説明

表示装置および表示装置の駆動方法

【課題】 狭額縁化を図るとともに、素子数を低減し、高精細でクロストーク、フリッカ、横帯ムラの発生を抑制して表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供する。
【解決手段】 画素回路は、リセット電源線Vrst毎に設けられ、第1端子がリセット電源VRSTに接続され、第2端子がリセット電源配線Vrstに接続され、制御端子が走査線Sgに接続された複数のリセットスイッチRSTと、初期化用電源配線Vini毎に設けられ、第1端子が初期化電源VINIに接続され、第2端子が初期化用電源配線Viniに接続され、制御端子が走査線Sgに接続された複数の第1初期化スイッチIST1と、初期化電源線Vini毎に設けられ、第1端子がオフリーク制御電源VOCTに接続され、第2端子が初期化用電源配線Viniに接続され、制御端子が走査線Sgに接続された複数の第2初期化スイッチIST2を有する表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示装置の駆動方法に関し、特にアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型、軽量、低消費電力の特徴を活かして、液晶表示装置に代表される平面表示装置の需要が急速に伸びている。中でも、オン画素とオフ画素とを電気的に分離し、かつオン画素への映像信号を保持する機能を有する画素スイッチを各画素に設けたアクティブマトリクス型表示装置は、携帯情報機器を始め、種々のディスプレイに利用されている。
【0003】
このような平面型のアクティブマトリクス型表示装置として、自己発光素子を用いた有機EL表示装置が注目され、盛んに研究開発が行われている。有機EL表示装置は、バックライトを必要とせず、高速な応答性から動画再生に適し、さらに低温で輝度低下しないために寒冷地での使用にも適しているという特徴を備えている。
【0004】
一般に、有機EL表示装置は、複数行、複数列に並んで設けられ表示画面を構成した複数の表示画素を備えている。各表示画素は、自己発光素子である有機EL素子、およびこの有機EL素子に駆動電流を供給する画素回路により構成され、有機EL素子の発光輝度を制御することにより表示動作を行う。
【0005】
画素回路の駆動方式としては、電圧信号により行なう方式(例えば、特許文献1)が知られている。また、電圧電源をスイッチングしてロー、ハイを切り換えるとともに、映像信号配線から映像信号および初期化信号の両方を出力することにより、表示画素の構成素子数と配線数とを削減し、表示画素のレイアウト面積を小さくすることにより高精細化を図った表示装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,229,506号公報
【特許文献2】特開2007−310311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献2に開示された表示装置のように、電源電圧を各行毎にスイッチングする構成とした場合、電圧電源に流れる電流が大きいことから、これをスイッチングするスイッチング素子の電圧降下も大きくなる。これにより、スイッチング素子を大きくすると、駆動回路が大型化する。
【0008】
また、高精細化に伴う画素面積縮小により保持容量確保が難しくなると、画素スイッチトランジスタのリーク電流により、駆動トランジスタの制御端子電位の保持が困難になり、クロストークやフリッカが発生する。また、上記のような表示装置では、ピーク処理を発光素子に直列に接続された出力スイッチによる発光期間制御で行う場合に、横帯ムラが発生する場合があった。
【0009】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、狭額縁化を図るとともに、素子数を低減し、高精細でクロストーク、フリッカ、横帯ムラの発生を抑制して表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様による表示装置は、発光素子と、前記発光素子に駆動電流を供給する画素回路とを含み、基板上にマトリクス状に配設された複数の画素部と、前記画素部の配列する行に沿って配置された複数の走査線と、前記画素部の配列する列に沿って配置された複数の映像信号配線と、前記画素部の配列する行または列に沿って配置された複数のリセット電源配線と、前記画素部の配列する行または列に沿って配置された複数の初期化用電源配線と、高電位電圧電源線および低電位電圧電源線と、前記複数の走査線に順次制御信号を供給して画素部を行単位で線順次走査する走査線駆動回路と、前記映像信号配線に前記線順次走査に合せて映像電圧信号を供給する信号線駆動回路と、を具備し、前記複数の走査線は、第1乃至第7走査線を備え、前記画素回路は、前記低電位電圧電源線と前記高電位電圧電源線との間で前記表示素子と直列に接続され、第1端子が前記表示素子に接続され第2端子が前記リセット電源配線に接続された駆動トランジスタと、第1端子が前記高電位電圧電源に接続され、第2端子が前記駆動トランジスタの第2端子に接続され、制御端子が前記第1走査線に接続された出力スイッチと、前記駆動トランジスタの第1端子と制御端子との間に接続された保持容量と、第1端子が前記初期化用電源配線に接続され、制御端子が前記第4走査線に接続されたオフリークコントロールスイッチと、第1端子が前記映像信号配線に接続され、第2端子が前記オフリークコントロールスイッチの第2端子に接続され、制御端子が前記第2走査線に接続され、前記映像信号配線から映像電圧信号を取り込み前記保持容量に保持する第1画素スイッチと、第1端子が前記オフリークコントロールスイッチの第2端子に接続され、第2端子が前記駆動トランジスタの制御端子に接続され、制御端子が前記第3走査線に接続された第2画素スイッチと、を備え、前記走査線駆動回路は、前記リセット電源配線毎に設けられ、第1端子がリセット電源に接続され、第2端子が前記リセット電源配線に接続され、制御端子が前記第5走査線に接続された複数のリセットスイッチと、前記初期化用電源配線毎に設けられ、第1端子が初期化電源に接続され、第2端子が前記初期化用電源配線に接続され、制御端子が前記第6走査線に接続された複数の第1初期化スイッチと、前記初期化用電源配線毎に設けられ、第1端子がオフリーク制御電源に接続され、第2端子が前記初期化用電源配線に接続され、制御端子が前記第7走査線に接続された複数の第2初期化スイッチを有する表示装置である。
【0011】
本発明の第2態様による表示装置の駆動方法は、前記初期化用電源配線から前記駆動トランジスタの制御端子に初期化電位を印加し、前記リセット電源配線から前記駆動トランジスタの第1端子にリセット電位を印加して駆動トランジスタを初期化し、前記駆動トランジスタの制御端子に前記映像信号配線から初期化電位を印加した状態で、前記高電位電圧電源から前記駆動トランジスタに電流を流し、前記駆動トランジスタの制御端子に前記初期化用電源配線から初期化電位を印加した状態で、前記高電位電圧電源から前記駆動トランジスタに電流を流し、前記駆動トランジスタの閾値オフセットをキャンセルし、前記映像信号配線から前記駆動トランジスタの制御端子に前記映像電圧信号を書き込むとともに、前記高電位電圧電源線から前記駆動トランジスタを通して前記低電位電圧電源線に電流を流し、第2画素スイッチの第1端子にオフリーク制御電源からオフリーク制御電位を印加した状態で、前記高電位電圧電源線から前記駆動トランジスタを通して前記映像電圧信号に応じた駆動電流を前記表示素子に供給する、表示装置の駆動方法である。
【0012】
本発明の第3態様による表示装置の駆動方法は、陰極が低電位電源配線に接続された発光素子と、ソース電極が高電位電源配線に接続された駆動トランジスタと、ソース電極が前記駆動トランジスタのドレイン電極に接続され、ドレイン電極が前記発光素子の陽極に接続された出力スイッチと、を含む画素回路と、前記画素回路の動作を制御する制御手段と、を備えた表示装置の駆動方法であって、前記制御手段は、前記発光素子の発光期間を複数の期間に分割し、複数の期間のそれぞれにおいて前記出力スイッチをオンおよびオフする動作を制御して前記発光素子の発光時間を制御し、前記複数の期間数がブランキング期間を加えた1垂直期間内の全水平期間数とゲートライン数との公約数である表示装置の駆動方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、狭額縁化を図るとともに、素子数を低減し、高精細でクロストーク、フリッカ、横帯ムラの発生を抑制して表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成例を説明するための図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図5】本発明の第1乃至第3実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成例を説明するための図である。
【図7】本発明の第4実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図8】本発明の第5実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図9】本発明の第6実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図10】本発明の第4乃至第6実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成例を説明するための図である。
【図12】本発明の第7実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図13】本発明の第8実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図14】本発明の第9実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図15】本発明の第7乃至第9実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を説明するための図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成例を説明するための図である。
【図17】本発明の第10実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図18】本発明の第11実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図19】本発明の第12実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図20】本発明の第10乃至だい12実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を説明するための図である。
【図21】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成例を説明するための図である。
【図22】本発明の第13実施形態に係る表示装置の画素回路の一構成例を説明するための図である。
【図23】本発明の第13実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するための図である。
【図24】本発明の第13実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するための図である。
【図25】本発明の第13実施形態に係る表示装置の駆動方法を適用可能な画素回路の一例を示す図である。
【図26】本発明の第13実施形態に係る表示装置の駆動方法を適用可能な画素回路の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図1に示すように、本実施形態に係る表示装置は、例えば、2型以上のアクティブマトリクス型の表示装置として構成され、有機ELパネルおよびこの有機ELパネルの動作を制御するコントローラ12を備えた有機EL表示装置である。
【0016】
有機ELパネルは、ガラス板等の光透過性を有する絶縁基板(図示せず)、この絶縁基板上にマトリクス状に配列され表示領域AAを構成したm×n個の表示画素PX、表示画素の行毎に接続されているとともにそれぞれ独立してm本ずつ設けられた第1走査線Sga(1〜m)〜第6走査線Sgf(1〜m)、表示画素PXの列毎に接続されたn本の映像信号配線X(1〜n)を備えている。
【0017】
また、有機ELパネルは、表示画素PXの行毎に接続されているとともにそれぞれ独立してm本ずつ設けられた後述する初期化用電源配線Viniおよびリセット電源配線Vrstと、高電位の電圧電源線PVDDと、低電位の基準電圧電源線PVSSと、を有している。
【0018】
有機ELパネルは、第1走査線Sga(1〜m)〜第6走査線Sgf(1〜m)を表示画素PXの行毎に順次駆動する走査線駆動回路YDR1、YDR2、複数の映像信号配線X(1〜n)を駆動する信号線駆動回路XDRを備えている。走査線駆動回路YDR1、YDR2、および信号線駆動回路XDRは、表示領域AAの外側で絶縁基板上に一体的に形成され、コントローラ12とともに制御部を構成している。
【0019】
画素部として機能する各表示画素PXは、対向電極(図示せず)間に光活性層(図示せず)を備えた表示素子と、この表示素子に駆動電流を供給する画素回路と、を含んでいる。表示素子は、例えば自己発光素子であり、本実施形態では、光活性層として少なくとも有機発光層を備えた有機EL素子16を用いている。
【0020】
図2に表示画素PXの等価回路を示す。複数の表示画素PXが配列する各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つの表示画素PXが周期的に並んで設けられている。各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、を有している。
【0021】
各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。
【0022】
画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびリセットスイッチRSTは、ここでは同一導電型、例えばNチャネル型の薄膜トランジスタにより構成されている。出力スイッチBCTは、リセットスイッチRSTと逆導電型、ここでは、Pチャネル型の薄膜トランジスタにより構成されている。初期化スイッチIST1、IST2は互いに逆導電型の薄膜トランジスタにより構成されている。
【0023】
本実施形態に係る表示装置において、各駆動トランジスタおよび各スイッチをそれぞれ構成した薄膜トランジスタは全て同一工程、同一層構造で形成され、半導体層にポリシリコンを用いたトップゲート構造の薄膜トランジスタである。
【0024】
画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、出力スイッチBCT、初期化スイッチIST1、IST2、リセットスイッチRST、オフリークコントロールスイッチOCTの各々は、第1端子、第2端子、および制御端子を有し、本実施形態では、これら第1端子、第2端子、および制御端子をそれぞれソース、ドレイン、ゲートとしている。
【0025】
表示画素PXの画素回路において、例えば緑(G)表示用の表示画素PXでは、駆動トランジスタDRTおよび出力スイッチBCTは、高電位の電圧電源線PVDDと低電位の基準電圧電源線PVSSとの間で有機EL素子16と直列に接続されている。電圧電源線PVDDは例えば10Vの電位に設定され、基準電圧電源線PVSSは、例えば1.5Vの電位に設定される。電圧電源線PVDDおよび基準電圧電源線PVSSは、信号線駆動回路XDRに接続され、信号線駆動回路XDRから電源電圧を供給される。
【0026】
出力スイッチBCTは、その第1端子(ここではソース)が電圧電源線PVDDに接続され、第2端子(ここではドレイン)が駆動トランジスタDRTの第2端子(ここではドレイン)に接続されている。出力スイッチBCTのゲートは、第1走査線Sga(1〜m)に接続されている。これにより、出力スイッチBCTは、第1走査線Sga(1〜m)からの制御信号BG(1〜m)によりオン(導通状態)、オフ(非導通状態)制御され、有機EL素子16の発光時間を制御する。
【0027】
駆動トランジスタDRTは、そのドレインが出力スイッチBCTのドレインおよびリセット電源配線Vrstに接続され、そのソースが有機EL素子16の一方の電極(ここでは陽極)に接続される。有機EL素子16の陰極は、基準電圧電源線PVSSに接続されている。駆動トランジスタDRTは、映像信号に応じた電流量の駆動電流を有機EL素子16に出力する。図2において、符号Celは、有機EL素子16の寄生容量を示している。
【0028】
なお、出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されているため、例えば、赤(R)、青(B)の表示画素PXにおいては、出力スイッチBCTは設けられておらず、駆動トランジスタDRTは、有機EL素子16とリセット電源配線Vrst配線との間に接続されている。
【0029】
各画素回路において画素スイッチSST1は、そのソースが映像信号配線X(1〜n)に接続されている。画素スイッチSST1のゲートは、信号書き込み制御用ゲート配線として機能する第2走査線Sgb(1〜m)に接続され、第2走査線Sgb(1〜m)から供給される制御信号SG1(1〜m)によりオン、オフ制御される。そして、画素スイッチSST1は、制御信号SG1(1〜m)に応答して、画素回路と映像信号配線X(1〜n)との接続、非接続を制御し、対応する映像信号配線X(1〜n)から階調映像電圧信号を画素回路に取り込む。
【0030】
画素スイッチSST2は、そのソースが画素スイッチSST1のドレインに接続され、ドレインが駆動トランジスタDRTのゲート電極に接続されている。画素スイッチSST2のゲートは、信号書き込み制御用ゲート配線として機能する第3走査線Sgc(1〜m)に接続され、第3走査線Sgc(1〜m)から供給される制御信号SG2(1〜m)によりオン、オフ制御される。
【0031】
オフリークコントロールスイッチOCTは、そのドレインが画素スイッチSST1のドレインに接続され、そのソースが初期化用電源配線Vini配線との間に接続されている。そのゲートは第4走査線Sgd(1〜m)に接続されている。オフリークコントロールスイッチOCTは、第4走査線Sgd(1〜m)からの制御信号OG(1〜m)に応じてオン(導通状態)、オフ(非導通状態)され、対応する初期化用電源配線Viniから供給される初期化電圧信号VINI電位と、対応するオフリークコントロール電源配線Voctから供給されるオフリークコントロール電圧信号VOCT電位とを画素回路に供給する。保持容量Csは、2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのゲート、ソース間に接続され、映像信号により決定される駆動トランジスタDRTのゲート制御電位を保持する。
【0032】
1行毎に、走査線駆動回路に設けられたリセットスイッチRSTは、駆動トランジスタDRTのドレインとリセット電源配線Vrstとの間に接続されている。リセットスイッチRSTのゲートは、リセット制御用ゲート配線として機能する第5走査線Sge(1〜m)に接続されている。リセットスイッチRSTは、第5走査線Sge(1〜m)からの制御信号RG(1〜m)に応じてオン(導通状態)、オフ(非導通状態)制御され、駆動トランジスタDRTのソース電位を初期化する。
【0033】
1行毎に、走査線駆動回路YDR1(あるいは走査線駆動回路YDR2)に設けられた初期化スイッチIST1は、オフリークコントロールスイッチOCTのソースと初期化用電源配線Viniとの間に接続されている。初期化スイッチIST1のゲートは、第6走査線Sgf(1〜m)に接続されている。初期化スイッチIST1は、第6走査線Sgf(1〜m)からの制御信号IG(1〜m)に応じてオン(導通状態)、オフ(非導通状態)制御され、駆動トランジスタDRTのゲート電位を初期化する。
【0034】
1行毎に、走査線駆動回路YDR1(あるいは走査線駆動回路YDR2)に設けられた初期化スイッチIST2は、オフリークコントロールスイッチOCTのソースとオフリークコントロール電源VOCTとの間に接続されている。初期化スイッチIST2のゲートは、第6走査線Sgf(1〜m)に接続されている。初期化スイッチIST2は、第6走査線Sgf(1〜m)からの制御信号IG(1〜m)に応じてオン(導通状態)、オフ(非導通状態)制御される。
【0035】
一方、図1に示すコントローラ12は有機ELパネルの外部に配置されたプリント回路基板(図示せず)上に形成され、走査線駆動回路YDR1、YDR2および信号線駆動回路XDRを制御する。コントローラ12は外部から供給されるデジタル映像信号および同期信号を受け取り、垂直走査タイミングを制御する垂直走査制御信号、および水平走査タイミングを制御する水平走査制御信号を同期信号に基づいて発生する。
【0036】
そして、コントローラ12は、これら垂直走査制御信号および水平走査制御信号をそれぞれ走査線駆動回路YDR1、YDR2および信号線駆動回路XDRに供給すると共に、水平および垂直走査タイミングに同期してデジタル映像信号および初期化信号を信号線駆動回路XDRに供給する。
【0037】
信号線駆動回路XDRは水平走査制御信号の制御により各水平走査期間において順次得られる映像信号をアナログ形式に変換し、映像信号に応じた複数階調の階調電圧信号Vsigを複数の映像信号配線X(1〜n)に並列的に供給する。
【0038】
走査線駆動回路YDR1、YDR2は、シフトレジスタ(図示せず)、出力バッファ(図示せず)等を含み、外部から供給される水平走査スタートパルスを順次次段に転送し、図1および図2に示すように、出力バッファを介して各行の表示画素PXに6種類の制御信号、すなわち、制御信号BG(1〜m)、SG1(1〜m)、SG2(1〜m)、OG(1〜m)、RG(1〜m)、IG(1〜m)を供給する。
【0039】
これにより、第1走査線Sga(1〜m)〜6走査線Sgf(1〜m)は、それぞれ制御信号BG(1〜m)、SG1(1〜m)、SG2(1〜m)、OG(1〜m)、RG(1〜m)、IG(1〜m)により駆動される。
【0040】
次に、以上のように構成された有機EL表示装置の動作について説明する。図5は、表示動作時の動作表示時の走査線駆動回路YDR1、YDR2の制御信号のタイミングチャートを示している。走査線駆動回YDR1、YDR2は、例えば、スタート信号(STV1〜STV6)とクロック(CKV1〜CKV6)とから各水平走査期間Hに対応した1水平走査期間の幅(Tw−Starta)のパルスを生成し、そのパルスを制御信号BG(1〜m)、SG1(1〜m)、SG2(1〜m)、OG(1〜m)、RG(1〜m)、IG(1〜m)として出力する。
【0041】
画素回路の動作は、リセット動作、プリ閾値オフセットキャンセル(OC)動作、閾値オフセットキャンセル(OC)動作、移動度補正動作、発光動作に分けられる。図5に、本実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を説明するためのタイミングチャートを示す。
【0042】
まず、リセット動作を行う。リセット動作では、走査線駆動回路YDR1、YDR2から、制御信号SG1が画素スイッチSST1をオフ状態とするレベル(オフ電位:ここではローレベル)、制御信号SG2が画素スイッチSST2をオン状態とするレベル(オン電位:ここではハイレベル)、制御信号IGが初期化スイッチIST1をオン状態とするレベル(オン電位:ここでは、ハイレベル)、制御信号BGが出力スイッチBCTをオフ状態とするレベル(オフ電位:ここではハイレベル)、制御信号RGがリセットスイッチRSTをオン状態とするレベル(オン電位:ここではハイレベル)、制御信号OGがオフリークコントロールスイッチOCTをオン状態とするレベル(オン電位:ここではハイレベル)に設定される。
【0043】
出力スイッチBCT、画素スイッチSST1、初期化スイッチIST2がそれぞれオフ(非導通状態)、画素スイッチSST2、初期化スイッチIST1、オフリークコントロールスイッチOCT、リセットスイッチRSTがオン(導通状態)となり、リセット動作が開始される。
【0044】
リセット期間において、初期化用電源配線Viniから出力された初期化電圧信号VINIは、初期化スイッチIST1、オフリークコントロールスイッチOCT、画素スイッチSST2を通して駆動トランジスタDRTのゲートに印加される。これにより、駆動トランジスタDRTのゲート電位は、初期化電圧信号VINIに対応する電位にリセットされ、前フレームの情報が初期化される。初期化電圧信号VINIは、例えば、2Vに設定されている。
【0045】
また、リセット電源配線Vrstから出力されたリセット電圧信号VRSTは、リセットスイッチRSTを通して駆動トランジスタDRTのソース、ドレインに印加される。これにより、駆動トランジスタDRTのソース、ドレインの電位がリセット電圧信号VRSTに対応する電位、例えば、−2Vにリセットされ、前フレームの情報が初期化される。リセット動作は、1水平期間行われる。
【0046】
続いて、プリオフセットキャンセル動作を行なう。制御信号SG1がオン電位(ハイレベル)、制御信号BGがオン電位(ローレベル)、制御信号RGがオフ電位(ローレベル)、制御信号OGがオフ電位(ローレベル)となる。これにより初期化スイッチIST2、オフリークコントロールスイッチOCT、リセットスイッチRSTがそれぞれオフ(非導通状態)、出力スイッチBCT、画素スイッチSST1、画素スイッチSST2、初期化スイッチIST1がオン(導通状態)となり、閾値のプリオフセットキャンセル動作が開始される。
【0047】
プリオフセットキャンセル期間において、駆動トランジスタDRTのゲート電位は、映像信号配線Xから出力され初期化電圧信号VINI(Vip)が画素スイッチSST1、画素スイッチSST2を通して印加され、固定される。
【0048】
また、出力スイッチBCTはオン状態にあり、電圧電源線PVDDから駆動トランジスタDRTに電流が流れ込む。駆動トランジスタDRTのソース電位は、リセット期間に書き込まれた電位VRSTを初期値とし、駆動トランジスタDRTのドレイン−ソースを通って流れ込む電流分を徐々に減少させながら、駆動トランジスタのTFT特性ばらつきを吸収・補償しつつ、高電位側にシフトしていく。本実施形態では、プリオフセットキャンセル期間は例えば1μsec程度の時間に設定されている。
【0049】
続いて、閾値のオフセットキャンセル動作を行なう。制御信号SG1がオフ電位(ローレベル)、制御信号OGがオン電位(ハイレベル)となる。これにより初期化スイッチIST2、画素スイッチSST1、リセットスイッチRSTがそれぞれオフ(非導通状態)、出力スイッチBCT、画素スイッチSST2、初期化スイッチIST1、オフリークコントロールスイッチOCTがオン(導通状態)となり、閾値のオフセットキャンセル動作が開始される。
【0050】
オフセットキャンセル期間において、駆動トランジスタDRTのゲート電位は、初期化用電源配線Viniから出力され初期化電圧信号VINIが初期化スイッチIST1、オフリークコントロールスイッチOCT、画素スイッチSST2を通して印加され、固定される。
【0051】
また、出力スイッチBCTはオン状態にあり、電圧電源線PVDDから駆動トランジスタDRTに電流が流れ込む。駆動トランジスタDRTのソース電位は、リセット期間に書き込まれたリセット電圧信号VRSTを初期値とし、駆動トランジスタDRTのドレイン−ソースを通って流れ込む電流分を徐々に減少させながら、駆動トランジスタのTFT特性ばらつきを吸収および補償しつつ、高電位側にシフトしていく。
【0052】
キャンセル期間終了時点で、駆動トランジスタDRTのソース電位は、VINI−Vthとなる。なお、Vthは駆動トランジスタDRTの閾値電圧である。これにより、駆動トランジスタDRTのゲート、ソース間電圧は、キャンセル点に到達し、このキャンセル点に相当する電位差が保持容量Csに蓄えられる。
【0053】
続いて、移動度補正期間では、制御信号SG1が画素スイッチSST1をオン電位(ハイレベル)、制御信号OGがオフリークコントロールスイッチOCTをオフ電位(ローレベル)とする。これにより、初期化スイッチIST2およびオフリークコントロールスイッチOCT、リセットスイッチRST、がオフ(非導通状態)、画素スイッチSST1,2、出力スイッチBCT、初期化スイッチIST1がオン(導通状態)となり、移動度補正動作が開始される。
【0054】
移動度補正期間において、映像信号配線X(1〜n)から画素スイッチSST1、SST2を通って駆動トランジスタDRTのゲートに映像電圧信号Vsigが書き込まれる。また、電圧電源線PVDDから駆動トランジスタDRTを通り、有機EL素子16の寄生容量Celを経由して基準電圧電源線PVSSに電流が流れる。画素スイッチSSTがオンした直後は、駆動トランジスタDRTのゲート電位は、Vsig(R、G、B)、駆動トランジスタDRTのソース電位は、VINI−Vth+Cs(Vsig−VINI)/(Cs+Cel)となる。
【0055】
その後、有機EL素子16の寄生容量Celを経由して基準電圧電源線PVSSに電流が流れ、移動度補正期間終了時には、駆動トランジスタのゲート電位は、Vsig(R,G,B)、駆動トランジスタDRTのソース電位は、VINI−Vth+ΔV1+Cs(Vsig−VINI)/(Cs+Cel)となる。これにより、駆動トランジスタDRTの移動度のばらつきが補正される。
【0056】
次に、制御信号SG1、SG2がオフ電位(ローレベル)、制御信号OGがオン電位(ハイレベル)となり、画素スイッチSST1、SST2、オフリークコントロールスイッチOCTがオフとなる。これにより、階調映像電圧信号書込み動作および移動度補正動作が終了する。
【0057】
これと同時に又はこれに続いて、制御信号IGがローレベルとなり、初期化スイッチIST1がオフ、初期化スイッチIST2がオンとなり、発光期間が開始される。発光期間では、電圧電源線PVDDから出力スイッチBCTおよびリセット電源配線Vrstを通して、R、G、Bの各表示画素PXの駆動トランジスタDRTに駆動電流が流れる。
【0058】
駆動トランジスタDRTは、保持容量Csに書込まれたゲート制御電圧に対応した電流量の駆動電流Ieを出力する。この駆動電流Ieが有機EL素子16に供給される。これにより、有機EL素子16が駆動電流Ieに応じた輝度で発光し、発光動作を行う。有機EL素子16は、1フレーム期間後に、再び制御信号BGがオフ電位となるまで発光状態を維持する。
【0059】
また、このとき、駆動トランジスタDRTのゲート電位は、画素スイッチSST2のオフ時のリーク電流により変動するが、画素スイッチSST2のソース電位には、オフリークコントロールスイッチOCTと初期化スイッチIST2を経由して、オフリークコントロール電源VOCT電位が印加されているため、画素スイッチSST2のリーク量は、他ラインの映像信号によらない値となるため、クロストークが発生しない。また、画素スイッチSST2のソースードレイン間電位も|2V|前後の値となり、オフリーク量が低減されるため、フリッカの問題も起こらない。
【0060】
上述したリセット動作、プリオフセットキャンセル動作、オフセットキャンセル動作、移動度補正動作、発光動作を順次、各表示画素で繰り返し行うことにより、所望の画像を表示する。
【0061】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×Cel/(Cs+Cel)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となり、駆動トランジスタDRTの閾値Vthに依存しない値となる。そのため、駆動トランジスタの閾値のばらつきによる影響を排除することができる。
【0062】
また、ΔV1は、駆動トランジスタの移動度が大きい程、絶対値が大きい値となるため、移動度の影響も補償することができる。従って、これらのばらつきに起因する表示不良、スジムラ、ざらつき感の発生を抑制し、高品位の画像表示を行うことができる。
【0063】
以上のことから、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法が得られる。
【0064】
次に、本発明の第2実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。なお、以下の説明において、上述の第1実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
本実施形態に係る表示装置は、上述の第1実施形態に係る表示装置と同様に、図1に示すような有機EL表示装置である。この有機EL表示装置を駆動する際のタイミングチャートの一例を図5に示す。第2実施形態に係る表示装置は、第1実施形態に係る表示装置の画素回路構成のみが異なり、駆動方法等は第1実施形態と同様である。
【0066】
図3に第2実施形態に係る表示装置の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0067】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、有機EL素子16の容量Cel補助容量Cadを有し、各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0068】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。
【0069】
補助容量Cadは、2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのソースと電圧電源線PVDDに接続される。補助容量Cad以外の素子構成については、第1実施形態に係る表示装置と同一である。
【0070】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×(Cel+Cad)/(Cs+Cel+Cad)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となる。上記のように、補助容量Cadにより電流Ielの調整が行われている。以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0071】
次に、図面を参照しながら、この発明の第3実施形態に係る表示装置について説明する。本実施形態に係る表示装置は、上述の第1実施形態に係る表示装置と同様に、図1に示すような有機EL表示装置である。この有機EL表示装置を駆動する際のタイミングチャートの一例を図5に示す。第3実施形態に係る表示装置は、第1実施形態に係る表示装置と画素回路構成のみが異なり、駆動方法等は第1実施形態と同様である。
【0072】
図4に第3実施形態に係る表示装置の表示画素PXの等価回路の一例を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0073】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、有機EL素子16の容量Cel補助容量Cadを有し、各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0074】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。
【0075】
補助容量Cadは、2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのソースとリセット電源配線Vrstに接続される。補助容量Cad以外の素子構成については、第1実施形態に係る表示装置と同一である。
【0076】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×(Cel+Cad)/(Cs+Cel+Cad)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となる。上記のように、補助容量Cadにより電流Ielの調整が行われている。以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0077】
次に、図面を参照しながら、この発明の第4実施形態に係る表示装置について説明する。図6は、本実施形態に係る表示装置の一構成例を概略的に示す平面図である。図6に示すように、本実施形態に係る表示装置は、第1実施形態に係る表示装置において、第1走査線Sgaと第5走査線Sgeとを共通化し、走査線駆動回路部YDR1、YDR2の回路規模を縮小している。本実施形態に係る表示装置の駆動方法は第1実施形態と同様である。
【0078】
図7に第4実施形態の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Csを有している。各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0079】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。
【0080】
図10に本実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を説明するためのタイミングチャートを示す。上述のように、本実施形態では第1実施形態に係る表示装置における第1走査線Sgaと第5走査線Sgeとが共通化されたため、図10は図5に示す第1実施形態のタイミングチャートから、第5走査線Sgeから供給されていた信号RGが削除されたものである。図10に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0081】
すなわち、上記のように、第1走査線Sgaと第5走査線Sgeとを共通化すると、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路を小さくすることができる。また、上述の第1実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法と同様に、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの閾値Vthに依存しない値となる。そのため、駆動トランジスタの閾値のばらつきによる影響を排除することができる。また、駆動トランジスタの移動度の影響も補償することができる。
【0082】
このように、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、これらのばらつきに起因する表示不良、スジムラ、ざらつき感の発生を抑制し、高品位の画像表示を行い、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。さらに、本実施形態に係る表示装置によれば、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0083】
次に、図面を参照しながら、この発明の第5実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。第5実施形態に係る表示装置は第2実施形態に係る表示装置において、第1走査線Sgaと第5走査線Sgeを共通化し、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路規模を縮小したものである。本実施形態に係る表示装置の駆動方法等は第2実施形態と同様である。
【0084】
図6は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図8に第5実施形態に係る表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0085】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、有機EL素子16の容量Cel、補助容量Cadを有している。各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0086】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。補助容量Cadは、2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのソースと電圧電源線PVDDにそれぞれ接続される。
【0087】
図10に本実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を説明するためのタイミングチャートを示す。本実施形態に係る表示装置では第1走査線Sgaと第5走査線Sgeが共通化されたため、図5に示す第2実施形態に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートから、第5走査線Sgeから供給されていた信号RGが削除されている。図10に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0088】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×(Cel+Cad)/(Cs+Cel+Cad)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となる。補助容量Cadにより、電流Ielの調整が行われている。
【0089】
以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上し、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0090】
次に、図面を参照しながら、この発明の第6実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。第6実施形態に係る表示装置は、第3実施形態に係る表示装置おいて、第1走査線Sgaと第5走査線Sgeとを共通化した形態で、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路規模を縮小した実施形態である。本実施形態に係る表示装置の駆動方法等は第3実施形態と同様である。
【0091】
図6は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図9には、本実施形態に係る表示画素の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0092】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、有機EL素子16の容量Cel、補助容量Cadを有している。各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0093】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。補助容量Cadは2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのソースとリセット電源配線Vrstとにそれぞれ接続される。
【0094】
図10に本実施形態に係る表示装置の駆動方法の一例を説明するためのタイミングチャートを示す。本実施形態に係る表示装置では第1走査線Sgaと第5走査線Sgeが共通化されたため、図5に示す第3実施形態に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートから、第5走査線Sgeから供給されていた信号RGが削除されている。図10に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0095】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×(Cel+Cad)/(Cs+Cel+Cad)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となる。補助容量Cadにより、Iel電流の調整が行われている。
【0096】
以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上し、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0097】
次に、図面を参照しながら、この発明の第7実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。第7実施形態に係る表示装置は第4実施形態に係る表示装置おいて、オフリークコントロールスイッチOCTと画素スイッチSST1との導電タイプを逆特性にし、第2走査線Sgbと第4走査線Sgdとを共通化した形態であって、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路規模を縮小したものである。本実施形態に係る表示装置の駆動方法は第4実施形態と同様である。
【0098】
図11は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図12には、本実施形態に係る表示装置の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0099】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Csを有し、各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0100】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。ここでは、オフリークコントロールスイッチOCTがPタイプの導電型、画素スイッチSST1はNタイプの導電型となっている。
【0101】
図15に本実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートを示す。本実施形態に係る表示装置では第2走査線Sgbと第4走査線Sgdとが共通化されたため、図15では図10に示す第4実施形態に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートから、第4走査線Sgeから供給されていたOG信号が削除されている。図15に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0102】
上記のように、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上し、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0103】
次に、図面を参照しながら、この発明の第8実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。第8実施形態に係る表示装置は第5実施形態に係る表示装置において、オフリークコントロールスイッチOCTと画素スイッチSST1との導電タイプを逆特性にし、第2走査線Sgbと第4走査線Sgdとを共通化した形態で、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路規模を縮小した実施形態である。本実施形態に係る表示装置の駆動方法は第5実施形態と同様である。
【0104】
図11は、有機EL表示装置を概略的に示す平面図である。図13に第8の実施形態の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0105】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、有機EL素子16の容量Cel、補助容量Cadを有している。各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0106】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。
【0107】
補助容量Cadは、2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのソースと電圧電源線PVDDに接続される。ここでは、オフリークコントロールスイッチOCTがPタイプの導電型、画素スイッチSST1はNタイプの導電型となっている。
【0108】
図15に本実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートを示す。本実施形態に係る表示装置では第2走査線Sgbと第4走査線Sgdが共通化されたため、図15では、図10に示す第5実施形態に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートから、第4走査線Sgeから供給されていた信号OGが削除されている。図15に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。図15に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0109】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×(Cel+Cad)/(Cs+Cel+Cad)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となる。補助容量Cadにより、電流Ielの調整が行われている。
【0110】
以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上し、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0111】
次に、図面を参照しながら、この発明の第9実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。第9実施形態に係る表示装置は第6実施形態に係る表示装置において、オフリークコントロールスイッチOCTと画素スイッチSST1の導電タイプを逆特性にし、第2走査線Sgbと第4走査線Sgdとを共通化した形態で、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路規模を縮小した実施形態である。本実施形態に係る表示装置の駆動方法は第6実施形態と同様である。
【0112】
図11は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図14には、本実施形態に係る表示装置の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0113】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、有機EL素子16の容量Cel、補助容量Cadを有している。各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0114】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。
【0115】
補助容量Cadは、2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのソースとリセット電源配線Vrstに接続される。ここでは、オフリークコントロールスイッチOCTがPタイプの導電型、画素スイッチSST1はNタイプの導電型となっている。
【0116】
図15にタイミングチャートを示す。実施例6のタイミングチャートから、第2走査線Sgbと第4走査線Sgdが共通化されたため、第4走査線Sgeから供給されていたOG信号が削除されている。図15に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0117】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×(Cel+Cad)/(Cs+Cel+Cad)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となる。補助容量Cadにより、電流Ielの調整が行われている。
【0118】
以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上し、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0119】
次に、図面を参照しながら、この発明の第10実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。第10実施形態に係る表示装置は、第7実施形態に係る表示装置おいて、第3走査線Sgcと第6走査線Sgfとを共通化した形態で、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路規模を縮小したものである。本実施形態に係る表示装置の駆動方法は第7実施形態と同様である。
【0120】
図16は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図17には、本実施形態に係る表示装置の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0121】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Csを有している。各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0122】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。
【0123】
図20に本実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートを示す。本実施形態に係る表示装置では第3走査線Sgcと第6走査線Sgfが共通化されたため、図20では図15に示す第7実施形態に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートから、さらに第6走査線Sgfから供給されていた信号IGが削除されている。図20に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0124】
以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上し、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0125】
次に、図面を参照しながら、この発明の第11実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。第11実施形態に係る表示装置は、第8実施形態に係る表示装置おいて、さらに第3走査線Sgcと第6走査線Sgfとを共通化し、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路規模を縮小したものである。本実施形態に係る表示装置の駆動方法は、第8実施形態と同様である。
【0126】
図16は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図18には、本実施形態に係る表示装置の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0127】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、有機EL素子16の容量Cel、補助容量Cadを有している。各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0128】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。補助容量Cadは2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのソースと電圧電源線PVDDにそれぞれ接続される。
【0129】
図20に本実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートを示す。本実施形態に係る表示装置では第3走査線Sgcと第6走査線Sgfとが共通化されたため、図20では、図15に示す第8実施形態に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートから、さらに第6走査線Sgfから供給されていた信号IGが削除されている。図20に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0130】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×(Cel+Cad)/(Cs+Cel+Cad)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となる。上記のように補助容量Cadにより、電流Ielの調整が行われている。
【0131】
以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上し、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0132】
次に、図面を参照しながら、この発明の第12実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について説明する。第12実施形態に係る表示装置は、第9実施形態に係る表示装置おいて、さらに第3走査線Sgcと第6走査線Sgfとを共通化し、走査線駆動回路YDR1、YDR2の回路規模を縮小したものである。本実施形態に係る表示装置の駆動方法は、第9実施形態と同様である。
【0133】
図16は、本実施形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。図19には、第12実施形態に係る表示装置の表示画素PXの等価回路を示す。各行において、赤(R)表示用、緑(G)表示用、青(B)表示用の3つ表示画素PXが周期的に並んで設けられている。
【0134】
各表示画素PXの画素回路は、電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST1、SST2、駆動トランジスタDRT、オフリークコントロールスイッチOCT、およびキャパシタとしての保持容量Cs、有機EL素子16の容量Cel、補助容量Cadを有している。各行の表示画素PXの少なくとも1つは、出力スイッチBCTを有している。出力スイッチBCTは複数の画素回路に共有されている。
【0135】
更に、走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数のリセットスイッチRSTが設けられ、それぞれ各行のリセット電源配線Vrstに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST1が設けられ、それぞれ各行の初期化用電源配線Viniに接続されている。走査線駆動回路YDR1(もしくは走査線駆動回路YDR2)には、複数の初期化スイッチIST2が設けられ、それぞれ各行のオフリークコントロール電源配線Voctに接続されている。補助容量Cadは、2つの電極を有し、駆動トランジスタDRTのソースとリセット電源配線Vrstにそれぞれ接続される。
【0136】
図20に本実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するためのタイミングチャートを示す。本実施形態に係る表示装置では、第3走査線Sgcと第6走査線Sgfとが共通化されたため、図20では図15に示す第9実施形態に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートから、第6走査線Sgfから供給されていた信号IGが削除されている。図20に示すように、本実施形態に係る表示装置を駆動すると、第1実施形態に係る表示装置の場合と同様に各画素回路が駆動される。
【0137】
上記のように構成された有機EL表示装置によれば、発光期間において、有機EL素子16に流れる電流Ieは、駆動トランジスタDRTの飽和領域の電流値として、
Iel=β×{(Vsig−VINI−ΔV1)×(Cel+Cad)/(Cs+Cel+Cad)}2、
β=μ・CoxW/2L、(W:チャネル幅、L:チャネル長)
となる。補助容量Cadにより、電流Ielの調整が行われている。
【0138】
以上のことから、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、クロストークやフリッカの無い、高精細で表示品位の向上し、狭額縁を実現するアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0139】
次に、本発明の第13実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法について図面を参照して説明する。図21に示すように、有機EL表示装置は、例えば、2型以上のアクティブマトリクス型表示装置として構成され、有機ELパネルおよび有機ELパネルを制御するコントローラ12を備えている。
【0140】
有機ELパネルは、ガラス板等の絶縁基板上にマトリクス状に配列され表示領域を構成したm×n個の表示画素PX、表示画素の行毎に接続されているとともにそれぞれ独立してm本ずつ設けられた第1走査線Sga(1〜m)、第2走査線Sgb(1〜m)、第3走査線Sgc(1〜m)、第4走査線Sgd(1〜m)、表示画素PXの列毎にそれぞれ接続されたn本の映像信号配線X1〜Xn、第1乃至第4走査線Sga、Sgb、Sgc、Sgdを表示画素の行毎に順次駆動する走査線駆動回路YDR1、YDR2、および複数の映像信号配線X1〜Xnを駆動する信号線駆動回路XDRを備えている。走査線駆動回路YDR1、YDR2および信号線駆動回路XDRは、表示領域の外側で絶縁基板上に一体的に形成されている。
【0141】
各表示画素PXは、対向電極間に光活性層を備えた表示素子と、この表示素子に駆動電流を供給する画素回路とを含んでいる。表示素子は、例えば自己発光素子であり、本実施形態では、光活性層として少なくとも有機発光層を備えた有機EL素子16を用いている。
【0142】
図22に表示画素PXの等価回路を示す。画素回路は電圧信号からなる映像信号に応じて有機EL素子16の発光を制御する電圧信号方式の画素回路であり、画素スイッチSST、駆動トランジスタDRT、出力スイッチBCT、初期化スイッチISTおよび保持容量Csを備えている。また、走査線駆動回路内には、リセットスイッチRSTが配置されている。
【0143】
出力スイッチBCT、駆動トランジスタDRT、有機EL素子16は、電圧電源線PVDDと基準電圧電源線PVSSとの間でこの順で直列に接続されている。基準電圧電源線PVSSおよび電圧電源線PVDDは、例えば、1.5Vおよび10Vの電位にそれぞれ設定される。
【0144】
出力スイッチBCTはその第2端子、ここではドレインが電圧電源線PVDDに接続されている。駆動トランジスタDRTはその第1端子、ここではドレインがBCTの第1端子、ここではソースに接続されている。有機EL素子16は、一方の電極、ここではカソード画基準電圧電源線PVSSに接続されている。
【0145】
駆動トランジスタDRTは、映像信号に応じた電流量を有機EL素子16に出力する。出力スイッチBCTは、駆動トランジスタDRTのドレイン、電圧電源線PVDDに間に接続され、そのゲートが第4走査線Sgdに接続されている。出力スイッチBCTは、第4走査線Sgdからの制御信号BGに応じてオンおよびオフされ、有機EL素子16の発光時間を制御する。
【0146】
初期化スイッチISTは、駆動トランジスタDRTのゲート、初期化用電源配線Vini間に接続され、そのゲートが第2走査線Sgbに接続されている。初期化スイッチISTは、第2走査線Sgbからの制御信号IGに応じてオンおよびオフされ、駆動トランジスタDRTのゲート電位を初期化する。
【0147】
保持容量Csは、2つの電極を持ち、駆動トランジスタDRTのゲート電極、ソース電極間に接続され、映像信号により決定される駆動トランジスタDRTのゲート制御電位を保持する。
【0148】
初期化スイッチIST2は、対応する映像信号配線Xnと駆動トランジスタDRTのゲート電極間に接続され、そのゲートは第1走査線Sgaに接続されている。初期化スイッチIST2は、第1走査線Sgaから供給される制御信号SGに応答して対応の映像信号配線Xから階調信号を取り込む。
【0149】
リセットスイッチRSTは、駆動トランジスタDRTのドレイン、リセット電源配線Vrst間に接続され、そのゲートが第3走査線Sgcに接続されている。リセットスイッチRSTは、走査線駆動回路YDR1あるいは走査線駆動回路YDR2内に設けられる。リセットスイッチRSTは、第3走査線Sgcからの制御信号RGに応じてオンおよびオフされ、駆動トランジスタDRTのソース電位を初期化する。
【0150】
一方、図21に示すコントローラ12は有機ELパネルの外部に配置されたプリント回路基板上に形成され、走査線駆動回路YDR1、YDR2および信号線駆動回路XDRを制御する。コントローラ12は外部から供給されるデジタル映像信号および同期信号を受け取り、垂直走査タイミングを制御する垂直走査制御信号、および水平走査タイミングを制御する水平走査制御信号を同期信号に基づいて発生する。
【0151】
そして、コントローラ12は、これら垂直走査制御信号および水平走査制御信号をそれぞれ走査線駆動回路YDR1、YDR2および信号線駆動回路XDRに供給すると共に、水平および垂直走査タイミングに同期してデジタル映像信号を信号線駆動回路XDRに供給する。
【0152】
信号線駆動回路XDRは水平走査制御信号の制御により各水平走査期間において順次得られる映像信号をアナログ形式に変換して信号配線電圧とし、複数の映像信号配線Xnに並列的に供給する。走査線駆動回路YDR1、YDR2は、シフトレジスタ、出力バッファ等を含み、外部から供給される水平走査スタートパルスを順次次段に転送し、出力バッファを介して各行の表示画素PXに2種類の制御信号、すなわち、制御信号SG、IG、BGを供給する。
【0153】
図23に走査線駆動回路YDR1、YDR2のタイミング模式図を示す。走査線駆動回路YDR1、YDR2は、例えば、スタート信号(STV1、STV2)とクロック(CKV1、CKV2)とから各水平走査期間に対応した1水平走査期間の幅(Tw−Starta)のパルスを生成し、そのパルスを制御信号SG、IG、BG、RGとして出力する。そして、ピーク処理を行う場合には、発光期間分割数がブランキング期間を加えた1V期間内の全水平期間数とゲートライン数(m)との公約数となっている。
【0154】
本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、上記のように、ピーク処理を発光期間制御による行う場合に、発光期間分割数がブランキング期間を加えた1V期間内の全水平期間数とゲートライン数(m)との公約数とすることにより、横帯が発生することを抑制し、良好な表示動作を可能にする表示装置および表示装置の駆動方法を提供することができる。
【0155】
ブランキング期間を含めた1垂直期間(1V)内の水平期間数をN1、ゲートライン数をN2としたとき、発光期間の分割数Mは、N1とN2との公約数であって、分割数Mの2倍の値(2M)はN1とN2との公約数ではないものである。
【0156】
例えば、N2が8、N2が4である場合には、分割数Mを4とした場合には横帯の表示ムラは発生しなかった。図24には、発光期間を4つに分割した場合の信号BGの駆動タイミングを示す。これに対し、分割数Mを8とした場合には、横帯の表示ムラが発生し、表示品位が低下した。
【0157】
すなわち、本実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法によれば、横帯ムラの発生を抑制して表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0158】
また、この有機EL表示装置の駆動方法においては、発光期間制御用TFT(出力スイッチBCT)を含む画素回路であれば、どのような回路構成でも構わない。上記第1実施形態乃至第12実施形態に係る表示装置と組み合わせることも可能である。上記第1実施形態乃至第12実施形態に係る表示装置と組み合わせることによって、駆動回路の小型化により狭額縁化を図ることができるとともに、素子数を低減し、高精細でクロストーク、フリッカ、横帯ムラの発生を抑制して表示品位の向上したアクティブマトリクス型の表示装置およびその駆動方法を提供することができる。
【0159】
また、本実施形態に係る表示装置の駆動方法を適用することができる画素回路の一例を図25および図26に示す。図25および図26に示す画素回路では、出力スイッチBCTは、駆動トランジスタDRTと有機EL素子16との間に直列に接続されている。このように出力スイッチBCTが配置されている場合であっても、本実施形態に係る表示装置の駆動方法を適用することができる。
【0160】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0161】
薄膜トランジスタの半導体層は、ポリシリコンに限らず、アモルファスシリコンで構成することも可能である。各スイッチ、駆動トランジスタを構成するトランジスタは、Nチャネル型に限らず、Pチャネル型としてもよい。同様に、リセットスイッチは、Pチャネル型に限らず、Nチャネル型としてもよい。トランジスタおよびスイッチの形状、寸法は、前述した実施形態に限定されることなく、必要に応じて変更可能である。また、出力スイッチは、3つ表示画素に1つ設けて共有される構成としたが、これに限らず、必要に応じて、出力スイッチの数を増減可能である。さらに、表示画素PXを構成する自己発光素子は、有機EL素子に限定されず自己発光可能な様々な表示素子を適用可能である。
【0162】
また、上記第1乃至第12実施形態に係る表示装置では、第1初期化スイッチの制御端子に接続された走査線と第2初期化スイッチの制御端子に接続された走査線とが共通であったが、第1初期化スイッチおよび第2初期化スイッチの制御端子に、それぞれ独立の走査線を接続しても良い。その場合でも、上述の第1乃至第12実施形態に係る表示装置および表示装置の駆動方法と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0163】
PX…表示画素、Sga…第1走査線、Sgb…第2走査線、Sgc…第3走査線、Sgd…第4走査線、Sge…第5走査線、Sgf…第6走査線、Vini…初期化用電源配線、Vrst…リセット電源配線、Voct…オフリークコントロール電源配線、PVDD…電圧電源線、PVSS…基準電圧電源線、XDR…信号線駆動回路、DRT…駆動トランジスタ、OCT…オフリークコントロールスイッチ、Cs…保持容量、BCT…出力スイッチ、RST…リセットスイッチ、IST…初期化スイッチ、SST…画素スイッチ、VOCT…オフリークコントロール電源、VRST…リセット電位、Cel…寄生容量、Cel…容量、Cad…補助容量、YDR1、YDR2…走査線駆動回路、12…コントローラ、16…有機EL素子(発光素子)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、前記発光素子に駆動電流を供給する画素回路とを含み、基板上にマトリクス状に配設された複数の画素部と、
前記画素部の配列する行に沿って配置された複数の走査線と、
前記画素部の配列する列に沿って配置された複数の映像信号配線と、
前記画素部の配列する行または列に沿って配置された複数のリセット電源配線と、
前記画素部の配列する行または列に沿って配置された複数の初期化用電源配線と、
高電位電圧電源線および低電位電圧電源線と、
前記複数の走査線に順次制御信号を供給して画素部を行単位で線順次走査する走査線駆動回路と、
前記映像信号配線に前記線順次走査に合せて映像電圧信号を供給する信号線駆動回路と、を具備し、
前記複数の走査線は、第1乃至第7走査線を備え、
前記画素回路は、前記低電位電圧電源線と前記高電位電圧電源線との間で前記表示素子と直列に接続され、第1端子が前記表示素子に接続され第2端子が前記リセット電源配線に接続された駆動トランジスタと、
第1端子が前記高電位電圧電源に接続され、第2端子が前記駆動トランジスタの第2端子に接続され、制御端子が前記第1走査線に接続された出力スイッチと、
前記駆動トランジスタの第1端子と制御端子との間に接続された保持容量と、
第1端子が前記初期化用電源配線に接続され、制御端子が前記第4走査線に接続されたオフリークコントロールスイッチと、
第1端子が前記映像信号配線に接続され、第2端子が前記オフリークコントロールスイッチの第2端子に接続され、制御端子が前記第2走査線に接続され、前記映像信号配線から映像電圧信号を取り込み前記保持容量に保持する第1画素スイッチと、
第1端子が前記オフリークコントロールスイッチの第2端子に接続され、第2端子が前記駆動トランジスタの制御端子に接続され、制御端子が前記第3走査線に接続された第2画素スイッチと、を備え、
前記走査線駆動回路は、前記リセット電源配線毎に設けられ、第1端子がリセット電源に接続され、第2端子が前記リセット電源配線に接続され、制御端子が前記第5走査線に接続された複数のリセットスイッチと、
前記初期化用電源配線毎に設けられ、第1端子が初期化電源に接続され、第2端子が前記初期化用電源配線に接続され、制御端子が前記第6走査線に接続された複数の第1初期化スイッチと、
前記初期化用電源配線毎に設けられ、第1端子がオフリーク制御電源に接続され、第2端子が前記初期化用電源配線に接続され、制御端子が前記第7走査線に接続された複数の第2初期化スイッチを有する表示装置。
【請求項2】
前記第1初期化スイッチと前記第2初期化スイッチとは極性が異なるトランジスタで形成され、前記第1初期化スイッチの制御端子に接続された前記第6走査線と前記第2初期化スイッチの制御端子に接続された前記第7走査線とは共通である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記リセットスイッチの制御端子に接続された前記第5走査線と前記出力スイッチの制御端子に接続された前記第1走査線とは共通である請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記オフリークコントロールスイッチと第1画素スイッチとは極性が異なるトランジスタで形成され、前記オフリークコントロールスイッチの制御端子に接続された前記第4走査線と前記第1画素スイッチの制御端子に接続された前記第2走査線とは共通である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1初期化スイッチ、前記第2初期化スイッチ、および前記第2画素スイッチの制御端子に接続された前記第6走査線、前記第7走査線、および前記第3走査線は共通である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記出力スイッチは複数の前記画素部に共有されている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
複数の前記画素部は、各行に沿って交互に並んで設けられた赤表示用の画素部、緑表示用の画素部、青表示用の画素部を含み、
前記出力スイッチは、赤表示用の画素部、緑表示用の画素部、青表示用の画素部の3つの画素部に共有されている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記初期化用電源配線から前記駆動トランジスタの制御端子に初期化電位を印加し、前記リセット電源配線から前記駆動トランジスタの第1端子にリセット電位を印加して駆動トランジスタを初期化し、
前記駆動トランジスタの制御端子に前記映像信号配線から初期化電位を印加した状態で、前記高電位電圧電源から前記駆動トランジスタに電流を流し、
前記駆動トランジスタの制御端子に前記初期化用電源配線から初期化電位を印加した状態で、前記高電位電圧電源から前記駆動トランジスタに電流を流し、前記駆動トランジスタの閾値オフセットをキャンセルし、
前記映像信号配線から前記駆動トランジスタの制御端子に前記映像電圧信号を書き込むとともに、前記高電位電圧電源線から前記駆動トランジスタを通して前記低電位電圧電源線に電流を流し、
第2画素スイッチの第1端子にオフリーク制御電源からオフリーク制御電位を印加した状態で、前記高電位電圧電源線から前記駆動トランジスタを通して前記映像電圧信号に応じた駆動電流を前記表示素子に供給する、表示装置の駆動方法。
【請求項9】
1水平期間内に、前記信号線駆動回路から初期化用電圧信号、赤用映像電圧信号、緑用映像電圧信号、青用映像電圧信号を順次出力する請求項8項に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項10】
陰極が低電位電源配線に接続された発光素子と、ソース電極が高電位電源配線に接続された駆動トランジスタと、ソース電極が前記駆動トランジスタのドレイン電極に接続され、ドレイン電極が前記発光素子の陽極に接続された出力スイッチと、を含む画素回路と、前記画素回路の動作を制御する制御手段と、を備えた表示装置の駆動方法であって、
前記制御手段は、前記発光素子の発光期間を複数の期間に分割し、
複数の期間のそれぞれにおいて前記出力スイッチをオンおよびオフする動作を制御して前記発光素子の発光時間を制御し、
前記複数の期間数がブランキング期間を加えた1垂直期間内の全水平期間数とゲートライン数との公約数である表示装置の駆動方法。
【請求項11】
前記発光期間分割数の2倍の値は、ブランキング期間を加えた1垂直期間内の全水平期間数とゲートライン数との公約数でない請求項10記載の表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2011−145622(P2011−145622A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−8456(P2010−8456)
【出願日】平成22年1月18日(2010.1.18)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】