説明

表示装置および電子機器

【課題】実用的な手書き入力を可能にする表示装置を提供する事。
【解決手段】表示装置2は、複数の画素を有する表示領域21と、第一光学材料と第二光学材料とを備え、第一光学材料と第二光学材料とは、第一波長域の光33に対して互いに異なった反射率を有し、第一光学材料と第二光学材料とは、共に第二波長域の光を透過し、第二光学材料は表示領域21の上に積層され、第一光学材料は第二光学材料の上に部分的に積層される事で、符号を為している。第二波長域の光で表示装置2を機能させ、第一波長域の光33で符号を読ませる事ができるので、各種の光学ノイズに対する符号からシグナルの比を大きく取れ、それ故に符号の読み取りが極めて容易となり、表示装置2に対し、実用的な手書き入力を行う事が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および当該表示装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表示装置は、例えば特許文献1に記載されている様に、表示装置の表面に微小な符号が複数個配置されており、これらの符号が表示装置上での座標を表していた。符号は赤外線に対して反射する材質にて形成されていた。この表示装置に手書き入力する場合、赤外線光源と赤外線カメラとを備えたペンを用いて、表示装置の表面をなぞっていた。この際にペンからは赤外線が発せられ、赤外線は符号にて反射するので、赤外線カメラがこれらの符号を読み取り、ペンの位置を特定する事で、手書き入力を可能としていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−82771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の表示装置では、電気光学層などの表示装置の構成部材が赤外線を強く反射する為に、符号で反射する赤外線を読み取りにくいという課題があった。加えて、バックライトユニットなどの照明器具を備える表示装置や自発光型の表示装置では、照明器具や自発光型の表示装置それ自体が赤外線を放出するので、バックグラウンドノイズが大きく、符号を殆ど読み取れないという課題があった。換言すれば、従来の表示装置は、各種ノイズに対する符号からのシグナルの比が小さく、その為に符号の読み取りが極めて困難であり、表示装置に対し、実用的な手書き入力が行いがたいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決する為になされたものであり、以下の形態又は適用例として実現する事が可能である。
【0006】
(適用例1) 本適用例に係わる表示装置は、複数の画素を有する表示領域と、第一光学材料と第二光学材料とを備え、第一光学材料と第二光学材料とは、第一波長域の光に対して異なった反射率を有し、第一光学材料と第二光学材料とは、共に第二波長域の光を透過し、第二光学材料は表示領域の上に積層され、第一光学材料は第二光学材料の上に部分的に積層される事で、符号を為している事を特徴とする。
この構成によれば、第二波長域の光で表示装置を機能させ、第一波長域の光で符号を読ませる事ができるので、表示特性を損なう事無く、各種の光学ノイズに対する符号からのシグナルの比を大きく取れる。即ち、容易な符号の読み取りと良好な表示特性とを両立させ、表示装置に対し、実用的な手書き入力を行う事が可能となる。
【0007】
(適用例2) 上記適用例に係わる表示装置において、第一波長域は、表示装置の分光表示特性の主たる波長以外の波長域にあり、第二波長域は、主たる波長を含有する事が好ましい。
この構成によれば、第一波長域を人間が視認しがたい波長の光とし、第二波長域を人間が視認しやすい波長の光とするので、符号を人に知覚され難くする事でき、事実上、表示特性に殆ど影響を与えることなく、表示装置に符号を割り振る事ができる。
【0008】
(適用例3) 上記適用例に係わる表示装置において、第一波長域は、主たる波長よりも短波長域にある事が好ましい。
この構成によれば、第一波長域の光と、表示装置が機能している光及びバックグラウンド光、とを容易に分離し、更に短波長域の光を用いて符号を読み取るので、各種の光学ノイズに対する符号からシグナルの比を大きく取る事ができる。
【0009】
(適用例4) 上記適用例に係わる表示装置において、第一波長域は紫外光波長域であり、第二波長域は可視光波長域である事が好ましい。
この構成によれば、紫外光を用いて符号を読み取るので、表示特性に悪影響を与える事無く、高い信頼度で符号を読み取る事ができる。
【0010】
(適用例5) 上記適用例に係わる表示装置において、第一光学材料の第一波長域の光に対する反射率は、第二光学材料の第一波長域の光に対する反射率よりも大きい事が好ましい。
この構成によれば、第一波長域の光に対する反射率が第一光学材料と第二光学材料とで異なるので、符号を容易に読み取る事ができる。
【0011】
(適用例6) 上記適用例に係わる表示装置において、第一光学材料は、金属酸化物の微粒子を含んでいる事が好ましい。
この構成によれば、金属酸化物の微粒子を含んだインクを印刷するだけで符号を形成するので、簡単な製造工程で表示装置を作製できる。
【0012】
(適用例7) 上記適用例に係わる表示装置において、金属酸化物は、酸化チタン又は酸化亜鉛である事が好ましい。
この構成によれば、安全性が高く入手も取り扱いも容易な材料にて符号を形成するので、簡単な製造工程で表示装置を作製できる。
【0013】
(適用例8) 上記適用例に係わる表示装置において、第一光学材料は、誘電体多層膜である事が好ましい。
この構成によれば、安全性が高く入手も取り扱いも容易な材料にて符号を形成するので、簡単な製造工程で表示装置を作製できる。
【0014】
(適用例9) 上記適用例に係わる表示装置において、第二光学材料の第一波長域の光に対する透過率は3%未満である事が好ましい。
この構成によれば、第二光学材料を透過して来る第一波長域の光が殆ど存在しないので、符号を容易に読み取る事ができる。
【0015】
(適用例10) 上記適用例に係わる表示装置において、第二光学材料は、偏光板である事が好ましい。
偏光板は液晶ディスプレイや有機EL表示装置にて日常的に使用される部材であるが、この構成によれば、第二光学材料をこの偏光板で兼用するので、新たな部材を追加することなく、第一波長域の光で読み取りやすい符号を形成できる。
【0016】
(適用例11) 上記適用例に係わる表示装置において、第二光学材料は、樹脂を含む材料である事が好ましい。
電気泳動表示装置やエレクトロクロミック表示装置など、通常の表示装置は大抵保護板を表示装置の表面に保有する。この構成によれば、保護板に樹脂を含む材料を用いて、第二光学材料を兼用させるので、新たな部材を追加することなく、第一波長域の光で読み取りやすい符号を形成できる。
【0017】
(適用例12) 本適用例に係わる電子機器は、上記適用例に係わる表示装置と、電子ペンとを備え、電子ペンは、符号を照明する照明手段と、符号からの反射光を撮像する撮像手段と、を有する事を特徴とする。
この構成によれば、電子ペンを用いて符号を読み取れるので、表示装置への実用的な手書き入力手段を備えた電子機器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態1に係わる電子機器を模式的に示す斜視外観図。
【図2】実施形態1に係わる表示装置を模式的に示す断面図。
【図3】実施形態1の原理を説明する図で、(a)は断面図、(b)は平面図。
【図4】実施形態1に係わる表示装置の標準比視感度曲線を示す図。
【図5】実施形態1のカラー液晶ディスプレイを構成する部材の分光特性を示す図。
【図6】(a);第一光学材料の分光特性を示す図、(b);第二光学材料の分光特性を示す図。
【図7】実施形態1で用いられる符号を示した平面図。
【図8】実施形態1で用いられる電子ペンの構造を描いた断面図。
【図9】(a);電子ペンの照明手段が有する光学特性を示す図、(b);バックライトが有する光学特性を示す図。
【図10】電子ペンの機能構成を示す図。
【図11】位置検出部の機能構成を示す図。
【図12】電子ペンのハードウェア構成を示すブロック図。
【図13】実施形態2に係わる表示装置を模式的に示す断面図。
【図14】変形例1の原理を説明する図で、(a)は断面図、(b)は平面図。
【図15】変形例2に係わる第一光学材料の分光特性を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。尚、以下の図面においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとする為、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0020】
(実施形態1)
「表示装置の概要」
図1は、本実施形態に係わる電子機器を模式的に示す斜視外観図である。以下、図1を用いて、まず電子機器の概要を説明する。
【0021】
本実施形態に係わる電子機器1は、表示装置2と電子ペン3とを有する。表示装置2は、複数の画素を有して情報を表示する表示領域21と、この表示装置2を操作する操作ボタン22とを備える。表示領域21の表面には微小な符号が形成されており(図7参照)、この符号が表示面での座標を表す。電子ペン3は外観視が通常のペンと同じ形状で、円筒部31が使用者に把持される。電子ペン3と表示装置2とは無線通信により接続されている。電子ペン3の先端部32が表示領域21をなぞると、電子ペン3は表示領域21に設けられた符号を読み取り、その座標情報は、電子ペン3から表示装置2に転送される。表示装置2は送られて来た座標情報に基づき、電子ペン3の先端が描いた軌跡を表示領域21に表示し、電子機器1への手書き入力がなされる。
【0022】
符号は、第一光学材料と第二光学材料とから構成される。第二光学材料が表示領域21の上に積層され、更に第二光学材料の上に第一光学材料が部分的に積層されて、符号となっている。第一光学材料と第二光学材料とは、紫外光などの第一波長域の光に対して互いに異なった反射率を有するので、紫外光により符号と認識される。加えて、第一光学材料も第二光学材料も、共に可視光域にある第二波長域の光を透過するので、表示特性は殆ど影響を受けず、使用者にも符号は視認され難い。こうして、優れた表示性能を持ち、同時に手書き入力も正確に行われる電子機器1が実現する。
【0023】
「断面構造及び原理」
図2は、本実施形態に係わる表示装置を模式的に示す断面図である。又、図3は本実施形態の原理を説明する図で、(a)は断面図、(b)は平面図である。以下、図2及び図3を参照して、断面構造と基本原理とを説明する。
【0024】
図2に示す様に、表示装置2は、アクティブマトリックス方式のTFTカラー液晶ディスプレイである。この液晶ディスプレイは、複数の液晶セルで構成される画素(不図示)より成り、上下二枚のガラス基板の間に液晶251が挟持されている。下側ガラス基板23には、液晶251の駆動素子である薄膜トランジスター(TFT)231と、これに接続する不図示の画素電極とが形成されている。一方、上側ガラス基板24の、下側ガラス基板23と対向する面には、RGBの各色で構成されたカラーフィルター241と、各色の境界部を遮蔽する遮蔽部材であるブラックマトリックス243と、不図示の共通電極とが形成されている。液晶251は下側ガラス基板23に形成された画素電極と上側ガラス基板24に形成された共通電極とで挟まれる形で、上下二枚の基板間に配置されている。更に、それぞれのガラス基板の外側の面には、偏光板が貼付されている。即ち、下側ガラス基板23の外側には下偏光板27が設けられ、上側ガラス基板24の外側には上偏光板26が設けられている。又、上偏光板26の外側(上)には部分的に酸化チタンの微粒子28が配置されている。一方、下偏光板27の外側(下)にはバックライトユニット29が設けられている。
【0025】
この様にRGBのいずれかを表示する画素が表示領域21に多数形成されている。各画素は薄膜トランジスター231によって制御され、これにより液晶251の偏光性は画素毎に変調され、この液晶ディスプレイに文字や画像など、所望の情報が表示される。又、上偏光板26の外側に配置された酸化チタンの微粒子28は、上偏光板26と共に符号をなし、表示領域21での座標情報を示している。
【0026】
次に、図3を参照して、符号の詳細及び原理を説明する。図3(a)に示す様に、符号は表示領域21の上に積層された第二光学材料と、更にその上に部分的に積層された第一光学材料とから成る。第一光学材料は、第一波長域の光33を反射したり、或いは散乱させさせたりする機能を有する部材で、一例としては、金属酸化物の微粒子28である。金属酸化物とは、具体的には、酸化チタンで有るが、この他に酸化亜鉛も使用することが出来る。第二光学材料は、第一波長域の光33を吸収する機能を有する部材で、ここでは、上偏光板26である。第一光学材料(金属酸化物の微粒子28)の第一波長域の光33に対する反射率は、第二光学材料(上偏光板26)の第一波長域の光33に対する反射率よりも大きいので、第一波長域の光33を表示装置2の表面に照射する事で、図3(b)の平面図に示される様に、コントラストの相違が生じ、符号を読み取れる様になる。第一波長域の光33の一例は紫外線である。更に、第二光学材料(上偏光板26)の第一波長域の光33(紫外線)に対する透過率を3%未満とする。こうするとバックライトユニット29など下側から来る第一波長域の光33(紫外線)を、第二光学材料(上偏光板26)が殆ど遮断し、符号を容易に認識できる様になる。
【0027】
第一光学材料に酸化チタンの微粒子28を使用する場合、酸化チタンの光触媒活性を抑制する為に、各種酸化物にて微粒子28の表面を処理しても良い。具体的には、ヒ素酸化物やアンチモン酸化物、ビスマス酸化物、アルミ酸化物、ケイ素酸化物、ゲルマニウム酸化物、ホウ素酸化物、テルル酸化物、ポロニウム酸化物、などの金属乃至は半金属(メタロイド)の酸化物が表面処理に使用される。表面処理に最適な酸化物としては、シリカやアルミナが挙げられるが、化学的な安定性からも、表面処理の容易性からも、シリカで酸化チタンの表面を処理するのが最も好ましい。酸化チタン微粒子28の平均粒子径は、10nmから100nmである。
【0028】
酸化チタン乃至は酸化亜鉛の微粒子28はインクとされて、第二光学材料の上に印刷される。このインクは酸化チタン乃至は酸化亜鉛の微粒子28を樹脂組成物に分散した塗料である。樹脂組成物はバインダー樹脂と有機溶剤とを含んでおり、必要に応じて可塑剤や分散剤等の添加剤も含まれる。バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等が用いられ、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又はこれらから選択した二種以上の混合物等が使用される。有機溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールやノルマルプロピルアルコール等のアルコール類、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテート等のエステル類、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチレングリコールメチルエーテルやテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエンやキシレン等の芳香族類、ハロゲン化炭化水素類等の溶剤、及びそれらの混合溶剤が用いられる。こうした樹脂組成物に金属酸化物の微粒子28を公知の方法で均一に分散混練して均質化する事でインクが得られる。可塑剤や分散剤等の添加剤は、本発明の目的を妨げない範囲において適宜、添加する事ができる。例えば、樹脂組成物中で酸化チタンの微粒子28の分散性を向上させる為に、酸化チタン表面を飽和脂肪酸や脂肪酸エステルなどの有機物で処理して新和性を高めてもよい。
【0029】
上偏光板26は染色された偏光素子と支持体により構成され、支持体には例えばトリ・アセチル・セルロース(TAC;Tri Acetyl Cellulose)が用いられる。TAC層は、紫外線を吸収し、可視光を透過する光学特性を有している。
【0030】
尚、第二光学材料が表示領域21に積層されるとは、上側ガラス基板24に第二光学材料が直接重ねられる場合も、両者が離間していて両者間に空間や別材料が挟まれている場合も含む。同様に、第一光学材料が第二光学材料に積層されているとは、両光学材料が直接重ねられている場合と、これらの光学材料間に空間や別材料が挟まれている場合とを含む。
【0031】
本実施形態では透過型の液晶ディスプレイを表示装置2の一例とした為に、下偏光板27を設けたが、反射型の液晶ディスプレイにも本実施形態を適応でき、その際には下偏光板27は不要となる。又、共通電極は上側ガラス基板24に設けられたが、これを下側ガラス基板23に設けてインプレーンスイッチ型の液晶ディスプレイとしても良い。更には、液晶ディスプレイはアクティブマトリックス型に限らず、パッシブマトリックス型で有っても構わない。更に、表示装置2は液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイであっても良い。有機ELディスプレイでは外光反射を抑制してコントラストを高める為に発光面側に円偏光板を取り付ける場合があるが、その場合は、この円偏光板が第二光学材料に相当する。
【0032】
「光学材料の光学特性」
図4は、明所視標準比視感度曲線である。図5は、本実施形態の表示装置であるカラー液晶ディスプレイを構成する部材の分光特性を示す図である。図6は、本実施形態で使用される光学材料の分光特性で、(a)は第一光学材料の分光特性であり、(b)は第二光学材料の分光特性である。以下、図4乃至図6を参照して、第一光学材料と第二光学材料との光学特性を説明する。
【0033】
図4に示す様に、人は555nm付近の波長の光を最も鋭敏に感じ、概ね380nmから780nmの波長の光を感じる事ができる。これが可視光である。本実施形態の表示装置2では、555nm付近の波長の光をその分光表示特性の主たる波長としている。一方、概ね440nm以下の短波長域の光や、700nm以上の長波長域の光に対する比視感度は低い。従って、これらの波長域に反射乃至は散乱特性を持つ符号を形成し、この波長域に感度をもつカメラで撮像することにすれば、人に知覚され難い符号を形成でき、而もそれを高感度にて撮像できる。即ち、第一波長域を人間が視認しがたい光の波長とし、第二波長域を人間が視認しやすい光(可視光)の波長とする。こうする事で、第一波長域の光33と、表示装置2が機能している光及びバックグラウンド光、とを容易に分離できる。更には、第一波長域を440nm以下の短波長域として、符号を読み取るのが好ましく。第一波長域を紫外光波長域とするのが理想的である。
【0034】
図5に示す様に、カラー液晶ディスプレイの分光特性は、バックライトユニット29であるLEDの発光強度とRGBのカラーフィルター241の透過率と各種透明部材(ガラスや樹脂、偏光板、フィルムなどの可視光に対する透明部材)の透過率との積になる。この為に、上偏光板26の透過率は、図6(b)に示す様に、可視光域で比較的高くされている。その反面、上偏光板26の透過率は、400nm以下の紫外光域で著しく低くなっている。この様に、カラー液晶ディスプレイの分光特性は大凡410nm乃至は420nm以上で高く、それ以下で低くなる(実質的には殆どゼロになる)。従って、第一光学材料の透過率が400nm以上で高ければ、符号は表示特性に殆ど悪影響を及ぼさなくなる。しかも前述の如く、第一波長域の光33に対する比視感度は低い。この二つの理由で、第一光学材料は使用者には殆ど認識されない。同時に、第一光学材料がこれより短い波長域に反射や散乱特性を持てば、この波長域に感度をもつカメラで撮像する事で、液晶ディスプレイからの出射光に影響されずに(出射光は上偏光板26で遮断されるので)符号を高感度に読み取る事ができる。
【0035】
符号は、酸化チタンのナノサイズ微粒子28を含むインクにて形成されている。酸化チタンの粒子径を顔料用酸化チタンの十分の一程度とすると、図6(a)に示す様に、可視光の散乱が減少して可視光を透過させる。また、酸化チタンは3eV程度のバンドギャップを有し、400nm以下の紫外光を吸収するが、波長が315nmから400nmの範囲にある紫外光を散乱する特性を有している。即ち、酸化チタンの微粒子28は、波長が400nm以上の可視光には透明で、それ以下の波長を持つ紫外光は反射や散乱をする。即ち、上述の第一光学材料に果たされた条件を満たしている訳である。
【0036】
「符号」
図7は、本実施形態で用いられる符号を示した平面図である。以下、図7を参照して、符号を説明する。
【0037】
図7に示す様に、表示領域21には縦と横に仮想的なグリッド線283が引かれており、仮想的な格子が設けられている。各格子点には小さな符号が配置されている。符号は、仮想的な格子点から、格子の大きさに対して十分小さい範囲でずれて配置されている。符号のずれのパターンには各々特異性があり、この特異性が座標情報を示している。ここではずれのパターンに応じて各格子点に1から8の数字が割り振られる。これらの格子点8個を以て一組の数値列を作ると、88=1680万組の異なった数値列が設けられる。表示領域21の大きさをA4(297mm×210mm)とし、0.1mm毎に座標を振った場合、必要な座標の数は2970×2100=624万個なので、前述の数値列を用いると、A4の総ての座標が特定される。こうして8個の格子点からなる数値列にて座標情報が示される。
【0038】
「電子ペン」
図8は、本実施形態で用いられる電子ペンの構造を描いた断面図である。又、図9は本実施形態の電子機器の光学特性を示した図であり、(a)は電子ペンの照明手段が有する光学特性であり、(b)は表示装置に用いられるバックライトが有する光学特性である。以下、図8及び図9を参照して、電子ペンの構成を説明する。
【0039】
図8に示す様に、電子ペン3は、発光ダイオード36とレンズ34と光センサー35とを有している。手書き入力時には、発光ダイオード36が発光して符号を照明する。即ち、発光ダイオード36は照明手段である。発光ダイオード36からの照射光(図中に一点鎖線で示す)は、表示領域21の表面に照射され、その表面に設けられた符号で反射される。そして反射光の一部(図中に破線で示す)は撮像手段49にて撮像される。具体的には、反射光はレンズ34によって集光され、光センサー35によって電気信号に変換させられる。尚、撮像手段49は、光センサー35が反射光の内で符号にて散乱反射した光を優先的に受光する様に配置されている。又、発光ダイオード36による表示装置2の表面での照射領域は、符号よりも十分に広い範囲とし、照射領域に少なくとも符号が複数個入る様にする。
【0040】
照明手段としては波長395nmのLEDや波長405nmのLED、波長385nmのLED、波長375nmのLED、波長365nmのLED、紫外光ランプなどが使用される。図9(a)に示す様に、これらの内で波長395nmのLEDが発光効率が良いので、照明手段に最も適している。ちなみに図5と図9(b)とにはバックライトユニット29の分光特性を示してある。図5ではピーク波長が450nmから470nmの範囲に有る青色LEDと黄色の蛍光体(YAGなど)とを組み合わせて白色光をつくり、図9(b)ではピーク波長が405nmの近紫外LEDとRGB蛍光体とを組み合わせて白色光を作っている。これらの図と図9(a)とを比較すると、電子ペン3の照射光とバックライトユニット29の白色光とは異なった波長域にあり、それ故に電子ペン3で符号が読み易くなっている事が分かる。
【0041】
照明手段が発する紫外線強度はバックライトユニット29が発する紫外線強度の3倍以上である。第一光学材料からの紫外線反射率は10%以上あり、第二光学材料の紫外線透過率は3%未満であるので、こうすると、第一光学材料からの反射光は第二光学材料の透過光の10倍以上の強度となり、透過光がバックグラウンドノイズになって符号を認識出来ない事態を防げるからである。又、照明手段から発せられた紫外線が、第一光学材料が配置されてない場所で第二光学材料を透過し、上ガラスの外側の面などで反射して戻って来る場合も想定される。この場合、上ガラスの外側などでの反射率が100%と仮定しても、往路と復路とで3%未満×3%未満=0.09%未満となるので、符号認識の妨げにはならない。こうして、感度良く符号を認識する事が可能になる。
【0042】
「システム構成」
図10は、電子ペンの機能構成を示す図である。図11は位置検出部37の機能構成を示す図である。図12は電子ペンのハードウェア構成を示すブロック図である。以下、図10乃至図12を参照して、電子ペンが位置検出するシステム構成を説明する。
【0043】
図10に示す様に、電子ペン3は、位置検出部37と制御部38と、記憶部40と、通信部39とを備える。位置検出部37は、表示領域21で電子ペン3が指示する座標を検出して、座標に関する信号を制御部38に送る。位置検出部37の詳細は、後述する。記憶部40は、表示領域21で表示されている情報を記憶する。制御部38は、位置検出部37から送られる座標に関する信号に基づき、電子ペン3が指示する表示領域21の位置を算出すると共に、記憶部40に記憶されている表示領域21での表示の情報を参照して、所定の動作を実行する。通信部39は、制御部38からの指示に従い、外部のネットワークや表示装置2と通信を行う。
【0044】
図11は、位置検出部37の機能構成を示している。位置検出部37は、入力部41と符号取得部42と、位置取得部43と、出力部44とを備える。符号取得部42は、画像抽出部45と符号変換部46とを有する。位置取得部43は、数値列照合部47と数値列対応テーブル48とを有する。入力部41は、撮像手段49で撮像した符号を示す信号を入力して、符号取得部42に送る。符号取得部42は、符号の信号を処理することにより、所定の数値列に変換する。即ち、画像抽出部45は、符号の信号に対して、二値化処理やエッジ抽出処理等の画像処理を行うことで、明瞭な符号画像を抽出すると共に、抽出した画像から所定の構造変調要素を算出する。本実施形態において、構造変調要素は、仮想的な格子点からの符号のずれで、具体的にはずれの方向及び距離となる。
【0045】
続いて、符号変換部46は、構造変調要素を所定の規則に従い、数値に変換する。本実施形態では、ずれの方向及び距離により、「1」から「8」の八種類の数値に変換する。例えば、第一象限で内側に位置する符号を「1」とし、第二象限で内側に位置する符号を「2」とし、第三象限で内側に位置する符号を「3」とし、第四象限で内側に位置する符号を「4」とし、第一象限で外側に位置する符号を「5」とし、第二象限で外側に位置する符号を「6」とし、第三象限で外側に位置する符号を「7」とし、第四象限で外側に位置する符号を「8」とする。図7には三行三列の九つの符号を描いてあるが、左上から右下に向かって「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「1」と読める。図11に戻る。この様にして取得された数値情報は位置取得部43に送られる。
【0046】
位置取得部43は、複数の符号から得られる数値情報を復号化して、表示領域21上での座標を確定する。即ち、数値列照合部47は、数値列を数値列対応テーブル48と照合する。この数値列対応テーブル48は、複数の数値列と、それぞれの数値列に対応する表示領域21上での位置を示す情報とが備わる。従って、数値列を照合する事で、この数値列に対応する表示領域21上での座標を取得できる。続いて、取得された座標情報は、出力部44に送られた後、外部に出力される。
【0047】
図12は、電子ペンのハードウェア構成を示すブロック図である。図12に示す様に、電子ペン3は、CPU52(Central Processing Unit)とRAM55(Random Access Memory)、ROM53(Read Only Memory)、フラッシュメモリー56、入出力I/O51(Input Output)を備えている。これらの各部は、バスで互いに接続されている。
【0048】
CPU52は、ROM53に格納された基本制御プログラムや、ROM53およびフラッシュメモリー56に格納されたアプリケーションプログラムなどの各種プログラム及びデータを読み込み、それら各種プログラム及びデータをRAM55内に設けられるワークエリアに展開実行して、電子ペン3が備える各部の制御を実行する。入出力I/O51には、撮像手段49と、無線通信手段50とが接続されている。撮像手段49は電子ペン3の内部に配置され、前述の入力部41を構成する。無線通信手段50は、通信部39を構成し、無線LAN装置や赤外線通信装置等が採用される。前述の各機能は、CPU52やRAM55等からなるハードウェア資源と、ROM53やフラッシュメモリー56に記憶されたソフトウェアとが有機的に協働する事で実現されている。
【0049】
上述した通り、本実施形態に係わる表示装置並びに電子機器によれば、以下の効果を得る事ができる。
第二波長域の光で表示装置2を機能させ、第一波長域の光33で符号を読ませる事ができるので、表示特性に殆ど影響を与えることなく、各種の光学ノイズに対する符号からのシグナルの比を大きく取れる。即ち、容易な符号の読み取りと良好な表示特性とを両立させ、表示装置2に対し、実用的な手書き入力を行う事が可能となる。
【0050】
又、第一波長域の光33に対する反射率が第一光学材料と第二光学材料とで異なるので、符号を容易に読み取る事ができる。更に、第一波長域の光33として紫外光を用い、第二光学材料を透過して来る第一波長域の光33が殆ど存在しないので、高い信頼度で符号を読み取る事ができる。この際に、第二光学材料を偏光板で兼用するので、新たな部材を追加することなく、本実施形態の表示装置2を実現できる。又、符号は印刷法などの簡単な製造工程で作製できる。
【0051】
又、電子ペン3を用いて符号を読み取れるので、表示装置2への実用的な手書き入力手段を備えた電子機器1を実現できる。
【0052】
(実施形態2)
「表示装置が電気泳動ディスプレイである形態」
図13は、実施形態2に係わる表示装置の断面を説明する図である。以下、本実施形態に係わる表示装置について説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
【0053】
本実施形態(図13)は実施形態1(図2)と比べて、表示装置2が電気泳動ディスプレイになっている点が異なっている。それに伴って、第二光学材料が保護板262となっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
【0054】
図13に示す様に、電気泳動ディスプレイでは下側基板232と上側基板242との間に電気泳動材料252が挟持されている。下側基板232の内側の表面には液晶ディスプレイと同様に駆動素子である薄膜トランジスター231と、これに接続する不図示の画素電極とが形成されている。又、上側基板242の内側にも不図示の共通電極が形成されている。電気泳動材料252は、画素電極と共通電極との間に印可された電界に応じて泳動し、アクティブマトリックス型の表示を行う。電気泳動ディスプレイは上側基板242の外側に保護板262を備え、この保護板262が第二光学材料に相当する。保護板262の本来の機能は、表示装置2に対する外部からの物理的乃至は機械的、或いは光学的、或いは化学的な作用や刺激から表示装置2を保護する事であるが、本実施形態では、この保護板262に第二光学材料としての機能を兼用させている。保護板262の上には更に第一光学材料としての酸化チタンの微粒子28が部分的に配置されている。
【0055】
保護板262などの第二光学材料は樹脂を含む材料である。樹脂を含む材料は積層材と混合材とを含んでいる。積層材とは紫外線吸収樹脂と基材とを積層したものである。一方、混合材とは単一の樹脂ではなく、紫外線吸収樹脂を基材中に混ぜ込んだ物である。こうした第二光学材料は、具体的には、ポリエチレンナフタレート(PEN)を含むフィルム、或いは紫外線吸収剤を含有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、或いは紫外線吸収剤を含有する層を設けたPETフィルム、或いはアクリル樹脂、等である。PENを含むフィルムとしては、例えば、PENを基材とするフィルム(PEN/PET積層フィルムなど)や、PEN共重合体、PENを混合したフィルムである。
【0056】
尚、本実施形態では、共通電極を上側基板242に設けられたが、これを下側基板232に設けて水平移動型の電気泳動ディスプレイとしても良い。更に、表示装置2は電気泳動ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイやエレクトロクロミックディスプレイであっても良い。こうした通常の表示装置2は大抵保護板262を表示装置2の表面に保有するが、この保護板262が第二光学材料に相当する。
【0057】
上述した通り、本実施形態に係わる表示装置2によれば、実施形態1での効果に加え、以下の効果を得る事ができる。
保護板262に樹脂を含む材料を用いて、第二光学材料を兼用させるので、新たな部材を追加することなく、第一波長域の光33で読み取りやすい符号を形成できる。
【0058】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良等を加える事が可能である。変形例を以下に述べる。
【0059】
(変形例1)
「第一光学材料がほぼ全面に形成されている形態」
図14は、変形例1に係わる表示装置の原理を説明する図で、(a)は断面図、(b)は平面図である。以下、本変形例に係わる表示装置について説明する。尚、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本変形例(図14)は実施形態1(図3)と比べて、第一光学材料の配置形態が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
【0060】
実施形態1では第一光学材料が小さく、それが配置されている箇所が符号となっていた(図3参照)。これに対して、本変形例では、図14(a)に示す様に、第一光学材料が大きく、それが配置されていない箇所が符号となっている。即ち第二光学材料の表面の大半に第一光学材料が配置され、部分的に第一光学材料が配置されていない箇所を設けて、これを符号としている。その結果、図14(b)に示す様に、符号では紫外光の反射率が低くなり、その他の領域では反射率が高くなるので、符号を高感度に認識出来る。第一光学材料も第二光学材料も、可視光に対して透明であり、第一波長域の光33の比視感度が低い為に、こうした配置が可能になる。
【0061】
(変形例2)
「第一光学材料が誘電体多層膜である形態」
図15は、変形例2に係わる第一光学材料の分光特性を示す図である。以下、本変形例に係わる表示装置について説明する。尚、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本変形例(図15)は実施形態1(図6(a))と比べて、第一光学材料が異なっている。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
【0062】
実施形態1では酸化チタンの微粒子28を用いて第一光学材料としていたが、本変形例では第一光学材料は、誘電体多層膜である。誘電体多層膜は以下に記す第一材料と第二材料とを交互に積層した物である。
【0063】
第一材料:低屈折率層で、SiO2などの硅素酸化物やMgF2など。
第二材料:高屈折率層で、TiO2、Ta25、Nb25など。
【0064】
こうすると、図15に示す様に、誘電体多層膜は紫外光を反射し、可視光を透過する特性を有する様になる。
【0065】
(変形例3)
「符号がM系列とされている形態」
図7を参照して説明する。尚、実施形態1乃至2と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
本変形例では符号にM系列を使用する。それ以外の構成は、実施形態1とほぼ同様である。
【0066】
実施形態1では、符号の位置ずれにて座標を特定していたが、本変形例では符号の長さや幅にM系列を適応して座標を特定する。格子は等間隔に平行配置されて互いに直交している。表示領域21の絶対座標を表す為に、各格子に振られた符号はその長さと幅とで、縦方向と横方向との座標を表す。一例として横方向にM系列(最長系列)に従ったコード“0”又は“1”に応じて太さを変えた場合を説明する。この場合、符号の幅が太ければ、デジタルデータ“1”を表し、符号の幅が細ければ、デジタルデータ“0”を表す。
【0067】
M系列とは、ある長さのシフトレジスターとフィードバックによって生成される符号系列のうち、その周期が最長になる系列をいう。Nをシフトレジスターの段数とすると、L=2N−1で示すLビットがM系列の長さ、すなわち最長系列である。このM系列は、あるM系列とそれをシフトさせたM系列との排他的論理和による帰還タップを持つN段の線形帰還シフトレジスターに全ゼロ(例えば、“00000”)以外の初期値を与える事によって生成される。例えば、h(x)=x5+x4+x2+x+1で示す5次の原始多項式に基づく発生回路によれば、初期条件として“10000”から出発すると、発生する系列は、“10000101011101100011111001101001”となり、系列長(周期)が“25−1=31”ビットのM系列が得られる。即ち、N=5の場合には、31個の“0”又は“1”の並びが得られる事になる。又、この場合、どの5個の“0”又は“1”の並びを取り出しても総て異なる為、全系列中のどの部分であるかを特定する事ができる。従って、M系列に基づいて並べられた“0”又は“1”の「2のN乗マイナス1個」の並びの内からN個の並びを調べる事に依り、総ての系列の中のどの位置に相当するかを特定する事が可能になる。符号は、この様にして生成されたM系列に従って印刷され、座標を特定する。
【0068】
例えば、表示領域21の大きさをA4サイズとし、格子の間隔を0.3mmと仮定した場合には、A4の短辺(横幅)には210mm/0.3mm=700本の符号が存在する事になる。この数は、“210−1=1023”より小さい事から、表示領域21の符号は、N=10のM系列に従って作成すれば十分である。即ち、10個の符号の幅を調べると、短辺での座標が定まる事になる。ここで、10本の格子の間隔は0.3mm×10=3.0mmで有るから、3mmの移動によってA4の表示領域21の上の絶対位置を検出することができる。一般に見易い文字の大きさは3mm程度であるので、表示領域21に一文字を入力する間に絶対座標を取得できる事になる。縦方向に関しても同様で、結局、各符号の長さと幅とを、それぞれM系列に従わせる事で表示領域21の全域に於いて座標が特定される。
【符号の説明】
【0069】
1…電子機器、2…表示装置、3…電子ペン、21…表示領域、26…上偏光板、28…微粒子、33…第一波長域の光、251…液晶、252…電気泳動材料、262…保護板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する表示領域と、第一光学材料と第二光学材料とを備え、
前記第一光学材料と前記第二光学材料とは、第一波長域の光に対して異なった反射率を有し、
前記第一光学材料と前記第二光学材料とは、共に第二波長域の光を透過し、
前記第二光学材料は前記表示領域の上に積層され、
前記第一光学材料は前記第二光学材料の上に部分的に積層される事で、符号を為している事を特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第一波長域は、前記表示装置の分光表示特性の主たる波長以外の波長域にあり、
前記第二波長域は、前記主たる波長を含有する事を特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一波長域は、前記主たる波長よりも短波長域にある事を特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第一波長域は紫外光波長域であり、
前記第二波長域は可視光波長域である事を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第一光学材料の前記第一波長域の光に対する反射率は、前記第二光学材料の前記第一波長域の光に対する反射率よりも大きい事を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第一光学材料は、金属酸化物の微粒子を含んでいる事を特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記金属酸化物は、酸化チタン又は酸化亜鉛である事を特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第一光学材料は、誘電体多層膜である事を特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第二光学材料の前記第一波長域の光に対する透過率は3%未満である事を特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第二光学材料は、偏光板である事を特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第二光学材料は、樹脂を含む材料である事を特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の表示装置と、電子ペンとを備え、
前記電子ペンは、前記符号を照明する照明手段と、前記符号からの反射光を撮像する撮像手段と、を有する事を特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−221142(P2012−221142A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85164(P2011−85164)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】