説明

表示制御装置及びプログラム

【課題】ヒストリ機能や単語帳機能といった各種機能で単語が登録された場合、ユーザがその登録単語を実際の文章中で適切に理解できるようにすること。
【解決手段】表示制御装置において、ユーザがいずれかの英語テキストを指定すると、指定の英語テキストと対訳の日本語テキストとが表示される。ユーザが、英語テキスト中の英単語を単語帳登録した後、いずれかの英語テキストを指定すると、単語帳に登録された英単語のと同じ英単語が、その英語テキスト中に検知されると、対訳の日本語テキストを表示する際、検知された英単語に対応する翻訳部分がその英単語に置き換えられて表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型の電子辞書装置(以下「電子辞書」という。)が有する機能としてヒストリ機能や単語帳機能が知られている。ヒストリ機能とは辞書引きした単語を辞書引きした順に登録していく機能であり、単語帳機能とは所定の登録操作に従って単語を登録する機能である。何れの機能も単語を登録・記憶する点において共通するが、ヒストリ機能では辞書引きした単語が自動的に登録されるのに対し、単語帳機能ではユーザ操作に応じて登録される点で異なる。
【0003】
なお、辞書データベース(Data Base;以下「DB」という。)を備えた装置は電子辞書に限られるものでなく、例えば、機械翻訳装置(特許文献1)等の装置がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−327225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、電子辞書を用いて単語を学習しようとする場合、上述したヒストリ機能や単語帳機能を活用するのが一般的である。しかし、単語のスペルや意味といった単語そのものに着目して、単語それ自体を覚える場合には適しているが、応用が利くように単語を覚えるのは難しかった。すなわち、その単語が使われている実際の文章に直面した場合、その単語の意味を思い出せなかったり、意味を思い出せたとしても文章全体の訳と整合を取りつつ、上手にその単語を訳せない場合等があった。単語自体の学習はできるが、いわゆる生きた学習となり難く、現実の場面で使えない場合が多かったのである。
【0006】
そこで、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実践的な単語学習の支援を行い、ヒストリ機能や単語帳機能といった各種機能で単語が登録された場合、ユーザがその登録単語を実際の文章中で適切に理解できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の表示制御装置は、第1言語のテキストとその対訳である第2言語のテキストとを複数記憶している対訳記憶手段(例えば、図22の例文DB83)と、この対訳記憶手段に記憶されている何れかの第1言語のテキストを指定する第1のテキスト指定手段(例えば、図22のCPU30;図25のステップD15)と、この第1のテキスト指定手段により指定された第1言語のテキスト及びその対訳である第2言語のテキストを前記対訳記憶手段から読み出して表示するように制御する対訳表示制御手段(例えば、図22の表示部10及びCPU30;図25のステップD20)と、この対訳表示制御手段により表示制御された第1言語のテキスト中の単語を登録する単語登録手段(例えば、図22のCPU30及び例文単語帳記憶領域85;図25のステップD25及びD30)、前記対訳記憶手段に記憶されている何れかの第1言語のテキストを指定する第2のテキスト指定手段(例えば、図22のCPU30;図26のステップD57)と、この第2のテキスト指定手段により指定された第1言語のテキスト中に前記単語登録手段に登録された登録単語と同じ単語があるか否かを検知する登録単語検知手段(例えば、図22のCPU30;図26のステップD61)と、この登録単語検知手段により登録単語と同じ単語があると検知された場合に、前記第2のテキスト指定手段により指定された第1言語のテキストの対訳である第2言語のテキスト中の前記検知された単語に対応する翻訳部分を、当該単語に置き換えて当該第2言語のテキストを表示するように制御する登録単語置換表示制御手段(例えば、図22の表示部10及びCPU30;図26のステップD65及びD67)とを備えることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示制御装置であって、前記単語登録手段は、前記対訳記憶手段に記憶されている何れかの第1言語のテキスト中の何れかの単語をユーザ指定操作に応じて登録するユーザ指定単語登録手段(例えば、図31のCPU30例文単語帳記憶領域85及び;図32のステップE27、E29及びE30)を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、第1言語のテキストと第2言語のテキストとを複数対応づけて対訳記憶手段が記憶し、ユーザにより指定された第1言語のテキスト及びその対訳である第2言語のテキストを当該対訳記憶手段から読み出して表示するとともに、その第1言語のテキスト中の単語を登録する。そして、対訳記憶手段に記憶された何れかの第1言語のテキストがユーザにより指定された際、指定された第1言語のテキスト中に登録単語と同じ単語があるか否かを検知し、同じ単語があると検知された場合に、対訳である第2言語のテキスト中の検知された単語に対応する部分を、当該単語に置き換えて表示する。従って、登録されている第1言語の単語に対応する対訳の部分は表示されないため、ユーザは、登録されている単語に対応する訳文で考えなくてはならない。しかし、対訳が表示されないのはテキスト中、登録されている単語の部分だけであり、それ以外の部分は、対訳が表示される。従ってユーザは、登録されている単語が用いられた実際の文章を使って、その登録単語を復習することができ、より実践的かつ適切な理解をすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、ユーザにより指定された第1言語のテキスト中の何れかの単語をユーザの指定操作に応じて登録する。従って、ユーザは、第1言語のテキスト中の単語を任意に指定して、登録させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)第1実施形態における表示制御装置の斜視概観図の一例を示す図。(b)第1実施形態における表示制御装置のキー配列の一例を示す図。
【図2】第1実施形態における表示制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】(a)入力単語記憶領域の状態の一例を示す図。(b)英語テキスト記憶領域の状態の一例を示す図。(c)日本語テキスト記憶領域の状態の一例を示す図。(d)置換テキスト記憶領域の状態の一例を示す図。
【図4】第1実施形態における英和辞書DBのデータ構成の一例を示す図。
【図5】第1実施形態における英語単語記憶領域のデータ構成の一例を示す図。
【図6】第1実施形態における第1辞書検索処理を説明するためのフローチャート。
【図7】第1実施形態における第1翻訳処理を説明するためのフローチャート。
【図8】第1実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図9】第1実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図10】(a)第2実施形態における表示制御装置の斜視概観図の一例を示す図。(b)第2実施形態における表示制御装置のキー配列の一例を示す図。
【図11】第2実施形態における表示制御装置の構成を示すブロック図。
【図12】第2実施形態における和英辞書DBのデータ構成の一例を示す図。
【図13】第2実施形態における日本語単語記憶領域のデータ構成の一例を示す図。
【図14】第2実施形態における第2辞書検索処理を説明するためのフローチャート。
【図15】第2実施形態における第2翻訳処理を説明するためのフローチャート。
【図16】第2実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図17】第2実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図18】(a)第3実施形態における表示制御装置の斜視概観図の一例を示す図。(b)第3実施形態における表示制御装置のキー配列の一例を示す図。
【図19】第3実施形態における第1B翻訳処理を説明するためのフローチャート。
【図20】第3実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図21】(a)第4実施形態における表示制御装置の斜視概観図の一例を示す図。(b)第4実施形態における表示制御装置のキー配列の一例を示す図。
【図22】第4実施形態における表示制御装置の構成を示すブロック図。
【図23】第4実施形態における例文DBのデータ構成の一例を示す図。
【図24】第4実施形態における英語単語記憶領域のデータ構成の一例を示す図。
【図25】第4実施形態における第1例文検索処理を説明するためのフローチャート。
【図26】第4実施形態における対訳表示処理を説明するためのフローチャート。
【図27】第4実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図28】第4実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図29】第4実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図30】第4実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図31】第5実施形態における表示制御装置の構成を示すブロック図。
【図32】第5実施形態における第2例文検索処理を説明するためのフローチャート。
【図33】第5実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【図34】第5実施形態における表示部に表示される表示画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
以下、図1〜図9を参照して、本発明を従来の機械翻訳装置と同様の機能を有する、電子辞書装置である表示制御装置1に適用した場合の第1実施形態について説明する。
【0013】
まず、表示制御装置1の構成を説明する。図1(a)は表示制御装置1の斜視概観図である。表示制御装置1は、表示部10及び入力部20を備える。表示部10は、ユーザによる入力部20の操作に応じた文字や符号等、各種データが表示される部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等の、単数または複数の素子の組合せによって構成される。
【0014】
入力部20は、ユーザが表示制御装置1を操作するための各種キー群で構成されている。図1(b)に、入力部20のキー配列を示す。入力部20は、英和キー21、翻訳キー23と、文字キー24としての“A”〜“Z”キー等と、シフトキー25と、単語帳キー27と、訳/決定キー28と、カーソルキー29としての上下左右の方向キーとを備えている。
【0015】
各キーの機能について説明する。英和キー21は辞書引きする辞書DBとして英和辞書DB73を選択する際に使用され、翻訳キー23は翻訳機能を起動する際に使用する。文字キー24は、ユーザによる文字の入力等に使用される。シフトキー25は訳/決定キー28と組み合わされて、単語を単語帳に登録するとき等に使用される。単語帳キー27は登録単語を一覧に表示させる際に使用される。訳/決定キー28は、検索を実行するとき等に使用される。カーソルキー29は、画面内の反転表示の移動等に使用される。
【0016】
図2は、表示制御装置1の機能構成を示すブロック図である。表示制御装置1は表示部10、入力部20、CPU30、RAM40、フラッシュROM70を備えて構成されている。
【0017】
CPU30は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、表示制御装置1を統括的に制御する。具体的には入力部20から入力される押下信号等に応じてフラッシュROM70に記憶された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU30は処理結果をRAM40等に保存するとともに、当該処理結果を表示するための表示信号を適宜表示部10に出力して、対応した表示内容を表示させる。
【0018】
また、CPU30は、英和キー21が押下されると、フラッシュROM70より第1辞書検索プログラム71を読み出して実行することにより、第1辞書検索処理を実行する。第1辞書検索処理の内容は、フローチャート(図6参照)を参照して詳細に後述するが、ここで簡単に説明する。第1辞書検索処理では、まず、CPU30は、ユーザにより入力された文字に適合する見出語を英和辞書DB73から読み出して、この見出語に対応する説明情報を表示させる。ここで、ユーザが登録操作を行った場合、CPU30は当該見出語を登録単語として英語単語帳記憶領域75に登録する。
【0019】
そして、CPU30は、翻訳キー23が押下されると、フラッシュROM70より第1翻訳プログラム77を読み出して実行することにより、第1翻訳処理(図7参照)を実行する。第1翻訳処理では、CPU30は文字キー24の押下操作によって入力された英語のテキストを、対訳である日本語のテキストに翻訳する。英語のテキストの解析や、英和辞書DBを用いた訳語変換処理等は従来公知の機械翻訳装置と同等の機能で実現できるため、説明は省略する。
【0020】
そして、CPU30は入力された英語のテキスト中に英語単語帳記憶領域75に登録されている登録単語の何れかと同じ単語があるか否かを判別する。同じ単語が検知された場合、CPU30は検知された単語に対応する日本語のテキスト中の部分を当該検知された単語に置き換えて表示させる。ここで、ユーザにより訳/決定キー28が押下された場合、CPU30は、日本語のテキスト中の検知された単語に対応する部分に下線を付した置き換え前の日本語テキストと、当該検知された単語に下線を付した英語テキストとを表示させる。
【0021】
入力部20は、押下されたキーの押下信号等をCPU30に出力する。表示部10は、CPU30から入力される表示信号に基づいて各種画面を表示する。
【0022】
RAM40は、CPU30が実行する各種プログラムや、これらのプログラムの実行に係るデータ等を一時的に保持するメモリ領域を備える。第1実施形態では、特に入力単語記憶領域41と、英語テキスト記憶領域43と、日本語テキスト記憶領域45と、置換テキスト記憶領域47とを備えている。
【0023】
入力単語記憶領域41には入力単語が格納される。入力単語とは、辞書引きの際に検索対象として入力される文字である。尚、入力される文字は1文字である場合に限らず、複数文字からなる文字であってもよい。
【0024】
英語テキスト記憶領域43には英語テキストが記憶される。英語テキストとは、翻訳キー23が押下された後、翻訳対象としてユーザにより入力される英語の文章のことである。
【0025】
日本語テキスト記憶領域45には日本語テキストが記憶される。日本語テキストとは、翻訳キー23が押下され、翻訳対象として英語テキストが入力された際、CPU30が当該入力された英語テキストを日本語に翻訳した文章のことである。
【0026】
置換テキスト記憶領域47には置換テキストが記憶される。置換テキストとは、日本語テキスト記憶領域45に記憶された日本語テキストのうち、英語単語帳記憶領域75に登録されている登録単語の訳部分を、当該登録単語に置き換えた文章のことである。
【0027】
図3(a)は入力単語記憶領域41に記憶された入力単語の一例を示す図である。同図(a)において、入力単語として「cheap」が記憶されている。図3(b)は、英語テキスト記憶領域43に記憶された英語テキストの一例を示す図である。同図(b)において、英語テキストとして「This is a cheap bag。」が記憶されている。図3(c)は、日本語テキスト記憶領域45に記憶された日本語テキストの一例を示す図である。同図(c)において、日本語テキストとして「これは、安価なかばんです。」が記憶されている。図3(d)は、置換テキスト記憶領域47に記憶された置換テキストの一例を示す図である。同図(d)において、置換テキストとして「これは、cheapかばんです。」が記憶されている。
【0028】
フラッシュROM70は、表示制御装置1の各種機能を実現する為のプログラムやデータを記憶するメモリである。第1実施形態において、フラッシュROM70には、CPU30に読み出されて実行されることにより第1辞書検索処理を実行するための第1辞書検索プログラム71と、英和辞書DB73と、英語単語帳記憶領域75と、第1翻訳処理を実行するための第1翻訳プログラム77とを記憶している。
【0029】
図4は、英和辞書DB73のデータ構成例を示す図である。英和辞書DB73は、見出語731と、当該見出語の意味内容を説明・解説する説明情報733とを対応づけて記憶している。例えば、図4において、見出語「cheap」と、この見出語の説明情報「 a. 安い; 安っぽい, つまらない・・・」とを対応づけて記憶している。
【0030】
図5は、英語単語帳記憶領域75のデータ構成の一例を示す図である。英語単語帳記憶領域75は最大100個の英語の単語を記憶することができ、英和辞書DB73を使用して見出語の説明情報が表示されたとき、ユーザが登録操作を行うことにより、当該見出語が登録単語として登録される。また、単語は格納順の番号である登録番号と対応づけて登録される。図5において、例えば登録番号「1」に対応付けて登録単語「big」が記憶され、登録番号「3」に対応付けて登録単語「cheap」が記憶されている。また、登録番号「4」〜「100」に対応する登録単語は記憶されていない。従って、図4においては、最も古くに登録された単語が登録番号「1」の「big」であり、最も新しく登録された単語が登録番号「3」の「cheap」であり、未だ100個の登録単語が全て記憶されていない状態にある。
【0031】
次に、英和キー21が押下された際の表示制御装置1の動作を説明する。図6は、英和キー21が押下された際、CPU30が第1辞書検索プログラム71に従って実行する処理である第1辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。また、図8は第1辞書検索処理の際に表示部10に表示される画面の一例を示した図である。第1辞書検索処理の流れを、図8の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0032】
まず、CPU30は、文字入力のための画面を表示部10に表示させる。そして、CPU30は文字キー24の押下に応じて、入力された英語の文字を入力単語として入力単語記憶領域41に記憶し、当該入力単語を文字入力欄に表示させる(ステップA1)。
【0033】
図8(a)は、ステップA1時点の表示画面例を示す図であり、ユーザが「cheap」と文字入力した際の画面例である。図8(a)において、画面11には辞書名称111として「英和辞典」が表示され、辞書名称111の下の文字入力欄113に「cheap」が入力・表示されている。
【0034】
そして、CPU30は入力単語に適合する見出語と、この見出語に対応する説明情報とを、英和辞書DB73から読み出して表示させることで、入力単語に対する日本語の訳として説明情報を表示させる(ステップA3)。
【0035】
図8(b)は、ステップA3時点の表示画面例を示す図であり、ユーザが「cheap」という英単語を入力した際の図8(a)の画面において日本語の訳が表示された画面例である。画面12には、辞書名称121として「英和辞典」が表示され、辞書名称121の下に入力単語である「cheap」に対応する日本語の訳として「a. 安い; 安っぽい, つまらない・・・」が表示されている。
【0036】
次いで、入力単語を登録する操作がなされたか否かを判定する(ステップA5)。登録操作は、例えばシフトキー25と訳/決定キー28の組合わせ操作によりなされる。登録操作がなされた場合は(ステップA5;Yes)、当該入力単語を登録単語として英語単語帳記憶領域75に登録する(ステップA7)。
【0037】
図8(c)は、ステップA7時点の表示画面例を示す図であり、「cheap」の日本語の訳が表示された図8(b)の画面において、ユーザが登録操作を行った際の画面例である。図8(c)において画面13には、辞書名称131と、辞書名称131の下に当該単語の日本語の訳とが表示され、画面中央にメッセージ133として「登録しました。」が表示される。このメッセージは、当該入力単語である「cheap」が登録単語として英語単語帳記憶領域75に登録されたことを意味する。
【0038】
続いて、翻訳キー23が押下された際の表示制御装置1の動作を説明する。図7は、翻訳キー23が押下された際、CPU30が第1翻訳プログラム77に従って実行する処理である第1翻訳処理の動作を説明するためのフローチャートである。また、図9は第1翻訳処理の際に表示部10に表示される画面の一例を示した図である。第1翻訳処理の流れを、図9の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0039】
まず、CPU30は、テキスト入力のための画面を表示部10に表示させる。そして、CPU30は文字キー24の押下に応じて、入力された英語のテキストを英語テキスト記憶領域43に記憶し、当該英語テキストを翻訳文章入力欄に表示させる(ステップA51)。
【0040】
図9(a)は、ステップA51時点の表示画面例を示す図であり、ユーザが「This is a cheap bag.」と英語テキストを入力した際の画面例である。図9(a)において画面14には、翻訳文章入力欄141に「This is a cheap bag.」が入力・表示されている。
【0041】
そして、CPU30は、英語テキスト記憶領域43を照査して、入力された英語テキスト中の各単語の意味解析を行う等して英語テキスト全文を翻訳し、翻訳した日本語テキストを日本語テキスト記憶領域45に記憶する(ステップA53)。そして、CPU30は入力された英語テキスト中に、英語単語帳記憶領域75に記憶されている登録単語と同じ単語があるか否かを判別する(ステップA55)。同じ単語が検知されない場合は(ステップA55;No)、CPU30は日本語テキスト記憶領域45に記憶された日本語テキストを翻訳結果欄に表示させる(ステップA57)。一方、同じ単語が検知された場合は(ステップA55;Yes)、CPU30は当該検知された単語に対応する日本語テキストの部分を当該検知された単語に置き換えて置換テキストを作成し、作成した置換テキストを置換テキスト記憶領域47に記憶する(ステップA59)。そして、CPU30は当該置換テキストを翻訳結果欄に表示させる(ステップA61)。
【0042】
図9(b)は、ステップA61時点の表示画面例を示す図であり、画面15には、入力された英語テキストである「This is a cheap bag.」が翻訳文章入力欄151に、翻訳結果である「これは、cheapかばんです。」が翻訳結果欄153に表示されている。英語単語帳記憶領域75には、「cheap」が登録単語として記憶されており、英語テキスト中に、この登録単語と同じ単語が検知されたため(ステップA55;Yes)、検知された単語に対応する日本語テキストの部分「安価な」が当該検知された単語「cheap」に置き換えられた置換テキストが作成されて翻訳結果欄に表示されたものである。
【0043】
そして、ステップA61の後、CPU30は訳/決定キー28が押下されたか否かを判定する(ステップA63)。押下されたならば(ステップA63;Yes)、CPU30はステップA55において検知された単語に下線を付した英語テキストを翻訳文章入力欄に表示させ、当該検知された単語に対応する部分に下線を付した置き換え前の日本語テキストを翻訳結果欄に表示させる(ステップA65)。尚、検知された単語に対応する部分に下線を付して表示することとしたが、当該部分を太字にしたり、イタリック体のフォントで表示するなど、別の方法で識別表示させてもよい。
【0044】
図9(c)は、ステップA65時点の表示画面例を示す図であり、図9(b)の英語テキスト及び置換テキストが表示された画面において、訳/決定キー28が押下された際の画面例である。翻訳文章入力欄161に英語テキストとして「cheap」に下線が付された「This is a cheap bag.」が表示され、翻訳結果欄163に「安価な」に下線が付された「これは、安価なかばんです。」が表示されている。ステップA55において検知された単語「cheap」に下線が付された英語テキストが翻訳文章入力欄に表示され、当該検知された単語「cheap」に対応する日本語テキストの部分「安価な」に下線が付された置き換え前の日本語テキストが翻訳結果欄に表示される。
【0045】
以上、第1実施形態を説明したが、表示制御装置1によれば、英和辞書DB73を用いて辞書引きした英単語を英語単語帳記憶領域75に登録することができる。そして、翻訳キー23を押下して第1翻訳プログラム77を実行し、ユーザが翻訳対象である英語のテキストを入力すると、この入力された英語テキストを翻訳した日本語テキストが作成される。ここで、入力された英語テキスト中において、英語単語帳記憶領域75に登録された登録単語のいずれかと同じ単語が検知された場合、検知された単語に対応する部分が当該検知された単語に置き換えられた日本語テキストが表示される。そして、訳/決定キー28が押下されると、検知された単語に下線が付された英語のテキストと、当該検知された単語に対応する部分に下線が付された置き換え前の日本語のテキストとが表示される。
【0046】
このように、表示制御装置1は、ユーザ操作に従って英語単語帳記憶領域75に英単語を登録し、ユーザ操作に従って入力された英文を日本語の文章に翻訳することができる。但し、英文中に登録単語と同じ英単語が含まれる場合は、翻訳文のうち、登録単語と同じ英単語に対応する訳部分を当該英単語に置き換えて表示する。従って、ユーザは、入力した英文のうち、登録単語に対応する部分を自分で日本語に翻訳する必要が生じる。しかし、当該部分以外は翻訳されているため、翻訳されている他の部分をもとに翻訳されなかった部分の意味を推測することができる。また、ユーザが訳/決定キーを押下することで、当該翻訳されなかった登録単語の部分の訳が表示されるので、ユーザは推測した意味が正しいか否かを確認できる。よって、実際の文章中での適切な理解を促す、実践的な語学学習のできる、表示制御装置が実現される。
【0047】
[第2実施形態]
以下、図10〜図17を参照して、本発明を従来の機械翻訳装置と同様の機能を有する、電子辞書装置である表示制御装置2に適用した場合の第2実施形態について説明する。
【0048】
表示制御装置2の外観構成は、第1実施形態のキー配列において、英和キー21を無くし、和英キー22を追加した構成と同じである。図10(a)及び(b)に表示制御装置2の斜視概観図及びキー配列の一例を示す。この和英キー22は辞書引きする辞書DBとして和英辞書DB74を選択する際に使用される。以下、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、本実施形態の特徴部分を中心に説明する。
【0049】
図11は、表示制御装置2の機能構成を示すブロック図であり、図2の第1実施形態の表示制御装置1のブロック図において、第1辞書検索プログラム71、英語単語帳記憶領域75及び第1翻訳プログラム77をそれぞれ第2辞書検索プログラム72、日本語単語帳記憶領域76及び第2翻訳プログラム78に置き換え、和英辞書DB74を追加した構成である。
【0050】
CPU30は、和英キー22が押下されると、フラッシュROM70より第2辞書検索プログラム72を読み出して実行することにより、第2辞書検索処理を実行する。第2辞書検索処理の内容は、フローチャート(図14参照)を参照して詳細に後述するが、ここで簡単に説明する。第2辞書検索処理では、まず、CPU30は、ユーザにより入力された文字に適合する見出語を和英辞書DB74から読み出して、この見出語に対応する説明情報を表示させる。この説明情報が表示されている状態で、ユーザが登録操作を行った場合、CPU30は当該見出語を登録単語として日本語単語帳記憶領域76に登録する。
【0051】
そして、CPU30は、翻訳キー23が押下されると、フラッシュROM70より第2翻訳プログラム78を読み出して実行することにより、第2翻訳処理(図15参照)を実行する。第2翻訳処理では、CPU30は英語のテキストを、対訳である日本語のテキストに翻訳する。そして、CPU30は翻訳された日本語のテキスト中に日本語単語帳記憶領域76に登録されている登録単語の何れかと同じ単語があるか否かを判別する。同じ単語が検知された場合、CPU30は検知された単語を、当該検知された単語に対応する英単語に置き換えた日本語テキストを表示させる。ここで、ユーザにより訳/決定キー28が押下された場合、CPU30は検知された単語に対応する英単語に下線を付した英語のテキストと、当該検知された単語に下線を付した日本語テキストとを表示させる。
【0052】
図12は、和英辞書DB74のデータ構成例を示す図である。和英辞書DB74は、見出語741と、当該見出語の意味内容を説明・解説する説明情報743とを対応づけて記憶している。例えば、図12において、見出語「あかい」と、この見出語の説明情報「red; crimson. 〜羽根募金運動 a community chest campaign.・・・」とを対応づけて記憶している。
【0053】
図13は、日本語単語帳記憶領域76のデータ構成の一例を示す図である。日本語単語帳記憶領域76は最大100個の日本語の単語を記憶することができ、和英辞書DB74を使用して見出語の説明情報が表示されたとき、ユーザが登録操作を行うことにより、当該見出語が登録単語として登録される。また、単語は格納順の番号である登録番号と対応づけて登録される。図13において、例えば登録番号「1」に対応付けて登録単語「しろい」が記憶され、登録番号「3」に対応付けて登録単語「かばん」が記憶されている。また、登録番号「4」〜「100」に対応する登録単語は記憶されていない。従って、図13においては、最も古くに登録された単語が登録番号「1」の「しろい」であり、最も新しく登録された単語が登録番号「3」の「かばん」であり、未だ100個の登録単語が全て記憶されていない状態にある。
【0054】
次に、表示制御装置2の動作を説明する。図14は、和英キー22が押下された際、CPU30が第2辞書検索プログラム72に従って実行する処理である第2辞書検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。また、図16は第2辞書検索処理の際に表示部10に表示される画面の一例を示した図である。第2辞書検索処理は、図6の第1辞書検索処理において、ステップA1、A3及びA7をそれぞれステップB1、B3及びB7に置き換えた処理である。第2辞書検索処理の流れを、図16の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0055】
ステップB1において、CPU30は、文字入力のための画面を表示部10に表示させる。そして、CPU30は文字キー24の押下に応じて、入力された日本語の文字を入力単語として入力単語記憶領域41に記憶し、当該入力単語を文字入力欄に表示させる。
【0056】
図16(a)は、ステップB1時点の表示画面例を示す図であり、ユーザが「かばん」と文字入力した際の画面例である。図16(a)において画面17には、辞書名称171として「和英辞典」が表示され、辞書名称171の下の文字入力欄173に「かばん」が入力・表示されている。
【0057】
ステップB3において、CPU30は入力単語に適合する見出語と、この見出語に対応する説明情報とを、和英辞書DB74から読み出して表示させることで、入力単語に対する英語の訳である説明情報を表示させる。
【0058】
図16(b)は、ステップB3時点の表示画面例を示す図であり、ユーザが「かばん」という日本語を入力した後の、「かばん」に対応する英語の訳が表示された画面例である。図16(b)において、画面18には、辞書名称181として「和英辞典」が表示され、辞書名称181の下に入力単語である「かばん」に対応する英語の訳として「a.かばん[鞄]a bag; 《書類入れ》a briefcase; a portfolio; an attache case; 《旅行鞄》a・・・」が表示されている。
【0059】
ステップB3の後にユーザにより登録操作がなされた場合は(ステップA5;Yes)、ステップB7において、CPU30は、当該入力単語を登録単語とし日本語単語帳記憶領域76に登録する。
【0060】
図16(c)は、ステップB7時点の表示画面例を示す図であり、「かばん」の英語の訳が表示された図16(b)の画面において、ユーザが登録操作を行った際の画面例である。図16(c)において、画面19には辞書名称191と、辞書名称191の下に当該単語の日本語の訳とが表示され、画面中央にメッセージ193として「登録しました。」が表示される。このメッセージは、当該入力単語である「かばん」が登録単語として日本語単語帳記憶領域76に登録されたことを意味する。
【0061】
続いて、翻訳キー23が押下された際の表示制御装置2の動作を説明する。図15は、翻訳キー23が押下された際、CPU30が第2翻訳プログラム78に従って実行する処理である第2翻訳処理の動作を説明するためのフローチャートである。また、図17は第2翻訳処理の際に表示部10に表示される画面の一例を示した図である。第2翻訳処理は、図7の第1翻訳処理において、ステップA55、A59及びA65をそれぞれステップB55、B59及びB65に置き換えた処理である。第2翻訳処理の流れを、図17の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0062】
CPU30は、入力された英語テキストを全文翻訳して日本語テキストを作成した後(ステップA53)、ステップB55において当該翻訳した日本語テキスト中に日本語単語帳記憶領域76に記憶されている登録単語の何れかと同じ単語があるか否かを判別する。同じ単語が検知されない場合は(ステップB55;No)、CPU30は日本語テキスト記憶領域45に記憶された日本語テキストを翻訳結果欄に表示させる(ステップA57)。一方、同じ単語が検知された場合は(ステップB55;Yes)、CPU30は日本語テキスト中の当該検知された単語の部分を、当該検知された単語に対応する英単語に置き換えることで置換テキストを作成し、作成した置換テキストを置換テキスト記憶領域47に記憶する(ステップB59)。そして、CPU30は当該置換テキストを翻訳結果欄に表示させる(ステップA61)。
【0063】
図17(a)は、ステップA61時点の表示画面例を示す図であり、画面90には、入力された英語テキスト「This is a cheap bag.」が翻訳文章入力欄901に、翻訳結果欄である「これは、安価なbagです。」が翻訳結果欄903に表示されている。日本語単語帳記憶領域76には、「かばん」が登録単語として記憶されているため、日本語テキスト中において、この登録単語と同じ単語が検知され(ステップB55;Yes)、検知された単語「かばん」が、英語テキスト中の当該検知された単語に対応する英単語「bag」に置き換えられて作成された置換テキストが、翻訳結果欄に表示されたものである。
【0064】
そして、CPU30は、訳/決定キー28が押下されたか否かを判定する(ステップA63)。押下されたならば(ステップA63;Yes)、CPU30はステップB55において検知された単語に対応する英単語に下線を付した英語テキストを翻訳文章入力欄に表示させ、当該検知された単語に下線を付した置き換え前の日本語テキストを翻訳結果欄に表示させる(ステップB65)。
【0065】
図17(b)は、ステップB65時点の表示画面例を示す図であり、英語テキスト及び置換テキストが表示された図17(a)の画面において、訳/決定キー28が押下された際の画面例である。翻訳文章入力欄911に英語テキストとして「cheap」に下線が付された「This is a cheap bag.」が表示され、翻訳結果欄913に「かばん」に下線が付された「これは、安価なかばんです。」が表示されている。ステップB55において検知された単語「かばん」に対応する英単語「bag」に下線が付された英語テキストが翻訳文章入力欄に表示され、当該検知された単語「かばん」に下線が付された置き換え前の日本語テキストが翻訳結果欄に表示される。
【0066】
以上、第2実施形態を説明したが、表示制御装置2によれば、和英辞書DB74を用いて辞書引きした日本語の単語を日本語単語帳記憶領域76に登録することができる。そして、翻訳キー23を押下して第2翻訳プログラム78を実行し、ユーザが翻訳対象である英語のテキストを入力すると、この入力された英語テキストを翻訳した日本語テキストが作成される。ここで、翻訳された日本語のテキスト中において、日本語単語帳記憶領域76に登録された登録単語のいずれかと同じ単語が検知された場合、日本語のテキストのうち、当該検知された単語が、当該検知された単語に対応する英語のテキスト中の英単語に置き換えられて表示される。そして、訳/決定キー28が押下されると、検知された単語に対応する英単語に下線が付された英語のテキストと、検知された単語に下線が付された置き換え前の日本語のテキストとが表示される。
【0067】
このように、表示制御装置2は、ユーザ操作に従って和英辞書DB74から辞書引きした日本語の単語を単語帳に登録することができる。また、ユーザ操作によって入力される英文を日本語に翻訳することができる。但し、翻訳文中に登録単語と同じ単語が含まれる場合は、当該単語に対応する英文中の英単語に置き換えて表示する。従って、ユーザは、入力した英文のうち、登録単語に対応する部分を自分で日本語に翻訳する必要が生じる。しかし、当該部分以外は翻訳されているため、翻訳されている他の部分をもとに翻訳されなかった部分の意味を推測することができる。また、ユーザが訳/決定キーを押下することで、当該翻訳されなかった登録単語の部分の訳が表示されるので、ユーザは推測した意味が正しいか否かを確認できる。よって、実際の文章中での適切な理解を促す、実践的な語学学習のできる、表示制御装置が実現される。
【0068】
[第3実施形態]
以下、図18〜図20を参照して、本発明を従来の機械翻訳装置と同様の機能を有する、電子辞書装置である表示制御装置3に適用した場合の第3実施形態について説明する。
表示制御装置3の外観構成は第1実施形態の表示制御装置1と同様である。第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、本実施形態の特徴部分を中心に説明する。
【0069】
図18は、表示制御装置3の機能構成を示すブロック図である。表示制御装置3のブロック図の構成は、図2の第1実施形態の表示制御装置1のブロック図において、第1翻訳プログラム77を第3翻訳プログラム79に置き換えた構成である。
【0070】
CPU30は、翻訳キー23が押下されると、フラッシュROM70より第3翻訳プログラム79を読み出して実行することにより、第3翻訳処理を実行する。第3翻訳処理の内容は、フローチャート(図19参照)を参照して詳細に後述するが、ここで簡単に説明する。第3翻訳処理では、CPU30はユーザが入力した英語のテキストを、対訳である日本語のテキストに翻訳する。その際、CPU30は入力された英語のテキスト中に英語単語帳記憶領域75に登録されている登録単語の何れかと同じ単語があるか否かを判別する。同じ単語が検知された場合、CPU30は当該検知された単語のみを、日本語テキスト中の当該検知された単語に対応する部分に置き換えた英語テキストを翻訳結果として表示させる。即ち、翻訳結果は英語のテキストのうち、その検知された単語部分のみが日本語となったテキストとして表示される。
【0071】
次に、表示制御装置3の動作を説明する。図19は、翻訳キー23が押下された際、CPU30が第3翻訳プログラム79に従って実行する処理である第3翻訳処理の動作を説明するためのフローチャートである。また、図20は第3翻訳処理の際に表示部10に表示される画面の一例を示した図である。第3翻訳処理は、図7の第1翻訳処理において、ステップA59をステップC59に置き換え、ステップA63及びA65のステップを無くした処理である。第3翻訳処理の流れを、図20の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0072】
第3翻訳処理において、入力された英語テキスト中に、英語単語帳記憶領域75に記憶されている登録単語の何れかと同じ単語が検知された場合は(ステップA55;Yes)、CPU30は検知された単語を、日本語テキスト中の当該検知された単語に対応する部分に置き換えて、置換テキストを作成し、作成した置換テキストを置換テキスト記憶領域47に記憶する(ステップC59)。そして、CPU30は当該置換テキストを翻訳結果欄に表示させる(ステップA61)。
【0073】
図20は、ステップA61時点の表示画面例を示す図であり、画面92において、入力された英語テキスト「This is a cheap bag.」が翻訳文章入力欄921に、翻訳結果である「This is a 安価な bag.」が翻訳結果欄923に表示されている。英語単語帳記憶領域75に「cheap」が登録単語として記憶されており、英語テキスト中に、この登録単語と同じ単語が検知されたため(ステップA55;Yes)、英語テキストにおいて、検知された単語「cheap」のみが、日本語テキスト中の当該単語に対応する部分「安価な」に置き換えられた置換テキストが作成されて、翻訳結果欄に表示されたものである。
【0074】
以上、第3実施形態を説明したが、表示制御装置3によれば、翻訳キー23を押下して第3翻訳プログラム79を実行し、ユーザが翻訳対象である英語のテキストを入力すると、この入力された英語テキストを翻訳した日本語テキストが作成される。ここで、入力された英語のテキスト中において、英語単語帳記憶領域75に登録された登録単語のいずれかと同じ単語が検知された場合、当該検知された単語のみが、日本語のテキスト中の当該検知された単語に対応する部分に置き換えられた英語のテキストが翻訳結果として表示される。
【0075】
このように、表示制御装置3は、ユーザ操作に従って英和辞書DB73から辞書引きした英単語を単語帳に登録することができる。また、ユーザ操作によって入力される英文を日本語の文章に翻訳することができる。但し、入力された英文中に登録単語と同じ英単語が含まれる場合は、当該英単語のみを日本語に翻訳して表示する。従って、ユーザは、入力した英語の文章中に以前学習した英単語である登録単語が含まれるとき、当該単語の訳を再度復習することができる。更に、登録単語が多義語である場合は、入力した英文によって当該単語の訳が変化し、ユーザは多様な英文を入力することで、各英文に適合する登録単語の複数の訳を学習できる。よって、登録単語の実際の文章中での適切な理解を促す、実践的な語学学習のできる表示制御装置が実現できる。
【0076】
[第4実施形態]
以下、図21〜図30を参照して、本発明を電子辞書装置である表示制御装置4に適用した場合の第4実施形態について説明する。
【0077】
まず、表示制御装置4の構成を説明する。表示制御装置4の外観構成は第1実施形態の表示制御装置1のキー配列において、翻訳キー23を無くし、設定キー26を追加した構成である。図21(a)及び(b)に表示制御装置4の斜視概観図及びキー配列の一例を示す。設定キー26は、シフトキー25と組合わせて操作されることで、単語帳のモードの切替設定をするために使用される。以下、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、本実施形態の特徴部分を中心に説明する。
【0078】
図22は、表示制御装置4の機能構成を示すブロック図である。表示制御装置4は図2の表示制御装置1のブロック図において、英語テキスト記憶領域43及び日本語テキスト記憶領域45をそれぞれ第1選択例文記憶領域51及び第2選択例文記憶領域53に置き換え、第1辞書検索プログラム71、英語単語帳記憶領域75及び第1翻訳プログラム77を、それぞれ第1例文検索プログラム81、例文DB83、例文単語帳記憶領域85及び対訳表示プログラム87に置き換えた構成である。
【0079】
CPU30は、英和キー21が押下されると、フラッシュROM70より第1例文検索プログラム81を読み出して実行することにより、第1例文検索処理を実行する。第1例文検索処理の内容は、フローチャート(図25参照)を参照して詳細に後述するが、ここで簡単に説明する。第1例文検索処理では、CPU30は、入力された単語を含む例文を例文DB83から読み出して、一覧に表示させる。この一覧表示の中からユーザが一の例文を選択すると、CPU30は選択された例文全文とその対訳とを例文DB83から読み出して表示させる。この対訳が表示されている状態でユーザが登録操作を行った場合、CPU30は当該例文に予め対応づけられている見出語を登録単語として当該例文とともに例文単語帳記憶領域85に登録する。
【0080】
また、CPU30は、単語帳キー27が押下されると、フラッシュROM70より対訳表示プログラム87を読み出して実行することにより、対訳表示処理を実行する。対訳表示処理の内容は、フローチャート(図26参照)を参照して詳細に後述するが、ここで簡単に説明する。対訳表示処理では、まずCPU30は、例文単語帳記憶領域85に登録されている例文を読み出して、一覧に表示させる。この一覧表示の中からユーザが一の例文を選択すると、CPU30は選択された例文全文及び対訳を例文DB83から読み出して表示させる。
【0081】
そして、CPU30は選択された例文中に例文単語帳記憶領域85に登録されている登録単語のいずれかと同じ単語があるか否かを判別する。同じ単語が検知された場合、CPU30は対訳中の検知された単語に対応する部分を、当該検知された単語に置き換えて表示させる。ここで、ユーザにより訳/決定キー28が押下された場合、CPU30は検知された単語に下線を付した例文と、当該検知された単語に対応する部分に下線を付した置き換え前の対訳とを表示させる。
【0082】
第1選択例文記憶領域51には、第1例文検索処理において一覧表示された例文の中からユーザが選択した例文が記憶される。第2選択例文記憶領域53には、対訳表示処理において一覧表示された例文の中からユーザが選択した例文が記憶される。
【0083】
図23は、例文DB83のデータ構成例を示す図である。例文DB83は、複数の見出語831を記憶している。そして、各見出語に複数の例文番号833が対応づけられており、更に各例文番号833には、例文835、対訳837及び検索キーワード839が対応付けられている。例えば、見出語「seek」には、例文番号「610」、「611」等の複数の例文番号が対応づけられている。そして、例文番号「610」には、例文「A magnet always seeks the north」と、対訳「磁石は常に北を示す。」と、検索キーワード「magnet、 always、 seek、 north」とが対応づけられている。
【0084】
見出語831は、英和辞書DB73の見出語と対応づけられており、英和辞書DB73で辞書引きされた見出語に対応する例文を読み出す際に利用される。また、例文番号833は、各例文835に一意に割り当てられている番号のことである。例文835は、対応する見出語835を使用した英語の例文である。対訳837は、英語の例文835に対応する日本語の訳文である。検索キーワード839は、第1例文検索処理において、当該例文の検索単語となる単語のことである。例えば、例文番号「610」の例文「A magnet always seeks the north」の検索キーワード839として「magnet、always、seek、north」の4語が記憶されている。
【0085】
図24は、例文単語帳記憶領域85のデータ構成の一例を示す図である。例文単語帳記憶領域85は最大100個の英語の例文を記憶することができ、ユーザが指定した例文の見出語を登録単語853として当該例文の例文番号855とともに登録番号851順に登録される。同図においては、例えば登録番号「1」に対応付けて登録単語「look」と例文番号「310」とが登録され、登録番号「3」に対応付けて登録単語「reckon」と例文番号「501」とが登録されている。また、登録番号「4」〜「100」に対応する登録単語及び例文番号は登録されていない。従って、最も古くに登録された例文が例文番号「310」の例文であり、最も新しく登録された例文が例文番号「501」の例文であり、未だ100個の単語及び例文が全て登録されていない状態にある。
【0086】
次に、表示制御装置4の動作を説明する。図25は、英和キー21が押下された際、CPU30が第1例文検索プログラム81に従って実行する処理である第1例文検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。また、図27及び図28は第1例文検索処理の際に表示部10に表示される画面の一例を示した図である。第1例文検索処理の流れを、図29及び図30の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0087】
まず、CPU30は、文字入力のための画面を表示部10に表示させる。CPU30は文字キー24の押下に応じて、入力された英語の文字を入力単語として入力単語記憶領域41に記憶し、当該入力単語を文字入力欄に表示させる(ステップD1)。
【0088】
図27(a)は、ステップD1時点の表示画面例を示す図であり、ユーザが「reckon」と文字入力した際の画面である。図27(a)において、画面93には辞書名称931として「英和辞典」が表示され、辞書名称931の下の文字入力欄933に「reckon」が入力・表示されている。
【0089】
そして、CPU30は入力単語が検索キーワード839の何れかと同じである例文を、例文DB83から読み出して、例文番号833の順に一覧に表示させ、先頭の例文を反転表示させる。そして、CPU30は反転表示された例文に対応する見出語及び対訳を例文DB83から読み出し、当該例文ともに説明情報表示欄に表示させる。また、CPU30は反転表示をユーザのカーソルキー29の押下操作に応じて移動させる(ステップD10)。
【0090】
図27(b)はステップD10時点の表示画面例を示す図である。図27(b)において、画面94には、辞書名称941として「英和辞典」と、画面中央に「reckon (up) the expenses.」等の例文の一覧表示943と、画面下部に説明情報表示欄945とが表示され、一覧表示943中の3行目の例文「She is reckoned (to be、 as 、 as being)・・・」が反転表示947され、説明情報表示欄945には見出語「reckon」と、例文「She is reckoned (to be、 as 、 as being)・・・」と、当該例文に対応する対訳「彼女は日本のバイオリン奏者の第一人者・・・」とが表示されている。この一覧表示943は、CPU30が入力された文字「reckon」と検索キーワード839の何れかと同じである例文を例文DB83から読み出し、例文番号833の順に一覧に表示させたものである。また、反転表示947は当初先頭の例文に表示されていたものが、ユーザのカーソルキー29の押下操作により3行目に移動されたものである。
【0091】
ステップD10において、ユーザのカーソルキー29の押下操作等による反転表示947の移動と、訳/決定キー28の押下操作とによって、CPU30は当該反転表示された例文を選択し(ステップD15)、選択例文として第1選択例文記憶領域51に記憶する。そして、CPU30は選択例文に対応する見出語及び対訳を例文DB83から読み出して選択例文とともに表示させる(ステップD20)。
【0092】
図28(a)は、ステップD20時点の表示画面例を示す図であり、例文が一覧表示され、3行目が反転表示175された図27(b)の画面において訳/決定キーが押下された際の画面例である。図28(a)において、画面95には辞書名称951として「英和辞典」と、辞書名称951の下に見出語「reckon」と、選択された例文「She is reckoned (to be、 as 、 as being)・・・」と、当該例文の対訳「彼女は日本のバイオリン奏者の第一人者・・・」とが表示されている。訳/決定キー28の押下によって、選択された例文「She is reckoned (to be、 as 、 as being)・・・」が第1選択例文記憶領域51に記憶される。
【0093】
次いで、CPU30は単語の登録操作がなされたか否かを判定する(ステップD25)。登録操作がなされた場合は(ステップD25;Yes)、CPU30は選択された例文に対応する見出語を登録単語として、当該例文に対応する例文番号とともに例文単語帳記憶領域85に登録し(ステップD30)、登録した旨のメッセージを表示させる。
【0094】
図28(b)は、ステップD30時点の表示画面例を示す図であり、選択された例文と当該例文に対応する日本語の対訳とが表示された図28(a)の画面において、ユーザが登録操作を行った際の画面例である。図28(b)において、画面96には、辞書名称961である「英和辞典」と、見出語である「reckon」と、選択された例文と、当該例文の日本語の対訳とが表示され、画面中央にメッセージウィンドウ963として「登録しました。」が表示される。このメッセージは、選択された例文に対応する見出語である「reckon」が登録単語として、当該例文に対応する例文番号「501」とともに例文単語帳記憶領域85に登録されたことを意味するものである。
【0095】
続いて、単語帳キー27が押下された際の表示制御装置4の動作を説明する。図26は、単語帳キー27が押下された際、CPU30が対訳表示プログラム87に従って実行する対訳表示処理の動作を説明するためのフローチャートである。また、図29は対訳表示処理の際に表示部10に表示される画面の一例を示した図である。対訳表示処理の流れを、図29の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0096】
まず、CPU30は、現在の単語帳設定モードが復習モードであるか否かを判別する(ステップD51)。ここで、復習モードとは、選択された例文中に例文単語帳記憶領域85に登録された登録単語の何れかと同じ単語がある場合に、当該単語を復習させるための以下の処理を行うモードのことである。復習モードで無い場合(ステップD51;No)、CPU30は他の処理へ移行する(ステップD53)。一方、復習モードである場合(ステップD51;Yes)、CPU30は例文単語帳記憶領域85に登録されている例文番号に対応する全ての例文を例文DB83から読み出し、登録番号の逆に、すなわち降順に一覧表示させる。そして、CPU30は読み出した例文において、各例文に対応する登録単語に前方一致する単語を隠し文字である「〜」に置き換え、先頭の例文を反転表示させる(ステップD55)。
【0097】
図29(a)は、ステップD55時点の表示画面例を示す図である。図29(a)において、画面97には画面の名称971として「単語帳」が表示され、この画面名称971の下に例文単語帳記憶領域85中に記憶されている3つの例文が読み出されて一覧に表示され、先頭の例文「She is 〜(to be、 as 、 as being)・・・」が反転表示973されている。そして、各例文中において、当該例文に対応する登録単語と前方一致する単語が隠し文字「〜」に置き換えられている。例えば、反転表示されている例文「She is 〜(to be、 as 、 as being)・・・」では登録単語である「reckon」に前方一致する単語である「reckoned」が隠し文字「〜」に置き換えられている。
【0098】
ステップD55において、ユーザのカーソルキー29の押下操作等による反転表示973の移動と訳/決定キー28の押下操作によって、CPU30は反転表示されている例文を選択された例文として第2選択例文記憶領域53に記憶する(ステップD57)。そして、CPU30は当該選択された例文に対応する見出語と日本語の対訳とを例文DB83より読み出す(ステップD59)。このとき、例文単語帳記憶領域85に登録されている登録単語の何れかと同じ単語が、当該選択された例文中にあるか否かを判別する(ステップD61)。同じ単語が無い場合は、CPU30は読み出した例文と、この例文に対応する見出語及び日本語の対訳とを表示させる(ステップD63)。一方、同じ単語がある場合、CPU30は日本語の対訳において当該検知された単語に対応する部分を、当該検知された単語に置き換えて置換テキストを作成し(ステップD65)、この置換テキストを置換テキスト記憶領域47に記憶する。そして、CPU30は当該置換テキストを画面に表示させる。そして、CPU30は選択された例文において、当該検知された単語と前方一致する単語を隠し文字「〜」に置き換えて表示させる(ステップD67)。
【0099】
図29(b)は、ステップD67時点の表示画面例を示す図であり、例文単語帳記憶領域85に登録されている例文が一覧表示され、先頭の例文が反転表示された図29(a)の画面において、訳/決定キーが押下された画面例である。図29(b)において、画面98には辞書名称981として「英和辞典」が表示され、この辞書名称981の下に見出語「reckon」と、例文「She is 〜(to be、 as 、 as being)・・・」と、この例文に対応する日本語の訳「彼女は日本のバイオリン奏者の第一人者とreckonされている。」とが表示されている。このとき、例文単語帳記憶領域85には、登録単語「reckon」が登録されている。そのため、選択された例文において、登録単語と同じ単語である「reckon」が検知されて、当該単語と前方一致する単語「reckoned」が隠し文字「〜」に置き換えられて表示されている。また、日本語の対訳において、検知された単語「reckon」に対応する部分「目(もく)」が当該検知された単語に置き換えられて表示されている。
【0100】
そして、ステップD67の後、CPU30は訳/決定キー28が押下されたか否かを判定する(ステップD69)。押下された場合(ステップD69;Yes)、CPU30は検知された単語に対応する部分に下線を付した置き換え前の日本語の対訳を表示させる(ステップD71)。
【0101】
図29(c)は、ステップD71時点の表示画面例を示す図であり、例文及び置換テキストが表示された図29(b)の画面において、訳/決定キー28が押下された際の画面例である。図31(c)において、画面99には、辞書名称991の下に見出語「reckon」と、例文「She is 〜(to be、 as 、 as being)the・・・」と、この例文に対応する日本語の訳として「目(もく)」に下線が付された「彼女は日本のバイオリン奏者の第一人者と目(もく)されている。」とが表示されている。
【0102】
次に、単語帳設定モードを復習モードに設定する方法について、図30を参照しながら説明する。復習モードを設定するには、ユーザがシフトキー25と設定キー26との組合わせ操作を行う。すると「単語帳」のラジオボタンを備えた設定ウィンドウが表示される。この設定ウィンドウにおいて、ユーザがカーソルキー29の押下操作により「単語帳」のラジオボタンを選択状態にして、訳/決定キー28を押下する。そして、「復習」のラジオボタンを含む単語帳設定ウィンドウが表示される。この単語帳設定ウィンドウにおいて、ユーザがカーソルキー29の押下操作により、「復習」のラジオボタンを選択状態にし、訳/決定キー28を押下すると、復習モードに設定される。
【0103】
図30(a)は、例文及び当該例文に対応する日本語の対訳を表示している画面において、ユーザによりシフトキー25と設定キー26との組合わせ操作がなされた際の画面例である。図30(a)において、画面100には辞書名称1001として「英和辞典」が表示され、中央部に設定ウィンドウ1003が表示され、この設定ウィンドウ1003には、「キー入力音」、「単語帳」等のラジオボタンが備えられている。このラジオボタンの選択状態はユーザがカーソルキー29を1回押下すると、当該方向にボタン1つ分移動する。そして、図30(a)においては、ユーザのカーソルキー29の押下操作により、「単語帳」のラジオボタン1005が選択状態にされている。
【0104】
図30(b)は、設定ウィンドウ中の「単語帳」のラジオボタン1015が選択状態にされた図30(a)の画面において、訳/決定キー28が押下された際に表示される画面例である。図30(b)において、画面101には辞書名称1011として「英和辞典」が表示され、中央部に単語帳設定ウィンドウ1013が表示され、この設定ウィンドウ中には、「通常」及び「復習」のラジオボタンが備えられている。そして、ユーザのカーソルキー29の押下操作により、「復習」のラジオボタン1015が選択状態にされている。ここで、訳/決定キー28が押下されると、「復習」モードが設定される。
【0105】
以上、第4実施形態を説明したが、表示制御装置4によれば、英和キー21が押下されると第1例文検索プログラム81が実行され、例文DB83中から選択された例文の対訳が表示されたときに、ユーザが登録操作を行うことで、当該例文に対応する見出語が登録単語として当該例文とともに、例文単語帳記憶領域85に登録される。そして、単語帳キー27が押下されると対訳表示プログラム87が実行され、例文単語帳記憶領域85に登録された例文が一覧表示される。この一覧の中からユーザにより一の例文が選択されると、当該例文と、この例文の日本語の対訳とが表示される。ここで、選択された例文において、例文単語帳記憶領域85に登録された登録単語のいずれかと同じ単語が検知される場合、対訳のうち、当該検知された単語に対応する部分が、当該単語に置き換えられて表示される。そして、訳/決定キー28が押下されると、置き換え部分に下線が付された日本語の対訳の全文が表示される。
【0106】
このように、表示制御装置4は、例文中に登録単語と同じ英単語が含まれる場合は、日本語の対訳において、当該英単語に対応する部分を当該英単語に置き換えて表示する。従って、ユーザは、例文のうち、登録単語に対応する部分を自分で日本語に翻訳する必要が生じる。しかし、当該部分以外の対訳は表示されているので、翻訳されている他の部分をもとに翻訳されなかった部分の意味を推測することができる。また、ユーザが訳/決定キーを押下することで、当該翻訳されなかった登録単語の部分の訳が表示されるので、ユーザは推測した意味が正しいか否かを確認できる。よって、実際の文章中での適切な理解を促す、実践的な語学学習のできる、表示制御装置が実現される。
【0107】
[第5実施形態]
以下、図31〜図34を参照して、本発明を電子辞書装置である表示制御装置5に適用した場合の第5実施形態について説明する。表示制御装置5の外観構成は、第4実施形態の表示制御装置4と同様である。以下、第4実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、本実施形態の特徴部分を中心に説明する。
【0108】
図31は、表示制御装置5の機能構成を示すブロック図である。表示制御装置5のブロック図の構成は、図23の第4実施形態の表示制御装置1の構成において、第1例文検索プログラム81を第2例文検索プログラム82に置き換えた構成と同様である。
【0109】
CPU30は、英和キー21が押下されると、フラッシュROM70より第2例文検索プログラム82を読み出して実行することにより、第2例文検索処理を実行する。第2例文検索処理の内容は、フローチャート(図32参照)を参照して詳細に後述するが、ここで簡単に説明する。第2例文検索処理では、CPU30は、入力された単語を含む例文を例文DB83から読み出して、一覧に表示させる。この一覧表示の中からユーザが一の例文を選択すると、CPU30は選択された例文全文とその対訳とを例文DB83から読み出して表示させる。この対訳が表示されている状態で、ユーザが選択された例文中の一の英単語を指定して登録操作を行った場合、CPU30は当該指定された英単語を登録単語として当該例文とともに例文単語帳記憶領域85に登録する。
【0110】
次に、表示制御装置5の動作について詳細に説明する。図32は、英和キー21が押下された際、CPU30が第2例文検索プログラム82に従って実行する処理である第2例文検索処理の動作を説明するためのフローチャートである。図33は第2例文検索処理の際に表示部10に表示される画面の一例を示した図である。第2例文検索処理は、図25の第1例文検索処理において、ステップD25の後にステップE27及びE29を追加し、ステップD30をステップE30及びE35に置き換えた処理である。第2例文検索処理の流れについて、図33の画面例を参照しながら以下詳細に説明する。
【0111】
第2例文検索処理において、入力単語の登録操作がなされた場合は(ステップD25;Yes)、CPU30は、先頭の単語である見出語を反転表示する。CPU30は、この反転表示を、ユーザによるカーソルキー29の押下操作に応じて、当該方向へ移動させる(ステップE27)。
【0112】
図33(a)は、ステップE27時点の表示画面例を示す図であり、見出語と、例文と、当該例文の対訳とが表示された図28(a)の画面において登録操作がなされた際の画面例である。図33(a)において、画面102には辞書名称1021である「英和辞典」が表示され、見出語と、例文と、当該例文の対訳とが表示されている。そして、登録操作がなされた当初に見出語の位置に表示されていた反転表示1023は、ユーザによるカーソルキー29の押下操作によって、「violinist」の位置に移動されている。
【0113】
そして、CPU30は、訳/決定キー28が押下されたか否かを判定する(ステップE29)。押下されない場合(ステップE29;No)、CPU30は待機し、一方、押下された場合(ステップE29;Yes)、反転表示されている単語を登録単語として当該例文とともに例文単語帳記憶領域85に登録し(ステップE30)、登録した旨のメッセージを表示させる。登録単語が登録された後、例文において反転表示されている単語を隠し文字「〜」に置き換える(ステップE35)。
【0114】
図33(b)は、ステップE35時点の表示画面例を示す図であり、反転表示が表示された図33(a)の画面において、訳/決定キー28が押下された際の画面例である。図33(b)において、画面103には辞書名称1031として「英和辞典」が表示され、この辞書名称1031の下に例文と、当該例文に対応する見出語及び対訳とが表示されている。そして、図33(a)において反転表示されていた単語「violinist」は隠し文字「〜」に置き換えられ、画面中央には、メッセージウィンドウ1035として「登録しました。」が表示されている。このメッセージは、訳/決定キー28の押下により、反転表示された単語「violinist」が登録単語として、当該例文とともに例文単語帳記憶領域85に登録されたことを意味するものである。
【0115】
CPU30は、単語帳キー27が押下されると、フラッシュROM70より対訳表示プログラム87を読み出して実行することにより、対訳表示処理を実行する。この対訳表示処理の内容は、第4実施形態における同名の処理(図26参照)と同様である。図34は、第2例文検索処理実行後に対訳表示処理が実行されたときの画面例である。この第5実施形態における対訳表示処理の画面例について、第4実施形態における対訳表示処理の画面例と比較しつつ以下説明する。
【0116】
図34(a)は、ステップD55(図26参照)時点の表示画面例を示す図であり、ステップE35において「violinist」が登録された後に単語帳キー27が押下された際の画面例である。図34(a)において、画面104には画面の名称1041として「単語帳」が表示され、この機能名称1041の下に例文単語帳記憶領域85中に記憶されている3つの例文が一覧に表示され、先頭の例文「She is reckoned (to be、 as 、 as being)〜」が反転表示されている。第4実施形態のステップD55時点の表示画面(図29(a)参照)と異なり、「violinist」が登録単語であるため、「reckoned」は隠し文字に置き換えられていない。
【0117】
図34(b)は、ステップD67(図26参照)時点の表示画面例を示す図であり、例文単語帳記憶領域85に登録されている例文が一覧表示された図34(a)の画面において、反転表示されていた先頭の例文が選択された画面例である。図34(b)において、画面105には辞書名称1051として「英和辞典」が表示され、この辞書名称1051の下に見出語「reckon」と、例文「She is reckoned (to be、 as 、 as being) the best〜in Japan.」と、この例文に対応する日本語の対訳「彼女は日本のviolinistの第一人者と目(もく)されている。」とが表示されている。第4実施形態のステップD67時点の表示画面(図29(b)参照)と異なり、例文において、登録単語のいずれかと同じであるとして検知された単語は「violinist」であるため、この単語が隠し文字「〜」に置き換えられ、日本語の対訳において、検知された単語に対応する部分「バイオリン奏者」が当該検知された単語「violinist」に置き換えられて表示されている。
【0118】
図34(c)は、ステップD71(図26参照)時点の表示画面例を示す図であり、例文及び置換テキストが表示された図34(b)の画面において、訳/決定キー28が押下された際の画面例である。図34(c)において、画面106には辞書名称1061として「英和辞典」が表示され、辞書名称1061の下に見出語「reckon」と、例文「She is reckoned (to be、 as 、 as being) the best〜in Japan.」と、この例文に対応する日本語の対訳として「バイオリン奏者」に下線が付された「彼女は日本のバイオリン奏者の第一人者と目(もく)されている。」とが表示されている。第4実施形態のステップD71時点の表示画面(図29(c)参照)と異なり、日本語の対訳において、登録単語の何れかと同じであるとして検知された単語は「violinist」であるため、「violinist」に対応する部分「バイオリン奏者」に下線が付されて表示されている。
【0119】
以上、第5実施形態を説明したが、表示制御装置5によれば、英和キー21が押下されると第1例文検索プログラム81が実行され、例文DB83中から選択された例文の対訳が表示されたときに、ユーザが例文中の一の単語を選択することで、当該選択された単語が登録単語として当該例文とともに、例文単語帳記憶領域85に登録される。そして、単語帳キー27が押下されると対訳表示プログラム87が実行され、例文単語帳記憶領域85に登録された例文が一覧表示される。この一覧の中からユーザにより一の例文が選択されると、当該例文と、この例文に対応する日本語の対訳とが表示される。ここで、選択された例文において、例文単語帳記憶領域85に登録された登録単語のいずれかと同じ単語が検知された場合、当該検知された単語に対応する部分が、当該検知された単語に置き換えられた日本語の対訳が表示される。そして、訳/決定キー28が押下されると、検知された単語に対応する部分に下線が付された日本語の対訳が表示される。
【0120】
このように、表示制御装置5は、例文中に登録単語と同じ英単語が含まれる場合は、日本語の対訳において、当該英単語に対応する部分を当該単語に置き換えて表示する。従って、ユーザは、入力した英文のうち、登録単語に対応する部分を自分で翻訳する必要が生じる。しかし、当該部分以外の対訳は表示されているため、翻訳されている他の部分をもとに翻訳されなかった部分の意味を推測することができる。また、ユーザが訳/決定キーを押下することで、当該翻訳されなかった登録単語の部分の訳が表示されるので、ユーザは推測した意味が正しいか否かを確認できる。よって、実際の文章中での適切な理解を促す、実践的な語学学習のできる、表示制御装置が実現される。
【0121】
[変形例]
尚、本発明は上述した実施形態に限らず、他の実施形態への適用も可能である。例えば、第1実施形態〜第3実施形態において、翻訳対象のテキスト中で検知される単語を、単語帳に登録されている登録単語としたが、ヒストリ機能で登録された登録単語の何れかと同じ単語としてもよい。具体的には、図6のステップA5において、第1実施形態ではユーザの登録操作により単語帳に登録するとしたが、説明情報が表示される(ステップA3)ことにより、自動的に当該単語、この場合見出語をヒストリに登録単語として登録する方法により実現できる。第2実施形態及び第3実施形態についても同様である。
【0122】
また、上述した実施形態において、表示制御装置は英和辞書DBを備え、英語の学習のために各種処理を行うこととして説明したが、他の言語、例えば、ドイツ語や中国語等の辞書DBを備え、これらの言語の学習のため、上述した処理を実行することとしても良い。
【0123】
また、本発明は携帯型の電子辞書装置に限らず、辞書機能あるいは翻訳機能を有する電子機器であれば、機械翻訳装置、携帯電話機、パソコン及びPDA(Personal Digital Assistants)等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1,2,3,4,5 表示制御装置
10 表示部
20 入力部
21 英和キー
22 和英キー
23 翻訳キー
24 文字キー
25 シフトキー
26 設定キー
27 単語帳キー
28 訳/決定キー
29 カーソルキー
30 CPU
40 RAM
41 入力単語記憶領域
43 英語テキスト記憶領域
45 日本語テキスト記憶領域
47 置換テキスト記憶領域
51 第1選択例文記憶領域
53 第2選択例文記憶領域
70 フラッシュROM
71 第1辞書検索プログラム
72 第2辞書検索プログラム
73 英和辞書DB
74 和英辞書DB
75 英語単語帳記憶領域
76 日本語単語帳記憶領域
77 第1翻訳プログラム
78 第2翻訳プログラム
79 第1B翻訳プログラム
81 第1例文検索プログラム
82 第2例文検索プログラム
83 例文DB
85 例文単語帳記憶領域
87 対訳表示プログラム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1言語のテキストとその対訳である第2言語のテキストとを複数記憶している対訳記憶手段と、
この対訳記憶手段に記憶されている何れかの第1言語のテキストを指定する第1のテキスト指定手段と、
この第1のテキスト指定手段により指定された第1言語のテキスト及びその対訳である第2言語のテキストを前記対訳記憶手段から読み出して表示するように制御する対訳表示制御手段と、
この対訳表示制御手段により表示制御された第1言語のテキスト中の単語を登録する単語登録手段と、
前記対訳記憶手段に記憶されている何れかの第1言語のテキストを指定する第2のテキスト指定手段と、
この第2のテキスト指定手段により指定された第1言語のテキスト中に前記単語登録手段に登録された登録単語と同じ単語があるか否かを検知する登録単語検知手段と、
この登録単語検知手段により登録単語と同じ単語があると検知された場合に、前記第2のテキスト指定手段により指定された第1言語のテキストの対訳である第2言語のテキスト中の前記検知された単語に対応する翻訳部分を、当該単語に置き換えて当該第2言語のテキストを表示するように制御する登録単語置換表示制御手段と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記単語登録手段は、前記対訳記憶手段に記憶されている何れかの第1言語のテキスト中の何れかの単語をユーザ指定操作に応じて登録するユーザ指定単語登録手段を有することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
コンピュータに、
第1言語のテキストとその対訳である第2言語のテキストとを複数記憶した対訳データの中の何れかの第1言語のテキストを指定する第1のテキスト指定機能と、
この第1のテキスト指定機能により指定された第1言語のテキスト及びその対訳である第2言語のテキストを前記対訳データから読み出して表示するように制御する対訳表示制御機能と、
この対訳表示制御機能により表示制御された第1言語のテキスト中の単語を登録する単語登録機能と、
前記対訳データの中の何れかの第1言語のテキストを指定する第2のテキスト指定機能と、
この第2のテキスト指定機能により指定された第1言語のテキスト中に前記単語登録機能により登録された登録単語と同じ単語があるか否かを検知する登録単語検知機能と、
この登録単語検知機能により登録単語と同じ単語があると検知された場合に、前記第2のテキスト指定機能により指定された第1言語のテキストの対訳である第2言語のテキスト中の前記検知された単語に対応する翻訳部分を、当該単語に置き換えて当該第2言語のテキストを表示するように制御する登録単語置換表示制御機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2012−74082(P2012−74082A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−276822(P2011−276822)
【出願日】平成23年12月19日(2011.12.19)
【分割の表示】特願2005−200291(P2005−200291)の分割
【原出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】