表示装置および駆動装置
【課題】画像信号線駆動回路の消費電力を削減可能な表示装置等を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は複数の画像信号線駆動回路を含んでいる。複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは、タイミングコントローラ310と、画像データ抽出回路350と、画像データ抽出回路350によって抽出された画像データをラッチするデータラッチ回路360とを含んでいる。画像データ抽出回路350は、画像データRGBdataのうちから、その画像信号線駆動回路に対して予め割り当てられた所定数の画像信号線に対応する部分のデータを抽出する。画像データ抽出回路350は、画像データの抽出期間以外の期間では、一定電位の信号をデータラッチ回路360へ供給する。
【解決手段】液晶表示装置は複数の画像信号線駆動回路を含んでいる。複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは、タイミングコントローラ310と、画像データ抽出回路350と、画像データ抽出回路350によって抽出された画像データをラッチするデータラッチ回路360とを含んでいる。画像データ抽出回路350は、画像データRGBdataのうちから、その画像信号線駆動回路に対して予め割り当てられた所定数の画像信号線に対応する部分のデータを抽出する。画像データ抽出回路350は、画像データの抽出期間以外の期間では、一定電位の信号をデータラッチ回路360へ供給する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示装置等の表示装置に係り、また、表示装置に用いられる駆動装置に係る。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、昨今では、家庭用TVから産業用ディスプレイまで幅広い分野で使用されている。
【0003】
液晶表示装置の構成は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動装置とに大別される。従来の駆動装置は、複数の画像信号線駆動回路と、複数の走査線駆動回路と、これらの駆動回路を駆動する制御回路としてのタイミングコントローラとを含んでいる。かかる従来構成では、タイミングコントローラは、画像信号線駆動回路および走査線駆動回路の外部に設けられている。
【0004】
各画像信号線駆動回路は液晶パネルの画像信号線を駆動するための集積回路であり、当該集積回路を複数個用いて液晶パネルの全ての画像信号線を駆動する。同様に、各走査線駆動回路は液晶パネルの走査線を駆動するための集積回路であり、当該集積回路を複数個用いて液晶パネルの全ての走査線を駆動する。
【0005】
タイミングコントローラは、画像データと、画像信号線駆動回路および走査線駆動回路を制御する際の基準となる制御基準信号と、処理を行う際の基準となるドットクロック(DCLK)とを受け取る。上記の制御基準信号には、液晶パネルの水平方向の同期を取るための基準信号として用いられる水平同期信号(HD)、液晶パネルの垂直方向の同期を取るための基準信号として用いられる垂直同期信号(VD)、画像データが有効である期間を示すデータイネーブル信号(DENA)等が含まれる。
【0006】
タイミングコントローラは、入力された上記各種信号等を用いて、画像信号線駆動回路および走査線駆動回路を駆動するための駆動信号を生成する。
【0007】
画像信号線駆動回路用の駆動信号には、タイミングコントローラへ入力された画像データに基づいて生成された赤(R)、緑(G)および青(B)のデジタル信号から成る画像データ(数ビット幅のバス構成を有する)が含まれる。
【0008】
また、画像信号線駆動回路用の駆動信号には、画像信号線駆動回路での各種処理を行う際の基準となるクロック(CLKH)、画像データの水平方向の始まりを示すスタートパルス(STH)、液晶駆動の極性を反転するための極性反転信号(POL)、画像データを画像信号線駆動回路の出力側である液晶パネルの画像信号線に伝えるためのラッチパルス(LP)等の制御信号が含まれる。
【0009】
走査線駆動回路用の駆動信号には、走査線駆動回路での各種処理を行う際の基準となるクロック(CLKV)、画像データの垂直方向の始まりを示すスタートパルス(STV)等の制御信号が含まれる。
【0010】
画像信号線駆動回路用および走査線駆動回路用の上記制御信号は、タイミングコントローラへ入力された、水平同期信号(HD)、垂直同期信号(VD)、データイネーブル信号(DENA)を基準にしてドットクロック(DCLK)を使って生成される。
【0011】
画像信号線駆動回路は、走査線駆動回路によって選択された走査線の各画素に対して、当該各画素の画像データに対応した所定の電圧(階調電圧)を印加する。走査線駆動回路が走査線を順次選択することにより、画像全体の表示が行われる。
【0012】
上記の従来構成に対して、タイミングコントローラを画像信号線駆動回路に搭載した(内蔵した)複合化駆動回路が開発されている。かかる複合化駆動回路によれば、タイミングコントローラ用の回路基板が不要になるので、部材コストを削減することができる。その結果、液晶表示装置の低価格化を図ることができる。
【0013】
タイミングコントローラ内蔵型の画像信号線駆動回路は液晶表示装置に複数個設けられる。しかし、タイミングコントローラ自体は1つあれば足りる。このため、複数の画像信号線駆動回路のうちの1つをマスタモードで用い、残りの画像信号線駆動回路をスレーブモードで用いる。より具体的は、マスタモードの画像信号線駆動回路は自身のタイミングコントローラに基づいて動作し、スレーブモードの画像信号線駆動回路はマスタモードの画像信号線駆動回路のタイミングコントローラから制御信号を受けて動作する。この場合、スレーブモードの画像信号線駆動回路のタイミングコントローラを停止させることによって、消費電力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−216127号公報
【特許文献2】特開平10−62746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
一般に、画像信号線駆動回路は、画像データをラッチするためのデータラッチ回路を有している。
【0016】
画像信号線駆動回路が複数設けられた構成では、各画像信号線駆動回路には自身に割り当てられていない画像信号線の画像データも入力される。そのような不要な画像データの入力期間中であっても、データラッチ回路を構成するトランジスタはスイッチング動作を繰り返しており、電力を消費している。
【0017】
本発明は、上記の不要な画像データの入力期間中における消費電力を削減可能な表示装置および駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る表示装置は、その一態様として、複数の画像信号線を含む表示パネルと、それぞれが前記複数の画像信号線のうちで予め割り当てられた所定数の画像信号線を駆動する複数の画像信号線駆動回路と、前記複数の画像信号線駆動回路に画像データを供給する画像データ供給線とを備え、前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは当該複数の画像信号線駆動回路を制御するための制御信号を生成する制御信号生成機能を有したタイミングコントローラを搭載しており、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの1つが前記制御信号生成機能を動作させるマスタモードで使用されるとともに、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの残りは前記制御信号生成機能を動作させないスレーブモードで使用され、前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは、前記画像データのうちから前記予め割り当てられた所定数の画像信号線に対応する部分の画像データを抽出する画像データ抽出回路と、前記画像データ抽出回路によって抽出された前記画像データをラッチするデータラッチ回路とを含み、前記画像データ抽出回路は、前記画像データの抽出期間以外の期間では、一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る表示装置の上記一態様によれば、画像データ抽出期間以外の期間では、データラッチ回路へ低電位レベルの信号が入力される。このため、画像データ抽出期間以外の期間では、データラッチ回路のトランジスタのスイッチング動作を停止させることが可能である。したがって、画像信号線駆動回路の省電力化を図り、その結果、表示装置の省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置を概説するブロック図である。
【図2】実施の形態1について液晶表示装置の液晶パネルを概説する平面図である。
【図3】実施の形態1について液晶パネルの画素を概説する回路図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像信号線駆動回路を概説するブロック図である(マスタモード)。
【図5】本発明の実施の形態1に係る画像信号線駆動回路を概説するブロック図である(スレーブモード)。
【図6】本発明の実施の形態1に係る画像信号線駆動回路を概説するブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る画像信号線駆動回路の動作を概説するタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の動作を概説するタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置を概説するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。実施の形態では、本発明に係る表示装置として、カラー表示が可能な液晶表示装置(透過型、反射型または半透過型のいずれであっても構わない)を例示する。但し、本発明に係る表示装置は、これに限定されるものではない。例えば、単色表示(白黒に限らない)の液晶表示装置、液晶表示装置以外の表示装置(例えば有機EL(Electro-Luminescent)または無機ELを利用した表示装置等)にも、以下に説明する構成等は当てはまる。また、本発明に係る駆動装置は、液晶パネルに限らず各種の表示パネルに適用可能である。
【0022】
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置1を概説するブロック図を示す。図1の例では、液晶表示装置1は、液晶パネル100と、当該液晶パネル100を駆動する駆動装置200とを含んでいる。
【0023】
図2に液晶パネル100の概略的な平面図を示す。図2に例示するように、液晶パネル100は、画素配置領域101と、当該領域101を取り囲む周辺領域102とに大別される。周辺領域は額縁領域とも称される。なお、液晶パネル100、画素配置領域101および周辺領域102の形状、寸法等は図示の例に限定されるものではない。液晶パネル100は、複数の画素PXと、複数の画像信号線130と、複数の走査線140とを有している。図2に例示するように、各画素PXは、複数の画像信号線130のうちのいずれか1本と、複数の走査線140のうちのいずれか1本とに接続されている。
【0024】
画素PXは、画素配置領域101内に面状に分散配置されて、画像(文字等も含む)が表示される表示画面を構成する。図2の例では、画素PXは、画素配置領域101内において、行方向(図面において左右方向)と列方向(図面において上下方向)とのいずれの方向にも整列している。すなわち、複数の画素PXがマトリクス状に配列されている。なお、複数の画素PXをいわゆるデルタ状に配列することも可能である。
【0025】
画像信号線130は、画素PXに、その画素PXの画像データ(より具体的には階調データ)に応じた電圧値を有する電圧(階調電圧)を印加するための配線である。なお、画像信号線はデータ線等と称される場合もある。図2の例では、各画像信号線130は列方向に延在しており、かかる画像信号線130の複数本が行方向に配列されている。各画像信号線130は画素配置領域101と周辺領域102とに渡って延在している。図2には、全ての画像信号線130が周辺領域102のうちの1つの辺部(図面では下辺部)内まで延在している場合を例示している。
【0026】
走査線140は、階調電圧を印加する画素PXを選択するための配線である。かかる画素PXの選択は、複数の走査線140を順次選択する、換言すれば走査することにより行われる。なお、走査線は画素選択線、ゲート線、アドレス線等と称される場合もある。図2の例では、各走査線140は行方向に延在しており、かかる走査線140の複数本が列方向に配列されている。各走査線140は画素配置領域101と周辺領域102とに渡って延在している。図2には、全ての走査線140が周辺領域102のうちの1つの辺部(図面では左辺部)内まで延在している場合を例示している。
【0027】
上記のように、各画素PXは、複数の画像信号線130のうちのいずれか1本と、複数の走査線140のうちのいずれか1本とに接続されている。このため、各画像信号線130には、異なる走査線140に接続された複数の画素PX(全ての画素PXのうちの一部の画素PXである)が接続されている。また、各走査線140には、異なる画像信号線130に接続された複数の画素PX(全ての画素PXのうちの一部の画素PXである)が接続されている。この場合、画像信号線130と走査線140との組合せにより、各画素PXを特定することが可能である。
【0028】
図3に画素PXを概説する回路図を示す。図3に例示の画素PXは、薄膜トランジスタ(TFT)111と、基本セル112と、保持容量113とを有している。
【0029】
TFT111のゲートは走査線140に接続され、TFT111のソースは画像信号線130に接続され、TFT111のドレインは基本セル112に接続されている。なお、TFTの構造上、上記のソースがドレインと称され、上記のドレインがソースと称される場合もある。TFT111に代えて他のスイッチング素子を用いることも可能である。
【0030】
基本セル112は、画素PXの基本単位となる構造体であり、画素PXごとに設けられTFT111のドレインに接続された画素電極と、各画素PXに共通の電位を供給するための共通電極と、液晶層とを含んで構成される。なお、画素電極と共通電極とは、例えばTN(Twisted Nematic)モード等では液晶層を介して対向する別々の基板に設けられる。これに対し、例えばIPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード等では液晶パネル100の同じ基板に設けられる。
【0031】
保持容量113の一方の電極はTFT111のドレインに接続されている。保持容量113の他方の電極は所定の電位、例えば共通電極に印加される共通電位に接続されている。なお、保持容量113を有さない画素構成を採用することも可能である。保持容量は補助容量とも称される。
【0032】
かかる構造の画素PXの場合、走査線140への電圧印加によりTFT111のゲートがオンになると、そのときの画像信号線130の電圧(画像データに対応する)が画素電極へ供給される。このとき生じる画素電極と共通電極との間の電界によって、液晶層中の液晶分子の配向状態が変化し、当該画素PXの表示輝度が変化する。画素電極の電位は保持容量113によって保持される。
【0033】
各画素PXの表示色は例えば基本セル112にカラーフィルタを設けることによって規定される。このとき、例えば近接する赤(R)、緑(G)および青(B)の各表示色用の画素PXの集合体(すなわち画素群)によって、カラー表示のための1単位が構成される。
【0034】
図1に戻り、図1に例示の駆動装置200は、複数の(ここでは4個が例示される)の画像信号線駆動回路301〜304と、複数の(ここでは2個が例示される)の走査線駆動回路401,402と、各種の配線501〜513とを含んでいる。なお、図示を省略しているが、駆動装置200は、駆動回路301〜304,401,402で利用する各種電圧を供給する電源回路を含んでいる。
【0035】
画像信号線駆動回路301〜304はいずれも、画像信号線130を駆動する、すなわち画像信号線130に階調電圧を印加するための回路である。ここでは、各画像信号線駆動回路301〜304は、いわゆる集積回路(IC)で構成されている。
【0036】
各画像信号線駆動回路301〜304は、階調電圧を出力するための複数の出力端部を有している。画像信号線駆動回路301〜304のそれぞれには、複数の画像信号線130(全ての画像信号線130のうちの一部である)が予め割り当てられている。各画像信号線駆動回路301〜304の上記複数の出力端部は、各駆動回路301〜304に対して割り当てられた上記の複数の画像信号線130にそれぞれ接続されている。これにより、各画像信号線駆動回路301〜304によって、予め割り当てられた所定数の画像信号線130が駆動される。
【0037】
なお、各画像信号線駆動回路301〜304の上記出力端部は、画像信号線130のうちで液晶パネル100の周辺領域102へ引き出された部分と、ガラス上にて直に接続されたり、フレキシブルなテープなどの部材(TCP:Tape Carrier Package/COF:Chip on Film)を介して接続される。
【0038】
ここでは、各画像信号線駆動回路301〜304に対して同じ本数の画像信号線130が割り当てられ、また、割り当てられる画像信号線130は連続して並んでいる場合を例示する。より具体的には、画像信号線130の総本数が、Mを自然数として(4×M)本とした場合、図1の平面視において左から数えて第1本目から第M本目までの画像信号線130が画像信号線駆動回路301に割り当てられている。同様に、第(M+1)本目から第(2×M)本目までの画像信号線130が画像信号線駆動回路302に割り当てられ、第(2×M+1)本目から第(3×M)本目までの画像信号線130が画像信号線駆動回路303に割り当てられ、第(3×M+1)本目から第(4×M)本目までの画像信号線130が画像信号線駆動回路304に割り当てられている。
【0039】
走査線駆動回路401,402はいずれも走査線140を駆動する、すなわち走査線140に走査電圧(走査線選択電圧等とも称される)を印加するための回路である。ここでは、各走査線駆動回路401,402は、いわゆる集積回路(IC)で構成されている。
【0040】
各走査線駆動回路401,402は、走査電圧を出力するための複数の出力端を有している。走査線駆動回路401,402と走査線140との接続形態は、画像信号線駆動回路301〜304と画像信号線130との上記の接続形態と同様である。これにより、各走査線駆動回路401,402によって、各駆動回路401,402に対して予め割り当てられた所定数の走査線140が駆動される。
【0041】
ここで、図4および図5に画像信号線駆動回路301〜304を概説するブロック図を示す。なお、図4および図5には同じ構成が例示されており、画像信号線駆動回路301〜304が後述するマスタモードの画像信号線駆動回路300MSTとして利用される場合を図4に例示し、後述するスレーブモードの画像信号線駆動回路300SLVとして利用される場合を図5に例示している。
【0042】
画像信号線駆動回路301〜304はそれぞれがタイミングコントローラ310を搭載、換言すれば内蔵している。なお、タイミングコントローラ310は、基本的には、従来の駆動装置では画像信号線駆動回路の外部に設けられていた既存のタイミングコントローラ(外付けのタイミングコントローラと称することにする)と同様の機能を有している。
【0043】
タイミングコントローラ310は、表示画像に関する信号を受け取り、当該入力信号を予め規定された所定の処理に適用することによって駆動回路301〜304,401,402を駆動するための信号を生成し、生成された駆動信号を出力するように構成された制御回路である。
【0044】
タイミングコントローラ310へ入力される表示画像に関する信号には、例えば、表示する画像のデータRGBdataと、表示画像に関する制御基準信号S0とが含まれる。表示画像に関する制御基準信号S0には、例えば、液晶パネル100の水平方向の同期を取るための基準信号として用いられる水平同期信号HD、液晶パネル100の垂直方向の同期を取るための基準信号として用いられる垂直同期信号VD、画像データRGBdataが有効である期間を示すデータイネーブル信号DENA等が含まれる。
【0045】
なお、上記の画像データRGBdata、水平同期信号HD、垂直同期信号VD、データイネーブル信号DENA等の表示画像信号は、例えば駆動装置200の外部に設けられたテレビチューナ、ビデオ、パーソナルコンピュータ等の表示画像信号供給装置(図示せず)から供給される。
【0046】
タイミングコントローラ310には、上記の所定処理を実行する際の基準(例えば、処理動作やパルス生成のタイミングの基準)として利用するドットクロックDCLKが入力される。なお、ドットクロックDCLKは、駆動装置200の外部または内部に設けられたクロック生成回路(図示せず)から供給される。
【0047】
タイミングコントローラ310から出力される駆動信号には、画像信号線駆動回路301〜304を駆動するための信号と、走査線駆動回路401,402を駆動するための信号とが含まれる。
【0048】
画像信号線駆動回路301〜304用の駆動信号には、例えば、画像データRGBdata(説明を簡単にするために入力信号の画像データと同じ符号を用いることにする)と、画像信号線駆動回路301〜304用の制御信号S1とが含まれる。
【0049】
画像信号線駆動回路301〜304から出力される画像データRGBdataは、例えば、入力された画像データRGBdataに対して、上記の所定処理の一部として予め規定された各種のデータ処理が施されたものである。予め規定された画像データ処理として、例えば、入力された画像データRGBdataを、画像信号線130の駆動に適した形式のデータに変換する処理が挙げられる。より具体的には、例えば赤(R)、緑(G)および青(B)用の各画素PXを256階調で駆動する場合、入力された画像データRGBdataを表示色それぞれについて8ビット幅のバス構成を有した階調データに変換する処理が例示される。なお、入力された画像データRGBdataを、データ処理を行わずに出力する構成を採用することも可能である。
【0050】
画像信号線駆動回路301〜304用の制御信号S1には、例えば、スタートパルスSTH、ラッチパルスLP等が含まれる。スタートパルスSTHは、画像データRGBdataの水平方向の開始タイミングを示す信号である。スタートパルスSTHは、例えば、水平同期信号HDに同期させて、ドットクロックDCLKから生成される。ラッチパルスLPは、全ての画像信号線130についてラッチされた画像データRGBdataを、画像信号線駆動回路301〜304から液晶パネル100の画像信号線130へ伝送するタイミングを与える信号である。
【0051】
なお、ここでは詳細な説明は省略するが、画像信号線駆動回路301〜304用の制御信号S1は、例えば、液晶駆動の極性を反転するための極性反転信号(POL。図示略)等をさらに含むことが可能である。
【0052】
走査線駆動回路401,402用の駆動信号には、例えば、走査線駆動回路401,402で信号処理を行う際の基準となるクロックCLKV、画像データRGBdataの垂直方向の開始タイミングを示すスタートパルスSTV等の制御信号S2が含まれる。
【0053】
タイミングコントローラ310における上記所定処理には、既存の外付けのタイミングコントローラで採用されている各種の処理手法を採用することが可能である。このため、ここでは、タイミングコントローラ310での上記所定処理については詳細な説明を省略する。
【0054】
タイミングコントローラ310が行う上記所定処理には、上記のように、駆動回路301〜304,401,402用の制御信号S1,S2を生成する制御信号生成処理が含まれる。すなわち、タイミングコントローラ310は、駆動回路301〜304,401,402用の制御信号S1,S2を生成する制御信号生成機能(換言すれば制御信号生成回路)を有している。
【0055】
また、タイミングコントローラ310が行う上記所定処理には、画像データRGBdataに対する画像データ処理が含まれる場合もある。すなわち、タイミングコントローラ310は、画像データRGBdataに対する画像データ処理機能(換言すれば画像データ処理回路)を有する場合もある。
【0056】
上記のように画像信号線駆動回路301〜304のいずれもタイミングコントローラ310を有しているが、画像信号線駆動回路301〜304のうちの1つがタイミングコントローラ310の制御信号生成機能を動作させるマスタモード(図4参照)で使用され、残りの画像信号線駆動回路は制御信号生成機能を動作させないスレーブモード(図5参照)で使用される。なお、タイミングコントローラ310が画像データ処理機能を有する場合、当該画像データ処理機能はマスタおよびスレーブの両モードで動作させる。なお、図5では、スレーブモードに応じて、タイミングコントローラ310から出力されない信号を破線で図示している。ここでは、画像信号線駆動回路301(図1参照)がマスタモードで使用される場合を例示する。
【0057】
マスタモードとスレーブモードとの設定は、画像信号線駆動回路301〜304の外部から入力するモード設定信号S300によって可能である。例えば、マスタモードでは、高電位レベル(以下、HighレベルまたはHレベルと称する)のモード設定信号S300によってオン状態になるスイッチ(図示せず)を介して給電を行うことにより、制御信号生成回路を動作させる。逆に、スレーブモードでは、低電位レベル(以下、LowレベルまたはLレベルと称する)のモード設定信号S300によって上記スイッチをオフ状態にすることにより、制御信号生成回路への給電を遮断する。
【0058】
モード設定信号S300のレベル設定は、例えば、Hレベルの電圧供給源(例えば不図示の電源回路)から画像信号線駆動回路301〜304へ至るモード設定信号線501の途中に、ディップスイッチ等(図示略)を挿入し、当該スイッチのオン/オフ状態を設定することにより可能である。なお、図1の例では、モード設定信号線501は各画像信号線駆動回路301〜304用の合計4本の配線から成る。かかる構成例によれば、ディップスイッチのオン/オフ状態の切り替えによって、画像信号線駆動回路301〜304についてのマスタモードとスレーブモードとの変更を容易に行うことができる。また、かかる変更を製品完成後においても容易に行うことができる。
【0059】
各画像信号線駆動回路301〜304は、ドットクロックDCLK用の入力端部を有し、当該入力端部はドットクロック供給線502に接続されている。ドットクロックDCLKは、上記のようにタイミングコントローラ310で利用される他、駆動回路301〜304内の種々の箇所で利用される。なお、図4および図5では、図面の煩雑化を避けるため、タイミングコントローラ310以外の箇所に対するドットクロックDCLKの供給形態は図示を省略している。
【0060】
また、各画像信号線駆動回路301〜304は、画像データRGBdata用、水平同期信号HD用、垂直同期信号VD用およびデータイネーブル信号DENA用の入力端部を有している。これらの入力端部は、画像データ供給線503と、水平同期信号線504と、垂直同期信号線505と、データイネーブル信号線506とにそれぞれ接続されている。なお、かかる例では、水平同期信号線504と、垂直同期信号線505と、データイネーブル信号線506とを含む配線群によって、制御基準信号S0(水平同期信号HD、垂直同期信号VDおよびデータイネーブル信号DENA)を伝達する制御基準信号線600が構成されている。
【0061】
図1に図示されるように、液晶表示装置1では、上記配線502〜506はいずれも、画像信号線駆動回路301〜304を並列的に接続する形態で以て、各画像信号線駆動回路301〜304に接続されている。このため、液晶表示装置1では、ドットクロックDCLKと、画像データRGBdataと、水平同期信号HDと、垂直同期信号VDと、データイネーブル信号DENAとが、各画像信号線駆動回路301〜304へ並列的に、換言すれば同時に供給される。
【0062】
また、各画像信号線駆動回路301〜304は、スタートパルスSTHを回路外部から取り込むための入力端部と、タイミングコントローラ310で生成されたスタートパルスSTHを回路外部へ出力するための第1の出力端部と、シフトレジスタ340(後述する)の最終段から出力されたスタートパルスSTHを回路外部へ出力するための第2の出力端部とを有している。
【0063】
図1の例では、駆動回路301の第2のスタートパルス用出力端部がスタートパルス伝送線507を介して駆動回路302のスタートパルス用入力端部に接続されている。また、駆動回路302の第2のスタートパルス用出力端部がスタートパルス伝送線508を介して駆動回路303のスタートパルス用入力端部に接続されている。また、駆動回路303の第2のスタートパルス用出力端部がスタートパルス伝送線509を介して駆動回路304のスタートパルス用入力端部に接続されている。
【0064】
また、図面の煩雑化を避けるために図1では図示を省略しているが、各画像信号線駆動回路301〜304の第1のスタートパルス用出力端部は画像信号線駆動回路301のスタートパルス用入力端部に接続されている。
【0065】
かかる接続形態によれば、画像信号線駆動回路301〜304のいずれがマスタモードに選定されても、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTで生成されたスタートパルスSTHは、駆動回路301へ入力され、その後、後段の駆動回路302〜304へ順次伝達される。
【0066】
各画像信号線駆動回路301〜304は、ラッチパルスLPを回路外部から取り込むための入力端部と、タイミングコントローラ310で生成されたラッチパルスLPを回路外部へ出力するための出力端部とを有している。なお、図4および図5では外部入力されたラッチパルスLPの駆動回路301〜304内での供給形態は図示を省略しているが、上記のようにラッチパルスLPは駆動回路301〜304から画像信号線130への電圧印加タイミングを与える。
【0067】
図1の例では、駆動回路301のラッチパルス用出力端部がラッチパルス伝送線510を介して駆動回路302〜304のラッチパルス用入力端部に接続されている。図1では省略しているが、ラッチパルス伝送線510は、駆動回路301のラッチパルス用出力端部は自身のラッチパルス用入力端部にも接続されている。なお、図1では省略しているが、残りの各駆動回路302〜304のラッチパルス用出力端部も全ての駆動回路301〜304の入力端部に接続されている。
【0068】
かかる接続形態によれば、画像信号線駆動回路301〜304のいずれがマスタモードに選定されても、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTで生成されたラッチパルスLPが、全ての駆動回路301〜304へ同時に伝達される。
【0069】
各画像信号線駆動回路301〜304は、クロックCLKV用の出力端部を有している。各画像信号線駆動回路301〜304の当該出力端部はクロック伝送線511に接続されている。クロック伝送線511は、走査線駆動回路401,402を並列的に接続する形態で以て、各走査線駆動回路401,402に接続されている。図1の例では、図面の煩雑化を避けるため、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTとして例示される駆動回路301と、走査線駆動回路401,402とを接続するクロック伝送線511のみを図示している。
【0070】
各画像信号線駆動回路301〜304は、スタートパルスSTV用の出力端部を有している。各画像信号線駆動回路301〜304の当該出力端部はスタートパルス伝送線512に接続されている。図1の例では、スタートパルス伝送線512は走査線駆動回路401に接続され、2つの走査線駆動回路401,402が別のスタートパルス伝送線513を介して接続されている。かかる接続形態によれば、走査線駆動回路401から走査線駆動回路402へスタートパルスSTVが伝達される。なお、図1の例では、図面の煩雑化を避けるため、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTとして例示される駆動回路301と、走査線駆動回路401とを接続するスタートパルス伝送線512のみを図示している。
【0071】
なお、上記の各種の出力端部は、接続相手となる配線の形態に応じて1つまたは複数の出力端子で構成される。上記の各種の入力端部についても同様である。
【0072】
走査線駆動回路401は、例えば、入力されたスタートパルスSTVを、不図示のシフトレジスタへ入力し、クロックCLKVに従ってシフトレジスタ内を転送させる。かかるパルス転送に従って、シフトレジスタ内の各段に割り当てられた走査線140が順次駆動される。走査線駆動回路401においてスタートパルスSTVがシフトレジスタの最終段から出力されると、当該スタートパルスSTVは伝送線513を介して走査線駆動回路402へ入力される。走査線駆動回路402によっても、同様に、スタートパルスSTVを利用した走査線140の順次駆動が行われる。
【0073】
走査線140の走査に同期して、画像信号線駆動回路301〜304が、選択された走査線140に接続されている各画素PXに対して所定の電圧を、後述のようにして印加する。これにより、画像全体の表示が行われる。
【0074】
以下に、図6ないし図8も参照しながら、画像信号線駆動回路301〜304をさらに説明する。なお、図6は、図4および図5中の構成の一部を概説するブロック図である。図7および図8は画像信号線駆動回路301〜304の動作を概説するタイミングチャートである。
【0075】
各画像信号線駆動回路301〜304は、図4および図5の例では、シフトレジスタ340と、画像データ抽出回路350と、データラッチ回路360とを含んでいる。
【0076】
シフトレジスタ340は、既存のシフトレジスタを適用可能である。シフトレジスタ340にはドットクロックDCLKとスタートパルスSTHとが入力される。なお、図4および図5の構成例の場合、いずれの画像信号線駆動回路301〜304においても、シフトレジスタ340には外部入力されたスタートパルスSTHが供給される。これは、画像信号線駆動回路301〜304の上記例示によれば、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTであっても、タイミングコントローラ310が生成したスタートパルスSTHを一度、当該回路300MSTの外部へ出力しているからである。
【0077】
図6に例示するように、ドットクロックDCLKはシフトレジスタ340を構成する複数のラッチ回路341のそれぞれに入力される。ここでは、ラッチ回路341の個数が、その画像信号線駆動回路に割り当てられた画像信号線130の本数と同数である場合を例示する。スタートパルスSTHは第1段目のラッチ回路341に入力される。
【0078】
これにより、シフトレジスタ340は、ドットクロックDCLKに同期して、スタートパルスSTHを順次、次段のラッチ回路341へ転送する。各段のラッチ回路341の出力はデータラッチ回路360へ供給される。最終段のラッチ回路341から出力されたスタートパルスSTHは、駆動回路外部へ出力されて、次段のスレーブモードの画像信号線駆動回路300SLVへ転送される。
【0079】
画像データ抽出回路350は、画像データRGBdataを受け取り、当該画像データRGBdata中から所望部分のデータを抽出し、当該抽出した画像データRGBdataを出力する回路である。抽出する画像データRGBdataは、入力された画像データRGBdataのうちで、予め割り当てられた画像信号線130(図1参照)を駆動するために必要な部分のデータである。画像データ抽出回路350から出力された画像データRGBdataは、データラッチ回路360へ供給される。
【0080】
なお、図4および図5の例では画像データRGBdataがタイミングコントローラ310から画像データ抽出回路350へ供給される。これに対し、例えばタイミングコントローラ310が画像データRGBdataを利用しない構成の場合、画像データRGBdataは画像信号線駆動回路301〜304の画像データ用入力端部から画像データ抽出回路350へ直接、入力される。
【0081】
画像データ抽出回路350は、図6の例では、カウンタ351と、AND回路(論理積回路)352とによって構成されている。
【0082】
カウンタ351は、スタートパルスSTHを受け取り、スタートパルスSTHをトリガにしてカウント動作を開始し、所定の終了値に到達するまでカウント動作を継続する。なお、図4および図5の構成例の場合、シフトレジスタ340について説明したのと同様に、いずれの画像信号線駆動回路301〜304においても、カウンタ351には外部入力されたスタートパルスSTHが供給される。
【0083】
カウント動作に際し、カウンタ351は、ドットクロックDCLKを受け取り、当該ドットクロックDCLKに同期してカウント動作を行う。ここでは、カウンタ351のカウント終了値は、その画像信号線駆動回路に割り当てられた画像信号線130の本数と同じ値に予め設定される場合を例示する。この場合、カウンタ351は、当該割り当てられた画像信号線130の本数とドットクロックDCLKの1周期の時間とを積算して得られる時間、すなわち割り当てられた画像信号線130の本数に応じて決まる時間をカウントすることになる。
【0084】
カウンタ351は、カウント動作中は、Hレベル状態の信号を画像データ抽出イネーブル信号ENとして出力する(図7および図8参照)。なお、画像データ抽出イネーブル信号ENは、カウンタ351がカウント動作を休止している間、Lレベル状態にある。イネーブル信号ENはAND回路352へ供給される。
【0085】
AND回路352は、画像データ抽出イネーブル信号ENと画像データRGBdataとを入力信号として受け取る。画像データ抽出イネーブル信号ENの上記波形に鑑みれば、AND回路352は、当該イネーブル信号ENがHレベルの期間のみ、入力された画像データRGBdataを出力信号として通過させる。逆に、イネーブル信号ENがLレベルの期間中は、画像データRGBdataはAND回路352によってデータマスクされて出力されず、AND回路352からの出力はLレベルが継続する。AND回路352からの出力信号はデータラッチ回路360へ供給される。
【0086】
これにより、図6に例示の画像データ抽出回路350は、入力された画像データRGBdata中から、所望の部分のデータを抽出することが可能である。
【0087】
データラッチ回路360は、既存のデータラッチ回路を適用可能である。データラッチ回路360は、画像データ抽出回路350からの出力信号をラッチの対象となる入力信号として受け取るとともに、シフトレジスタ340内をシフトするスタートパルスSTHをラッチのタイミングを与える制御信号(いわゆるラッチ信号)として受け取る。図6に示すように、画像データ抽出回路350の出力信号はデータラッチ回路360を構成する複数のラッチ回路361のそれぞれに入力される。シフトレジスタ340の各段のラッチ回路341の出力信号は、データラッチ回路360の対応する段のラッチ回路361へ入力される。すなわち、mを自然数として、データラッチ回路360の第m段目のラッチ回路361にはシフトレジスタ340の第m段目のラッチ回路341の出力信号が入力される。
【0088】
これにより、データラッチ回路360の各段のラッチ回路361は、シフトレジスタ340の対応するラッチ回路341がスタートパルスSTHを出力するのに同期して、画像データ抽出回路350の出力信号の出力信号をラッチする。
【0089】
図6の例では、データラッチ回路360のラッチ回路361の個数は、その画像信号線駆動回路に割り当てられた画像信号線130の本数と同数である。すなわち、各ラッチ回路361は、1本の画像信号線130を駆動するのに必要なデータを取り込む回路構成を有している。例えば画像データRGBdataが各表示色について8ビット幅の場合、図6に例示の各ラッチ回路361は8ビット分のデータを同時にラッチする回路構成を有している。
【0090】
データラッチ回路360が取り込んだ各画像信号線130についての画像データ(すなわち階調データ)RGBdataは、例えば、不図示のD/Aコンバータでアナログ階調電圧に変換され、不図示の出力バッファを介して、対応する画像信号線130へ出力される。出力バッファからの出力タイミングはラッチパルスLPによって規定され、当該ラッチパルスLPは画像信号線駆動回路301〜304に同時に供給される。
【0091】
なお、図7の例では、ドットクロックDCLKの1周期ごとに、シフトレジスタ340でのスタートパルスSTHのシフト動作と、カウンタ351でのカウント動作と、データラッチ回路360でのラッチ動作とが行われる。
【0092】
上記の構成によれば、画像データ抽出回路350は、画像データRGBdataの抽出期間以外の期間では、データラッチ回路360へLレベルの信号を継続的に供給する。このため、画像データ抽出期間以外の期間では、データラッチ回路360を構成するトランジスタのスイッチング動作を休止させることが可能である。したがって、画像信号線駆動回路301〜304の省電力化を図り、その結果、駆動装置200、さらには液晶表示装置1の省電力化を図ることができる。
【0093】
また、上記例示の画像データ抽出回路350によれば、画像信号線駆動回路で一般的に利用されるスタートパルスSTHを流用するとともに、一般的なカウンタ351およびAND回路352が適用されている。このため、画像データ抽出回路350を簡略な構成で実現することができる。
【0094】
ここで、画像データ抽出回路350のデータ抽出機能は他の回路構成によっても実現可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0095】
例えば、カウンタ351を上記波形を反転した波形を有する信号ENを出力するように構成するとともに、AND回路352に代えてOR回路(論理和回路)を設けた回路構成が挙げられる。かかる例によれば、画像データ抽出期間以外の期間では、カウンタ351からOR回路へHレベルの信号が入力されるので、データラッチ回路360にはHレベルの信号が継続的に供給される。これにより、データラッチ回路360を構成するトランジスタのスイッチング動作を休止させることが可能である。
【0096】
かかる例示にも鑑みると、上記のAND回路352およびOR回路は、次のような機能または動作を実行する論理回路の一例である。すなわち、当該論理回路は、カウンタ352が出力する画像データ抽出制御信号(上記では画像データ抽出イネーブル信号ENが例示される)が第1電位を示す場合は、受け取った画像データRGBdataをデータラッチ回路360へ供給する。これに対し、当該論理回路は、上記画像データ抽出制御信号が第1電位とは異なる第2電位を示す場合は、一定電位の信号(上記ではレベルまたはHレベルの信号が例示される)をデータラッチ回路へ供給する。
【0097】
実施の形態2.
図9に、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置1Bを概説するブロック図を示す。図9に例示の液晶表示装置1Bは、実施の形態1に係る液晶表示装置1(図1参照)において駆動装置200を駆動装置200Bに代えた構成を有している。駆動装置200Bは、画像信号線駆動回路301〜304のうちの1つが固定的にマスタモードで使用される点およびこれに伴う配線形態を除いて、実施の形態1に係る駆動装置200と同様の構成を有している。
【0098】
図9の例では、画像信号線駆動回路301が固定的にマスタモードで使用される。この場合、制御基準信号S0を供給するための制御基準信号線600は、マスタモードの画像信号線駆動回路301に接続されているが、スレーブモードの画像信号線駆動回路302〜304には接続されていない。
【0099】
このため、全ての画像信号線駆動回路301〜304に制御基準信号線600が接続されている実施の形態1に係る構成に比べて、配線数が低減する。このため、配線配置領域を小さくすることができ、その結果、小型の駆動装置200Bおよび液晶表示装置1Bを得ることができる。また、配線数の低減により、配線部材のコストを削減することができ、駆動装置200Bおよび液晶表示装置1Bの低価格化を図ることができる。また、配線数の低減により、配線によるノイズの輻射および受信を低減することができ、駆動装置200Bおよび液晶表示装置1Bの安定動作を図ることができる。
【0100】
また、走査線駆動回路401,402の駆動信号CLKV,STV用の配線511,512もマスタモードの画像信号線駆動回路301にのみ接続されていれば良い。かかる配線形態についても上記の効果を得ることができる。
【0101】
画像信号線駆動回路302〜304をマスタモードで使用する場合も同様の効果が得られる。
【0102】
変形例.
実施の形態1,2では、液晶パネル100と画像信号線駆動回路301〜304とがフレキシブルなテープなどの部材(TCP:Tape Carrier Package/COF:Chip on Film)を介して接続される場合を例示した。これに対し、例えば、画像信号線駆動回路301〜304が形成された半導体チップを、チップ・オン・グラス(COG:Chip On Glass)形態で液晶パネル100の基板上に実装してもよい。あるいは、画像信号線駆動回路301〜304を液晶パネル100の基板上に、画素PX用のTFT111(図3参照)等とともに形成することも可能である。この場合、実施の形態2の構成によれば、配線数の低減により、液晶パネル100の小型化等を図ることができる。
【符号の説明】
【0103】
1,1B 液晶表示装置(表示装置)、100 液晶表示パネル(表示パネル)、130 画像信号線、200,200B 駆動装置、300MST マスタモードの画像信号線駆動回路、300SLV スレーブモードの画像信号線駆動回路、301〜304 画像信号線駆動回路、310 タイミングコントローラ、350 画像データ抽出回路、351 カウンタ、352 AND回路(論理回路)、360 データラッチ回路、503 画像データ供給線、600 制御基準信号線、EN 画像データ抽出イネーブル信号(画像データ抽出制御信号)、RGBdata 画像データ、S0 制御基準信号、S1 制御信号、STH スタートパルス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示装置等の表示装置に係り、また、表示装置に用いられる駆動装置に係る。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、昨今では、家庭用TVから産業用ディスプレイまで幅広い分野で使用されている。
【0003】
液晶表示装置の構成は、液晶パネルと、液晶パネルを駆動する駆動装置とに大別される。従来の駆動装置は、複数の画像信号線駆動回路と、複数の走査線駆動回路と、これらの駆動回路を駆動する制御回路としてのタイミングコントローラとを含んでいる。かかる従来構成では、タイミングコントローラは、画像信号線駆動回路および走査線駆動回路の外部に設けられている。
【0004】
各画像信号線駆動回路は液晶パネルの画像信号線を駆動するための集積回路であり、当該集積回路を複数個用いて液晶パネルの全ての画像信号線を駆動する。同様に、各走査線駆動回路は液晶パネルの走査線を駆動するための集積回路であり、当該集積回路を複数個用いて液晶パネルの全ての走査線を駆動する。
【0005】
タイミングコントローラは、画像データと、画像信号線駆動回路および走査線駆動回路を制御する際の基準となる制御基準信号と、処理を行う際の基準となるドットクロック(DCLK)とを受け取る。上記の制御基準信号には、液晶パネルの水平方向の同期を取るための基準信号として用いられる水平同期信号(HD)、液晶パネルの垂直方向の同期を取るための基準信号として用いられる垂直同期信号(VD)、画像データが有効である期間を示すデータイネーブル信号(DENA)等が含まれる。
【0006】
タイミングコントローラは、入力された上記各種信号等を用いて、画像信号線駆動回路および走査線駆動回路を駆動するための駆動信号を生成する。
【0007】
画像信号線駆動回路用の駆動信号には、タイミングコントローラへ入力された画像データに基づいて生成された赤(R)、緑(G)および青(B)のデジタル信号から成る画像データ(数ビット幅のバス構成を有する)が含まれる。
【0008】
また、画像信号線駆動回路用の駆動信号には、画像信号線駆動回路での各種処理を行う際の基準となるクロック(CLKH)、画像データの水平方向の始まりを示すスタートパルス(STH)、液晶駆動の極性を反転するための極性反転信号(POL)、画像データを画像信号線駆動回路の出力側である液晶パネルの画像信号線に伝えるためのラッチパルス(LP)等の制御信号が含まれる。
【0009】
走査線駆動回路用の駆動信号には、走査線駆動回路での各種処理を行う際の基準となるクロック(CLKV)、画像データの垂直方向の始まりを示すスタートパルス(STV)等の制御信号が含まれる。
【0010】
画像信号線駆動回路用および走査線駆動回路用の上記制御信号は、タイミングコントローラへ入力された、水平同期信号(HD)、垂直同期信号(VD)、データイネーブル信号(DENA)を基準にしてドットクロック(DCLK)を使って生成される。
【0011】
画像信号線駆動回路は、走査線駆動回路によって選択された走査線の各画素に対して、当該各画素の画像データに対応した所定の電圧(階調電圧)を印加する。走査線駆動回路が走査線を順次選択することにより、画像全体の表示が行われる。
【0012】
上記の従来構成に対して、タイミングコントローラを画像信号線駆動回路に搭載した(内蔵した)複合化駆動回路が開発されている。かかる複合化駆動回路によれば、タイミングコントローラ用の回路基板が不要になるので、部材コストを削減することができる。その結果、液晶表示装置の低価格化を図ることができる。
【0013】
タイミングコントローラ内蔵型の画像信号線駆動回路は液晶表示装置に複数個設けられる。しかし、タイミングコントローラ自体は1つあれば足りる。このため、複数の画像信号線駆動回路のうちの1つをマスタモードで用い、残りの画像信号線駆動回路をスレーブモードで用いる。より具体的は、マスタモードの画像信号線駆動回路は自身のタイミングコントローラに基づいて動作し、スレーブモードの画像信号線駆動回路はマスタモードの画像信号線駆動回路のタイミングコントローラから制御信号を受けて動作する。この場合、スレーブモードの画像信号線駆動回路のタイミングコントローラを停止させることによって、消費電力を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−216127号公報
【特許文献2】特開平10−62746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
一般に、画像信号線駆動回路は、画像データをラッチするためのデータラッチ回路を有している。
【0016】
画像信号線駆動回路が複数設けられた構成では、各画像信号線駆動回路には自身に割り当てられていない画像信号線の画像データも入力される。そのような不要な画像データの入力期間中であっても、データラッチ回路を構成するトランジスタはスイッチング動作を繰り返しており、電力を消費している。
【0017】
本発明は、上記の不要な画像データの入力期間中における消費電力を削減可能な表示装置および駆動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明に係る表示装置は、その一態様として、複数の画像信号線を含む表示パネルと、それぞれが前記複数の画像信号線のうちで予め割り当てられた所定数の画像信号線を駆動する複数の画像信号線駆動回路と、前記複数の画像信号線駆動回路に画像データを供給する画像データ供給線とを備え、前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは当該複数の画像信号線駆動回路を制御するための制御信号を生成する制御信号生成機能を有したタイミングコントローラを搭載しており、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの1つが前記制御信号生成機能を動作させるマスタモードで使用されるとともに、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの残りは前記制御信号生成機能を動作させないスレーブモードで使用され、前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは、前記画像データのうちから前記予め割り当てられた所定数の画像信号線に対応する部分の画像データを抽出する画像データ抽出回路と、前記画像データ抽出回路によって抽出された前記画像データをラッチするデータラッチ回路とを含み、前記画像データ抽出回路は、前記画像データの抽出期間以外の期間では、一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る表示装置の上記一態様によれば、画像データ抽出期間以外の期間では、データラッチ回路へ低電位レベルの信号が入力される。このため、画像データ抽出期間以外の期間では、データラッチ回路のトランジスタのスイッチング動作を停止させることが可能である。したがって、画像信号線駆動回路の省電力化を図り、その結果、表示装置の省電力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置を概説するブロック図である。
【図2】実施の形態1について液晶表示装置の液晶パネルを概説する平面図である。
【図3】実施の形態1について液晶パネルの画素を概説する回路図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る画像信号線駆動回路を概説するブロック図である(マスタモード)。
【図5】本発明の実施の形態1に係る画像信号線駆動回路を概説するブロック図である(スレーブモード)。
【図6】本発明の実施の形態1に係る画像信号線駆動回路を概説するブロック図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る画像信号線駆動回路の動作を概説するタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置の動作を概説するタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置を概説するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。実施の形態では、本発明に係る表示装置として、カラー表示が可能な液晶表示装置(透過型、反射型または半透過型のいずれであっても構わない)を例示する。但し、本発明に係る表示装置は、これに限定されるものではない。例えば、単色表示(白黒に限らない)の液晶表示装置、液晶表示装置以外の表示装置(例えば有機EL(Electro-Luminescent)または無機ELを利用した表示装置等)にも、以下に説明する構成等は当てはまる。また、本発明に係る駆動装置は、液晶パネルに限らず各種の表示パネルに適用可能である。
【0022】
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置1を概説するブロック図を示す。図1の例では、液晶表示装置1は、液晶パネル100と、当該液晶パネル100を駆動する駆動装置200とを含んでいる。
【0023】
図2に液晶パネル100の概略的な平面図を示す。図2に例示するように、液晶パネル100は、画素配置領域101と、当該領域101を取り囲む周辺領域102とに大別される。周辺領域は額縁領域とも称される。なお、液晶パネル100、画素配置領域101および周辺領域102の形状、寸法等は図示の例に限定されるものではない。液晶パネル100は、複数の画素PXと、複数の画像信号線130と、複数の走査線140とを有している。図2に例示するように、各画素PXは、複数の画像信号線130のうちのいずれか1本と、複数の走査線140のうちのいずれか1本とに接続されている。
【0024】
画素PXは、画素配置領域101内に面状に分散配置されて、画像(文字等も含む)が表示される表示画面を構成する。図2の例では、画素PXは、画素配置領域101内において、行方向(図面において左右方向)と列方向(図面において上下方向)とのいずれの方向にも整列している。すなわち、複数の画素PXがマトリクス状に配列されている。なお、複数の画素PXをいわゆるデルタ状に配列することも可能である。
【0025】
画像信号線130は、画素PXに、その画素PXの画像データ(より具体的には階調データ)に応じた電圧値を有する電圧(階調電圧)を印加するための配線である。なお、画像信号線はデータ線等と称される場合もある。図2の例では、各画像信号線130は列方向に延在しており、かかる画像信号線130の複数本が行方向に配列されている。各画像信号線130は画素配置領域101と周辺領域102とに渡って延在している。図2には、全ての画像信号線130が周辺領域102のうちの1つの辺部(図面では下辺部)内まで延在している場合を例示している。
【0026】
走査線140は、階調電圧を印加する画素PXを選択するための配線である。かかる画素PXの選択は、複数の走査線140を順次選択する、換言すれば走査することにより行われる。なお、走査線は画素選択線、ゲート線、アドレス線等と称される場合もある。図2の例では、各走査線140は行方向に延在しており、かかる走査線140の複数本が列方向に配列されている。各走査線140は画素配置領域101と周辺領域102とに渡って延在している。図2には、全ての走査線140が周辺領域102のうちの1つの辺部(図面では左辺部)内まで延在している場合を例示している。
【0027】
上記のように、各画素PXは、複数の画像信号線130のうちのいずれか1本と、複数の走査線140のうちのいずれか1本とに接続されている。このため、各画像信号線130には、異なる走査線140に接続された複数の画素PX(全ての画素PXのうちの一部の画素PXである)が接続されている。また、各走査線140には、異なる画像信号線130に接続された複数の画素PX(全ての画素PXのうちの一部の画素PXである)が接続されている。この場合、画像信号線130と走査線140との組合せにより、各画素PXを特定することが可能である。
【0028】
図3に画素PXを概説する回路図を示す。図3に例示の画素PXは、薄膜トランジスタ(TFT)111と、基本セル112と、保持容量113とを有している。
【0029】
TFT111のゲートは走査線140に接続され、TFT111のソースは画像信号線130に接続され、TFT111のドレインは基本セル112に接続されている。なお、TFTの構造上、上記のソースがドレインと称され、上記のドレインがソースと称される場合もある。TFT111に代えて他のスイッチング素子を用いることも可能である。
【0030】
基本セル112は、画素PXの基本単位となる構造体であり、画素PXごとに設けられTFT111のドレインに接続された画素電極と、各画素PXに共通の電位を供給するための共通電極と、液晶層とを含んで構成される。なお、画素電極と共通電極とは、例えばTN(Twisted Nematic)モード等では液晶層を介して対向する別々の基板に設けられる。これに対し、例えばIPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード等では液晶パネル100の同じ基板に設けられる。
【0031】
保持容量113の一方の電極はTFT111のドレインに接続されている。保持容量113の他方の電極は所定の電位、例えば共通電極に印加される共通電位に接続されている。なお、保持容量113を有さない画素構成を採用することも可能である。保持容量は補助容量とも称される。
【0032】
かかる構造の画素PXの場合、走査線140への電圧印加によりTFT111のゲートがオンになると、そのときの画像信号線130の電圧(画像データに対応する)が画素電極へ供給される。このとき生じる画素電極と共通電極との間の電界によって、液晶層中の液晶分子の配向状態が変化し、当該画素PXの表示輝度が変化する。画素電極の電位は保持容量113によって保持される。
【0033】
各画素PXの表示色は例えば基本セル112にカラーフィルタを設けることによって規定される。このとき、例えば近接する赤(R)、緑(G)および青(B)の各表示色用の画素PXの集合体(すなわち画素群)によって、カラー表示のための1単位が構成される。
【0034】
図1に戻り、図1に例示の駆動装置200は、複数の(ここでは4個が例示される)の画像信号線駆動回路301〜304と、複数の(ここでは2個が例示される)の走査線駆動回路401,402と、各種の配線501〜513とを含んでいる。なお、図示を省略しているが、駆動装置200は、駆動回路301〜304,401,402で利用する各種電圧を供給する電源回路を含んでいる。
【0035】
画像信号線駆動回路301〜304はいずれも、画像信号線130を駆動する、すなわち画像信号線130に階調電圧を印加するための回路である。ここでは、各画像信号線駆動回路301〜304は、いわゆる集積回路(IC)で構成されている。
【0036】
各画像信号線駆動回路301〜304は、階調電圧を出力するための複数の出力端部を有している。画像信号線駆動回路301〜304のそれぞれには、複数の画像信号線130(全ての画像信号線130のうちの一部である)が予め割り当てられている。各画像信号線駆動回路301〜304の上記複数の出力端部は、各駆動回路301〜304に対して割り当てられた上記の複数の画像信号線130にそれぞれ接続されている。これにより、各画像信号線駆動回路301〜304によって、予め割り当てられた所定数の画像信号線130が駆動される。
【0037】
なお、各画像信号線駆動回路301〜304の上記出力端部は、画像信号線130のうちで液晶パネル100の周辺領域102へ引き出された部分と、ガラス上にて直に接続されたり、フレキシブルなテープなどの部材(TCP:Tape Carrier Package/COF:Chip on Film)を介して接続される。
【0038】
ここでは、各画像信号線駆動回路301〜304に対して同じ本数の画像信号線130が割り当てられ、また、割り当てられる画像信号線130は連続して並んでいる場合を例示する。より具体的には、画像信号線130の総本数が、Mを自然数として(4×M)本とした場合、図1の平面視において左から数えて第1本目から第M本目までの画像信号線130が画像信号線駆動回路301に割り当てられている。同様に、第(M+1)本目から第(2×M)本目までの画像信号線130が画像信号線駆動回路302に割り当てられ、第(2×M+1)本目から第(3×M)本目までの画像信号線130が画像信号線駆動回路303に割り当てられ、第(3×M+1)本目から第(4×M)本目までの画像信号線130が画像信号線駆動回路304に割り当てられている。
【0039】
走査線駆動回路401,402はいずれも走査線140を駆動する、すなわち走査線140に走査電圧(走査線選択電圧等とも称される)を印加するための回路である。ここでは、各走査線駆動回路401,402は、いわゆる集積回路(IC)で構成されている。
【0040】
各走査線駆動回路401,402は、走査電圧を出力するための複数の出力端を有している。走査線駆動回路401,402と走査線140との接続形態は、画像信号線駆動回路301〜304と画像信号線130との上記の接続形態と同様である。これにより、各走査線駆動回路401,402によって、各駆動回路401,402に対して予め割り当てられた所定数の走査線140が駆動される。
【0041】
ここで、図4および図5に画像信号線駆動回路301〜304を概説するブロック図を示す。なお、図4および図5には同じ構成が例示されており、画像信号線駆動回路301〜304が後述するマスタモードの画像信号線駆動回路300MSTとして利用される場合を図4に例示し、後述するスレーブモードの画像信号線駆動回路300SLVとして利用される場合を図5に例示している。
【0042】
画像信号線駆動回路301〜304はそれぞれがタイミングコントローラ310を搭載、換言すれば内蔵している。なお、タイミングコントローラ310は、基本的には、従来の駆動装置では画像信号線駆動回路の外部に設けられていた既存のタイミングコントローラ(外付けのタイミングコントローラと称することにする)と同様の機能を有している。
【0043】
タイミングコントローラ310は、表示画像に関する信号を受け取り、当該入力信号を予め規定された所定の処理に適用することによって駆動回路301〜304,401,402を駆動するための信号を生成し、生成された駆動信号を出力するように構成された制御回路である。
【0044】
タイミングコントローラ310へ入力される表示画像に関する信号には、例えば、表示する画像のデータRGBdataと、表示画像に関する制御基準信号S0とが含まれる。表示画像に関する制御基準信号S0には、例えば、液晶パネル100の水平方向の同期を取るための基準信号として用いられる水平同期信号HD、液晶パネル100の垂直方向の同期を取るための基準信号として用いられる垂直同期信号VD、画像データRGBdataが有効である期間を示すデータイネーブル信号DENA等が含まれる。
【0045】
なお、上記の画像データRGBdata、水平同期信号HD、垂直同期信号VD、データイネーブル信号DENA等の表示画像信号は、例えば駆動装置200の外部に設けられたテレビチューナ、ビデオ、パーソナルコンピュータ等の表示画像信号供給装置(図示せず)から供給される。
【0046】
タイミングコントローラ310には、上記の所定処理を実行する際の基準(例えば、処理動作やパルス生成のタイミングの基準)として利用するドットクロックDCLKが入力される。なお、ドットクロックDCLKは、駆動装置200の外部または内部に設けられたクロック生成回路(図示せず)から供給される。
【0047】
タイミングコントローラ310から出力される駆動信号には、画像信号線駆動回路301〜304を駆動するための信号と、走査線駆動回路401,402を駆動するための信号とが含まれる。
【0048】
画像信号線駆動回路301〜304用の駆動信号には、例えば、画像データRGBdata(説明を簡単にするために入力信号の画像データと同じ符号を用いることにする)と、画像信号線駆動回路301〜304用の制御信号S1とが含まれる。
【0049】
画像信号線駆動回路301〜304から出力される画像データRGBdataは、例えば、入力された画像データRGBdataに対して、上記の所定処理の一部として予め規定された各種のデータ処理が施されたものである。予め規定された画像データ処理として、例えば、入力された画像データRGBdataを、画像信号線130の駆動に適した形式のデータに変換する処理が挙げられる。より具体的には、例えば赤(R)、緑(G)および青(B)用の各画素PXを256階調で駆動する場合、入力された画像データRGBdataを表示色それぞれについて8ビット幅のバス構成を有した階調データに変換する処理が例示される。なお、入力された画像データRGBdataを、データ処理を行わずに出力する構成を採用することも可能である。
【0050】
画像信号線駆動回路301〜304用の制御信号S1には、例えば、スタートパルスSTH、ラッチパルスLP等が含まれる。スタートパルスSTHは、画像データRGBdataの水平方向の開始タイミングを示す信号である。スタートパルスSTHは、例えば、水平同期信号HDに同期させて、ドットクロックDCLKから生成される。ラッチパルスLPは、全ての画像信号線130についてラッチされた画像データRGBdataを、画像信号線駆動回路301〜304から液晶パネル100の画像信号線130へ伝送するタイミングを与える信号である。
【0051】
なお、ここでは詳細な説明は省略するが、画像信号線駆動回路301〜304用の制御信号S1は、例えば、液晶駆動の極性を反転するための極性反転信号(POL。図示略)等をさらに含むことが可能である。
【0052】
走査線駆動回路401,402用の駆動信号には、例えば、走査線駆動回路401,402で信号処理を行う際の基準となるクロックCLKV、画像データRGBdataの垂直方向の開始タイミングを示すスタートパルスSTV等の制御信号S2が含まれる。
【0053】
タイミングコントローラ310における上記所定処理には、既存の外付けのタイミングコントローラで採用されている各種の処理手法を採用することが可能である。このため、ここでは、タイミングコントローラ310での上記所定処理については詳細な説明を省略する。
【0054】
タイミングコントローラ310が行う上記所定処理には、上記のように、駆動回路301〜304,401,402用の制御信号S1,S2を生成する制御信号生成処理が含まれる。すなわち、タイミングコントローラ310は、駆動回路301〜304,401,402用の制御信号S1,S2を生成する制御信号生成機能(換言すれば制御信号生成回路)を有している。
【0055】
また、タイミングコントローラ310が行う上記所定処理には、画像データRGBdataに対する画像データ処理が含まれる場合もある。すなわち、タイミングコントローラ310は、画像データRGBdataに対する画像データ処理機能(換言すれば画像データ処理回路)を有する場合もある。
【0056】
上記のように画像信号線駆動回路301〜304のいずれもタイミングコントローラ310を有しているが、画像信号線駆動回路301〜304のうちの1つがタイミングコントローラ310の制御信号生成機能を動作させるマスタモード(図4参照)で使用され、残りの画像信号線駆動回路は制御信号生成機能を動作させないスレーブモード(図5参照)で使用される。なお、タイミングコントローラ310が画像データ処理機能を有する場合、当該画像データ処理機能はマスタおよびスレーブの両モードで動作させる。なお、図5では、スレーブモードに応じて、タイミングコントローラ310から出力されない信号を破線で図示している。ここでは、画像信号線駆動回路301(図1参照)がマスタモードで使用される場合を例示する。
【0057】
マスタモードとスレーブモードとの設定は、画像信号線駆動回路301〜304の外部から入力するモード設定信号S300によって可能である。例えば、マスタモードでは、高電位レベル(以下、HighレベルまたはHレベルと称する)のモード設定信号S300によってオン状態になるスイッチ(図示せず)を介して給電を行うことにより、制御信号生成回路を動作させる。逆に、スレーブモードでは、低電位レベル(以下、LowレベルまたはLレベルと称する)のモード設定信号S300によって上記スイッチをオフ状態にすることにより、制御信号生成回路への給電を遮断する。
【0058】
モード設定信号S300のレベル設定は、例えば、Hレベルの電圧供給源(例えば不図示の電源回路)から画像信号線駆動回路301〜304へ至るモード設定信号線501の途中に、ディップスイッチ等(図示略)を挿入し、当該スイッチのオン/オフ状態を設定することにより可能である。なお、図1の例では、モード設定信号線501は各画像信号線駆動回路301〜304用の合計4本の配線から成る。かかる構成例によれば、ディップスイッチのオン/オフ状態の切り替えによって、画像信号線駆動回路301〜304についてのマスタモードとスレーブモードとの変更を容易に行うことができる。また、かかる変更を製品完成後においても容易に行うことができる。
【0059】
各画像信号線駆動回路301〜304は、ドットクロックDCLK用の入力端部を有し、当該入力端部はドットクロック供給線502に接続されている。ドットクロックDCLKは、上記のようにタイミングコントローラ310で利用される他、駆動回路301〜304内の種々の箇所で利用される。なお、図4および図5では、図面の煩雑化を避けるため、タイミングコントローラ310以外の箇所に対するドットクロックDCLKの供給形態は図示を省略している。
【0060】
また、各画像信号線駆動回路301〜304は、画像データRGBdata用、水平同期信号HD用、垂直同期信号VD用およびデータイネーブル信号DENA用の入力端部を有している。これらの入力端部は、画像データ供給線503と、水平同期信号線504と、垂直同期信号線505と、データイネーブル信号線506とにそれぞれ接続されている。なお、かかる例では、水平同期信号線504と、垂直同期信号線505と、データイネーブル信号線506とを含む配線群によって、制御基準信号S0(水平同期信号HD、垂直同期信号VDおよびデータイネーブル信号DENA)を伝達する制御基準信号線600が構成されている。
【0061】
図1に図示されるように、液晶表示装置1では、上記配線502〜506はいずれも、画像信号線駆動回路301〜304を並列的に接続する形態で以て、各画像信号線駆動回路301〜304に接続されている。このため、液晶表示装置1では、ドットクロックDCLKと、画像データRGBdataと、水平同期信号HDと、垂直同期信号VDと、データイネーブル信号DENAとが、各画像信号線駆動回路301〜304へ並列的に、換言すれば同時に供給される。
【0062】
また、各画像信号線駆動回路301〜304は、スタートパルスSTHを回路外部から取り込むための入力端部と、タイミングコントローラ310で生成されたスタートパルスSTHを回路外部へ出力するための第1の出力端部と、シフトレジスタ340(後述する)の最終段から出力されたスタートパルスSTHを回路外部へ出力するための第2の出力端部とを有している。
【0063】
図1の例では、駆動回路301の第2のスタートパルス用出力端部がスタートパルス伝送線507を介して駆動回路302のスタートパルス用入力端部に接続されている。また、駆動回路302の第2のスタートパルス用出力端部がスタートパルス伝送線508を介して駆動回路303のスタートパルス用入力端部に接続されている。また、駆動回路303の第2のスタートパルス用出力端部がスタートパルス伝送線509を介して駆動回路304のスタートパルス用入力端部に接続されている。
【0064】
また、図面の煩雑化を避けるために図1では図示を省略しているが、各画像信号線駆動回路301〜304の第1のスタートパルス用出力端部は画像信号線駆動回路301のスタートパルス用入力端部に接続されている。
【0065】
かかる接続形態によれば、画像信号線駆動回路301〜304のいずれがマスタモードに選定されても、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTで生成されたスタートパルスSTHは、駆動回路301へ入力され、その後、後段の駆動回路302〜304へ順次伝達される。
【0066】
各画像信号線駆動回路301〜304は、ラッチパルスLPを回路外部から取り込むための入力端部と、タイミングコントローラ310で生成されたラッチパルスLPを回路外部へ出力するための出力端部とを有している。なお、図4および図5では外部入力されたラッチパルスLPの駆動回路301〜304内での供給形態は図示を省略しているが、上記のようにラッチパルスLPは駆動回路301〜304から画像信号線130への電圧印加タイミングを与える。
【0067】
図1の例では、駆動回路301のラッチパルス用出力端部がラッチパルス伝送線510を介して駆動回路302〜304のラッチパルス用入力端部に接続されている。図1では省略しているが、ラッチパルス伝送線510は、駆動回路301のラッチパルス用出力端部は自身のラッチパルス用入力端部にも接続されている。なお、図1では省略しているが、残りの各駆動回路302〜304のラッチパルス用出力端部も全ての駆動回路301〜304の入力端部に接続されている。
【0068】
かかる接続形態によれば、画像信号線駆動回路301〜304のいずれがマスタモードに選定されても、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTで生成されたラッチパルスLPが、全ての駆動回路301〜304へ同時に伝達される。
【0069】
各画像信号線駆動回路301〜304は、クロックCLKV用の出力端部を有している。各画像信号線駆動回路301〜304の当該出力端部はクロック伝送線511に接続されている。クロック伝送線511は、走査線駆動回路401,402を並列的に接続する形態で以て、各走査線駆動回路401,402に接続されている。図1の例では、図面の煩雑化を避けるため、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTとして例示される駆動回路301と、走査線駆動回路401,402とを接続するクロック伝送線511のみを図示している。
【0070】
各画像信号線駆動回路301〜304は、スタートパルスSTV用の出力端部を有している。各画像信号線駆動回路301〜304の当該出力端部はスタートパルス伝送線512に接続されている。図1の例では、スタートパルス伝送線512は走査線駆動回路401に接続され、2つの走査線駆動回路401,402が別のスタートパルス伝送線513を介して接続されている。かかる接続形態によれば、走査線駆動回路401から走査線駆動回路402へスタートパルスSTVが伝達される。なお、図1の例では、図面の煩雑化を避けるため、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTとして例示される駆動回路301と、走査線駆動回路401とを接続するスタートパルス伝送線512のみを図示している。
【0071】
なお、上記の各種の出力端部は、接続相手となる配線の形態に応じて1つまたは複数の出力端子で構成される。上記の各種の入力端部についても同様である。
【0072】
走査線駆動回路401は、例えば、入力されたスタートパルスSTVを、不図示のシフトレジスタへ入力し、クロックCLKVに従ってシフトレジスタ内を転送させる。かかるパルス転送に従って、シフトレジスタ内の各段に割り当てられた走査線140が順次駆動される。走査線駆動回路401においてスタートパルスSTVがシフトレジスタの最終段から出力されると、当該スタートパルスSTVは伝送線513を介して走査線駆動回路402へ入力される。走査線駆動回路402によっても、同様に、スタートパルスSTVを利用した走査線140の順次駆動が行われる。
【0073】
走査線140の走査に同期して、画像信号線駆動回路301〜304が、選択された走査線140に接続されている各画素PXに対して所定の電圧を、後述のようにして印加する。これにより、画像全体の表示が行われる。
【0074】
以下に、図6ないし図8も参照しながら、画像信号線駆動回路301〜304をさらに説明する。なお、図6は、図4および図5中の構成の一部を概説するブロック図である。図7および図8は画像信号線駆動回路301〜304の動作を概説するタイミングチャートである。
【0075】
各画像信号線駆動回路301〜304は、図4および図5の例では、シフトレジスタ340と、画像データ抽出回路350と、データラッチ回路360とを含んでいる。
【0076】
シフトレジスタ340は、既存のシフトレジスタを適用可能である。シフトレジスタ340にはドットクロックDCLKとスタートパルスSTHとが入力される。なお、図4および図5の構成例の場合、いずれの画像信号線駆動回路301〜304においても、シフトレジスタ340には外部入力されたスタートパルスSTHが供給される。これは、画像信号線駆動回路301〜304の上記例示によれば、マスタモードの画像信号線駆動回路300MSTであっても、タイミングコントローラ310が生成したスタートパルスSTHを一度、当該回路300MSTの外部へ出力しているからである。
【0077】
図6に例示するように、ドットクロックDCLKはシフトレジスタ340を構成する複数のラッチ回路341のそれぞれに入力される。ここでは、ラッチ回路341の個数が、その画像信号線駆動回路に割り当てられた画像信号線130の本数と同数である場合を例示する。スタートパルスSTHは第1段目のラッチ回路341に入力される。
【0078】
これにより、シフトレジスタ340は、ドットクロックDCLKに同期して、スタートパルスSTHを順次、次段のラッチ回路341へ転送する。各段のラッチ回路341の出力はデータラッチ回路360へ供給される。最終段のラッチ回路341から出力されたスタートパルスSTHは、駆動回路外部へ出力されて、次段のスレーブモードの画像信号線駆動回路300SLVへ転送される。
【0079】
画像データ抽出回路350は、画像データRGBdataを受け取り、当該画像データRGBdata中から所望部分のデータを抽出し、当該抽出した画像データRGBdataを出力する回路である。抽出する画像データRGBdataは、入力された画像データRGBdataのうちで、予め割り当てられた画像信号線130(図1参照)を駆動するために必要な部分のデータである。画像データ抽出回路350から出力された画像データRGBdataは、データラッチ回路360へ供給される。
【0080】
なお、図4および図5の例では画像データRGBdataがタイミングコントローラ310から画像データ抽出回路350へ供給される。これに対し、例えばタイミングコントローラ310が画像データRGBdataを利用しない構成の場合、画像データRGBdataは画像信号線駆動回路301〜304の画像データ用入力端部から画像データ抽出回路350へ直接、入力される。
【0081】
画像データ抽出回路350は、図6の例では、カウンタ351と、AND回路(論理積回路)352とによって構成されている。
【0082】
カウンタ351は、スタートパルスSTHを受け取り、スタートパルスSTHをトリガにしてカウント動作を開始し、所定の終了値に到達するまでカウント動作を継続する。なお、図4および図5の構成例の場合、シフトレジスタ340について説明したのと同様に、いずれの画像信号線駆動回路301〜304においても、カウンタ351には外部入力されたスタートパルスSTHが供給される。
【0083】
カウント動作に際し、カウンタ351は、ドットクロックDCLKを受け取り、当該ドットクロックDCLKに同期してカウント動作を行う。ここでは、カウンタ351のカウント終了値は、その画像信号線駆動回路に割り当てられた画像信号線130の本数と同じ値に予め設定される場合を例示する。この場合、カウンタ351は、当該割り当てられた画像信号線130の本数とドットクロックDCLKの1周期の時間とを積算して得られる時間、すなわち割り当てられた画像信号線130の本数に応じて決まる時間をカウントすることになる。
【0084】
カウンタ351は、カウント動作中は、Hレベル状態の信号を画像データ抽出イネーブル信号ENとして出力する(図7および図8参照)。なお、画像データ抽出イネーブル信号ENは、カウンタ351がカウント動作を休止している間、Lレベル状態にある。イネーブル信号ENはAND回路352へ供給される。
【0085】
AND回路352は、画像データ抽出イネーブル信号ENと画像データRGBdataとを入力信号として受け取る。画像データ抽出イネーブル信号ENの上記波形に鑑みれば、AND回路352は、当該イネーブル信号ENがHレベルの期間のみ、入力された画像データRGBdataを出力信号として通過させる。逆に、イネーブル信号ENがLレベルの期間中は、画像データRGBdataはAND回路352によってデータマスクされて出力されず、AND回路352からの出力はLレベルが継続する。AND回路352からの出力信号はデータラッチ回路360へ供給される。
【0086】
これにより、図6に例示の画像データ抽出回路350は、入力された画像データRGBdata中から、所望の部分のデータを抽出することが可能である。
【0087】
データラッチ回路360は、既存のデータラッチ回路を適用可能である。データラッチ回路360は、画像データ抽出回路350からの出力信号をラッチの対象となる入力信号として受け取るとともに、シフトレジスタ340内をシフトするスタートパルスSTHをラッチのタイミングを与える制御信号(いわゆるラッチ信号)として受け取る。図6に示すように、画像データ抽出回路350の出力信号はデータラッチ回路360を構成する複数のラッチ回路361のそれぞれに入力される。シフトレジスタ340の各段のラッチ回路341の出力信号は、データラッチ回路360の対応する段のラッチ回路361へ入力される。すなわち、mを自然数として、データラッチ回路360の第m段目のラッチ回路361にはシフトレジスタ340の第m段目のラッチ回路341の出力信号が入力される。
【0088】
これにより、データラッチ回路360の各段のラッチ回路361は、シフトレジスタ340の対応するラッチ回路341がスタートパルスSTHを出力するのに同期して、画像データ抽出回路350の出力信号の出力信号をラッチする。
【0089】
図6の例では、データラッチ回路360のラッチ回路361の個数は、その画像信号線駆動回路に割り当てられた画像信号線130の本数と同数である。すなわち、各ラッチ回路361は、1本の画像信号線130を駆動するのに必要なデータを取り込む回路構成を有している。例えば画像データRGBdataが各表示色について8ビット幅の場合、図6に例示の各ラッチ回路361は8ビット分のデータを同時にラッチする回路構成を有している。
【0090】
データラッチ回路360が取り込んだ各画像信号線130についての画像データ(すなわち階調データ)RGBdataは、例えば、不図示のD/Aコンバータでアナログ階調電圧に変換され、不図示の出力バッファを介して、対応する画像信号線130へ出力される。出力バッファからの出力タイミングはラッチパルスLPによって規定され、当該ラッチパルスLPは画像信号線駆動回路301〜304に同時に供給される。
【0091】
なお、図7の例では、ドットクロックDCLKの1周期ごとに、シフトレジスタ340でのスタートパルスSTHのシフト動作と、カウンタ351でのカウント動作と、データラッチ回路360でのラッチ動作とが行われる。
【0092】
上記の構成によれば、画像データ抽出回路350は、画像データRGBdataの抽出期間以外の期間では、データラッチ回路360へLレベルの信号を継続的に供給する。このため、画像データ抽出期間以外の期間では、データラッチ回路360を構成するトランジスタのスイッチング動作を休止させることが可能である。したがって、画像信号線駆動回路301〜304の省電力化を図り、その結果、駆動装置200、さらには液晶表示装置1の省電力化を図ることができる。
【0093】
また、上記例示の画像データ抽出回路350によれば、画像信号線駆動回路で一般的に利用されるスタートパルスSTHを流用するとともに、一般的なカウンタ351およびAND回路352が適用されている。このため、画像データ抽出回路350を簡略な構成で実現することができる。
【0094】
ここで、画像データ抽出回路350のデータ抽出機能は他の回路構成によっても実現可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0095】
例えば、カウンタ351を上記波形を反転した波形を有する信号ENを出力するように構成するとともに、AND回路352に代えてOR回路(論理和回路)を設けた回路構成が挙げられる。かかる例によれば、画像データ抽出期間以外の期間では、カウンタ351からOR回路へHレベルの信号が入力されるので、データラッチ回路360にはHレベルの信号が継続的に供給される。これにより、データラッチ回路360を構成するトランジスタのスイッチング動作を休止させることが可能である。
【0096】
かかる例示にも鑑みると、上記のAND回路352およびOR回路は、次のような機能または動作を実行する論理回路の一例である。すなわち、当該論理回路は、カウンタ352が出力する画像データ抽出制御信号(上記では画像データ抽出イネーブル信号ENが例示される)が第1電位を示す場合は、受け取った画像データRGBdataをデータラッチ回路360へ供給する。これに対し、当該論理回路は、上記画像データ抽出制御信号が第1電位とは異なる第2電位を示す場合は、一定電位の信号(上記ではレベルまたはHレベルの信号が例示される)をデータラッチ回路へ供給する。
【0097】
実施の形態2.
図9に、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置1Bを概説するブロック図を示す。図9に例示の液晶表示装置1Bは、実施の形態1に係る液晶表示装置1(図1参照)において駆動装置200を駆動装置200Bに代えた構成を有している。駆動装置200Bは、画像信号線駆動回路301〜304のうちの1つが固定的にマスタモードで使用される点およびこれに伴う配線形態を除いて、実施の形態1に係る駆動装置200と同様の構成を有している。
【0098】
図9の例では、画像信号線駆動回路301が固定的にマスタモードで使用される。この場合、制御基準信号S0を供給するための制御基準信号線600は、マスタモードの画像信号線駆動回路301に接続されているが、スレーブモードの画像信号線駆動回路302〜304には接続されていない。
【0099】
このため、全ての画像信号線駆動回路301〜304に制御基準信号線600が接続されている実施の形態1に係る構成に比べて、配線数が低減する。このため、配線配置領域を小さくすることができ、その結果、小型の駆動装置200Bおよび液晶表示装置1Bを得ることができる。また、配線数の低減により、配線部材のコストを削減することができ、駆動装置200Bおよび液晶表示装置1Bの低価格化を図ることができる。また、配線数の低減により、配線によるノイズの輻射および受信を低減することができ、駆動装置200Bおよび液晶表示装置1Bの安定動作を図ることができる。
【0100】
また、走査線駆動回路401,402の駆動信号CLKV,STV用の配線511,512もマスタモードの画像信号線駆動回路301にのみ接続されていれば良い。かかる配線形態についても上記の効果を得ることができる。
【0101】
画像信号線駆動回路302〜304をマスタモードで使用する場合も同様の効果が得られる。
【0102】
変形例.
実施の形態1,2では、液晶パネル100と画像信号線駆動回路301〜304とがフレキシブルなテープなどの部材(TCP:Tape Carrier Package/COF:Chip on Film)を介して接続される場合を例示した。これに対し、例えば、画像信号線駆動回路301〜304が形成された半導体チップを、チップ・オン・グラス(COG:Chip On Glass)形態で液晶パネル100の基板上に実装してもよい。あるいは、画像信号線駆動回路301〜304を液晶パネル100の基板上に、画素PX用のTFT111(図3参照)等とともに形成することも可能である。この場合、実施の形態2の構成によれば、配線数の低減により、液晶パネル100の小型化等を図ることができる。
【符号の説明】
【0103】
1,1B 液晶表示装置(表示装置)、100 液晶表示パネル(表示パネル)、130 画像信号線、200,200B 駆動装置、300MST マスタモードの画像信号線駆動回路、300SLV スレーブモードの画像信号線駆動回路、301〜304 画像信号線駆動回路、310 タイミングコントローラ、350 画像データ抽出回路、351 カウンタ、352 AND回路(論理回路)、360 データラッチ回路、503 画像データ供給線、600 制御基準信号線、EN 画像データ抽出イネーブル信号(画像データ抽出制御信号)、RGBdata 画像データ、S0 制御基準信号、S1 制御信号、STH スタートパルス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像信号線を含む表示パネルと、
それぞれが前記複数の画像信号線のうちで予め割り当てられた所定数の画像信号線を駆動する複数の画像信号線駆動回路と、
前記複数の画像信号線駆動回路に画像データを供給する画像データ供給線と
を備え、
前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは当該複数の画像信号線駆動回路を制御するための制御信号を生成する制御信号生成機能を有したタイミングコントローラを搭載しており、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの1つが前記制御信号生成機能を動作させるマスタモードで使用されるとともに、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの残りは前記制御信号生成機能を動作させないスレーブモードで使用され、
前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは、
前記画像データのうちから前記予め割り当てられた所定数の画像信号線に対応する部分の画像データを抽出する画像データ抽出回路と、
前記画像データ抽出回路によって抽出された前記画像データをラッチするデータラッチ回路と
を含み、
前記画像データ抽出回路は、前記画像データの抽出期間以外の期間では、一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する、
表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記タイミングコントローラが前記制御信号を生成する際に利用する制御基準信号を供給する制御基準信号線をさらに備え、
前記制御基準信号線は、前記マスタモードの画像信号線駆動回路に接続されているが、前記スレーブモードの画像信号線駆動回路には接続されていない、
表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示装置であって、
前記画像データ抽出回路は、
前記画像データの水平方向の開始タイミングを示すスタートパルスを受け取り、当該スタートパルスの受け取りから前記所定数の画像信号線の本数に応じて決まる所定時間をカウントし、カウント動作中は第1電位を示す一方でカウント休止中は第2電位を示す画像データ抽出制御信号を出力する、カウンタと、
前記画像データと前記画像データ抽出制御信号とを受け取り、前記画像データ抽出制御信号が前記第1電位の場合は受け取った前記画像データを前記データラッチ回路へ供給し、前記画像データ抽出制御信号が前記第2電位の場合は前記一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する、論理回路と
を有する、表示装置。
【請求項4】
複数の画像信号線を含む表示パネルを駆動する駆動装置であって、
それぞれが前記複数の画像信号線のうちで予め割り当てられた所定数の画像信号線を駆動する複数の画像信号線駆動回路と、
前記複数の画像信号線駆動回路に画像データを供給する画像データ供給線と
を備え、
前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは当該複数の画像信号線駆動回路を制御するための制御信号を生成する制御信号生成機能を有したタイミングコントローラを搭載しており、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの1つが前記制御信号生成機能を動作させるマスタモードで使用されるとともに、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの残りは前記制御信号生成機能を動作させないスレーブモードで使用され、
前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは、
前記画像データのうちから前記予め割り当てられた所定数の画像信号線に対応する部分の画像データを抽出する画像データ抽出回路と、
前記画像データ抽出回路によって抽出された前記画像データをラッチするデータラッチ回路と
を含み、
前記画像データ抽出回路は、前記画像データの抽出期間以外の期間では、一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する、
駆動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の駆動装置であって、
前記タイミングコントローラが前記制御信号を生成する際に利用する制御基準信号を供給する制御基準信号線をさらに備え、
前記制御基準信号線は、前記マスタモードの画像信号線駆動回路に接続されているが、前記スレーブモードの画像信号線駆動回路には接続されていない、
駆動装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の駆動装置であって、
前記画像データ抽出回路は、
前記画像データの水平方向の開始タイミングを示すスタートパルスを受け取り、当該スタートパルスの受け取りから前記所定数の画像信号線の本数に応じて決まる所定時間をカウントし、カウント動作中は第1電位を示す一方でカウント休止中は第2電位を示す画像データ抽出制御信号を出力する、カウンタと、
前記画像データと前記画像データ抽出制御信号とを受け取り、前記画像データ抽出制御信号が前記第1電位の場合は受け取った前記画像データを前記データラッチ回路へ供給し、前記画像データ抽出制御信号が前記第2電位の場合は前記一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する、論理回路と
を有する、
駆動装置。
【請求項1】
複数の画像信号線を含む表示パネルと、
それぞれが前記複数の画像信号線のうちで予め割り当てられた所定数の画像信号線を駆動する複数の画像信号線駆動回路と、
前記複数の画像信号線駆動回路に画像データを供給する画像データ供給線と
を備え、
前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは当該複数の画像信号線駆動回路を制御するための制御信号を生成する制御信号生成機能を有したタイミングコントローラを搭載しており、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの1つが前記制御信号生成機能を動作させるマスタモードで使用されるとともに、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの残りは前記制御信号生成機能を動作させないスレーブモードで使用され、
前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは、
前記画像データのうちから前記予め割り当てられた所定数の画像信号線に対応する部分の画像データを抽出する画像データ抽出回路と、
前記画像データ抽出回路によって抽出された前記画像データをラッチするデータラッチ回路と
を含み、
前記画像データ抽出回路は、前記画像データの抽出期間以外の期間では、一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する、
表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置であって、
前記タイミングコントローラが前記制御信号を生成する際に利用する制御基準信号を供給する制御基準信号線をさらに備え、
前記制御基準信号線は、前記マスタモードの画像信号線駆動回路に接続されているが、前記スレーブモードの画像信号線駆動回路には接続されていない、
表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示装置であって、
前記画像データ抽出回路は、
前記画像データの水平方向の開始タイミングを示すスタートパルスを受け取り、当該スタートパルスの受け取りから前記所定数の画像信号線の本数に応じて決まる所定時間をカウントし、カウント動作中は第1電位を示す一方でカウント休止中は第2電位を示す画像データ抽出制御信号を出力する、カウンタと、
前記画像データと前記画像データ抽出制御信号とを受け取り、前記画像データ抽出制御信号が前記第1電位の場合は受け取った前記画像データを前記データラッチ回路へ供給し、前記画像データ抽出制御信号が前記第2電位の場合は前記一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する、論理回路と
を有する、表示装置。
【請求項4】
複数の画像信号線を含む表示パネルを駆動する駆動装置であって、
それぞれが前記複数の画像信号線のうちで予め割り当てられた所定数の画像信号線を駆動する複数の画像信号線駆動回路と、
前記複数の画像信号線駆動回路に画像データを供給する画像データ供給線と
を備え、
前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは当該複数の画像信号線駆動回路を制御するための制御信号を生成する制御信号生成機能を有したタイミングコントローラを搭載しており、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの1つが前記制御信号生成機能を動作させるマスタモードで使用されるとともに、前記複数の画像信号線駆動回路のうちの残りは前記制御信号生成機能を動作させないスレーブモードで使用され、
前記複数の画像信号線駆動回路のそれぞれは、
前記画像データのうちから前記予め割り当てられた所定数の画像信号線に対応する部分の画像データを抽出する画像データ抽出回路と、
前記画像データ抽出回路によって抽出された前記画像データをラッチするデータラッチ回路と
を含み、
前記画像データ抽出回路は、前記画像データの抽出期間以外の期間では、一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する、
駆動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の駆動装置であって、
前記タイミングコントローラが前記制御信号を生成する際に利用する制御基準信号を供給する制御基準信号線をさらに備え、
前記制御基準信号線は、前記マスタモードの画像信号線駆動回路に接続されているが、前記スレーブモードの画像信号線駆動回路には接続されていない、
駆動装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の駆動装置であって、
前記画像データ抽出回路は、
前記画像データの水平方向の開始タイミングを示すスタートパルスを受け取り、当該スタートパルスの受け取りから前記所定数の画像信号線の本数に応じて決まる所定時間をカウントし、カウント動作中は第1電位を示す一方でカウント休止中は第2電位を示す画像データ抽出制御信号を出力する、カウンタと、
前記画像データと前記画像データ抽出制御信号とを受け取り、前記画像データ抽出制御信号が前記第1電位の場合は受け取った前記画像データを前記データラッチ回路へ供給し、前記画像データ抽出制御信号が前記第2電位の場合は前記一定電位の信号を前記データラッチ回路へ供給する、論理回路と
を有する、
駆動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−190932(P2010−190932A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−32235(P2009−32235)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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