表示制御装置
【課題】ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減すること。
【解決手段】照度センサ11が、第1の抵抗113を用いて第1の照度値を出力するとともに、第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の抵抗114を用いて第2の照度値を出力し、照度値補正部14bが、第1の照度値を補正する補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。また、ディマー制御部14dが、照度値補正部14bによって補正された第1の照度値に基づき、表示パネル21へ光を照射するバックライト22の発光量を制御し、直射補正部14cが、照度値補正部14bによって補正された第2の照度値に基づき、表示パネル21に対して表示される映像の視認性を向上させるように表示制御装置10を構成する。
【解決手段】照度センサ11が、第1の抵抗113を用いて第1の照度値を出力するとともに、第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の抵抗114を用いて第2の照度値を出力し、照度値補正部14bが、第1の照度値を補正する補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。また、ディマー制御部14dが、照度値補正部14bによって補正された第1の照度値に基づき、表示パネル21へ光を照射するバックライト22の発光量を制御し、直射補正部14cが、照度値補正部14bによって補正された第2の照度値に基づき、表示パネル21に対して表示される映像の視認性を向上させるように表示制御装置10を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置等の車載用表示装置には、照度センサを用いて表示パネルの周囲の明るさを検出し、検出結果に応じてバックライトの発光量を調整するディマー機能が設けられる場合がある。かかるディマー機能は、特に、周囲が暗い状況でのバックライトの消費電力を低減させたい場合に有効である。
【0003】
また、車載用表示装置には、表示パネルに対して表示させる映像の画質(たとえば、コントラスト等)を照度センサの検出結果に応じて調整する映像補正機能が設けられる場合もある。かかる映像補正機能は、特に、周囲が明るい状況での表示パネルの視認性を向上させたい場合に有効である。
【0004】
たとえば、特許文献1には、ディマー機能および映像補正機能の両方を備えた表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−271544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、照度センサには検出精度に個体間のバラつきがある。このため、たとえば製品出荷前に、照度センサの出力値を適正な出力値へ補正するための補正係数を算出しておくことが好ましい。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の表示装置のようにディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合に、たとえばディマー機能に適した照度レンジで校正処理を行うとともに映像補正機能に適した照度レンジでも校正処理を行うこととすると、製造工数が増えてしまうため、好ましくない。
【0008】
開示の技術は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減することができる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は、第1の回路を用いて第1の照度値を出力し、前記第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の回路を用いて第2の照度値を出力する照度検出部と、前記第1の照度値を補正する補正係数を用いて前記第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する照度値補正部と、前記照度値補正部によって補正された前記第1の照度値に基づき、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御するディマー制御部と、前記照度値補正部によって補正された前記第2の照度値に基づき、前記表示パネルに対して表示される映像の視認性を向上させる映像補正部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本願によれば、照度検出部が、第1の回路を用いて第1の照度値を出力し、第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の回路を用いて第2の照度値を出力する。また、照度値補正部が、第1の照度値を補正する補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。そして、ディマー制御部が、照度値補正部によって補正された第1の照度値に基づき、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御し、映像補正部が、照度値補正部によって補正された第2の照度値に基づき、表示パネルに対して表示される映像の視認性を向上させることとしたため、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本願に係る表示制御手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1の抵抗および第2の抵抗の検出範囲の一例を示す図である。
【図4】図4は、スイッチの切り替えタイミングの一例を示す図である。
【図5】図5は、ディマー制御用補正係数の算出処理を説明するための図である。
【図6】図6は、表示制御装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る表示制御装置の実施例を詳細に説明する。まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本願に係る表示制御手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本願に係る表示制御手法の概要を示す図である。
【0013】
図1に示すように、本願に係る表示制御手法において表示制御装置は、ディマー制御処理を行うディマー制御部および映像補正処理を行う映像補正部の双方を備える。ディマー制御処理とは、表示パネル周辺の照度を検出する照度検出部からの出力値に基づいて、バックライトの発光量を制御する処理である。また、映像補正処理とは、照度検出部からの出力値に基づいて、映像の画質を調整する処理である。
【0014】
ディマー制御処理は、周囲が暗い状況でのバックライトの消費電力を低減させたい場合に有効であり、低照度側の比較的小さい範囲(たとえば、0〜200Lx)が、ディマー制御処理の照度レンジとなる。一方、映像補正処理は、周囲が明るい状況での表示パネルの視認性を向上させたい場合に有効であり、高照度側の比較的大きい範囲(たとえば、1000〜10000Lx)が、映像補正処理の照度レンジとなる。
【0015】
このように、ディマー制御処理と映像補正処理とでは、使用する照度レンジが異なる。このため、照度検出部は、ディマー制御処理に適した検出範囲を持つ第1の回路および映像補正処理に適した検出範囲を持つ第2の回路を備える。
【0016】
具体的には、照度検出部は、低照度側の比較的小さい範囲を検出範囲とする第1の回路を用いてディマー制御処理用の照度値である第1の照度値を出力する。また、照度検出部は、高照度側の比較的大きい範囲を検出範囲とする第2の回路を用いて映像補正処理用の照度値である第2の照度値を出力する。なお、第1の回路および第2の回路は、たとえば抵抗値がそれぞれ異なる抵抗等である。かかる照度検出部の具体的な構成については後述する。
【0017】
また、照度検出部には照度の検出精度に個体間のバラつきがあるため、表示制御装置は、照度検出部から出力される照度値を補正する照度値補正部を備える。
【0018】
具体的には、照度値補正部は、あらかじめ算出しておいた補正係数を用いて、照度検出部から出力される照度値を補正する。かかる補正係数は、たとえば、製品出荷前において照度検出部から出力される照度値を実際に測定することによって算出される。
【0019】
ここで、上述したように照度検出部は、ディマー制御処理用の第1の回路および映像補正処理用の第2の回路を備える。このため、第1の回路を用いてディマー制御処理用の補正係数を算出するとともに、第2の回路を用いて映像補正処理用の補正係数を算出しておくことが考えられる。しかし、ディマー制御処理用の補正係数および映像補正処理用の補正係数の両方を算出することとすると、製造工数が増えてしまうため、好ましくない。
【0020】
そこで、本願に係る表示制御手法では、製品出荷前においてディマー制御処理用の補正係数のみを算出しておき、かかるディマー制御処理用の補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正することとした。
【0021】
ディマー制御処理は、映像補正処理と比較して照度レンジが小さいため、照度値がわずかにバラついただけで制御に大きな影響が及ぶおそれがある。一方、映像補正処理は、ディマー制御処理と比較して照度レンジが大きいため、照度値がわずかにバラついたとしても制御に大きな影響が及ぶことがない。
【0022】
すなわち、映像補正処理用の照度値である第2の照度値は、ディマー制御処理用の照度値である第1の照度値と比較して、高い精度が要求されるものではない。このため、本願に係る表示制御手法では、映像補正処理についてはディマー制御処理用の補正係数を兼用することとし、映像処理用の補正係数を算出する工数を省略することとした。映像処理用の補正係数を算出する工数を省略すれば、製造工数を削減することができる。
【0023】
このように、本願に係る表示制御手法では、照度検出部が、第1の回路を用いて第1の照度値を出力し、第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の回路を用いて第2の照度値を出力する。また、本願に係る表示制御手法では、照度値補正部が、第1の照度値を補正するための補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。
【0024】
そして、本願に係る表示制御手法では、ディマー制御部が、照度値補正部によって補正された第1の照度値に基づき、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御し、映像補正部が、照度値補正部によって補正された第2の照度値に基づき、表示パネルに対して表示される映像の視認性を向上させることとした。
【0025】
したがって、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減することができる。
【0026】
以下では、本願に係る表示制御装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例では、本願に係る表示制御装置を車載用表示装置へ適用した場合の例について説明するが、本願に係る表示制御装置は、車載用表示装置以外にも適用可能である。また、以下では、上述した映像補正処理を直射補正処理と呼ぶこととする。
【実施例】
【0027】
まず、本実施例に係る表示制御装置の構成について図2を用いて説明する。図2は、表示制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図2では、表示制御装置の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0028】
図2に示すように、本実施例に係る表示制御装置10は、表示装置20の表示制御を行う装置である。表示装置20は、表示パネル21と、バックライト22とを備える。表示パネル21は、表示制御装置10から出力される映像信号に応じた映像を表示する液晶表示パネルなどの表示部である。また、バックライト22は、表示パネル21の背面側に設けられたLED(Light Emitting Diode)等の照明装置であり、表示パネル21に対して背面側から光を照射する。
【0029】
つづいて、表示制御装置10の構成について説明する。表示制御装置10は、照度センサ11と、A/D変換部12と、バックライト駆動部13と、制御部14とを備える。
【0030】
また、制御部14は、切替制御部14aと、照度値補正部14bと、直射補正部14cと、ディマー制御部14dとを備える。また、直射補正部14cは、視認性補正部141と、彩度補正部142と、ブレンド部143とを備える。なお、制御部14は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成することができる。
【0031】
照度センサ11は、表示パネル21の周辺に設けられ、表示パネル21の周辺の照度を検出する。具体的には、照度センサ11は、受光素子111と、スイッチ112と、第1の抵抗113と、第2の抵抗114とを備える。受光素子111は、入射光を電流へ変換する光電変換素子である。
【0032】
スイッチ112は、受光素子111に接続される抵抗を第1の抵抗113と第2の抵抗114との間で切り替えるスイッチである。スイッチ112の切り替えタイミングは、切替制御部14aによって制御される。
【0033】
第1の抵抗113および第2の抵抗114は、照度センサ11から電圧出力(照度値)を取り出すための抵抗である。具体的には、第1の抵抗113は、ディマー制御処理用の照度値である第1の照度値を取り出すための抵抗であり、第2の抵抗114は、直射補正処理用の照度値である第2の照度値を取り出すための抵抗である。
【0034】
ここで、第1の抵抗113および第2の抵抗114の検出範囲の違いについて図3を用いて説明する。図3は、第1の抵抗113および第2の抵抗114の検出範囲の一例を示す図である。
【0035】
なお、図3には、0〜10000Lxの光を照度センサ11へ照射した場合に照度センサ11から出力される照度値(アナログ値)を、第1の抵抗113および第2の抵抗114ごとに示している。
【0036】
図3に示すように、第1の抵抗113は、0〜200Lxの範囲で0〜2.5Vの照度値を出力する。一方、第2の抵抗114は、0〜10000Lxの範囲で0〜2.5Vの照度値を出力する。
【0037】
このように、照度センサ11は、第1の抵抗113を用いることで低照度側の比較的小さい範囲(0〜200Lx)の照度を精度よく検出することができ、第2の抵抗114を用いることで高照度側の比較的大きい範囲(0〜10000Lx)の照度を検出することができる。
【0038】
すなわち、照度センサ11に第1の抵抗113および第2の抵抗114を設けることにより、ディマー制御処理に適した第1の照度値および直射補正処理に適した第2の照度値をそれぞれ得ることができる。
【0039】
なお、本実施例では、0〜200Lxをディマー制御処理の照度レンジとし、1000〜10000Lxを直射補正処理の照度レンジとするが、ディマー制御処理および直射補正処理の照度レンジは、これに限定されるものではない。
【0040】
図2に戻り、表示制御装置10の説明を続ける。照度センサ11は、スイッチ112が第1の抵抗113側に切り替わった状態である場合には、第1の照度値をA/D変換部12へ出力し、スイッチ112が第2の抵抗114側に切り替わった状態である場合には、第2の照度値をA/D変換部12へ出力する。
【0041】
A/D変換部12は、照度センサ11から出力された照度値をアナログ値からデジタル値へ変換する処理部である。A/D変換部12によってデジタル値へ変換された照度値は、照度値補正部14bへ出力される。
【0042】
なお、以下では、A/D変換部12によってデジタル値へ変換された第1の照度値および第2の照度値を単に「第1の照度値」および「第2の照度値」と呼ぶこととする。
【0043】
バックライト駆動部13は、ディマー制御部14dからの指示に従い、バックライト22の発光量が目標発光量となるようにパルス幅が調整されたPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成してバックライト22へ出力する処理部である。
【0044】
制御部14は、表示制御装置10全体を制御する制御部である。切替制御部14aは、照度センサ11からの出力を第1の照度値と第2の照度値との間で切り替える処理部である。
【0045】
ここで、切替制御部14aは、照度センサ11から出力される照度値に基づいてスイッチ112を切り替えることとしてもよいが、照度が急激に変化した場合などに切り替えが遅れてしまう可能性がある。
【0046】
そこで、切替制御部14aは、照度センサ11のスイッチ112の切り替えを所定の切替周期で行うこととした。以下では、切替制御部14aによるスイッチ112の切替動作について図4を用いて説明する。図4は、スイッチ112の切り替えタイミングの一例を示す図である。
【0047】
図4に示すように、切替制御部14aは、スイッチ112を所定の切替周期T1,T2で切り替える。たとえば、切替制御部14aは、スイッチ112を第1の抵抗113側へ切り替えてから第1の切替周期T1が経過すると、スイッチ112を第2の抵抗114側へ切り替える。そして、切替制御部14aは、スイッチ112を第2の抵抗114側へ切り替えてから第2の切替周期T2が経過すると、スイッチ112を再び第1の抵抗113側へ切り替える。
【0048】
これにより、照度センサ11は、スイッチ112が第1の抵抗113側へ切り替わってから第1の切替周期T1が経過するまでの間は、第1の照度値を出力し、スイッチ112が第2の抵抗114側へ切り替わってから第2の切替周期T2が経過するまでの間は、第2の照度値を出力することとなる。
【0049】
ここで、ディマー制御処理は、使用する照度レンジが小さいため、第1の照度値がわずかにバラついただけで制御に大きな影響が及ぶおそれがある。このため、第1の照度値は、第2の照度値よりも高精度であることが好ましい。
【0050】
そこで、切替制御部14aでは、第1の照度値へ切り替えてから第2の照度値へ切り替えるまでの第1の切替周期T1が、第2の照度値へ切り替えてから第1の照度値へ切り替えるまでの第2の切替周期T2よりも長く設定される。これにより、第1の照度値の精度を高めることができる。
【0051】
具体的には、A/D変換部12は、照度センサ11から出力される第1の照度値または第2の照度値のアナログ値を一定のタイミングで取得することによってデジタル値へ変換して照度値補正部14bへ出力する。
【0052】
このとき、第1の切替周期T1が第2の切替周期T2よりも長く設定されているため、A/D変換部12による第1の照度値の取得回数が第2の照度値の取得回数よりも多くなる。図4では、第1の切替周期T1において第1の照度値が3回取得され、第2の切替周期T2において第2の照度値が1回取得される場合の例を示している。
【0053】
この結果、たとえば、照度値取得タイミングA1において取得された第2の照度値の補正後の値Ia1が照度値取得タイミングA2において取得された第2の照度値の補正後の値Ia2へ更新されるまでの間に、第1の照度値の補正後の値は3回更新されることとなる(タイミングB1〜B3および補正後の第1の照度値Ib1〜Ib3参照)。
【0054】
このように、第1の切替周期T1を第2の切替周期T2よりも長く設定することで、第1の照度値の更新回数が第2の照度値の更新回数よりも多くすることができるため、第2の照度値と比較して第1の照度値の精度を高めることができる。
【0055】
なお、図4に示すように、第2の照度値から第1の照度値へ切り替わった場合に第1の照度値が安定するまでの時間t1は、第1の照度値から第2の照度値へ切り替わった場合に第2の照度値が安定するまでの時間t2よりも長い。たとえば、時間t1は10msであり、時間t2は1msである。
【0056】
したがって、かかる点からも、第1の切替周期T1を第2の切替周期T2よりも長く設定することが好ましい。すなわち、第1の切替周期T1を第2の切替周期T2よりも長く設定することによって、安定する前の第1の照度値を取得したとしても、かかる第1の照度値による影響を低減することができる。
【0057】
なお、図4では、切替制御部14aがスイッチ112を所定周期で交互に切り替える場合の例を示したが、これに限ったものではなく、照度センサ11から出力される第1の照度値または第2の照度値に基づいて切り替えてもよい。たとえば、切替制御部14aは、第1の照度値が2.5Vを超えた場合に、スイッチ112を第1の抵抗113側から第2の抵抗114側へ切り替えることとしてもよい。
【0058】
また、切替制御部14aは、スイッチ112の状態、すなわち、スイッチ112が第1の抵抗113側へ切り替わった状態であるか、第2の抵抗114側へ切り替わった状態であるかを照度値補正部14bへ通知する処理も併せて行う。
【0059】
図2に戻り、照度値補正部14bについて説明する。照度値補正部14bは、A/D変換部12から入力される第1の照度値または第2の照度値を補正したうえで、直射補正部14cまたはディマー制御部14dへ出力する処理部である。
【0060】
照度値補正部14bは、第1の照度値を補正するための補正係数(以下、「ディマー制御用補正係数」と記載する)を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。ディマー制御用補正係数は、製品出荷前において、照度センサ11から出力される第1の照度値と実際の照度とのずれを測定することによって算出される係数である。
【0061】
ここで、ディマー制御用補正係数の算出処理について図5を用いて説明する。図5は、ディマー制御用補正係数の算出処理を説明するための図である。
【0062】
図5に示すように、照度が0Lxの場合に0の値を取り、照度が200Lxの場合に255の値を取るように、照度センサ11から出力される第1の照度値を補正するディマー制御用補正係数を算出する。
【0063】
具体的には、製品出荷前において、ディマー制御処理の照度レンジ(0〜200Lx)に属する所定の基準光(ここでは、100Lxの基準光とする)を照度センサ11へ照射する。このとき、スイッチ112は、第1の抵抗113側へ切り替わった状態としておく。
【0064】
そして、照度センサ11から出力される第1の照度値を測定し、この実測値(デジタル値)を、照度値が100Lxの場合における理想値と一致させる係数をディマー制御用補正係数として算出する。たとえば、第1の照度値の実測値がxであり、理想値がyである場合、ディマー制御用補正係数は、y/xとなる。
【0065】
このように、ディマー制御用補正係数は、所定の基準光を照度センサ11へ照射した場合における第1の照度値の実測値および理想値に基づいて算出される。
【0066】
照度値補正部14bは、このディマー制御用補正係数を用いて第1の照度値の補正だけでなく第2の照度値の補正も行う。すなわち、直射補正処理用の照度値である第2の照度値は、ディマー制御処理用の照度値である第1の照度値と比較して、高い精度が要求されるものではない。
【0067】
このため、照度値補正部14bは、直射補正処理用の照度値である第2の照度値についてはディマー制御用補正係数を兼用して補正することとし、直射補正処理用の補正係数を算出する工数を省略することとした。このように、直射補正処理用の補正係数を算出する工数を省略することで、製造工数を削減することができる。
【0068】
なお、照度値補正部14bは、補正後の照度値の出力先を、切替制御部14aから通知されるスイッチ112の状態に応じて決定する。すなわち、照度値補正部14bは、スイッチ112が第1の抵抗113側へ切り替わった状態であることが切替制御部14aから通知されている場合には、補正後の照度値(すなわち、補正後の第1の照度値)をディマー制御部14dへ出力する。
【0069】
また、照度値補正部14bは、スイッチ112が第2の抵抗114側へ切り替わった状態であることが切替制御部14aから通知されている場合には、補正後の照度値(すなわち、補正後の第2の照度値)を直射補正部14cへ出力する。
【0070】
このように、照度値補正部14bは、照度センサ11からの出力が第1の照度値に切り替わった状態である場合に、ディマー制御用補正係数を用いて第1の照度値を補正したうえでディマー制御部14dへ出力する。また、照度値補正部14bは、照度センサ11からの出力が第2の照度値に切り替わった状態である場合に、ディマー制御用補正係数を用いて第2の照度値を補正したうえで直射補正部14cへ出力する。
【0071】
直射補正部14cは、直射日光等の影響によって表示映像の視認性の低下を抑制するために、照度値補正部14bから入力される第2の照度値(すなわち、補正後の第2の照度値)に応じて映像情報を補正する。具体的には、直射補正部14cは、視認性補正部141、彩度補正部142およびブレンド部143を備える。
【0072】
視認性補正部141は、外部装置から映像信号が入力された場合に、映像信号に応じた映像に含まれる輪郭部分を際立たせるようにエッジ補正を行い、補正後の映像情報を彩度補正部142へ出力する処理部である。
【0073】
なお、映像信号としては、車両周辺を撮像する車載カメラから入力される撮像映像の信号、カーナビゲーション装置から入力されるナビゲーション用の映像信号、DVD再生装置から入力されるDVDの映像信号、デジタルテレビ放送受信装置から入力されるTV映像の信号などがある。
【0074】
彩度補正部142は、視認性補正部141によって補正された映像信号に応じた映像に含まれる中間色を原色へ近づけるように階調補正を行い、補正後の映像信号をブレンド部143へ出力する。これらの視認性補正部141および彩度補正部142の処理によって、直射日光等の影響が最も強い状況の下で最も視認性が向上するように補正された映像信号(以下、「改善映像信号」と記載する)が生成される。
【0075】
ブレンド部143は、外部装置から入力された映像信号(原映像信号)に対して彩度補正部142から出力される改善映像信号を、照度値補正部14bから入力された第2の照度値に応じたブレンド比でブレンドする処理部である。
【0076】
具体的には、ブレンド部143は、第2の照度値が高いほど、ブレンド後の映像信号に占める改善映像信号のブレンド率が高く、原映像信号のブレンド率が低くなるようにブレンド比を調整する。ブレンド部143は、ブレンド後の映像信号を表示パネル21へ出力する。
【0077】
ディマー制御部14dは、照度値補正部14bから入力された補正後の第1の照度値に基づいてバックライト22の発光量を制御する処理部である。具体的には、ディマー制御部14dは、補正後の第1の照度値に応じたパルス幅のPWM信号を出力するようにバックライト駆動部13に対して指示する。
【0078】
たとえば、補正後の第1の照度値が小さくなった(すなわち、表示パネル21の周辺が暗くなった)場合には、パルス幅のより狭いPWM信号を出力するようにバックライト駆動部13に対して指示する。この結果、バックライト22は、表示パネル21の周辺が暗くなるに従って発光量が少なくなるように制御される。
【0079】
次に、表示制御装置10の具体的動作について図6を用いて説明する。図6は、表示制御装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0080】
図6に示すように、表示制御装置10では、照度値補正部14bが、スイッチ112が第1の抵抗113側に切り替わった状態であるか否かを判定する(ステップS101)。かかる判定は、切替制御部14aから通知されるスイッチ112の状態に基づいて行われる。
【0081】
ステップS101においてスイッチ112が第1の抵抗113側に切り替わった状態であると判定すると(ステップS101,Yes)、照度値補正部14bは、A/D変換部12から第1の照度値を取得し(ステップS102)、ディマー制御用補正係数を用いて第1の照度値を補正する(ステップS103)。
【0082】
具体的には、照度値補正部14bは、A/D変換部12から取得した第1の照度値に対してディマー制御用補正係数を乗じる。なお、ディマー制御用補正係数は、図示しない記憶部にあらかじめ記憶される。
【0083】
そして、表示制御装置10では、照度値補正部14bが、補正後の第1の照度値をディマー制御部14dへ出力し(ステップS104)、ディマー制御部14dが、補正後の第1の照度値を用いてディマー制御処理を行う(ステップS105)。
【0084】
一方、ステップS101においてスイッチ112が第1の抵抗113側に切り替わった状態でない場合(ステップS101,No)、照度値補正部14bは、A/D変換部12から第2の照度値を取得し(ステップS106)、ディマー制御用補正係数を用いて第2の照度値を補正する(ステップS107)。具体的には、照度値補正部14bは、A/D変換部12から取得した第2の照度値に対してディマー制御用補正係数を乗じる。
【0085】
そして、表示制御装置10では、照度値補正部14bが、補正後の第2の照度値を直射補正部14cへ出力し(ステップS108)、直射補正部14cが、補正後の第2の照度値を用いて直射補正処理を行う(ステップS109)。
【0086】
上述してきたように、本実施例では、照度センサ11が、第1の抵抗113を用いて第1の照度値を出力し、第1の回路よりも照度の検出範囲が大きい第2の抵抗114を用いて第2の照度値を出力し、照度値補正部14bが、第1の照度値を補正する補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。
【0087】
そして、本実施例では、ディマー制御部14dが、照度値補正部14bによって補正された第1の照度値に基づき、表示パネル21へ光を照射するバックライト22の発光量を制御し、直射補正部14cが、照度値補正部14bによって補正された第2の照度値に基づき、表示パネル21に対して表示される映像の視認性を向上させることとした。したがって、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減することができる。
【0088】
以上、本願に係る表示制御装置の実施例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上のように、本願に係る表示制御装置は、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減したい場合に有効であり、特に、車載用表示装置への適用が考えられる。
【符号の説明】
【0090】
10 表示制御装置
11 照度センサ
111 受光素子
112 スイッチ
113 第1の抵抗
114 第2の抵抗
12 A/D変換部
13 バックライト駆動部
14 制御部
14a 切替制御部
14b 照度値補正部
14c 直射補正部
14d ディマー制御部
141 視認性補正部
142 彩度補正部
143 ブレンド部
20 表示装置
21 表示パネル
22 バックライト
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置等の車載用表示装置には、照度センサを用いて表示パネルの周囲の明るさを検出し、検出結果に応じてバックライトの発光量を調整するディマー機能が設けられる場合がある。かかるディマー機能は、特に、周囲が暗い状況でのバックライトの消費電力を低減させたい場合に有効である。
【0003】
また、車載用表示装置には、表示パネルに対して表示させる映像の画質(たとえば、コントラスト等)を照度センサの検出結果に応じて調整する映像補正機能が設けられる場合もある。かかる映像補正機能は、特に、周囲が明るい状況での表示パネルの視認性を向上させたい場合に有効である。
【0004】
たとえば、特許文献1には、ディマー機能および映像補正機能の両方を備えた表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−271544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、照度センサには検出精度に個体間のバラつきがある。このため、たとえば製品出荷前に、照度センサの出力値を適正な出力値へ補正するための補正係数を算出しておくことが好ましい。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の表示装置のようにディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合に、たとえばディマー機能に適した照度レンジで校正処理を行うとともに映像補正機能に適した照度レンジでも校正処理を行うこととすると、製造工数が増えてしまうため、好ましくない。
【0008】
開示の技術は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減することができる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願は、第1の回路を用いて第1の照度値を出力し、前記第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の回路を用いて第2の照度値を出力する照度検出部と、前記第1の照度値を補正する補正係数を用いて前記第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する照度値補正部と、前記照度値補正部によって補正された前記第1の照度値に基づき、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御するディマー制御部と、前記照度値補正部によって補正された前記第2の照度値に基づき、前記表示パネルに対して表示される映像の視認性を向上させる映像補正部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本願によれば、照度検出部が、第1の回路を用いて第1の照度値を出力し、第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の回路を用いて第2の照度値を出力する。また、照度値補正部が、第1の照度値を補正する補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。そして、ディマー制御部が、照度値補正部によって補正された第1の照度値に基づき、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御し、映像補正部が、照度値補正部によって補正された第2の照度値に基づき、表示パネルに対して表示される映像の視認性を向上させることとしたため、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本願に係る表示制御手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、第1の抵抗および第2の抵抗の検出範囲の一例を示す図である。
【図4】図4は、スイッチの切り替えタイミングの一例を示す図である。
【図5】図5は、ディマー制御用補正係数の算出処理を説明するための図である。
【図6】図6は、表示制御装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る表示制御装置の実施例を詳細に説明する。まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本願に係る表示制御手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本願に係る表示制御手法の概要を示す図である。
【0013】
図1に示すように、本願に係る表示制御手法において表示制御装置は、ディマー制御処理を行うディマー制御部および映像補正処理を行う映像補正部の双方を備える。ディマー制御処理とは、表示パネル周辺の照度を検出する照度検出部からの出力値に基づいて、バックライトの発光量を制御する処理である。また、映像補正処理とは、照度検出部からの出力値に基づいて、映像の画質を調整する処理である。
【0014】
ディマー制御処理は、周囲が暗い状況でのバックライトの消費電力を低減させたい場合に有効であり、低照度側の比較的小さい範囲(たとえば、0〜200Lx)が、ディマー制御処理の照度レンジとなる。一方、映像補正処理は、周囲が明るい状況での表示パネルの視認性を向上させたい場合に有効であり、高照度側の比較的大きい範囲(たとえば、1000〜10000Lx)が、映像補正処理の照度レンジとなる。
【0015】
このように、ディマー制御処理と映像補正処理とでは、使用する照度レンジが異なる。このため、照度検出部は、ディマー制御処理に適した検出範囲を持つ第1の回路および映像補正処理に適した検出範囲を持つ第2の回路を備える。
【0016】
具体的には、照度検出部は、低照度側の比較的小さい範囲を検出範囲とする第1の回路を用いてディマー制御処理用の照度値である第1の照度値を出力する。また、照度検出部は、高照度側の比較的大きい範囲を検出範囲とする第2の回路を用いて映像補正処理用の照度値である第2の照度値を出力する。なお、第1の回路および第2の回路は、たとえば抵抗値がそれぞれ異なる抵抗等である。かかる照度検出部の具体的な構成については後述する。
【0017】
また、照度検出部には照度の検出精度に個体間のバラつきがあるため、表示制御装置は、照度検出部から出力される照度値を補正する照度値補正部を備える。
【0018】
具体的には、照度値補正部は、あらかじめ算出しておいた補正係数を用いて、照度検出部から出力される照度値を補正する。かかる補正係数は、たとえば、製品出荷前において照度検出部から出力される照度値を実際に測定することによって算出される。
【0019】
ここで、上述したように照度検出部は、ディマー制御処理用の第1の回路および映像補正処理用の第2の回路を備える。このため、第1の回路を用いてディマー制御処理用の補正係数を算出するとともに、第2の回路を用いて映像補正処理用の補正係数を算出しておくことが考えられる。しかし、ディマー制御処理用の補正係数および映像補正処理用の補正係数の両方を算出することとすると、製造工数が増えてしまうため、好ましくない。
【0020】
そこで、本願に係る表示制御手法では、製品出荷前においてディマー制御処理用の補正係数のみを算出しておき、かかるディマー制御処理用の補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正することとした。
【0021】
ディマー制御処理は、映像補正処理と比較して照度レンジが小さいため、照度値がわずかにバラついただけで制御に大きな影響が及ぶおそれがある。一方、映像補正処理は、ディマー制御処理と比較して照度レンジが大きいため、照度値がわずかにバラついたとしても制御に大きな影響が及ぶことがない。
【0022】
すなわち、映像補正処理用の照度値である第2の照度値は、ディマー制御処理用の照度値である第1の照度値と比較して、高い精度が要求されるものではない。このため、本願に係る表示制御手法では、映像補正処理についてはディマー制御処理用の補正係数を兼用することとし、映像処理用の補正係数を算出する工数を省略することとした。映像処理用の補正係数を算出する工数を省略すれば、製造工数を削減することができる。
【0023】
このように、本願に係る表示制御手法では、照度検出部が、第1の回路を用いて第1の照度値を出力し、第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の回路を用いて第2の照度値を出力する。また、本願に係る表示制御手法では、照度値補正部が、第1の照度値を補正するための補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。
【0024】
そして、本願に係る表示制御手法では、ディマー制御部が、照度値補正部によって補正された第1の照度値に基づき、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御し、映像補正部が、照度値補正部によって補正された第2の照度値に基づき、表示パネルに対して表示される映像の視認性を向上させることとした。
【0025】
したがって、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減することができる。
【0026】
以下では、本願に係る表示制御装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例では、本願に係る表示制御装置を車載用表示装置へ適用した場合の例について説明するが、本願に係る表示制御装置は、車載用表示装置以外にも適用可能である。また、以下では、上述した映像補正処理を直射補正処理と呼ぶこととする。
【実施例】
【0027】
まず、本実施例に係る表示制御装置の構成について図2を用いて説明する。図2は、表示制御装置の構成を示すブロック図である。なお、図2では、表示制御装置の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0028】
図2に示すように、本実施例に係る表示制御装置10は、表示装置20の表示制御を行う装置である。表示装置20は、表示パネル21と、バックライト22とを備える。表示パネル21は、表示制御装置10から出力される映像信号に応じた映像を表示する液晶表示パネルなどの表示部である。また、バックライト22は、表示パネル21の背面側に設けられたLED(Light Emitting Diode)等の照明装置であり、表示パネル21に対して背面側から光を照射する。
【0029】
つづいて、表示制御装置10の構成について説明する。表示制御装置10は、照度センサ11と、A/D変換部12と、バックライト駆動部13と、制御部14とを備える。
【0030】
また、制御部14は、切替制御部14aと、照度値補正部14bと、直射補正部14cと、ディマー制御部14dとを備える。また、直射補正部14cは、視認性補正部141と、彩度補正部142と、ブレンド部143とを備える。なお、制御部14は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などによって構成することができる。
【0031】
照度センサ11は、表示パネル21の周辺に設けられ、表示パネル21の周辺の照度を検出する。具体的には、照度センサ11は、受光素子111と、スイッチ112と、第1の抵抗113と、第2の抵抗114とを備える。受光素子111は、入射光を電流へ変換する光電変換素子である。
【0032】
スイッチ112は、受光素子111に接続される抵抗を第1の抵抗113と第2の抵抗114との間で切り替えるスイッチである。スイッチ112の切り替えタイミングは、切替制御部14aによって制御される。
【0033】
第1の抵抗113および第2の抵抗114は、照度センサ11から電圧出力(照度値)を取り出すための抵抗である。具体的には、第1の抵抗113は、ディマー制御処理用の照度値である第1の照度値を取り出すための抵抗であり、第2の抵抗114は、直射補正処理用の照度値である第2の照度値を取り出すための抵抗である。
【0034】
ここで、第1の抵抗113および第2の抵抗114の検出範囲の違いについて図3を用いて説明する。図3は、第1の抵抗113および第2の抵抗114の検出範囲の一例を示す図である。
【0035】
なお、図3には、0〜10000Lxの光を照度センサ11へ照射した場合に照度センサ11から出力される照度値(アナログ値)を、第1の抵抗113および第2の抵抗114ごとに示している。
【0036】
図3に示すように、第1の抵抗113は、0〜200Lxの範囲で0〜2.5Vの照度値を出力する。一方、第2の抵抗114は、0〜10000Lxの範囲で0〜2.5Vの照度値を出力する。
【0037】
このように、照度センサ11は、第1の抵抗113を用いることで低照度側の比較的小さい範囲(0〜200Lx)の照度を精度よく検出することができ、第2の抵抗114を用いることで高照度側の比較的大きい範囲(0〜10000Lx)の照度を検出することができる。
【0038】
すなわち、照度センサ11に第1の抵抗113および第2の抵抗114を設けることにより、ディマー制御処理に適した第1の照度値および直射補正処理に適した第2の照度値をそれぞれ得ることができる。
【0039】
なお、本実施例では、0〜200Lxをディマー制御処理の照度レンジとし、1000〜10000Lxを直射補正処理の照度レンジとするが、ディマー制御処理および直射補正処理の照度レンジは、これに限定されるものではない。
【0040】
図2に戻り、表示制御装置10の説明を続ける。照度センサ11は、スイッチ112が第1の抵抗113側に切り替わった状態である場合には、第1の照度値をA/D変換部12へ出力し、スイッチ112が第2の抵抗114側に切り替わった状態である場合には、第2の照度値をA/D変換部12へ出力する。
【0041】
A/D変換部12は、照度センサ11から出力された照度値をアナログ値からデジタル値へ変換する処理部である。A/D変換部12によってデジタル値へ変換された照度値は、照度値補正部14bへ出力される。
【0042】
なお、以下では、A/D変換部12によってデジタル値へ変換された第1の照度値および第2の照度値を単に「第1の照度値」および「第2の照度値」と呼ぶこととする。
【0043】
バックライト駆動部13は、ディマー制御部14dからの指示に従い、バックライト22の発光量が目標発光量となるようにパルス幅が調整されたPWM(Pulse Width Modulation)信号を生成してバックライト22へ出力する処理部である。
【0044】
制御部14は、表示制御装置10全体を制御する制御部である。切替制御部14aは、照度センサ11からの出力を第1の照度値と第2の照度値との間で切り替える処理部である。
【0045】
ここで、切替制御部14aは、照度センサ11から出力される照度値に基づいてスイッチ112を切り替えることとしてもよいが、照度が急激に変化した場合などに切り替えが遅れてしまう可能性がある。
【0046】
そこで、切替制御部14aは、照度センサ11のスイッチ112の切り替えを所定の切替周期で行うこととした。以下では、切替制御部14aによるスイッチ112の切替動作について図4を用いて説明する。図4は、スイッチ112の切り替えタイミングの一例を示す図である。
【0047】
図4に示すように、切替制御部14aは、スイッチ112を所定の切替周期T1,T2で切り替える。たとえば、切替制御部14aは、スイッチ112を第1の抵抗113側へ切り替えてから第1の切替周期T1が経過すると、スイッチ112を第2の抵抗114側へ切り替える。そして、切替制御部14aは、スイッチ112を第2の抵抗114側へ切り替えてから第2の切替周期T2が経過すると、スイッチ112を再び第1の抵抗113側へ切り替える。
【0048】
これにより、照度センサ11は、スイッチ112が第1の抵抗113側へ切り替わってから第1の切替周期T1が経過するまでの間は、第1の照度値を出力し、スイッチ112が第2の抵抗114側へ切り替わってから第2の切替周期T2が経過するまでの間は、第2の照度値を出力することとなる。
【0049】
ここで、ディマー制御処理は、使用する照度レンジが小さいため、第1の照度値がわずかにバラついただけで制御に大きな影響が及ぶおそれがある。このため、第1の照度値は、第2の照度値よりも高精度であることが好ましい。
【0050】
そこで、切替制御部14aでは、第1の照度値へ切り替えてから第2の照度値へ切り替えるまでの第1の切替周期T1が、第2の照度値へ切り替えてから第1の照度値へ切り替えるまでの第2の切替周期T2よりも長く設定される。これにより、第1の照度値の精度を高めることができる。
【0051】
具体的には、A/D変換部12は、照度センサ11から出力される第1の照度値または第2の照度値のアナログ値を一定のタイミングで取得することによってデジタル値へ変換して照度値補正部14bへ出力する。
【0052】
このとき、第1の切替周期T1が第2の切替周期T2よりも長く設定されているため、A/D変換部12による第1の照度値の取得回数が第2の照度値の取得回数よりも多くなる。図4では、第1の切替周期T1において第1の照度値が3回取得され、第2の切替周期T2において第2の照度値が1回取得される場合の例を示している。
【0053】
この結果、たとえば、照度値取得タイミングA1において取得された第2の照度値の補正後の値Ia1が照度値取得タイミングA2において取得された第2の照度値の補正後の値Ia2へ更新されるまでの間に、第1の照度値の補正後の値は3回更新されることとなる(タイミングB1〜B3および補正後の第1の照度値Ib1〜Ib3参照)。
【0054】
このように、第1の切替周期T1を第2の切替周期T2よりも長く設定することで、第1の照度値の更新回数が第2の照度値の更新回数よりも多くすることができるため、第2の照度値と比較して第1の照度値の精度を高めることができる。
【0055】
なお、図4に示すように、第2の照度値から第1の照度値へ切り替わった場合に第1の照度値が安定するまでの時間t1は、第1の照度値から第2の照度値へ切り替わった場合に第2の照度値が安定するまでの時間t2よりも長い。たとえば、時間t1は10msであり、時間t2は1msである。
【0056】
したがって、かかる点からも、第1の切替周期T1を第2の切替周期T2よりも長く設定することが好ましい。すなわち、第1の切替周期T1を第2の切替周期T2よりも長く設定することによって、安定する前の第1の照度値を取得したとしても、かかる第1の照度値による影響を低減することができる。
【0057】
なお、図4では、切替制御部14aがスイッチ112を所定周期で交互に切り替える場合の例を示したが、これに限ったものではなく、照度センサ11から出力される第1の照度値または第2の照度値に基づいて切り替えてもよい。たとえば、切替制御部14aは、第1の照度値が2.5Vを超えた場合に、スイッチ112を第1の抵抗113側から第2の抵抗114側へ切り替えることとしてもよい。
【0058】
また、切替制御部14aは、スイッチ112の状態、すなわち、スイッチ112が第1の抵抗113側へ切り替わった状態であるか、第2の抵抗114側へ切り替わった状態であるかを照度値補正部14bへ通知する処理も併せて行う。
【0059】
図2に戻り、照度値補正部14bについて説明する。照度値補正部14bは、A/D変換部12から入力される第1の照度値または第2の照度値を補正したうえで、直射補正部14cまたはディマー制御部14dへ出力する処理部である。
【0060】
照度値補正部14bは、第1の照度値を補正するための補正係数(以下、「ディマー制御用補正係数」と記載する)を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。ディマー制御用補正係数は、製品出荷前において、照度センサ11から出力される第1の照度値と実際の照度とのずれを測定することによって算出される係数である。
【0061】
ここで、ディマー制御用補正係数の算出処理について図5を用いて説明する。図5は、ディマー制御用補正係数の算出処理を説明するための図である。
【0062】
図5に示すように、照度が0Lxの場合に0の値を取り、照度が200Lxの場合に255の値を取るように、照度センサ11から出力される第1の照度値を補正するディマー制御用補正係数を算出する。
【0063】
具体的には、製品出荷前において、ディマー制御処理の照度レンジ(0〜200Lx)に属する所定の基準光(ここでは、100Lxの基準光とする)を照度センサ11へ照射する。このとき、スイッチ112は、第1の抵抗113側へ切り替わった状態としておく。
【0064】
そして、照度センサ11から出力される第1の照度値を測定し、この実測値(デジタル値)を、照度値が100Lxの場合における理想値と一致させる係数をディマー制御用補正係数として算出する。たとえば、第1の照度値の実測値がxであり、理想値がyである場合、ディマー制御用補正係数は、y/xとなる。
【0065】
このように、ディマー制御用補正係数は、所定の基準光を照度センサ11へ照射した場合における第1の照度値の実測値および理想値に基づいて算出される。
【0066】
照度値補正部14bは、このディマー制御用補正係数を用いて第1の照度値の補正だけでなく第2の照度値の補正も行う。すなわち、直射補正処理用の照度値である第2の照度値は、ディマー制御処理用の照度値である第1の照度値と比較して、高い精度が要求されるものではない。
【0067】
このため、照度値補正部14bは、直射補正処理用の照度値である第2の照度値についてはディマー制御用補正係数を兼用して補正することとし、直射補正処理用の補正係数を算出する工数を省略することとした。このように、直射補正処理用の補正係数を算出する工数を省略することで、製造工数を削減することができる。
【0068】
なお、照度値補正部14bは、補正後の照度値の出力先を、切替制御部14aから通知されるスイッチ112の状態に応じて決定する。すなわち、照度値補正部14bは、スイッチ112が第1の抵抗113側へ切り替わった状態であることが切替制御部14aから通知されている場合には、補正後の照度値(すなわち、補正後の第1の照度値)をディマー制御部14dへ出力する。
【0069】
また、照度値補正部14bは、スイッチ112が第2の抵抗114側へ切り替わった状態であることが切替制御部14aから通知されている場合には、補正後の照度値(すなわち、補正後の第2の照度値)を直射補正部14cへ出力する。
【0070】
このように、照度値補正部14bは、照度センサ11からの出力が第1の照度値に切り替わった状態である場合に、ディマー制御用補正係数を用いて第1の照度値を補正したうえでディマー制御部14dへ出力する。また、照度値補正部14bは、照度センサ11からの出力が第2の照度値に切り替わった状態である場合に、ディマー制御用補正係数を用いて第2の照度値を補正したうえで直射補正部14cへ出力する。
【0071】
直射補正部14cは、直射日光等の影響によって表示映像の視認性の低下を抑制するために、照度値補正部14bから入力される第2の照度値(すなわち、補正後の第2の照度値)に応じて映像情報を補正する。具体的には、直射補正部14cは、視認性補正部141、彩度補正部142およびブレンド部143を備える。
【0072】
視認性補正部141は、外部装置から映像信号が入力された場合に、映像信号に応じた映像に含まれる輪郭部分を際立たせるようにエッジ補正を行い、補正後の映像情報を彩度補正部142へ出力する処理部である。
【0073】
なお、映像信号としては、車両周辺を撮像する車載カメラから入力される撮像映像の信号、カーナビゲーション装置から入力されるナビゲーション用の映像信号、DVD再生装置から入力されるDVDの映像信号、デジタルテレビ放送受信装置から入力されるTV映像の信号などがある。
【0074】
彩度補正部142は、視認性補正部141によって補正された映像信号に応じた映像に含まれる中間色を原色へ近づけるように階調補正を行い、補正後の映像信号をブレンド部143へ出力する。これらの視認性補正部141および彩度補正部142の処理によって、直射日光等の影響が最も強い状況の下で最も視認性が向上するように補正された映像信号(以下、「改善映像信号」と記載する)が生成される。
【0075】
ブレンド部143は、外部装置から入力された映像信号(原映像信号)に対して彩度補正部142から出力される改善映像信号を、照度値補正部14bから入力された第2の照度値に応じたブレンド比でブレンドする処理部である。
【0076】
具体的には、ブレンド部143は、第2の照度値が高いほど、ブレンド後の映像信号に占める改善映像信号のブレンド率が高く、原映像信号のブレンド率が低くなるようにブレンド比を調整する。ブレンド部143は、ブレンド後の映像信号を表示パネル21へ出力する。
【0077】
ディマー制御部14dは、照度値補正部14bから入力された補正後の第1の照度値に基づいてバックライト22の発光量を制御する処理部である。具体的には、ディマー制御部14dは、補正後の第1の照度値に応じたパルス幅のPWM信号を出力するようにバックライト駆動部13に対して指示する。
【0078】
たとえば、補正後の第1の照度値が小さくなった(すなわち、表示パネル21の周辺が暗くなった)場合には、パルス幅のより狭いPWM信号を出力するようにバックライト駆動部13に対して指示する。この結果、バックライト22は、表示パネル21の周辺が暗くなるに従って発光量が少なくなるように制御される。
【0079】
次に、表示制御装置10の具体的動作について図6を用いて説明する。図6は、表示制御装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0080】
図6に示すように、表示制御装置10では、照度値補正部14bが、スイッチ112が第1の抵抗113側に切り替わった状態であるか否かを判定する(ステップS101)。かかる判定は、切替制御部14aから通知されるスイッチ112の状態に基づいて行われる。
【0081】
ステップS101においてスイッチ112が第1の抵抗113側に切り替わった状態であると判定すると(ステップS101,Yes)、照度値補正部14bは、A/D変換部12から第1の照度値を取得し(ステップS102)、ディマー制御用補正係数を用いて第1の照度値を補正する(ステップS103)。
【0082】
具体的には、照度値補正部14bは、A/D変換部12から取得した第1の照度値に対してディマー制御用補正係数を乗じる。なお、ディマー制御用補正係数は、図示しない記憶部にあらかじめ記憶される。
【0083】
そして、表示制御装置10では、照度値補正部14bが、補正後の第1の照度値をディマー制御部14dへ出力し(ステップS104)、ディマー制御部14dが、補正後の第1の照度値を用いてディマー制御処理を行う(ステップS105)。
【0084】
一方、ステップS101においてスイッチ112が第1の抵抗113側に切り替わった状態でない場合(ステップS101,No)、照度値補正部14bは、A/D変換部12から第2の照度値を取得し(ステップS106)、ディマー制御用補正係数を用いて第2の照度値を補正する(ステップS107)。具体的には、照度値補正部14bは、A/D変換部12から取得した第2の照度値に対してディマー制御用補正係数を乗じる。
【0085】
そして、表示制御装置10では、照度値補正部14bが、補正後の第2の照度値を直射補正部14cへ出力し(ステップS108)、直射補正部14cが、補正後の第2の照度値を用いて直射補正処理を行う(ステップS109)。
【0086】
上述してきたように、本実施例では、照度センサ11が、第1の抵抗113を用いて第1の照度値を出力し、第1の回路よりも照度の検出範囲が大きい第2の抵抗114を用いて第2の照度値を出力し、照度値補正部14bが、第1の照度値を補正する補正係数を用いて第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する。
【0087】
そして、本実施例では、ディマー制御部14dが、照度値補正部14bによって補正された第1の照度値に基づき、表示パネル21へ光を照射するバックライト22の発光量を制御し、直射補正部14cが、照度値補正部14bによって補正された第2の照度値に基づき、表示パネル21に対して表示される映像の視認性を向上させることとした。したがって、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減することができる。
【0088】
以上、本願に係る表示制御装置の実施例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上のように、本願に係る表示制御装置は、ディマー機能および映像補正機能の両方を備える場合の製造工数を削減したい場合に有効であり、特に、車載用表示装置への適用が考えられる。
【符号の説明】
【0090】
10 表示制御装置
11 照度センサ
111 受光素子
112 スイッチ
113 第1の抵抗
114 第2の抵抗
12 A/D変換部
13 バックライト駆動部
14 制御部
14a 切替制御部
14b 照度値補正部
14c 直射補正部
14d ディマー制御部
141 視認性補正部
142 彩度補正部
143 ブレンド部
20 表示装置
21 表示パネル
22 バックライト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回路を用いて第1の照度値を出力し、前記第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の回路を用いて第2の照度値を出力する照度検出部と、
前記第1の照度値を補正するための補正係数を用いて前記第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する照度値補正部と、
前記照度値補正部によって補正された前記第1の照度値に基づき、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御するディマー制御部と、
前記照度値補正部によって補正された前記第2の照度値に基づき、前記表示パネルに対して表示される映像の視認性を向上させる映像補正部と
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記補正係数は、
所定の基準光を前記照度検出部へ照射した場合における前記第1の照度値の実測値および理想値に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記照度検出部からの出力を前記第1の照度値と前記第2の照度値との間で切り替える切替部
をさらに備え、
前記照度値補正部は、
前記照度検出部からの出力が前記第1の照度値に切り替わった状態である場合に、前記補正係数を用いて前記第1の照度値を補正したうえで前記ディマー制御部へ出力し、前記照度検出部からの出力が前記第2の照度値に切り替わった状態である場合に、前記補正係数を用いて前記第2の照度値を補正したうえで前記映像補正部へ出力することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記切替部は、
前記第1の照度値と前記第2の照度値とを所定の切替周期で交互に切り替えることを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記切替部は、
前記第1の照度値へ切り替えてから前記第2の照度値へ切り替えるまでの第1の切替周期が前記第2の照度値へ切り替えてから前記第1の照度値へ切り替えるまでの第2の切替周期よりも長く設定されることを特徴とする請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項1】
第1の回路を用いて第1の照度値を出力し、前記第1の回路よりも検出範囲が大きい第2の回路を用いて第2の照度値を出力する照度検出部と、
前記第1の照度値を補正するための補正係数を用いて前記第1の照度値および第2の照度値の双方を補正する照度値補正部と、
前記照度値補正部によって補正された前記第1の照度値に基づき、表示パネルへ光を照射するバックライトの発光量を制御するディマー制御部と、
前記照度値補正部によって補正された前記第2の照度値に基づき、前記表示パネルに対して表示される映像の視認性を向上させる映像補正部と
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記補正係数は、
所定の基準光を前記照度検出部へ照射した場合における前記第1の照度値の実測値および理想値に基づいて算出されることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記照度検出部からの出力を前記第1の照度値と前記第2の照度値との間で切り替える切替部
をさらに備え、
前記照度値補正部は、
前記照度検出部からの出力が前記第1の照度値に切り替わった状態である場合に、前記補正係数を用いて前記第1の照度値を補正したうえで前記ディマー制御部へ出力し、前記照度検出部からの出力が前記第2の照度値に切り替わった状態である場合に、前記補正係数を用いて前記第2の照度値を補正したうえで前記映像補正部へ出力することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記切替部は、
前記第1の照度値と前記第2の照度値とを所定の切替周期で交互に切り替えることを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記切替部は、
前記第1の照度値へ切り替えてから前記第2の照度値へ切り替えるまでの第1の切替周期が前記第2の照度値へ切り替えてから前記第1の照度値へ切り替えるまでの第2の切替周期よりも長く設定されることを特徴とする請求項4に記載の表示制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−220738(P2012−220738A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86606(P2011−86606)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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