説明

血管内皮増殖因子(VEGF)受容体のインヒビターおよびその使用方法

本発明は、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体の活性に拮抗する、VEGF受容体の外部ドメインの最も膜近位のIg様ドメイン(D7)と結合する部分を提供する。本発明は、血管内皮増殖因子受容体(VEGF受容体)、たとえば、VEGFR1(Flt1)、VEGFR2(KDR/Flk1)およびVEGFR3(Flt4)の外部ドメインと結合する部分、たとえば、抗体またはその抗原結合性一部分、小分子、ペプチド性分子、アプタマー、およびアドネクチンを提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト血管内皮増殖因子受容体(VEGF受容体)の外部ドメインと結合する部分であって、該VEGF受容体の活性に拮抗する、部分。
【請求項2】
ヒトVEGF受容体のIg様ドメインと結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項3】
前記Ig様ドメインがリガンドと前記VEGF受容体との結合に関与していない、請求項2に記載の部分。
【請求項4】
前記Ig様ドメインがリガンドと前記VEGF受容体との結合に関与する、請求項2に記載の部分。
【請求項5】
前記VEGF受容体と該VEGF受容体のリガンドとの間の相互作用を遮断しない、請求項1に記載の部分。
【請求項6】
前記VEGF受容体と該VEGF受容体のリガンドとの間の相互作用を遮断する、請求項1に記載の部分。
【請求項7】
前記VEGF受容体の二量体化を妨げない、請求項1に記載の部分。
【請求項8】
前記VEGF受容体の二量体化を妨げる、請求項1に記載の部分。
【請求項9】
前記VEGF受容体のそれぞれのプロトマーからの前記外部ドメインの膜近位領域間の相互作用を妨げる、請求項1に記載の部分。
【請求項10】
前記相互作用がホモタイプである、請求項9に記載の部分。
【請求項11】
前記相互作用がヘテロタイプである、請求項9に記載の部分。
【請求項12】
前記外部ドメインの前記膜近位領域がVEGF受容体の第7のIg様ドメイン(D7)である、請求項9に記載の部分。
【請求項13】
VEGF受容体のD7ドメインの以下のコンセンサス配列と結合する、請求項12に記載の部分:
L/I X R Φ X D/E X G(配列番号158)[式中、Lはロイシンであり、Iはイソロイシンであり、Rはアルギニンであり、Φは疎水性アミノ酸であり、Dはアスパラギン酸であり、Eはグルタミン酸であり、Gはグリシンであり、X、X、X、XおよびXは任意のアミノ酸である]。
【請求項14】
Φがバリンであり、Xが、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群より選択され、Xが、アルギニン、リシンおよびスレオニンからなる群より選択され、Xが、リシン、グルタミン酸、グルタミンおよびバリンからなる群より選択され、Xが、グルタミン酸およびバリンからなる群より選択され、Xが、グルタミン酸、グリシン、セリンおよびグルタミンからなる群より選択される(配列番号159)、請求項13に記載の部分。
【請求項15】
前記VEGF受容体のそれぞれのプロトマーからの前記外部ドメインの前記膜近位領域が16Åを超える距離によって隔てられることを引き起こす、請求項9に記載の部分。
【請求項16】
前記VEGF受容体がVEGFR1である、請求項1に記載の部分。
【請求項17】
前記VEGF受容体がVEGFR2である、請求項1に記載の部分。
【請求項18】
前記VEGF受容体がVEGFR3である、請求項1に記載の部分。
【請求項19】
前記VEGF受容体の前記外部ドメインを不活性状態に固定する、請求項1に記載の部分。
【請求項20】
VEGFR2のアミノ酸残基Arg726と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項21】
VEGFR2のアミノ酸残基Asp731と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項22】
VEGFR2のアミノ酸残基Arg726およびAsp731と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項23】
VEGFR2のアミノ酸残基724、725、726、727、728、729、730、731、732および733からなる群より選択される1つまたは複数のアミノ酸残基と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項24】
VEGFR1のアミノ酸残基Arg720と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項25】
VEGFR1のアミノ酸残基Asp725と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項26】
VEGFR1のアミノ酸残基Arg720およびAsp725と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項27】
VEGFR1のアミノ酸残基718、719、720、721、722、723、724、725、726および727からなる群より選択される1つまたは複数のアミノ酸残基と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項28】
VEGFR3のアミノ酸残基Arg737と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項29】
VEGFR3のアミノ酸残基Asp742と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項30】
VEGFR3のアミノ酸残基Arg737およびAsp742と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項31】
VEGFR3のアミノ酸残基735、736、737、738、739、740、741、742、743および744からなる群より選択される1つまたは複数のアミノ酸残基と結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項32】
前記VEGF受容体上のコンフォメーションエピトープと結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項33】
前記コンフォメーションエピトープが、前記VEGF受容体のD7ドメイン中の2つ以上の残基から構成される、請求項32に記載の部分。
【請求項34】
前記コンフォメーションエピトープが、アミノ酸残基Arg726およびAsp731、Arg720およびAsp725、またはArg737およびAsp742を含む、請求項32に記載の部分。
【請求項35】
前記VEGF受容体のリガンド誘導性のチロシン自己リン酸化を遮断する、請求項1に記載の部分。
【請求項36】
前記VEGF受容体のリガンド誘導性の内在化を遮断する、請求項1に記載の部分。
【請求項37】
前記VEGF受容体上の近接エピトープと結合する、請求項1に記載の部分。
【請求項38】
前記近接エピトープが、前記VEGF受容体のD7ドメイン中の2つ以上の残基から構成される、請求項37に記載の部分。
【請求項39】
前記近接エピトープが、VEGFR1の672VAISSS677、VEGFR1の678TTLDCHA684、VEGFR1の685NGVPEPQ691、VEGFR1の700KIQQEPG706、VEGFR1の707IILG710、VEGFR1の711PGS713、VEGFR1の714STLFI718、VEGFR1の719ERVTEEDEGV728、VEGFR3の689VNVSDS694、VEGFR3の695LEMQCLV701、VEGFR3の702AGAHAPS708、VEGFR3の717LLEEKSG723、VEGFR3の724VDLA727、VEGFR3の728DSN730、VEGFR3の731QKLSI735、VEGFR3の736QRVREEDAGR745、VEGFR2の678TSIGES683、VEGFR2の684IEVSCTA690、VEGFR2の691SGNPPPQ697、VEGFR2の706TLVEDSG712、VEGFR2の713IVLK716、VEGFR2の717DGN719、VEGFR2の720RNLTI724およびVEGFR2の725RRVRKEDEGL734からなる群より選択されるエピトープである、請求項38に記載の部分。
【請求項40】
単離された抗体またはその抗原結合性一部分である、請求項1に記載の部分。
【請求項41】
前記抗体またはその抗原結合性一部分が、ヒト抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、およびキメラ抗体からなる群より選択される、請求項40に記載の部分。
【請求項42】
前記抗体またはその抗原結合性一部分が、IgG1定常領域、IgG2定常領域、IgG3定常領域、IgG4定常領域、IgM定常領域、IgA定常領域およびIgE定常領域からなる群より選択される重鎖定常領域を含む、請求項41に記載の部分。
【請求項43】
前記抗体重鎖定常領域がIgG1である、請求項42に記載の部分。
【請求項44】
前記抗体またはその抗原結合性一部分が、Fab断片、F(ab’)2断片、単鎖Fv断片、SMIP、アフィボディ、アビマー、ナノボディ、および単一ドメイン抗体からなる群より選択される、請求項40に記載の部分。
【請求項45】
前記抗体またはその抗原結合性一部分が、1×10−7M以下、より好ましくは5×10−8M以下、より好ましくは1×10−8M以下、より好ましくは5×10−9M以下からなる群より選択されるKDで受容体チロシンキナーゼのIg様ドメインと結合する、請求項40に記載の部分。
【請求項46】
請求項40から請求項45のいずれか一項に記載の抗体またはその抗原結合性一部分を産生するハイブリドーマ。
【請求項47】
小分子である、請求項1に記載の部分。
【請求項48】
VEGFR2のアミノ酸残基Arg726、VEGFR2のAsp731、VEGFR1のArg720、VEGFR1のAsp725、VEGFR3のArg737、およびVEGFR3のAsp742からなる群より選択されるアミノ酸残基のうちの少なくとも1つと結合する、請求項47に記載の部分。
【請求項49】
ペプチド性分子である、請求項1に記載の部分。
【請求項50】
前記ペプチド性分子が、前記VEGF受容体のIg様ドメインに基づいて設計されている、請求項49に記載の部分。
【請求項51】
前記ペプチド性分子が、前記ヒトVEGF受容体のD7ドメインに基づいて設計されている、請求項50に記載の部分。
【請求項52】
前記ペプチド性分子が、構造:L/I X R Φ X D/E X G(配列番号158)[式中、Lはロイシンであり、Iはイソロイシンであり、Rはアルギニンであり、Φは疎水性アミノ酸であり、Dはアスパラギン酸であり、Eはグルタミン酸であり、Gはグリシンであり、X、X、X、XおよびXは任意のアミノ酸である]を含む、請求項51に記載の部分。
【請求項53】
Φがバリンであり、Xが、アルギニン、グルタミン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群より選択され、Xが、アルギニン、リシンおよびスレオニンからなる群より選択され、Xが、リシン、グルタミン酸、グルタミンおよびバリンからなる群より選択され、Xが、グルタミン酸およびバリンからなる群より選択され、Xが、グルタミン酸、グリシン、セリンおよびグルタミンからなる群より選択される(配列番号159)、請求項52に記載の部分。
【請求項54】
前記ペプチド性分子が、ヒトVEGFR2のアミノ酸残基724〜733と少なくとも80%同一である構造を含む、請求項50に記載の部分。
【請求項55】
前記ペプチド性分子が、ヒトVEGFR1のアミノ酸残基718〜727と少なくとも80%同一である構造を含む、請求項50に記載の部分。
【請求項56】
前記ペプチド性分子が、ヒトVEGFR3のアミノ酸残基735〜744と少なくとも80%同一である構造を含む、請求項50に記載の部分。
【請求項57】
前記ペプチド性分子が少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含む、請求項50に記載の部分。
【請求項58】
アドネクチンである、請求項1に記載の部分。
【請求項59】
ヒトVEGF受容体の第7のIg様ドメイン上のコンフォメーションエピトープと結合する部分であって、該部分は、該ヒトVEGF受容体の活性に拮抗し、該コンフォメーションエピトープは、VEGFR2の残基Arg726およびAsp731、VEGFR1の残基Arg720およびAsp725、またはVEGFR3の残基Arg737およびAsp742を含む、部分。
【請求項60】
VEGFR2のアミノ酸残基Arg726およびAsp731、VEGFR1のアミノ酸残基Arg720およびAsp725、またはVEGFR3のアミノ酸残基Arg737およびAsp742と結合して、ヒトVEGF受容体の活性に拮抗する、部分。
【請求項61】
請求項1から請求項60のいずれか一項に記載の部分と、薬学的に許容されるキャリアとを含む、医薬組成物。
【請求項62】
被験体においてVEGF受容体チロシンキナーゼに関連する疾患を処置または予防するための薬の調製における、有効量の請求項1から60のいずれか一項に記載の部分の使用。
【請求項63】
前記VEGF受容体チロシンキナーゼに関連する疾患が、がん、加齢黄斑変性症(AMD)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、糖尿病性網膜症、リンパ性疾患および疼痛に関連する疾患からなる群より選択される、請求項62に記載の使用。
【請求項64】
前記がんが、GIST、AML、SCLC、腎臓がん、結腸がん、リンパ性がんおよび乳がんからなる群より選択される、請求項63に記載の使用。
【請求項65】
VEGF受容体のIg様ドメインと結合する部分を同定するための方法であって、
VEGF受容体を候補部分と接触させるステップと、
同時にまたは順次、該VEGF受容体を該VEGF受容体のリガンドと接触させるステップと、
該部分が、該リガンドによって誘導される二量体VEGF受容体のIg様ドメイン間の配置、配向および/または距離に影響を与えるか否かを決定して、VEGF受容体のIg様ドメインと結合する部分を同定するステップと
を含む、方法。
【請求項66】
前記部分が、前記VEGF受容体の外部ドメインを不活性状態に固定する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記部分が、前記VEGF受容体の第7のIg様ドメイン(D7)と結合する、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
ヒトVEGF受容体の第7のIg様ドメイン上のコンフォメーションエピトープと結合する単離された抗体またはその抗原結合性一部分であって、該単離された抗体またはその抗原結合性一部分は、該ヒトVEGF受容体の活性に拮抗し、該コンフォメーションエピトープは、VEGFR2の残基Arg726およびAsp731、VEGFR1の残基Arg720およびAsp725、またはVEGFR3の残基Arg737およびAsp742を含む、抗体またはその抗原結合性一部分。
【請求項69】
VEGFR2のアミノ酸残基724〜733と結合して、VEGFR2の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合性一部分。
【請求項70】
VEGFR1のアミノ酸残基Arg720およびAsp725と結合して、VEGFR1の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合性一部分。
【請求項71】
VEGFR3のアミノ酸残基Arg737およびAsp742と結合して、VEGFR3の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合性一部分。
【請求項72】
ヒトVEGF受容体のArg726およびAsp731からなる群より選択されるアミノ酸残基のうちの少なくとも1つと結合して、該ヒトVEGF受容体の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合性一部分。
【請求項73】
ヒトVEGF受容体のArg720およびAsp725からなる群より選択されるアミノ酸残基のうちの少なくとも1つと結合して、該ヒトVEGF受容体の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合性一部分。
【請求項74】
ヒトVEGF受容体のArg737およびAsp742からなる群より選択されるアミノ酸残基のうちの少なくとも1つと結合して、該ヒトVEGF受容体の活性に拮抗する、単離された抗体またはその抗原結合性一部分。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7C】
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【図9】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21B】
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【図23】
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【図31A】
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【図31B】
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【図31C】
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【図31D】
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【図3A】
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【図6B】
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【図6D】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図19A】
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【図21A】
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【図22】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図26C】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2013−515776(P2013−515776A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547128(P2012−547128)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061296
【国際公開番号】WO2011/090648
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(593152720)
【氏名又は名称原語表記】Yale University
【Fターム(参考)】