説明

血中グルコース濃度を決定するためのセンサシステム

提案されたセンサシステムは、埋め込み可能なセンサ(1’)およびそれに連結されたユーザ装置を具備する。感受性のある液体はセンサ(1’)に入れられ、その中にグルコースが浸透することができる。感受性のある液体とグルコースとから構成される混合物の粘度が測定される。ユーザ装置は、測定およびその評価はユーザ装置を制御し、皮膚の外部に着用された携帯用装置から構成される。センサ(1’)に配置され同様にセンサ(1’)に配置された駆動磁石(24)によって駆動されることができる測定要素(35)の回転に基づいて粘度が測定される。測定要素(35)の回転は、駆動磁石(24)の切断後に減衰ふるまいに基づいて分析される。第二の好適な実施の形態の場合には、センサに配置され同様にセンサに配置された磁石によって振動するように励起されることができる振動要素の振動ふるまいに基づいて粘度が測定される。振動ふるまいは、磁石の切断後に振動要素の減衰ふるまいに基づいて分析される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、埋め込み可能なセンサによって血糖値を測定することである。糖尿病は、もっとも一般的な慢性疾患の一つである。これは、米国人口の約8%を冒しており、人口における体重超過が増加しているため、この数字は毎年増加している。世界的に、2025年までには約三億人の糖尿病患者がいると予想される。糖尿病が何年にもわたって不適切に治療されている場合には、心臓麻痺、脳梗塞、下肢の血流障害、腎障害および失明、さらに、結果として足または脚の切断になる可能性がある神経伝導障害の高いリスクがある。このようにして、糖尿病は、全保健サービスコストの10%を占める。
【背景技術】
【0002】
たとえば、糖尿病制御および合併症試験(Diabetes Control and Complication Trial)(DCCT)およびUK将来的糖尿病研究(UKPDS)等の様々な研究によって、長期的合併症のリスクを血糖値の改良された調節によって減少することができることを実証することが可能である。血糖値を下げるために様々な種類の治療を行うことができ、すなわち、適合された食餌、身体活動、錠剤およびインスリンである。それぞれの治療の効能をチェックする際の必須要素は、血糖値のセルフモニタリングである。すべてのインスリン依存性糖尿病患者(1型)および一部の非インスリン依存性糖尿病患者(2型)は、一日に数回自分の血糖値を測定しなければならない。今まで、これは、指の先端を刺して、少量の血液を検査ストリップに加え、それを読取装置に挿入することによって行われてきた。セルフモニタリングのこの方法は、痛みを伴い且つコストがかかる。したがって、何年もの間、血糖値を連続して測定するための痛みのない方法を開発することが求められてきた。できるだけ多くの血糖値測定によって、医師および患者が日常的に治療に順応しこれを改良することが可能になり、その結果として、長期的合併症のリスクおよびその結果のコストを減少することができる。
【0003】
本発明は、血液中のグルコース濃度を決定するためのセンサシステムに関し、埋め込み可能なセンサとそれに連結されたユーザ装置とを具備する。
【0004】
針を有する埋め込み可能なセンサを備えた経皮的なシステムが業界では公知であり、それは、絶縁体によって分離される二つの異なる金属を具備し、そのため、電位を加えることができる。センサはモニタに接続され、これは、最大三日間にわたってグルコース値を五分ごとに記録する。センサはあまり安定しておらず、結果は、一日数回患者の血液でキャリブレーションを行う必要があるということである。
【0005】
グルコース含有量を測定するために、現在市場に出ている別の測定システムの場合には、グルコースは、電流パルスによって皮膚を通って引かれ、センサの二つのゲルディスクに集められ、それはグルコース含有量を測定する。センサは、ウォッチ型のディスプレイ装置の背部に配置され、いわゆる最小侵襲的システムであり、すなわち、何かを皮膚に加えるか、または小型カニューレを皮膚内に挿入するか、のいずれかが必要であるシステムであり、その結果として、感染のリスクを除外することができない。この理由のため、この侵襲的システムの場合には、数日ごとにセンサを変える必要があり、それに加えて、このシステムは同様に、患者の血液でキャリブレーションを必要とする。上述の公知のシステムの両方もまた、ホルターシステムと称され、すなわち、患者自身ではなく、医師が加えるシステムである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、センサの埋め込み後すぐに診療行為を繰り返す必要がなく、または、感染のリスクの構成要素となる患者の皮膚にまたは皮膚内で操作を行う必要がなく、患者によって適用されることが適切であり且つ患者が自分の血液のグルコース含有量を連続してモニタすることが可能であるセンサシステムを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
設定された目的は、本発明にしたがって達成され、センサは、感受性のある液体を含有するアンプルの形態であり、その中にグルコースが浸透することができ、感受性のある液体とグルコースとから構成される混合物の粘度が測定され、ユーザ装置は、皮膚の外部に着用された携帯用装置から構成され、測定およびその評価はユーザ装置によって制御される。
【0008】
本発明によるセンサシステムの場合には、ユーザ装置は、皮膚にまたは皮膚内にどんなものであれ操作を行わず、したがって、炎症または感染のいずれのリスクを除外する。センサは、再キャリブレーション等を必要とせずに少なくとも数ヶ月埋め込まれていることが可能であり、患者は、血液を引き出す不便さなしで済ませる。患者は、いずれの種類の不快を伴わずに、いつでも自分の血液のグルコース含有量をチェックすることができ、医師の監督を必要とせずに適切な薬剤を取ることによってこのグルコース含有量を規制することができる。
【0009】
本発明によるセンサシステムの第一の好適な実施の形態は、センサに配置され振動磁場によって振動するように励起されることができる振動要素の振動ふるまいに基づいて粘度が測定されることを特徴とする。振動要素の振動ふるまいは、磁石の切断後の減衰ふるまいに基づいて分析され、振動要素自体は、ユーザ装置によって測定される磁場を生成する。
【0010】
本発明によるセンサシステムのこの第一の好適な実施の形態の有利な展開は、請求項4から12に開示されている。
【0011】
本発明によるセンサシステムの第二の好適な実施の形態は、センサに配置され同様にセンサに配置された駆動磁石によって駆動されることができる測定要素の回転に基づいて粘度が測定されることを特徴とする。測定要素の回転は、駆動磁石の切断後に減衰ふるまいに基づいて分析されることが好ましい。
【0012】
センサは、二段階構造物であることが好ましく、ヘッド部分および測定部分を有し、ヘッド部分は駆動磁石を含み、測定部分は測定要素を含み、駆動磁石はケーシング内に配置され、液体に対してシールドされるようにする。
【0013】
本発明によるセンサシステムの第三の好適な実施の形態は、ヘッド部分と測定部分との間に基準部分が設けられ、後者の二つの部分を結合し、これは、液体に対して封止され且つ回転可能に装着された基準要素および上記感受性のある液体を含むチャンバを具備することを特徴とする。基準部分は、測定の精度を上げ、測定結果における温度変化の影響を減少する。
【0014】
第二および/または第三の好適な実施の形態の有利な展開は、請求項16から23に開示されている。
【0015】
本発明は、模範的な実施の形態および図面を参照して下記により完全に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1から3に表されたセンサ1の第一の模範的な実施の形態は、直径2mmおよび長さ8mmの概算寸法を有する細長いアンプルの形態を有し、これらの値は、広い範囲内で変動可能である。センサ1のシェル2は、セルロースから作られる半透性壁から構成され、それを通ってグルコースがアンプル内に浸透することができる。センサ1の内部の大半は、円筒形のプラスチック部分3によって占められ、これは、その円周表面に突出する数本のリブ4によってセンサ1の中心に置かれ、軸方向内腔5を有する。プラスチック部分は、たとえば、ポリカーボネートから作られた射出成形部分であり、下記により完全に説明されるように、振動要素を支持し且つセンサ1内の液体容量を減少するように作用する。操作の準備ができたときには、センサは、高分子量を有する感受性のある液体、たとえば、デキストランおよびコンカナバリンA(ConA)等で満たされる。
【0017】
図1および2において、センサ1に隣接してプラスチック部分3の右手端があり、センサ1内に永久磁石6が配置され、これは、腐食を防止するために、ポリカーボネート製のプラスチックコーティング7で上塗りされる。図1および2において、プラスチックコーティング7、センサ1のシェル2およびプラスチック部分3は、プラスチック部分3の内部を見るために、部分的に開口されている。プラスチックコーティング7は、たとえば、酸化アルミニウムセラミックから作られた曲げバー8を支持するように作用し、これは、プラスチック部分3に沿って延在する。プラスチック部分3は、曲げバー8の領域で平らにされ(図3)、この場所で薄いストリップの形態の基部基板9を有する。曲げバー8の自由端と基部基板9との間にスペーサー10が設けられ、その厚さは、曲げバーの十分に大きな振動振幅が可能であるように選択され、約100μmである。
【0018】
曲げバー8、基部基板9およびスペーサー10は、同一の材料から作られ、ラミネートの層を重ね合わせ、その後、圧縮することによって作られる。プラスチック部分3に向かって面する端面で、プラスチックコーティング7は、狭い細長いアーム11を支持し、これは、プラスチック部分3の内腔5内に突出する。永久磁石6が外部の振動磁場によって励起されるときには、これは振動し、磁石6の振動で、プラスチックコーティング7、曲げバー8およびアーム11も振動する。これらの振動の結果として、センサ1に存在する感受性のある液体がセンサ1に入ったグルコースと混合されることになる。この場合、アーム11の振動は、迅速な測定のために非常に重要であるが、それは、これがセンサ1内の流れを刺激し、センサに均質なグルコース濃度を提供するからである。
【0019】
磁石6を励起する磁場の周波数は、磁石6が100から300Hzの範囲の周波数で振動するように選択される。曲げバー8およびアーム11は同一の周波数で振動し、振動振幅は約100μmすなわち0.1mmである。感受性のある液体とグルコースとを一緒に混合した後に、磁場は切断され、振動減衰時間が測定され、これは、曲げバー8と一緒に振動する磁石6によって生成された磁場によって行われる。
【0020】
生理食塩水のデキストランおよびコンカナバリンAの粘度の変化は、グルコース濃度の関数として、R.Ehwaldら、「粘性親和力アッセイ(Viscosimetric affinity assay)」、Anal Biochem 234、1(1996)およびU.Beyer「粘性親和力センサによって皮下グルコース動力の記録(Recording of subcutaneous glucose dynamics by a viscosimetric affinity sensor)」、Diabetologia 44、416(2001)に記載されている。その中に記載されている溶液は、数種類の構成要素から構成されているシステムを通って感受性のある液体が循環することに基づいている。本発明によるシステムの場合には、粘度は、センサ1に入れられた感受性のある液体の容量において直接測定され、センサは、長手方向に体表面に対して垂直に、皮膚の下に埋め込まれており、そのため、図1および2において平らで右手端であるセンサ1の端は、皮膚の下約2mmにある。埋め込みは、注射針によってたとえばウエストレベルに行われる。
【0021】
図4は、基準Bによって示されるユーザ装置のブロック図である。この装置は、特に、アンプル1(図1)内で磁石6を励起するために磁場13を生成するための磁石12と、磁石12を励起するためのコイル14と、を含み、これらは同時に、センサ1の磁石6によって生成された磁場を検出するために磁場センサとして作用し、さらにマイクロプロセッサ15を含む。コイル14は、受信増幅器16と送信増幅器17との両方に接続され、そのそれぞれの出力および入力は、マイクロプロセッサ15へルートづけられる。マイクロプロセッサ15は、さらに、現在測定されたグルコース値用にディスプレイ18に接続され、グルコース値を格納するためにメモリ19に接続される。ユーザ装置Bはまた、図示されていない電力供給装置も含む。ユーザ装置Bをセンサ1に対して正確に位置決め(標準化)するために、追加の磁場センサ、たとえば、ホールセンサが、任意に設けられてもよい。
【0022】
ユーザ装置Bの励起および検出機能のための別の可能な解決法は、回転する双極子に基づいており、曲げバー8の振動は、二つの永久磁石を有するハードディスクモータによって外的に励起され、オシレータ(曲げバー8プラス磁石6)の性能係数は、モータ減衰量の分析によって決定される。
【0023】
図5および6に表されるセンサ1’は同様に、細長いアンプルの形態を有する。これは、感受性のある液体およびグルコースから構成される混合物の粘度を測定する方法において、図1から3に表されたセンサ1とは実質的に異なる。センサ1の場合には、粘度は、振動要素の振動ふるまいに基づいて測定され、一方、第二のセンサ1’の場合には、測定要素の回転ふるまいに基づいて測定される。この場合、原則として、磁石の切断後の減衰ふるまいに基づいて測定要素の回転ふるまいを分析することが十分である。しかし、二つの構成要素が使用され、一方が感受性のある液体およびグルコースから構成される混合物内を回転し他方が基準液体内を回転する場合には、測定結果はより正確になる。基準液体は感受性のある液体から構成されることが好ましい。
【0024】
図5および6によると、センサ1’は、形態的に回転対称であり、円筒形ヘッド部分20と、ヘッド部分20よりも直径が小さい円筒形測定部分21と、ヘッド部分20と測定部分21とを結合する円錐形基準部分22と、から構成される。ヘッド部分20は、およそ2.5mmの直径およびおよそ3mmの長さを有し、測定部分21は、およそ0.6mmの直径およびおよそ6mmの長さを有し、基準部分22は同様に、およそ6mmの長さを有する。ヘッド部分20は、気密ケーシング23から構成され、その中に駆動磁石24が装着される。駆動磁石24は、二つの軸受25に機械的に支持され、そのうちの、基準部分22に装着された前部軸受のみが、図5で見られる。後部軸受25は、駆動磁石24によって隠されており、ケーシング23に装着される。
【0025】
基準部分22は、円錐台の形態のケーシング26を具備し、これは、軸方向内腔を有し、その中に、気密な円筒形基準チャンバ27が配置される。円錐台の形態のケーシング26は、そのより厚い端でヘッド部分20に結合され、そのより薄い端で測定部分21に結合される。基準チャンバ27内に、図1から3の説明で述べられた、高分子量を有する感受性のある液体から構成されることが好ましい基準液体がある。基準チャンバ27にはまた、回転可能に装着された円筒形基準要素28がある。
【0026】
各端で、基準要素28は、磁石端部分29および30を担持し、その端部分29は、駆動磁石24と、且つ、それから突出する二つの永久磁石31と、磁気結合を形成し、端部分30は測定部分21と磁気結合を形成する。二つの磁石端部分29および30の間に、基準要素28は、ケーシング26内に配置され基準チャンバ27を取り囲む環状磁石33の水準に位置する永久磁石32をさらに担持する。環状磁石33および永久磁石32は、基準要素28をその回転軸に安定するように作用する。この安定化は、軸の機械的な位置決めによっても達成されることができる。
【0027】
測定部分21は、円筒形ケーシング34を具備し、これは、一方の端で基準部分22に取り付けられ、他方の端で閉鎖部分41を担持する。ケーシング34は、上記感受性のある液体を含有する測定チャンバを形成し、加えて、その中に円筒形測定要素35が回転可能に装着される。ケーシング34の円周表面には、長手方向ウインドウ36が設けられており、セルロースから作られた半透膜37と内部で一列に並べられ、それを通ってグルコースは測定チャンバ内に浸透することができる。測定要素35の回転は、測定チャンバに存在する感受性のある液体を、測定チャンバに入ったグルコースと混合させ、結果として測定チャンバ内で均質なグルコース濃度になる。
【0028】
測定要素35は、その端で、磁石端部分38および39をそれぞれ担持し、基準要素28に隣接する端部分38は、基準要素28との磁気結合をもたらし、したがって、測定要素35を駆動するように作用する。他方の端部分39は、永久磁石40と磁気結合を形成し、これは、ケーシング34の自由端で固定され、測定要素35を回転軸に安定させるように作用する。参照符号41は、センサの測定部分21の円錐形の閉鎖部分を示す。
【0029】
図5および6に表されたセンサの第二の模範的な実施の形態のユーザ装置は、図4に表されたユーザ装置Bと実質的に同一の構造であるが、主に、駆動磁石24を回転させる回転場を生成するために数個のコイルを含有する点が、ユーザ装置Bとは異なる。同様に、ユーザ装置は、数個の磁場センサを具備し、これは、回転磁場の切断後に、駆動磁石24の回転を測定する。
【0030】
駆動磁石24は、磁石31および29を経由して、基準要素28を駆動し、基準要素28は、磁石30および38を経由して、測定要素35を駆動する。測定要素35および基準要素28は、ケーシング27および34内で回転し、その両方は、高分子量を有する同一の感受性のある液体を含有する。基準要素28を有するケーシング27は気密式に封止され、測定要素35を有するケーシング34は、半透膜37で封止され、それを通ってグルコースが測定チャンバ内に浸透することができる。基準要素28(永久磁石30)と測定要素35(永久磁石38)との間の磁気結合は、測定要素35が限界回転周波数に対してのみ結合回転をもたらす。
【0031】
この限界周波数より上で、システムは、回転磁場の切断時に駆動磁石24の回転の減衰に基づいてケーシング27の液体の粘度を測定し、この液体はもっぱら上記感受性のある液体である。限界周波数より下で、回転磁場の切断時に駆動磁石24の回転の減衰は、測定チャンバ(ケーシング34)内で、感受性のある液体およびグルコースから構成される液体混合物の粘度によって決定される。この情報に基づいて決定されたグルコース濃度は、温度に依存せず、これは、基準測定のないシステムに対して実質的な利点を構成する。
【0032】
この利点が必要ではないかまたは必須ではない場合には、図5および6に表されたセンサは、基準部分22を省略することによって簡略化されてもよい。この場合、駆動磁石は、永久磁石31および38を経由して、測定要素35を直接駆動する。
【0033】
図1から3に表されたセンサ1は、比較的簡単な修正によって、ホルターシステムとしての用途用に適応されてもよく、その中で、グルコース含有量は、数日間の期間にわたって医師の管理下で連続してモニタされる。この用途の場合、センサ1の磁石6を励起する磁場が、外部磁石12によってではなく、センサ1の内部に配置された電流コイルによって生成され、二本の薄い電線が、上記電流コイルから、患者の皮膚を通ってユーザ装置へ外向きに進む。上記電流コイルは、スペーサー10(図1)の領域に配置されることが好ましい。電流コイルから磁石6への十分な磁束を確実にするために、曲げバー8および基部基板9は、磁気的にソフトな材料から作られている。同一のことが、図5および6に表されたセンサ1’にも適用され、同様に、駆動磁石24を励起するための電流コイルをケーシング23の内部に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるセンサシステムの部分的に開口したセンサの第一の模範的な実施の形態の斜視図である。
【図2】本発明によるセンサシステムの部分的に開口したセンサの第一の模範的な実施の形態の斜視図である。
【図3】図1、2のセンサを通る断面図である。
【図4】本発明によるセンサシステムのユーザ装置のブロック図である。
【図5】本発明によるセンサシステムの部分的に開口したセンサの第二の模範的な実施の形態の斜視図である。
【図6】図5のセンサの閉鎖した状態の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み可能なセンサ(1、1’)およびそれに連結されたユーザ装置(B)を具備する血液中のグルコース濃度を決定するためのセンサシステムであって、前記センサ(1、1’)は、感受性のある液体を含有するアンプルの形態であり、その中にグルコースが浸透することができ、前記感受性のある液体と前記グルコースとから構成される混合物の粘度が測定され、前記ユーザ装置(B)は、皮膚の外部に着用された携帯用装置から構成され、測定およびその評価は前記ユーザ装置(B)によって制御されることを特徴とするセンサシステム。
【請求項2】
前記センサ(1)に配置され振動磁場によって振動するように励起されることができる振動要素(8)の振動ふるまいに基づいて粘度が測定されることを特徴とする請求項1記載のセンサシステム。
【請求項3】
前記振動要素(8)の前記振動ふるまいは、磁石(6)の切断後の減衰ふるまいに基づいて分析され、前記振動要素(8)自体は、前記ユーザ装置によって測定される磁場を生成することを特徴とする請求項2記載のセンサシステム。
【請求項4】
前記振動要素は、前記センサ(1)内の前記液体をさらに均質化することを特徴とする請求項2または3に記載のセンサシステム。
【請求項5】
前記振動要素(8)は、前記磁石(6)に確実に結合され、曲げバーから構成されることを特徴とする請求項4記載のセンサシステム。
【請求項6】
前記磁石(6)は、前記曲げバーの二つの端の一方に取り付けられ、磁場(13)によって振動させることができることを特徴とする請求項5記載のセンサシステム。
【請求項7】
前記磁場(13)は、前記ユーザ装置(B)に設けられた電磁気配列によって、または、前記センサ(1)に設けられた電気コイルによって、生成されることを特徴とする請求項6記載のセンサシステム。
【請求項8】
前記センサ(1)は、グルコースによる浸透を可能にする半透性壁(2)を具備することを特徴とする請求項2から7のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項9】
プラスチック部分(3)であって、前記センサ(1)に配置され、それを部分的に満たし、したがって液体容量を限定し、且つ、前記振動要素(8)用のサポートとして設計され、細長い内腔(5)を有し、その中に、前記磁石(6)に配置され前記液体を一緒に混合するために設けられたアーム(11)が突出するプラスチック部分(3)を特徴とする請求項2から8のいずれか1項に記載のセンサシステム。
【請求項10】
前記電磁気配列は、前記センサ(1)の前記磁石(6)を励起するための手段と、この磁石によって生成された磁場用の磁場センサと、を含むことを特徴とする請求項7記載のセンサシステム。
【請求項11】
前記手段および前記磁場センサは、磁石(12)およびそれを励起するためのコイル(14)と、前記コイル(14)に接続されたマイクロプロセッサ(15)と、から構成されることを特徴とする請求項10記載のセンサシステム。
【請求項12】
前記センサ(1’)に配置され同様に前記センサ(1’)に配置された駆動磁石(24)によって駆動されることができる測定要素(35)の回転に基づいて粘度が測定されることを特徴とする請求項1記載のセンサシステム。
【請求項13】
前記測定要素(35)の回転は、前記駆動磁石(24)の切断後の減衰ふるまいに基づいて分析されることを特徴とする請求項12記載のセンサシステム。
【請求項14】
前記センサ(1’)は、二段階構造物であり、ヘッド部分(20)および測定部分(21)を有し、前記ヘッド部分(20)は前記駆動磁石(24)を含み、前記測定部分(21)は前記測定要素(35)を含み、前記駆動磁石(24)はケーシング(23)内に配置され、前記液体に対してシールドされるようにすることを特徴とする請求項13記載のセンサシステム。
【請求項15】
前記ヘッド部分(20)と前記測定部分(21)との間に基準部分(22)が設けられ、後者の二つの部分を結合し、これは、液体に対して封止され且つ回転可能に装着された基準要素(28)および前記感受性のある液体を含むチャンバ(27)を具備することを特徴とする請求項14記載のセンサシステム。
【請求項16】
前記ヘッド部分(20)および前記測定部分(21)は、各々が円筒形形態であり、前記ヘッド部分(20)の直径は前記測定部分(21)の直径よりも大きいことを特徴とする請求項14または15に記載のセンサシステム。
【請求項17】
前記基準部分(22)は円錐台の形態を有し、前記基準要素(28)および前記測定要素(35)は細長い円筒形として設計されることを特徴とする請求項15または16に記載のセンサシステム。
【請求項18】
前記測定部分(21)は、ウインドウ型開口(36)を具備し且つグルコースによる浸透を可能にする半透性フィルム(37)と内部で一列に並べられる細長いケーシング(34)として設計されることを特徴とする請求項17記載のセンサシステム。
【請求項19】
前記駆動磁石(24)は、前記ユーザ装置(B)に設けられた電磁気配列によって生成される磁場によって回転させられることができることを特徴とする請求項18記載のセンサシステム。
【請求項20】
前記測定要素(35)は、それぞれ、前記駆動磁石(24)と前記基準要素(28)との間の、および、前記基準要素(28)と前記測定要素(35)との間の、磁気結合(29、31;30、38)を経由して駆動されることを特徴とする請求項19記載のセンサシステム。
【請求項21】
前記基準要素(28)と前記測定要素(35)との間の前記磁気結合(30、38)は、前記測定要素(35)が一定の限界回転周波数に対してのみ結合回転をもたらすような設計であることを特徴とする請求項20記載のセンサシステム。
【請求項22】
前記駆動磁石(24)の駆動の切断後に、もっぱら前記基準部分(22)の前記チャンバ(27)の前記感受性のある液体の粘度によって、前記限界回転周波数より上に、且つ、前記測定部分(21)の前記ケーシング(34)内の感受性のある液体およびグルコースから構成される混合物の粘度によって、限界回転周波数より下に、その回転の減衰が決定されることを特徴とする請求項21記載のセンサシステム。
【請求項23】
グルコース濃度の値は、温度に依存せず、限界回転周波数より上および下の二つの粘度値に基づいて決定されることを特徴とする請求項22記載のセンサシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−503678(P2006−503678A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−501492(P2005−501492)
【出願日】平成15年10月22日(2003.10.22)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000684
【国際公開番号】WO2004/037079
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(505144038)エコール ポリテクニック フェデェラル ドゥ ローザンヌ (2)
【Fターム(参考)】