説明

血流中の検体の継続的な検出のためのシステムおよび方法

血液検定を実行する方法が開示される。方法は、音響バイオセンサを患者の血管と流体的に連絡するように配置し、それによって血管からの血液がバイオセンサと接触するようにするステップを含む。バイオセンサは、検体と結合するように適合された少なくとも1つの材料を含む。方法は、バイオセンサの電気的特性および機械的特性のうちの少なくとも1つの変化を検出し、該変化は、少なくとも1つの材料が検体と結合することから生じる質量変化を示し、質量変化を表すリアルタイムの信号をディスプレイモジュールに送信して、臨床医によるリアルタイムの分析を提供するステップも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血液の検定を実行するシステムおよび方法に関する。特に、本開示は、血液を継続的にモニタして、関心のある検体の存在および/または濃度を検出するように構成された生体内での音響バイオセンサに向けられる。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
関心のある特定の検体(例えばタンパク質)を検出する様々なタイプの血液アナライザが、当技術分野において公知である。従来の血液アナライザはセンサを利用して、検体の存在を検出して、選択的にその濃度を決定する。生体外での方法は普通、血管から血液サンプルを採取して、その後サンプルを分析のために血液アナライザに提供するために利用される。
【0003】
しかしながら、前記のタイプの公知の血液アナライザは、大きな欠点を提示し、この欠点のために、それらの全体的な有用性および有効性が減少する。特に、従来の血液アナライザは、血流中に存在する関心のある検体のリアルタイムのまたは現在時でのデータを提供することができない。さらに、従来の血液アナライザには、血液のサンプルが取られた瞬間での検体の存在を示し得るだけであるという点で限界がある。多くの適用において、存在する検体の量は、生物学的なイベントの後、数時間までは、血流中において濃度の上昇を示さない。
【0004】
1つの従来の解決法は、生体外での複数の検定を実行して、検体の濃度の上昇に対して血液を周期的に検査することを含む。しかしながら、複数の検定を実行することは、患者にとって過度に侵襲的である。さらに、この解決法は不完全でもある。なぜならば、生物学的なイベントを逃し得るという可能性があるからである。
【0005】
この特定の問題は、急性の心筋梗塞の患者をモニタする分野において顕著に広がっている。心筋梗塞と関連する生化学マーカー(例えば心筋トロポニン)は、発症から約3〜8時間で患者の血流中において検出可能である。病状の他の表示(例えば心電図インジケータ、急性の窮迫、その他)がない場合、心筋梗塞と関連する肉体的な病状(例えば胸の痛み)を訴える患者は、症状の原因として梗塞の可能性を否定するために、通常12時間まで観察される。従来、最近の梗塞を検出するために、心臓マーカー検定が通常、6〜8時間間隔で連続して実行される。検定間の比較的長い期間により、梗塞の生物学的な徴候を有する真の梗塞患者は、結果として、徴候が検出されるまでに何時間も待つことになり得る。したがって、患者に治療を提供することに遅延が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、血流中の検体の存在を継続的に検出して、検体の濃度の上昇を即時かつ継続的に検出することを可能にする血液アナライザを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(概要)
本開示は、検体の存在および濃度を検出するための生体内での血液検定を実行するシステムおよび方法に関する。システムは、音響バイオセンサを含み、該音響バイオセンサは、関心のある検体と結合するように適合された抗体材料を有する。バイオセンサは血管と流体的に連絡し、その結果血液はバイオセンサと継続的に接触し、検体は抗体材料と結合する。バイオセンサは繰り返し励起され、かつバイオセンサの共振周波数は繰り返しモニタされ、したがって継続的測定に近い。共振周波数の変化は、血流中の検体の濃度を計算する検出器デバイスによって記録、分析される。
【0008】
本開示の一局面に従って、血液検定を実行する方法が開示される。方法は、音響バイオセンサを患者の血管と流体的に連絡するように配置し、それによって血管からの血液がバイオセンサと接触するようにするステップを含む。バイオセンサは、検体と結合するように適合された少なくとも1つの材料を含む。方法は、バイオセンサの電気的特性および機械的特性のうちの少なくとも1つの変化を検出し、該変化は、少なくとも1つの材料が検体と結合することから生じる質量変化を示し、質量変化を表すリアルタイムの信号をディスプレイモジュールに送信して、臨床医によるリアルタイムの分析を提供するステップも含む。
【0009】
本開示の別の局面に従って、検体に対して血液の検定を行う医療用アナライザが開示される。アナライザは、音響バイオセンサを含み、該バイオセンサは血管と流体的に連絡するように適合され、それによって血管からの血液がバイオセンサと接触する。バイオセンサは、血液中の検体と結合するように適合された少なくとも1つの材料を含む。アナライザはまた、バイオセンサにおいて機械的波形を生成する発振器と、機械的波形の共振周波数の変化を検出するように適合された検出器であって、該変化は、バイオセンサの少なくとも1つの材料が、血液の検体と結合することから生じる質量変化を示す、検出器とを含む。検出器は、バイオセンサの質量変化を表すリアルタイムの信号を生成して、臨床医によるリアルタイムの分析を提供するようにも適合される。
【0010】
本開示のさらなる実施形態に従って、検体に対して血液の検定を行う医療用アナライザが開示される。医療用アナライザは、音響バイオセンサを含み、該音響バイオセンサは、血管と流体的に連絡するように適合され、それによって血管からの血液はバイオセンサと接触する。バイオセンサは、血液の検体と結合するように適合された少なくとも1つの材料を含み、かつバイオセンサの電気的特性および機械的特性のうちの少なくとも1つの変化に応答して、バイオセンサの少なくとも1つの材料が血液の検体と結合することから生じる質量変化を送信するように適合される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の様々な実施形態が、図面を参照して本明細書に記述される。
【図1】図1は、血管にアクセスする、本開示による血液アナライザの図である。
【図2】図2は、血液アナライザのプローブの入口端の断面図であり、プローブ内のバイオセンサを例示する。
【図3】図3は、本開示によるプローブの別の実施形態の断面図である。
【図4】図4は、本開示による血液検定を実行する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(詳細な説明)
本開示の特定の実施形態が、添付の図面を参照して本明細書の以下に記述される。以下の記述において、周知の機能または構成は、不必要に詳細にすることによって本開示を不明瞭にすることを避けるために、詳細には記述されない。
【0013】
ここで図1〜図2を参照して、血液アナライザ10が、本開示の原理に従って例示される。一般的に、血液アナライザ10は、アクセス部材またはプローブ12と、プローブ12と電気的に通信するモニタ20とを含む。プローブ12は、近位端14および遠位端16を有する。プローブ12は、任意の管状構造(例えばカテーテルまたはカニューレ)であり得、該任意の管状構造は、そこに画定された筐体13および管腔22ならびにその遠位端16に1つ以上のポート24を有し、該1つ以上のポート24は、管腔22への流体アクセスを提供するように適合される。プローブ12の遠位端16は血管「V」の中に挿入され、方向矢印26によって例示されるように、血液が、管腔の中に流入することを可能にする。遠位端16は、血管「V」に貫入するように構成され得ることが想定されている。あるいは、組織貫通デバイスが利用され得、血管「V」に開口部を作成して、その後で該開口部の中にプローブ12が挿入される。血流が、ポート24を通って管腔22に流入し、この中を通る。
【0014】
プローブ12は、管腔22内に配置された音響バイオセンサ30含み、音響バイオセンサ30は、血管「V」を流れる血液と流体的に連絡する。これによって、血液アナライザ10が、関心のある検体34に対して血流を継続的にモニタすることが可能となる。音響バイオセンサ30は、圧電材料(例えば水晶結晶板)であり得、その表面に配置された捕捉物質32を含む。捕捉物質32は、例えば、関心のある検体34と結合するように適合された特定の抗体であり得る。関心のある検体は、心筋トロポニン、ミオグロビン、クレアチニンキナーゼ、クレアチンキナーゼアイソザイムMB、アルブミン、ミエロペルオキシダーゼ、C−反応性タンパク質、グルコースなどを含む。捕捉物質32は、例えば適切な担体マトリックスとの共有結合、物理吸収、架橋結合のような任意の数の従来の堆積技術を使用して、音響バイオセンサ30の表面と結合され得る。動作の間、バイオセンサ30は、血液と流体的に連絡する。検体34が、血液中に存在する場合、検体34は、捕捉物質32と結合し、結合複合体36を形成する。捕捉物質32が検体34と継続的に結合して、複合体36を形成するとき、バイオセンサ30の有効質量が増加する。したがって、音響バイオセンサ30は、質量の変化を測定することによって検体34の量を検出する。質量変化は、バイオセンサ30の電気的特性および機械的特性の変化を測定することによって測定される。バイオセンサ30に電流を流して電流または電位の変化を測定することは、バイオセンサ30の有効質量の変化を測定することを可能にする。バイオセンサ30の質量の変化は、バイオセンサ30を励起してバイオセンサ30の共振周波数の変化を測定することによっても決定され得る。
【0015】
バイオセンサ30は、例えば励起ワイヤ38、50および検出ワイヤ39、51のような2つ以上のワイヤを介して、モニタ20と結合される。プローブ12はその近位端14において、ケーブル18を含み、ケーブル18は、ワイヤ38、39、50、51を取り囲む。モニタ20は、発振器と、検出器と、入力制御と、ディスプレイ(明確には示されず)とを含む。発振器および検出器はそれぞれ、励起ワイヤ38、50および検出器ワイヤ39、51を介してバイオセンサ30と結合される。ワイヤ38、39、50、51は、バイオセンサ30と電気的に通信する1つ以上の電極を含む。発振器は、電気的信号をバイオセンサ30に提供し、該電気的信号は、対応する共振周波数でバイオセンサ30を駆動する。周波数は、検出ワイヤ39、51に沿って検出器に送信され、検出器において、バイオセンサ30の質量の変化が決定される。
【0016】
質量計算は、Sauerbey関係を利用して実行され、ここにおいて、圧電結晶の測定された周波数の変化は、その質量の変化として表される。結果として生じる質量の増加は、バイオセンサ30の共振周波数の減少を生じる。検出器は、プログラム可能な命令(例えばアルゴリズム)を含み、該プログラム可能な命令は、測定された周波数の変化の関数として、バイオセンサ30の質量の変化を計算するように適合される。命令は、Sauerbey式、および圧電材料を表す任意の必要とされる定数を含み得る。かかる定数は、結晶の圧電的に活性の面積と、密度と、せん断弾性率とを含む。
【0017】
バイオセンサ30の質量の増加は、検体34が、捕捉物質32によって捕捉され、複合体36を形成したことを意味する。計算された質量変化を表すデータは、ディスプレイ上の出力に対してフォーマットされる。このステップは、検体34が血流中に存在すると表示すること(例えば、テキスト「検体検出」を表示すること)を含み得る。検出器は、質量の変化の微分係数を計算するように構成されることがさらに考えられている。共振周波数の変化の速度は、血流中の検体の質量の変化と相互に関連する。この関係は、検体34の濃度および濃度の変化の決定を可能にする。特に、バイオセンサ30の質量の増加の速度は、検体34の濃度の決定を可能にする。測定された質量の第2次時間微分係数をとることは、検体34の濃度の変化の速度の計算を可能にする。プログラム可能な命令を検出器に提供して微分係数の計算を可能にすることは、当業者の知識の範囲内である。血流中における検体34の濃度に関連するデータは、テスト結果のより詳細な分析を可能にする。特に、検体34が血流中に存在するかどうかを単に出力することとは対照的に、検体34の濃度および検体34が生成されている速度を知ることは、病状(例えば心筋梗塞)の重さを決定するためのツールを医療従事者に提供する。検体34の検出された濃度または濃度の変化は、血液1リットル当たりのグラム数(例えば、μg/L)として出力され得る。
【0018】
血液アナライザ10は、検体34の継続的なモニタリングを可能にする。動作の間、プローブ12が血管の中に挿入され、その結果、バイオセンサ30は血液と流体的に連絡し、モニタ20が較正される。較正は、ゼロ正味質量ゲインと対応するバイオセンサ30の基本周波数を取得することを含み、その結果、モニタ20によって検出されるその後の任意の質量ゲインは、検体34の存在を示す。
【0019】
発振器および検出器は順々に動作し、その結果、発振器が、バイオセンサ30に励起パルスを送信すると、検出器は、周波数信号を受信するように作動させられる。モニタ20が、周期的に(例えば、毎分)バイオセンサ30に問い合わせを行い、発振器および検出器が、比較的短い時間、問い合わせの間にポーズを置いて作動させられ、こうして継続的な測定に近づくと考えられている。特定の生物学的な状態を示す様々なタンパク質は、様々な速度で生成され、したがって問い合わせの期間が、検体のタイプに基づいて調節され得ることを当業者は理解する。
【0020】
すべての抗体が検体34と結合し、検体34がもはや抗体と結合し得ないとき、バイオセンサ30は機能を止める。したがって、バイオセンサ30の機能の継続時間は、患者の血液中の検体34の濃度と共に変化する。正しい検出を保証するために、低い検体濃度を有する患者に対しては、動作の継続時間は約8時間が好ましい。
【0021】
図3は、プローブ12の別の実施形態を示し、プローブ12は、管腔22のチャンバ40内に配置されるバイオセンサ30を含む。バイオセンサ30は延長部材41を含み、延長部材41は、その遠位端に配置された捕捉物質32を有する。動作の間、血液は、ポート24を通って管腔22の中に流入し、検体34を運び、検体34は次に、捕捉物質32と結合する。バイオセンサ30は、上述の態様でモニタ20によって励起され、質量の変化を測定する。延長部材41は、バイオセンサ30と結合されるので、検体34が結合して複合体36を形成することによって引き起こされる質量の変化は、モニタ20によって検出される。
【0022】
延長部材41は、医療グレード材料(例えばステンレス鋼)または縫合糸フィラメントから製造されたカンチレバー梁であり得る。選択的に、チャンバ40は、シール42を介して管腔22の残りから分離され得る。シール42は、バイオセンサ30の音響特性に影響を与えないヒドロゲルおよび他の材料から形成され得る。これは、さらにバイオセンサ30を隔絶するので、血液がチャンバ40の中に流入してバイオセンサ30に接触することを防止する。
【0023】
図2に示される実施形態のバイオセンサ30は血液分析が完了した後、取り外されなくてはならない。なぜならば、バイオセンサ30は、その表面に結合された複合体36を含むからである。これとは対照的に、図3に示される実施形態のバイオセンサ30は、再使用され得る。捕捉物質32を延長部材41に配置することによって、検体34は、バイオセンサ30の表面とは結合しない。したがって、バイオセンサ30は再使用され得、延長部材41は分析が完了した後に取替えられ得る。
【0024】
血管の中に挿入するように適合されてそこを通って血液が流れるようにされた様々な他のタイプの医療用デバイスを使用して、バイオセンサ30が、静脈系内に配置され得ることも想定される。考えられるデバイスは、シャントおよびステントを含むが、これらに限定されない。
【0025】
血液検定を実行する方法が、図4に例示される。ステップ100において、バイオセンサ30が、血管「V」と流体的に連絡するように配置される。これは、バイオセンサ30をアクセス部材(例えばプローブ12)内に配置し、アクセス部材は次に、血管の中に挿入されることによって達成される。上で論議されたように、プローブ12が血管の中に挿入されると、血液が管腔22に流入し、それによってバイオセンサ30を血液と流体的に連絡するように配置する。
【0026】
ステップ102において、バイオセンサ30は、発振器によって励起され、該発振器は、その共振周波数でバイオセンサ30において機械的な波形を生成する。バイオセンサ30の共振周波数は、バイオセンサ30の有効質量の増加の結果としての共振周波数の変化を検出する検出器によってモニタされる。有効質量の増加は、検体34が、バイオセンサ30の表面に配置された捕捉物質32と結合したことが原因である。
【0027】
ステップ104において、検体34の濃度および濃度の変化は、検出器によって決定される。検出器は、共振周波数の変化を測定することによって濃度を計算する。検体34の濃度の変化は、バイオセンサ30の有効質量の増加の速度を計算することによって決定される。検体34の濃度の変化の速度は、バイオセンサ30の有効質量の第2次時間微分係数をとることによって計算される。
【0028】
ステップ106において、検出器は、質量変化(例えば共振周波数の変化)に関する信号をモニタ20のディスプレイに送信して、検体34のレベルのリアルタイム分析を臨床医に提供する。信号は、検体34が存在するという表示、検体34の濃度の表示、および検体34の濃度の変化の表示を含み得るが、これらに限定されない。臨床医は次に、検体の濃度を第1の所定の臨床的閾値と比較して、特定の治療が保証されるかどうかを決定する。
【0029】
さらに、モニタ20は、検体濃度の変化の速度を表示するようにも適合される。臨床医は、検体濃度の変化の速度を第2の所定の臨床的閾値と比較して、特定の治療が保証されるかどうかを決定する。モニタ20は選択的に自動警報を含み得、検体濃度が1つ以上の閾値を超過したことを臨床医に知らせ得る。
【0030】
本開示の幾つかの実施形態が図面で示され、かつ/または本明細書において論議されたが、本開示はそれらに限定されるとは意図されていない。なぜならば、本開示は、当技術分野が許す限り広く意図され、本明細書はそのように読まれることが意図されているからである。例えば、バイオセンサおよび/またはモニタは、他の身体流体、身体組織、身体酵素その他に対して検定を評価、または実行し得ることが想定されている。したがって、上述は、限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された請求項の範囲および精神内で他の変更に想到する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織検定を実行する方法であって、該方法は、
バイオセンサを患者の組織と流体的に連絡して配置するステップであって、それによって該組織が、該バイオセンサと接触し、該バイオセンサは、検体と結合するように適合された少なくとも1つの材料を有する、ステップと、
該バイオセンサの電気的特性および機械的特性のうちの少なくとも1つの変化を検出するステップであって、該変化は、該少なくとも1つの材料が該検体と結合することから生じる質量変化を示す、ステップと、
質量変化を表すリアルタイムの信号をディスプレイモジュールに送信して、臨床医によるリアルタイムの分析を提供するステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
血液検定を実行する方法であって、該方法は、
音響バイオセンサを患者の血管と流体的に連絡して配置するステップであって、それによって該血管からの血液が、該バイオセンサと接触し、該バイオセンサは、検体と結合するように適合された少なくとも1つの材料を有する、ステップと、
該バイオセンサの電気的特性および機械的特性のうちの少なくとも1つの変化を検出するステップであって、該変化は、該少なくとも1つの材料が該検体と結合することから生じる質量変化を示す、ステップと、
質量変化を表すリアルタイムの信号をディスプレイモジュールに送信して、臨床医によるリアルタイムの分析を提供するステップと
を包含する、方法。
【請求項3】
前記音響バイオセンサは圧電結晶を備え、該圧電結晶は、該圧電結晶の表面と結合された少なくとも1つの抗体材料を有し、前記検出するステップの間、前記検体が、該少なくとも1つの抗体材料に付着して、該バイオセンサの有効質量を増加させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの抗体材料は、前記検体に付着して、前記バイオセンサの前記有効質量を増加させるように適合され、該検体は、心筋トロポニン、ミオグロビン、クレアチニンキナーゼ、クレアチンキナーゼアイソザイムMB、アルブミン、ミエロペルオキシダーゼ、C−反応性タンパク質、グルコースからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記配置するステップは、前記血管の管腔内に前記バイオセンサを導入することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記血液がそこを通ることを可能にする、少なくとも1つのポートを有するアクセス部材によって、前記血管にアクセスするステップであって、そのために前記バイオセンサは、該アクセス部材の遠位端内に配置される、ステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記血管にアクセス部材によってアクセスし、該アクセス部材を通って血液を引いて、該血管から離れた前記バイオセンサと接触させるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記血液を前記血管に戻すステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記バイオセンサの前記少なくとも1つの電気的特性は、電流および電位からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記バイオセンサの前記少なくとも1つの機械的特性は、該バイオセンサの共振周波数である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記共振周波数の変化の速度を計算するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記共振周波数の変化の少なくとも1つの時間微分係数を計算するステップを含み、前記血液内の前記検体の濃度を決定する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記検出するテップは、実質的にリアルタイムで実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
検体に対して血液の検定を行なう医療用アナライザであって、
血管と流体的に連絡し、それによって該血管からの血液が該バイオセンサと接触するように適合された音響バイオセンサであって、該血液の検体と結合するように適合された少なくとも1つの材料を有する、音響バイオセンサと、
該バイオセンサにおいて機械的波形を生成する発振器と、
該機械的波形の共振周波数の変化を検出する検出器であって、該変化は、該バイオセンサの該少なくとも1つの材料が該血液の該検体と結合することから生じる質量変化を示し、かつ、該バイオセンサの該質量変化を表すリアルタイムの信号を生成して、臨床医によるリアルタイムの分析を提供するように適合された、検出器と
を備えている、医療用アナライザ。
【請求項15】
送信機によって送信された前記リアルタイムの信号を受信し、前記質量変化と対応するビジュアルディスプレイを提供するように適合されたモニタを含む、請求項14に記載の医療用アナライザ。
【請求項16】
前記バイオセンサの前記質量変化に関する計算を実行するコントローラを含む、請求項15に記載の医療用アナライザ。
【請求項17】
前記コントローラは、前記バイオセンサの前記質量変化の速度を計算するプログラミングを含み、前記モニタは、該質量変化の速度と対応するビジュアルディスプレイを提供するように適合された、請求項16に記載の医療用アナライザ。
【請求項18】
前記コントローラは、前記検体の濃度レベルに対応する、前記バイオセンサの前記質量変化の速度の少なくとも1つの時間微分係数を計算するプログラミングを含む、請求項17に記載の医療用アナライザ。
【請求項19】
アクセス部材を含む請求項14に記載の医療用アナライザであって、該アクセス部材は、前記血管にアクセスし、かつ該アクセス部材の管腔内に配置された音響バイオセンサを有し、それによって血液が該管腔を通って該バイオセンサに接触する、医療用アナライザ。
【請求項20】
前記アクセス部材は、前記血管を貫通し、それによって少なくとも部分的に該血管の中に配置されるように適合された遠位端を含み、前記バイオセンサは、該アクセス部材の該遠位端内に配置される、請求項19に記載の医療用アナライザ。
【請求項21】
前記遠位端は、前記アクセス部材の前記管腔の中に血液が入り、前記バイオセンサに接触することを可能にする入口ポートと、該血液を前記血管に戻す出口ポートとを含む、請求項20に記載の医療用アナライザ。
【請求項22】
前記音響バイオセンサは、心筋トロポニンと結合するように適合された少なくとも1つの抗体材料を有する圧電材料を含む、請求項14に記載の医療用アナライザ。
【請求項23】
検体に対して血液の検定を行なう医療用アナライザであって、
血管と流体的に連絡し、それによって該血管からの血液が該バイオセンサと接触するように適合された音響バイオセンサであって、該バイオセンサは、該血液の検体と結合するように適合された少なくとも1つの材料を有し、該バイオセンサは、該バイオセンサの電気的特性および機械的特性のうちの少なくとも1つの変化に応答して、該バイオセンサの該少なくとも1つの材料が該血液の検体と結合することから生じる質量変化を送信するように適合された、バイオセンサを備えている、医療用アナライザ。
【請求項24】
前記バイオセンサの前記少なくとも1つの電気的特性は、電流および電位からなる群から選択される、請求項23に記載の医療用アナライザ。
【請求項25】
前記バイオセンサの前記少なくとも1つの機械的特性は、該バイオセンサの共振周波数である、請求項23に記載の医療用アナライザ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2010−504819(P2010−504819A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530412(P2009−530412)
【出願日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/020843
【国際公開番号】WO2008/042217
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】