説明

表示装置、表示装置の輝度調整回路および電子機器

【課題】表示パネルの輝度が急激に変化するのを抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置(液晶表示装置100)は、光検出部13による外光の照度の検出が繰り返し行われるとともに、光検出部13によって検出された外光の照度に応じて外光の照度の検出期間が変化するように構成されており、バックライト調整部16は、光検出部13によって検出された外光の照度に基づいて液晶表示パネル11が表示する目標輝度を決定するとともに、検出期間において、液晶表示パネル11の輝度を目標輝度に到達するまで段階的に変化させるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示装置の輝度調整回路および電子機器に関し、特に、表示パネルの輝度を調整する輝度調整部を備える表示装置、表示装置の輝度調整回路および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示パネルの輝度を調整する輝度調整部を備える表示装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1に開示の表示装置は、表示パネルの外周縁部に配置される薄膜トランジスタからなる光センサーと、光センサーからの出力値に基づいて、バックライトの制御を行う制御手段(輝度調整部)とが設けられている。薄膜トランジスタからなる光センサーでは、薄膜トランジスタに照射される光によるリーク電流を検知することにより、外光の明るさが検知される。そして、光センサーによって検知される外光の明るさ(照度)によって、バックライトのオン/オフが切り替えられる。また、光センサーによって検知される外光の明るさ(照度)に応じて目標輝度を決定して、外光の明るさが検知される毎に、バックライトの輝度を目標輝度に切り替える場合も考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−279099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の表示装置では、バックライトが外光の明るさに応じて消灯または点灯されるため、表示パネルの輝度が急激に変化するという問題点がある。また、外光の明るさ(照度)が検知される毎に、バックライトの輝度を目標輝度に切り替える場合においても、同様に、表示パネルの輝度が急激に変化するという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、表示パネルの輝度が急激に変化するのを抑制することが可能な表示装置、表示装置の輝度調整回路および電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における表示装置は、表示パネルと、外光の照度を検出する光検出部と、表示パネルの輝度を調整する輝度調整部とを備え、光検出部による外光の照度の検出は繰り返し行われるとともに、光検出部によって検出された外光の照度に応じて外光の照度の検出期間が変化するように構成されており、輝度調整部は、光検出部によって検出された外光の照度に基づいて表示パネルが表示する目標輝度を決定するとともに、検出期間において、表示パネルの輝度を目標輝度に到達するまで段階的に変化させるように構成されている。
【0007】
この第1の局面による表示装置では、上記のように、輝度調整部が外光の照度に応じて変化する検出期間の1期間の間において、表示パネルの輝度を目標輝度に到達するまで段階的に変化させる。これにより、表示パネルの輝度が検出期間の1期間の間において段階的に変化するので、表示パネルの輝度が検出期間毎に変化する場合と異なり、表示パネルの輝度が急激に変化するのを抑制することができる。
【0008】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、輝度調整部は、第1の検出期間に光検出部によって検出された外光の照度に基づいて、第1の検出期間より後の第3の検出期間に表示パネルが表示する目標輝度を決定するとともに、第1の検出期間に光検出部によって検出された外光の照度および第1の検出期間より前の第2の検出期間に光検出部によって検出された外光の照度に基づいて、第3の検出期間の表示パネルの輝度を目標輝度に到達するまで段階的に変化させるように構成されている。このように構成すれば、第1の検出期間に光検出部によって検出された外光の照度に基づいて、第1の検出期間より後の第3の検出期間に表示パネルが表示する目標輝度が決定されるので、直前の外光の検出期間に基づいて段階的に輝度を変化させることができる。また、第1の検出期間に光検出部によって検出された外光の照度および第1の検出期間より前の第2の検出期間に光検出部によって検出された外光の照度に基づいて、第3の検出期間の表示パネルの輝度が目標輝度に到達するまで段階的に変化されるので、第3の検出期間の直前の外光の状態に応じて表示パネルの輝度を段階的に調整することができる。
【0009】
この場合、好ましくは、第3の検出期間の表示パネルの輝度は、第1の検出期間の時間を所定の数で割った時間毎に、段階的に変化するように構成されている。このように構成すれば、容易に、表示パネルの輝度を第3の検出期間の直前の検出期間に合わせて段階的に変化させることができる。
【0010】
上記第1の検出期間に検出された外光の照度に基づいて第3の検出期間に表示パネルが表示する目標輝度が決定される表示装置において、好ましくは、第2の検出期間において決定された目標輝度と、第1の検出期間において決定された目標輝度との差分に基づいて、第3の検出期間の段階的に変化する表示パネルの輝度の変化量が決定されるように構成されている。このように構成すれば、表示パネルの輝度を決定された変化量毎に段階的に変化させることにより、表示パネルの輝度を確実に第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された第3の検出期間の目標輝度に到達させることができる。
【0011】
この場合、好ましくは、第1の検出期間に検出された外光の照度が、第2の検出期間に検出された外光の照度以下の場合に、第2の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度と、第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて、第3の検出期間に段階的に変化する表示パネルの輝度の変化量が決定されるように構成されている。このように構成すれば、第1の検出期間の目標輝度から第3の検出期間の目標輝度まで表示パネルの輝度を段階的に容易に変化させることができる。
【0012】
上記第1および第2の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度の差分に基づいて輝度の変化量が決定される表示装置において、好ましくは、第3の検出期間の表示パネルの輝度は、第2の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度と、第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分を所定の数で割った輝度毎に、段階的に変化するように構成されている。このように構成すれば、表示パネルの輝度を所定の数だけ同じ輝度分ずつ段階的に変化させることにより、表示パネルの輝度を滑らかな変化で目標輝度に到達させることができる。
【0013】
上記第1および第2の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度の差分に基づいて輝度の変化量が決定される表示装置において、好ましくは、第1の検出期間に検出された外光の照度が、第2の検出期間に検出された外光の照度よりも大きくなった場合には、第1の検出期間が第2の検出期間より短くなるように構成されており、第1の検出期間が第2の検出期間より短くなった場合には、第1の検出期間の終了時点の表示パネルの輝度と、第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて、第3の検出期間に段階的に変化する表示パネルの輝度の変化量が決定されるように構成されている。このように構成すれば、外光の照度の検出期間が短くなることにより、表示パネルの輝度が第2の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度に到達しない場合でも、第1の検出期間の終了時点の表示パネルの輝度と第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて表示パネルの輝度を段階的に変化させることにより、表示パネルの輝度を第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度に到達させることができる。
【0014】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、光検出部は、表示パネルに形成された薄膜トランジスタからなる光センサーと、光センサーの一対の電極間に接続された容量部と、容量部への充電をオン/オフ切り替えするスイッチ部と、光センサーの一対の電極の一方と容量部との間に接続された出力部とを含んで構成される。このように構成すれば、薄膜トランジスターからなる光センサーに光が入射することにより、光センサーにリーク電流が発生するとともに、容量部に蓄積された電荷がリーク電流により減少する。この電荷の変化を検出することにより、容易に、外光の照度の検出を行うことができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、バックライトをさらに備え、表示パネルの輝度は、バックライトの輝度を調整することにより、変化するように構成されている。このように構成すれば、バックライトを備える液晶表示装置において、表示パネルの輝度が急激に変化するのを抑制することができる。
【0016】
この発明の第2の局面による表示装置の輝度調整回路は、段階的に変化する表示パネルの輝度の変化量を演算する輝度変化量演算回路部と、表示パネルの輝度を段階的に変化させる期間を演算する周期演算回路部と、周期演算回路部によって演算された期間毎に、輝度変化量演算回路部によって演算された輝度の変化量分、表示パネルの輝度を段階的に変化させる輝度調整部とを備える。
【0017】
この第2の局面による表示装置の輝度調整回路では、上記のように、輝度調整部が、周期演算回路部によって演算された期間毎に、輝度変化量演算回路部によって演算した輝度の変化量ずつ、表示パネルの輝度を段階的に変化させることにより、表示パネルの輝度が検出期間毎に変化する場合と異なり、表示パネルの輝度が急激に変化するのを抑制することができる。
【0018】
この発明の第3の局面による電子機器は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置、または、請求項9に記載の表示装置の輝度調整回路を備える。このように構成すれば、表示パネルの輝度が急激に変化するのを抑制することが可能な電子機器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態による液晶表示装置の平面図である。
【図2】本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態による液晶表示装置のサブ画素の平面図である。
【図4】図3の200−200線に沿った断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による液晶表示装置の光検出部の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による液晶表示装置の光検出部の回路図である。
【図7】本発明の一実施形態による液晶表示装置の検出周期調整部の回路図である。
【図8】本発明の一実施形態による液晶表示装置のバックライト調整部の回路図である。
【図9】本発明の一実施形態による液晶表示装置の検出周期調整部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態による液晶表示装置の検出周期調整部およびバックライト調整部の動作を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の一実施形態による液晶表示装置のバックライト調整部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第1の例を説明するための図である。
【図13】本実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第2の例を説明するための図である。
【図14】本実施形態による液晶表示装置を用いた電子機器の第3の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図8を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置100の構成について説明する。なお、本実施形態では、横電界モードであり、透過型の液晶表示装置100に本発明を適用した場合について説明する。
【0022】
本実施形態による液晶表示装置100は、図1に示すように、液晶表示装置100の中央部分に広い表示領域1を有している。また、表示領域1には、図3に示すように、複数のサブ画素2が設けられている。また、図1に示すように、表示領域1の矢印Y1方向には、光センサー領域3が形成されている。また、表示領域1の矢印Y2方向には、信号線4(図3参照)が形成された信号線配線領域5が形成されている。また、表示領域1のX方向には、走査線6(図3参照)が形成された走査線配線領域7が形成されている。また、表示領域1の周辺部分には、共通配線領域8が形成されている。また、表示領域1の矢印Y2方向には、駆動用ドライバ9および外部接続端子10が形成されている。
【0023】
また、液晶表示装置100は、図2に示すように、液晶表示パネル11と、コントローラ基板12とを備えている。なお、液晶表示パネル11は、本発明の「表示パネル」の一例である。液晶表示パネル11には、表示領域1と、光検出部13と、バックライト14とが設けられている。また、コントローラ基板12には、検出周期調整部15と、バックライト調整部16とが設けられている。検出周期調整部15は、光検出部13およびバックライト調整部16に接続されている。また、バックライト調整部16は、バックライト14にバックライト調整信号が送信可能に構成されている。なお、本実施形態では、バックライト調整部16は、後述する光検出部13によって検出された外光の照度に基づいて液晶表示パネル11が表示する目標輝度を決定するとともに、外光の照度に応じて変化する検出期間(周期)の1周期の間において、液晶表示パネル11の輝度を目標輝度に到達するまで段階的に変化させるように構成されている。なお、バックライト調整部16は、本発明の「輝度調整部」および「輝度調整回路」の一例である。
【0024】
また、表示領域1は、図4に示すように、TFT基板20の表面上には、ゲート電極21が形成されている。また、TFT基板20およびゲート電極21の表面上には、SiNからなるゲート絶縁膜22aを含む絶縁膜22が形成されている。また、TFT基板20と絶縁膜22を介して対向するように、半導体層23が形成されている。なお、半導体層23は、a−SiとnSiとからなる。半導体層23の上部には、ソース電極24およびドレイン電極25が形成されている。そして、絶縁膜22、半導体層23、ソース電極24およびドレイン電極25によりTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)26が構成されている。
【0025】
また、ソース電極24およびドレイン電極25を覆うように、SiNからなるパッシベーション層27が形成されている。パッシベーション層27には、コンタクトホール27aが形成されている。パッシベーション層27の表面上には、感光性のアクリル樹脂からなる平坦化膜28が形成されている。平坦化膜28には、コンタクトホール28aが形成されている。
【0026】
また、平坦化膜28を覆うように、ITO(Indium Tin Oxide)や、IZO(Induim Zinc Oxide)などの透明電極からなる画素電極29が形成されている。また、パッシベーション層27のコンタクトホール27aと平坦化膜28のコンタクトホール28aとを介して、画素電極29とドレイン電極25とが接続されている。また、画素電極29の表面上には、SiNなどからなる低温パッシベーション層30が形成されている。また、低温パッシベーション層30の表面上には、ITOやIZOなどの透明電極からなる共通電極31が形成されている。上記のように、画素電極29と、画素電極29と共通電極31との間に発生する横方向の電界により、後述する液晶(液晶層50)が駆動される。
【0027】
また、共通電極31は、図3に示すように、平面的に見て、X方向に沿って延びるように複数のスリット31aが形成されている。また、共通電極31のサブ画素2の中央部分に対応する部分には、V字形状のスリット31bが形成されている。また、図4に示すように、共通電極31の表面上には、ポリイミドなどの有機膜からなる配向膜32が形成されている。また、TFT基板20の矢印Z1方向側の表面上には、第1偏光板33が形成されている。第1偏光板33の矢印Z1方向側の表面上には、バックライト14が設けられている。バックライト14は、TFT基板20側から対向基板40側(矢印Z2方向側)に向かって光が出射されるように構成されている。
【0028】
また、TFT基板20と対向するように、対向基板40が設けられている。対向基板40の表面上には、ブラックマトリクス41が形成されている。また、ブラックマトリクス41の表面上には、カラーフィルター(CF)42が形成されている。なお、カラーフィルター42は、赤(R)、緑(G)および青(B)の3色のカラーフィルター42からなるとともに、サブ画素2毎に設けられている。また、カラーフィルター42の表面上には、感光性のアクリル樹脂からなるオーバーコート層(OC)43が形成されている。また、オーバーコート層43の表面上には、ポリイミドなどの有機膜からなる配向膜44が形成されている。また、対向基板40の矢印Z2方向側には、第2偏光板45が形成されている。また、配向膜32と配向膜44との間には、液晶層50が設けられている。
【0029】
また、光センサー領域3(図1参照)には、図5に示すように、光検出部13が形成されている。光検出部13は、TFTからなる光センサーTFT60と、容量部61と、スイッチ部62とを備えている。なお、光センサーTFT60は、本発明の「光センサー」の一例である。また、光センサーTFT60は、図5に示すように、TFT基板20の表面上に形成されているゲート電極GLと、ゲート電極GLを覆うゲート絶縁膜22aと、ゲート絶縁膜22aの表面上に形成された半導体層601と、半導体層601の表面上に形成されたソース電極SLおよびドレイン電極DLとを備えている。この光センサーTFT60は、表示領域1に形成されるTFT26と同時に形成される。
【0030】
容量部61は、TFT基板20の表面上に形成されている容量下電極611と、容量下電極611を覆う絶縁膜22と、絶縁膜22の表面上に、平面的に見て、容量下電極611と重なるように形成されている容量上電極612とから形成されている。なお、容量上電極612は、TFTからなる光センサーTFT60のソース電極SLと一体的に形成されている。
【0031】
スイッチ部62は、TFT基板20の表面上に形成されているゲート電極GSと、ゲート電極GSを覆う絶縁膜22と、絶縁膜22の表面上に、平面的に見て、ゲート電極GSと重なって形成されている半導体層621と、半導体層621と部分的に重なるように配置されたソース電極SSおよびドレイン電極DSと、平面的に見て半導体層621を覆うように形成されている遮光部材622とを備えている。そして、光センサーTFT60のソース電極SL、容量上電極612およびスイッチ部62のドレイン電極DSは一体的に形成されるとともに、それぞれ同電位になるように構成されている。また、容量部61およびスイッチ部62も、表示領域1に形成されるTFT26と同時に形成される。
【0032】
また、図6に示すように、ソース電極SSには、容量部61を充電するための電圧Vsが印加されるように構成されている。また、ゲート電極GSには、スイッチ部62のオン/オフを切り替えるSW制御信号が入力されるように構成されている。また、容量部61の容量下電極611は、接地されているので、スイッチ部62がオン状態になると、容量部61が充電されるように構成されている。また、スイッチ部62がオフ状態になると、容量部61の充電が終了されるように構成されている。
【0033】
また、光センサーTFT60のドレイン電極DLは、接地されている。また、ソース電極SLは、容量部61の容量上電極612に接続されている。また、ゲート電極GLには、光センサーTFT60のオン/オフを切り替えるGV制御信号が入力される。
【0034】
このように、光センサーTFT60がオン状態のとき(正バイアス電圧が印加されているとき)は、容量部61に蓄積された電荷が放電されるように構成されている。また、光センサーTFT60がオフ状態のとき(逆バイアス電圧が印加されているとき)は、光センサーTFT60に照射される照度に応じたリーク電流により、容量部61に蓄積された電荷が徐々に放電されるように構成されている。このリーク電流は、外光の照度が高いほど大きくなる。そして、容量部61のソース電極SLの電圧が光検出部13の出力となる。なお、スイッチ部62は、遮光部材622により遮光されているので、スイッチ部62のリーク電流による容量部61の放電は、実質的にない。
【0035】
図7に示すように、検出周期調整部15は、アナログ・デジタルコンバータ(ADC)71と、アンプ72と、レジスタ部73と、判別回路部74と、リセット回路部75と、カウンタ76と、インバータ77と、レベルシフタ(L/S)78とを含んでいる。
【0036】
レジスタ部73は、レジスタ回路79とレジスタ回路80とを含んでいる。レジスタ回路79およびレジスタ回路80には、光検出部13によって検出された外光の照度の検出値(容量部61の電圧)が、入力されるように構成されている。なお、レジスタ回路79には、光検出部13によって今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値(新)が入力されるとともに、レジスタ回路80には、光検出部13によって前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度の検出値(旧)が入力されるように構成されている。
【0037】
判別回路部74は、減算回路81を含んでいる。減算回路81には、レジスタ回路79の出力と、レジスタ回路80の出力とが入力されるように構成されている。また、減算回路81は、レジスタ回路79の出力からレジスタ回路80の出力を減算した値が負になる場合、減算回路81から出力されるデータの最上位のビット(MSB)の1が出力されるように構成されている。
【0038】
リセット回路部75は、レジスタ回路82およびレジスタ回路83を有するパルス発生回路84と、インバータ85および86と、OR回路87と、AND回路88とを含んでいる。レジスタ回路82と、レジスタ回路83とには、それぞれ、今回の減算回路81の出力(新)と、前回の減算回路81の出力(旧)とが入力されるように構成されている。また、レジスタ回路82およびレジスタ回路83には、それぞれ、CLK2信号が入力されるように構成されている。OR回路87は、レジスタ回路82の出力がインバータ85を介して入力されるとともに、レジスタ回路83の出力が入力されるように構成されている。AND回路88は、カウンタ76からの出力がインバータ86を介して入力されるとともに、OR回路87の出力が入力されるように構成されている。また、AND回路88からの出力は、インバータ77と、レベルシフタ78とを介して出力されるように構成されている。
【0039】
図8に示すように、本実施形態では、バックライト調整部16は、遅延回路111と、アンプ112と、輝度変化量演算回路部113と、周期演算回路部114と、出力レジスタ回路115とを含んでいる。また、本実施形態では、輝度変化量演算回路部113は、前回(第2の検出期間)の外光の照度の検出において決定された目標輝度と、今回(第1の検出期間)の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて、段階的に変化する液晶表示パネル11(バックライト14の照射する光)の輝度の変化量を決定するように構成されている。
【0040】
輝度変化量演算回路部113は、目標輝度レジスタ回路116と、目標輝度レジスタ回路117と、セレクタ118と、減算回路119と、1/n回路120と、レジスタ回路121とを含んでいる。目標輝度レジスタ回路116および目標輝度レジスタ回路117には、バックライト14が照射する光の目標輝度が、入力されるように構成されている。なお、目標輝度レジスタ回路116には、光検出部13によって今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度に基づいた目標輝度(新)が入力されるとともに、目標輝度レジスタ回路117には、光検出部13によって前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度に基づいた目標輝度(旧)が入力されるように構成されている。
【0041】
セレクタ118は、目標輝度レジスタ回路117の出力と、レジスタ回路121の出力とが入力されるとともに、後述する周期演算回路部114の減算回路124の出力が入力されるように構成されている。減算回路119は、目標輝度レジスタ回路116の出力と、セレクタ118の出力とが入力されるとともに、目標輝度レジスタ回路116の出力からセレクタ118の出力を減算するように構成されている。ここで、本実施形態では、1/n回路120は、減算回路119の出力が入力されるとともに、減算回路119の出力(第1の検出期間によって決定された目標輝度と第2の検出期間によって決定された目標輝度との差分)を自然数nで除算するように構成されている。レジスタ回路121は、減算回路119の出力(出力値の最上位のビット:MSB)と、1/n回路120の出力とが入力されるとともに、後述する周期演算回路部114のパルス発生回路125からの出力が入力されるように構成されている。また、レジスタ回路121は、バックライト14が照射する光の輝度を出力レジスタ回路115に出力するように構成されている。
【0042】
周期演算回路部114は、検出周期レジスタ回路122と、検出周期レジスタ回路123と、減算回路124と、パルス発生回路125とを含んでいる。検出周期レジスタ回路122および検出周期レジスタ回路123には、光検出部13がリセットされる周期(検出周期、検出期間)が入力されるように構成されている。なお、検出周期レジスタ回路122には、今回の外光の検出周期(新)が入力されるとともに、検出周期レジスタ回路123には、前回の外光の検出周期(旧)が入力されるように構成されている。
【0043】
減算回路124は、検出周期レジスタ回路122の出力と、検出周期レジスタ回路123の出力が入力されるとともに、検出周期レジスタ回路122の出力から検出周期レジスタ回路123の出力を減算するように構成されている。また、減算回路124は、輝度変化量演算回路部113のセレクタ118に、減算の結果(最上位のビット:MSB)を出力するように構成されている。
【0044】
パルス発生回路125は、1/n回路126と、一致検出回路127と、インバータ128と、レジスタ回路129とを含んでいる。ここで、本実施形態では、1/n回路126は、検出周期レジスタ回路122の出力が入力されるとともに、検出周期レジスタ回路122の出力(今回の外光の検出周期、第1の検出期間)を自然数nで除算するように構成されている。一致検出回路127は、1/n回路126の出力(検出周期レジスタ回路122の出力のMSB以外のkビット)と、レジスタ回路129の出力(MSB以外のkビット)とが入力されるように構成されており、1/n回路126の出力と、レジスタ回路129の出力とが一致した際に、輝度変化量演算回路部113のレジスタ回路121にタイミングパルスを出力するように構成されている。また、一致検出回路127の出力は、インバータ128を介して、レジスタ回路129に入力されるように構成されている。また、レジスタ回路129には、CLK3が入力されるとともに、一致検出回路127に信号を出力するように構成されている。
【0045】
次に、図6、図7、図9および図10を参照して、本発明の一実施形態における検出周期調整部15の動作について説明する。
【0046】
まず、図10に示す時間Aにおいて、リセット出力がHレベルになることにより、図6に示すスイッチ部62がオン状態にされる。これにより、容量部61が充電される。そして、光センサーTFT60に外光が入射されることにより、光センサーTFT60のソース電極SLとドレイン電極DLとの間でリーク電流が発生する。これにより、容量部61に蓄積された電荷が徐々に放電される。
【0047】
そして、図9に示すステップS1(図10に示す時間B)において、検出部13の検出値(容量部61に蓄積された電荷の電位)がスレッショルド電位よりも小さくなった場合、ADC71の出力がHレベルになる。この際、光検出部13によって今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値が、レジスタ回路79に入力される。また、レジスタ回路80には、光検出部13によって前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度の検出値が、レジスタ回路79から入力される。
【0048】
そして、図9に示すステップS2(図10の時間C)において、レジスタ回路79に保持されている今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値から、レジスタ回路80に保持されている前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度の検出値を、判別回路部74の減算回路81によって減算することにより、今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度と前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度との比較が行われる。
【0049】
具体的には、時間Cでは、レジスタ回路79に保持されている今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値(容量部61の電圧値)は、100h(hはヘキサデシマル(16進数))であり、レジスタ回路80に保持されている前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度の検出値は、80hであるので、レジスタ回路79に保持されている今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値の方が大きい。つまり、今回(第1の検出期間に)検出された外光は、前回(第2の検出期間に)検出された外光よりも暗くなった。この際、減算回路81の結果は正になるので、判別回路部74から最上位のビット(MSB)の0(Lレベル)が出力される。
【0050】
そして、図9に示すステップS3において、カウンタ76によって時間がカウントされ続け、予め定められている外光を検出する最大の検出期間が経過した時(時間D)において、カウンタ出力がHレベルにされる。これにより、容量部61が再び充電(リセット)されるとともに、光検出部13によって、外光の照度の検出が始まる。また、今回(第1の検出期間に)検出された外光の輝度に基づいて、バックライト14が照射する光の輝度が決定されるとともに、決定された輝度に基づいて、バックライト14が照射する光の輝度の調整が行われる。なお、バックライト14が照射する光の輝度の調整の詳細については、後述する。
【0051】
そして、図9に示すステップS1(図10に示す時間E)に戻って、容量部61に蓄積された電荷(電位)がスレッショルド電位よりも小さくなった場合、ADC71の出力がHレベルになる。この際、レジスタ回路79に光検出部13によって今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値(20h)が、レジスタ回路79に入力される。また、レジスタ回路80には、光検出部13によって前回検出された外光の照度の検出値(100h)が、レジスタ回路79から入力される。
【0052】
そして、図9に示すステップS2(図10の時間F)において、レジスタ回路79に保持されている今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値から、レジスタ回路80に保持されている前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度の検出値が判別回路部74の減算回路81によって減算される。具体的には、時間Fの場合では、レジスタ回路79に保持されている今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値は、20hであり、レジスタ回路80に保持されている前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度の検出値は100hであるので、レジスタ回路79に保持されている今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度の検出値の方が小さい。つまり、今回(第1の検出期間に)検出された外光は、前回(第2の検出期間に)検出された外光よりも明るくなった。この際、減算回路81の結果は負になるので、図9に示すステップS4において、判別回路部74から最上位のビット(MSB)の1(Hレベル)が出力されるとともに、リセット信号が生成される。
【0053】
具体的には、図7に示すレジスタ回路82には、1のデータが入力されるとともに、レジスタ回路83には、前回(時間C)の減算の結果の0のデータが入力されている。そして、OR回路87には、レジスタ回路82からインバータ85を介して0のデータが入力されるとともに、レジスタ回路83から0のデータが入力される。これにより、AND回路88には、OR回路87から0のデータを入力される。また、時間Fにおいては、カウンタ76の出力はLレベルであるので、AND回路88には、インバータ86を介してHレベル(1)のデータが入力される。その結果、AND回路88から0のデータが出力されるとともに、インバータ77とレベルシフタ78とを介して、時間Gにおいて、Hレベルのリセット信号が出力される。これにより、容量部61が再び充電される。また、今回(第1の検出期間に)検出された外光の輝度に基づいて、バックライト14が照射する光の輝度が決定されるとともに、決定された輝度に基づいて、バックライト14が照射する光の輝度の調整が行われる。
【0054】
上記のように、光検出部13によって検出された外光の照度が、前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度よりも大きくなった場合には、予め定められている外光を検出する最大の検出期間が経過することなく(カウンタ76からHレベルの信号が出力される以前に)、光検出部13のリセット(容量部61の充電)が行われることにより、外光の照度の検出期間が短くなる。
【0055】
次に、図8、図10および図11を参照して、本発明の一実施形態におけるバックライト調整部16の動作について説明する。なお、バックライト14の輝度は、外光が明るくなったときには、大きく(明るく)されるとともに、外光が暗くなったときには、小さく(暗く)される。
【0056】
(初期状態)
まず、図10に示す時間Aにおいて、リセット出力がHレベルになることにより、光検出部13がリセットされる。また、輝度変化量演算回路部113の目標輝度レジスタ回路116および目標輝度レジスタ回路117と、周期演算回路部114の検出周期レジスタ回路122および検出周期レジスタ回路123とには、遅延回路111を介して、遅延されたリセット出力(Hレベル)が入力される。これにより、第1の検出期間(時間A以前)に検出された外光の照度に基づいて決定されたバックライト14が照射する光の目標輝度bが目標輝度レジスタ回路116に保持される。また、第1の検出期間より前の第2の検出期間に検出された外光の照度に基づいて決定された目標輝度aが目標輝度レジスタ回路117に保持される。また、第1の検出期間の検出期間t0が、検出周期レジスタ回路122に保持される。
【0057】
そして、周期演算回路部114のパルス発生回路125が発生するタイミングパルスに基づいて、時間Aから時間Bまでの間に、バックライト14が照射する光の輝度は、目標輝度aから目標輝度bに向かって段階的に変化する。なお、バックライト14の輝度が変化する期間は、第1の検出期間(時間A以前)の外光の検出期間t0を、自然数nで除算した期間(t0/n)である。また、段階的に変化するバックライト14の輝度の変化量は、目標輝度aと目標輝度bとの差分を自然数nで除算した値((a−b)/n)である。なお、バックライト14の輝度の変化量を決定する動作の詳細は、後述する。
【0058】
次に、図10に示すように、検出部13の検出値(容量部61に蓄積された電荷の電位)がスレッショルド電位よりも小さくなる時間B経過後、時間Cにおいて、光検出部13によって検出された外光の照度に基づいて、バックライト14が照射する光の目標輝度cが決定される。なお、目標輝度は、たとえば、外光の照度と目標輝度との関係を示した表(図示せず)に基づいて決定される。
【0059】
次に、カウンタ76(図7参照)によって時間がカウントされ続け、予め定められている外光を検出する最大の検出期間が経過した時(時間D)において、カウンタの出力がHレベルにされる。これにより、容量部61が再び充電(リセット)されるとともに、光検出部13によって、外光の照度の検出が始まる。
【0060】
(外光が暗くなった場合の動作)
図11に示すステップS11において、輝度変化量演算回路部113の目標輝度レジスタ回路116および目標輝度レジスタ回路117と、周期演算回路部114の検出周期レジスタ回路122および検出周期レジスタ回路123とには、遅延回路111を介して、遅延されたリセット出力(Hレベル)が入力される。これにより、今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度に基づいて決定されたバックライト14が照射する光の目標輝度cが目標輝度レジスタ回路116に保持される。また、前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度に基づいて決定された目標輝度bが目標輝度レジスタ回路117に保持される。また、今回(第1の検出期間)の検出期間t1が、検出周期レジスタ回路122に保持されるとともに、前回(第2の検出期間)の外光の検出期間t0が、検出周期レジスタ回路123に保持される。なお、今回(第1の検出期間に)外光の検出の周期t1は、前回(第2の検出期間)の外光の検出の周期t0よりも長く(t0<t1)なっているとする。つまり、今回(第1の検出期間に)検出された外光は、前回(第2の検出期間に)検出された外光よりも暗くなった。これにより、次回(第3の検出期間に)バックライト14が照射する光の目標輝度cは、今回(第1の検出期間)のバックライト14が照射する光の目標輝度bよりも小さく(b>c)なる。
【0061】
そして、図11に示すステップS12において、バックライト14が照射する光の輝度の変化量の算出と、バックライト14が照射する光の輝度が変化する期間(タイミングパルス)の算出とが、それぞれ、輝度変化量演算回路部113と周期演算回路部114とによって行われる。
【0062】
具体的には、図8に示すように、検出周期レジスタ回路122に保持されている今回(時間A1〜時間D)の外光の検出期間t1から、検出周期レジスタ回路123に保持されている前回(時間A以前)の外光の検出期間t0が、減算回路124によって減算される。そして、減算回路124によって減算された結果のMSBが輝度変化量演算回路部113のセレクタ118に入力される。この演算では、t0<t1であるので、減算の結果は正になり、Lレベル(0)の信号(MSB)がセレクタ118に入力される。これにより、本実施形態では、減算回路119には、目標輝度レジスタ回路117に保持される目標輝度bが入力されるとともに、目標輝度レジスタ回路116に保持される目標輝度cが入力される。そして、減算回路119によって、目標輝度cから目標輝度bが減算される。この演算では、b>cであるので、減算の結果は負になり、Hレベル(1)の信号(MSB)がレジスタ回路121に入力される。また、減算回路119の演算の結果(c−b)の絶対値または(b−c)が、1/n回路120に入力されて自然数nによって除算されるこよにより、段階的に変化するバックライト14の輝度の変化量((b−c)/n)が算出される。なお、検出周期レジスタ回路122に保持される検出期間として、時間A〜時間A1や時間D〜D1などのリセット期間(および充電期間)を検出期間に含めてもよい。
【0063】
また、周期演算回路部114では、検出周期レジスタ回路122に保持されている今回(時間A1〜時間D)の外光の検出期間t1が1/n回路126に入力されて、バックライト14の輝度が変化する期間(t1/n)が算出されるとともに、一致検出回路127に入力される。そして、図11に示すステップS13において、一致検出回路127に入力されるレジスタ回路129からの信号とバックライト14の輝度が変化する期間(t1/n)とが一致した場合(バックライト14の輝度が変化する期間毎)に、輝度変化量演算回路部113のレジスタ回路121にタイミングパルスが入力される。また、ステップS14において、Lレベル(0)の信号(MSB)がレジスタ回路121に入力されている(目標輝度cが前回の目標輝度b以下である)ので、ステップS15に進んで、輝度の変化量((b−c)/n)が現在の輝度bから減算される。そして、ステップS17において、レジスタ回路121から出力レジスタ回路115に、輝度(b−(b−c)/n)が出力されるとともに、バックライト14がこの輝度に基づいて発光する。なお、バックライト14は、(b−c)/nずつ減算した輝度をタイミングパルスに合わせて発光する。
【0064】
次に、図10に示すように、容量部61に蓄積された電荷(電位)がスレッショルド電位よりも小さくなる時間E経過後、時間Fにおいて、光検出部13によって検出された外光の照度に基づいて、バックライト14が照射する光の目標輝度dが決定される。
【0065】
そして、上記したように、外光が前回(第2の検出期間)と比べて明るくなったので、時間Gにおいて、図7に示す減算回路81からHレベル(1)の信号(MSB)が出力されることにより、容量部61が再び充電(リセット)される。
【0066】
(外光が明るくなった場合の動作)
図11に示すステップS11において、輝度変化量演算回路部113の目標輝度レジスタ回路116および目標輝度レジスタ回路117と、周期演算回路部114の検出周期レジスタ回路122および検出周期レジスタ回路123とには、遅延回路111を介して、遅延されたリセット出力(Hレベル)が入力される。これにより、今回(第1の検出期間に)検出された外光の照度に基づいて決定されたバックライト14が照射する光の目標輝度dが目標輝度レジスタ回路116に保持される。また、前回(第2の検出期間に)検出された外光の照度に基づいて決定された目標輝度cが目標輝度レジスタ回路117に保持される。また、今回(時間D1〜時間G)の外光の検出期間t2が、検出周期レジスタ回路122に保持されるとともに、前回(第2の検出期間)の外光の検出期間t1が、検出期間レジスタ回路123に保持される。なお、今回(第1の検出期間)の外光の検出期間t2は、前回(第2の検出期間)の外光の検出期間t1よりも短く(t1>t2)なっている。つまり、今回(第1の検出期間に)検出された外光は、前回(第2の検出期間に)検出された外光よりも明るくなった。これにより、次回(第3の検出期間に)バックライト14が照射する光の目標輝度dは、前回のバックライト14が照射する光の目標輝度cよりも大きく(c<d)なる。
【0067】
そして、図11に示すステップS12において、バックライト14が照射する光の輝度の変化量の算出と、バックライト14が照射する光の輝度が変化する期間(タイミングパルス)との算出とが、それぞれ、輝度変化量演算回路部113と周期演算回路部114とによって行われる。
【0068】
具体的には、検出周期レジスタ回路122に保持されている今回(第1の検出期間)の外光の検出周期t2から、検出周期レジスタ回路123に保持されている前回(第2の検出期間)の外光の検出期間t1が、減算回路124によって減算される。そして、減算回路124によって減算された結果のMSBが輝度変化量演算回路部113のセレクタ118に入力される。この演算では、t1>t2であるので、減算の結果は負になり、Hレベル(1)の信号(MSB)がセレクタ118に入力される。これにより、減算回路119には、現在バックライト14が発光している輝度(b1=b−(b−c)/n)が入力されるとともに、目標輝度レジスタ回路116に保持される目標輝度dが入力される。そして、本実施形態では、外光の照度の検出期間が短くなった場合(外光が明るくなった場合)には、減算回路119によって、目標輝度dから現在の輝度b1が減算される。この演算では、b1<dであるので、減算の結果は正になり、Lレベル(0)の信号(MSB)がレジスタ回路121に入力される。また、減算回路119の演算の結果(d−b1)が、1/n回路120に入力されて、段階的に変化するバックライト14の輝度の変化量((d−b1)/n)が算出される。
【0069】
また、周期演算回路部114では、検出周期レジスタ回路122に保持されている今回(時間D1〜時間G)の外光の検出期間t2が1/n回路126に入力されて自然数nによって除算されることにより、バックライト14の輝度が変化する期間(t2/n)が算出されるとともに、一致検出回路127に入力される。そして、図11に示すステップS13において、一致検出回路127に入力されるレジスタ回路129からの信号とバックライト14の輝度が変化する期間(t2/n)とが一致した場合(輝度が変化する期間(t2/n)毎)に、輝度変化量演算回路部113のレジスタ回路121にタイミングパルスが入力される。また、ステップS14において、Lレベル(0)の信号(MSB)がレジスタ回路121に入力されている(目標輝度dが現在の輝度bよりも大きい)ので、ステップS16に進んで、輝度の変化量((d−b1)/n)が現在の輝度b1に加算される。そして、ステップS17において、レジスタ回路121から出力レジスタ回路115に、輝度(b1+(d−b1)/n)が出力されるとともに、バックライト14がこの輝度に基づいて発光する。その後、バックライト14は、変化量((d−b1)/n)ずつ輝度を大きくしながら目標輝度dに到達するまで発光が繰り返される。
【0070】
図12〜図14を参照して、本発明の一実施形態による液晶表示装置100を用いた電子機器について説明する。
【0071】
本発明の一実施形態による液晶表示装置100は、図12〜図14に示すように、PC(Personal Computer)500、携帯電話510および情報携帯端末520(PDA:Personal Digital Assistants)などに用いることが可能である。図12のPC500においては、キーボードなどの入力部500aおよび表示画面500bなどに本発明の一実施形態による液晶表示装置100を用いることが可能である。図13の携帯電話510においては、表示画面510aに本発明の一実施形態による液晶表示装置100が用いられる。図14の情報携帯端末520においては、表示画面520aに本発明の一実施形態による液晶表示装置100が用いられる。
【0072】
本実施形態では、上記のように、バックライト調整部16が外光の照度に応じて変化する検出期間の1期間の間において、液晶表示パネル11の輝度を目標輝度に到達するまで段階的に変化させた。これにより、液晶表示パネル11の輝度が検出期間の1期間の間において段階的に変化するので、液晶表示パネル11の輝度が検出期間毎に変化する場合と異なり、液晶表示パネル11の輝度が急激に変化するのを抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、バックライト調整部16を、第1の検出期間(今回)に光検出部13によって検出された外光の照度に基づいて、第1の検出期間より後の第3の検出期間(次回)に液晶表示パネル11が表示する目標輝度を決定するとともに、第1の検出期間に光検出部13によって検出された外光の照度および第1の検出期間より前(前回)の第2の検出期間に光検出部13によって検出された外光の照度に基づいて、第3の検出期間の液晶表示パネル11の輝度を目標輝度に到達するまで段階的に変化させるように構成した。これにより、第1の検出期間に光検出部13によって検出された外光の照度に基づいて、第1の検出期間より後の第3の検出期間に液晶表示パネル11が表示する目標輝度が決定されるので、直前の外光の検出期間に基づいて段階的に輝度を変化させることができる。また、第1の検出期間に光検出部13によって検出された外光の照度および第1の検出期間より前の第2の検出期間に光検出部13によって検出された外光の照度に基づいて、第3の検出期間の液晶表示パネル11の輝度が目標輝度に到達するまで段階的に変化されるので、第3の検出期間の直前の外光の状態に応じて液晶表示パネル11の輝度を段階的に調整することができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、第3の検出期間の液晶表示パネル11の輝度を、第1の検出期間(今回)の外光の照度の検出期間を自然数nで割った時間毎に、段階的に変化するように構成した。これにより、容易に、液晶表示パネル11の輝度を直前の検出期間に合わせて段階的に変化させることができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、第2の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度と、第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて、第3の検出期間の段階的に変化する液晶表示パネル11の輝度の変化量を決定するように構成した。これにより、液晶表示パネル11の輝度を決定された変化量毎に段階的に変化させることにより、液晶表示パネル11の輝度を確実に第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された第3の検出期間の目標輝度に到達させることができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、光検出部13によって検出された今回(第1の検出期間)の外光の照度が、前回(第2の検出期間)検出された外光の照度以下の場合(暗くなった場合)に、前回(第2の検出期間)の外光の照度の検出において決定された目標輝度と、今回(第1の検出期間)の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて、段階的に変化する液晶表示パネル11の輝度の変化量が決定されるように構成した。これにより、前回(第2の検出期間)の目標輝度から今回(第1の検出期間)の目標輝度まで液晶表示パネル11の輝度を段階的に容易に変化させることができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示パネル11の輝度を、前回(第2の検出期間)の外光の照度の検出において決定された目標輝度と、今回(第1の検出期間)の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分を自然数nで割った輝度毎に、段階的に変化するように構成した。これにより、液晶表示パネル11の輝度を自然数n回だけ同じ輝度分ずつ段階的に変化させることにより、表示パネルの輝度を滑らかな変化で目標輝度に到達させることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、外光の照度の検出期間が短くなった場合には、現在(第1の検出期間の終了時点)の液晶表示パネル11の輝度と、今回(第1の検出期間)の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて、段階的に変化する液晶表示パネル11の輝度の変化量が決定されるように構成した。これにより、外光の照度の検出期間が短くなることにより、液晶表示パネル11の輝度が前回の外光の照度の検出において決定された目標輝度に到達しない場合でも、現在(第1の検出期間の終了時点)の液晶表示パネル11の輝度と今回(第1の検出期間)の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて液晶表示パネル11の輝度を段階的に変化させることにより、液晶表示パネル11の輝度を今回の外光の照度の検出において決定された目標輝度に到達させることができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、光検出部13は、薄膜トランジスターからなる光センサーTFT60と、光センサーTFT60の一対の電極間に接続された容量部61と、容量部61への充電をオン/オフ切り替えするスイッチ部62と、光センサーTFT60の一対の電極の一方と容量部61の間に接続された出力部とを含んで構成した。これにより、光センサーTFT60に光が入射することにより、光センサーTFT60にリーク電流が発生するとともに、容量部61に蓄積された電荷がリーク電流により減少する。この電荷の変化を検出することにより、容易に、外光の照度の検出を行うことができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、液晶表示パネル11の輝度を、バックライト14の輝度を調整することにより、変化するように構成した。これにより、液晶表示装置100において、液晶表示パネル11の輝度が急激に変化するのを抑制することができる。
【0081】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0082】
たとえば、上記実施形態では、表示装置として液晶表示装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、有機ELを用いた表示装置に本発明を適用してもよい。この場合、自発光する有機EL素子の輝度が、段階的に変化するように構成される。
【0083】
また、上記実施形態では、液晶表示パネルの輝度を、前回の外光の照度の検出期間に基づいて段階的に変化するように構成したが、本発明はこれに限らない。たとえば、液晶表示パネルの輝度を、前回以外(たとえば、前々回)の外光の照度の検出期間に基づいて段階的に変化するように構成してもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、表示装置として横電界モードの液晶表示装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、縦電界モードの液晶表示装置に本発明を適用してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、表示装置として透過型の液晶表示装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、反射型や半透過型の液晶表示装置に本発明を適用してもよい。なお、フロントライトを使用した反射型の液晶表示装置では、暗い場所ではフロントライトを点灯する(段階的に輝度を変化させる)とともに、明るい場所ではフロントライトを消灯する。また、半透過型の液晶表示装置では、暗い場所ではバックライトを点灯させて(段階的に輝度を変化させて)と透過部に画像を表示するとともに、明るい場所ではバックライトを消灯して外光を利用して反射部に画像を表示する。
【符号の説明】
【0086】
11 液晶表示パネル(表示パネル) 13 光検出部 14 バックライト 16 バックライト調整部(輝度調整部、輝度調整回路) 26 TFT(薄膜トランジスタ) 60 光センサーTFT(光センサー) 61 容量部 62 スイッチ部 100 液晶表示装置(表示装置) 113 輝度変化量演算回路部 114 周期演算回路部 500 PC(電子機器) 510 携帯電話(電子機器) 520 情報携帯端末(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
外光の照度を検出する光検出部と、
前記表示パネルの輝度を調整する輝度調整部とを備え、
前記光検出部による外光の照度の検出は繰り返し行われるとともに、
前記光検出部によって検出された外光の照度に応じて前記外光の照度の検出期間が変化するように構成されており、
前記輝度調整部は、前記光検出部によって検出された外光の照度に基づいて前記表示パネルが表示する目標輝度を決定するとともに、前記検出期間において、前記表示パネルの輝度を前記目標輝度に到達するまで段階的に変化させるように構成されている、表示装置。
【請求項2】
前記輝度調整部は、第1の検出期間に前記光検出部によって検出された外光の照度に基づいて、前記第1の検出期間より後の第3の検出期間に前記表示パネルが表示する目標輝度を決定するとともに、前記第1の検出期間に前記光検出部によって検出された外光の照度および前記第1の検出期間より前の第2の検出期間に前記光検出部によって検出された外光の照度に基づいて、前記第3の検出期間の前記表示パネルの輝度を前記目標輝度に到達するまで段階的に変化させるように構成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第3の検出期間の前記表示パネルの輝度は、前記第1の検出期間の時間を所定の数で割った時間毎に、段階的に変化するように構成されている、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の検出期間において決定された目標輝度と、前記第1の検出期間において決定された目標輝度との差分に基づいて、前記第3の検出期間の段階的に変化する前記表示パネルの輝度の変化量が決定されるように構成されている、請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の検出期間に検出された外光の照度が、前記第2の検出期間に検出された外光の照度以下の場合に、前記第2の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度と、前記第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて、前記第3の検出期間に段階的に変化する前記表示パネルの輝度の変化量が決定されるように構成されている、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第3の検出期間の前記表示パネルの輝度は、前記第2の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度と、前記第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分を所定の数で割った輝度毎に、段階的に変化するように構成されている、請求項4または5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の検出期間に検出された外光の照度が、前記第2の検出期間に検出された外光の照度よりも大きくなった場合には、前記第1の検出期間が前記第2の検出期間より短くなるように構成されており、
前記第1の検出期間が前記第2の検出期間より短くなった場合には、前記第1の検出期間の終了時点の前記表示パネルの輝度と、前記第1の検出期間の外光の照度の検出において決定された目標輝度との差分に基づいて、前記第3の検出期間に段階的に変化する前記表示パネルの輝度の変化量が決定されるように構成されている、請求項4〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記光検出部は、前記表示パネルに形成された薄膜トランジスタからなる光センサーと、前記光センサーの一対の電極間に接続された容量部と、前記容量部への充電をオン/オフ切り替えするスイッチ部と、前記光センサーの一対の電極の一方と前記容量部との間に接続された出力部とを含んで構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
バックライトをさらに備え、
前記表示パネルの輝度は、前記バックライトの輝度を調整することにより、変化するように構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
段階的に変化する表示パネルの輝度の変化量を演算する輝度変化量演算回路部と、
前記表示パネルの輝度を段階的に変化させる期間を演算する周期演算回路部と、
前記周期演算回路部によって演算された期間毎に、前記輝度変化量演算回路部によって演算された輝度の変化量分、前記表示パネルの輝度を段階的に変化させる輝度調整部とを備える、表示装置の輝度調整回路。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示装置、または、請求項10に記載の表示装置の輝度調整回路を備える、電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−34026(P2011−34026A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−183128(P2009−183128)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】