説明

表示用駆動回路

【課題】メモリ前段バックライト制御部構成において,更新データと更新されないデータの伸長率が異なることによる画質劣化を回避することができる表示用駆動回路を提供する。
【解決手段】液晶ドライバにおいて、バックライト制御部105の処理の内、伸長率に従ったデータ伸長処理のみ、メモリ後段で行う。またWindow表示に切り替る時には、Window表示前の全体画面表示時の伸長率(全体の伸長率)を格納しておき、Window内部の伸長率と全体の伸長率とを比較して、伸長率を決定する。この時のデータ伸長率は、Windowの面積、もしくはWindow表示映像によって選択を切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示用駆動回路の技術に関し、特に、グラフィックメモリを搭載した表示装置のバックライト制御に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の携帯電話等のモバイル機器では、透過型、半透過型の液晶ディスプレイが主に採用され、液晶ディスプレイ部分のバックライト用電力がモジュール全体のそれの大半を占めている。このため、バックライト電力を削減する工夫が必要とされている。
【0003】
バックライトの電力削減の工夫の一つとして、特許文献1に示されている方法などがある。本特許文献は、バックライト輝度を低下させた分、画像データを伸張させることで、画像の変化を少なくして、低電力化を図る方法に関して記してある。
【0004】
本特許文献のバックライト制御方法に関して、図10を用いて簡単に説明する。通常、バックライト制御を行わない場合は、入力データと出力データの関係は1002の様な関係であり、出力データと輝度の関係(ガンマ特性)は1003の様な関係である。ここで、表示画像の1フレーム分のヒストグラム1001から、最大階調を算出し、入力データの伸長率を伸長する。その結果、入力データと出力データの関係は1004の様な関係となり、出力データと輝度の関係は1005の様な関係となる。そして、データを伸長した分バックライト輝度を適切に下げて、出力データと輝度の関係は1007の様な関係となる。ここで、伸長率の算出方法として、上位N番目の階調を算出する方法がある。この場合、上位階調は色つぶれが発生するがつぶれ量が少ないために、画質は問題なく、また低電力化の効果が大きいため、採用されている。
【特許文献1】特開平11−65531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、グラフィックメモリを搭載した液晶ドライバでは、データ通信回数を減らすことにより低電力化を図るために、CPU−I/Fを用いて表示画面のうち更新されるデータのみをCPUから転送されている。ここで、CPU−I/Fではレジスタ設定により、グラフィックメモリ上のアドレス空間の更新アドレス場所を指定することが可能である。更新データのみを更新する場合には、図9に示すようにWindowアドレスの開始点(水平開始アドレス(HSA)901、垂直開始アドレス(VSA)902)と終了点(水平終了アドレス(HEA)903、垂直終了アドレス(VEA)904)を決定する。その後、CPU−I/Fから転送されるデータは、Window内部のデータとして認識されて、Window内部データが随時更新される。
【0006】
バックライト制御部は、グラフィックメモリの前段と後段で処理する場合が考えられる。メモリ後段で処理する場合に、グラフィックメモリからライン単位で出力されているデータを、一旦パラレル−シリアル変換してからバックライト制御を行う必要があり、回路規模が増加する。よって、同等のバックライト制御部を構成したとしても、コストメリットを考慮すると、グラフィックメモリの前段で処理をする方が好ましい。
【0007】
グラフィックメモリの前段でバックライト処理を行う構成において、画面の一部のデータのみを更新するWindow表示を行う場合には、Windowの外部データは、常時処理を行わないので、グラフィックメモリ内部に格納されているWindow内部と外部のデータは、伸長率が異なってしまう。一方、バックライト輝度はWindow内部データの伸長率に従って輝度の低減率が変化するので、Window外部のデータは輝度変化によりフリッカ要素となる画質劣化が発生することが考えられる。例えば、Window画面が小さくWindow外部データ箇所が表示画面の大部分を占めている場合には、Window内部データに合わせてバックライト輝度を変化させると、画面全体ではフリッカとして見える可能性がある。また、別の画質劣化要因として、Window外部がWindow内部と比べ伸長率が低い場合には、Window外部の色つぶれ量が大きくなってしまうことが考えられる。
【0008】
そこで、本発明の目的は、メモリ前段バックライト制御部構成において、更新データと更新されないデータの伸長率が異なることによる画質劣化を回避することができる表示用駆動回路を提供することにある。
【0009】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0011】
本発明は、バックライト制御部の処理の内、伸長率に従ったデータ伸長処理のみ、メモリ後段で行う。またWindow表示に切り替る時には、Window表示前の全体画面表示時の伸長率を格納しておき(以下“全体の伸長率”と呼ぶ)、Window内部の伸長率と全体の伸長率とを比較して、伸長率を決定する。この時のデータ伸長率は、Windowの面積、もしくはWindow表示映像によって選択を切り替える。
【発明の効果】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0013】
本発明によれば、メモリとバックライト制御部の構成位置に係わらず、低電力化と画質劣化の回避を両立可能とし、バックライト制御技術の汎用性を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【実施例1】
【0015】
第1の実施の形態は、バックライト制御部をメモリ前段構成として、データ伸長処理はメモリ後段の階調電圧生成部におけるガンマ調整機能を用いて行い、また伸長率は全体の伸長率とWindowの伸長率から選択され、選択方法はWindow画面の面積とWindowの伸長率によって決定することを特徴とする。また、Window画面が設定閾値より小さい場合、もしくはWindow画面が設定閾値よりも大きく且つ全体の伸長率データよりもWindowの伸長率が大きい場合には全体の伸長率を選択し、全体の伸長率データよりもWindowの伸長率が小さい場合にはWindowの伸長率を選択することを特徴とする。
【0016】
本発明の第1の実施の形態を、図1、図2、図3、図4、図5、図6を用いて説明する。
【0017】
本発明のシステム構成に関して、図1を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態における液晶ドライバ及び周辺回路を含めた表示装置を示す図である。
【0018】
図中、101は表示用駆動回路である液晶ドライバ本体を表す。102から108までは液晶ドライバ101の内部ブロックを表している。液晶ドライバ101の周辺回路には制御プロセッサ112とパネルモジュール109が配置される。
【0019】
始めに、液晶ドライバ101の内部ブロックに関して説明する。液晶ドライバ101は、システムインターフェース102、コントロールレジスタ103、タイミング生成部104、バックライト制御部105、グラフィックRAM106、階調電圧生成部107、デコーダ108などから構成される。
【0020】
システムインターフェース102は、液晶ドライバ101の外部に配置する制御プロセッサ112とのデータ通信を行う。システムインターフェース102では、表示データや液晶ドライバの各所をコントロールするコントロールレジスタ103への書き込みデータなどをドライバ外部から内部ブロックへ受け渡しを行う。ここで、コントロールレジスタ103は液晶ドライバ各所のコントロールを行うレジスタの集合である。またコントロールレジスタ103には、前記図9に関して説明したWindowアドレスの開始点(水平開始アドレス(HSA)901、垂直開始アドレス(VSA)902)と終了点(水平終了アドレス(HEA)903、垂直終了アドレス(VEA)904)に関しても、レジスタ設定されている。
【0021】
タイミング生成部104は、コントロールレジスタ103の内容を元に、液晶ドライバ全体の動作タイミングを生成している。バックライト制御部105は、本発明のポイントとなる箇所である。バックライト制御部105では、システムインターフェース102から送信された表示データを基に、階調電圧生成部107用ガンマ調整レジスタ信号と、バックライトモジュール110用バックライト制御信号を生成して各ブロック(階調電圧生成部107、バックライトモジュール110)へ送信する。表示データに関しては、伸長処理等は行わずにグラフィックRAM106へ送信する。本ブロック内部の詳細回路構成及び動作に関しては図2で説明する。
【0022】
グラフィックRAM106では、バックライト制御部105から転送される表示データを格納する。デコーダ108は、グラフィックRAM106から転送された表示データに基づき、階調電圧生成部107で生成された階調電圧の中から1レベルの階調電圧を選択する。前記階調電圧は、液晶パネルの水平画素分だけ生成され、各水平画素に接続されたソース線へと出力される。
【0023】
また、液晶ドライバ101の外部において、液晶ドライバ101で駆動するパネルモジュール109は、バックライトモジュール110と液晶パネル111に分かれる。液晶パネル111は前記階調電圧を受けて、各水平画素に所望の電圧を印加する。バックライトモジュール110は、バックライト制御部105で生成されたバックライト制御信号によりバックライト輝度を制御する。
【0024】
液晶ドライバ101では、その他に、液晶パネル111の駆動に使用される液晶ゲート信号及びコモン信号を生成するための回路が構成されているが、本実施の形態を説明する上で特に重要ではないため、詳細な説明は省く。
【0025】
次に、液晶ドライバ101の動作について説明する。尚、ここでは表示データを256階調のRGB表示データとする。システムインターフェース102を介して、外部から256階調のRGB表示データを取り込み、バックライト制御部105に送信する。バックライト制御部105では、RGB表示データに対し画像処理を行わずにグラフィックRAM106へ送信し、グラフィックRAM106に格納する。タイミング生成部104ではグラフィックRAM106の書き込みタイミング、読み出しタイミングを生成する。グラフィックRAM106から読み出したRGB表示データはデコーダ108へ送信する。デコーダ108では、RGB表示データに基づき階調電圧生成部107で生成した256レベルの階調電圧から1レベルを選択し液晶パネル111へ出力する。前記階調電圧は、液晶パネル111の水平画素分だけ生成され、液晶パネル111の各ソース線から各画素へ所望の階調電圧を印加する。また、水平画素数分の上記階調電圧と共に、タイミング生成部104で生成した液晶ゲート信号、コモン信号も同時に液晶パネル111へ出力する。
【0026】
一方、上記RGB表示データ処理と並行して、バックライト制御部105ではRGB表示データを伸長するために、階調電圧生成部107の調整レジスタ信号を生成して階調電圧生成部107へ送信する。ここで階調電圧生成部107は液晶パネル特性に合わせて階調電圧を設定するためのレジスタ調整があり、これらのレジスタ設定はコントロールレジスタ103とバックライト制御部105で生成された調整レジスタ信号によって設定される。階調電圧生成部107の回路構成、動作、及び各調整レジスタ設定の機能に関しては、図4の説明において後述する。また伸長したRGB表示データに対応してバックライト輝度率を低くするバックライト制御信号も同時に生成して、バックライトモジュール110に送信する。
【0027】
ここで、バックライト制御信号として、PWM制御を行うことを例に挙げる。PWM制御はバックライト制御の方法の1つであり、1端子のPWM信号の“High幅”と“Low幅”の比率を変化させることでバックライト輝度を制御するパルス幅変動制御である。例えば、PWMの1周期を255分割して、“High幅”を255分の255とした場合には、PWM信号はHigh固定が出力され、バックライト輝度は最高輝度となる。一方、“High幅”を255分の0とした場合には、PWM信号はLow固定が出力され、バックライト輝度は最小輝度となる。また“High幅”を255分の100とした場合には、PWM信号のHigh幅率は、PWM周期の255分の100となり、PWM周期の内、約40%がHigh幅率となり、これに対応したバックライト輝度となる。以上の方法により、バックライト輝度が制御される。
【0028】
以上の動作により、パネルモジュール109に必要な階調電圧とバックライト制御信号であるPWM信号、及び液晶ゲート信号、コモン信号が生成される。
【0029】
前記PWM信号はバックライトモジュール110へ入力する。バックライトモジュール110はPWM信号に対応したバックライト電圧を生成しバックライトを点灯する。点灯したバックライトは液晶パネル111を照らし、これにより表示を見ることができる。
【0030】
また制御プロセッサ112から、バックライトの点灯、消灯を行う場合、システムインターフェース102を介し、コントロールレジスタ103にその情報が書き込まれ、これがバックライト制御部105に伝えられPWM信号は、点灯、消灯の電圧を生成し、これによりPWM信号を“High”状態、もしくは“Low”状態に固定とすることで、バックライトモジュール110を点灯、消灯する。この動作は、バックライト制御部105が生成するバックライト電源の電圧を制御する信号より優先する。
【0031】
次に、図2でバックライト制御部105内のブロック構成と動作について説明する。バックライト制御部105は、ヒストグラム計数部201、伸長率算出部202、画面全体の伸長率格納部203、Window面積判定部204、伸長率判定部205、バックライト輝度率選択部206、階調電圧生成部調整レジスタ選択部207などから構成される。
【0032】
ヒストグラム計数部201は、RGB表示データを計数しヒストグラムを作成する。このヒストグラムから伸長率算出部202で伸長率を算出する。伸長率算出部202で算出した伸長率は、Windowモード開始信号がアクティブな場合、つまりWindow表示の場合には、画面全体の伸長率格納部203にコピーして格納される。ここで、前記Windowモード開始信号は、前記制御プロセッサ112からWindow表示開始コマンドが発行した場合に、前記コントロールレジスタ103で生成されるものである。画面全体の伸長率格納部203に格納された伸長率は、次のWindowモード開始信号が入力されるまで、保持し続ける。
【0033】
ここで、伸長率算出部202の伸長率算出方法について説明する。まず伸長率を算出するにあたり、ヒストグラムデータのスレッショルド値をレジスタ設定で決定する必要がある。ここでスレッショルド値とは、バックライト制御によって、画素データが白輝度状態となり階調表現ができていない、所謂白つぶれとされる箇所の量を設定するものであり、コントロールレジスタ103で設定する。例えば、スレッショルド値を30%とした場合には、全画素数の内30%は白つぶれが発生する設定となる。このスレッショルド値を使用してヒストグラム中の何番目の階調番号データの値を使用するかを決定する。例えば、QVGA解像度(240RGB×320)でスレッショルド値が30%とした場合には、明るい画像では上から30%(69120番目)である階調番号は上位階調番号となり、暗い画像では上位30%番目となる階調番号は下位階調番号となる。このスレッショルド値に基づいて算出した、上からN番目の階調番号が伸長率の元となる。例えば、前記上からN番目の階調番号が200とした場合、データ伸長率は255/200と設定される。
【0034】
ここで、通常表示時とWindow表示では、伸長率の基となる前述した「上からN番目の階調番号」の算出方法を切り替える必要がある。通常表示時では、スレッショルド値に基づき、全体画素数に対し最大階調からN番目の階調番号を算出している。これに対し、Window表示時は、Window画面の画素比率に対応して最大階調からN×(Window画素数/全体画素数)番目の階調番号を算出する必要がある。ここで最大階調からN×(Window画素数/全体画素数)番目の階調番号の算出は、コントロールレジスタ103に夫々のスレッショルド値のレジスタ設定を変更するのが望ましい。例えば、全体画面表示の時のスレッショルド値をNとした場合、Window表示の時のスレッショルド値は、N×(Window画素数/全体画素数)の値として、コントロールレジスタ103に格納しておく。
【0035】
次に、伸長率判定部205では、伸長率算出部202と画面全体の伸長率格納部203の伸長率データと、Window面積判定部204で生成される判定信号により、伸長率を選択する。ここで、Window面積判定部204で生成される判定信号とは、WindowモードにおいてWindow面積判定部204で、コントロールレジスタ103から入力される図9で示した前記Windowアドレスの開始点(水平開始アドレス(HSA)901、垂直開始アドレス(VSA)902)と終了点(水平終了アドレス(HEA)903、垂直終了アドレス(VEA)904)から更新するデータ量を計算した結果と、コントロールレジスタ103で設定されたWindow面積閾値の比較結果から生成される。ここで、Window面積は(HSA+HEA)/2×(HSA+VSA)/2により算出する。
【0036】
次に、伸長率判定部205の判定方法に関しては、図3(a)の伸長率判定動作表301に示している。Window面積がWindow面積閾値設定よりも小さい場合には、Windowの伸長率に関わらず全体の伸長率を選択する。Window面積がWindow面積閾値設定よりも大きい場合で、Windowの伸長率が全体の伸長率よりも大きい場合には全体の伸長率を選択する。Window面積がWindow面積閾値設定よりも大きい場合で、Windowの伸長率が全体の伸長率よりも小さい場合にはWindowの伸長率を選択する。
【0037】
次に、伸長率判定部205により選択された伸長率を基に、バックライト輝度率選択部206と階調電圧生成部調整レジスタ選択部207では図3(b)のバックライト輝度率選択と階調電圧生成部調整レジスタ選択表302を用いてバックライト輝度率と階調電圧生成部の調整レジスタを選択する。伸長率の選択が100%の場合(つまり、上位N%にあたる階調番号が255である場合)、バックライト輝度率選択部206は100%を選択し、階調電圧生成部調整レジスタ選択部207は振幅調整レジスタ設定1を選択する。ここで振幅調整レジスタ設定1とは、現状設定から変更しない状態とする。また伸張率が104%、…と変化していくと、階調電圧生成回路の調整レジスタ設定は、液晶の透過率が104%、…と大きくなるように設定して、バックライト制御信号は輝度が96%、…と同じ割合で低くなるように設定する。その結果、液晶パネル表面での見た目の表示画像の明るさは変化しない。ここで階調電圧生成部の調整レジスタ設定に関しては、図4、図5の説明において後述する。
【0038】
ここで、伸長率判定においては、図3(c)のヒステリシスを用いた伸長率選択の切り替え動作図303に示す様にヒステリシスを用いて伸長率選択を切り替えても良い。仮に、Windowの伸長率を使用している状態304の場合、全体の伸長率−Windowの伸長率=0となっても、全体の伸長率に変更せずに、全体の伸長率−Windowの伸長率=−N(Nは1以上の整数)となった時に全体の伸長率に変更する。また、逆に全体の伸長率を使用している状態305の場合、全体の伸長率−Windowの伸長率>0となった直後には、Windowの伸長率に変更せずに、全体の伸長率−Windowの伸長率=N(Nは1以上の整数)となった時にWidowの伸長率に変更する。こうすることで、Windowの伸長率と全体の伸長率が近い場合に、伸長率の選択が切り替ることによるフリッカ等の画質劣化を軽減する。
【0039】
ここで、図6では伸長率判定部205の判定方法に関して、図3の方法とは異なる判定方法について、2つの例を示している。
【0040】
図6(a)の伸長率判定動作表601の伸長率判定方法1は、伸長率の選択がWindowの伸長率を選択する場合と、全体の伸長率を選択する場合と、Windowの伸長率と全体の伸長率の中間の伸長率を選択する場合とがあり、Windowの伸長率と全体の伸長率の差分情報により、夫々を判定結果により選択することを特徴とする。具体的な判定方法としては、まずWindow面積がWindow面積閾値設定と比較して小さい場合には、全体画面の伸長率を選択する。逆にWindow面積がWindow面積閾値設定と比較して大きい場合には、(全体の伸長率−Windowの伸長率)と伸長率差分閾値X(Xは正の実数)の比較で決定する。(全体の伸長率−Windowの伸長率)が負の伸長率差分閾値−Xよりも小さい場合には、全体の伸長率を選択する。(全体の伸長率−Windowの伸長率)が負の伸長率差分閾値−Xよりも大きくて、正の伸長率差分閾値Xよりも小さい場合には、全体の伸長率+Windowの伸長率の中間値を選択する。(全体の伸長率−Windowの伸長率)が正の伸長率差分閾値Xよりも大きい場合には、Windowの伸長率を選択する。以上の様な方法で伸長率を選択することで、全体の伸長率+Windowの伸長率の中間値の伸長率を選択する条件では、“Windowの伸長率”もしくは“全体の伸長率”を選択する場合よりも、色つぶれ量は増加するが低電力化が実現可能である。
【0041】
次に、図6(b)の伸長率判定動作表602の伸長率判定方法2は、伸長率の選択は、伸長率の大小関係では判定せずにWindow表示画面のサイズで伸長率の選択を変更することを特徴とする。具体的な判定方法は、Window面積がWindow面積閾値設定と比べて低い場合には全体の伸長率を選択し、Window面積がWindow面積閾値設定と比べて高い場合には全体の伸長率+Windowの伸長率の中間の伸長率を選択する。以上の様な方法で伸長率を選択することで、全体の伸長率+Windowの伸長率の中間値の伸長率を選択する条件では、“Windowの伸長率”もしくは“全体の伸長率”を選択する場合よりも、色つぶれ量は増加するが低電力化が実現可能である。
【0042】
次に、図4の階調電圧生成部の構成と調整レジスタについて説明する。
【0043】
図4に示す階調電圧生成部107は、抵抗群から構成される第1のラダー抵抗群401と、可変抵抗402〜405と、セレクタ回路406〜411と、アンプ回路412と、抵抗群から構成される第2のラダー抵抗群413によって構成される。階調電圧生成部107を調整するための調整機能は、振幅調整レジスタ414と、傾き調整レジスタ415と、微調整レジスタ416である。振幅調整レジスタ414は、可変抵抗402、403の可変抵抗値を調整するレジスタ値を格納するものであり、傾き調整レジスタ415は、可変抵抗404、405の抵抗値を調整するレジスタ値を格納するものであり、微調整レジスタ416は、第1のラダー抵抗群401を抵抗分割した時の電圧レベルを選択するセレクタ回路406〜411を調整するレジスタ値を格納するものである。また、デコーダ108は階調電圧生成部107で生成された階調電圧から表示データに応じた階調電圧をデコードするデコード回路である。ここで、階調電圧生成部107の可変抵抗402、403は、振幅調整レジスタ414に含まれた抵抗値設定データを参照し抵抗値を変化させることで、階調番号の両端の電圧値を調整する。また、階調電圧生成部107の可変抵抗404、405は、傾き調整レジスタ415に含まれた抵抗値設定データを参照し抵抗値を変化させることで、階調電圧の中間部の傾き特性を調整する。また、階調電圧生成部107のセレクタ回路406〜411は、第1のラダー抵抗群401を抵抗分割した電圧値の中から、微調整レジスタ416の設定値を参照し所望の階調電圧を選択することで微調整を行う。
【0044】
次に、各調整機能により実現される階調番号−階調電圧特性を図5(a)〜(c)に示す。
【0045】
図5(a)の振幅調整の結果から得られる階調番号−階調電圧特性501は、図4の可変抵抗402、403の抵抗値を小さく設定した場合に階調番号−階調電圧特性の振幅が大きくなり、可変抵抗402、403の抵抗値を大きく設定した場合に階調番号−階調電圧特性の振幅が小さくなる。以上により、階調電圧の振幅を調整する。
【0046】
図5(b)の傾き調整の結果から得られる階調番号−階調電圧特性502は、図4の可変抵抗404、405の抵抗値を小さく設定した場合に中間調付近の傾きが大きくなり、可変抵抗404、405の抵抗値を大きく設定した場合に中間調付近の傾きが小さくなる。以上により、階調電圧の中間調部を調整する。
【0047】
図5(c)の微調整の結果から得られる階調番号−階調電圧特性503は、図4のセレクタ回路406〜411の選択電圧を基準電圧に近い値を選択した場合には階調番号−階調電圧特性が全体的に上側に膨らみを持ち、セレクタ回路406〜411の選択電圧をグランドに近い値を選択した場合には階調番号−階調電圧特性が全体的に下側に膨らみを持つ。以上により、階調電圧の微調整を行う。
【0048】
以上述べた、振幅調整・傾き調整・微調整の各手段により、液晶パネル個々の特性に応じたガンマ特性の調整を、比較的容易に実現することが可能となる。
【0049】
図5(d)にはバックライト制御による階調番号−階調電圧特性を、図5(e)にはバックライト制御によるガンマ特性をそれぞれ示したものであり、前述した図3(b)のバックライト輝度率選択と階調電圧生成部調整レジスタ選択表302の調整レジスタ設定1、2、…、16に対応している。これらの設定は、前述した振幅調整・傾き調整・微調整機能を用いることで実現する。
【0050】
例えば、調整レジスタ設定1の階調番号−階調電圧特性504、ガンマ特性507の階調電圧設定1は伸長率の選択が100%になるので(つまり、上位N%にあたる階調番号が255である)、バックライト輝度率選択部206のバックライト輝度は100%を選択されており、また階調電圧生成部107の各調整レジスタ414〜416は現状設定から変更しない状態とする。
【0051】
例えば、調整レジスタ設定2の階調番号−階調電圧特性505、ガンマ特性508の階調電圧設定2は伸張率の選択が104%になるので(つまり、上位N%にあたる階調番号が245である)、バックライト輝度率選択部206のバックライト輝度は96%を選択されており、また階調電圧生成部107の各調整レジスタ414〜416は、調整レジスタ設定1のガンマ特性507の階調電圧設定1に対し輝度レベルが104%となる様に設定される。
【0052】
例えば、調整レジスタ設定16の階調番号−階調電圧特性506、ガンマ特性509の階調電圧設定3は伸張率の選択が130%になるので(つまり、上位N%にあたる階調番号が196である)、バックライト輝度率選択部206のバックライト輝度は70%を選択されており、また階調電圧生成部107の各調整レジスタ414〜416は、調整レジスタ設定1のガンマ特性507の階調電圧設定1に対し輝度レベルが130%となる様に設定される。
【0053】
以上の構成により、本実施の形態を実現可能となる。また、本実施の形態では、バックライト制御部105をグラフィックRAM106の前段構成とすることで従来に対し汎用性が向上する。またデータ伸長処理は、グラフィックRAM106の後段の階調電圧生成部107におけるガンマ調整機能を用いて行うことでWindow表示のデータ更新が行われる箇所と行われない箇所の伸張処理を同じとして、伸長率が異なることによる画質劣化を防ぐことが可能である。
【0054】
さらに本実施の形態では、伸長率は全体の伸長率とWindowの伸長率から選択し、選択方法はWindow画面(面積)が設定閾値より小さい場合もしくはWindow画面が設定閾値よりも大きく且つ全体の伸長率データよりもWindowの伸長率が大きい場合には全体の伸長率を選択する。こうすることで、全体の伸長率データよりもWindowの伸長率が小さい場合にはWindowの伸長率を選択することで、Window外部がWindow内部と比べ伸長率が低い場合のWindow外部の色つぶれ量が大きくなることを防ぐことが可能であり、またWindow画面が小さくWindow外部データ箇所が表示画面の大部分を占めている場合にWindow内部データに合わせてバックライト輝度を変化させることで画面全体のフリッカを防ぐことが可能である。
【実施例2】
【0055】
第2の実施の形態は、伸長率の選択方法として、自然画と動画の場合で選択を切り替え、また自然画の場合には、伸長率を一定として、画質を優先とする設定が可能なレジスタ設定であることを特徴とする。
【0056】
Window画面が設定閾値より小さい場合、もしくはWindow画面が設定閾値よりも大きく且つ全体の伸長率データよりもWindowの伸長率が大きい場合には全体の伸長率を選択し、全体の伸長率データよりもWindowの伸長率が小さい場合にはWindowの伸長率を選択することを特徴とする。
【0057】
本発明の第2の実施の形態を、図1、図4、図5、図7、図8を用いて説明するが、図1、図4、図5に関しては、既に第1の実施の形態で説明しているので、ここでの説明は省略する。
【0058】
図7は、第2の実施の形態におけるバックライト制御部を示している。ここで、第1の実施の形態との差は、入力データとして動画・静止画判定信号とレジスタ設定伸長率が入力されていることである。そのため、バックライト制御部105内部の伸長率判定部705は、第1の実施の形態とは異なるが、その他の、ヒストグラム計数部701、伸長率算出部702、画面全体の伸長率格納部703、Window面積判定部704、バックライト輝度率選択部706、階調電圧生成部調整レジスタ選択部707に関しては、第1の実施の形態と同様なため、説明は省略する。
【0059】
伸長率判定部705に関して、以下に説明する。伸長率判定部705では、図2の伸長率判定部205と類似しているが、判定基準として、動画・静止画判定信号が追加されている。ここで動画・静止画判定信号は、コントロールレジスタ103から入力された信号であり、これは制御プロセッサ112から、システムインターフェース102を介して表示画像が動画であるか、静止画であるかの情報をコントロールレジスタ103に転送する。次に、新しく追加された信号のレジスタ設定伸長率は、表示画像が静止画である場合に使用される伸長率である。このレジスタ設定伸長率も同様に、コントロールレジスタ103から入力された信号である。
【0060】
次に、図8では、図7で説明した追加された前記動画・静止画判定信号と、レジスタ設定伸長率を用いた伸長率判定に関して説明する。
【0061】
図8(a)の伸長率判定動作表801の伸長率判定方法1は、Window画面サイズ、表示画像の種類、及びWindowの伸長率と全体の伸長率の大小関係を判定基準としている。まず、Window面積がWindow面積閾値設定よりも小さい場合には、Windowの伸長率に関わらず全体の伸長率を選択する。Window面積がWindow面積閾値設定よりも大きい場合には、動画・静止画判定信号により更に場合分けされる。動画・静止画判定信号が静止画と判定している場合、伸長率は表示画像によらず一定とするために、ユーザレジスタ設定の伸長率を選択する。次に、動画・静止画判定信号が動画と判定している場合には、伸長率比較結果によってさらに場合分けされる。Windowの伸長率>全体の伸長率である場合、全体の伸長率を選択し、逆にWindowの伸長率≦全体の伸長率である場合はWindowの伸長率を選択する。
【0062】
次に、図8(b)の伸長率判定動作表802の伸長率判定方法2は、伸長率判定動作表801の伸長率判定方法1と同様に判定基準はWindow画面サイズと、表示画像の種類、及びWindowの伸長率と全体の伸長率の差分量を判定基準として、選択された伸長率は、Windowの伸長率を選択する場合と、全体の伸長率を選択する場合とWindowの伸長率と全体の伸長率の中間の伸長率を選択する場合とがあり、Windowの伸長率と全体の伸長率の差分情報により、夫々を判定結果により選択することを特徴とする。
【0063】
具体的な判定方法としては、まずWindow面積がWindow面積閾値設定と比較して小さい場合には、全体の伸長率を選択する。次に、Window面積がWindow面積閾値設定と比較して大きい場合には、表示画像の種類によって場合分けされる。動画・静止画判定信号が静止画と判定している場合、伸長率は表示画像によらず一定とするために、ユーザレジスタ設定の伸長率を選択する。次に、動画・静止画判定信号が動画と判定している場合、伸長率は(全体の伸長率−Windowの伸長率)と伸長率差分閾値X(Xは正の実数)の比較で場合分けされる。(全体の伸長率−Windowの伸長率)が負の伸長率差分閾値−Xよりも小さい場合には、全体の伸長率を選択する。(全体の伸長率−Windowの伸長率)が負の伸長率差分閾値−Xよりも大きくて、正の伸長率差分閾値Xよりも小さい場合には、全体の伸長率+Windowの伸長率の中間値を選択する。(全体の伸長率−Windowの伸長率)が正の伸長率差分閾値Xよりも大きい場合には、Windowの伸長率を選択する。以上の様な方法で伸長率を選択することで、全体の伸長率+Windowの伸長率の中間値の伸長率を選択する条件では、“Windowの伸長率”もしくは“全体の伸長率”を選択する場合よりも、色つぶれ量は増加するが低電力化が実現可能である。
【0064】
次に、図8(c)の伸長率判定動作表803の伸長率判定方法3は、伸長率の選択は、伸長率の大小関係では判定せずに、Window表示画面のサイズと、表示画像の種類で伸長率の選択を変更することを特徴とする。
【0065】
具体的な判定方法は、Window面積がWindow面積閾値設定と比べて小さい場合には全体の伸長率を選択する。次に、Window面積がWindow面積閾値設定と比べて大きい場合には、表示画像の種類によって場合分けされる。動画・静止画判定信号が静止画と判定している場合、伸長率は表示画像によらず一定とするために、ユーザレジスタ設定の伸長率を選択する。次に、動画・静止画判定信号が動画と判定している場合、伸長率は常に全体の伸長率+Windowの伸長率の中間の伸長率を選択する。以上の様な方法で伸長率を選択することで、全体の伸長率+Windowの伸長率の中間値の伸長率を選択する条件では、“Windowの伸長率”もしくは“全体の伸長率”を選択する場合よりも、色つぶれ量は増加するが低電力化が実現可能である。
【0066】
ここで、前記3つの伸長率判定方法を示したが、上記Window面積閾値設定に関しては、レジスタ設定を行うことを前提にしたが、これは、レジスタ数を減らすことを目的に固定値としても問題ない。
【0067】
以上の構成により、本実施の形態を実現可能となる。また、本実施の形態では、バックライト制御部105をグラフィックRAM106の前段構成とすることで従来に対し汎用性が向上する。またデータ伸長処理は、グラフィックRAM106の後段の階調電圧生成部107におけるガンマ調整機能を用いて行うことでWindow表示のデータ更新が行われる箇所と行われない箇所の伸張処理を同じとして、伸長率が異なることによる画質劣化を防ぐことが可能である。
【0068】
さらに本実施の形態では、伸長率は全体の伸長率とWindowの伸長率から選択し、選択方法はWindow画面(面積)が設定閾値より小さい場合もしくはWindow画面が設定閾値よりも大きく且つ全体の伸長率データよりもWindowの伸長率が大きい場合には全体の伸長率を選択する。こうすることで、全体の伸長率データよりもWindowの伸長率が小さい場合にはWindowの伸長率を選択することで、Window外部がWindow内部と比べ伸長率が低い場合のWindow外部の色つぶれ量が大きくなることを防ぐことが可能であり、またWindow画面が小さくWindow外部データ箇所が表示画面の大部分を占めている場合にWindow内部データに合わせてバックライト輝度を変化させることで画面全体のフリッカを防ぐことが可能である。
【0069】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の表示用駆動回路は、バックライトを制御し、省電力化する方法を、論理量を抑えて実装することができ、利用範囲も携帯電話用液晶ディスプレイのみならず、液晶ディスプレイ使用のDVD等小型メディアプレイヤーにも適用できる。またグラフィックRAMを搭載した液晶ドライバICにおいても、容易にバックライトを制御することが可能であることから、汎用的な液晶ドライバICにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態における液晶ドライバ及び周辺回路を含めた表示装置を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、バックライト制御部を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、バックライト制御部の伸長率判定方法(a)、バックライト輝度率選択と階調電圧生成部調整レジスタ選択(b)、ヒステリシスを用いた伸長率選択の切り替え(c)を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、階調電圧生成部と調整レジスタを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、振幅調整機能(a)、傾き調整機能(b)、微調整機能(c)、バックライト制御による階調番号−階調電圧特性(d)、バックライト制御によるガンマ特性(e)を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、図3とは異なる伸長率判定方法1(a)、伸長率判定方法2(b)を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態において、バックライト制御部を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態において、バックライト制御部の伸長率判定方法1(a)、伸長率判定方法2(b)、伸長率判定方法3(c)を示す図である。
【図9】Window画面表示の領域指定設定を示す図である。
【図10】従来のバックライト制御方法を示す図である。
【符号の説明】
【0072】
101…液晶ドライバ、102…システムインターフェース、103…コントロールレジスタ、104…タイミング生成部、105…バックライト制御部、106…グラフィックRAM、107…階調電圧生成部、108…デコーダ、109…パネルモジュール、110…バックライトモジュール、111…液晶パネル、112…制御プロセッサ、
201…ヒストグラム計数部、202…伸長率算出部、203…画面全体の伸長率格納部、204…Window面積判定部、205…伸長率判定部、206…バックライト輝度率選択部、207…階調電圧生成部調整レジスタ選択部、
401…第1のラダー抵抗群、402〜405…可変抵抗、406〜411…セレクタ回路、412…アンプ回路、413…第2のラダー抵抗群、414…振幅調整レジスタ、415…傾き調整レジスタ、416…微調整レジスタ、
701…ヒストグラム計数部、702…伸長率算出部、703…画面全体の伸長率格納部、704…Window面積判定部、705…伸長率判定部、706…バックライト輝度率選択部、707…階調電圧生成部調整レジスタ選択部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される表示データを格納するためのメモリを有し、前記メモリへ格納する方法として、1フレーム周期毎に表示画像の全てを更新する第1のメモリ格納方法と、1フレーム周期毎に表示画像の一部分を更新する第2のメモリ格納方法を有し、入力される表示データのヒストグラムの表示データ値から算出したデータの伸長率に基づき表示画像の明るさを切り替える手段と、前記伸長率に基づきバックライトの輝度を切り替える手段を有する表示用駆動回路であって、
前記第2のメモリ格納方法を用いて表示する時には、前記第1のメモリ格納方法を用いて表示している時に参照していた伸長率を格納しておき、前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率のうち、いずれかを選択するバックライト制御部を有することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項2】
請求項1に記載の表示用駆動回路において、
前記表示画像の明るさを切り替える手段による切り替えは、前記メモリに格納した表示データを前記メモリから読み出した後に行われることを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項3】
請求項1に記載の表示用駆動回路において、
前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率の選択方法は、前記第2のメモリ格納方法における更新データ量に依存して伸長率を決定することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項4】
請求項1に記載の表示用駆動回路において、
前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率の選択方法は、前記伸長率の大小関係で決定することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項5】
請求項1に記載の表示用駆動回路において、
前記伸長率は、前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率と、前記第1のメモリ格納方法の伸長率と前記第2のメモリ格納方法の伸長率の中間値となる伸長率から選択可能であり、
前記伸長率の選択方法は、前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率と、前記第1のメモリ格納方法の伸長率と前記第2のメモリ格納方法の伸長率の差分情報から決定することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項6】
請求項1に記載の表示用駆動回路において、
前記表示画像の明るさを切り替える手段は、
基準電圧を分割することによって複数の内部生成基準電圧を生成し、前記複数の内部生成基準電圧間を更に分割することによって複数の階調に対応する複数の階調電圧を生成するための階調電圧生成部と、
階調番号―階調電圧特性の振幅を調整するために、前記基準電圧の分割点又は分割比を調整するための第1の値を設定するための第1のレジスタと、
前記階調番号―階調電圧特性の中間部分の傾きを調整するために、前記基準電圧の分割点又は分割比を調整するための第2の値を設定するための第2のレジスタと、
前記階調番号―階調電圧特性の前記複数の内部生成基準電圧を微調整するために、前記基準電圧の分割点又は分割比を調整するための第3の値を設定するための第3のレジスタとを有することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項7】
入力される表示データを格納するためのメモリを有し、前記メモリへ格納する方法として、1フレーム周期毎に表示画像の全てを更新する第1のメモリ格納方法と、1フレーム周期毎に表示画像の一部分を更新する第2のメモリ格納方法を有し、入力される表示データのヒストグラムの表示データ値から算出したデータの伸長率に基づき表示画像の明るさを切り替える手段と、前記伸長率に基づきバックライトの輝度を切り替える手段を有する表示用駆動回路であって、
前記伸長率の種類は、前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率と、外部から設定可能なレジスタ設定による伸長率とがあり、
前記第2のメモリ格納方法を用いて表示する時には、前記第1のメモリ格納方法を用いて表示している時に参照していた伸長率を格納しておき、前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率と、前記レジスタ設定による伸長率のうち、いずれかを選択するバックライト制御部を有することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項8】
請求項7に記載の表示用駆動回路において、
前記表示画像の明るさを切り替える手段による切り替えは、前記メモリに格納した表示データを前記メモリから読み出した後に行われることを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項9】
請求項7に記載の表示用駆動回路において、
前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率と、前記レジスタ設定による伸長率の選択方法は、前記第2のメモリ格納方法で一部分を更新する場合に表示される部分が静止画であるか動画であるかを判定した結果で決定することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項10】
請求項7に記載の表示用駆動回路において、
前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率と、前記レジスタ設定による伸長率の選択方法は、前記第2のメモリ格納方法における更新データ量に依存して伸長率を決定することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項11】
請求項7に記載の表示用駆動回路において、
前記第1のメモリ格納方法の伸長率と、前記第2のメモリ格納方法の伸長率と、前記レジスタ設定による伸長率の選択方法は、前記伸長率の大小関係で決定することを特徴とする表示用駆動回路。
【請求項12】
請求項7に記載の表示用駆動回路において、
前記表示画像の明るさを切り替える手段は、
基準電圧を分割することによって複数の内部生成基準電圧を生成し、前記複数の内部生成基準電圧間を更に分割することによって複数の階調に対応する複数の階調電圧を生成するための階調電圧生成部と、
階調番号―階調電圧特性の振幅を調整するために、前記基準電圧の分割点又は分割比を調整するための第1の値を設定するための第1のレジスタと、
前記階調番号―階調電圧特性の中間部分の傾きを調整するために、前記基準電圧の分割点又は分割比を調整するための第2の値を設定するための第2のレジスタと、
前記階調番号―階調電圧特性の前記複数の内部生成基準電圧を微調整するために、前記基準電圧の分割点又は分割比を調整するための第3の値を設定するための第3のレジスタとを有することを特徴とする表示用駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−225132(P2008−225132A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64367(P2007−64367)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】