説明

血管様構造物を含む三次元細胞培養物

【課題】血管様の中空管状の構造物を内部に含む三次元細胞培養物を提供する。
【解決手段】(a)コア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含み、血管構築用細胞を含むアシェル型ゲルファイバを製造する工程;(b)該ゲルファイバを培養し、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバを得る工程;及び(c)コア部の解離性ゲルファイバを除去して中空の血管様構造物を得る工程;及び(d)該血管様構造物を組織構築用細胞で包埋して培養を行ない、中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を得る工程を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は血管様構造物の構築方法、及び血管様構造物を含む三次元細胞培養物を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
細胞培養に汎用されているプラスチック製の細胞培養ディッシュでは培養細胞がディッシュ表面に張り付くように二次元的に伸展しながら増殖した培養物が得られる。このような培養物は個々の細胞の機能解明や増殖過程の解明などの研究目的には合致しているものの、生体内で細胞が三次元構造体である組織を形成して増殖・維持されている環境とはかけ離れていることから、より生体内環境に近い状態での細胞培養を可能にすべく三次元の培養物を調製するための細胞培養技術が開発されている。また、近年、iPS細胞などの幹細胞から所望の組織を形成する方法の開発が鋭意進められているが、幹細胞から分化させた細胞を用いて所望の三次元組織を構築するためにも三次元の培養物を調製する培養技術は有用である。
【0003】
三次元の培養物を調製するための手法としては、スフェロイド形成による手法(Tissue Engineering, 11, pp.1254-1262, 2005)、コラーゲン等のゲル内で細胞培養する手法(PLoS ONE, 3, pp.e2258, 1-10, 2008; Langmuir, 26, pp.2645-2649, 2010)、及び多孔質膜上で細胞培養する手法などが提案されており、例えば、中空糸内でヒト肝臓細胞を三次元培養した組織体も提供されている。また、シート状の細胞培養物(細胞シート)を積層させて三次元の細胞培養物を調製する細胞シート工学(Biomaterials, 28, pp.4939-4946, 2007)により生体組織に類似した三次元組織も種々構築されている。しかしながら、これらの手法により提供される三次元の細胞培養物の内部に人工的に形成された血管様の流路、例えば血管内皮細胞などからなる中空の管状構造を形成する技術はいまだ開発されていない。三次元細胞組織において得られる立体的な培養物の内部に人工的に血管様の流路を構築することができれば、培養液や血液などを循環させることによりガス交換や栄養分の供給などを行うことができるので、より生体に近い環境において三次元細胞培養物を維持することが可能になるほか、血管様組織を備えた人工組織として移植などの再生医療への応用も期待できる。
【0004】
特開2009-213716号公報には三次元ネットワークを形成する血管様組織を構築できる新たな血管形成法、及び当該血管様組織を備えたスフェロイド融合体の形成が開示されており、特開2010-29680号公報にはスキャフォルドを用いず、成体の心臓を構成する心筋組織以外の部分に由来する筋芽細胞からなる心臓疾患に適用するためのシート状三次元構造体の製造方法が開示されているが、これらの刊行物には中空ゲルファイバを用いて血管様構造を構築する方法は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-213716号公報
【特許文献2】特開2010-29680号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Tissue Engineering, 11, pp.1254-1262, 2005
【非特許文献2】PLoS ONE, 3, pp.e2258, 1-10, 2008
【非特許文献3】Langmuir, 26, pp.2645-2649, 2010
【非特許文献4】Biomaterials, 28, pp.4939-4946, 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、血管様構造物を製造する方法、及び血管様構造物を含む三次元細胞培養物を製造する方法を提供することにある。より具体的には、血管様の中空管状の構造物であって壁面内に血管内皮細胞などの血管構築用細胞を含む構造物、及び該血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を提供することが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、コア部のアルギン酸ゲルなどの解離性ゲルファイバをコラーゲンゲルなどの細胞接着性ゲルで被覆したコアシェル型ゲルファイバの内部に血管内皮細胞などの血管構築用細胞を入れて培養すると、シェル部の細胞接着性ゲルにおいて細胞が増殖してゲル部が細胞で満たされた状態のコアシェル型ゲルファイバが得られること、及びシェル部の細胞接着性ゲルの外側や内部に血管構築用細胞を入れて培養した場合にも同様のコアシェル型ゲルファイバが得られること、並びにその後にコア部の解離性ゲルファイバを除去すると、増殖した血管構築用細胞を含むシェル部の細胞接着性ゲルだけが残り、血管構築用細胞を含む中空の血管様構造物を得ることができることを見出した。
【0009】
さらに、血管内皮細胞などの血管構築用細胞を含むコアシェル型ゲルファイバを製造した後に、該ゲルファイバを多数の細胞スフェロイドなどの細胞塊で埋め込んで培養を継続すると、これらの細胞塊が連結してより大きな三次元細胞培養物が形成されるとともに、コアシェル型ゲルファイバにおいてはコラーゲンゲルなどの細胞接着性ゲル部が血管構築用細胞で満たされた状態になること、及びその後にコアシェル型ゲルファイバの解離性ゲルファイバを除去すると、三次元細胞培養物の内部に血管構築用細胞を含む中空の血管様構造物を構築できることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明により、血管様構造物の製造方法であって、下記の工程:
(a)少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバであって、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造する工程;
(b)上記工程(a)で得られたゲルファイバを培養し、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバを得る工程;及び
(c)上記工程(c)で得られたコアシェル型ゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を得る工程
を含む方法が提供される。
【0011】
この発明の好ましい態様によれば、血管構築用細胞が血管内皮細胞である上記の方法;該コアシェル型ゲルファイバのシェル部が同一又は異なる濃度の二重の細胞接着性ゲル層を含むゲルファイバである上記の方法;該コアシェル型ゲルファイバがさらに解離性ゲルファイバで被覆されたゲルファイバである上記の方法;解離性ゲルがアルギン酸ゲルである上記の方法;及び、血管構築用細胞としてさらに血管平滑筋細胞を含む上記の方法が提供される。
【0012】
別の観点からは、本発明により、血管様構造物を含む三次元細胞培養物の製造方法であって、下記の工程:
(a)少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバであって、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造する工程;
(b)上記工程(a)で得られたゲルファイバを培養し、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバを得る工程;及び
(c)上記工程(c)で得られたコアシェル型ゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を得る工程;及び
(d)上記工程(c)で得られた血管様構造物を組織構築用細胞で包埋して培養を行ない、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を得る工程
を含む方法が提供される。
【0013】
また、別の態様では、血管様構造物を含む三次元細胞培養物の製造方法であって、下記の工程:
(a)少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバであって、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造する工程;
(b)上記工程(a)で得られたゲルファイバを組織構築用細胞で包埋して培養を行ない、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバが包埋された三次元細胞培養物を得る工程;及び
(c)上記工程(b)で得られた培養物中に包埋されたゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を得る工程
を含む方法が提供される。
【0014】
この発明の好ましい態様によれば、血管構築用細胞が血管内皮細胞である上記の方法;該コアシェル型ゲルファイバのシェル部が同一又は異なる濃度の二重の細胞接着性ゲル層を含むゲルファイバである上記の方法;該コアシェル型ゲルファイバがさらに解離性ゲルファイバで被覆されたゲルファイバである上記の方法;血管構築用細胞としてさらに血管平滑筋細胞を含む上記の方法;解離性ゲルがアルギン酸ゲルである上記の方法;及び組織構築用細胞として細胞ビーズ、細胞スフェロイド、又は細胞シートのいずれか又はそれらの組み合わせを用いる上記の方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明の方法によれば、中空の壁面内に血管構築用細胞の培養物を含む血管様構造物を簡便に製造することができ、この血管様構造物を内部に包埋させた三次元細胞培養物を容易に製造することができる。得られた三次元細胞培養物には血管様の中空管状構造物から栄養分や酸素などを供給することができるので、より生体内の環境に近い状況下で長期にわたって安定に培養を継続することが可能になる。得られた三次元細胞培養物を代替組織や人工組織として使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の方法により血管様構造体を備えた三次元細胞培養物を調製する工程を模式的に示した図である。
【図2】コアシェル型ゲルファイバのコラーゲンゲル部(シェル部の外側表面)において血管内皮細胞が増殖している様子を示した図である。図中、上段のBright fieldは明視野像、下段のFluorescentは蛍光像を示し、蛍光像において緑はアルギン酸ゲル、赤はコラーゲンゲルを示す。増殖した血管内皮細胞により収縮が生じている(右上)。
【図3】コアシェル型ゲルファイバのコラーゲンゲル部(シェル部)において血管内皮細胞を増殖させた後に、コア部のアルギン酸ゲルをアルギン酸リアーゼで除去して得られた本発明の血管様構造体の様子を示した図である。
【図4】図3で示した血管様構造体の部分拡大図である。管の壁面を構成するコラーゲンゲル層の外側に付着した血管内皮細胞の存在が認められる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の方法は、血管様構造物の製造方法であって、下記の工程:
(a)少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバであって、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造する工程;
(b)上記工程(a)で得られたゲルファイバを培養し、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバを得る工程;及び
(c)上記工程(c)で得られたコアシェル型ゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を得る工程
を含むことを特徴としている。
【0018】
少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバは、一般的には、解離性ゲルファイバを調製した後に細胞接着性ゲルで被覆することにより製造することができる。コア部の解離性ゲルファイバの直径は特に限定されないが、最終的に血管様構造物の中空部の内径を調節するために例えば10μm〜10mm程度の範囲から適宜選択することができる。シェル部の細胞接着性ゲルの被覆厚も特に限定されないが、血管構築用細胞が十分に増殖して血管壁様の組織形成が容易になるように、例えば10μm〜5mm程度の範囲から適宜選択することができる。
【0019】
コアシェル型ゲルファイバの断面形状としては、円形、楕円系、又は四角形や五角形などの多角形など多様な形状であってもよい。断面形状としては円形が好ましい。例えば、コア部の断面形状が円形で、シェル部外側の断面形状が円形又は多角形などであってもよい。コアシェル型ゲルファイバの長さは特に限定されないが、数cm〜数メートル程度である。シェル部の被覆後のゲルファイバの外径も特に限定されないが、例えば30μm〜20mm程度の範囲である。もっとも、コア部の直径、シェル部の被覆厚、及びゲルファイバの外径は上記の範囲に限定されることはない。
【0020】
コア部の解離性ゲルとしては、例えばアルギン酸ゲルなどのほか、フィブリンゲル、ゼラチンゲル、又はキトサンゲルなどを用いることができ、ファイバ形成後に適宜の手段によりコア部の解離性ゲルを酵素処理、温度変化、又はpH変化などの方法により除去可能なものであればいかなるゲルを用いてもよい。超分子ゲルを用いることも可能である。コア部の解離性ゲルファイバは必要に応じて中空構造であってもよい。
【0021】
シェル部の細胞接着性ゲルとしてはコラーゲンゲルのほか、ラミニンゲル、プロテオグリカンゲル、フィブリンゲル、マトリゲルゲル、ゼラチンゲル、又はキトサンゲル、あるいはこれらの混合物からなるゲルなどを用いることができる。好ましくはコラーゲンゲルを用いることができる。細胞接着性ゲルとしては、例えば0.1〜0.3%程度の濃度のゲルを用いることができるが、同一又は異なる濃度の細胞接着性ゲルで複数の被覆、好ましくは二重の被覆を設けることもできる。
【0022】
細胞接着性ゲルで二重に被覆することにより細胞接着性ゲル層の機械的強度を高め、コア部の解離性ゲルファイバを安定に被覆することができる場合がある。例えば解離性ゲルファイバとして直径500μm程度のファイバを用いる場合には、0.2〜0.3%程度の細胞接着性ゲルで1mm程度の被覆を形成し、さらにそのうえに2mm程度の被覆を設けることもできる。また、シェル部の細胞接着性ゲルをさらに解離性ゲルファイバや他の高強度ゲル、例えばアガロースゲルなどを用いて被覆することも可能である。この場合の被覆厚も特に限定されないが、例えば10μm〜5mm程度の範囲から適宜選択することができる。
【0023】
コア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバの製造方法は特に限定されないが、一般的には、解離性ゲルファイバを通常の方法で調製した後、シリコーンチューブ内に解離性ゲルファイバを伸長した状態で充填し、さらにカルシウムイオンを含むコラーゲン溶液などの細胞接着性モノマー溶液をシリコーンチューブ内に導入して37℃程度で数分から1時間程度の加温を行うことにより細胞接着性ゲルを調製することができる。
【0024】
より直径の小さいコアシェル型ゲルファイバを調製するためには、例えばLab Chip, 4, pp.576-580, 2004のFig.1などに示される二重の同軸マイクロ流体装置(coaxial microfluidic device)を用いることが好ましい。この同軸流体装置を用いることにより、コア部の解離性ゲルファイバとシェル部の細胞接着性ゲル層を同時かつ簡便に調製することができる。この装置を用いてコア部とシェル部で異なるゲルを有するコアシェル型のマイクロファイバを製造する方法が報告されている(Hiroaki Onoe et al., "Core-shell gel wires for the construction of large area heterogeneous structures with biomaterials", Proceedings of 22nd IEEE International Conference on Micro Electro Mechanical Systems (MEMS), pp. 248-251, 2010)。
【0025】
例えば、架橋前のアルギン酸ナトリウム溶液(コア部ファイバ形成用の溶液)とコラーゲン溶液などの細胞接着性ゲル調製用モノマー溶液(シェル部形成用の溶液)を同軸となるようにコア部及びシェル部に分けて射出し、同軸のコア・シェル状態の流体を形成させ、その流体をCaCl2を含む水溶液中に導入して37℃で数分から1時間程度加温してゲル化させることにより、内側(コア部)の解離性ゲルファイバ及び外側(シェル部)の細胞接着性ゲルの2種類のゲルからなるコアシェル型のマイクロファイバを構築することができる。射出速度は特に限定されないが、口径50μm〜2 mm程度のサイズを有する同軸マイクロ流体装置を用いる場合には、10〜500μL/min程度で2種類の溶液を射出することができる。2種類の溶液の射出速度を調節することにより、コア部の直径及びシェル部の被覆厚みを適宜調節できる。カルシウムイオンを含む水溶液への導入速度も特に限定されないが、例えば1〜10 ml/min程度とすることができる。
【0026】
本発明の方法では、上記のコアシェル型ファイバの製造にあたり、ファイバに血管構築用細胞を導入しておく必要がある。血管構築用細胞としては、例えば血管内皮細胞のほか、血管平滑筋細胞などを用いることができる。血管内皮細胞と血管平滑筋細胞とを組み合わせて用いてもよい。例えば、コア部に設けられた第一の細胞接着性ゲル層に血管内皮細胞を入れておき、第一の細胞接着性ゲル層のうえに設けられた第二の細胞接着性ゲル層に血管平滑筋細胞を入れておくことにより、内腔の壁面を血管内皮細胞により形成させ、その外側に血管平滑筋細胞の層を設けることができる。また、コア部の解離性ゲルファイバ内に血管内皮細胞を入れておくと血管内皮細胞がシェル部の細胞接着性ゲル層に移動することから、コア部に血管内皮細胞を入れ、第一及び/又は第二の細胞接着性ゲル層に血管平滑筋細胞を入れておくことにより、これらの細胞層の積層状態を容易に形成することができる。また、ファイバ形成後に血管内皮細胞などの血管構築用細胞をシェル部の細胞接着性ゲルの外側に播種してもよく、ファイバの調製時に細胞接着性ゲル内に血管構築用細胞を導入しておいてもよい。
【0027】
細胞はゲル化前の細胞接着性ゲル調製用モノマー溶液及び/又はアルギン酸溶液に入れてゲル化させることによりゲルファイバ内に導入することができる。同軸流体装置を用いたコアシェル型ゲルファイバの調製において、コア部として細胞が導入されたコラーゲンゲル、シェル部としてアルギン酸ゲルを用いてコアシェル型のマイクロファイバを調製する方法はすでに知られているので(Hiroaki Onoe et al., "Cell fibers: Construction of centimeter-scale 3D heterogeneous tissues by weaving," Proc. in MicroTAS 2010, pp. 629, 2010)、この方法を応用してコア部に解離性ゲルファイバ及びシェル部にコラーゲンゲルなどの細胞接着性ゲルを有するコアシェル型ゲルファイバに細胞を容易に導入することができる。ゲルファイバに導入する細胞の数は特に限定されないが、例えば細胞接着性ゲル1 mm3あたり1×105 cells/mL〜1×108 cells/mL個程度とすることができる。必要に応じて血管構築用細胞を細胞接着性ゲルの外側に播種することもできる。
【0028】
血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造した後、このゲルファイバを培養してシェル部の細胞接着性ゲルにおいて該細胞を増殖させ、シェル部に該細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバを得ることができる。培養はシェル部において該細胞が増殖して十分な細胞密度になるまで行えばよいが、例えば血管内皮細胞の場合には細胞接着性ゲル中での細胞密度が1×106 cells/mL〜1×109 cells/mL程度になるまで培養を継続することができる。解離性ゲルファイバ内に血管内皮細胞を導入して培養した場合には、細胞がシェル部の細胞接着性ゲル層に移動して増殖するが、この態様における細胞の導入量及び培養後の細胞密度も上記と同じ範囲とすることができる。培養は例えば37℃程度の温度で数時間から数日程度行えばよい。必要に応じて細胞培養に必要な栄養源をゲル内にあらかじめ添加しておいてもよく、場合によってはコアシェル型ファイバを適宜の培養液中に浸漬して培養を行ってもよい。培養に際しては血管内皮細胞の増殖を促進するために例えばVEGF(血管内皮細胞増殖因子)ファミリーやその他の因子を添加することもできる。
【0029】
培養終了後には細胞接着性ゲル層に十分な細胞密度の血管構築用細胞の培養物を含んだコアシェル型ゲルファイバが得られるが、このコアシェル型ファイバのコア部の解離性ゲルを適宜の手段でゾル化するなどの方法により除去することができる。アルギン酸ゲルを用いる場合には、例えばアルギン酸リアーゼ、EDTA溶液、又はクエン酸ナトリウム溶液などで処理することにより除去することができる。アルギン酸リアーゼの濃度は特に限定されないが、例えば0.01〜1 mg/ml、好ましくは0.1 mg/ml程度の濃度で使用することができる。コアシェル型ファイバをアルギン酸リアーゼ溶液に浸漬してシェーカーで揺動させながら37℃で10分から数時間程度処理することにより、コア部のアルギン酸ゲルを完全に溶解して除去することができる。このようにして得られたゲルファイバは中空の管状構造を有しており、管の壁面を形成する細胞接着性ゲル中に血管構築用細胞の培養物を含む血管様構造物であり、管の内壁には十分な細胞密度で血管構築用細胞、好ましくは血管内皮細胞の細胞層が形成されている。
【0030】
別の観点から提供される本発明の方法は、血管様構造物を含む三次元細胞培養物の製造方法であって、上記の血管様構造物を組織構築用細胞で包埋して培養を行ない、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を得ることを特徴としている。
【0031】
また、同様の三次元細胞培養物は、下記の工程:
(a)少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバであって、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造する工程;
(b)上記工程(a)で得られたゲルファイバを組織構築用細胞で包埋して培養を行ない、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバが包埋された三次元細胞培養物を得る工程;及び
(c)上記工程(b)で得られた培養物中に包埋されたゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を得る工程
を含む方法によって製造することもできる。
【0032】
上記に説明した方法に従って、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造した後、ゲルファイバを組織構築用細胞で包埋して培養を行ない、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバが包埋された三次元細胞培養物を得ることができる。培養に用いる組織構築用細胞の形態は特に限定されないが、例えば、細胞塊として提供されているスフェロイド、二次元的な培養物である細胞シート、又は細胞集団を適宜の膜で包んだ細胞ビーズやビーズ表面に細胞を接着した細胞ビーズ、あるいは細胞とプレゲル溶液との混合物(プレゲル溶液としては、ラミニン、プロテオグリカン、フィブリン、マトリゲル、キトサンゲル、ポリエチレングリコール、ゼラチン、又はアルギン酸等の溶液を用いることができる)などを利用することができ、これらの1種又は2種以上を用いてゲルファイバを細胞のなかに包埋させて培養すると、スフェロイドや細胞シートがそれぞれ一体化してより大きな細胞集団となり、中空の血管様構造物を内部に含む組織様の三次元細胞培養物が得られる。培養に際して血管様構築物の内腔がつぶれないように管の内腔には生理食塩水や培地などを充填又は還流しておいてもよい。細胞の種類は特に限定されないが、例えば、骨格筋細胞、平滑筋細胞、神経細胞、肝細胞、心筋細胞、ケラチノサイト、又はES細胞やiPS細胞などの幹細胞など、多様な細胞を用いることができ、必要に応じて2種以上の細胞を用いることもできる。必要に応じて、組織構築用細胞に血管構築用細胞を導入しておくこともできる。
【0033】
別の態様では、血管構築用細胞を内部に含むコアシェル型ゲルファイバを調製した後、このゲルファイバを組織構築用細胞で包埋して培養することにより三次元細胞培養物を得て、その後に三次元細胞培養物中に包埋されたゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を得ることができる。
【0034】
得られた三次元細胞培養物には、血管様構造物の一端から栄養分や酸素を含む溶液を流し込むことにより、三次元細胞培養物の深部に栄養分や酸素を効率的に供給することができるので、長期間にわたって三次元細胞培養物を生体内と類似の環境で維持することが可能になる。三次元細胞培養物中に配置する血管様構造物の密度は特に限定されないが、三次元細胞培養物中に血管様構造物を80〜200μm程度の間隔をあけて配置することにより、三次元細胞培養物に十分な酸素及び栄養分の供給が可能になる場合がある(FASEB J., 20(6), pp.708-710, 2006)。
【0035】
また、得られた三次元細胞培養物に含まれる血管様構造物には管の壁面を構成する細胞接着性ゲル層のなかに十分な密度で血管構築用細胞の培養物が含まれているが、三次元細胞培養物の培養を継続するうちに、血管様構造物のコラーゲンゲルなどの細胞接着性ゲルは徐々に消化されて消失し、血管構築用細胞集団により形成された管構造が三次元細胞培養物中に残存することになる。従って、三次元細胞培養物を代替組織として移植医療や再生医療に用いることも可能である。
【0036】
さらに、血管新生促進作用を有する因子、例えば線維芽細胞増殖因子(FGF)、VEGF、アンギオポエチン、又は血小板由来増殖因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)、あるいはその他の因子の1種又は2種以上を三次元細胞培養物に含まれる血管様構造物に供給することにより、すでに構築されている血管様構造から毛細血管の新生を誘導することもでき、さらに生態環境に近い三次元細胞培養物を得ることもできる。また、三次元細胞培養物に含まれる血管様構造物の内腔をいくつかのブロックに分けて、各ブロックに濃度差を設けた栄養分や酸素濃度を供給することにより、酸素濃度の高い動脈支配系の培養細胞群と酸素濃度の低い静脈支配系の培養細胞群を作り分けることも可能である。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1
(a)アルギン酸ゲルファイバの作製
同軸フロー型マイクロ流路デバイスの内管と外管にそれぞれ1.5 w/v%アルギン酸ナトリウム水溶液と100 mM塩化カルシウム水溶液を流し、直径が100-500 μmの間で均一なアルギン酸ゲルファイバを作製した。
【0038】
(b)アルギン酸ゲルチューブをコラーゲンゲルで被覆したコアシェル型ゲルファイバの作製
上記(a)で作製したアルギン酸ゲルファイバを0.24%コラーゲン溶液とともに内径1 mmのシリコーンチューブ内へシリンジを用いて吸引した。シリコーンチューブの両端を内容物が漏れないようにクリップで固定し、37℃で10分間加温してコラーゲンゲルをゲル化させた。クリップを取り外し、シリンジで押し出して、コラーゲンゲルで被覆されたアルギン酸ゲルファイバを培養液中に回収した。さらに、回収物を内径2 mmのシリコーンチューブ内で同様にコラーゲン溶液と共に吸引してゲル化させ、アルギン酸ゲルファイバがコラーゲンゲルで二重に被覆されたゲルファイバを作製した。
【0039】
(c)アルギン酸ゲルファイバの溶解
アルギン酸リアーゼを0.1 mg/mLの濃度となるように上記のコアシェル型ゲルファイバを含む培養液中に添加した。37℃で1時間シェーカーで揺動させてコア部のアルギン酸ゲルを完全に溶解させ、内腔が貫通した管状コラーゲンゲルを作製した。
【0040】
例2
例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバを調製した。そのファイバを血管内皮細胞(新生児由来ヒト臍帯静脈細胞)の培養物を満たした培養皿に入れ、シェル部のコラーゲンゲルの外側に2×105〜8×106 cells/cm2の細胞密度となるように血管内皮細胞を播種した。得られたコアシェル型ゲルファイバを37℃で24時間培養し(図2)、例1と同様にしてアルギン酸リアーゼを作用させてコア部のアルギン酸ゲルを溶解することにより、管状のコラーゲンゲル中に血管内皮細胞を含む血管様構造体を得た(図3及び4)。培養後の細胞密度は1×105〜2×105 cells/cm2程度のコンフルエントであった。
【0041】
例3
例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバを調製する。その際、アルギン酸ナトリウム水溶液に例2で用いた血管内皮細胞を1×106〜1×107 cells/cm2の細胞密度となるように添加する。その後、例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバをコラーゲンゲルで被覆し、ただしコラーゲンゲルの被覆は単一の被覆としてコアシェル型ゲルファイバを調製する。
【0042】
得られたコアシェル型ゲルファイバを37℃で24時間培養し、例1と同様にしてアルギン酸リアーゼを作用させてコア部のアルギン酸ゲルを溶解することにより、管状のコラーゲンゲル中に血管内皮細胞を含む血管様構造体を得る。培養後の細胞密度は例2と同様である。
【0043】
例4
例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバを調製する。その後、例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバをコラーゲンゲルで二重に被覆してコアシェル型ゲルファイバを調製する。その際、第一のコラーゲンゲル被覆用のコラーゲン溶液に例2で用いた血管内皮細胞を例3と同様に添加する。
【0044】
得られたコアシェル型ゲルファイバを37℃で24時間培養した後、例1と同様にしてアルギン酸リアーゼを作用させてコア部のアルギン酸ゲルを溶解することにより、管状のコラーゲンゲル中に血管内皮細胞を含む血管様構造体を得る。培養後の細胞密度は例2と同様である。
【0045】
例5
例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバを調製する。その後、例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバをコラーゲンゲルで二重に被覆してコアシェル型ゲルファイバを調製する。その際、第一のコラーゲンゲル被覆用のコラーゲン溶液に例2で用いた血管内皮細胞を例3と同様に添加し、第二のコラーゲン被覆用のコラーゲン溶液には血管平滑筋細胞(ヒト由来)を1×105 cells/mL〜1×108 cells/mLとなるように添加する。
【0046】
得られたコアシェル型ゲルファイバを37℃で24時間培養し、例1と同様にしてアルギン酸リアーゼを作用させてコア部のアルギン酸ゲルを溶解することにより、管状のコラーゲンゲル中に血管内皮細胞を含む血管様構造体を得る。培養後の細胞密度は例2と同様である。
【0047】
例6
例2で得られた血管様構造体に生理食塩水を充填して、チャンバー内に配置した後に細胞スフェロイド(細胞数100〜1,800個程度、直径60〜160μm程度)を加えて37℃で24時間培養する。スフェロイド由来の細胞同士が接着して一体化した三次元細胞培養物が得られ、その細胞培養物の内部にはあらかじめ配置した血管様構造体が中空のまま保存される。スフェロイドに代えて細胞ビーズ(細胞をコラーゲンゲルビーズの表面に接着させたもの、例えばProceedings of uTAS, pp.2014-2016, 2010、直径100μm程度)を用いて同様に培養を行うことにより三次元細胞培養物が得られる。この三次元細胞培養物も同様に血管様構造体が中空のまま保存されている。
【0048】
例7
顕微鏡下において例2で得られた血管様構造体の両端に外径300 μmのステンレス管を挿入し、直径100-200 μmの縫合糸で縛ることで結合させた。これを還流デバイス内の直径300 μm流路内に挿入し、血管様構造体をデバイス内へ配置させた。シリンジポンプを用いて、1-70 μL/minで培養液を送液できることを確認した後、例6と同様にして細胞ビーズをチャンバー内へモールディングし、その後、還流培養を行ない三次元細胞培養物を得た。
【0049】
例8
例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバを調製する。その際、アルギン酸ナトリウム水溶液に例2で用いた血管内皮細胞を例3と同様に添加する。その後、例1と同様にしてアルギン酸ゲルファイバをコラーゲンゲルで二重に被覆してコアシェル型ゲルファイバを調製する。得られたコアシェル型ゲルファイバをチャンバー内に配置した後に例6と同様にしてスフェロイド及び培地を加えて37℃で24時間培養して三次元細胞培養物を得る。得られた三次元細胞培養物にアルギン酸リアーゼ(0.1 mg/mL)を37℃で2時間を作用させてコアシェル型ゲルファイバのコア部のアルギン酸ゲルを溶解することにより、管状コラーゲンゲル中に血管内皮細胞を含む血管様構造体を内部に含む三次元細胞培養物を得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管様構造物の製造方法であって、下記の工程:
(a)少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバであって、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造する工程;
(b)上記工程(a)で得られたゲルファイバを培養し、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバを得る工程;及び
(c)上記工程(c)で得られたコアシェル型ゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を得る工程
を含む方法。
【請求項2】
血管構築用細胞が血管内皮細胞である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
解離性ゲルファイバがアルギン酸ゲルファイバであり、細胞接着性ゲルがコラーゲンゲルである請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
血管様構造物を含む三次元細胞培養物の製造方法であって、下記の工程:
(a)少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバであって、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造する工程;
(b)上記工程(a)で得られたゲルファイバを培養し、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバを得る工程;及び
(c)上記工程(b)で得られたコアシェル型ゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を得る工程;及び
(d)上記工程(c)で得られた血管様構造物を組織構築用細胞で包埋して培養を行ない、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を得る工程
を含む方法。
【請求項5】
血管様構造物を含む三次元細胞培養物の製造方法であって、下記の工程:
(a)少なくともコア部の解離性ゲルファイバ及びシェル部の細胞接着性ゲルを含むコアシェル型ゲルファイバであって、血管構築用細胞を含むゲルファイバを製造する工程;
(b)上記工程(a)で得られたゲルファイバを組織構築用細胞で包埋して培養を行ない、シェル部の細胞接着性ゲルに血管構築用細胞の培養物を含むコアシェル型ゲルファイバが包埋された三次元細胞培養物を得る工程;及び
(c)上記工程(b)で得られた培養物中に包埋されたゲルファイバのコア部の解離性ゲルファイバを除去して、血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物を得る工程
を含む方法。
【請求項6】
血管構築用細胞が血管内皮細胞である請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
解離性ゲルファイバがアルギン酸ゲルファイバであり、細胞接着性ゲルがコラーゲンゲルである請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
組織構築用細胞として細胞ビーズ、細胞スフェロイド、細胞シート、又は細胞とプレゲル溶液との混合物のいずれか又はそれらの組み合わせを用いる請求項4ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物。
【請求項10】
血管構築用細胞の培養物を含む細胞接着性ゲルからなる中空の血管様構造物を内部に含む三次元細胞培養物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−120696(P2012−120696A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273705(P2010−273705)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】