説明

表示装置、表示装置の制御方法、及び、プログラム

【課題】プロジェクタが投影する画面上における該プロジェクタへの接続情報の重畳表示を制御することにより、ユーザの使い勝手を向上させる。
【解決手段】ネットワークに接続され、該ネットワークに接続された他の機器から提供されたデータを受信することができる表示装置であって、前記受信したデータに関する情報を表示するための表示手段と、前記ネットワークに接続された前記他の機器を検出する検出手段と、前記検出手段により前記他の機器が前記ネットワークに接続されたことを検出すると、前記他の機器から前記表示装置に前記表示手段により表示するためのデータを送信するための接続情報を表示させるように、前記表示手段を制御する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
表示装置、表示装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像の投影表示を行うビデオ・プロジェクタ(以下、単にプロジェクタという。)は、VGA(Video Graphics Array)ケーブル、DVI(Digital Visual Interface)ケーブルなどでパーソナルコンピュータ(PC)と接続される。PCからのデジタル・アナログの映像は、これらのケーブルを通してプロジェクタに転送されて投影表示を行う。この場合、映像は非圧縮の映像が殆どで、また映像を表示するタイミングも重畳して転送される。
【0003】
一方で、LAN(Local Area Network)が一般的になりネットワーク接続に対応するプロジェクタも増えつつある。図1は、ネットワーク120によってプロジェクタ100とPC110が接続された状態を示している。ネットワーク120を介してPC110とプロジェクタ100とを通信可能にするためには、PC110はネットワーク120上にあるプロジェクタ100を特定して接続を試みなければならない。
【0004】
これを実現する方法としては、UPnP(Universal Plug and Play)と呼ばれるプロトコル技術を用いる方法がある(非特許文献1)。このプロトコルでは、M−Searchと呼ばれる探索コマンドをネットワーク上に送信することにより、ネットワーク120上に存在するプロジェクタ100を特定することができる。その後、応答(Response)に記述されるプロジェクタ100の情報を元に、PC110はプロジェクタ100との通信を開始できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】UPnPデバイス構造に関する仕様書(http://www.upnp.org/specs/arch/UPnP-DeviceArchitecture-v1.0.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の通り、UPnPを使うことにより、PC110はプロジェクタ100を特定することができる。一方で、該UPnPの機能を使用するためには、ユーザはPC110の設定の変更や、またUPnPの機能を利用するための操作をしなければならない。これは、PCのOS(オペレーティングシステム)の設定を変更したり、使用するアプリケーションを切替えたりするという作業が必要になり、一般ユーザにとっては煩雑な作業である。またUPnPの機能が搭載されていないPCの場合には、そもそもプロジェクタを自動で特定する手段がなくプロジェクタとPCを自動で接続することができない。
【0007】
ここで問題はUPnPの場合に限定されるものではなく、UPnPに類似するデバイス発見のための他のプロトコルを用いる場合でも同様の問題は発生する。係る問題を解決するためには、1つはユーザが手動でプロジェクタに接続するための接続情報(例えば、IPアドレス)をPCに打ち込むことである。例えば、画面105にプロジェクタ100の接続情報を表示すれば、ユーザはプロジェクタ100を特定でき、PC110上のWebブラウザに接続情報を入力すれば、プロジェクタ100とPC110との通信を確立できる。
【0008】
ところで、プロジェクタは一般的には、プレゼンテーションなどで用いられることが多い。プレゼンテーションが始まると、説明者はPC110を制御してプレゼン資料をプロジェクタ100の投影画面105に投影しながら説明を実施する。この状況では、投影画面には説明者が利用する資料が表示されているため、前述した接続情報を画面上に表示するためには、プレゼンテーション資料の上に重畳して表示しなければならない。しかし、常に表示されているのではプレゼンテーション資料等が見にくくなってしまう。また、定期的に接続情報を表示するのでは、新しい参加者が会議室に入室し、PC115を接続しようとしてもしばらく待たなくてはならず、また、接続情報を見逃すとまた一定時間待たなければならず、使い勝手が悪くなってしまう。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、プロジェクタが投影する画面上における該プロジェクタへの接続情報の重畳表示を制御することにより、使い勝手を向上させることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するための本発明は、ネットワークに接続され、該ネットワークに接続された他の機器から提供されたデータを受信することができる表示装置であって、前記受信したデータに関する情報を表示するための表示手段と、前記ネットワークに接続された前記他の機器を検出する検出手段と、前記検出手段により前記他の機器が前記ネットワークに接続されたことを検出すると、前記他の機器から前記表示装置に前記表示手段により表示するためのデータを送信するための接続情報を表示させるように、前記表示手段を制御する制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、表示装置が表示する画面上における該表示装置への接続情報の重畳表示を制御することにより、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】システム構成の一例を示す図。
【図2】プロジェクタ100の構成例を示す図。
【図3】新規接続機器115の検出処理の一例を示すフローチャート。
【図4】ネットワーク120上の接続機器を検出する一例を示すシーケンス図。
【図5】アドレス範囲設定のためのGUI画面の一例を示す図。
【図6】ネットワーク120上の接続機器を管理するためのネットワーク参照テーブルの一例を示す図。
【図7】接続監視処理の一例を示すフローチャート。
【図8】PC115がプロジェクタ100に映像を送信するためのシーケンスの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態におけるシステム構成は図1に示したものと同様であり、プロジェクタ100とPC110がネットワーク120を介してデータの送受信が可能なように接続されている。図2は、発明の実施形態に対応する表示装置としてのプロジェクタ100の概略構成例を示す図である。本実施形態では、プロジェクタ100がPC110から送信される映像をネットワーク経由で受信して投影するシステムを例に、以下にプロジェクタ100の動作を説明する。本実施形態では映像データを送受信する場合を説明するが、映像データ以外にもプレゼンテーションデータや、音声データを送受信することもできる。
【0014】
なお、以下では表示装置として投影画面105に対して投影表示を行うプロジェクタの例を説明するが、表示装置はプロジェクタに限らず、表示画面を有するテレビジョン装置(ディスプレイ)であってもよい。テレビジョン装置の場合でも、以下に説明する実施形態に従って、ネットワーク120上の接続機器の接続状況を監視して、監視結果に応じて該機器に対する接続情報の提供方法を制御することができる。
【0015】
プロジェクタ100はネットワーク120を介して、PC110から送信される表示用データを通信部205で受信する。当該表示用データは、例えば圧縮映像データであり、通信部205は受信した圧縮映像データをメモリ部206に転送する。メモリ部206に転送された圧縮映像データは、映像処理部202によって復号される。復号方法については本提案の範疇外であるので詳細は省略する。復号された映像データはメモリ部206に格納される。格納された映像データは投影処理部201に転送され、液晶パネル208によって投影される。
【0016】
プロジェクタ100のユーザは、操作部204を介してプロジェクタ100の設定を行うなど、プロジェクタ100を制御することができる。また、ユーザがプロジェクタ100を制御するためのメニュー画面がOSD部207によって生成され、投影処理部201に転送され、映像データと重畳されて液晶パネル208によって投影表示される。これらの各ブロックの制御は、CPU203によって行われ、各部は制御バス210とデータバス211で接続されている。
【0017】
なお、図2の表示装置100において、各ブロックは専用ロジック回路やメモリを用いてハードウェア的に構成されてもよい。或いは、メモリに記憶されている処理プログラムをCPUが実行することにより、ソフトウェア的に構成されてもよい。
【0018】
次に、図3のフローチャートを参照して、システムにおいてネットワーク120に新しい機器115が接続されたかどうかを検出する監視モード処理を説明する。すなわち、ネットワーク120に新しい機器115が参加したか否かをプロジェクタ100が検出する処理である。図3のフローチャートに対応する処理は、CPU203がメモリ部206に記憶されている対応する処理プログラムを実行することで実現される。
【0019】
図3の処理を開始すると、先ずS301でCPU203がメインタイマを始動させる。当該メインタイマは、図3のフローチャートに対応する処理を実行するタイミングを判定するために用いられる。メインタイマはCPU203上で動作するリアルタイムOSによって管理されるものとする。
【0020】
S302では、CPU203がメインタイマからの呼び出しがかかったか否かを判定する。本実施形態では2秒おきにメインタイマからの呼び出しがかかり、図3のS303以降のフローチャートが実行される。S302で呼び出しがかかったと判定されると(S302で「YES」)、S303に移行する。S303では、CPU203が通信部205を制御してネットワーク機器検出処理を実行する。
【0021】
ネットワーク機器検出処理について図4のシーケンス図を参照して説明する。図4は、ネットワーク120に接続されている機器をプロジェクタ100が検出するためのシーケンス図である。図4のフローチャートに対応する処理は、CPU203がメモリ部206に記憶されている対応する処理プログラムを実行することで実現される。プロジェクタ100は、ネットワーク120上の特定のアドレスに対して、PINGコマンドを送信する。PINGコマンドはIPネットワークのプロトコルICMP(Internet Control Message Protocol)として既知であるので、詳細は省略する。
【0022】
プロジェクタがPINGコマンドを送信する特定アドレスは、図5に示されるGUI画面によって管理者によって設定される。このGUI画面500は、一般的なWEBブラウザによってプロジェクタ100にアクセスした場合に表示されるが、この仕組みは一般的なHTTPサーバーの仕組みを利用することで実現できるため詳細は省略する。GUI画面500では、PINGを送信するための特定アドレスの設定が行える。アドレスを指定する場合は、フィールド503に特定アドレスを設定し、特定のサブネット以下にPINGを全て送信したい場合は、フィールド502に特定サブネットを設定し、その切り替えをフィールド501で行う。
【0023】
特定アドレス・サブネットは、ある会議室内において、PCが新たに接続された場合に、DHCP(Dynamic Host Configration Protocol)などによって割り振られるアドレスを意味する。管理者はこれらの情報を知っていてしかるべきなので、これらの情報は、管理者がGUI画面500を用いて適切に設定しているものとする。なお、本実施形態では、前述のようにプロジェクタ100に対して設定できるようにしているが外部の機器で設定した当該情報をプロジェクタ100が取得して参照するようにしても問題ない。ここで設定された特定アドレスは、例えば、CPU203内部の不揮発性メモリやプロジェクタ100内の別の不揮発性メモリに記録されるものとする。
【0024】
図4では、S401からS403に示すように、適当な間隔でアドレス情報に従ってプロジェクタ100の通信部205からPINGコマンドをネットワーク120上に送信する。このときネットワーク120上に該当アドレスを割り振られた機器が存在しなければ、PINGコマンドに対する応答は得られない(S401、S402の場合)。一方、該当アドレスを割り振られた機器が存在すると(S403の場合)、S404のようにPINGの応答が得られる。この応答により、プロジェクタ100のCPU203は、どのアドレスを割り振られた機器がネットワークに存在するのかを判別することができる。すなわち、定期的にPINGコマンドをネットワーク120上に送信していれば、それまで応答の無かったアドレスから応答があれば、新規なPCがネットワークに参加してきたことを判別することができる。S405以降も同様にして一定周期ごとにPINGコマンドをネットワーク120上に送信することで、プロジェクタ100はネットワーク上に新しい機器が接続されたかを検出できる。以上が、ネットワーク機器検出処理である。
【0025】
図3のフローチャートの説明に戻ると、ネットワーク120に新規に接続された機器が検出されると(S304にて「YES」)、S305に移行する。ここでは例えば、定期的にPINGコマンドをネットワーク120上に送信していれば、それまで応答の無かったアドレスから応答があれば、新規なPCがネットワークに参加してきたことを判別する。S305では、CPU203がネットワーク120に接続されている機器の検出情報を管理している管理テーブルを更新する。
【0026】
図6は、管理テーブルの構成例を示す。管理テーブル600は、例えばCPU203内部の不揮発性メモリに記録され管理しておくことができ、GUI画面500によって設定された特定アドレスをもとに生成される。管理テーブル600は、特定アドレス601、ネットワーク120上で検出されたかどうかを判別する検出状態フラグ602、論理的に接続されたかどうかを示す接続状態フラグ603を含む。なお、接続状態フラグ603はプロジェクタ100と外部の機器が論理的に接続されているかいないか、即ち、機器がプロジェクタ100の接続情報を知っているかどうかを示す。この接続状態フラグ603は、図7でより詳細に説明するとおり、該当する機器から接続要求を受け付けた場合に「1」に設定される。この接続状態フラグ603は、複数の機器と論理的接続がなされている場合の入力切り替えなどにも用いることができる。
【0027】
仮にS303のネットワーク機器検出処理で該当アドレスが検出されると、検出状態フラグ602の値が「1」に設定される。このとき、検出状態フラグ602の値が既に「1」であった場合には、新規に機器がネットワーク上に接続されたとは認識されない。一方、検出状態フラグ602の値が「0」から「1」に変更された場合には、新規に機器がネットワーク上に接続されたと認識される。
【0028】
図3に戻り、S306ではCPU203が、通信部205を制御して新規に検出された機器それぞれに対して接続監視処理を実行する。もしネットワーク上に新規機器が2台接続された場合、それぞれの機器について接続監視処理が実行される。当該接続監視処理では、たとえば、新しい機器115からの接続要求を監視して、監視結果に応じて該機器への接続情報の提供方法を制御する。この処理は図7のフローチャートに従って制御されるが、より詳細な内容は後述する。本実施形態では、ネットワーク120に参加した機器を検出することと、検出した機器とプロジェクタ100とが論理的に接続することとを分けて説明している。ネットワーク120に参加しただけでは、プロジェクタ100と他の機器とは論理的に接続しておらず、映像データなどのデータの送受信をすることができない。そして、他の機器からプロジェクタ100に対して接続要求を送信することで、他の機器とプロジェクタ100とは論理的に接続され、映像データなどのデータを送受信することができるようになる。
【0029】
続くS307では、CPU203が本監視モード処理を停止するか否かを判定する。もし、停止しない場合には(S307で「NO」)S302に戻って処理を継続する。一方、停止する場合(S307で「YES」)、S308でCPU203がメインタイマを停止する。なお、監視モード処理の停止は、例えばユーザが本発明の機能を無効にしたい場合に、ユーザが操作部204を操作して無効化の指示を行った場合に実行される。ただし、一旦停止された後でも、例えばユーザからの指示に応じて再度起動することができる。
【0030】
次に、図7のフローチャートを参照して、図3のS306における接続監視処理を説明する。図7のフローチャートに対応する処理は、CPU203がメモリ部206に記憶されている対応する処理プログラムを実行することで実現される。まず、S701でCPU203が接続監視タイマを始動させる。次に、S702でCPU203が該当アドレスからの接続要求を待つ。ここでの接続要求とは、例えば、PC115がプロジェクタ100に映像を送信し投影を行いたい場合には、映像を確実に送信するための論理的なセッションを張る必要があるが、そのために行う最初の接続要求をいう。接続要求により、PC115とプロジェクタ100とが通信可能となると、PC115は、プロジェクタ100に、プロジェクタ100で投影するための映像データを送信できるようになる。接続要求をプロジェクタ100が受信しない場合には、このようなデータのやりとりを行うことができない。
【0031】
図8はPC115がプロジェクタ100に映像を送信するためのシーケンスの一例を示す。このシーケンスにおいて、まずPC115は、S801で通信部205がプロジェクタ100に対して接続要求(Connect Request)を送信する。プロジェクタ100はこの要求を受けると、通信部205よりS802でPC115に対して応答(Accept)を送信する。その後、PC115はS803で映像送信要求(Send Video)を送信し、それに対する応答(Accept)をS804で通信部205が受信した後、S805で映像データ(Video Data)を通信部205から送信する。本実施形態では、映像データを送信する例について説明しているが、PC115は、プロジェクタ100に対して投影(表示)するためのデータとして動画ファイルやドキュメントファイルの送信を行うこともできる。
【0032】
図7に戻り、CPU203は、所定時間の経過により接続監視タイマがタイムアウトする前にプロジェクタ100が通信部205を介して接続要求を受信すると(S702で「YES」)、S708に移行して接続監視タイマを停止させる。続いてS709でCPU203が、図6の管理テーブル600の該当アドレスの接続状態フラグ603の値を「1」に設定する。その後、本処理を終了する。この場合、新規接続PC115は例えば、事前にユーザが知っていたプロジェクタ100への接続アドレスが入力され接続を試みたということを意味する。よって、プロジェクタ100はこの時点においてPC115に対してプロジェクタ100の接続情報(IPアドレス)を提示する必要がないので、S704の表示処理を行わない。
【0033】
一方、所定時間内(例えば30秒程度)に接続要求を受信しなければ、S701で起動した接続監視タイマがタイムアウトする(S703で「YES」)。もしタイムアウトが発生すると、S704ではプロジェクタ100のIPアドレスを示す画像をその時点で表示中のデータに重畳して投影表示する。それと同時に、CPU203が投影表示している時間を決定するための表示タイマを始動させる。このとき、投影表示するためのIPアドレスを示す画像は、CPU203の指示により、OSD部207が生成し、投影処理部201によってその時点でプロジェクタが投影している映像データに重畳表示される。このIPアドレスを示す画像は、数字の羅列でも良いし、2次元バーコードのような表示であっても良い。2次元バーコードとすれば、使用するPC115に内蔵されたカメラにより撮影するだけで接続アドレスを入力できるので、接続がより手軽になる。
【0034】
IPアドレスを重畳表示している間に、本フローチャートの処理を起動させた該当アドレスから接続要求があったとCPU203が判定した場合(S705で「YES」)、S710でCPU203が表示タイマを停止させる。すなわち、該当アドレス先に接続されたPC115等から接続要求があったかどうかを判定する(S705)。続くS711では、CPU203が管理テーブル600の該当アドレスの接続状態フラグ603の値を「1」に設定する。その後S707に移行して、CPU203の指示に従い投影処理部201がIPアドレスの重畳表示を停止し、本処理を終了して、図3に戻る。また、IPアドレスを重畳表示しているにもかかわらず接続要求が該当アドレスより送信されなかった場合(S705で「NO」)で、かつ、一定時間が経過して表示タイマのタイムアウトが発生すると(S706で「YES」)、同様にS707に移行する。
【0035】
以上によれば、プロジェクタ100は、ネットワーク120に新規接続されたPC115を検出することができる。また、該検出されたPC115からプロジェクタ100への接続要求の有無を検出して、該PC115に対してプロジェクタ100の接続情報の提供を行うか否かの判定することができる。さらに、提供を行う場合でも、接続情報の提供を継続する時間をPC115からのアクセス状況に応じてさらに制御することができる。これにより、プロジェクタ100の使用中にネットワーク120で新規接続PC115が検出された場合であっても、該PC115からプロジェクタ100へのアクセス態様に応じた形態で適切にプロジェクタ100の接続情報を提供できる。
【0036】
従って、PCとプロジェクタとがネットワーク接続された環境でプレゼンを行う場合に別の新しい参加者がPCをプロジェクタに接続したいという要求があった場合でも、説明者に対する影響を最小限としてプロジェクタへの接続を適切に誘導できる。本実施形態では、接続要求として、IPアドレスを使用する例について説明したが、例えば、PINGコマンドに応答のあった新しい機器115のIPアドレスと関連づけられたパスワードを使用しても良い。この場合には、プロジェクタ100はそのパスワードを投影し、該当するIPアドレスから送られたパスワード以外では接続を許可しないようにしても良い。これにより、不特定多数の機器がプロジェクタ100に論理的に接続されてしまう可能性をより低くすることができる。
【0037】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続され、該ネットワークに接続された他の機器から提供されたデータを受信することができる表示装置であって、
前記受信したデータに関する情報を表示するための表示手段と、
前記ネットワークに接続された前記他の機器を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記他の機器が前記ネットワークに接続されたことを検出すると、前記他の機器から前記表示装置に前記表示手段により表示するためのデータを送信するための接続情報を表示させるように、前記表示手段を制御する制御手段と
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出手段が前記他の機器が前記ネットワークに接続されたことを検出すると、検出してから所定時間が経過してから、前記接続情報を表示させるように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記所定時間が経過する前に前記他の機器が前記表示装置に対して、該表示手段により表示するためのデータを送信することができるようになると、前記接続情報を表示させないように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記接続情報を表示しているときに、前記他の機器が前記表示装置に対して、前記表示手段により表示するためのデータを送信することができるようになると、前記接続情報の表示を停止するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記接続情報を表示してから一定時間が経過すると、前記接続情報の表示を停止するように前記表示手段を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
ネットワークに接続され、該ネットワークに接続された他の機器から提供されたデータを受信することができる表示装置の制御方法であって、
表示手段が、前記受信したデータに関する情報を表示する表示工程と、
検出手段が、前記ネットワークに接続された前記他の機器を検出する検出工程と、
前記検出工程において前記他の機器が前記ネットワークに接続されたことが検出されると、前記他の機器から前記表示装置に該表示手段が表示するためのデータを送信するための接続情報を表示させるように、前記表示手段を制御する制御工程と
を有することを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置の各手段として動作させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−8882(P2012−8882A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145522(P2010−145522)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】