説明

表示装置およびその製造方法

【課題】アルカリ現像処理による下部電極の劣化に起因するトップエミッション型の有機電界発光素子の点灯不良を防止することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】光反射性を有する第1金属材料層21a上にそれよりもアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層21bを積層してなる下部電極21と、感光性組成材料からなり、下部電極21を露出させる開口窓7aを有すると共に下部電極21の周縁を覆う絶縁性パターン7と、少なくとも有機発光層を含むと共に開口窓7aに下部電極21上を覆うように設けられた有機層23と、下部電極21との間に有機層23を狭持するように設けられた光透過性の上部電極25とを有する表示装置1。第2金属材料層21bは、有機発光層で発生した光の透過性が保たれる範囲の薄膜として構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびその製造方法に関し、特には有機電界発光素子を設けた表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機材料のエレクトロルミネッセンス(Electroluminescence :以下ELと記す)を利用した有機電界発光素子は、陽極または陰極として機能する下部電極と上部電極との間に、有機正孔輸送層や有機発光層を積層させてなる有機層を設けてなる。この有機電界発光素子は、低電圧直流駆動による高輝度発光が可能な発光素子として注目されている。
【0003】
このような有機電界発光素子を用いたアクティブマトリックス型の表示装置においては、薄膜トランジスタを用いて構成された画素駆動回路を覆う層間絶縁膜上に有機電界発光素子を設けた構成となっている。このため、有機電界発光素子を、基板と反対側から光を取り出す、いわゆる上面光取り出し構造(以下、トップエミッション構造と記す)とすることが、画素の開口率を確保する上で有効になる。
【0004】
トップエミッション構造では、下部電極としてアルミニウムや銀などの反射特性が良好な金属材料を用いることにより、有機電界発光素子での発光光の取り出し効率の向上が図られる。この場合、アルミニウムや銀は仕事関数が高い材料であるため、これらを用いた下部電極は陽極として機能するものとなる。したがって、上部電極は陰極として機能するものとして構成されることになる。
【0005】
また、以上のようなトップエミッション構造の有機電界発光素子については、反射性の金属材料で構成された下部電極の表面粗さに起因し、下部電極と上部電極との間隔が極所的に狭められた部分に電界が集中し、下部電極−上部電極間に短絡が発生し易い。このため、反射性の金属材料層と、これを構成する金属材料の酸化物からなる緩衝薄膜層との積層構造として下部電極とする構成が提案されている。このような構成とすることにより、金属材料層の表面粗さが酸化物からなる緩衝薄膜によって緩和され、下部電極と上部電極との距離が均一化して電界集中による短絡が防止されるとしている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−216976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、基板上に複数の有機電界発光素子を配列してなる表示装置においては、各有機電界発光素子の素子分離に絶縁性パターンを設けている。この絶縁性パターンは、下部電極を広く露出する開口窓を備えたもので、下部電極の周縁を覆う状態で設けられており、リソグラフィー工程によってパターン形成された感光性組成物で構成されている。したがって、絶縁性パターンの形成時には、下部電極がリソグラフィー工程中の現像処理で用いられるアルカリ性現像液に晒されることになる。しかしながら、反射性の下部電極を構成するアルミニウムや銀は、アルカリ性溶液耐性の低い材料であるため、この現像処理において下部電極がダメージを受け、ディスプレイの点灯不良の原因となる。
【0008】
そこで本発明は、アルカリ現像処理による下部電極の劣化に起因するトップエミッション型の有機電界発光素子の点灯不良を防止することが可能な表示装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するための本発明の表示装置は、光反射性を有する第1金属材料層上にそれよりもアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層を積層してなる下部電極を備えている。また、感光性組成材料からなり、下部電極を露出させる開口窓を有すると共に下部電極の周縁を覆う絶縁性パターンを備えている。そして、開口窓に、少なくとも有機発光層を含むと共に下部電極上を覆うように有機層が設けられている。また、下部電極との間に有機層を狭持するように光透過性の上部電極が設けられている。
【0010】
また本発明の表示装置の製造方法は、上述した表示装置の製造方法でもあり、次の工程を含む。光反射性を有する第1金属材料層上にそれよりもアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層を積層してなる下部電極をパターン形成する。リソグラフィー法により、下部電極を露出させる開口窓を有すると共に下部電極の周縁を覆う絶縁性パターンを形成する。開口窓に、下部電極上を覆うように少なくとも有機発光層を含む有機層を成膜する。下部電極との間に有機層を狭持するように光透過性の上部電極を形成する。
【0011】
以上のような構成の表示装置では、下部電極と上部電極との間に有機発光層を含む有機層を狭持してなる有機電界発光素子を設けたものであり、光透過性の上部電極側から発光光が取り出される、いわゆるトップエミッション型となる。そして特に、下部電極の表面層を、光反射性を有する第1金属材料層よりもアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層とした構成である。このため、この第2金属材料層によって、絶縁性パターンを形成する際に上部電極上においてのリソグラフィー処理で用いられるアルカリ性薬液に対する耐性が確保され、第1金属材料層の材質が維持される。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、リソグラフィー処理で用いられるアルカリ性薬液に対して光反射性を有する第1金属材料層の材質を維持できる。このため、トップエミッション型の有機電界発光素子を有する表示装置において、アルカリ現像処理による下部電極の劣化による有機電界発光素子の点灯不良を防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態の表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】アルミニウム表面においての各波長光の反射率と、アルミニウム上に各膜厚のチタンを設けた構成においての各波長光の反射率とを示すグラフである。
【図3】表示装置の回路構成の一例を示す回路図である。
【図4】第1実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面工程図(その1)である。
【図5】第1実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面工程図(その2)である。
【図6】第2実施形態の表示装置の構成を示す断面図である。
【図7】第2実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面工程図(その1)である。
【図8】第2実施形態の表示装置の製造方法を説明する断面工程図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の各実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。尚、説明する順序は、下記の通りである。

1.第1実施形態
1−1.表示装置の構成
1−2.表示装置の製造方法
2.第2実施形態
2−1.表示装置の構成
2−2.表示装置の製造方法
【0015】
<1.第1実施形態>
<1−1.表示装置の構成>
図1は第1実施形態の表示装置の1画素分の構成を示す断面図である。この図に示す表示装置1は、有機電界発光素子ELを設けたアクティブマトリックス型の表示装置であり、次のように構成されている。
【0016】
すなわち、基板3上の各画素には薄膜トランジスタTrが設けられており、この薄膜トランジスタTrが層間絶縁膜5で覆われている。層間絶縁膜5には、薄膜トランジスタTrに達する接続孔5aが設けられている。また層間絶縁膜5上の各画素には、接続孔5aを介して薄膜トランジスタTrに接続された有機電界発光素子ELが設けられている。この有機電界発光素子ELは、層間絶縁膜5上に設けられた絶縁性パターン7で素子分離されている。
【0017】
このうち基板3は、例えばガラス基板やプラスチック基板からなるか、さらには表面が絶縁性に保たれた他の材料基板で構成されていても良い。
【0018】
薄膜トランジスタTrは、有機半導体材料を用いたボトムゲートボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタとして構成されている。このような薄膜トランジスタTrは、基板3上にゲート電極11が配線されており、このゲート電極11を覆う状態でゲート絶縁膜13が設けられている。ゲート絶縁膜13上にはゲート電極11上において端部を対向配置させたソース電極15sとドレイン電極15dとが配線されている。そして、ソース電極15s端部からドレイン電極15d端部に掛けてのゲート電極11上に重ねるように、有機半導体材料からなる半導体層17がパターン形成されており、この半導体層17をチャネル形成部とした薄膜トランジスタTrが構成されている。
【0019】
また層間絶縁膜5は、表面平坦な平坦化絶縁膜として形成されていることが好ましい。この層間絶縁膜5に設けられた接続孔5aは、薄膜トランジスタTrのドレイン電極15dに達する位置に設けられていることとする。
【0020】
そして有機電界発光素子ELは、層間絶縁膜5に設けられた接続孔5aを介して薄膜トランジスタTrのドレイン電極15dに接続された下部電極21を備えている。そして本第1実施形態においては、この下部電極21が金属材料層の積層構造で構成されているところが特徴的である。すなわち下部電極21は、光反射性を有する第1金属材料層21a上に、第1金属材料層21aよりも耐アルカリ性が高く、アルカリ性溶液に対する耐性(アルカリ性溶液耐性)の高い第2金属材料層21bを積層してなる。
【0021】
このうち第1金属材料層21aは光反射性が良好であるほど好ましく、このような第1金属材料層21aは、例えばアルミニウム、銀、またはそれらの合金で構成されていることとする。この第1金属材料層21aは、プラズマ生成のない製法により形成されるために、その製法により成膜可能な材料により形成されていることが好ましく、そのような材料は、上記したアルミニウムなどである。このようにプラズマ生成のない製法は、例えば抵抗加熱蒸着法などである。
【0022】
一方、第2金属材料層21bはアルカリ性溶液耐性が高いほど好ましくさらに、第1金属材料層21aと共通工程でのエッチングが可能な材料であることが好ましく、下部電極21の形成プロセスの増加が防止される。また、第2金属材料層21bは、第1金属材料層21aと同様に、プラズマ生成のない製法により成膜可能な材料により形成されていることが好ましい。そこで、例えば第1金属材料層21aがアルミニウムからなる場合であれば、第2金属材料層21bがチタンからなるものとする。
【0023】
尚、下部電極21は、上述した第1金属材料層21aの上部に第2金属材料層21bが積層され、第2金属材料層21bによって表面を構成されれば良く、第1金属材料層21aの下層にさらに他の導電層が積層された構成であっても良い。この場合、他の導電層としては、例えば密着層が設けられる。このような他の層(密着層)も、第1金属材料層21aおよび第2金属材料層21bと共通工程でのエッチングが可能な材料であればさらに好ましい。このため、例えばチタンからなる密着層を設けることが好ましい。この密着層の製法は、第1金属材料層21aおよび第2金属材料層21bと同様である。
【0024】
尚、以上のようにアルミニウムからなる第1金属材料層21a上にチタンからなる第2金属材料層21bを積層してなる下部電極21は、陽極として機能するものとなる。
【0025】
また第2金属材料層21bは、この有機電界発光素子ELで発生させる光の透過性が保たれる範囲の厚さで構成されていることが重要である。具体的には、第2金属材料層21bの膜厚は、第1金属材料層21aでの光の反射を50%程度まで維持できる程度の薄膜で構成されていることが好ましい。
【0026】
ここで図2には、アルミニウム膜(膜厚100nm)表面においての各波長光の反射率と、アルミニウム膜上に各膜厚のチタン膜を設けた積層膜においての各波長光の反射率のグラフを示す。このグラフに示すように、膜厚100nmのアルミニウム膜を第1金属材料層21aとした場合であれば、第2金属材料層21bを構成するチタン膜は膜厚15nm以下とすることで、第1金属材料層21aでの可視光の反射を50%以上に維持できることが分かる。すなわち、第2金属材料層21bとして膜厚15nm以下のチタン膜を用いると、第1金属材料層21aでの反射を50%以上に維持できる。このため、有機層23(後述する有機発光層)で発生した可視光について、第1金属材料層21aであるアルミニウム膜の反射率を約80%とすると、アルミニウム膜上にチタン膜を設けた積層膜では40%以上の反射率が得られていることが分かる。そこで一例として、膜厚100nmのアルミニウム膜を第1金属材料層21aとし、膜厚10nmのチタン膜を第2金属材料層21bとした積層構造で下部電極21が構成されていることとする。
【0027】
以上のような積層構造の下部電極21は、各画素毎にパターン形成されていることとする。
【0028】
そして、この下部電極21の周縁は、有機電界発光素子ELを素子分離するための絶縁性パターン7で覆われている。この絶縁性パターン7は、下部電極21を広く露出させる開口窓7aを備えており、この開口窓7aが有機電界発光素子ELの画素開口となる。このような絶縁性パターン7は、例えば感光性樹脂を用いて構成され、リソグラフィー法を適用してパターニングされたものであることとする。
【0029】
そして、このような絶縁性パターン7から露出する下部電極21上を覆う状態で、有機層23が設けられている。この有機層23は、少なくとも有機発光層を備えた積層構造からなり、必要に応じて陽極(ここでは下部電極21)側から順に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層、さらには他の層を積層してなる。また有機層23は、例えば各有機電界発光素子ELで発生させる発光光の波長毎に、少なくとも有機発光層を含む層が画素毎に異なる構成でパターン形成されていることとする。また、各波長の画素で共通の層を有していても良い。さらに、この有機電界発光素子ELが、微小共振器構造として構成されている場合、各有機電界発光素子ELから取り出す波長に合わせて有機層23の膜厚が調整されていることとする。
【0030】
以上のような有機層23を覆い、下部電極21との間に有機層23を狭持する状態で、上部電極25が設けられている。この上部電極25は、有機電界発光素子ELの有機発光層で発生させた光を取り出す側の電極であり、光透過性を有する材料で構成されていることとする。またここでは、下部電極21が陽極として機能するものであるため、この上部電極25は、少なくとも有機層23に接する側が陰極として機能する材料を用いて構成されていることとする。またこのような上部電極25は、各画素の共通電極として設けられていて良い。さらに、この有機電界発光素子ELが、微小共振器構造として構成されている場合、この上部電極25は、半透過半反射性を有する構成であることとする。
【0031】
そして、以上のような下部電極21と上部電極25との間に有機層23が挟持された各画素部分が、有機電界発光素子ELとして機能する部分となる。
【0032】
またここでの図示は省略したが、各有機電界発光素子ELの形成面側は、光透過性材料からなる封止樹脂で覆われ、さらに封止樹脂を介して光透過性材料からなる対向基板が張り合わされた状態で表示装置1が構成されている。
【0033】
ここで、この表示装置1は、基板3上の各画素に、上述した構成の薄膜トランジスタTrとこれに接続された有機電界発光素子ELとが配列されたものであり、全体の回路構成は、例えば図3の回路構成図に示すように構成されている。
【0034】
この図に示すように、表示装置1の基板3上には、表示領域1aとその周辺領域1bとが設定されている。表示領域1aには、複数の走査線31と複数の信号線33とが縦横に配線されており、それぞれの交差部に対応して1つの画素aが設けられた画素アレイ部として構成されている。また周辺領域1bには、走査線31を走査駆動する走査線駆動回路35と、輝度情報に応じた映像信号(すなわち入力信号)を信号線33に供給する信号線駆動回路37とが配置されている。
【0035】
走査線31と信号線33との各交差部に設けられる画素回路は、例えばスイッチング用の薄膜トランジスタTr1、駆動用の薄膜トランジスタTr2、保持容量Cs、および有機電界発光素子ELで構成されている。そして、走査線駆動回路35による駆動により、スイッチング用の薄膜トランジスタTr1を介して信号線33から書き込まれた映像信号が保持容量Csに保持される。これにより、保持された信号量に応じた電流が駆動用の薄膜トランジスタTr2から有機電界発光素子ELに供給され、この電流値に応じた輝度で有機電界発光素子ELが発光する。尚、駆動用の薄膜トランジスタTr2と保持容量Csとは、共通の電源供給線(Vcc)49に接続されている。
【0036】
図1の断面図は、以上のような画素回路において、薄膜トランジスタTr2と有機電界発光素子ELとが積層された部分の断面を示している。そして、画素回路に示した薄膜トランジスタTr1は、薄膜トランジスタTr2と同一層を用いて構成されている。また画素回路に示した保持容量Csは、薄膜トランジスタTr2のゲート電極−ゲート絶縁膜−ドレイン電極の層部分を積層して構成されている。さらに、画素回路に示した走査線31は、断面図のゲート電極11と同一層を用いて構成され、画素回路に示した信号線33および電源供給線49は、断面図のソース電極15sおよびドレイン電極15dと同一層を用いて構成される。
【0037】
尚、以上のような画素回路の構成は、あくまでも一例であり、必要に応じて画素回路内に容量素子を設けたり、さらに複数のトランジスタを設けて画素回路を構成しても良い。また、周辺領域1bには、画素回路の変更に応じて必要な駆動回路が追加される。
【0038】
<1−2.表示装置の製造方法>
次に、図1を用いて説明した表示装置の製造方法を、図4および図5の断面工程図に基づいて説明する。
【0039】
先ず、図4(1)に示すように、基板3上に薄膜トランジスタTrのゲート電極11を形成する。ここでは先ず、抵抗加熱蒸着法によってアルミニウム膜を成膜し、この上部にフォトレジストをスピンコートしてベークする。ベークしたフォトレジスト膜に対してマスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことでレジストパターン(図示省略)を形成する。次に、リン酸溶液をエッチャントに用いると共にレジストパターンをマスクにしてアルミニウム膜をウェットエッチングすることで、アルミニウム膜をパターニングしてなるゲート電極11を形成する。ゲート電極11の形成後にはレジストパターンを剥離除去する。
【0040】
次に、ゲート絶縁膜13として、ポリビニルフェノール溶液をスピンコートし、ベーク処理することで架橋させる。
【0041】
その後、ゲート絶縁膜13上にソース電極15sとドレイン電極15dとを形成する。ここでは先ず、フォトレジストをスピンコートしてベークし、マスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことでレジストパターン(図示省略)を形成する。次に、抵抗加熱蒸着法により金膜を成膜し、次いでレジストパターンを剥離除去する。これにより、レジストパターン上部の金膜をリフトオフしてなるソース電極15sおよびドレイン電極15dを形成する。
【0042】
次に、蒸着マスクを用いた抵抗加熱蒸着法により、ペンタセンをパターン蒸着してなる半導体層17を形成する。
【0043】
以上によって薄膜トランジスタTrを得る。
【0044】
次に、図4(2)に示すように、薄膜トランジスタTrを覆う層間絶縁膜5を形成する。ここでは先ず、CVD法によりポリパラキシリレンからなる層間絶縁膜5を成膜する。その後、この上部にフォトレジストをスピンコートしてベークする。ベークしたフォトレジスト膜に対してマスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことでレジストパターン(図示省略)を形成する。次に、酸素プラズマでポリパラキシリレンからなる層間絶縁膜5をエッチングして接続孔5aを形成する。接続孔5aの形成後にはレジストパターンを剥離除去する。
【0045】
次に、図4(3)に示すように、接続孔5a内を含む層間絶縁膜5上に、抵抗加熱蒸着法により下層からチタン(Ti:10nm)/アルミニウム(Al:100nm)/チタン(Ti:10nm)の積層膜を成膜する。下層のチタンは密着層(図示省略)として成膜し、アルミニウムは第1金属材料層21aとして成膜し、上層のチタンは第2金属材料層21bとして成膜する。
【0046】
その後、図4(4)に示すように、密着層を含む第1金属材料層21aと第2金属材料層21bとの積層膜をパターニングして下部電極21をパターン形成する。ここでは、積層膜状にフォトレジストをスピンコートしてベークする。ベークしたフォトレジスト膜に対してマスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことでレジストパターン(図示省略)を形成する。次に、フッ化アンモニウム、硝酸、硫酸の混酸をエッチャントに用いレジストパターンをマスクにして、アルミニウム膜とチタン膜からなる積層膜を一括でウェットエッチングすることで、下部電極21をパターン形成する。下部電極21形成後にはレジストパターンを剥離除去する。
【0047】
次に、図5(1)に示すように、下部電極21を露出する開口窓7aを備えると共に下部電極21の周縁を覆う形状の絶縁性パターン7を形成する。ここでは先ず、下部電極21を覆う状態でフォトレジストのような感光性組成材料をスピンコートしてベークする。ベークしたフォトレジスト膜に対してマスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことで開口窓7aを備えたレジストパターンを絶縁性パターン7として形成する。最後にフォトレジストからなる絶縁性パターン7を、ポストベーク処理することによって確実に硬化させる。
【0048】
以上の後、図5(2)に示すように、蒸着マスクを用いた抵抗加熱蒸着法により、絶縁性パターン7の開口窓7a内に露出する下部電極21上を覆う有機層23をパターン形成する。その後、抵抗加熱蒸着法によって、基板3上の全面に上部電極25を成膜することにより有機電界発光素子ELを形成する。
【0049】
以上の後には、ここでの図示を省略した封止樹脂を、上部電極25上に塗布し、対向基板を張り合わせて封止することにより表示装置1を完成させる。
【0050】
以上のような第1実施形態の表示装置1は、上部電極25側から発光光を取り出すトップエミッション型の有機電界発光素子ELを有する構成である。特に下部電極21の構成は、光反射性を有する第1金属材料層21a上にアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層21bを設けた構成となっている。これにより、下部電極21は、その表面を構成する第2金属材料層21bによって、アルカリ性薬液に対する耐性が確保されたものとなる。
【0051】
このため、図5(1)を用いて説明したように、リソグラフィー処理によって下部電極21上に絶縁性パターン7を形成する際には、現像液として用いられるアルカリ性薬液に対して第2金属材料層21bが第1金属材料層21aのバリアとなる。したがって、第1金属材料層21aの構成材料として、アルカリ性溶液耐性によらずに光反射性のみを考慮した材料選択を行った場合であっても、第1金属材料層21aの光反射性を維持することができる。また第2金属材料層21bは、この有機電界発光素子ELで発生させる光の透過性が保たれる範囲の厚さで構成されている。このため、下部電極21においては第1金属材料層21aでの光反射性を生かすことができ、上部電極25側からの光取り出し効率を確保することができる。
【0052】
以上の結果、トップエミッション型の有機電界発光素子ELを有する表示装置1において、アルカリ現像処理による下部電極21の劣化による有機電界発光素子ELの点灯不良を防止することが可能になる。
【0053】
また本第1実施形態では、下部電極21の構成を、密着層となるチタン膜、第1金属材料層21aとしてのアルミニウム膜、第2金属材料層21bとしてのチタン膜の積層構成とし、同一のエッチャントを用いたエッチングが可能な構成とした。このため、下部電極21を積層構成にしたことによる工程の追加はなく、表示装置1の製造工程が複雑化することを防止できる。
【0054】
また、アクティブマトリックス型の表示装置において、画素駆動回路を構成する薄膜トランジスタとして、塗布成膜による安価なプロセスが適用可能な有機薄膜トランジスタを用いることにより、装置コストの削減を図ることができる。
【0055】
ここで、有機薄膜トランジスタは、プラズマダメージに弱い傾向にある。このため、下部電極の形成において、例えば上述した特許文献1のように、金属材料層上に酸化物からなる緩衝薄膜を形成する工程に、プラズマ発生をともなうスパッタ法を適応することは、画素駆動回路を構成する薄膜トランジスタの特性劣化を招く要因となり易い。
【0056】
この点に関して、本第1実施形態では、下部電極21を構成するチタン膜やアルミニウム膜を、プラズマ生成のない抵抗加熱蒸着法により成膜できる。このため、これらの膜の成膜時に、層間絶縁膜5下に設けられた薄膜トランジスタTrに対して、プラズマ生成条件に依らずにプラズマダメージが入ることが防止され、薄膜トランジスタTrの特性を良好に維持することができる。
【0057】
このようなプラズマに起因する問題は、シリコンなどにより形成された半導体層を有する薄膜トランジスタでも起こり得る。特に、チャネル部を構成する半導体層17が有機材料からなる場合、プラズマ生成条件によっては、層間絶縁膜5を設けた状態でのプラズマダメージにより薄膜トランジスタTrが特性劣化し易い。またさらに、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタTrにおいては、トップゲート構造と比較して半導体層17が層間絶縁膜5の表面側近くに配置されることからも、上記プラズマダメージにより薄膜トランジスタTrが特性劣化し易い。しかしながら、上述したように、下部電極21を構成するチタン膜やアルミニウム膜は、プラズマ生成のない抵抗加熱蒸着法により成膜できる。このため、このような有機材料からなる半導体層17を用いたボトムゲート方の薄膜トランジスタTrの特性劣化を防止することも可能である。
【0058】
尚、抵抗加熱蒸着法により、チタンの他に白金、アルミニウムの他に銀を用いて成膜できる。また、プラズマ生成のない製法の一例としては、上述した抵抗加熱蒸着法の他に、金属膜を印刷して成膜する印刷法などがある。そして、下部電極21を構成する金属膜を形成する場合に、種々の製法のうち、プラズマ生成のない製法を用いることにより、薄膜トランジスタTrに対してプラズマダメージが入ることが防止され、薄膜トランジスタTrの特性を良好に維持することができる。
【0059】
<2.第2実施形態>
<2−1.表示装置の構成>
図6は第2実施形態の表示装置の1画素分の構成を示す断面図である。この図に示す表示装置1’は、有機電界発光素子ELを設けたアクティブマトリックス型の表示装置である。この図6に示す表示装置1’が、図1を用いて説明した第1実施形態の表示装置と異なるところは、各画素に設けられた薄膜トランジスタTr’の構成にあり、他の構成は第1実施形態と同様であることとする。
【0060】
すなわち、この表示装置1’の各画素に設けられた薄膜トランジスタTr’は、第1実施形態と同様に有機半導体材料を用いているが、トップゲート・ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジスタとして構成されているところが、第1実施形態とは異なる。
【0061】
このような薄膜トランジスタTr’は、基板3上に端部を対向配置させたソース電極15sとドレイン電極15dとが配線されている。そして、ソース電極15s端部からドレイン電極15d端部に掛けて、有機半導体材料からなる半導体層17がチャネル形成部としてパターン形成されており、これらを覆う状態でゲート絶縁膜13が設けられている。また、ゲート絶縁膜13上には、ソース電極15s端部からドレイン電極15d端部に掛けての半導体層17上に重ねてゲート電極11が配線されて、薄膜トランジスタTr’が構成されている。
【0062】
尚、この薄膜トランジスタTr'を覆う層間絶縁膜5が、表面平坦な平坦化絶縁膜として形成されており、薄膜トランジスタTrのドレイン電極15dに達する位置に接続孔5aが設けられていることは、第1実施形態と同様である。ただし、接続孔5aは、ゲート絶縁膜13にも連続して設けられた構成となっている。
【0063】
そしてこのような層間絶縁膜5上に設けられた有機電界発光素子ELの構成は、第1実施形態と同様である。すなわち、下部電極21が、光反射性を有する第1金属材料層21a上に、第1金属材料層21aよりもアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層21bを積層してなる構成であるところが特徴的であり、これらの材質および膜厚も第1実施形態と同様である。
【0064】
また、この表示装置1’は、基板3上の各画素に、上述した構成の薄膜トランジスタTr’とこれに接続された有機電界発光素子ELとが配列されたものである。全体の回路構成は、例えば図3の回路構成図に示すように構成されていることも、第1実施形態と同様である。
【0065】
<2−2.表示装置の製造方法>
以上のような図6を用いて説明した構成の表示装置1'の製造方法は、以下の工程が異なることを除き、第1実施形態の表示装置の製造方法と同様である。薄膜トランジスタTr’の作製手順が異なること、薄膜トランジスタTr’に達する接続孔を形成する際に層間絶縁膜5と共にゲート絶縁膜13のエッチングも行うことである。以下、表示装置1'の製造方法を、図7および図8の断面工程図に基づいて説明する。
【0066】
先ず、図7(1)に示すように、基板3上に薄膜トランジスタTrのソース電極15sとドレイン電極15dとを形成する。ここでは先ず、フォトレジストをスピンコートしてベークし、マスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことでレジストパターン(図示省略)を形成する。次に、抵抗加熱蒸着法により金膜を成膜し、次いでレジストパターンを剥離除去する。これにより、レジストパターン上部の金膜をリフトオフしてなるソース電極15sおよびドレイン電極15dを形成する。
【0067】
次に、蒸着マスクを用いた抵抗加熱蒸着法により、ソース電極15s端部からドレイン電極15d端部に掛けてペンタセンをパターン蒸着してなる半導体層17を形成する。
【0068】
次いで、ゲート絶縁膜13として、ポリビニルフェノール溶液をスピンコートし、ベーク処理することで架橋させる。
【0069】
その後、半導体層17に積層される位置のゲート絶縁膜13上に、薄膜トランジスタTrのゲート電極11を形成する。ここでは先ず、抵抗加熱蒸着法によってアルミニウム膜を成膜し、この上部にフォトレジストをスピンコートしてベークする。ベークしたフォトレジスト膜に対してマスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことでレジストパターン(図示省略)を形成する。次に、リン酸溶液をエッチャントに用いると共にレジストパターンをマスクにしてアルミニウム膜をウェットエッチングすることで、アルミニウム膜をパターニングしてなるゲート電極11を形成する。ゲート電極11bの形成後にはレジストパターンを剥離除去する。
【0070】
以上によって薄膜トランジスタTr’を得る。
【0071】
次に、図7(2)に示すように、薄膜トランジスタTrを覆う層間絶縁膜5を形成する。ここでは先ず、CVD法によりポリパラキシリレンからなる層間絶縁膜5を成膜する。その後、この上部にフォトレジストをスピンコートしてベークする。ベークしたフォトレジスト膜に対してマスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことでレジストパターン(図示省略)を形成する。次に、酸素プラズマでポリパラキシリレンからなる層間絶縁膜5をエッチングして接続孔5aを形成する。
【0072】
引き続き、図7(3)に示すように、ポリパラキシリレンからなる層間絶縁膜5のエッチングと連続した工程で、酸素プラズマによって接続孔5a底部のゲート絶縁膜13をエッチング除去し、接続孔5aをドレイン電極15dに達する深さにまで掘り下げる。接続孔5aの形成後にはレジストパターンを剥離除去する。
【0073】
以上の後は、第1実施形態と同様の工程手順を行って良い。
【0074】
すなわち、先ず図7(4)に示すように、接続孔5a内を含む層間絶縁膜5上に、抵抗加熱蒸着法により下層からチタン(Ti:10nm)/アルミニウム(Al:100nm)/チタン(Ti:10nm)の積層膜を成膜する。下層のチタンは密着層(図示省略)として成膜し、アルミニウムは第1金属材料層21aとして成膜し、上層のチタンは第2金属材料層21bとして成膜する。
【0075】
その後、図7(5)に示すように、密着層を含む第1金属材料層21aと第2金属材料層21bとの積層膜をパターニングして下部電極21をパターン形成する。ここでは、積層膜状にフォトレジストをスピンコートしてベークする。ベークしたフォトレジスト膜に対してマスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことでレジストパターン(図示省略)を形成する。次に、フッ化アンモニウム、硝酸、硫酸の混酸をエッチャントに用いると共にレジストパターンをマスクにして、アルミニウム膜とチタン膜からなる積層膜を一括でウェットエッチングすることで、下部電極21をパターン形成する。下部電極21の形成後にはレジストパターンを剥離除去する。
【0076】
次に、図8(1)に示すように、下部電極21を露出する開口窓7aを備えると共に下部電極21の周縁を覆う形状の絶縁性パターン7を形成する。ここでは先ず、下部電極21を覆う状態でフォトレジストのような感光性組成材料をスピンコートしてベークする。ベークしたフォトレジスト膜に対してマスクアライナーを用いたパターン露光を行い、次いで現像処理を行うことで開口窓7aを備えたレジストパターンを絶縁性パターン7として形成する。最後にフォトレジストからなる絶縁性パターン7を、ポストベーク処理することによって確実に硬化させる。
【0077】
以上の後、図8(2)に示すように、蒸着マスクを用いた抵抗加熱蒸着法により、絶縁性パターン7の開口窓7a内に露出する下部電極21上を覆う有機層23をパターン形成する。その後、抵抗加熱蒸着法によって、基板3上の全面に上部電極25を成膜することにより有機電界発光素子ELを形成する。
【0078】
以上の後には、ここでの図示を省略した封止樹脂を、上部電極25上に塗布し、対向基板を張り合わせて封止することにより表示装置1’を完成させる。
【0079】
以上のような第2実施形態の表示装置1’も、第1実施形態と同様に、上部電極25側から発光光を取り出すトップエミッション型の有機電界発光素子ELを有する構成である。特に下部電極21の構成は、光反射性を有する第1金属材料層21a上にアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層21bを設けた構成となっている。したがって、第1実施形態と同様に、アルカリ現像処理による下部電極21の劣化に起因する有機電界発光素子ELの点灯不良を防止することが可能になる。
【0080】
また本第2実施形態でも、下部電極21の構成を、密着層となるチタン膜、第1金属材料層21aとしてのアルミニウム膜、第2金属材料層21bとしてのチタン膜の積層構成とし、同一のエッチャントを用いたエッチングが可能な構成とした。このため、下部電極21を積層構成にしたことによる工程の追加はなく、表示装置1’の製造工程が複雑化することを防止できる。
【0081】
さらに、下部電極21を構成するチタン膜やアルミニウム膜は、プラズマ生成のない抵抗加熱蒸着法により成膜できる。このため、これらの膜の成膜時に、層間絶縁膜5下に設けられた薄膜トランジスタTr’に対して、プラズマ生成条件に依らずにプラズマダメージが入ることが防止され、薄膜トランジスタTr’の特性を良好に維持することができる。特に本第2実施形態では、薄膜トランジスタTr’をトップゲート型としている。この場合において、半導体層17は、ゲート電極11よりも下層に配置されているため、第1実施形態と比較して、層間絶縁膜5上からのダメージが半導体層17に対して加わり難く、薄膜トランジスタTr’の特性が維持され易い構成でもある。
【符号の説明】
【0082】
1,1’…表示装置、5…層間絶縁膜、5a…接続孔、7…絶縁性パターン、7a…開口窓、21…下部電極、17…半導体層(有機半導体層)、21a…第1金属材料層、21b…第2金属材料層、23…有機層、25…上部電極、EL…有機電界発光素子、Tr,Tr’…薄膜トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光反射性を有する第1金属材料層上にそれよりもアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層を積層してなる下部電極と、
感光性組成材料からなり、前記下部電極を露出させる開口窓を有すると共に前記下部電極の周縁を覆う絶縁性パターンと、
少なくとも有機発光層を含むと共に前記開口窓に前記下部電極上を覆うように設けられた有機層と、
前記下部電極との間に前記有機層を狭持するように設けられた光透過性の上部電極と
を備えた、表示装置。
【請求項2】
前記第2金属材料層は、前記有機発光層で発生した光を透過させる薄膜である、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記有機発光層で可視光が発生し、
前記第2金属材料層は、前記第1金属材料層における可視光の反射を50%以上維持する透過特性を有する、
請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1および第2金属材料層は、それぞれアルミニウムおよびチタンからなる、請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタを覆う層間絶縁膜とを備え、
前記下部電極は、前記層間絶縁膜上に、それに設けた接続孔を介して前記薄膜トランジスタに接続されるように設けられており、
前記第1および第2金属材料層は、プラズマ生成のない製法により成膜可能な材料により形成されている、
請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1および第2金属材料層は、それぞれアルミニウムおよびチタンからなる、請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
有機半導体層を有すると共に前記下部電極に接続された薄膜トランジスタを備え、
前記第1および第2金属材料層は、プラズマ生成のない製法により成膜可能な材料により形成されている、
請求項1記載の表示装置。
【請求項8】
前記プラズマ生成のない製法として抵抗加熱蒸着法を用いる、請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
有機半導体層を有すると共に前記下部電極に接続された薄膜トランジスタを備え、
前記第1および第2金属材料層は、それぞれアルミニウムおよびチタンからなる、
請求項1記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1金属材料層は、アルミニウムまたは銀、あるいはそれらの合金からなる、請求項1記載の表示装置。
【請求項11】
光反射性を有する第1金属材料層上にそれよりもアルカリ性溶液耐性の高い第2金属材料層を積層してなる下部電極を形成し、
リソグラフィー法により、前記下部電極を露出させる開口窓を有すると共に前記下部電極の周縁を覆う絶縁性パターンを形成し、
前記開口窓に、前記下部電極上を覆うように、少なくとも有機発光層を含む有機層を成膜し、
前記下部電極との間に前記有機層を狭持するように光透過性の上部電極を形成する、
表示装置の製造方法。
【請求項12】
感光性組成材料を露光すると共にアルカリ性薬液により現像して前記絶縁性パターンを形成する、請求項11記載の表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記下部電極を形成する前に、薄膜トランジスタを形成すると共に、それを覆う層間絶縁膜を形成し、
前記層間絶縁膜上に、プラズマ生成のない製法により前記第1および第2金属材料層を形成する、
請求項11記載の表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記下部電極を形成する前に、有機半導体層を有する薄膜トランジスタを形成すると共に、それを覆う層間絶縁膜を形成し、
アルミニウムからなる前記第1金属材料層とチタンからなる前記第2金属材料層とを積層して前記下部電極を形成する、
請求項11記載の表示装置の製造方法。
【請求項15】
アルミニウムからなる前記第1金属材料層とチタンからなる前記第2金属材料層との積層膜を、同一のエッチャントを用いたウェットエッチングによってパターニングして、前記下部電極を形成する、請求項11記載の表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−157493(P2010−157493A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−261559(P2009−261559)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】