説明

表示装置及びこれを搭載した画像形成装置

【課題】低消費電力化に加えて、操作性の向上が図られた表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置である操作パネル30は、画面上に1または複数の情報と1または複数の入力キーとを表示するとともに、入力キーの操作を受け付けるタッチパネル部37bを有する操作表示部37と、個別に点灯が可能な複数の光源38aで構成され、操作表示部37に向かって光を照射する光源部38と、前記情報のうち予め設定された一部の情報である限定情報と、前記入力キーのうち予め設定された一部の入力キーである限定入力キーとを記憶する記憶部40と、記憶部40に記憶された限定情報及び/または限定入力キーを操作表示部37に表示させ、操作表示部37に表示させた限定情報及び/または限定入力キーに対応する箇所のみ光源38aを点灯させる操作制御部39と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル機能を有し、その操作によってキー入力が可能な表示装置に関する。また、この表示装置を搭載した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型情報機器に代表される多くの電化製品に、前面にタッチパネル部を備えた表示装置が搭載されている。複写機やプリンタ、ファクシミリ、スキャナといった画像形成装置も同様に、その装置正面に表示装置を備えているものがある。このような表示装置は一般的にタッチパネル部が設けられ、液晶などで構成された画面上に様々な情報や入力キーを表示するとともに、その入力キーに手で直接、或いはタッチペンなどの入力補助具で触れることにより、文字入力や命令実行などの操作を受け付ける。
【0003】
また、表示装置は蛍光ランプやLEDなどで構成されるバックライトを備えている。そして、このバックライトが多くの電力を消費するので、表示装置の低消費電力化に関連する様々な技術が提案され、その例を特許文献1及び2に見ることができる。特許文献1に記載された液晶表示装置は多数のランプを用いて、特定の領域の明るさを他の領域の明るさより相対的に高くするようにしている。特許文献2に記載された液晶表示装置は多数のLEDを用いて、分割した領域各々の光の輝度を制御するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−92184号公報
【特許文献2】特開2005−338857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された液晶表示装置はバックライトの明るさや輝度の調整のみに注目しており、表示装置としてのユーザの使い勝手を考慮しているわけではない。すなわち、様々な機器に搭載される表示装置としては、その低消費電力化を図りながら、操作上必要な情報や入力キーを限定して画面上に表示させるようにする工夫を凝らすことが望まれる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、低消費電力化に加えて、操作性の向上が図られた表示装置を提供することを目的とする。また、このような表示装置を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は表示装置において、画面上に1または複数の情報と1または複数の入力キーとを表示するとともに、前記入力キーの操作を受け付けるタッチパネル部を有する操作表示部と、個別に点灯が可能な複数の光源で構成され、前記操作表示部に向かって光を照射する光源部と、前記情報のうち予め設定された一部の情報である限定情報と、前記入力キーのうち予め設定された一部の入力キーである限定入力キーとを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記限定情報及び/または前記限定入力キーを前記操作表示部に表示させ、前記操作表示部に表示させた前記限定情報及び/または前記限定入力キーに対応する箇所のみ前記光源を点灯させる操作制御部と、を備えることとした。
【0008】
この構成によれば、操作表示部に表示される数多くの情報、入力キーのうち、予め設定された必要最小限の情報、入力キーのみが操作表示部に表示される。したがって、光源部の電力消費が抑制され、且つユーザが余計な情報や入力キーを見なくて済み、操作上の混乱を回避できる。
【0009】
また、上記構成の表示装置において、前記操作表示部に表示させた前記限定情報及び/または前記限定入力キーは互いに隣接していることとした。
【0010】
この構成によれば、操作表示部に限定情報及び/または限定入力キーを複数表示した場合でも、情報や入力キーが一箇所に集められ、点灯させる光源の数もより少なくすることができる。したがって、表示装置の操作性、低消費電力化が一層高められる。
【0011】
また、上記構成の表示装置において、前記操作表示部に表示させた前記限定情報及び/または前記限定入力キーは各々1個であることとした。
【0012】
この構成によれば、操作表示部に表示される情報、入力キーがより一層限定されるので、ユーザは表示装置の操作に迷うことがなくスムーズに使用することが可能になる。
【0013】
また、上記構成の表示装置において、前記操作制御部は、前記操作表示部に前記限定情報を表示させているとき、前記操作表示部が押下されたことを条件として前記光源部のすべての前記光源を点灯させることとした。
【0014】
この構成によれば、操作表示部に必要最小限の情報のみを表示させながら、さらに多くの他の情報の表示を必要とするときには直ちにこれに対応することができる。
【0015】
また、上記構成の表示装置において、前記操作制御部は、前記操作表示部に前記限定入力キーを表示させているとき、前記操作表示部の前記限定入力キー以外の箇所が押下されたことを条件として前記光源部のすべての前記光源を点灯させることとした。
【0016】
この構成によれば、操作表示部に必要最小限の入力キーのみを表示させながら、さらに多くの他の入力キーの表示を必要とするときには直ちにこれに対応することができる。
【0017】
また本発明では、上記構成の表示装置を画像形成装置に搭載することとした。
【0018】
この構成によれば、画像形成装置において表示装置の電力消費が抑制され、且つユーザが余計な情報や入力キーを見なくて済み、表示装置の操作上の混乱を回避できる。
【0019】
また、上記構成の画像形成装置において、原稿に記載された画像データを読み取る画像読取部と、画像データを読み取るために載置された原稿の有無を検出する原稿検出部と、前記原稿検出部からの原稿ありの情報に基づき前記表示装置の前記操作制御部に対して指令を送り、前記記憶部に記憶された前記限定情報及び/または前記限定入力キーを前記操作表示部に表示させ、前記操作表示部に表示させた前記限定情報及び/または前記限定入力キーに対応する箇所のみ前記光源を点灯させる本体制御部と、を備えることとした。
【0020】
この構成によれば、画像データを読み取るべく原稿を載置することにより自動的に必要最小限の情報、入力キーのみが操作表示部に表示される。これにより、低消費電力化や操作性を容易に高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の構成によれば、低消費電力化に加えて、操作性の向上が図られた表示装置を提供することができる。また、このような表示装置を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置を搭載した画像形成装置の模型的垂直断面正面図である。
【図2】図1の画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す画像形成装置の操作パネル(表示装置)の正面図である。
【図4】図3の操作パネルの操作表示部の光源の配置を示す正面図である。
【図5】図3に示す操作パネルの操作表示部の正面図である。
【図6】図5と同様の操作表示部の正面図にして、限定情報のみを表示した状態を示すものである。
【図7】図5及び図6に示す操作表示部の表示に係る動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る表示装置(操作パネル)の限定情報のみを表示した操作表示部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図1〜図8に基づき説明する。
【0024】
最初に、本発明の第1の実施形態に係る表示装置を搭載した画像形成装置について、図1及び図2を用いてその構造の概略を説明しつつ、画像出力動作を説明する。図1は画像形成装置の模型的垂直断面正面図、図2は画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0025】
画像形成装置1は、図1に示すように本体2の内部下方に給紙カセット3を備えている。給紙カセット3はその内部に印刷前のカットペーパーなどの用紙Pを積載して収容している。そして、この用紙Pは図1において給紙カセット3の左上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。給紙カセット3は本体2の正面側から水平に引き出すことが可能である。
【0026】
本体2の内部であって給紙カセット3の左方には第1用紙搬送部4が備えられている。第1用紙搬送部4は本体2の左側面に沿って略垂直に形設されている。そして、第1用紙搬送部4は給紙カセット3から送り出された用紙Pを受け取り、本体2の左側面に沿って垂直上方に二次転写部5まで搬送する。
【0027】
給紙カセット3の上方であって第1用紙搬送部4が形設された本体2の左側面とは反対側の側面である右側面の箇所には手差し給紙部6が備えられている。手差し給紙部6には給紙カセット3に入っていないサイズの用紙や、厚紙、OHPシートのように1枚ずつ手で送り込みたいものが載置される。
【0028】
手差し給紙部6の左方には第2用紙搬送部7が備えられている。第2用紙搬送部7は給紙カセット3のすぐ上方にあって、手差し給紙部6から第1用紙搬送部4まで略水平に延びて第1用紙搬送部4に合流している。そして、第2用紙搬送部7は手差し給紙部6から送り出された用紙を受け取り、略水平に第1用紙搬送部4まで搬送する。
【0029】
一方、画像形成装置1の本体2の上面には原稿搬送装置8が、その下方の本体2内部には画像読取部9が備えられている。ユーザが原稿の複写を行う場合には、文字や図形、模様などの画像が描かれた原稿を、原稿搬送装置8に積載したり、画像読取部9上面の図示しないコンタクトガラス上に載置したりする。
【0030】
原稿搬送装置8では原稿検出部である原稿載置センサ8aが原稿の有無を検出し、1枚或いは複数枚の原稿が1枚ずつ分離して送り出されて画像読取部9によってその画像が読み取られる。また、画像読取部9には原稿を読み取るためのラインセンサ9aが設けられ、画像読取部9内で光を走査させることによって画像が読み取られる。画像読取部9は開放された原稿搬送装置8がコンタクトガラスに向かって閉じられる際、ラインセンサ9aで読み取りを行うことで原稿の有無を検出できるので、ラインセンサ9aがコンタクトガラス上の原稿に対しての原稿検出部と言える。なお、原稿搬送装置8の開閉を検知するための図示しない開閉検知センサも設けられている。
【0031】
原稿画像の読み取り、すなわち画像形成の開始は本体2の上部であって画像読取部9の正面側に備えられた表示装置である操作パネル30を用いて指示される。操作パネル30はユーザによる印刷に使用する用紙の種類やサイズ、拡大縮小、両面印刷の有無といった印刷条件設定などを受け付ける。なお、操作パネル30の詳細な構成は後述する。
【0032】
原稿の画像データの情報は後述する本体制御部20等を経由して画像処理が施された後、第2用紙搬送部7の上方であって、本体2の中央部に配置された露光部10に送られる。露光部10により、画像データに基づいて制御されたレーザ光Lが画像形成部11に向かって照射される。
【0033】
露光部10の上方には計4台の画像形成部11が、さらにそれら各画像形成部11の上方には中間転写体を無端ベルトの形で用いた中間転写ベルト12が備えられている。中間転写ベルト12は複数のローラに巻き掛けられて支持され、図示しない駆動装置により図1において時計方向に回転する。
【0034】
4台の画像形成部11は、図1に示すように中間転写ベルト12の回転方向に沿って回転方向上流側から下流側に向けて一列にして配置された所謂タンデム方式である。4台の画像形成部11とは、上流側から順にイエロー用の画像形成部11Y、マゼンタ用の画像形成部11M、シアン用の画像形成部11C、及びブラック用の画像形成部11Bである。これらの画像形成部11には、各色に対応する現像剤供給容器及び搬送手段(図示せず)により現像剤(トナー)が補給される。なお、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、画像形成部11の「Y」「M」「C」「B」の識別記号は省略するものとする。
【0035】
各画像形成部11では、露光部10によって照射されたレーザ光Lにより原稿画像の静電潜像が形成され、この静電潜像からトナー像が現像される。トナー像は、各画像形成部11の上方に備えられた一次転写部13で、中間転写ベルト12表面に一次転写される。そして、中間転写ベルト12の回転とともに所定のタイミングで各画像形成部11のトナー像が中間転写ベルト12に転写されることにより、中間転写ベルト12表面にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
【0036】
中間転写ベルト12が用紙搬送路に懸かる箇所には二次転写部5が配置されている。中間転写ベルト12表面のカラートナー像は第1用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた用紙Pに、二次転写部5に形成される二次転写ニップ部で転写される。
【0037】
二次転写後、中間転写ベルト12表面に残留するトナーなどの付着物は中間転写ベルト12に対してイエロー用の画像形成部11Yの回転方向上流側に設けられた中間転写ベルト12用のクリーニング部14によってクリーニングされ、回収される。
【0038】
二次転写部5の上方には定着部15が備えられている。二次転写部5にて未定着トナー像を担持した用紙Pは定着部15へと送られ、熱ローラと加圧ローラとによりトナー像が加熱、加圧されて定着される。
【0039】
定着部15の上方には用紙案内部16が備えられている。定着部15から排出された用紙Pは両面印刷を行わない場合、用紙案内部16から画像形成装置1の上部に設けられた胴内用紙排出部17に排出される。
【0040】
用紙案内部16から胴内用紙排出部17に向かって用紙Pが排出されるその排出口部分はスイッチバック部18としての機能を果たす。両面印刷を行う場合にはこのスイッチバック部18において定着部15から排出された用紙Pの搬送方向が切り替えられる。そして、用紙Pは用紙案内部16を通過し、定着部15の左方、及び二次転写部5の左方に設けられた両面印刷用用紙搬送路19を通して下方に送られ、再度第1用紙搬送部4を経て二次転写部5へと送られる。
【0041】
また、画像形成装置1は装置全体の動作制御のため、図2に示すようにその本体2内にCPU21やその他の図示しない電子部品で構成された本体制御部20を備えている。本体制御部20はCPU21を中央演算処理装置として使用し、記憶部22などに記憶、入力されたプログラム、データに基づき画像読取部9、画像形成部11、中間転写ベルト12、定着部15などといった構成要素を制御して一連の画像形成動作を実現する。本体制御部20はユーザによる画像形成装置1の動作に係る条件設定を操作パネル30から受け付ける。
【0042】
続いて、表示装置である操作パネル30の詳細な構成について、図2に加えて、図3〜図6を用いて説明する。図3は画像形成装置1の操作パネル30の正面図、図4は操作パネル30の操作表示部の光源の配置を示す正面図、図5は操作表示部の正面図、図6は図5と同様の操作表示部の正面図にして、限定情報のみを表示した状態を示すものである。
【0043】
操作パネル30は、図2及び図3に示すようにテンキー31、スタートキー32、ストップキー33、リセットキー34、エンターキー35、クリアキー36、操作表示部37、光源部38、操作制御部39、及び記憶部40を備えている。
【0044】
テンキー31、スタートキー32、ストップキー33、リセットキー34、エンターキー35、及びクリアキー36は、図3に示すように操作パネル30の右側の領域に配置されている。テンキー31は数字入力を受け付けるキーであって、0から9までの数字及び「*」「#」が記されている。スタートキー32は各種動作の開始指示を受け付けるキーである。ストップキー33は各種動作の停止指示を受け付けるキーである。リセットキー34は各種設定のリセット指示を受け付けるキーである。エンターキー35は各種設定を許諾する所謂「OK」の指示と同様の働きをするキーである。クリアキー36は入力した数字や文字、記号を消去するキーである。
【0045】
操作表示部37は図3に示すように操作パネル30の中央部に配置されている。そして、操作表示部37は図2に示すように液晶表示部37a、タッチパネル部37b、及び光源部38を備えている。液晶表示部37aは入力、設定、指示などの複数のキーや情報、項目を、液晶を用いて表示している。タッチパネル部37bは液晶表示部37aの上方に重ねて配置され、ユーザが指などで接触することにより液晶表示部37aに表示されたキーの入力や項目の選択を受け付ける。
【0046】
光源部38は操作表示部37の液晶表示部37aに向かって光を照射するバックライトである。光源部38は、図4に示すように複数、例えば12個の点光源であるLED38aで構成されている。各々のLED38aは液晶表示部37aの区分された一定の領域(面)に光を照射する。操作制御部39は各々のLED38aを個別に制御して点灯させることができる。なお、LED38aに代えて複数のランプを用いても構わない。
【0047】
操作制御部39は図示しないICなどの電子部品で構成され、本体制御部20による制御に基づき操作パネル30を制御する制御装置である。操作制御部39は本体制御部20からの制御指令により、記憶部22や記憶部40などに記憶されたプログラム、データに基づいて表示する入力キーや情報の種類、レイアウトを設定することで操作表示部37を表示制御する。また、操作制御部39はテンキー31、スタートキー32などの各キーやタッチパネル部37bからの情報に基づいてユーザが操作した入力キーを特定してユーザの操作指示として受け付け、その指示を必要に応じて本体制御部20に送信する。
【0048】
ここで、操作パネル30は図5に示すコピー設定画面50を操作表示部37に表示することができる。コピー設定画面50にはメッセージ表示部51、部数表示部52、プレビュー部53、設定表示部54、及びタブ部55が配置されている。
【0049】
メッセージ表示部51はコピー設定画面50の上端部左側に設けられている。メッセージ表示部51には、例えば現在コピーが可能であったり、コピー中であったり、エラーが発生している状態であったりといったユーザに対するメッセージが表示される。
【0050】
部数表示部52はコピー設定画面50の上端部右側に設けられている。部数表示部52にはコピーを行う際の印刷部数が表示される。印刷部数はテンキー31により変更が可能である。
【0051】
プレビュー部53はコピー設定画面50の上下方向中央部左側に設けられている。プレビュー部53には画像読取部9で読み取った原稿の画像データのプレビューや選択された印刷用紙Pのサイズや向きなどが表示される。
【0052】
設定表示部54はコピー設定画面50の略中央部に、タブ部55はコピー設定画面50の下部に設けられている。設定表示部54には、例えば選択した印刷用紙のサイズや拡大縮小、濃度などといったコピーに関する各種設定の入力キー54aとその設定内容についての情報が表示される。設定表示部54に表示される内容はタブ部55の各種タブ55aを選択することにより切り替えることができる。例えば、図5に示す設定表示部54には「簡単設定」タブ55aの内容が表示されている。タブ55aは横方向に、例えば5個並べられている。
【0053】
そして、操作表示部37に表示させる情報や入力キーは、図5に示すコピー設定画面50全体として表示する方法のほか、図6に示すように一部に限定して表示する方法もある。図6では限定情報として、例えばコピー設定画面50の部数表示部52の印刷部数のみが表示されている。このような限定情報は予め設定され、記憶部22や記憶部40などに記憶されている。限定情報を表示するとき、操作制御部39は光源部38の、限定情報に対応する箇所のみLED38aを点灯させる。また、図5に示すコピー設定画面50全体表示と、図6に示す限定表示とを切り替えるタイミングも予め設定され、記憶部22や記憶部40などに記憶されている。
【0054】
続いて、図5及び図6に示す操作表示部37の表示に係る動作について、図7に示すフローに沿って説明する。図7は図5及び図6に示す操作表示部37の表示に係る動作を示すフローチャートである。
【0055】
画像形成装置1を起動させてコピーが可能な状態にさせると(図7のスタート)、本体制御部20は原稿搬送装置8または画像読取部9に原稿が載置されたか否かを判定し(ステップ#101)、載置されるまで待機する(ステップ#101のNo)。原稿搬送装置8では原稿載置センサ8aが原稿の有無を検出し、画像読取部9ではラインセンサ9aが原稿の有無を検出してその情報が本体制御部20に送られる。
【0056】
なお、この待機状態にあるとき、操作パネル30の操作表示部37は、図5に示すように全体の情報、入力キー等が表示されている。
【0057】
原稿が載置されると(ステップ#101のYes)、本体制御部20は原稿搬送装置8または画像読取部9からの原稿ありの情報に基づき操作パネル30の操作制御部39に指令を送り、図6に示すように記憶部22や記憶部40などに記憶された限定情報である部数表示部52の印刷部数のみを操作表示部37に表示させる(ステップ#102)。これにより、操作表示部37に表示される数多くの情報、入力キーのうち、予め設定された必要最小限の情報である印刷部数のみが操作表示部37に表示される。したがって、光源部38の電力消費が抑制され、且つユーザが余計な情報や入力キーを見なくて済み、操作上の混乱を回避できる。
【0058】
なお、限定情報は複数であっても良いが、図6に示すように1個であることが望ましい。これにより、操作表示部37に表示される情報がより一層限定されるので、ユーザは操作パネル30の操作に迷うことがなくスムーズに使用することが可能になる。
【0059】
そして、操作パネル30において、操作制御部39はユーザが操作表示部37を指などで押下したか否かを判定する(ステップ#103)。操作表示部37が指などで押下されることなく(ステップ#103のNo)テンキー31によって印刷部数が入力されると(ステップ#104)、操作制御部39はスタートキー32が押下されたか否かを判定する(ステップ#105)。操作制御部39は操作表示部37、スタートキー32のいずれかが押下されるまで待機する(ステップ#103及び#105のNo)。
【0060】
ステップ#105においてスタートキー32が押下されると(ステップ#105のYes)、その情報を操作制御部39から受けた本体制御部20は画像形成部11などを制御して印刷を実行する(ステップ#106)。そして、本体制御部20は一連のコピー動作を終了する(図7のエンド)。なおこの後、操作表示部37は、図5に示すように全体の情報、入力キー等が表示される。
【0061】
一方、ステップ#103において操作表示部37が指などで押下されたとき(ステップ#103のYes)、操作制御部39は光源部38のすべてのLED38aを点灯させ、図5に示すように操作表示部37全体の情報、入力キー等を表示させる。これにより、操作表示部37に必要最小限の情報のみを表示させながら、ユーザがさらに多くの他の情報の表示を必要とするときには直ちにこれに対応することができる。
【0062】
そして、操作制御部39は操作表示部37またはその他の操作パネル30上の入力キーから諸設定の入力(ステップ#108)と、印刷部数の入力(ステップ#109)とを受け付ける。続いて、操作制御部39はスタートキー32が押下されたか否かを判定し(ステップ#110)、押下されるまで待機する(ステップ#110のNo)。
【0063】
ステップ#110においてスタートキー32が押下されると(ステップ#110のYes)、その情報を操作制御部39から受けた本体制御部20は画像形成部11などを制御して印刷を実行する(ステップ#106)。そして、本体制御部20は一連のコピー動作を終了する(図7のエンド)。
【0064】
このようにして、画像データを読み取るべく原稿を原稿搬送装置8または画像読取部9に載置することにより自動的に必要最小限の情報のみが操作表示部37に表示される。これにより、低消費電力化や操作性を容易に高めることが可能となる。
【0065】
そして、上記実施形態の構成によれば、低消費電力化に加えて、操作性の向上が図られた表示装置である操作パネル30を提供することができる。また、このような操作パネル30を搭載し、良好な使い勝手を備えた画像形成装置1を提供することができる。
【0066】
次に、本発明の第2の実施形態に係る表示装置である操作パネルについて、図8を用いて説明する。図8は操作パネルの限定情報のみを表示した操作表示部の正面図である。なお、この実施形態の基本的な構成は図1〜図7を用いて説明した前記第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と共通する構成要素には前と同じ符号を付し、図面の記載及びその説明を省略するものとする。
【0067】
第2の実施形態に係る操作パネル30の操作表示部37は、図8に示すように限定情報としてのコピー設定画面50の部数表示部52の印刷部数と、限定入力キーとしての用紙選択キー54aとを表示している。用紙選択キー54aは部数表示部52に隣接して表示されている。これにより、操作表示部37に限定情報及び限定入力キーを複数表示した場合でも、情報や入力キーが一箇所に集められ、点灯させる光源38aの数もより少なくすることができる。したがって、操作パネル30の操作性、低消費電力化が一層高められる。
【0068】
そして、操作表示部37の用紙選択キー54a以外の箇所がユーザにより押下されと、操作制御部39はそれを条件として光源部38のすべての光源38aを点灯させ、通常のコピー設定画面50に戻す(図5参照)。これにより、操作表示部37に必要最小限の入力キーのみを表示させながら、ユーザがさらに多くの他の入力キーの表示を必要とするときには直ちにこれに対応することができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0070】
例えば、本発明の上記実施形態では画像形成装置1に搭載された操作パネル30(表示装置)を例に掲げて説明したが、発明の適用対象となる機器は画像形成装置に限定されるわけではなく、画像形成装置以外の携帯電話、PDAなどといった他の電子機器に本発明の表示装置を搭載することにしても構わない。
【0071】
また、操作パネル30を搭載した画像形成装置1は中間転写ベルトを用いてトナー像を用紙に転写するカラー印刷用の画像形成装置であるが、発明の適用対象となる画像形成装置がこのような種類に限定されるわけではなく、中間転写ベルトを用いない画像形成装置や白黒印刷用の画像形成装置であっても構わない。
【0072】
また、第1の実施形態では部数表示部52を限定情報とし、第2の実施形態では用紙選択キー54aを限定入力キーとしたが、限定情報や限定入力キーはこれら情報や入力キーに限定されるわけではなく、他の情報や入力キーであっても構わない。
【0073】
また、上記実施形態では原稿搬送装置8または画像読取部9からの原稿ありの情報に基づき限定情報や限定入力キーのみを操作表示部37に表示させることとしているが、限定情報や限定入力キーのみを操作表示部37に表示させるタイミングついてはこれに限定されるわけではなく、他のタイミングで表示させても構わない。例えば、基本的に常時限定情報や限定入力キーのみを操作表示部37に表示させ、ユーザが必要に応じて操作表示部37の他の箇所を押下することにより全体表示にすることにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、タッチパネル機能を有し、その操作によってキー入力が可能な表示装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1 画像形成装置
8 原稿搬送装置
8a 原稿検知センサ(原稿検出部)
9 原稿読取部
9a ラインセンサ(原稿検出部)
20 本体制御部
22 記憶部
30 操作パネル(表示装置)
31 テンキー
32 スタートキー
37 操作表示部
37a 液晶表示部
37b タッチパネル部
38 光源部
38a 光源
39 操作制御部
40 記憶部
50 コピー設定画面
52 部数表示部(限定情報)
54 設定表示部
54a 用紙選択キー(限定入力キー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に1または複数の情報と1または複数の入力キーとを表示するとともに、前記入力キーの操作を受け付けるタッチパネル部を有する操作表示部と、
個別に点灯が可能な複数の光源で構成され、前記操作表示部に向かって光を照射する光源部と、
前記情報のうち予め設定された一部の情報である限定情報と、前記入力キーのうち予め設定された一部の入力キーである限定入力キーとを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記限定情報及び/または前記限定入力キーを前記操作表示部に表示させ、前記操作表示部に表示させた前記限定情報及び/または前記限定入力キーに対応する箇所のみ前記光源を点灯させる操作制御部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記操作表示部に表示させた前記限定情報及び/または前記限定入力キーは互いに隣接していることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記操作表示部に表示させた前記限定情報及び/または前記限定入力キーは各々1個であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記操作制御部は、前記操作表示部に前記限定情報を表示させているとき、前記操作表示部が押下されたことを条件として前記光源部のすべての前記光源を点灯させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記操作制御部は、前記操作表示部に前記限定入力キーを表示させているとき、前記操作表示部の前記限定入力キー以外の箇所が押下されたことを条件として前記光源部のすべての前記光源を点灯させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の表示装置を搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
原稿に記載された画像データを読み取る画像読取部と、
画像データを読み取るために載置された原稿の有無を検出する原稿検出部と、
前記原稿検出部からの原稿ありの情報に基づき前記表示装置の前記操作制御部に対して指令を送り、前記記憶部に記憶された前記限定情報及び/または前記限定入力キーを前記操作表示部に表示させ、前記操作表示部に表示させた前記限定情報及び/または前記限定入力キーに対応する箇所のみ前記光源を点灯させる本体制御部と、
を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−32580(P2012−32580A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171578(P2010−171578)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】