説明

表示画素及び表示装置

【課題】コストを抑制すると共に、画像品質を高精細にする。
【解決手段】表示画素10は、それぞれ異なる色に着色され光を透過するフィルム12と、フィルム12を支持するフィルム支持部13と、フィルム支持部13を摺動可能に支持するケース部11と、表示面10a側にフィルム格納部15を形成すると共にフィルム12をケース部11からフィルム格納部15へ誘導するガイド部14とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、屋外又は屋内に配置される広告表示板、公共の情報伝達板、災害時の情報伝達板、工場/プラント等大規模設備における情報表示板等で利用される表示画素及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置においては、電力の消費を低減させるために、発色のための電力を消費しない不揮発性の表示装置が開示されている。例えば、特許文献1、特許文献2の表示装置によれば、表示画素は、角筒状の多面体の各面に異なる色を配置した色表示体、コイル及び永久磁石を有しており、コイルと永久磁石を電磁石として機能させて磁界を発生させることで、色表示体を回転させて所定の色を表示面に向ける磁気式の構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平06−110391号公報
【特許文献2】特開平06−230733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1、特許文献2の表示装置は、表示画素毎に電磁石及び永久磁石等の電子材料、電子部品が設けられており高コストであるという課題があった。また、上述した特許文献1、特許文献2の表示装置は、表示可能な色を増やす場合、色表示体に着色された色しか表示できないため、色表示体の着色面の面積が表示画素の断面積に比べ相対的に小さくなり開口率が悪くなる。その結果、画像品質が悪化するという課題があった。
【0005】
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、コストを抑制すると共に、高精細な画像品質の表示画素及び表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る表示画素は、それぞれ異なる色に着色され光を透過するフィルムと、フィルムを支持するフィルム支持部と、フィルム支持部を摺動可能に支持するケース部と、表示面側にフィルム格納部を形成すると共にフィルムをケース部からフィルム格納部へ誘導するガイド部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る表示画素によれば、上記のように構成したので、フィルムを重ねることにより、フィルムの枚数以上の色を表示することができると共に表示画素の開口率を向上することができる。その結果、高精細な品質で画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1の表示装置の構成を示す図及び表示画素の構成を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1の表示装置における画素駆動部の構成の一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1の表示装置における表示画素の色を切り替える状態の一例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1の表示装置におけるフィルム支持部とピンの動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は表示装置及び表示画素の構成を示しており、図1(a)が表示装置全体、図1(b)が表示画素の断面を示している。
【0010】
表示装置1は、図1(a)に示すように、複数の表示画素10と画素駆動部20で構成されている。表示装置1は、複数の表示画素10がマトリックス状に配置されて表示装置1の表示部1aを形成しており、表示部1aに対向する側(裏側)には、画素駆動部20が図示しないレールによりA方向(水平方向)及びB方向(垂直方向)に移動可能に支持され、所定の表示画素10の表示色を切り替えるよう構成されている。なお、上述のレールは、既知の技術で構成されており、例えば図示していないフレームに取り付けられているものである。
【0011】
表示画素10は表示装置1における表示部1aを構成する最小単位(1ピクセル)であり、例えば表示面10aの1辺が1cmの正方形である。表示画素10は、図1(b)に示すようにケース部11、フィルム12、フィルム支持部13、ガイド部14で構成されており、ケース部11、フィルム12、フィルム支持部13、ガイド部14は、耐環境性能を考慮して金属を用いず、例えばプラスティック等の樹脂材料で作製されている。
【0012】
ケース部11は、図1(b)に示すように、表示画素10の表示面10a側(表面側)の開口部11dと開口部11dに対向する側(裏面側)を連通する溝部11a,11b,11cを有している。各溝部11a,11b,11cの途中には、フィルム支持部13の挿入量を制限する突部11eが形成され、突部11eから開口部11dまでの各溝部11a,11b,11cはフィルム12が挿入できる程度の幅で形成されている。
【0013】
各溝部11a,11b,11cは、フィルム支持部13を摺動可能に支持して各溝部11a,11b,11cの途中まで誘導すると共に、開口部11dを介してフィルム12を表示面10a側へ挿入するよう機能する。また、ケース部11には、表示画素10の表示面10a側に白色の表示基板11fが設けられている。表示基板11fは、表示画素10において白色を表示するよう機能する。なお、ここでは表示基板11fが白色である場合について説明しているが、白色は一例であり、表示基板11fを白色以外の色で構成しても良い。
【0014】
フィルム12は薄く柔軟性を有し、光を透過する複数のフィルム12a,12b,12cであり、それぞれケース部11内の溝部11a,11b,11cに収容されている。
フィルム12は、表示画素10において溝部11a,11b,11cから表示面10a側のガイド部14へ挿入されることで表示画素10を発色させるように機能する。各フィルム12a,12b,12cはそれぞれ異なる色に着色されており、例えばフィルム12aがシアン、フィルム12bがマゼンダ、フィルム12cがイエローに着色されている。
【0015】
フィルム12a,12b,12cは光を透過するため、重ね合わせられることによりフィルム12a,12b,12c単独の色以外の色を作り出し表示することができる。例えば、フィルム12aとフィルム12bを重ね合わせることによりシアン+マゼンダ、フィルム12aとフィルム12cを重ね合わせることによりシアン+イエロー、フィルム12bとフィルム12cを重ね合わせることによりマゼンダ+イエロー、フィルム12aとフィルム12bとフィルム12cを重ね合わせることによりシアン+マゼンダ+イエローを表示することができる。このように各フィルム12a,12b,12cは、1枚ずつにより3色、2枚以上の重ね合わせにより、さらに4色を作り出すことができ、フィルム12の枚数以上の色を表示することができる。
【0016】
なお、フィルム12a,12b,12cは、図示していないが、フィルム格納部15へ滑らかに移動できるよう挿入方向を緩やかに曲げて形成してもよい。
【0017】
フィルム支持部13は、図1(b)に示すように、フィルム12の枚数に対応する数のフィルム支持部13a,13b,13cであり、それぞれケース部11内で摺動可能に支持されている。フィルム支持部13aはフィルム12aの一端を狭持して溝部11aに支持されており、フィルム支持部13bはフィルム12bの一端を狭持して溝部11bに支持されており、フィルム支持部13cはフィルム12cの一端を狭持して溝部11cに支持されている。
【0018】
各フィルム支持部13a,13b,13cは、ケース部11に挿入される一端に対向する他端に凹形状の係合部13dを有している。係合部13dは、図2で後述する画素駆動部20のピン22の一端と係合するように機能する。各フィルム支持部13a,13b,13cは、図3又は図4で後述するように、ケース部11に押し込まれて進入し、ケース部11から引っ張られて突出するよう動作して、フィルム12a,12b,12cをケース部11内とフィルム格納部15との間で移動させるよう機能する。
【0019】
ガイド部14は、図1(b)に示すように、ケース部11の表示基板11fを覆うように嵌め合わせて一体化されており、ケース部11の表示基板11fとの間にフィルム12を格納するフィルム格納部15を形成している。フィルム格納部15は、ケース部11の開口部11dと接続されており、ケース部11の表示面10a側にフィルム12を格納する空間を形成している。
【0020】
ガイド部14は、外界のごみ、水滴、紫外線等の外部環境による影響を遮断するよう機能する。また、ガイド部14は、フィルム12a,12b,12cを挿入する側に所定の半径Rの円弧形状14aが形成されており、フィルム12a,12b,12cが滑らかにケース部11からフィルム格納部15へ挿入されるよう誘導してフィルム格納部15に格納する機能を有する。
【0021】
表示画素10は、上述した構成により、フィルム12a,12b,12cを1枚ずつ又は2枚以上、フィルム格納部15に挿入することで、上述の7色を表示することができ、フィルム12a,12b,12cをフィルム格納部15に挿入しない場合に表示基板11fの白色を表示することができる。即ち、表示画素10は、3枚のフィルム12a,12b,12cと表示基板11fにより、計8色を表示面10aへ表示することができるように構成されている。
【0022】
なお、図1における表示画素10は、フィルム12が3枚の場合の一例の構成について示したが、フィルム12、ケース部11の溝部及びフィルム支持部の数は、表示させようとする色数に応じて適宜決められるものである。表示画素10は、フィルム12の枚数(色数)を増やすことで、さらに多くの色を表示することができ、採用するフィルム12の枚数をn(nは任意の整数)とした場合、最大で2のn乗の色を表現することができる。また、フィルム12は、例えば、シアン、マゼンダ、イエローに加えて黒色フィルムを有する構成にすれば、黒色の色味を強くすることができ、さらに画像品質を向上させることができる。
【0023】
図2は画素駆動部20の構成の一例を示している。画素駆動部20は、図2に示すように、ソレノイド21(駆動手段)、ソレノイド21に取り付けられているピン22、画素駆動部20を移動させるための移動手段20bで構成されており、例えば、図2における画素駆動部20のソレノイド21とピン22は、3組のソレノイド21a,21b,21cとピン22a,22b,22cで構成されている。移動手段20bは、例えばモータや歯車で構成されており、図示しないレールに摺動可能に取り付けられている。
【0024】
ソレノイド21は、既知の技術で構成されており、図示しないが、例えばボビン、ボビンに巻きつけたコイル、可動鉄心(プランジャー)、固定鉄心等で構成されている。可動鉄心、固定鉄心は例えば永久磁石であり、コイルを巻きつけたボビンの軸中心に配置されている。ソレノイド21は、コイルに電気が流れることで可動鉄心を軸方向に移動させるよう機能する。可動鉄心の一端にはピン22が取り付けられており、可動鉄心がソレノイド21内で動作することにより、ピン22が軸方向に駆動する。なお、ピン22の移動方向は、電気を流す方向に応じて切り替わるように構成されている。
【0025】
ピン22は、上述したフィルム支持部13をケース部11へ押し込むように機能すると共に、フィルム支持部13をケース部11から引き出すように機能する。ピン22は、ソレノイド21に取り付けられる一端に対向する他端に、爪形状の係合部22dを有しており、ソレノイド21の動作により、上述した図1(b)に示すフィルム支持部13の係合部13dを引っ掛けてケース部11から引き出すように成形されている。係合部22dは、ピン22の先端から爪形状の先端の間をテーパ状に形成しており、上述したフィルム支持部13の係合部13dと滑らかに係合するよう機能する。
【0026】
ここで、画素駆動部20は、例えば移動手段20bを介して、図示しないレールに摺動可能に支持され、移動手段20bの動力によりレールを摺動して図1(a)に示す複数組み合わされた表示画素10に対してA方向(水平方向)及びB方向(垂直方向)に移動し、所定の表示画素10へ移動するよう構成されている。このように画素駆動部20は、表示画素10と分離して移動可能に構成されているため、表示画素10毎に設ける必要がない。
【0027】
なお、実施の形態1における画素駆動部20は、ソレノイド21(駆動手段)によってピン22を駆動させているが、他の駆動手段によりピン22を駆動させる構造であっても良い。画素駆動部20は、例えば、空圧又は油圧をシリンダにより伝達しピン22を駆動させる構造や、モータの動力を歯車により伝達しピン22を駆動させる構造であってもよい。
【0028】
次に、表示装置1の動作について説明する。図3は、表示装置1における表示画素10の色を切り替える動作の一例を示しており、図4は図3におけるフィルム支持部とピンの動作の一例を示す図である。ここでは、表示画素10がシアンとイエローを重ね合わせた色を表示する動作を説明する。
【0029】
画素駆動部20は、表示装置1における図示しない制御部から指示を入力すると、所定の表示画素10に移動する。画素駆動部20は、所定の表示画素10に移動すると、ソレノイド21aとソレノイド21cが駆動してピン22aとピン22cを突出させる。
【0030】
ピン22aが表示画素10の方向(図3のA方向)に突出すると、ピン22aの先端がフィルム支持部13aに接触して、ピン22aの係合部22dとフィルム支持部13aの係合部13dが係合する。ピン22aがさらに突出すると、フィルム支持部13aが溝部11aへ押し込まれる。ピン22cが表示画素10の方向(図3のA方向)に突出すると、ピン22cの先端がフィルム支持部13cに接触して、ピン22cの係合部22dとフィルム支持部13cの係合部13dが係合する。ピン22cがさらに突出すると、フィルム支持部13cが溝部11cへ押し込まれる。
【0031】
フィルム12aは、フィルム支持部13aがケース部11内の溝部11aへ押し込まれるにしたがい、ケース部11の開口部11dから出て、ガイド部14の円弧形状14aに沿ってフィルム格納部15へ挿入される。同時に、フィルム12cは、フィルム支持部13cがケース部11内の溝部11cへ押し込まれるにしたがい、ケース部11の開口部11dから出て、ガイド部14の円弧形状14aに沿ってフィルム格納部15へ挿入される。
【0032】
ピン22aがフィルム支持部13aを押し込むと共にピン22cがフィルム支持部13cを押し込むと、移動手段20bが駆動して係合部13dと係合部22dの係合を解除させる方向(図3のB方向)に画素駆動部20をわずかに移動させる。画素駆動部20が図3のB方向に移動すると、ソレノイド21aとソレノイド21cには反対方向の電力が流れ、ピン22aとピン22cを収納方向(図3のC方向)に引っ込める。ピン22aとピン22cが画素駆動部20内に収納されると、移動手段20bが画素駆動部20を次の表示画素10へ移動させ、図示しない制御部からの指示に応じて動作して、全ての表示画素10の色を切り替えると動作を終了する。
【0033】
このようにして、表示画素10のフィルム12aとフィルム12cはフィルム格納部15で重なり、シアンとイエローを重ね合わせた状態で保持される。
【0034】
ここで、表示画素10が色を切り替える前に、フィルム12bがガイド部14のフィルム格納部15に格納されている場合、即ち、表示画素10が前表示のマゼンダを表示している場合、各ソレノイド21a,21b,21cが駆動してピン22a,22b,22cを表示画素10の方向(図4のA方向)に突出させる。上述のようにピン22aがフィルム支持部13aを溝部11aへ押し込み、ピン22cがフィルム支持部13cを溝部11cへ押し込む。このとき、ピン22bの係合部22dはフィルム支持部13bの係合部13dと係合する。
【0035】
ピン22bの係合部22dがフィルム支持部13bの係合部13dと係合すると、ソレノイド21bだけが作動してピン22bを収納方向(図4のB方向)に引っ込める。フィルム支持部13bは、ピン22bと係合しているため、ピン22bの動作に連動して溝部11bから引き抜かれる。ピン22bが画素駆動部20内に収納されると、移動手段20bが駆動して係合部13dと係合部22dの係合を解除させる方向(図4のC方向)に画素駆動部20をわずかに移動させる。画素駆動部20が図4のC方向に移動すると、ソレノイド21a,21b,21cには反対方向の電力が流れ、ピン22a,22b,22cを収納方向(図4のD方向)に引っ込め、全てのピン22a,22b,22cが画素駆動部20内に収納される。以降は、上述したように、表示装置1は、移動手段20bが画素駆動部20を次の表示画素10へ移動させ、全ての表示画素10の色を切り替えると動作を終了する。
【0036】
なお、各フィルム支持部13a,13b,13cの係合部13dと画素駆動部20のピン22a,22b,22cとの係合部22dの形状は、凹形状及び爪形状に限るものではなく、各フィルム支持部13a,13b,13cを溝部11a,11b,11cへ押し込むことができ、溝部11a,11b,11cから引っ張り出すことができる形状で構成されていればよい。
【0037】
なお、画素駆動部20のピン22a,22b,22cがフィルム支持部13a,13b,13cを押し引きする方法は、上述した方法に限定されるものではなく、各フィルム支持部13a,13b,13cを溝部11a,11b,11cへ押し込むことができ、溝部11a,11b,11cから引っ張り出すことができる構成であれば良い。
【0038】
なお、画素駆動部20は、ソレノイド21及びピン22を3組設けて、一度に一つの表示画素10の色を切り替える構成について説明したが、ソレノイド21及びピン22の数を変えて構成しても良い。画素駆動部20は、例えば、ソレノイド21及びピン22を10個の表示画素10に対応する30組設けて、一度に10個の表示画素10の色を切り替えるように構成すれば、全ての表示画素10の色の切替時間が早くなる。また、画素駆動部20は、例えば、ソレノイド21及びピン22を1組のみで構成することにより全ての表示画素10の色の切替時間が長くなるが、永久磁石や電気部品を少なくすることができ、コストを削減することができる。このように、画素駆動部20は、ソレノイド21及びピン22の数を変えることにより、全ての表示画素10の色の切替時間を調節することができる。
【0039】
以上のように、実施の形態1の表示装置1によれば、表示画素10は、それぞれ異なる色に着色され光を透過するフィルム12と、フィルム12を支持するフィルム支持部13と、フィルム支持部13を摺動可能に支持する溝部11a,11b,11cが形成されたケース部11と、表示面10a側にフィルム格納部15を形成すると共にフィルム12をケース部11からフィルム格納部15へ誘導して格納するガイド部14と、を備えて構成したことにより、フィルム12の枚数以上の色を表示することができると共に表示画素10の開口率を高くすることができる。その結果、高精細な品質で画像を表示することができる。また、フィルム支持部13を摺動させることで機械的に色を切り替えることができる。
【0040】
さらに、実施の形態1の表示装置1によれば、表示画素10は、フィルム12、フィルム支持部13、ケース部11、ガイド部14を樹脂材料で構成したことにより、耐環境性能を向上させることができると共に、表示画素10あたりのコストを大幅に削減することができる。その結果、表示装置1の製品ライフサイクルを長くすることができると共に、表示装置1の大画面化、多画素化を容易に実現することができる。
【0041】
さらに、実施の形態1によれば、表示装置1は、フィルム12、フィルム支持部13、溝部11a,11b,11cが形成されたケース部11、及びガイド部14を有する、複数の表示画素10と、表示画素10のフィルム支持部13を溝部11a,11b,11cへ押し込み又は溝部11a,11b,11cから引き出すピン22、ピン22を軸方向に駆動するソレノイド21(駆動手段)を有する画素駆動部20とを備えたことにより、表示画素10と画素駆動部20を分離することができる。その結果、外環境から電気部品としての画素駆動部20を容易に保護することができると共に、一部の表示画素10に不具合が発生した場合も画素駆動部20が交換不要であるという効果が得られる。
【0042】
さらに、実施の形態1の表示装置1によれば、画素駆動部20は、複数組み合わされた表示画素10に対して移動可能に支持され、所定の表示画素へ移動する移動手段を備えて構成したことにより、表示画素10に対して高価な部品を用いる画素駆動部20の構成部品を低減させることができる。その結果、コストを低減させることができる。
【0043】
さらに、実施の形態1の表示装置1によれば、画素駆動部20は、複数のソレノイド21(駆動手段)及びピン22で構成したので、ソレノイド21及びピン22の数を増やすことにより短時間で複数の表示画素10の色を切り替えることができる。その結果、ソレノイド21及びピン22の数に応じて表示装置1の表示部1aの色を切り替える時間を調整することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 表示装置、1a 表示部、10 表示画素、10a 表示面、11 ケース部、11a,11b,11c 溝部、11d 開口部、11e 突部、11f 表示基板、12,12a,12b,12c フィルム、13,13a,13b,13c フィルム支持部、14 ガイド部、14a 円弧形状、15 フィルム格納部、20 画素駆動部、20b 移動手段、21,21a,21b,21c ソレノイド(駆動手段)、22,22a,22b,22c ピン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる色に着色され光を透過するフィルムと、
上記フィルムを支持するフィルム支持部と、
上記フィルム支持部を摺動可能に支持するケース部と、
表示面側にフィルム格納部を形成すると共に上記フィルムを上記ケース部から上記フィルム格納部へ誘導するガイド部と、を備えた表示画素。
【請求項2】
上記フィルム格納部で上記フィルムが重なり合って発色することを特徴とする請求項1記載の表示画素。
【請求項3】
上記フィルム、上記フィルム支持部、上記ケース部、及び上記ガイド部は樹脂材料であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示画素。
【請求項4】
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載した、複数の表示画素と、
上記表示画素のフィルム支持部を押し引きするピン、上記ピンを駆動する駆動手段を有する画素駆動部とを備えた表示装置。
【請求項5】
上記画素駆動部は、所定の表示画素へ移動する移動手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
上記画素駆動部は、複数の上記ピン及び上記駆動手段を有することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−128519(P2011−128519A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289192(P2009−289192)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(395016682)株式会社東和製作所 (1)
【出願人】(509350767)
【Fターム(参考)】