説明

表示ムラの再現方法、画像表示システム、表示装置、コンピュータプログラム及び記録媒体

【課題】個々の表示装置の固有の特性により異なる輝度ムラや色ムラなどの表示ムラを別の表示装置の表示画面上で再現することができる表示ムラの再現方法、画像表示システム、表示装置、コンピュータプログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】補正量算出部121は、自身の表示ムラ補正データ171に他の表示装置の表示ムラデータを加算することにより目標補正量を算出し、算出した目標補正量を補正テーブルに保持するとともに、補間処理部122へ出力する。補間処理部122は、補正量算出部121で算出された目標補正量を用いて補間処理を行うことにより、補正テーブルの各点に対応する画素以外の画素に対応する目標補正量を算出する。補正処理部123は、目標補正量に基づいて、入力された画像信号の階調を補正し、補正した画像信号を出力部13へ出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個々の表示装置の固有の特性により異なる輝度ムラや色ムラなどの表示ムラを別の表示装置の表示画面上で再現することができる表示ムラの再現方法、画像表示システム、表示装置、コンピュータプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
LCD(Liquid Crystal Display)モニタなどの表示装置は、一対のガラス基板の間に液晶物質を封入した液晶パネル(表示部)と液晶パネルの背面に配置されたバックライトとを備え、表示装置に接続された外部のパーソナルコンピュータなどの画像出力装置から画像信号が入力される。表示装置に内蔵されたゲートドライバ及びソースドライバは、液晶パネルの各画素を駆動するTFTのゲート及びソースに接続され、表示装置に入力された画像信号に基づいて、TFTのオン・オフを制御するとともに、オンに制御されたTFTに、画像信号に応じた電圧(液晶パネルへの入力レベル)を印加して、液晶物質の電気光学特性により決定される光透過率を変える。これにより、表示装置は、液晶パネルを透過する光の量を画素毎に制御して画像を表示する。
【0003】
表示装置の表示特性は、使用している液晶パネルや周辺回路などの特性に依存するため液晶パネル、表示装置の種類や型式毎に異なり、表示装置は、固有の表示特性を有している。そして、表示装置の画面領域には、空間的な輝度ムラや色ムラなどの表示ムラが発生する。このような表示ムラは、特に画面領域の周辺部で顕著に現われる。また、液晶パネルを用いた表示装置に限らず、PDP(Plasma Display Panel)モニタや、有機EL(Electro Luminescence)モニタ等の表示装置についても同様である。
【0004】
一般に画像データを表示装置で表示する場合に、表示装置の違いによる画像の見え方の違いを改善する方法は種々考案されている。例えば、色見本データを作成表示機器エミュレート手段及び実行表示機器エミュレート手段の夫々に入力し、夫々の表示機器での色再現をエミュレートし、その結果を色再現性差分検出手段で比較し出力することにより、データ作成者は、機器の違いによる色変化を予め把握した上でデータ作成に用いる色を選定することができる画像データ配色支援装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−139496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の装置にあっては、単に色再現性をエミュレートするのみであり、画面領域上の空間的な輝度ムラや色ムラなどの表示ムラについては考慮されていない。すなわち、特許文献1の装置は、複数の色を表現したカラーパレット(色見本データ)を夫々の表示機器で色再現して、両者の差分を取得することにより、色見本データにて表現される特定の色を異なる表示機器で表示した場合に生じる色変化を予め知ることができるものの、表示装置の固有の特性により生ずる画面領域上の空間的な輝度ムラや色ムラを予め知ることはできない。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、個々の表示装置の固有の特性により異なる輝度ムラや色ムラなどの表示ムラを別の表示装置の表示画面上で再現することができる表示ムラの再現方法、該再現方法を行うことができる画像表示システム、該画像表示システムを実現する表示装置、該表示装置を実現することができるコンピュータプログラム及び該コンピュータプログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る表示ムラの再現方法は、入力された画像信号の強度に応じた画像を表示画面に表示する表示装置を用いて他の表示装置の表示ムラを前記表示画面に再現する表示ムラの再現方法であって、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を目標補正量算出手段により算出し、算出した目標補正量に基づいて、入力された画像信号の強度を補正手段により補正し、補正した強度に応じた画像を前記表示画面に表示して表示ムラを再現することを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る表示ムラの再現方法は、第1発明において、前記表示画面上の表示ムラを補正すべく画像信号の強度に対する固有補正量を記憶手段に予め記憶しておき、前記目標補正量算出手段により、記憶した固有補正量に前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出することを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る表示ムラの再現方法は、第1発明において、前記表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を差分算出手段により算出し、前記目標補正量算出手段により、算出した差分に基づいて目標補正量を算出することを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る画像表示システムは、画像信号を生成する画像生成装置と、入力された画像信号の強度に応じた画像を表示画面に表示する表示装置とを備える画像表示システムにおいて、前記表示装置は、他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を算出する補正量算出手段と、該補正量算出手段で算出した目標補正量に基づいて、入力された画像信号の強度を補正する補正手段と、該補正手段で補正した強度に応じた画像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る画像表示システムは、第4発明において、前記表示装置は、前記表示画面上の表示ムラを補正すべく画像信号の強度に対する固有補正量を記憶する記憶手段を備え、前記補正量算出手段は、前記記憶手段で記憶した固有補正量に前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第6発明に係る画像表示システムは、第4発明において、前記表示装置は、前記表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を算出する差分算出手段を備え、前記補正量算出手段は、前記差分算出手段で算出した差分に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0014】
第7発明に係る表示装置は、入力された画像信号の強度に応じた画像を表示画面に表示する表示装置において、他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を算出する補正量算出手段と、該補正量算出手段で算出した目標補正量に基づいて、入力された画像信号の強度を補正する補正手段と、該補正手段で補正した強度に応じた画像を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第8発明に係る表示装置は、第7発明において、前記表示画面上の表示ムラを補正すべく画像信号の強度に対する固有補正量を記憶する記憶手段を備え、前記補正量算出手段は、前記記憶手段で記憶した固有補正量に前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0016】
第9発明に係る表示装置は、第7発明において、前記表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を算出する差分算出手段を備え、前記補正量算出手段は、前記差分算出手段で算出した差分に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0017】
第10発明に係る表示装置は、第7発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を該他の表示装置の表示経過時間と関連付けて記憶する記憶手段と、表示経過時間の設定を受け付ける受付手段を備え、前記補正量算出手段は、前記受付手段で受け付けた表示経過時間に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0018】
第11発明に係る表示装置は、第7発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を温度と関連付けて記憶する記憶手段と、温度の設定を受け付ける受付手段を備え、前記補正量算出手段は、前記受付手段で受け付けた温度に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0019】
第12発明に係る表示装置は、第7発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を湿度と関連付けて記憶する記憶手段と、湿度の設定を受け付ける受付手段を備え、前記補正量算出手段は、前記受付手段で受け付けた湿度に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0020】
第13発明に係る表示装置は、第7発明乃至第9発明のいずれか1つにおいて、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を該他の表示装置の表示画面の傾きと関連付けて記憶する記憶手段と、前記他の表示装置の表示画面の傾きの設定を受け付ける受付手段を備え、前記補正量算出手段は、前記受付手段で受け付けた傾きに対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0021】
第14発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、表示画面上に他の表示装置の表示ムラを再現するため、出力する画像信号の強度を補正する補正手段として機能させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを、予め取得した前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を算出する補正量算出手段と、該補正量算出手段で算出した目標補正量に基づいて、出力する画像信号の強度を補正する補正手段として機能させることを備えることを特徴とする。
【0022】
第15発明に係るコンピュータプログラムは、第14発明において、前記補正量算出手段は、前記表示画面上の表示ムラを補正すべく画像信号の強度に対して予め取得された固有補正量に前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0023】
第16発明に係るコンピュータプログラムは、第14発明において、コンピュータを、予め取得された前記表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を算出する差分算出手段として機能させ、前記補正量算出手段は、前記差分算出手段で算出した差分に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする。
【0024】
第17発明に係るコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体は、第14発明乃至第16発明のいずれか1つに係るコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とする。
【0025】
第1発明、第4発明、第7発明、第14発明及び第17発明にあっては、他の表示装置の表示ムラ(例えば、輝度ムラ、色ムラなど)を表すために画像信号(例えば、輝度成分、あるいは、R、G、Bの各色成分、あるいは、RGBより得られる輝度成分及び色差成分など)の強度(例えば、階調値など)に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を算出する。表示ムラは、表示画面上に空間的に現われるため、表示画面のそれぞれの画素位置(画素座標)毎に目標補正量を算出することができる。目標補正量は、入力された画像信号の強度を、どの程度増加させるか又は減少させるかを示し、例えば、目標補正量が100%であれば、画像信号の強度を増減せず、また、目標補正量が90%であれば、画像信号の強度を90%に減少させる。そして、算出した目標補正量に基づいて、入力された画像信号の強度を補正し、補正した強度(画像信号の強度)に応じた画像を表示画面に表示することにより、他の表示装置の表示ムラを表示画面上に再現する。
【0026】
第2発明、第5発明、第8発明及び第15発明にあっては、表示画面上の表示ムラを補正するために画像信号の強度に対する固有補正量を記憶しておく。固有補正量は、例えば、次のようにして求めることができる。すなわち、表示装置(他の表示装置とは異なる)の表示画面全体で均一な輝度の階調値(強度)の画像信号を当該表示装置へ入力して表示画面の輝度を測定する。この場合、当該表示装置の特性により表示画面の中央部よりも周辺部の輝度レベルが小さい表示ムラが現われる。次に、表示ムラの無い画面を実現するために、表示画面の周辺部の輝度レベルを目標輝度にするとともに、中央部の輝度レベルを下げて、表示画面全体で均一の輝度レベルになるように、画像信号の強度に対する固有補正量を算出する。目標補正量は、記憶した固有補正量に他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算することにより算出する。固有補正量に他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出することにより、固有補正量により自身の表示画面上の表示ムラを無くし、その上で他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に応じて、入力された画像信号の強度が補正されるので、ムラの無い自身の表示画面に他の表示装置の表示ムラを一層忠実に再現することができる。
【0027】
第3発明、第6発明、第9発明及び第16発明にあっては、自身の表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を算出する。自身の表示装置の表示画面の表示ムラを基準として、他の表示装置の表示ムラを表わす表示強度を求めることができ、自身の表示装置の表示ムラを相殺した上で自身の表示装置の表示画面上における他の表示装置の表示ムラを表わす表示強度のみを抽出する。目標補正量は、算出した差分に基づいて算出する。これにより、ムラの無い自身の表示画面に他の表示装置の表示ムラを一層忠実に再現することができる。
【0028】
第10発明にあっては、他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を該他の表示装置表示経過時間(動作経過時間)と関連付けて記憶し、受け付けた表示経過時間に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出する。これにより、他の表示装置の表示ムラが表示経過時間とともに変化する場合でも、所望の経過時間に対する目標補正量を算出することができるので、経過時間に関わらず、他の表示装置の表示ムラを正確に再現することができる。
【0029】
第11発明にあっては、他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を温度と関連付けて記憶し、受け付けた温度に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出する。これにより、他の表示装置の表示ムラが温度に応じて変化する場合でも、所望の温度に対する目標補正量を算出することができるので、温度に関わらず、他の表示装置の表示ムラを正確に再現することができる。
【0030】
第12発明にあっては、他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を湿度と関連付けて記憶し、受け付けた湿度に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出する。これにより、他の表示装置の表示ムラが湿度に応じて変化する場合でも、所望の湿度に対する目標補正量を算出することができるので、湿度に関わらず、他の表示装置の表示ムラを正確に再現することができる。
【0031】
第13発明にあっては、他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を当該他の表示装置の表示画面の傾きと関連付けて記憶し、受け付けた傾きに対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出する。これにより、他の表示装置の表示画面の傾きにより表示ムラが変化する場合でも、所望の傾きに対する目標補正量を算出することができるので、他の表示装置の表示画面の傾きに関わらず、他の表示装置の表示ムラを正確に再現することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明にあっては、他の表示装置の表示ムラを自身の表示画面上に再現することができ、表示品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る実施の形態1の表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】補正量算出部の構成の一例を示す模式図である。
【図3】初期状態の補正テーブルの例を示す説明図である。
【図4】表示ムラを解消した状態の補正テーブルの例を示す説明図である。
【図5】他の表示装置の表示ムラを再現する状態の補正テーブルの例を示す説明図である。
【図6】目標補正量をオフセットした状態の補正テーブルの例を示す説明図である。
【図7】3次元補間処理の概念を示す説明図である。
【図8】補間処理の一例を示す説明図である。
【図9】補間処理の他の例を示す説明図である。
【図10】補間処理の具体例を示す説明図である。
【図11】表示装置の表示ムラを補正する様子を示す説明図である。
【図12】表示装置に他の表示装置の表示ムラを再現する様子を示す説明図である。
【図13】表示装置に他の表示装置の表示ムラを再現する様子を示す説明図である。
【図14】複数の他の表示装置の表示ムラを再現する方法の一例を示す説明図である。
【図15】従来の表示装置の場合の問題点を示す説明図である。
【図16】従来の問題点を解決できる本発明に係る表示装置の場合を示す説明図である。
【図17】他の表示装置の表示ムラデータの算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】表示装置で他の表示装置の表示ムラを再現する処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】他の表示装置の動作経過時間を考慮した表示ムラデータの算出処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】表示装置で他の表示装置の動作経過時間を考慮した場合の表示ムラを再現する処理の手順を示すフローチャートである。
【図21】本発明に係る実施の形態2の表示装置の構成を示すブロック図である。
【図22】実施の形態2の表示装置で他の表示装置の表示ムラを再現する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施の形態1
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る実施の形態1の表示装置100の構成を示すブロック図である。表示装置(自身の表示装置)100は、入力部10、変換部11、表示ムラ補正部12、出力部13、表示部(自身の表示画面)14、インタフェース部15、制御部16、記憶部17などを備え、表示ムラ補正部12は、目標補正量算出手段としての補正量算出部121、補間処理部122、補正手段としての補正処理部123などを備えている。また、表示装置100に入力される画像信号を生成する画像生成装置と表示装置100とにより、画像表示システムを構成することができる。
【0035】
入力部10は、不図示の画像生成装置としての画像信号出力装置(例えば、パーソナルコンピュータ、テレビ用チューナ、DVDプレーヤ、携帯端末、ゲーム機器などの画像信号を出力する装置)から出力される画像信号を受け付けるインタフェースとしての機能を有し、受け付けた画像信号を変換部11へ出力する。ここで、画像信号は、画像を構成する各画素の画面上の位置情報(画素座標)や色成分などの情報が含まれ、画像信号の色成分には、各画素の各色成分(R:赤、G:緑、B:青)、又は、色成分(R、G、B)から求められる輝度成分及び色差成分の階調値(強度)などが含まれる。また、画像信号は、モノクロモニタ用としての輝度信号であってもよい。例えば、画像信号は、画像を構成する画素の各色成分を8ビット(0〜255までの256段階の階調レベル)、合計で24ビットの信号である。また、画像信号は、アナログ信号形式又はデジタル信号形式のいずれでもよい。なお、本実施の形態では、画像信号の色成分の強度は、階調値として説明するが、色成分の強度は階調値に限定されるものではなく、輝度ムラや色ムラを補正するために採用することができる画素情報であれば他のものでもよい。また、画像信号は、モノクロ用の輝度信号でもよく、画像信号の強度には、色成分の強度のみならず、輝度信号の強度も含まれる。
【0036】
変換部11は、入力された画像信号を表示部14での表示に最適な信号に変換し、変換した信号を表示ムラ補正部12へ出力する。また、変換部11は、表示部14の表示サイズに応じた画像のスケーリング処理を行う。変換部11は、例えば、色空間の変換のための係数(カラーマトリックス)を複数備え、制御部16からの制御に応じて所要のカラーマトリクスを用いて、入力された画像信号の各色成分の階調値を変換する。
【0037】
表示ムラ補正部12は、表示装置100(表示部14)の表示特性に起因する表示ムラを無くすために、入力された画像信号の階調値(色成分の強度)を補正する。また、同時に表示ムラ補正部12は、入力された画像信号の階調値(色成分の強度)を補正することにより、他の表示装置(例えば、表示装置A、B、C…)の表示特性に起因する表示ムラを表示部14に表示して再現する。以下、目標補正量算出手段としての補正量算出部121及び補間処理部122、また、補正手段としての補正処理部123について具体的に説明する。
【0038】
図2は補正量算出部121の構成の一例を示す模式図である。図2に示すように、補正量算出部121は、表示部14の表示画面(表示領域)の縦方向、横方向及び階調方向の3次元のマトリクス状の各点に対応させて補正量を保持する補正テーブルの構造をなす。例えば、縦方向には、V0、V1、…Vmの点を有し、横方向には、H0、H1、…Hnの点を有し、階調方向には、複数面の階層が存在し、全パラメータのレイヤー、階調レベルに応じたレイヤー0、1、…8の点を有する。図2の例では、レイヤー0が階調レベル0、レイヤー8が階調レベル255というように、256階調を8つのレイヤーに分けている。なお、3次元のマトリクス状の各点を表示画面の全画素に対応させて保持することも可能であるが、全画素に対するデータを記憶するには大きなメモリ容量を必要とするので、全画素のうち、所要の画素数に間引きして図2に示すような構成としている。
【0039】
補正量算出部121は、補正テーブルに保持した暫定的なデータ(例えば、初期値など)を用いて補正量を算出し、算出した補正量を補正テーブルに保持するとともに、補間処理部122へ出力する。補正量算出部121が算出して保持する補正量は、入力された画像信号の階調値(色成分の強度)に対する補正の割合を示す値(例えば、0〜100%)である。例えば、補正量が100%であれば、補正処理部123において入力された画像信号の階調値の増減を行わずにそのままの値を出力部13へ出力する。また、補正量が90%であれば、補正処理部123において入力された画像信号の階調値の90%の値を出力部13へ出力する。なお、補正量は、上述のような補正の割合(相対値)に限定されるものではなく、入力された画像信号の階調値に対する増加分や減少分の差分値、あるいは、階調値に補正を施した後の階調値(絶対値)を用いる構成とすることもできる。
【0040】
次に、補正量算出部121での補正量の算出方法について説明する。なお、以下では、説明を簡略化するため、補正テーブルの構造を縦方向及び横方向が3×3の2次元マトリクスとする。図3は初期状態の補正テーブルの例を示す説明図である。図3に示すように、補正量はすべて100%である。この状態では、入力された画像信号の階調値は何ら補正されず、そのままの値が出力部13へ出力される。そして、表示部14には、表示装置100(表示部14)固有の表示特性に起因した表示ムラが現われる。
【0041】
図4は表示ムラを解消した状態の補正テーブルの例を示す説明図である。図4に示す補正量は、表示装置100(表示部14)の表示画面上の表示ムラを補正するためのものであって、固有補正量と称する。固有補正量は、例えば、次のようにして求めることができる。すなわち、表示部14の表示画面全体で均一な輝度の階調値(強度)の画像信号を表示装置100へ入力して表示画面の輝度を測定する。この場合、表示装置100の特性により表示画面の中央部よりも周辺部の輝度レベルが小さい表示ムラが現われる。次に、表示ムラの無い画面を実現するために、表示画面の周辺部の輝度レベルを目標輝度にするとともに、中央部の輝度レベルを下げて、表示画面全体で均一の輝度レベルになるように、画像信号の色成分の強度に対する固有補正量を算出する。予め算出された固有補正量は、自身の表示ムラ補正データ171として記憶部17に記憶しておく。なお、図4に示す固有補正量は、一例であって、これらの値に限定されるものではない。
【0042】
図5は他の表示装置の表示ムラを再現する状態の補正テーブルの例を示す説明図である。図5(a)は自身の表示装置100の表示ムラを解消した状態の補正テーブルの例であり、図4と同じものである。図5(b)は他の表示装置の表示ムラを表す色成分の強度であり、最大輝度を基準として相対的に表わしたものである。
【0043】
他の表示装置の表示ムラを表す色成分の強度は、例えば、次のようにして求めることができる。すなわち、他の表示装置の表示画面全体で均一な輝度の階調値(強度)の画像信号を入力して表示画面の輝度を測定する。この場合、他の表示装置の特性により表示画面に表示ムラが現われる。測定した輝度を表示画面上の各画素の位置、階調レベルに対応させて表示ムラを表す色成分の強度として求める。予め求めた表示ムラのデータは、表示装置A、B、C等の表示ムラデータ172、173、174等として記憶部17に記憶しておく。
【0044】
図5(c)は他の表示装置の表示ムラを表示部14に表示して再現する状態の補正テーブルであり、各補正量を目標補正量と称する。図5(c)における目標補正量の算出は、固有補正量に他の表示装置の表示画面上の表示ムラを表す色成分の強度を加算することにより行うことができる。例えば、補正テーブルの左上欄の箇所に注目すると、図5(a)の固有補正量が100%であり、図5(b)の表示ムラの分布が−8%であるから、目標補正量は、100+{100×(−0.08)}=92%となる。また、補正テーブルの上欄中央の箇所に注目すると、図5(a)の固有補正量が92%であり、図5(b)の表示ムラの分布が−6%であるから、目標補正量は、92+{92×(−0.06)}=86.5%となる。以下、同様にして目標補正量を算出することができる。
【0045】
固有補正量に他の表示装置の表示画面上の表示ムラを表す色成分の強度を加算して目標補正量を算出することにより、固有補正量により表示部14の表示画面上の表示ムラを無くし、その上で他の表示装置の表示ムラを表す色成分の強度(表示ムラの分布)に応じて、入力された画像信号の色成分の強度が補正されるので、ムラの無い表示部14の表示画面に他の表示装置の表示ムラを忠実に再現することができる。
【0046】
図6は目標補正量をオフセットした状態の補正テーブルの例を示す説明図である。図6(a)は図5(c)と同じものであり、他の表示装置の表示ムラを表示部14に表示して再現する状態の補正テーブルである。この状態では、入力された画像信号が、全体的に輝度が低下する方向に補正されてしまうので、図6(a)の目標補正量のうち最も値の大きいもの(例えば、93.1%)が100%になるように各目標補正量を一定比率でオフセットする。図6(b)はオフセットを行った後の目標補正量を示す。これにより、表示ムラを再現する際に表示画面全体の輝度が低下することを防止できる。
【0047】
補間処理部122は、補正量算出部121で算出された目標補正量を用いて補間処理を行うことにより、補正テーブルの各点に対応する画素以外の画素(画素の位置及び階調レベル)に対応する目標補正量を算出する。補間処理部122は、算出した目標補正量を補正処理部123へ出力する。なお、補正量算出部121で全画素の目標補正量を算出する場合には、補間処理部122を設ける必要はなく、補間処理部122は必須の構成ではない。
【0048】
図7は3次元補間処理の概念を示す説明図である。図7において、直方体の各頂点は、図2で示す補正テーブルの各点に対応し、表示画面の横(水平)方向、縦(垂直)方向、及び階調方向における目標補正量が保持されており、これらの目標補正量を用いて、補間処理により任意の点(任意の画素)における目標補正量を算出する。図7の例では、補正テーブルに保持されている目標補正量は、レイヤーL(z)に対して、V(y)H(x)、V(y)H(x+1)、V(y+1)H(x)、V(y+1)H(x+1)の4点、レイヤーL(z+1)に対して、V(y)H(x)、V(y)H(x+1)、V(y+1)H(x)、V(y+1)H(x+1)の4点が相当している。そして、表示画面の横(水平)方向、縦(垂直)方向、及び階調方向の補間結果を、それぞれH補間結果、V補間結果、L補間結果で表わす。
【0049】
図8は補間処理の一例を示す説明図であり、図9は補間処理の他の例を示す説明図である。図7で示す3次元補間処理は、表示画面の水平方向、垂直方向、階調方向それぞれに対し補間を行っている。補間の一例としては、線形補間があり、バイリニア法に基づく演算手法であり、補間点の両端の2点(補正テーブルに対応する点)を直線で結び、その直線上の値を補間点の値として求めるものである。図8に示すように、補正テーブルに保持された点X(n)、X(n+1)があるとした場合、その2点間の任意の点X′(m)の目標補正量は、X′(m)={X(n)×D2+X(n+1)×D1}/Dで求めることができる。ここで、D1+D2=Dであり、D1、D2は、それぞれX(n)とX′(m)との画素位置の差又は階調レベルの差、X(n+1)とX′(m)との画素位置の差又は階調レベルの差である。
【0050】
また、図9に示すように、補正テーブルに保持された点X(n)、X(n+1)があるとした場合、その2点の外の任意の点X′(m)の目標補正量は、X′(m)=X(n)−{X(n+1)−X(n)}×D1/D2で求めることができる。ここで、D1、D2は、それぞれX(n)とX′(m)との画素位置の差又は階調レベルの差、X(n)とX(n+1)との画素位置の差又は階調レベルの差である。
【0051】
表示ムラを再現する表示装置の表示画面の解像度が、例えば、800×600画素である場合、全画素に対応させて補正テーブル内で目標補正量を保持することもできるが、記憶容量が増大するため、全画素のうち一部の画素のみの目標補正量を保持しておき、残りの画素に対しては補間処理により目標補正量を算出することが好ましい。階調レベルについても同様に全階調レベルに対応する目標補正量を補正テーブル内に保持するのではなく、一部の階調レベルに対する目標補正量だけを保持しておき、残りの階調レベルに対しては補間処理により目標補正量を求めることができる。なお、階調レベルが、最大(255)及び最小(0)の場合には、3次元補間を実施せずに2次元のみの補間を行えばよい。
【0052】
また、補正テーブル内の各点は、表示画面全体に亘って等間隔に配置されたものに限定されない。例えば、輝度ムラや色ムラなどの表示ムラは表示画面のうち特に画面周辺部に集中する傾向があるため、表示画面周辺部の間隔を小さくし、中央部の間隔を大きくした各画素に対応する目標補正量を補正テーブル内に保持することもできる。すなわち、自身の表示画面上の表示ムラを補正するために画像信号の色成分の強度に対する固有補正量を記憶する場合、表示画面の中央部よりも周辺部において、記憶する固有補正量の数を多くする。そして、記憶した固有補正量に他の表示装置の表示画面上の表示ムラを表す色成分の強度を加算して目標補正量を算出することにより、表示ムラの多い部分での補間処理を少なくして、表示ムラの多い部分の補正を精度よく行うことができる。
【0053】
図10は補間処理の具体例を示す説明図である。図10は表示画面の端部の一部を示し、それぞれの枠は各画素を示す。表示されている数値は、目標補正量であり、例えば、測定された最大輝度に対する輝度の割合を示す。すなわち、例えば、「90」は目標補正量が90%であり、入力された画像信号の輝度を90%に補正することを表している。また、枠内の記号(N1、N2…)は、補間処理により目標補正量を算出する画素を示す。なお、説明を簡略化するため2次元の補間例を示す。
【0054】
N1で示す画素に対する目標補正量は、目標補正量がそれぞれ90、95の値を用いて補間処理により目標補正量93.3を算出する。N2で示す画素に対する目標補正量も同様にして91.7と算出することができる。N7で示す画素に対する目標補正量は、N3及びN4を用いて算出した目標補正量と、N5及びN6を用いて算出した目標補正量との平均値とすることができる。
【0055】
補正処理部123は、補正量算出部121で算出し保持された目標補正量、及び補間処理部で補間処理により算出した目標補正量に基づいて、入力された画像信号の階調を補正し、補正した画像信号を出力部13へ出力する。
【0056】
出力部13は、表示ムラ補正部12から出力された画像信号を表示部14へ出力する。
【0057】
表示部14は、一対のガラス基板が対向配置され、その間隙内に液晶物質である液晶層が形成された構造を有し、一方のガラス基板には複数の画素電極と、画素電極の夫々にドレインを接続したTFTとが、他方のガラス基板には共通電極が設けてある。TFTのゲート及びソースは、夫々ゲートドライバ及びソースドライバの各出力段に順次接続されている。表示部14は、ゲートドライバから入力されたゲート信号によって各画素のTFTのオン・オフが制御され、ソースドライバから入力される出力電圧をオン期間に各画素のTFTに印加することにより、液晶物質の電気光学特性によって決定される光透過率を制御して画像を階調表示する。
【0058】
インタフェース部15は、USB(Universal Serial Bus)、DDC−CI(Display Data Channel Command Interface)など外部からの各種操作信号を受け付け、受け付けた操作信号を制御部16へ出力する。操作信号は、例えば、表示装置100の動作開始(点灯)、動作停止(消灯)、他の表示装置の表示ムラを再現する際のパラメータとして、他の表示装置の動作(点灯)経過時間、温度、湿度、他の表示装置の表示画面の傾きなどの情報を含む。なお、表示画面の傾きは、例えば、表示画面を正面から見た場合の前後の傾き、あるいは、縦横面内での傾きなどである。
【0059】
制御部16は、CPU又はMPUなどで構成され、表示装置100内の各構成部を制御する。
【0060】
記憶部17は、表示装置100の表示ムラを補正する固有補正量としての自身の表示ムラ補正データ171、他の表示装置A、B、Cの表示ムラを表わす色成分の強度としての表示装置Aの表示ムラデータ172、表示装置Bの表示ムラデータ173、表示装置Cの表示ムラデータ174などを記憶している。なお、他の表示装置は、A〜Cの3つに限定されるものではない。
【0061】
自身の表示ムラ補正データ171、表示装置A、B、Cの表示ムラデータ172、173、174は、それぞれ図2に示す補正テーブル内の各点に対応した数のデータを有している。なお、自身の表示ムラ補正データ171、表示装置A、B、Cの表示ムラデータ172、173、174は、予め求めておき、記憶部17に記憶しておくことができる。
【0062】
図11は表示装置100の表示ムラを補正する様子を示す説明図である。図11(a)は表示ムラの補正を行う前の表示画面の様子を示す。図11(a)に示すように、表示画面の周辺部で島状の表示ムラ(輝度ムラや色ムラ)が現われている。
【0063】
図11(b)は、図11(a)に示す表示ムラを無くすべく表示装置100固有の補正レベル(目標補正量)の分布の様子を示す。図11(b)の周辺部の島状の目標補正量を大きく(例えば、100%)し、中央部の目標補正量は、表示ムラの分布に応じた値とする。これにより、周辺部の島状の部分の画素に対しては、入力された画像信号の階調値を100%とし、中央部の画素に対しては、例えば、90%、95%などの補正量により階調値を小さくし、表示画面全体として輝度や色ムラが均一になるようにすることができる。
【0064】
図11(c)は、固有の補正レベルで入力された画像信号の階調を補正することにより、表示ムラが相殺され、表示画面全体の輝度や色ムラが均一になる様子を示す。なお、図11(c)に示すように、補正後は、輝度は低下するが、表示画面全体の輝度を高くするためには、オフセット処理を行うことができる。
【0065】
図12及び図13は表示装置100に他の表示装置の表示ムラを再現する様子を示す説明図である。図12(a)及び図12(b)は、それぞれ図11(a)及び図11(b)に対応するものであり、表示ムラを補正する前の表示装置100の表示画面及び表示装置100の固有の補正レベル(固有補正量)を示すものである。
【0066】
図12(c)は、他の表示装置Aの表示画面上の表示ムラを模式的に示したものである。なお、他の表示装置が比較的安価である場合、ムラ補正機能などを備えていないものも多く存在し、表示ムラの分布の様子が表示装置100に比べて顕著になる。また、ムラ補正機能を備えるものであっても、十分な補正を行うことができず、表示ムラを無くすことができない場合が多い。本実施の形態では、そのような他の表示装置の表示ムラを精度良く再現することができる。
【0067】
図12(d)は、他の表示装置Aの表示ムラの分布を示す表示ムラデータを模式的に示したものである。
【0068】
図13(e)は、図12(b)と図12(d)とを合成したものであり、表示装置100の固有の補正レベルに表示装置Aの表示ムラデータを加算した結果の目標補正量を模式的に示したものである。図12(b)は、図5(a)に対応し、図12(d)は、図5(b)に対応し、図13(e)は、図5(c)に対応するものである。
【0069】
図13(f)は、目標補正量のうち最も値の大きいものが100%になるように各目標補正量を一定比率でオフセットした目標補正レベル(目標補正量)を模式的に示すものである。図13(f)は、図6(b)に対応するものである。
【0070】
図13(g)は、図13(f)に示す目標補正レベル(目標補正量)を用いて、入力された画像信号を補正することにより、表示装置100の表示画面上で他の表示装置Aの表示ムラを再現した様子を示すものである。
【0071】
上述の表示ムラの再現処理は、輝度ムラだけでなく色ムラにも適用することができ、R、G、Bの各色成分に対して、上述の処理を施すことにより色ムラの再現も可能である。また、表示装置100の表示画面のサイズが、他の表示装置の表示画面のサイズと異なる場合であっても、補間処理における間引き、あるいは、補正テーブルでの間引きなどの処理を行うことで対応することができる。図13(g)の例では、表示装置100の表示画面全体に他の表示装置の表示画面の表示ムラを表示する構成であったが、表示ムラの表示方法はこれに限定されるものではない。
【0072】
図14は複数の他の表示装置の表示ムラを再現する方法の一例を示す説明図である。図14に示すように、表示装置100の表示画面上に所望の表示領域を複数設定し、各表示領域に他の表示装置A、B、Cの表示ムラ再現画面を表示することもできる。複数の他の表示装置の表示ムラを同時に再現する場合には、予め複数の表示ムラ補正部12を備えておき、それぞれの表示ムラ補正部12で表示ムラを再現するようにしてもよい。これにより、再現処理を並列に行い、様々な特性の表示ムラを同一画面上で表示させることができるとともに、表示処理を高速にすることができる。また、1つの表示装置100に、表示ムラを再現した画面と表示ムラを再現していない画面を同時に表示させて、実際の動作を確認することもできる。また、他の表示装置の表示ムラデータは、外部の処理装置などから通信回線を通して伝送させることもできる。
【0073】
本実施の形態により得られる効果を従来の表示装置と本発明に係る表示装置100とを対比して説明する。図15は従来の表示装置の場合の問題点を示す説明図であり、図16は従来の問題点を解決できる本発明に係る表示装置100の場合を示す説明図である。一般に表示装置に表示するコンテンツ(動画や静止画など)作成する場合、コンテンツを作成する際に使用する表示装置(例えば、メーカ開発者のコンテンツ作成用モニタ)と実際にコンテンツを表示する表示装置(例えば、エンドユーザの表示用モニタ)との間で特性の違いにより表示ムラの分布に相違がある。このような場合には、メーカ開発者が意図したコンテンツがエンドユーザの表示用モニタに忠実に再現することができないという問題が生じる。
【0074】
例えば、図15(a)に示すように、従来の表示装置でメーカ開発者がコンテンツ(画像)を作成した場合、図15(b)に示すようにコンテンツ(画像)は、エンドユーザの表示用モニタの表示ムラが考慮されていない。そして、図15(c)に示すように、作成されたコンテンツをエンドユーザの表示用モニタに実際に表示させた場合には、表示用モニタ固有の表示ムラが発生し、メーカ開発者が意図したコンテンツ(画像)を表示用モニタで表示することができない。
【0075】
一方、本発明に係る表示装置100を使用する場合には、図16(a)に示すように、表示装置100にエンドユーザの表示用モニタ(表示装置A)の表示ムラを再現することができるので、表示ムラを再現した状態でコンテンツを作成することができる。そして、図16(b)に示すように、表示ムラを考慮したコンテンツをエンドユーザへ提供することができる。図16(c)に示すように、エンドユーザの表示用モニタでは、メーカ開発者が意図したとおりのコンテンツ(画像)を表示することができる。
【0076】
次に、本発明に係る表示装置100の動作について説明する。まず、他の表示装置の表示ムラデータ(例えば、輝度ムラ)を求める方法について説明する。図17は他の表示装置の表示ムラデータの算出処理の手順を示すフローチャートである。オペレータの操作により、他の表示装置の階調レベルを特定の階調レベルに設定し(S10)、設定した階調レベルに基づく白色画像を表示画面全体に表示する(S11)。
【0077】
オペレータの操作により、表示されている画像の輝度を輝度計(例えば、2次元色彩輝度計)で測定し(S12)、測定した輝度を所定のアプリケーションソフトに取り込むことにより、表示ムラデータを算出する(S13)。他の表示装置(異なる型式、あるいは同一型式など)があるか否かを判定し(S14)、他の表示装置がある場合(S14でYES)、すなわち、表示ムラデータをさらに算出する場合、オペレータの操作により、ステップS10以降の処理を繰り返す。
【0078】
他の表示装置がない場合(S14でNO)、同一型式の複数の表示装置の表示ムラデータを算出したときには、表示ムラデータの平均値を算出し(S15)、算出した表示ムラデータを表示装置100の記憶部17に記憶し(S16)、処理を終了する。これにより、所望の表示装置の表示ムラデータを予め表示装置100の記憶部17に記憶しておくことができる。上記操作は、表示装置100の出荷前の製造工程で行ってもよく、あるいは、エンドユーザ自身が行うこともできる。
【0079】
図18は表示装置100で他の表示装置の表示ムラを再現する処理の手順を示すフローチャートである。インタフェース部15からのユーザの操作を受け付けて、制御部16は、他の表示装置の表示ムラを再現する表示領域を表示画面上に設定する(S30)。制御部16は、固有の補正データ(固有補正量)に他の表示装置の表示ムラデータを加算して目標補正データ(目標補正量)を算出し(S31)、算出した目標補正データを用いて補間処理を行う(S32)。なお、ステップS31では、図13(f)に示すオフセット処理を適宜実行する。
【0080】
制御部16は、目標補正データに基づいて、入力された画像信号を補正し(S33)、補正した画像信号を表示部14で表示させることにより、自身の表示画面上に他の表示装置の表示ムラを表示し(S34)、処理を終了する。なお、画像信号が入力され続ける限り、ステップS31以降の処理が繰り返される。
【0081】
また、表示装置の動作(点灯)経過時間、周辺の温度や湿度、表示画面の傾き(前後の傾きや縦横面内の傾き)などのパラメータが変動することにより、表示ムラの分布も変化する。各パラメータの変動を考慮した表示ムラデータを用いることにより、表示ムラの分布を一層精度良く再現することができる。以下、他の表示装置の動作経過時間を考慮した場合について説明する。
【0082】
まず、他の表示装置の動作経過時間を考慮した場合の表示ムラデータ(例えば、輝度ムラ)を求める方法について説明する。なお、動作経過時間(表示経過時間)とは、電源オンからの時間経過を表わす経時的なものの他、使用回数、使用頻度などの経年変化的なものも含む。図19は他の表示装置の動作経過時間を考慮した表示ムラデータの算出処理の手順を示すフローチャートである。オペレータの操作により、他の表示装置の階調レベルを特定の階調レベルに設定し(S50)、設定した階調レベルに基づく白色画像を表示画面全体に表示する(S51)。
【0083】
オペレータの操作により、動作経過時間を計測し(S52)、表示されている画像の輝度を輝度計(例えば、2次元色彩輝度計)で測定し(S53)、測定した輝度を所定のアプリケーションソフトに取り込むことにより、動作経過時間に対応付けて表示ムラデータを算出する(S54)。
【0084】
指定時間が経過したか否かを判定し(S55)、指定時間が経過していない場合(S55でNO)、ステップS52以降の処理を繰り返す。指定時間が経過した場合(S55でYES)、他の表示装置(異なる型式、あるいは同一型式など)があるか否かを判定する(S56)。他の表示装置がある場合(S56でYES)、すなわち、表示ムラデータをさらに算出する場合、オペレータの操作により、ステップS50以降の処理を繰り返す。
【0085】
他の表示装置がない場合(S56でNO)、同一型式の複数の表示装置の表示ムラデータを算出したときには、動作経過時間に対応付けて表示ムラデータの平均値を算出し(S57)、動作経過時間と算出した表示ムラデータを表示装置100の記憶部17に記憶し(S58)、処理を終了する。これにより、所望の表示装置の表示ムラデータを動作経過時間に対応付けて予め表示装置100の記憶部17に記憶しておくことができる。上記操作は、表示装置100の出荷前の製造工程で行ってもよく、あるいは、エンドユーザ自身が行うこともできる。
【0086】
図20は表示装置100で他の表示装置の動作経過時間を考慮した場合の表示ムラを再現する処理の手順を示すフローチャートである。制御部16は、インタフェース部15からの指示に従い、他の表示装置の表示ムラを再現する表示領域を表示画面上に設定する(S70)。制御部16は、ユーザの操作を受け付けることにより、他の表示装置の動作経過時間を設定する(S71)。
【0087】
制御部16は、他の表示装置の設定された動作経過時間に対応する表示ムラデータを記憶部17から取得し(S72)、固有の補正データ(固有補正量)に取得した表示ムラデータを加算して目標補正データ(目標補正量)を算出し(S73)、算出した目標補正データを用いて補間処理を行う(S74)。
【0088】
制御部16は、目標補正データに基づいて、入力された画像信号を補正し(S75)、補正した画像信号を表示部14で表示させることにより、自身の表示画面上に他の表示装置の表示ムラを表示し(S76)、処理を終了する。なお、画像信号が入力され続ける限り、ステップS73以降の処理が繰り返される。
【0089】
これにより、他の表示装置の表示ムラが表示経過時間とともに変化する場合でも、所望の経過時間に対する目標補正量を算出することができるので、経過時間に関わらず、他の表示装置の表示ムラを正確に再現することができる。なお、温度は室温でもよく、表示装置100内の温度又はパネル温度でもよい。
【0090】
図19及び図20の例では、他の表示装置の動作経過時間をパラメータとして用いた例を説明したが、動作経過時間に代えて、温度、湿度、他の表示装置の表示画面の傾き等についても同様に処理することができる。これにより、他の表示装置の表示ムラが温度に応じて変化する場合でも、所望の温度に対する目標補正量を算出することができるので、温度に関わらず、他の表示装置の表示ムラを正確に再現することができる。また、他の表示装置の表示ムラが湿度に応じて変化する場合でも、所望の湿度に対する目標補正量を算出することができるので、湿度に関わらず、他の表示装置の表示ムラを正確に再現することができる。また、温度、湿度に対応させることで、いかなる設置環境における表示ムラでも再現することができる。さらに、他の表示装置の表示画面の傾きにより表示ムラが変化する場合でも、所望の傾きに対する目標補正量を算出することができるので、他の表示装置の表示画面がいかなる状態で設置されても、他の表示装置の表示ムラを正確に再現することができる。また、動作経過時間、温度、湿度、他の表示装置の表示画面の傾き等の各パラメータに対するムラデータを実測するだけでなく、各特性から理論値を算出してもよい。
【0091】
実施の形態2
図21は本発明に係る実施の形態2の表示装置200の構成を示すブロック図である。実施の形態1との違いは、表示ムラ補正部12に差分算出部120を備える点と、記憶部17に自身の表示ムラ補正データ171に代えて、自身の表示ムラデータ170を記憶する点である。なお、その他の構成は実施の形態1と同様であり、同一符号を付して説明は省略する。
【0092】
差分算出部120は、自身の表示画面上の表示ムラを表す色成分の強度である自身の表示ムラデータ170と、他の表示装置Aの表示画面上の表示ムラを表す色成分の強度である表示装置Aの表示ムラデータ172との差分を算出する。なお、他の表示装置B、C等についても同様である。すなわち、表示装置200の表示画面の表示ムラを基準として、他の表示装置A、B、Cの表示画面の表示ムラを表わす色成分の強度を求めることができ、自身の表示装置200の表示ムラを相殺した上で自身の表示装置200の表示画面上における他の表示装置A、B、Cの表示画面の表示ムラを表わす色成分の強度のみを抽出する。目標補正量は、算出した差分に基づいて算出する。これにより、ムラの無い自身の表示画面に他の表示装置A、B、Cの表示ムラを一層忠実に再現することができる。
【0093】
図22は実施の形態2の表示装置200で他の表示装置の表示ムラを再現する処理の手順を示すフローチャートである。ユーザの操作を受け付けて、制御部16は、他の表示装置の表示ムラを再現する表示領域を表示画面上に設定する(S101)。制御部16は、自身の表示装置200の表示ムラデータ170と、他の表示装置の表示ムラデータとの差分を算出して目標補正データ(目標補正量)を算出し(S102)、算出した目標補正データを用いて補間処理を行う(S103)。
【0094】
制御部16は、目標補正データに基づいて、入力された画像信号を補正し(S104)、補正した画像信号を表示部14で表示させることにより、自身の表示画面上に他の表示装置の表示ムラを表示し(S105)、処理を終了する。なお、画像信号が入力され続ける限り、ステップS102以降の処理が繰り返される。上述の実施例では、表示ムラ補正部12、記憶部17を表示装置200に内蔵する構成であるが、これに限定されるものではなく、表示ムラ補正部12及び記憶部17のいずれか一方又は双方、あるいは構成の一部を、画像信号を出力するパーソナルコンピュータなどの装置に設ける構成であってもよい。実施の形態2によれば、実施の形態1で行われるオフセット処理は不要となる。
【0095】
以上説明したように、本発明によれば、他の表示装置の表示ムラを自身の表示画面上に再現することができ、表示品質を向上させることができる。
【0096】
また、予め他の表示装置の表示ムラを考慮してコンテンツ(画像)を作成することができるので、他の表示装置の表示ムラが顕著であるような比較的安価なものでも表示ムラを相殺したコンテンツを表示することができるので、他の表示装置の単価を抑えつつ、表示ムラのない表示用モニタを実現することが可能となる。本発明は、他の表示装置が汎用モニタである場合に限定されるものではなく、非汎用モニタに対しても適用することができ、例えば、ゲーム機、カーナビなどの機器に装備されている表示用モニタにも幅広く適用することが可能である。また、デジタルサイネージのように広告主の要望に忠実なコンテンツを表示することが要求される分野においても本発明を適用することができ、有用な技術である。
【0097】
また、エンドユーザが使用する表示用モニタに表示するコンテンツ(画像)をメーカ開発者が作成する場合、従来であれば、エンドユーザが使用すると考えられる表示モニタをすべて取り揃えて、それぞれの表示用モニタを使ってコンテンツを作成する必要があった。また、表示用モニタが開発途中である場合には、試作用の表示モニタや開発機材の準備も必要であった。表示用モニタを使用しないでコンテンツを作成した場合には、表示用モニタの表示ムラの影響により作成者が意図したコンテンツを表示用モニタに表示させることができないからである。しかし、本発明によれば、多くの表示用モニタをコンテンツ作成用に取り揃えることや、開発途中の表示モニタの試作品などを準備することや、それぞれの表示用モニタを使ってコンテンツを作成する必要がなく、開発効率を高め、多くの重複した労力が不要になるとともに、表示用モニタの品質に依存することなく表示用モニタ開発を進めることもでき、開発期間の短縮化を図ることもできる。
【0098】
さらに、同一のコンテンツ(画像)を複数の作成者で作業分担して作成する場合、作成者それぞれの作成用モニタとして本発明に係る表示装置を用いることにより、個々の作成者の間で作成したコンテンツに不一致が生じないという効果も得られる。
【0099】
なお、上述の表示ムラ補正部12は、専用のハードウェア回路、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)で構成することができるが、所定の処理手順を定めたコンピュータプログラムコードを記録媒体に記録しておき、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムコードを読み出してCPUで実行させることでコンピュータに同様の機能をさせることもできる。
【符号の説明】
【0100】
10 入力部
11 変換部
12 表示ムラ補正部
120 差分算出部(差分算出手段)
121 補正量算出部(目標補正量算出部)
122 補間処理部(目標補正量算出部)
123 補正処理部(補正手段)
13 出力部
14 表示部(表示手段)
15 インタフェース部
16 制御部
17 記憶部
170 自身の表示ムラデータ(表示強度)
171 自身の表示ムラ補正データ(固有補正量)
172 表示装置Aの表示ムラデータ(表示強度)
173 表示装置Bの表示ムラデータ(表示強度)
174 表示装置Cの表示ムラデータ(表示強度)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像信号の強度に応じた画像を表示画面に表示する表示装置を用いて他の表示装置の表示ムラを前記表示画面に再現する表示ムラの再現方法であって、
前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を目標補正量算出手段により算出し、
算出した目標補正量に基づいて、入力された画像信号の強度を補正手段により補正し、
補正した強度に応じた画像を前記表示画面に表示して表示ムラを再現することを特徴とする表示ムラの再現方法。
【請求項2】
前記表示画面上の表示ムラを補正すべく画像信号の強度に対する固有補正量を記憶手段に予め記憶しておき、
前記目標補正量算出手段により、記憶した固有補正量に前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出することを特徴とする請求項1に記載の表示ムラの再現方法。
【請求項3】
前記表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を差分算出手段により算出し、
前記目標補正量算出手段により、算出した差分に基づいて目標補正量を算出することを特徴とする請求項1に記載の表示ムラの再現方法。
【請求項4】
画像信号を生成する画像生成装置と、入力された画像信号の強度に応じた画像を表示画面に表示する表示装置とを備える画像表示システムにおいて、
前記表示装置は、
他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を算出する補正量算出手段と、
該補正量算出手段で算出した目標補正量に基づいて、入力された画像信号の強度を補正する補正手段と、
該補正手段で補正した強度に応じた画像を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項5】
前記表示装置は、
前記表示画面上の表示ムラを補正すべく画像信号の強度に対する固有補正量を記憶する記憶手段を備え、
前記補正量算出手段は、
前記記憶手段で記憶した固有補正量に前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項4に記載の画像表示システム。
【請求項6】
前記表示装置は、
前記表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を算出する差分算出手段を備え、
前記補正量算出手段は、
前記差分算出手段で算出した差分に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項4に記載の画像表示システム。
【請求項7】
入力された画像信号の強度に応じた画像を表示画面に表示する表示装置において、
他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を算出する補正量算出手段と、
該補正量算出手段で算出した目標補正量に基づいて、入力された画像信号の強度を補正する補正手段と、
該補正手段で補正した強度に応じた画像を表示する表示手段と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記表示画面上の表示ムラを補正すべく画像信号の強度に対する固有補正量を記憶する記憶手段を備え、
前記補正量算出手段は、
前記記憶手段で記憶した固有補正量に前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を算出する差分算出手段を備え、
前記補正量算出手段は、
前記差分算出手段で算出した差分に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を該他の表示装置の表示経過時間と関連付けて記憶する記憶手段と、
表示経過時間の設定を受け付ける受付手段を備え、
前記補正量算出手段は、
前記受付手段で受け付けた表示経過時間に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を温度と関連付けて記憶する記憶手段と、
温度の設定を受け付ける受付手段を備え、
前記補正量算出手段は、
前記受付手段で受け付けた温度に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を湿度と関連付けて記憶する記憶手段と、
湿度の設定を受け付ける受付手段を備え、
前記補正量算出手段は、
前記受付手段で受け付けた湿度に対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を該他の表示装置の表示画面の傾きと関連付けて記憶する記憶手段と、
前記他の表示装置の表示画面の傾きの設定を受け付ける受付手段を備え、
前記補正量算出手段は、
前記受付手段で受け付けた傾きに対応する表示強度に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
コンピュータを、表示画面上に他の表示装置の表示ムラを再現するため、出力する画像信号の強度を補正する補正手段として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
予め取得した前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度に基づいて、入力される画像信号の強度に対する目標補正量を算出する補正量算出手段と、
該補正量算出手段で算出した目標補正量に基づいて、出力する画像信号の強度を補正する補正手段と
して機能させることを備えることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記補正量算出手段は、
前記表示画面上の表示ムラを補正すべく画像信号の強度に対して予め取得された固有補正量に前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度を加算して目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
コンピュータを、
予め取得された前記表示画面上の表示ムラを表す表示強度と、前記他の表示装置の表示ムラを表す表示強度との差分を算出する差分算出手段として機能させ、
前記補正量算出手段は、
前記差分算出手段で算出した差分に基づいて目標補正量を算出するように構成してあることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータプログラム。
【請求項17】
請求項14乃至請求項16のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記録してあることを特徴とするコンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−185988(P2010−185988A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29214(P2009−29214)
【出願日】平成21年2月11日(2009.2.11)
【出願人】(391010116)株式会社ナナオ (160)
【Fターム(参考)】