説明

表示素子、及びこれを用いた電気機器

【課題】マトリクス駆動を行わせる場合でも、構造が複雑で大型化するのを防ぐことができる表示品位に優れた表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供する。
【解決手段】上部基板(第1の基板)2と、下部基板(第2の基板)3と、上部基板2及び下部基板3の間に形成された表示用空間Sの内部で有効表示領域側または非有効表示領域側に移動可能に封入された導電性液体16とを具備した表示素子10において、互いに独立して所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成された信号電極4、基準電極5及び走査電極6を設ける。導電性液体16を有効表示領域側または非有効表示領域側に移動させる前に、信号電極4に対して、表示用空間Sの内部での当該導電性液体16の状態を所定の初期状態とするためのプリセット信号を印加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性液体を移動させることにより、画像や文字などの情報を表示する表示素子、及びこれを用いた電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示素子では、エレクトロウェッティング方式の表示素子に代表されるように、外部電界による導電性液体の移動現象を利用して、情報の表示を行うものが開発され、実用化されている。
【0003】
具体的にいえば、上記のような従来の表示素子では、例えば下記特許文献1に記載されているように、第1及び第2の電極と、第1及び第2の基板と、これら基板間に形成された表示用空間の内部に封入されるとともに、所定の色に着色された導電性液体としての着色液滴とが設けられている。そして、この従来の表示素子では、着色液滴に対し第1及び第2の電極を介在させて電界印加を行うことにより、着色液滴の形状を変化させて表示面側の表示色を変更するようになっていた。
【0004】
また、この従来の表示素子では、第1の基板上に、着色液滴に対して電気的に絶縁された状態で、第1及び第2の電極を並設するとともに、これらの第1及び第2の電極と対向するように、第2の基板側に第3の電極を設ける。さらに、第1の電極の上方に遮光用のシェードを設置することにより、第1の電極側及び第2の電極側をそれぞれ非有効表示領域側及び有効表示領域側に設定して、第1及び第3の電極間または第2及び第3の電極間に電位差が生じるように電圧印加を行うことが提案されている。そして、この従来の表示素子では、着色液滴の形状を変化させる場合に比べて、着色液滴を第1の電極側または第2の電極側に高速に移動させて、表示面側の表示色も高速に変更可能とされていた。
【特許文献1】特開2004−252444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来の表示素子では、マトリクス駆動を行わせる場合に、構造が複雑で大型化するという問題点があった。
【0006】
具体的にいえば、従来の表示素子では、表示単位(画素)毎に、第3の電極に対して、常にマイナス電位の電圧印加し、かつ、第1及び第2の電極の一方の電極に対して、プラス電位の電圧印加していた。そして、この従来の表示素子では、プラス電位を印加した第1の電極(非有効表示領域)側または第2の電極(有効表示領域)側に着色液滴(導電性液体)を移動させていた。このため、従来の表示素子では、複数の画素に適用される、上記マトリクス駆動を行わせる場合、画素毎に第1〜第3の電極を設ける必要があり、表示素子の構造が複雑で大型化した。
【0007】
また、従来の表示素子において、複数の画素で各々1つの第1〜第3の電極を共用するとともに、第3の電極を画素単位にプラス電位またはマイナス電位の電圧印加可能に構成することによって、マトリクス駆動を行わせることは可能である。しかしながら、このような構成とした場合、導電性液体を移動させる前の状態が安定しないことがあり、表示素子の表示品位が低下するという別の問題点を生じることがある。
【0008】
上記の課題を鑑み、本発明は、マトリクス駆動を行わせる場合でも、構造が複雑で大型化するのを防ぐことができる表示品位に優れた表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる表示素子は、表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間に対し、設定された有効表示領域及び非有効表示領域と、前記表示用空間の内部で前記有効表示領域側または前記非有効表示領域側に移動可能に封入された導電性液体とを具備し、前記導電性液体を移動させることにより、前記表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子であって、
前記導電性液体と接触するように、前記表示用空間の内部に設置された信号電極、
前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の一方側に設置されるように、前記導電性液体に対して電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた基準電極、及び
前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の他方側に設置されるように、前記導電性液体及び前記基準電極に対して電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた走査電極を備え、
前記信号電極、前記基準電極、及び前記走査電極は、互いに独立して第1の電圧と第2の電圧との間の所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成され、
前記信号電極、前記基準電極、及び前記走査電極の少なくとも一つの電極に対して、前記表示用空間の内部での当該導電性液体の状態を所定の初期状態とするためのプリセット信号を印加することを特徴とするものである。
【0010】
上記のように構成された表示素子では、上記信号電極、基準電極、及び走査電極は互いに独立して第1の電圧と第2の電圧との間の所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成されている。これにより、上記従来例と異なり、マトリクス駆動を行わせる場合でも、構造が複雑で大型化するのを防ぐことができる。また、信号電極、基準電極、及び走査電極の少なくとも一つの電極に対して、上記プリセット信号が印加される。これにより、マトリクス駆動を行わせる場合でも、導電性液体を移動させる前の状態を所定の初期状態で安定させることができ、表示品位に優れた表示素子を構成することができる。
【0011】
また、上記表示素子において、複数の前記信号電極が、所定の配列方向に沿って設けられ、
複数の前記基準電極及び複数の前記走査電極が、互いに交互に、かつ、前記複数の信号電極と交差するように設けられ、
前記複数の信号電極に接続されるとともに、前記複数の各信号電極に対して、前記表示面側に表示される情報に応じて、前記第1の電圧と第2の電圧との間の所定の電圧範囲内の信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
前記複数の基準電極に接続されるとともに、前記複数の各基準電極に対して、前記第1及び第2の電圧の一方の電圧を所定の基準電圧として印加する基準電圧印加部と、
前記複数の走査電極に接続されるとともに、前記基準電圧印加部が前記複数の各基準電極に対して、前記基準電圧を印加しているときに、前記複数の各走査電極に対して、前記導電性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧と、前記導電性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧との一方の電圧を印加する走査電圧印加部とを備えていることが好ましい。
【0012】
この場合、優れた表示品位を有するマトリクス駆動方式の表示素子を容易に構成することができる。
【0013】
また、上記表示素子において、複数の画素領域が、前記表示面側に設けられるとともに、
前記複数の各画素領域は、前記信号電極と前記走査電極との交差部単位に設けられ、かつ、前記各画素領域では、前記表示用空間が仕切壁にて区切られてもよい。
【0014】
この場合、表示面側の複数の各画素において導電性液体を移動させることにより、表示面側での表示色を画素単位に変更することができる。
【0015】
また、上記表示素子において、前記複数の画素領域が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられてもよい。
【0016】
この場合、複数の各画素において対応する導電性液体が適切に移動されることにより、カラー画像表示を行うことができる。
【0017】
また、上記表示素子において、前記信号電圧印加部は、前記信号電極に対して、前記第1または第2の電圧を前記プリセット信号として印加してもよい。
【0018】
この場合、上記プリセット信号が信号電極に印加されることによって、導電性液体は所定の初期状態で安定された状態となる。
【0019】
また、上記表示素子において、前記基準電圧印加部及び前記走査電圧印加部は、それぞれ前記基準電極及び前記走査電極に対して、前記第1及び第2の電圧の中間の電圧値である第3の電圧を前記プリセット信号として印加してもよい。
【0020】
この場合、上記プリセット信号が基準電極及び走査電極に印加されることによって、導電性液体は所定の初期状態で安定された状態となる。
【0021】
また、上記表示素子において、前記基準電圧印加部及び前記走査電圧印加部は、それぞれ前記基準電極及び前記走査電極に対して、前記第1及び第2の電圧の他方の電圧を前記プリセット信号として印加し、かつ、
前記信号電圧印加部は、前記信号電極に対して、前記第1または第2の電圧を前記プリセット信号として印加してもよい。
【0022】
この場合、上記プリセット信号が基準電極、走査電極、及び信号電極に印加されることによって、導電性液体は所定の初期状態で安定された状態となる。
【0023】
また、上記表示素子において、前記基準電圧印加部、前記信号電圧印加部、及び前記走査電圧印加部は、それぞれ前記基準電極、前記信号電極、及び前記走査電極に対して、前記第1及び第2の電圧の中間の電圧値である第3の電圧を前記プリセット信号として印加してもよい。
【0024】
この場合、上記プリセット信号が基準電極、走査電極、及び信号電極に印加されることによって、導電性液体は所定の初期状態で安定された状態となる。
【0025】
また、上記表示素子において、前記基準電圧印加部は、前記複数の各基準電極に対して、前記プリセット信号を互いに独立して印加することが好ましい。
【0026】
この場合、プリセット信号の印加制御を容易なものとすることができる。
【0027】
また、上記表示素子において、前記表示用空間の内部には、前記導電性液体と混じり合わない絶縁性流体が当該表示用空間の内部を移動可能に封入されていることが好ましい。
【0028】
この場合、導電性液体の移動速度の高速化を容易に図ることができる。
【0029】
また、上記表示素子において、前記基準電極及び前記走査電極の表面上には、誘電体層が積層されていることが好ましい。
【0030】
この場合、誘電体層が導電性液体に印加する電界を確実に大きくして、当該導電性流体の移動速度をより容易に向上することができる。
【0031】
また、上記表示素子において、前記第1及び第2の基板には、透明な透明シート材が用いられ、
前記第2の基板の背面側には、バックライトが設けられてもよい。
【0032】
この場合、バックライトからの照明光を用いて表示動作が行われるので、外光が不十分な場合や夜間などでも、適切な表示動作を行うことができる。また、調光範囲が大きく、かつ、高精度な階調制御を簡単に行える高輝度な表示素子を容易に構成することができる。
【0033】
また、上記表示素子において、前記第1の基板には、透明な透明シート材が用いられ、
前記第2の基板側には、光反射部が設けられてもよい。
【0034】
この場合、光反射部が外部から入射された外光を反射することにより表示動作が行われるので、省力化及び薄型化された表示素子を容易に構成することができる。
【0035】
また、上記表示素子において、前記第1の基板には、透明な透明シート材が用いられ、
前記第2の基板側には、並設された光反射部及び透明な透明部が設けられ、
前記光反射部及び前記透明部の背面側には、バックライトが設けられてもよい。
【0036】
この場合、光反射部にて反射された外光及びバックライトからの照明光により表示動作が行われるので、バックライトでの消費電力を低減しつつ、調光範囲が大きく、かつ、高精度な階調制御を簡単に行える高輝度な表示素子を容易に構成することができる。
【0037】
また、上記表示素子において、前記非有効表示領域は、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた遮光膜によって設定され、
前記有効表示領域は、前記遮光膜に形成された開口部によって設定されてもよい。
【0038】
この場合、表示用空間に対し、有効表示領域及び非有効表示領域を適切に、かつ、確実に設定することができる。
【0039】
また、本発明の電気機器は、文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部を備えた電気機器であって、
前記表示部に、上記いずれかの表示素子を用いたことを特徴とするものである。
【0040】
上記のように構成された電気機器では、マトリクス駆動を行わせる場合でも、構造が複雑で大型化するのを防ぐことができる表示品位に優れた表示素子が表示部に用いられているので、優れた表示品位を有する表示部を備えた高性能な電気機器を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、マトリクス駆動を行わせる場合でも、構造が複雑で大型化するのを防ぐことができる表示品位に優れた表示素子、及びこれを用いた電気機器を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明の表示素子及び電気機器の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、カラー画像表示を表示可能な表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0043】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。図1において、本実施形態の画像表示装置1では、本発明の表示素子10を用いた表示部が設けられており、この表示部には矩形状の表示面が構成されている。すなわち、表示素子10は、図1の紙面に垂直な方向で互いに重ね合うように配置された上部基板2及び下部基板3を備えており、これらの上部基板2と下部基板3との重なり部分によって上記表示面の有効表示領域が形成されている(詳細は後述。)。
【0044】
また、表示素子10では、複数の信号電極4が互いに所定の間隔をおいて、かつ、X方向に沿ってストライプ状に設けられている。また、表示素子10では、複数の基準電極5及び複数の走査電極6が、互いに交互に、かつ、Y方向に沿ってストライプ状に設けられている。これら複数の信号電極4と、複数の基準電極5及び複数の走査電極6とは、互いに交差するように設けられており、表示素子10では、信号電極4と走査電極6との交差部単位に、複数の各画素領域が設定されている。
【0045】
また、これら複数の信号電極4、複数の基準電極5、及び複数の走査電極6は、互いに独立して、第1の電圧としてのHigh電圧と、第2の電圧としてのLow電圧との間の所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成されている(詳細は後述。)。
【0046】
さらに、表示素子10では、後に詳述するように、上記複数の各画素領域が仕切壁にて区切られるとともに、複数の画素領域が、上記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている。そして、表示素子10では、マトリクス状に設けられた複数の画素(表示セル)毎に、エレクトロウェッティング現象にて後述の導電性液体を移動させ、表示面側での表示色を変更するようになっている。
【0047】
また、複数の信号電極4、複数の基準電極5、及び複数の走査電極6では、各々一端部側が表示面の有効表示領域の外側に引き出されて、端子部4a、5a、及び6aが形成されている。
【0048】
複数の信号電極4の各端子部4aには、配線7aを介して信号ドライバ7が接続されている。信号ドライバ7は、信号電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各信号電極4に対して、情報に応じた信号電圧Vgを印加するように構成されている。
【0049】
また、複数の基準電極5の各端子部5aには、共通の配線8a、共通の配線台8b、及び端子部5a毎に設けられた配線8cを介在させて、基準ドライバ8が接続されている。基準ドライバ8は、基準電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各基準電極5に対して、所定の基準電圧Vsを常時印加するように構成されている。
【0050】
また、複数の走査電極6の各端子部6aには、配線9aを介して走査ドライバ9が接続されている。走査ドライバ9は、走査電圧印加部を構成するものであり、画像表示装置1が文字及び画像を含んだ情報を表示面に表示する場合に、複数の各走査電極6に対して、走査電圧Vdを印加するように構成されている。
【0051】
また、走査ドライバ9では、基準ドライバ8が複数の各基準電極5に対して基準電圧Vsを印加しているときに、複数の各走査電極6に対して、上記導電性液体が移動するのを阻止する非選択電圧と、導電性液体が信号電圧Vgに応じて移動するのを許容する選択電圧との一方の電圧を走査電圧Vdとして印加するようになっている。そして、画像表示装置1では、走査ドライバ9が例えば図1の左側から右側の各走査電極6に対して、選択電圧を順次印加することにより、ライン毎の走査動作が行われるように構成されている(詳細は後述。)。
【0052】
また、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9には、直流電源が含まれており、対応する信号電圧Vg、基準電圧Vs、及び走査電圧Vdを供給するようになっている。
【0053】
また、基準ドライバ8は、基準電圧Vsの極性を所定の時間(例えば、1フレーム)毎に切り替えるように構成されている。さらに、走査ドライバ9は、基準電圧Vsの極性の切り替えに対応して、走査電圧Vdの各極性を切り替えるように構成されている。このように、基準電圧Vs及び走査電圧Vdの各極性が所定の時間毎に切り替えられるので、基準電極5及び走査電極6に対して常時同じ極性の電圧を印加するときに比べて、これらの基準電極5及び走査電極6での電荷の局在化を防ぐことができる。さらに、電荷の局在化に起因する表示不良(残像現象)や信頼性(寿命低下)の悪影響を防止することができる。
【0054】
また、信号ドライバ7は、複数の各信号電極4に対して、後に詳述するように、導電性液体16を有効表示領域側または非有効表示領域側に移動させる前に、Low電圧(第2の電圧)をプリセット信号として印加するように構成されており、導電性液体16を移動させる前に、後述の表示用空間の内部での当該導電性液体16の状態を所定の初期状態とするようになっている。
【0055】
ここで、図2〜図4も参照して、表示素子10の画素構造について具体的に説明する。
【0056】
図2は表示面側から見た場合での図1に示した上部基板側の要部構成を示す拡大平面図であり、図3は非表示面側から見た場合での図1に示した下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。図4(a)及び図4(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、図1に示した表示素子の要部構成を示す断面図である。なお、図2及び図3では、図面の簡略化のために、上記表示面に設けられた複数の画素のうち、図1の左上端部に配設された12個の画素を図示している。
【0057】
図2〜図4において、表示素子10は、表示面側に設けられた第1の基板としての上記上部基板2と、上部基板2の背面側(非表示面側)に設けられた第2の基板としての上記下部基板3とを備えている。また、表示素子10では、上部基板2と下部基板3が互いに所定の間隔をおいて配置されることにより、これら上部基板2及び下部基板3の間に所定の表示用空間Sが形成されている。また、この表示用空間Sの内部には、上記導電性液体16及びこの導電性液体16と混じり合わない絶縁性のオイル17が当該表示用空間Sの内部で上記X方向(図4の左右方向)に移動可能に封入されており、導電性液体16は後述の有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動できるようになっている。
【0058】
導電性液体16には、例えば溶媒としての水と、溶質としての所定の電解質を含んだ水溶液が用いられている。具体的には、例えば1mmol/Lの塩化カリウム(KCl)の水溶液が導電性液体16に用いられている。また、導電性液体16には、顔料や染料などによって黒色に着色されたものが使用されている。
【0059】
また、導電性液体16は黒色に着色されているので、当該導電性液体16は、各画素において、光の透過を許容または阻止するシャッターとして機能するようになっている。つまり、表示素子10の各画素では、後に詳述するように、導電性液体16が表示用空間Sの内部を基準電極5側(有効表示領域P1側)または走査電極6側(非有効表示領域P2側)にスライド移動することによって表示色が黒色またはRGBのいずれかの色に変更されるよう構成されている。
【0060】
また、オイル17には、例えば側鎖高級アルコール、側鎖高級脂肪酸、アルカン炭化水素、シリコーンオイル、マッチングオイルから選択された1種または複数種からなる無極性で、かつ、無色透明なオイルが用いられている。また、このオイル17は、導電性液体16のスライド移動に伴って、表示用空間Sの内部を移動するようになっている。
【0061】
上部基板2には、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、上部基板2の非表示面側の表面には、カラーフィルタ層11及び撥水膜12が順次形成されており、さらには上記信号電極4が撥水膜12上に設けられている。
【0062】
また、下部基板3には、上部基板2と同様に、無アルカリガラス基板などの透明なガラス材またはアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂等の透明な透明シート材が用いられている。また、下部基板3の表示面側の表面には、上記基準電極5及び上記走査電極6が設けられており、さらに、これらの基準電極5及び走査電極6を覆うように、誘電体層13が形成されている。また、この誘電体層13の表示面側の表面には、Y方向及びX方向にそれぞれ平行となるように設けられたリブ14a及び14bが設けられている。さらに、下部基板3では、誘電体層13及びリブ14a、14bを覆うように、撥水膜15が設けられている。
【0063】
また、下部基板3の背面側(非表示面側)には、例えば白色の照明光を発光するバックライト18が一体的に組み付けられており、透過型の表示素子10が構成されている。
【0064】
カラーフィルタ(Color Filter)層11には、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)のカラーフィルタ部11r、11g、及び11bと、遮光膜としてのブラックマトリクス部11sとが設けられており、RGBの各色の画素を構成するようになっている。つまり、カラーフィルタ層11では、図2に例示するように、RGBのカラーフィルタ部11r、11g、11bがX方向に沿って順次設けられるとともに、各々4つのカラーフィルタ部11r、11g、11bがY方向に沿って設けられており、X方向及びY方向にそれぞれ3個及び4個、合計12個の画素が配設されている。
【0065】
また、表示素子10では、図2に例示するように、各画素領域Pにおいて、画素の有効表示領域P1に対応する箇所にRGBのいずれかのカラーフィルタ部11r、11g、及び11bが設けられ、非有効表示領域P2に対応する箇所にブラックマトリクス部11sが設けられている。つまり、表示素子10では、上記表示用空間Sに対し、ブラックマトリクス部(遮光膜)11sによって非有効表示領域P2(非開口部)が設定され、そのブラックマトリクス部11sに形成された開口部(つまり、いずれかのカラーフィルタ部11r、11g、及び11b)によって有効表示領域P1が設定されている。
【0066】
また、表示素子10では、カラーフィルタ部11r、11g、11bの各面積は、有効表示領域P1の面積に対し、同一または若干大きい値が選択されている。一方、ブラックマトリクス部11sの面積は、非有効表示領域P2の面積に対し、同一または若干小さい値が選択されている。尚、図2では、隣接する画素の境界部を明確にするために、隣接する画素に応じた2つのブラックマトリクス部11s間の境界線を点線にて示しているが、実際のカラーフィルタ層11では、ブラックマトリクス部11s間の境界線は存在しない。
【0067】
また、表示素子10では、上記仕切壁としてのリブ14a、14bにより表示用空間Sが画素領域P単位に区切られている。すなわち、表示素子10では、各画素の表示用空間Sは、図3に例示するように、互いに対向する2つのリブ14aと、互いに対向する2つのリブ14bとによって区画されている。さらに、表示素子10では、リブ14a、14bによって導電性液体16が隣接する画素領域Pの表示用空間Sの内部に流入するのが防がれている。すなわち、リブ14a、14bには、例えば光硬化性樹脂が用いられており、これらのリブ14a、14bでは、隣接する画素間で導電性液体16の流入出が防止されるように、誘電体層13からの突出高さが決定されている。
【0068】
尚、上記の説明以外に、リブ14a、14bに代えて、例えば下部基板3上で枠状に構成されたリブを画素単位に設けてもよい。また、隣接する画素領域Pどうしが気密に区切られるように、上記枠状に構成されたリブの先端部を上部基板2側に密接させてもよい。このようにリブの先端部を上部基板2側に密接させた場合には、当該リブを貫通するように信号電極4を設けることで表示用空間Sの内部に信号電極4を設置すればよい。
【0069】
撥水膜12、15には、透明な合成樹脂、好ましくは電圧印加時に導電性液体16に対し親水層となる、例えばフッ素系樹脂が使用されている。これにより、表示素子10では、上部基板2及び下部基板3の表示用空間S側の各表面側での導電性液体16との間の濡れ性(接触角)を大きく変化させることができ、導電性液体16の移動速度の高速化を図ることができる。また、誘電体層13は、例えばパリレンや窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、あるいは酸化アルミニウムを含有した透明な誘電体膜によって構成されている。
【0070】
基準電極5及び走査電極6には、酸化インジウム系(ITO)、酸化スズ系(SnO2)、または酸化亜鉛系(AZO、GZO、あるいはIZO)などの透明な電極材料が用いられている。これらの各基準電極5及び各走査電極6は、スパッタ法等の公知の成膜方法により、例えば厚さ100nmで下部基板3上に帯状に形成されている。
【0071】
信号電極4には、X方向に平行となるように配置された線状配線が用いられている。また、信号電極4は、撥水膜12上で、各画素領域PのY方向でのほぼ中心部を通るように設置されており、導電性液体16を挿通して、当該導電性液体16に直接的に接触するように構成されている。これにより、表示素子10では、表示動作時での導電性液体16の応答性の向上が図られている。
【0072】
また、信号電極4の表面には、例えばフッ素系樹脂からなる透明な撥水膜(図示せず)が積層されており、電圧印加時に導電性液体16に対し親水層となって導電性液体16の移動を円滑に行わせるようになっている。但し、この撥水膜は、信号電極4と導電性液体16とを電気的に絶縁することはなく、導電性液体16の応答性向上を阻害しないようになっている。
【0073】
尚、上記の説明以外に、上部基板2の非表示面側の表面上に、カラーフィルタ層11、信号電極4、及び撥水膜12を順次積層する構成でもよい。
【0074】
また、この信号電極4には、導電性液体16に対して電気化学的に不活性な材料が使用されており、当該信号電極4に上記信号電圧Vg(例えば、40V)が印加されたときでも、導電性液体16と電気化学反応を極力生じないように構成されている。これにより、信号電極4の電気分解の発生を防いで、表示素子10の信頼性及び寿命を向上させることができる。
【0075】
具体的にいえば、信号電極4には、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを含んだ電極材料が用いられている。また、信号電極4は、上記金属材料からなる細線をカラーフィルタ層11上に固定したり、スクリーン印刷法などを用いて、カラーフィルタ層11上に金属材料を含んだ導電性ペースト材などのインク材を載置したりすることで形成されている。
【0076】
さらに、信号電極4では、その形状が画素の有効表示領域P1の下方に設けられた基準電極5の透過率を用いて、定められている。具体的にいえば、信号電極4では、75%〜95%程度の基準電極5の透過率に基づき、有効表示領域P1の面積に対し、当該有効表示領域P1上での信号電極4の占有面積が30%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下となるように、信号電極4の形状は決定されている。
【0077】
上記のように構成された表示素子10の各画素では、図4(a)に例示するように、導電性液体16がカラーフィルタ部11rと基準電極5との間で保持されると、バックライト18からの光が導電性液体16により遮光されて、黒色表示(非CF着色表示)が行われる。一方、図4(b)に例示するように、導電性液体16がブラックマトリクス部11sと走査電極6との間で保持されると、バックライト18からの光は導電性液体16に遮光されることなく、カラーフィルタ部11rを通過することにより、赤色表示(CF着色表示)が行われる。
【0078】
ここで、上記のように構成された本実施形態の画像表示装置1の表示動作について、図5〜図7も参照して具体的に説明する。
【0079】
まず図5を用いて、画像表示装置1での基本的な動作について説明する。
【0080】
図5は、上記画像表示装置の動作例を説明する図である。
【0081】
図5において、基準ドライバ8は、全ての各基準電極5に対して、常にHigh電圧(第1の電圧)を基準電圧Vsとして印加する。また、走査ドライバ9は、例えば同図の左側から右側に向かう所定の走査方向で、走査電極6に対して、走査電圧Vdとして上記選択電圧を順次印加する。具体的には、走査ドライバ9は、走査電極6に対して、選択電圧としてLow電圧(第2の電圧)を順次印加して選択ラインとする走査動作を行う。この選択ラインでは、信号ドライバ7は外部からの画像入力信号に応じて、対応する信号電極4に対して、High電圧またはLow電圧を信号電圧Vgとして印加する。これにより、選択ラインの各画素では、導電性液体16が有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動されて、表示面側の表示色が変更される。
【0082】
また、信号ドライバ7は、走査ドライバ9による走査動作が行われる前、つまり、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4に対して、同時にLow電圧をプリセット信号として印加する。これにより、各画素の表示用空間Sの内部では、導電性液体16の状態が所定の初期状態とされる(詳細は後述。)。
【0083】
また、走査ドライバ9は、Low電圧が印加されない残りの全ての走査電極6に対してHigh電圧を上記非選択電圧として印加して、非選択ラインとする。これにより、非選択ラインの各画素では、導電性液体16が有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側で静止され、表示面側の表示色が変更されない。
【0084】
上記のような表示動作を行う場合、基準電極5、走査電極6、及び信号電極4への印加電圧の組み合わせは、表1に示されるものとなる。さらに、導電性液体16の挙動及び表示面側の表示色は、表1に示すように、印加電圧に応じたものとなる。なお、表1では、High電圧、及びLow電圧をそれぞれ"H"、及び"L"にて略記している(後掲の表2でも同様。)。
【0085】
【表1】

【0086】
<選択ラインでの動作>
選択ラインでは、信号電極4に対して例えばHigh電圧が印加されているときでは、基準電極5と信号電極4との間では、共にHigh電圧が印加されているので、これらの基準電極5と信号電極4との間には、電位差が生じていない。一方、信号電極4と走査電極6との間では、走査電極6に対して、Low電圧が印加されているので、電位差が生じている状態となる。このため、導電性液体16は、信号電極4に対して、電位差が生じている走査電極6側に表示用空間Sの内部を移動する。この結果、導電性液体16は、図4(b)に例示したように、非有効表示領域P2側に移動した状態となり、オイル17を基準電極5側に移動させて、バックライト18からの照明光がカラーフィルタ部11rに達するのを許容する。これにより、表示面側での表示色は、カラーフィルタ部11rによる赤色表示(CF着色表示)の状態となる。また、画像表示装置1では、隣接するRGBの3つの全画素において、それらの導電性液体16が非有効表示領域P2側に移動して、CF着色表示が行われたときに、当該RGBの画素からの赤色光、緑色光、及び青色光が白色光に混色して、白色表示が行われる。
【0087】
一方、選択ラインにおいて、信号電極4に対してLow電圧が印加されているときでは、基準電極5と信号電極4との間では、電位差が生じ、信号電極4と走査電極6との間には、電位差が生じていない。従って、導電性液体16は、信号電極4に対して、電位差が生じている基準電極5側に表示用空間Sの内部を移動する。この結果、導電性液体16は、図4(a)に例示したように、有効表示領域P1側に移動した状態となり、バックライト18からの照明光がカラーフィルタ部11rに達するのを阻止する。これにより、表示面側での表示色は、導電性液体16による黒色表示(非CF着色表示)の状態となる。
【0088】
<非選択ラインでの動作>
非選択ラインでは、信号電極4に対して例えばHigh電圧が印加されているときでは、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6の全ての電極がHigh電圧となり、これらの電極間には電位差が生じていない。それ故、導電性液体16は現状の位置、すなわち基準電極5側または走査電極6側から移動せずに、静止した状態で維持される。この結果、表示色は、現状の黒色表示またはCF着色表示から変更されずに維持される。
【0089】
同様に、非選択ラインにおいて、信号電極4に対してLow電圧が印加されているときでも、導電性液体16は現状の位置に静止した状態で維持されて、現状の表示色で維持される。すなわち、基準電極5及び走査電極6の双方に対して、High電圧が印加されているので、基準電極5と信号電極4との間の電位差及び走査電極6と信号電極4との間の電位差は、共に同じ電位差が生じるからである。
【0090】
以上のように、非選択ラインにおいては、信号電極4がHigh電圧及びLow電圧のいずれかの電圧であっても、導電性液体16は移動せずに、静止して、表示面側での表示色は変化しない。
【0091】
一方、選択ラインにおいては、信号電極4への印加電圧に応じて、上述のように、導電性液体16を移動させることができ、表示面側での表示色を変更させることができる。
【0092】
また、画像表示装置1では、表1に示した印加電圧の組み合わせによって、選択ライン上の各画素での表示色は、例えば図5に示すように、各画素に対応する信号電極4への印加電圧に応じて、カラーフィルタ部11r、11g、11bによるCF着色(赤色、緑色、あるいは青色)または導電性液体16による非CF着色(黒色)となる。また、走査ドライバ9が、例えば走査電極6の選択ラインを図5の左から右へ走査動作を行う場合、画像表示装置1の表示部での各画素の表示色もまた同図5の左から右に向かって順次変化することとなる。したがって、走査ドライバ9による選択ラインの走査動作を高速で行うことにより、画像表示装置1において、表示部での各画素の表示色も高速に変化させることが可能となる。さらに、選択ラインの走査動作に同期させて信号電極4への信号電圧Vgの印加を行うことにより、画像表示装置1では、外部からの画像入力信号に基づいて、動画像を含んだ種々の情報を表示することが可能となる。
【0093】
また、基準電極5、走査電極6、及び信号電極4への印加電圧の組み合わせは、表1に限定されるものではなく、表2に示すものでもよい。
【0094】
【表2】

【0095】
すなわち、基準電極5には、基準ドライバ8から常にLow電圧(第2の電圧)を基準電圧Vsとして印加する。走査電極6には、走査ドライバ9により図1の左側から順次1本ずつHigh電圧(第1の電圧)を上記選択電圧として印加して選択ラインとする走査動作を行う。また、走査ドライバ9は、High電圧が印加されない残りの全ての走査電極6に対してLow電圧を上記非選択電圧として印加して、非選択ラインとする。信号電極4には、信号ドライバ7により外部からの画像入力信号に応じて、High電圧またはLow電圧を信号電圧Vgとして印加する。
【0096】
<選択ラインでの動作>
選択ラインでは、信号電極4に対して例えばLow電圧が印加されているときでは、基準電極5と信号電極4との間では、共にLow電圧が印加されているので、これらの基準電極5と信号電極4との間には、電位差が生じていない。一方、信号電極4と走査電極6との間では、走査電極6に対して、High電圧が印加されているので、電位差が生じている状態となる。従って、導電性液体16は、信号電極4に対して、電位差が生じている走査電極6側に表示用空間Sの内部を移動する。この結果、導電性液体16は、図4(b)に例示したように、非有効表示領域P2側に移動した状態となり、オイル17を基準電極5側に移動させて、バックライト18からの照明光がカラーフィルタ部11rに達するのを許容する。これにより、表示面側での表示色は、カラーフィルタ部11rによる赤色表示(CF着色表示)の状態となる。また、表1に示した場合と同様に、隣接するRGBの3つの全画素において、CF着色表示が行われたときには、白色表示が行われる。
【0097】
一方、選択ラインにおいて、信号電極4に対してHigh電圧が印加されているときでは、基準電極5と信号電極4との間では、電位差が生じ、信号電極4と走査電極6との間には、電位差が生じていない。従って、導電性液体16は、信号電極4に対して、電位差が生じている基準電極5側に表示用空間Sの内部を移動する。この結果、導電性液体16は、図4(a)に例示したように、有効表示領域P1側に移動した状態となり、バックライト18からの照明光がカラーフィルタ部11rに達するのを阻止する。これにより、表示面側での表示色は、導電性液体16による黒色表示(非CF着色表示)の状態となる。
【0098】
<非選択ラインでの動作>
非選択ラインでは、信号電極4に対して例えばLow電圧が印加されているときでは、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6の全ての電極がLow電圧となり、これらの電極間には電位差が生じていない。それ故、導電性液体16は現状の位置、すなわち基準電極5側または走査電極6側から移動せずに、静止した状態で維持される。この結果、表示色は、現状の黒色表示またはCF着色表示から変更されずに維持される。
【0099】
同様に、非選択ラインにおいて、信号電極4に対してHigh電圧が印加されているときでも、導電性液体16は現状の位置に静止した状態で維持されて、現状の表示色で維持される。すなわち、基準電極5及び走査電極6の双方に対して、Low電圧が印加されているので、基準電極5と信号電極4との間の電位差及び走査電極6と信号電極4との間の電位差は、共に同じ電位差が生じるからである。
【0100】
以上のように、表2に示した場合でも、表1に示した場合と同様に、非選択ラインにおいては、信号電極4がHigh電圧及びLow電圧のいずれかの電圧であっても、導電性液体16は移動せずに、静止して、表示面側での表示色は変化しない。
【0101】
一方、選択ラインにおいては、信号電極4への印加電圧に応じて、上述のように、導電性液体16を移動させることができ、表示面側での表示色を変更させることができる。
【0102】
また、本実施形態の画像表示装置1では、表1及び表2に示した印加電圧の組み合わせ以外に、信号電極4への印加電圧を、High電圧またはLow電圧の2値だけではなく、これらのHigh電圧とLow電圧との間の電圧を、表示面側に表示される情報に応じて変化させることもできる。すなわち、画像表示装置1では、信号電圧Vgを制御することにより、階調表示が可能となる。これにより、表示性能に優れた表示素子10を構成することができる。
【0103】
次に、図6及び図7を用いて、本実施形態の画像表示装置1での上記プリセット信号の印加動作について具体的に説明する。
【0104】
図6(a)及び図6(b)は、それぞれ上記表示素子での導電性液体の初期状態の具体例及び別の具体例を説明する図である。図7(a)、図7(b)、及び図7(c)は、それぞれ図1に示した基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【0105】
図6(a)及び図6(b)に示すように、本実施形態では、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対する印加電圧の大きさに応じて、表示用空間Sの内部の導電性液体16は、親水状態と撥水状態との二種類のいずれかの状態で待機状態となる。具体的には、図6(a)に例示するように、信号電極4及び基準電極5に対して、それぞれLow電圧及びHigh電圧が印加され、かつ、走査電極6に対して、上記非選択電圧としてのHigh電圧が印加されると、導電性液体16の濡れ性が大きく、すなわち誘電体層13との接触角が大きくなって、表示用空間Sの内部での導電性液体16の状態は親水状態で待機状態となる。
【0106】
一方、図6(b)に例示するように、信号電極4及び基準電極5に対して、High電圧が印加され、かつ、走査電極6に対して、非選択電圧としてのHigh電圧が印加されると、導電性液体16の濡れ性が小さく、すなわち誘電体層13との接触角が小さくなって、表示用空間Sの内部での導電性液体16の状態は撥水状態で待機状態となる。尚、図6では、導電性液体16が走査電極6(非有効表示領域P2)側に位置している場合を例示しているが、導電性液体16が基準電極(有効表示領域P1)側に位置している場合でも、導電性液体16は信号電極4、基準電極5、及び走査電極6への電圧印加に応じて、親水状態または撥水状態で待機状態となる。
【0107】
以上のように、表示用空間Sの内部では、導電性液体16は信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対する電圧印加に対応して、親水状態または撥水状態で待機状態とされており、上記選択ラインとされた他の信号電極4に対する、High電圧またはLow電圧の信号電圧Vgの印加動作に伴い、待機状態が親水状態及び撥水状態のいずれか一方の状態に変動し、待機状態が安定しない。また、このようないずれかの状態である不安定な状態の導電性液体16に対して、次の走査動作による電圧印加を行わせると、導電性液体16の移動量の安定化を図るのを阻害することがあった。つまり、次の走査動作においても、導電性液体16の状態に関わらず、信号電極4に対して、High電圧またはLow電圧が印加されるので、導電性液体16の状態によっては有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側への移動速度、ひいては移動量が異なることがあり、導電性液体16の移動量の安定化を図るのを難しくすることがあった。
【0108】
そこで、本実施形態では、信号ドライバ7が、上述したように、走査動作が行われる前、つまり、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4に対して、同時にLow電圧をプリセット信号として印加するようになっている。これにより、各画素において、表示用空間Sの内部では、導電性液体16は上記親水状態に整えられて、当該親水状態で安定した初期状態(プリセット状態)とすることができる。
【0109】
尚、図6(a)及び図6(b)では、上記非選択電圧として表1に示したHigh電圧を印加する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、非選択電圧として表2に示したLow電圧を印加する場合でも、プリセット信号を印加することにより、導電性液体16の状態を親水状態または撥水状態とすることができる(後掲の各実施形態においても、同様。)。具体的には、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、Low電圧を印加した場合には、導電性液体16の状態は撥水状態となる。また、信号電極4に対して、High電圧を印加し、かつ、基準電極5及び走査電極6に対して、Low電圧を印加した場合には、導電性液体16の状態は親水状態となる。
【0110】
続いて、図7を参照して、上記プリセット信号を印加した場合において、任意の画素での導電性液体16に対するプリセット動作について、具体的に説明する。なお、以下の説明では、例えば図1の上側から1番目の信号電極4と同図の左側から2番目の走査電極6との交差部に存在する画素(以下、画素Aという。)での動作を主に説明する。また、上記選択電圧には、表1に示したLow電圧が印加される場合について説明する。さらに、図7では、信号電極4に対して、High電圧及びLow電圧のいずれか一方の電圧が印加されてもよい場合には、クロスマーク(×印)にて図示する(後掲の図8〜図14及び図16〜図23においても、同様。)。
【0111】
図7(a)〜図7(c)において、時点T1から時点T2までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しLow電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T2から時点T3までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0112】
次に、時点T3から時点T4までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記親水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T4から時点T5までの間において、走査電極5に対して、選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0113】
続いて、時点T5から時点T6までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しプリセット信号を印加する。その後、時点T6から時点T7までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0114】
以降、本実施形態では、プリセット動作及び走査動作が、順次実施される。
【0115】
尚、High電圧及びLow電圧の具体的な電圧値は、例えば+8V及び−8Vである。また、時点T1と時点T2との間などのプリセット信号が印加される印加時間は、例えば0.05秒程度であり、時点T2と時点T3との間及び時点T4と時点T5との間などの非選択電圧または選択電圧が印加される印加時間は、例えば0.5秒程度である(後掲の各実施形態においても、同様。)。また、High電圧及びLow電圧の許容電圧値は、それぞれ+30V及び−30V程度である。
【0116】
以上のように構成された本実施形態の表示素子10では、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6は互いに独立してHigh電圧(第1の電圧)とLow電圧(第2の電圧)との間の所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成されている。これにより、本実施形態の表示素子10では、上記従来例と異なり、マトリクス駆動を行わせる場合でも、構造が複雑で大型化するのを防ぐことができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7が、信号電極4に対して、上記プリセット信号としてのLow電圧を印加する。これにより、本実施形態の表示素子10では、マトリクス駆動を行わせる場合でも、導電性液体16を移動させる前の状態を所定の初期状態で安定させることができ、表示品位に優れた表示素子を構成することができる。
【0117】
また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7が、信号電極4に対して、プリセット信号を印加することにより、導電性液体16を移動させる前の状態を親水状態で安定させているので、プリセット動作を比較的簡単に行うことができる。
【0118】
また、本実施形態の画像表示装置(電気機器)1では、表示素子10が表示部に用いられているので、優れた表示品位を有する表示部を備えた高性能な画像表示装置1を容易に構成することができる。
【0119】
また、本実施形態の表示素子10では、複数の基準電極5及び複数の走査電極6が、互いに交互に、かつ、複数の信号電極4と交差するように、下部基板(第2の基板)3側に設けられている。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ(信号電圧印加部)7、基準ドライバ(基準電圧印加部)8、及び走査ドライバ(走査電圧印加部)9が信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、信号電圧Vg、基準電圧Vs、及び走査電圧Vdを印加するようになっている。これにより、本実施形態では、優れた表示品位を有するマトリクス駆動方式の表示素子10を容易に構成することができる。
【0120】
また、本実施形態の表示素子10では、バックライト18からの照明光を用いて表示動作が行われるので、外光が不十分な場合や夜間などでも、適切な表示動作を行うことができる。また、本実施形態では、調光範囲が大きく、かつ、高精度な階調制御を簡単に行える高輝度な表示素子を容易に構成することができる。
【0121】
[第2の実施形態]
図8(a)、図8(b)、及び図8(c)は、それぞれ本発明の第2の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、信号電極に対して、High電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0122】
すなわち、図8に示すように、本実施形態では、信号ドライバ7は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4に対して、同時にHigh電圧(第1の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0123】
具体的には、図8(a)〜図8(c)において、時点T8から時点T9までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しHigh電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T9から時点T10までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0124】
次に、時点T10から時点T11までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記撥水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T11から時点T12までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0125】
続いて、時点T12から時点T13までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しプリセット信号を印加する。その後、時点T13から時点T14までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0126】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7が、信号電極4に対して、プリセット信号を印加することにより、導電性液体16を移動させる前の状態を撥水状態で安定させているので、プリセット動作を比較的簡単に行うことができる。
【0127】
[第3の実施形態]
図9(a)、図9(b)、及び図9(c)は、それぞれ本発明の第3の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、基準電極及び走査電極に対して、Low電圧とHigh電圧との中間の電圧値であるMiddle電圧(第3の電圧)をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0128】
すなわち、図9に示すように、本実施形態では、基準ドライバ8は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての基準電極5に対して、同時にHigh電圧(第1の電圧)とLow電圧(第2の電圧)との中間の電圧値であるMiddle電圧(第3の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0129】
同様に、走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての走査電極6に対して、同時にMiddle電圧をプリセット信号として印加するようになっている。
【0130】
具体的には、図9(a)〜図9(c)において、時点T15から時点T16までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、それぞれMiddle電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T16から時点T17までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0131】
次に、時点T17から時点T18までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記親水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T18から時点T19までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0132】
続いて、時点T19から時点T20までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。その後、時点T20から時点T21までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0133】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を親水状態で確実に安定させることができる。
【0134】
尚、上記の説明では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9がMiddle電圧をプリセット信号として印加する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、導電性液体16を所定の初期状態とすることができる、所定の電圧幅を有する実質的に同一の電圧をプリセット信号として印加するもので有ればよい(後掲の第11の実施形態においても同様。)。
【0135】
[第4の実施形態]
図10(a)、図10(b)、及び図10(c)は、それぞれ本発明の第4の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、基準電極及び走査電極に対して、Low電圧をプリセット信号として印加し、かつ、信号電極に対して、High電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0136】
すなわち、図10に示すように、本実施形態では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、同時にLow電圧(第2の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0137】
また、信号ドライバ7は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4に対して、同時にHigh電圧(第1の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0138】
具体的には、図10(a)〜図10(c)において、時点T22から時点T23までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、それぞれLow電圧(プリセット信号)を印加し、かつ、信号ドライバ4は、全ての信号電極4に対して、High電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T23から時点T24までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0139】
次に、時点T24から時点T25までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記親水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T25から時点T26までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0140】
続いて、時点T26ら時点T27までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。その後、時点T27から時点T28までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0141】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を親水状態でより確実に安定させることができる。
【0142】
[第5の実施形態]
図11(a)、図11(b)、及び図11(c)は、それぞれ本発明の第5の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、基準電極、走査電極、及び信号電極に対して、Low電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0143】
すなわち、図11に示すように、本実施形態では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、同時にLow電圧(第2の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0144】
具体的には、図11(a)〜図11(c)において、時点T29から時点T30までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれLow電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T30から時点T31までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0145】
次に、時点T31から時点T32までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記撥水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T32から時点T33までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0146】
続いて、時点T33から時点T34までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。その後、時点T34から時点T35までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0147】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を撥水状態でより確実に安定させることができる。
【0148】
[第6の実施形態]
図12(a)、図12(b)、及び図12(c)は、それぞれ本発明の第6の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、基準電極、走査電極、及び信号電極に対して、Low電圧とHigh電圧との中間の電圧値であるMiddle電圧(第3の電圧)をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0149】
すなわち、図12に示すように、本実施形態では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、同時にHigh電圧(第1の電圧)とLow電圧(第2の電圧)との中間の電圧値であるMiddle電圧(第3の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0150】
具体的には、図12(a)〜図12(c)において、時点T36から時点T37までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれMiddle電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T37から時点T38までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0151】
次に、時点T38から時点T39までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記撥水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T39から時点T40までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0152】
続いて、時点T40から時点T41までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。その後、時点T41から時点T42までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0153】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を撥水状態でより確実に安定させることができる。
【0154】
尚、上記の説明では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9がMiddle電圧をプリセット信号として印加する場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されるものではなく、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、導電性液体16を所定の初期状態とすることができる、所定の電圧幅を有する実質的に同一の電圧をプリセット信号として印加するもので有ればよい(後掲の第14の実施形態においても同様。)。
【0155】
[第7の実施形態]
図13(a)、図13(b)、及び図13(c)は、それぞれ本発明の第7の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、基準電極及び走査電極に対して、交流電圧をプリセット信号として印加し、かつ、信号電極に対して、逆位相の交流電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0156】
すなわち、図13に示すように、本実施形態の信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9には、交流電源が含まれており、信号ドライバ7は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4に対して、所定の交流電圧をプリセット信号として印加するようになっている。また、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、同時に、信号電極4へのプリセット信号とは逆位相の交流電圧をプリセット信号として印加するようになっている。
【0157】
具体的には、図13(a)〜図13(c)において、時点T43から時点T44までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は、全ての信号電極4に対して、High電圧からLow電圧に変化する交流電圧(プリセット信号)を印加し、かつ、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、それぞれLow電圧からHigh電圧に変化する交流電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T44から時点T45までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0158】
次に、時点T45から時点T46までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記親水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T46から時点T47までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0159】
続いて、時点T47から時点T48までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。その後、時点T48から時点T49までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0160】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を親水状態でより確実に安定させることができる。
【0161】
[第8の実施形態]
図14(a)、図14(b)、及び図14(c)は、それぞれ本発明の第8の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、基準電極、走査電極、及び信号電極に対して、交流電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0162】
すなわち、図14に示すように、本実施形態では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9には、交流電源が含まれており、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれ所定の交流電圧をプリセット信号として印加するようになっている。
【0163】
具体的には、図14(a)〜図14(c)において、時点T50から時点T51までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれLow電圧からHigh電圧に変化する交流電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T51から時点T52までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0164】
次に、時点T52から時点T53までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記撥水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T53から時点T54までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0165】
続いて、時点T54から時点T55までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。その後、時点T55から時点T56までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0166】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を撥水状態でより確実に安定させることができる。
【0167】
[第9の実施形態]
図15は、本発明の第9の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、基準電圧印加部は、複数の各基準電極に対して、信号を互いに独立して印加可能に構成した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0168】
つまり、図15に示すように、本実施形態では、基準ドライバ(基準電圧印加部)8は、端子部5a毎に設けられた配線8cを介して、各基準電極5に直接的に接続されている。これにより、基準ドライバ8は、各基準電極5に対して、基準電圧Vsを互いに独立して印加することができる。
【0169】
ここで、図16を参照して、本実施形態の表示素子10において、任意の画素での導電性液体16に対するプリセット動作について、具体的に説明する。
【0170】
図16(a)、図16(b)、及び図16(c)は、それぞれ図15に示した基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【0171】
図16(a)〜図16(c)において、時点T57から時点T58までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しLow電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T58から時点T59までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0172】
次に、時点T59から時点T60までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記親水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T60から時点T61までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0173】
続いて、時点T61から時点T62までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しプリセット信号を印加する。その後、時点T62から時点T63までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0174】
以降、本実施形態では、プリセット動作及び走査動作が、順次実施される。
【0175】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7が、信号電極4に対して、プリセット信号を印加することにより、導電性液体16を移動させる前の状態を親水状態で安定させているので、プリセット動作を比較的簡単に行うことができる。
【0176】
[第10の実施形態]
図17(a)、図17(b)、及び図17(c)は、それぞれ本発明の第10の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第9の実施形態との主な相違点は、信号電極に対して、High電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第9の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0177】
すなわち、図17に示すように、本実施形態では、信号ドライバ7は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4に対して、同時にHigh電圧(第1の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0178】
具体的には、図17(a)〜図17(c)において、時点T64から時点T65までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しHigh電圧(プリセット信号)を印加する。その後、時点T65から時点T66までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0179】
次に、時点T66から時点T67までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記撥水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T67から時点T68までの間において、走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0180】
続いて、時点T68から時点T69までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は全ての信号電極4に対しプリセット信号を印加する。その後、時点T69から時点T70までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0181】
以上の構成により、本実施形態では、上記第9の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7が、信号電極4に対して、プリセット信号を印加することにより、導電性液体16を移動させる前の状態を撥水状態で安定させているので、プリセット動作を比較的簡単に行うことができる。
【0182】
[第11の実施形態]
図18(a)、図18(b)、及び図18(c)は、それぞれ本発明の第11の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第9の実施形態との主な相違点は、基準電極及び走査電極に対して、Low電圧とHigh電圧との中間の電圧値であるMiddle電圧(第3の電圧)をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第9の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0183】
すなわち、図18に示すように、本実施形態では、基準ドライバ8は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、基準電極5に対して、同時にHigh電圧(第1の電圧)とLow電圧(第2の電圧)との中間の電圧値であるMiddle電圧(第3の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0184】
同様に、走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、走査電極6に対して、同時にMiddle電圧をプリセット信号として印加するようになっている。
【0185】
具体的には、図18(a)〜図18(c)において、時点T71から時点T72までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、それぞれMiddle電圧(プリセット信号)を印加する。但し、この1番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0186】
その後、時点T72から時点T73までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0187】
次に、時点T73から時点T74までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記親水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T74から時点T75までの間において、対応する走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0188】
続いて、時点T75から時点T76までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。但し、この3番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0189】
その後、時点T76から時点T77までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0190】
以上の構成により、本実施形態では、上記第9の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、基準電極5及び走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を親水状態で確実に安定させることができる。
【0191】
また、本実施形態では、基準ドライバ8が、複数の各基準電極5に対して、プリセット信号を互いに独立して印加しているので、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、図18(a)及び図18(b)にそれぞれ示したように、非選択ラインに含まれた画素に対しては、プリセット信号を印加する必要がない。この結果、本実施形態では、図9(a)及び図9(b)に示したものと異なり、プリセット信号の印加制御を容易なものとすることができる。
【0192】
[第12の実施形態]
図19(a)、図19(b)、及び図19(c)は、それぞれ本発明の第12の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第9の実施形態との主な相違点は、基準電極及び走査電極に対して、Low電圧をプリセット信号として印加し、かつ、信号電極に対して、High電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第9の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0193】
すなわち、図19に示すように、本実施形態では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、基準電極5及び走査電極6に対して、同時にLow電圧(第2の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0194】
また、信号ドライバ7は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、信号電極4に対して、同時にHigh電圧(第1の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0195】
具体的には、図19(a)〜図19(c)において、時点T78から時点T79までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、それぞれLow電圧(プリセット信号)を印加し、かつ、信号ドライバ4は、対応する信号電極4に対して、High電圧(プリセット信号)を印加する。但し、この1番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0196】
その後、時点T79から時点T80までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0197】
次に、時点T80から時点T81までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記親水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T81から時点T82までの間において、対応する走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0198】
続いて、時点T82から時点T83までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。但し、この3番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0199】
その後、時点T83から時点T84までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0200】
以上の構成により、本実施形態では、上記第9の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を親水状態でより確実に安定させることができる。
【0201】
また、本実施形態では、基準ドライバ8が、複数の各基準電極5に対して、プリセット信号を互いに独立して印加しているので、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、図19(a)及び図19(b)にそれぞれ示したように、非選択ラインに含まれた画素に対しては、プリセット信号を印加する必要がない。この結果、本実施形態では、図10(a)及び図10(b)に示したものと異なり、プリセット信号の印加制御を容易なものとすることができる。
【0202】
[第13の実施形態]
図20(a)、図20(b)、及び図20(c)は、それぞれ本発明の第13の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第9の実施形態との主な相違点は、基準電極、走査電極、及び信号電極に対して、Low電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第9の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0203】
すなわち、図20に示すように、本実施形態では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、同時にLow電圧(第2の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0204】
具体的には、図20(a)〜図20(c)において、時点T85から時点T86までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれLow電圧(プリセット信号)を印加する。但し、この1番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0205】
その後、時点T86から時点T87までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0206】
次に、時点T87から時点T88までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記撥水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T88から時点T89までの間において、対応する走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0207】
続いて、時点T89から時点T90までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。但し、この3番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0208】
その後、時点T90から時点T91までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0209】
以上の構成により、本実施形態では、上記第9の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を撥水状態でより確実に安定させることができる。
【0210】
また、本実施形態では、基準ドライバ8が、複数の各基準電極5に対して、プリセット信号を互いに独立して印加しているので、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、図20(a)及び図20(b)にそれぞれ示したように、非選択ラインに含まれた画素に対しては、プリセット信号を印加する必要がない。この結果、本実施形態では、図11(a)及び図11(b)に示したものと異なり、プリセット信号の印加制御を容易なものとすることができる。
【0211】
[第14の実施形態]
図21(a)、図21(b)、及び図21(c)は、それぞれ本発明の第14の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第9の実施形態との主な相違点は、基準電極、走査電極、及び信号電極に対して、Low電圧とHigh電圧との中間の電圧値であるMiddle電圧(第3の電圧)をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第9の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0212】
すなわち、図21に示すように、本実施形態では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、同時にHigh電圧(第1の電圧)とLow電圧(第2の電圧)との中間の電圧値であるMiddle電圧(第3の電圧)をプリセット信号として印加するようになっている。
【0213】
具体的には、図21(a)〜図21(c)において、時点T92から時点T93までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれMiddle電圧(プリセット信号)を印加する。但し、この1番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0214】
その後、時点T93から時点T94までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0215】
次に、時点T94から時点T95までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記撥水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T95から時点T96までの間において、対応する走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0216】
続いて、時点T96から時点T97までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。但し、この3番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0217】
その後、時点T97から時点T98までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0218】
以上の構成により、本実施形態では、上記第9の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を撥水状態でより確実に安定させることができる。
【0219】
また、本実施形態では、基準ドライバ8が、複数の各基準電極5に対して、プリセット信号を互いに独立して印加しているので、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、図21(a)及び図21(b)にそれぞれ示したように、非選択ラインに含まれた画素に対しては、プリセット信号を印加する必要がない。この結果、本実施形態では、図12(a)及び図12(b)に示したものと異なり、プリセット信号の印加制御を容易なものとすることができる。
【0220】
[第15の実施形態]
図22(a)、図22(b)、及び図22(c)は、それぞれ本発明の第15の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第9の実施形態との主な相違点は、基準電極及び走査電極に対して、交流電圧をプリセット信号として印加し、かつ、信号電極に対して、逆位相の交流電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第9の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0221】
すなわち、図22に示すように、本実施形態の信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9には、交流電源が含まれており、信号ドライバ7は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4に対して、所定の交流電圧をプリセット信号として印加するようになっている。また、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての基準電極5及び全ての走査電極6に対して、同時に、信号電極4へのプリセット信号とは逆位相の交流電圧をプリセット信号として印加するようになっている。
【0222】
具体的には、図22(a)〜図22(c)において、時点T99から時点T100までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7は、対応する信号電極4に対して、High電圧からLow電圧に変化する交流電圧(プリセット信号)を印加し、かつ、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、それぞれLow電圧からHigh電圧に変化する交流電圧(プリセット信号)を印加する。但し、この1番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0223】
その後、時点T100から時点T101までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0224】
次に、時点T101から時点T102までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記親水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T102から時点T103までの間において、対応する走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0225】
続いて、時点T103から時点T104までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。但し、この3番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0226】
その後、時点T104から時点T105までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0227】
以上の構成により、本実施形態では、上記第9の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を親水状態でより確実に安定させることができる。
【0228】
また、本実施形態では、基準ドライバ8が、複数の各基準電極5に対して、プリセット信号を互いに独立して印加しているので、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、図22(a)及び図22(b)にそれぞれ示したように、非選択ラインに含まれた画素に対しては、プリセット信号を印加する必要がない。この結果、本実施形態では、図13(a)及び図13(b)に示したものと異なり、プリセット信号の印加制御を容易なものとすることができる。
【0229】
[第16の実施形態]
図23(a)、図23(b)、及び図23(c)は、それぞれ本発明の第16の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。図において、本実施形態と上記第9の実施形態との主な相違点は、基準電極、走査電極、及び信号電極に対して、交流電圧をプリセット信号として印加した点である。なお、上記第9の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0230】
すなわち、図23に示すように、本実施形態の信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9には、交流電源が含まれており、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、導電性液体16を有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に移動させる前に、全ての信号電極4、全ての基準電極5、及び全ての走査電極6に対して、それぞれ所定の交流電圧をプリセット信号として印加するようになっている。
【0231】
具体的には、図23(a)〜図23(c)において、時点T106から時点T107までの間では、図1の左側から1番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4に対して、Low電圧からHigh電圧に変化する交流電圧(プリセット信号)を印加する。但し、この1番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0232】
その後、時点T107から時点T108までの間において、画素Aの左隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0233】
次に、時点T108から時点T109までの間では、画素Aを含んだ図1の左側から2番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。これにより、画素Aでは、導電性液体16が上記撥水状態で安定した初期状態とされる。その後、時点T109から時点T110までの間において、対応する走査電極5に対して、上記選択電圧が印加され、画素Aに対する信号電圧Vgの印加が行われる。この結果、画素Aでは、導電性液体16は信号電圧Vgに応じた動作(移動または静止)を行う。
【0234】
続いて、時点T110から時点T111までの間では、図1の左側から3番目の画素列に対してプリセット動作を行うために、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、対応する信号電極4、対応する基準電極5、及び対応する走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加する。但し、この3番目の画素列に対するプリセット動作は、画素Aを含んだ左側から2番目の画素列とは独立して行われるため、当該2番目の画素列では、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、対応する基準電極5及び対応する走査電極6に対して、High電圧を印加して、非選択ラインとしている。
【0235】
その後、時点T111から時点T112までの間において、画素Aの右隣の画素に対する信号電圧Vgの印加が行われる。また、この期間では、対応する走査電極5に対して、上記非選択電圧が印加されているので、画素Aでは、導電性液体16は移動せずに表示色の変更は行われない。
【0236】
以上の構成により、本実施形態では、上記第9の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態の表示素子10では、信号ドライバ7、基準ドライバ8、及び走査ドライバ9は、信号電極4、基準電極5、及び走査電極6に対して、それぞれプリセット信号を印加しているので、有効表示領域P1側または非有効表示領域P2側に存在する導電性液体16を撥水状態でより確実に安定させることができる。
【0237】
また、本実施形態では、基準ドライバ8が、複数の各基準電極5に対して、プリセット信号を互いに独立して印加しているので、基準ドライバ8及び走査ドライバ9は、図23(a)及び図23(b)にそれぞれ示したように、非選択ラインに含まれた画素に対しては、プリセット信号を印加する必要がない。この結果、本実施形態では、図14(a)及び図14(b)に示したものと異なり、プリセット信号の印加制御を容易なものとすることができる。
【0238】
[第17の実施形態]
図24(a)及び図24(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、本発明の第17の実施形態にかかる表示素子の要部構成を示す断面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、下部基板の背面側に拡散反射板を設けて、反射型の表示素子を構成した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0239】
すなわち、図24に示すように、本実施形態では、拡散反射板19が下部基板3の背面側に一体的に設けられており、反射型の表示素子10が構成されている。拡散反射板19は、例えばアクリル系樹脂などの透明な高分子樹脂と、高分子樹脂の内部に添加されるとともに、屈折率が互いに異なる複数種類の微粒子とを具備しており、上部基板2側(表示面側)から入射された外光を表示面側に反射する光反射部として機能するようになっている。また、この拡散反射板19では、上記複数種類の微粒子として、屈折率の大きな酸化チタン、アルミナの微粒子や屈折率の小さい中空ポリマー微粒子を含有されており、外光を表示面側に効率よく反射できるように構成されている。
【0240】
そして、本実施形態の表示素子10では、図24(a)に例示するように、導電性液体16がカラーフィルタ部11rと基準電極5との間で保持されると、表示面側からの外光が導電性液体16により遮光されて、黒色表示(非CF着色表示)が行われる。一方、図24(b)に例示するように、導電性液体16がブラックマトリクス部11sと走査電極6との間で保持されると、表示面側からの外光は導電性液体16に遮光されることなく拡散反射板19に達して当該拡散反射板19で表示面側に反射された後、カラーフィルタ部11rを通過することにより、赤色表示(CF着色表示)が行われる。
【0241】
また、本実施形態の表示素子10では、図7に例示したように、走査ドライバ9による走査動作の前に、信号ドライバ7が、プリセット信号を印加して、導電性液体16を親水状態に整えて、安定な初期状態とするプリセット動作を行うようになっている。
【0242】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、拡散反射板(光反射部)19が外部から入射された外光を反射することにより表示動作が行われるので、省力化及び薄型化された表示素子10及び画像表示装置1を容易に構成することができる。
【0243】
尚、上記の説明では、下部基板3の背面側に拡散反射板19を設けた場合について説明したが、本発明は非表示面側に設置される、第2の基板側に光反射部を設けたものであれば何等限定されない。例えば反射機能をもつ合成樹脂製の白色板を用いて上記誘電体層13を構成することにより、誘電体層と拡散反射板とを兼用させてよい。また、上記の白色板を用いて、下部基板3を構成することにより、下部基板と拡散反射板とを兼用させてよい。
【0244】
また、上記の説明以外に、第2〜第8の実施形態と同様なプリセット動作を行わせたり、第9〜第16の各実施形態と同一の基準電極5の構成とし、これらの第9〜第16の実施形態と同様なプリセット動作を行わせたりする構成でもよい。
【0245】
[第18の実施形態]
図25(a)及び図25(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、本発明の第18の実施形態にかかる表示素子の要部構成を示す断面図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、下部基板の背面側に、並設された拡散反射部及び透明な透明部を有する半透過板を設けて、半透過型の表示素子を構成した点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明は省略する。
【0246】
つまり、図25に示すように、本実施形態では、半透過板20が下部基板3の背面側に一体的に設けられており、半透過型の表示素子10が構成されている。半透過板20には、図25の左右方向で互いに並設された透明部20a及び光反射部としての拡散反射部20bとが設けられている。詳細には、これら透明部20a及び拡散反射部20bは、画素の有効表示領域P1(図2)を二分割するように、下部基板3の背面側の表面に設けられている。また、透明部20aは、例えばアクリル系樹脂などの透明な合成樹脂によって構成されており、バックライト18からの照明光の透過を許容するようになっている。また、拡散反射部20bには、図24に示した拡散反射板19と同様に、複数種類の微粒子を含有した透明な高分子樹脂が用いられており、表示面側からの外光を拡散反射するようになっている。
【0247】
そして、本実施形態の表示素子10では、図25(a)に例示するように、導電性液体16がカラーフィルタ部11rと基準電極5との間で保持されると、表示面側からの外光及びバックライト18からの照明光が導電性液体16により遮光されて、黒色表示(非CF着色表示)が行われる。一方、図25(b)に例示するように、導電性液体16がブラックマトリクス部11sと走査電極6との間で保持されると、表示面側からの外光は導電性液体16に遮光されることなく拡散反射部20bに達して当該拡散反射部20bで表示面側に反射された後、カラーフィルタ部11rを通過する。さらには、バックライト18からの照明光もまた、カラーフィルタ部11rを通過して、本実施形態の表示素子10では、外光及び照明光によって赤色表示(CF着色表示)が行われる。
【0248】
また、本実施形態の表示素子10では、図7に例示したように、走査ドライバ9による走査動作の前に、信号ドライバ7が、プリセット信号を印加して、導電性液体16を親水状態に整えて、安定な初期状態とするプリセット動作を行うようになっている。
【0249】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、拡散反射部(光反射部)20aにて反射された外光及びバックライト18からの照明光により表示動作が行われるので、バックライト18での消費電力を低減しつつ、調光範囲が大きく、かつ、高精度な階調制御を簡単に行える高輝度な表示素子10、及び画像表示装置1を容易に構成することができる。
【0250】
尚、上記の説明では、下部基板3の背面側に、透明部20a及び拡散反射部20bを有する半透過板20を設けた場合について説明したが、本発明は非表示面側に設置される、第2の基板側に並設された光反射部及び透明な透明部を設けたものであれば何等限定されない。例えば透明な透明部が設けられるとともに、反射機能をもつ合成樹脂製の白色板を用いて、下部基板3を構成することにより、下部基板と半透過板とを兼用させてよい。
【0251】
また、上記の説明以外に、第2〜第8の実施形態と同様なプリセット動作を行わせたり、第9〜第16の各実施形態と同一の基準電極5の構成とし、これらの第9〜第16の実施形態と同様なプリセット動作を行わせたりする構成でもよい。
【0252】
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0253】
例えば、上記の説明では、カラー画像表示を表示可能な表示部を備えた画像表示装置に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部が設けられた電気機器であれば何等限定されるものではなく、例えば電子手帳等のPDAなどの携帯情報端末、パソコンやテレビなどに付随する表示装置、あるいは電子ペーパーその他、各種表示部を備えた電気機器に好適に用いることができる。
【0254】
また、上記の説明では、導電性液体への電界印加に応じて、当該導電性液体を移動させるエレクトロウェッティング方式の表示素子を構成した場合について説明したが、本発明の表示素子は、これに限定されるものではなく、外部電界を利用して、表示用空間の内部で導電性液体を動作させることにより、表示面側の表示色を変更可能な電界誘導型の表示素子であれば何等限定されるものではなく、電気浸透方式、電気泳動方式、誘電泳動方式などの他の方式の電界誘導型表示素子に適用することができる。
【0255】
但し、上記各実施形態のように、エレクトロウェッティング方式の表示素子を構成する場合の方が、導電性液体を低い駆動電圧で高速に移動させることが可能となる。しかも、3つの電極を設けて、導電性液体をスライド移動させているので、導電性液体の形状を変化させるものに比べて、表示面側の表示色の切換速度の高速化及び省力化を容易に図ることができる。それ故、動画表示を容易に行うことが可能で、表示性能に優れた表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。また、エレクトロウェッティング方式の表示素子では、導電性液体の移動に応じて表示色が変更されるので、液晶表示装置等と異なり、視野角依存性がない点でも好ましい。さらには、画素毎にスイッチング素子を設ける必要がないので、構造簡単で高性能なマトリクス駆動方式の表示素子を低コストで構成できる点でも好ましい。しかも、液晶層などの複屈折材料を用いていないので、情報表示に使用される、バックライトからの光や外光の光利用効率に優れた高輝度な表示素子を容易に構成できる点でも好ましい。
【0256】
また、上記の説明では、信号電極、基準電極及び走査電極、または信号電極、基準電極、及び走査電極に対して、プリセット信号を印加する構成について説明したが、本発明は信号電極、基準電極、及び走査電極の少なくとも1つの電極に対して、表示用空間の内部での当該導電性液体の状態を所定の初期状態とするためのプリセット信号を印加するものであればよい。
【0257】
また、上記の説明では、信号電極を上部基板(第1の基板)側に設けるとともに、基準電極及び走査電極を下部基板(第2の基板)側に設けた場合について説明した。しかしながら、本発明は、信号電極、基準電極、及び走査電極を、互いに独立して第1の電圧と第2の電圧との間の所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成するとともに、導電性液体と接触するように、表示用空間の内部に信号電極を設置し、かつ、導電性液体及び互いに電気的に絶縁された状態で、基準電極及び走査電極を第1及び第2の基板の一方側に設けるものであればよい。具体的にいえば、例えば信号電極を第2の基板側やリブ上に設けるとともに、基準電極及び走査電極を第1の基板側に設けてもよい。
【0258】
また、上記の説明では、基準電極及び走査電極を有効表示領域側及び非有効表示領域側にそれぞれ設置した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、基準電極及び走査電極を非有効表示領域側及び有効表示領域側にそれぞれ設置してもよい。
【0259】
また、上記の説明では、基準電極及び走査電極を下部基板(第2の基板)の表示面側の表面に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、絶縁材料からなる上記第2の基板の内部に埋設した基準電極及び走査電極を用いることもできる。このように構成した場合には、第2の基板を誘電体層として兼用させることができ、当該誘電体層の設置を省略することができる。さらに、誘電体層を兼用した第1及び第2の基板上に信号電極を直接的に設け、表示用空間の内部に当該信号電極を設置する構成でもよい。
【0260】
また、上記の説明では、透明な電極材料を用いて基準電極及び走査電極を構成した場合について説明したが、本発明は基準電極及び走査電極のうち、画素の有効表示領域に対向するように設置される一方の電極だけを透明な電極材料によって構成すればよく、有効表示領域に対向されない他方の電極には、アルミニウム、銀、クロム、その他の金属などの不透明な電極材料を使用することができる。
【0261】
また、上記の説明では、帯状の基準電極及び走査電極を用いた場合について説明したが、本発明の基準電極及び走査電極の各形状はこれに何等限定されない。例えば透過型に比べて、情報表示に用いられる光の利用効率が低下する反射型の表示素子では、線状や網状などの光ロスが生じ難い形状としてもよい。
【0262】
また、上記の説明では、信号電極に線状配線を用いた場合について説明したが、本発明の信号電極はこれに限定されるものではなく、網状配線などの他の形状に形成された配線も使用することができる。
【0263】
但し、上記の各実施形態のように、透明な透明電極が用いられた基準電極及び走査電極の透過率を用いて、信号電極の形状を定める場合の方が、不透明な材料を使用して信号電極を構成したときでも、当該信号電極の影が表示面側に現れるのを防ぐことができ、表示品位が低下するのを抑えることができる点で好ましく、さらには線状配線を用いた場合には、上記表示品位の低下を確実に抑えることができる点でより好ましい。
【0264】
また、上記の説明では、塩化カリウムの水溶液を導電性液体に用いるとともに、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを用いて、信号電極を構成した場合について説明したが、本発明は表示用空間の内部に設置されて、導電性液体と接触する信号電極に、当該導電性液体に対して電気化学的に不活性な材料を用いたものであれば何等限定されない。具体的にいえば、導電性液体には、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルカリ金属水酸化物、酸化亜鉛、塩化ナトリウム、リチウム塩、リン酸、アルカリ金属炭酸塩、酸素イオン伝導性を有するセラミックスなどの電解質を含んだものを使用することができる。また、溶媒には、水以外に、アルコール、アセトン、ホルムアミド、エチレングリコールなどの有機溶媒を使用することもできる。さらに、本発明の導電性液体には、ピリジン系、脂環族アミン系、または脂肪族アミン系などの陽イオンと、フッ化物イオンやトリフラート等のフッ素系などの陰イオンとを含んだイオン液体(常温溶融塩)を使用することもできる。
【0265】
但し、上記の各実施形態のように、所定の電解質を溶かした水溶液を導電性液体に使用する場合の方が、取扱性に優れるとともに、製造が簡単な表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。
【0266】
また、本発明の信号電極には、例えばアルミニウム、ニッケル、鉄、コバルト、クロム、チタン、タンタル、ニオブあるいはそれらの合金などの導電性を有する金属を用いた電極本体と、この電極本体の表面を覆うように設けられた酸化被膜とを備えた不動態を使用することができる。
【0267】
但し、上記の各実施形態のように、金、銀、銅、白金、及びパラジウムの少なくとも一つを信号電極に用いる場合の方が、イオン化傾向の小さい金属を使用することとなり、当該電極の簡略化を図りつつ、導電性液体との間での電気化学反応を確実に防ぐことが可能となって信頼性の低下が防がれた長寿命な表示素子を容易に構成することができる点で好ましい。また、イオン化傾向の小さい金属は導電性液体との間の界面に生じる界面張力を比較的小さくすることができることから、導電性液体を移動させないときでは、その固定位置で当該導電性液体を安定した状態で容易に保持できる点でも好ましい。
【0268】
また、上記の説明では、無極性のオイルを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、導電性液体と混じり合わない絶縁性流体であればよく、例えばオイルに代えて、空気を使用してもよい。また、オイルとして、シリコーンオイル、脂肪系炭化水素などを使用することができる。
【0269】
但し、上記の各実施形態のように、導電性液体と相溶性がない無極性のオイルを用いた場合の方が、空気と導電性液体とを用いる場合よりは、無極性のオイル中で導電性液体の液滴がより移動し易くなって、当該導電性液体を高速移動させることが可能となり、表示色を高速に切り換えられる点で好ましい。
【0270】
また、上記の説明では、黒色に着色された導電性液体及びカラーフィルタ層を用いて、RGBの各色の画素を表示面側に設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の画素領域が、表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられているものであればよい。具体的には、RGB、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)のCMY、またはRGBYCなどに着色された複数色の導電性液体を用いることもできる。
【0271】
また、上記の説明では、カラーフィルタ層を上部基板(第1の基板)の非表示面側の表面に形成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の基板の表示面側の表面や下部基板(第2の基板)側にカラーフィルタ層を設置することもできる。具体的にいえば、図26(a)及び図26(b)に例示するように、下部基板(第2の基板)3の表示面側の表面上にカラーフィルタ層11を設けた構成でもよい。このように、カラーフィルタ層を用いる場合の方が、複数色の導電性液体を用意する場合に比べて、製造簡単な表示素子を容易に構成できる点で好ましい。また、このカラーフィルタ層に含まれたカラーフィルタ部(開口部)及びブラックマトリクス部(遮光膜)により、表示用空間に対し、有効表示領域及び非有効表示領域をそれぞれ適切に、かつ、確実に設定することができる点でも好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0272】
本発明は、マトリクス駆動を行わせる場合でも、構造が複雑で大型化するのを防ぐことができる表示品位に優れた表示素子、及びこれを用いた高性能な電気機器に対して有用である。
【図面の簡単な説明】
【0273】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。
【図2】表示面側から見た場合での図1に示した上部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。
【図3】非表示面側から見た場合での図1に示した下部基板側の要部構成を示す拡大平面図である。
【図4】(a)及び(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、図1に示した表示素子の要部構成を示す断面図である。
【図5】上記画像表示装置の動作例を説明する図である。
【図6】(a)及び(b)は、それぞれ上記表示素子での導電性液体の初期状態の具体例及び別の具体例を説明する図である。
【図7】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ図1に示した基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図8】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第2の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図9】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第3の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図10】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第4の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図11】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第5の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図12】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第6の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図13】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第7の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図14】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第8の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図15】本発明の第9の実施形態にかかる表示素子、及び画像表示装置を説明する平面図である。
【図16】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ図15に示した基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図17】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第10の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図18】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第11の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図19】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第12の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図20】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第13の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図21】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第14の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図22】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第15の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図23】(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ本発明の第16の実施形態にかかる表示素子の基準電極、走査電極、及び信号電極に印加される電圧の具体的な波形を示す波形図である。
【図24】(a)及び(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、本発明の第17の実施形態にかかる表示素子の要部構成を示す断面図である。
【図25】(a)及び(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、本発明の第18の実施形態にかかる表示素子の要部構成を示す断面図である。
【図26】(a)及び(b)は、それぞれ非CF着色表示時及びCF着色表示時における、図1に示した表示素子の変形例の要部構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0274】
1 画像表示装置(電気機器)
2 上部基板(第1の基板)
3 下部基板(第2の基板)
4 信号電極
5 基準電極
6 走査電極
7 信号ドライバ(信号電圧印加部)
8 基準ドライバ(基準電圧印加部)
9 走査ドライバ(走査電圧印加部)
10 表示素子
11 カラーフィルタ層
11r、11g、11b カラーフィルタ部(開口部)
11s ブラックマトリクス部(遮光膜)
13 誘電体層
14a、14b リブ(仕切壁)
16 導電性液体
17 オイル(絶縁性流体)
18 バックライト
19 拡散反射板(光反射部)
20 半透過板
20a 透明部
20b 拡散反射部(光反射部)
S 表示用空間
P 画素領域
P1 有効表示領域
P2 非有効表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面側に設けられた第1の基板と、所定の表示用空間が前記第1の基板との間に形成されるように、当該第1の基板の非表示面側に設けられた第2の基板と、前記表示用空間に対し、設定された有効表示領域及び非有効表示領域と、前記表示用空間の内部で前記有効表示領域側または前記非有効表示領域側に移動可能に封入された導電性液体とを具備し、前記導電性液体を移動させることにより、前記表示面側の表示色を変更可能に構成された表示素子であって、
前記導電性液体と接触するように、前記表示用空間の内部に設置された信号電極、
前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の一方側に設置されるように、前記導電性液体に対して電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた基準電極、及び
前記有効表示領域側及び前記非有効表示領域側の他方側に設置されるように、前記導電性液体及び前記基準電極に対して電気的に絶縁された状態で、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた走査電極を備え、
前記信号電極、前記基準電極、及び前記走査電極は、互いに独立して第1の電圧と第2の電圧との間の所定の電圧範囲内の電圧が印加可能に構成され、
前記信号電極、前記基準電極、及び前記走査電極の少なくとも一つの電極に対して、前記表示用空間の内部での当該導電性液体の状態を所定の初期状態とするためのプリセット信号を印加する、
ことを特徴とする表示素子。
【請求項2】
複数の前記信号電極が、所定の配列方向に沿って設けられ、
複数の前記基準電極及び複数の前記走査電極が、互いに交互に、かつ、前記複数の信号電極と交差するように設けられ、
前記複数の信号電極に接続されるとともに、前記複数の各信号電極に対して、前記表示面側に表示される情報に応じて、前記第1の電圧と第2の電圧との間の所定の電圧範囲内の信号電圧を印加する信号電圧印加部と、
前記複数の基準電極に接続されるとともに、前記複数の各基準電極に対して、前記第1及び第2の電圧の一方の電圧を所定の基準電圧として印加する基準電圧印加部と、
前記複数の走査電極に接続されるとともに、前記基準電圧印加部が前記複数の各基準電極に対して、前記基準電圧を印加しているときに、前記複数の各走査電極に対して、前記導電性液体が前記信号電圧に応じて、前記表示用空間の内部を移動するのを許容する選択電圧と、前記導電性液体が前記表示用空間の内部を移動するのを阻止する非選択電圧との一方の電圧を印加する走査電圧印加部とを備えている請求項1に記載の表示素子。
【請求項3】
複数の画素領域が、前記表示面側に設けられるとともに、
前記複数の各画素領域は、前記信号電極と前記走査電極との交差部単位に設けられ、かつ、前記各画素領域では、前記表示用空間が仕切壁にて区切られている請求項2に記載の表示素子。
【請求項4】
前記複数の画素領域が、前記表示面側でフルカラー表示が可能な複数の色に応じてそれぞれ設けられている請求項3に記載の表示素子。
【請求項5】
前記信号電圧印加部は、前記信号電極に対して、前記第1または第2の電圧を前記プリセット信号として印加する請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項6】
前記基準電圧印加部及び前記走査電圧印加部は、それぞれ前記基準電極及び前記走査電極に対して、前記第1及び第2の電圧の中間の電圧値である第3の電圧を前記プリセット信号として印加する請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項7】
前記基準電圧印加部及び前記走査電圧印加部は、それぞれ前記基準電極及び前記走査電極に対して、前記第1及び第2の電圧の他方の電圧を前記プリセット信号として印加し、かつ、
前記信号電圧印加部は、前記信号電極に対して、前記第1または第2の電圧を前記プリセット信号として印加する請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項8】
前記基準電圧印加部、前記信号電圧印加部、及び前記走査電圧印加部は、それぞれ前記基準電極、前記信号電極、及び前記走査電極に対して、前記第1及び第2の電圧の中間の電圧値である第3の電圧を前記プリセット信号として印加する請求項2〜4のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項9】
前記基準電圧印加部は、前記複数の各基準電極に対して、前記プリセット信号を互いに独立して印加する請求項6〜8のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項10】
前記表示用空間の内部には、前記導電性液体と混じり合わない絶縁性流体が当該表示用空間の内部を移動可能に封入されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項11】
前記基準電極及び前記走査電極の表面上には、誘電体層が積層されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項12】
前記第1及び第2の基板には、透明な透明シート材が用いられ、
前記第2の基板の背面側には、バックライトが設けられている請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項13】
前記第1の基板には、透明な透明シート材が用いられ、
前記第2の基板側には、光反射部が設けられている請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項14】
前記第1の基板には、透明な透明シート材が用いられ、
前記第2の基板側には、並設された光反射部及び透明な透明部が設けられ、
前記光反射部及び前記透明部の背面側には、バックライトが設けられている請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項15】
前記非有効表示領域は、前記第1及び第2の基板の一方側に設けられた遮光膜によって設定され、
前記有効表示領域は、前記遮光膜に形成された開口部によって設定されている請求項1〜14のいずれか1項に記載の表示素子。
【請求項16】
文字及び画像を含んだ情報を表示する表示部を備えた電気機器であって、
前記表示部に、請求項1〜15のいずれか1項に記載の表示素子を用いたことを特徴とする電気機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2009−151244(P2009−151244A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331139(P2007−331139)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】