説明

表示板

【課題】予め碁盤目状にLEDの取付位置が設定されているLED取付板に、利用者が取付位置を選択して複数個のLEDを配置し、その複数個のLEDにより数字や文字などのパターンを形成できるようにし、簡易な構造にして、LEDそれぞれの位置を定め易く安価な表示板を提供する。
【解決手段】前面開口に光拡散板5を配したケースの内にある電源3と、砲弾型の複数のLED12と、碁盤目状のLED取付部11にLED12を抜き差し可能に保持するLED取付板4と、電源3からの電力供給によりLED取付部11に保持されたLED12それぞれを点灯可能にする配線手段と、人感センサ15の感応時にLED12と電源2との間の通電回路を閉成してLED12を点灯させる点灯手段とで、表示板1を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のLEDの点灯による発光パターンで文字などを表示する表示板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から複数のLEDの点灯を利用する機器として照明機器が近年多く流通するようになってきている。この照明器具に関連して、非特許文献1、非特許文献2に示されているように、複数個ずつのLEDを列にして取り付けることができる光源基板があり、この光源基板の列となっているソケット部分にLEDを並べて線状光源を形成し、その線状光源の列数の調整により照度などが使用者側で簡単に変更できる簡易構造の照明機器が提案されている。
【0003】
また、砲弾型のLEDをドットの配列にして電源シートに差し込み、砲弾型のLEDを点灯させることで、ドット並びの光輝点で所望のパターンを形成できるようにした電光表示器が、例えば特許文献1に示されている。
【0004】
さらに、LEDのリードに対応した複数の挿通孔を有して基板裏面における前記挿通孔それぞれの周りに導体箔を設けている回路基板と、前記挿通孔にリードを差し入れてそのリードを折り曲げることで導体箔との電気的接続を図るようにした砲弾型のLEDとからなる表示装置が特許文献2として提案されており、LEDを着脱可能に配置して点つづり方式で文字などを表示できるようにした工夫も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−305699
【特許文献2】実願昭59−049557号のマイクロフィルム(公開実用昭和60−161391号)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】http://revox.jp/products/LED−component/SPECTROLIGHT/SPL−100−CC.htm(レボックス株式会社webページ内)
【非特許文献2】http://www.optocode.co.jp/level4/PL/HTML/PL1_1.html(オプトコード株式会社webページ内)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ホテルの廊下に沿って並ぶ客室部屋や病院において通路に沿って並ぶ病室などは、ドア形状や出入り口形状が同じであることから多く、一般的にはアルファベットや符号、数字などを数文字用いて簡易的に表示する小型の表示板をドアや出入り口の枠などに取り付けている。また、大型の物品配送倉庫においても区別して保管される多種の物品を作業者側からの目視で管理し易くするために、その物品を保管管理する棚などに、物品に応じる符号などを記した小型の表示板を取り付けることが多く行なわれている。
【0008】
しかしながら、上記表示板は、台板に数字、符号などを象ったプレートを組み付けたものや数字、符号などを印刷したプレートからなるものであるため、ホテルや病院での外界からの光が射し難い客室階通路からは表示板が示す数字、符号などが見辛く、また倉庫では人の入館自体が少ないことから昼間時でも照明機器の明るさを下げていることから、同様に製品を区別する表示板でも数字、符号などが見辛くなっている。また、このような表示板では表示する情報を変更することはできず、変更する場合には表示板自体を作り直す必要がある。
【0009】
このような対策として上記特許文献1に示されている電源シートに複数個のLEDを使用者側でレイアウトし、光輝するパターンを任意に形成する技術が利用できる可能性はあるが、LED個々の配置が自由であるため、形成する数字などに歪みや大きさの不統一が生じる。また、同様に非特許文献1に示された光源基板にLEDをセットした非特許文献2に示された照明器具にあっては、LEDのリードが長いために点光源の並びが不均一となって文字などを表現することができないものである。
【0010】
そして、上記特許文献2に示された表示装置ではリードを基板裏面側で折り曲げるものであるため、LEDの着脱が非常に困難であるとともに、リードが破損してしまう可能性が高いという問題がある。
【0011】
そこで本発明は上記事情に鑑み、予め碁盤目状にLEDの取付位置が設定されているLED取付板に、利用者が取付位置を選択して複数個のLEDを配置し、その複数個のLEDにより数字や文字などのパターンを形成できるようにすることを課題とし、簡易な構造にして、LEDそれぞれの位置を定め易く安価な表示板を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、前面開口に光拡散板を配したケースの内部に位置する乾電池からなる電源と、それぞれ砲弾型で対のリード線がある複数のLEDと、LED取付部が碁盤目状に配置されていてそれぞれのLED取付部に前記リード線が差し入れられたLEDを抜き差し可能に保持するLED取付板と、前記LED取付部に保持されたLEDのリード線との接触にて前記電源からの電力供給によりLED取付部に保持されたLEDそれぞれを点灯可能にする配線手段と、ケース前面側に人感センサを配してこの人感センサの感応時に前記LEDと前記電源との間の通電回路を閉成して前記LEDを点灯させる点灯手段とを備えることを特徴とする表示板を提供して、上記課題を解消するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光表示させる文字、記号、符号などのパターンを使用者側で任意に形作ることができるとともに、LED取付部が碁盤目状の配置であるためにLEDの並びが揃って、発光したパターンで表現する情報が理解し易くなる。さらに発光させるパターンに応じる取付位置のみにLEDを配置するものであるので、構成が簡単で安価にして小型化が容易になる。さらに人感センサが感応してLEDが点灯するようにしているので、消費電力が少なくなるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る表示板の実施の形態において光拡散板を取り外して正面側から見た状態を概略的に示す説明図である。
【図2】実施の形態における断面を概略的に示す説明図である。
【図3】LEDによる発光パターンの例を示す説明図である。
【図4】人感センサの配置の例を断面で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
つぎに本発明を図1から図4に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1は表示板で、該表示板1は図2に示されているように横長のケース2と、そのケース2の内の後部に形成した電源3と、前記ケース2の内の前部側に形成されているLED取付板4とからなるものである。前記ケース2は前面にある横長の開口に光拡散板5を配し、横長の枠体6を前方から着脱可能に嵌め付けることでその光拡散板5を支持していて、枠体6と光拡散板5との取り外しによってケース2の内の前記LED取付板4の前面側が横長の開口から直接確認でき、ケース2の開口を通して後述するようにLED取付板4の前面に対し指先などにて発光パターンの形成作業ができるように設けられている。
【0016】
電源3は、断面で示されているようにケース2の内に電池ボックス7を組み入れ、その電池ボックス7に複数本の乾電池8をセットして蓋体9が開け閉め可能に覆っているものである。
【0017】
上記LED取付板4は、絶縁性の素材からなる横長の台板10に、五行五列の碁盤目状にした25か所のLED取付部11を一組とし、これを四組にして台板10の長手方向に並べており、LED取付部11それぞれは、砲弾型のLED12を取り付けることができる。前記LED取付部11それぞれにはLED12の対の足12a(対のリード線)を抜き差し可能に差し入れる対の小孔13が設けられていて、この小孔13に前記足12aを差し入れてLED12をLED取付部11に配置することができ、また、LED取付部11からLED12を前方に引いて足それぞれを小孔13から引き抜くようにして外すことも可能とされている。
【0018】
LED取付板4には上述したように碁盤目状に配列されているLED取付部11があり、それぞれにLED12が着脱できるものであることから、本表示板1を使用するに際し、LED取付部11の組の位置と五行五列の位置に基づきながら使用者が任意のLED取付部11を選んでLED12をセットすることで、その使用者が所望する複数個のLED12を並べてなるパターン(後述の発光パターン)が得られ、その変更も使用者側で行なうLED12の抜き差しで行なえる。
【0019】
LED12を配するLED取付部11では、図2に示しているようにLED12の樹脂封止部12bの底面をLED取付板4の台板10の平滑な前面に接しさせて樹脂封止部12bの頂点側の向きが表示板前方へとなるようにこの砲弾型のLED12の凸となる向きを規制している。
【0020】
このようにLED12を取り付けるLED取付部11を碁盤目状とし樹脂封止部12bの底面と台板10の前面との面同士が接することから、複数個のLED12を縦や横に並べた際、縦や横の並びの乱れや、振動に対する揺れなどを生じることがない。
【0021】
LED取付板4における台板10の裏面にはLED取付部11の小孔13に差し入れたLED12の足12a(リード線)と電気的に接触する導電レール14が配されていて、足を前記導電レール14に接続させるようにしてLED取付部11に取り付けたLED12は、上記電源3から電力を受けることで発光するように設けられている。また、導電レール14には前記足12aが摺接可能にしてその足12aの長手方向に亘って接しており、導電レール14とこれに摺接可能に接する足12aとの間での摩擦力によってLED12が抜き差し可能に保持され、導電レール14と足12aとの間で通電ができるものとなっている。そして、導電レール14の表示板後方に伸びる接合面と足12aとが前述のようにその足12aの長手方向に線状で接していることも、LED12の向きを規制することに寄与している。
【0022】
このようにいずれのLED取付部11でも、LED12は電力の供給を電源3から受けることで発光することから、碁盤目状のLED取付部11の配列に従って使用者が任意のパターンでLED12を並べ、そのLED12に電力が電源3から供給されれば、使用者が並べた所望の発光パターンで表示板1に情報を形成できる。図1にあっては、LED取付板4のLED取付部11の組それぞれで数字の「1」を表わす発光パターンの配列でLED12をセットした例を示している。また、図3において、一組のLED取付部11で、数字、アルファベットを表わす発光パターンの配列を示しており、「●」はLEDが取り付けられた状態を示し、「○」はLEDが取り付けられていないLED取付部11を示す。
【0023】
図示されているようにLED取付板4には人感センサ15が配置されていて、外界から光拡散板5を透過してくる赤外線の変化を検出することができるものであり、この表示板1が設置された場所に例えば人間が近付くことで感応する。図4においては前記人感センサ15をLED取付板4に配した例を断面にて示している。
【0024】
そして、この人感センサ15は、上記導電レール14から電源3までの間で電源3からの電力供給によりLED取付部に保持されたLED12それぞれを点灯可能にする配線手段に介在していて、人感センサ15が感応した際に、前記LED12と前記電源3との間の通電回路を閉成してLED12を点灯させる点灯手段となるものである。なお、図4においては、人感センサ15が前記配線手段に介在する構成については説明を容易にするために図示していない。
【0025】
上記点灯手段を形成している人感センサ15の無感応状態が所定時間を経過した場合には閉成されていた通電回路は開成されて、LEDそれぞれが消灯するように設けられている。なお、人感センサ15を本実施の形態では赤外線を検出できるようにしたものを例示したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、さらに人感センサ15の配置も実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0026】
1…表示板
2…ケース
3…電源
4…LED取付板
5…光拡散板
6…枠体
7…電池ボックス
8…乾電池
9…蓋体
10…台板
11…LED取付部
12…LED
13…小孔
14…導電レール
15…人感センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開口に光拡散板を配したケースの内部に位置する乾電池からなる電源と、それぞれ砲弾型で対のリード線がある複数のLEDと、LED取付部が碁盤目状に配置されていてそれぞれのLED取付部に前記リード線が差し入れられたLEDを抜き差し可能に保持するLED取付板と、前記LED取付部に保持されたLEDのリード線との接触にて前記電源からの電力供給によりLED取付部に保持されたLEDそれぞれを点灯可能にする配線手段と、ケース前面側に人感センサを配してこの人感センサの感応時に前記LEDと前記電源との間の通電回路を閉成して前記LEDを点灯させる点灯手段とを備えることを特徴とする表示板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−109218(P2013−109218A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255121(P2011−255121)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(596143336)有限会社エスパ・デザイン室 (1)
【Fターム(参考)】