表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法
【課題】画像処理におけるデータ処理量の増加を防止しながら、非透過領域の透過を防止できる表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法を提供する。
【解決手段】表示制御装置190は、前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得部191を備える。また、表示制御装置190は、取得された画像データで表される、部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択部を有する画像合成部194を備える。さらに、表示制御装置190は、選択された透過色データが定める透過色で表される前景画像の透過領域に対して、透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御部195を備える。
【解決手段】表示制御装置190は、前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得部191を備える。また、表示制御装置190は、取得された画像データで表される、部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択部を有する画像合成部194を備える。さらに、表示制御装置190は、選択された透過色データが定める透過色で表される前景画像の透過領域に対して、透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御部195を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像処理におけるデータ処理量を削減するため、所定の色を透過色として定義し、定義された透過色の領域に対して、当該領域に対応する背景画像の領域を合成する(以下、領域を透過させるという)技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−243512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に開示された技術では、例えば、図12(a)に示すような前景画像F0と図12(b)に示すような背景画像Bとを合成する場合に、本来、透過させる領域でない部分画像(以下、非透過領域という)MP及びMSの色がたまたま透過色と一致すると、図12(c)に示すような合成画像C0において、背景画像Bの一部が非透過領域MP及びMSを透過しまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような点に鑑み、その目的とするところは、画像処理におけるデータ処理量の増加を防止しながら、非透過領域の透過を防止できる表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る表示制御装置は、
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段で選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
第1の観点に係る表示制御装置において、
前記データ取得手段は、デフォルトの透過色データを、さらに取得し、
前記データ取得手段で取得されたデフォルトの透過色データを、前記画素データのいずれとも異なるデータに変換するデータ変換手段を、さらに備え、
前記データ選択手段は、前記データ変換手段で変換された前記デフォルトの透過色データを、前記透過領域の色を定める透過色データとして選択する、
としても良い。
【0008】
また、第1の観点に係る表示制御装置において、
前記データ変換手段は、前記データ取得手段で取得された画像データを構成する画素データの所定の位に格納されたビット値を所定値に変換すると共に、前記データ取得手段で取得されたデフォルトの透過色データの前記所定の位に格納されたビット値を前記所定値と異なる値に変換する、
としても良い。
【0009】
さらに、第1の観点に係る表示制御装置において、
前記データ変換手段は、前記データ取得手段で取得された画像データを構成する画素データのビット数を増減させ、
前記画素データの前記所定の位は、変換前における前記画素データのビット値を格納した位と異なる位である、
としても良い。
【0010】
また、第1の観点に係る表示制御装置において、
前記画素データの前記所定の位は、全位の内で中心の位よりも下位側の位である、
としても良い。
【0011】
また上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る表示制御プログラムは、
コンピュータを、
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段で選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御手段と、して機能させる、
ことを特徴とする。
【0012】
また上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る表示制御方法は、
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択ステップと、
前記データ選択ステップで選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御ステップと、を有する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法によれば、画像処理におけるデータ処理量の増加を防止しながら、非透過領域の透過を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(a)は、本発明の実施形態1に係る表示制御装置を搭載した携帯通信端末の一例を表す図である。図1(b)は、実施形態1に係る表示制御装置を搭載した携帯通信端末のハードウェア構成の一例を表す図である。
【図2】図2(a)は、動画像の一例を表す図である。図2(b)は、ピクト画像の一例を表す図である。図2(c)は、合成画像の一例を表す図である。
【図3】図3(a)は、実施形態1において、CPUが実行するデータ転送処理の一例を表すフローチャートである。図3(b)は、実施形態1において、データ変換部が実行するデータ変換処理の一例を表すフローチャートである。
【図4】実施形態1に係る表示制御装置のハードウェア構成の一例を表す図である。
【図5】図5は、表示制御装置が有する機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図6】図6(a)は、実施形態1におけるデータ変換前後のデータ例を表す図である。図6(b)は、実施形態1の変形例におけるデータ変換前後のデータ例を表す図である。
【図7】図7(a)は、透過色の前景画像の一例を表す図である。図7(b)は、ピクト画像を上書きされた前景画像の一例を表す図である。図7(c)は、前景画像と背景画像とを合成した合成画像の一例を表す図である。
【図8】図8(a)は、画像合成部が実行する画像合成処理の一例を表すフローチャートである。図8(b)は、画像合成部の一構成例を表す図である。
【図9】図9(a)は、実施形態2に係る表示制御装置を搭載した携帯通信端末のハードウェア構成の一例を表す図である。図9(b)は、CPUがソフトウェア処理を実行することで実現される機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図10】図10(a)は、実施形態2において、CPUが実行するデータ転送処理の一例を表すフローチャートである。図10(b)は、実施形態2において、データ変換部が実行するデータ変換処理の一例を表すフローチャートである。
【図11】CPUが実行する透過色データ選択処理の一例を表すフローチャートである。
【図12】図12(a)は、従来の前景画像の一例を表す図である。図12(b)は、従来の背景画像の一例を表す図である。図12(c)は、従来の合成画像の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の最良の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0016】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る表示制御装置190は、図1(a)に示すような携帯通信端末100に搭載され、携帯通信端末100が有する表示部を構成するLCD(Liquid Crystal Display)101の表示を制御する。具体的には、表示制御装置190は、図2(a)に示すような電車TRが走行する様子を表す動画像Mに対して、図2(b)に示すようなピクト画像Pを重ねた、図2(c)に示すような合成画像Cを表示するようにLCD101を制御する。
【0017】
尚、ピクト画像Pとは、動画像Mの再生制御に用いられる制御画像と携帯通信端末100の状態を表す状態画像とを含む。また、制御画像は、図2(b)に示すような、再生ボタンを表す画像BTP及び停止ボタンを表す画像BTSを含み、状態画像は、携帯通信端末100が受信する電波の強度を表す画像AT、携帯通信端末100が有する電池の蓄電量を表す画像BT、及び携帯通信端末100のシステム時刻を表す画像CLを含む。
【0018】
携帯通信端末100は、図1(a)に示すように、受話音声を出力するスピーカ102、通話音声を入力するマイクロフォン(以下単に、マイクという)103、各種の操作に応じた信号を入力する操作キー104と有する。
【0019】
また、携帯通信端末100は、図1(b)に示すように、互いにバスで接続されたCPU(Central Processing Unit)105、RAM(Random Access Memory)106、ROM(Read Only Memory)107、メディアコントローラ108、信号処理部109、及びアンテナ110を備える。尚、図1(a)を参照して説明したスピーカ102、マイク103、及び操作キー104、並びにLCD101の表示を制御する表示制御装置190も同様にバスに接続している。
【0020】
CPU105について説明する前に、RAM106、ROM107、メディアコントローラ108、信号処理部109、及びアンテナ110について説明を行う。
RAM106は、CPU105がソフトウェア処理の実行に用いるデータを一時的に記憶する。ROM107は、CPU105によって実行されるプログラム及びLCD101に表示される各種の画像を表す画像データを記憶する。メディアコントローラ108は、記録媒体から各種の画像データ及びプログラムを取得する。尚、記録媒体は、フラッシュメモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイディスク(Blu-ray Disc)を含む。信号処理部109は、通話音声及び受話音声の無線通信を行うために、アンテナ110で送受信される高周波信号の変調及び復調を行う。
【0021】
CPU105は、ROM107に保存されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することで、携帯通信端末100の全体制御を行う。CPU105が実行するソフトウェア処理は、ピクト画像P及び動画像Mを表示制御装置190へ転送する、図3(a)に示すようなデータ転送処理を含む。
【0022】
CPU105は、図3(a)のデータ転送処理の実行を開始すると、図1(b)のROM107から予め設定された(つまり、デフォルトの)透過色を表す透過色データを取得する(ステップS01)。次に、CPU105は、取得された透過色データを表示制御装置190へ出力する(ステップS02)。
【0023】
尚、透過色とは、背景画像の上に前景画像を合成する場合において、前景画像の透過させる領域(以下単に、透過領域という)を表す予め定められた色をいう。また、領域を透過させるとは、ある領域を有する画像を前景画像とした場合に、背景画像の当該領域に対応する位置にある領域(以下単に、対応領域という)を前景画像の当該領域に合成する(当てはめる、入れ替える)ことをいう。
【0024】
ステップS02を実行した後に、CPU105は、ROM107から図2(b)のピクト画像Pを表すピクトデータを取得する(ステップS03)。次に、CPU105は、取得されたピクトデータを表示制御装置190へ出力する(ステップS04)。
【0025】
尚、図2(b)のピクト画像Pに含まれる画像BTPに表示された再生ボタンのマークを表す画像領域MP、及び画像BTSに表示された停止ボタンのマークを表す画像領域MSの色は、ステップS01で取得された透過色データで表される透過色とここではたまたま一致しているとする。しかし、この画像領域MP及びMSは、ピクト画像Pを構成する画像領域であって、背景画像を透過させる領域ではない非透過領域である。このようにたまたま一致する場合があるのは、ピクト画像Pに使用される画素の色(以下単に、画素色という)のいずれもが透過色と一致しないことを開発者が確認することが困難だからである。また、ピクト画像Pをユーザがダウンロードなどした画像に変更する場合には、変更後のピクト画像が透過色を含むか否かをユーザが判断することは、非常に困難だからである。
【0026】
その後、CPU105は、メディアコントローラ108を介して媒体(つまり、メディア)に記録された動画像Mを表す動画データのヘッダを参照する。次に、CPU105は、参照したヘッダの内容に基づいて、以下のステップS06及びS07の処理が行われていない(つまり、未処理の)フレームが存在すると判断する(ステップS05;Yes)。次に、CPU105は、メディアから次の未処理のフレームを表すフレームデータを取得する(ステップS06)。次に、CPU105は、取得されたフレームデータを表示制御装置190へ出力する(ステップS07)。
【0027】
その後、CPU105は、ステップS05に戻り、上記処理を未処理のフレームデータが存在しなくなるまで繰り返す。次に、CPU105は、未処理のフレームデータが存在しないと判断すると(ステップS05;No)、データ転送処理の実行を終了する。
【0028】
データ転送処理の実行によってCPU105からデータを転送される表示制御装置190は、図4に示すような電源レギュレータ190a、DC−DCコンバータ190b、バックライト用インバータ(以下単に、インバータという)190c、CPLD(Complex Programmable Logic Device)190d、SRAM(Static RAM)190e、及びバスバッファ190f等で構成される。
【0029】
電源レギュレータ190aは、所定電圧で所定量の電流をCPLD190dへ出力し、DC−DCコンバータ190bは、所定電圧の直流電流をLCD101へ出力し、バックライト用インバータ190cは、LCD101が有するバックライトへ交流電流を出力する。
【0030】
CPLD190dは、LSI(Large Scale Integration)で構成され、SRAM190e及びバスバッファ190fと協働して、図5に示すようなデータ取得部191、データ変換部192、LCDコントローラメモリ(以下単に、LCDCメモリという)193、画像合成部194、及び表示制御部195として機能する。
【0031】
データ取得部191は、CPU105から転送される透過色データ、ピクトデータ、及びフレームデータを取得する。ここで、CPU105からデータ取得部191へ転送されるデータは、図4に示すような6ビットのデータバス190gを用いて転送されるものとする。このため、これらの転送されるデータとして、1画素の色を表すために、図6(a)のデータ変換部192の左側に示すような、赤(Red)、緑(Green)、及び青(Blue)の3つの6ビットデータが用いられる。
【0032】
一方で、表示制御部195からLCD101へデータを転送するために用いられるバスは、図4に示すような8ビットのデータバス190hであるものとする。このため、表示制御部195から出力されるデータとして、1画素の色を表すために、図6(a)のデータ変換部192の右側に示すような、赤、緑、及び青の3つの8ビットデータが用いられる。
【0033】
このため、図5のデータ変換部192は、図3(b)に示すような、データのビットサイズを変換するデータ変換処理を実行する。
図3(b)のデータ変換処理の実行を開始すると、データ変換部192は、データ取得部191から図3(a)のステップS02で転送された変換前の(つまり、デフォルトの)透過色データを取得する(ステップS11)。
【0034】
次に、データ変換部192は、取得された透過色データのビット数を変換する。具体的には、図6(a)の右上に示すように、転送された6ビット(つまり、変換前)の透過色データの最上位ビットから最下位ビットまでのビット値を、LCD101へ転送される8ビット(つまり、変換後)の透過色データの最上位ビットから第3位のビットへそれぞれ格納する。次に、データ変換部192は、当該画素データの第2位のビット及び第1位(つまり、最下位)のビットにビット値「1」を格納する(ステップS12)。
【0035】
尚、6ビットの透過色データは、本来、8ビットで透過色を表すデータの上位6ビットのビット列で構成される。このため、ステップS12における変換前の透過色データで表される透過色と、変換後の透過色データで表される透過色とは、256階調の内で3階調しか相違が無い。
【0036】
その後、データ変換部192は、図5に示すLCDCメモリ193のピクト領域の全域に対して、変換後の透過色データを書き込む(ステップS13)。尚、ピクト領域とは、図2(b)のピクト画像Pを表すピクトデータが書き込まれるメモリ領域である。つまり、ステップS13において、データ変換部192は、図7(a)に示すように、全域が変換後の透過色である前景画像F1を表す画像データをピクト領域へ保存する。
【0037】
その後、データ変換部192は、データ取得部191から図3(a)のステップS04で転送されたピクトデータを取得する(ステップS14)。次に、データ変換部192は、ピクトデータのビット数を変換する。具体的には、図6(a)の右下に示すように、転送された6ビット(つまり、変換前)のピクトデータを構成する画素データの最上位ビットから最下位ビットまでのビット値を、LCD101へ転送される8ビット(つまり、変換後)のピクトデータを構成する画素データの最上位ビットから第3位のビットへそれぞれ格納する。次に、データ変換部192は、当該画素データの第2位のビット及び第1位のビットにビット値「0」を格納する(ステップS15)。これは、たまたま、変換前の透過色と同じ色で表されたピクト画像の画像領域MP及びMS(つまり、図2(b)の非透過領域)と、透過色で表される透過領域とを区別する(領域の色を異なるものにする)ためである。尚、透過色データと同様に、ピクトデータを構成する6ビットの画素データは、本来、8ビットで画素色を表すデータの上位6ビットのビット値で構成される。
【0038】
次に、データ変換部192は、変換後のピクトデータをピクト領域へ部分的に上書きする(ステップS16)。つまり、ステップS16において、データ変換部192は、図2(b)のピクト画像Pに含まれる画像AT、画像BT、画像CL、画像BTP、及び画像BTSを、図7(a)の前景画像F1のそれぞれ所定の位置に上書きする。これにより、データ変換部192は、ピクト領域に保存されたデータを、図7(b)に示すような前景画像F2を表す画像データへ変換する。したがって、図12(a)と異なり、ステップS12及びS15の変換処理によって、図7(b)の前景画像F2を構成する透過領域TAの透過色と、領域MP及びMSの色とが互いに異なる色に変換されているようになる。
【0039】
図3(b)のステップS16の処理を実行した後に、データ変換部192は、例えば、CPU105から出力される制御信号に基づいて、CPU105がフレームデータの転送を行うと判断する(ステップS17;Yes)。次に、データ変換部192は、データ取得部191から図3(a)のステップS07で転送されたフレームデータを取得する(ステップS18)。
【0040】
次に、データ変換部192は、フレームデータのビット数を変換する。具体的には、図6(a)の右下に示すように、転送された6ビット(つまり、変換前)のフレームデータの最上位ビットから最下位ビットまでのビット値を、LCD101へ転送される8ビット(つまり、変換後)のフレームデータの最上位ビットから第3位のビットへそれぞれ格納する。次に、データ変換部192は、当該フレームデータの第2位のビット及び最下位ビットにビット値「0」を格納する。尚、ピクトデータと同様に、フレームデータを構成する6ビットの画素データは、本来、8ビットで画素色を表すデータの上位6ビットのビット値で構成される。
【0041】
その後、データ変換部192は、変換されたフレームデータで表されるフレームの大きさ(つまり、走査方向(横方向)の画素数及び副走査方向(縦方向)の画素数)を、ピクト領域に保存された画像データで表される前景画像F2の大きさと同じ大きさに変換した後に、変換されたフレームデータを、図5に示すLCDCメモリ193の画像領域に書き込む(ステップS19)。画像領域とは、ピクト領域に書き込まれた画像データで表される画像の背景画像を表す画像データが書き込まれるメモリ領域である。
【0042】
その後、データ変換部192は、ステップS17に戻り、上記処理をCPU105からのフレームデータの転送が終了するまで繰り返す。次に、データ変換部192は、CPU105がフレームデータを転送しないと判断すると(ステップS17;No)、データ変換処理の実行を終了する。
【0043】
データ変換処理の実行によって、前景画像F2を表す画像データと、動画像Mのフレームを表すフレームデータとが図5のLCDCメモリ193に書き込まれると、図5の画像合成部194は、書き込まれたフレームデータで表されるフレームを背景画像Bとした後に前景画像F2と背景画像Bとを合成する、図8(a)に示すような画像合成処理を実行する。尚、画像合成部194は、図8(b)に示すようなデータ選択部194aとデータ合成部194bとを有する。
【0044】
図8(a)の画像合成処理の実行を開始すると、図8(b)に示す画像合成部194のデータ選択部194aは、例えば、表示制御装置190が有するレジスタに設定された変換後の透過色データを取得し、取得した変換後の透過色データを、ピクト領域に保存された画像データで表される透過領域の色を定める透過色データとして選択する(ステップS21)。次に、画像合成部194のデータ合成部194bは、ピクト領域に保存された画像データを構成する画素データの内で、前景画像F2の画素色を表す全ての画素データについて、以下のステップS23からS26の処理の対象としたわけではないと判断する(ステップS22;No)。
【0045】
次に、データ合成部194bは、未処理の画素データから1つを選択して、選択画素データとする(ステップS23)。次に、データ合成部194bは、選択画素データで表される前景画像F2の画素(以下単に、選択画素という)の色が、選択された(つまり、変換後の)透過色データで表される透過色であるか否かを判断する(ステップS24)。
【0046】
ステップS24において、選択画素の色が変換後の透過色と一致する場合には(ステップS24;Yes)、データ合成部194bは、画像領域に保存されたフレームデータを構成する画素データの内で、前景画像F2の選択画素の位置に対応した位置にある背景画像Bの画素を表す画素データ(以下、対応画素データという)を、図5の表示制御部195へ出力する(ステップS25)。
【0047】
ステップS24において、選択画素の色が変換後の透過色と一致しない場合には(ステップS24;No)、データ合成部194bは、前景画像F2の選択画素データを表示制御部195へ出力する(ステップS26)。
【0048】
ステップS25又はS26を実行した後に、データ合成部194bは、ステップS22に戻り、上記処理を繰り返す。その後、データ合成部194bは、前景画像F2の全画素データについて、ステップS23からS26の処理の対象としたと判断する(ステップS22;Yes)と、画像合成処理の実行を終了する。
【0049】
図5の表示制御部195は、画像合成部194から出力された画素データに従って画像信号をLCD101へ出力する。これにより、表示制御部195は、図7(c)に示すような、非透過領域MP及びMSが透過していない合成画像Cを表示するようにLCD101を制御する。
【0050】
これらの構成によれば、表示制御装置190は、図7(b)の前景画像F2を構成する部分画像(つまり、非透過領域)MP及びMSの色を表すデータと異なるデータを、透過領域TAの色を定める透過色データとして選択するため、図12(c)のような、非透過領域MP及びMSに背景画像が透過してしまった合成画像C0をLCD101に表示させることを防止できる。
【0051】
またこれらの構成によれば、表示制御装置190は、図7(b)の非透過領域MP及びMSの色と同じ色を透過色として定めるデフォルトの透過色データを、非透過領域MP及びMSの色と異なる色を透過色とするデータに変換する。このため、変換前の非透過領域MP及びMSの色が変換前の透過色と一致する場合であっても、図7(c)に示すような非透過領域MP及びMSが透過していない合成画像Cを、図1(b)のLCD101に表示させることができる。
【0052】
また、これらの構成によれば、表示制御装置190は、図7(b)の前景画像F2の画素色を表す画素データと、変換後の透過色データとが一致するか否かに基づいて、当該画素データを透過させるか否かを判断するため、図8(a)の画像合成処理の対象となるデータ量、データ処理量、及び処理の実行速度の増加を防止できる。
【0053】
またさらに、これらの構成によれば、表示制御装置190は、8ビットの透過色データの第1位のビットに格納されるビット値と第2位のビットに格納されるビット値とをそれぞれ値「1」に変更し、かつ8ビットのピクトデータの第1位のビットに格納されるビット値と第2位のビットに格納されるビット値とをそれぞれ値「0」に変更するため、確実にピクト画像Pの透過を防止できる。
【0054】
また、これらの構成によれば、表示制御装置190は、変換前における透過色データのビット値を格納した位(つまり、第3位から第6位)と異なる位(つまり、第1位及び第2位)のビットに格納された、変換後の透過色データのビット値を変換する。このため、表示制御装置190は、図3(b)のデータ変換処理によって生じる透過色の変化を、256階調の内で最大3階調までに限定できる。
【0055】
尚、本実施形態において、データ変換部192は、変換後の透過色データの第1位のビット値及び第2位のビット値を値「1」とし、変換後のピクトデータを構成する画素データの第1位のビット値及び第2位のビット値を値「0」とするとして説明した。しかし、データ変換部192は、変換後の透過色データの第1位のビット値及び第2位のビット値を値「0」とし、変換後のピクトデータを構成する画素データの第1位のビット値及び第2位のビット値を値「1」としても良い。
【0056】
この構成によっても、表示制御装置190は、図3(b)のデータ変換処理によって生じるピクト画像Pを構成する画素の色変化を、256階調の内で最大3階調までに限定できる。
【0057】
また、本実施形態において、データ変換部192は、変換後の透過色データの第1位のビット値のみを「1」とし、変換後のピクトデータを構成する画素データの第1位のビット値のみを値「0」としても良い。この構成によれば、表示制御装置190は、最下位のビット値を変換するため、データ変換処理によって生じる色の変化を最も軽減できる。
また、第1位のビット値及び第2位のビット値の値をそれぞれ、「1」、「0」や「0」、「1」、などにするようにしてもよい。(要するに変換後の透過色データが変換後のピクトデータと一致しなければよい。)
【0058】
尚、表示制御装置190が搭載される携帯通信端末100は、携帯電話であるが、これに限定されるわけではない。携帯通信端末100は、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、ノートパソコン、音楽プレーヤー、電子書籍端末、及び携帯型ゲーム機であっても良い。また、携帯通信端末は、LCD101の代わりに、PDP(Plasma Display Panel)ディスプレイ又はEL(Electroluminescence)ディスプレイを備え、表示制御装置190がこれらのディスプレイの表示を制御しても良い。
【0059】
本実施形態において、データ変換部192は、図3(b)のステップS12及び15において、図6(a)に示すように、転送された8ビットデータの最上位ビットから第4位ビットまでのビット値を、表示制御装置190へ転送される6ビットデータの最上位ビットから第2位のビットへ、それぞれ値を変化させずに格納するとして説明した。しかしこれに限定される訳ではなく、データ変換部192は、例えば、転送された8ビットデータの最上位ビットから第4位ビットまでのビット列で表される数値を、所定値だけ変化させた値(つまり、所定値だけ増減させた値)を表すビット列を、表示制御装置190へ転送される6ビットデータの最上位ビットから第2位のビットへ格納しても良い。つまり、変換前の8ビットデータにおける最上位ビットから第4位ビットまでのビット列と、変換後の6ビットデータにおける最上位ビットから第2位ビットまでのビット列とは、完全に一致している必要はない。
【0060】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例について説明を行う。
変形例に係る表示制御装置190は、CPU105から8ビットのデータバスを用いてデータを取得し、6ビットのデータバスを用いてLCD101へデータを出力するものとする。
【0061】
このため、CPU105から表示制御装置190へ転送される透過色データ、ピクトデータ、及びフレームデータは、1画素の色を表すために、図6(b)のデータ変換部192の左側に示すような赤、緑、及び青の3つの8ビットデータが用いられる。一方で、表示制御装置190から出力されるデータは、1画素の色を表すために、図6(b)のデータ変換部192の右側に示すような赤、緑、及び青の3つの6ビットデータが用いられる。
【0062】
ここで、変形例におけるデータ変換部192は、図3(b)のステップS12において、図6(b)の右上に示すように、転送された8ビット(つまり、変換前)の透過色データの最上位ビットから第4位ビットまでのビット値を、表示制御装置190へ転送される6ビット(つまり、変換後)の透過色データの最上位ビットから第2位のビットへそれぞれ格納する。次に、データ変換部192は、当該画素データの最下位ビットにビット値「1」を格納する。表示制御装置190は、8ビットの透過色データで用いられる上位6ビットのデータで表される色を透過色とするためである。
【0063】
また、データ変換部192は、図3(b)のステップS15において、図6(b)の右下に示すように、転送された8ビット(つまり、変換前)のピクトデータを構成する画素データの最上位ビットから第4位ビットまでのビット値を、LCD101へ転送される6ビット(つまり、変換後)のピクトデータを構成する画素データの最上位ビットから第2位のビットへそれぞれ格納する。LCD101は、8ビットのピクトデータで用いられる上位6ビットのデータで表される色を画素に表示するためである。
【0064】
次に、データ変換部192は、当該画素データの第1位のビットにビット値「0」を格納する。これは、たまたま、変換前の透過色と同じ色で表されたピクト画像Pの画像領域MP及びMSと、透過領域とを区別する(領域の色を異なるものにする)ためである。尚、透過色データと同様に、ピクトデータを構成する6ビットの画素データは、本来、8ビットで画素色を表すデータの上位6ビットのビット値で構成される。
【0065】
これらの構成によれば、ビット数を減少させるデータ変換を行う場合であっても、図8(a)の画像合成処理におけるデータ処理量の増加を防止しながら、図12(c)のように非透過領域MP及びMSに背景画像が透過してしまうことを防止でき、図7(c)のような所望の表示をさせることができる。
【0066】
またこれらの構成によれば、最下位のビット値のみを変更するので、データ変換処理の変形例によって生じるピクト画像Pの画素色の変化を、64階調の内で最大1階調までに限定できる。
【0067】
本実施形態及び本実施形態の変形例において、表示制御装置190がCPU105から取得する透過色データ及びピクトデータなどのデータのビット数と、表示制御装置190がLCD101へ出力する変換後のデータのビット数とが相違するとして説明した。しかしこれに限定される訳ではなく、例えば、表示制御装置190がCPU105から取得する透過色データ及びピクトデータなどのデータと、表示制御装置190がLCD101へ出力する変換後のデータとが、共に8ビットデータであっても良い。つまり、例えば、透過色データの所定位のビット値と、ピクトデータの当該所定位のビット値とが相違するようにデータ変換しさえすれば、変換後の透過色データのビット数と変換後のピクトデータのビット数とが同じであっても良い。
【0068】
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明を行う。
本発明の実施形態2に係る表示制御装置290は、実施形態1と同様に、携帯通信端末200に搭載され、図9(a)に示すように、CPU290a、RAM290b、ROM290c、及びLCDコントローラ(以下単に、LCDCという)290dで構成される。CPU290aは、ピクトデータを構成する画素データのいずれとも異なるデータを、透明色データとして選択した後に、選択した透明色データをLCDC290dへ転送する、図10(a)に示すようなデータ転送処理を実行する。CPU290aは、このデータ転送処理を実行することで、図9(b)に示すようなデータ取得部291、データ選択部292、及びデータ出力部293として機能する。尚、本実施形態において、実施形態1と共通する構成についての説明を省略する。
【0069】
図10(a)に示すデータ転送処理の実行を開始すると、データ取得部291は、図9(a)のROM290cからピクトデータを取得する(ステップS31)。次に、データ選択部292は、ピクトデータを構成する画素データのいずれとも異なるデータを、透過色データとして選択する、図11に示すような透過色データ選択処理を実行する(ステップS32)。
【0070】
図11に示す透過色データ選択処理の実行が開始されると、データ選択部292は、透過色の候補を格納するリスト(以下単に、透過色リストという)に対して、予め定められた複数の色を格納することで、透過色リストを初期化する(ステップS51)。
【0071】
次に、データ選択部292は、図10(a)のステップS31で取得されたピクトデータを構成する画素データの全てについて、以下のステップS53からS55の処理の対象としたわけではないと判断する(ステップS52;No)。
【0072】
次に、データ選択部292は、未処理の画素データから1つを選択して、選択画素データとする(ステップS53)。次に、データ選択部292は、選択画素データで表される図2(b)のピクト画像Pの画素(以下単に、選択画素という)の色が、透過色リストに格納されているか否かを判断する(ステップS54)。
【0073】
ステップS54において、選択画素の色が透過色リストに格納されていると判断した場合(ステップS54;Yes)、データ選択部292は、透過色リストから選択画素の色を削除する(ステップS55)。
【0074】
ステップS54において、選択画素の色が透過色リストに格納されていないと判断した場合(ステップS54;No)、及びステップS55を実行した後に、データ選択部292は、ステップS52に戻り、上記処理を未処理の画素データが存在しなくなるまで繰り返す。
【0075】
次に、データ選択部292は、ピクトデータの全画素データについて処理を行ったと判断すると(ステップS52;Yes)、透過色リストに格納された透過色の候補の内1つを、透過領域の色を定める透過色として選択する(ステップS56)。その後、データ選択部292は、既に設定されているデフォルトの透過色データを、選択された透過色(以下、選択透過色という)を表す透過色データに変換する(ステップS57)。その後、データ選択部292は、透過色データ選択処理の実行を終了する。尚、デフォルトの透過色データが設定されていない場合には、データ選択部292は、ステップS56で選択された選択透過色を表すデータをデフォルトの透過色データに設定するだけで良く、ステップS57の処理を実行する必要はない。
【0076】
図10(a)に示すステップS32の実行が終了すると、図9(b)のデータ出力部293は、変換された透過色データをLCDC290dへ出力する(ステップS33)。次に、データ出力部293は、ステップS31で取得されたピクトデータをLCDC290dへ出力する(ステップS34)。
【0077】
次に、データ取得部291は、図3のステップS05と同様に、未処理のフレームデータが存在すると判断する(ステップS35;Yes)。次に、データ取得部291は、図9(a)のメディアコントローラ209を介してメディアから次の未処理のフレームデータを取得する(ステップS36)。次に、データ出力部293は、取得されたフレームデータをLCDC290dへ出力する(ステップS37)。
【0078】
その後、データ取得部291は、ステップS35に戻り、上記処理を未処理のフレームデータが存在しなくなるまで繰り返す。次に、データ取得部291は、未処理のフレームデータが存在しないと判断すると(ステップS35;No)、データ転送処理の実行を終了する。
【0079】
CPU290aからデータを転送されるLCDC290dは、図10(b)に示すようなデータ変換処理を実行する。
データ変換処理の実行が開始されると、LCDC290dは、図10(a)のステップS33で送信された透過色データを取得した後に(ステップS41)、透過色データのビット数を変換する(ステップS42)。尚、実施形態1で説明した図3(b)のステップS12と異なり、LCDC290dは、透過色データの第2位のビット値及び第1位のビット値を変更しない。
【0080】
次に、LCDC290dは、ピクト領域へ変換後の透過色データを書込んだ後に(ステップS43)、図10(a)のステップS34で出力された変換前のピクトデータを取得する(ステップS44)。次に、LCDC290dは、ピクトデータを構成する画素データのビット数を変換する(ステップS45)。尚、実施形態1で説明した図3(b)のステップS15と異なり、LCDC290dは、画素データの第2位のビット値及び第1位のビット値を変更しない。
【0081】
次に、LCDC290dは、変換後のピクトデータをピクト領域へ部分的に上書きする(ステップS46)。その後、LCDC290dは、図3(b)のステップS17と同様に、CPU290aがフレームデータの転送を行うと判断する(ステップS47;Yes)。
【0082】
その後、LCDC290dは、図10(a)のステップS37で送信されたフレームデータを取得した後に(ステップS48)、フレームデータを構成する画素データのビット数を変換する(ステップS49)。尚、実施形態1と異なり、LCDC290dは、画素データの第2位のビット値及び第1位のビット値を変更しない。
【0083】
次に、LCDC290dは、画像領域へ変換後のフレームデータを書込む(ステップS50)。その後、LCDC290dは、ステップS47に戻り、CPU290aによるフレームデータの転送が終了するまで上記処理を繰り返す。
【0084】
その後、LCDC290dは、CPU290aがフレームデータの転送を行わないと判断すると(ステップS47;No)、データ変換処理の実行を終了する。
【0085】
これらの構成によれば、図2(b)のピクト画像Pの画素色に使用されていない色を表すデータを、透過色データとして選択するため、非透過領域の色が透過色とが一致することを防止でき、図12(c)のような、非透過領域MP及びMSに背景画像が透過してしまった合成画像C0をLCD201に表示させることを防止できる。
【0086】
これらの構成によれば、表示制御装置290は、透過色データをピクト画像Pの画素色に使用されていない色を表すデータに変換するため、変換前の非透過領域の色が変換前の透過色と一致する場合であっても、非透過領域が透過していない画像をLCD201に表示させることができる。
【0087】
またこれらの構成によれば、表示制御装置290は、変換後の透過色データ、ピクトデータ、及びフレームデータの第1位のビット値及び第2位のビット値を変更しないため、データの変換前後における色の変化が生じない。
【0088】
尚、上記の実施形態1及び2を組み合わせても良い。本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた表示制御装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の表示制御装置を本発明に係る表示制御装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した表示制御装置190及び290などによる各機能構成を実現させるための表示制御プログラムを、既存の表示装置を制御するコンピューター(CPUなど)が実行できる様に適用することで、本発明に係る表示制御装置190及び290などとして機能させることができる。また、本発明に係る表示制御方法は、表示制御装置190及び290を用いて実施できる。
【0089】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
【0090】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
B・・・背景画像、C,C0・・・合成画像、F1,F2・・・前景画像、MP,MS・・・領域(非透過領域)、P・・・ピクト画像、TA・・・透過領域、100,200・・・携帯通信端末、190,290・・・表示制御装置、190a・・・電源レギュレータ、190b・・・DC−DCコンバータ、190c・・・バックライト用インバータ、190d・・・CPLD、190e・・・SRAM、190f・・・バスバッファ、190g,190h・・・データバス、191,291・・・データ取得部、192・・・データ変換部、193・・・LCDCメモリ、194・・・画像合成部、194a,292・・・データ選択部、194b・・・データ合成部、195・・・表示制御部、101,202・・・LCD、102,202・・・スピーカ、103,203・・・マイク、104,204・・・操作キー、105,290a・・・CPU、106,290b・・・RAM、107,290c・・・ROM、108,208・・・メディアコントローラ、109,209・・・信号処理部、110,210・・・アンテナ、290d・・・LCDC
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像処理におけるデータ処理量を削減するため、所定の色を透過色として定義し、定義された透過色の領域に対して、当該領域に対応する背景画像の領域を合成する(以下、領域を透過させるという)技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−243512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1に開示された技術では、例えば、図12(a)に示すような前景画像F0と図12(b)に示すような背景画像Bとを合成する場合に、本来、透過させる領域でない部分画像(以下、非透過領域という)MP及びMSの色がたまたま透過色と一致すると、図12(c)に示すような合成画像C0において、背景画像Bの一部が非透過領域MP及びMSを透過しまうという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、このような点に鑑み、その目的とするところは、画像処理におけるデータ処理量の増加を防止しながら、非透過領域の透過を防止できる表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る表示制御装置は、
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段で選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【0007】
第1の観点に係る表示制御装置において、
前記データ取得手段は、デフォルトの透過色データを、さらに取得し、
前記データ取得手段で取得されたデフォルトの透過色データを、前記画素データのいずれとも異なるデータに変換するデータ変換手段を、さらに備え、
前記データ選択手段は、前記データ変換手段で変換された前記デフォルトの透過色データを、前記透過領域の色を定める透過色データとして選択する、
としても良い。
【0008】
また、第1の観点に係る表示制御装置において、
前記データ変換手段は、前記データ取得手段で取得された画像データを構成する画素データの所定の位に格納されたビット値を所定値に変換すると共に、前記データ取得手段で取得されたデフォルトの透過色データの前記所定の位に格納されたビット値を前記所定値と異なる値に変換する、
としても良い。
【0009】
さらに、第1の観点に係る表示制御装置において、
前記データ変換手段は、前記データ取得手段で取得された画像データを構成する画素データのビット数を増減させ、
前記画素データの前記所定の位は、変換前における前記画素データのビット値を格納した位と異なる位である、
としても良い。
【0010】
また、第1の観点に係る表示制御装置において、
前記画素データの前記所定の位は、全位の内で中心の位よりも下位側の位である、
としても良い。
【0011】
また上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る表示制御プログラムは、
コンピュータを、
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段で選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御手段と、して機能させる、
ことを特徴とする。
【0012】
また上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係る表示制御方法は、
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択ステップと、
前記データ選択ステップで選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御ステップと、を有する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る表示制御装置、表示制御プログラム、及び表示制御方法によれば、画像処理におけるデータ処理量の増加を防止しながら、非透過領域の透過を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(a)は、本発明の実施形態1に係る表示制御装置を搭載した携帯通信端末の一例を表す図である。図1(b)は、実施形態1に係る表示制御装置を搭載した携帯通信端末のハードウェア構成の一例を表す図である。
【図2】図2(a)は、動画像の一例を表す図である。図2(b)は、ピクト画像の一例を表す図である。図2(c)は、合成画像の一例を表す図である。
【図3】図3(a)は、実施形態1において、CPUが実行するデータ転送処理の一例を表すフローチャートである。図3(b)は、実施形態1において、データ変換部が実行するデータ変換処理の一例を表すフローチャートである。
【図4】実施形態1に係る表示制御装置のハードウェア構成の一例を表す図である。
【図5】図5は、表示制御装置が有する機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図6】図6(a)は、実施形態1におけるデータ変換前後のデータ例を表す図である。図6(b)は、実施形態1の変形例におけるデータ変換前後のデータ例を表す図である。
【図7】図7(a)は、透過色の前景画像の一例を表す図である。図7(b)は、ピクト画像を上書きされた前景画像の一例を表す図である。図7(c)は、前景画像と背景画像とを合成した合成画像の一例を表す図である。
【図8】図8(a)は、画像合成部が実行する画像合成処理の一例を表すフローチャートである。図8(b)は、画像合成部の一構成例を表す図である。
【図9】図9(a)は、実施形態2に係る表示制御装置を搭載した携帯通信端末のハードウェア構成の一例を表す図である。図9(b)は、CPUがソフトウェア処理を実行することで実現される機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図10】図10(a)は、実施形態2において、CPUが実行するデータ転送処理の一例を表すフローチャートである。図10(b)は、実施形態2において、データ変換部が実行するデータ変換処理の一例を表すフローチャートである。
【図11】CPUが実行する透過色データ選択処理の一例を表すフローチャートである。
【図12】図12(a)は、従来の前景画像の一例を表す図である。図12(b)は、従来の背景画像の一例を表す図である。図12(c)は、従来の合成画像の一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の最良の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0016】
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る表示制御装置190は、図1(a)に示すような携帯通信端末100に搭載され、携帯通信端末100が有する表示部を構成するLCD(Liquid Crystal Display)101の表示を制御する。具体的には、表示制御装置190は、図2(a)に示すような電車TRが走行する様子を表す動画像Mに対して、図2(b)に示すようなピクト画像Pを重ねた、図2(c)に示すような合成画像Cを表示するようにLCD101を制御する。
【0017】
尚、ピクト画像Pとは、動画像Mの再生制御に用いられる制御画像と携帯通信端末100の状態を表す状態画像とを含む。また、制御画像は、図2(b)に示すような、再生ボタンを表す画像BTP及び停止ボタンを表す画像BTSを含み、状態画像は、携帯通信端末100が受信する電波の強度を表す画像AT、携帯通信端末100が有する電池の蓄電量を表す画像BT、及び携帯通信端末100のシステム時刻を表す画像CLを含む。
【0018】
携帯通信端末100は、図1(a)に示すように、受話音声を出力するスピーカ102、通話音声を入力するマイクロフォン(以下単に、マイクという)103、各種の操作に応じた信号を入力する操作キー104と有する。
【0019】
また、携帯通信端末100は、図1(b)に示すように、互いにバスで接続されたCPU(Central Processing Unit)105、RAM(Random Access Memory)106、ROM(Read Only Memory)107、メディアコントローラ108、信号処理部109、及びアンテナ110を備える。尚、図1(a)を参照して説明したスピーカ102、マイク103、及び操作キー104、並びにLCD101の表示を制御する表示制御装置190も同様にバスに接続している。
【0020】
CPU105について説明する前に、RAM106、ROM107、メディアコントローラ108、信号処理部109、及びアンテナ110について説明を行う。
RAM106は、CPU105がソフトウェア処理の実行に用いるデータを一時的に記憶する。ROM107は、CPU105によって実行されるプログラム及びLCD101に表示される各種の画像を表す画像データを記憶する。メディアコントローラ108は、記録媒体から各種の画像データ及びプログラムを取得する。尚、記録媒体は、フラッシュメモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、及びブルーレイディスク(Blu-ray Disc)を含む。信号処理部109は、通話音声及び受話音声の無線通信を行うために、アンテナ110で送受信される高周波信号の変調及び復調を行う。
【0021】
CPU105は、ROM107に保存されたプログラムに従ってソフトウェア処理を実行することで、携帯通信端末100の全体制御を行う。CPU105が実行するソフトウェア処理は、ピクト画像P及び動画像Mを表示制御装置190へ転送する、図3(a)に示すようなデータ転送処理を含む。
【0022】
CPU105は、図3(a)のデータ転送処理の実行を開始すると、図1(b)のROM107から予め設定された(つまり、デフォルトの)透過色を表す透過色データを取得する(ステップS01)。次に、CPU105は、取得された透過色データを表示制御装置190へ出力する(ステップS02)。
【0023】
尚、透過色とは、背景画像の上に前景画像を合成する場合において、前景画像の透過させる領域(以下単に、透過領域という)を表す予め定められた色をいう。また、領域を透過させるとは、ある領域を有する画像を前景画像とした場合に、背景画像の当該領域に対応する位置にある領域(以下単に、対応領域という)を前景画像の当該領域に合成する(当てはめる、入れ替える)ことをいう。
【0024】
ステップS02を実行した後に、CPU105は、ROM107から図2(b)のピクト画像Pを表すピクトデータを取得する(ステップS03)。次に、CPU105は、取得されたピクトデータを表示制御装置190へ出力する(ステップS04)。
【0025】
尚、図2(b)のピクト画像Pに含まれる画像BTPに表示された再生ボタンのマークを表す画像領域MP、及び画像BTSに表示された停止ボタンのマークを表す画像領域MSの色は、ステップS01で取得された透過色データで表される透過色とここではたまたま一致しているとする。しかし、この画像領域MP及びMSは、ピクト画像Pを構成する画像領域であって、背景画像を透過させる領域ではない非透過領域である。このようにたまたま一致する場合があるのは、ピクト画像Pに使用される画素の色(以下単に、画素色という)のいずれもが透過色と一致しないことを開発者が確認することが困難だからである。また、ピクト画像Pをユーザがダウンロードなどした画像に変更する場合には、変更後のピクト画像が透過色を含むか否かをユーザが判断することは、非常に困難だからである。
【0026】
その後、CPU105は、メディアコントローラ108を介して媒体(つまり、メディア)に記録された動画像Mを表す動画データのヘッダを参照する。次に、CPU105は、参照したヘッダの内容に基づいて、以下のステップS06及びS07の処理が行われていない(つまり、未処理の)フレームが存在すると判断する(ステップS05;Yes)。次に、CPU105は、メディアから次の未処理のフレームを表すフレームデータを取得する(ステップS06)。次に、CPU105は、取得されたフレームデータを表示制御装置190へ出力する(ステップS07)。
【0027】
その後、CPU105は、ステップS05に戻り、上記処理を未処理のフレームデータが存在しなくなるまで繰り返す。次に、CPU105は、未処理のフレームデータが存在しないと判断すると(ステップS05;No)、データ転送処理の実行を終了する。
【0028】
データ転送処理の実行によってCPU105からデータを転送される表示制御装置190は、図4に示すような電源レギュレータ190a、DC−DCコンバータ190b、バックライト用インバータ(以下単に、インバータという)190c、CPLD(Complex Programmable Logic Device)190d、SRAM(Static RAM)190e、及びバスバッファ190f等で構成される。
【0029】
電源レギュレータ190aは、所定電圧で所定量の電流をCPLD190dへ出力し、DC−DCコンバータ190bは、所定電圧の直流電流をLCD101へ出力し、バックライト用インバータ190cは、LCD101が有するバックライトへ交流電流を出力する。
【0030】
CPLD190dは、LSI(Large Scale Integration)で構成され、SRAM190e及びバスバッファ190fと協働して、図5に示すようなデータ取得部191、データ変換部192、LCDコントローラメモリ(以下単に、LCDCメモリという)193、画像合成部194、及び表示制御部195として機能する。
【0031】
データ取得部191は、CPU105から転送される透過色データ、ピクトデータ、及びフレームデータを取得する。ここで、CPU105からデータ取得部191へ転送されるデータは、図4に示すような6ビットのデータバス190gを用いて転送されるものとする。このため、これらの転送されるデータとして、1画素の色を表すために、図6(a)のデータ変換部192の左側に示すような、赤(Red)、緑(Green)、及び青(Blue)の3つの6ビットデータが用いられる。
【0032】
一方で、表示制御部195からLCD101へデータを転送するために用いられるバスは、図4に示すような8ビットのデータバス190hであるものとする。このため、表示制御部195から出力されるデータとして、1画素の色を表すために、図6(a)のデータ変換部192の右側に示すような、赤、緑、及び青の3つの8ビットデータが用いられる。
【0033】
このため、図5のデータ変換部192は、図3(b)に示すような、データのビットサイズを変換するデータ変換処理を実行する。
図3(b)のデータ変換処理の実行を開始すると、データ変換部192は、データ取得部191から図3(a)のステップS02で転送された変換前の(つまり、デフォルトの)透過色データを取得する(ステップS11)。
【0034】
次に、データ変換部192は、取得された透過色データのビット数を変換する。具体的には、図6(a)の右上に示すように、転送された6ビット(つまり、変換前)の透過色データの最上位ビットから最下位ビットまでのビット値を、LCD101へ転送される8ビット(つまり、変換後)の透過色データの最上位ビットから第3位のビットへそれぞれ格納する。次に、データ変換部192は、当該画素データの第2位のビット及び第1位(つまり、最下位)のビットにビット値「1」を格納する(ステップS12)。
【0035】
尚、6ビットの透過色データは、本来、8ビットで透過色を表すデータの上位6ビットのビット列で構成される。このため、ステップS12における変換前の透過色データで表される透過色と、変換後の透過色データで表される透過色とは、256階調の内で3階調しか相違が無い。
【0036】
その後、データ変換部192は、図5に示すLCDCメモリ193のピクト領域の全域に対して、変換後の透過色データを書き込む(ステップS13)。尚、ピクト領域とは、図2(b)のピクト画像Pを表すピクトデータが書き込まれるメモリ領域である。つまり、ステップS13において、データ変換部192は、図7(a)に示すように、全域が変換後の透過色である前景画像F1を表す画像データをピクト領域へ保存する。
【0037】
その後、データ変換部192は、データ取得部191から図3(a)のステップS04で転送されたピクトデータを取得する(ステップS14)。次に、データ変換部192は、ピクトデータのビット数を変換する。具体的には、図6(a)の右下に示すように、転送された6ビット(つまり、変換前)のピクトデータを構成する画素データの最上位ビットから最下位ビットまでのビット値を、LCD101へ転送される8ビット(つまり、変換後)のピクトデータを構成する画素データの最上位ビットから第3位のビットへそれぞれ格納する。次に、データ変換部192は、当該画素データの第2位のビット及び第1位のビットにビット値「0」を格納する(ステップS15)。これは、たまたま、変換前の透過色と同じ色で表されたピクト画像の画像領域MP及びMS(つまり、図2(b)の非透過領域)と、透過色で表される透過領域とを区別する(領域の色を異なるものにする)ためである。尚、透過色データと同様に、ピクトデータを構成する6ビットの画素データは、本来、8ビットで画素色を表すデータの上位6ビットのビット値で構成される。
【0038】
次に、データ変換部192は、変換後のピクトデータをピクト領域へ部分的に上書きする(ステップS16)。つまり、ステップS16において、データ変換部192は、図2(b)のピクト画像Pに含まれる画像AT、画像BT、画像CL、画像BTP、及び画像BTSを、図7(a)の前景画像F1のそれぞれ所定の位置に上書きする。これにより、データ変換部192は、ピクト領域に保存されたデータを、図7(b)に示すような前景画像F2を表す画像データへ変換する。したがって、図12(a)と異なり、ステップS12及びS15の変換処理によって、図7(b)の前景画像F2を構成する透過領域TAの透過色と、領域MP及びMSの色とが互いに異なる色に変換されているようになる。
【0039】
図3(b)のステップS16の処理を実行した後に、データ変換部192は、例えば、CPU105から出力される制御信号に基づいて、CPU105がフレームデータの転送を行うと判断する(ステップS17;Yes)。次に、データ変換部192は、データ取得部191から図3(a)のステップS07で転送されたフレームデータを取得する(ステップS18)。
【0040】
次に、データ変換部192は、フレームデータのビット数を変換する。具体的には、図6(a)の右下に示すように、転送された6ビット(つまり、変換前)のフレームデータの最上位ビットから最下位ビットまでのビット値を、LCD101へ転送される8ビット(つまり、変換後)のフレームデータの最上位ビットから第3位のビットへそれぞれ格納する。次に、データ変換部192は、当該フレームデータの第2位のビット及び最下位ビットにビット値「0」を格納する。尚、ピクトデータと同様に、フレームデータを構成する6ビットの画素データは、本来、8ビットで画素色を表すデータの上位6ビットのビット値で構成される。
【0041】
その後、データ変換部192は、変換されたフレームデータで表されるフレームの大きさ(つまり、走査方向(横方向)の画素数及び副走査方向(縦方向)の画素数)を、ピクト領域に保存された画像データで表される前景画像F2の大きさと同じ大きさに変換した後に、変換されたフレームデータを、図5に示すLCDCメモリ193の画像領域に書き込む(ステップS19)。画像領域とは、ピクト領域に書き込まれた画像データで表される画像の背景画像を表す画像データが書き込まれるメモリ領域である。
【0042】
その後、データ変換部192は、ステップS17に戻り、上記処理をCPU105からのフレームデータの転送が終了するまで繰り返す。次に、データ変換部192は、CPU105がフレームデータを転送しないと判断すると(ステップS17;No)、データ変換処理の実行を終了する。
【0043】
データ変換処理の実行によって、前景画像F2を表す画像データと、動画像Mのフレームを表すフレームデータとが図5のLCDCメモリ193に書き込まれると、図5の画像合成部194は、書き込まれたフレームデータで表されるフレームを背景画像Bとした後に前景画像F2と背景画像Bとを合成する、図8(a)に示すような画像合成処理を実行する。尚、画像合成部194は、図8(b)に示すようなデータ選択部194aとデータ合成部194bとを有する。
【0044】
図8(a)の画像合成処理の実行を開始すると、図8(b)に示す画像合成部194のデータ選択部194aは、例えば、表示制御装置190が有するレジスタに設定された変換後の透過色データを取得し、取得した変換後の透過色データを、ピクト領域に保存された画像データで表される透過領域の色を定める透過色データとして選択する(ステップS21)。次に、画像合成部194のデータ合成部194bは、ピクト領域に保存された画像データを構成する画素データの内で、前景画像F2の画素色を表す全ての画素データについて、以下のステップS23からS26の処理の対象としたわけではないと判断する(ステップS22;No)。
【0045】
次に、データ合成部194bは、未処理の画素データから1つを選択して、選択画素データとする(ステップS23)。次に、データ合成部194bは、選択画素データで表される前景画像F2の画素(以下単に、選択画素という)の色が、選択された(つまり、変換後の)透過色データで表される透過色であるか否かを判断する(ステップS24)。
【0046】
ステップS24において、選択画素の色が変換後の透過色と一致する場合には(ステップS24;Yes)、データ合成部194bは、画像領域に保存されたフレームデータを構成する画素データの内で、前景画像F2の選択画素の位置に対応した位置にある背景画像Bの画素を表す画素データ(以下、対応画素データという)を、図5の表示制御部195へ出力する(ステップS25)。
【0047】
ステップS24において、選択画素の色が変換後の透過色と一致しない場合には(ステップS24;No)、データ合成部194bは、前景画像F2の選択画素データを表示制御部195へ出力する(ステップS26)。
【0048】
ステップS25又はS26を実行した後に、データ合成部194bは、ステップS22に戻り、上記処理を繰り返す。その後、データ合成部194bは、前景画像F2の全画素データについて、ステップS23からS26の処理の対象としたと判断する(ステップS22;Yes)と、画像合成処理の実行を終了する。
【0049】
図5の表示制御部195は、画像合成部194から出力された画素データに従って画像信号をLCD101へ出力する。これにより、表示制御部195は、図7(c)に示すような、非透過領域MP及びMSが透過していない合成画像Cを表示するようにLCD101を制御する。
【0050】
これらの構成によれば、表示制御装置190は、図7(b)の前景画像F2を構成する部分画像(つまり、非透過領域)MP及びMSの色を表すデータと異なるデータを、透過領域TAの色を定める透過色データとして選択するため、図12(c)のような、非透過領域MP及びMSに背景画像が透過してしまった合成画像C0をLCD101に表示させることを防止できる。
【0051】
またこれらの構成によれば、表示制御装置190は、図7(b)の非透過領域MP及びMSの色と同じ色を透過色として定めるデフォルトの透過色データを、非透過領域MP及びMSの色と異なる色を透過色とするデータに変換する。このため、変換前の非透過領域MP及びMSの色が変換前の透過色と一致する場合であっても、図7(c)に示すような非透過領域MP及びMSが透過していない合成画像Cを、図1(b)のLCD101に表示させることができる。
【0052】
また、これらの構成によれば、表示制御装置190は、図7(b)の前景画像F2の画素色を表す画素データと、変換後の透過色データとが一致するか否かに基づいて、当該画素データを透過させるか否かを判断するため、図8(a)の画像合成処理の対象となるデータ量、データ処理量、及び処理の実行速度の増加を防止できる。
【0053】
またさらに、これらの構成によれば、表示制御装置190は、8ビットの透過色データの第1位のビットに格納されるビット値と第2位のビットに格納されるビット値とをそれぞれ値「1」に変更し、かつ8ビットのピクトデータの第1位のビットに格納されるビット値と第2位のビットに格納されるビット値とをそれぞれ値「0」に変更するため、確実にピクト画像Pの透過を防止できる。
【0054】
また、これらの構成によれば、表示制御装置190は、変換前における透過色データのビット値を格納した位(つまり、第3位から第6位)と異なる位(つまり、第1位及び第2位)のビットに格納された、変換後の透過色データのビット値を変換する。このため、表示制御装置190は、図3(b)のデータ変換処理によって生じる透過色の変化を、256階調の内で最大3階調までに限定できる。
【0055】
尚、本実施形態において、データ変換部192は、変換後の透過色データの第1位のビット値及び第2位のビット値を値「1」とし、変換後のピクトデータを構成する画素データの第1位のビット値及び第2位のビット値を値「0」とするとして説明した。しかし、データ変換部192は、変換後の透過色データの第1位のビット値及び第2位のビット値を値「0」とし、変換後のピクトデータを構成する画素データの第1位のビット値及び第2位のビット値を値「1」としても良い。
【0056】
この構成によっても、表示制御装置190は、図3(b)のデータ変換処理によって生じるピクト画像Pを構成する画素の色変化を、256階調の内で最大3階調までに限定できる。
【0057】
また、本実施形態において、データ変換部192は、変換後の透過色データの第1位のビット値のみを「1」とし、変換後のピクトデータを構成する画素データの第1位のビット値のみを値「0」としても良い。この構成によれば、表示制御装置190は、最下位のビット値を変換するため、データ変換処理によって生じる色の変化を最も軽減できる。
また、第1位のビット値及び第2位のビット値の値をそれぞれ、「1」、「0」や「0」、「1」、などにするようにしてもよい。(要するに変換後の透過色データが変換後のピクトデータと一致しなければよい。)
【0058】
尚、表示制御装置190が搭載される携帯通信端末100は、携帯電話であるが、これに限定されるわけではない。携帯通信端末100は、例えば、PHS(Personal Handy-phone System)、ノートパソコン、音楽プレーヤー、電子書籍端末、及び携帯型ゲーム機であっても良い。また、携帯通信端末は、LCD101の代わりに、PDP(Plasma Display Panel)ディスプレイ又はEL(Electroluminescence)ディスプレイを備え、表示制御装置190がこれらのディスプレイの表示を制御しても良い。
【0059】
本実施形態において、データ変換部192は、図3(b)のステップS12及び15において、図6(a)に示すように、転送された8ビットデータの最上位ビットから第4位ビットまでのビット値を、表示制御装置190へ転送される6ビットデータの最上位ビットから第2位のビットへ、それぞれ値を変化させずに格納するとして説明した。しかしこれに限定される訳ではなく、データ変換部192は、例えば、転送された8ビットデータの最上位ビットから第4位ビットまでのビット列で表される数値を、所定値だけ変化させた値(つまり、所定値だけ増減させた値)を表すビット列を、表示制御装置190へ転送される6ビットデータの最上位ビットから第2位のビットへ格納しても良い。つまり、変換前の8ビットデータにおける最上位ビットから第4位ビットまでのビット列と、変換後の6ビットデータにおける最上位ビットから第2位ビットまでのビット列とは、完全に一致している必要はない。
【0060】
(変形例)
次に、本実施形態の変形例について説明を行う。
変形例に係る表示制御装置190は、CPU105から8ビットのデータバスを用いてデータを取得し、6ビットのデータバスを用いてLCD101へデータを出力するものとする。
【0061】
このため、CPU105から表示制御装置190へ転送される透過色データ、ピクトデータ、及びフレームデータは、1画素の色を表すために、図6(b)のデータ変換部192の左側に示すような赤、緑、及び青の3つの8ビットデータが用いられる。一方で、表示制御装置190から出力されるデータは、1画素の色を表すために、図6(b)のデータ変換部192の右側に示すような赤、緑、及び青の3つの6ビットデータが用いられる。
【0062】
ここで、変形例におけるデータ変換部192は、図3(b)のステップS12において、図6(b)の右上に示すように、転送された8ビット(つまり、変換前)の透過色データの最上位ビットから第4位ビットまでのビット値を、表示制御装置190へ転送される6ビット(つまり、変換後)の透過色データの最上位ビットから第2位のビットへそれぞれ格納する。次に、データ変換部192は、当該画素データの最下位ビットにビット値「1」を格納する。表示制御装置190は、8ビットの透過色データで用いられる上位6ビットのデータで表される色を透過色とするためである。
【0063】
また、データ変換部192は、図3(b)のステップS15において、図6(b)の右下に示すように、転送された8ビット(つまり、変換前)のピクトデータを構成する画素データの最上位ビットから第4位ビットまでのビット値を、LCD101へ転送される6ビット(つまり、変換後)のピクトデータを構成する画素データの最上位ビットから第2位のビットへそれぞれ格納する。LCD101は、8ビットのピクトデータで用いられる上位6ビットのデータで表される色を画素に表示するためである。
【0064】
次に、データ変換部192は、当該画素データの第1位のビットにビット値「0」を格納する。これは、たまたま、変換前の透過色と同じ色で表されたピクト画像Pの画像領域MP及びMSと、透過領域とを区別する(領域の色を異なるものにする)ためである。尚、透過色データと同様に、ピクトデータを構成する6ビットの画素データは、本来、8ビットで画素色を表すデータの上位6ビットのビット値で構成される。
【0065】
これらの構成によれば、ビット数を減少させるデータ変換を行う場合であっても、図8(a)の画像合成処理におけるデータ処理量の増加を防止しながら、図12(c)のように非透過領域MP及びMSに背景画像が透過してしまうことを防止でき、図7(c)のような所望の表示をさせることができる。
【0066】
またこれらの構成によれば、最下位のビット値のみを変更するので、データ変換処理の変形例によって生じるピクト画像Pの画素色の変化を、64階調の内で最大1階調までに限定できる。
【0067】
本実施形態及び本実施形態の変形例において、表示制御装置190がCPU105から取得する透過色データ及びピクトデータなどのデータのビット数と、表示制御装置190がLCD101へ出力する変換後のデータのビット数とが相違するとして説明した。しかしこれに限定される訳ではなく、例えば、表示制御装置190がCPU105から取得する透過色データ及びピクトデータなどのデータと、表示制御装置190がLCD101へ出力する変換後のデータとが、共に8ビットデータであっても良い。つまり、例えば、透過色データの所定位のビット値と、ピクトデータの当該所定位のビット値とが相違するようにデータ変換しさえすれば、変換後の透過色データのビット数と変換後のピクトデータのビット数とが同じであっても良い。
【0068】
(実施形態2)
次に、実施形態2について説明を行う。
本発明の実施形態2に係る表示制御装置290は、実施形態1と同様に、携帯通信端末200に搭載され、図9(a)に示すように、CPU290a、RAM290b、ROM290c、及びLCDコントローラ(以下単に、LCDCという)290dで構成される。CPU290aは、ピクトデータを構成する画素データのいずれとも異なるデータを、透明色データとして選択した後に、選択した透明色データをLCDC290dへ転送する、図10(a)に示すようなデータ転送処理を実行する。CPU290aは、このデータ転送処理を実行することで、図9(b)に示すようなデータ取得部291、データ選択部292、及びデータ出力部293として機能する。尚、本実施形態において、実施形態1と共通する構成についての説明を省略する。
【0069】
図10(a)に示すデータ転送処理の実行を開始すると、データ取得部291は、図9(a)のROM290cからピクトデータを取得する(ステップS31)。次に、データ選択部292は、ピクトデータを構成する画素データのいずれとも異なるデータを、透過色データとして選択する、図11に示すような透過色データ選択処理を実行する(ステップS32)。
【0070】
図11に示す透過色データ選択処理の実行が開始されると、データ選択部292は、透過色の候補を格納するリスト(以下単に、透過色リストという)に対して、予め定められた複数の色を格納することで、透過色リストを初期化する(ステップS51)。
【0071】
次に、データ選択部292は、図10(a)のステップS31で取得されたピクトデータを構成する画素データの全てについて、以下のステップS53からS55の処理の対象としたわけではないと判断する(ステップS52;No)。
【0072】
次に、データ選択部292は、未処理の画素データから1つを選択して、選択画素データとする(ステップS53)。次に、データ選択部292は、選択画素データで表される図2(b)のピクト画像Pの画素(以下単に、選択画素という)の色が、透過色リストに格納されているか否かを判断する(ステップS54)。
【0073】
ステップS54において、選択画素の色が透過色リストに格納されていると判断した場合(ステップS54;Yes)、データ選択部292は、透過色リストから選択画素の色を削除する(ステップS55)。
【0074】
ステップS54において、選択画素の色が透過色リストに格納されていないと判断した場合(ステップS54;No)、及びステップS55を実行した後に、データ選択部292は、ステップS52に戻り、上記処理を未処理の画素データが存在しなくなるまで繰り返す。
【0075】
次に、データ選択部292は、ピクトデータの全画素データについて処理を行ったと判断すると(ステップS52;Yes)、透過色リストに格納された透過色の候補の内1つを、透過領域の色を定める透過色として選択する(ステップS56)。その後、データ選択部292は、既に設定されているデフォルトの透過色データを、選択された透過色(以下、選択透過色という)を表す透過色データに変換する(ステップS57)。その後、データ選択部292は、透過色データ選択処理の実行を終了する。尚、デフォルトの透過色データが設定されていない場合には、データ選択部292は、ステップS56で選択された選択透過色を表すデータをデフォルトの透過色データに設定するだけで良く、ステップS57の処理を実行する必要はない。
【0076】
図10(a)に示すステップS32の実行が終了すると、図9(b)のデータ出力部293は、変換された透過色データをLCDC290dへ出力する(ステップS33)。次に、データ出力部293は、ステップS31で取得されたピクトデータをLCDC290dへ出力する(ステップS34)。
【0077】
次に、データ取得部291は、図3のステップS05と同様に、未処理のフレームデータが存在すると判断する(ステップS35;Yes)。次に、データ取得部291は、図9(a)のメディアコントローラ209を介してメディアから次の未処理のフレームデータを取得する(ステップS36)。次に、データ出力部293は、取得されたフレームデータをLCDC290dへ出力する(ステップS37)。
【0078】
その後、データ取得部291は、ステップS35に戻り、上記処理を未処理のフレームデータが存在しなくなるまで繰り返す。次に、データ取得部291は、未処理のフレームデータが存在しないと判断すると(ステップS35;No)、データ転送処理の実行を終了する。
【0079】
CPU290aからデータを転送されるLCDC290dは、図10(b)に示すようなデータ変換処理を実行する。
データ変換処理の実行が開始されると、LCDC290dは、図10(a)のステップS33で送信された透過色データを取得した後に(ステップS41)、透過色データのビット数を変換する(ステップS42)。尚、実施形態1で説明した図3(b)のステップS12と異なり、LCDC290dは、透過色データの第2位のビット値及び第1位のビット値を変更しない。
【0080】
次に、LCDC290dは、ピクト領域へ変換後の透過色データを書込んだ後に(ステップS43)、図10(a)のステップS34で出力された変換前のピクトデータを取得する(ステップS44)。次に、LCDC290dは、ピクトデータを構成する画素データのビット数を変換する(ステップS45)。尚、実施形態1で説明した図3(b)のステップS15と異なり、LCDC290dは、画素データの第2位のビット値及び第1位のビット値を変更しない。
【0081】
次に、LCDC290dは、変換後のピクトデータをピクト領域へ部分的に上書きする(ステップS46)。その後、LCDC290dは、図3(b)のステップS17と同様に、CPU290aがフレームデータの転送を行うと判断する(ステップS47;Yes)。
【0082】
その後、LCDC290dは、図10(a)のステップS37で送信されたフレームデータを取得した後に(ステップS48)、フレームデータを構成する画素データのビット数を変換する(ステップS49)。尚、実施形態1と異なり、LCDC290dは、画素データの第2位のビット値及び第1位のビット値を変更しない。
【0083】
次に、LCDC290dは、画像領域へ変換後のフレームデータを書込む(ステップS50)。その後、LCDC290dは、ステップS47に戻り、CPU290aによるフレームデータの転送が終了するまで上記処理を繰り返す。
【0084】
その後、LCDC290dは、CPU290aがフレームデータの転送を行わないと判断すると(ステップS47;No)、データ変換処理の実行を終了する。
【0085】
これらの構成によれば、図2(b)のピクト画像Pの画素色に使用されていない色を表すデータを、透過色データとして選択するため、非透過領域の色が透過色とが一致することを防止でき、図12(c)のような、非透過領域MP及びMSに背景画像が透過してしまった合成画像C0をLCD201に表示させることを防止できる。
【0086】
これらの構成によれば、表示制御装置290は、透過色データをピクト画像Pの画素色に使用されていない色を表すデータに変換するため、変換前の非透過領域の色が変換前の透過色と一致する場合であっても、非透過領域が透過していない画像をLCD201に表示させることができる。
【0087】
またこれらの構成によれば、表示制御装置290は、変換後の透過色データ、ピクトデータ、及びフレームデータの第1位のビット値及び第2位のビット値を変更しないため、データの変換前後における色の変化が生じない。
【0088】
尚、上記の実施形態1及び2を組み合わせても良い。本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた表示制御装置として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の表示制御装置を本発明に係る表示制御装置として機能させることもできる。すなわち、上記実施形態で例示した表示制御装置190及び290などによる各機能構成を実現させるための表示制御プログラムを、既存の表示装置を制御するコンピューター(CPUなど)が実行できる様に適用することで、本発明に係る表示制御装置190及び290などとして機能させることができる。また、本発明に係る表示制御方法は、表示制御装置190及び290を用いて実施できる。
【0089】
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、メモリカード、CD−ROM、又はDVD−ROMなどの記録媒体に格納して配布できる他、インターネットなどの通信媒体を介して配布することもできる。
【0090】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0091】
B・・・背景画像、C,C0・・・合成画像、F1,F2・・・前景画像、MP,MS・・・領域(非透過領域)、P・・・ピクト画像、TA・・・透過領域、100,200・・・携帯通信端末、190,290・・・表示制御装置、190a・・・電源レギュレータ、190b・・・DC−DCコンバータ、190c・・・バックライト用インバータ、190d・・・CPLD、190e・・・SRAM、190f・・・バスバッファ、190g,190h・・・データバス、191,291・・・データ取得部、192・・・データ変換部、193・・・LCDCメモリ、194・・・画像合成部、194a,292・・・データ選択部、194b・・・データ合成部、195・・・表示制御部、101,202・・・LCD、102,202・・・スピーカ、103,203・・・マイク、104,204・・・操作キー、105,290a・・・CPU、106,290b・・・RAM、107,290c・・・ROM、108,208・・・メディアコントローラ、109,209・・・信号処理部、110,210・・・アンテナ、290d・・・LCDC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段で選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御手段と、を備える、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記データ取得手段は、デフォルトの透過色データを、さらに取得し、
前記データ取得手段で取得されたデフォルトの透過色データを、前記画素データのいずれとも異なるデータに変換するデータ変換手段を、さらに備え、
前記データ選択手段は、前記データ変換手段で変換された前記デフォルトの透過色データを、前記透過領域の色を定める透過色データとして選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記データ変換手段は、前記データ取得手段で取得された画像データを構成する画素データの所定の位に格納されたビット値を所定値に変換すると共に、前記データ取得手段で取得されたデフォルトの透過色データの前記所定の位に格納されたビット値を前記所定値と異なる値に変換する、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記データ変換手段は、前記データ取得手段で取得された画像データを構成する画素データのビット数を増減させ、
前記画素データの前記所定の位は、変換前における前記画素データのビット値を格納した位と異なる位である、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記画素データの前記所定の位は、全位の内で中心の位よりも下位側の位である、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
コンピュータを、
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段で選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御手段と、して機能させる、
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項7】
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択ステップと、
前記データ選択ステップで選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御ステップと、を有する、
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項1】
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段で選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御手段と、を備える、
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記データ取得手段は、デフォルトの透過色データを、さらに取得し、
前記データ取得手段で取得されたデフォルトの透過色データを、前記画素データのいずれとも異なるデータに変換するデータ変換手段を、さらに備え、
前記データ選択手段は、前記データ変換手段で変換された前記デフォルトの透過色データを、前記透過領域の色を定める透過色データとして選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記データ変換手段は、前記データ取得手段で取得された画像データを構成する画素データの所定の位に格納されたビット値を所定値に変換すると共に、前記データ取得手段で取得されたデフォルトの透過色データの前記所定の位に格納されたビット値を前記所定値と異なる値に変換する、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記データ変換手段は、前記データ取得手段で取得された画像データを構成する画素データのビット数を増減させ、
前記画素データの前記所定の位は、変換前における前記画素データのビット値を格納した位と異なる位である、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記画素データの前記所定の位は、全位の内で中心の位よりも下位側の位である、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
コンピュータを、
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段で取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択手段と、
前記データ選択手段で選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御手段と、して機能させる、
ことを特徴とする表示制御プログラム。
【請求項7】
前景画像の一部分である部分画像を表す画像データを取得するデータ取得ステップと、
前記データ取得ステップで取得された画像データで表される、前記部分画像の画素色を表す画素データと異なるデータを、前記前景画像が有する透過領域の色を定める透過色データとして選択するデータ選択ステップと、
前記データ選択ステップで選択された透過色データが定める透過色で表される前記前景画像の透過領域に対して、前記透過領域に対応する背景画像の対応領域を合成された合成画像を表示するように表示部を制御する表示制御ステップと、を有する、
ことを特徴とする表示制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−242700(P2011−242700A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116762(P2010−116762)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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