説明

血管新生性疾患の治療のための方法

本発明は、眼組織の血管形成を含む望ましくない血管形成を阻害するための組成物および方法に関する。より具体的には、VEGFを阻害する薬剤を二次療法と組み合わせて用い、眼組織の血管新生を含む血管新生を治療するための組成物および方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、眼組織の血管形成を含む望ましくない血管形成を阻害するための組成物、パーツキットおよび方法に関する。より具体的には、本発明は、二次療法と組み合わせてVEGFを阻害する薬剤を用い、眼組織の血管新生を含む血管新生を治療するための組成物、パーツキットおよび方法に関する。
【0002】
血管形成(angiogenesis)は血管新生(neovascularization)とも呼ばれ、新しい血管が形成される基本的プロセスである。正常な生理条件下での血管形成はよく調節され、再生、胚発生、組織修復および創傷治癒に不可欠である(総説としては、Carmeliet, 2005, Nature, 438, 932-936を参照)。しかしながら、血管形成はまた、腫瘍の増殖および転移;関節リウマチ、乾癬、変形性関節症、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎その他などの炎症性障害;ならびに糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性(AMD)および他の種々の眼の疾患などの眼の血管新生を含む種々の病的状態下でも起こる(例えば、Folkman, 1995, Nat. Med., 1, 27-31参照)。実際、血管形成は、増殖因子、サイトカインおよび他の生理学的分子のような種々の血管形成誘発刺激、ならびに低酸素症および低pHのような他の因子に応答して起こる(Folkman and Shing, 1992, JBC, 267, 10931)。新しい血管の発達のための血管形成カスケードには、細胞外マトリックス(ECM)の再構成、浸潤、移動、増殖、分化および管形成などの必要な細胞プロセスを調節する種々の分子の協同作用が必要である(Brooks, 1996, Eur. J. Cancer, 32A, 2423)。誘導期の後、VEGF、bFGF、PDGFおよびその他のような血管形成誘発分子がそれらの細胞表面受容体の刺激を介して内皮細胞を活性化する(例えば、VEGFR1/Flt−1およびVEGFR2/FIk−1/KDR;Ferrara, 2004, Endocr. Rev., 25,581-611に総説)。これらの活性化細胞は細胞増殖、細胞接着分子の発現の増加、タンパク質分解酵素の分泌の増加、および細胞の移動および浸潤の増加のプロセスを受ける。接着に関するインテグリン、セレクチンおよび免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーのメンバー、ならびに細胞外マトリックスを分解するためのマトリックスメタロプロテイナーゼおよびセリンプロテイナーゼなどのタンパク質分解酵素を含むいくつかの異なる分子が増殖および浸潤に関与している(Brooks, 1996, Eur. J. Cancer, 32A, 2423)。最後に、細胞表面受容体に由来する生化学シグナルの複雑なカスケードが細胞外マトリックス成分および可溶性因子と相互作用して管腔の形成および成熟血管への分化をもたらす。
【0003】
脈絡膜および/または網膜の血管新生の分子機構についてはほとんど知られていないが、前記の特定の血管形成プロセスがAMD患者ならびに糖尿病性網膜症または早期網膜症などの他の網膜症を患う患者における、重度の視力低下の大多数の一因となっていることが示されている。
【0004】
加齢性黄斑変性は先進国での失明の主因であり、米国ではおよそ千五百万人の罹患者がいる。AMDは黄斑の進行性変性疾患として特徴付けられている。血管新生型と非血管新生型の2つ形態のAMDがある。非血管新生型のAMDの方が多く、黄斑が徐々に劣化し、何年もかけて徐々に視力が低下する。血管新生型の疾患は重度の視力低下の主要な原因となり、視力の異常をきたす出血および繊維症をもたらす網膜後方の異常な血管の増殖によるものである。現行の治療努力および臨床試験は主として、例えば、血管形成阻害剤、レーザー光凝固および/または光線力学療法(PDT)(例えば、WO2004034889参照)を用いて、AMDにおける血管新生膜の増殖を停止させることをねらいとする。しかしながら、眼の一部だけがこのような治療介入の適格基準を満たし、治療しても再発率が高く、治療利益は低い。従って、治療法の伸展にもかかわらず、AMDはなお、先進国で視力障害の最も多い原因となっている。
【0005】
20〜74歳の間の成人における失明のもう1つの主因は糖尿病性網膜症(DR)である。米国では700万人が糖尿病である。糖尿病性網膜症の管理は重点臨床試験の結果として改善されたが、視力の低下、夜間視力の低下、および周辺視力の低下などの合併症のリスクはなお重大であり、治療できない場合もある。糖尿病性網膜症は、浮腫を伴う網膜血管系の異常な血管新生と、出血、黄斑浮腫、組織損傷および網膜瘢痕をもたらす血液網膜障壁(BRB)の崩壊を特徴とする。残念なことに、現行の治療の選択肢(例えば、レーザー光凝固)は完全に満足のいくものではなく、疾病が進行する場合が多い。
【0006】
増えつつある一連の証拠は、血管形成カスケードに関与する種々の分子の阻害が、疾病の進行における重要な介在段階を遮断することにより、腫瘍組織および眼組織の血管新生を含む、これらの血管新生関連の障害のあり得る原因を治療する可能性を与える(例えば、Shibuya, 2003, Nippon Yakurigaku Zasshi, 122, 498-503 ; Ferrara, 2004, Endocrine Reviews, 25, 581-611;またはUS20060030529参照)。これらの血管形成阻害剤の例としては、それらの関連の受容体の阻害剤を含め、当技術分野で公知であり、例えば、ZD6474(Tuccillo et al., 2005, Clin Cancer Res., 11, 1268-1276);可溶性Tie2およびVEGF−1受容体(それぞれHangai et al., 2001, Hum Gene Ther., 12, 1311-1321およびHonda et al., 2000, Gene Ther., 7, 978-985)、アンギオポエチン(特にAng−2)およびPGDF阻害剤;色素上皮由来因子(PEDF)(Rasmussen et al., 2001, Hum Gene Ther., 12, 2029-2032)、エンドスタチン(Mori et al., 2001, Am J Pathol., 159, 313-320)およびアンギオスタチン(Lai et al., 2001, Invest Ophthalmol Vis Sci., 42, 2401-2407);メタロプロテアーゼ−3の組織阻害剤(Takahashi et al., 2000, Am J Ophthalmol., 130, 774-781);VEGF阻害アプタマー、例えば、Macugen(登録商標)(ペガプタニブ(pegatsanib),Pfizer);抗体またはそのフラグメント、例えば、抗VEGF抗体、例えば、ベバシズマブ(bevacizumab)(Avastin(登録商標),Genentech)またはそのフラグメント、例えば、ラニビズマブ(ranibizumab)(Lucentis(登録商標),Genetech);可溶性fins様チロシンキナーゼ1(sFlt1)ポリペプチドまたはポリヌクレオチド(Harris et al., Clin Cancer Res. 2001 July; 7 (7): 1992-7;米国特許第5,861,484号);チロシンキナーゼ遮断することによりVEGFシグナル伝達を阻害するPTK/ZK(Maier et al., 2005, Graefes Arch. Clin. Exp. Ophthalmol., 243, 593-600);KRN633(Nakamura et al., 2004, Mol Cancer Ther., 3, 1639-1649);インテグリンの阻害剤(例えば、αvβ3およびα5β1);VEGF−Trap(登録商標)(Regeneron);硝子体内ステロイド、例えば、トリアムシノロン(triamcinolone)または酢酸アネコルタブ(anecortave acetate);およびα2−抗プラスミン(Matsuno et al, Blood 2003; 120:3621-3628)が挙げられる。これらの血管形成阻害剤のほとんどは、血管内皮増殖因子(VEGF)により誘発される、初期の増殖因子により媒介される活性化段階の遮断に向けられる。よって、VEGFは、特に化学療法、放射線療法または他の抗血管形成薬との併用において、抗癌治療薬の注目される標的とみなされてきた(Ferrara, 2005, Oncology, 69, 11-16参照)。同様に、種々のタイプの抗VEGF剤(例えば、Gragoudas et al., 2004, N. Engl. J. Med., 351, 2805-2816; Rothen et al., 2005, Ophthalmol Clin North Am., 18, 561-567またはNg et al., 2006, Nat Rev Drug Discov., 5, 123-132)を用いた研究は、数種の動物モデルで多数の血管床の血管新生の退縮または予防を示したが、このことは抗VEGF療法がCNV、AMD、糖尿病性網膜症などの網膜および/または脈絡膜の血管新生関連の障害に対する有望な治療であることを示唆している(VEGFおよびその阻害剤に関する総説としては、例えば、Campochiaro, 2004, Expert Opin Biol Ther., 4, 1395-1402; Ferrara, 2004, Endocr. Rev., 25, 581-611;およびVerheul and Pinedo, 2003, Drugs Today, 39 Suppl C:81-93参照)。
【0007】
しかしながら、これらの結果は極めて有望であるが、眼組織のそれを含め、ほとんどの患者における血管新生および過剰な血管透過性を治療するための標準かつ有効な治療法は現在のところまだない。実際、血管内皮増殖因子(VEGF)経路の阻害による癌の抗血管形成療法への関心は、抗VEGF治療に耐性が生じることにより少数であった。この耐性は血管系の再構成および血管の安定化に関連することが明らかである(Ferrara and Kerbel, 2005, Nature, 438, 967-974)。
【0008】
よって、眼組織の血管新生を含む、血管新生性疾患を治療する既存の方法は、網膜および/または脈絡膜の血管新生を含む種々の形態の血管新生を阻害または排除する、また、関連の疾病を治療するそれらの能力を改良する必要がある。抗血管形成療法の有効性を向上させるためには、新たな療法の特定に今後の努力を向けなければならない。本発明はこれらの必要を満たし、さらに他の関連の利点も提供する。
【0009】
本発明は、二次療法(second therapy)と組み合わせてVEGFを阻害する化合物を用い、眼組織の血管新生を含む血管新生を治療するための改良された組成物および方法を提供することを意図する。本発明の一態様において、脈絡膜および/または網膜の血管新生および関連の眼障害、より具体的には、AMD、CNV、早期網膜症、外傷性の眼の損傷、糖尿病性網膜症、炎症性眼障害(例えば、バードショット網膜脈絡膜症または多発性脈絡膜炎)等を予防および治療するための組成物、パーツキットおよび方法が提供される。
【0010】
第一の実施形態によれば、本発明は、同時投与または逐次投与、あるいは経時的交互投与のための、治療上有効な量の(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす少なくとも1つの薬剤とを含んでなる組合せ製品を提供する。
【0011】
一実施形態によれば、過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす薬剤は、プラスミン、メタロプロテアーゼ、またはプロテアーゼの組合せなどのセリンプロテアーゼなどのプロテアーゼおよび本明細書で定義された血栓溶解性化合物(thrombolytic compounds)からなる群から選択される。
【0012】
好ましい一実施形態によれば、本発明は、同時投与または逐次投与、あるいは経時的交互投与のための、治療上有効な量の(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)少なくとも1つの血栓溶解性化合物とを含んでなる組合せ製品を提供する。
【0013】
本発明の組合せ製品は、特に、眼組織の血管新生を含む血管新生に関連する病態の治療に向けられる。
【0014】
特定の一実施形態によれば、前記の組合せ製品は眼科上適合する溶媒成分をさらに含んでなる。
【0015】
本発明は、過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす薬剤、より詳しくは、例えば、フィブリンマトリックスを消化可能なセリンプロテアーゼなどの血小板溶解剤が、血管新生、より具体的には脈絡膜および/または網膜の血管新生並びに関連の障害を予防および治療するために、抗VEGF抗体またはそのフラグメントなどの1以上のVEGF阻害剤と組み合わせて首尾よく使用できるという驚くべき発見に基づいている。
【0016】
本明細書において出願全体を通じ、特に断りのない限り、「a」および「an」は、「少なくとも1つの」、「少なくとも第一の」、「1以上の」または「複数の」記載の化合物または段階を意味して用いられる。より具体的には、「少なくとも1つの」および「1以上の」とは、1または1を超える数を意味し、1、2または3が特に好ましい。
【0017】
本明細書において「および/または」とは、「および」、「または」および「この用語によってつながっている要素の他のあらゆるまたは任意の組合せ」の意味を含む。
【0018】
本明細書において「約」または「およそ」とは、示された値または範囲の20%以内、好ましくは10%以内、より好ましくは5%以内を意味する。
【0019】
本明細書において、製品、組成物および方法を定義するために用いる「含んでなる」、「含む」とは、それらの製品、組成物および方法が、記載の化合物または段階を含むが、他を排除するものではないことを意図する。
【0020】
本明細書において「治療」または「治療する」とは、予防および/または療法を包含する。よって、本発明の組成物および方法は治療適用に限定されるものではなく、予防適用にも使用可能である。従って、病態、障害または症状を「治療する」または「治療」は、(i)その病態、障害または症状に罹患する可能性ある、または疾病素因があるが、その病態、障害または症状の臨床または亜臨床徴候を受けたことがない、または示したことがない対象において発症する病態、障害または症状の臨床徴候の出現を予防または遅延させること、(ii)病態、障害または症状を阻害すること、すなわち、疾病または少なくとも1つのその臨床もしくは亜臨床徴候の発症を停止または軽減させること、または(iii)疾病を緩和すること、すなわち、疾病または少なくとも1つのその臨床もしくは亜臨床徴候の退縮を生じさせることを含む。
【0021】
本明細書において「化合物」とは、有機であれ無機であれ、任意の薬剤、化学物質、または基質、あるいは抗体およびその機能的フラグメントを含む任意のタンパク質、ペプチド、ポリペプチド、ペプトイド、核酸、オリゴヌクレオチドなどを指す。
【0022】
本明細書において「VEGFを阻害する化合物」とは、血管内皮増殖因子(VEGF)の活性または産生を阻害する化合物を意味する。それは例えば、小有機分子、VEGFに特異的な抗体または抗体フラグメント、ペプチド、環状ペプチド、核酸、アンチセンス核酸、RNAi、およびVEGF発現を核酸レベルで阻害するリボザイムを含む、VEGFと結合し得る化合物を意味する。VEGFを阻害する化合物の例としては、US6,168,778またはUS6,147,204に記載されている、主要な可溶性ヒトVEGFイソ型と高い親和性で結合する改良型ペグ化アプタマーであるEYE001(これまでNX1838と呼ばれている)などのVEGFの核酸リガンド;VEGFポリペプチド(例えば、US6,270,933およびWO99/47677);核酸レベルでVEGFの発現を阻害するオリゴヌクレオチド、例えば、アンチセンスRNA(例えば、US5,710,136;US5,661,135;US5,641,756;US5,639,872;およびUS5,639,736)が挙げられる。当技術分野で公知のVEGFシグナル伝達の阻害剤の他の例(本発明の導入参照)としては、例えば、ZD6474(Tuccillo et al., 2005, Clin Cancer Res., 11, 1268-76);COX−2、Tie2受容体、アンギオポエチンおよびニューロピリン阻害剤;色素上皮由来因子(PEDF)、エンドスタチンおよびアンギオスタチン、可溶性fins様チロシンキナーゼ1(sFlt1)ポリペプチドまたはポリヌクレオチド(Harris et al., 2001, Clin Cancert Res., 7, 1992-1997;US5,861,484);PTK787/ZK222 584;KRN633(Maier et al., 2004, Mol Cancer Ther., 3, 1639-1649);VEGF−Trap(登録商標)(Regeneron);硝子体内ステロイド、例えば、トリアムシノロン(triamcinolone);およびα2−抗プラスミン(Matsuno et al, 2003, Blood, 120, 3621-3628)。VEGFおよびその阻害剤に関する総説としては、例えば、Campochiaro, 2004, Expert Opin Biol Ther., 4, 1395-1402; Ferrara, 2004, Endocr. Rev., 25, 581-611)参照。好ましい実施形態によれば、VEGFを阻害する化合物は、US6,100,071、US5,730,977またはWO98/45331に記載されているものなどの、抗VEGF抗体または機能的抗体フラグメント、最も好ましくはヒト化抗体または機能的そのフラグメントである。より好ましい実施形態によれば、VEGFを阻害する化合物は、VEGFまたは(VEGFB.I C、 D;PDGF)などの関連のファミリーメンバーに対する抗体もしくはその抗体フラグメント、またはそのアプタマーがある。好ましい例は。抗VEGF抗体、例えば、Avastin(商標)(ベバシズマブ(bevacizumab)とも呼ばれる、Genentech)またはそのフラグメント、例えば、Lucentis(商標)(rhuFAb V2またはAMD−Fabとも呼ばれる;ラニビズマブ(ranibizumab),Genentech)およびVEGF阻害アプタマーなどの他の抗VEGF化合物、例えば、Macugen(商標)(ペガプタニブナトリウム(pegaptanib sodium)、抗VEGFアプタマーまたはEYE001とも呼ばれる、Pfizer)がある。
【0023】
本明細書において「抗体」は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体調製物、CDRグラフト抗体調製物、ならびに親抗体分子の免疫結合特性を示すハイブリッド抗体、変更抗体、F(AB)’フラグメント、F(AB)分子、Fvフラグメント、単鎖ドメイン抗体、キメラ抗体およびその機能的フラグメントを含む調製物を包含する。これらの抗体はまたヒト化することもできる。「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ技術により生産されるものに限られない。「モノクローナル抗体」とは、真核生物、原核生物、またはファージクローンを含む単一のクローンに由来する抗体またはその機能的フラグメントを意味し、それが作出される方法を意味するものではない。
【0024】
本明細書において「過剰に蓄積したマトリックスの分解の上昇をもたらす薬剤」とは、プラスミン、メタロプロテアーゼまたはプロテアーゼの組合せを含むセリンプロテアーゼなどのプロテアーゼおよび本明細書で定義された血栓溶解性化合物からなる群から選択される化合物を意味する。
【0025】
本明細書において「血栓溶解性化合物」とは、フィブリノゲンおよび/またはフィブリンマトリックスの消化を直接的または間接的に活性化し得る化合物、より詳しくはプロテアーゼを意味する。これらの血栓溶解性化合物は、閉塞性動脈または静脈血栓を溶解するため、また、心血管疾患の治療のための薬剤として当技術分野でよく知られている。好ましい実施形態によれば、本発明の血栓溶解性化合物はストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ(アボキナーゼ)および組織プラスミノーゲン活性化因子[tPA;レテプラーゼ(reteplase)(Rapilysine(商標))、アステプラーゼ(alteplase)(Actilyse(商標))、テネクテプラーゼ(Tenecteplase)(Metalyse(商標))]、またはその混合物からなる群から選択される。
【0026】
別の実施形態によれば、前記組合せ製品は、生体適合性ポリマーまたはフィブリン糊成分を、VEGFを阻害する該化合物および/または該血栓溶解性化合物の、特に、組合せ製品が眼の眼球内に入れられた(intraocularly placed)後に眼の内部への放出を遅延させるのに有効な量でさらに含む。別の特定の実施形態によれば、該組合せ製品は、眼科上適合する溶媒成分を、該ポリマー成分またはフィブリン糊成分を可溶化するのに有効な量でさらに含み、この組合せ製品は眼の内部の眼球内に入れられた後に、ポリマー成分またはフィブリン糊成分を含まない実質的に同じ組成物を眼球内に入れる場合よりも、眼における、該VEGF阻害化合物および/または該血栓溶解性化合物の緩徐放出を形成するのに有効である。
【0027】
本発明の別の態様では、本発明の組合せ製品は、グルココルチコイド(例えば、プレドニゾロン(prednisolone)、プレドニゾン(prednisone)、デキサメタゾン(dexamethasone)、トリアムシノロン(triamcinolone))、エストロゲン(例えば、エストロジオール)、アンドロゲン(例えば、テストステロン)レチノイン酸誘導体(例えば、9−シス−レチノイン酸、13−トランス−レチノイン酸、全−トランスレチノイン酸)、ビタミンD誘導体(例えば、カルシポトリオール(calcipotriol)、カルシポトリエン(calcipotriene))、非ステロイド系抗炎症薬、非ステロイド系イムノフィリン(immunophilin)依存性免疫抑制薬(NsIDI−例えば、シクロスポリン(cyclosporin)、タクロリムス(tacrolimus))、選択性セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI;例えば、フルオキセチン(fluoxetine)、セルトラリン(sertraline))、三環式抗鬱薬(TCA;例えば、マプロチリン(maprotiline)、アモキサピン(amoxapine))、フェノキシフェノール(例えば、トリクロサン(triclosan))、抗ヒスタミン(例えば、ロラタジン(loratadine)、エピナスチン(epinastine))、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、イブジラスト(Ibudilast))、ビタミンD誘導体、抗感染薬、タンパク質キナーゼC阻害剤、MAPキナーゼ阻害剤、抗アポトーシス薬、増殖因子、栄養ビタミン、不飽和脂肪酸、および/または本明細書に示される眼の障害の治療のための眼用抗感染薬(例えば、US2003/0119786;WO2004/073614;WO2005/051293;US2004/0220153;WO2005/027839;WO2005/037203;WO03/0060026に開示されている化合物参照)からなる群から選択される化合物をさらに含み得る。本発明のさらに他の実施形態では、これらの薬剤の混合物を使用することができる。使用可能な眼用抗感染薬としては、限定されるものではないが、ペニシリン(アンピシリン(ampicillin)、アジオシリン(aziocillin)、カルベニシリン(carbenicillin)、ジクロキサシリン(dicloxacillin)、メチシリン(methicillin)、ナフシリン(nafcillin)、オキサシリン(oxacillin)、ペニシリンG、ピペラシリン(piperacillin)およびチカルシリン(ticarcillin))、セファロスポリン(セファマンドール(cefamandole)、セファゾリン(cefazolin)、セフォタキシム(cefotaxime)、セフスロジン(cefsulodin)、セフタジジン(ceftazidime)、セフトリアキソン(ceftriaxone)、セファロシン(cephalothin)およびモキサラクタム(moxalactam))、アミノグリコシド(アミカシン(amikacin)、ゲンタマイシン(gentamicin)、ネチルマイシン(netilmicin)、トブラマイシン(tobramycin)およびネオマイシン(neomycin))、その他の薬剤、例えば、アズトレオナム(aztreonam)、バシトラシン(bacitracin)、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)、クリンダマイシン(clindamycin)、クロラムフェニコール(chloramphenicol)、コトリモキサゾール(cotrimoxazole)、フシジン酸(fusidic acid)、イミペネム(imipenem)、メトロニダゾール(metronidazole)、テイコプラニン(teicoplanin)およびバンコマイシン(vancomycin))、抗真菌薬(アムホテリシンB(amphotericin B)、クロトリマゾール(clotrimazole)、エコナゾール(econazole)、フルコナゾール(fluconazole)、フルシトシン(flucytosine)、イトラコナゾール(itraconazole)、ケトコナゾール(ketoconazole)、ミコナゾール(miconazole)、ナタマイシン(natamycin)、オキシコナゾール(oxiconazole)およびテルコナゾール(terconazole))、抗ウイルス薬(アシクロビル(acyclovir)、エチルデオキシウリジン、ホスカルネット(foscarnet)、ガンシクロビル(ganciclovir)、イドクスウリジン(idoxuridine)、トリフルリジン(trifluridine)、ビダラビン(vidarabine)および(S)−1−(3−ジドロキシ−2−ホスホ−ニルエトキシプロピル)シトシン(HPMPC))、抗悪性腫瘍薬(アルキル化剤(クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、メクロレタミン(mechlorethamine)、メルファラン(melphalan)およびブスルファン(busulfan))、アントラサイクリン系抗生物質(ドキソルビシン(doxorubicin)、ダウノマイシン(daunomycin)およびダクチノマイシン(dactinomycin))、シスプラチンおよびニトロソ尿素)などの細胞周期非特異的薬剤);抗ピリミジン(シタラビン(cytarabine)、フルオロウラシルおよびアザシチジン(azacytidine))、抗葉酸(メトトレキサート(methotrexate))、抗プリン(メルカプトプリンおよびチオグアニン)、ブレオマイシン(bleomycin)、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン(vincrisine)およびビンブラスチン(vinblastine))、ポドフィロトキシン(エトポシド(etoposide)(VP−16))ならびにニトロソ尿素(カルムスチン(carmustine)、(BCNU))などの代謝拮抗物質;シクロスポリンAおよびSK506などの免疫抑制薬;および抗炎症または抑制薬(阻害剤)、ならびにプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤などのタンパク質分解酵素の阻害剤が挙げられる。上記薬剤の局所投与および結膜下投与のための用量、ならびに硝子体内用量および硝子体半減期はIntravitreal Surgery Principles and Practice, Peyman G A and Shulman, J Eds., 2nd edition, 1994, Appleton- Longeに見出すことができ、この関連の節は引用することにより本明細書の一部とされる。
【0028】
別の実施形態によれば、前記組合せ製品は薬学上許容される担体をさらに含む。このような医薬担体は水、ならびに落花生油、大豆油、鉱油などの石油、動物、植物または合成起源のものを含む油といった無菌液体であり得る。生理食塩水および水性デキストロース、ポリエチレングリコール(PEG)およびグリセロール溶液もまた、特に注射溶液用の液体担体として使用可能である。好適な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、グリセロール、プロピレン、グリコール、水などが挙げられる。組合せ製品は所望により、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤も含むことができる。好適な医薬担体の例は、E. W. Martinにより、”Remington’s Pharmaceutical Sciences”に記載されている。好ましい実施形態では、該組合せ製品は眼への注射に適合された医薬組成物として常法に従って処方される。一般に、注射用組合せ製品は無菌等張水性バッファー中の溶液である。必要であれば、該組合せ製品はまた可溶化剤も含み得る。一般に、これらの成分は、例えば、有効薬の量を示すアンプルまたはサシェなどの湿度密閉容器中の凍結乾燥粉末または水不含濃縮物としての単位投与形で個別に、または混合して供給される。組合せ製品が注入(infusion)により投与される場合、無菌医薬級水または生理食塩水を含有する点滴瓶で分配することができる。組合せ製品が注射(injection)により投与される場合、投与前に成分を混合し得る無菌注射水または生理食塩水のアンプルを提供することができる。
【0029】
別の実施形態によれば、本発明は、このような治療を必要とする患者において、該患者に本発明の組合せ製品を投与するステップを含む、眼組織の血管新生を含む血管新生および関連の疾病または症状を阻害、治療または予防する方法に関する。
【0030】
一実施形態によれば、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす少なくとも1つの薬剤、の投与は、眼組織の血管新生を含む血管新生および関連の障害を阻害、治療または予防するための相乗作用をもたらす。
【0031】
好ましい実施形態によれば、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)少なくとも1つの血栓溶解性化合物、の投与は、眼組織の血管新生を含む血管新生および関連の障害を阻害、治療または予防するための相乗作用をもたらす。
【0032】
本明細書において「患者」とは、血管新生を受け得る眼組織を有するいずれの動物も意味する。好ましくは、この動物は脊椎動物、特に哺乳類種に属するものであり、限定されるものではないが、飼育動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウマ、イヌおよびネコ)、ヒトを含む霊長類が挙げられる。「患者」とは、特定の病態に何ら限定されず、着目する疾病をすでに発症している患者と病状の無い患者の双方を包含する。
【0033】
本発明によれば、該方法は、限定されるものではないが、癌、腫瘍血管形成、乾癬、関節リウマチ、眼の血管新生および関連の障害を含む血管新生の発症を特徴とするいくつかの疾病および障害を阻害、予防または治療するために使用可能である。本発明によれば、血管新生およびその関連の障害(または疾病もしくは症状)は、好ましくは眼の血管新生および関連の障害、例えば、黄斑浮腫、虚血性網膜症、眼内血管新生、加齢黄斑変性、角膜血管新生、網膜血管新生、脈絡膜血管新生、早期網膜症、外傷性の眼の損傷、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜虚血、糖尿病性網膜浮腫、増殖性糖尿病性網膜症、バードショット病、多発性脈絡膜炎およびいずれかの眼の病態に関連する血管新生である。
【0034】
本発明によれば、組合せ製品の(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす少なくとも1つの薬剤または好ましくは少なくとも1つの血栓溶解性化合物、の投与は、同時投与または逐次投与、あるいは経時的交互投与(administration which is staggered over time)であり得る。同時とは一緒に投与することを指す。この場合、これらの2つの必須化合物[(i)と(ii)]は投与前に組成物を形成するように混合することもできるし、あるいは別の化合物として患者に同時に投与することもできる。また、それらを逐次投与、すなわち、本発明の組合せ製品のどちらの化合物が先に投与されるかを問わず、一方の後に他方を投与することができる。最後に、経時的に交互するか、または間欠的であり、定期的であってなくてもよい間隔で停止および再開する投与様式を使用することができる。これら二成分の投与の経路および部位は異なってもよいことが指摘される。投与間の時間間隔は重要ではなく、当業者ならば定義することができる。10分〜72時間、有利には30分〜48時間、好ましくは1〜24時間、極めて好ましくは1〜6時間の間隔を推奨することができるが、この間隔はもっと長くてもよく、1か月にわたってもよい。
【0035】
眼科適用のための本組合せ製品の投与は眼内注射によるものが好ましいが、他の投与様式も有効であり得る。一般に、眼用組成物は個体の眼内に送達される(化学的送達系または侵襲的デバイスによる)。しかしながら、本発明は、局所投与(眼外適用)または全身投与(例えば、経口または例えば皮下投与などの他の非経口経路)または腫瘍内投与も含むという点で、眼内送達に限定されるものではない。非経口投与は臨床医に明らかな適当な環境で用いられる。好ましくは、これらの眼用組成物は、厳密な投与量の単回投与に好適な単位投与形で投与される。
【0036】
上述のように、眼内領域へのin situ送達は、厳密に定量された量の所望の眼用組成物を眼内の特定のコンパートメントまたは組織(例えば、後眼房または網膜)へ導入するために設計された注射、カニューレまたは他の侵襲的デバイスにより達成することができる。眼内注射は硝子体内、または結膜下、または眼窩後方、強膜、またはテノン嚢下へのものであってよく、デポー形態であってもよい。他の眼内投与経路ならびに注射部位および形態も意図され、本発明の範囲内にある。好ましい実施形態では、本発明の組合せ製品は網膜下注射により送達される。
【0037】
一実施形態では、眼用組成物は眼の症状を治療または予防するために眼内注射される(例えば、硝子体内または網膜下)。眼用組成物を眼内注射により投与する場合、注射量を最小限にするために有効薬剤は濃縮すべきである。好ましくは、注射量は約5ml未満である。このような量は、眼内圧の上昇および送達ニードルにより形成される開口部からの注射液の漏出を防ぐために硝子体液の補償的排出を必要とする場合がある。より好ましくは、注射量は約1.0ml〜0.05mlの間である。最も好ましくは、注射量はおよそ0.1mlである。
【0038】
注射では、約20mg/ml未満の濃度が注射可能であり、従前に記載した因子に応じたいずれの量も有効であり得る。好ましくは、約10mg/mlの用量が投与される。サンプル濃度としては、限定されるものではないが、約5μg/ml〜約50μg/ml;約25μg/ml〜約100μg/ml;約100μg/ml〜約200μg/ml;約200μg/ml〜約500μg/ml;約500μg/ml〜約750μg/ml;約500μg/ml〜1mg/mlまでなどが挙げられ、好ましくは50mg/mlである。化合物(i)および(ii)の濃度はさらに、1つの該組合せ製品で違ってもよい。好ましい実施形態では、最大100μgの化合物(ii)が投与される。もう1つの好ましい実施形態では、化合物(i)を10mg/mlで含有する組成物が0.1mlだけ患者に投与される。
【0039】
眼内注射は当技術分野でよく知られている種々の方法によって達成することができる。例えば、眼をBetadine(登録商標)などの殺菌剤で洗浄し、適当な担体中の本発明の化合物を微小ニードル(例えば、27ゲージ)で、軸表面近くの後極に定着するような眼の位置に注射する。注射前に陽圧をかけることで眼の注射準備を行う必要がある場合がある。場合によっては、予め硝子体切除が必要な場合もある。局所麻酔または全身麻酔が必要な場合もある。
【0040】
本発明の実施に用いるシリンジは21〜40ゲージニードルに適合可能であるものが適切であり、例えば1.5mlまたはより好ましくは0.1mlといった容積の小さいものが好ましい。ニードルとシリンジは、シリンジからニードルが取り外せるタイプのものが可能であるが、シリンジ/ニードル一体構成のものが好ましい。これにより明らかにシリンジからニードルが外れる可能性が限られたものとなる。また、構成は不正開封防止型のものであることが好ましい。よって、本発明の組合せ製品は、投与用調製済みシリンジで、単回単位用量の形態、あるいは各々組合せ製品の一部を含む個別の単位量の形態で提供することができる。
【0041】
好適なシリンジ形態は例えば、Becton Dickinson and Companyにより製造されたUniject(登録商標)の名称で販売されている。この形態のシリンジでは、プランジャーではなくニードルを供給する柔軟なリザーバーの端部にかけられる圧力により、材料がニードルを介して眼に放出される。名称が示すように、このリザーバーとニードルの構成は単一のユニットを形成する。
【0042】
眼の障害の治療または予防のための本発明の眼用組合せ製品の局所適用は軟膏、ゲルまたは点眼剤であってもよい。局所的眼用組成物はさらに、in situゲル化水性処方物であってもよい。このような処方物は、眼または眼の外面の涙液と接触した際にゲル化を促進するのに有効な濃度でゲル化剤を含む。好適なゲル化剤としては、限定されるものではないが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの四置換エチレンジアミンブロックコポリマー(例えば、ポロキサミン)などの熱固化性ポリマー;ポリカルボフィル;およびゲラン、カラギーナン(例えば、κ−カラギーナンおよびι−カラギーナン)、キトサンおよびアルギン酸ガムなどの多糖類が挙げられる。
【0043】
本明細書において「in situゲル化性」とは、眼または眼の外面の涙液と接触した際にゲルを形成する低粘度の液体だけでなく、眼に投与した際に実質的に高い粘度またはゲルの堅さを示す半液体の揺変性ゲルなどの粘稠な液体も含む。
【0044】
眼の障害の治療のための局所的眼用組成物を調製するためには、当技術分野で公知のように、治療上有効な量の本発明の組合せ製品を眼科用ビヒクル中に置く。例えば、ステロイドを含有する局所的眼用処方物がUS5,041,434に記載されており、眼用薬と高粘度ゲルを形成するための高分子量ポリマーの徐放性眼用処方物がUS4,271,143およびUS4,407,792に記載されている。さらに、GB2007091には、カルボキシビニルポリマー、水溶性塩基性物質および眼用薬の水溶液を含むゲル形態の眼用組成物が記載されている。あるいは、US4,615,697には、生物接着性薬剤および抗炎症薬などの治療薬に基づく徐放性組成物および使用方法が開示されている。
【0045】
投与される組合せ製品の量およびその方法に用いられる局所的眼用組合せ製品中の化合物の濃度は、選択された希釈剤、送達系またはデバイス、患者の臨床症状、副作用および処方物中における化合物の安定性によって異なる。よって、臨床医は、着目する患者または類似の患者での臨床経験に応じ、適当な濃度の化合物(i)および/または(ii)を含有する適当な製剤を用い、処方物の投与量を選択する。
【0046】
組合せ製品は2種類以上の有効薬を含むが、これらの有効薬は混合物として、または混和物として、または同じ眼用組成物として、または個別の処方物として、または放出延長処方物、リポソーム、マイクロカプセルとして、従前に記載した実施形態のいずれかとして投与することができる。
【0047】
該組合せ製品はまた、眼の障害の治療または予防するために当業者に知られているように、マイクロスフェア、マイクロカプセル、リポソームなどの担体処方物とともに緩徐放出処方物として、または局所用軟膏もしくは溶液として、または静脈用溶液もしくは懸濁液として、または眼内注射として投与することもできる。
【0048】
時限放出薬物送達系は、一定の時間にわたって組合せ製品の徐放性が得られるように眼内投与することができる。該組合せ製品は,ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ無水物、ポリラクチド−co−グリコリド、ポリアミノ酸、ポリエチレンオキシド、アクリル末端ポリエチレンオキシド、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリホスファゼン、ポリ(オルトエステル)、酢酸イソ酪酸スクロース(SAIB)、および米国特許第6,667,371号;同第6,613,355号;同第6,596,296号;同第6,413,536号;同第5,968,543号;同第4,079,038号;同第4,093,709号;同第4,131,648号;同第4,138,344号;同第4,180,646号;同第4,304,767号;同第4,946,931号(各々、引用することによりそのまま本明細書の一部とされる)などのその他のポリマー、またはマイクスフェアもしくはリポソームとして処方可能な脂質などの生体適合性ポリマーのマイクロもしくはマクロカプセルまたはマトリックスといったビヒクルの形態であり得る。顕微鏡的または肉眼的眼用組成物はニードルによって投与することもできるし、あるいは例えば硝子体内腔または網膜下空間などの眼内に縫合することにより移植することもできる。緩徐型または延長型の放出特性は種々のビヒクル処方物(コーティングまたは非コーティングマイクロスフェア、コーティングまたは非コーティングカプセル、脂質またはポリマー成分、単層または多層構造、および上記のものの組合せなど)によって提供することができる。マイクロスフェア、マイクロカプセル、リポソームなどの処方および負荷ならびにそれらの眼内移植は当業者に公知の標準的技術である。
【0049】
本発明はまた、血管新生に関連する眼の障害の治療または予防のための方法も提供し、該方法は、例えば、網膜または眼窩後方または前方への挿入に好ましく適合したゲルまたはポリマーの形態の、生体適合性、生分解性マトリックス中の本発明の組合せ製品をインプラントとして投与する工程を含む。該組合せ製品がインプラントとして送達される場合には、それを液体としての、または例えば既知の化学を用いたミセルの形態の、または微粒子としての任意の既知の生体適合性生分解性マトリックスに配合することができる。
【0050】
緩徐または延長放出送達系は、いくつかの生体高分子(生物系)を含み、リポソーム、コロイド、樹脂を用いる系、および他のポリマー送達系またはコンパートメント化リザーバーを本明細書に記載の組成物とともに用いて、治療化合物の連続的または長期間供給源を提供することができる。
【0051】
好ましい緩徐放出デバイスではいずれも、前記化合物(i)および/または(ii)はインプラントの約10重量%〜90重量%の量で存在することが好ましい。前記化合物(i)および/または(ii)はインプラントの約50重量%〜約80重量%であるのがより好ましい。好ましい実施形態では、前記化合物(i)および/または(ii)はインプラントの約50重量%である。特に好ましい実施形態では、前記化合物(i)および/または(ii)はインプラントの約70重量%である。
【0052】
一形態では、本発明の方法に用いられるインプラントは、生体浸食性ポリマーマトリックス内に捕捉された化合物(i)および/または(ii)を用いて処方される。これらの化合物の放出は、ポリマーが浸食し、あらかじめ捕捉されていた化合物が硝子体に曝され、その後、化合物の溶解および放出が起こることにより達成される。この形態の薬物放出により達成される放出動態は、メチルセルロースなどのヒドロゲルによるものなど、ポリマーの膨潤により薬物を放出する処方物によって達成されるものとは異なる。この場合、有効化合物はポリマーの浸食によって放出されるのではなく、露出した経路から有効化合物を液体拡散物として放出するポリマーの膨潤によって放出されるものである。放出動態を決定するパラメーターはとしては、有効化合物の粒径、有効化合物の水に対する溶解度、有効化合物とポリマーの比率、製造方法、露出表面積、およびポリマーの浸食速度が含まれる。
【0053】
特に注目される生体適合性、非生分解性ポリマーの例としては、ポリカルバメートまたはポリ尿素、特にポリウレタン、架橋して、架橋ポリ(酢酸ビニル)などの非生分解性ポリマーを形成するポリマーなどが挙げられる。特に注目されるものとしてまた、エステル含量4%〜80%のエチレン−ビニルエステルコポリマー、例えば、エチレン−酢酸ビニル(EVA)コポリマー、エチレン−ヘキサン酸ビニルコポリマー、エチレン−プロピオン酸ビニルコポリマー、エチレン−酪酸ビニルコポリマー、エチレン−ペンタン酸ビニルコポリマー、エチレン−ビニルトリメチルアセテートコポリマー、エチレン−ビニルジエチルアセテートコポリマー、エチレン−ビニル3−メチルブタノエートコポリマー、エチレン−ビニル3−3−ジメチルブタノエートコポリマー、およびエチレン−安息香酸ビニルコポリマーが挙げられる。
【0054】
天然または合成非生分解性ポリマー材料のさらなる例としては、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、可塑化ポリ(塩化ビニル)、可塑化ポリ(アミド)、可塑化ナイロン、可塑化軟質ナイロン、可塑化ポリ(テレフタル酸エチレン)、天然ゴム、シリコーン、ポリ(イソプレン)、ポリ(イソブチレン)、ポリ(ブタジエン)、ポリ(エチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(アクリロニトリル、架橋ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(トリフルオロクロロエチレン)、塩素化ポリ(エチレン)、ポリ(4,4’−イソプロピリデンジフェニレンカーボネート)、塩化ビニリデン−アクリロニトリルコポリマー、ビニルクロリドジエチルフマレートコポリマー、シリコーン、シリコーンゴム(特に医学級)、ポリ(ジメチルシロキサン)、エチレン−プロピレンゴム、シリコーン−カーボネートコポリマー、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル−アクリロニトリルコポリマー、塩化ビニリデン−アクリロニトリルコポリマー、ポリ(オレフィン)、ポリ(ビニル−オレフィン)、ポリ(スチレン)、ポリ(ハロ−オレフィン)、ポリ(ビニル)、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(オキシド)、ポリ(エステル)、ポリ(アミド)、およびポリ(カーボネート)が挙げられる。
【0055】
インプラントからの有効化合物(i)および/または(ii)の拡散はまた、インプラントの構造によって制御することもできる。例えば、インプラントからの化合物(i)および/または(ii)の拡散は、薬物を含むポリマー層に膜を貼付することにより制御することができる。この膜層は化合物(i)および/または(ii)を含むポリマー層と所望の治療部位の中間に配置される。この膜は上記で示した生体適合性材料のいずれからなってもよく、ポリマー中に存在する化合物(i)および/または(ii)の他に薬剤が存在することで、化合物(i)および/または(ii)を含むポリマーの組成物に所望の拡散速度などが与えられる。
【0056】
本発明の方法で用いられる眼用組合せ製品のいずれかが眼内環境に留まる時間はとりわけ、その処方物に用いられている化合物の物理化学的および/または薬理学的特性、用いられる化合物の濃度、化合物のバイオアベイラビリティ、治療される疾病、投与様式および治療の好ましい寿命などの因子によって異なる。そのバランスをどこに合わせるかは、多くの場合、眼に必要とされる作用の寿命および治療する疾病によって異なる。
【0057】
本発明の方法に従う治療頻度は、治療される疾病、送達可能な化合物(i)および/または(ii)の濃度ならびに送達方法によって決まる。硝子体内注射により組合せ製品を送達する場合には、投与頻度は月1回であり得る。好ましくは、投与頻度は3ヶ月おきである。投与頻度はまた所見によって決定することもでき、それまでに送達された組合せ製品が目に見えて無くなった際に送達される。一般に、化合物の有効量は、徴候の主観的緩解または臨床医もしくは他の有資格観察者により示されるような客観的に識別可能な改善をもたらすものである。
【0058】
眼の障害の予防または治療を目的として本発明の方法で使用するために調製された眼用組合せ製品は、好ましくは何時間〜何ヶ月、また、可能性としては何年という持続時間を有するが、後者の場合にはこのような滞留時間を得るための特殊な送達系を必要とし、かつ/または反復投与を必要とする。最も好ましくは、本発明の方法で使用するための組合せ製品は何時間(すなわち、1〜24時間)、何日(すなわち、1、2、3、4、5、6または7日)または何週間(すなわち、1、2、3、4週間)という滞留時間(すなわち、目における滞留)を有する。あるいは、該組合せ製品は1か月、2か月、3か月といった少なくとも数ヶ月の滞留時間を有し、4、5、6、7〜12か月を超える滞留時間も達成可能である。
【0059】
本発明の眼の症状の治療または予防方法は単独で行っても、あるいは光線力学療法、レーザー手術、レーザー光凝固または1以上の生物学的もしくは薬理学的治療などの1以上の他の療法と組み合わせてもよい。これらの方法は当業者によく知られており、文献に広く開示されている。
【0060】
別の実施形態によれば、本発明は、患者において血管形成を媒介とする眼性疾患または症状を阻害、治療または予防する方法であって、該患者に、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす少なくとも1つの薬剤を含んでなる組合せ製品の、血管形成を阻害、軽減または予防するのに有効な量を投与することを含む方法に関する。
【0061】
別の実施形態によれば、本発明は、患者において血管形成を媒介とする眼性疾患または症状を阻害、治療または予防する方法であって、該患者に、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の上昇をもたらす少なくとも1つの薬剤とを、血管形成を阻害、軽減または予防するのに有効な量で同時投与することを含む方法に関する。
【0062】
別の実施形態によれば、本発明は、患者において血管新生の退縮を引き起こす方法であって、該患者に、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす少なくとも1つの薬剤を含んでなる組合せ製品の有効量を投与することを含む方法に関する。
【0063】
別の実施形態によれば、本発明は、患者において血管新生の退縮を引き起こす方法であって、該患者に、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす少なくとも1つの薬剤を同時投与することを含む方法に関する。
【0064】
有利な一実施形態によれば、本発明は、患者において血管形成を媒介とする眼性疾患または症状を阻害、治療または予防する方法であって、該患者に、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)少なくとも1つの血栓溶解性化合物を含んでなる組合せ製品の、血管形成を阻害、軽減または予防するのに有効な量を投与することを含む方法に関する。
【0065】
別の有利な実施形態によれば、本発明は、患者において血管形成を媒介とする眼性疾患または症状を阻害、治療または予防する方法であって、該患者に、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)少なくとも1つの血栓溶解性化合物を、血管形成を阻害、軽減または予防するのに有効な量を同時投与することを含む方法に関する。
【0066】
別の有利な実施形態によれば、本発明は、患者において血管新生の退縮を引き起こす方法であって、該患者に、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)少なくとも1つの血栓溶解性化合物を含んでなる組合せ製品の有効量を投与することを含む方法に関する。
【0067】
別の有利な実施形態によれば、本発明は、患者において血管新生の退縮を引き起こす方法であって、該患者に、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)少なくとも1つの血栓溶解性化合物を同時投与することを含む方法に関する。
【0068】
本明細書において「血管新生の退縮を引き起こす」とは、血管新生性疾患、特に上記で定義されたように眼の血管新生性疾患に罹患している患者において、特に眼における血管新生の量を低下させることを意味する。
【0069】
別の実施形態によれば、本発明は、患者における眼組織の血管新生を含む血管新生、および関連の障害、ならびにより具体的には上記に挙げられているものの予防的治療または治療的治療に有用な組成物の調製のための、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす少なくとも1つの薬剤の使用に関する。
【0070】
別の有利な実施形態によれば、本発明は、患者における眼組織の血管新生を含む血管新生、および関連の障害、ならびにより具体的には上記に挙げられているものの予防的治療または治療的治療に有用な組成物の調製のための、(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)少なくとも1つの血栓溶解性化合物の使用に関する。
【0071】
当業者ならば、本明細書に記載の本発明が具体的に記載されているもの以外の変更や変形を受け得ることが分かるであろう。本発明は、このような変更や変形を総て含む。本発明はまた、本明細書に言及されている、または示されている段階、特徴、処方物および化合物の総てを個々にまたは合わせて、また、あらゆる組合せまたはいずれか2つ以上の段階または特徴も含む。
【0072】
本明細書に引用されている各文献、参照文献、特許出願または特許は、引用することによりそのまま本明細書の一部とされるが、これは読者が本明細書の一部として読み、考慮しなければならないことを意味する。本明細書に引用されている各文献、参照文献、特許出願または特許は、単に簡潔にするために繰り返さない。
【0073】
本発明は本明細書に記載される特定の実施形態によって範囲を限定されるものではなく、それは単に例示を意図する。機能的な等価な製品、処方物および方法は明らかに本明細書に記載される本発明の範囲内にある。
【0074】
本明細書に記載される発明は1以上の数値範囲(例えば、大きさ、濃度など)を含み得る。数値の範囲は、その範囲を定義する値を含め、その範囲内にある総ての値、およびその範囲の境界を定義する値とすぐ隣接する値と実質的に同じまたは実質的に同じ結果をもたらす、その範囲に隣接する値を含むと理解される。
【実施例】
【0075】
実施例:加齢性黄斑変性(AMD)による網膜下血管新生を受けている患者の、本発明の組合せ製品による治療
加齢性黄斑変性(AMD)による網膜下血管新生を受けている2人の患者(患者1および患者2)を本発明の2種類の化合物:(i)VEGF阻害剤(ベバシズマブ、Avastin(商標)、Genentech)および(ii)血栓溶解性化合物(組換え組織プラスミノーゲン活性化因子:rTPA)の同時投与により治療した。扁平部硝子体切除術後に、両化合物を網膜下空間に同時に局所投与した。総量0.6mlの緩衝生理食塩水中、50μgのrTPAを伴う総量1.25mgのベバシズマブを網膜下空間に注射した。手術の終了時にSF6ガスタンポナーデまたはエアタンポナーデを行い、5日間(手術1日後からはじまる)下向きを伴った。
【0076】
1人目の患者(患者1)は、右目に潜伏性(occult)血管新生を受けている86歳の女性であった(図1および2参照)。この血管新生は色素上皮剥離(PED)と軽度の網膜下出血を伴っていた。眼は偽水晶体眼(pseudophakic)であった。本発明の治療前、最高矯正EDTRS視力は20/250であった。治療2か月後、視力は20/50となり、光干渉断層法(OCT)では、PEDの完全な退縮が示された。フルオレセインおよびインフラシアニン血管造影法では、潜伏性血管新生の活動が減少していた(図3および4参照)。
【0077】
2人目の患者(患者2)は、右目に、ほとんど網膜下出血のない古典的血管新生を受けている75歳の男性であった(図5および6参照)。眼はフェイキック眼(phakic)であった。最高矯正EDTRS視力は本発明の治療前の20/120から治療2か月後には20/50まで改善した。治療2か月後、網膜下空間はOCTでは解剖学的に正常に見え、フルオレセイン(図7)およびインフラシアニン血管造影法(図8)では持続的な血管新生は見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の組合せ製品による治療前にフルオレセイン血管造影法により評価した患者1の潜伏性血管新生。
【図2】本発明の組合せ製品による治療前にインフラシアニン血管造影法により評価した患者1の潜伏性血管新生。
【図3】本発明の組合せ製品による治療後にフルオレセイン血管造影法により評価した患者1の潜伏性血管新生。
【図4】本発明の組合せ製品による治療後にインフラシアニン血管造影法により評価した患者1の潜伏性血管新生。
【図5】本発明の組合せ製品による治療前にフルオレセイン血管造影法により評価した患者2の潜伏性血管新生。
【図6】本発明の組合せ製品による治療前インフラシアニン血管造影法により評価した患者2の潜伏性血管新生。
【図7】本発明の組合せ製品による治療後にフルオレセイン血管造影法により評価した患者2の潜伏性血管新生。
【図8】本発明の組合せ製品による治療後にインフラシアニン血管造影法により評価した患者2の潜伏性血管新生。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする患者において血管新生性疾患を治療するための、治療上有効な量の(i)VEGFを阻害する少なくとも1つの化合物と(ii)過剰に蓄積したマトリックスの分解の増加をもたらす少なくとも1つの薬剤とを含んでなる、組合せ製品。
【請求項2】
前記血管新生性疾患が眼組織の血管新生である、請求項1に記載の組合せ製品。
【請求項3】
化合物(i)が抗VEGF抗体、その機能的抗体フラグメントおよびVEGF阻害アプタマーからなる群から選択される、請求項1および2に記載の組合せ製品。
【請求項4】
化合物(i)がベバシズマブまたはそのフラグメント、ラニビズマブおよびVEGF阻害アプタマーペガプタニブナトリウムからなる群から選択される、請求項3に記載の組合せ製品。
【請求項5】
化合物(ii)がセリンプロテアーゼである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組合せ製品。
【請求項6】
前記セリンプロテアーゼがプラスミン、メタロプロテアーゼまたはプロテアーゼの組合せおよび血栓溶解性化合物からなる群から選択される、請求項5に記載の組合せ製品。
【請求項7】
前記血栓溶解性化合物がストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ(アボキナーゼ)および組織プラスミノーゲン活性化因子、またはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5および6に記載の組合せ製品。
【請求項8】
前記血管新生性疾患が癌、腫瘍血管形成、乾癬、関節リウマチ、眼の血管新生および関連の障害からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組合せ製品。
【請求項9】
前記血管新生性疾患が黄斑浮腫、虚血性網膜症、眼内血管新生、加齢性黄斑変性、角膜血管新生、網膜血管新生、脈絡膜血管新生、早期網膜症、外傷性の眼の損傷、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病性網膜虚血、糖尿病性網膜浮腫、増殖性糖尿病性網膜症、バードショット病、多病巣性脈絡膜炎および眼の病態に関連する血管新生からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組合せ製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−535371(P2009−535371A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508224(P2009−508224)
【出願日】平成19年5月4日(2007.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003967
【国際公開番号】WO2007/128526
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508328855)フォベア、ファルマスティカル、ソシエテ、アノニム (3)
【氏名又は名称原語表記】FOVEA PHARMACEUTICALS SA
【出願人】(508328866)
【氏名又は名称原語表記】FONDATION OPHTHALMOLOGIQUE ADOLPHE DE ROTHSCHILD
【Fターム(参考)】