説明

表示装置、情報処理装置および情報処理方法、並びに製造方法

【課題】表示面が重力方向と反対の方向に向けて配置される表示装置において、セキュリティを向上させる。
【解決手段】光源83−1乃至83−4は、それぞれ、画素単位かつ色単位の光源からなる。ある光源83に対して他の光源83は、それぞれ異なる方向に配置される。遮光板52は、光源83から出射された光のうちの、その光源83に対応する位置のユーザが視認可能な方向以外に進む光を遮断する。光源83から出射された光は、遮光板52を介して、重力方向と反対の方向に向けて配置される表示面に照射される。本発明は、例えば、テーブルトップコンピュータに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、情報処理装置および情報処理方法、並びに製造方法に関し、特に、表示面が重力方向と反対の方向に向けて配置される表示装置において、セキュリティを向上させることができるようにした表示装置、情報処理装置および情報処理方法、並びに製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示面が重力方向と反対の方向に向けて配置される表示装置を備えるコンピュータ(以下、テーブルトップコンピュータという)が存在する。テーブルトップコンピュータでは、複数のユーザが同時に利用することができるため、入出力データの秘匿性を高め、セキュリティを向上させることが重要である。
【0003】
入力データの秘匿性は、2次元バーコードなどを利用することにより高めることができる。しかしながら、テーブルトップコンピュータでは、複数のユーザが同時に視認可能なように表示装置が構成されているため、出力データの秘匿性を高めることは困難である。
【0004】
出力データの秘匿性を高める表示装置としては、表示面に対する1方向の角度によって、異なる画像を表示する表示装置が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
このような表示装置では、例えば、図1に示すように、各画素において、表示面に対して平行な1方向であるx方向に同一の色の3つの光源11乃至13が配置され、その光源11乃至13の上にスリット21Aが設けられた遮光板21が配置される。この場合、光源11から出射された光A、光源12から出射された光B、および光源13から出射された光Cは、それぞれ、y方向の位置が同一で、x方向の位置が異なる位置に進む。従って、光源11乃至13を別々に制御することにより、x方向の位置が異なる位置に存在するユーザに異なる画像を視認させることができる。
【0006】
なお、図2に示すように、遮光板21の代わりに、レンチキュラスクリーン31を配置することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2007−507001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、テーブルトップコンピュータでは、表示面が重力方向と反対の方向に向けて配置されるため、ユーザは、表示面を取り囲む任意の位置から視認することができる。従って、テーブルトップコンピュータにおいて、図1や図2で説明した表示装置が備えられる場合であっても、出力データの秘匿性を十分に高めることは困難である。
【0009】
具体的には、例えば、図3に示すように、図1や図2で説明した表示装置が備えられたテーブルトップコンピュータ40は、表示面41に対してx方向に並ぶユーザ42とユーザ43に、異なる画像を視認させることはできる。しかしながら、y方向に並ぶユーザ42とユーザ44に、異なる画像を視認させることはできない。従って、テーブルトップコンピュータ40において、出力データの秘匿性を十分に高め、セキュリティを向上させることはできていない。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、表示面が重力方向と反対の方向に向けて配置される表示装置において、セキュリティを向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の側面の表示装置は、画素ごとに設けられ、少なくとも1つの色の光を出射する3以上の光源と、前記光源から出射された前記光のうちの、所定の方向以外に進む光を遮断する遮光板と、前記光源から前記遮光板を介して前記光が照射される表示面とを備え、前記表示面は、重力方向と反対の方向に向けて配置され、前記3以上の光源は、その光源のうちの1つの光源に対して異なる2以上の方向に配置され、前記遮光板により遮断されない光の進む方向は、前記光源ごとに異なる表示装置である。
【0012】
本発明の第1の側面においては、画素ごとに設けられ、少なくとも1つの色の光を出射する3以上の光源と、前記光源から出射された前記光のうちの、所定の方向以外に進む光を遮断する遮光板と、前記光源から前記遮光板を介して前記光が照射される表示面とが備えられ、前記表示面は、重力方向と反対の方向に向けて配置され、前記3以上の光源は、その光源のうちの1つの光源に対して異なる2以上の方向に配置され、前記遮光板により遮断されない光の進む方向は、前記光源ごとに異なる。
【0013】
本発明の第2の側面の情報処理装置は、画素ごとに設けられ、少なくとも1つの色の光を出射する3以上の光源と、前記光源から出射された前記光のうちの、所定の方向以外に進む光を遮断する遮光板と、前記光源から前記遮光板を介して前記光が照射される表示面と、3以上の種類の画像データに基づいて、種類ごとに、前記3以上の光源のそれぞれを駆動する駆動手段を備え、前記表示面は、重力方向と反対の方向に向けて配置され、前記3以上の光源は、その光源のうちの1つの光源に対して異なる2以上の方向に配置され、前記遮光板により遮断されない光の進む方向は、前記光源ごとに異なる情報処理装置である。
【0014】
本発明の第2の側面の情報処理方法は、本発明の第2の側面の情報処理装置に対応する。
【0015】
本発明の第2の側面においては、画素ごとに設けられた3以上の光源が、少なくとも1つの色の光を出射し、遮光板が、前記光源から出射された前記光のうちの、所定の方向以外に進む光を遮断し、駆動手段が、3以上の種類の画像データに基づいて、種類ごとに、前記3以上の光源のそれぞれを駆動する。なお、前記光源から前記遮光板を介して出射される前記光は、前記光源ごとに異なる方向に進み、重力方向と反対の方向に向けて配置された表示面に照射され、前記3以上の光源は、その光源のうちの1つの光源に対して異なる2以上の方向に配置される。
【0016】
本発明の第3の側面の製造方法は、基板にレジストを塗布する塗布ステップと、画素単位かつ色単位の領域に対応する孔が設けられたフォトマスクを前記レジストが塗布された前記基板に設置する設置ステップと、露光を行う露光ステップと、カーボンを蒸着する蒸着ステップと、レジスト剥離液を用いて前記レジストを剥離する剥離ステップと
を含む製造方法である。
【0017】
本発明の第3の側面においては、基板にレジストが塗布され、画素単位かつ色単位の領域に対応する孔が設けられたフォトマスクが、前記レジストが塗布された前記基板に設置され、露光が行われ、カーボンが蒸着され、レジスト剥離液を用いて前記レジストが剥離される。
【発明の効果】
【0018】
本発明の第1および第2の側面によれば、表示面が重力方向と反対の方向に向けて配置される表示装置において、セキュリティを向上させることができる。
【0019】
また、本発明の第3の側面によれば、表示面が重力方向と反対の方向に向けて配置される表示装置であって、セキュリティが向上した表示装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来の表示装置の構成例を示す斜視図である。
【図2】従来の表示装置の他の構成例を示す斜視図である。
【図3】従来の表示装置において視認可能な画像を説明する図である。
【図4】本発明を適用したテーブルトップコンピュータの一実施の形態の外観図である。
【図5】図4のテーブルトップコンピュータの詳細構成例を示す図である。
【図6】光源と遮光板の構成例を示す斜視図である。
【図7】x方向に並ぶ光源の距離の例を説明する側断面図である。
【図8】x方向に並ぶ光源の距離の例を説明する側断面図である。
【図9】遮光板の他の例を示す図である。
【図10】遮光板のさらに他の例を示す図である。
【図11】本発明の効果を説明する図である。
【図12】表示処理を説明するフローチャートである。
【図13】遮光板の製造方法の概要を説明する図である。
【図14】遮光板の製造方法の概要を説明する図である。
【図15】遮光板の製造工程を説明するフローチャートである。
【図16】光源の他の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<一実施の形態>
[テーブルトップコンピュータの一実施の形態の構成例]
図4は、本発明を適用したテーブルトップコンピュータの一実施の形態の構成例を示す図である。
【0022】
図4に示すように、テーブルトップコンピュータ50は、四角形状の台51Aを備えるタッチセンサー付きテーブル51、遮光板52、LCD(Liquid Crystal Display)パネル53、および制御装置54により構成される。なお、本実施の形態では、設置面に対して垂直な方向をz方向とし、台51Aの垂直な2辺の各方向を、それぞれ、x方向およびy方向とする。
【0023】
タッチセンサー付きテーブル51の台51Aの略中央には、四角形状の表示パネル51Bが、重力方向と反対の方向に向けて配置される。表示パネル51Bは、例えば、光拡散機能を有するアクリル製の表示面と、タッチセンサーにより構成される。タッチセンサーの方式としては、抵抗膜式、静電容量式、光導波式、表面弾性波式、音響波照合式などを用いることができる。ユーザは、表示パネル51Bに表示された画像を視認したり、その画像に対してタッチ操作を行ったりする。
【0024】
遮光板52は、LCDパネル53から放出されるR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の光のうちの、所定の位置のユーザの視認可能な方向以外に進む光を遮断する。
【0025】
LCDパネル53は、制御装置54から供給される各ユーザ用の画像データと、そのユーザの位置とに基づいて、そのユーザが視認可能な方向に進むRGBの光を、遮光板52を介して表示パネル51Bに照射する。これにより、各ユーザ用の画像が、そのユーザ以外の人に視認されることを防止することができる。
【0026】
なお、本実施の形態では、ユーザは、四角形状の台51Aの各辺の位置でテーブルトップコンピュータ50を利用することができるものとする。即ち、最大4人のユーザがテーブルトップコンピュータ50を利用することができるものとする。
【0027】
制御装置54は、所定のプログラムを実行することにより、各種の処理を実行する。具体的には、制御装置54は、表示パネル51Bのタッチセンサーによる検出結果を取得し、その検出結果に基づいてユーザのタッチ操作を検出する。また、制御装置54は、検出されたタッチ操作等に応じて、各ユーザ用の画像データを生成する。さらに、制御装置54は、例えば、ユーザの入力に応じて、ユーザの位置を認識する。制御装置54は、各ユーザ用の画像データと、そのユーザの位置を、LCDパネル53に供給する。
【0028】
[テーブルトップコンピュータの詳細構成例]
図5は、図4のテーブルトップコンピュータ50の詳細構成例を示す図である。なお、図5では、テーブルトップコンピュータ50の構成のうち、本発明に関わる部分についてのみ示している。
【0029】
図5に示すように、テーブルトップコンピュータ50の制御装置54は、信号処理部81および表示制御部82−1乃至82−4などにより構成される。
【0030】
信号処理部81は、各ユーザ用の画像データを生成する。また、信号処理部81は、各ユーザの入力に応じて、そのユーザの位置を認識する。信号処理部81は、ユーザの位置に基づいて、その位置に対応するユーザ用の画像データを、その位置に対応する表示制御部82−1乃至82−4のいずれかに供給する。
【0031】
表示制御部82−1乃至82−4(駆動手段)は、それぞれ、ユーザの位置としての台51Aの各辺に対応する。表示制御部82−1乃至82−4は、それぞれ、信号処理部81から供給される画像データに基づいて、LCDパネル53の光源83−1乃至83−4を独立に駆動する。
【0032】
LCDパネル53は、光源83−1乃至83−4等により構成される。光源83−1乃至83−4は、それぞれ、ユーザの位置としての台51Aの各辺に対応する。光源83−1乃至83−4は、それぞれ、画素ごとのRGBの光源からなる。光源83−1乃至83−4は、それぞれ、表示制御部82−1乃至82−4の制御にしたがって、各ユーザ用の画像データに対応する画素単位のRGBの光を、遮光板52を介して各ユーザ用の画像を表示パネル51B(図4)に表示する。
【0033】
なお、以下では、表示制御部82−1乃至82−4を特に区別する必要がない場合、それらをまとめて表示制御部82という。同様に、光源83−1乃至83−4を、光源83という。
【0034】
遮光板52は、光源83から出射されたRGBの光のうちの、その光源83に対応する位置のユーザの視認可能な方向以外に進む光を遮断する。これにより、光源83から出射され、遮光板52を通ったRGBの光は、その光源83に対応する位置のユーザの視認可能な方向にのみ進む。
【0035】
[光源と遮光板の構成例]
図6は、光源83と遮光板52の構成例を示す斜視図である。
【0036】
なお、図6では、説明の便宜上、表示される画像の画素が、3×3画素である場合について図示されている。
【0037】
光源83は、画素単位かつ色単位の光源から構成される。なお、図6では、説明を簡単にするため、光源83のうちの1色分の光源のみを示している。また、光源83−1および光源83−3は、x方向に並ぶように配置され、光源83−2および光源83−4は、y方向に並ぶように配置される。即ち、ある光源83に対して、他の光源83がそれぞれ異なる方向に配置される。
【0038】
また、遮光板52は、カーボン板84−1、ガラス基板84−2、および隔壁板84−3により構成される。カーボン板84−1は、ガラス基板84−2の上側(表示パネル51B側)に設置され、画素単位かつ色単位で孔84Aを備える。これにより、カーボン板84−1は、孔84Aを通過する光以外の光を遮断する。なお、光源83と遮光板52は、光源83から出射され、孔84Aを通過する光が、その光源83に対応する位置のユーザが視認可能な方向の光となるように配置される。
【0039】
隔壁板84−3は、ガラス基板84−2の下側(LCDパネル53側)に設置され、画素単位かつ色単位の孔を隔壁84Bとして備える。これにより、隔壁板84−3は、異なる画素や異なる色の光どうしの干渉を防止する。
【0040】
光源83から出射された光は、隔壁84B、ガラス基板84−2、および孔84Aを順に介して、表示パネル51B(図4)を透過し、出射する。これにより、光源83から出射された光のうちの、その光源83に対応する位置のユーザの視認可能な方向に進む光のみが、画素単位かつ色単位で表示パネル51Bを透過して出射する。
【0041】
具体的には、光源83−1から出射された光Aは、その光源83−1に対応する位置のユーザの視認可能な方向に進む。また、光源83−2から出射された光Bは、その光源83−2に対応する位置のユーザの視認可能な方向に進む。光源83−3から出射された光Cは、その光源83−3に対応する、光源83−1に対応する位置とy方向に対向する位置のユーザの視認可能な方向に進む。また、光源83−4から出射された光Dは、その光源83−4に対応する、光源83−2に対応する位置とx方向に対向する位置のユーザの視認可能な方向に進む。
【0042】
その結果、台51Aの辺のy方向に対向する位置に存在する2人のユーザのうちの一方は、光源83−1からの光Aを視認し、他方は、光源83−3からの光Cを視認することができる。また、x方向に対向する位置に存在する2人のユーザのうちの一方は、光源83−2からの光Bを視認し、他方は、光源83−4からの光Dを視認することができる。
【0043】
以上のように、テーブルトップコンピュータ50では、光源83がx方向およびy方向に並べられるので、x方向の異なる位置に存在する複数のユーザそれぞれに、異なる画像を視認させるとともに、y方向の異なる位置に存在する複数のユーザそれぞれに、異なる画像を視認させることができる。
【0044】
図7および図8は、x方向に並ぶ光源83−2と光源83−4の距離の例を説明する側断面図である。
【0045】
図7および図8の例では、光源83からの光を視認可能な角度が、表示パネル51Bの法線に対して−θからφ(φ>θ)までの範囲であるものとする。なお、角度は、光源から法線に向かう角度を正の角度とする。
【0046】
この場合、例えば、図7および図8に示すように、角度θおよび角度φ、並びに、光源83−2と光源83−4の距離の1/2の距離d、x方向の光源83の長さl、孔84Aのx方向の長さの1/2の長さa、光源83とカーボン板84−1の距離sの関係が、以下の式(1)を満たすようにされる。
【0047】
【数1】

【0048】
角度θおよび角度φ、並びに、距離d、長さl、長さa、および距離sの関係が式(1)を満たす場合、図7に示すように、距離dが長さa以下である場合、表示パネル51Bの法線に対する角度が角度−θから角度θまでの範囲では、全光源83からの光を視認することができる。しかしながら、表示パネル51Bの法線に対する角度が角度θから角度φまでの範囲では、その範囲に対応する光源83からの光のみを視認することができる。
【0049】
一方、図8に示すように、距離dが長さaより大きい場合、表示パネル51Bの法線に対する角度が角度−θから角度φまでの範囲において、その範囲に対応する光源83からの光のみを視認することができる。
【0050】
なお、角度θおよび角度φ、並びに、距離d、長さl、長さa、および距離sの関係は、表示画像の解像度等に基づくようにしてもよい。
【0051】
また、図7および図8では、x方向に並ぶ光源83−2と光源83−4の距離について説明したが、y方向に並ぶ光源83−1と光源83−3の距離についても同様である。
【0052】
[遮光板の他の例]
図9および図10は、遮光板の他の例を示す図である。
【0053】
上述したように、図6の遮光板52には、四角形状の孔84Aおよび隔壁84Bが設けられたが、図9に示すように、遮光板52には、円状の孔91Aおよび隔壁91Bが設けられるようにしてもよい。この場合、例えば、長さl=40μm、距離d=17.5μm、長さa=50μm、距離s=20μmとすることができる。
【0054】
なお、長さlが十分小さい場合、光源83から出射される光は球面波となるので、図9に示すように円状の孔91Aが設けられる方が、図6に示すように四角形状の孔84Aが設けられる場合に比べて、回折が発生しにくい。
【0055】
また、図10に示すように、遮光板52には、孔91Aの代わりに、円状のレンズ101が設けられるようにしてもよい。この場合、例えば、長さl=40μm、距離d=17.5μm、長さa=37.5μm、距離s=50μmとすることができる。
【0056】
[本発明の効果]
図11は、本発明の効果を説明する図である。
【0057】
図11に示すように、テーブルトップコンピュータ50では、台51Aの各辺の位置において、その位置のユーザ用の画像のみを視認させることができる。具体的には、例えば、y方向の辺の位置に存在するユーザ121およびユーザ122だけでなく、x方向の辺の位置に存在するユーザ123にも、異なる画像を視認させることができる。また、ユーザ121乃至123は、互いに、他のユーザ用の画像を視認することができない。従って、セキュリティが向上する。その結果、テーブルトップコンピュータ50において、個人情報を表示したり、金融決済を行ったりすることが可能になる。
【0058】
[テーブルトップコンピュータの処理の説明]
図12は、図5のテーブルトップコンピュータ50による表示処理を説明するフローチャートである。
【0059】
ステップS11において、信号処理部81は、ユーザの入力に応じて、そのユーザの位置を認識し、ユーザ用の画像データを生成する。
【0060】
ステップS12において、信号処理部81は、ユーザの位置に基づいて、ユーザ用の画像データを供給する供給先を、表示制御部82−1乃至82−4から選択し、その供給先に画像データを供給する。
【0061】
ステップS13において、表示制御部82は、信号処理部81から供給される画像データに基づいて光源83を駆動する。
【0062】
ステップS14において、光源83は、表示制御部82からの制御にしたがって、RGBの光を、遮光板52を介して表示パネル51Bに対して放出する。これにより、RGBの光は、光源83に対応する位置のユーザが視認可能な方向に照射される。
【0063】
[遮光板の製造方法の説明]
図13および図14は、遮光板52の製造方法の概要を説明する図である。
【0064】
図13に示すように、まず、ガラス基板84−2にレジスト151が塗布される(図中A)。次に、孔84A(91A)やレンズ101に対応する領域以外の領域に孔152Aが設けられたフォトマスク152が、レジスト151上に設置される(図中B)。そして、フォトマスク152の上から光が照射される(図中C)。即ち、露光が行われる。その結果、レジスト151上の、露光が行われた領域、即ち孔152Aに対応する領域151Aが、取り除かれる(図中D)。
【0065】
次に、カーボン153が蒸着される(図中E)。そして、レジスト剥離液を用いて、レジスト151が剥離され、孔84Aを有するカーボン板84−1が形成される(図中F)。なお、遮光板52にレンズ101が設けられる場合には、カーボン153の間にレンズ101が埋め込まれる。次に、カーボン板84−1が設置されたガラス基板84−2の上下が反転される(図中G)。
【0066】
そして、図14に示すように、スクリーン印刷により、ガラス基板84−2にペーストが塗布される(図中H)。次に、レジスト155が塗布され、隔壁84B(91B)に対応する領域に孔156Aが設けられたフォトマスク156が、レジスト155上に設置される(図中I)。そして、フォトマスク156の上から光が照射される(図中J)。即ち、露光が行われる。その結果、レジスト155上の、露光が行われた領域、即ち孔156Aに対応する領域155Aが取り除かれる(図中K)。
【0067】
次に、サンドブラスト処理が行われる(図中L)。その結果、ペースト154の、レジスト155が取り除かれた領域155Aに対応する領域154Aが取り除かれる(図中M)。そして、レジスト剥離液を用いて、レジスト155が剥離される(図中N)。その結果、隔壁84Bを有する隔壁板84−3がガラス基板84−2上に形成され、カーボン板84−1、ガラス基板84−2、および隔壁板84−3からなる遮光板52が製造される。
【0068】
図15は、遮光板52の製造工程を説明するフローチャートである。
【0069】
図15のステップS31において、ガラス基板84−2にレジスト151が塗布される。ステップS32において、孔84A(91A)やレンズ101に対応する領域以外の領域に孔152Aが設けられたフォトマスク152が、レジスト151上に設置される。ステップS33において、露光が行われる。
【0070】
ステップS34において、カーボン153が蒸着される。ステップS35において、レジスト剥離液を用いて、レジスト151が剥離される。ステップS36において、カーボン板84−1が設置されたガラス基板84−2の上下が反転される。
【0071】
ステップS37において、スクリーン印刷により、ガラス基板84−2にペーストが塗布される。ステップS38において、レジスト155が塗布される。ステップS39において、隔壁84B(91B)に対応する領域に孔156Aが設けられたフォトマスク156が、レジスト155上に設置される。ステップS40において、露光が行われる。
【0072】
ステップS41において、サンドブラスト処理が行われる。ステップS42において、レジスト剥離液を用いて、レジスト155が剥離される。そして処理は終了する。
【0073】
[光源の他の配置例]
なお、上述した説明では、光源83−1および光源83−3が、y方向に並ぶように配置され、光源83−2および光源83−4が、x方向に並ぶように配置されたが、光源83−1乃至83−4の配置は、ある光源83に対して、他の光源83がそれぞれ異なる方向に配置されれば、どのような配置であってもよい。
【0074】
図16は、光源83−1乃至83−4の他の配置例を示す図である。
【0075】
図16では、光源83−1および光源83−3、並びに、光源83−2および光源83−4が、それぞれ、y方向に並ぶように配置され、光源83−1および光源83−2、並びに、光源83−3および83−4が、それぞれ、x方向に並ぶように配置される。
【0076】
なお、本実施の形態では、ユーザが、四角形状の台51Aの各辺の位置でテーブルトップコンピュータ50を利用することができるものとしたが、テーブルトップコンピュータ50を利用可能な位置は、所定の位置と、その位置に対して異なる2以上の方向にある位置を含む複数の位置に設定されれば、どのような位置であってもよい。
【0077】
また、本発明は、LCDパネルだけでなく、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイなどに適用することができる。
【0078】
本明細書において、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0079】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
51B 表示パネル, 53 LCDパネル, 82−1乃至82−4 表示制御部, 83−1乃至83−4 光源, 84 遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素ごとに設けられ、少なくとも1つの色の光を出射する3以上の光源と、
前記光源から出射された前記光のうちの、所定の方向以外に進む光を遮断する遮光板と、
前記光源から前記遮光板を介して前記光が照射される表示面と
を備え、
前記表示面は、重力方向と反対の方向に向けて配置され、
前記3以上の光源は、その光源のうちの1つの光源に対して異なる2以上の方向に配置され、
前記遮光板により遮断されない光の進む方向は、前記光源ごとに異なる
表示装置。
【請求項2】
前記遮光板は、前記画素単位かつ前記色単位の孔を有し、前記光源から出射された前記光を、前記孔を通すことにより、前記所定の方向以外に進む光を遮断する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記遮光板は、前記画素単位かつ前記色単位のレンズを有し、前記光源から出射された前記光を、前記レンズを通すことにより、前記所定の方向以外に進む光を遮断する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記3以上の光源は、独立に駆動される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記光源は、赤色、緑色、および青色の光を出射する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
画素ごとに設けられ、少なくとも1つの色の光を出射する3以上の光源と、
前記光源から出射された前記光のうちの、所定の方向以外に進む光を遮断する遮光板と、
前記光源から前記遮光板を介して前記光が照射される表示面と、
3以上の種類の画像データに基づいて、種類ごとに、前記3以上の光源のそれぞれを駆動する駆動手段と
を備え、
前記表示面は、重力方向と反対の方向に向けて配置され、
前記3以上の光源は、その光源のうちの1つの光源に対して異なる2以上の方向に配置され、
前記遮光板により遮断されない光の進む方向は、前記光源ごとに異なる
情報処理装置。
【請求項7】
前記遮光板は、前記画素単位かつ前記色単位の孔を有し、前記光源から出射された前記光を、前記孔を通すことにより、前記所定の方向以外に進む光を遮断する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記遮光板は、前記画素単位かつ前記色単位のレンズを有し、前記光源から出射された前記光を、前記レンズを通すことにより、前記所定の方向以外に進む光を遮断する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記光源は、赤色、緑色、および青色の光を出射する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
画素ごとに設けられた3以上の光源が、少なくとも1つの色の光を出射する出射ステップと、
遮光板が、前記光源から出射された前記光のうちの、所定の方向以外に進む光を遮断する遮断ステップと、
駆動手段が、3以上の種類の画像データに基づいて、種類ごとに、前記3以上の光源のそれぞれを駆動する駆動ステップと
を含み、
前記光源から前記遮光板を介して出射される前記光は、前記光源ごとに異なる方向に進み、重力方向と反対の方向に向けて配置された表示面に照射され、
前記3以上の光源は、その光源のうちの1つの光源に対して異なる2以上の方向に配置される
情報処理方法。
【請求項11】
基板にレジストを塗布する塗布ステップと、
画素単位かつ色単位の領域に対応する孔が設けられたフォトマスクを前記レジストが塗布された前記基板に設置する設置ステップと、
露光を行う露光ステップと、
カーボンを蒸着する蒸着ステップと、
レジスト剥離液を用いて前記レジストを剥離する剥離ステップと
を含む製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−18255(P2012−18255A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154790(P2010−154790)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】