強度に基づいて、スペクトルを生成するスペクトル生成部と、
前記スペクトルから、二次X線ピークを抽出する二次X線ピーク抽出部と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー幅を算出する二次X線ピーク幅算出部と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する蛍光X線ピーク幅情報取得部と、
前記二次X線ピーク幅算出部が算出した前記二次X線ピークのエネルギー幅が、前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、抽出された前記二次X線ピークを回折線ピークと判定する回折線ピーク判定部と、
を含む、蛍光X線分析装置。
【請求項2】
請求項1において、
さらに、蛍光X線のエネルギー値の情報を記憶する記憶部を含み、
前記二次X線ピーク抽出部は、前記蛍光X線のエネルギー値の情報に基づいて、前記スペクトルから蛍光X線ピーク以外の前記二次X線ピークを抽出する、蛍光X線分析装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記回折線ピーク判定部は、さらに、前記二次X線ピークの周期に基づいて、抽出された前記二次X線ピークが回折線ピークか否かを判定する、蛍光X線分析装置。
【請求項4】
少なくとも蛍光X線を含む二次X線のスペクトルから、二次X線ピークを抽出する二次X線ピーク抽出工程と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー幅を算出する二次X線ピーク幅算出工程と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する蛍光X線ピーク幅情報取得工程と、
前記二次X線ピーク幅算出工程で算出した前記二次X線ピークのエネルギー幅が、前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、抽出された前記二次X線ピークを回折線ピークと判定する回折線ピーク判定工程と、
を含む、蛍光X線分析方法。
【請求項5】
少なくとも蛍光X線を含む二次X線のスペクトルから、二次X線ピークを抽出する二次X線ピーク抽出部と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー幅を算出する二次X線ピーク幅算出部と、
抽出された前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅の情報を取得する蛍光X線ピーク幅情報取得部と、
前記二次X線ピーク幅算出部が算出した前記二次X線ピークのエネルギー幅が、前記二次X線ピークのエネルギー値における蛍光X線ピークのエネルギー幅よりも大きい場合に、抽出された前記二次X線ピークを回折線ピークと判定する回折線ピーク判定部としてコンピューターを機能させる、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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