説明

表示タグ

【課題】結束線付きの表示タグを提案する。
【解決手段】タグ部材12、結束線20および係止片30によって表示タグ10を構成する。タグ部材12にはその本体12Aに掛け止め片12Bが設けられている。掛け止め片12Bの先端部14bを基端部14a側に結束線20を差し込んだ状態で折り曲げ、折り曲げた状態で係止片30によってクリップする(挟持固定する)。
これによれば、タグ部材12に設けられた掛け止め片12Bと係止片30を用いて、結束線20をタグ部材12に堅固に取り付けることができると共に、結束線20はタグ部材12に対して並行に取り付けることができる。その結果、包装袋の表面に対して並行にこの表示タグ10を取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は表示タグに関する。詳しくは、各種商品を内装した包装袋の開口部側に結束される表示タグであって、結束線を備えると共に、包装袋の表面に沿って堅固に結束できる表示タグに関する。
【背景技術】
【0002】
お菓子などの嗜好品などを内装した包装袋には、その開口部側をリボンなどで結ぶことで、包装袋の見栄えをよくして、商品価値を高めることが行われている。リボンに代えて商品の内容を説明したり、キャッチフレーズなどを印刷した表示タグなどを結束する場合もある。
【0003】
表示タグを使用する場合には、表示タグを包装袋に結束しなければならない。そのため表示タグには、その一部に通線孔が設けられたものや、表示タグ本体の一部を絞って結束し易くした形状のものなどが知られている(例えば、特許文献1あるいは特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特公昭41−8517号公報
【特許文献2】特開昭59−163123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された表示タグの場合には、通線孔に結束線を通線した状態で、包装袋の開口部にこの結束線を結ぶために、表示タグの面が傾いた状態で包装袋に結束されることになるから、見栄えが悪いばかりでなく、包装袋の搬送時や展示のとき、周囲の物に引っ掛かって表示タグが損傷を受けて脱落したりするおそれがある。
【0006】
特許文献2に開示された表示タグは、通線孔を使用しないので特許文献1のような問題は起きないものの、表示タグ本体の一部を絞っただけであるので、包装袋に対する結束が緩いと簡単に脱落してしまう。
【0007】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、特に包装袋の表面に沿って堅固に取り付けることができるような表示タグを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載したこの発明に係る表示タグは、包装袋の開口部側に巻き付けることで該包装袋を結束する結束線と、
上記結束線に取着されるタグ部材と、
上記結束線と上記タグ部材とを固定する係止片からなる表示タグであって、
上記タグ部材は、情報などを表示するタグ本体と、このタグ本体の一部に連なるように設けられた掛け止め片からなり、
上記掛け止め片の先端部側をその基端部側に折り曲げることで上記結束線が上記掛け止め片によって挟持されると共に、
上記係止片が、折り曲げられた上記掛け止め片に装着固定されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載したこの発明に係る表示タグは、包装袋の開口部側に巻き付けることで該包装袋を結束する結束線と、
上記結束線に取着されるタグ部材からなる表示タグであって、
上記タグ部材は、情報などを表示するタグ本体と、このタグ本体の一部に連なるように設けられた掛け止め片からなり、
上記掛け止め片には貼着部が設けられ、上記結束線を介在させた状態で、上記掛け止め片の先端部側をその基端部側に折り曲げ、上記貼着部によって折り曲げ状態を保持することで、上記結束線が上記掛け止め片によって挟持されることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載した表示タグは、タグ部材、結束線および係止片からなる。タグ部材は掛け止め片を有するタグ本体で構成される。掛け止め片は、その先端部側をその基端部側に折り曲げることで結束線が掛け止め片によって挟持されると共に、上記係止片が、折り曲げられた上記掛け止め片に装着固定される。係止片はクリップとして機能するので、係止片によって結束線をタグ本体に取り付けることができる。
【0011】
請求項3に記載した表示タグは、タグ部材と結束線からなる。タグ部材は掛け止め片を有するタグ本体で構成される。掛け止め片には貼着部が設けられ、その先端部側をその基端部側に折り曲げて先端部を基端部側に貼着することで結束線が掛け止め片によって挟持される。これで結束線をタグ本体に取り付けることができる。
【0012】
結束線をタグ本体に取り付けた表示タグは、結束線を用いて包装袋の開口部側に結束される。結束線はタグ本体(表面)に対して並行に取り付けられるため、包装袋の開口部側に結束線を巻き付けてもタグ本体が包装袋に対して傾いて取り付けられることはない。つまり、包装袋の表面に沿ってタグ本体が取り付けられるから、表示タグが破損したり、脱落したりすることはない。結束線はタグ本体に対して係止片あるいは貼着部を利用して堅固に取り付けられているので、タグ本体から結束線が簡単に外れることはない。
【発明の効果】
【0013】
この発明では、タグ部材、結束線および係止片によって表示タグを構成したものである。また、この発明では、貼着部を備えた掛け止め片を有するタグ部材と、結束線から表示タグを構成したものである。
【0014】
これによれば、タグ部材に設けられた掛け止め片と係止片を用いて結束線をタグ部材に堅固に取り付けることができると共に、結束線はタグ部材に対して並行に取り付けることができる。
【0015】
同じく、タグ部材に設けられた掛け止め片と貼着部を用いて結束線をタグ部材に堅固に取り付けることができると共に、結束線はタグ部材に対して並行に取り付けることができる。
【0016】
その結果、結束線を用いて包装袋の開口部側に結束するとき、結束線がタグ本体に対して並行に取り付けられるため、包装袋の表面に沿ってタグ本体を取り付けることができる。したがって、包装袋の開口部側に結束線を巻き付けてもタグ本体が包装袋に対して傾いて取り付けられることはないから、回りの品物にぶつかって破れたりすることがない。
【0017】
結束線はタグ本体に対して係止片あるいは貼着部を利用して堅固に取り付けられているので、タグ本体から結束線が簡単に外れることはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、この発明に係る表示タグの好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。この発明に係る表示タグは自動取り付け装置を用いて結束線をタグ本体に取り付けることができる。そして、タグ本体に結束線を取り付けた表示タグは自動結束機を用いて包装袋に結束できる。そこでまず、表示タグから説明する。
[第1の発明]
【実施例1】
【0019】
図1はこの発明(第1の発明)に係る表示タグ10の実施の形態を示す。この表示タグ10は、主として各種商品を包装袋に内装した状態でこの包装袋の開口部側に取り付けられる。
【0020】
表示タグ10は図1に示すように、タグ部材12と、結束線20と、係止片30とで構成される。タグ部材12は、多少硬めの紙材や樹脂コーティングされた紙材などが使用される。
【0021】
タグ部材12は、ほぼ矩形状をなすタグ本体12Aと、このタグ本体12Aの上面中央端面と連なるように、この例ではタグ本体12Aと一体形成された帯状の掛け止め片12Bとで構成される。掛け止め片12Bは結束線20をタグ本体12Aに取り付けるための取り付け片として機能する。
【0022】
タグ本体12Aは図2に示すように、タグ本体12Aの一面例えばその表面側は表示部14となされ、この表示部14は商品説明や、広告宣伝の表示欄として使用される。タグ本体12Aの一部、この例では上面中央部に掛け止め片12Bが設けられる。
【0023】
掛け止め片12Bは、タグ本体12Aに連結された帯状片であって、ほぼ2分した帯状片のうちタグ本体12A側を基端部14aとし、帯状片の先端側を先端部14bとすれば、先端部14b側を基線pに沿って基端部14a側に折り曲げて使用される。基端部14aの長さは先端部14bよりも1.5倍程度長くなっているが、これは、後述する掛け止め片30の長さを考慮し、掛け止め片30がタグ本体12A側に達しないようにするためである。
【0024】
結束線20は芯線のみからなる針金を始めとして、芯線に樹脂被膜をコーティングした被覆線や、芯線に樹脂被膜を帯状にコーティングした被膜線などを使用できる。帯状をなす結束線の場合には掛け止め片12Bから抜去しにくくなるメリットがある。
【0025】
掛け止め片12Bを折り曲げただけでは結束線20を掛け止め片12Bに挟持しておくことができない。この折り曲げ状態を保持して結束線20を固定するためにこの例では係止片30が使用される。係止片30を使用することで、図1に示すようにタグ部材12に結束線20を挟持固定できる。
【0026】
係止片30の具体例を図3に示す。係止片30は、図3Bに示すように断面がほぼU字状をなす樹脂製あるいは金属製の弾性体であって、一半部32aと他半部32bからなる。一半部32aと他半部32bとの対向内面側にはそのほぼ中央部に互いにその先端部が衝合するような衝合突起部34,34がそれぞれ一体形成されている。衝合突起部34,34は後述するように折り曲げられた基端部14aと先端部14bを挟持固定するための挟持固定片として機能する。
【0027】
また一半部32aと他半部32bのそれぞれの先端部には先端突起部36,36が設けられている。折り曲げられた基端部14aと先端部14bをより堅固に挟持固定すると共に、係止片30が簡単に掛け止め片12Bから抜け出ないようにするためである。先端突起部36と36との間には少許の隙間が開いているが(図3C参照)、両者を衝合するようにも構成することができる。
【0028】
図3Bに示すように、先端突起部36、36から先端部に向かって外側に開口するようなテーパー面38,38となされている。一方、図3Aに示すように係止片30の基部40側は、その両端部が切り落とされた切欠面42を有する。
【0029】
この切欠面42と、テーパー面38,38とは後述するように、一半部32a,32bを外方に拡張と抜棒するために使用されるものであって、したがって切欠面42,42は、テーパー面38,38に当接した拡張部材(後述する)が一半部32aと他半部32bの各内面を摺接した状態で外部に抜けられるようにするための開口面として機能する。
【0030】
係止片30は、表示タグ10のサイズに応じて大中小の3タイプほど用意されている。それぞれのサイズに応じて、係止片30を構成する各半部32a,32bの長さも相違する。
【0031】
さて、このような部材12,20,30からなる表示タグ10を組み立て方を図4以下を参照して説明する。図4は、結束線20をタグ部材12に取り付ける例を示す。
【0032】
まず、図4Aに示すように結束線20を掛け止め片12Bの基端部14aと対向させ、その状態で図4Bのように先端部14bを基線pから結束線20を覆うように折り曲げる。その後、図4Cに示すように係止片30を掛け止め片12Bを挟持するように差し込む。こうすることで、係止片30が掛け止め片12Bにクリップされるので、係止片30を使用して結束線20を簡単にしかも堅固にタグ部材12に挟持固定することができる。
【0033】
係止片30の取り付け例を図5に示す。係止片30をタグ部材12に取り付けるには、結束装置の一部を構成する取り付け機構を用いる。図5は取り付け機構50の概略構成例であって、取り付けに関する部分のみを示す。
【0034】
この取り付け機構50は、左右にスライドする表示タグ10用のトレー52を有する。トレー52はほぼL字状の板体であって、その板面にタグ部材12が載置される。掛け止め片12Bが図示の状態で左側となるように載置される。トレー52の左端部側の下側には可動式の下部押圧部54が、この下部押圧部54と対向する上部には固定式の上部押圧部56が位置する。可動式の下部押圧部54の左側にはさらに掛け止め片12に対する折り曲げ用であって、可動式の左部押圧部58が位置する。
【0035】
また、上部押圧部56の下面とトレー52の上面との間をスライドできるように、トレー52の左端部を延長した位置であって、このトレー52と対向するように押し当て部60が設けられている。
【0036】
このように構成された取り付け機構50の動作を説明する。まず図5Aのようにトレー52は上下押圧部54,56とは所定の距離だけ離れた位置が原位置となる。トレー52にはタグ部材12が、掛け止め片12Bが左側を向くように載置される。載置するタグ部材12は1枚でもよければ、複数枚載置することもできる。図示の例は1枚づつ載置するようにした例である。トレー52に載置した状態では掛け止め片12Bがトレー52の左端部より突出するようにトレー52のサイズが定められる。
【0037】
タグ部材12を載置した状態でトレー52は左側にスライドされる(図5B参照)。そして、掛け止め片12Bのうち基端部14aが上下押圧部54,56と対峙する位置までスライドされ、その位置で停止する。この位置までスライドされると、次に図5Cに示すように、図示はしないが押し出し機構を利用して、結束線20が基端部14aの面に接するように、紙面の前後いずれかの方向より押し出される。この例では、紙面の奥側に押し出し機構が配置されているものとする。
【0038】
トレー52側に押し出された結束線20は予め所定の長さとなるように切断されているものとする。そして、図4Bに示すように基端部14aを基準にして左右等長となるように結束線20が押し出される。
【0039】
続いて、図5Dに示すように、下部押圧部54が基端部14aの紙面に当接するまで可動され、その後、左部押圧部58が上方にスライドして掛け止め片12Bの先端部14bを基線pを基準にして内側に折り曲げる。先端部14aを内側に折り曲げた状態となったとき、図5Eに示すように押し当て部60をトレー52方向にスライドさせ、掛け止め片12Bと上部押圧部56との間に押し込む。
【0040】
さらに、押し当て部60をトレー52の左端部端面まで到達するように押し込む(図5F参照)。掛け止め片12Bと上部押圧部56との間は、殆ど押し当て部60の厚み程度であるから、図5Fのように押し当て部60をトレー52の左端部側までスライドさせることで、結束線20を挟んだ状態で掛け止め片12Bが折り曲げられる。その結果、押し当て部60を元の位置までスライドさせても、掛け止め片12Bのうち先端部14bが基端部14aに折り曲げられた状態が保持され、先端部14bが基端部14aと接触した状態となっている。
【0041】
次に、この折り曲げられた状態のタグ部材12に対して係止片30の係止処理が行われる。この係止処理は同じ取り付け機構を使用して行われる。上述した上下押圧部54,56、折り曲げ部58および押し当て部60は、それぞれ所定の位置まで退避する。
【0042】
この退避処理が終了すると、図6Aに示すようにまず、係止片30を載置したトレー80が押し当て部60と同じ位置まで上昇して停止する。次に係止片30の拡張部材70,72(図6Aでは一方の拡張部材72のみが図示されている)が、掛け止め片12Bの先端部付近の上下位置まで進入して停止する。
【0043】
係止片30と拡張部材70,72との関係を、図7を参照して説明する。拡張部材70,72としてこの例では棒状の拡張レバーが使用される。この例では、図7Cに示すように一方の拡張部材70は一対の拡張レバー70a,70bで構成され、これらが図7Bおよび図7Cに示すように一半部32aと他半部32bの各開口端面の内面側(テーパー面38)に対峙した状態で、しかも切欠面42に臨む位置が拡張部材70の初期位置(待機位置)となる。
【0044】
同様に、他方の拡張部材72も一対の拡張レバー72a,72bを有し、これらが図7Bおよび図7Cに示すように一半部32aと他半部32bの各開口端面の内面側(テーパー面38)に対峙すると共に、切欠面42に臨む位置に待機している。
【0045】
図6Aに示すように係止片30は上述した押し当て部60によって拡張部材70,72側にスライドできる構成となされており、押し当て部60によって図6Bに示すように係止片30を拡張部材70,72と当接するまでスライドさせる。拡張部材70,72に当接した状態でさらに係止片30をトレー52の方向にスライドさせると、係止片30は弾性体であるので、図6Bに示すように固定された拡張部材70,72によって係止片30の開口端面側が大きく拡張する。
【0046】
その結果、大きく開口された係止片30の内側に掛け止め片12Bが進入する。係止片30の開口状態は係止片30の内面形状に応じて変化するが、何れにしても係止片30をさらにトレー52の方向にスライドさせることによって掛け止め片12Bは係止片30の最深部46まで到達する。
【0047】
最深部46まで係止片30が到達すると、拡張部材70,72は上述した切欠面42と対峙することになるが、拡張部材70,72の進行方向は切欠されているためこの切欠面の作用で、係止片30に対する拡張部材70,72の当接状態が解除される。
【0048】
その結果、図6Cのように掛け止め片12Bを構成する基端部14aと先端部14bの双方が係止片30の一半部32aと他半部14bの協働で、互いに挟持固定される。この状態を拡大して図示すれば、図8のようになる。衝合突起部34,34によって基端部14aと先端部14bが密着する。同時に開口端面側の先端突起部36,36によっても基端部14a側が押さえ込まれるので、これら2つの突起部34,36の協働によって掛け止め片12Bは堅固に固定される。したがって、結束線20は確実にタグ部材12に取り付けることができる。
【0049】
このようにタグ部材12,結束線20および係止片30の各部材によって、図1に示す結束線20が取り付けられた表示タグ10を得ることができる。
【0050】
結束線20を有する表示タグ10は結束機構を用いて包装袋の開口部側に結束される。この結束機構は上述した取り付け機構に部材をさらに付加して構成することもできれば、取り付け機構とは独立した機構として構成することもできる。図9および図10に示す例は、結束機構を取り付け機構とは別機構として構成した例を示す。
【0051】
結束機構100の概略構成を図9Aに示す。この結束機構100は、タグ部材12の位置決め部材102と、包装袋104を挟んで位置決め部材102と対峙するひねり機構部110およびひねり機構部110とは反対側の位置であって、位置決め部材102と対峙するように設けられた押し付け機構部120とで構成される。
【0052】
位置決め部材102は、結束線20を取り付けたタグ部材12を結束機構100の所定位置に保持するための部材であって、包装袋104の進入位置を境に左右に分割された位置決め部材102A,102Bからなり、それぞれにはタグ部材12を挿通できる幅を有した挿通部106a,106bを備える。
【0053】
ひねり機構部110は、金属材料などの剛性素材をほぼS字状をなすように成形したひねり部112を有する。このひねり部112はS字が横向きとなるように配置されると共に、ひねり部112の中心部に駆動モータ114の回転軸116が取り付け固定される。ひねり部112の左部112a側はその奥側が開放され、右部112b側は手前側が開放された状態となるように回転軸116に軸支されている。
【0054】
押し付け機構部120は、U字状ではあるが、馬蹄形のようにそれぞれの先端部が多少内側に湾曲した形状をなす押し付け部122と、その中心に取り付け固定されたスライド軸124とで構成される。
【0055】
このように構成された結束機構100の結束工程を図9および図10を参照して説明する。まず上述した取り付け機構によって結束線20が取り付けられた表示タグ10を用意し、この表示タグ10を図9Aに示すように位置決め部材102の挿通部106a,106b間に差し渡す。表示タグ10の位置決め部材102への差し渡しは、手動でも自動でもよい。図の例は手動で差し渡す例である。
【0056】
表示タグ10を位置決め部材102に差し渡した後は、押し付け機構120が包装袋104側にスライドする。そうすると、押し付け部122が掛け止め片12Bに当接するので、その状態でさらに包装袋104側にスライドさせると、図9Bに示すように掛け止め片12Bを中心にして結束線20の両端がU字状に折り曲げられた状態で、押し付け部122の内面側に入り込む。同時に、包装袋104の開口部104a側も結束線20の内側に入り込む(図9B参照)。
【0057】
そして、押し付け部122をさらにスライドさせて、押し付け部122が位置決め部材102の前方側に到達すると、掛け止め片12Bが押し付け部122の底部に接触した状態になると共に、包装袋104の開口部104aの周囲を半分程度囲繞した状態となる。
【0058】
このとき、結束線20の両端部は何れもひねり部112と対向することになるから、押し付け部122を図9Bの位置よりもさらにスライドさせると、図10Aに示すように、結束線20の左端部はひねり部112の左部112a側のS字部内に進入し、結束線20の右端部はひねり部112の右部112bのS字部内に進入する。
【0059】
結束線20の両端部がそれぞれひねり部112内に完全に進入したタイミングになると、今度は駆動モータ114が駆動されて回転軸116が回転する。この回転によって図10Bのように、結束線20の両端がこのひねり部112によって捻転される。数回の捻転を行うことで包装袋104の開口部はこの結束線20によって堅固に結束される。
【0060】
なお、この開口部104aは通常熱溶着などによって封止された状態となっているから、結束線20がなくても内装品がはみ出すようなことはない。したがって、結束線20はこの開口部104aから落下しない程度の堅固さで結束されれば十分である。
【0061】
結束が終了すると、図10Bのように押し付け部122は原位置まで後退して待機状態となる。この待機状態のときひねり機構部110から包装袋104を外して、再び新しい包装袋104と、新しい表示タグ10が位置決め部材102側にそれぞれセットされる。表示タグ10が結束された包装袋104の一例を図11に示す。
【実施例2】
【0062】
上述した表示タグ10にあって、タグ部材12としては図12Aに示すようにその掛け止め片12Bの基端部14aと先端部14bのそれぞれにスリット130a,130bを形成することもできる。スリット130a,130bの形成位置は、図12Bに一部を拡大して示すように衝合先端部14bを基線pから折り曲げたとき、衝合突起部34,34と対向する位置である。スリット130a,130bの幅は衝合突起部34,34の幅に等しいか若干広目である。
【0063】
このようなスリット130a,130bを設けることで、掛け止め片12Bを折り曲げたとき、衝合突起部34,34の各先端がスリット130a,130b内に入り込む(食い込む)ので、係止片30が掛け止め片12Bから抜けにくくなる。
【0064】
なお、スリット130a,130bは、先端突起部36,36と対向する位置に設けるようにしてもよい。
【実施例3】
【0065】
図13は係止片30の他の例を示す。この例は一半部32aと他半部32bとで係止片30が構成されるも、それぞれの内面には突起部34,34とテーパー面38,38のみが存在する簡易型の係止片の例である。
【0066】
この簡易型であっても係止片30によって掛け止め片30を堅固に挟持固定できる。実施例2のタグ部材12と組み合わせるとスリット130a、130bによる抜け防止が加わるから好適である。
[第2の発明]
【0067】
第1の発明では、係止片30を使用してタグ部材12に結束線20を取り付けるようにしたものである。第2の発明はこの係止片30の代わりに粘着材を使用して結束線20をタグ部材12に取り付けるようにしたものである。
【0068】
この場合には、図14に示すように掛け止め片12Bにおける基端部14aと先端部14bとのそれぞれか、何れか一方に貼着部140が設けられる。図14Aは先端部14bに貼着部140が設けられている場合を示す。貼着部140は粘着機能を有するもので、両面接着材などが利用される。
【0069】
基端部14aと先端部14bとの間に結束線20を挟み込んだ状態で、先端部14bを基線pから折り曲げて、図14Bに示すように貼着部140を介して基端部14aと先端部14bとの間を密着させることで、両者を堅固に固定できる。これによって係止片30と同等の作用効果が得られる。
【0070】
貼着部140を上述とは逆に基端部14a側に設けると、先端部14bを折り曲げるときのタイミングが悪くても、貼着部140によって確実に先端部14bを基端部14a側に貼着固定できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
この発明では、商品を内装する包装袋の表示タグなどに適用して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】第1の発明に係る表示タグの一例を示す構成図である。
【図2】結束線の取り付け状態を示す図である。
【図3】係止片の一例を示す構成図である。
【図4】結束線の取り付け作業工程図である。
【図5】図4の詳細を示す取り付け作業工程図である(その1)。
【図6】図4の詳細を示す取り付け作業工程図である(その2)。
【図7】係止片の一例を示す構成図である。
【図8】係止片と掛け止め片との関係を示す拡大図である。
【図9】結束機構を使用した結束工程例を示す図である(その1)。
【図10】結束機構を使用した結束工程例を示す図である(その2)。
【図11】表示タグを結束した包装袋の斜視図である。
【図12】タグ部材の他の例を示す平面図である。
【図13】係止片の他の例を示す平面図である。
【図14】第2の発明に係る表示タグの一例を示す構成図である。
【符号の説明】
【0073】
10・・・表示タグ、12・・・タグ部材、12A・・・タグ本体、12B・・・掛け止め片、14a・・・基端部、14b・・・先端部、20・・・結束線、30・・・係止片、32a,32b・・・半部、34,34・・・衝合突起部、36,36・・・突起部、38,38・・・テーパー面、50・・・取り付け機構、54,56,58・・・押圧部、60・・・押し当て部、70,72・・・拡張部材、100・・・結束機構、102・・・押し付け機構部、104・・・包装袋、110・・・ひねり機構部、112・・・ひねり部、114・・・駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋の開口部側に巻き付けることで該包装袋を結束する結束線と、
上記結束線に取着されるタグ部材と、
上記結束線と上記タグ部材とを固定する係止片からなる表示タグであって、
上記タグ部材は、情報などを表示するタグ本体と、このタグ本体の一部に連なるように設けられた掛け止め片からなり、
上記掛け止め片の先端部側をその基端部側に折り曲げることで上記結束線が上記掛け止め片によって挟持されると共に、
上記係止片が、折り曲げられた上記掛け止め片に装着固定される
ことを特徴とする表示タグ。
【請求項2】
上記結束線は、芯線とその被覆部からなる
ことを特徴とする請求項1記載の表示タグ。
【請求項3】
包装袋の開口部側に巻き付けることで該包装袋を結束する結束線と、
上記結束線に取着されるタグ部材からなる表示タグであって、
上記タグ部材は、情報などを表示するタグ本体と、このタグ本体の一部に連なるように設けられた掛け止め片からなり、
上記掛け止め片には貼着部が設けられ、上記結束線を介在させた状態で、上記掛け止め片の先端部側をその基端部側に折り曲げ、上記貼着部によって折り曲げ状態を保持することで、上記結束線が上記掛け止め片によって挟持される
ことを特徴とする表示タグ。
【請求項4】
上記貼着部には、粘着剤が塗布された
ことを特徴とする請求項3記載の表示タグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−150079(P2008−150079A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−340350(P2006−340350)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】