説明

衣料用液体洗剤組成物

【課題】アミノ変性シリコーンを含ませることにより柔軟効果を高めながらも、液体洗剤が黄変するのを防止できる衣料用液体洗剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)アミノ変性シリコーン化合物:0.01〜5質量%、(B)尿素、その複塩又は誘導体:0.5〜30質量%を含有し、(A)/(B)=0.01/12〜5/1(質量比)である衣料用液体洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣料用液体洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ウール・ドライマーク衣料用洗剤は近年、セーターのみならずカットソーや肌着、ショーツまで幅広く使われるようになってきた。こういった軽質洗剤に求められるものとして仕上がりの良さが挙げられる。これまでに、軽質洗剤を含む家庭用の衣料用中性液体洗剤の仕上がり感、特に柔軟効果を高める手段として、アミノ変性シリコーンを用いることが報告されている(特許文献1〜3)。
しかし、アミノ変性シリコーンを配合することにより、液体洗剤自身が黄変してしまうという問題があった。液体洗剤において香りや液色は消費者の気持ちに関与することがあり、開発時には液色を目的に合わせて変える必要がある。そのため時間経過によって液色が変わってしまうことは液色の選択幅を狭めるという問題であった。そこで本発明ではアミノ変性シリコーンを用いることで更に仕上がり感を向上させ、且つ液体の黄変も防止する液体洗浄剤組成物を確立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−059275号公報
【特許文献2】特開2000−178600号公報
【特許文献3】特開平10−060480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アミノ変性シリコーンを含ませることにより被洗物への柔軟効果を高めながらも、液体洗剤が黄変するのを防止できる衣料用液体洗剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明により、(A)アミノ変性シリコーン化合物:0.01〜5質量%、
(B)尿素、その複塩又は誘導体:0.5〜30質量%
を含有し、
(A)/(B)=0.01/12〜5/1(質量比)である衣料用液体洗剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、従来の家庭用衣料用中性液体洗剤よりも柔軟効果を高め、かつ液体洗剤自身の黄変を抑制した衣料用液体洗剤組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(A)アミノ変性シリコーン化合物
本発明で用いるアミノ変性シリコーン化合物は、ジメチルシリコーン骨格の両末端あるいは側鎖にアミノ基を導入したシリコーンオイルである。
本発明で用いるアミノ変性シリコーン化合物は、25℃における動粘度が100〜20000mm2/sであるのが好ましく、500〜10000mm2/sであるのがより好ましい。動粘度がこの範囲にあると、製造性が良好であり、組成物の取り扱いも容易になるため好ましい。なお、動粘度は、オストワルト型粘度計で測定することができる。
本発明で用いるアミノ変性シリコーン化合物は、アミノ当量が100〜10000であるのが好ましく、1200〜4000であるのがより好ましい。アミノ当量がこの範囲にあると、柔軟性が良好であるため好ましい。尚、アミノ当量は、重量平均分子量を窒素原子数で割ることにより求められる。窒素原子数は元素分析により求められる。
本発明で用いるアミノ変性シリコーン化合物は、水不溶性であるのが好ましい。尚、本明細書において、「水不溶性」とは25℃において、水1Lへの溶解量が10g以下であることをいう。
【0008】
アミノ変性シリコーンオイルとしては商業的に入手できるものを使用することができ、例えば、東レ・ダウコーニング株式会社から、両末端変性型としてBY16−871、側鎖変性型としてBY16−893、BY−891、ABN型としてFZ−3789で販売されているものなどがあげられる。
(A)成分を含有することにより、POE変性シリコーンを含有する場合より、被洗物に良好な柔軟性を付与することができる。
(A)成分の含有量は、本発明の組成物の総質量に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%である。0.01質量%以上とすることによって、(A)成分の配合効果が充分に発現する。他方、(A)成分の配合量を5質量%より多くしてもそれ以上の効果は得られず、液体洗剤組成物の黄変が過酷になる。
【0009】
(B)尿素、その複塩又は誘導体
本発明における尿素複塩としては、HNO3・CO(NH22、H3PO4・CO(NH22、H2242CO(NH22、Ca(NO32・4CO(NH22、CaSO4・4CO(NH22、Mg(NO32・CO(NH22・2H2O、CaSO4・(5〜6)4CO(NH22・2H2O等があげられる。
本発明における「尿素の誘導体」は、下記式(1)で表される。
【0010】
【化1】

【0011】
式(1)中、Raは、メチル基、エチル基、又は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基である。Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基である。
前記式(1)で表される化合物としては、1,3−ジメチル尿素、N−(2−ヒドロキシエチル)尿素などが挙げられる。中でも1,3−ジメチル尿素が好ましい。
(B)成分は、1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。(B)成分としては尿素が好ましい。
液体洗剤中に(B)成分を添加することにより、アミノ変性シリコーンに起因する液体洗剤の黄変を防止することができる。
(B)成分の含有量は、本発明の組成物の総質量に対して0.5〜30質量%、好ましくは1〜10質量%であり、さらに好ましくは1〜8質量%である。(B)成分の含有量が下限値未満では、液体洗浄物の黄変を抑制しきれない場合があり、一方、上限値を超えると、保存後に分解物としてアンモニアが発生しやすくなり、液体洗剤製品としてにおいが問題となることがある。また、汚れへの親和性が低下しやすくなるために洗浄力が低下するおそれがある。
これらの(A)成分と(B)成分の配合比率は、質量比で(A)/(B)で0.01/12〜5/1であり、0.01/1〜1/1が好ましい。この範囲外だと洗剤の黄変抑制に十分な効果が得られない。
【0012】
本発明の衣料用液体洗剤組成物は、上記(A)及び(B)成分を、水混和性有機溶媒を含んでいてもよい水に溶解させることにより液体組成物とする。
本発明の衣料用液体洗剤組成物は更に、上記(A)及び(B)の必須成分に加えて、衣料用液体洗剤組成物に通常用いられている以下に挙げるような成分を、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて含むことができる。
【0013】
(C)乳酸又はその塩
乳酸塩としては、乳酸のアルカリ金属塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。具体的には、
CH3CH(OH)COO-・Na+
CH3CH(OH)COO-・K+
CH3CH(OH)COO-・(NH324OH)+
等を用いることが出来る。
(C)成分としては、乳酸のアルカリ金属塩が好ましい。乳酸ナトリウムがより好ましい。
(C)成分を配合することで、(B)成分による皮膚への刺激が緩和される。詳細は不明だが、(C)成分が皮膚に付着し、(B)成分の刺激をブロックすると考えられる。
本発明における(C)成分の含有量は、組成物の総質量に対して0.5質量%〜15質量%が好ましく、より好ましくは1〜10質量%であり、さらに好ましくは2〜5質量%である。(C)成分の含有量が下限値未満では尿素による刺激をカバー出来ず、上限値を超えてもそれに見合う効果が得られず、経済的に不利となる。
また(B)成分と(C)成分の配合比率は質量比で(B)/(C)で0.5/15〜10/1が好ましく、更には0.5/15〜1/1が好ましい。この範囲外であると手肌への刺激抑制における十分な効果が得られない。
【0014】
(D)界面活性剤
(D)成分を添加することにより、本発明の液体洗剤組成物に、さらに洗浄力及び柔軟性を付与することができる。
(D−1)非イオン性界面活性剤
(D−1)成分は、本発明の衣料用液体洗剤組成物へさらに洗浄力を付与することを主目的に配合することができる。
本発明で用いることのできる非イオン性界面活性剤(D−1)としては特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤が好適に用いられる。
R2−X−(EO)n(PO)m−R3 ・・・(2)
式中、R2は炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜18の疎水基であり、直鎖であっても分岐鎖であっても良い。疎水基としては、1級もしくは2級の高級アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド等を原料とするものが具体的に挙げられる。−X−は、−O−、−COO−、−CONH−等の官能基である。
EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドである。
n及びmは平均付加モル数を表し、nは3〜20、好ましくは5〜18、mは0〜6、好ましくは0〜3である。
【0015】
R3は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基又はアルケニル基、好ましくは水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基又はアルケニル基である。
EOの平均付加モル数nが20を超えると、HLB(グリフィンの式による)が高くなりすぎて皮脂洗浄に不利となるために洗浄機能が低下する。従って、HLBは、6〜20であるのが好ましい。EOの平均付加モル数nが3以上であると臭気の劣化を防ぐことができる。POの平均付加モル数mが6を超えると、液体洗剤組成物の高温下での保存安定性が低下する傾向にあり、好ましくない。特にエチレン基とプロピレン基を含む場合、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加方法は、例えばランダム付加または、エチレンオキサイドを付加した後、プロピレンオキサイドを付加してもよく、またその逆のようなブロック付加体でもよい。
EOまたはPOの付加モル数分布の広狭は、式(2)で表される非イオン性界面活性剤製造時の反応方法によって変動し、特に限定されない。例えば、EOまたはPOの付加モル数分布は、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水性原料に付加させた際には、比較的広い分布となり、特公平6−15038号公報に記載のAl3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた際には、比較的狭い分布となる傾向にある。
【0016】
式(2)において、−X−が−O−のとき、(D−1)成分はアルコールエトキシレートである。この場合において、R2の直鎖または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基の炭素数は10〜22、好ましくは10〜20、より好ましくは10〜18である。R2は不飽和結合を有していてもよい。またこの場合においてR3は好ましくは水素原子である。
式(2)において−X−が−COO−のとき、(D−1)成分は脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤である。この場合において、R2の直鎖または分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基の炭素数は9〜21、好ましくは11〜21である。R2は不飽和結合を有していてもよい。またこの場合においてR3は好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。
式(2)で表される非イオン性界面活性剤としては、−X−が−O−であるアルコールエトキシレートが好ましい。
【0017】
式(2)で表される非イオン性界面活性剤の具体例としては、三菱化学(株)製:商品名Diadol(C13、Cは炭素数を示す。以下同様)、Shell製:商品名Neodol(C12/C13)、Sasol製:Safol23(C12/C13)等のアルコールに対して、12及び、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの、P&G社製:商品名CO−1214やCO−1270等の天然アルコールに10,12及び15モル相当の酸化エチレンを付加したもの、ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに5モル、7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:商品名Lutensol TO5、TO7)、ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに5モル、7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:Lutensol XA50、XA70)、ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに5モル、7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:Lutensol XL50、XL70)、ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに5モル、7モル相当の酸化プロピレン、ならびに酸化エチレンを付加したもの(BASF社製:Lutensol XP50、XP70)炭素数12〜14の第2級アルコールに3モル、5モル、7モル相当の酸化エチレンを付加したもの(日本触媒(株)製、ソフタノール30、50、70)などが挙げられる。さらには、ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、9モル、15モル相当の酸化エチレンを付加したものも挙げられる。
【0018】
式(2)で表される非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤の例としては、アルキルフェノール、高級脂肪酸又は高級アミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
(D−1)成分として、単一種類の非イオン性界面活性剤を単独で用いてもよく、複数種類の非イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
(D−1)成分の配合量は、衣料用液体洗剤組成物の総質量に対して、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは10〜40質量%である。10質量%以上であると、衣料用液体洗剤組成物に高い洗浄力を与えることができる。50質量%以下であると、衣料用液体洗剤組成物に高い安定性を与えることができる。
【0019】
(D−2)陰イオン性界面活性剤
本発明における陰イオン性界面活性剤(D−2)は、SO3基又は、SO4基を有し、これらは公知物質であり、市場において容易に入手することができる。
(D−2)成分の具体例としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖または分岐鎖のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩またはアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩などが挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
また、これらのSO3基又はSO4基を有する陰イオン性界面活性剤としては以下のものが好ましい。
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩では、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16のものが好ましく、炭素数10〜14のものが特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
【0020】
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキサイドを付加したもの(すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩の炭素数は10〜20、好ましくは14〜17であり、2級アルカンスルホン酸塩が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、炭素数10〜20のものが好ましい。
上述の具体例の中では、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩が好ましい。
(D−2)成分として、単一種類の陰イオン性界面活性剤を単独で用いてもよく、複数種類の陰イオン性界面活性剤を組み合わせて使用してもよい。
【0021】
(D−2)成分であるSO3基又はSO4基を有する陰イオン性界面活性剤は、再汚染防止性能の付与と(D−1)成分の保存安定性の確保を主目的として配合する。SO3基又はSO4基を有する陰イオン性界面活性剤の配合量は、衣料用液体洗剤組成物の総質量に対して、0〜20質量%であることが好ましい。
またその他アニオン性界面活性剤の例としては、高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0022】
(D−3)陽イオン界面活性剤
更に柔軟性を付与するものとして陽イオン界面活性剤を用いることが可能だが、柔軟性の高さ、ならびに高い保存安定性の点において特に3級アミン化合物が好ましい。
3級アミン化合物は、下記式(3)で示される化合物である。
【0023】
【化2】

【0024】
式中、R4は置換基及び/又は連結基を有していても良い炭素数7〜27の炭化水素基である(置換基及び/又は連結基を有する場合、置換基及び/又は連結基中の炭素数はここでの炭素数に含まれない)。R5及びR6はそれぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐したヒドロキシアルキル基又はEO付加モル数1〜25のポリオキシエチレン基である)。
R4の炭化水素基の炭素数(置換基及び/又は連結基を有する場合、置換基及び/又は連結基中の炭素数はここでの炭素数に含まれない)は、7〜27、好ましくは炭素数7〜25である。R4は直鎖又は分岐鎖であってもよく、飽和であっても不飽和であっても良い。また、R4はアミド基、エステル基又はエーテル基等の連結基をその鎖中に有するものであっても良い。
式(3)で示される化合物の中では、下記式(4)または下記式(5)で表される3級アミン化合物及び/又はその塩が好ましい。
【0025】
【化3】

【0026】
式中R7は直鎖又は分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であっても良い炭素数7〜23、好ましくは7〜21の炭化水素基である。R8は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキレン基である。R9及びR10はそれぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐したヒドロキシアルキル又はEO付加モル数1〜25のポリオキシエチレン基である。
【0027】
【化4】

【0028】
式中R11は直鎖又は分岐鎖であっても良く、飽和であっても不飽和であっても良い炭素数11〜23、好ましくは12〜20の炭化水素基である。R12は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキレン基である。R13及びR14はそれぞれ独立して炭素数1〜4の直鎖又は分岐したアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐したヒドロキシアルキル又はEO付加モル数1〜25のポリオキシエチレン基である。
3級アミン化合物の具体例としては、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどの長鎖脂肪族アミドジアルキル3級アミン(式4で示される化合物)又はその塩;パルミテートエステルプロピルジメチルアミン、ステアレートエステルプロピルジメチルアミン等の脂肪族エステルジアルキル3級アミン(式5で示される化合物)又はその塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミドなどが挙げられる。中でも、カプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド又はその塩が特に好ましい。
【0029】
なお、上記3級アミン化合物の製造を上記例中の「長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン」を用いて説明すると、例えば、脂肪酸あるいは脂肪酸低級アルキルエステル、動・植物性油脂等の脂肪酸誘導体と、ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンとを縮合反応させ、その後、未反応のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンを減圧又は窒素ブローにて留去することにより得られる。ここで、脂肪酸又は脂肪酸誘導体としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、とうもろこし油脂肪酸、牛脂脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物油又は動物油脂肪酸等、又は、これらのメチルエステル、エチルエステル、グリセライド等が具体的に挙げられ、中でも、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等が特に好ましい。これら脂肪酸又は脂肪酸誘導体は、1種を単独で用いても2種以上を併用しても良い。
「ジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミン」としては、ジメチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチルアミン等が具体的に挙げられ、中でも、ジメチルアミノプロピルアミンが特に好ましい。
なお、長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミンを製造する際のジアルキル(又はアルカノール)アミノアルキルアミンの使用量は、脂肪酸又はその誘導体に対し、0.9〜2.0倍モルが好ましく、1.0〜1.5倍モルが特に好ましい。反応温度は、通常100〜220℃であり、好ましくは150〜200℃である。反応温度が100℃未満では反応が遅くなりすぎ、220℃超では得られる3級アミンの着色が顕著となる恐れがある。
長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミンの上記以外の製造条件は適宜変更可能であり、反応時の圧力は常圧でも減圧でも良く、反応時に窒素等の不活性ガスを吹き込むことにより導入することも可能である。
【0030】
また、脂肪酸を用いる場合は、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒、脂肪酸誘導体を用いる場合は、ナトリウムメチラート、苛性カリ、苛性ソーダ等のアルカリ触媒を用いることで、低い反応温度で短時間により効率良く反応を進行させることができる。
また、得られる3級アミンが、融点が高い長鎖アミンの場合には、ハンドリング性を向上させるため、反応後、フレーク状又はペレット状に成形することが好ましく、又は、エタノール等の有機溶媒に溶解し液状にすることが好ましい。
さらに、市販される上記3級アミンの具体例として、東邦化学(株)製カチナールMPAS−R等が挙げられる。
【0031】
(D−3)成分として使用できる3級アミン化合物のその他の具体例としては、ラウリルジメチルアミン、ミリスチルジメチルアミン、ヤシアルキルジメチルアミン、パルミチルジメチルアミン、牛脂アルキルジメチルアミン、硬化牛脂アルキルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルジエタノールアミン、ポリオキシエチレン硬化牛脂アルキルアミン(ライオンアクゾ(株)製 商品名:ETHOMEEN HT/14等)が挙げられる。
3級アミン化合物としては、前記3級アミンをそのまま使用するもの、前記3級アミンを酸で中和した酸塩等が具体的に挙げられる。中和に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、グリコール酸、クエン酸、ポリアクリル酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられ、これらは1種を単独で用いても2種以上を併用しても良い。
(D−3)成分である3級アミンは、綿など洗濯後の衣類への柔軟性能を本発明の衣料用液体洗剤組成物へ付与することを主目的に配合する。
【0032】
(D)成分の配合量は、衣料用液体洗剤組成物の総質量に対して好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。0.1質量%以上であると洗浄後の衣料に柔軟効果が得られると同時に、(A)成分によるすべり性効果を充分に発現する。10質量%より多く配合しても、それに見合う柔軟性の向上効果は見られず、経済的にも不利となる。
また柔軟性において、(C)成分と(D)成分の配合比は質量比で0.5/10〜15/0.1であることが望ましい。更に好ましくは1/1〜10/1であることが望ましい。
その他陽イオン性界面活性剤の例としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0033】
(E)水混和性有機溶媒
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量約200のポリエチレングリコール、重量平均分子量約400のポリエチレングリコール、重量平均分子量約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのアルキルエーテル類等の水混和性有機溶剤を例えば、0.1〜15質量%含むことができる。
【0034】
パラトルエンスルホン酸、安息香酸塩等の安定化剤を(防腐剤としての効果もある)を、例えば0.01〜30質量%含むことができる。
マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン疎捕捉剤を、例えば0.1〜20質量%含むことができる。
ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、例えば0.01〜2質量%含むことができる。
イソチアゾロン液(例えばローム・アンド・ハース社製ケーソンCG(商品名))等の防腐剤を、例えば0.001〜1質量%含むことができる。
【0035】
さらに、洗浄性能向上や安定性向上等を目的として、酵素(プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等)、風合い向上剤、アルカノールアミン等のアルカリビルダー、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、蛍光剤、移染防止剤、マレイン酸とオレフィン系モノマーとの共重合体等の再汚染防止剤、パール剤、ソイルリリース剤等を含むことができる。
その他、商品の付加価値向上等を目的として、着香剤、着色剤や乳濁化剤、天然物などの等を含むこともできる。
着香剤としては、代表的な例として、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、Dや、特願2007−283650号の表1に記載の香料組成物a、b、c、dが使用でき、好ましい配合量としては、0.1〜1質量%である。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料を、例えば0.00005〜0.005質量%程度含むことができる。
【0036】
乳濁剤は、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製(商品名)サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等を、0.01〜0.5質量%含むことができる。
天然物などのエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウなどの植物が挙げられ、これらを例えば、0〜0.5質量%程度含むことができる。
【0037】
本発明の衣料用液体洗剤組成物は、25℃におけるpHが4〜9であるのが好ましく、pH4〜8であるのがより好ましい。pHがこのような範囲にあると沈殿が生じず、保存安定性に優れる。本発明において用いることのできるpH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が安定性の面から好ましい。
本発明の技術は衣料用液体洗剤組成物のみならず、アミノ変性シリコーン化合物を含むしわとりスプレー、柔軟剤、シャンプー、リンス、コンディショナーなどにも広く活用できる。
【実施例】
【0038】
〔衣料用液体洗剤組成物の調製〕
表1に示す組成の衣料用液体洗剤組成物を以下のようにして調製した。
(1)300mLビーカーに下記共通成分中のエタノールにシリコーン化合物(A)を入れマグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.)で十分に攪拌した。
(2)(1)に界面活性剤(C)を加えて、十分に攪拌した後、40℃にした共通成分中の水を入れたあと、予め、エタノールに溶解させた(B)成分を入れて十分に溶解させた。
(3)(2)に残りの成分、及び共通成分を入れて十分に攪拌し、微量の水酸化ナトリウム水溶液でpHを7に調製して、衣料用液体洗剤組成物とした。pHの測定は、pHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)等を用いて25℃において行った。
【0039】
(A)成分としては下記の水不溶性シリコーン化合物を用いた。
(a−1)アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名:BY16−893、動粘度550mm2/s、アミノ当量4000
(a−2)アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名:FZ−3789、動粘度1000mm2/s、アミノ当量1200
(a−3)アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名:BY16−891、動粘度750mm2/s、アミノ当量3000
比較(a−4)ポリエーテル変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名:SH3775M、動粘度630mm2/s
比較(a−5)ポリエーテル変性シリコーン、一般式(6)記載、m=210、n=9、R1=C36、X=−(OC24)10−、R=CH3であるシリコーン化合物、合成品、動粘度5300mm2/s。
【0040】
【化5】

【0041】
(a−5)の合成は以下のように行った。
攪拌装置、凝縮機、温度計及び窒素挿入口を備えた1Lの4つ口フラスコに、下記式(7)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(α=210、β=9)100g、イソプロピルアルコール50g、下記式(8)で表されるポリオキシアルキレン化合物(d=10、G=CH3)29g、付加反応用触媒0.2g、2質量%酢酸ナトリウムのイソプロピルアルコール溶液0.3gを投入し、これらを窒素雰囲気下、90℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去することにより(a−5)を得た。
【0042】
【化6】

【0043】
(B)成分としては下記化合物を用いた。
(b−1)純正化学(株)製 商品名:尿素(特級)
(b−2)東京化成工業(株)製 商品名:1、3−ジメチル尿素
【0044】
(C)成分としては下記化合物を用いた。
(c)和光純薬工業(株)製 商品名:乳酸ナトリウム
【0045】
(D)成分としては下記化合物を用いた。(HLB値はグリフィンの式より算出)
(d−1)P&G社製の天然アルコールCO−1270に対して12モル相当の酸化エチレンを付加したもの(HLB:15)
(d−2)P&G社製の天然アルコールCO−1270に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの(HLB:15)
(d−3)P&G社製の天然アルコールCO−1270に対して10モル相当の酸化エチレンを付加したもの(HLB:14)
(d−4)ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したもの、合成品(HLB:15)
(d−5)ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、9モル相当の酸化エチレンを付加したもの、合成品(HLB:13)
(d−6)日本触媒(株)製 商品名ソフタノール30(HLB:非公開)
(d−7)日本触媒(株)製 商品名ソフタノール50(HLB:非公開)
(d−8)BASF社製 商品名:Lutenzol TO5(HLB:非公開)
(d−9)BASF社製 商品名:Lutenzol TO7(HLB:非公開)
なお、表中における共通成分は以下の組成を示す。
【0046】
<共通成分a>
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
クエン酸 0.13質量%
95%エタノール 7.0質量%(B成分を溶解させるために使用する分も含めて)
パラトルエンスルホン酸 1.3質量%
イソチアゾロン液 0.01質量%
マレイン酸とオレフィン系モノマーとのコポリマーのナトリウム塩 0.5質量%
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 1.25質量%
香料 0.3質量%
水 バランス(洗剤組成物全体の量を100部とするための量)
【0047】
<共通成分b>
安息香酸ナトリウム 0.5質量%
クエン酸 0.13質量%
95%エタノール 8.0質量%(B成分を溶解させるために使用する分も含めて)
パラトルエンスルホン酸 4.0質量%
ポリエチレングリコール 1.5質量%
イソチアゾロン液 0.01質量%
マレイン酸とオレフィン系モノマーとのコポリマーのナトリウム塩 0.5質量%
アミドアミン 2.5質量%
香料 0.6質量%
水 バランス(洗剤組成物全体の量を100部とするための量)
【0048】
なお、共通成分において、各成分の詳細は以下の通りである。
安息香酸ナトリウム:東亜合成製 商品名安息香酸ナトリウム
クエン酸3ナトリウム:マイルス社(米国)製 商品名クエン酸ソーダ
95%エタノール:日本アルコール販売(株)製 商品名特定アルコール95度合成
パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業(株)製 商品名PTS酸
ポリエチレングリコール:ライオン(株)製、商品名「PEG#1000−L60」
イソチアゾロン液:ローム・アンド・ハウス社製 商品名ケーソンCG(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン/マグネシウム塩/水混合液)
マレイン酸とオレフィン系モノマーとのコポリマーのナトリウム塩:BASF社製 商品名:ソカランCP9(分子量12000)
アミドアミン:東邦化学(株)製 商品名:カチナールMPAS−R
香料 特願2007−283650記載の香料成分a
【0049】
〔評価方法〕
上で調製した液体洗剤組成物を用いて以下の評価を行った。但し、初期外観で沈殿や濁りを生じたサンプルに関しては評価を行っていない。
(1)柔軟性評価
全自動電気洗濯機(Haier社製JW−Z23A)に、市販の綿タオル(綿100%)3枚、および浴比(洗濯水/被洗布総質量)を25倍に調整する為に、綿肌シャツ2枚(B.V.D.社製、全被洗布質量合計約420g)を投入し、表1及び表2に示した衣料用液体洗剤組成物16mLを添加し、標準コースで洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗浄操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約12L)に関しては、一切調整せず、洗濯機のソフトコース設定を使用した。
洗濯終了後、取り出したタオルを25℃、湿度65%RHの恒温恒湿室に放置して、乾燥した。これを試験布として柔軟性評価に用いた。
評価対照布として、20%非イオン性界面活性剤(P&G社製の天然アルコールCO−1270に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの:d−2)を16mLを用いたこと以外は試験布と同様にして処理した綿タオルを用いた。
柔軟付与効果の評価は、官能によって、この対照布に対して下記評価基準による1対比較を行い、専門パネラー5人の平均値で求めた。
<評価基準>
5点:対照布より非常に柔らかい
4点:対照布よりかなり柔らかい
3点:対照布より柔らかい
2点:対照布よりやや柔らかい
1点:対照布と同等
上記平均値が3点以上の場合を合格とした。
◎:4点以上、○:3点以上4点未満、△:2点以上3点未満、×:2点未満
【0050】
(2)経時安定性
試験サンプルとして、上で調製した液体洗剤組成物100mLを準備した。
評価対照サンプルとして、20%非イオン性界面活性剤(P&G社製の天然アルコールCO−1270に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの:d−2)を準備した。
これら試験サンプルと評価対照サンプルとを、それぞれ、透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、蓋を閉めて密封した。この状態で40℃の恒温槽中に置いて1ヵ月保存後、液の外観を目視で観察した。下記評価基準による1対比較を行い、専門パネラー5人の平均値で求めた。
<評価基準>
3点:対照サンプルと同等
2点:対照サンプルよりやや黄味がかっている
1点:対照サンプルより黄味がかっている
上記平均値が2.5点以上の場合を合格とした。
○:2.5点以上3点以下、△:2点以上2.5点未満、×:2点未満
【0051】
(3)製剤のニオイ評価
試験サンプルとして、上で調製した液体洗剤組成物100mLを準備した。
評価対照サンプルとして、20%非イオン性界面活性剤(P&G社製の天然アルコールCO−1270に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの:d−2)を準備した。
これら試験サンプルと評価対照サンプルとを、それぞれ、透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に取り、同じ香料を0.3質量%ずつ添加した。
この評価対照洗剤に対して官能評価にて下記評価基準による1対比較を行い、専門パネラー5人の平均値で求めた。
3点:対照サンプルと同等
2点:対照サンプルよりやや悪臭がする
1点:対照サンプルより悪臭がする
上記平均値が2.5点以上の場合を合格とした。
○:2.5点以上3点以下、△:2点以上2.5点未満、×:2点未満
【0052】
(4)手洗い時の手肌感触評価
試験サンプルとして、上で調製した液体洗剤組成物25mLを5Lの水に溶かしたものを準備した。
評価対照サンプルとして、20%非イオン性界面活性剤(P&G社製の天然アルコールCO−1270に対して15モル相当の酸化エチレンを付加したもの:d−2)25mLを5Lの水に溶かしたものを準備した。
これら試験サンプルに片方の手を、評価対照サンプルにもう片方の手をつけ、5分後水道水で手を濯いだ。
官能評価によって手に受ける感触を下記評価基準による1対比較を行い、専門パネラー5人の平均値で求めた。
<評価基準>
5点:評価サンプルよりかなり良い
4点:評価サンプルよりやや良い
3点:評価サンプルと同等
2点:評価サンプルよりやや悪い
1点:評価サンプルよりかなり悪い
【0053】
上記平均値が3点以上の場合を合格とした。
◎:4点以上、○:3点以上4点未満、△:2点以上3点未満、×:2点未満
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)アミノ変性シリコーン化合物:0.01〜5質量%、
(B)尿素、その複塩又は誘導体:0.5〜30質量%
を含有し、
(A)/(B)=0.01/12〜5/1(質量比)である衣料用液体洗剤組成物。
【請求項2】
さらに、(C)乳酸又はその塩:0.5〜15質量%を含有する請求項1記載の衣料用液体洗剤組成物。
【請求項3】
(C)が乳酸ナトリウムである請求項2記載の衣料用液体洗剤組成物。
【請求項4】
尿素複塩が、HNO3・CO(NH22、H3PO4・CO(NH22、H2242CO(NH22、Ca(NO32・4CO(NH22、CaSO4・4CO(NH22、Mg(NO32・CO(NH22・2H2O、CaSO4・(5〜6)4CO(NH22・2H2Oからなる群から選ばれる請求項1〜3のいずれか1項記載の衣料用液体洗剤組成物。
【請求項5】
尿素誘導体が、下記式(1)で表される請求項1〜3のいずれか1項記載の衣料用液体洗剤組成物。
【化1】

(式中、Raは、メチル基、エチル基、又は炭素数1〜2のヒドロキシアルキル基である。Rb、Rc及びRdは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、又はエチル基である。)

【公開番号】特開2013−57011(P2013−57011A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196324(P2011−196324)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】