説明

表示装置、電子機器、および、表示装置の製造方法

【課題】応答速度の速い表示装置、電子機器、および、表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】例えばFFSモード等の横電界によって液晶分子を制御する表示装置は、第1電極および第1電極と対向すると共に互いに延在方向が同一の複数の開口を有する第2電極を含む電極層と、電極層上に設けられ、開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向する液晶層とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、横電界、特にFFS(Fringe Field Switching)モードによって液晶分子を制御する表示装置、電子機器、および、表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、電界の方向により縦電界型と横電界型に大別されるが、横電界型は視野角の広さという点で縦電界型よりも有利である。このような横電界型にはIPS(In-Plane-Switching)モードおよびFFSモードがある(特許文献1)。
【0003】
IPSモードでは画素電極と共通電極とが同層に設けられており、電界は主に基板面と平行方向のみに発生する。このため、画素電極の直上領域には電界が形成されにくく、この直上領域の液晶分子を駆動することができない。これに対し、FFSモードでは誘電体膜を間にして画素電極と共通電極とが重ねられており、基板面に対して斜め方向の電界または放物線状の電界が発生するため、画素電極の直上領域の液晶分子も駆動することができる。即ち、FFSモードではIPSモードよりも高い開口率が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−52161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなFFSモードのものにおいても、他の液晶表示装置と同様に応答速度の遅さという問題が生じていた。
【0006】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、応答速度のより速い表示装置、電子機器、および、表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の表示装置は、第1電極および第1電極と対向すると共に互いに延在方向が同一の複数の開口を有する第2電極を含む電極層と、電極層上に設けられ、開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向する液晶層とを備えたものである。本技術の電子機器は、上記表示装置を備えたものである。
【0008】
本技術の表示装置の製造方法は、第1電極および第1電極と対向すると共に互いに延在方向が同一の複数の開口を有する第2電極を含む電極層を形成する工程と、電極層上に、開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するように配向処理を施して液晶層を形成する工程とを含むものである。
【0009】
本技術の表示装置、電子機器、および、表示装置の製造方法では、電圧印加時に開口の一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するので、応答時間が短くなる。
【発明の効果】
【0010】
本技術の表示装置、電子機器、および、表示装置の製造方法によれば、開口の一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するようにしたので、応答速度特性を改善することができる。よって、横電界での駆動での視野角の広さおよび開口率の高さに加え、応答速度の高速化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した共通電極の構成を表す平面図である。
【図3】図2に示した角部の変形例を表す平面図である。
【図4】図2に示した共通電極の変形例を表す平面図である。
【図5】図1に示した液晶層の液晶分子の動きを表す平面図である。
【図6】共通電極上での図5に示した液晶分子の回転方向を模式的に表す平面図である。
【図7】比較例に係る共通電極の構成を表す平面図である。
【図8】図7に示した共通電極を使用した場合の液晶分子の動きを表す平面図である。
【図9】図1に示した表示装置の応答速度を表す図である。
【図10】図1に示した表示装置の電圧−輝度特性を表す図である。
【図11】変形例1に係る共通電極の構成を表す平面図である。
【図12】変形例2−1に係る共通電極の構成を表す平面図である。
【図13】変形例2−2に係る共通電極の構成を表す平面図である。
【図14】図2(A)の点線A−A'における断面図である。
【図15】第2の実施の形態に係る共通電極の一例を示す図である。
【図16】変形例3の共通電極の一例を示す図である。
【図17】変形例4の共通電極の一例を示す図である。
【図18】変形例5−1の共通電極の一例を示す図である。
【図19】変形例5−2の共通電極の一例を示す図である。
【図20】上記実施の形態等の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表す斜視図である。
【図21】上記実施の形態等の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表す斜視図である。
【図22】上記実施の形態等の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表す斜視図である。
【図23】上記実施の形態等の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表す斜視図である。
【図24】上記実施の形態等の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す断面図である。表示装置1は横電界型の液晶表示装置であり、バックライト10、FFSモードの液晶パネル20およびこれらを駆動する駆動回路(図示せず)を有している。なお、図1は表示装置1の構成を模式的に表したものであり、実際の寸法や形状と同一であるとは限らない。
【0013】
バックライト10は液晶パネル20を背後から照射するものである。バックライト10は例えば、エッジライト方式の面発光源であり、端面発光型の導光板の背面に拡散板および反射板を有している。バックライト10は直下型の面発光源であってもよい。
【0014】
液晶パネル20は、バックライト10からの出射光を映像信号に応じて変調して画像光L1を生成し、この画像光L1を映像表示面1Aから出力するものである。液晶パネル20はバックライト10側から、基板21、TFT(Thin Film Transistor)層22、平坦化層23、画素電極24(第1電極)、誘電体膜25、共通電極26(第2電極)、配向膜27a、液晶層28、配向膜27bおよび対向基板31を有している。即ち、横電界型の液晶パネル20は基板21と対向基板31との間に液晶層28を有するものであり、基板21側に画素電極24および共通電極26が共に設けられている。対向基板31の基板21との対向面には、カラーフィルタ32、遮光膜33およびオーバーコート層34が設けられている。基板21のバックライト10側の面には偏光板29a、対向基板31の映像表示面1A側の面には偏光板29bがそれぞれ設けられている。対向基板31には静電気の影響を抑えるため、静電遮蔽層(図示せず)を設けるようにしてもよい。
【0015】
偏光板29a,29bは光学シャッターの一種であり、ある一定の振動方向の光(偏光)のみを通過させるものである。これらの偏光板29a,29bは互いに偏光軸(透過軸)が90度ずれるように配置されている。これによりバックライト10の出射光が液晶パネル20を透過し、あるいは遮断されたりするようになっている。
【0016】
基板21および対向基板31は可視光に対して透明な基板、例えば、板ガラスまたは透光性の樹脂基板からなる。TFT層22は画素を選択するためのスイッチング用素子としての機能を有するものである。TFT層22は、例えばゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体膜およびソース・ドレイン電極を含むTFTにより構成されている。TFT層22はボトムゲート型およびトップゲート型のいずれであってもよく、また半導体膜は、a−Si(アモルファスシリコン)、酸化物半導体および有機半導体等のいずれにより構成されていてもよい。平坦化層23は、TFT層22が形成された基板21の表面を平坦化するためのものであり、上記TFTと画素電極24とを接続するための微細な接続孔(図示せず)が設けられている。このため、平坦化層23にはパターン精度が良い材料を用いることが好ましく、例えば、ポリイミド等の有機材料、あるいは酸化シリコン(SiO2)などの無機材料が挙げられる。
【0017】
画素電極24は平坦化層23上に画素ごとに設けられている。画素電極24は例えば矩形状であり、格子配列あるいはデルタ配列などで規則的に配置されている。共通電極26は、誘電体膜25を間にして画素電極24と対向している。誘電体膜25は、画素電極24と共通電極26との間の絶縁性を確保すると共にTFT層22および画素電極24等を保護するものであり、基板21の全面に亘り設けられている。誘電体膜25は透光性および絶縁性を有する材料、例えば窒化シリコン(SiN)または酸化シリコン(SiO2)により構成されている。この誘電体膜25は平坦化層23やTFT層22のパッシベーション層等により構成するようにしてもよい。
【0018】
共通電極26は各画素に跨がり、表示領域全体に亘って面状に設けられている。図2は、図1に示した共通電極の構成を表す平面図である。図2(A)に表したように、共通電極26には長さ(長辺)D、幅(短辺)Wの矩形状の開口26Aが画素電極24に対向する位置に複数設けられている。複数の開口26Aは互いにその延在方向(長辺方向)が同一(Y軸方向)となるように配置されている。本実施の形態では、電圧印加時には開口26Aの幅方向(X軸方向)において対向する長辺の一方の側および他方の側の近傍領域の液晶層28の液晶分子が互いに逆方向に回転して(ねじれて)配向するようになっている(後述の図5)。これにより応答速度特性が改善される。長さDは例えば、10〜60μmであり、40μm未満であることが好ましい。40μm未満で、液晶分子の回転方向(配向)が安定化し易いためである。幅Wは例えば、2〜5μmであり、X軸方向のピッチPは4〜10μmである。応答速度を高めるため、幅Wはより細いことが好ましい。
【0019】
同じ行(Y軸が同一位置)に配置された複数の開口26Aでは、その上端と下端とが揃っており、隣り合う行同士では、開口26Aが互い違いにX軸方向に1/2Pずれ、千鳥状に配置されている。このような千鳥状の配置により、隣り合う行の開口26A同士で、同じ方向に回転する液晶分子が近くなり、配向が安定化する(後述の図6)。共通電極26には、同じ行に配置された開口26A同士を連通する連通拡幅部26Bが設けられている。この連通拡幅部26Bは、開口26Aの長辺の中央付近で幅方向に拡幅した領域をX軸方向に隣り合う開口26A同士で連結したものである。開口26Aの長辺は、この連通拡幅部26Bとの交点に4つの角部26Cを有し、これら角部26Cが電界制御部としての機能を有している。電界制御部は、開口26Aの長辺方向においてその一端から角部26Cまでの液晶分子の回転方向を互いに同一にして安定化するためのものである。図3は、図2に示した角部の変形例を表す平面図である。図4は、図2に示した共通電極の変形例を表す平面図である。図3に示したように、各開口26Aの楔型の拡幅部(拡幅部26D)を連通させずに角部26Cを設けるようにしてもよいが、連通拡幅部26Bの方が拡幅部26Dよりも容易に製造することができる。また、図4に示したように拡幅部(連通拡幅部26B,拡幅部26D)を設けずに共通電極26を構成するようにしてもよい。この場合は回転方向を安定化するため、長さDを小さく、例えば20μm以下にすることが好ましい。画素電極24および共通電極26は、可視光に対して透明な導電性材料、例えばITO(Indium-Tin-Oxide:酸化インジウムスズ)からなる。
【0020】
配向膜27a,27bは、液晶層28の液晶分子を上記のように所定の方向に配向させるものであり、例えばポリイミドなどの高分子材料にラビング処理を施したものにより構成されている。表示装置1では、配向膜27a,27bに開口26Aの延在方向と平行方向にアンチパラレル配向のラビング処理を施すことにより(図2(B))、電圧印加時に開口26Aの幅方向において対向する一方の側および他方の側近傍の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するようになっている。
【0021】
すなわち、配向膜27aは、ラビング方向D27aにラビング処理され、配向膜27bは、ラビング方向D27aとは反対方向であるラビング方向D27bにラビング処理されている。また、ラビング方向D27a,D27bは、開口26Aの延在方向と平行しているが、ここで平行とは、1度以内の角度で交差する状態も含むものとする。
【0022】
液晶層28は、例えば負の誘電率異方性を有するネマティック(Nematic)液晶からなり、駆動回路からの印加電圧により、バックライト10からの入射光を画素ごとに透過または遮断する変調機能を有している。この光透過レベルを変えることにより画素ごとの階調を調整することができる。図5は、図1に示した液晶層の液晶分子の動きを表す平面図である。図5(A)は電圧印加前、図5(B)は電圧印加後の開口26A上の液晶層28の液晶分子の状態をそれぞれ表したものである。電圧印加前は液晶分子の長軸が略同一方向(Y軸方向)を向いており、電圧を印加すると、開口26Aの幅方向において対向する一方の側および他方の側近傍の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向する。詳細には、開口26Aの長辺の一方の側(紙面右側)近傍では上端から角部26Cまでの液晶分子がR方向(時計回り)に回転して配向し、角部26Cから下端までの液晶分子がR方向と逆のL方向(反時計回り)に回転して配向する。開口26Aの長辺の他方の側(紙面左側)近傍では上端から角部26Cまでの液晶分子がL方向に回転して配向し、角部26Cから下端までの液晶分子がR方向に回転して配向する。一方の側および他方の側の中間では、それぞれの方向に回転する分子が混在する。図6は、共通電極上での図5に示した液晶分子の回転方向を模式的に表す平面図である。図6は、R方向に回転する領域を領域28R、L方向に回転する領域を領域28Lとして液晶層28を模式的に表したものである。上述のように、隣り合う行同士の開口26AをX軸方向にずらして千鳥状に配置することにより、隣り合う行の開口26Aで領域28L同士、領域28R同士がそれぞれ近くなり、配向が安定化する。液晶層28が正の誘電率異方性を有するネマティック液晶である場合は、配向膜27a,27bのラビング処理を開口26Aの延在方向と直交する方向(X軸方向)に行うことにより、同様に液晶分子を配向させることができる。
【0023】
カラーフィルタ32は、液晶層28の透過光を例えば赤(R),緑(G)および青(B)の三原色あるいは赤,緑,青および白(W)の四色等に色分離するためのものであり、画素電極24の配列と対応するように設けられている。この配列は、例えばストライプ配列、ダイアゴナル配列、デルタ配列あるいはレクタングル配列等である。遮光膜33は、画素間のクロストークを低減するためのものであり、可視光を吸収する機能を有している。この遮光膜33は開口を有する格子状の膜であり、画素電極24との対向領域に開口が配置されるようになっている。オーバーコート層34は、カラーフィルタ32表面の平坦性を高め、保護するためのコーティング剤であり、樹脂等の有機材料やSiO2,SiNあるいはITOなどの無機材料からなる。
【0024】
このような表示装置1は、例えば次のようにして製造することができる。
まず、基板21上にTFT層22および平坦化層23をこの順に形成する。平坦化層23には、例えばフォトリソグラフィ技術により画素電極24とTFTとを接続するための接続孔を設けておく。次いで、この平坦化層23上に画素ごとにパターニングして例えば厚み(積層方向の厚み、以下単に厚みという。)500〜1500ÅのITOからなる画素電極24を形成する。続いて、画素電極24上に例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により窒化シリコンからなる誘電体膜25を厚み1000〜6000Åで成膜する。誘電体膜25を形成した後、例えば100〜1000ÅのITOをスパッタ法により成膜し、これをマスクを用いてエッチングすることにより開口26Aおよび連通拡幅部26Bを有する共通電極26を形成する。共通電極26は画素電極24よりも薄く、抵抗と段差を考慮してその厚みを調整する。次いで、共通電極26上に開口26Aの延在方向と平行方向にラビング処理を施して配向膜27aを形成する。
【0025】
一方、対向基板31側には、カラーフィルタ32、遮光膜33、オーバーコート層34および配向膜27bをこの順に形成する。配向膜27bには配向膜27aと同様に開口26Aの延在方向と平行方向にラビング処理を施しておく。対向基板31に配向膜27bまでを形成すると共に上述のように基板21上に配向膜27aを形成した後、これらを対向させ、基板21と対向基板31との間に液晶を注入することにより液晶層28を形成する。この液晶パネル20をバックライト10とともに筐体(図示せず)に収め、表示装置1が完成する。
【0026】
本実施の形態の表示装置1では、バックライト10の上面から面状の光が出射され、液晶パネル20の背面に入射すると、画素が選択されて画素電極24と共通電極26との間に所定の電圧が印加される。このとき共通電極26の開口26Aの直上領域に横電界が発生すると共に、それ以外の領域に横斜め電界が発生して液晶層28の液晶分子の配向が制御される。この液晶層28をバックライト10からの入射光が透過して画像光L1が映像表示面1Aから出力される。
【0027】
ここでは、共通電極26の開口26Aの長辺の一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するので、応答速度が高速化される。以下、これについて比較例を用いて説明する。
【0028】
図7は、比較例に係る共通電極の構成を表す平面図である。図8は、図7に示した共通電極を使用した場合の液晶分子の動きを表す平面図である。図7(A)は、比較例に係る表示装置(表示装置100)の共通電極126の平面構成を表したものである。共通電極126は長さD100、幅W100の矩形状の開口126Aを共通電極26と同様に複数有しているが、共通電極126には連通拡幅部が設けられていない。表示装置100では図7(B)に表したように、配向膜に開口126Aの延在方向と角度θで交差する方向のラビング処理がなされており、透光率を上げるため電圧印加時には全ての液晶分子が互いに同一の方向(R方向)に角度θ回転して配向するようになっている(図8(A)、図8(B))。このため、表示装置100では応答速度が遅くなる。応答速度を向上させるため、例えば、倍速四倍速駆動や黒挿入B/L(バックライト)などが提案されているが、これらの方法は周辺回路に大きな負担をかける。また、OCB(πセル)、強誘電液晶あるいはブルー相などの液晶モードによって、応答速度を向上させる方法も提案されているが、これらの方法も駆動回路に大きな負担がかかり、あるいは信頼性やコストの面で実用化が困難である。
【0029】
これに対し、本実施の形態の表示装置1では開口26Aの長辺の一方の側と他方の側の近傍の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するので(図5)、応答速度が向上する。図9は、図1に示した表示装置の応答速度を表す図である。図9に表示装置1および表示装置100の応答速度Ton,Toffを測定した結果を表す。実線が表示装置1の応答速度、破線が表示装置100の応答速度をそれぞれ表している。このとき、開口26A,126Aの幅W,W100は3μm、開口26A,126AのピッチP,P100は6μmであり、配向膜のラビング方向以外の条件を同様にして応答速度を測定した。この結果、表示装置100のTonが27ms、Toffが25msであるのに対し、表示装置1ではTonが10.75ms、Toffが6.5msとなり、表示装置1で応答速度が向上することが確認できた。特に、表示装置1ではオーバードライブ駆動で補うことのできないToffを向上させることができ、表示装置100と比較して4倍以上Toffが高速化される。また、従来の液晶表示装置で使用されていた液晶材料および駆動方法をそのまま用いることができるため、容易に実用化が可能である。
【0030】
このような表示装置1は、より大きな電圧がかかることにより、応答速度の高速化がなされていると考えられる。図10は、図1に示した表示装置の電圧−輝度特性を表す図である。図10は、表示装置1および表示装置100の印加電圧と明るさ(輝度)との関係を表したものであり、実線が表示装置1、破線が表示装置100をそれぞれ表している。図9より、同じ明るさで比較すると表示装置100よりも表示装置1の方が印加電圧が高くなっていることがわかる。これは、開口26Aの長辺の一方の側と他方の側との真中付近の領域では互いに逆方向に回転する液晶分子が混在するためであり、これにより表示装置1の応答速度が向上する。
【0031】
以上、本実施の形態では、共通電極26の開口26Aの長辺の一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するようにしたので、応答速度を向上させることができる。また、横電界型で駆動するため、視野角が広くなり、かつ開口率を向上させることができる。
【0032】
更に、共通電極26が連通拡幅部26Bを有するようにしたので、開口26Aに角部26Cを設けることができる。この角部26Cにより開口26Aの一端(上端または下端)から角部26Cまでの液晶分子の回転方向が互いに同一になり、配向方向を安定化することができる。
【0033】
以下、本技術の変形例について説明するが、上記実施の形態と共通の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
【0034】
〔変形例1〕
図11は、変形例1に係る共通電極の構成を表す平面図である。図11(A)に示すように、共通電極46は連通拡幅部46Bを間にして開口46Aの上側と下側が幅方向(X軸方向)にずれて互い違いに配置されている点で、上記実施の形態の共通電極26と異なるものである。なお、開口46Aの長辺は、連通拡幅部46Bとの交点に4つの角部46Cを有している。
【0035】
共通電極46では、1つの開口46Aが連通拡幅部46Bを間にして上側と下側(Y軸方向)に分離し、幅方向に1/2Pずれて設けられているため、同じ行同士の開口46Aが互い違いに配置される。このように、1つの開口46Aを幅方向にずらして配置することにより、図11(B)に示したように開口46Aの延在方向(Y軸方向)に、液晶分子がL方向に回転する領域48L同士、液晶分子がR方向に回転する領域48R同士が並び、上記実施の形態よりも、より液晶分子の配向が安定化する。
【0036】
〔変形例2−1〕
図12は、変形例2−1に係る共通電極の構成を表す平面図である。この共通電極56は略菱形状の開口56Aを有している点で、上記実施の形態の共通電極26と異なるものである。なお、開口56Aの長辺は、連通拡幅部56Bとの交点に4つの角部56Cを有している。
【0037】
開口56Aは上下2つの角を切り取った略菱形状であり、開口56Aの延在方向(Y軸方向)の辺はY軸に対して所定の角度で傾斜している。これにより、製造上の誤差により配向膜へのラビング方向がY軸方向から多少ずれた場合も、この傾斜によりそのずれを許容して、液晶分子を安定に配向させることが可能となる。
【0038】
〔変形例2−2〕
図13は、変形例2−2に係る共通電極の構成を表す平面図である。図13に示すように、共通電極56'は、略菱形状の開口56'Aを有している点、および、連通拡幅部56'Bを間にして開口56'Aの上側と下側が幅方向(X軸方向)にずれて互い違いに配置されている点で、上記実施の形態の共通電極26と異なるものである。なお、開口56'Aの長辺は、連通拡幅部56'Bとの交点に4つの角部56'Cを有している。
【0039】
開口56'Aは上下2つの角を切り取った略菱形状であり、開口56'Aの延在方向(Y軸方向)の辺はY軸に対して所定の角度で傾斜している。これにより、製造上の誤差により配向膜へのラビング方向がY軸方向から多少ずれた場合も、この傾斜によりそのずれを許容して、液晶分子を安定に配向させることが可能となる。
【0040】
共通電極56'では、1つの開口56'Aが連通拡幅部56'Bを間にして上側と下側(Y軸方向)に分離し、幅方向に1/2Pずれて設けられているため、同じ行同士の開口56'Aが互い違いに配置される。このように、1つの開口56'Aを幅方向にずらして配置することにより、開口56'Aの延在方向(Y軸方向)に、液晶分子がL方向に回転する領域同士、液晶分子がR方向に回転する領域同士が並び、上記実施の形態よりも、より液晶分子の配向が安定化する。
【0041】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態の表示装置1では、基板21側の配向膜27aのラビング方向D27aが、共通電極26に設けられた開口26Aの延在方向と平行しているため、開口26Aの近傍において、液晶層28の液晶分子の立ち上がり方向が不安定になる可能性がある。
【0042】
図14は、図2(A)の点線A−A'における断面図である。図14(A)は、液晶層28に電界が供給されていない状態を示し、図14(B)は、液晶層28に電界が供給されている状態を示している。
【0043】
図14(A)に示すように、液晶層28に電界が供給されていない場合、全ての液晶分子28aは、ラビング方向D27aの端が、反対方向の端よりも上方に位置するように、水平方向から回転方向R1に所定の角度回転した状態で存在している。このときの液晶分子28aの回転方向R1を、プレチルト方向とも称す。
【0044】
この状態から液晶層28に電界が供給されると、図14(B)に示すように、液晶分子28aが立ち上がる。ここで、開口26aのうち連通拡幅部26Bと交差する位置よりもラビング方向D27aに位置する液晶分子28aは、プレチルト方向(回転方向R1)と同じ方向に回転して立ち上がる。一方、開口26aのうち連通拡幅部26Bと交差する位置よりもラビング方向D27aとは反対の方向に位置する液晶分子28aは、プレチルト方向とは反対の方向(回転方向R2)に回転して立ち上がる。
【0045】
なお、この現象は、図3に示された共通電極26、図11(A)に示された共通電極46、図12に示された共通電極56、および、図13に示された共通電極56'においても、同様に生じ得る。
【0046】
このように、表示装置1では、開口26Aの近傍において液晶層28の配向方向が安定しない可能性がある。
これに対して、第2の実施の形態の表示装置では、液晶層28の配向方向を安定させることが可能となる。
【0047】
図15は、第2の実施の形態に係る共通電極の一例を示す図である。
第2の実施の形態の表示装置は、第1の実施の形態の表示装置1の共通電極26とは、開口の形状が異なる共通電極66を有している。なお、その他の構成は、表示装置1と同様である。
【0048】
共通電極66には、図2(A)に示された共通電極26と同様に、Y軸方向に延在する複数の開口66Aと、X軸方向に延在して開口66Aと交差する連通拡幅部66Bとが設けられている。
【0049】
ここで、開口66Aは、ラビング方向D27aの端部66aよりも、ラビング方向D27aとは反対方向の端部66bに近い位置で、連通拡幅部66Bと交差している。すなわち、開口66Aを、延在方向(Y軸方向)において連通拡幅部66Bとの交差位置を境にして、端部66aを含む開口66AAと、端部66bを含む開口66ABとに分割した場合、開口66ABの長さD2が、開口66AAの長さD1よりも短い。なお、長さD2を「0」とすることも可能である。
【0050】
この構成によれば、液晶層28において、電界を供給したときにプレチルト方向とは反対の方向に回転して立ち上がる液晶分子28aの割合を低減することが可能となり、液晶層28の配向方向を安定させることが可能となる。
【0051】
〔変形例3〕
次に、第2の実施の形態の表示装置の共通電極の変形例を、変形例3として説明する。
図16は、変形例3の共通電極の一例を示す図である。
共通電極76は、図3に示された共通電極26と同様に、Y軸方向に延在し、拡幅部76Dを備えた複数の開口76Aが設けられている。
【0052】
ここで、拡幅部76Dは、開口76Aにおいて、ラビング方向D27aの端部76aよりも、ラビング方向D27aとは反対方向の端部76bに近い位置に配置されている。すなわち、開口76Aを、延在方向(Y軸方向)において拡幅部76Dを境にして、端部76aを含む開口76AAと、端部76bを含む開口76ABとに分割した場合、開口76ABの長さD4が、開口76AAの長さD3よりも短い。なお、長さD4を「0」とすることも可能である。
【0053】
この構成によれば、液晶層28において、電界を供給したときにプレチルト方向とは反対の方向に回転して立ち上がる液晶分子28aの割合を低減することが可能となり、液晶層28の配向方向を安定させることが可能となる。
【0054】
〔変形例4〕
次に、第2の実施の形態の表示装置の共通電極の別の変形例を、変形例4として説明する。
図17は、変形例4の共通電極の一例を示す図である。
共通電極86には、図11(A)に示された共通電極46と同様に、Y軸方向に延在する複数の開口86Aと、X軸方向に延在して開口86Aと交差する連通拡幅部86Bとが設けられている。さらに、開口86Aが、延在方向(Y軸方向)における連通拡幅部86Bを境にした一方側と他方側とで、幅方向(X軸方向)にずれて配置されている。
【0055】
ここで、開口86Aは、ラビング方向D27aの端部86aよりも、ラビング方向D27aとは反対方向の端部86bに近い位置で、連通拡幅部86Bと交差している。すなわち、開口86Aを、延在方向(Y軸方向)において連通拡幅部86Bとの交差位置を境にして、端部86aを含む開口86AAと、端部86bを含む開口86ABとに分割した場合、開口86ABの長さD6が、開口46AAの長さD5よりも短い。なお、長さD6を「0」とすることも可能である。
【0056】
この構成によれば、液晶層28において、電界を供給したときにプレチルト方向とは反対の方向に回転して立ち上がる液晶分子28aの割合を低減することが可能となり、液晶層28の配向方向を安定させることが可能となる。
【0057】
〔変形例5−1〕
次に、第2の実施の形態の表示装置の共通電極のさらに別の変形例を、変形例5−1として説明する。
図18は、変形例5−1の共通電極の一例を示す図である。
共通電極96には、図12に示された共通電極56と同様に、Y軸方向に延在する略菱形状の複数の開口96Aと、X軸方向に延在して開口96Aと交差する連通拡幅部96Bとが設けられている。
【0058】
ここで、開口96Aは、ラビング方向D27aの端部96aよりも、ラビング方向D27aとは反対方向の端部96bに近い位置で、連通拡幅部96Bと交差している。すなわち、開口96Aを、延在方向(Y軸方向)において連通拡幅部96Bとの交差位置を境にして、端部96aを含む開口96AAと、端部96bを含む開口96ABとに分割した場合、開口96ABの長さD8が、開口56AAの長さD7よりも短い。なお、長さD8を「0」とすることも可能である。
【0059】
この構成によれば、液晶層28において、電界を供給したときにプレチルト方向とは反対の方向に回転して立ち上がる液晶分子28aの割合を低減することが可能となり、液晶層28の配向方向を安定させることが可能となる。
【0060】
〔変形例5−2〕
次に、第2の実施の形態の表示装置の共通電極のさらに別の変形例を、変形例5−2として説明する。
図19は、変形例5−2の共通電極の一例を示す図である。
共通電極96'には、図13に示された共通電極56'と同様に、Y軸方向に延在する略菱形状の複数の開口96'Aと、X軸方向に延在して開口96'Aと交差する連通拡幅部96'Bとが設けられている。さらに、開口96'Aが、延在方向(Y軸方向)における連通拡幅部96'Bを境にした一方側と他方側とで、幅方向(X軸方向)にずれて配置されている。
【0061】
ここで、開口96'Aは、ラビング方向D27aの端部96'aよりも、ラビング方向D27aとは反対方向の端部96'bに近い位置で、連通拡幅部96'Bと交差している。すなわち、開口96'Aを、延在方向(Y軸方向)において連通拡幅部96'Bとの交差位置を境にして、端部96'aを含む開口96'AAと、端部96'bを含む開口96'ABとに分割した場合、開口96'ABの長さD10が、開口96'AAの長さD9よりも短い。なお、長さD10を「0」とすることも可能である。
【0062】
この構成によれば、液晶層28において、電界を供給したときにプレチルト方向とは反対の方向に回転して立ち上がる液晶分子28aの割合を低減することが可能となり、液晶層28の配向方向を安定させることが可能となる。
【0063】
〔適用例〕
以下、上記実施の形態および変形例で説明した表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等の表示装置は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0064】
(適用例1)
図20は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表す斜視図である。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
【0065】
(適用例2)
図21は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表す斜視図である。図21(A)は表側から見た外観を表す斜視図であり、図21(B)は裏側からみた外観を表す斜視図である。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態に係る表示装置により構成されている。
【0066】
(適用例3)
図22は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表す斜視図である。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510、文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
【0067】
(適用例4)
図23は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表す斜視図である。このビデオカメラは、例えば、本体部610、この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620、撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
【0068】
(適用例5)
図24は、上記実施の形態等の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表す図である。図24(A)は携帯電話機の開いた状態の正面図、図24(B)はその側面図、図24(C)は閉じた状態の正面図、図24(D)は左側面図、図24(E)は右側面図、図24(F)は上面図、図24(G)は下面図である。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740、サブディスプレイ750、ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
【0069】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態等では電界制御部を拡幅部(連通拡幅部)により設けた場合について説明したが、共通電極上に誘電率の異なる膜を分布させることにより電界制御部を形成するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施の形態等では共通電極側に開口を設けた場合を例示したが、これに代えて画素電極側に開口を設けるようにしてもよい。
【0071】
また、更に、例えば、上記実施の形態等において説明した各部の材料および厚み、または形成方法および形成条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の形成方法および形成条件としてもよい。
【0072】
なお、本技術は、以下のような構成を採ることも可能である。
(1)第1電極および前記第1電極と対向すると共に互いに延在方向が同一の複数の開口を有する第2電極を含む電極層と、
前記電極層上に設けられ、前記開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向する液晶層と
を備えた表示装置。
(2)前記開口は電界制御部を有し、前記延在方向において前記開口の端から前記電界制
御部までの液晶分子の回転方向は互いに同一となる
前記(1)記載の表示装置。
(3)前記開口の幅方向に拡幅部を有し、前記電界制御部は、前記開口と当該拡幅部との交点に設けられた角部である
前記(2)記載の表示装置。
(4)前記拡幅部は、幅方向に隣り合う開口同士を連通している連通拡幅部である
前記(3)記載の表示装置。
(5)前記開口は前記連通拡幅部を間にして幅方向にずれ、互い違いに配置されている
前記(4)記載の表示装置。
(6)前記電極層と前記液晶層との間には配向膜が設けられ、
前記配向膜には、前記延在方向と平行方向にラビング処理がなされている
前記(1)乃至(5)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(7)前記電極層と前記液晶層との間には、前記延在方向と平行する所定の方向にラビング処理された配向膜が設けられ、
前記開口には、前記所定の方向の端部よりも反対方向の端部に近い位置に、拡幅部が設けられている
前記(1)記載の表示装置。
(8)前記拡幅部は、幅方向に隣り合う開口同士を連通している連通拡幅部である
前記(7)記載の表示装置。
(9)前記開口は前記連通拡幅部を境にして、前記延在方向において第1の開口と第2の開口とに分割され、前記第1の開口と前記第2の開口とは、幅方向にずれて配置されている
前記(8)記載の表示装置。
(10)前記延在方向に隣り合う開口は幅方向に互いにずれて、千鳥状に配置されている
前記(1)乃至(9)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(11)前記開口は矩形状である
前記(1)乃至(10)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(12)前記開口は略菱形状である
前記(1)乃至(10)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(13)前記第1電極と前記第2電極との間には誘電体膜が設けられている
前記(1)乃至(12)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(14)表示装置を備え、
前記表示装置は、
第1電極および前記第1電極と対向すると共に互いに同一の延在方向の複数の開口を有する第2電極を含む電極層と、
前記電極層上に設けられ、前記開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向する液晶層とを備えた
電子機器。
(15)第1電極および前記第1電極と対向すると共に互いに延在方向が同一の複数の開口を有する第2電極を含む電極層を形成する工程と、
前記電極層上に、前記開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するように配向処理を施して液晶層を形成する工程と
を含む表示装置の製造方法。
【符号の説明】
【0073】
1……表示装置、10……バックライト、20……液晶パネル、21……基板、22……TFT層、23……平坦化層、24……画素電極、25……誘電体膜、26,46,56,56',66,76,86,96,96'……共通電極、26A,46A,56A,56'A,66A,66AA,66AB,76A,76AA,76AB,86A,86AA,86AB,96A,96AA,96AB,96'A,96'AA,96'AB……開口、26B,46B,56B,56'B,66B,86B,96B,96'B……連通拡幅部、26C,46C,56C,56'C……角部、26D,76D……拡幅部、27a,27b……配向膜、28……液晶層、28a……液晶分子、31……対向基板、32……カラーフィルタ、33……遮光膜、34……オーバーコート層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極および前記第1電極と対向すると共に互いに延在方向が同一の複数の開口を有する第2電極を含む電極層と、
前記電極層上に設けられ、前記開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向する液晶層と
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記開口は電界制御部を有し、前記延在方向において前記開口の端から前記電界制御部までの液晶分子の回転方向は互いに同一となる
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記開口の幅方向に拡幅部を有し、前記電界制御部は、前記開口と当該拡幅部との交点に設けられた角部である
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記拡幅部は、幅方向に隣り合う開口同士を連通している連通拡幅部である
請求項3記載の表示装置。
【請求項5】
前記開口は前記連通拡幅部を間にして幅方向にずれ、互い違いに配置されている
請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
前記電極層と前記液晶層との間には配向膜が設けられ、
前記配向膜には、前記延在方向と平行方向にラビング処理がなされている
請求項1記載の表示装置。
【請求項7】
前記電極層と前記液晶層との間には、前記延在方向と平行する所定の方向にラビング処理された配向膜が設けられ、
前記開口には、前記所定の方向の端部よりも反対方向の端部に近い位置に、拡幅部が設けられている
請求項1記載の表示装置。
【請求項8】
前記拡幅部は、幅方向に隣り合う開口同士を連通している連通拡幅部である
請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記開口は前記連通拡幅部を境にして、前記延在方向において第1の開口と第2の開口とに分割され、前記第1の開口と前記第2の開口とは、幅方向にずれて配置されている
請求項8記載の表示装置。
【請求項10】
前記延在方向に隣り合う開口は幅方向に互いにずれて、千鳥状に配置されている
請求項1記載の表示装置。
【請求項11】
前記開口は矩形状である
請求項1記載の表示装置。
【請求項12】
前記開口は略菱形状である
請求項1記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1電極と前記第2電極との間には誘電体膜が設けられている
請求項1記載の表示装置。
【請求項14】
表示装置を備え、
前記表示装置は、
第1電極および前記第1電極と対向すると共に互いに同一の延在方向の複数の開口を有する第2電極を含む電極層と、
前記電極層上に設けられ、前記開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向する液晶層とを備えた
電子機器。
【請求項15】
第1電極および前記第1電極と対向すると共に互いに延在方向が同一の複数の開口を有する第2電極を含む電極層を形成する工程と、
前記電極層上に、前記開口の幅方向において対向する一方の側および他方の側の近傍領域の液晶分子が互いに逆方向に回転して配向するように配向処理を施して液晶層を形成する工程と
を含む表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−109309(P2013−109309A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−65248(P2012−65248)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】