血圧情報測定装置および血圧情報を測定するための方法
【課題】血圧情報測定装置が備える測定用カフ106の巻き付け状態を検出する。
【解決手段】血圧情報測定措置100は、腕帯102と、荷重検知シート104と、腕帯102と荷重検知シート104との間に配置されて生体に対して圧迫力を与える測定用カフ106と、荷重検知シート104を駆動するための荷重検知シート駆動回路128と、荷重検知シート104からの出力に基づいて測定用カフ106の巻き付け状態を判定するCPU120とを備える。CPU120は、圧迫力の分布状態に基づいて測定用カフ106の生体に対する装着状態を検出する検出部151と、圧迫力が正常に分布している場合に血圧情報を導出する導出部152とを含む。
【解決手段】血圧情報測定措置100は、腕帯102と、荷重検知シート104と、腕帯102と荷重検知シート104との間に配置されて生体に対して圧迫力を与える測定用カフ106と、荷重検知シート104を駆動するための荷重検知シート駆動回路128と、荷重検知シート104からの出力に基づいて測定用カフ106の巻き付け状態を判定するCPU120とを備える。CPU120は、圧迫力の分布状態に基づいて測定用カフ106の生体に対する装着状態を検出する検出部151と、圧迫力が正常に分布している場合に血圧情報を導出する導出部152とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血圧情報の取得に関し、特に、カフが巻かれた生体から血圧情報を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上腕の脈波から動脈硬化を判定しようとする技術として、たとえば、特開2007−044362号公報(特許文献1)は、血圧測定用のカフと脈波測定用のカフの二重構造を備えた技術を開示している。
【0003】
また、カフ上流からのノイズを遮断して正確な血圧値を測定しようとする技術として、たとえば、特開2000−079101号公報(特許文献2)は、血圧測定用として圧迫用と測定用のカフを分離した二重構造を持つ技術を開示している。
【0004】
また、動脈への圧迫力を均一にし、正確な血圧測定をしようとする技術として、たとえば、特開2004−254717号公報(特許文献3)は、圧迫用カフと測定用カフを積層状態に備えた技術を開示している。
【0005】
さらに、脈波測定可能なカフ構造・装置として、特開2006−334153号公報(特許文献4)は、測定用カフと圧迫用カフを分離した構造を開示している。
【特許文献1】特開2007−044362号公報
【特許文献2】特開2000−079101号公報
【特許文献3】特開2004−254717号公報
【特許文献4】特開2006−334153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2007−044362号公報に開示された技術によると、カフの巻き付け方法は被験者依存となることから正しく巻き付けられているということが前提であり、カフの巻き付け状態を検知できる機能・構造はない為、ぴったり巻きでない状態のまま被験者が測定してしまうことにより正確な脈派・血圧を測定できない可能性がある。
【0007】
また、特開2000−079101号公報もしくは特開2004−254717号公報に開示された技術によると、生体に対するカフ装着時の中心位置のずれやカフの巻き方のばらつきが測定結果に影響を与え、カフの巻き方の検知機能は備えていないことから、正確に脈波・血圧を検出できない可能性がある。
【0008】
特開2006−334153号公報に開示された技術によると、カフの装着の巻き付け不良(ゆる巻き、腕に対する不均一な巻き付け)に対しては、構造上カフ全体の圧迫力が変更されるに過ぎない。
【0009】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、カフの巻き付け状態からカフの圧迫力が正確な測定に適した状態であるか否かを検出できる血圧情報測定装置を提供することである。
【0010】
他の目的は、カフの巻きつけの修正が必要な場合に修正が必要な情報を通知する血圧情報測定装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、カフの巻き付け状態からカフの圧迫力が正確な測定に適した状態であるか否かを検出して血圧情報を測定するための方法を提供することである。
【0012】
他の目的は、カフの巻きつけの修正が必要な場合に修正が必要な情報を通知して血圧情報を測定するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明のある局面に従う血圧情報測定装置は、カフと、カフの表面のうちカフが生体に圧迫力を与える面に配置されて、荷重を検知する荷重検知手段と、荷重検知手段によって検知される荷重に基づいて生体に対する圧迫力の分布状態を検出する分布状態検出手段と、圧迫力が正常に分布している場合に生体の血圧情報を導出する導出手段とを備える。ここで、「血圧情報」とは、生体の測定によって得られる「血圧に関連する情報」をいい、具体的には、血圧値、脈波波形、心拍数、等が該当する。
【0014】
好ましくは、荷重検知手段は、荷重を検知するための複数の測定領域を含む。分布状態検出手段は、複数の測定領域の各々からの出力に基づいて分布状態を検出する。
【0015】
好ましくは、血圧情報測定装置は、分布状態に基づいて、カフの生体に対する装着状態を検出する装着状態検出手段をさらに備える。
【0016】
好ましくは、装着状態検出手段は、カフの生体に対する巻き付け状態を検出する。巻き付け状態は、正常、めくれ、ねじれ、しわ、またはカフの固定忘れ、のいずれかを含む。
【0017】
好ましくは、装着状態検出手段は、カフの上下の装着間違いを検出する。
好ましくは、血圧情報測定装置は、カフの巻き付け状態が不良であるときの巻き付け状態と、血圧情報測定装置による測定のための同一の処理シーケンスにおけるカフの巻き直し後の状態とを比較する比較手段をさらに備える。
【0018】
好ましくは、血圧情報測定装置は、分布状態に基づいて、生体の腕周を算出する算出手段と、算出手段によって算出された腕周を格納する記憶手段とをさらに備える。
【0019】
好ましくは、記憶手段は、複数の生体の各々についての腕周を格納している。血圧情報測定装置は、分布状態検出手段によって検出された分布状態と、記憶手段に格納されている各腕周とに基づいて、生体を推定する推定手段をさらに備える。
【0020】
好ましくは、血圧情報測定装置は、荷重の時系列変化に基づいて生体の体動を検知する体動検知手段をさらに備える。
【0021】
好ましくは、カフは、表示装置を含む。血圧情報測定装置は、カフの巻き付け状態を示す情報を表示装置に表示させる表示制御手段をさらに備える。
【0022】
この発明の他の局面に従うと、血圧情報を測定するための方法が提供される。この方法は、カフを生体に巻き付けるステップと、カフの表面のうちカフが生体に圧迫力を与える面において、圧迫力に基づく荷重を検知するステップと、荷重に基づいて生体に対する圧迫力の分布状態を検出するステップと、圧迫力が正常に分布している場合に生体の血圧情報を導出するステップとを含む。
【0023】
他の局面において、血圧情報測定装置は、生体の情報を取得するためにカフが生体に正常に装着されているか否かを分布状態に基づいて判断する判断手段をさらに備えてもよい。
【0024】
好ましくは、血圧情報測定装置は、カフが生体に正常に装着されていない場合にカフを正常に装着するための案内を教示する教示手段をさらに備えてもよい。
【0025】
好ましくは、血圧情報測定装置は、生体を選択するための入力を受け付ける入力手段と、記憶手段に格納されている腕周に基づいて、選択された生体が血圧情報測定装置に登録されている生体に一致するか否かを判断する生体判断手段とをさらに備えてもよい。
【0026】
好ましくは、導出手段は、体動が検知されたときのカフの圧迫力に基づいて、生体の血圧情報を再度導出してもよい。
【0027】
好ましくは、血圧情報測定装置は、当該血圧情報測定装置によって導出される情報を表示する表示手段をさらに備えてもよい。
【0028】
好ましくは、血圧情報測定装置は、カフの巻き付け状態の判断機能を有効化又は無効化するための切替手段をさらに備えてもよい。
【0029】
好ましくは、血圧情報測定装置は、当該血圧情報測定装置によって導出される情報を音声で出力する音声出力手段をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明のある局面によると、カフの巻き付け状態からカフの圧迫力が正確な測定に適した状態であるか否かを検出できる。本発明の他の局面によると、カフの巻きつけの修正が必要な場合に修正が必要な情報が通知される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0032】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100は、ぴったり巻き判定・表示(以下「第1の局面」)と、カフ圧力の印加前におけるカフの巻き付け不良の検出(以下「第2の局面」)と、カフ圧力の印加後におけるカフ巻き付け不良の検出(以下「第3の局面」)とを、個別に又は組み合わせて実現し得る。
【0033】
(第1の局面−ぴったり巻き判定・表示)
本実施の形態の第1の局面に係る血圧情報測定装置100は、測定用カフ106の上側(生体側)に設けた荷重検知シート104により、測定用カフ106を巻き付けた際の圧迫力の分布を検知する機能と、その荷重の分布状態から測定用カフ106の「ぴったり巻き」(圧迫力が正確な測定に適した状態)の有無を判定する機能と、その結果を本体モニタ140に表示させることにより、または、その結果に基づく音声案内をスピーカ132を介して行うことにより測定者に通知する機能とを有する。
【0034】
(第2の局面−カフ圧力印加前におけるカフの巻き付け不良の検出)
第2の局面に係る血圧情報測定装置100は、測定用カフ106が生体の腕に巻き付けられた後であって、測定用カフ106への「初期圧力印加前」に荷重検知シート104の荷重の分布状態を検知することにより、測定用カフ106の初期の巻き付け不良を検出する機能と、「ぴったり巻き」でない場合、その旨を測定者に通知する機能とを含む。ここで、巻き付け不良とは、測定に影響を及ぼすような状態であって、「ゆる巻き」、「きつ巻き」、「カフのめくれ」、「ねじれ」、「しわ」、「(面ファスナによる)固定忘れ」、「上下装着間違い」等を含み得る。
【0035】
測定者は、巻き付け状態を確認し、必要に応じて測定用カフ106を巻き直して巻き付け状態を修正する。なお、測定者が測定用カフ106の巻き付け状態に問題が無いことを確認した場合、血圧情報測定装置100は、測定用カフ106の状態が「ぴったり巻き」であるとして、次のモード(測定のための加圧モード)に移行することができる。また、血圧情報測定装置100は、「ぴったり巻き」を検出した場合には、血圧・脈派測定を実行する。
【0036】
(第3の局面−カフ圧力印加後におけるカフの巻き付け不良の検出)
第3の局面に係る血圧情報測定装置100は、測定用カフ106を巻き付け後、測定用カフ106への「初期圧力印加後」に、第2の局面における処理と同様に測定用カフ106の巻き付け不良を検出する機能と、その荷重分布状態から圧迫が必要な範囲(腕周)に対して、測定用カフ106が適正に膨張して生体を圧迫していることを確認する機能とを有している。
【0037】
測定用カフ106が「ぴったり巻き」でない場合、血圧情報測定装置100は、その旨を測定者に通知すると共に排気弁を開放し、測定用カフ106を収縮(圧力開放)させる。第2の局面の場合と同様に測定者が測定用カフ106の巻き付け状態に問題の無いことを確認した場合、血圧情報測定装置100は、「ぴったり巻き」として次のモードに移行することができる。血圧情報測定装置100は、「ぴったり巻き」を検出した場合には、血圧・脈派測定を実行する。
【0038】
[ハードウェア構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100の構成について説明する。図1は、血圧情報測定装置100のハードウェア構成の概略を表わすブロック図である。血圧情報測定装置100は、腕帯102と、荷重検知シート104と、測定用カフ106と、本体110とを備える。本体110は、CPU(Central Processing Unit)120と、排気弁駆動回路121と、排気弁122と、エアポンプ駆動回路123と、エアポンプ124と、圧力センサ125と、増幅器126と、A/D(Analog to Digital)変換器127と、荷重検知シート駆動回路128と、フラッシュメモリ129と、RAM(Random Access Memory)130と、操作スイッチ131と、スピーカ132と、本体モニタ140とを備える。
【0039】
本実施の形態に係るCPU120は、検出部151と、導出部152と、装着状態判断部153と、生体判断部154と、推定部155と、表示制御部156と、切替部157とを含む。
【0040】
排気弁駆動回路121は、CPU120から送られる命令に基づいて、排気弁122の開閉を制御する。エアポンプ駆動回路123は、CPU120から送られる命令に基づいてエアポンプ124を駆動する。エアポンプ124は、測定用カフ106に対して空気を供給する。圧力センサ125は、測定用カフ106における空気圧を検知し、その検知した圧力を増幅器126に送出する。増幅器126は、圧力センサ125から送られた信号を増幅し、増幅後の信号をA/D変換器127に送出する。A/D変換器127は、増幅器126から出力された信号を増幅して、その増幅後の信号をCPU120に送出する。
【0041】
荷重検知シート駆動回路128は、CPU120からの命令に基づいて荷重検知シート104を駆動する。ある局面において、荷重検知シート駆動回路128は、荷重検知シート104とCPU120との間を導通状態に切り換える。荷重検知シート104からの出力は、CPU120に入力される。
【0042】
フラッシュメモリ129は、血圧情報測定装置100を作動させるために予め準備されたデータまたはプログラムを格納している。たとえば、フラッシュメモリ129は、本実施の形態に係るCPU120に固有の処理を実行させるためのファームウェア、アプリケーションプログラム等を格納している。アプリケーションプログラムには、血圧測定プログラム等が含まれる。また、フラッシュメモリ129は、さらに、CPU120によって生成されたデータ(たとえば被測定者の血圧値、血圧の測定日時など)を格納する。
【0043】
RAM130は、CPU120によって生成されたデータを揮発的に(一時的に)格納する。格納されるデータは、たとえば、荷重検知シート104によって検知された荷重、CPU120によって導出された血圧値などを含む。これらのデータは、フラッシュメモリ129にも書き込まれ得る。
【0044】
操作スイッチ131は、血圧情報測定装置100に対する操作入力を受け付ける。操作スイッチ131は、ある局面において、本体110の筐体に設けられたボタン、本体モニタ140の表示領域に構成されるタッチパネル式のスイッチなどにより実現される。
【0045】
スピーカ132は、CPU120から出力される信号に基づいて音声を出力する。出力される音声は、たとえば、血圧情報測定装置100の状態を示す音声を含む。
【0046】
ある局面において、荷重検知シート104は、測定用カフ106の表面のうち当該カフが生体(測定者)に圧迫力を与える面に配置されて、荷重を検知する。CPU120は、検出部151として、荷重検知シート104によって検知される荷重に基づいて当該生体に対する圧迫力の分布状態を検出する。CPU120は、導出部152として、当該圧迫力が正常に分布している場合に、当該生体の血圧情報を導出する。
【0047】
他の局面において、荷重検知シート104は、荷重を検知するための複数の測定領域を含む。CPU120は、当該複数の測定領域の各々からの出力に基づいて生体に対する圧迫力の分布状態を検出する。
【0048】
他の局面において、CPU120は、装着状態判断部153として、当該生体の情報を取得するために測定用カフ106が生体に正常に装着されているか否かを当該分布状態に基づいて判断する。
【0049】
他の局面において、CPU120は、当該生体に対する圧迫力の分布状態に基づいて、測定用カフ106の生体に対する装着状態を検出する。
【0050】
他の局面において、CPU120は、測定用カフ106の生体に対する巻き付け状態を検出する。ここで、巻き付け状態は、正常、めくれ、ねじれ、しわ、または、測定用カフ106の固定忘れ、の少なくとも1つを含む。
【0051】
他の局面において、CPU120は、測定用カフ106の上下の装着間違いを検出する。ここで、上とは、測定用カフ106が生体に巻きつけられた場合における当該生体と接する面の方向をいう。一方、下とは、生体に巻きつけられた測定用カフ106の外面方向をいう。
【0052】
他の局面において、CPU120は、当該生体に対する圧迫力の分布状態に基づいて生体の腕周を算出する。フラッシュメモリ129は、その算出された腕周を格納する。
【0053】
他の局面において、操作スイッチ131は、血圧情報測定装置を使用する生体を選択するための入力を受け付ける。CPU120は、生体判断部154として、フラッシュメモリ129に格納されている腕周に基づいて、選択された生体が血圧情報測定装置100に登録されている生体に一致するか否かを判断する。
【0054】
他の局面において、フラッシュメモリ129は、複数の生体の各々についての腕周を格納している。CPU120は、推定部155として、検出した当該生体に対する圧迫力の分布状態と、フラッシュメモリ129に格納されている各腕周とに基づいて生体(測定者)を推定する。
【0055】
本体モニタ140は、血圧情報測定装置100によって導出される情報を表示する。表示される情報は、生体の血圧値、測定用カフ106の巻き付け状態が正常であるか否かを表わすメッセージ、測定用カフ106の再度の巻き付けを促すメッセージ、検出された測定用カフ106の巻き付け状態(正常、捲れ、捩じれ、皺、測定用カフ106の固定忘れなど)を含む。
【0056】
他の局面において、測定用カフ106は、表示装置を含む。表示装置は、たとえば、腕帯102の表面に配置されたLED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含む。CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を示す情報を当該表示装置に表示させる。たとえば、CPU120は、発光命令を送出することにより、腕帯102の外側に配置されているLED(図示しない)を選択的に発光させる。発光するLEDは、たとえば圧迫力が正常であることが検知された領域に配置されたLEDである。
【0057】
他の局面において、CPU120は、切替部157として、測定用カフ106の巻き付け状態の判断機能を有効化、または無効化する。たとえば、CPU120は、操作スイッチ131に対して与えられる有効化のための命令に基づいて巻き付け状態の判断処理を実行する。また、CPU120は、無効化のための命令が与えられた場合には、当該巻き付け状態の判断処理を実行しない。
【0058】
図2を参照して、本実施の形態に係る測定用カフ106の構成について説明する。図2(A)および(B)は、当該カフの構成の概略を表わす図である。図2(A)に示されるように、腕帯102は、血圧情報測定装置100の使用者(たとえば血圧の測定者)の腕200に巻き付けられる。ここで、荷重検知シート104は、測定用カフ106と腕200との間に位置するように構成されている。
【0059】
図2(B)は、図2(A)の領域210を拡大した図である。荷重検知シート104は、測定用カフ106の上面に配置されている。ここで測定用カフ106の上面とは、生体に対する圧迫力が供給される面をいう。測定用カフ106は、腕帯102の上面に配置されている。図2(B)に示される構成により、腕帯102が生体の腕200に巻かれると、荷重検知シート104は、測定用カフ106から生体200に対して供給される圧迫力を検知することができる。
【0060】
[カフの構成]
図3を参照して、本実施の形態に係る測定用カフ106の構成について説明する。図3は、複数の測定領域を有する測定用カフ106の構成を概念的に表わす図である。測定用カフ106は、荷重を検知するための複数の測定領域310,320,330,340,350,360,370,380を含む。図3に示される測定用カフ106は、測定領域として8つの測定領域を含んでいる。なお、測定領域の数は、図3から導かれるものに限られず、8つより少なくてもよく、また8つより多くてもよい。
【0061】
[制御構造]
図4を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置100の制御構造について説明する。図4は、血圧を測定するために測定者によって行なわれる動作と血圧情報測定装置100によって行なわれる動作とを表わすフローチャートである。
【0062】
ステップS410にて、測定者は自己の腕200に測定用カフ106を巻き付ける。
ステップS412にて、CPU120は、エアポンプ駆動回路123を駆動して、エアポンプ124によって空気を測定用カフ106に供給させる。予め規定された圧力値まで空気が供給されると、CPU120は、荷重検知シート104からの出力に基づいて測定用カフ106における各測定領域の各々について荷重の分布を検出する。
【0063】
ステップS420にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態の検知を行なう。巻き付け状態は、たとえば、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であるか否か、「きつ巻き」であるか否か、あるいは「ゆる巻き」であるか否かを含む。ここで、ぴったり巻きとは、測定用カフ106による圧迫力が血圧の測定のために適切に供給されている状態をいう。きつ巻きとは、予め規定された圧迫力以上に測定用カフ106が生体の腕200に巻き付けられている状態をいう。ゆる巻きとは、きつ巻きとは逆に、測定用カフ106が測定のために十分な巻き付けに至っていない状態をいう。
【0064】
測定用カフ106の巻き状態の判定基準は、たとえば、以下のとおりである。
(第1判定基準)
第1判定基準は、「きつ巻き(過剰締め付け)」と「ゆる巻き(締め付け不足)」とを判定するために使用される。
【0065】
この場合、荷重検知シート104の各測定ブロック(測定領域)ごとの圧力が、測定ブロック全体の平均値に対して一定の範囲内(たとえば、±10%程度)であり、かつ、その平均値が一定値以上となる場合(圧迫力がほぼ均一であるが、全体的に締め付け荷重が高い状態)、CPU120は、当該状態を「きつ巻き」と判定する。
【0066】
一方、当該値が当該一定値以下となる場合(圧迫力がほぼ均一であるが、全体的に締め付け荷重が低い状態)、CPU120は、測定用カフ106の状態を「ゆる巻き」と判定する。
【0067】
なお、一定値とは、たとえば、きつ巻きについては30mmHg程度、ゆる巻きについては5mmHg程度をいう。
【0068】
(第2判定基準)
第2判定基準は、測定用カフ106が「過圧迫」であるか否かを判定するために使用される。具体的には、CPU120は、荷重検知シート104からの検出荷重(圧力)分布に対して、以下の場合「過圧迫」と判定する。
【0069】
・測定用カフ106への圧力印加前
CPU120は、荷重検知シート104の各測定ブロックごとの圧力分布が測定ブロック全体の平均値と比較して一定の値(たとえば、20mmHg程度)を超える圧力を検出した場合、測定用カフ106が「過圧迫」である、と判定する。
【0070】
・測定用カフへの圧力印加後
CPU120は、「測定用カフ106の内圧」と「荷重検知シートの各測定ブロックごとの圧力分布」との差が一定の値(たとえば、10mmHg程度)を超える場所を検出した場合、測定用カフ106が「過圧迫」である、と判定する。
【0071】
(第3判定基準)
第3判定基準は、測定用カフ106が「圧迫力不足」であるか否かを判定するために使用される。具体的には、CPU120は、荷重検知シート104の検出荷重(圧力)分布に対して以下の場合に、測定用カフ106が「圧迫力不足」であると判定する。
【0072】
・測定用カフへの圧力印加前
CPU120は、荷重検知シート104の各測定ブロックごとの圧力分布が測定ブロック全体の平均値と比較して一定の値(たとえば、20mmHg程度)を下回る圧力を検出した場合、測定用カフ106が「圧迫力不足」であると判定する。
【0073】
・測定用カフへの圧力印加後
CPU120は、「測定用カフ106の内圧」と「荷重検知シート104の各測定ブロックごとの圧力分布」との差が一定の値(たとえば、10mmHg程度)を下回る場所を検出した場合、測定用カフ106が「圧迫力不足」であると判定する。
【0074】
なお、測定用カフ106への圧力印加後では、生体への拘束が安定するため、測定用カフ106の巻き付け良否判定(過圧迫/圧迫不足)の際の圧力差(範囲)を小さくすることができる。
【0075】
以上の第1〜第3判定基準は、生体の測定部位の体組成、測定用カフ106の生体に対する装着方法に起因して必要とされる。一方、以下に説明する第4〜第6判定基準は、荷重検知シート104によって検出される荷重の分布パターンによって判定される。具体的には、CPU120は、血圧情報測定装置100のフラッシュメモリ129に予め登録された分布パターンと、検出された分布パターンとを比較して、第4〜第6判定基準を適用する。
【0076】
(第4判定基準)
第4判定基準は、測定用カフ106が「めくれ」、「ねじれ」、「しわ」であるか否かを判定するために使用される。
【0077】
(第5判定基準)
第5判定基準は、測定用カフ106が固定忘れであるか否かを判定するために使用される。
【0078】
(第6判定基準)
第6判定基準は、測定用カフ106の上下の装着が間違いであるか否かを判定するために使用される。
【0079】
図4を再び参照して、CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS420にてOK)、制御をステップS422に切り換える。そうでない場合には(ステップS420にてNG)、CPU120は、制御をステップS440に切り換える。
【0080】
ステップS422にて、CPU120は、排気弁駆動回路121に対して排気弁122を閉じる命令を与える。排気弁駆動回路121は、その命令に基づいて排気弁122を閉じる。さらに、CPU120は、エアポンプ駆動回路123に対して加圧命令を与える。エアポンプ駆動回路123は、その加圧命令に基づいてエアポンプ124を駆動する。エアポンプ124は、空気を測定用カフ106に供給する。
【0081】
ステップS424にて、CPU120は、測定用カフ106の加圧力を圧力センサ125からの値に基づいて検知し、初期加圧が完了したことを検知すると、エアポンプ駆動回路123に対して停止命令を送出する。なお、初期加圧の目標値は、たとえば、100mmHg程度、またはフラッシュメモリ129に保持されている過去の測定値の最高血圧値と最低血圧値との中間値が使用される。エアポンプ駆動回路123は、その停止命令に基づいてエアポンプ124の駆動を終了する。この場合、CPU120は、上記の第1判定基準を適用する。
【0082】
ステップS426にて、CPU120は、荷重検知シート104からの出力に基づいて測定用カフ106における荷重分布を検出する。
【0083】
ステップS430にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。より詳しくは、CPU120は、上記の第2判定基準から第6判定基準を用いて、巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106がぴったり巻きであると判定すると(ステップS430にてOK)、制御をステップS450に切り換える。そうでない場合には(ステップS430にてNG)、CPU120は、制御をステップS440に切り換える。
【0084】
ステップS440にて、CPU120は、測定用カフ106が腕200に対して正しく巻かれていないことを測定者に通知する。たとえば、CPU120は、本体モニタ140に対して測定用カフ106の巻き付け状態の判定結果を表示させる。あるいは、CPU120は、音声出力命令をスピーカ132に送出する。スピーカ132は、予め準備された音声(たとえば測定用カフ106が正しく巻かれていないことを示す音声)を発する。
【0085】
なお、測定者が、測定用カフ106の巻き付け状態が正常であることを確認して、その旨を操作スイッチ131に入力した場合には、CPU120は、制御を、OKモード(ステップS422以降)に切り換えてもよい。
【0086】
ステップS442にて、CPU120は、測定のための圧迫力が測定用カフ106に印加されている場合には、排気弁駆動回路121に対して開放命令を送出する。排気弁駆動回路121は、その命令に基づいて排気弁122を開放する。
【0087】
ステップS444にて、測定者は、測定用カフ106の固定部(たとえば面ファスナなど)を外す。
【0088】
ステップS446にて、CPU120は、測定用カフ106が取り外されたことに基づく圧迫力の低下を検知し、RAM130に書き込まれているデータを削除する。
【0089】
ステップS450にて、CPU120は、血圧、脈波を測定する。なお、血圧、あるいは脈波の測定は、周知の技術によって実現される。したがって、それらの説明は繰り返さない。
【0090】
ステップS452にて、CPU120は、血圧あるいは脈波の測定を完了する。
ステップS454にて、CPU120は、排気弁駆動回路121に対して開放命令を送出する。排気弁駆動回路121は、その開放命令に応答して、排気弁122を開放する。
【0091】
ステップS456にて、CPU120は、測定が終了したことおよび結果を本体モニタ140に表示する。表示される結果は、血圧値、脈数、脈波形、測定日時などを含む。
【0092】
[データ構造]
図5を参照して、血圧情報測定装置100のデータ構造について説明する。図5は、RAM130におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。RAM130は、CPU120によって生成されたデータとして、測定用カフ106の巻き付け状態の検知結果と、各測定領域において検知された荷重とを格納している。
【0093】
たとえば、RAM130は、巻き付け検知結果が「ゆる巻き」であることを示すデータをメモリ領域510に格納している。荷重検知シート104において構成されている複数の領域(第1から第8の領域)の各々において検知された荷重は、それぞれメモリ領域511からメモリ領域518に格納されている。ここで、予め規定された標準の荷重が150mmHgとした場合、それよりも下回る荷重が検知されると、測定用カフ106の巻き付け状態は「ゆる巻き」となる。たとえば、メモリ領域511からメモリ領域514に示されるように、各測定領域における荷重の検知結果は、たとえば50mmHgである。一方、メモリ領域515からメモリ領域518における荷重の検知結果は、標準値である150mmHgである。このような検知結果の場合、CPU120は、メモリ領域511から514に格納されているデータに基づいて測定用カフ106の巻き付け状態が「ゆる巻き」であると判定する。
【0094】
[表示態様]
図6を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置100における通知の態様について説明する。図6は、本体モニタ140におけるメッセージの表示態様を概念的に表わす図である。図6(A)を参照して、CPU120が測定用カフ106の巻き付け状態を判定している場合(ステップS420)、本体モニタ140は、そのことを示すメッセージを表示領域に示す。その判定結果が、測定用カフ106が正しく巻かれていないことを示している場合、本体モニタ140は、カフが正しく巻かれていないこと、測定用カフ106の巻き付け状態、測定用カフ106の巻き直しを促すメッセージを表示する(図6(B))。
【0095】
一方、測定用カフ106の巻き付け状態が正しく巻かれていることが検知されると、本体モニタ140は、その旨を表わすメッセージと、測定を開始するメッセージとを表示する(図6(C)、ステップS450)。
【0096】
(第1の局面の効果)
以上のようにして、本実施の形態の第1の局面に係る血圧情報測定装置100は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」の状態で血圧・脈波測定を開始するので、測定用カフ106の巻き付け状態の違いによる測定結果への影響(測定精度の低下)が排除され、精度および信頼性の高い測定が実現される。
【0097】
これにより、測定用カフ106の巻き付け方による測定結果のばらつきが抑制され、測定精度が向上し得る。測定用カフ106の巻き付け不良が発生した場合には、血圧情報を測定中におけるエラー検知よりも先に、当該不良が検出できる。その結果、測定時間を短くすることができる。また、血圧・脈波の測定モードでは検出できないようなエラーを、測定の開始前に防ぐことができるため、測定の信頼性が向上し得る。
【0098】
(第2の局面の効果)
第2の局面に従う血圧情報測定装置100は、測定用カフ106の膨張前に、測定用カフ106の巻き付け不良を検出することができる。したがって、膨張後に巻き直す必要がなくなるため、測定時間が短くなる。
【0099】
また、他の実施例として、測定用カフ106に代えて扇形カフが用いられている場合、しわの発生が大きくなり、フィットカフが用いられている場合にはカーラがテーパ形状となっており圧迫力に大きな差が発生する。そのため、第2の局面に従う血圧情報測定装置100によると、測定用カフ106の上下の装着間違いが防止されるため、測定結果に大きな影響を与えるのを事前に防ぐことができる。結果として、測定の信頼性が向上し得る。
【0100】
(第3の局面の効果)
第3の局面に従う血圧情報測定装置100によると、細腕の測定時に発生しやすい測定用カフ106の腕長方向のしわ(曲げ)により測定に必要な範囲が十分に圧迫されていないことを検出することができる。
【0101】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、表示または音声によるガイド機能を有する点で第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100と異なる。
【0102】
より詳しくは、第1の実施の形態における第2の局面あるいは第3の局面における測定用カフ106の巻き付け不良の検出結果(荷重分布)に基づき、測定用カフ106の巻き付け状態を修正するための方法、注意点等を、血圧情報測定装置100の本体モニタ140に表示する機能、又は、スピーカ132からガイド(案内)するための音声を出力する機能を含む。
【0103】
また、巻き付け状態の検知結果および荷重分布を保持することで、同一測定シーケンス中での測定用カフ106の巻き付け状態の修正(再巻き付け)結果と、保持しておいた検知結果および荷重分布とを比較し、改善した点、又は、悪化した点を、本体モニタ140又はスピーカ131によって測定者に通知する。
【0104】
音声ガイドの一例は、以下のとおりである。「カフの裏側にしわが発生しています。腕にそって腕帯を巻き直して下さい。」「カフのひじ側の部分がめくれています。一度カフを緩めて、めくれを直してから巻き直して下さい。」
なお、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100が有するハードウェアと同様のハードウェアを用いて実現される。したがって、ハードウェア構成の説明は繰り返さない。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、CPU120によって実現される処理が図4に示される処理に対して追加されている。
【0105】
また、本実施の形態の他の局面において、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態が不良であるときの巻き付け状態と、血圧情報測定装置100による測定のための同一の処理シーケンス中における測定用カフ106の巻き直し後の状態とを比較してもよい。
【0106】
[制御構造]
図7を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る血圧情報測定装置100の制御構造について説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る血圧情報測定装置100と測定者とが実行する動作の流れを表わすフローチャートである。なお、第1の実施の形態における処理と同様の処理には同一のステップ番号を付してある。したがって、そのような処理の説明は繰り返さない。
【0107】
ステップS740にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付けガイドを通知する。たとえば、CPU120は、巻き付け状態を表わす表示と、測定用カフ106の巻き直しを促すメッセージ、測定用カフ106の巻き方を表わす画像などを本体モニタ140に表示させる。あるいは、CPU120は、それらの表示に代えて、測定用カフ106を正しく巻くために必要な動作を音声としてスピーカ132に出力させる。
【0108】
ステップS750にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き直しが測定のための同一シーケンスの間に行なわれている場合には、前回から変化した点を通知する。ここで、前回から変化した点とは、荷重検知シート104によって検知される荷重の変化が検知された測定領域をいう。CPU120は、その変化を示すメッセージ、画像あるいは測定領域の部位を示す表示を本体モニタ140に表示させる。他の局面において、CPU120は、その結果を音声としてスピーカ132に出力させる。
【0109】
以上のようにして、本発明の第2の実施の形態に係る血圧情報測定装置100によると、測定用カフ106の巻き直し前後の巻き付け状態および荷重分布の比較により、次回の測定における測定用カフ106の巻き付けの参考となる結果が得られる。これにより、測定用カフ106の正確な巻き付けを測定者に定着させることができる。
【0110】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、測定者の腕周を算出する機能、および測定者を推定する機能を有する点で、前述の各実施の形態に係る血圧情報測定装置と異なる。
【0111】
より詳しくは、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、荷重検知シートにより検知した荷重の分布状態から、測定者の腕周およびその変化を検知して検知結果を保持する機能と、測定開始時に選択された測定者と、推定した測定者とを比較することにより、測定者の選択の誤りを検出する機能とを有する。なお、測定者は、たとえば、本体110に設けられる「測定者選択ボタン」(図示しない)の押下によって選択される。この場合、測定者毎に過去の腕周の記録が保持されている。
【0112】
また、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、事前に登録されたユーザグループについて、腕周、荷重等の分布状態から測定者を推定する機能を有する。なお、測定者は、たとえば、体組成の違いによる初期巻き付け時の荷重分布の相違に基づいて推定される。この場合、血圧情報測定装置は、事前に登録されたグループのメンバーに含まれない測定者を検出すると、「ゲストモード」として、当該検出した測定者についての計測を実行する。
【0113】
なお、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100のハードウェア構成と同様のハードウェア構成を用いて実現される。したがって、ハードウェア構成の説明は繰り返さない。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、CPU120に対して当該固有の処理を実行させることにより実現される。
【0114】
[制御構造]
図8を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置を用いた測定処理について説明する。図8は、当該測定者と、本実施の形態に係る血圧情報測定装置とが実行する処理を表わすフローチャートである。なお、前述の処理と同一の処理には同一のステップ番号を付してある。したがって、それらの説明は繰り返さない。
【0115】
ステップS810にて、CPU120は、荷重検知シート104からの出力に基づいて腕200の腕周を推定する。より詳しくは、CPU120は、一定の荷重が検出された領域を特定し、各測定領域の長さを周方向に積算することにより、腕200の腕周を推定する。CPU120は、その推定結果をRAM130に格納する。ここで、たとえば測定者が自己の名前、ID(Identification)などを操作スイッチ131を操作して入力すると、CPU120は、その入力された識別情報と推定した腕周とを関連付けてフラッシュメモリ129に格納する。これにより、測定者ごとに推定された腕周がフラッシュメモリ129に保持される。
【0116】
ステップS420にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS420にてOK)、制御をステップS820に切り換える。そうでない場合には(ステップS420にてNG)、CPU120は、制御をステップS830に切り換える。
【0117】
ステップS820にて、CPU120は、荷重検知シート104によって検知された圧力の各値をフラッシュメモリ129に格納する。
【0118】
ステップS830にて、CPU120は、測定者に測定用カフ106の巻き付け状態の結果、推定した腕周などを通知する。たとえばCPU120は、腕周の長さ、測定用カフ106の巻き付け状態などを本体モニタ140に表示させる。あるいは、CPU120は、スピーカ132に対してそれらの情報を音声として出力させてもよい。
【0119】
ステップS430にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS430にてOK)、制御をステップS840に切り換える。そうでない場合には(ステップS430にてNG)、CPU120は、制御をステップS830に切り換える。
【0120】
ステップS840にて、CPU120は、荷重検知シート104によって検知された各圧力値をフラッシュメモリ129に記録する。ここで、CPU120は、測定者ごとに、圧力値をフラッシュメモリ129に格納する。そうすることにより、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、各測定者ごとに測定結果を保持することができる。
【0121】
ステップS850にて、CPU120は、血圧、脈波の測定を終了する。
ステップS852にて、CPU120は、測定結果を本体モニタ140に表示させる。
【0122】
ステップS854にて、CPU120は、フラッシュメモリ129に格納されている推定された腕周のデータと、測定用カフ106における荷重の分布データとに基づいて、測定者を推定する。
【0123】
ステップS860にて、CPU120は、事前に選択されたボタンによって規定される測定者と、ステップS854において推定された測定者とが一致するか否かを判定する。CPU120は、これらの測定者が一致していると判定すると(ステップS860にてYES)、制御をステップS866に切り換える。そうでない場合には(ステップS860にてNO)、CPU120は、制御をステップS862に切り換える。
【0124】
ステップS862にて、CPU120は、本体モニタ140に対して判定結果を表わす確認メッセージを表示させる。ここで、本体モニタ140は、推定された測定者と、選択の候補となり得る測定者とを表示する。あるいは、他の局面において、操作スイッチ131を介して新たな測定者の入力が受け付けられてもよい。
【0125】
ステップS864にて、CPU120は、測定者が選択されたことを検知する。
ステップS866にて、CPU120は、当該選択された測定者と推定された腕周データとを関連付けて、フラッシュメモリ129に結果を記録する。
【0126】
[データ構造]
図9を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置のデータ構造について説明する。図9は、フラッシュメモリ129におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ129は、データを不揮発的に格納するための複数のメモリ領域を含む。測定者を識別するためのデータは、メモリ領域910に格納されている。各測定者について推定された腕周データは、メモリ領域920に格納されている。各測定者について最後に腕周が測定された日時は、メモリ領域930に格納されている。CPU120は、各測定者について腕周を推定すると、その推定処理を行なった日時とともに図9に示されるような関連付けを行なった上でフラッシュメモリ129に各データを書き込む。なお、各測定者について書き込まれるデータは、1組に限られず、時系列的に累積的にデータが書き込まれてもよい。この場合、CPU120は、測定者について腕周の長さの変化を知ることができるため、当該測定者の体形の変化も検知することができる。
【0127】
[腕周の推定]
図10を参照して、測定者の腕周の推定について説明する。図10は、荷重検知シート104において検知された領域を概念的に表わす図である。荷重検知シート104において、一定値以上の圧迫力が検知される領域1010と、そのような圧迫力が検知されない領域1020とが存在する。そこで、領域1010の腕周方向の長さ1030を当該測定者の腕周として推定することができる。この場合、荷重を検知する測定領域は腕周方向に5mm程度ごとに連続的に配置することが望ましい。
【0128】
[データ構造]
図11を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置の他の局面におけるデータ構造について説明する。図11は、他の局面に従うフラッシュメモリ129におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ129は、当該血圧情報測定装置の使用者として予め特定された使用者について計測された腕周データとそのデータが最初に保存(登録)された日時とを格納している。すなわち、測定者を識別するためのデータは、メモリ領域1110に格納されている。当該測定者について測定された腕周データは、メモリ領域1120に格納されている。当該測定者と腕周データとが登録された日時は、メモリ領域1130に格納されている。この局面に従う血圧情報測定装置のCPU120は、このようなデータを、その後同一の測定者についての推定した腕周データ(たとえば、図9)と比較することにより、当該測定者の腕周の変化を検知することができる。また、同一の測定者が血圧情報測定装置を使用しているか否かをCPU120は判断できるため、新たな測定者による使用が登録された測定者による使用であるとの誤判断も防止され得る。
【0129】
[表示態様]
図12を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置における通知態様について説明する。図12は、本実施の形態に係る血圧情報測定装置の本体モニタ140における画面の表示態様を表わす図である。
【0130】
CPU120が測定者を推定している場合(ステップS854)、本体モニタ140は、その旨を示すメッセージを表示する(図12(A))。CPU120は、測定者の判断処理を終了すると、その判断結果を表わすメッセージとその後の処理を促すメッセージとを本体モニタ140に表示させる(図12(B))。
【0131】
血圧情報測定装置の使用者(測定者)がスタートボタンを押すと、(ステップS860にてYES)、CPU120は、フラッシュメモリ129に格納されている当該測定者について既に登録されている腕周データを読み出し、その読み出したデータを本体モニタ140に表示させる。さらに、CPU120は、その後測定処理を開始する旨のメッセージを本体モニタ140に表示させる(図12(C))。
【0132】
以上のようにして、本実施の形態に係る血圧情報測定装置によると、測定者ごとに蓄積される測定結果について、測定者を選択するための操作を当該測定者が実行する必要がなくなるため、測定を容易に開始することができる。また、装置の操作に不慣れな測定者も簡単に当該血圧情報測定装置を使用することができる。
【0133】
さらに、測定者の選択誤り、選択忘れに対して、血圧情報測定装置は、測定者に確認することができるため、他の測定者のデータと混同して測定結果を保存することがなくなるため、蓄積される測定結果等についてデータの信頼性が高くなる。
【0134】
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、測定者の体動を検知した場合に測定終了後に測定結果と共にその旨を本体モニタ140またはスピーカ13によって測定者に通知する機能を有する点で、前述の各実施の形態に係る血圧情報測定装置と異なる。
【0135】
具体的には、血圧情報測定装置は、血圧・脈波の測定中、荷重検知シートで検知した荷重の変動より、測定者の体動を検知する機能と、装置の本体モニタ140に検知結果を表示する機能とを有する。
【0136】
なお、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100が備えるハードウェアと同様のハードウェアを用いて実現される。したがって、ハードウェア構成の説明は繰り返さない。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、当該固有な処理をCPU120に実行させることにより実現される。
【0137】
本実施の形態に係る血圧情報測定装置を実現するCPU120は、荷重検知シート104から送られる荷重の時系列変化に基づいて、生体の体動を検知する。ここで、生体の体動とは、測定用カフ106が装着された生体の動作をいい、特に、生体情報を検出するために不要な動作をいう。
【0138】
[制御構造]
図13を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置を用いた測定処理について説明する。図13は、当該血圧情報測定装置と測定者とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。
【0139】
ステップS430にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS430にてOK)、制御をステップS1310に切り換える。そうでない場合には(ステップS430にてNG)、CPU120は、制御をステップS440に切り換える。
【0140】
ステップS1310にて、CPU120は、血圧、または脈波を測定している間、荷重検知シート104によって検出される荷重を継続して検出する。CPU120は、その継続して検出した荷重に基づいて、測定用カフ106における測定領域の荷重の変化の有無を判定する。
【0141】
ステップS1320にて、CPU120は、その荷重の変化を検知すると、測定者の体動があったことを、本体モニタ140に表示させる。
【0142】
以上のようにして、本実施の形態に係る血圧情報測定装置によると、体動検知時において測定者に体動を通知することにより再測定を促すことで、正確なデータの蓄積につなげることができる。また、体動のあったときに計測されたデータについては、血圧情報測定装置は、測定値と共にそのデータを記憶する。あるいは、CPU120は、体動のあったことを表わすフラグを当該データに関連付ける。このようにすると、体動があったたきに計測されたデータと、体動がない時に正しい測定によって得られたデータとを混同して測定結果を保存することがなくなり、正確に区別することができる。したがって、蓄積される測定結果等についてデータの信頼性が高くなる。
【0143】
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、腕帯に測定用カフ106の圧迫力の状態を通知する機能を持たせている点で、前述の各実施の形態に係る血圧情報測定装置と異なる。
【0144】
具体的には、血圧情報測定装置は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」となっていない場所および過圧迫・圧迫不足の状態を、測定用カフ106の外面に配置された表示部あるいは点灯部(たとえば、LED等)により測定者に知らせることで、巻き付け不良箇所を視覚的に通知することができる。
【0145】
[ハードウェア構成]
図14を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置1400の構成について説明する。図14は、血圧情報測定装置1400のハードウェア構成を表わすブロック図である。血圧情報測定装置1400は、腕帯1410と、本体110とを備える。腕帯1410は、荷重検知シート104と、測定用カフ106と、LED1420とを備える。LED1420は、測定用カフ106の複数の測定領域の各々にそれぞれ配置されている。
【0146】
さらに、血圧情報測定装置1400を実現するCPU120は、表示制御部158として、LED1420を発光させる。たとえば、CPU120は、特定のLED1420のみを発光させ、他のLED1420を発光させない。あるいは、CPU120は、特定のLED1420を特定の色(たとえば緑色)で発光させ、他のLED1420を他の特定の色(たとえば赤色)で発光させる。このような色分けにより、測定用カフ106の特定の領域における加圧が正常であるか否かが通知される。
【0147】
そこで、図15を参照して、本実施の形態に係る腕帯1410の構成についてさらに説明する。図15(A)は、腕帯1410を測定者の腕200に巻き付けた状態を表わす図である。図15(B)は、腕帯1410における複数のLEDの配置を表わす図である。
【0148】
腕帯1410には、たとえば8ヶ所にLEDが配置されている。そのうち、6つのLED1420a,1420b,1420c,1420e,1420f,1420gは、腕200の肩側と肘側とにそれぞれ配置されている。
【0149】
さらに、腕200の反対側には、LED1420b,1420eに対応する位置に2つのLED1420d,1420hが配置されている。LED1420a〜LED1420hを総称するときは、LED1420と表わす。
【0150】
図15(A)に示されるような位置関係に対応して、各LEDは配置されている。なお、腕帯1410の表面に配置されるLEDの数は、図15によって特定される数に限られない。さらに多くのLEDが配置されてもよいし、少ないLEDが配置されてもよい。また、腕帯1410に配置される表示手段は、LEDに限られない。たとえば有機ELその他の表示装置が装着されてもよい。
【0151】
[制御構造]
図16を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置1400の測定処理について説明する。図16は、血圧情報測定装置1400と測定者とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。なお、前述の各実施の形態における処理と同一の処理には同一のステップ番号を付してある。したがってそれらの説明は繰返さない。
【0152】
ステップS420にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS420にてOK)、制御をステップS422に切り換える。そうでない場合には(ステップS420にNG)、CPU120は、制御をステップS1610に切り換える。
【0153】
ステップS1610にて、CPU120は、LED1420に対して信号を送出し、当該LEDを発光させる。たとえば、測定用カフ106の巻き付け状態が不良である場合には、CPU120は、赤色のLEDを発光させる。あるいは、一部の領域が巻き付け不良である場合には、CPU120は、当該領域に含まれるLEDのみを赤く発光させ、他の領域に含まれるLEDを緑色に発光させてもよい。
【0154】
以上のようにして、本実施の形態に係る血圧情報測定装置1400によると、該当場所と荷重分布の状態とを測定用カフ106上に表示する。また、血圧情報測定装置1400は、測定用カフ106を正しく巻くための具体的対策(巻き直しガイド)を各LED1420a〜1420hの各々の発光態様を切り換えて分割して表示することにより、分かり易い対策を測定者に通知する。これにより、測定者は、測定用カフ106の巻き付け状態の現状と、対策とを直感的・視覚的に把握することができるため、利便性が向上し得る。
【0155】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100のハードウェア構成の概略を表わすブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る測定用カフ106の構成の概略を表わす図である。
【図3】複数の測定領域を有する測定用カフ106の構成を概念的に表わす図である。
【図4】血圧情報測定装置100によって行なわれる動作と、血圧を測定するために測定者によって行なわれる動作とを表わすフローチャートである。
【図5】血圧情報測定装置100が備えるRAM130におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
【図6】血圧情報測定装置100が備える本体モニタ140におけるメッセージの表示態様を概念的に表わす図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る血圧情報測定装置100と測定者とが実行する動作の流れを表わすフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置と測定者とが実行する処理を表わすフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置のフラッシュメモリ129におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置が備える荷重検知シート104において検知された領域を概念的に表わす図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置の他の局面に従うフラッシュメモリ129におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置の本体モニタ140における画面の表示態様を表わす図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る血圧情報測定装置と測定者とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る血圧情報測定装置1400のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る腕帯1410を測定者の腕200に巻き付けた状態と腕帯1410における複数のLEDの配置とを表わす図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る血圧情報測定装置1400と測定者とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。
【符号の説明】
【0157】
100,1400 血圧情報測定装置、102,1410 腕帯、104 荷重検知シート、106 測定用カフ、110 本体、200 腕、310〜380 測定領域、510〜518,910〜930,1110〜1130 メモリ領域、1010,1020 領域、1030 長さ。
【技術分野】
【0001】
本発明は血圧情報の取得に関し、特に、カフが巻かれた生体から血圧情報を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上腕の脈波から動脈硬化を判定しようとする技術として、たとえば、特開2007−044362号公報(特許文献1)は、血圧測定用のカフと脈波測定用のカフの二重構造を備えた技術を開示している。
【0003】
また、カフ上流からのノイズを遮断して正確な血圧値を測定しようとする技術として、たとえば、特開2000−079101号公報(特許文献2)は、血圧測定用として圧迫用と測定用のカフを分離した二重構造を持つ技術を開示している。
【0004】
また、動脈への圧迫力を均一にし、正確な血圧測定をしようとする技術として、たとえば、特開2004−254717号公報(特許文献3)は、圧迫用カフと測定用カフを積層状態に備えた技術を開示している。
【0005】
さらに、脈波測定可能なカフ構造・装置として、特開2006−334153号公報(特許文献4)は、測定用カフと圧迫用カフを分離した構造を開示している。
【特許文献1】特開2007−044362号公報
【特許文献2】特開2000−079101号公報
【特許文献3】特開2004−254717号公報
【特許文献4】特開2006−334153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特開2007−044362号公報に開示された技術によると、カフの巻き付け方法は被験者依存となることから正しく巻き付けられているということが前提であり、カフの巻き付け状態を検知できる機能・構造はない為、ぴったり巻きでない状態のまま被験者が測定してしまうことにより正確な脈派・血圧を測定できない可能性がある。
【0007】
また、特開2000−079101号公報もしくは特開2004−254717号公報に開示された技術によると、生体に対するカフ装着時の中心位置のずれやカフの巻き方のばらつきが測定結果に影響を与え、カフの巻き方の検知機能は備えていないことから、正確に脈波・血圧を検出できない可能性がある。
【0008】
特開2006−334153号公報に開示された技術によると、カフの装着の巻き付け不良(ゆる巻き、腕に対する不均一な巻き付け)に対しては、構造上カフ全体の圧迫力が変更されるに過ぎない。
【0009】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、カフの巻き付け状態からカフの圧迫力が正確な測定に適した状態であるか否かを検出できる血圧情報測定装置を提供することである。
【0010】
他の目的は、カフの巻きつけの修正が必要な場合に修正が必要な情報を通知する血圧情報測定装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、カフの巻き付け状態からカフの圧迫力が正確な測定に適した状態であるか否かを検出して血圧情報を測定するための方法を提供することである。
【0012】
他の目的は、カフの巻きつけの修正が必要な場合に修正が必要な情報を通知して血圧情報を測定するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明のある局面に従う血圧情報測定装置は、カフと、カフの表面のうちカフが生体に圧迫力を与える面に配置されて、荷重を検知する荷重検知手段と、荷重検知手段によって検知される荷重に基づいて生体に対する圧迫力の分布状態を検出する分布状態検出手段と、圧迫力が正常に分布している場合に生体の血圧情報を導出する導出手段とを備える。ここで、「血圧情報」とは、生体の測定によって得られる「血圧に関連する情報」をいい、具体的には、血圧値、脈波波形、心拍数、等が該当する。
【0014】
好ましくは、荷重検知手段は、荷重を検知するための複数の測定領域を含む。分布状態検出手段は、複数の測定領域の各々からの出力に基づいて分布状態を検出する。
【0015】
好ましくは、血圧情報測定装置は、分布状態に基づいて、カフの生体に対する装着状態を検出する装着状態検出手段をさらに備える。
【0016】
好ましくは、装着状態検出手段は、カフの生体に対する巻き付け状態を検出する。巻き付け状態は、正常、めくれ、ねじれ、しわ、またはカフの固定忘れ、のいずれかを含む。
【0017】
好ましくは、装着状態検出手段は、カフの上下の装着間違いを検出する。
好ましくは、血圧情報測定装置は、カフの巻き付け状態が不良であるときの巻き付け状態と、血圧情報測定装置による測定のための同一の処理シーケンスにおけるカフの巻き直し後の状態とを比較する比較手段をさらに備える。
【0018】
好ましくは、血圧情報測定装置は、分布状態に基づいて、生体の腕周を算出する算出手段と、算出手段によって算出された腕周を格納する記憶手段とをさらに備える。
【0019】
好ましくは、記憶手段は、複数の生体の各々についての腕周を格納している。血圧情報測定装置は、分布状態検出手段によって検出された分布状態と、記憶手段に格納されている各腕周とに基づいて、生体を推定する推定手段をさらに備える。
【0020】
好ましくは、血圧情報測定装置は、荷重の時系列変化に基づいて生体の体動を検知する体動検知手段をさらに備える。
【0021】
好ましくは、カフは、表示装置を含む。血圧情報測定装置は、カフの巻き付け状態を示す情報を表示装置に表示させる表示制御手段をさらに備える。
【0022】
この発明の他の局面に従うと、血圧情報を測定するための方法が提供される。この方法は、カフを生体に巻き付けるステップと、カフの表面のうちカフが生体に圧迫力を与える面において、圧迫力に基づく荷重を検知するステップと、荷重に基づいて生体に対する圧迫力の分布状態を検出するステップと、圧迫力が正常に分布している場合に生体の血圧情報を導出するステップとを含む。
【0023】
他の局面において、血圧情報測定装置は、生体の情報を取得するためにカフが生体に正常に装着されているか否かを分布状態に基づいて判断する判断手段をさらに備えてもよい。
【0024】
好ましくは、血圧情報測定装置は、カフが生体に正常に装着されていない場合にカフを正常に装着するための案内を教示する教示手段をさらに備えてもよい。
【0025】
好ましくは、血圧情報測定装置は、生体を選択するための入力を受け付ける入力手段と、記憶手段に格納されている腕周に基づいて、選択された生体が血圧情報測定装置に登録されている生体に一致するか否かを判断する生体判断手段とをさらに備えてもよい。
【0026】
好ましくは、導出手段は、体動が検知されたときのカフの圧迫力に基づいて、生体の血圧情報を再度導出してもよい。
【0027】
好ましくは、血圧情報測定装置は、当該血圧情報測定装置によって導出される情報を表示する表示手段をさらに備えてもよい。
【0028】
好ましくは、血圧情報測定装置は、カフの巻き付け状態の判断機能を有効化又は無効化するための切替手段をさらに備えてもよい。
【0029】
好ましくは、血圧情報測定装置は、当該血圧情報測定装置によって導出される情報を音声で出力する音声出力手段をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明のある局面によると、カフの巻き付け状態からカフの圧迫力が正確な測定に適した状態であるか否かを検出できる。本発明の他の局面によると、カフの巻きつけの修正が必要な場合に修正が必要な情報が通知される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0032】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100は、ぴったり巻き判定・表示(以下「第1の局面」)と、カフ圧力の印加前におけるカフの巻き付け不良の検出(以下「第2の局面」)と、カフ圧力の印加後におけるカフ巻き付け不良の検出(以下「第3の局面」)とを、個別に又は組み合わせて実現し得る。
【0033】
(第1の局面−ぴったり巻き判定・表示)
本実施の形態の第1の局面に係る血圧情報測定装置100は、測定用カフ106の上側(生体側)に設けた荷重検知シート104により、測定用カフ106を巻き付けた際の圧迫力の分布を検知する機能と、その荷重の分布状態から測定用カフ106の「ぴったり巻き」(圧迫力が正確な測定に適した状態)の有無を判定する機能と、その結果を本体モニタ140に表示させることにより、または、その結果に基づく音声案内をスピーカ132を介して行うことにより測定者に通知する機能とを有する。
【0034】
(第2の局面−カフ圧力印加前におけるカフの巻き付け不良の検出)
第2の局面に係る血圧情報測定装置100は、測定用カフ106が生体の腕に巻き付けられた後であって、測定用カフ106への「初期圧力印加前」に荷重検知シート104の荷重の分布状態を検知することにより、測定用カフ106の初期の巻き付け不良を検出する機能と、「ぴったり巻き」でない場合、その旨を測定者に通知する機能とを含む。ここで、巻き付け不良とは、測定に影響を及ぼすような状態であって、「ゆる巻き」、「きつ巻き」、「カフのめくれ」、「ねじれ」、「しわ」、「(面ファスナによる)固定忘れ」、「上下装着間違い」等を含み得る。
【0035】
測定者は、巻き付け状態を確認し、必要に応じて測定用カフ106を巻き直して巻き付け状態を修正する。なお、測定者が測定用カフ106の巻き付け状態に問題が無いことを確認した場合、血圧情報測定装置100は、測定用カフ106の状態が「ぴったり巻き」であるとして、次のモード(測定のための加圧モード)に移行することができる。また、血圧情報測定装置100は、「ぴったり巻き」を検出した場合には、血圧・脈派測定を実行する。
【0036】
(第3の局面−カフ圧力印加後におけるカフの巻き付け不良の検出)
第3の局面に係る血圧情報測定装置100は、測定用カフ106を巻き付け後、測定用カフ106への「初期圧力印加後」に、第2の局面における処理と同様に測定用カフ106の巻き付け不良を検出する機能と、その荷重分布状態から圧迫が必要な範囲(腕周)に対して、測定用カフ106が適正に膨張して生体を圧迫していることを確認する機能とを有している。
【0037】
測定用カフ106が「ぴったり巻き」でない場合、血圧情報測定装置100は、その旨を測定者に通知すると共に排気弁を開放し、測定用カフ106を収縮(圧力開放)させる。第2の局面の場合と同様に測定者が測定用カフ106の巻き付け状態に問題の無いことを確認した場合、血圧情報測定装置100は、「ぴったり巻き」として次のモードに移行することができる。血圧情報測定装置100は、「ぴったり巻き」を検出した場合には、血圧・脈派測定を実行する。
【0038】
[ハードウェア構成]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100の構成について説明する。図1は、血圧情報測定装置100のハードウェア構成の概略を表わすブロック図である。血圧情報測定装置100は、腕帯102と、荷重検知シート104と、測定用カフ106と、本体110とを備える。本体110は、CPU(Central Processing Unit)120と、排気弁駆動回路121と、排気弁122と、エアポンプ駆動回路123と、エアポンプ124と、圧力センサ125と、増幅器126と、A/D(Analog to Digital)変換器127と、荷重検知シート駆動回路128と、フラッシュメモリ129と、RAM(Random Access Memory)130と、操作スイッチ131と、スピーカ132と、本体モニタ140とを備える。
【0039】
本実施の形態に係るCPU120は、検出部151と、導出部152と、装着状態判断部153と、生体判断部154と、推定部155と、表示制御部156と、切替部157とを含む。
【0040】
排気弁駆動回路121は、CPU120から送られる命令に基づいて、排気弁122の開閉を制御する。エアポンプ駆動回路123は、CPU120から送られる命令に基づいてエアポンプ124を駆動する。エアポンプ124は、測定用カフ106に対して空気を供給する。圧力センサ125は、測定用カフ106における空気圧を検知し、その検知した圧力を増幅器126に送出する。増幅器126は、圧力センサ125から送られた信号を増幅し、増幅後の信号をA/D変換器127に送出する。A/D変換器127は、増幅器126から出力された信号を増幅して、その増幅後の信号をCPU120に送出する。
【0041】
荷重検知シート駆動回路128は、CPU120からの命令に基づいて荷重検知シート104を駆動する。ある局面において、荷重検知シート駆動回路128は、荷重検知シート104とCPU120との間を導通状態に切り換える。荷重検知シート104からの出力は、CPU120に入力される。
【0042】
フラッシュメモリ129は、血圧情報測定装置100を作動させるために予め準備されたデータまたはプログラムを格納している。たとえば、フラッシュメモリ129は、本実施の形態に係るCPU120に固有の処理を実行させるためのファームウェア、アプリケーションプログラム等を格納している。アプリケーションプログラムには、血圧測定プログラム等が含まれる。また、フラッシュメモリ129は、さらに、CPU120によって生成されたデータ(たとえば被測定者の血圧値、血圧の測定日時など)を格納する。
【0043】
RAM130は、CPU120によって生成されたデータを揮発的に(一時的に)格納する。格納されるデータは、たとえば、荷重検知シート104によって検知された荷重、CPU120によって導出された血圧値などを含む。これらのデータは、フラッシュメモリ129にも書き込まれ得る。
【0044】
操作スイッチ131は、血圧情報測定装置100に対する操作入力を受け付ける。操作スイッチ131は、ある局面において、本体110の筐体に設けられたボタン、本体モニタ140の表示領域に構成されるタッチパネル式のスイッチなどにより実現される。
【0045】
スピーカ132は、CPU120から出力される信号に基づいて音声を出力する。出力される音声は、たとえば、血圧情報測定装置100の状態を示す音声を含む。
【0046】
ある局面において、荷重検知シート104は、測定用カフ106の表面のうち当該カフが生体(測定者)に圧迫力を与える面に配置されて、荷重を検知する。CPU120は、検出部151として、荷重検知シート104によって検知される荷重に基づいて当該生体に対する圧迫力の分布状態を検出する。CPU120は、導出部152として、当該圧迫力が正常に分布している場合に、当該生体の血圧情報を導出する。
【0047】
他の局面において、荷重検知シート104は、荷重を検知するための複数の測定領域を含む。CPU120は、当該複数の測定領域の各々からの出力に基づいて生体に対する圧迫力の分布状態を検出する。
【0048】
他の局面において、CPU120は、装着状態判断部153として、当該生体の情報を取得するために測定用カフ106が生体に正常に装着されているか否かを当該分布状態に基づいて判断する。
【0049】
他の局面において、CPU120は、当該生体に対する圧迫力の分布状態に基づいて、測定用カフ106の生体に対する装着状態を検出する。
【0050】
他の局面において、CPU120は、測定用カフ106の生体に対する巻き付け状態を検出する。ここで、巻き付け状態は、正常、めくれ、ねじれ、しわ、または、測定用カフ106の固定忘れ、の少なくとも1つを含む。
【0051】
他の局面において、CPU120は、測定用カフ106の上下の装着間違いを検出する。ここで、上とは、測定用カフ106が生体に巻きつけられた場合における当該生体と接する面の方向をいう。一方、下とは、生体に巻きつけられた測定用カフ106の外面方向をいう。
【0052】
他の局面において、CPU120は、当該生体に対する圧迫力の分布状態に基づいて生体の腕周を算出する。フラッシュメモリ129は、その算出された腕周を格納する。
【0053】
他の局面において、操作スイッチ131は、血圧情報測定装置を使用する生体を選択するための入力を受け付ける。CPU120は、生体判断部154として、フラッシュメモリ129に格納されている腕周に基づいて、選択された生体が血圧情報測定装置100に登録されている生体に一致するか否かを判断する。
【0054】
他の局面において、フラッシュメモリ129は、複数の生体の各々についての腕周を格納している。CPU120は、推定部155として、検出した当該生体に対する圧迫力の分布状態と、フラッシュメモリ129に格納されている各腕周とに基づいて生体(測定者)を推定する。
【0055】
本体モニタ140は、血圧情報測定装置100によって導出される情報を表示する。表示される情報は、生体の血圧値、測定用カフ106の巻き付け状態が正常であるか否かを表わすメッセージ、測定用カフ106の再度の巻き付けを促すメッセージ、検出された測定用カフ106の巻き付け状態(正常、捲れ、捩じれ、皺、測定用カフ106の固定忘れなど)を含む。
【0056】
他の局面において、測定用カフ106は、表示装置を含む。表示装置は、たとえば、腕帯102の表面に配置されたLED(Light Emitting Diode)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどを含む。CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を示す情報を当該表示装置に表示させる。たとえば、CPU120は、発光命令を送出することにより、腕帯102の外側に配置されているLED(図示しない)を選択的に発光させる。発光するLEDは、たとえば圧迫力が正常であることが検知された領域に配置されたLEDである。
【0057】
他の局面において、CPU120は、切替部157として、測定用カフ106の巻き付け状態の判断機能を有効化、または無効化する。たとえば、CPU120は、操作スイッチ131に対して与えられる有効化のための命令に基づいて巻き付け状態の判断処理を実行する。また、CPU120は、無効化のための命令が与えられた場合には、当該巻き付け状態の判断処理を実行しない。
【0058】
図2を参照して、本実施の形態に係る測定用カフ106の構成について説明する。図2(A)および(B)は、当該カフの構成の概略を表わす図である。図2(A)に示されるように、腕帯102は、血圧情報測定装置100の使用者(たとえば血圧の測定者)の腕200に巻き付けられる。ここで、荷重検知シート104は、測定用カフ106と腕200との間に位置するように構成されている。
【0059】
図2(B)は、図2(A)の領域210を拡大した図である。荷重検知シート104は、測定用カフ106の上面に配置されている。ここで測定用カフ106の上面とは、生体に対する圧迫力が供給される面をいう。測定用カフ106は、腕帯102の上面に配置されている。図2(B)に示される構成により、腕帯102が生体の腕200に巻かれると、荷重検知シート104は、測定用カフ106から生体200に対して供給される圧迫力を検知することができる。
【0060】
[カフの構成]
図3を参照して、本実施の形態に係る測定用カフ106の構成について説明する。図3は、複数の測定領域を有する測定用カフ106の構成を概念的に表わす図である。測定用カフ106は、荷重を検知するための複数の測定領域310,320,330,340,350,360,370,380を含む。図3に示される測定用カフ106は、測定領域として8つの測定領域を含んでいる。なお、測定領域の数は、図3から導かれるものに限られず、8つより少なくてもよく、また8つより多くてもよい。
【0061】
[制御構造]
図4を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置100の制御構造について説明する。図4は、血圧を測定するために測定者によって行なわれる動作と血圧情報測定装置100によって行なわれる動作とを表わすフローチャートである。
【0062】
ステップS410にて、測定者は自己の腕200に測定用カフ106を巻き付ける。
ステップS412にて、CPU120は、エアポンプ駆動回路123を駆動して、エアポンプ124によって空気を測定用カフ106に供給させる。予め規定された圧力値まで空気が供給されると、CPU120は、荷重検知シート104からの出力に基づいて測定用カフ106における各測定領域の各々について荷重の分布を検出する。
【0063】
ステップS420にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態の検知を行なう。巻き付け状態は、たとえば、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であるか否か、「きつ巻き」であるか否か、あるいは「ゆる巻き」であるか否かを含む。ここで、ぴったり巻きとは、測定用カフ106による圧迫力が血圧の測定のために適切に供給されている状態をいう。きつ巻きとは、予め規定された圧迫力以上に測定用カフ106が生体の腕200に巻き付けられている状態をいう。ゆる巻きとは、きつ巻きとは逆に、測定用カフ106が測定のために十分な巻き付けに至っていない状態をいう。
【0064】
測定用カフ106の巻き状態の判定基準は、たとえば、以下のとおりである。
(第1判定基準)
第1判定基準は、「きつ巻き(過剰締め付け)」と「ゆる巻き(締め付け不足)」とを判定するために使用される。
【0065】
この場合、荷重検知シート104の各測定ブロック(測定領域)ごとの圧力が、測定ブロック全体の平均値に対して一定の範囲内(たとえば、±10%程度)であり、かつ、その平均値が一定値以上となる場合(圧迫力がほぼ均一であるが、全体的に締め付け荷重が高い状態)、CPU120は、当該状態を「きつ巻き」と判定する。
【0066】
一方、当該値が当該一定値以下となる場合(圧迫力がほぼ均一であるが、全体的に締め付け荷重が低い状態)、CPU120は、測定用カフ106の状態を「ゆる巻き」と判定する。
【0067】
なお、一定値とは、たとえば、きつ巻きについては30mmHg程度、ゆる巻きについては5mmHg程度をいう。
【0068】
(第2判定基準)
第2判定基準は、測定用カフ106が「過圧迫」であるか否かを判定するために使用される。具体的には、CPU120は、荷重検知シート104からの検出荷重(圧力)分布に対して、以下の場合「過圧迫」と判定する。
【0069】
・測定用カフ106への圧力印加前
CPU120は、荷重検知シート104の各測定ブロックごとの圧力分布が測定ブロック全体の平均値と比較して一定の値(たとえば、20mmHg程度)を超える圧力を検出した場合、測定用カフ106が「過圧迫」である、と判定する。
【0070】
・測定用カフへの圧力印加後
CPU120は、「測定用カフ106の内圧」と「荷重検知シートの各測定ブロックごとの圧力分布」との差が一定の値(たとえば、10mmHg程度)を超える場所を検出した場合、測定用カフ106が「過圧迫」である、と判定する。
【0071】
(第3判定基準)
第3判定基準は、測定用カフ106が「圧迫力不足」であるか否かを判定するために使用される。具体的には、CPU120は、荷重検知シート104の検出荷重(圧力)分布に対して以下の場合に、測定用カフ106が「圧迫力不足」であると判定する。
【0072】
・測定用カフへの圧力印加前
CPU120は、荷重検知シート104の各測定ブロックごとの圧力分布が測定ブロック全体の平均値と比較して一定の値(たとえば、20mmHg程度)を下回る圧力を検出した場合、測定用カフ106が「圧迫力不足」であると判定する。
【0073】
・測定用カフへの圧力印加後
CPU120は、「測定用カフ106の内圧」と「荷重検知シート104の各測定ブロックごとの圧力分布」との差が一定の値(たとえば、10mmHg程度)を下回る場所を検出した場合、測定用カフ106が「圧迫力不足」であると判定する。
【0074】
なお、測定用カフ106への圧力印加後では、生体への拘束が安定するため、測定用カフ106の巻き付け良否判定(過圧迫/圧迫不足)の際の圧力差(範囲)を小さくすることができる。
【0075】
以上の第1〜第3判定基準は、生体の測定部位の体組成、測定用カフ106の生体に対する装着方法に起因して必要とされる。一方、以下に説明する第4〜第6判定基準は、荷重検知シート104によって検出される荷重の分布パターンによって判定される。具体的には、CPU120は、血圧情報測定装置100のフラッシュメモリ129に予め登録された分布パターンと、検出された分布パターンとを比較して、第4〜第6判定基準を適用する。
【0076】
(第4判定基準)
第4判定基準は、測定用カフ106が「めくれ」、「ねじれ」、「しわ」であるか否かを判定するために使用される。
【0077】
(第5判定基準)
第5判定基準は、測定用カフ106が固定忘れであるか否かを判定するために使用される。
【0078】
(第6判定基準)
第6判定基準は、測定用カフ106の上下の装着が間違いであるか否かを判定するために使用される。
【0079】
図4を再び参照して、CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS420にてOK)、制御をステップS422に切り換える。そうでない場合には(ステップS420にてNG)、CPU120は、制御をステップS440に切り換える。
【0080】
ステップS422にて、CPU120は、排気弁駆動回路121に対して排気弁122を閉じる命令を与える。排気弁駆動回路121は、その命令に基づいて排気弁122を閉じる。さらに、CPU120は、エアポンプ駆動回路123に対して加圧命令を与える。エアポンプ駆動回路123は、その加圧命令に基づいてエアポンプ124を駆動する。エアポンプ124は、空気を測定用カフ106に供給する。
【0081】
ステップS424にて、CPU120は、測定用カフ106の加圧力を圧力センサ125からの値に基づいて検知し、初期加圧が完了したことを検知すると、エアポンプ駆動回路123に対して停止命令を送出する。なお、初期加圧の目標値は、たとえば、100mmHg程度、またはフラッシュメモリ129に保持されている過去の測定値の最高血圧値と最低血圧値との中間値が使用される。エアポンプ駆動回路123は、その停止命令に基づいてエアポンプ124の駆動を終了する。この場合、CPU120は、上記の第1判定基準を適用する。
【0082】
ステップS426にて、CPU120は、荷重検知シート104からの出力に基づいて測定用カフ106における荷重分布を検出する。
【0083】
ステップS430にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。より詳しくは、CPU120は、上記の第2判定基準から第6判定基準を用いて、巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106がぴったり巻きであると判定すると(ステップS430にてOK)、制御をステップS450に切り換える。そうでない場合には(ステップS430にてNG)、CPU120は、制御をステップS440に切り換える。
【0084】
ステップS440にて、CPU120は、測定用カフ106が腕200に対して正しく巻かれていないことを測定者に通知する。たとえば、CPU120は、本体モニタ140に対して測定用カフ106の巻き付け状態の判定結果を表示させる。あるいは、CPU120は、音声出力命令をスピーカ132に送出する。スピーカ132は、予め準備された音声(たとえば測定用カフ106が正しく巻かれていないことを示す音声)を発する。
【0085】
なお、測定者が、測定用カフ106の巻き付け状態が正常であることを確認して、その旨を操作スイッチ131に入力した場合には、CPU120は、制御を、OKモード(ステップS422以降)に切り換えてもよい。
【0086】
ステップS442にて、CPU120は、測定のための圧迫力が測定用カフ106に印加されている場合には、排気弁駆動回路121に対して開放命令を送出する。排気弁駆動回路121は、その命令に基づいて排気弁122を開放する。
【0087】
ステップS444にて、測定者は、測定用カフ106の固定部(たとえば面ファスナなど)を外す。
【0088】
ステップS446にて、CPU120は、測定用カフ106が取り外されたことに基づく圧迫力の低下を検知し、RAM130に書き込まれているデータを削除する。
【0089】
ステップS450にて、CPU120は、血圧、脈波を測定する。なお、血圧、あるいは脈波の測定は、周知の技術によって実現される。したがって、それらの説明は繰り返さない。
【0090】
ステップS452にて、CPU120は、血圧あるいは脈波の測定を完了する。
ステップS454にて、CPU120は、排気弁駆動回路121に対して開放命令を送出する。排気弁駆動回路121は、その開放命令に応答して、排気弁122を開放する。
【0091】
ステップS456にて、CPU120は、測定が終了したことおよび結果を本体モニタ140に表示する。表示される結果は、血圧値、脈数、脈波形、測定日時などを含む。
【0092】
[データ構造]
図5を参照して、血圧情報測定装置100のデータ構造について説明する。図5は、RAM130におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。RAM130は、CPU120によって生成されたデータとして、測定用カフ106の巻き付け状態の検知結果と、各測定領域において検知された荷重とを格納している。
【0093】
たとえば、RAM130は、巻き付け検知結果が「ゆる巻き」であることを示すデータをメモリ領域510に格納している。荷重検知シート104において構成されている複数の領域(第1から第8の領域)の各々において検知された荷重は、それぞれメモリ領域511からメモリ領域518に格納されている。ここで、予め規定された標準の荷重が150mmHgとした場合、それよりも下回る荷重が検知されると、測定用カフ106の巻き付け状態は「ゆる巻き」となる。たとえば、メモリ領域511からメモリ領域514に示されるように、各測定領域における荷重の検知結果は、たとえば50mmHgである。一方、メモリ領域515からメモリ領域518における荷重の検知結果は、標準値である150mmHgである。このような検知結果の場合、CPU120は、メモリ領域511から514に格納されているデータに基づいて測定用カフ106の巻き付け状態が「ゆる巻き」であると判定する。
【0094】
[表示態様]
図6を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置100における通知の態様について説明する。図6は、本体モニタ140におけるメッセージの表示態様を概念的に表わす図である。図6(A)を参照して、CPU120が測定用カフ106の巻き付け状態を判定している場合(ステップS420)、本体モニタ140は、そのことを示すメッセージを表示領域に示す。その判定結果が、測定用カフ106が正しく巻かれていないことを示している場合、本体モニタ140は、カフが正しく巻かれていないこと、測定用カフ106の巻き付け状態、測定用カフ106の巻き直しを促すメッセージを表示する(図6(B))。
【0095】
一方、測定用カフ106の巻き付け状態が正しく巻かれていることが検知されると、本体モニタ140は、その旨を表わすメッセージと、測定を開始するメッセージとを表示する(図6(C)、ステップS450)。
【0096】
(第1の局面の効果)
以上のようにして、本実施の形態の第1の局面に係る血圧情報測定装置100は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」の状態で血圧・脈波測定を開始するので、測定用カフ106の巻き付け状態の違いによる測定結果への影響(測定精度の低下)が排除され、精度および信頼性の高い測定が実現される。
【0097】
これにより、測定用カフ106の巻き付け方による測定結果のばらつきが抑制され、測定精度が向上し得る。測定用カフ106の巻き付け不良が発生した場合には、血圧情報を測定中におけるエラー検知よりも先に、当該不良が検出できる。その結果、測定時間を短くすることができる。また、血圧・脈波の測定モードでは検出できないようなエラーを、測定の開始前に防ぐことができるため、測定の信頼性が向上し得る。
【0098】
(第2の局面の効果)
第2の局面に従う血圧情報測定装置100は、測定用カフ106の膨張前に、測定用カフ106の巻き付け不良を検出することができる。したがって、膨張後に巻き直す必要がなくなるため、測定時間が短くなる。
【0099】
また、他の実施例として、測定用カフ106に代えて扇形カフが用いられている場合、しわの発生が大きくなり、フィットカフが用いられている場合にはカーラがテーパ形状となっており圧迫力に大きな差が発生する。そのため、第2の局面に従う血圧情報測定装置100によると、測定用カフ106の上下の装着間違いが防止されるため、測定結果に大きな影響を与えるのを事前に防ぐことができる。結果として、測定の信頼性が向上し得る。
【0100】
(第3の局面の効果)
第3の局面に従う血圧情報測定装置100によると、細腕の測定時に発生しやすい測定用カフ106の腕長方向のしわ(曲げ)により測定に必要な範囲が十分に圧迫されていないことを検出することができる。
【0101】
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、表示または音声によるガイド機能を有する点で第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100と異なる。
【0102】
より詳しくは、第1の実施の形態における第2の局面あるいは第3の局面における測定用カフ106の巻き付け不良の検出結果(荷重分布)に基づき、測定用カフ106の巻き付け状態を修正するための方法、注意点等を、血圧情報測定装置100の本体モニタ140に表示する機能、又は、スピーカ132からガイド(案内)するための音声を出力する機能を含む。
【0103】
また、巻き付け状態の検知結果および荷重分布を保持することで、同一測定シーケンス中での測定用カフ106の巻き付け状態の修正(再巻き付け)結果と、保持しておいた検知結果および荷重分布とを比較し、改善した点、又は、悪化した点を、本体モニタ140又はスピーカ131によって測定者に通知する。
【0104】
音声ガイドの一例は、以下のとおりである。「カフの裏側にしわが発生しています。腕にそって腕帯を巻き直して下さい。」「カフのひじ側の部分がめくれています。一度カフを緩めて、めくれを直してから巻き直して下さい。」
なお、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100が有するハードウェアと同様のハードウェアを用いて実現される。したがって、ハードウェア構成の説明は繰り返さない。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、CPU120によって実現される処理が図4に示される処理に対して追加されている。
【0105】
また、本実施の形態の他の局面において、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態が不良であるときの巻き付け状態と、血圧情報測定装置100による測定のための同一の処理シーケンス中における測定用カフ106の巻き直し後の状態とを比較してもよい。
【0106】
[制御構造]
図7を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る血圧情報測定装置100の制御構造について説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る血圧情報測定装置100と測定者とが実行する動作の流れを表わすフローチャートである。なお、第1の実施の形態における処理と同様の処理には同一のステップ番号を付してある。したがって、そのような処理の説明は繰り返さない。
【0107】
ステップS740にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付けガイドを通知する。たとえば、CPU120は、巻き付け状態を表わす表示と、測定用カフ106の巻き直しを促すメッセージ、測定用カフ106の巻き方を表わす画像などを本体モニタ140に表示させる。あるいは、CPU120は、それらの表示に代えて、測定用カフ106を正しく巻くために必要な動作を音声としてスピーカ132に出力させる。
【0108】
ステップS750にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き直しが測定のための同一シーケンスの間に行なわれている場合には、前回から変化した点を通知する。ここで、前回から変化した点とは、荷重検知シート104によって検知される荷重の変化が検知された測定領域をいう。CPU120は、その変化を示すメッセージ、画像あるいは測定領域の部位を示す表示を本体モニタ140に表示させる。他の局面において、CPU120は、その結果を音声としてスピーカ132に出力させる。
【0109】
以上のようにして、本発明の第2の実施の形態に係る血圧情報測定装置100によると、測定用カフ106の巻き直し前後の巻き付け状態および荷重分布の比較により、次回の測定における測定用カフ106の巻き付けの参考となる結果が得られる。これにより、測定用カフ106の正確な巻き付けを測定者に定着させることができる。
【0110】
<第3の実施の形態>
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、測定者の腕周を算出する機能、および測定者を推定する機能を有する点で、前述の各実施の形態に係る血圧情報測定装置と異なる。
【0111】
より詳しくは、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、荷重検知シートにより検知した荷重の分布状態から、測定者の腕周およびその変化を検知して検知結果を保持する機能と、測定開始時に選択された測定者と、推定した測定者とを比較することにより、測定者の選択の誤りを検出する機能とを有する。なお、測定者は、たとえば、本体110に設けられる「測定者選択ボタン」(図示しない)の押下によって選択される。この場合、測定者毎に過去の腕周の記録が保持されている。
【0112】
また、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、事前に登録されたユーザグループについて、腕周、荷重等の分布状態から測定者を推定する機能を有する。なお、測定者は、たとえば、体組成の違いによる初期巻き付け時の荷重分布の相違に基づいて推定される。この場合、血圧情報測定装置は、事前に登録されたグループのメンバーに含まれない測定者を検出すると、「ゲストモード」として、当該検出した測定者についての計測を実行する。
【0113】
なお、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100のハードウェア構成と同様のハードウェア構成を用いて実現される。したがって、ハードウェア構成の説明は繰り返さない。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、CPU120に対して当該固有の処理を実行させることにより実現される。
【0114】
[制御構造]
図8を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置を用いた測定処理について説明する。図8は、当該測定者と、本実施の形態に係る血圧情報測定装置とが実行する処理を表わすフローチャートである。なお、前述の処理と同一の処理には同一のステップ番号を付してある。したがって、それらの説明は繰り返さない。
【0115】
ステップS810にて、CPU120は、荷重検知シート104からの出力に基づいて腕200の腕周を推定する。より詳しくは、CPU120は、一定の荷重が検出された領域を特定し、各測定領域の長さを周方向に積算することにより、腕200の腕周を推定する。CPU120は、その推定結果をRAM130に格納する。ここで、たとえば測定者が自己の名前、ID(Identification)などを操作スイッチ131を操作して入力すると、CPU120は、その入力された識別情報と推定した腕周とを関連付けてフラッシュメモリ129に格納する。これにより、測定者ごとに推定された腕周がフラッシュメモリ129に保持される。
【0116】
ステップS420にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS420にてOK)、制御をステップS820に切り換える。そうでない場合には(ステップS420にてNG)、CPU120は、制御をステップS830に切り換える。
【0117】
ステップS820にて、CPU120は、荷重検知シート104によって検知された圧力の各値をフラッシュメモリ129に格納する。
【0118】
ステップS830にて、CPU120は、測定者に測定用カフ106の巻き付け状態の結果、推定した腕周などを通知する。たとえばCPU120は、腕周の長さ、測定用カフ106の巻き付け状態などを本体モニタ140に表示させる。あるいは、CPU120は、スピーカ132に対してそれらの情報を音声として出力させてもよい。
【0119】
ステップS430にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS430にてOK)、制御をステップS840に切り換える。そうでない場合には(ステップS430にてNG)、CPU120は、制御をステップS830に切り換える。
【0120】
ステップS840にて、CPU120は、荷重検知シート104によって検知された各圧力値をフラッシュメモリ129に記録する。ここで、CPU120は、測定者ごとに、圧力値をフラッシュメモリ129に格納する。そうすることにより、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、各測定者ごとに測定結果を保持することができる。
【0121】
ステップS850にて、CPU120は、血圧、脈波の測定を終了する。
ステップS852にて、CPU120は、測定結果を本体モニタ140に表示させる。
【0122】
ステップS854にて、CPU120は、フラッシュメモリ129に格納されている推定された腕周のデータと、測定用カフ106における荷重の分布データとに基づいて、測定者を推定する。
【0123】
ステップS860にて、CPU120は、事前に選択されたボタンによって規定される測定者と、ステップS854において推定された測定者とが一致するか否かを判定する。CPU120は、これらの測定者が一致していると判定すると(ステップS860にてYES)、制御をステップS866に切り換える。そうでない場合には(ステップS860にてNO)、CPU120は、制御をステップS862に切り換える。
【0124】
ステップS862にて、CPU120は、本体モニタ140に対して判定結果を表わす確認メッセージを表示させる。ここで、本体モニタ140は、推定された測定者と、選択の候補となり得る測定者とを表示する。あるいは、他の局面において、操作スイッチ131を介して新たな測定者の入力が受け付けられてもよい。
【0125】
ステップS864にて、CPU120は、測定者が選択されたことを検知する。
ステップS866にて、CPU120は、当該選択された測定者と推定された腕周データとを関連付けて、フラッシュメモリ129に結果を記録する。
【0126】
[データ構造]
図9を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置のデータ構造について説明する。図9は、フラッシュメモリ129におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ129は、データを不揮発的に格納するための複数のメモリ領域を含む。測定者を識別するためのデータは、メモリ領域910に格納されている。各測定者について推定された腕周データは、メモリ領域920に格納されている。各測定者について最後に腕周が測定された日時は、メモリ領域930に格納されている。CPU120は、各測定者について腕周を推定すると、その推定処理を行なった日時とともに図9に示されるような関連付けを行なった上でフラッシュメモリ129に各データを書き込む。なお、各測定者について書き込まれるデータは、1組に限られず、時系列的に累積的にデータが書き込まれてもよい。この場合、CPU120は、測定者について腕周の長さの変化を知ることができるため、当該測定者の体形の変化も検知することができる。
【0127】
[腕周の推定]
図10を参照して、測定者の腕周の推定について説明する。図10は、荷重検知シート104において検知された領域を概念的に表わす図である。荷重検知シート104において、一定値以上の圧迫力が検知される領域1010と、そのような圧迫力が検知されない領域1020とが存在する。そこで、領域1010の腕周方向の長さ1030を当該測定者の腕周として推定することができる。この場合、荷重を検知する測定領域は腕周方向に5mm程度ごとに連続的に配置することが望ましい。
【0128】
[データ構造]
図11を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置の他の局面におけるデータ構造について説明する。図11は、他の局面に従うフラッシュメモリ129におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。フラッシュメモリ129は、当該血圧情報測定装置の使用者として予め特定された使用者について計測された腕周データとそのデータが最初に保存(登録)された日時とを格納している。すなわち、測定者を識別するためのデータは、メモリ領域1110に格納されている。当該測定者について測定された腕周データは、メモリ領域1120に格納されている。当該測定者と腕周データとが登録された日時は、メモリ領域1130に格納されている。この局面に従う血圧情報測定装置のCPU120は、このようなデータを、その後同一の測定者についての推定した腕周データ(たとえば、図9)と比較することにより、当該測定者の腕周の変化を検知することができる。また、同一の測定者が血圧情報測定装置を使用しているか否かをCPU120は判断できるため、新たな測定者による使用が登録された測定者による使用であるとの誤判断も防止され得る。
【0129】
[表示態様]
図12を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置における通知態様について説明する。図12は、本実施の形態に係る血圧情報測定装置の本体モニタ140における画面の表示態様を表わす図である。
【0130】
CPU120が測定者を推定している場合(ステップS854)、本体モニタ140は、その旨を示すメッセージを表示する(図12(A))。CPU120は、測定者の判断処理を終了すると、その判断結果を表わすメッセージとその後の処理を促すメッセージとを本体モニタ140に表示させる(図12(B))。
【0131】
血圧情報測定装置の使用者(測定者)がスタートボタンを押すと、(ステップS860にてYES)、CPU120は、フラッシュメモリ129に格納されている当該測定者について既に登録されている腕周データを読み出し、その読み出したデータを本体モニタ140に表示させる。さらに、CPU120は、その後測定処理を開始する旨のメッセージを本体モニタ140に表示させる(図12(C))。
【0132】
以上のようにして、本実施の形態に係る血圧情報測定装置によると、測定者ごとに蓄積される測定結果について、測定者を選択するための操作を当該測定者が実行する必要がなくなるため、測定を容易に開始することができる。また、装置の操作に不慣れな測定者も簡単に当該血圧情報測定装置を使用することができる。
【0133】
さらに、測定者の選択誤り、選択忘れに対して、血圧情報測定装置は、測定者に確認することができるため、他の測定者のデータと混同して測定結果を保存することがなくなるため、蓄積される測定結果等についてデータの信頼性が高くなる。
【0134】
<第4の実施の形態>
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、測定者の体動を検知した場合に測定終了後に測定結果と共にその旨を本体モニタ140またはスピーカ13によって測定者に通知する機能を有する点で、前述の各実施の形態に係る血圧情報測定装置と異なる。
【0135】
具体的には、血圧情報測定装置は、血圧・脈波の測定中、荷重検知シートで検知した荷重の変動より、測定者の体動を検知する機能と、装置の本体モニタ140に検知結果を表示する機能とを有する。
【0136】
なお、本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100が備えるハードウェアと同様のハードウェアを用いて実現される。したがって、ハードウェア構成の説明は繰り返さない。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、当該固有な処理をCPU120に実行させることにより実現される。
【0137】
本実施の形態に係る血圧情報測定装置を実現するCPU120は、荷重検知シート104から送られる荷重の時系列変化に基づいて、生体の体動を検知する。ここで、生体の体動とは、測定用カフ106が装着された生体の動作をいい、特に、生体情報を検出するために不要な動作をいう。
【0138】
[制御構造]
図13を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置を用いた測定処理について説明する。図13は、当該血圧情報測定装置と測定者とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。
【0139】
ステップS430にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS430にてOK)、制御をステップS1310に切り換える。そうでない場合には(ステップS430にてNG)、CPU120は、制御をステップS440に切り換える。
【0140】
ステップS1310にて、CPU120は、血圧、または脈波を測定している間、荷重検知シート104によって検出される荷重を継続して検出する。CPU120は、その継続して検出した荷重に基づいて、測定用カフ106における測定領域の荷重の変化の有無を判定する。
【0141】
ステップS1320にて、CPU120は、その荷重の変化を検知すると、測定者の体動があったことを、本体モニタ140に表示させる。
【0142】
以上のようにして、本実施の形態に係る血圧情報測定装置によると、体動検知時において測定者に体動を通知することにより再測定を促すことで、正確なデータの蓄積につなげることができる。また、体動のあったときに計測されたデータについては、血圧情報測定装置は、測定値と共にそのデータを記憶する。あるいは、CPU120は、体動のあったことを表わすフラグを当該データに関連付ける。このようにすると、体動があったたきに計測されたデータと、体動がない時に正しい測定によって得られたデータとを混同して測定結果を保存することがなくなり、正確に区別することができる。したがって、蓄積される測定結果等についてデータの信頼性が高くなる。
【0143】
<第5の実施の形態>
以下、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る血圧情報測定装置は、腕帯に測定用カフ106の圧迫力の状態を通知する機能を持たせている点で、前述の各実施の形態に係る血圧情報測定装置と異なる。
【0144】
具体的には、血圧情報測定装置は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」となっていない場所および過圧迫・圧迫不足の状態を、測定用カフ106の外面に配置された表示部あるいは点灯部(たとえば、LED等)により測定者に知らせることで、巻き付け不良箇所を視覚的に通知することができる。
【0145】
[ハードウェア構成]
図14を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置1400の構成について説明する。図14は、血圧情報測定装置1400のハードウェア構成を表わすブロック図である。血圧情報測定装置1400は、腕帯1410と、本体110とを備える。腕帯1410は、荷重検知シート104と、測定用カフ106と、LED1420とを備える。LED1420は、測定用カフ106の複数の測定領域の各々にそれぞれ配置されている。
【0146】
さらに、血圧情報測定装置1400を実現するCPU120は、表示制御部158として、LED1420を発光させる。たとえば、CPU120は、特定のLED1420のみを発光させ、他のLED1420を発光させない。あるいは、CPU120は、特定のLED1420を特定の色(たとえば緑色)で発光させ、他のLED1420を他の特定の色(たとえば赤色)で発光させる。このような色分けにより、測定用カフ106の特定の領域における加圧が正常であるか否かが通知される。
【0147】
そこで、図15を参照して、本実施の形態に係る腕帯1410の構成についてさらに説明する。図15(A)は、腕帯1410を測定者の腕200に巻き付けた状態を表わす図である。図15(B)は、腕帯1410における複数のLEDの配置を表わす図である。
【0148】
腕帯1410には、たとえば8ヶ所にLEDが配置されている。そのうち、6つのLED1420a,1420b,1420c,1420e,1420f,1420gは、腕200の肩側と肘側とにそれぞれ配置されている。
【0149】
さらに、腕200の反対側には、LED1420b,1420eに対応する位置に2つのLED1420d,1420hが配置されている。LED1420a〜LED1420hを総称するときは、LED1420と表わす。
【0150】
図15(A)に示されるような位置関係に対応して、各LEDは配置されている。なお、腕帯1410の表面に配置されるLEDの数は、図15によって特定される数に限られない。さらに多くのLEDが配置されてもよいし、少ないLEDが配置されてもよい。また、腕帯1410に配置される表示手段は、LEDに限られない。たとえば有機ELその他の表示装置が装着されてもよい。
【0151】
[制御構造]
図16を参照して、本実施の形態に係る血圧情報測定装置1400の測定処理について説明する。図16は、血圧情報測定装置1400と測定者とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。なお、前述の各実施の形態における処理と同一の処理には同一のステップ番号を付してある。したがってそれらの説明は繰返さない。
【0152】
ステップS420にて、CPU120は、測定用カフ106の巻き付け状態を判定する。CPU120は、測定用カフ106が「ぴったり巻き」であると判定すると(ステップS420にてOK)、制御をステップS422に切り換える。そうでない場合には(ステップS420にNG)、CPU120は、制御をステップS1610に切り換える。
【0153】
ステップS1610にて、CPU120は、LED1420に対して信号を送出し、当該LEDを発光させる。たとえば、測定用カフ106の巻き付け状態が不良である場合には、CPU120は、赤色のLEDを発光させる。あるいは、一部の領域が巻き付け不良である場合には、CPU120は、当該領域に含まれるLEDのみを赤く発光させ、他の領域に含まれるLEDを緑色に発光させてもよい。
【0154】
以上のようにして、本実施の形態に係る血圧情報測定装置1400によると、該当場所と荷重分布の状態とを測定用カフ106上に表示する。また、血圧情報測定装置1400は、測定用カフ106を正しく巻くための具体的対策(巻き直しガイド)を各LED1420a〜1420hの各々の発光態様を切り換えて分割して表示することにより、分かり易い対策を測定者に通知する。これにより、測定者は、測定用カフ106の巻き付け状態の現状と、対策とを直感的・視覚的に把握することができるため、利便性が向上し得る。
【0155】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る血圧情報測定装置100のハードウェア構成の概略を表わすブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る測定用カフ106の構成の概略を表わす図である。
【図3】複数の測定領域を有する測定用カフ106の構成を概念的に表わす図である。
【図4】血圧情報測定装置100によって行なわれる動作と、血圧を測定するために測定者によって行なわれる動作とを表わすフローチャートである。
【図5】血圧情報測定装置100が備えるRAM130におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
【図6】血圧情報測定装置100が備える本体モニタ140におけるメッセージの表示態様を概念的に表わす図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る血圧情報測定装置100と測定者とが実行する動作の流れを表わすフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置と測定者とが実行する処理を表わすフローチャートである。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置のフラッシュメモリ129におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置が備える荷重検知シート104において検知された領域を概念的に表わす図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置の他の局面に従うフラッシュメモリ129におけるデータの格納の一態様を概念的に表わす図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る血圧情報測定装置の本体モニタ140における画面の表示態様を表わす図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態に係る血圧情報測定装置と測定者とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。
【図14】本発明の第5の実施の形態に係る血圧情報測定装置1400のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る腕帯1410を測定者の腕200に巻き付けた状態と腕帯1410における複数のLEDの配置とを表わす図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る血圧情報測定装置1400と測定者とが実行する処理の流れを表わすフローチャートである。
【符号の説明】
【0157】
100,1400 血圧情報測定装置、102,1410 腕帯、104 荷重検知シート、106 測定用カフ、110 本体、200 腕、310〜380 測定領域、510〜518,910〜930,1110〜1130 メモリ領域、1010,1020 領域、1030 長さ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カフと、
前記カフの表面のうち前記カフが生体に圧迫力を与える面に配置されて、荷重を検知する荷重検知手段と、
前記荷重検知手段によって検知される荷重に基づいて前記生体に対する圧迫力の分布状態を検出する分布状態検出手段と、
前記圧迫力が正常に分布している場合に前記生体の血圧情報を導出する導出手段とを備える、血圧情報測定装置。
【請求項2】
前記荷重検知手段は、荷重を検知するための複数の測定領域を含み、
前記分布状態検出手段は、前記複数の測定領域の各々からの出力に基づいて前記分布状態を検出する、請求項1に記載の血圧情報測定装置。
【請求項3】
前記分布状態に基づいて、前記カフの前記生体に対する装着状態を検出する装着状態検出手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の血圧情報測定装置。
【請求項4】
前記装着状態検出手段は、前記カフの前記生体に対する巻き付け状態を検出し、
前記巻き付け状態は、正常、めくれ、ねじれ、しわ、またはカフの固定忘れ、のいずれかを含む、請求項3に記載の血圧情報測定装置。
【請求項5】
前記装着状態検出手段は、前記カフの上下の装着間違いを検出する、請求項3に記載の血圧情報測定装置。
【請求項6】
前記カフの巻き付け状態が不良であるときの巻き付け状態と、前記血圧情報測定装置による測定のための同一の処理シーケンスにおける前記カフの巻き直し後の状態とを比較する比較手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項7】
前記分布状態に基づいて、前記生体の腕周を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された腕周を格納する記憶手段とをさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、複数の生体の各々についての腕周を格納しており、
前記血圧情報測定装置は、前記分布状態検出手段によって検出された分布状態と、前記記憶手段に格納されている各前記腕周とに基づいて、生体を推定する推定手段をさらに備える、請求項7に記載の血圧情報測定装置。
【請求項9】
荷重の時系列変化に基づいて生体の体動を検知する体動検知手段をさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項10】
前記カフは、表示装置を含み、
前記血圧情報測定装置は、前記カフの巻き付け状態を示す情報を前記表示装置に表示させる表示制御手段をさらに備える、請求項1〜9のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項11】
カフを生体に巻き付けるステップと、
前記カフの表面のうち前記カフが生体に圧迫力を与える面において、前記圧迫力に基づく荷重を検知するステップと、
前記荷重に基づいて前記生体に対する圧迫力の分布状態を検出するステップと、
前記圧迫力が正常に分布している場合に前記生体の血圧情報を導出するステップとを含む、血圧情報を測定するための方法。
【請求項1】
カフと、
前記カフの表面のうち前記カフが生体に圧迫力を与える面に配置されて、荷重を検知する荷重検知手段と、
前記荷重検知手段によって検知される荷重に基づいて前記生体に対する圧迫力の分布状態を検出する分布状態検出手段と、
前記圧迫力が正常に分布している場合に前記生体の血圧情報を導出する導出手段とを備える、血圧情報測定装置。
【請求項2】
前記荷重検知手段は、荷重を検知するための複数の測定領域を含み、
前記分布状態検出手段は、前記複数の測定領域の各々からの出力に基づいて前記分布状態を検出する、請求項1に記載の血圧情報測定装置。
【請求項3】
前記分布状態に基づいて、前記カフの前記生体に対する装着状態を検出する装着状態検出手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載の血圧情報測定装置。
【請求項4】
前記装着状態検出手段は、前記カフの前記生体に対する巻き付け状態を検出し、
前記巻き付け状態は、正常、めくれ、ねじれ、しわ、またはカフの固定忘れ、のいずれかを含む、請求項3に記載の血圧情報測定装置。
【請求項5】
前記装着状態検出手段は、前記カフの上下の装着間違いを検出する、請求項3に記載の血圧情報測定装置。
【請求項6】
前記カフの巻き付け状態が不良であるときの巻き付け状態と、前記血圧情報測定装置による測定のための同一の処理シーケンスにおける前記カフの巻き直し後の状態とを比較する比較手段をさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項7】
前記分布状態に基づいて、前記生体の腕周を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された腕周を格納する記憶手段とをさらに備える、請求項1〜6のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項8】
前記記憶手段は、複数の生体の各々についての腕周を格納しており、
前記血圧情報測定装置は、前記分布状態検出手段によって検出された分布状態と、前記記憶手段に格納されている各前記腕周とに基づいて、生体を推定する推定手段をさらに備える、請求項7に記載の血圧情報測定装置。
【請求項9】
荷重の時系列変化に基づいて生体の体動を検知する体動検知手段をさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項10】
前記カフは、表示装置を含み、
前記血圧情報測定装置は、前記カフの巻き付け状態を示す情報を前記表示装置に表示させる表示制御手段をさらに備える、請求項1〜9のいずれかに記載の血圧情報測定装置。
【請求項11】
カフを生体に巻き付けるステップと、
前記カフの表面のうち前記カフが生体に圧迫力を与える面において、前記圧迫力に基づく荷重を検知するステップと、
前記荷重に基づいて前記生体に対する圧迫力の分布状態を検出するステップと、
前記圧迫力が正常に分布している場合に前記生体の血圧情報を導出するステップとを含む、血圧情報を測定するための方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−297161(P2009−297161A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153267(P2008−153267)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(503246015)オムロンヘルスケア株式会社 (584)
【Fターム(参考)】
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