説明

表示パネルの製造方法および表示パネル

【課題】封止を確実に行う。
【解決手段】四角枠状の不透明領域14が形成された封止基板12上に、フォトリソグラフィーによって、二重枠状のピラー70を形成する。そして、このピラー70間に位置する不透明領域14にレーザを照射して、その部分を加熱して、ピラー70で両側を支持した状態で、ガラスを盛り上がらせ溶接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機EL(Electro Luminescence)表示パネルなどの表示パネルの製造、特にその封止の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
薄型のフラットディスプレイパネルとして、プラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)などが普及しており、有機ELパネルも実用化されるようになってきている。
【0003】
この有機ELパネルでは、各画素の発光材料などに有機物質を利用し、この有機材料が水分を含むとその寿命が短くなるため、各画素の存在する空間の水分をなるべく少なくする必要がある。そこで、EL素子を含む表示画素がマトリクス状に形成されたEL基板(画素基板)に対応して、封止基板を所定間隔をおいて対向させ、これら基板の周辺部分を樹脂製のシール材によって気密に封止し、内部に水分が侵入しないようにすると共に、内部空間には、乾燥剤を収容し、水分を除去している。
【0004】
ここで、シール材としては、エポキシ系の紫外線硬化樹脂などが用いられているが、さらに気密性を向上させることが望まれている。
【0005】
ここで、EL基板、封止基板には、通常、ガラス基板が使用され、ガラス同士の接合には、ガラスを加熱溶融させて接合する手法がある。このガラスによる封止を利用すれば、樹脂のシール材による封止に比べより機密性の高い封止が行えると考えられる。特に、レーザ光を用いるガラスの溶接を用いれば、ガラス基板の周辺部を接合できると考えられる。なお、レーザ光を利用したガラスの接合については、特許文献1などに記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−170290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、この特許文献1では、ガラスの表面にレーザを吸収する吸収材層に照射し、これによってガラスを溶解している。従って、溶解するガラスの範囲を正確に決定することが難しく、周辺の溶接部分にかなりの余裕を持つ必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表示画素がマトリクス状に形成された表示領域とこの表示領域を取り囲む周辺領域を有する画素基板と、前記画素基板と所定間隔をおいて対向配置した封止基板を含む表示パネルの製造方法であって、前記画素基板又は前記封止基板のうちいずれか一方の基板はレーザを透過する材料で形成されており、他方の基板の周辺領域はレーザを吸収する吸収体領域を有し、前記他方の基板の吸収体領域上に一対のピラーを形成し、前記一方の基板の周辺領域を介し、前記他方の基板の前記一対のピラー間の吸収体領域にレーザを照射することで、前記他方の基板の吸収体領域を加熱し、これによって他方の基板の吸収体領域を、前記ピラー間において前記一方の基板に向けて盛り上がらせて、前記画素基板と封止基板とを周辺部分で溶接封止して両基板で挟まれる空間を密閉することを特徴とする。
【0009】
また、前記ピラーは、フォトリソグラフィーによって形成されることが好適である。
【0010】
また、前記他方の基板の吸収体領域は、その基板への不透明物質のドープにより形成されることが好適である。
【0011】
また、前記レーザを透過する材料はガラスまたは樹脂フィルムであることが好適である。
【0012】
また、本発明は、表示画素がマトリクス状に形成された表示領域とこの表示領域を取り囲む周辺領域を有する画素基板と、前記画素基板と所定間隔をおいて対向配置した封止基板を含む表示パネルであって、前記画素基板又は前記封止基板のうちいずれか一方の基板はレーザを透過する材料からなっており、他方の基板の周辺領域はレーザを吸収する吸収体領域を有し、前記他方の基板の吸収体領域上に一対のピラーを備え、前記吸収体領域を、前記ピラー間において前記一方の基板に向けて盛り上がった部分で、前記画素基板と封止基板とを周辺部分で溶接封止された両基板で挟まれる空間が密閉されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、レーザ照射による溶接封止によって、画素基板と封止基板を接合する。従って、小さな面積で、確実が封止が行え、実際に表示が行える表示領域を大きくとることができ、ディスプレイのサイズを小さくできる。また、溶接によるため、水分の侵入を確実に防止することができ、内部に封入する乾燥剤の量を減少またはなしにできる。そして、レーザ照射により盛り上がる接合部分について、これを支持するピラーが存在する。そこで、溶接位置を正確に決定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1には、実施形態に係る基板の接合について示してある。ガラス製の封止基板12の周辺の溶接封止を行う部分には、不透明のガラスなどレーザを吸収する不透明領域(吸収体領域)14が設けられている。例えば、封止基板12は、イオン注入や、イオン交換法によって、金属をドープすることによって不透明になり、レーザ光を吸収する吸収体領域として機能する不透明領域14が形成される。ここで、イオン交換法は、パターニングしたレジストを封止基板12に形成し、所定の金属を含む溶液に浸して封止基板12内のイオン(例えば、ナトリウム)をイオン交換させ、金属を封止基板12中に拡散することによって行う。なお、いずれの方法においても、図に示すように、封止基板12の厚み方向全域を不透明に形成することもできるが、封止基板12の表面部分のみ、表面から所定の深さまでを不透明にしてもよい。
【0016】
また、封止基板12上に吸収体領域として機能する不透明領域14を形成することも可能である。例えば、封止基板12上に、真空蒸着、CVD(化学的気相成長法)、スパッタにより金属などの不透明物質を積層したり、有色塗料を塗布して不透明領域14を形成してもよい。さらに、このような不透明領域14は、それを形成したい領域に溝を設け、この溝の中に形成してもよい。
【0017】
なお、本実施形態では、吸収体として用いる金属として銅を採用しているが、不透明にできれば銀、鉄など他の金属を採用してもよい。封止基板12の光透過率は、例えば550nmの光で、1〜2%程度が好ましい。1%以下にすると、金属ドープ量が非常に多くなり、現実的ではなく、8%以上では光吸収が少なく、十分な加熱ができない。また、金属以外の吸収体においても同様のことがいえる。
【0018】
そして、この周辺部に四角枠状の不透明領域14を有する封止基板12の表面(全面)にレジスト16を積層する(a)。なお、この四角枠は完全に閉じている必要はなく、所々途切れていてもよい。
【0019】
次に、マスク18を用いて、レジスト16を露光する。図示の例では、ポジ型のレジスト16を用いており、マスク18は、不透明領域14上のレジスト16における二重の四角枠状の部分が露光されないようにする(b)。
【0020】
露光が終了したら、エッチングによって、露光されている部分を除去し、二重の四角枠状のピラー70を封止基板12上の周辺部に形成する(c)。このように、ピラーは、フォトリソグラフィーによって形成される。なお、このピラー70は、連続している必要はなく、断続的なものでもよく、マスクも被透過部分が断続的に形成されたものでよい。また、ピラー70の高さは、6〜10μm、好ましくは8μm程度になるようにする。
【0021】
そして、画素のマトリクスが形成されたEL基板10を封止基板12上のピラー70上にセットする。そして、この状態で、封止基板12の不透明領域14であって、ピラー70の間の領域に、EL基板10側からレーザを照射する(d)。このレーザは、YAGレーザ(1061nm)であれば10〜50W程度、炭酸ガスレーザ(10.6μm)であれば500W程度が採用される。
【0022】
これによって、封止基板12の不透明領域14において、光が吸収され、この部分が加熱溶融する。ここで、この不透明領域14は、600〜700℃程度まで加熱することが好適であり、これによって不透明領域14が溶融してこの部分が接合部72としてピラー70の間で盛り上がる。そして、接合部72の上端がEL基板(画素基板)10に接触し、ここで溶接される。なお、レーザ光は、通常のスポット状のものを用い、スポットをスキャンすることで、EL基板10と、封止基板12とをその周辺部で溶接により封止する。
【0023】
このようにして、レーザを利用したガラス溶接によって、EL基板10と、封止基板12を溶接することができる。レーザ照射によれば、溶接部分のみが加熱されるため、封止による内部空間がほとんど加熱されず、内部空間の温度と外部空間の温度があまり変化しない。従って、封止後における内部空間の圧力を適切なものに設定しやすい。また、この封止は、実質的に水分のない窒素雰囲気で行われ、ガラス溶接による封止は、非常に気密状態が高いため、その後の大気中における使用状態においても水分が内部空間に侵入してくる可能性が低い。そこで、内部に乾燥剤を収容しなくてもよく、また収容する場合でも、その量を非常に少ない量にできる。さらに、このレーザを利用したガラス溶接を用いた場合、EL基板10と封止基板12の接合部分の幅が小さくてよく、また接合によって接触面積が広がるわけでもない。従って、EL基板の周辺部分の封止用の領域の面積を小さくすることができ、表示パネルを小型化することができる。
【0024】
特に、本実施形態では、接合部72は、ピラー70で両側が支持されている。従って、接合部72の位置を正確なものとして、EL基板10と封止基板12を溶接することができる。
【0025】
なお、本実施形態では、封止基板12における不透明領域14は、封止基板12の周辺部分のみに設けられ、EL基板の表示領域に対応する部分は、透明である。従って、封止基板12から光を射出することができ、EL基板10をトップエミッションタイプとすることができる。
【0026】
なお、ボトムエミッションとするのであれば、封止基板12の全体を不透明領域14としても構わない。
【0027】
また、ピラー70内の接合部72が加熱状態になり盛り上がるのであるが、レーザはスポット上であり、ピラー70の表面に接触する接合部72の表面温度は、それほど高くならない。このため、ピラー70は、通常のアクリル系などの樹脂レジストを用いて構成すれば問題ない。
【0028】
図2には、1つのガラス基板に複数(この場合は6つ)の封止基板12を設けた状態を示してある。このように、1枚のガラス基板に、四角枠状の不透明領域14を所定間隔をおいて形成する。一方、EL基板10も同様の1枚のガラス基板に複数形成する。そして、両者を貼り合わせた後、レーザカッターによって、それぞれの表示パネルを切り離すことで、複数のEL基板10を同一工程で一緒に作製することができ、貼り合わせ、カットも1つの工程として効率的に行うことができる。
【0029】
図3には、不透明領域14を表示領域における画素毎の不要部分におけるブラックマトリクスとしても利用する例を示している。このように、この例では、EL基板10に形成される各画素の境界に対応してブラックマトリクス20を不透明領域14と同様にして形成している。これによって、画素毎の区切りが明確になり、より鮮明な表示が行える。また、不透明領域14を形成する際にブラックマトリクス20を一緒に形成することができ、工程を増加する必要がない。
【0030】
なお、本実施形態では、封止基板12の周辺領域に吸収体領域を形成し、ここにピラー70を設けたが、画素基板10の周辺領域に吸収体領域を設けてもよい。この場合、封止基板12は、レーザを照射する周辺領域もレーザが透過するように透明である必要がある。
【0031】
図4は、一画素の発光領域と駆動TFTの部分の構成を示す断面図である。なお、各画素には、複数のTFTがそれぞれ設けられ、駆動TFTは、電源ラインから有機EL素子へ供給する電流を制御するTFTである。ガラス基板30上には、SiNとSiO2の積層からなるバッファ層11が全面に形成され、その上に所定のエリア(TFTを形成するエリア)にポリシリコンの能動層22が形成される。
【0032】
能動層22およびバッファ層11を覆って全面にゲート絶縁膜13が形成される。このゲート絶縁膜13は、例えばSiO2およびSiNを積層して形成される。このゲート絶縁膜13上方であって、チャネル領域22cの上に例えばCrのゲート電極24が形成される。そして、ゲート電極24をマスクとして、能動層22へ不純物をドープすることで、この能動層22には、中央部分のゲート電極の下方に不純物がドープされていないチャネル領域22c、その両側に不純物のドープされたソース領域22sおよびドレイン領域22dが形成される。
【0033】
そして、ゲート絶縁膜13およびゲート電極24を覆って全面に層間絶縁膜15が形成され、この層間絶縁膜15内部のソース領域22s、ドレイン領域22dの上部にコンタクトホールが形成され、このコンタクトホールを介し、層間絶縁膜15の上面に配置されるソース電極53、およびドレイン電極26が形成される。なお、ソース電極53には、電源ライン(図示せず)が接続される。ここで、このようにして形成された駆動TFTは、この例ではpチャネルTFTであるが、nチャネルとすることもできる。
【0034】
層間絶縁膜15およびソース電極53、ドレイン電極26を覆って、全面に平坦化膜17が形成され、この平坦化膜17の上面の発光領域の位置には、Agなどからなる反射膜69が形成され、その上に陽極として機能する透明電極61が設けられる。また、ドレイン電極26の上方の平坦化膜17には、これらを貫通するコンタクトホールが形成され、このコンタクトホールを介し、ドレイン電極26と透明電極61が接続される。
【0035】
なお、層間絶縁膜15および平坦化膜17には、通常アクリル樹脂などの有機膜が利用されるが、TEOSなどの無機膜を利用することも可能である。また、ソース電極53、ドレイン電極26は、アルミなどの金属が利用され、透明電極61には通常ITOが利用される。
【0036】
この透明電極61は、通常各画素の大部分の領域に形成され、全体としてほぼ四角形状で、ドレイン電極26との接続用のコンタクト部分が突出部として形成されており、コンタクトホール内にものびている。反射膜69は、透明電極61より若干小さく形成されている。
【0037】
この透明電極61の上には、全面に形成されたホール輸送層62、発光領域より若干大きめに形成された有機発光層63、全面に形成された電子輸送層64からなる有機層65と、全面に形成された透明(例えば、ITO)の対向電極66が陰極として形成されている。
【0038】
透明電極61の周辺部分上のホール輸送層62の下方には、平坦化膜67が形成されており、この平坦化膜67によって、各画素の発光領域が透明電極61上であって、ホール輸送層62が透明電極61に直接接している部分が限定され、ここが発光領域となる。なお、平坦化膜67にも、通常アクリル樹脂などの有機膜が利用されるがTEOSなどの無機膜を利用することも可能である。
【0039】
なお、ホール輸送層62、有機発光層63、電子輸送層64には、有機EL素子に通常利用される材料が使用され、有機発光層63の材料(通常はドーパント)によって、発光色が決定される。例えば、ホール輸送層62にはNPB、赤色の有機発光層63にはTBADN+DCJTB、緑色の有機発光層63にはAlq3+CFDMQA、青色の有機発光層63にはTBADN+TBP、電子輸送層64にはAlq3等が用いられる。
【0040】
このような構成において、ゲート電極24の設定電圧に応じて、駆動TFTがオンすると、電源ラインからの電流が、透明電極61から対向電極66に流れ、この電流によって有機発光層63において、発光が起こり、この光が、対向電極66を通過し、また反射電極69で反射され、図における上方に射出される。
【0041】
そして、封止基板12におけるEL基板10の各画素の発光領域以外の部分に対向して、ブラックマトリクス20が設けられている。従って、となりの画素の発光領域からの光が混入して表示が不鮮明になることを効果的に防止することができる。
【0042】
また、トップエミッションタイプとすることによって、TFTの上方にも発光領域を形成することができ、複数のTFTを設けた画素回路を利用しても、開口率(発光領域の割合)を大きくして明るいパネルを容易に形成することができる。
【0043】
図3、4に示すように、トップエミッションタイプとした場合、選択TFT1、駆動TFT2、各種ラインを画素領域の下に形成することができ、そしてブラックマトリクス20によって、鮮明な表示を維持することができる。
【0044】
ここで、EL基板10は、その大部分が表示画素がマトリクス状に配置された表示領域となっており、周辺部分にドライバなどが配置されている。そして、図5に示すように、映像信号や電源などは外部から供給されるため、外部との接続用の端子部90を有している。この端子部90は、外部との接続を行う複数のパッド部分からなっており、このパッド部分には、内側の回路との電気的接続を行う複数の配線部が接続されている。
【0045】
そして、この端子部90におけるパッドやそこに接続される配線部分は、通常アルミなどの金属で形成されているが、この端子部90におけるレーザを透過させる部分については、透明導体であるITOで形成されている。
【0046】
従って、図6に示すように、レーザ光は端子部90においても、EL基板10を透過し、封止基板12に照射され、このレーザ照射領域が加熱され、封止部18が盛り上がり、両基板10、12がガラス溶接によって封止される。
【0047】
図7には、EL基板10における回路の概略構成が示してある。周辺回路として水平ドライバ40と、垂直ドライバ42が設けられており、その内側が表示領域になっている。水平ドライバ40からはデータラインDLと、電源ラインPLが各列の画素に対応して垂直方向に設けられ、垂直ドライバ42からは、各行の画素に対応してゲートラインGLが水平方向に設けられている。なお、電源電圧、動作クロック、映像データは外部から端子部を介し、水平ドライバ40、垂直ドライバ42に供給される。
【0048】
各画素には、nチャネルの選択TFT1、pチャネルの駆動TFT2、保持容量3、有機EL素子4が設けられている。選択TFT1は、ドレインがデータラインDL、ゲートがゲートラインGL、ソースが駆動TFT2のゲートに接続されている。また、この駆動TFT2のゲートには、保持容量SCの一端が接続され、保持容量SCの他端は、所定電位のSC容量ラインに接続されている。駆動TFT2のソースは電源ラインPLに接続され、ドレインは有機EL素子4のアノードに接続されている。そして、有機EL素子4のカソードが低電圧のカソード電源に接続されいる。
【0049】
そして、ゲートラインGLをH(High)レベルとすることで、その行の選択TFT1がオンになり、その状態で、データラインDLにデータ電圧をセットすることで、その電圧が保持容量SCに保持され、駆動TFT2がデータ電圧に対応した電流を電源ラインPLから有機EL素子4に流し、データ電圧に応じた発光が生起される。
【0050】
そして、図において、太線で示したように、封止部18が周辺部に四角枠状に形成される。特に、この封止部18は、端子部90の上方にも形成される。しかし、上述のように、封止部18に対応する端子部90の導体は透明なITOや、IZOで形成されている。従って、この部分においてもレーザはEL基板10を透過することができる。
【0051】
図8には、端子部90における構成例が示してある。この例では、レーザを透過させたい導体部分80のみをITOで形成し、その他の導体部分82はアルミで形成している。すなわち、アルミ配線の導体部分80のレーザ透過部分のみを切断しておき、この部分を覆ってITOの導体部分80を形成することで電気的接続を維持している。
【0052】
なお、上述の説明では、端子部90において、レーザ透過部分を設けたが、端子部に至る配線部分にレーザ透過部を設ける場合にも同様にITOなど透明導体を用いて構成できる。
【0053】
なお、EL基板10の端子部90など配線部分において、レーザ光を透過させ、封止基板10の透明部分を加熱できる構成であれば、上述のような構成に限らず、金属配線をメッシュ状にして部分的にレーザを透過させたり、厚みを薄くして半透明にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】レーザ照射を示す図である。
【図2】封止基板の構成を示す図である。
【図3】ブラックマトリクスを形成した封止基板を示す図である。
【図4】一画素分の構成を示す図である。
【図5】端子部を有するEL基板の構成を示す図である。
【図6】端子部に対するレーザ照射を示す図である。
【図7】EL基板における回路の概略構成を示す図である。
【図8】端子部の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 選択TFT、2 駆動TFT、3 保持容量、4 有機EL素子、10 EL基板、11 バッファ層、12 封止基板、13 ゲート絶縁膜、14 不透明領域、15 層間絶縁膜、16 レジスト、17,67 平坦化膜、18 マスク、20 ブラックマトリクス、22 能動層、22c チャネル領域、22d ドレイン領域、22s ソース領域、24 ゲート電極、26 ドレイン電極、30 ガラス基板、40 水平ドライバ、42 垂直ドライバ、53 ソース電極、61 透明電極、62 ホール輸送層、63 有機発光層、64 電子輸送層、65 有機層、66 対向電極、69 反射膜、70 ピラー、72 接合部、DL データライン、GL ゲートライン、PL 電源ライン、SC 保持容量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画素がマトリクス状に形成された表示領域とこの表示領域を取り囲む周辺領域を有する画素基板と、前記画素基板と所定間隔をおいて対向配置した封止基板を含む表示パネルの製造方法であって、
前記画素基板又は前記封止基板のうちいずれか一方の基板はレーザを透過する材料で形成されており、他方の基板の周辺領域はレーザを吸収する吸収体領域を有し、
前記他方の基板の吸収体領域上に一対のピラーを形成し、
前記一方の基板の周辺領域を介し、前記他方の基板の前記一対のピラー間の吸収体領域にレーザを照射することで、前記他方の基板の吸収体領域を加熱し、
これによって他方の基板の吸収体領域を、前記ピラー間において前記一方の基板に向けて盛り上がらせて、前記画素基板と封止基板とを周辺部分で溶接封止して両基板で挟まれる空間を密閉することを特徴とする表示パネルの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の表示パネルの製造方法において、
前記ピラーは、フォトリソグラフィーによって形成されることを特徴とする表示パネルの製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の表示パネルの製造方法において、
前記他方の基板の吸収体領域は、その基板への不透明物質のドープにより形成されることを特徴とする表示パネルの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の表示パネルの製造方法において、
前記レーザを透過する材料はガラスまたは樹脂フィルムであることを特徴とする表示パネルの製造方法。
【請求項5】
表示画素がマトリクス状に形成された表示領域とこの表示領域を取り囲む周辺領域を有する画素基板と、前記画素基板と所定間隔をおいて対向配置した封止基板を含む表示パネルであって、
前記画素基板又は前記封止基板のうちいずれか一方の基板はレーザを透過する材料からなっており、他方の基板の周辺領域はレーザを吸収する吸収体領域を有し、
前記他方の基板の吸収体領域上に一対のピラーを備え、
前記吸収体領域を、前記ピラー間において前記一方の基板に向けて盛り上がった部分で、前記画素基板と封止基板とを溶接封止された両基板で挟まれる空間が密閉されていることを特徴とする表示パネル。
【請求項6】
請求項5に記載の表示パネルにおいて、
前記ピラーは、フォトリソグラフィーによって形成されることを特徴とする表示パネル。
【請求項7】
請求項5に記載の表示パネルにおいて、
前記他方の基板の吸収体領域は、その基板への不透明物質のドープにより形成されることを特徴とする表示パネル。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1つに記載の表示パネルにおいて、
前記レーザを透過する材料はガラスまたは樹脂フィルムであることを特徴とする表示パネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−338948(P2006−338948A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160091(P2005−160091)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】