説明

表示制御回路及びプロジェクタ装置

【課題】時分割で表示される左右映像の輝度をできるだけ上げつつ、クロストークの発生を抑えること。
【解決手段】表示制御回路11は、液晶シャッタの開閉期間を1周期とした場合に複数の周期にわたって光源電流の総和をほぼ一定とする光源駆動部5を備える。光源駆動部5は、いずれかの液晶シャッタが開く期間に、光変調素子を通過してスクリーンに投影される光を発する光源に供給する光源電流を上げ、両方の液晶シャッタが閉じる期間に光源電流を下げ。また、シャッタ眼鏡駆動部3に対する液晶シャッタの開閉のタイミングを制御し、パネル駆動部7に対する左映像及び右映像の書込みのタイミングを制御し、及び光源駆動部5に対する液晶シャッタの開閉期間における光源の輝度の高低を制御する制御部2を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、時分割方式で3D映像を表示する場合に適用して好適な表示制御回路及びプロジェクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの左右の目の視差に合わせて設置される2台のカメラが撮像した同一の被写体の映像を用いて、ユーザが立体視することができる立体映像(以下、「3D映像」と呼ぶ。)を生成する技術がある。2台のカメラが撮像した映像は、左目用の「左映像」と、右目用の「右映像」(以下、左映像と右映像を「左右映像」とも総称する。)と呼ばれる。
【0003】
ユーザが3D映像を視聴可能な表示装置として、3Dディスプレイ装置やスクリーンに映像を投影するプロジェクタ装置がある。これらの表示装置は、表示面に対して時分割で交互に左右映像を表示しており、液晶シャッタを左右レンズに用いたシャッタ眼鏡と組み合わせて使用される。以下、左目用のレンズを「左レンズ」と呼び、右目用のレンズを「右レンズ」と呼び、左レンズと右レンズを「左右レンズ」とも総称する。また、液晶シャッタを開くことにより、レンズが開口し、液晶シャッタを閉じることにより、レンズが閉口する。
【0004】
プロジェクタ装置が備える液晶パネルの映像表示を書き換える期間と、液晶パネルの応答速度により映像変化が遅れる期間では、左右映像が一部重なって表示されるクロストークが発生する。このような左右映像の重なりを避けるため、左右映像の書き換え期間ではシャッタ眼鏡の左右レンズに設けられる液晶シャッタを閉じておき、左右レンズからユーザの両目に光が届かないようにしておく。以下、左右レンズに設けられる液晶シャッタを開閉することを、「左右レンズの開閉」とも呼ぶ。そして、レンズの開口度は後述する眼鏡開口関数によって求めることができ、眼鏡開口関数により、レンズを通過する光の輝度が判明する。
【0005】
図9は、従来の左右レンズの開閉と液晶パネルに表示される映像の切替えタイミングの例を示す。
図9の上段には、液晶パネルに表示される左右映像の切替えタイミングが示され、下段には左右レンズの開閉のタイミングが示される。ここで、各矩形枠に記載した文字の内、「R」を右映像、「L」を左映像として表し、各文字に付される数字を各左右映像のフレーム番号を表す。
【0006】
プロジェクタ装置が備える液晶パネルは、1フレームを1/240秒毎に区切った上で、2フレーム毎に左右映像を交互に切替え、光源からの光が液晶パネルを通過したときにユーザはいずれかの左右映像を見ることができる。2フレーム毎に左右映像を切替えるのは、液晶パネルの応答が遅いため、映像が完全に切り替えるには2フレーム分の時間(1/120秒)が必要であることによる。上述したように、左右映像が切り替わるタイミングではクロストークが生じる。このため、各左右映像が表示される2フレームのうち、左右映像が切り替わり始める最初のフレームでは左右レンズの液晶シャッタを閉じる。そして、次のフレームで左右映像に対応するいずれかの左右レンズの液晶シャッタを開くことにより、ユーザの片方の目に液晶パネルを通過した光が届く。従来は、光源に供給される電流が一定であったため、左右レンズのいずれかの液晶シャッタを開いたときにだけ光源が発光した光がユーザの目に届くことになる。このとき、ユーザの目に届く光が明るければ、ユーザは映像を鮮明に認識しやすくなるため、従来、光源が発光する光の強度を変えて映像を投影する技術が知られていた。
【0007】
特許文献1には、色分離手段が切り替える色に応じて光の強度を変えることによって、光源から時分割で色分離された光を投射する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−102030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、高輝度の光源として、例えば、UHPランプ(超高圧水銀灯)を採用したプロジェクタを用いて、3D映像をスクリーンに投影する技術が用いられていた。しかし、UHPランプは、UHPランプを発光するための電流(以下、「光源電流」と呼ぶ。)を一定とし、同じ明るさで発光を続けるため、レンズの液晶シャッタを閉じるとユーザの目に届く映像の光量が制限されてしまう。このため、ユーザの目に届く3D映像の輝度は、左右レンズが常に開口した状態のまま光量を一定として投影される2D映像よりも低かった。また、UHPランプを採用して3D映像を見るように構成すると、メガネの開口パターンを制御することしか方法がなかったため、左右レンズの開閉を切替える際に生じるクロストークが目立ち、3D映像の品質が低下していた。
【0010】
また、上述した表示装置に用いられるシャッタ眼鏡は、左右映像の書き換え期間に液晶シャッタを閉じるため、それぞれの左右レンズの液晶シャッタを開く時間は3D映像の表示時間に対して1/2以下となる。このため、左右レンズの液晶シャッタを閉じる期間では、シャッタ眼鏡に届く光を利用できず、ユーザは3D映像を暗く認識してしまう。一方、ユーザが明るい3D映像を認識するためには、表示装置が使用する光源を、従来の光源に比べて大型かつ高輝度とする必要があり、光源の消費電力が大きくなっていた。
【0011】
本開示はこのような状況に鑑みて成されたものであり、ユーザの目に届く時分割で表示される左右映像の輝度を上げつつ、光源の消費電力を抑えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示は、左目用の左映像と右目用の右映像から構成される時分割表示型の立体映像データに基づいて、時分割で交互に左映像及び右映像を光変調素子に書き込む素子駆動部を備える。
また、シャッタ眼鏡の液晶シャッタの開閉を駆動するシャッタ眼鏡駆動部を備える。シャッタ眼鏡駆動部は、光変調素子に書き込まれる左映像及び右映像が重なる書き換え期間には、シャッタ眼鏡の左目用及び右目用のレンズに設けられた両方の液晶シャッタを閉じる。一方、左映像又は右映像のいずれかが単独で書き込まれる期間には、シャッタ眼鏡の書き込まれた映像に対応するレンズに設けられた液晶シャッタを開く。
また、液晶シャッタの開閉期間を1周期とした場合に、複数の周期にわたって光源電流の総和をほぼ一定とする光源駆動部を備える。光源駆動部は、いずれかの液晶シャッタが開く期間に、光変調素子を通過してスクリーンに投影される光を発する光源に供給する光源電流を上げ、両方の液晶シャッタが閉じる期間に光源電流を下げる。
また、シャッタ眼鏡駆動部に対する液晶シャッタの開閉のタイミングを制御し、素子駆動部に対する左映像及び右映像の書込みのタイミングを制御し、及び光源駆動部に対する液晶シャッタの開閉期間における光源の輝度の高低を制御する制御部を備える。
【0013】
このようにしたことで、左右映像が重なり合って表示される書き換え期間における光源の輝度を下げ、左右映像のいずれかが単独で書き込まれる期間における光源の輝度を上げることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、左右映像を時分割で交互に表示する左右映像を表示する場合に、左右映像が重なり合って表示される書き換え期間では、光源の輝度をできるだけ低くし、単独で表示される期間では、光源の輝度をできるだけ高くする。これにより、ユーザは、明瞭な左右映像から輝度が高い3D映像を認識することができ、光源の消費電力を従来の光源と変わらない程度に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本開示の一実施の形態における3D表示システムの内部構成例を示すブロック図である。
【図2】本開示の一実施の形態におけるプロジェクタ装置の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】本開示の一実施の形態におけるプロジェクタ装置の動作例を示す構成図である。
【図4】本開示の一実施の形態における左右レンズの開閉と液晶パネルに表示される映像の切替えタイミングの例を示す説明図である。
【図5】本開示の一実施の形態における眼鏡開口関数と光源電流波形の例を示す説明図である。
【図6】本開示の一実施の形態における左右レンズの開口直後には光源電流の上昇を抑える処理の例を示す説明図である。
【図7】本開示の一実施の形態における左右レンズの開口時と閉口時における光源電流値の例を示す説明図である。
【図8】本開示の一実施の形態におけるシャッタ眼鏡の眼鏡開口関数と光源電流との関係を示す説明図である。
【図9】従来の左右レンズの開閉と液晶パネルに表示される映像の切替えタイミングの例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施の形態とする。)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態(光源輝度の制御:レンズの開口に合わせて光源電流を階段状に上げる例)
2.変形例
【0017】
<1.一実施の形態>
[レンズの開口に合わせて光源電流を階段状に上げる例]
以下、本開示の一実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。本実施の形態では、時分割で交互に左右映像をスクリーン13に投影するプロジェクタ装置1と、シャッタ眼鏡21と、を含む3D表示システム10に適用した例(以下、「本例」という。)について説明する。
【0018】
図1は、3D表示システム10の内部構成例を示す。
図2は、プロジェクタ装置1の内部構成例を示す。
3D表示システム10は、スクリーン13に左右映像(3D映像)を投影するプロジェクタ装置1と、時分割で左右レンズの液晶シャッタが開閉されるシャッタ眼鏡21と、を備える。
【0019】
プロジェクタ装置1は、左右映像の表示を制御する表示制御回路11と、シャッタ眼鏡21に赤外線を発光する赤外線発光部4と、表示制御回路11の制御に従って輝度を変え、スクリーン13に投影される光を発する光源6を備える。また、プロジェクタ装置1は、光源6が発光する光を3D映像光として出射する光学エンジン12を備える。光学エンジン12は、表示制御回路11(パネル駆動部7)の制御により時分割で交互に左映像及び右映像が書き込まれる光変調素子としての液晶パネル8と、液晶パネル8を通過した光よりなる映像を所定の倍率で拡大してスクリーン13に投影するレンズ9を備える。
【0020】
光源6は一定の周期(例えば、50Hz)で発光し、光源6が発した光は液晶パネル8を通過し、スクリーン13に3D映像として投影される。液晶パネル8と合成プリズムを備える光学エンジン12は、表示制御回路11の制御により、合成プリズムに設置されたR,G,Bの液晶パネル8を通して光源6が発した光を三原色の映像光としてスクリーン13に投影する。
【0021】
表示制御回路11は、外部の映像再生装置(不図示)から入力した3D映像信号の出力を制御する制御部2を備える。また、時分割で切り換わる左右映像に合わせてシャッタ眼鏡21の左右レンズの液晶シャッタの駆動を指示するシャッタ駆動信号を出力するシャッタ眼鏡駆動部3を備える。また、制御部2から指示を受けて液晶パネル8を通過する光を発する光源6の輝度の高低を制御する光源駆動部5と、制御部2の指示を受けて液晶パネル8を駆動するパネル駆動部7を備える。
【0022】
光源駆動部5は、液晶シャッタの開閉期間を1周期とした場合に、いずれかの液晶シャッタが開く期間に、液晶パネル8を通過してスクリーン13に投影される光を発する光源6に供給する光源電流を上げる。また、両方の液晶シャッタが閉じる期間に光源電流を下げる。そして、複数の周期にわたって光源電流の総和をほぼ一定とする制御を行う。
【0023】
パネル駆動部7は、光変調素子(本例では、液晶パネル8)を駆動する素子駆動部として用いられる。そして、パネル駆動部7は、左目用の左映像と右目用の右映像から構成される時分割表示型の立体映像データ(3D映像信号)に基づいて、時分割で交互に左映像及び右映像を液晶パネル8に書き込む。
【0024】
制御部2は、シャッタ眼鏡駆動部3に対する液晶シャッタの開閉のタイミングを制御し、パネル駆動部7に対する左映像及び右映像の書込みのタイミングを制御し、及び光源駆動部5に対する液晶シャッタの開閉期間における光源6の輝度の高低を制御する。そして、液晶パネル8に対する左映像及び右映像の書き換え期間では、光源駆動部5に光源6の輝度を下げる制御を行い、液晶パネル8が左映像又は右映像のいずれかが単独で書き込まれる期間では、光源駆動部5に光源6の輝度を上げる制御を行う。
【0025】
シャッタ眼鏡駆動部3は、シャッタ眼鏡21の液晶シャッタを駆動するシャッタ駆動信号を赤外線発光部4に供給する。赤外線発光部4は、シャッタ眼鏡21にシャッタ駆動信号を赤外線送信する。また、シャッタ眼鏡駆動部3は、液晶パネル8に書き込まれる左映像及び右映像が重なる書き換え期間には、シャッタ眼鏡21の左目用及び右目用のレンズに設けられた両方の液晶シャッタを閉じさせる。一方、左映像又は右映像のいずれかが単独で書き込まれる期間には、シャッタ眼鏡21の書き込まれた映像に対応するレンズに設けられた液晶シャッタを開くように、シャッタ眼鏡21の液晶シャッタの開閉を駆動する。そして、赤外線発光部4は、シャッタ駆動信号を赤外線信号に電光変換し、所定のパターンで発光してシャッタ眼鏡21に赤外線信号を送信する。
【0026】
シャッタ眼鏡21は、赤外線発光部4から受光した赤外線信号をシャッタ駆動信号に光電変換する赤外線受光部23と、シャッタ駆動信号に合わせてシャッタ眼鏡21の左右のレンズを個別に開閉するタイミングを制御する制御回路22を備える。シャッタ眼鏡21は、ユーザが左映像を見るときは左レンズの液晶シャッタを開け、右レンズの液晶シャッタを閉める。一方、ユーザが右映像を見るときは右レンズの液晶シャッタを開け、左レンズの液晶シャッタを閉める。ユーザの左右の目には、短時間で切り換えられた左右映像が交互に入力するため、ユーザは、3D映像として認識する。
【0027】
プロジェクタ装置1は、左右映像の像光を3D映像信号に基づいて変調する光変調素子として透過型又は反射型の液晶パネル8を用い、光変調素子に光源の光を照射する光学系により、光変調素子を通過した映像をレンズ9で拡大してスクリーン13に投影する。このとき、プロジェクタ装置1は、スクリーン13に時分割方式で3D映像を表示しており、光源の輝度を制御することによって、いずれかの左右映像が単独でスクリーン13に投影される場合における映像の輝度を高めている。
【0028】
左右映像からなる3D映像信号は制御部2に入力される。制御部2は、パネル駆動部7を介して交互に右映像と左映像を液晶パネル8に書き込む。このとき、制御部2は、光源駆動部5に対して、光源6が許容する光源電流の上限及び下限の範囲において以下の光源電流の制御を行う。すなわち、シャッタ眼鏡21のレンズの液晶シャッタを開くと、シャッタ眼鏡21の開口関数に合わせた電流関数に従って、光源6に供給する光源電流を階段状に上限まで上げる指示を行う。また、レンズの液晶シャッタを閉じると、光源6に供給する光源電流を下限まで下げる指示を行う。このように、制御部2は、液晶パネル8に左右映像が書き込まれるタイミングに合わせて、シャッタ眼鏡駆動部3を介してシャッタ眼鏡21の左右レンズを開閉する制御を行う。同時に、制御部2は、光源駆動部5に輝度の高低を制御する輝度制御信号を送ることにより、光源駆動部5に光源6の輝度を制御させる。このようにして制御部2は、時分割で表示される左右映像の切替えタイミングに合わせて、光源6の輝度の高低と、シャッタ眼鏡21の液晶シャッタの切替えタイミングを制御する。
【0029】
図3は、プロジェクタ装置1が1/240秒毎に時分割をして左右映像の3D映像を表示する場合における動作例を示す。
【0030】
プロジェクタ装置1は、通常、左右映像を1秒間に60コマずつ、合計120コマで書き込む。しかし、左右映像は切り換えタイミングで一瞬のうちに書き換わるのではなく、例えば、画面の左上から右下に向かって左右映像が混ざりながら書き換わっていく。このため、左右映像の切り替わり時には、左右映像が重なるクロストークが発生しやすい。本例のプロジェクタ装置1は、左映像と右映像をそれぞれ通常の倍の120コマ(合計240コマ)で再生し、1/240秒間を左右映像の書込み時間にあて、光源6の輝度の高低をコマ毎に制御することにより、鮮明な3D映像を表示できるようにしている。
【0031】
図3Aは、右映像に左映像が書き込まれる途中である初期状態(0/240秒)の例を示す。
このとき、左映像が上方から書かれるため、書き込み期間では、左映像が既に表示されている右映像に重なってしまう。このとき、ユーザが映像を二重に見てしまうことを防ぐため、光源6の輝度が瞬時に下げられ、シャッタ眼鏡21の左右レンズの液晶シャッタが閉じられる。これによってユーザの両目に届く光が遮られる。
【0032】
図3Bは、初期状態から1/240秒だけ進んだ状態の例を示す。
通常の60フレーム/秒の映像に比べ、240フレーム/秒とすることで、初期状態から1/240秒だけ経過すると、左映像がくっきりと表示される。このとき、光源6の輝度が上げられ、シャッタ眼鏡21の左レンズを光が透過することで、ユーザは高輝度な左映像を認識することが出来る。
【0033】
図3Cは、初期状態から2/240秒だけ進んだ状態の例を示す。
上述したように、右映像が上方から書かれるため、書き込み期間では、既に表示されている左映像と重なってしまう。このとき、映像が二重に見えてしまうことを防ぐため、光源6の輝度が下げられ、シャッタ眼鏡21の左右レンズの液晶シャッタが閉じられることによってユーザの両目に届く光が遮られる。
【0034】
図3Dは、初期状態から3/240秒だけ進んだ状態の例を示す。
初めから3/240秒だけ経過すると、右映像がくっきりと表示される。このとき、光源6の輝度が上げられ、シャッタ眼鏡21の右目用レンズを光が透過することで、ユーザは高輝度な右映像を認識することが出来る。
【0035】
図4は、シャッタ眼鏡21の左右レンズの液晶シャッタの開閉と液晶パネル8に表示される映像の切替えタイミングの例を示す。
図4の上段には、時間経過によって切替えられる液晶パネル8に表示される映像の切替えタイミングが示され、下段にはシャッタ眼鏡21の左右レンズの液晶シャッタが開閉される切替えタイミングが示される。ここで、各矩形枠に記載した文字の内、「R」を右映像、「L」を左映像として表し、各文字に付される数字を各映像のフレーム番号を表す。
パネル駆動部7が駆動する液晶パネル8の動作例については、上述した従来の液晶パネルの動作例と同様であるため、説明を省略する(図9参照)。
【0036】
明るい3D映像をスクリーン13に表示するためには、右映像と左映像を交互に表示する必要がある。右映像は右目だけ、左映像は左目だけに届けばよいため、交互に書き換わる左右映像と同期させて光の透過又は遮断を制御できるシャッタ眼鏡21が用いられる。上述したように左映像の表示期間はシャッタ眼鏡の左レンズの液晶シャッタを開き、右目用のシャッタを閉じておく。次に右映像を表示すると同時にシャッタ眼鏡の左レンズの液晶シャッタを閉じて右レンズの液晶シャッタを開く。以降、液晶パネル8とシャッタ眼鏡21は、この動作を繰り返す。
【0037】
プロジェクタ装置1が投影する左右映像は、所定のタイミングで交互に切替えてスクリーン13に表示される。このため、理想的には、左映像が表示される時にシャッタ眼鏡21の右目レンズの液晶シャッタが閉まり、右映像が表示される時にシャッタ眼鏡21の左目レンズの液晶シャッタが閉まることが望ましい。
【0038】
しかし、プロジェクタ装置1が右映像から左映像に切替えて表示する際、画面の上部から下部に向かって左映像が書き込まれていく。ここで、ユーザが右映像と左映像が同時に見ると左右映像が2重に見えてしまう。このため、ユーザが見る映像は輪郭がぼやけてしまうばかりでなく、立体感も損なわれてしまうため、同時に左右映像を視認する状態を避けなければならない。ただし、光源6を完全にオフしてしまうと、再度オンするときに時間がかかるため、光源6はオフにする直前まで輝度を下げることが望ましい。
【0039】
このため、光源駆動部5は、左右レンズのいずれかの液晶シャッタが開かれるタイミングで、光源駆動部5が光源6に供給する光源電流を増加して輝度を上げ、左右レンズの両方の液晶シャッタが閉じるタイミングで、光源電流を減少して輝度を下げる制御を行う。
【0040】
図5は、眼鏡開口関数と光源電流関数の波形の例を示す。図5Aは、眼鏡開口関数をグラフ表示した例を示し、図5Bは、光源電流関数をグラフ表示した例を示す。
【0041】
眼鏡開口関数は、シャッタ眼鏡21の開口度を求めるための関数である。図5Aには、一定の輝度を有する光源の前に置かれたシャッタ眼鏡21の液晶シャッタを開閉し、液晶シャッタを通過する光の輝度を輝度計で計測して求めた値がプロットされ、縦軸を輝度、横軸を時間としてグラフ表示される。眼鏡開口関数では外乱によるパルスの影響が除かれる。図5Aに示す眼鏡開口関数は矩形波ではなく、レンズの液晶シャッタを開く過渡期ではなだらかに上昇する関係にあることが判明する。そして、図5Aに示す立ち上がり部分の期間では、シャッタ眼鏡21の液晶シャッタの応答特性に対して、クロストークの影響による映像品質の低下を避けるため、光源電流を上げないか、若しくは、意図的に光源電流を下げる制御が行われる。
【0042】
光源電流関数は、光源6に供給する光源の大きさを求めるための関数である。図5Bには、レンズの開口に合わせて階段状に光源電流を上げる光源電流値がプロットされ、縦軸を電流値、横軸を時間としてグラフ表示される。
ここで、光源駆動部5は、左映像又は右映像を書き換える際における液晶パネル8の応答期間を経過した後に光源6の輝度を高めることとなる。
【0043】
また、レンズの開口時に光源電流を効率的に上げるためには、階段状に光源電流を上げなければならないことが判明した。光源電流を階段状に上げる以外の方法で光源電流を上げようとすると、光源6に加わるランプ電圧が短時間に急激に上昇し、光源6の寿命に影響が及ぶ場合があるためである。このため、図5Bに示すように、レンズが閉口しているときには光源電流を下げ、レンズが開口すると光源電流を徐々に上げるように光源電流を制御する。具体的には、光源駆動部5は、最初の1/4周期(1/240秒間)で光源電流を下げ、次の1/4周期(1/240秒間)で光源電流を上げることとなる。
【0044】
図6は、左右レンズの開口直前又は閉口直後に光源電流の上昇を抑える処理の例を示す。
上述したように、左右映像の切替えタイミングに合わせて1/120秒毎に左右レンズの開閉が切り替わる。このとき、切り替わり始める最初の1/240秒間は左右レンズの液晶シャッタが共に閉じており、次の1/240秒間は左右レンズの液晶シャッタのいずれかが開く。
【0045】
いずれかの左右レンズの開口直後であっても、クロストークの影響を抑えるために、光源駆動部5は光源電流を上げない。左右レンズの開口直前には、左右レンズが共に閉口となる期間が存在している。しかし、液晶の駆動速度が遅いため、いずれかの左右映像が表示された際に、両方の左右レンズが開口していると、クロストークが発生してしまう。クロストークの発生を避けるために、光源駆動部5は、シャッタ眼鏡駆動部3が液晶シャッタを開く直前、及びシャッタ眼鏡駆動部3が液晶シャッタを閉じる直後には、光源6に供給する光源電流の増加を抑える。その後、液晶シャッタを開くと、時間経過と共に階段状に光源電流を上げる。このように対応するのは、左右レンズは、矩形波により一瞬で開口するのではなく、なだらかに開口されるためであり、開口度に合わせて光源電流を上げることが最適だからである。
【0046】
図7は、左右レンズの開口時と閉口時における光源電流値の例を示す。
左右レンズを閉口する時には、光源電流波形を任意として構わない。しかし、光源6の消費電力を一定にしつつ、3D映像の輝度を高めるためには、左右レンズの開口時は光源電流値をできるだけ高くし、左右レンズの閉口時は光源電流値をできるだけ低くしなければならない。ここで、所定の時間領域における光源電流の上昇を制御する際には、複数のフレーム期間にわたる一定時間で観測した時に、光源6の消費電力は一定でなければならない。このため、次式(1)のように、左右レンズの開閉時における光源電流値を定める。
左右レンズ閉口時の光源電流値+左右レンズ開口時の光源電流値=一定 …(1)
このとき、”左右レンズ閉口時の光源電流値<<左右レンズ開口時の光源電流値”の関係を満たすことが望ましい。
【0047】
図8は、シャッタ眼鏡21の眼鏡開口関数と光源電流値との関係を示す。
図8Aは、眼鏡開口関数の例を示す。
上述したようにシャッタ眼鏡21の左右レンズの開口又は閉口は、液晶シャッタの開閉により制御されるため、レンズが開口するまでに時間がかかる。
【0048】
図8Bは、光源電流値の波形の例を示す。
光源駆動部5は、シャッタ眼鏡21の液晶シャッタが開かれると階段状に光源電流値を上げ、できるだけ高い電流を光源6に供給する。そして、液晶シャッタが閉じられると、できるだけ低い電流を光源6に供給する。
【0049】
図8Cは、光源6の光がシャッタ眼鏡21を通過して計測される輝度の例を示す。
眼鏡開口関数によって表される山形の波形は、光源電流波形によって表される輝度に応じて変化する。そして、図8Cに示す輝度の波形より、シャッタ眼鏡21を通過する光を計測する輝度が階段状に変化することが示される。このように、眼鏡の開口時間に合わせて光源電流を徐々に上げることにより、シャッタ眼鏡21を通してユーザが見る3D映像の明るさを段階的に向上させる。
このとき、理想的な関数は、次式(2)に示される。
眼鏡開口関数×左右レンズの開口時に供給される光源電流波形=最大値 …(2)
【0050】
そして、制御部2は、メガネ開口関数f(t),光源電流関数g(t)に対して、下記の式(3)を用いて演算を行う。このとき、光源駆動部5は、液晶シャッタが開く期間に、光源電流の時間積分値を単調増加させ、時間積分値が最大になるように、g(t)を決定する。なお、f(t)は、シャッタ眼鏡21の種類によって一意によって定まる関数である。
【0051】
【数1】

【0052】
また、f(t),g(t)において、周期関数となるため、式(4)に示すように、数列演算となる。
【0053】
【数2】

【0054】
メガネ開口関数f(t)は、電流関数の定数倍で定義される事が望ましい。このため、上式に合わせたコンボリューション(たたみ込み)が最大となるg(t)は、次式(5)で表される。ここで、kは、定数であり、∽は、相似を表す。
f(t) ∽ k×g(t)…(5)
【0055】
以上説明した一実施の形態に係る3D表示システム10によれば、時分割方式の3D映像をスクリーン13に投影して3D映像を表示する際、液晶パネル8に書き込まれる左映像と右映像が完全に書き換わるまで、光源駆動部5は、光源6の輝度をできるだけ下げる。一方、左映像と右映像がそれぞれ液晶パネル8に完全に書き込まれると、制御部2の指示により光源駆動部5は、光源6の輝度をできるだけ上げる。
【0056】
このとき、光源駆動部5は、スクリーン13に投影する映像とシャッタ眼鏡21の液晶シャッタに同期させて、光源6に供給する光源電流を制御する。例えば、光源駆動部5は、光源6に対して、左右映像が切り替わり始める最初の1/240秒間はできるだけ光源電流を減少させ、光源6の輝度を下げる。パネル駆動部7が液晶パネル8の映像を書き換えている間、右映像と左映像が同時に見えないように、シャッタ眼鏡21の左右レンズの液晶シャッタが両方閉じられる。シャッタ眼鏡21の液晶シャッタが両方閉じられている期間は映像を表示する必要がないため、光源6の輝度を下げてもユーザは輝度の低下を認識しない。このとき、光源駆動部5は、光源電流を瞬時にできるだけ下げることにより、光源6の消費電力を抑えることができる。
【0057】
そして、光源駆動部5は、次の1/240秒間は、光源電流を階段状にできるだけ高くしていく。光源6の輝度を最大化するためには、光源電流を時間積分値に対して最大化する必要がある。その後、左右レンズの液晶シャッタが閉じる際には、光源電流をできるだけ下げる。なお、左右レンズの開口直前はクロストークの影響による映像品質の低下を避けるため、光源電流を上げないか、若しくは、意図的に光源電流を下げる。
【0058】
このように光源電流を制御することにより、左映像と右映像の切替え時に光源6の輝度を下げるため、クロストークを抑制することができる。また、左右映像がいずれも完全に書き換わったときに、できるだけ光源の輝度を上げることにより、従来の光源より高い輝度で左右映像を投影することができる。また、左右映像の書き換え期間では光源の輝度をできるだけ下げるため、光源に負担をかけにくく、光源6の使用可能な期間を延ばすことができる。また、複数のフレーム期間にわたって光源6の消費電力を一定に保ちながら、左右映像の輝度を高めることが可能である。このため、3D映像の輝度を上げつつ、光源6の消費電力を従来の光源と変わらない程度に保つことができることが可能となる。
【0059】
<2.変形例>
なお、同様に液晶パネル8に時分割で左右映像を表示する場合には、左右映像にそれぞれ異なる偏光を与え、これに適合する透過偏光方向を持つ光素子をシャッタ眼鏡に用いる3D表示システムに用いてもよい。また、1フレームが60Pである3D映像信号でなくてもよい。さらに高い輝度と低い輝度のコントラストを高めるようにしてもよい。また、光源6の消費電力を一定とするのであれば、UHPランプ以外のキセノンランプ、メタルハライドランプ等の光量が大きい光源を用いてもよい。
【0060】
また、本開示は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本開示の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0061】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)左目用の左映像と右目用の右映像から構成される時分割表示型の立体映像データに基づいて、時分割で交互に前記左映像及び右映像を光変調素子に書き込む素子駆動部と、
前記光変調素子に書き込まれる前記左映像及び前記右映像が重なる書き換え期間には、シャッタ眼鏡の前記左目用及び右目用のレンズに設けられた両方の液晶シャッタを閉じ、前記左映像又は右映像のいずれかが単独で書き込まれる期間には、前記シャッタ眼鏡の書き込まれた映像に対応するレンズに設けられた前記液晶シャッタを開くように、前記シャッタ眼鏡の液晶シャッタの開閉を駆動するシャッタ眼鏡駆動部と、
前記液晶シャッタの開閉期間を1周期とした場合に、いずれかの前記液晶シャッタが開く期間に、前記光変調素子を通過してスクリーンに投影される光を発する光源に供給する光源電流を上げ、両方の前記液晶シャッタが閉じる期間に前記光源電流を下げ、複数の周期にわたって前記光源電流の総和をほぼ一定とする光源駆動部と、
前記シャッタ眼鏡駆動部に対する前記液晶シャッタの開閉のタイミングを制御し、前記素子駆動部に対する前記左映像及び右映像の書込みのタイミングを制御し、及び前記光源駆動部に対する前記液晶シャッタの開閉期間における前記光源の輝度の高低を制御する制御部と、を備える
表示制御回路。
(2)前記光源駆動部は、前記光源が許容する光源電流の上限及び下限の範囲において、前記液晶シャッタが開くと、前記シャッタ眼鏡の開口関数に合わせた電流関数に従って、前記光源に供給する光源電流を階段状に前記上限まで上げ、前記液晶シャッタが閉じると、前記光源に供給する光源電流を前記下限まで下げる制御を行う
前記(1)記載の表示制御回路。
(3)前記光源駆動部は、前記左映像又は前記右映像を書き換える際における前記光変調素子の応答期間を経過した後に前記光源の輝度を高める
前記(1)又は(2)記載の表示制御回路。
(4)前記光源駆動部は、前記液晶シャッタが開く期間に合わせて前記光源電流の時間積分値を単調増加させるように前記光源電流を前記光源に供給する
前記(1)〜(3)のいずれかに記載の表示制御回路。
(5)前記光源駆動部は、前記シャッタ眼鏡駆動部が前記液晶シャッタを開く直前、及び前記シャッタ眼鏡駆動部が前記液晶シャッタを閉じる直後には、前記光源に供給する前記光源電流の増加を抑える
前記(1)〜(4)のいずれかに記載の表示制御回路。
(6)前記シャッタ眼鏡の開口関数は、前記電流関数の定数倍で定義される
前記(1)〜(5)のいずれかに記載の表示制御回路。
(7)前記光変調素子は、透過型又は反射型の液晶パネルである
前記(1)〜(5)のいずれかに記載の表示制御回路。
(8)前記シャッタ眼鏡駆動部が送信する前記シャッタ眼鏡の液晶シャッタを駆動するシャッタ駆動信号は、有線又は無線で送信される
前記(1)〜(5)のいずれかに記載の表示制御回路。
(9)左目用の左映像と右目用の右映像から構成される時分割表示型の立体映像データに基づいて、時分割で交互に前記左映像及び右映像が書き込まれる光変調素子と、
前記光変調素子を通過してスクリーンに投影される光を発する光源と、
前記左映像及び右映像を光変調素子に書き込む素子駆動部と、
前記光源から発せされ、前記光変調素子を通過した光よりなる前記左映像又は右映像を所定の倍率で拡大するレンズと、
前記光変調素子に書き込まれる前記左映像及び前記右映像が重なる書き換え期間には、シャッタ眼鏡の前記左目用及び右目用のレンズに設けられた両方の液晶シャッタを閉じ、前記左映像又は右映像のいずれかが単独で書き込まれる期間には、前記シャッタ眼鏡の書き込まれた映像に対応するレンズに設けられた前記液晶シャッタを開くように、前記シャッタ眼鏡の液晶シャッタの開閉を駆動するシャッタ眼鏡駆動部と、
前記液晶シャッタの開閉期間を1周期とした場合に、いずれかの前記液晶シャッタが開く期間に、前記光変調素子を通過する光を発する光源に供給する光源電流を上げ、両方の前記液晶シャッタが閉じる期間に前記光源電流を下げ、複数の周期にわたって前記光源電流の総和をほぼ一定とする光源駆動部と、
前記シャッタ眼鏡駆動部に対する前記液晶シャッタの開閉のタイミングを制御し、前記素子駆動部に対する前記左映像及び右映像の書込みのタイミングを制御し、及び前記光源駆動部に対する前記液晶シャッタの開閉期間における前記光源の輝度の高低を制御する制御部と、を備える
プロジェクタ装置。
【符号の説明】
【0062】
1…プロジェクタ装置、2…制御部、3…シャッタ眼鏡駆動部、4…赤外線発光部、5…光源駆動部、6…光源、7…パネル駆動部、8…液晶パネル、9…レンズ、10…3D表示システム、11…表示制御回路、12…光学エンジン、13…スクリーン、21…シャッタ眼鏡、22…制御回路、23…赤外線受光部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
左目用の左映像と右目用の右映像から構成される時分割表示型の立体映像データに基づいて、時分割で交互に前記左映像及び右映像を光変調素子に書き込む素子駆動部と、
前記光変調素子に書き込まれる前記左映像及び前記右映像が重なる書き換え期間には、シャッタ眼鏡の前記左目用及び右目用のレンズに設けられた両方の液晶シャッタを閉じ、前記左映像又は右映像のいずれかが単独で書き込まれる期間には、前記シャッタ眼鏡の書き込まれた映像に対応するレンズに設けられた前記液晶シャッタを開くように、前記シャッタ眼鏡の液晶シャッタの開閉を駆動するシャッタ眼鏡駆動部と、
前記液晶シャッタの開閉期間を1周期とした場合に、いずれかの前記液晶シャッタが開く期間に、前記光変調素子を通過してスクリーンに投影される光を発する光源に供給する光源電流を上げ、両方の前記液晶シャッタが閉じる期間に前記光源電流を下げ、複数の周期にわたって前記光源電流の総和をほぼ一定とする光源駆動部と、
前記シャッタ眼鏡駆動部に対する前記液晶シャッタの開閉のタイミングを制御し、前記素子駆動部に対する前記左映像及び右映像の書込みのタイミングを制御し、及び前記光源駆動部に対する前記液晶シャッタの開閉期間における前記光源の輝度の高低を制御する制御部と、を備える
表示制御回路。
【請求項2】
前記光源駆動部は、前記光源が許容する光源電流の上限及び下限の範囲において、前記液晶シャッタが開くと、前記シャッタ眼鏡の開口関数に合わせた電流関数に従って、前記光源に供給する光源電流を階段状に前記上限まで上げ、前記液晶シャッタが閉じると、前記光源に供給する光源電流を前記下限まで下げる制御を行う
請求項1記載の表示制御回路。
【請求項3】
前記光源駆動部は、前記左映像又は前記右映像を書き換える際における前記光変調素子の応答期間を経過した後に前記光源の輝度を高める
請求項2記載の表示制御回路。
【請求項4】
前記光源駆動部は、前記液晶シャッタが開く期間に合わせて前記光源電流の時間積分値を単調増加させるように前記光源電流を前記光源に供給する
請求項3記載の表示制御回路。
【請求項5】
前記光源駆動部は、前記シャッタ眼鏡駆動部が前記液晶シャッタを開く直前、及び前記シャッタ眼鏡駆動部が前記液晶シャッタを閉じる直後には、前記光源に供給する前記光源電流の増加を抑える
請求項4記載の表示制御回路。
【請求項6】
前記シャッタ眼鏡の開口関数は、前記電流関数の定数倍で定義される
請求項5記載の表示制御回路。
【請求項7】
前記光変調素子は、透過型又は反射型の液晶パネルである
請求項5記載の表示制御回路。
【請求項8】
前記シャッタ眼鏡駆動部が送信する前記シャッタ眼鏡の液晶シャッタを駆動するシャッタ駆動信号は、有線又は無線で送信される
請求項5記載の表示制御回路。
【請求項9】
左目用の左映像と右目用の右映像から構成される時分割表示型の立体映像データに基づいて、時分割で交互に前記左映像及び右映像が書き込まれる光変調素子と、
前記光変調素子を通過してスクリーンに投影される光を発する光源と、
前記左映像及び右映像を光変調素子に書き込む素子駆動部と、
前記光源から発せされ、前記光変調素子を通過した光よりなる前記左映像又は右映像を所定の倍率で拡大するレンズと、
前記光変調素子に書き込まれる前記左映像及び前記右映像が重なる書き換え期間には、シャッタ眼鏡の前記左目用及び右目用のレンズに設けられた両方の液晶シャッタを閉じ、前記左映像又は右映像のいずれかが単独で書き込まれる期間には、前記シャッタ眼鏡の書き込まれた映像に対応するレンズに設けられた前記液晶シャッタを開くように、前記シャッタ眼鏡の液晶シャッタの開閉を駆動するシャッタ眼鏡駆動部と、
前記液晶シャッタの開閉期間を1周期とした場合に、いずれかの前記液晶シャッタが開く期間に、前記光変調素子を通過する光を発する光源に供給する光源電流を上げ、両方の前記液晶シャッタが閉じる期間に前記光源電流を下げ、複数の周期にわたって前記光源電流の総和をほぼ一定とする光源駆動部と、
前記シャッタ眼鏡駆動部に対する前記液晶シャッタの開閉のタイミングを制御し、前記素子駆動部に対する前記左映像及び右映像の書込みのタイミングを制御し、及び前記光源駆動部に対する前記液晶シャッタの開閉期間における前記光源の輝度の高低を制御する制御部と、を備える
プロジェクタ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図6】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−12980(P2013−12980A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145304(P2011−145304)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】