説明

表示用データ提供サーバ

【課題】 実際の商品をモデル化してデータ化することなく表示用動画データを準備でき、短時間かつ簡便に回転可能な商品の画像のデータを準備できる表示用データ提供サーバを提供する。
【解決手段】 物体が撮影された撮影動画データの複数のキーフレームのうち所定の再生間隔毎に選択された選択キーフレームを含むように表示用動画データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
商品の画像を端末装置で表示させるための表示用データ提供サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子チラシや電子カタログ等において、指定された商品を三次元画像データ(いわゆる3Dデータ)にしたがって立体回転表示画像を表示するものがあった。この従来の電子チラシや電子カタログでは、電子広告に供される各商品の外観を所定の回転軸回りの複数の視点から見た多視点画像データを用いるものであった(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
また、2次元モデルデータや三次元モデルデータを用いて、商品の三次元画像を回転及びズーム可能に表示するものがあった(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、このような電子チラシなどに関して、各種の課金方法も提案されてきている。たとえば、バナー広告のクリック数に応じて課金する課金システムがあった(たとえば、特許文献3参照)。また、宝くじ画面を購入クリックする度に自動的に課金されるシステムがあった(たとえば、特許文献4参照)。さらにまた、ユーザーが広告宣伝ホームページにアクセスするクリック数に累進させて課金するシステムもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−167180公報
【特許文献2】特開2004−151754公報
【特許文献3】特開2002−41855公報
【特許文献4】特開2003−271775公報
【特許文献5】特開2008−129660公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来から、電子チラシや電子カタログ等において立体回転画像を表示したり、三次元画像を回転可能に表示したりするものがあった。これらの画像の表示には、いわゆる三次元画像データが用いられてきた。商品を多方向から表示するためには、三次元画像データが必要となるが、三次元画像データは、CADデータなどの各種のデータから生成する必要がある。また、実際の商品をモデル化して三次元画像データを生成する方法もあるが、輪郭の抽出や表示色の設定などの各種の画像処理や、座標変換のためのデータの生成などの各種の処理を経る必要がある。このように、実際の商品が既に存在して販売等できる状態になっても、三次元画像データを準備するまでに手間や時間がかかってしまい、電子チラシや電子カタログなどで商品情報を提供できる状態になるまで遅延せざるを得なかった。また、三次元画像データを準備するための費用もかかっていた。
【0007】
さらに、このような電子チラシや電子カタログ等を用いて商品情報を提供するにあたり、上述したような各種の課金方法も提案されている。しかしながら、実際には、端末装置側でクリックなどの操作が実際に行われたか否かをサーバ側で確認することは極めて困難である。たとえば、端末装置で操作されていないにもかかわらず、操作に基づいて生ずる信号を擬似的に生成してサーバに送信されるようなことも想定される。このため、単にクリックなどの操作に応じて課金の金額を決定するように構成した場合には、金額の根拠が不明瞭になる可能性があった。
【0008】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、短時間かつ簡便に、回転可能な商品の画像のデータを準備できる表示用データ提供サーバを提供することにある。また、本発明は、上記の目的とは別に、課金される者が納得できる根拠に基づいて課金される表示用データ提供サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の態様によれば、表示用データ提供サーバは、
物体が撮影された撮影動画データから表示用動画データを生成する生成制御手段と、
生成された表示用動画データが記憶される記憶手段と、
端末手段からの要求に基づいて前記記憶手段に記憶された表示用動画データを前記端末手段に送信する送信制御手段と、を含み、
前記撮影動画データは、前記物体を動かしつつ撮影された撮影動画データであって、複数のキーフレームを含み、
前記生成制御手段は、前記複数のキーフレームのうち所定の再生間隔毎に選択された選択キーフレームを含めて前記表示用動画データを生成する。
【0010】
また、本発明の他の態様によれば、表示用データ提供サーバは、
物体を表示するための表示用動画データが記憶される記憶手段と、
端末手段からの要求に基づいて前記記憶手段に記憶された表示用動画データを前記端末手段に送信する送信制御手段と、
前記端末手段に前記表示用動画データを送信したことに基づいて、前記物体の提供者への課金を発生させる課金発生手段と、を含む。
【発明の効果】
【0011】
物体を動的に撮影した撮影動画データを用いるとともに、撮影動画データの複数のキーフレームのうち所定の再生間隔毎に選択された選択キーフレームを含むように表示用動画データを生成するので、実際の商品をモデル化してデータ化することなく表示用動画データを準備でき、短時間かつ簡便に回転可能な商品の画像のデータを準備できる。また、表示用データ提供サーバから表示用動画データを送信したことに基づいて課金を発生させるので、課金の根拠を明確に示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】表示用データ提供サーバの概略を示す図である。
【図2】表示用データ提供システムの全体の概略を示す図である。
【図3】撮影動画データを生成するためのシステムを示す概略図である。
【図4】表示用データ提供システムの処理の手順をフローチャートである。
【図5】表示用動画データを生成する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】表示用動画データを送信する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図7】撮影動画データ及び表示用動画データに含まれるキーフレームの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0014】
<<<本発明の一の実施の形態の概要>>>
本発明の一の実施の形態によれば、表示用データ提供サーバ(たとえば、後述する表示用データ提供サーバ120など)は、
物体が撮影された撮影動画データから表示用動画データを生成する生成制御手段(たとえば、後述する制御装置122など)と、
生成された表示用動画データが記憶される記憶手段(たとえば、後述する記憶装置124など)と、
端末手段からの要求に基づいて前記記憶手段に記憶されたる表示用動画データを前記端末手段に送信する送信制御手段(たとえば、後述する通信回路126など)と、を含み、
前記撮影動画データは、前記物体を動かしつつ撮影された撮影動画データであって、複数のキーフレームと前記キーフレームとは異なる複数の非キーフレームとを含み、
前記生成制御手段は、前記複数のキーフレームのうち所定の再生間隔毎に選択された選択キーフレームを含めかつ前記複数の非キーフレームを減じて前記表示用動画データを生成する。
【0015】
図1に示すように、表示用データ提供サーバは、生成制御手段と記憶手段と送信制御手段とを含む。
【0016】
<<制御手段>>
制御手段は、生成制御手段と送信制御手段とを含むことが好ましい。
【0017】
<<生成制御手段>>
生成制御手段は、撮影動画データから表示用動画データを生成する。生成制御手段には、撮影動画データが入力される。生成制御手段は、入力された撮影動画データに基づいて表示用動画データを生成し、生成した表示用動画データを出力する。生成制御手段から出力された表示用動画データは記憶手段に記憶される。
【0018】
<撮影動画データ>
撮影動画データは、カメラ等の撮影手段によって所定の物体を撮影して得られた動画データである。所定の物体は、所定の形状や大きさ等の形態を有する実在する物である。たとえば、所定の物体には商品などがある。動画データは、物体の動きを記録して再生できるデータであればよい。たとえば、動画データは、物体の動きを記録した複数の静止画像データによって構成できる。具体的には、撮影動画データとして、物体の動きを連続的に記録した複数の静止画像データからなる動画データが好ましい。複数の静止画像データを用いて、後述する表示用動画データを生成することができる。また、この撮影動画データは、静止画像データからなる場合だけなく、静止画像データと静止画像データを基準にして生成された差分データとの双方を含むデータでもよい。撮影動画データに含まれている静止画像データから表示用動画データを生成することができる。撮影動画データは、物体の動きを再生できる表示用動画データを生成できるものであればよい。
【0019】
この撮影動画データは、物体を動かしつつ撮影されたデータである。上述したように、撮影動画データは、カメラ等の撮影手段によって物体を撮影して得られた動画データである。物体を動かしつつカメラ等の撮影手段によって物体を撮影して記録することで、撮影動画データを得ることができる。
【0020】
物体を動かす方向や距離などは、物体の特徴に合せたものであればよい。たとえば、物体が人形などである場合には、人形を回転させつつ撮影して撮影動画データを生成する。このようにすることで、人形の正面や両側面や背面などを連続的に撮影して記録することができる。
【0021】
また、1つの物体について複数の撮影動画データを生成してもよい。たとえば、ある鉛直方向に伸びる軸の周りに物体を回転させつつ撮影した第1の撮影動画データを生成する。さらに、水平方向に伸びる第1の軸の周りに物体を回転させつつ撮影して第2の撮影動画データを生成する。さらにまた、水平方向に伸び第1の軸に対して垂直な第2の軸の周りに物体を回転させつつ撮影して第3の撮影動画データを生成する。さらに、第1の撮影動画データから第1の表示用動画データを生成し、第2の撮影動画データから第2の表示用動画データを生成し、第3の撮影動画データから第3の表示用動画データを生成し、第1〜第3の表示用動画データを1つの物体に対応する表示用動画データとして記憶手段に記憶させる。このようにすることで、様々な方向から撮影した物体を表示することができ、閲覧希望者(たとえば、後述する商品閲覧者など)は、所望する方向の物体を視認することができる。1つの物体に対応させる表示用動画データの数は物体の特徴や閲覧希望者の要望などに応じて定めればよい。
【0022】
撮影動画データは、少なくとも1つのキーフレームを含む。キーフレームは、撮影動画データを構成するフレームのうち、キーとなる重要なフレームである。特に、キーフレームは、そのフレーム単独で、静止画像として物体を再生できる画像データに対応するフレームとすることが好ましい。
【0023】
また、撮影動画データは、少なくとも1つのキーフレームと少なくとも1つの非キーフレームとを含んでもよい。非キーフレームは、キーフレームとは異なるフレームである。非キーフレームは、撮影動画データを構成するフレームのうち、そのフレーム単独では、静止画像として物体を再生できない画像データに対応するフレームにすることが好ましい。たとえば、非キーフレームには、撮影動画データを圧縮するために生成されたデータ、たとえば差分データに対応するフレームなどがある。非キーフレームは、単独では、物体を静止画像として再生することはできず、キーフレームと組み合せることによって、物体を再生できるフレームである。
【0024】
<表示用動画データ>
表示用動画データは、ディスプレイなどの表示手段に表示するための動画データである。表示用動画データも動画データであるが、表示用動画データは、ディスプレイなどの表示手段に物体の動きを表示できるデータであればよい。たとえば、動画データは、物体の動きを記録した複数の静止画像データによって構成できる。具体的には、表示用動画データとして、物体の動きを連続的に記録した複数の静止画像データからなり、複数の静止画像データを所定の順番で再生できるように構成された動画データが好ましい。複数の静止画像を所定の順番で連続的に再生することで、ディスプレイなどの表示手段に物体の動きを表示できる。この表示用動画データは、静止画像データからなる場合だけなく、静止画像データと静止画像データを基準にして生成された差分データとの双方を含むデータでもよい。表示用動画データに含まれている静止画像データを用いてディスプレイなどの表示手段に物体の動きを表示できる。上述したように、表示用動画データは、ディスプレイなどの表示手段に物体の動きを表示できるデータであればよい。
【0025】
なお、後述するように、表示用動画データも、少なくとも1つのキーフレームを含む。撮影動画データと同様に、キーフレームは、表示用動画データを構成するフレームのうち、キーとなる重要なフレームである。特に、キーフレームは、そのフレーム単独で、静止画像として物体を再生できる画像データに対応するフレームとすることが好ましい。端末手段の表示手段などにおいて、キーフレームを用いることで物体を静止した態様で表示することができる。
【0026】
また、表示用動画データも、少なくとも1つのキーフレームと少なくとも1つの非キーフレームとを含むことが好ましい。非キーフレームは、表示用動画データを構成するフレームのうち、そのフレーム単独では、静止画像として物体を再生できない画像データに対応するフレームにすることが好ましい。たとえば、非キーフレームには、表示用動画データを圧縮するために生成されたデータ、たとえば差分データに対応するフレームなどがある。非キーフレームは、単独では、物体を静止画像として再生することはできず、キーフレームと組み合せることによって、物体を再生できるフレームである。
【0027】
撮影動画データは、物体の形態や物体の動きを十分かつ的確に再生できるように記録されたデータである。したがって、撮影動画データとして、フレームレートやビットレートなどを高くして撮影して保存できるものが好ましい。これに対して、表示用動画データは、表示用に生成されたデータである。表示用動画データは、表示手段などに物体を表示するために必要な情報が含まれていればよいデータである。たとえば、表示用動画データは、撮影動画データを表示手段の解像度に応じて変換して生成したデータにすることもできる。また、表示用動画データは、撮影動画データを所定の間隔ごとに間引いて生成したデータにすることもできる。さらに、たとえば、物体の形状などによって所定の方向に特徴がある場合には、表示用動画データは、所定の方向の周辺については細かく抽出し、その他の方向については粗く抽出して生成したデータにすることもできる。
【0028】
生成制御手段は、撮影動画データから表示用動画データを生成するので、カメラ等の撮影手段によって所定の物体の像を撮影すれば表示用動画データを直ちに生成できる。このため、実際の物体を模した画像が含まれる3Dデータなどのデータを撮影したデータとは別個に生成する必要がなく、ディスプレイなどの表示手段に表示するためのデータを容易かつ短時間に準備することができる。
【0029】
<<記憶手段>>
記憶手段は、生成制御手段によって生成された表示用動画データを、読み出し可能に記憶する。記憶手段は、少なくとも1つの表示用動画データを記憶する。記憶手段は、制御手段によってアクセス可能である。生成制御手段から出力された表示用動画データは、記憶手段に記憶される。また、記憶手段から読み出された表示用動画データは、送信制御手段に入力される。
【0030】
<<送信制御手段>>
送信制御手段は、端末手段から送信された要求に基づいて表示用動画データを端末手段に送信する。端末手段から送信される要求には、端末手段に表示用動画データを送信すべき指令情報が含まれている。また、端末手段から送信される要求には、表示用動画データを識別するための識別情報が含まれている。複数の表示用動画データが記憶手段に記憶されている場合には、複数の表示用動画データのうち、識別情報が示す表示用動画データを選択して、選択した表示用動画データを記憶手段から読み出すことができる。
【0031】
<生成制御手段の処理>
生成制御手段は、複数のキーフレームのうち所定の再生間隔毎にキーフレームを選択し、選択したキーフレームを選択キーフレームとして、表示用動画データに含めるようにして表示用動画データを生成する。再生間隔は、物体の特徴や閲覧希望者の要望などに応じて決定すればよい。表示用動画データには、少なくとも1つのキーフレームが含まれていればよい。
【0032】
また、表示用動画データのキーフレームに対応する静止画像のデータは、撮影動画データのキーフレームに対応する静止画像のデータと同じでもよい。たとえば、解像度や色階調などの各種のパラメータが同じデータにすることができる。このようにすることで、撮影動画データから表示用動画データを生成する処理を短時間かつ簡便にすることができる。
【0033】
一方、表示用動画データのキーフレームに対応する静止画像のデータは、撮影動画データのキーフレームに対応する静止画像のデータと異ならしめてもよい。たとえば、解像度を低くしたり色階調を少なくしたりするなどの各種のパラメータが異なるデータにすることができる。このようにすることで、表示用動画データの大きさを小さくして生成することができ、表示用動画データの取り扱いを容易にすることができる。
【0034】
生成制御手段は、複数の非キーフレームのうちの少なくとも1つの非キーフレームを減じ、残った非キーフレームを表示用動画データに含めるように表示用動画データを生成する。非キーフレームを減ずる処理は、非キーフレームの数を減らす処理とすることができる。また、非キーフレームを減ずる処理は、選択キーフレームに基づいて改めて差分データを生成する処理でもよい。さらに、非キーフレームを減ずる処理は、撮影動画データを構成する非キーフレームの全てを削除する処理でもよい。
【0035】
このように、所定の再生間隔毎にキーフレームを選択するとともに、非キーフレームを減じて表示用動画データを生成するので、表示用動画データの大きさを小さくでき、記憶手段に確保すべき記憶領域を小さくできるとともに端末手段に送信する負担を軽くできる。
【0036】
実際の物体を撮影して表示用データを生成することができるので、3Dデータを生成する必要がなく表示用データを提供することができる。また、実際の物体を撮影すればよいので、短時間にかつ簡便に表示用のデータを提供することができる。さらに、安価に準備することもできる。撮影動画データでよいので、短時間に撮影を済ませることができる。3Dデータよりも容量を小さくできるので、表示用データ提供サーバの保守や管理を容易にできる。実際の物体を撮影した撮影データを用いているので、物体の質感などを3Dデータよりも明瞭に表示することもできる。
【0037】
さらに、撮影動画データは、所定の回転軸の周りに一定の回転速度で物体を回転させつつ撮影したデータであるのが好ましい。たとえば、回転可能な台に物体を搭載し、回転可能な台の側方にカメラ等の撮影手段を設置して、台を回転させた状態で物体を撮影することによって撮影動画データを得ることができる。物体を回転させて撮影すればよいので短時間に撮影を済ませることができ、撮影動画データを簡便に得ることができる。この撮影動画データは、所定の回転角度毎にキーフレームを含むことが好ましい。特に、一定の角度毎、たとえば、1度毎にキーフレームが含まれることがより好ましい。
【0038】
さらにまた、表示用動画データは、所定の回転角度毎に選択された選択キーフレームを含むことが好ましい。上述したように、この撮影動画データには、所定の回転角度毎にキーフレームが含まれることが好ましい。このようにすることで、少なくとも所定の回転角度毎に選択キーフレームとしてキーフレームを選択して表示用動画データを生成することができる。このように、少なくとも所定の回転角度毎に選択キーフレームとしてキーフレームを選択できるので、所定の回転角度毎に物体の静止画像を表示することができる。
【0039】
<<送信制御手段の処理>>
前記送信制御手段は、前記端末手段における操作に応じて前記表示用動画データの再生を制御する操作対応制御プログラム(たとえば、制御情報など)を前記表示用動画データとともに前記端末手段に送信するものが好ましい。すなわち、送信制御手段は、表示用動画データと操作対応制御プログラムと端末手段に送信するものが好ましい。端末手段は、表示用動画データと操作対応制御プログラムとを受信する。端末手段においては、受信した操作対応制御プログラムによって、受信した表示用動画データの再生が制御される。
【0040】
送信制御手段は、操作対応制御プログラムを端末手段に送信する。操作対応制御プログラムは、端末手段における操作に応じて表示用動画データの再生を制御するためのプログラムである。端末手段において操作をする者は、たとえば、端末手段で物体を閲覧しようとする閲覧希望者など操作者である。閲覧希望者は、端末手段において、所望する物体を視認すべく、端末手段において操作する。端末手段は、閲覧希望者が操作でき、操作に応じた操作信号を出力できる操作手段を有することが好ましい。また、端末手段は、物体を表示するためのディスプレイ等の表示手段を有することが好ましい。
【0041】
端末手段は、送信制御手段から送信された操作対応制御プログラムを受信して、操作対応制御プログラムが実行できる状態にする。操作対応制御プログラムは、操作手段から出力された操作信号に応じて、表示用動画データの再生を制御する。
【0042】
端末手段は、制御手段を有するものが好ましい。制御手段は、たとえば、中央処理装置(CPU)や記憶装置(リードオンリーメモリ(ROM)やランダムアクセスメモリ(RAM))を有する。操作対応制御プログラムは、送信制御手段から端末手段に送信されて、RAMなどの記憶装置に実行可能に記憶される。中央処理装置は、記憶装置に実行可能に記憶された操作対応制御プログラムを実行し、表示用動画データの再生を制御する。
【0043】
端末手段は、表示手段を有するものが好ましい。操作対応制御プログラムの処理によって、表示用動画データが再生されて物体の画像が表示手段に表示される。物体の画像を表示手段に表示することで、閲覧希望者は所望する物体を視認することができる。
【0044】
上述したように、操作対応制御プログラムは、操作手段から出力された操作信号に応じて、表示用動画データの再生を制御する。閲覧希望者などの操作者は、所望する態様で物体を表示させるように操作手段を操作する。操作者が所望する態様は、物体の位置や角度(方向)や大きさなど、物体を静止した態様で表示するために必要な状態をいう。操作者は、所望する位置で物体が表示されるように操作手段を操作したり、所望する方向で物体が表示されるように操作手段を操作したり、所望する大きさで物体が表示されるように操作手段を操作したりする。操作対応制御プログラムは、操作手段から出力された操作信号に応じて、物体の位置や方向や大きさなどを決定し、決定した位置や方向や大きさなどとなるように表示用動画データを再生して、物体を静止した態様で表示する。
【0045】
上述したように、表示用動画データは、キーフレームと非キーフレームとを含む。キーフレームは、静止画像データに対応するフレームである。このため、表示用動画データを用いて物体の静止画像を表示する場合には、所定のキーフレームを選択して、キーフレームに対応する静止画像データを用いて表示す手段に表示することが好ましい。このように、キーフレームを選択して、対応する静止画像データを用いて表示することで、物体が静止した態様をそのまま表示することができる。操作対応制御プログラムは、操作手段から出力された操作信号に応じて物体の位置や方向や大きさなどを決定し、決定した位置や方向や大きさなどに応じたキーフレームを選択し、そのキーフレームに対応する静止画像データを用いて表示手段に表示するように制御する。
【0046】
物体の位置や方向や大きさなどの物体の各種の態様と、キーフレームとの対応関係が記憶された対応情報、たとえばインデックス情報を用いるのが好ましい。物体の位置や方向や大きさなどが決定されたときには、この対応情報を参照して、キーフレームを決定することができる。操作手段から出力された操作信号に応じてキーフレームを直ちに決定して、物体を静止した態様で表示することができる。対応情報は、表示用動画データに含まれていることが好ましい。表示用動画データを送信制御手段から端末手段に送信すれば直ちに、操作対応制御プログラムによって参照されることができる。また、対応情報は、表示用動画データと別個のデータにしてもよい。表示用動画データのサイズを小さくでき、表示用動画データの取り扱いを容易にしたり簡便にしたりできる。
【0047】
上述したように、非キーフレームは、静止画像のデータに対応したフレームではなく、たとえば、差分データなどに対応している。このため、非キーフレームが選択された場合には、そのフレームに対応したデータ単独では、物体が静止した態様の画像を表示することができない。このため、操作対応制御プログラムは、物体の位置や方向や大きさなどを決定したときには、物体の位置や方向や大きさなどに応じたキーフレームを選択するのが好ましい。
【0048】
表示用動画データは動画データであるが、操作対応制御プログラムを用いることによって、キーフレーム(選択キーフレーム)に対応する静止画像データを用いて物体を静止した態様で表示することができる。このように、表示用動画データという動画データを使用しつつ、静止した態様で表示することができ、閲覧希望者など操作者が物体を視認しやすいように物体を表示することができる。
【0049】
<<<本発明の他の実施の形態の概要>>>
本発明の他の実施の形態によれば、表示用データ提供サーバ(たとえば、後述する表示用データ提供サーバ120など)は、
物体を表示するための表示用動画データが記憶される記憶手段(たとえば、後述する記憶装置124など)と、
端末手段からの要求に基づいて前記記憶手段に記憶された表示用動画データを前記端末手段に送信する送信制御手段(たとえば、後述する通信回路126など)と、
前記端末手段に前記表示用動画データを送信したことに基づいて、前記物体の提供者への課金を発生させる課金発生手段(たとえば、後述する制御装置122など)と、を含む。
【0050】
図1に示すように、表示用データ提供サーバは、記憶手段と送信制御手段と課金発生手段とを含む。
<<記憶手段>>
【0051】
記憶手段は、表示用動画データを読み出し可能に記憶する。記憶手段は、少なくとも1つの表示用動画データを記憶する。記憶手段は、制御手段によってアクセス可能である。表示用動画データは生成制御手段によって生成されたことが好ましい。生成制御手段から出力された表示用動画データは記憶手段に記憶される。また、記憶手段から読み出された表示用動画データは、送信制御手段に入力されることが好ましい。
【0052】
<<送信制御手段>>
送信制御手段は、上述した本発明の一の実施の形態による表示用データ提供サーバの送信制御手段と同様の構成及び機能を有し、同様の処理を実行する。たとえば、送信制御手段は、端末手段から送信された要求に基づいて表示用動画データを端末手段に送信する。端末手段から送信される要求には、端末手段に表示用動画データを送信すべき指令情報が含まれている。また、端末手段から送信される要求には、表示用動画データを識別するための識別情報が含まれている。複数の表示用動画データが記憶手段に記憶されている場合には、複数の表示用動画データのうち、識別情報が示す表示用動画データを選択して、選択した表示用動画データを記憶手段から読み出すことができる。
【0053】
<<課金発生手段>>
課金発生手段は、端末手段に表示用動画データを送信したことに基づいて、物体の提供者への課金を発生させる。たとえば、課金発生手段は、表示用動画データを端末手段に送信した回数に応じた金額を課金として決定し、その金額を記憶手段に記憶させる。課金は、商品などの物体の提供者に請求される。課金発生手段は、所定のタイミングで課金に基づく請求データを生成して、商品などの物体の提供者に請求データを送信することが好ましい。請求データは、請求書の金額を示し、物体の提供者は、表示用データ提供サーバの管理者などに、請求データが示す金額を支払うことができる。したがって、端末装置において閲覧希望者など操作者が物体を閲覧するために端末手段に表示用動画データを送信した場合に、端末装置の操作者に課金されるのではなく、商品などの物体の提供者に課金される。
【0054】
商品などの物体の提供者(以下、商品提供者と称する。)は、商品などの物体の販売を目的として、表示用動画データを表示用データ提供サーバに送信可能に記憶させる。一方、端末装置において閲覧希望者など操作者(以下、商品購入予定者と称する。)は、商品などの物体の購入を目的として、表示用データ提供サーバから送信された表示用動画データを端末手段で受信し、商品などの物体を閲覧する。このようにすることで、商品提供者は、商品購入予定者に対して、商品に関する情報を提供することができ、商品購入予定者は、商品を購入するか否かを判断することができる。表示用データ提供サーバは、このような商品提供者と商品購入予定者とを仲介し、表示用動画データを送信することで商品に関する情報を商品購入予定者に提供することができる。このようにすることで、表示用データ提供サーバ(の管理者)は、表示用動画データを送信したという事実に基づいて、商品提供者に対する課金を発生させることができる。表示用動画データを送信した、たとえばダウンロードされたという事実を商品提供者に示すことで、送信(ダウンロード)に基づく課金が正当であることを商品提供者に主張できる。
【0055】
上述した本発明の他の実施の形態による表示用データ提供サーバによって、商品購入予定者の行為に基づいて商品提供者に課金するようなシステムを提供できる。このシステムは、商品購入予定者に対して商品情報を提供できる環境を商品提供者に提供する対価として、商品提供者に課金するものである。すなわち、このシステムは、商品提供者に提供する商品情報や商品情報を提供する環境などを、商品提供者に代わって管理し、商品情報を商品購入予定者に提供できるものである。商品提供者は、このシステムを使うことによって、商品提供者自らが商品情報などを管理することなく、商品提供者から商品購入予定者に商品情報を提供することができる。したがって、商品提供者への課金は、商品情報や環境などの管理費用と捉えることができる。
【0056】
また、商品提供者から商品購入予定者に商品情報が提供されるので、商品購入予定者がその商品を購入する可能性が生ずる。このシステムでは、商品購入予定者の行為に基づいて商品提供者に課金するので、いわば、商品提供者が商品購入予定者の行為を負担することになる。すなわち、商品提供者は、自己の行為ではなく他者の行為によって課金される。商品提供者にとって商品購入予定者は潜在的に顧客になりうる者ではあるが、このシステムでは、顧客になるかどうか未だ不明な時点で、商品提供者は商品購入予定者の行為によって課金される。このため、商品提供者に対して課金の客観性を担保することが好ましい。上述したように、表示用動画データを送信したことに基づいて課金を発生させるので、サーバで管理できる情報に基づいて課金を発生させることができ、課金の客観性を担保することができる。
【0057】
<<表示用データ提供システムの構成>>
図2は、表示用データ提供システムの全体の概略を示す図である。表示用データ提供システム100は、商品提供者サーバ110と表示用データ提供サーバ120と商品閲覧者端末装置130とネットワーク140とを含む。
【0058】
<商品提供者サーバ110>
商品提供者サーバ110は、主として商品提供者が管理するサーバである。商品提供者は、商品を販売することを目的として商品に関する情報及び商品を提供する者である。商品提供者は、商品に関する各種の情報を商品提供者サーバ110に記憶させている。商品提供者サーバ110は、ネットワーク140に通信可能に接続されている。商品提供者サーバ110に記憶された商品に関する各種の情報は、ネットワーク140を介してアクセスできる。商品に関する各種の情報には、商品の名称や金額など、販売に必要な情報が含まれる。なお、商品提供者サーバ110で管理されて記憶される商品に関する各種の情報には、原則、後述する表示用動画データは含まれない。
【0059】
商品提供者サーバ110は、制御装置と記憶装置と通信回路とを含む(図示せず)。制御装置は、中央処理装置(CPU)や記憶装置(リードオンリーメモリ(ROM)やランダムアクセスメモリ(RAM))を有する(図示せず)。記憶装置には、商品に関する各種の情報が記憶される。通信回路は、ネットワーク140を介して通信するための通信インターフェースを有する。制御装置による処理によって、商品に関する各種の情報が記憶装置から読み出され、通信回路を介してネットワーク140に送信される。
【0060】
<表示用データ提供サーバ120>
表示用データ提供サーバ120は、主として、表示用データ提供者が管理するサーバである。表示用データ提供者は、主として、表示用動画データを管理して商品閲覧者に提供する。表示用データ提供者は、表示用データ提供サーバ120に表示用動画データを記憶させている。表示用データ提供サーバ120は、ネットワーク140に通信可能に接続されている。表示用データ提供サーバ120に記憶された表示用動画データは、ネットワーク140を介してアクセスできる。
【0061】
表示用データ提供サーバ120は、制御装置122と記憶装置124と通信回路126とを含む。
【0062】
制御装置122は、中央処理装置(CPU)や記憶装置(リードオンリーメモリ(ROM)やランダムアクセスメモリ(RAM))を有する。CPUは、記憶装置124にデータを書き込んだり記憶装置124からデータを読み出したりする処理や、通信回路126を介した送受信処理などの各種の処理を実行する。ROMは、CPUで必要になる各種のプログラムや定数などを記憶する。RAMは、各種のプログラムを実行可能に記憶したり、各種のプログラムで必要になる変数の値などを記憶したりする。
【0063】
制御装置122は、撮影動画データから表示用動画データを生成する。特に、複数のキーフレームのうち所定の再生間隔毎に選択された選択キーフレームを含むように表示用動画データを生成する。具体的には、制御装置122は、後述する図5に示すフローチャートに従ったプログラムを実行する。
【0064】
また、制御装置122は、商品閲覧者端末装置130における操作に応じて表示用動画データの再生を制御する操作対応制御プログラムを表示用動画データとともに商品閲覧者端末装置130に送信する。
【0065】
さらに、表示用動画データを送信したことに基づいて、商品提供者への課金を発生させて課金データを記憶する。具体的には、制御装置122は、後述する図6に示すフローチャートに従ったプログラムを実行する。
【0066】
記憶装置124は、たとえば、ハードディスクドライブやDVDドライブなどの記憶媒体からなる。記憶装置124は、主に、生成された表示用動画データを記憶する。また、商品提供者サーバ110から撮影動画データが送信された場合には、記憶装置124は撮影動画データを記憶してもよい。撮影動画データも記憶することによって表示用動画データを生成する処理を迅速に進めることができる。
【0067】
通信回路126は、ネットワーク140を介して通信するための通信インターフェースを有する。通信回路126は、商品閲覧者端末装置130から送信された送信要求を受信する。また、通信回路126は、送信要求に応じて表示用動画データを商品閲覧者端末装置130に送信する。さらに、通信回路126は、商品提供者サーバ110から送信された撮影動画データを受信してもよい。
【0068】
上述したように、表示用データ提供サーバ120は、主として、表示用データ提供者によって管理されるが、商品提供者が表示用データ提供サーバ120を管理してもよい。
【0069】
<商品閲覧者端末装置130>
商品閲覧者端末装置130は、主として、商品閲覧者が所有したり使用したりする端末装置である。たとえば、パーソナルコンピュータや携帯電話などの携帯端末などがある。商品閲覧者は、主として、商品の購入を目的として、商品に関する各種の情報の知得を希望する者である。以下では、商品閲覧者を商品購入予定者と称する場合もある。
【0070】
商品閲覧者端末装置130は、キーボード(タッチパネル)132とディスプレイ134と制御装置136と通信回路138とを含む。
【0071】
キーボード(タッチパネル)132は、商品閲覧者が操作でき、商品閲覧者の操作に応じて操作信号を出力する。キーボード(タッチパネル)132には、制御装置136が電気的に接続されている。キーボード(タッチパネル)132から出力された操作信号は、制御装置136に入力される。制御装置136は、通信回路138を介して操作信号に応じた情報をネットワーク140に出力し、商品提供者サーバ110や表示用データ提供サーバ120から必要な情報を受信する。キーボード(タッチパネル)132が操作手段に対応する。
【0072】
ディスプレイ134は、制御装置136が電気的に接続されている。制御装置136からは、通信回路138を介して受信した各種の情報を示す表示制御信号が出力されて、ディスプレイ134に入力される。この表示制御信号によって、ディスプレイ134には、商品の名称や金額や商品の画像などの商品に関する各種の情報が表示される。商品閲覧者は、ディスプレイ134に表示された商品に関する各種の情報を視認することで、所望する情報を知得することができる。ディスプレイ134が表示手段に対応する。
【0073】
制御装置136は、中央処理装置(CPU)や記憶装置(リードオンリーメモリ(ROM)やランダムアクセスメモリ(RAM))を有する。CPUは、入力された操作信号に応じた処理や、表示制御信号を出力する処理や、通信回路138を介した送受信処理などの各種の処理を実行する。ROMは、CPUで必要になる各種のプログラムや定数などを記憶する。RAMは、各種のプログラムを実行可能に記憶したり、各種のプログラムで必要になる変数の値などを記憶したりする。
【0074】
特に、制御情報が、表示用データ提供サーバ120から送信されて、RAMに記憶装置に実行可能に記憶される。CPUは、RAMに記憶された制御情を実行して、表示用動画データの再生を制御する。制御情報が、操作対応制御プログラムに対応する。
【0075】
商品閲覧者端末装置130において、商品閲覧者は、キーボード(タッチパネル)132を操作して、商品提供者サーバ110にアクセスする。商品提供者サーバ110には、商品に関する各種の情報が記憶されているので、商品提供者サーバ110から商品閲覧者端末装置130に商品に関する各種の情報が送信される。ディスプレイ134には、商品提供者サーバ110から送信された商品に関する各種の情報が表示される。
【0076】
商品閲覧者は、所望する商品を発見したときには、その商品の各種の態様の画像をディスプレイ134に表示させるために、キーボード(タッチパネル)132を操作する。商品閲覧者端末装置130は、この操作に応じて、ネットワーク140を介して表示用データ提供サーバ120にアクセスする。表示用データ提供サーバ120は、商品閲覧者が所望する商品に対応する表示用動画データと制御情報とを商品閲覧者端末装置130に送信する。上述したように、制御情報は、CPUによって実行されて、ディスプレイ134における表示用動画データの表示を制御する。
【0077】
<ネットワーク140>
ネットワーク140は、商品提供者サーバ110と表示用データ提供サーバ120と商品閲覧者端末装置130とを通信可能に接続する通信回線である。たとえば、インターネットなどのネットワークがある。
【0078】
<<撮影動画データ生成システム>>
図3は、撮影動画データを生成するためのシステムを示す概略図である。
【0079】
撮影動画データ生成システムは、商品搭載台200とカメラ210と記録装置220とを含む。
【0080】
商品搭載台200は、上側に商品搭載面202を有する。商品搭載台200は、モータなどの駆動装置(図示せず)を有し、回転可能に構成されている。商品搭載面202には、商品230が搭載される。商品搭載台200は、所定の方向に所定の回転速度で回転されるように制御される。商品230が搭載された商品搭載台200を回転させることによって、商品230を所定の方向に所定の回転速度で回転させることができる。
【0081】
カメラ210は、商品搭載台200の側方に設置されている。カメラ210は、商品搭載台200に搭載されて所定の方向に所定の回転速度で回転している商品230を撮影することができる。カメラ210は、商品230を撮影した撮影信号を出力する。撮影信号は、記録装置220に入力される。記録装置220において、撮影信号はデータ化されて撮影動画データが生成される。このようにして、カメラ210によって商品230を動的に撮影し記録装置220に記憶させることにより撮影動画データを生成することができる。
【0082】
このようにして生成される撮影動画データには、非キーフレームが含まれるように生成しても、非キーフレームが含まれないように生成してもよい。非キーフレームが含まれるように撮影動画データを生成した場合には、隣り合うキーフレームの間に非キーフレームが含まれる(図7(a−2)参照)。また、非キーフレームが含まれないように撮影動画データを生成した場合には、複数のキーフレームが連続して配置される(図7(a−1)参照)。
【0083】
また、商品搭載台200は、モータなどの駆動装置にロータリーエンコーダ204を設けて回転角度情報を記録装置220に出力してもよい。このようにすることで、回転角度とキーフレームとの関係を明確に関連づけた関連情報を含む撮影動画データを生成することができる。また、関連情報は、撮影動画データとは別個に生成して記憶させてもよい。別個にした場合には、関連情報を参照しつつ撮影動画データを読み出すことで表示用動画データを生成することができる。
【0084】
なお、商品搭載台200に搭載できない商品の場合には、撮影で写りにくい材質で形成された回転軸を設けて、その回転軸の周りに商品を回転させて商品を撮影して撮影動画データを生成してもよい。
【0085】
また、商品によって、その形状などの外観に応じて、1つの軸回りの撮影動画データだけでなく、他の軸回りの撮影動画データを生成し、その各々について表示用動画データを生成してもよい。
【0086】
<<表示用データ提供システムにおける処理手順>>
図4は、表示用データ提供システムの処理の手順をフローチャートである。このフローチャートは、表示用データ提供システムにおける手順の全体の概略を示すものである。
【0087】
最初に、図3に示した撮影動画データ生成システムによって、撮影動画データを生成する(ステップS411)。上述したように、商品搭載台200に搭載されて所定の方向に所定の回転速度で回転している商品230をカメラ210によって撮影し、記録装置220で撮影動画データが生成される。
【0088】
この処理は、主に、商品提供者によって実行される処理である。なお、商品提供者がこのような処理を実行するのに負担がかかる場合には、表示用データ提供者が代わりに処理してもよい。
【0089】
以下に示すステップS413以降の処理は、撮影動画データから表示用動画データを生成して送信可能に状態にするものである。したがって、ステップS413以降の処理は、主に、表示用データ提供者が処理する。なお、撮影動画データから表示用動画データを生成する処理(ステップS413〜S419)は、商品提供者自らが処理してもよい。
【0090】
次に、キーフレームの選択条件を決定する(ステップS413)。たとえば、商品230を商品搭載台200に搭載して360度に亘って商品230を撮影して撮影動画データを生成した場合には、所定の角度ごと、1度ごとにキーフレームを選択するという条件を決定する。このように、設定したときには、1度ごとに商品230の静止画像を360フレーム分について表示することができる。なお、所定の角度は、1度に限られず、他の角度でもよい。また、一定の角度ではなく、粗い角度間隔と細かい角度間隔とが混在するようにキーフレームを選択してもよい。キーフレームの選択条件は、物体の特徴や商品閲覧者の要望などに応じて決定すればよい。
【0091】
さらに、キーフレームの選択条件は、角度だけでなく、所定の距離ごとや、所定の座標ごとでもよい。商品230を撮影したときの撮影条件や商品230の形態などに応じて決定すればよい。
【0092】
次に、ステップS413で決定した選択条件を満たすキーフレームを撮影動画データから抽出する(ステップS415)。たとえば、所定の角度ごとにキーフレームを抽出する。この処理は、選択条件を満たすキーフレームに対応する画像データ自体を抽出してRAMなど記憶装置に記憶するようにしてもよい。この画像データは、キーフレームに対応するものであり、静止画像として物体を再生できる画像データ(静止画像データ)である。また、選択条件を満たすキーフレームを示すフレーム番号のみをRAMなど記憶装置に記憶するようにしてもよい。
【0093】
次に、ステップS415の処理で抽出したキーフレームを用いて表示用動画データを生成する(ステップS417)。画像データ自体を抽出した場合には、その画像データによって表示用動画データを直接生成することができる。また、フレーム番号のみ抽出した場合には、そのフレーム番号に対応する画像データを撮影動画データから読み取り、読み取った画像データによって表示用動画データを生成することができる。なお、表示用動画データを生成する際に、非キーフレームが含まれるように生成しても、非キーフレームが含まれないように生成してもよい。非キーフレームが含まれるように表示用動画データを生成した場合には、隣り合うキーフレームの間に非キーフレームが含まれる(図7(b−1)参照)。また、非キーフレームが含まれないように表示用動画データを生成した場合には、複数のキーフレームが連続して配置される(図7(b−2)参照)。
【0094】
次に、ステップS417で生成した表示用動画データに対する制御情報を生成する(ステップS419)。この制御情報には、たとえば、商品閲覧者端末装置130における操作に応じて表示用動画データの表示を制御するためのプログラムが含まれる。商品閲覧者端末装置130において、この制御情報を読み出して実行することによって、表示用動画データを構成する全てのフレームのうち、操作に応じたキーフレームを選択して、選択したキーフレームに対応する静止画像のデータを表示することができる。
【0095】
また、上述したように、物体の位置や方向や大きさなどの物体の各種の態様と、キーフレームとの対応関係が記憶された対応情報、たとえばインデックス情報を用いるのが好ましい。制御情報は、対応情報を参照して表示用動画データを読み出すことによって、操作に応じたキーフレームを迅速に選択して、静止画像のデータを表示することができる。たとえば、表示用動画データに非キーフレームが含まれる場合には、対応情報を参照することによって、非キーフレームを飛ばして、キーフレームのみにアクセスして静止画像のデータを表示することができる。また、表示用動画データに非キーフレームが含まれていない場合であっても、対応情報を参照することによって、目的とするキーフレームに直ちにアクセスして静止画像のデータを迅速に表示することができる。
【0096】
次に、生成した表示用動画データを、商品閲覧者端末装置130からアクセス可能に表示用データ提供サーバ120の記憶装置124に記憶させる(ステップS421)。
【0097】
次に、表示用データ提供サーバ120は、所定のタイミングで、商品閲覧者端末装置130から送信された送信要求を受信する(ステップS423)。この送信要求は、商品閲覧者の操作に応じてキーボード(タッチパネル)132から出力された操作信号に応じた情報であり、商品閲覧者端末装置130から表示用データ提供サーバ120に通信回路138を介して送信された情報である。送信要求には、端末手段に表示用動画データを送信すべき指令情報が含まれている。また、送信要求には、表示用動画データを識別するための識別情報が含まれている。1つの商品について1つの表示用動画データのみが生成されている場合には、識別情報は、商品を識別情報としてもよい。また、1つの商品について複数の表示用動画データを生成している場合もある。上述したように、複数の軸回りに商品を回転させて撮影した場合には、複数の軸の各々について表示用動画データを生成している。この場合には、識別情報には、商品を識別する情報だけでなく、1つの表示用動画データを識別するための情報も含まれている。このようにすることで、1つの識別情報によって1つの表示用動画データを指定することができる。
【0098】
次に、表示用データ提供サーバ120は、ステップS423で受信した送信要求に応じて、表示用動画データと制御情報とを商品閲覧者端末装置130に送信する(ステップS425)。
【0099】
次に、商品閲覧者端末装置130に表示用動画データを送信した回数を記憶する(ステップS427)。
【0100】
次に、表示用動画データを送信した回数に基づいて課金データを生成する(ステップS429)。たとえば、表示用動画データを送信した回数が多くなるにしたがって金額が高くなるように課金データを生成する。また、課金データには、表示用動画データを送信した回数が含まれている。なお、1つの商品について複数の表示用動画データを生成している場合には、表示用動画データ毎に課金するようにするのが好ましい。同じ商品であっても、異なる情報を提供することができるので、別個に課金することができる。たとえば、1つの商品について複数の軸回りに商品を回転させて撮影した場合には、複数の軸の各々について表示用動画データを生成している。この場合には、第1の表示用動画データを送信したときには第1の課金をし、第2の表示用動画データを送信したときには第2の課金をする。このようにすることで、異なる表示用動画データごとに課金を発生させることができる。
【0101】
次に、生成した課金データを商品提供者サーバ110に送信する(ステップS431)。商品提供者は、課金データによって表示用動画データを送信した回数と金額とを知得することができる。
【0102】
<<表示用動画データ生成処理>>
図5は、表示用動画データを生成する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、主に、表示用データ提供サーバ120において実行される。なお、表示用データ提供サーバ120とは別のコンピュータなどの制御装置によって実行されてもよい。この場合には、表示用動画データを別の制御装置で生成した後、その表示用動画データを表示用データ提供サーバ120に記憶させればよい。
【0103】
最初に、表示用データ提供サーバ120のCPUは、キーフレームの選択条件を決定する(ステップS511)。この処理は、図4のステップS413の処理に対応する処理である。たとえば、表示用データ提供サーバ120の管理者の操作によって選択条件が入力されて選択条件を決定できる。
【0104】
ステップS511によって、所定の角度ごと、たとえば、1度ごとにキーフレームを選択するという条件が決定される。このように設定して表示用動画データを生成した場合には、表示用動画データによって1度ごとに物体の静止画像を表示することができる。なお、所定の角度は、1度に限られず、他の角度でもよい。また、一定の角度ではなく、粗い角度間隔と細かい角度間隔とが混在するようにキーフレームを選択してもよい。キーフレームの選択条件は、物体の特徴や商品閲覧者の要望などに応じて表示用データ提供サーバ120の管理者が入力すればよい。
【0105】
次に、表示用データ提供サーバ120のCPUは、撮影動画データのフレームを読み出し(ステップS513)、ステップS511で決定した選択条件を満たすキーフレームであるか否かを判断する(ステップS515)。この処理は、図4のステップS415の処理に対応する処理である。
【0106】
表示用データ提供サーバ120のCPUは、ステップS511で決定した選択条件を満たすキーフレームであると判別したときには(YES)、選択条件を満たすキーフレームに対応する画像データを撮影動画データから抽出する(ステップS517)。この処理も、図4のステップS415の処理に対応する処理である。
【0107】
表示用データ提供サーバ120のCPUは、ステップS515の判断処理で選択条件を満たすキーフレームでないと判別したとき(NO)、又はステップS517の処理を実行したときには、前回選択条件を満たしたキーフレームから今回選択条件を満たしたキーフレームまでの画像データを圧縮して、非キーフレームに対応する画像データを生成する(ステップS519)。たとえば、差分データを生成して、非キーフレームに対応する画像データとする。
【0108】
次に、表示用データ提供サーバ120のCPUは、抽出したキーフレームに対応する画像データと非キーフレームに対応する画像データとから表示用動画データを生成する(ステップS521)。この処理は、図4のステップS417の処理に対応する処理である。
【0109】
次に、表示用データ提供サーバ120のCPUは、撮影動画データのフレームを全て読み出したか否かを判断する(ステップS523)。表示用データ提供サーバ120のCPUは、撮影動画データのフレームを全て読み出していないと判別したときには(NO)、ステップS513に処理を戻す。一方、表示用データ提供サーバ120のCPUは、撮影動画データのフレームを全て読み出したと判別したときには(YES)、本サブルーチンを終了する。
【0110】
なお、上述したように、表示用データ提供サーバ120のCPUは、表示用動画データを生成した後、表示用動画データに対する制御情報も生成する(図4のステップS419の処理参照)。
【0111】
また、この表示用動画データの生成処理では、非キーフレームが含まれるように表示用動画データを生成しても(図7(b−1)参照)、非キーフレームが含まれないように表示用動画データを生成しもよい(図7(b−2)参照)。非キーフレームが含まれるように表示用動画データを生成した場合には、隣り合うキーフレーム(図7(b−1)の斜線の領域1、6、11、・・・、n、n+5、n+10等)の間に非キーフレーム(図7(b−1)の白い領域)が含まれる。また、非キーフレームが含まれないように表示用動画データを生成した場合には、複数のキーフレーム(図7(b−2)の斜線の領域1、6、11、・・・、n、n+5、n+10等)が連続して配置される。
【0112】
この図7(b−1)及び(b−2)に示した数値は、撮影動画データのキーフレームの番号を示す。表示用動画データの生成処理によって、撮影動画データのキーフレーム(図7(a−1)及び(a−2))のうち、番号1、6、11、・・・、n、n+5、n+10のキーフレームが選択されて、撮影動画データから表示用動画データが生成される。図7(a−1)は、複数のキーフレームが連続して配置されて生成された撮影動画データであり、図7(a−2)は、隣り合うキーフレームの間に非キーフレームが含まれるように生成された撮影動画データである。
【0113】
<<表示用動画データ送信処理>>
図6は、表示用データを商品閲覧者端末装置130に送信する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。このサブルーチンは、表示用データ提供サーバ120において実行される。図5に示した表示用動画データ生成処理によって生成された表示用動画データが表示用データ提供サーバ120に予め記憶されているものとする。
【0114】
表示用データ提供サーバ120のCPUは、商品閲覧者端末装置130からの送信要求を受信したか否かを判断する(ステップS611)。このステップS611の処理は、図4のステップS423に対応する。表示用データ提供サーバ120のCPUは、商品閲覧者端末装置130からの送信要求を受信していないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを直ちに終了する。
【0115】
一方、ステップS611の判断処理で、表示用データ提供サーバ120のCPUは、商品閲覧者端末装置130からの送信要求を受信したと判別したときには(YES)、送信要求に含まれている識別情報に対応する表示用動画データと制御情報とを商品閲覧者端末装置130に送信する(ステップS613)。送信要求には、表示用動画データを識別するための識別情報が含まれている。複数の表示用動画データが表示用データ提供サーバ120に記憶されている場合には、複数の表示用動画データのうち、識別情報が示す表示用動画データを選択して、選択した表示用動画データを表示用データ提供サーバ120から商品閲覧者端末装置130に送信することができる。このステップS613の処理は、図4のステップS423に対応する。
【0116】
次に、表示用データ提供サーバ120のCPUは、表示用動画データを商品閲覧者端末装置130に送信した送信回数を計数し(ステップS615)、計数した送信回数から課金データを生成する(ステップS617)。1つの商品について複数の表示用動画データを生成している場合には、表示用動画データ毎に送信回数を計数する。このようにすることで、表示用動画データ毎に課金することができる。このステップS617の処理は、図4のステップS429に対応する。
【0117】
次に、表示用データ提供サーバ120のCPUは、識別情報に対応付けて送信回数と課金データとを記憶し(ステップS619)、本サブルーチンを終了する。このステップS619の処理は、図4のステップS427に対応する。
【0118】
このように、表示用動画データを送信した回数によって課金を発生させるので、表示用データ提供サーバ120で管理できる事実に基づいて課金の金額が決定され、商品提供者に対して課金の客観性を担保することができる。なお、課金を発生されるための事実は、表示用動画データを送信した回数に限られず、表示用データ提供サーバ120で実行した処理など、表示用データ提供サーバ120で発生する事実であって、数値化などによって管理できる事実であればよい。
【0119】
このようにして生成された課金データは、商品提供者に請求される請求書のデータに利用される。また、送信回数と課金データとを所定のタイミングで商品提供者に送信して送信回数や請求金額を商品提供者に報知できる。
【符号の説明】
【0120】
100 表示用データ提供システム
110 商品提供者サーバ
120 表示用データ提供サーバ
130 商品閲覧者端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が撮影された撮影動画データから表示用動画データを生成する生成制御手段と、
生成された表示用動画データが記憶される記憶手段と、
端末手段からの要求に基づいて前記記憶手段に記憶された表示用動画データを前記端末手段に送信する送信制御手段と、を備え、
前記撮影動画データは、前記物体を動かしつつ撮影された撮影動画データであって、複数のキーフレームを含み、
前記生成制御手段は、前記複数のキーフレームのうち所定の再生間隔毎に選択された選択キーフレームを含めて前記表示用動画データを生成する表示用データ提供サーバ。
【請求項2】
前記撮影動画データは、前記複数のキーフレームと前記キーフレームとは異なる複数の非キーフレームとを含み、
前記生成制御手段は、前記複数のキーフレームのうち所定の再生間隔毎に選択された選択キーフレームを含めかつ前記複数の非キーフレームを減じて前記表示用動画データを生成する請求項1に記載の表示用データ提供サーバ。
【請求項3】
前記撮影動画データは、所定の回転軸の周りに一定の回転速度で前記物体を回転させつつ前記物体を撮影したデータであり、
前記表示用動画データは、所定の回転角度毎に選択された選択キーフレームを含む請求項1に記載の表示用データ提供サーバ。
【請求項4】
前記送信制御手段は、前記端末手段における操作に応じて前記表示用動画データの再生を制御する操作対応制御プログラムを前記表示用動画データとともに前記端末手段に送信する請求項1に記載の表示用データ提供サーバ。
【請求項5】
物体を表示するための表示用動画データが記憶される記憶手段と、
端末手段からの要求に基づいて前記記憶手段に記憶された表示用動画データを前記端末手段に送信する送信制御手段と、
前記端末手段に前記表示用動画データを送信したことに基づいて、前記物体の提供者への課金を発生させる課金発生手段と、を備える表示用データ提供サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−124745(P2012−124745A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−274463(P2010−274463)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(510239484)株式会社シービスケット (1)
【Fターム(参考)】