血液浄化装置及びそのリーク検査方法
【課題】濾過手段のリーク検査時、当該濾過手段の濾過膜に対する過剰な負荷の付与を回避することができるとともに、リーク判定を短時間にて行わせることができる血液透析装置及びそのリーク検査方法を提供する。
【解決手段】ダイアライザ6に透析液を導入する透析液導入ラインL1と、ダイアライザ6から透析液を排出する透析液排出ラインL2と、濾過膜1aを介して被濾過透析液が流動する1次室1bと濾過透析液が流動する2次室1cとを具備し、当該透析液導入ラインL1を流れる透析液を濾過して浄化するための微粒子濾過フィルタ1と、リーク検査時に微粒子濾過フィルタ1へ空気を供給し得る空気供給手段とを具備した血液透析装置において、空気供給手段から供給されて微粒子濾過フィルタ1の濾過膜1aを通過した空気を検出し得る空気検出手段2を具備したものである。
【解決手段】ダイアライザ6に透析液を導入する透析液導入ラインL1と、ダイアライザ6から透析液を排出する透析液排出ラインL2と、濾過膜1aを介して被濾過透析液が流動する1次室1bと濾過透析液が流動する2次室1cとを具備し、当該透析液導入ラインL1を流れる透析液を濾過して浄化するための微粒子濾過フィルタ1と、リーク検査時に微粒子濾過フィルタ1へ空気を供給し得る空気供給手段とを具備した血液透析装置において、空気供給手段から供給されて微粒子濾過フィルタ1の濾過膜1aを通過した空気を検出し得る空気検出手段2を具備したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液浄化器に導入される透析液を濾過して浄化するための濾過手段を具備した血液浄化装置及びそのリーク検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、透析治療に使用される透析装置は、血液回路に接続されたダイアライザ(血液浄化器)に透析液を供給するとともに、透析により老廃物を含んだ透析液をダイアライザから排出すべく透析液導入ライン及び透析液排出ラインが延設されている。これら透析液導入ライン及び透析液排出ラインの先端は、ダイアライザの透析液導入口及び透析液導出口にそれぞれ接続されており、透析液の供給及び排出が行われている。
【0003】
ところで、近時において、透析治療時にダイアライザへ供給するための透析液を血液回路側へも導き、その透析液にて透析治療中の補液を行わせる技術が提案されるに至っている。然るに、透析液にはエンドトキシン(グラム陰性桿菌の細胞壁外膜の表層を構成している成分の一つ)が含まれており、かかるエンドトキシンが患者の体内に入ると発熱やショック等の体調悪化を生じてしまうことが分かっている。
【0004】
そこで、透析液導入ラインに微粒子濾過フィルタ(エンドトキシンカットフィルタ、無菌フィルタ、透析液浄化フィルタなどと称される場合もある)を接続し、透析液中に含まれるエンドトキシンを除去するよう構成された血液透析装置(血液浄化装置)が提案されている。かかる微粒子濾過フィルタは、濾過膜としての複数の中空糸(ダイアライザの中空糸と略同様の構成のもの)を内在した筒状のハウジングから成るものが一般的に用いられている。
【0005】
具体的には、中空糸内が被濾過透析液が流通する1次室、及び当該中空糸外周面とハウジング内周面との間の空間が濾過透析液が流通する2次室を構成することとなり、2次室の濾過透析液がダイアライザや血液回路に導かれるとともに、中空糸にて濾過されない透析液は、1次室を介して例えば透析液排出ラインに導出されるよう構成されている。これにより、浄化された濾過透析液のみがダイアライザや血液回路に導かれることとなり、安全性を向上させることができる。尚、中空糸内が2次室、該中空糸外周面とハウジング内周面との間の空間が1次室とされた形態の微粒子濾過フィルタも存在する。
【0006】
しかして、一般の医療現場においては、微粒子濾過フィルタのリーク検査を行った後、透析治療を行うことにより安全性をより高めている。このリーク検査は、例えば特許文献1又は特許文献2にて開示されているように、微粒子濾過フィルタに対して意図的に空気を供給するとともに、例えば透析液排出ラインに設けられた圧力計にて2次室側の圧力差を監視することにより行われる。
【0007】
即ち、通常の微粒子濾過フィルタは、その濾過膜(中空糸)が疎水性の材質から成ることから、リークがない場合は供給された空気により濾過膜が閉塞され、2次室側の圧力が急速に高く或いは低くなるので、かかる圧力差(空気の供給前の圧力と供給後の圧力との差)を検出することによりリーク検査が行われるのである。一方、リークがある場合は、供給された空気が濾過膜を通過するため、リークがない正常なものに比べ、2次室側の圧力差が小さくなる。
【特許文献1】特開平9−164198号公報
【特許文献2】特開2003−93851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の血液浄化装置においては、空気を供給しつつ2次室側の圧力差を監視することにより微粒子濾過フィルタ(濾過手段)のリーク検査が行われているため、以下の如き問題があった。
【0009】
すなわち、圧力差を明瞭にしてリーク検査を正確に行わせるには、濾過手段に比較的過大な圧力にて空気を送り込む必要があり、リーク検査の度に濾過膜(中空糸)に対して過剰な負荷を付与してしまうこととなる。かかる過剰な負荷により濾過膜が破損する可能性があり、使用可能期間(寿命)が短くなってしまうという問題がある。また、圧力差が一定しているか或いは変動しているかを確認する必要があるため、リークの判定までに時間がかかってしまうという問題もある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、濾過手段のリーク検査時、当該濾過手段の濾過膜に対する過剰な負荷の付与を回避することができるとともに、リーク判定を短時間にて行わせることができる血液浄化装置及びそのリーク検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、体外循環する患者の血液を浄化するための血液浄化器の浄化液導入口に接続され、当該血液浄化器に浄化液を導入する浄化液導入ラインと、前記血液浄化器の浄化液排出口に接続され、当該血液浄化器から浄化液を排出する浄化液排出ラインと、前記浄化液導入ラインに接続されるとともに、濾過膜を介して被濾過浄化液が流動する1次室と濾過浄化液が流動する2次室とを具備し、当該浄化液導入ラインを流れる浄化液を濾過して浄化するための濾過手段と、リーク検査時に前記濾過手段へ空気を供給し得る空気供給手段とを具備した血液浄化装置において、前記空気供給手段から供給されて前記濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出し得る空気検出手段を具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に前記空気検出手段がそれぞれ接続されたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置において、前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて2つ直列に接続されるとともに、前記浄化液導入口に近い側の濾過手段の1次室が当該浄化液導入口と接続されつつ2次室が患者の血液を体外循環させる血液回路に接続され得るよう構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の血液浄化装置において、リーク検査後、前記濾過手段に充填された空気が排出されるのを検出する排出確認用空気検出手段を具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、体外循環する患者の血液を浄化するための血液浄化器の浄化液導入口に接続され、当該血液浄化器に浄化液を導入する浄化液導入ラインと、前記血液浄化器の浄化液排出口に接続され、当該血液浄化器から浄化液を排出する浄化液排出ラインと、前記浄化液導入ラインに接続されるとともに、濾過膜を介して被濾過浄化液が流動する1次室と濾過浄化液が流動する2次室とを具備し、当該浄化液導入ラインを流れる浄化液を濾過して浄化するための濾過手段と、リーク検査時に前記濾過手段へ空気を供給し得る空気供給手段とを具備した血液浄化装置のリーク検査方法において、前記空気供給手段から供給されて前記濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出することによりリーク判定を行わせ得ることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の血液浄化装置のリーク検査方法において、前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に漏れた空気をそれぞれ検出することを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の血液浄化装置のリーク検査方法において、リーク検査後、前記濾過手段に充填された空気が排出されるのを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1及び請求項5の発明によれば、空気検出手段にて濾過手段の濾過膜を介して漏出した空気を直接検出してリーク判定することができるので、濾過手段のリーク検査時、当該濾過手段の濾過膜に対する過剰な負荷の付与を回避することができるとともに、リーク判定を短時間にて行わせることができる。
【0019】
請求項2及び請求項6の発明によれば、濾過手段が浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、エンドトキシンの除去を複数回行わせることができるとともに、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を容易とすることができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、浄化液導入口に近い側の濾過手段の1次室が浄化液導入口と接続されつつ2次室が患者の血液を体外循環させる血液回路に接続され得るよう構成されたので、補液時等において血液回路側に浄化液を導く場合にのみ、2重の濾過を行わせることができ、より安全で確実な補液等を行わせることができる。
【0021】
請求項4又は請求項7の発明によれば、リーク検査後、濾過手段に充填された空気が排出されるのを直接検出できるので、リーク検査で使用された空気が完全に排出されたことを確実に認識することができ、その後の治療を早期に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る血液浄化装置は、血液透析装置に適用されたもので、図1に示すように、透析液導入ラインL1(浄化液導入ライン)及び透析液排出ラインL2(浄化液排出ライン)と、微粒子濾過フィルタ1(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する空気供給ラインL3と、空気検出手段2と、バイパスラインL4と、電磁弁V1〜V4と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている。尚、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3は、本発明の空気供給手段を構成している。
【0023】
透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端は、透析治療前(特にリーク検査時)において、カップリングなどの接続手段4にて互いに接続されているとともに、透析治療時においては、当該先端が接続手段4から外され、それぞれがダイアライザ6(血液浄化器)に接続され得るよう構成されたものである。かかるダイアライザ6は、体外循環する患者の血液を浄化するためのもので、不図示の血液浄化膜(本実施形態においては中空糸膜であるが半透膜及び濾過膜を含む)を内在している。
【0024】
また、ダイアライザ6は、血液を導入する血液導入口6a及び導入した血液を導出する血液導出口6bが形成されるとともに、透析液導入ラインL1の先端が接続されて透析液(浄化液)を導入する透析液導入口6c(浄化液導入口)、及び透析液排出ラインL2の先端が接続されて導入した透析液を排出する透析液排出口6d(浄化液排出口)が形成されている。しかして、中空糸膜を介して血液導入口6aから導入した血液に透析液を接触させて透析浄化作用を施すことができる。
【0025】
尚、血液導入口6a及び血液導出口6bには、血液ポンプ9が配設された動脈側血液回路7a及びドリップチャンバ8が接続された静脈側血液回路7bがそれぞれ接続されており、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺しつつ血液ポンプ9を駆動させることにより、患者の血液を体外循環させ得るようになっている。また、体外循環の過程において、ダイアライザ6にて浄化された血液は、ドリップチャンバ8にて徐泡が施された後に患者の体内に戻される。
【0026】
一方、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の基端側には、それぞれ透析液供給源及び透析液排出手段(何れも不図示)が接続されるとともに、これら透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2に跨って複式ポンプP(或いはこれに代えてチャンバ等であってもよい)が配設されている。そして、複式ポンプPを動作させることにより、透析液導入ラインL1を介してダイアライザ6に調製された透析液を供給するとともに、透析液排出ラインL2を介してダイアライザ6から排出された透析液が透析液排出手段に至るよう構成されている。
【0027】
また、透析液排出ラインL2における制御ポンプ3と複式ポンプPとの間からは、空気逃がしラインLaが延設されており、その途中には当該空気逃がしラインLaを開放又は閉塞し得る電磁弁Vaが配設されている。具体的には、空気逃がしラインLaと透析液排出ラインL2との接続部位には、空気層を有したチャンバ(不図示)が配設されており、当該チャンバにて空気が捕捉して逃がすよう構成されている(以下の実施形態も同様)。
【0028】
微粒子濾過フィルタ1は、透析液導入ラインL1の途中に接続されるとともに、濾過膜1aを介して被濾過透析液(濾過されるべき透析液)(被濾過浄化液)が流動する1次室1bと濾過透析液(濾過された後の透析液)(濾過浄化液)が流動する2次室1cとを具備し、当該透析液導入ラインL1を流れる透析液を濾過して浄化するためのものである。これにより、透析液中に含まれるエンドトキシンを除去することができる。
【0029】
より具体的には、微粒子濾過フィルタ1は、図2に示すように、濾過膜1aとしての複数の中空糸を内在した筒状のハウジング10と、該ハウジング10の両端面に液密状に固定された蓋部材11及び12とから主に構成されている。この蓋部材11には透析液を導入する導入口11aが形成されるとともに、蓋部材12には、透析液を導出する第1導出口12a及び第2導出口12bがそれぞれ形成されている。
【0030】
上記ハウジング10と蓋部材11及び12とは、共に樹脂成形品から成り、ハウジング10の両端部にそれぞれ超音波溶着などにて蓋部材11及び12を固定し、これらを一体的に形成したものである。このうちハウジング10に内在する濾過膜1aとしての中空糸は、一般的な中空糸型ダイアライザが内在する中空糸と同様のものでもよいが、フィルタとしての濾過性能を高めたものが好ましい。尚、中空糸は、膜の厚み方向に極微小な孔を有する半透膜となっている。
【0031】
かかる構成により、導入口11aから導入された透析液が中空糸膜を介して外部(ハウジング10内)に透過されることにより、当該透析液を濾過(フィルタリング)することができる。即ち、中空糸(濾過膜1a)内部が被濾過透析液を流動させる1次室1b、当該中空糸の外周面とハウジング10の内周面との間の空間が濾過透析液を流動させる2次室1cとなっているのである。
【0032】
然るに、導入口11aで導かれた透析液のうち、濾過されて清浄化された透析液は、1次室1bから2次室1cに至り第1導出口12aから導出され、ダイアライザ6に供給されるとともに、濾過されなかった透析液が、1次室1bを介して第2導出口12bから導出され、バイパスラインL4を流動することも可能としている。尚、同図中符号13は、複数の中空糸を束ねた状態にて固着するための封止剤を示している。
【0033】
空気供給手段を構成する制御ポンプ3、空気供給源A及び空気供給ラインL3は、微粒子濾過フィルタ1のリーク検査時に当該微粒子濾過フィルタ1の1次室1b側へ空気を供給するためのものである。即ち、電磁弁V4を開放しつつ制御ポンプ3を駆動させることにより、空気供給ラインL3を介して空気供給源Aの空気が透析液導入ラインL1を流動し、微粒子濾過フィルタ1の1次室1bに至るようになっているのである。尚、図1中符号5は逆止弁を示している。
【0034】
また、リーク検査時においては、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V1、V2及びVaが開放、及び電磁弁V3が閉塞されることにより、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2及びバイパスラインL4に満たされており(流れが停止された状態)、制御ポンプ3の駆動により、空気供給ラインL3からの空気が微粒子濾過フィルタ1の1次室1bに向かって流動することとなる。尚、制御ポンプ3の駆動により流動した透析液は、空気逃がしラインLaから排出される。
【0035】
然るに、微粒子濾過フィルタ1の濾過膜1aに破損等がない場合は、当該濾過膜1aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室1bに留まって充填される一方、当該濾過膜1aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜1aを通過して1次室1bから2次室1c側に漏出し、第1導出口10aを介して下流側(空気検出手段2側)へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段2にて検出されることとなる。
【0036】
空気検出手段2は、微粒子濾過フィルタ1の2次室1cより下流側に接続され、空気供給源Aから供給された空気を検出し得るものであり、例えば超音波センサから成るもの、光学式センサから成るもの、或いは電極から成るもの等如何なる形態のものであってもよい。超音波センサから成る空気検出手段2とした場合、透析液導入ラインL1を挟んで超音波を発生及び受けさせ、透析液と気体との超音波の減衰率が異なることを利用して空気を検出するよう構成することができる。
【0037】
また、光学式センサから成る空気検出手段2とした場合、透析液導入ラインL1を挟んで光を照射及び受光させ、透析液と空気との光の透過率が異なることを利用して空気を検出するよう構成することができる。更に、電極から成る空気検出手段2とした場合、透析液導入ラインL1内に一対の電極を形成して電圧を印加させ、透析液(導電性)と空気(非導電性)との電気抵抗(通電の有無含む)が異なることを利用して空気を検出するよう構成することができる。
【0038】
しかして、リーク検査において、空気検出手段2が空気を検出した場合、濾過膜1aに破損等があり、供給された空気が1次室1bから2次室1c側に漏出していると判定できる一方、所定時間経過しても空気検出手段2による空気の検出がない場合、濾過膜1aに破損等がなく正常であると判定することができる。
【0039】
上記実施形態によれば、空気検出手段2にて微粒子濾過フィルタ1から漏出した空気を直接検出してリーク判定することができるので、従来の如く圧力差を検出してリーク判定するものに比べ、微粒子濾過フィルタ1の1次室1b側に過大な圧力の空気を供給する必要がない。従って、微粒子濾過フィルタ1のリーク検査時、濾過膜1aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。
【0040】
更に、従来の如く圧力差を検出してリーク判定するものの場合、圧力差が一定しているか或いは変動しているかを確認する必要があるため、リーク判定に長時間要していたが、本実施形態によれば、圧力差の検出は不要とされ微粒子濾過フィルタ1から漏出した空気を直接検出するので、リーク判定を短時間にて行わせることができる。尚、制御ポンプ3の駆動を制御すれば、空気供給源Aから供給される空気の圧力を調整することができるので、最適な圧力にて微粒子濾過フィルタ1の1次室1bに空気を供給することができる。
【0041】
ところで、リーク検査が終了した後、電磁弁V1、V2及びVaを閉塞させるとともに、電磁弁V3を開放させ、複式ポンプPを駆動させることにより、微粒子濾過フィルタ1の1次室1b内に充填された空気を排出させる工程(空気排出工程)がある。即ち、空気排出工程にて複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させることにより、リーク検査で使用された空気を濾過手段1から排出し、その後の透析治療がスムーズに行われるようになっているのである。尚、図中において電磁弁Vaは閉塞した状態とされているが、必要に応じて開放され、透析液と共に流動する空気を空気逃がしラインLaから排出するようになっている。
【0042】
上記の如き空気排出工程後、複式ポンプPを一旦停止させ、図3の如く、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2のそれぞれの先端を接続手段4から透析液導入口6c及び透析液排出口6dに繋ぎ替えるとともに、電磁弁V3を閉塞しつつ電磁弁V1及びV2を開放させる(電磁弁V4、Vaの閉塞状態は維持)。そして、複式ポンプPを駆動させれば、微粒子濾過フィルタ1にて濾過された透析液がダイアライザ6に供給されることとなり、動脈側血液回路7a及び静脈側血液回路7bを体外循環する血液に対して透析治療することができる。尚、透析液をダイアライザ6へ供給できない状態とすることで複式ポンプPを停止させることなく透析治療に移行させることもできる。例えば電磁弁V1及びV2を閉塞としつつ電磁弁V3を開放してバイパスラインL4へ透析液を流すようにすれば、複式ポンプPを動作させたまま透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端をダイアライザ6へ接続することができる。
【0043】
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、第1の実施形態と同様、血液透析装置に適用されたもので、図4に示すように、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2と、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する空気供給ラインL3と、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17と、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6と、電磁弁V2〜V7と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている。尚、第1の実施形態と同様、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3は、本発明の空気供給手段を構成している。
【0044】
第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15は、それぞれ第1実施形態と同様、濾過膜14a、15aを内在するとともに、1次室14b、15b及び2次室14c、15cを有してなるものである。第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bからは第1バイパスラインL5が延設されるとともに、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bからは第2バイパスラインL6が延設され、それぞれ透析液排出ラインL2に接続されている。尚、第1微粒子濾過フィルタ14における2次室14cの下流側、及び第2微粒子濾過フィルタ15における2次室15cの下流側は、透析液導入ラインL1を構成している。
【0045】
また、第1バイパスラインL5には第1空気検出手段16及び電磁弁V5がそれぞれ接続されるとともに、第2バイパスラインL6には電磁弁V3が接続されている。更に、透析液導入ラインL1の第2微粒子濾過フィルタ15より下流側(2次室15c側)には、第2空気検出手段17、後述する補液ラインL7を接続可能な接続手段18、及び電磁弁V7が接続されている。
【0046】
そして、リーク検査時、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V3以外が開放電磁弁V3が閉塞されることにより、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6に満たされており(流れが停止した状態)、制御ポンプ3の駆動により、空気供給ラインL3からの空気が第1微粒子濾過フィルタ14側及び第2微粒子濾過フィルタ15側に枝分かれし、これらの2次室14c及び1次室15bに向かってそれぞれ流動することとなる。尚、制御ポンプ3の駆動により流動した透析液は、空気逃がしラインLaから排出される。
【0047】
然るに、第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等がない場合は、当該濾過膜14aが疎水性材料である故、供給された空気が2次室14cに留まって充填される一方、当該濾過膜14aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜14aを通過して2次室14cから1次室14b側に漏出し、第1バイパスラインL5側へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段16にて検出されることとなる。
【0048】
また、第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等がない場合は、当該濾過膜15aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室15bに留まって充填される一方、当該濾過膜15aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜15aを通過して1次室15bから2次室15c側に漏出し、下流側(空気検出手段17側)へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段17にて検出されることとなる。
【0049】
しかして、リーク検査において、空気検出手段16が空気を検出した場合は、第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等があり、供給された空気が2次室14cから1次室14b側に漏出していると判定できる一方、空気検出手段17が空気を検出した場合は、第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等があり、供給された空気が1次室15bから2次室15c側に漏出していると判定できる。勿論、空気検出手段16及び17の両者が空気を検出した場合は、第1微粒子濾過フィルタ14及び15の両方の濾過膜14a、15aに破損等があると判定できる。
【0050】
尚、制御ポンプ3の駆動後、所定時間経過しても第1空気検出手段16による空気の検出がない場合、濾過膜14aに破損等がなく正常であると判定することができ、同様に、第2空気検出手段17による空気の検出がない場合、濾過膜15aに破損等がなく正常であると判定することができる。勿論、空気検出手段16及び17の両者が空気を検出しない場合は、第1微粒子濾過フィルタ14及び15の両方の濾過膜14a、15aに破損等がないと判定できる。
【0051】
ところで、先の実施形態と同様、リーク検査が終了した後、第1微粒子濾過フィルタ14、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室14b、15b内に充填された空気を排出させる工程(空気排出工程)がある。即ち、空気排出工程にて複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させることにより、リーク検査で使用された空気を第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15から排出し、その後の透析治療がスムーズに行われるようになっているのである。
【0052】
上記の如き空気排出工程後、複式ポンプPを一旦停止させ、図5の如く、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2のそれぞれの先端を接続手段4から透析液導入口6c及び透析液排出口6dに繋ぎ替えるとともに、電磁弁V3、V4、V5及びVaが閉塞した状態(他の電磁弁は開放した状態状態)とする。そして、複式ポンプPを駆動させれば、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15にて濾過された透析液がダイアライザ6に供給されることとなり、動脈側血液回路7a及び静脈側血液回路7bを体外循環する血液に対して透析治療することができる。尚、透析液を第1バイパスラインL5又は第2バイパスラインL6で流動させつつダイアライザ6へ供給できない状態とすることで複式ポンプPを停止させることなく透析治療に移行させることもできる。
【0053】
また、補液を必要とする際には、同図に示すように、補液ラインL7の一端を接続手段18に接続するとともに、他端を静脈側血液回路7bのドリップチャンバ8に接続させる。これにより、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15にて濾過された透析液は、接続手段18を介して補液ラインL7に枝分かれしつつ流れ、静脈側血液回路7bを介して患者の体内に注入されることとなる。
【0054】
上記実施形態によれば、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17にて第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15から漏出した空気を直接検出してリーク判定することができるので、従来の如く圧力差を検出してリーク判定するものに比べ、1次室15b或いは2次室14c側に過大な圧力の空気を供給する必要がない。従って、微粒子濾過フィルタのリーク検査時、濾過膜14a及び15aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。
【0055】
更に、本実施形態によれば、濾過手段が透析液導入ラインにおいて複数(本実施形態の場合は2つ)直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側(空気供給源Aから供給される空気の流路における下流側)に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、エンドトキシンの除去を複数回行わせることができるとともに、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を容易とすることができる。
【0056】
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、先の実施形態と同様、血液透析装置に適用されたもので、図6に示すように、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2と、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する空気供給ラインL3と、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17と、第1バイパスラインL5及び第3バイパスラインL8と、電磁弁V2、V4、V5、V6、V8及びV9と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている。尚、先の実施形態と同様、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3は、本発明の空気供給手段を構成している。
【0057】
第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15は、それぞれ先の実施形態と同様、濾過膜14a、15aを内在するとともに、1次室14b、15b及び2次室14c、15cを有してなるものである。第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bからは第1バイパスラインL5が延設されるとともに、第2微粒子濾過フィルタ15の2次室15bからは第3バイパスラインL8が延設され、それぞれ透析液排出ラインL2に接続されている。尚、第1微粒子濾過フィルタ14における2次室14cの下流側、及び第2微粒子濾過フィルタ15における1次室15bの下流側は、透析液導入ラインL1を構成している。
【0058】
また、第1バイパスラインL5には第1空気検出手段16及び電磁弁V5がそれぞれ接続されるとともに、第3バイパスラインL8には第2空気検出手段17、後述する補液ラインL7を接続可能な接続手段18及び電磁弁V8が接続されている。更に、透析液導入ラインL1先端を構成する第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15b側下流には、電磁弁V9が接続されている。
【0059】
そして、リーク検査時、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V9以外が開放及び電磁弁V9が閉塞されることにより、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2、第1バイパスラインL5及び第3バイパスラインL8に満たされており(流れが停止した状態)、制御ポンプ3の駆動により、空気供給ラインL3からの空気が第1微粒子濾過フィルタ14側及び第2微粒子濾過フィルタ15側に枝分かれし、これらの2次室14c及び1次室15bに向かってそれぞれ流動することとなる。尚、制御ポンプ3の駆動により流動した透析液は、空気逃がしラインLaから排出される。
【0060】
然るに、第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等がない場合は、当該濾過膜14aが疎水性材料である故、供給された空気が2次室14cに留まって充填される一方、当該濾過膜14aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜14aを通過して2次室14cから1次室14b側に漏出し、第1バイパスラインL5側へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段16にて検出されることとなる。
【0061】
また、第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等がない場合は、当該濾過膜15aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室15bに留まって充填される一方、当該濾過膜15aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜15aを通過して1次室15bから2次室15c側に漏出し、下流側(空気検出手段17側)へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段17にて検出されることとなる。
【0062】
しかして、リーク検査において、空気検出手段16が空気を検出した場合は、第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等があり、供給された空気が2次室14cから1次室14b側に漏出していると判定できる一方、空気検出手段17が空気を検出した場合は、第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等があり、供給された空気が1次室15bから2次室15c側に漏出していると判定できる。勿論、空気検出手段16及び17の両者が空気を検出した場合は、第1微粒子濾過フィルタ14及び15の両方の濾過膜14a、15aに破損等があると判定できる。
【0063】
尚、制御ポンプ3の駆動後、所定時間経過しても第1空気検出手段16による空気の検出がない場合、濾過膜14aに破損等がなく正常であると判定することができ、同様に、第2空気検出手段17による空気の検出がない場合、濾過膜15aに破損等がなく正常であると判定することができる。勿論、空気検出手段16及び17の両者が空気を検出しない場合は、第1微粒子濾過フィルタ14及び15の両方の濾過膜14a、15aに破損等がないと判定できる。
【0064】
ところで、先の実施形態と同様、リーク検査が終了した後、第1微粒子濾過フィルタ14、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室14b、15b内に充填された空気を排出させる工程(空気排出工程)がある。即ち、空気排出工程にて複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させることにより、リーク検査で使用された空気を第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15から排出し、その後の透析治療がスムーズに行われるようになっているのである。
【0065】
上記の如き空気排出工程後、複式ポンプPを一旦停止させ、図7の如く、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2のそれぞれの先端を接続手段4から透析液導入口6c及び透析液排出口6dに繋ぎ替えるとともに、電磁弁V4、V5、V8及びVaが閉塞した状態(他の電磁弁は開放した状態)とする。そして、複式ポンプPを駆動させれば、第1微粒子濾過フィルタ14にて濾過された透析液が第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bを通ってダイアライザ6に供給されることとなり、動脈側血液回路7a及び静脈側血液回路7bを体外循環する血液に対して透析治療することができる。尚、透析液を第1バイパスラインL5で流動させつつダイアライザ6へ供給できない状態とすることで複式ポンプPを停止させることなく透析治療に移行させることもできる。
【0066】
また、補液を必要とする際には、同図に示すように、補液ラインL7の一端を接続手段18に接続するとともに、他端を静脈側血液回路7bのドリップチャンバ8に接続させる。このとき、電磁弁V8を閉塞した状態としておく。これにより、第1微粒子濾過フィルタ14にて濾過された透析液は、第2微粒子濾過フィルタ15にて更に濾過されるとともに、接続手段18を介して補液ラインL7に流れ、静脈側血液回路7bを介して患者の体内に注入されることとなる。
【0067】
上記実施形態によれば、先の実施形態と同様、微粒子濾過フィルタのリーク検査時、濾過膜14a及び15aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。また、濾過手段が透析液導入ラインL1において2つ直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側(空気供給源Aから供給される空気の流路における下流側)に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、補液時にはエンドトキシンの除去を複数回行わせることができるとともに、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を容易とすることができる。
【0068】
更に、本実施形態によれば、ダイアライザ6における透析液導入口6cに近い側の濾過手段(第2微粒子濾過フィルタ15)の1次室15bが透析液導入口6cと接続されつつ2次室15cが患者の血液を体外循環させる血液回路(具体的には静脈側血液回路7bのドリップチャンバ8)に接続され得るよう構成されたので、補液時等において血液回路側に透析液を導く場合にのみ、2重の濾過を行わせることができ、より安全で確実な補液等を行わせることができる。
【0069】
次に、本発明に係る第4の実施形態について説明する。
本実施形態においては、先の実施形態と同様、血液透析装置に適用されたもので、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2と、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する2本の空気供給ラインL3a及びL3bと、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17と、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6と、電磁弁V2、V3、V4a、V4b、V5〜V7と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている(図8及び図9参照)。
【0070】
尚、先の実施形態と同様、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3a、L3bは、本発明の空気供給手段を構成している。また、第1空気供給ラインL3a及びL3bには、それぞれ電磁弁V4a、V4bと、逆止弁5a、5bとが配設されている。更に、第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bからは第1バイパスラインL5が延設されるとともに、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bからは第2バイパスラインL6が延設され、それぞれ透析液排出ラインL2に接続されている。
【0071】
ここで、透析液導入ラインL1における、第1微粒子濾過フィルタ14の2次室14cより下流側、及び第2微粒子濾過フィルタ15の2次室15cより下流側には、それぞれ第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17が配設されるとともに、当該第2空気検出手段17より下流側(透析液導入ラインL1の先端側)には、第2及び第3の実施形態と同様の補液ラインを接続可能とする接続手段18と、電磁弁V7とが接続されている。
【0072】
しかして、リーク検査時においては、まず図8の如き状態とする。即ち、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V5、V4b及びV7を閉塞させ、他の電磁弁を開放させ、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6に満たされた状態(流れが停止した状態)とした後、制御ポンプ3を駆動させ、空気供給ラインL3aからの空気を第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bに向かって流動させる。
【0073】
かかる第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等がない場合は、当該濾過膜14aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室14bに留まって充填される一方、当該濾過膜14aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜14aを通過して1次室14bから2次室14c側に漏出し、第1バイパスラインL5側へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、第1空気検出手段16にて検出されることとなる。
【0074】
次に、図9の如き状態とする。即ち、接続手段4による接続、及び複式ポンプPの停止が維持されるとともに、電磁弁V4a及びV3を閉塞、電磁弁V4b及びV7を開放させるとともに、他の電磁弁をそのままとして、制御ポンプ3を駆動させ、空気供給ラインL3bからの空気を第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bに向かって流動させる。かかる第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等がない場合は、当該濾過膜15aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室15bに留まって充填される一方、当該濾過膜15aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜15aを通過して1次室15bから2次室15c側に漏出し、下流側(第2空気検出手段17側)に流れることとなる。かかる漏出した空気は、第2空気検出手段17にて検出されることとなる。
【0075】
上記構成によっても、先の実施形態と同様、微粒子濾過フィルタのリーク検査時、濾過膜14a及び15aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。また、濾過手段が透析液導入ラインL1において2つ直列に接続されるとともに、各濾過手段の2次室より下流側に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、ダイアライザ6への透析液供給時は勿論、補液時においても、第3の実施形態と同様に、接続手段18に補液ラインの一端を接続すれば、エンドトキシンの除去を複数回行わせることができるとともに、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を行うことができる。尚、リーク検査時の空気逃がしラインLaによる透析液の排出やリーク検査後の空気排出工程については先の実施形態と同様である。
【0076】
次に、本発明に係る第5の実施形態について説明する。
本実施形態においては、先の実施形態と同様、血液透析装置に適用されたもので、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2と、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する空気供給ラインL3と、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17と、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6と、電磁弁V2〜V7及び電磁弁V10と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている(図10〜図14参照)。
【0077】
尚、先の実施形態と同様、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3は、本発明の空気供給手段を構成している。また、第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bからは第1バイパスラインL5が延設され、その先端が透析液排出ラインL2に接続されるとともに、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bからは第2バイパスラインL6が延設され、その先端が第1バイパスラインL5の途中に接続されている。尚、第1バイパスラインL5における第2バイパスラインL6との接続箇所より上流側(透析液導入ラインL1側)に電磁弁V5、下流側(透析液排出ラインL2側)に電磁弁V10がそれぞれ接続されているとともに、第2バイパスラインL6の途中には電磁弁V3が接続されている。
【0078】
ここで、透析液導入ラインL1における、第1微粒子濾過フィルタ14の2次室14cより下流側、及び第2微粒子濾過フィルタ15の2次室15cより下流側には、それぞれ第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17が配設されるとともに、当該第2空気検出手段17より下流側(透析液導入ラインL1の先端側)には、電磁弁V7が接続されている。
【0079】
しかして、リーク検査時においては、まず図10の如き状態とする。即ち、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V3、V5及びV10を閉塞させ、他の電磁弁を開放させ、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6に満たされた状態(流れが停止した状態)とした後、制御ポンプ3を駆動させ、空気供給ラインL3からの空気を第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bに向かって流動させる。
【0080】
かかる第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等がない場合は、当該濾過膜14aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室14bに留まって充填される一方、当該濾過膜14aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜14aを通過して1次室14bから2次室14c側に漏出し、第1バイパスラインL5側へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、第1空気検出手段16にて検出されることとなる。
【0081】
次に、図11の如き状態とする。即ち、接続手段4による接続、及び複式ポンプPの停止が維持されるとともに、電磁弁V6を閉塞、電磁弁V3及びV5を開放させるとともに、他の電磁弁をそのままとして、制御ポンプ3を駆動させる。これにより、空気供給ラインL3からの空気は、第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14b、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6を介し、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bまで流動することとなる。
【0082】
かかる第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等がない場合は、当該濾過膜15aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室15bに留まって充填される一方、当該濾過膜15aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜15aを通過して1次室15bから2次室15c側に漏出し、下流側(第2空気検出手段17側)に流れることとなる。かかる漏出した空気は、第2空気検出手段17にて検出されることとなる。尚、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15の空気の漏出検知において、上述の如き空気及び透析液の流動経路とは異なる経路としてもよい。
【0083】
ところで、先の実施形態と同様、リーク検査が終了した後、第1微粒子濾過フィルタ114の1次室14b内、及び第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15b内に充填された空気を排出させる工程(空気排出工程)がある。具体的には、まず図12に示すように、電磁弁V4、V6、V7、V3及びV2を閉塞、電磁弁V5及びV10を開放した状態とするとともに、複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させる。しかして、第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14b内に充填していた空気は、透析液と共に、第1バイパスラインL5を介して透析液排出ラインL2に至り、装置外へ排出されることとなる。
【0084】
その後、図13に示すように、電磁弁V4、V7、V5、V2を閉塞、電磁弁V6、V10を開放した状態とするとともに、複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させる。しかして、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15b内に充填していた空気は、透析液と共に、第2バイパスラインL6及び第1バイパスラインL5を介して透析液排出ラインLに至り、装置外へ排出されることとなる。尚、図中において電磁弁Vaは閉塞した状態とされているが、必要に応じて開放され、透析液と共に流動する空気を空気逃がしラインLaから排出するようになっている。これにより、リーク検査で使用された空気を濾過手段から排出し、その後の透析治療がスムーズに行われるようになっているのである。
【0085】
上記の如き空気排出工程後、複式ポンプPを一旦停止させ、図14の如く、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2のそれぞれの先端を接続手段4から透析液導入口6c及び透析液排出口6dに繋ぎ替えるとともに、電磁弁V3、V4、V5、V10及びVaが閉塞した状態(他の電磁弁は開放した状態)とする。そして、複式ポンプPを駆動させれば、第1微粒子濾過フィルタ14にて濾過された透析液が第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bを通ってダイアライザ6に供給されることとなり、動脈側血液回路7a及び静脈側血液回路7bを体外循環する血液に対して透析治療することができる。尚、透析液を第1バイパスラインL5又は第2バイパスラインL6で流動させつつダイアライザ6へ供給できない状態とすることで複式ポンプPを停止させることなく透析治療に移行させることもできる。
【0086】
上記構成によっても、先の実施形態と同様、微粒子濾過フィルタのリーク検査時、濾過膜14a及び15aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。また、濾過手段が透析液導入ラインL1において2つ直列に接続されるとともに、各濾過手段の2次室より下流側に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を行うことができる。尚、本実施形態においても、第3又は第4の実施形態と同様、第2空気検出手段17と電磁弁V7の間に補液ラインの一端を接続し得る接続手段を設け、補液時に複数回のエンドトキシン除去を行わせるようにしてもよい。
【0087】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば電磁弁に代えて流路を開放及び閉塞し得る他のクランプ手段(手動により開放及び閉塞可能な鉗子等)としてもよい。また、接続手段に接続される補液ラインは、補液の他、透析治療前のプライミングや透析治療後の返血(血液回収)時において透析液を血液回路側に導くものとしてもよい。更に、第2の実施形態においては、微粒子濾過フィルタ(濾過手段)を2つ直列に接続させているが、3つ以上透析液導入手段に接続させるものとしてもよい。
【0088】
また更に、濾過手段は、図2で示したものに限定されず、図15及び図16で示された濾過手段(微粒子濾過フィルタ)などであってもよい。図15で示す微粒子濾過フィルタは、濾過膜Iとしての複数の中空糸を内在した筒状のハウジングHと、ハウジングHの端面に形成されて被濾過透析液を濾過膜I内に導入及びバイパスラインに導出するポートP1、ポートP2と、ハウジングの側面に形成されて濾過膜Iを通過した濾過透析液を導出する一対のポートP3、P4とを有したものである。
【0089】
かかる微粒子濾過フィルタによれば、濾過膜I内が被濾過透析液を流動させる1次室、濾過膜Iの外周面とハウジングHの内周面との間の空間が濾過透析液を流動させる2次室となり、当該濾過膜Iを透析液が通過することにより濾過されるようになっている。尚、ポートP3又はP4から被濾過透析液を導入し、濾過膜Iを通過した濾過透析液をポートP1及びP2から導出するよう構成してもよく、この場合、濾過膜Iの外周面とハウジングHの内周面との間の空間が被濾過液を流動させる1次室、濾過膜I内が濾過透析液を流動させる2次室となる。
【0090】
また、図16で示す微粒子濾過フィルタは、濾過膜Iとしての複数の中空糸を内在した筒状のハウジングHと、ハウジングHの端面に形成されて被濾過透析液を濾過膜I内に導入及びバイパスラインに導出するポートP5、ポートP6と、ハウジングの側面に形成されて濾過膜Iを通過した濾過透析液を導出するポートP7とを有したものである。かかる微粒子濾過フィルタによれば、濾過膜I内が被濾過透析液を流動させる1次室、濾過膜Iの外周面とハウジングHの内周面との間の空間が濾過透析液を流動させる2次室となり、当該濾過膜Iを透析液が通過することにより濾過されるようになっている。
【0091】
然るに、実施形態のものに加え、濾過手段の1次室或いは2次室の下流側であって、空気検出手段を具備しない側に排出確認用空気検出手段を配設するようにしてもよい。これにより、リーク検査後の空気排出工程時、濾過手段に充填された空気が排出されるのを直接検出することができるので、リーク検査で使用された空気が完全に排出されたことを確実に認識することができ、その後の治療を早期に行うことができる。この場合の排出確認用空気検出手段は、上記実施形態と同様な構成のものとすることができる。
【0092】
また、本実施形態においては、微粒子濾過手段のリーク検査時に何れも各ラインに透析液を満たしつつ空気を供給させているが、当該透析液に代えて他の浄化液であってもよく、或いは消毒液の如き薬液を満たしつつ空気を供給するようにしてもよい。更に、本実施形態においては、何れも空気供給手段としての制御ポンプ3が透析液排出ラインL2に配設されているが、これに代えて例えば当該制御ポンプ3を空気供給ラインL3に設置するようにしてもよい。尚、本実施形態においては何れも血液透析装置に適用されているが、体外循環する患者の血液を浄化するための他の血液浄化装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
空気供給手段で供給されて濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出し得る空気検出手段を具備した血液浄化装置及びそのリーク検査方法であれば、他の構成のもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図2】同実施形態おける微粒子濾過フィルタを示す模式図
【図3】同実施形態に係る血液浄化装置(治療時)を示す概略図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図5】同実施形態に係る血液浄化装置(治療時)を示す概略図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図7】同実施形態に係る血液浄化装置(治療時)を示す概略図
【図8】本発明の第4の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図10】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図11】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図12】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(空気排出工程時)を示す概略図
【図13】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(空気排出工程時)を示す概略図
【図14】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(治療時)を示す概略図
【図15】本発明の他の実施形態おける微粒子濾過フィルタを示す模式図
【図16】本発明の更に他の実施形態における微粒子濾過フィルタを示す模式図
【符号の説明】
【0095】
1 微粒子濾過フィルタ(濾過手段)
2 空気検出手段
3 制御ポンプ
4 接続手段
5 逆止弁
6 ダイアライザ(血液浄化器)
7a 動脈側血液回路
7b 静脈側血液回路
8 ドリップチャンバ
9 血液ポンプ
10 ハウジング
11、12 蓋部材
13 封止剤
14 第1微粒子濾過フィルタ(濾過手段)
15 第2微粒子濾過フィルタ(濾過手段)
16 第1空気検出手段
17 第2空気検出手段
18 接続手段
A 空気供給源
L1 透析液導入ライン(浄化液導入ライン)
L2 透析液排出ライン(浄化液排出ライン)
L3 空気供給ライン
L4 バイパスライン
L5 第1バイパスライン
L6 第2バイパスライン
L7 補液ライン
L8 第3バイパスライン
La 空気逃がしライン
V1〜V9、Va、V4a、V4b 電磁弁
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液浄化器に導入される透析液を濾過して浄化するための濾過手段を具備した血液浄化装置及びそのリーク検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、透析治療に使用される透析装置は、血液回路に接続されたダイアライザ(血液浄化器)に透析液を供給するとともに、透析により老廃物を含んだ透析液をダイアライザから排出すべく透析液導入ライン及び透析液排出ラインが延設されている。これら透析液導入ライン及び透析液排出ラインの先端は、ダイアライザの透析液導入口及び透析液導出口にそれぞれ接続されており、透析液の供給及び排出が行われている。
【0003】
ところで、近時において、透析治療時にダイアライザへ供給するための透析液を血液回路側へも導き、その透析液にて透析治療中の補液を行わせる技術が提案されるに至っている。然るに、透析液にはエンドトキシン(グラム陰性桿菌の細胞壁外膜の表層を構成している成分の一つ)が含まれており、かかるエンドトキシンが患者の体内に入ると発熱やショック等の体調悪化を生じてしまうことが分かっている。
【0004】
そこで、透析液導入ラインに微粒子濾過フィルタ(エンドトキシンカットフィルタ、無菌フィルタ、透析液浄化フィルタなどと称される場合もある)を接続し、透析液中に含まれるエンドトキシンを除去するよう構成された血液透析装置(血液浄化装置)が提案されている。かかる微粒子濾過フィルタは、濾過膜としての複数の中空糸(ダイアライザの中空糸と略同様の構成のもの)を内在した筒状のハウジングから成るものが一般的に用いられている。
【0005】
具体的には、中空糸内が被濾過透析液が流通する1次室、及び当該中空糸外周面とハウジング内周面との間の空間が濾過透析液が流通する2次室を構成することとなり、2次室の濾過透析液がダイアライザや血液回路に導かれるとともに、中空糸にて濾過されない透析液は、1次室を介して例えば透析液排出ラインに導出されるよう構成されている。これにより、浄化された濾過透析液のみがダイアライザや血液回路に導かれることとなり、安全性を向上させることができる。尚、中空糸内が2次室、該中空糸外周面とハウジング内周面との間の空間が1次室とされた形態の微粒子濾過フィルタも存在する。
【0006】
しかして、一般の医療現場においては、微粒子濾過フィルタのリーク検査を行った後、透析治療を行うことにより安全性をより高めている。このリーク検査は、例えば特許文献1又は特許文献2にて開示されているように、微粒子濾過フィルタに対して意図的に空気を供給するとともに、例えば透析液排出ラインに設けられた圧力計にて2次室側の圧力差を監視することにより行われる。
【0007】
即ち、通常の微粒子濾過フィルタは、その濾過膜(中空糸)が疎水性の材質から成ることから、リークがない場合は供給された空気により濾過膜が閉塞され、2次室側の圧力が急速に高く或いは低くなるので、かかる圧力差(空気の供給前の圧力と供給後の圧力との差)を検出することによりリーク検査が行われるのである。一方、リークがある場合は、供給された空気が濾過膜を通過するため、リークがない正常なものに比べ、2次室側の圧力差が小さくなる。
【特許文献1】特開平9−164198号公報
【特許文献2】特開2003−93851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の血液浄化装置においては、空気を供給しつつ2次室側の圧力差を監視することにより微粒子濾過フィルタ(濾過手段)のリーク検査が行われているため、以下の如き問題があった。
【0009】
すなわち、圧力差を明瞭にしてリーク検査を正確に行わせるには、濾過手段に比較的過大な圧力にて空気を送り込む必要があり、リーク検査の度に濾過膜(中空糸)に対して過剰な負荷を付与してしまうこととなる。かかる過剰な負荷により濾過膜が破損する可能性があり、使用可能期間(寿命)が短くなってしまうという問題がある。また、圧力差が一定しているか或いは変動しているかを確認する必要があるため、リークの判定までに時間がかかってしまうという問題もある。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、濾過手段のリーク検査時、当該濾過手段の濾過膜に対する過剰な負荷の付与を回避することができるとともに、リーク判定を短時間にて行わせることができる血液浄化装置及びそのリーク検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、体外循環する患者の血液を浄化するための血液浄化器の浄化液導入口に接続され、当該血液浄化器に浄化液を導入する浄化液導入ラインと、前記血液浄化器の浄化液排出口に接続され、当該血液浄化器から浄化液を排出する浄化液排出ラインと、前記浄化液導入ラインに接続されるとともに、濾過膜を介して被濾過浄化液が流動する1次室と濾過浄化液が流動する2次室とを具備し、当該浄化液導入ラインを流れる浄化液を濾過して浄化するための濾過手段と、リーク検査時に前記濾過手段へ空気を供給し得る空気供給手段とを具備した血液浄化装置において、前記空気供給手段から供給されて前記濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出し得る空気検出手段を具備したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に前記空気検出手段がそれぞれ接続されたことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置において、前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて2つ直列に接続されるとともに、前記浄化液導入口に近い側の濾過手段の1次室が当該浄化液導入口と接続されつつ2次室が患者の血液を体外循環させる血液回路に接続され得るよう構成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の血液浄化装置において、リーク検査後、前記濾過手段に充填された空気が排出されるのを検出する排出確認用空気検出手段を具備したことを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明は、体外循環する患者の血液を浄化するための血液浄化器の浄化液導入口に接続され、当該血液浄化器に浄化液を導入する浄化液導入ラインと、前記血液浄化器の浄化液排出口に接続され、当該血液浄化器から浄化液を排出する浄化液排出ラインと、前記浄化液導入ラインに接続されるとともに、濾過膜を介して被濾過浄化液が流動する1次室と濾過浄化液が流動する2次室とを具備し、当該浄化液導入ラインを流れる浄化液を濾過して浄化するための濾過手段と、リーク検査時に前記濾過手段へ空気を供給し得る空気供給手段とを具備した血液浄化装置のリーク検査方法において、前記空気供給手段から供給されて前記濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出することによりリーク判定を行わせ得ることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の血液浄化装置のリーク検査方法において、前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に漏れた空気をそれぞれ検出することを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の血液浄化装置のリーク検査方法において、リーク検査後、前記濾過手段に充填された空気が排出されるのを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1及び請求項5の発明によれば、空気検出手段にて濾過手段の濾過膜を介して漏出した空気を直接検出してリーク判定することができるので、濾過手段のリーク検査時、当該濾過手段の濾過膜に対する過剰な負荷の付与を回避することができるとともに、リーク判定を短時間にて行わせることができる。
【0019】
請求項2及び請求項6の発明によれば、濾過手段が浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、エンドトキシンの除去を複数回行わせることができるとともに、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を容易とすることができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、浄化液導入口に近い側の濾過手段の1次室が浄化液導入口と接続されつつ2次室が患者の血液を体外循環させる血液回路に接続され得るよう構成されたので、補液時等において血液回路側に浄化液を導く場合にのみ、2重の濾過を行わせることができ、より安全で確実な補液等を行わせることができる。
【0021】
請求項4又は請求項7の発明によれば、リーク検査後、濾過手段に充填された空気が排出されるのを直接検出できるので、リーク検査で使用された空気が完全に排出されたことを確実に認識することができ、その後の治療を早期に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
第1の実施形態に係る血液浄化装置は、血液透析装置に適用されたもので、図1に示すように、透析液導入ラインL1(浄化液導入ライン)及び透析液排出ラインL2(浄化液排出ライン)と、微粒子濾過フィルタ1(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する空気供給ラインL3と、空気検出手段2と、バイパスラインL4と、電磁弁V1〜V4と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている。尚、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3は、本発明の空気供給手段を構成している。
【0023】
透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端は、透析治療前(特にリーク検査時)において、カップリングなどの接続手段4にて互いに接続されているとともに、透析治療時においては、当該先端が接続手段4から外され、それぞれがダイアライザ6(血液浄化器)に接続され得るよう構成されたものである。かかるダイアライザ6は、体外循環する患者の血液を浄化するためのもので、不図示の血液浄化膜(本実施形態においては中空糸膜であるが半透膜及び濾過膜を含む)を内在している。
【0024】
また、ダイアライザ6は、血液を導入する血液導入口6a及び導入した血液を導出する血液導出口6bが形成されるとともに、透析液導入ラインL1の先端が接続されて透析液(浄化液)を導入する透析液導入口6c(浄化液導入口)、及び透析液排出ラインL2の先端が接続されて導入した透析液を排出する透析液排出口6d(浄化液排出口)が形成されている。しかして、中空糸膜を介して血液導入口6aから導入した血液に透析液を接触させて透析浄化作用を施すことができる。
【0025】
尚、血液導入口6a及び血液導出口6bには、血液ポンプ9が配設された動脈側血液回路7a及びドリップチャンバ8が接続された静脈側血液回路7bがそれぞれ接続されており、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺しつつ血液ポンプ9を駆動させることにより、患者の血液を体外循環させ得るようになっている。また、体外循環の過程において、ダイアライザ6にて浄化された血液は、ドリップチャンバ8にて徐泡が施された後に患者の体内に戻される。
【0026】
一方、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の基端側には、それぞれ透析液供給源及び透析液排出手段(何れも不図示)が接続されるとともに、これら透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2に跨って複式ポンプP(或いはこれに代えてチャンバ等であってもよい)が配設されている。そして、複式ポンプPを動作させることにより、透析液導入ラインL1を介してダイアライザ6に調製された透析液を供給するとともに、透析液排出ラインL2を介してダイアライザ6から排出された透析液が透析液排出手段に至るよう構成されている。
【0027】
また、透析液排出ラインL2における制御ポンプ3と複式ポンプPとの間からは、空気逃がしラインLaが延設されており、その途中には当該空気逃がしラインLaを開放又は閉塞し得る電磁弁Vaが配設されている。具体的には、空気逃がしラインLaと透析液排出ラインL2との接続部位には、空気層を有したチャンバ(不図示)が配設されており、当該チャンバにて空気が捕捉して逃がすよう構成されている(以下の実施形態も同様)。
【0028】
微粒子濾過フィルタ1は、透析液導入ラインL1の途中に接続されるとともに、濾過膜1aを介して被濾過透析液(濾過されるべき透析液)(被濾過浄化液)が流動する1次室1bと濾過透析液(濾過された後の透析液)(濾過浄化液)が流動する2次室1cとを具備し、当該透析液導入ラインL1を流れる透析液を濾過して浄化するためのものである。これにより、透析液中に含まれるエンドトキシンを除去することができる。
【0029】
より具体的には、微粒子濾過フィルタ1は、図2に示すように、濾過膜1aとしての複数の中空糸を内在した筒状のハウジング10と、該ハウジング10の両端面に液密状に固定された蓋部材11及び12とから主に構成されている。この蓋部材11には透析液を導入する導入口11aが形成されるとともに、蓋部材12には、透析液を導出する第1導出口12a及び第2導出口12bがそれぞれ形成されている。
【0030】
上記ハウジング10と蓋部材11及び12とは、共に樹脂成形品から成り、ハウジング10の両端部にそれぞれ超音波溶着などにて蓋部材11及び12を固定し、これらを一体的に形成したものである。このうちハウジング10に内在する濾過膜1aとしての中空糸は、一般的な中空糸型ダイアライザが内在する中空糸と同様のものでもよいが、フィルタとしての濾過性能を高めたものが好ましい。尚、中空糸は、膜の厚み方向に極微小な孔を有する半透膜となっている。
【0031】
かかる構成により、導入口11aから導入された透析液が中空糸膜を介して外部(ハウジング10内)に透過されることにより、当該透析液を濾過(フィルタリング)することができる。即ち、中空糸(濾過膜1a)内部が被濾過透析液を流動させる1次室1b、当該中空糸の外周面とハウジング10の内周面との間の空間が濾過透析液を流動させる2次室1cとなっているのである。
【0032】
然るに、導入口11aで導かれた透析液のうち、濾過されて清浄化された透析液は、1次室1bから2次室1cに至り第1導出口12aから導出され、ダイアライザ6に供給されるとともに、濾過されなかった透析液が、1次室1bを介して第2導出口12bから導出され、バイパスラインL4を流動することも可能としている。尚、同図中符号13は、複数の中空糸を束ねた状態にて固着するための封止剤を示している。
【0033】
空気供給手段を構成する制御ポンプ3、空気供給源A及び空気供給ラインL3は、微粒子濾過フィルタ1のリーク検査時に当該微粒子濾過フィルタ1の1次室1b側へ空気を供給するためのものである。即ち、電磁弁V4を開放しつつ制御ポンプ3を駆動させることにより、空気供給ラインL3を介して空気供給源Aの空気が透析液導入ラインL1を流動し、微粒子濾過フィルタ1の1次室1bに至るようになっているのである。尚、図1中符号5は逆止弁を示している。
【0034】
また、リーク検査時においては、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V1、V2及びVaが開放、及び電磁弁V3が閉塞されることにより、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2及びバイパスラインL4に満たされており(流れが停止された状態)、制御ポンプ3の駆動により、空気供給ラインL3からの空気が微粒子濾過フィルタ1の1次室1bに向かって流動することとなる。尚、制御ポンプ3の駆動により流動した透析液は、空気逃がしラインLaから排出される。
【0035】
然るに、微粒子濾過フィルタ1の濾過膜1aに破損等がない場合は、当該濾過膜1aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室1bに留まって充填される一方、当該濾過膜1aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜1aを通過して1次室1bから2次室1c側に漏出し、第1導出口10aを介して下流側(空気検出手段2側)へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段2にて検出されることとなる。
【0036】
空気検出手段2は、微粒子濾過フィルタ1の2次室1cより下流側に接続され、空気供給源Aから供給された空気を検出し得るものであり、例えば超音波センサから成るもの、光学式センサから成るもの、或いは電極から成るもの等如何なる形態のものであってもよい。超音波センサから成る空気検出手段2とした場合、透析液導入ラインL1を挟んで超音波を発生及び受けさせ、透析液と気体との超音波の減衰率が異なることを利用して空気を検出するよう構成することができる。
【0037】
また、光学式センサから成る空気検出手段2とした場合、透析液導入ラインL1を挟んで光を照射及び受光させ、透析液と空気との光の透過率が異なることを利用して空気を検出するよう構成することができる。更に、電極から成る空気検出手段2とした場合、透析液導入ラインL1内に一対の電極を形成して電圧を印加させ、透析液(導電性)と空気(非導電性)との電気抵抗(通電の有無含む)が異なることを利用して空気を検出するよう構成することができる。
【0038】
しかして、リーク検査において、空気検出手段2が空気を検出した場合、濾過膜1aに破損等があり、供給された空気が1次室1bから2次室1c側に漏出していると判定できる一方、所定時間経過しても空気検出手段2による空気の検出がない場合、濾過膜1aに破損等がなく正常であると判定することができる。
【0039】
上記実施形態によれば、空気検出手段2にて微粒子濾過フィルタ1から漏出した空気を直接検出してリーク判定することができるので、従来の如く圧力差を検出してリーク判定するものに比べ、微粒子濾過フィルタ1の1次室1b側に過大な圧力の空気を供給する必要がない。従って、微粒子濾過フィルタ1のリーク検査時、濾過膜1aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。
【0040】
更に、従来の如く圧力差を検出してリーク判定するものの場合、圧力差が一定しているか或いは変動しているかを確認する必要があるため、リーク判定に長時間要していたが、本実施形態によれば、圧力差の検出は不要とされ微粒子濾過フィルタ1から漏出した空気を直接検出するので、リーク判定を短時間にて行わせることができる。尚、制御ポンプ3の駆動を制御すれば、空気供給源Aから供給される空気の圧力を調整することができるので、最適な圧力にて微粒子濾過フィルタ1の1次室1bに空気を供給することができる。
【0041】
ところで、リーク検査が終了した後、電磁弁V1、V2及びVaを閉塞させるとともに、電磁弁V3を開放させ、複式ポンプPを駆動させることにより、微粒子濾過フィルタ1の1次室1b内に充填された空気を排出させる工程(空気排出工程)がある。即ち、空気排出工程にて複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させることにより、リーク検査で使用された空気を濾過手段1から排出し、その後の透析治療がスムーズに行われるようになっているのである。尚、図中において電磁弁Vaは閉塞した状態とされているが、必要に応じて開放され、透析液と共に流動する空気を空気逃がしラインLaから排出するようになっている。
【0042】
上記の如き空気排出工程後、複式ポンプPを一旦停止させ、図3の如く、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2のそれぞれの先端を接続手段4から透析液導入口6c及び透析液排出口6dに繋ぎ替えるとともに、電磁弁V3を閉塞しつつ電磁弁V1及びV2を開放させる(電磁弁V4、Vaの閉塞状態は維持)。そして、複式ポンプPを駆動させれば、微粒子濾過フィルタ1にて濾過された透析液がダイアライザ6に供給されることとなり、動脈側血液回路7a及び静脈側血液回路7bを体外循環する血液に対して透析治療することができる。尚、透析液をダイアライザ6へ供給できない状態とすることで複式ポンプPを停止させることなく透析治療に移行させることもできる。例えば電磁弁V1及びV2を閉塞としつつ電磁弁V3を開放してバイパスラインL4へ透析液を流すようにすれば、複式ポンプPを動作させたまま透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端をダイアライザ6へ接続することができる。
【0043】
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、第1の実施形態と同様、血液透析装置に適用されたもので、図4に示すように、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2と、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する空気供給ラインL3と、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17と、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6と、電磁弁V2〜V7と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている。尚、第1の実施形態と同様、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3は、本発明の空気供給手段を構成している。
【0044】
第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15は、それぞれ第1実施形態と同様、濾過膜14a、15aを内在するとともに、1次室14b、15b及び2次室14c、15cを有してなるものである。第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bからは第1バイパスラインL5が延設されるとともに、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bからは第2バイパスラインL6が延設され、それぞれ透析液排出ラインL2に接続されている。尚、第1微粒子濾過フィルタ14における2次室14cの下流側、及び第2微粒子濾過フィルタ15における2次室15cの下流側は、透析液導入ラインL1を構成している。
【0045】
また、第1バイパスラインL5には第1空気検出手段16及び電磁弁V5がそれぞれ接続されるとともに、第2バイパスラインL6には電磁弁V3が接続されている。更に、透析液導入ラインL1の第2微粒子濾過フィルタ15より下流側(2次室15c側)には、第2空気検出手段17、後述する補液ラインL7を接続可能な接続手段18、及び電磁弁V7が接続されている。
【0046】
そして、リーク検査時、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V3以外が開放電磁弁V3が閉塞されることにより、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6に満たされており(流れが停止した状態)、制御ポンプ3の駆動により、空気供給ラインL3からの空気が第1微粒子濾過フィルタ14側及び第2微粒子濾過フィルタ15側に枝分かれし、これらの2次室14c及び1次室15bに向かってそれぞれ流動することとなる。尚、制御ポンプ3の駆動により流動した透析液は、空気逃がしラインLaから排出される。
【0047】
然るに、第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等がない場合は、当該濾過膜14aが疎水性材料である故、供給された空気が2次室14cに留まって充填される一方、当該濾過膜14aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜14aを通過して2次室14cから1次室14b側に漏出し、第1バイパスラインL5側へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段16にて検出されることとなる。
【0048】
また、第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等がない場合は、当該濾過膜15aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室15bに留まって充填される一方、当該濾過膜15aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜15aを通過して1次室15bから2次室15c側に漏出し、下流側(空気検出手段17側)へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段17にて検出されることとなる。
【0049】
しかして、リーク検査において、空気検出手段16が空気を検出した場合は、第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等があり、供給された空気が2次室14cから1次室14b側に漏出していると判定できる一方、空気検出手段17が空気を検出した場合は、第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等があり、供給された空気が1次室15bから2次室15c側に漏出していると判定できる。勿論、空気検出手段16及び17の両者が空気を検出した場合は、第1微粒子濾過フィルタ14及び15の両方の濾過膜14a、15aに破損等があると判定できる。
【0050】
尚、制御ポンプ3の駆動後、所定時間経過しても第1空気検出手段16による空気の検出がない場合、濾過膜14aに破損等がなく正常であると判定することができ、同様に、第2空気検出手段17による空気の検出がない場合、濾過膜15aに破損等がなく正常であると判定することができる。勿論、空気検出手段16及び17の両者が空気を検出しない場合は、第1微粒子濾過フィルタ14及び15の両方の濾過膜14a、15aに破損等がないと判定できる。
【0051】
ところで、先の実施形態と同様、リーク検査が終了した後、第1微粒子濾過フィルタ14、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室14b、15b内に充填された空気を排出させる工程(空気排出工程)がある。即ち、空気排出工程にて複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させることにより、リーク検査で使用された空気を第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15から排出し、その後の透析治療がスムーズに行われるようになっているのである。
【0052】
上記の如き空気排出工程後、複式ポンプPを一旦停止させ、図5の如く、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2のそれぞれの先端を接続手段4から透析液導入口6c及び透析液排出口6dに繋ぎ替えるとともに、電磁弁V3、V4、V5及びVaが閉塞した状態(他の電磁弁は開放した状態状態)とする。そして、複式ポンプPを駆動させれば、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15にて濾過された透析液がダイアライザ6に供給されることとなり、動脈側血液回路7a及び静脈側血液回路7bを体外循環する血液に対して透析治療することができる。尚、透析液を第1バイパスラインL5又は第2バイパスラインL6で流動させつつダイアライザ6へ供給できない状態とすることで複式ポンプPを停止させることなく透析治療に移行させることもできる。
【0053】
また、補液を必要とする際には、同図に示すように、補液ラインL7の一端を接続手段18に接続するとともに、他端を静脈側血液回路7bのドリップチャンバ8に接続させる。これにより、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15にて濾過された透析液は、接続手段18を介して補液ラインL7に枝分かれしつつ流れ、静脈側血液回路7bを介して患者の体内に注入されることとなる。
【0054】
上記実施形態によれば、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17にて第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15から漏出した空気を直接検出してリーク判定することができるので、従来の如く圧力差を検出してリーク判定するものに比べ、1次室15b或いは2次室14c側に過大な圧力の空気を供給する必要がない。従って、微粒子濾過フィルタのリーク検査時、濾過膜14a及び15aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。
【0055】
更に、本実施形態によれば、濾過手段が透析液導入ラインにおいて複数(本実施形態の場合は2つ)直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側(空気供給源Aから供給される空気の流路における下流側)に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、エンドトキシンの除去を複数回行わせることができるとともに、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を容易とすることができる。
【0056】
次に、本発明に係る第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、先の実施形態と同様、血液透析装置に適用されたもので、図6に示すように、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2と、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する空気供給ラインL3と、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17と、第1バイパスラインL5及び第3バイパスラインL8と、電磁弁V2、V4、V5、V6、V8及びV9と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている。尚、先の実施形態と同様、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3は、本発明の空気供給手段を構成している。
【0057】
第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15は、それぞれ先の実施形態と同様、濾過膜14a、15aを内在するとともに、1次室14b、15b及び2次室14c、15cを有してなるものである。第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bからは第1バイパスラインL5が延設されるとともに、第2微粒子濾過フィルタ15の2次室15bからは第3バイパスラインL8が延設され、それぞれ透析液排出ラインL2に接続されている。尚、第1微粒子濾過フィルタ14における2次室14cの下流側、及び第2微粒子濾過フィルタ15における1次室15bの下流側は、透析液導入ラインL1を構成している。
【0058】
また、第1バイパスラインL5には第1空気検出手段16及び電磁弁V5がそれぞれ接続されるとともに、第3バイパスラインL8には第2空気検出手段17、後述する補液ラインL7を接続可能な接続手段18及び電磁弁V8が接続されている。更に、透析液導入ラインL1先端を構成する第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15b側下流には、電磁弁V9が接続されている。
【0059】
そして、リーク検査時、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V9以外が開放及び電磁弁V9が閉塞されることにより、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2、第1バイパスラインL5及び第3バイパスラインL8に満たされており(流れが停止した状態)、制御ポンプ3の駆動により、空気供給ラインL3からの空気が第1微粒子濾過フィルタ14側及び第2微粒子濾過フィルタ15側に枝分かれし、これらの2次室14c及び1次室15bに向かってそれぞれ流動することとなる。尚、制御ポンプ3の駆動により流動した透析液は、空気逃がしラインLaから排出される。
【0060】
然るに、第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等がない場合は、当該濾過膜14aが疎水性材料である故、供給された空気が2次室14cに留まって充填される一方、当該濾過膜14aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜14aを通過して2次室14cから1次室14b側に漏出し、第1バイパスラインL5側へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段16にて検出されることとなる。
【0061】
また、第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等がない場合は、当該濾過膜15aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室15bに留まって充填される一方、当該濾過膜15aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜15aを通過して1次室15bから2次室15c側に漏出し、下流側(空気検出手段17側)へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、空気検出手段17にて検出されることとなる。
【0062】
しかして、リーク検査において、空気検出手段16が空気を検出した場合は、第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等があり、供給された空気が2次室14cから1次室14b側に漏出していると判定できる一方、空気検出手段17が空気を検出した場合は、第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等があり、供給された空気が1次室15bから2次室15c側に漏出していると判定できる。勿論、空気検出手段16及び17の両者が空気を検出した場合は、第1微粒子濾過フィルタ14及び15の両方の濾過膜14a、15aに破損等があると判定できる。
【0063】
尚、制御ポンプ3の駆動後、所定時間経過しても第1空気検出手段16による空気の検出がない場合、濾過膜14aに破損等がなく正常であると判定することができ、同様に、第2空気検出手段17による空気の検出がない場合、濾過膜15aに破損等がなく正常であると判定することができる。勿論、空気検出手段16及び17の両者が空気を検出しない場合は、第1微粒子濾過フィルタ14及び15の両方の濾過膜14a、15aに破損等がないと判定できる。
【0064】
ところで、先の実施形態と同様、リーク検査が終了した後、第1微粒子濾過フィルタ14、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室14b、15b内に充填された空気を排出させる工程(空気排出工程)がある。即ち、空気排出工程にて複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させることにより、リーク検査で使用された空気を第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15から排出し、その後の透析治療がスムーズに行われるようになっているのである。
【0065】
上記の如き空気排出工程後、複式ポンプPを一旦停止させ、図7の如く、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2のそれぞれの先端を接続手段4から透析液導入口6c及び透析液排出口6dに繋ぎ替えるとともに、電磁弁V4、V5、V8及びVaが閉塞した状態(他の電磁弁は開放した状態)とする。そして、複式ポンプPを駆動させれば、第1微粒子濾過フィルタ14にて濾過された透析液が第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bを通ってダイアライザ6に供給されることとなり、動脈側血液回路7a及び静脈側血液回路7bを体外循環する血液に対して透析治療することができる。尚、透析液を第1バイパスラインL5で流動させつつダイアライザ6へ供給できない状態とすることで複式ポンプPを停止させることなく透析治療に移行させることもできる。
【0066】
また、補液を必要とする際には、同図に示すように、補液ラインL7の一端を接続手段18に接続するとともに、他端を静脈側血液回路7bのドリップチャンバ8に接続させる。このとき、電磁弁V8を閉塞した状態としておく。これにより、第1微粒子濾過フィルタ14にて濾過された透析液は、第2微粒子濾過フィルタ15にて更に濾過されるとともに、接続手段18を介して補液ラインL7に流れ、静脈側血液回路7bを介して患者の体内に注入されることとなる。
【0067】
上記実施形態によれば、先の実施形態と同様、微粒子濾過フィルタのリーク検査時、濾過膜14a及び15aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。また、濾過手段が透析液導入ラインL1において2つ直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側(空気供給源Aから供給される空気の流路における下流側)に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、補液時にはエンドトキシンの除去を複数回行わせることができるとともに、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を容易とすることができる。
【0068】
更に、本実施形態によれば、ダイアライザ6における透析液導入口6cに近い側の濾過手段(第2微粒子濾過フィルタ15)の1次室15bが透析液導入口6cと接続されつつ2次室15cが患者の血液を体外循環させる血液回路(具体的には静脈側血液回路7bのドリップチャンバ8)に接続され得るよう構成されたので、補液時等において血液回路側に透析液を導く場合にのみ、2重の濾過を行わせることができ、より安全で確実な補液等を行わせることができる。
【0069】
次に、本発明に係る第4の実施形態について説明する。
本実施形態においては、先の実施形態と同様、血液透析装置に適用されたもので、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2と、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する2本の空気供給ラインL3a及びL3bと、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17と、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6と、電磁弁V2、V3、V4a、V4b、V5〜V7と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている(図8及び図9参照)。
【0070】
尚、先の実施形態と同様、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3a、L3bは、本発明の空気供給手段を構成している。また、第1空気供給ラインL3a及びL3bには、それぞれ電磁弁V4a、V4bと、逆止弁5a、5bとが配設されている。更に、第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bからは第1バイパスラインL5が延設されるとともに、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bからは第2バイパスラインL6が延設され、それぞれ透析液排出ラインL2に接続されている。
【0071】
ここで、透析液導入ラインL1における、第1微粒子濾過フィルタ14の2次室14cより下流側、及び第2微粒子濾過フィルタ15の2次室15cより下流側には、それぞれ第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17が配設されるとともに、当該第2空気検出手段17より下流側(透析液導入ラインL1の先端側)には、第2及び第3の実施形態と同様の補液ラインを接続可能とする接続手段18と、電磁弁V7とが接続されている。
【0072】
しかして、リーク検査時においては、まず図8の如き状態とする。即ち、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V5、V4b及びV7を閉塞させ、他の電磁弁を開放させ、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6に満たされた状態(流れが停止した状態)とした後、制御ポンプ3を駆動させ、空気供給ラインL3aからの空気を第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bに向かって流動させる。
【0073】
かかる第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等がない場合は、当該濾過膜14aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室14bに留まって充填される一方、当該濾過膜14aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜14aを通過して1次室14bから2次室14c側に漏出し、第1バイパスラインL5側へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、第1空気検出手段16にて検出されることとなる。
【0074】
次に、図9の如き状態とする。即ち、接続手段4による接続、及び複式ポンプPの停止が維持されるとともに、電磁弁V4a及びV3を閉塞、電磁弁V4b及びV7を開放させるとともに、他の電磁弁をそのままとして、制御ポンプ3を駆動させ、空気供給ラインL3bからの空気を第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bに向かって流動させる。かかる第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等がない場合は、当該濾過膜15aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室15bに留まって充填される一方、当該濾過膜15aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜15aを通過して1次室15bから2次室15c側に漏出し、下流側(第2空気検出手段17側)に流れることとなる。かかる漏出した空気は、第2空気検出手段17にて検出されることとなる。
【0075】
上記構成によっても、先の実施形態と同様、微粒子濾過フィルタのリーク検査時、濾過膜14a及び15aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。また、濾過手段が透析液導入ラインL1において2つ直列に接続されるとともに、各濾過手段の2次室より下流側に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、ダイアライザ6への透析液供給時は勿論、補液時においても、第3の実施形態と同様に、接続手段18に補液ラインの一端を接続すれば、エンドトキシンの除去を複数回行わせることができるとともに、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を行うことができる。尚、リーク検査時の空気逃がしラインLaによる透析液の排出やリーク検査後の空気排出工程については先の実施形態と同様である。
【0076】
次に、本発明に係る第5の実施形態について説明する。
本実施形態においては、先の実施形態と同様、血液透析装置に適用されたもので、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2と、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15(濾過手段)と、制御ポンプ3と、空気供給源Aから透析液導入ラインL1まで連結する空気供給ラインL3と、第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17と、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6と、電磁弁V2〜V7及び電磁弁V10と、複式ポンプPと、電磁弁Vaを有した空気逃がしラインLaとから主に構成されている(図10〜図14参照)。
【0077】
尚、先の実施形態と同様、制御ポンプ3、空気源A及び空気供給ラインL3は、本発明の空気供給手段を構成している。また、第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bからは第1バイパスラインL5が延設され、その先端が透析液排出ラインL2に接続されるとともに、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bからは第2バイパスラインL6が延設され、その先端が第1バイパスラインL5の途中に接続されている。尚、第1バイパスラインL5における第2バイパスラインL6との接続箇所より上流側(透析液導入ラインL1側)に電磁弁V5、下流側(透析液排出ラインL2側)に電磁弁V10がそれぞれ接続されているとともに、第2バイパスラインL6の途中には電磁弁V3が接続されている。
【0078】
ここで、透析液導入ラインL1における、第1微粒子濾過フィルタ14の2次室14cより下流側、及び第2微粒子濾過フィルタ15の2次室15cより下流側には、それぞれ第1空気検出手段16及び第2空気検出手段17が配設されるとともに、当該第2空気検出手段17より下流側(透析液導入ラインL1の先端側)には、電磁弁V7が接続されている。
【0079】
しかして、リーク検査時においては、まず図10の如き状態とする。即ち、接続手段4で透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2の先端同士が接続され、且つ、複式ポンプPが停止されるとともに、電磁弁V3、V5及びV10を閉塞させ、他の電磁弁を開放させ、透析液が透析液導入ラインL1、透析液排出ラインL2、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6に満たされた状態(流れが停止した状態)とした後、制御ポンプ3を駆動させ、空気供給ラインL3からの空気を第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14bに向かって流動させる。
【0080】
かかる第1微粒子濾過フィルタ14の濾過膜14aに破損等がない場合は、当該濾過膜14aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室14bに留まって充填される一方、当該濾過膜14aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜14aを通過して1次室14bから2次室14c側に漏出し、第1バイパスラインL5側へ流れることとなる。かかる漏出した空気は、第1空気検出手段16にて検出されることとなる。
【0081】
次に、図11の如き状態とする。即ち、接続手段4による接続、及び複式ポンプPの停止が維持されるとともに、電磁弁V6を閉塞、電磁弁V3及びV5を開放させるとともに、他の電磁弁をそのままとして、制御ポンプ3を駆動させる。これにより、空気供給ラインL3からの空気は、第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14b、第1バイパスラインL5及び第2バイパスラインL6を介し、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bまで流動することとなる。
【0082】
かかる第2微粒子濾過フィルタ15の濾過膜15aに破損等がない場合は、当該濾過膜15aが疎水性材料である故、供給された空気が1次室15bに留まって充填される一方、当該濾過膜15aに破損等がある場合は、供給された空気が濾過膜15aを通過して1次室15bから2次室15c側に漏出し、下流側(第2空気検出手段17側)に流れることとなる。かかる漏出した空気は、第2空気検出手段17にて検出されることとなる。尚、第1微粒子濾過フィルタ14及び第2微粒子濾過フィルタ15の空気の漏出検知において、上述の如き空気及び透析液の流動経路とは異なる経路としてもよい。
【0083】
ところで、先の実施形態と同様、リーク検査が終了した後、第1微粒子濾過フィルタ114の1次室14b内、及び第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15b内に充填された空気を排出させる工程(空気排出工程)がある。具体的には、まず図12に示すように、電磁弁V4、V6、V7、V3及びV2を閉塞、電磁弁V5及びV10を開放した状態とするとともに、複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させる。しかして、第1微粒子濾過フィルタ14の1次室14b内に充填していた空気は、透析液と共に、第1バイパスラインL5を介して透析液排出ラインL2に至り、装置外へ排出されることとなる。
【0084】
その後、図13に示すように、電磁弁V4、V7、V5、V2を閉塞、電磁弁V6、V10を開放した状態とするとともに、複式ポンプPを駆動させて透析液を流動させる。しかして、第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15b内に充填していた空気は、透析液と共に、第2バイパスラインL6及び第1バイパスラインL5を介して透析液排出ラインLに至り、装置外へ排出されることとなる。尚、図中において電磁弁Vaは閉塞した状態とされているが、必要に応じて開放され、透析液と共に流動する空気を空気逃がしラインLaから排出するようになっている。これにより、リーク検査で使用された空気を濾過手段から排出し、その後の透析治療がスムーズに行われるようになっているのである。
【0085】
上記の如き空気排出工程後、複式ポンプPを一旦停止させ、図14の如く、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2のそれぞれの先端を接続手段4から透析液導入口6c及び透析液排出口6dに繋ぎ替えるとともに、電磁弁V3、V4、V5、V10及びVaが閉塞した状態(他の電磁弁は開放した状態)とする。そして、複式ポンプPを駆動させれば、第1微粒子濾過フィルタ14にて濾過された透析液が第2微粒子濾過フィルタ15の1次室15bを通ってダイアライザ6に供給されることとなり、動脈側血液回路7a及び静脈側血液回路7bを体外循環する血液に対して透析治療することができる。尚、透析液を第1バイパスラインL5又は第2バイパスラインL6で流動させつつダイアライザ6へ供給できない状態とすることで複式ポンプPを停止させることなく透析治療に移行させることもできる。
【0086】
上記構成によっても、先の実施形態と同様、微粒子濾過フィルタのリーク検査時、濾過膜14a及び15aに対する過剰な負荷の付与を回避することができ、使用可能期間(寿命)を長くすることができる。また、濾過手段が透析液導入ラインL1において2つ直列に接続されるとともに、各濾過手段の2次室より下流側に空気検出手段がそれぞれ接続されたので、リーク検査時のリーク判定において、何れの濾過手段が正常であり或いはリークしているかの特定を行うことができる。尚、本実施形態においても、第3又は第4の実施形態と同様、第2空気検出手段17と電磁弁V7の間に補液ラインの一端を接続し得る接続手段を設け、補液時に複数回のエンドトキシン除去を行わせるようにしてもよい。
【0087】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば電磁弁に代えて流路を開放及び閉塞し得る他のクランプ手段(手動により開放及び閉塞可能な鉗子等)としてもよい。また、接続手段に接続される補液ラインは、補液の他、透析治療前のプライミングや透析治療後の返血(血液回収)時において透析液を血液回路側に導くものとしてもよい。更に、第2の実施形態においては、微粒子濾過フィルタ(濾過手段)を2つ直列に接続させているが、3つ以上透析液導入手段に接続させるものとしてもよい。
【0088】
また更に、濾過手段は、図2で示したものに限定されず、図15及び図16で示された濾過手段(微粒子濾過フィルタ)などであってもよい。図15で示す微粒子濾過フィルタは、濾過膜Iとしての複数の中空糸を内在した筒状のハウジングHと、ハウジングHの端面に形成されて被濾過透析液を濾過膜I内に導入及びバイパスラインに導出するポートP1、ポートP2と、ハウジングの側面に形成されて濾過膜Iを通過した濾過透析液を導出する一対のポートP3、P4とを有したものである。
【0089】
かかる微粒子濾過フィルタによれば、濾過膜I内が被濾過透析液を流動させる1次室、濾過膜Iの外周面とハウジングHの内周面との間の空間が濾過透析液を流動させる2次室となり、当該濾過膜Iを透析液が通過することにより濾過されるようになっている。尚、ポートP3又はP4から被濾過透析液を導入し、濾過膜Iを通過した濾過透析液をポートP1及びP2から導出するよう構成してもよく、この場合、濾過膜Iの外周面とハウジングHの内周面との間の空間が被濾過液を流動させる1次室、濾過膜I内が濾過透析液を流動させる2次室となる。
【0090】
また、図16で示す微粒子濾過フィルタは、濾過膜Iとしての複数の中空糸を内在した筒状のハウジングHと、ハウジングHの端面に形成されて被濾過透析液を濾過膜I内に導入及びバイパスラインに導出するポートP5、ポートP6と、ハウジングの側面に形成されて濾過膜Iを通過した濾過透析液を導出するポートP7とを有したものである。かかる微粒子濾過フィルタによれば、濾過膜I内が被濾過透析液を流動させる1次室、濾過膜Iの外周面とハウジングHの内周面との間の空間が濾過透析液を流動させる2次室となり、当該濾過膜Iを透析液が通過することにより濾過されるようになっている。
【0091】
然るに、実施形態のものに加え、濾過手段の1次室或いは2次室の下流側であって、空気検出手段を具備しない側に排出確認用空気検出手段を配設するようにしてもよい。これにより、リーク検査後の空気排出工程時、濾過手段に充填された空気が排出されるのを直接検出することができるので、リーク検査で使用された空気が完全に排出されたことを確実に認識することができ、その後の治療を早期に行うことができる。この場合の排出確認用空気検出手段は、上記実施形態と同様な構成のものとすることができる。
【0092】
また、本実施形態においては、微粒子濾過手段のリーク検査時に何れも各ラインに透析液を満たしつつ空気を供給させているが、当該透析液に代えて他の浄化液であってもよく、或いは消毒液の如き薬液を満たしつつ空気を供給するようにしてもよい。更に、本実施形態においては、何れも空気供給手段としての制御ポンプ3が透析液排出ラインL2に配設されているが、これに代えて例えば当該制御ポンプ3を空気供給ラインL3に設置するようにしてもよい。尚、本実施形態においては何れも血液透析装置に適用されているが、体外循環する患者の血液を浄化するための他の血液浄化装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
空気供給手段で供給されて濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出し得る空気検出手段を具備した血液浄化装置及びそのリーク検査方法であれば、他の構成のもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図2】同実施形態おける微粒子濾過フィルタを示す模式図
【図3】同実施形態に係る血液浄化装置(治療時)を示す概略図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図5】同実施形態に係る血液浄化装置(治療時)を示す概略図
【図6】本発明の第3の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図7】同実施形態に係る血液浄化装置(治療時)を示す概略図
【図8】本発明の第4の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図10】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図11】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(リーク検査時)を示す概略図
【図12】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(空気排出工程時)を示す概略図
【図13】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(空気排出工程時)を示す概略図
【図14】本発明の第5の実施形態に係る血液浄化装置(治療時)を示す概略図
【図15】本発明の他の実施形態おける微粒子濾過フィルタを示す模式図
【図16】本発明の更に他の実施形態における微粒子濾過フィルタを示す模式図
【符号の説明】
【0095】
1 微粒子濾過フィルタ(濾過手段)
2 空気検出手段
3 制御ポンプ
4 接続手段
5 逆止弁
6 ダイアライザ(血液浄化器)
7a 動脈側血液回路
7b 静脈側血液回路
8 ドリップチャンバ
9 血液ポンプ
10 ハウジング
11、12 蓋部材
13 封止剤
14 第1微粒子濾過フィルタ(濾過手段)
15 第2微粒子濾過フィルタ(濾過手段)
16 第1空気検出手段
17 第2空気検出手段
18 接続手段
A 空気供給源
L1 透析液導入ライン(浄化液導入ライン)
L2 透析液排出ライン(浄化液排出ライン)
L3 空気供給ライン
L4 バイパスライン
L5 第1バイパスライン
L6 第2バイパスライン
L7 補液ライン
L8 第3バイパスライン
La 空気逃がしライン
V1〜V9、Va、V4a、V4b 電磁弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外循環する患者の血液を浄化するための血液浄化器の浄化液導入口に接続され、当該血液浄化器に浄化液を導入する浄化液導入ラインと、
前記血液浄化器の浄化液排出口に接続され、当該血液浄化器から浄化液を排出する浄化液排出ラインと、
前記浄化液導入ラインに接続されるとともに、濾過膜を介して被濾過浄化液が流動する1次室と濾過浄化液が流動する2次室とを具備し、当該浄化液導入ラインを流れる浄化液を濾過して浄化するための濾過手段と、
リーク検査時に前記濾過手段へ空気を供給し得る空気供給手段と、
を具備した血液浄化装置において、
前記空気供給手段から供給されて前記濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出し得る空気検出手段を具備したことを特徴とする血液浄化装置。
【請求項2】
前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に前記空気検出手段がそれぞれ接続されたことを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
【請求項3】
前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて2つ直列に接続されるとともに、前記浄化液導入口に近い側の濾過手段の1次室が当該浄化液導入口と接続されつつ2次室が患者の血液を体外循環させる血液回路に接続され得るよう構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置。
【請求項4】
リーク検査後、前記濾過手段に充填された空気が排出されるのを検出する排出確認用空気検出手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の血液浄化装置。
【請求項5】
体外循環する患者の血液を浄化するための血液浄化器の浄化液導入口に接続され、当該血液浄化器に浄化液を導入する浄化液導入ラインと、
前記血液浄化器の浄化液排出口に接続され、当該血液浄化器から浄化液を排出する浄化液排出ラインと、
前記浄化液導入ラインに接続されるとともに、濾過膜を介して被濾過浄化液が流動する1次室と濾過浄化液が流動する2次室とを具備し、当該浄化液導入ラインを流れる浄化液を濾過して浄化するための濾過手段と、
リーク検査時に前記濾過手段へ空気を供給し得る空気供給手段と、
を具備した血液浄化装置のリーク検査方法において、
前記空気供給手段から供給されて前記濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出することによりリーク判定を行わせ得ることを特徴とする血液浄化装置のリーク検査方法。
【請求項6】
前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に漏れた空気をそれぞれ検出することを特徴とする請求項5記載の血液浄化装置のリーク検査方法。
【請求項7】
リーク検査後、前記濾過手段に充填された空気が排出されるのを検出することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の血液浄化装置のリーク検査方法。
【請求項1】
体外循環する患者の血液を浄化するための血液浄化器の浄化液導入口に接続され、当該血液浄化器に浄化液を導入する浄化液導入ラインと、
前記血液浄化器の浄化液排出口に接続され、当該血液浄化器から浄化液を排出する浄化液排出ラインと、
前記浄化液導入ラインに接続されるとともに、濾過膜を介して被濾過浄化液が流動する1次室と濾過浄化液が流動する2次室とを具備し、当該浄化液導入ラインを流れる浄化液を濾過して浄化するための濾過手段と、
リーク検査時に前記濾過手段へ空気を供給し得る空気供給手段と、
を具備した血液浄化装置において、
前記空気供給手段から供給されて前記濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出し得る空気検出手段を具備したことを特徴とする血液浄化装置。
【請求項2】
前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に前記空気検出手段がそれぞれ接続されたことを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
【請求項3】
前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて2つ直列に接続されるとともに、前記浄化液導入口に近い側の濾過手段の1次室が当該浄化液導入口と接続されつつ2次室が患者の血液を体外循環させる血液回路に接続され得るよう構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置。
【請求項4】
リーク検査後、前記濾過手段に充填された空気が排出されるのを検出する排出確認用空気検出手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の血液浄化装置。
【請求項5】
体外循環する患者の血液を浄化するための血液浄化器の浄化液導入口に接続され、当該血液浄化器に浄化液を導入する浄化液導入ラインと、
前記血液浄化器の浄化液排出口に接続され、当該血液浄化器から浄化液を排出する浄化液排出ラインと、
前記浄化液導入ラインに接続されるとともに、濾過膜を介して被濾過浄化液が流動する1次室と濾過浄化液が流動する2次室とを具備し、当該浄化液導入ラインを流れる浄化液を濾過して浄化するための濾過手段と、
リーク検査時に前記濾過手段へ空気を供給し得る空気供給手段と、
を具備した血液浄化装置のリーク検査方法において、
前記空気供給手段から供給されて前記濾過手段の濾過膜を通過した空気を検出することによりリーク判定を行わせ得ることを特徴とする血液浄化装置のリーク検査方法。
【請求項6】
前記濾過手段は、前記浄化液導入ラインにおいて複数直列に接続されるとともに、各濾過手段の1次室又は2次室より下流側に漏れた空気をそれぞれ検出することを特徴とする請求項5記載の血液浄化装置のリーク検査方法。
【請求項7】
リーク検査後、前記濾過手段に充填された空気が排出されるのを検出することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の血液浄化装置のリーク検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2007−215746(P2007−215746A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39441(P2006−39441)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000226242)日機装株式会社 (383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000226242)日機装株式会社 (383)
【Fターム(参考)】
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