説明

表示装置および誘導灯

【課題】表示板の輝度が均一化された表示装置および誘導灯を提供することにある。
【解決手段】導光板5の各端面に対向配置された冷陰極ランプ(光源)4a,4b,4c,4dを点灯させる点灯装置7a、7bと、前面側に開口部を有し内部に点灯装置7a,7bを収納する装置本体2と、装置本体2の開口部側に設けられ冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dからの光を出射する表示板3とを備える。冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを装置本体2の上下方向の中心よりも上側と下側とのそれぞれに配置し、点灯装置7a,7bの中心が装置本体2の上下方向の中心よりも下側になるように点灯装置7a,7bを配設して、装置本体2の上下方向の中心よりも下側に配置された冷陰極ランプ4c,4dを点灯装置7a,7bから発生する熱で温めることにより表示板3の輝度を均一化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光源を点灯させて表示板に光を照射する表示装置および誘導灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、誘導灯などに代表されるバックライトを用いた表示装置には、導光板などの導光手段の端面から光を入射させ、端面と略直交する一面から光を出射させることで表示板に光を照射する導光方式が多く用いられている。この導光方式は、表示板の後面側で装置本体内に光源が配設される内照方式に比べて、装置全体を薄型化できるため、表示板の大型化に伴い、主流になりつつある。
【0003】
導光方式で大型の表示板に光を照射するには、大型の表示板と略同じ大きさの導光板の端面と略同じ長さの光源が必要となるが、誘導灯用の光源として多く用いられている冷陰ランプは、管電流が数mAと小さく管電圧が数100Vと高いため、光源を点灯させるために非常に高い始動電圧が必要となる。また、冷陰極ランプの管径が数mmと細いため、冷陰極ランプの交換作業には細心の注意が必要となる。このような背景から、図11に示すような、正面視形状が正方形状であって、一辺の長さが40cmの大型の誘導灯(消防法施行規則第28条の3及び消防法予245号(平成11年9月21日)に基づくA級〜C級の区別によるA級の誘導灯)1’として、一辺の長さが約20cmの中型の誘導灯(上述のA級〜C級の区別によるB級の誘導灯)に用いられる冷陰極ランプ4a,4bと点灯装置(図示せず)を流用し、表示パターン(避難口へ誘導するためのシンボル)32が形成された表示板3の後面側に配設される導光板(図示せず)の上端面に沿って、2本の冷陰極ランプ4a,4bを直線上に配置し、各冷陰極ランプ4a,4bから図11に示す矢印方向に光が照射されるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、冷陰極ランプ4a,4bは、長手方向の両端に電極が存在し、電極付近は発光に寄与しないため、図11に示すように、2本の冷陰極ランプ4a,4bを直線上に配置した誘導灯1’では、冷陰極ランプ4a,4bの電極同士が隣接する領域において導光板の上端面の中央部へ入射する光が少なくなるので、表示板3の上端部の中央部付近に他の部分に比べて暗い部分8が生じ、表示板3に輝度ムラが発生するという課題があった。
【0005】
このような課題を解決する手段として、導光板の複数の端面それぞれに光源を対向配置する技術(例えば、特許文献2参照)を利用して、図12に示すように、表示パターン32が形成された表示板3の後面側に設けられた導光板(図示せず)の各端面それぞれに対向して冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを1本ずつ配置した誘導灯1’が提案されている。この図12に示した構成の誘導灯1’では、導光板の各端面に対向配置された冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dからの光が図12に示す矢印方向に照射されて、導光板内で90度ずつ交差し、導光板の各端面それぞれの中央部は他の冷陰極ランプ4b,4d,4a,4cからの光が照射されるので、表示板3に上述のような暗い部分8(図11参照)が生じるのを防ぐことができる。
【特許文献1】特開2001−266631号公報
【特許文献2】特開平7−201215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図12に示した構成の誘導灯1’では、導光板の各端面に冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを対向配置しているため、各冷陰極ランプ4a,4b,4c,4d間で管壁温度に差が生じる。一般的に、熱は上方に移動するため、図12に示した誘導灯1’では、装置本体(図示せず)内に収納されている点灯装置(図示せず)などからの発熱の煽りを受けて、装置本体の上側に配置された冷陰極ランプ4a,4bほど管壁温度が高くなりやすい。冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの光出力は、図13に示すような温度特性を有する場合が一般的であり、例えば、図12の誘導灯1’において、上側に配置された冷陰極ランプ4a,4bが図13におけるa点、下側に配置された冷陰極ランプ4c,4dが図13におけるb点のような動作点で点灯すると、表示板3の輝度が、上端部側ほど高く、下端部側ほど低くなってしまう。
【0007】
本願発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、表示板の輝度が均一化された表示装置および誘導灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、光源を点灯させる点灯装置と、前面側に開口部を有し内部に点灯装置を収納する装置本体と、装置本体の開口部側に設けられ光源からの光を出射する表示板とを備え、装置本体の上下方向の中心よりも上側と下側とのそれぞれに光源を配置し、装置本体の上下方向の中心よりも下側に配置された光源付近に点灯装置を配設してなることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、点灯装置からの発する熱によって導光板の上下方向の中心よりも下側に配置された光源を温めることで、各光源間での管壁温度差が小さくなり、各光源間の光出力差が小さくなるので、表示板の輝度が均一化された表示装置を提供することが可能となる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記光源が線状光源であって、前記点灯装置は、複数の発熱部品を有し、これらの発熱部品が前記装置本体の前記下側に配設された前記光源の長手方向に沿って並設されてなることを特徴とする。
【0011】
この発明によれば、前記点灯装置の複数の発熱部品を前記光源である線状光源の長手方向に沿って並設することによって、前記点灯装置によって前記光源を効率良く温めることができるので、前記表示板の輝度をより均一化することが可能となる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、前記点灯装置が有する複数の発熱部品は、前記点灯装置内において前記光源寄りに配設されてなることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、前記点灯装置の発熱部品を、前記点灯装置内において前記光源寄りに配設することによって、更に効率よく前記光源を温めることができるので、前記点灯装置の形状の制約が少なくなる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の表示装置と、商用電源の停電時には非常用電源によって前記光源を点灯させる非常用点灯装置とを備え、前記表示板が避難口もしくは避難方向を示すものであることを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、前記表示板の輝度が均一化され、デザイン性に優れた高付加価値な誘導灯を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、点灯装置から発する熱によって導光板の中心より下側に配置された光源を温めることで、各光源間での管壁温度差を少なくし、各光源間での光出力差を小さくなるので、表示板の輝度が均一化された表示装置を提供することが可能となるという効果がある。
【0017】
請求項4の発明によれば、表示板の輝度が均一化され、デザイン性に優れた高付加価値な誘導灯を提供することが可能となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(実施形態1)
以下、本実施形態の表示装置1について、図1(a),(b)に基づいて説明する。
【0019】
本実施形態の表示装置1では、前面側に開口部を有する直方体状の装置本体2と、装置本体2の前面側に配設される矩形状(本実施形態では、正方形状)の表示板3とを有し、表示板3には表示パターン32が形成されており、表示板3が避難口もしくは避難方向を示すようになっている。また、表示板3の後面側には表示板3と略同じ大きさの矩形状(本実施形態では、正方形状)の導光板5が設けられ、導光板5の各端面それぞれに、光源である冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dが対向配置されている。なお、本実施形態では、各冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dそれぞれが線状光源を構成している。
【0020】
装置本体2内には、図1(a)における右側の2本の冷陰極ランプ4a,4cを点灯させる点灯装置7aと、左側の2つの冷陰極ランプ4b,4dを点灯させる点灯装置7bとが収納されている。なお、点灯装置7a,7bは、インバータ等の電子回路により構成されている。
【0021】
また、装置本体2の開口部付近には、各冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dが接続されるソケット6が2個ずつ設けられており、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dがソケット6,6,・・・,6に接続されることで点灯装置7a,7bと冷陰極ランプ4a,4c、4b,4dとが電気的に接続されている。なお、図1(b)では、各点灯装置7a,7bがそれぞれ2本の冷陰極ランプ4a,4c、4b,4dを点灯させる例を示したが、例えば、点灯装置7aが3本の冷陰極ランプ4a,4b,4cを点灯させ、点灯装置7bが1本の冷陰極ランプ4dを点灯させるようにしてもよい。
【0022】
また、本実施形態では、点灯装置7a,7bと冷陰極ランプ4a,4c,4b,4dとを接続するためにソケット6,6,・・・,6を用いているが、点灯装置7a,7bと冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dとを電気的に接続できるのであれば、例えば、中継コネクタ等を使ってリード線で接続してもよい。中継コネクタ等を使ってリード線で接続する場合、リード線の配線処理方法や、点灯装置7a,7bのリード線接続位置などは限定しない。
【0023】
また、装置本体2への導光板5の取り付け方法は、特に限定されるものではなく、例えば、装置本体2へ導光板5を取り付けた後に冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを導光板5の各端面に対向配置しても良いし、予め導光板5の各端面に冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを対向配置したランプユニットを装置本体2へ取り付けても良い。また、導光板5への表示板3の取り付け方法も、特に限定されるものではない。
【0024】
本実施形態では、図1(b)に示すように、点灯装置7a,7bの上端が装置本体2の上下方向の中心よりも下側になるように点灯装置7a,7bが配設されている。
【0025】
ところで、図12に示した大型の誘導灯1’では、上述のように、装置本体(図示せず)の上下方向の中心より上側に冷陰極ランプ4a,4bが配置され、下側に冷陰極ランプ4c,4dが配置されており、装置本体内で発生した熱は、装置本体の上端側へ移動するため、装置本体の上端側ほど温度が高く、下端側ほど温度が低くなり、装置本体内に温度勾配が生じる。すると、この温度勾配によって、各冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの管壁温度に差が生じる。具体的には、冷陰極ランプ4a,4bの管壁温度が、冷陰極ランプ4c,4dの管壁温度よりも相対的に高くなり、実験の結果、冷陰極ランプ4aと冷陰極ランプ4dとの管壁温度差は3℃〜5℃であった。また、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの光出力は、図13に示すような温度特性を示すのが一般的であり、例えば、図13において、冷陰極ランプ4aと冷陰極ランプ4bがa点、冷陰極ランプ4cと冷陰極ランプ4dがb点のような動作点で点灯する場合、表示板3の輝度は、冷陰極ランプ4a,4bに近い表示板3の上側ほど高く、冷陰極ランプ4c,4dに近い表示板3の下側ほど低くなり、表示板3内で輝度ムラが生じてしまう。
【0026】
これに対して、本実施形態では、点灯装置7a,7bの上端が装置本体2の上下方向の中心よりも下側になるように点灯装置7a,7bを配設することにより、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを点灯させる際に、点灯装置7a、7bが発する熱を利用して、管壁温度が相対的に低い冷陰極ランプ4c,4dを温めることで、冷陰極ランプ4a,4bと冷陰極ランプ4c,4dとの管壁温度の差を小さくする。すると、導光板5の上下方向の中心よりも上側にある冷陰極ランプ4a,4bが図13におけるa点、導光板5の上下方向の中心よりも下側にある冷陰極ランプ4c,4dが図13におけるb点の動作点で点灯している場合、冷陰極ランプ4c,4dの動作点をa点に近づけることにより、全て(ここでは、4本)の冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの管壁温度を略揃えることができ、各冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの光出力が略同じになるので、表示板3の輝度を均一化することが可能となる。
【0027】
また、装置本体2の構造によっては、冷陰極ランプ4a,4bが図13におけるc点、冷陰極ランプ4c,4dが図13におけるa点で動作するような場合もあるが、このような場合でも、冷陰極ランプ4c,4dを点灯装置7a,7bから発した熱で温めて、冷陰極ランプ4c,4dの動作点をc点に近づけることにより、全4本の冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの管壁温度を略揃え、全4本の冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの光出力を略同じにすることができるので、表示板3の輝度を均一化することが可能となる。なお、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの管壁温度の絶対値は特に限定するものではない。
【0028】
次に、本実施形態における点灯装置7a,7bと冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dとの位置関係について具体例を挙げて説明する。図2は、点灯装置7bと冷陰極ランプ4dとの位置関係を示す。点灯装置7bと冷陰極ランプ4dとの距離L2を、冷陰極ランプ4dの長さL1に比べて十分小さくすることにより、本実施形態の効果が十分に得られる。なお、本実施形態の表示装置1は、表示板3および導光板5の大きさを大型の誘導灯1’と同じ大きさに設定し、各冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dとして中型の誘導灯(図示せず)で用いられている冷陰極ランプ(図示せず)を用いており、冷陰極ランプ4dは、長さL1が約20cmであるので、L2は概ねその半分の10cm以下とすることが望ましい。また、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dは、導光板5の各端面で導光板5の一つの外周方向に沿った方向の一端側に偏らせて配置されている。
【0029】
また、本実施形態では光源として冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dに代表される放電灯を用いることを前提に説明したが、LEDを用いてもよく、図13に示すような光出力の温度特性を有するものであれば同様の効果が得られる。
【0030】
なお、本実施形態では、導光板5の各端面それぞれに冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを対向配置する場合の例で説明したが、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの配置はこれに限定されるものではなく、例えば、図3に示すように、導光板(図示せず)の上端面に2本の冷陰極ランプ4a,4bを装置本体2の左右方向に沿って配置し、導光板(図示せず)の左右両端面それぞれの下側に1本ずつ冷陰極ランプ4c,4dを配置するものでも良い。また、図4に示すように、導光板(図示せず)の右端面に2本の冷陰極ランプ4a,4cを装置本体2の上下方向に沿って配置し、導光板(図示せず)の左端面に2本の冷陰極ランプ4b,4dを装置本体2の上下方向に沿って配置するものであっても良い。
【0031】
(実施形態2)
ところで、図1(a),(b)に示した実施形態1の表示装置1では、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの管壁温度をフィードバックして点灯装置7a,7bの発熱量をコントロールするのではなく、点灯装置7a,7bから発する熱で、装置本体2の上下方向の中心よりも下側に配置された冷陰極ランプ4c,4dを温めることに特徴がある。即ち、実施形態1では、点灯装置7a,7bと冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dとの位置関係を適切に設定することにより装置本体2の上下方向の中心よりも下側にある冷陰極ランプ4c,4dの管壁温度を調節することになる特徴がある。
【0032】
しかし、点灯装置7a,7bから発した熱は主に上方へ移動し、下方や側方へは伝わりにくいため、点灯装置7a,7bと冷陰極ランプ4c,4dと間の距離が離れすぎると十分な効果が得られない場合がある。
【0033】
これに対し、本実施形態の表示装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、図5に示すように、点灯装置7a,7bの形状などが異なる。なお、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
点灯装置7aは、図6に示すように、商用電源ACを降圧するコンバータからなる電源回路11と、電源回路11の出力電圧を高圧の高周波電圧に変換して冷陰極ランプ4a,4cへ供給するインバータからなる点灯回路12とから構成される(なお、点灯装置7bの構成は点灯装置7aの構成と同じである)。一般的に、電子部品の中で発熱部品と称されるのは、主に抵抗と巻線部品と半導体素子であるが、点灯装置7a,7bにおける発熱部品としては、電源回路11のスイッチング素子11aとトランス11bとダイオード11c、および点灯回路12のスイッチング素子12a,12aとトランス12bとが挙げられる。上述の電源回路11および点灯回路12に含まれる複数の発熱部品11a〜11c,12a,12a,12bは、図5に示すように、装置本体2の上下方向の中心よりも下側にある冷陰極ランプ4c,4dの長手方向に沿って並設されている。なお、点灯装置7a,7bには商用電源ACからの電源線71が接続されている。
【0035】
しかして、本実施形態の表示装置は、点灯装置7a,7bの複数の発熱部品11a〜11c,12a,12a,12bを、図5に示すように、装置本体2の上下方向の中心よりも下側にある冷陰極ランプ4c,4dの長手方向に沿って並設してあるので、効率よく冷陰極ランプ4c,4dを温めることが可能となる。
【0036】
また、本実施形態の表示装置では、図5に示すように、点灯装置7a,7bの形状が細長く、点灯装置7a,7bの上端を装置本体2の上下方向の中心よりも下側にすることが困難な場合でも、輝度ムラを防止する効果を得ることが可能である。
【0037】
(実施形態3)
ところで、上述の実施形態2では、冷陰極ランプ4c,4dをより効率よく温めるために、点灯装置7a,7bの複数の発熱部品11a〜11c,12a,12a,12bが冷陰極ランプ4c,4dの長手方向に沿って並設された例を説明したが、点灯装置7a,7bの長手方向の寸法が冷陰極ランプ4c,4dの長さに対して短い場合は、冷陰極ランプ4c,4d全体を効率よく温めることが難しくなる。
【0038】
これに対して、本実施形態の表示装置の基本構成は実施形態2と略同じであり、図7に示すように、点灯装置7a,7bの形状および複数の発熱部品11a〜11c,12a,12a,12bの配置が異なる。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
点灯装置7a,7bの複数の発熱部品11a〜11c,12a,12a,12bは、点灯装置7a,7b内で冷陰極ランプ4c,4d寄りになるように配設されている。
【0040】
しかして、本実施形態では、複数の発熱部品11a〜11c,12a,12a,12bが、点灯装置7a,7b内で冷陰極ランプ4c,4d寄りに配設されることで、点灯装置7a,7bの長手方向の寸法が冷陰極ランプ4c,4dの長さ寸法より短くても、冷陰極ランプ4c,4dの管壁温度が最も低い中央部付近を効率良く温めることが可能となるので、点灯装置7a,7bの形状の制約が少なくなり、設計の自由度を高めることが可能となる。
【0041】
(実施形態4)
本実施形態では、実施形態1で説明した表示装置1に対して、図8に示すように、非常用電源として内蔵電池(二次電池)E1a,E1bを内蔵して大型の誘導灯(A級誘導灯)を構成した例について説明する。本実施形態の誘導灯の基本構成は実施形態1の表示装置1と略同じであり、商用電源ACの停電時に内蔵電池E1a,E1bから点灯装置7a,7bに電力を供給する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
本実施形態の誘導灯は、図9に示す回路構成を有しており、常用点灯時は、電源回路11と点灯回路12との間に接続されたスイッチS1がオンし、内蔵電池E1aと点灯回路12との間に接続されたスイッチS2がオフしているので、商用電源ACからの電力供給を受ける電源回路11から点灯回路12に電力が供給され、点灯回路12に接続された2本の冷陰極ランプ4a,4cを点灯させる。ここで、常用点灯時、内蔵電池E1aは充電回路13を介して電源回路11によって充電される。そして、商用電源ACの停電時などの非常時には、上述のスイッチS2がオン、上述のスイッチS1がオフとなることで、非常用点灯装置が構成され、商用電源ACに代わり内蔵電池E1aから点灯回路12に電力が供給され、冷陰極ランプ4a,4cを点灯させる。また、図9には、冷陰極ランプ4a,4cを点灯させる回路について説明したが、冷陰極ランプ4b,4d点灯させる回路は、図9と略同じで内蔵電池E1bを使用する点のみが異なり、動作は上述と同じであるので説明は省略する。なお、上述の非常用点灯装置とは、内蔵電池E1aと点灯回路12とから構成されるものをいう。
【0043】
ここで、内蔵電池E1a,E1bの配置は特に限定されるものではない。なお、誘導灯の技術基準は、日本照明器具工業会で定められており、表示板3(図1(a)参照)の平均輝度や輝度対比などに対しては、下限値のみならず上限値も規格が定められている。
【0044】
ところで、商用電源ACの停電時に非常用電源によって冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを点灯させる誘導灯では、非常点灯時の表示板3の輝度の規格値は、常用点灯時の表示板3の輝度よりも低い規格値に設定されているため、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dを調光点灯させる必要がある。従って、図12に示した従来の大型の誘導灯1’では、非常点灯時の冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの管壁温度は、常用点灯時よりも低くなるため、例えば、常用点灯時には図13におけるa点で点灯していた場合、非常点灯時はこれより低温側のb点などで点灯することになる。しかしながら、図13に示すように管壁温度の変化に対する光出力の変動率(温度特性曲線の傾き)は、a点よりもb点の方が大きいため、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4d間で管壁温度に差があると、常用点灯時よりも非常点灯時の方が、冷陰極ランプ4a,4b,4c,4d間の光出力のばらつきが大きくなり、表示板3の輝度ムラとして顕著に現れやすくなる。一方、常用点灯時には図13におけるc点で点灯し、非常点灯時には図13におけるa点で点灯する場合には、非常点灯時よりも常用点灯時の方が、表示板3の輝度ムラがより顕著に現れやすくなる。即ち、調光レベルが異なる常用点灯と非常点灯の2つの点灯モードがあるので、少なくともどちらかの点灯モードは、管壁温度の変化に対して光出力が変動しやすい領域で点灯することとなる。
【0045】
この点、本実施形態では、上述のような常用点灯と非常点灯の2つの点灯モードがある誘導灯において、常用点灯時および非常点灯時のいずれにおいても各冷陰極ランプ4a,4b,4c,4dの管壁温度差を小さくすることにより、表示板3の輝度を均一化することができるので有利である。更に、表示板3の輝度の均一化を図ることにより、表示板3のデザイン性を向上させ、誘導灯の商品価値を高めることを可能とする点でも有利である。
【0046】
また、本実施形態の誘導灯は図10に示すような回路構成を有するものであってもよい。この場合、非常用電源として装置本体2とは独立に別の場所に設置された別置電源E2を使用する場合の回路を示す。常用点灯時は、商用電源ACからの電力供給を受ける電源回路11から点灯回路12に電力が供給され、点灯回路12に接続された冷陰極ランプ4a、4cを点灯させる。そして、商用電源ACの停電時などの非常点灯時には、商用電源ACに代わり別置電源E2が電源回路11に接続されて非常用点灯装置を構成し、別置電源E2から電源回路11に電力が供給される。また、図10には、冷陰極ランプ4a,4cを点灯させる本実施形態の回路図を示して説明したが、冷陰極ランプ4b,4d点灯させる本実施形態の回路図は、図10と略同じで内蔵電池E1bが異なるのみであり、動作は上述と同じであるので説明は省略する。なお、上述の非常用点灯装置とは、別置電源E2と点灯回路12とから構成されるものをいう。
【0047】
なお、上述の実施形態2,3の表示装置1に本実施形態と同様の非常用電源などを追加して誘導灯を構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】実施形態1を示し、(a)は概略分解斜視図、(b)は要部概略正面図である。
【図2】同上の要部説明図である。
【図3】同上の他の構成例の要部概略正面図である。
【図4】同上の他の構成例の要部概略正面図である。
【図5】実施形態2を示す要部概略正面図である。
【図6】同上における点灯装置の回路図である。
【図7】実施形態3を示す要部概略正面図である。
【図8】実施形態4を示す要部概略正面図である
【図9】同上における点灯装置の回路図である。
【図10】同上における点灯装置の回路図である。
【図11】従来例を示す概略構成図である。
【図12】他の従来例を示す概略構成図である。
【図13】冷陰極ランプの光出力の温度特性説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 表示装置
2 装置本体
3 表示板
4a,4b,4c,4d 冷陰極ランプ(光源)
5 導光板
6 ソケット
7a,7b 点灯装置
11a スイッチング素子(発熱部品)
11b トランス(発熱部品)
11c ダイオード(発熱部品)
12a スイッチング素子(発熱部品)
12b トランス(発熱部品)
E1a,E1b 内蔵電池(非常用電源)
E2 別置電源(非常用電源)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を点灯させる点灯装置と、前面側に開口部を有し内部に点灯装置を収納する装置本体と、装置本体の開口部側に設けられ光源からの光を出射する表示板とを備え、装置本体の上下方向の中心よりも上側と下側とのそれぞれに光源を配置し、装置本体の上下方向の中心よりも下側に配置された光源付近に点灯装置を配設してなることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記光源が線状光源であって、前記点灯装置は、複数の発熱部品を有し、これらの発熱部品が前記装置本体の前記下側に配置された前記光源の長手方向に沿って並設されてなることを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記点灯装置が有する複数の発熱部品は、前記点灯装置内において前記光源寄りに配設されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の表示装置と、商用電源の停電時には非常用電源によって前記光源を点灯させる非常用点灯装置とを備え、前記表示板が避難口もしくは避難方向を示すものであることを特徴とする誘導灯。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−54485(P2009−54485A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−221799(P2007−221799)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】