説明

表示装置及び当該表示装置を具備する電子機器

【課題】走査線駆動回路を画素部の両側に設けることなく、消費電力を抑え、階調数を高めることができる表示装置の提供を課題とする。
【解決手段】走査線駆動回路を有する表示装置であって、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタは、m本(mは自然数)の走査線につき少なくとも4m段のフリップフロップ回路を有し、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する信号は、別のスタートパルスにより出力される構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。本発明は、特に発光素子を含み、半導体装置を用いて作製されたアクティブマトリクス型ディスプレイにおける走査線駆動回路の構成に関する。
【0002】
なお、ここでいう半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指すものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、TV、PC用モニタ、モバイル用端末等を主な用途として、薄型ディスプレイの需要が急速に高まり、更なる開発が進められている。薄型ディスプレイとしては、液晶表示装置(LCD)や発光素子を具備した表示装置がある。特に自発光素子を用いたアクティブマトリクス型ディスプレイは、既存のLCDが持つ薄型、軽量、高画質等の利点と併せて、応答速度が速い、視野特性が広い、また、フレキシブル基板の利用等により折り曲げる事が可能になるため、次世代ディスプレイとして期待されている。
【0004】
発光素子を用いたアクティブマトリクス型ディスプレイにおいて、最も基本的な画素構成として図16(B)に示す構成が挙げられる(非特許文献1を参照)。前記画素構成の駆動方法としては、駆動トランジスタを飽和領域で駆動させ、発光素子に流す電流により発光輝度を制御する電流駆動と、駆動トランジスタを非飽和領域(線形領域)で駆動させ、発光素子に印加する電圧により発光を制御する電圧駆動がある。
【0005】
前述した電流駆動では、駆動トランジスタを飽和領域で動作させる必要がある。理想的には、発光素子へ流れる電流は、駆動トランジスタのドレイン、ソース間電圧(Vds)にはよらず、ゲート、ソース間電圧(Vgs)により決定する。しかし、トランジスタの製造工程等により、駆動トランジスタ特性が各画素でばらつくと、流れる電流値に影響を与える。特に、トランジスタの閾値電圧(以下、Vthと称す)のばらつきにより実効的なVgs(以下eVgsと称す)が画素により均一でなくなると、画素間で発光輝度が大きく相違し、表示ムラとなり、表示品質を落とす結果となる。
【0006】
そこで、駆動トランジスタをVthのばらつきの影響を受けにくい線形領域で動作させる電圧駆動を採用することが望ましい。電圧駆動する場合の階調方法としては発光時間を連続的に変化させることで階調を表現するデジタル時間階調方式が挙げられる。また、デジタル時間階調方式では、信号線駆動回路の高速化や、映像信号の分割数の増加、各画素のトランジスタ数の増加等が課題となる。これらの課題を解決する手段として走査線選択期間を前後に分割し、信号の書込期間と消去期間を交互に設ける駆動方法が提案されている。(特許文献1を参照)
【非特許文献1】M.Mizukami,K.Inukai,H.Yamagata et al.,Society For Information Display ’00 Digest, vol31, pp912−915
【特許文献1】特開2005−338777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1で提案されている駆動方法(以下、GSD駆動と称す)の概要を、図16を用いて説明する。
【0008】
図16(A)に示すように、デジタル時間階調方式においては、1フレームをビット数分のサブフレーム(SF1〜SF4)に分け、各サブフレームの発光、非発光と、発光期間の重み付けにより輝度を制御し階調を表現する。ここでは、4ビットの場合を例として説明する。また、サブフレーム数はビット数以上であれば良く、擬似輪郭対策用にさらに増やしても良い。
【0009】
まず、SF1において、1ビット目の映像信号が走査線1行目から順に最終行まで書込まれ、前記映像信号が書込まれた行より順次発光期間へと移る。図16(A)に示す発光期間はSF1における最終行の発光期間である。SF1の発光期間が終了した行から順にSF2において2ビット目の映像信号が書込まれ、SF1と同様に順次発光期間に移る。
【0010】
また、走査線1行目から最終行まで映像信号を書込む期間を書き込み期間と称する。前記書込期間が発光期間より長いSF3及びSF4においては、発光期間が終了しても、次のサブフレームに移れないため、強制的に非発光状態とする消去期間を挿入する。前記消去期間を挿入することで、正確な階調表現が可能となる。
【0011】
具体的に、図16(B)に示す画素の駆動と併せて説明する。走査線211に選択パルスが入力され、書込トランジスタ213がオンし、信号線210に入力された映像信号が駆動トランジスタ214及び容量215に書込まれる。ここでは駆動トランジスタ214がp型トランジスタの場合について説明する。駆動トランジスタ214はp型トランジスタであるため、書込まれた前記映像信号がLow(以下、Lと称す)の場合は駆動トランジスタ214がオンし、電流供給線212から陰極217に電流が流れ、発光素子216が発光する。また、前記映像信号がHigh(以下、Hと称す)であれば、駆動トランジスタ214がオフするため、発光素子216は非発光状態となる。
【0012】
前述した消去期間においては、走査線選択期間を消去タイミング及び書込タイミングに2分割する。前記消去タイミングでは、信号線210に常にH電位を入力し、前記消去タイミングに合わせて選択された行は強制的に駆動トランジスタ214がオフし、発光素子216は非発光状態となる。また、前記書込タイミングでは、信号線210に映像信号を入力し、前記書込タイミングに合わせて選択された行は各々の前記映像信号により、発光素子216の発光、非発光が決定される。
【0013】
前述した消去期間においては、走査線選択期間を消去タイミング及び書込タイミングに前後2分割する。これは図16(A)のSF3期間に示すように、最終行までの書込期間が終了する前に1行目からの発光期間が開始するため、同じ走査線選択期間において、違う行へそれぞれ、映像信号及び消去信号を入力する必要があるからである。前記消去タイミングでは、信号線210に常にHi電位が入力され、前記消去タイミングにあわせて選択された行は強制的に駆動トランジスタ214がオフし、発光素子216は非発光状態となる。また、前記書込タイミングでは、信号線210に映像信号を入力し、前記書込タイミングに合わせて選択された行は各々の前記映像信号により、発光素子216の発光、非発光が決定される。
【0014】
更に、図17を用いて走査線選択期間の分割方法を説明する。図17にアクティブマトリクス型表示装置の例を示す。前記アクティブマトリクス型表示装置は、一般的に信号線304のS1〜Snに映像信号を出力する信号線駆動回路312、走査線313のG1〜Gmを順に選択する書込用走査線駆動回路301及び消去用走査線駆動回路302、前記両走査線駆動回路と走査線の間に設けられた切替回路303及び、画素310をマトリクス状に配置した表示エリア311を有する。画素310はそれぞれ書込トランジスタ305、駆動トランジスタ306及び発光素子307を具備している。
【0015】
信号線駆動回路312は線順次駆動し、2分割された走査線選択期間の前半、後半で、所望の映像信号及び消去信号を交互に信号線304に出力する。前記走査線選択期間の前半、後半のタイミングに同期して、切替回路303が動作し、各走査線駆動回路からの走査線313への書込みをアクティブ状態にするか、ハイインピーダンス状態にするかを切替える。信号線駆動回路312から映像信号が信号線304へ出力されている場合、書込用走査線駆動回路301からの出力がアクティブ状態となり、消去用走査線駆動回路302の走査線313への出力はハイインピーダンス状態となる。逆に、信号線駆動回路312から消去信号が信号線304へ出力されている場合、書込用走査線駆動回路301からの出力がハイインピーダンス状態となり、消去用走査線駆動回路302の走査線313への出力はアクティブとなる。
【0016】
これにより、一つの走査線選択期間において、違う行へ映像信号及び消去信号を書込むことが可能となる。しかしながら、前述したGSD駆動を行うためには、走査線駆動回路が両側に2つ必要になる。また走査線駆動回路には、両走査線駆動回路からの走査線への書込みが重複しないよう、切替回路の他にパルス幅制御回路が必要となり、回路面積の拡大により狭額縁等に不利となる。更に、走査線駆動回路に接続された全走査線が、消去タイミング中の走査線選択期間の度に、充放電を繰り返す。また、走査線に係る容量値は高いため、充放電を繰り返すことで消費電力が大きく増大してしまっていた。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述の諸問題を解決するため、本発明においては、新たな表示装置及び電子機器を提供するものである。
【0018】
本発明の表示装置の一は、m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する第1選択信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する第2選択信号とが、前記走査線に出力される構成とした。
【0019】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する第1選択信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する第2選択信号とが、前記走査線に出力される構成とした。
【0020】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素にビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に入力されたビデオデータを消去するための信号とが、前記走査線に出力される構成とした。
【0021】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素にビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に入力されたビデオデータを消去するための信号とが、前記走査線に出力される構成とした。
【0022】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素に第1のビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に第2のビデオデータを入力するための信号とが、前記走査線に出力される構成とした。
【0023】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素に第1のビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に第2のビデオデータを入力するための信号とが、前記走査線に出力される構成とした。
【0024】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する信号とが、前記走査線に出力され、前記第1の期間及び前記第2の期間における前記走査線に出力される信号は、1本の走査線に対応する4k段のフリップフロップのうち、いずれか一のフリップフロップ回路より出力される構成とした。
【0025】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する信号とが、前記走査線に出力され、前記第1の期間及び前記第2の期間における前記走査線を出力される信号は、1本の走査線に対応する4k段のフリップフロップ回路のうち、いずれか一のフリップフロップ回路より出力される信号である構成とした。
【0026】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素にビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に入力されたビデオデータを消去するための信号とが、前記走査線に出力され、前記第1の期間及び前記第2の期間における前記走査線を出力される信号は、1本の走査線に対応する4k段のフリップフロップ回路のうち、いずれか一のフリップフロップ回路より出力される信号である構成とした。
【0027】
別の本発明の表示装置の一は、m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置において、前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素にビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に入力されたビデオデータを消去するための信号とが、前記走査線に出力され、前記第1の期間及び前記第2の期間における前記走査線に出力される信号は、1本の走査線に対応する4k段のフリップフロップのうち、いずれか一のフリップフロップ回路より出力される信号である構成とした。
【0028】
なお、本発明の表示装置は、前記走査線駆動回路に入力されるスタートパルスは、1本目の前記走査線に対応するフリップフロップ回路の側から入力される構成であってもよい。
【0029】
なお、本発明の表示装置は、前記走査線駆動回路において、1本目の前記走査線に対応するフリップフロップ回路の側(即ち、前段)には、少なくとも1つのフリップフロップ回路がさらに設けられている構成であってもよい。
【0030】
なお、本発明の表示装置は、複数の画素と、信号線駆動回路と、前記走査線駆動回路を有し、前記複数の画素と、前記信号線駆動回路と、前記走査線駆動回路は、同じ基板上に設けられている構成であってもよい。
【0031】
なお、本発明の表示装置は、前記複数の画素には、それぞれ発光素子と、前記発光素子を駆動するためのトランジスタと、前記画素を選択するためのトランジスタとが設けられている構成であってもよい。
【0032】
なお本発明の表示装置には、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置の他、液晶表示装置、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)、その他の時間階調法で表示が可能な表示装置がその範疇に含まれる。
【0033】
また本明細書において発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。具体的にはOLED(Organic Light Emitting Diode)や、無機EL(Electro luminescence)や、FED(Field Emission Display)に用いられているMIM型の電子源素子(電子放出素子)等が含まれる。
【0034】
発光素子の1つであるOLED(Organic Light Emitting Diode)は、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electro luminescence)が得られる電界発光材料を含む層(以下、電界発光層と記す)と、陽極と、陰極とを有している。電界発光層は陽極と陰極の間に設けられており、単層または複数の層で構成されている。これらの層の中に無機化合物を含んでいる場合もある。電界発光層におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とが含まれる。
【0035】
また表示装置は、発光素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。
【0036】
なお本発明の発光装置において用いられるトランジスタとして、多結晶半導体、微結晶半導体(セミアモルファス半導体を含む)、アモルファス半導体を用いた薄膜トランジスタを用いることができるが、本発明の発光装置に用いられるトランジスタは薄膜トランジスタに限定されない。単結晶シリコンを用いて形成されたトランジスタであっても良いし、SOIを用いたトランジスタであっても良い。また、有機半導体を用いたトランジスタであっても良いし、カーボンナノチューブを用いたトランジスタであってもよいし、酸化亜鉛を用いたトランジスタであってもよい。また本発明の発光装置の画素に設けられたトランジスタは、シングルゲート構造を有していても良いし、ダブルゲート構造やそれ以上のゲートを有するマルチゲート構造であっても良い。
【発明の効果】
【0037】
表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。本発明の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、本発明の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要がなくなる。さらに、本発明の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を減少させることができる。
【0038】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【0039】
また、前記走査線駆動回路を用いることで、消去期間に限らず、1つの走査線選択期間において、異なる走査線を選択し、それぞれに異なる映像信号を入力することも可能となる。そのため、消去期間を設けることなくサブフレーム期間に発光素子の発光を行うことができるため、デューティー比を低下させることなく表示を行うことができ、低消費電力化及び配線の幅を細くすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0041】
(実施の形態1)
本発明の走査線駆動回路の具体的な構成について、その詳細を、図1を用いて説明する。本発明の走査線駆動回路を含む表示装置の概略について示す。
【0042】
図1(A)に本発明の走査線駆動回路を含む表示装置の構成を示す。図1(A)に示す表示装置は、画素10が複数形成された画素部11と、信号線駆動回路12と、走査線駆動回路13とを有している。走査線駆動回路13によって、各走査線G1〜Gm、即ち各行の画素10の選択を行なうことができる。信号線駆動回路12は、信号線S1〜Sxを介して、走査線駆動回路13によって選択された行の画素10に入力されるビデオ信号を制御することができる。
【0043】
次に図1(B)に、図1(A)で示した本発明の走査線駆動回路の構成について説明する。前記走査線駆動回路はシフトレジスタ101、レベルシフタ103及びバッファ回路104を有し、シフトレジスタ101は複数のフリップフロップ102によって構成されている。また、シフトレジスタ101の1段目のフリップフロップ102(フリップフロップ回路ともいう)にはスタートパルス(GSP)が入力され、フリップフロップ102の奇数段にはクロック(GCK)が、偶数段にはクロックの反転(GCKB)が入力される。フリップフロップの出力は4段毎にレベルシフタ103に接続され、入力されたパルスを任意の電圧に増幅させたり、シフトさせたりする。レベルシフタ103から出力されたパルスはバッファ回路104を介し、走査線G1〜Gm(mは自然数)へ出力される。
【0044】
なお、走査線駆動回路におけるフリップフロップ102は走査線の数に対応しており、最終行を除く各走査線の各々に対しフリップフロップが少なくとも4k段(kは自然数)設けられているものとする。本実施の形態においては、走査線駆動回路は、4m段のフリップフロップを有するものとして、以下説明する。
【0045】
なお、図18(A)に示すように、走査線駆動回路におけるフリップフロップ102は、1乃至(m−1)本目における走査線の各々に対しフリップフロップが少なくとも4k段ずつ設けられている。なお、m本目の走査線に対応するフリップフロップは他の走査線と同様4k段であっても良いが、少なくとも一段設けられている構成であればよい。これは、m本目の走査線に対応するフリップフロップにおいては、(4(m−1)+1)〜(4m)段目のフリップフロップから出力される信号は使用しないためである。そのため、予め(4(m−1)+1)乃至(4m)段目のフリップフロップを設けない構成とすることで、さらにフリップフロップ回路を有する走査線駆動回路が小型化することができ、好適である。
【0046】
また、図18(B)に示すように、走査線駆動回路におけるフリップフロップ102は、スタートパルスが入力される側、換言すれば、1本目の走査線に対応するフリップフロップにおけるF1の信号を出力するフリップフロップの前段に、さらにフリップフロップを設ける構成としてもよい。これは、1本目の走査線に対応するフリップフロップに入力される信号をより正確にするためのものである。このようにして、走査線G1〜Gmに出力される信号のばらつきを低減することができ、好適である。
【0047】
前記走査線駆動回路の駆動タイミングについて、図2を用いて説明する。図2に前記走査線駆動回路のタイミングチャートを示す。
【0048】
図2に示すように、走査線選択期間を第1の行書き込み期間AP1と第2の行書き込み期間AP2に2分割する。ある行の画素に映像信号を書き込む必要がある場合には第1の行書き込み期間AP1(書込タイミング)に、消去信号を書き込む必要がある場合には第2の行書き込み期間AP2(消去タイミング)に走査線を選択する必要がある。
【0049】
図2を用いて、走査線駆動回路に入力される信号の入出力について説明する。
【0050】
なお、図2においては、高電位が入力されるタイミングをHと略記し、低電位が入力されるタイミングをLと略記する。これは、フリップフロップを構成する半導体素子がHの信号でオン(アクティブ)になるからであるが、これに限定されず、HとLが逆転することで半導体素子のオンとオフが制御されればHとLは入れ替わっていてもよい。
【0051】
図2において、まず書き込みスタートパルス(書込SP)のH信号が入力される。すると、書込SPの信号は、フリップフロップ102の1段目を介して、クロックの半周期分遅れて出力される。また、フリップフロップの2段目、3段目以降に順次入力される信号もクロックの半周期分遅れて出力される。ここで、説明のため、1段目のフリップフロップより出力される信号をF1、以降2段目のフリップフロップより出力される信号をF2、4m段目のフリップフロップより出力される信号をF4mとする。なお、これら出力された信号のうち4(m−1)+1段目のフリップフロップより出力される信号がm行目の走査線に出力される。即ち、4(α−1)+1段目(αは1〜m)のフリップフロップより出力される信号は、図1の走査線Gα(G1、G2、G3・・・Gm)に出力される。なお、これら走査線に出力された信号を、本明細書においては走査線を選択するための第1選択信号という。
【0052】
続いて、図2においては、走査線G3に出力された第1選択信号からクロックの半周期分遅れたタイミングで、消去用スタートパルス(消去SP)のH信号が入力される。すると、消去SPは、書込SPと同様に、フリップフロップの各段に、順次クロックの半周期分出力パルスがシフトした信号として出力される。そのため、本発明では、走査線駆動回路を2つ設けることなく、第1の行書き込み期間AP1において全ての走査線G1〜Gmが選択される前に、画素に入力されたビットのビデオ信号を走査線G1から順次消去することができる。このようにして、第1の行書き込み期間AP1において選択された走査線によって画素に入力されたビットのビデオデータを、第2の行書き込み期間AP2において消去することができる。よって、例えば走査線G1に着目すると、第1の行書き込み期間AP1においてG1が選択された後、走査線Gmが第1の行書き込み期間AP1において選択される前に、走査線G1が第2の行書き込み期間AP2において選択され、消去信号が入力される。そして、走査線G1が第1の行書き込み期間AP1において選択されたときに画素に書き込まれたビデオ信号は、走査線G1が第2の行書き込み期間AP2において選択されるまで保持される。従って、走査線G1が第1の行書き込み期間AP1において選択されてから、再び走査線G1が第1の行書き込み期間AP1において選択されるまでの期間が、サブフレーム期間SFに相当する。なお、走査線に出力された消去信号を、本明細書においては走査線を選択するための第2選択信号という。
【0053】
そして図2では、第1の行書き込み期間AP1と第2の行書き込み期間AP2において、走査線G1〜GmのうちHレベルの選択信号が入力されている走査線が、選択されている走査線に相当する。なお図2ではHレベルのときに走査線が選択される場合について示しているが、Lレベルのときに走査線が選択されるようにしても良い。そして選択されている走査線を共有している行の画素に、対応するビデオ信号が、信号線駆動回路12(図1参照)から入力される。
【0054】
表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間AP1(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間AP2(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間(走査線1行目から最終行まで映像信号を書込む期間)の長さよりも短くする。本実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、本実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、本実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0055】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【0056】
なお、本実施の形態は、本明細書中の他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。
【実施例1】
【0057】
本実施例においては、実施の形態で述べた表示装置の画素の構成について詳細に説明する。
【0058】
表示装置の構成について図3〜5を参照して説明する。画素1010は、発光素子1013と、容量素子1016と、2つのトランジスタとを有する。2つのトランジスタのうち、1つは画素1010に対するビデオ信号の入力を制御するスイッチング用トランジスタ1011(以下TFT1011と表記することがある)であり、もう1つは発光素子1013の点灯と非点灯を制御する駆動用トランジスタ1012(以下TFT1012と表記)である。TFT1011、1012は電界効果トランジスタであり、ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極の3つの端子を有する。
【0059】
TFT1011のゲート電極はゲート線Gyに接続し、ソース電極及びドレイン電極の一方はソース線Sxに接続し、他方はTFT1012のゲート電極に接続する。TFT1012のソース電極及びドレイン電極の一方は電源線Vx(xは自然数、1≦x≦m)を介して第1の電源1017に接続し、他方は発光素子1013の画素電極に接続する。発光素子1013の対向電極は第2の電源1018に接続する。容量素子1016はTFT1012のゲート電極とソース電極の間に設けられる。TFT1011、1012の導電型は制約されず、n型とp型のどちらの導電型でもよいが、図示する構成では、TFT1011はn型、TFT1012がp型の場合を示す。第1の電源1017の電位と第2の電源1018の電位も特に制約されないが、発光素子1013に順方向バイアスが印加されるような電位に設定する。
【0060】
上記構成を有する表示装置は、画素1010に配置するトランジスタの個数が2つである点を特徴とする。上記特徴により、トランジスタの個数が少ないことから、必然的に配置する配線の本数を少なくすることができるため、高開口率、高精細化、高歩留まりを実現することができる。また、高開口率が実現すると、光を発する面積の増加に伴って電流密度を下げることができる。従って、駆動電圧を下げることができるため、消費電力を削減することができる。また、駆動電圧を下げることで、信頼性を向上させることができる。
【0061】
TFT1011、1012を構成する半導体は、非晶質半導体(例えば、アモルファスシリコン)、微結晶半導体(例えば、微結晶シリコン)、多結晶半導体(例えば、ポリシリコン)、有機半導体等のいずれもよい。なお、微結晶シリコンは、シランガス(SiH)とフッ素ガス(F)を用いて形成するか、シランガスと水素ガスを用いて形成するか、上記に挙げたガスを用いて薄膜を形成後にレーザ光の照射を行って形成してもよい。
【0062】
TFT1011、TFT1012のゲート電極は、導電性材料により単層又は積層で形成する。例えば、タングステン(W)と窒化タングステン(WN)の積層構造や、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)及びモリブデン(Mo)の積層構造、モリブデン(Mo)と窒化モリブデン(MoN)の積層構造を採用するとよい。
【0063】
TFT1011、1012が含む不純物領域(ソース電極とドレイン電極)に接続する導電層(ソース配線、ドレイン配線)は、導電性材料により単層又は積層で形成する。例えば、チタン(Ti)、アルミニウムシリコン(Al−Si)及びチタン(Ti)の積層構造、モリブデン(Mo)、アルミニウム−シリコン(Al−Si)及びモリブデン(Mo)の積層構造、窒化モリブデン(MoN)、アルミニウム−シリコン(Al−Si)及び窒化モリブデン(MoN)の積層構造を採用するとよい。
【0064】
次に、上記構成を有する画素1010のレイアウトを図4に示す。このレイアウトでは、TFT1011、TFT1012、容量素子1016、発光素子1013の画素電極に相当する導電層1019を示す。続いて、このレイアウトのA−B及びB−Cに対応する断面構造を図3(B)に示す。ガラスや石英などの絶縁表面を有する基板1020上にTFT1011、1012、発光素子1013、容量素子1016が設けられている。
【0065】
発光素子1013は、画素電極に相当する導電層1019、電界発光層1033、対向電極に相当する導電層1034の積層体に相当する。導電層1019、導電層1034の両者が透光性を有する場合、発光素子1013は、導電層1019に向かう方向と、導電層1034に向かう方向に光を発する。つまり、発光素子1013は両面射出を行う。また、導電層1019、導電層1034の一方が透光性を有し、他方が遮光性を有する場合、発光素子1013は導電層1019に向かう方向のみか、導電層1034に向かう方向のみに光を発する。つまり発光素子1013は上面射出又は下面射出を行う。図3(B)は、発光素子1013が下面射出を行う場合の断面構造を示す。
【0066】
容量素子1016は、TFT1012のゲート電極とソース電極の間に配置され、当該TFT1012のゲート・ソース間電圧を保持する。容量素子1016は、TFT1011、TFT1012が含む半導体層と同じ層に設けられた半導体層1021と、TFT1011、TFT1012のゲート電極と同じ層に設けられた導電層1022a、導電層1022b(以下総称して導電層1022と表記)と、半導体層1021と導電層1022の間の絶縁層により容量を形成する。また、容量素子1016はTFT1011、TFT1012のゲート電極と同じ層に設けられた導電層1022と、TFT1011、TFT1012のソース電極及びドレイン電極に接続する導電層1024〜導電層1027と同じ層に設けられた導電層1023と、導電層1022と導電層1023の間の絶縁層により容量を形成する。このような構成により、容量素子1016はTFT1012のゲート・ソース間電圧を保持するのに十分な容量値を得ることができる。また、容量素子1016は、電源線Vxを構成する導電層の下部に設けられており、そのために、容量素子1016の配置による開口率の減少は生じない。
【0067】
また、TFT1011、TFT1012のソース配線、ドレイン配線に相当する導電層1023〜導電層1027の厚さは、500nm以上2000nm以下、好ましくは500nm以上1300nm以下であることが好ましい。導電層1023〜導電層1027は、ソース線Sxや電源線Vxを構成しているため、上記構成のように、導電層1023〜導電層1027の膜厚を厚くすることで、電圧降下による影響を抑制することができる。なお、導電層1023〜導電層1027を厚くすると配線抵抗を小さくすることができるが、逆に導電層1023〜導電層1027を厚くしすぎると、パターン加工を正確に行うことが困難になったり、表面の凸凹が問題になったりする。つまり、導電層1023〜導電層1027の厚さは、配線抵抗と、パターン加工のし易さと表面の凸凹の影響とを考慮して、上記の範囲内で決定するとよい。
【0068】
また、TFT1011、TFT1012は絶縁層1028、絶縁層1029(以下総称して第1の絶縁層1030と表記)と、第1の絶縁層1030上に設けられた第2の絶縁層1031に覆われており、第2の絶縁層1031上には画素電極に相当する導電層1019を有する。仮に、第2の絶縁層1031を設けないとすると、ソース配線、ドレイン配線に相当する導電層1023〜導電層1027と、導電層1019とは同じ層に設けることになる。そうすると、導電層1019を設ける領域は、導電層1023〜導電層1027を設けた領域以外に制約されてしまう。しかしながら、第2の絶縁層1031を設けることにより、導電層1019を設ける領域が広がり、高開口率を実現することができる。上面射出の場合、この構成は特に有効である。高開口率を実現すると、光を発する面積の増加に伴って、駆動電圧を下げ、消費電力を削減することができる。
【0069】
なお第1の絶縁層1030と第2の絶縁層1031は、酸化珪素や窒化珪素等の無機材料、ポリイミドやアクリル等の有機材料等を用いて形成する。第1の絶縁層1030と第2の絶縁層1031を同じ材料で形成してもよいし、互いに異なる材料で形成してもよい。無機材料としては、シロキサン系の材料を用いればよく、例えば、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む材料、又は、シリコンと酸素との結合で骨格構造が構成され、置換基にフッ素、アルキル基、アリール基の少なくとも1つを含む材料を用いる。
【0070】
また、画素1010の間に隔壁層1032(バンク、土手や絶縁層ともよぶ)が設けられるが、容量素子1016上の隔壁層1032の幅1035は、その下部に設けられた配線を隠すことができる幅であればよい。具体的には、幅1035は、7.5μm以上27.5μm以下、好ましくは10μm以上25μm以下であることが好ましい(図5参照)。このように、隔壁層1032の幅を狭くすることで、高開口率を実現する。高開口率を実現すると、光を発する面積の増加に伴って、駆動電圧を下げ、消費電力を削減することができる。
【0071】
なお、図5に示すレイアウトによれば、画素の開口率は約50%である。図示するレイアウトの画素1010の列方向(縦方向)の長さは幅1038で示し、行方向(横方向)の長さは幅1037で示す。隔壁層1032は、無機材料と有機材料のどちらの材料を用いて形成してもよい。但し、隔壁層1032に接するように、電界発光層1033を設けるため、当該電界発光層1033にピンホールなどが生じないように、曲率半径が連続的に変化する形状を有するとよい(図3(B)参照)。
【0072】
また、隔壁層1032は遮光性を有していても良い。遮光性を有することにより、画素1010間の輪郭が明瞭なものとなり、高精細な画像を表示することができる。隔壁層1032は、顔料やカーボンナノチューブを含み、これらの顔料やカーボン等の添加物により着色され、そのために遮光性を有することが可能となる。
【0073】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0074】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例2】
【0075】
本実施例においては、実施例1で示した画素を有する表示装置の動作について、縦軸が走査線、横軸が時間のタイミングチャート(図6(A))と、i行目のゲート線Gi(1≦i≦m)のタイミングチャート(図6(B))を用いて説明する。時間階調方式は、1フレーム期間は複数のサブフレーム期間SF1、SF2、・・・、SFn(nは自然数)を有する。
【0076】
複数のサブフレーム期間の各々は、書き込み動作又は消去動作を行う複数の書き込み期間Ta1、Ta2、・・・、Tanから選択された一つと、複数の点灯期間Ts1、Ts2、・・・、Tsnから選択された一つとを有する。複数の書き込み期間の各々は、複数のゲート選択期間を有する。複数のゲート選択期間の各々は、複数のサブゲート選択期間を有する。ゲート選択期間の各々の分割数は特に制約されないが、好ましくは2つ〜8つに分割し、さらに好ましくは2つ〜4つに分割するとよい。また点灯期間Ts1:Ts2:・・・:Tsnは、その長さの比を、例えば2(n−1):2(n−2):・・・:21:20とする。つまり、点灯期間Ts1、Ts2、・・・、Tsnは、各ビットで長さが異なるように設定する。
【0077】
以下には、3ビット階調(8階調)を表現する場合のタイミングチャートについて説明する(図6(A)(B)参照)。この場合、1フレーム期間を3つのサブフレーム期間SF1〜SF3に分割する。サブフレーム期間SF1〜SF3は、書き込み期間Ta1〜Ta3から選択された1つと、点灯期間Ts1〜Ts3から選択された1つとを有する。書き込み期間は、複数のゲート選択期間を有する。複数のゲート選択期間の各々は、複数のサブゲート選択期間を有するが、ここでは、複数のゲート選択期間の各々は、2つのサブゲート選択期間を有し、第1のサブゲート選択期間において消去動作を行い、第2のサブゲート選択期間において書き込み動作を行う場合について示す。
【0078】
なお、消去動作は、発光素子を非発光にするために行う動作であり、必要なサブフレーム期間においてのみに行う動作である。
【0079】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0080】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例3】
【0081】
本実施例においては、実施例2において示した表示装置の動作とは異なる動作について説明する。
【0082】
本実施例における各サブフレーム期間のタイミングについて説明する。図7(A)に、走査線駆動回路によって、上述の実施の形態で説明した1走査線選択期間の内の前半期間AP1に、ビデオ信号の書き込みが行なわれる書き込み期間のタイミングGAP1を示す。また、走査線駆動回路によって、上述の実施の形態で説明した1走査線選択期間の内の後半期間AP2に、ビデオ信号の書き込みが行なわれる書き込み期間のタイミングGAP2として示す。さらに、1行目の画素に出現するサブフレーム期間のタイミングも、併せて示す。なお図7(A)では、QVGA(画素数320×240)のパネルにおいて、8ビットのビデオ信号を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0083】
W1〜W8は、各ビットのビデオ信号に対応する書き込み期間に相当する。各書き込み期間W1〜W8は、それぞれ走査線駆動回路用のクロック信号の半分の周期に、320を掛けた長さに相当する。
【0084】
図7(A)では、走査線駆動回路のタイミングGAP1により書き込み期間W6が開始されてから、走査線駆動回路のタイミングGAP2により書き込み期間W1が開始されるまでの期間が、サブフレーム期間SF6に相当する。また、走査線駆動回路のタイミングGAP2により書き込み期間W1が開始されてから、走査線駆動回路により書き込み期間W5が開始されるまでの期間が、サブフレーム期間SF1に相当する。以下同様に、各サブフレーム期間のタイミングが走査線駆動回路のタイミングGAP1、GAP2により制御される。
【0085】
図7(B)に、各サブフレーム期間のトータルの長さを示す。図7(B)に示すように、ΣSF1:ΣSF2:ΣSF3:ΣSF4:ΣSF5:ΣSF6:ΣSF7:ΣSF8=2:2:2:2:2:2:2:2となっている。このように、n番目に短いサブフレーム期間SFnのトータルの長さを、最も短いサブフレーム期間の2(n−1)倍とすることで、2階調の表示を行なうことができる。
【0086】
図8に、図7(A)に示した駆動方法を用いた場合の、画素部全体におけるサブフレーム期間SF1〜SF8のタイミングを示す。図8において、横軸は時間、縦軸は走査線を選択する方向(走査方向)に相当する。各サブフレーム期間SF1〜SF8において、最初の行が選択されてから、最後の行の選択が終了するまでの期間が、各ビットの書き込み期間W1〜W6に相当する。また各行において全てのサブフレーム期間SF1〜SF8が終了するまでの期間が、1フレーム期間Fに相当する。
【0087】
なお図7(A)、図8に示す駆動方法では、全てのサブフレーム期間が連続して出現しており、デューティー比を100%となっている。しかし本発明はこの駆動方法に限定されず、サブフレーム期間の間に非表示期間を設けるようにしても良い。非表示期間を設けるには、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を、画素に書き込むようにすれば良い。
【0088】
本実施例においては、本発明の走査線駆動回路を用いることで、消去期間に限らず、1つの走査線選択期間において、異なる走査線を選択し、それぞれに異なる映像信号を入力することも可能となる。そのため、消去期間を設けることなくサブフレーム期間に発光素子の発光を行うことができるため、デューティー比を低下させることなく表示を行うことができる。また、電流値を小さくすることができるため、電源線の配線を狭い幅とすることもできる。さらに、低消費電力化を実現することも可能となる。
【0089】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0090】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例4】
【0091】
本発明の発光装置が有する画素は、実施例1で示した図3に示す構成に限定されない。図9(A)に、本発明の発光装置が有する画素の一形態を示す。図9に示す画素は、発光素子401と、スイッチング用トランジスタ402と、駆動用トランジスタ403と、発光素子401への電流の供給の有無を選択する電流制御用トランジスタ404とを有している。さらに図9(A)には示されていないが、ビデオ信号の電圧を保持するための容量素子を画素に形成しても良い。
【0092】
駆動用トランジスタ403及び電流制御用トランジスタ404は、同じ極性であっても異なる極性であってもどちらでも良い。駆動用トランジスタ403は飽和領域で動作させ、電流制御用トランジスタ404は線形領域で動作させる。なお駆動用トランジスタ403は飽和領域で動作させることが望ましいが、本発明は必ずしもこれに限定されず、駆動用トランジスタ403を線形領域で動作させても良い。また、スイッチング用トランジスタ402は線形領域で動作させる。スイッチング用トランジスタ402は、n型であってもp型であってもどちらでも良い。
【0093】
図9(A)のように、駆動用トランジスタ403がp型の場合、発光素子401の陽極を第1の電極とし、陰極を第2の電極として用いるのが好ましい。なお、本明細書において、発光素子における第1の電極は画素電極に相当し、第2の電極は対向電極に相当する。逆に駆動用トランジスタ403がn型の場合、発光素子401の陰極を第1の電極とし、陽極を第2の電極として用いるのが好ましい。
【0094】
スイッチング用トランジスタ402のゲートは、走査線Gj(j=1〜y)に接続されている。スイッチング用トランジスタ402のソースとドレインは、一方が信号線Si(i=1〜x)に、もう一方が電流制御用トランジスタ404のゲートに接続されている。駆動用トランジスタ403のゲートは電源線Vi(i=1〜x)に接続されている。そして駆動用トランジスタ403及び電流制御用トランジスタ404は、電源線Viから供給される電流が、駆動用トランジスタ403及び電流制御用トランジスタ404のドレイン電流として発光素子401に供給されるように、電源線Vi及び発光素子401と接続されている。本実施例では、駆動用トランジスタ403のソースが電源線Viに接続され、駆動用トランジスタ403と発光素子401の第1の電極との間に、電流制御用トランジスタ404が設けられている。
【0095】
容量素子を形成する場合、該容量素子が有する2つの電極は、一方が電源線Viに接続され、もう一方が電流制御用トランジスタ404のゲートに接続されるようにする。容量素子は、電流制御用トランジスタ404のゲート電圧を保持するために設けられている。
【0096】
なお図9(A)に示す画素の構成は、本発明の一形態を示したに過ぎず、本発明の発光装置は図9(A)に限定されない。例えば図9(B)に示すように、駆動用トランジスタ403のドレインを発光素子401の第1の電極に接続し、駆動用トランジスタ403と電源線Viの間に電流制御用トランジスタ404を形成しても良い。なお図9(B)では、図9(A)において既に示したものに同じ符号を付す。
【0097】
本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0098】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例5】
【0099】
本実施例では、本発明の発光装置の一形態に相当するパネルの外観について、図10を用いて説明する。図10は、第1の基板上に形成されたトランジスタ及び発光素子を、第2の基板との間にシール材によって封止した、パネルの上面図であり、図10(B)は、図10(A)のA−A’における断面図に相当する。
【0100】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4020が設けられている。また画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004の上に、第2の基板4006が設けられている。よって、画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4020と第2の基板4006とによって、充填材4007と共に密封されている。
【0101】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004とは、トランジスタを複数有している。図10(B)では、信号線駆動回路4003に含まれるトランジスタ4008と、画素部4002に含まれる駆動用トランジスタ4009及びスイッチング用トランジスタ4010とを例示している。
【0102】
また4011は発光素子に相当し、駆動用トランジスタ4009のドレインと接続されている配線4017の一部が、発光素子4011の第1の電極として機能する。また透明導電膜が、発光素子4011の第2の電極4012として機能する。なお発光素子4011の構成は、本実施例に示した構成に限定されない。発光素子4011から取り出す光の方向や、駆動用トランジスタ4009の極性などに合わせて、発光素子4011の構成は適宜変えることができる。
【0103】
また信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号及び電圧は、図10(B)に示す断面図では図示されていないが、引き出し配線4014及び4015を介して、接続端子4016から供給されている。
【0104】
本実施例では、接続端子4016が、発光素子4011が有する第2の電極4012と同じ導電膜から形成されている。また、引き出し配線4014は、配線4017と同じ導電膜から形成されている。また引き出し配線4015は、駆動用トランジスタ4009、スイッチング用トランジスタ4010、トランジスタ4008がそれぞれ有するゲートと、同じ導電膜から形成されている。
【0105】
接続端子4016は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介して電気的に接続されている。
【0106】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、ガラス、金属(代表的にはステンレス)、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、マイラーフィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、アルミニウムホイルをPVFフィルムやマイラーフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
【0107】
但し、発光素子4011からの光の取り出し方向に位置する第2の基板4006は、透光性を有していなければならない。よって第2の基板4006は、ガラス板、プラスチック板、ポリエステルフィルムまたはアクリルフィルムのような透光性を有する材料を用いる。
【0108】
また、充填材4007としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。本実施例では充填材として窒素を用いた。
【0109】
なお、上記駆動回路以外に、CPUやコントローラなどの回路を第1の基板4001に一体形成してもよい。そうすると、接続する外部回路(IC)の個数が減少し、軽量、薄型がさらに図れるため、携帯端末などには特に有効である。
【0110】
なお、本明細書中では図10(A)に示すように、FPCまで取り付けられ、発光素子にEL素子を用いたパネルのことを本明細書ではELモジュールという。
【0111】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0112】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例6】
【0113】
本実施例では、駆動用トランジスタがp型の場合における、画素の断面構造について、図11を用いて説明する。なお図11では、第1の電極が陽極、第2の電極が陰極の場合について説明するが、第1の電極が陰極、第2の電極が陽極であっても良い。
【0114】
図11(A)に、駆動用トランジスタ6001がp型で、発光素子6003から発せられる光を第1の電極6004側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。
【0115】
駆動用トランジスタ6001は層間絶縁膜6007で覆われており、層間絶縁膜6007上には開口部を有する隔壁6008が形成されている。隔壁6008の開口部において第1の電極6004が一部露出しており、該開口部において第1の電極6004上に、電界発光層6005、第2の電極6006が順に積層されている。
【0116】
層間絶縁膜6007は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む絶縁膜(以下、シロキサン系絶縁膜と呼ぶ)を用いて形成することができる。シロキサン系絶縁膜は、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、またはアリール基のうち少なくとも1種を有していても良い。層間絶縁膜6007に、低誘電率材料(low−k材料)と呼ばれる材料を用いていても良い。
【0117】
隔壁6008は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、ポリイミド、ポリアミドなど、無機絶縁膜ならば酸化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができる。特に感光性の有機樹脂膜を隔壁6008に用い、第1の電極6004上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持つ傾斜面となるように形成することで、第1の電極6004と第2の電極6006とが接続してしまうのを防ぐことができる。
【0118】
第1の電極6004は、光を透過する材料または膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を第1の電極6004に用いることが可能である。またITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを第1の電極6004に用いても良い。また上記透光性酸化物導電材料の他に、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第1の電極6004に用いることもできる。ただし、透光性酸化物導電材料以外の材料を用いる場合、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で第1の電極6004を形成する。
【0119】
また、第2の電極6006は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(フッ化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また、電界発光層6005に電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。
【0120】
電界発光層6005は、単数または複数の層で構成されている。複数の層で構成されている場合、これらの層は、キャリア輸送特性の観点から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などに分類することができる。電界発光層6005が発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層のいずれかを有している場合、第1の電極6004から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に積層する。なお各層の境目は必ずしも明確である必要はなく、互いの層を構成している材料が一部混合し、界面が不明瞭になっている場合もある。各層には、有機系の材料、無機系の材料を用いることが可能である。有機系の材料として、高分子系、中分子系、低分子系のいずれの材料も用いることが可能である。なお中分子系の材料とは、構造単位の繰返しの数(重合度)が2から20程度の低重合体に相当する。正孔注入層と正孔輸送層との区別は必ずしも厳密なものではなく、これらは正孔輸送性(正孔移動度)が特に重要な特性である意味において同じである。便宜上正孔注入層は陽極に接する側の層であり、発光層に接する層を正孔輸送層と呼んで区別する。電子輸送層、電子注入層についても同様であり、陰極に接する層を電子注入層と呼び、発光層に接する層を電子輸送層と呼んでいる。発光層は電子輸送層を兼ねる場合もあり、発光性電子輸送層とも呼ばれる。
【0121】
図11(A)に示した画素の場合、発光素子6003から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6004側から取り出すことができる。
【0122】
次に図11(B)に、駆動用トランジスタ6011がp型で、発光素子6013から発せられる光を第2の電極6016側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。第1の電極6014上に電界発光層6015、第2の電極6016が順に積層されている。
【0123】
第1の電極6014は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、TiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第1の電極6014に用いることができる。
【0124】
また、第2の電極6016は、光を透過する材料または膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(フッ化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また、電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。そして第2の電極6016を、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成する。なお、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることも可能である。またITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。透光性酸化物導電材料を用いる場合、電界発光層6015に電子注入層を設けるのが望ましい。
【0125】
電界発光層6015は、図11(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。
【0126】
図11(B)に示した画素の場合、発光素子6013から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第2の電極6016側から取り出すことができる。
【0127】
次に図11(C)に、駆動用トランジスタ6021がp型で、発光素子6023から発せられる光を第1の電極6024側及び第2の電極6026側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。第1の電極6024上に電界発光層6025、第2の電極6026が順に積層されている。
【0128】
第1の電極6024は、図11(A)の第1の電極6004と同様に形成することができる。また第2の電極6026は、図11(B)の第2の電極6016と同様に形成することができる。電界発光層6025は、図11(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。
【0129】
図11(C)に示した画素の場合、発光素子6023から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6024側及び第2の電極6026側から取り出すことができる。
【0130】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0131】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例7】
【0132】
本実施例では、駆動用トランジスタがn型の場合における、画素の断面構造について、図12を用いて説明する。なお図12では、第1の電極が陰極、第2の電極が陽極の場合について説明するが、第1の電極が陽極、第2の電極が陰極であっても良い。
【0133】
図12(A)に、駆動用トランジスタ6031がn型で、発光素子6033から発せられる光を第1の電極6034側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。第1の電極6034上に電界発光層6035、第2の電極6036が順に積層されている。
【0134】
第1の電極6034は、光を透過する材料または膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(フッ化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。そして第1の電極6034を、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成する。さらに、光が透過する程度の膜厚を有する上記導電層の上または下に接するように、透光性酸化物導電材料を用いて透光性を有する導電層を形成し、第1の電極6034のシート抵抗を抑えるようにしても良い。なお、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いた導電層だけを用いることも可能である。またITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。透光性酸化物導電材料を用いる場合、電界発光層6035に電子注入層を設けるのが望ましい。
【0135】
また第2の電極6036は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、TiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第2の電極6036に用いることができる。
【0136】
電界発光層6035は、図11(A)の電界発光層6005と同様に形成することができる。ただし、電界発光層6035が発光層の他に、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層のいずれかを有している場合、第1の電極6034から、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層の順に積層する。
【0137】
図12(A)に示した画素の場合、発光素子6033から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6034側から取り出すことができる。
【0138】
次に図12(B)に、駆動用トランジスタ6041がn型で、発光素子6043から発せられる光を第2の電極6046側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。第1の電極6044上に電界発光層6045、第2の電極6046が順に積層されている。
【0139】
第1の電極6044は、光を反射もしくは遮蔽する材料及び膜厚で形成し、なおかつ仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などで形成することができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(フッ化カルシウム、窒化カルシウム)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電層を用いることも可能である。
【0140】
また第2の電極6046は、光を透過する材料または膜厚で形成し、なおかつ陽極として用いるのに適する材料で形成する。例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を第2の電極6046に用いることが可能である。またITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20wt%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを第2の電極6046に用いても良い。また上記透光性酸化物導電材料の他に、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を第2の電極6046に用いることもできる。ただし透光性酸化物導電材料以外の材料を用いる場合、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で第2の電極6046を形成する。
【0141】
電界発光層6045は、図12(A)の電界発光層6035と同様に形成することができる。
【0142】
図12(B)に示した画素の場合、発光素子6043から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第2の電極6046側から取り出すことができる。
【0143】
次に図12(C)に、駆動用トランジスタ6051がn型で、発光素子6053から発せられる光を第1の電極6054側及び第2の電極6056側から取り出す場合の、画素の断面図を示す。第1の電極6054上に電界発光層6055、第2の電極6056が順に積層されている。
【0144】
第1の電極6054は、図12(A)の第1の電極6034と同様に形成することができる。また第2の電極6056は、図12(B)の第2の電極6046と同様に形成することができる。電界発光層6055は、図12(A)の電界発光層6035と同様に形成することができる。
【0145】
図12(C)に示した画素の場合、発光素子6053から発せられる光を、白抜きの矢印で示すように第1の電極6054側及び第2の電極6056側から取り出すことができる。
【0146】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0147】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例8】
【0148】
本発明の発光装置は、スクリーン印刷法、オフセット印刷法に代表される印刷法、または液滴吐出法を用いて形成できる。なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出して所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。上記印刷法、液滴吐出法を用いることで、露光用のマスクを用いずとも、信号線、走査線、電源線に代表される各種配線、TFTのゲート、発光素子の電極などを形成することが可能になる。ただし、パターンを形成する全ての工程に、印刷法または液滴吐出法を用いる必要はない。よって、例えば配線及びゲートの形成には印刷法または液滴吐出法を用い、半導体膜のパターニングにはリソグラフィ法を用いる、というように、本実施例に係る発光装置は、少なくとも一部の工程において印刷法または液滴吐出法を用いて形成されていれば良く、リソグラフィ法も併用していても良い。またパターニングの際に用いるマスクは、印刷法または液滴吐出法で形成しても良い。
【0149】
図13に、液滴吐出法を用いて形成された、本発明の発光装置の断面図を、一例として示す。図13において、1301はスイッチング用トランジスタ、1302は駆動用トランジスタ、1304は発光素子に相当する。駆動用トランジスタ1302はn型であることが望ましく、この場合、第1の電極1350は陰極を用い、第2の電極1352は陽極を用いるのが望ましい。
【0150】
スイッチング用トランジスタ1301は、ゲート1310と、チャネル形成領域を含む第1の半導体膜1311と、ゲート1310と第1の半導体膜1311の間に形成されたゲート絶縁膜1317と、ソースまたはドレインとして機能する第2の半導体膜1312、1313と、第2の半導体膜1312に接続された配線1314と、第2の半導体膜1313に接続された配線1315とを有している。
【0151】
駆動用トランジスタ1302は、ゲート1320と、チャネル形成領域を含む第1の半導体膜1321と、ゲート1320と第1の半導体膜1321の間に形成されたゲート絶縁膜1317と、ソースまたはドレインとして機能する第2の半導体膜1322、1323と、第2の半導体膜1322に接続された配線1324と、第2の半導体膜1323に接続された配線1325とを有している。
【0152】
配線1314は信号線に相当し、配線1315は駆動用トランジスタ1302のゲート1320に電気的に接続されている。また配線1325は電源線に相当する。
【0153】
配線1324は、発光素子1304が有する第1の電極1350に接続されている。また第1の電極1350上には電界発光層1351、第2の電極1352が順に積層されている。第1の電極1350と、電界発光層1351と第2の電極1352とが重なることころで、発光素子1304が形成される。
【0154】
液滴吐出法、印刷法を用いてパターンを形成することで、リソグラフィ法で行なわれるフォトレジストの成膜、露光、現像、エッチング、剥離などの一連の工程を簡略化することができる。また、液滴吐出法、印刷法の場合、リソグラフィ法と異なり、エッチングにより除去されてしまうような材料の無駄がない。また高価な露光用のマスクを用いなくとも良いので、発光装置の作製に費やされるコストを抑えることができる。
【0155】
さらに、リソグラフィ法とは異なり、配線を形成するためにエッチングを行なう必要がない。よって、配線を形成する工程に費やされる時間をリソグラフィ法の場合に比べて著しく短くすることが可能である。特に配線の厚さを0.5μm以上、より望ましくは2μm以上で形成する場合、配線抵抗を抑えることができるので、配線の作製工程に費やされる時間を抑えつつ、発光装置の大型化に伴う配線抵抗の上昇を抑えることができる。
【0156】
なお第1の半導体膜1311、1321は非晶質半導体であっても、セミアモルファス半導体(SAS)であってもどちらでも良い。
【0157】
非晶質半導体は、例えば珪素を有する化合物をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪素を有する化合物としては、SiH、Siが挙げられる。この珪素を有する化合物を、水素、水素とヘリウムで希釈して用いても良い。
【0158】
またSASも例えば珪素を有する化合物をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪素を有する化合物としては、SiHであり、その他にもSi、SiHCl、SiHCl、SiCl、SiFなどを用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素を加えたガスで、この珪素を有する化合物を希釈して用いることで、SASの形成を容易なものとすることができる。希釈率は2倍〜1000倍の範囲で珪素を有する化合物を希釈することが好ましい。またさらに、珪素を有する化合物中に、CH、Cなどの炭化物気体、GeH、GeFなどのゲルマニウム化気体、Fなどを混入させて、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、若しくは0.9〜1.1eVに調節しても良い。SASを第1の半導体膜として用いたTFTは、1〜10cm2/Vsecや、それ以上の移動度を得ることができる。
【0159】
また第1の半導体膜1311、1321は、非晶質半導体またはセミアモルファス半導体(SAS)をレーザ結晶化した半導体を用いていても良い。
【0160】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0161】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例9】
【0162】
本実施例では、電流供給線の電位補正することで、環境温度の変化と経時変化に起因した発光素子の電流値の変動による輝度への影響を抑制する場合について説明する。
【0163】
発光素子は、周囲の温度により、その抵抗値(内部抵抗値)が変化する性質を有する。具体的には、室温を通常の温度としたとき、温度が通常よりも高くなると抵抗値が低下し、温度が通常よりも低くなると抵抗値が上昇する。そのため、温度が高くなると電流値が増加して所望の輝度よりも高い輝度となり、温度が低くなると同じ電圧を印加した場合であっても、電流値が低下して所望の輝度よりも低い輝度となる。また、発光素子は、経時的にその電流値が減少する性質を有する。具体的には、発光時間及び非発光時間が累積すると発光素子の劣化に伴い抵抗値が上昇する。そのため、発光時間及び非発光時間が累積すると同じ電圧を印加した場合であっても、電流値が低下して所望の輝度より低い輝度となる。
【0164】
上述した発光素子が有する性質により、環境温度の変化や経時変化が生じると、輝度にバラツキが生じてしまう。本実施例は、本発明の電流供給線の電位を補正することで、環境温度の変化と経時変化に起因した発光素子の電流値の変動による輝度への影響を抑制することができる。
【0165】
図14に、回路の構成を示す。図14において、電流供給線1401と対向電極1402との間には、駆動トランジスタ1403と発光素子1404とが接続されている。そして、電流供給線1401から対向電極1402の方に電流が流れる。発光素子1404は、そこを流れる電流の大きさに応じて発光する。
【0166】
このような画素構成の場合、発光素子1404に電流が流れ続けていると、経時的に特性が劣化してくる。また、発光素子1404は、その温度によって、特性が変わってくる。
【0167】
具体的には、発光素子1404に電流が流れ続けていると、電圧電流特性がシフトしてくる。つまり、発光素子1404の抵抗値が高くなって、同じ電圧を加えていても、流れる電流値が小さくなってしまう。また、同じ大きさの電流が流れていても、発光効率が低下し、輝度が低くなってしまう。温度特性としては、温度が下がると、発光素子1404の電圧電流特性がシフトし、発光素子1404の抵抗値が高くなってしまう。
【0168】
そこで、モニタ用回路を用いて、上述のような劣化や変動の影響を補正する。本実施例では、電流供給線1401の電位を調整することにより、発光素子1404の劣化や温度による変動を補正する。
【0169】
そこで、モニタ用回路の構成について述べる。第1のモニタ電源線1406と第2のモニタ電源線1407の間には、モニタ用電流源1408、モニタ用発光素子1409が接続されている。そして、モニタ用発光素子1409とモニタ用電流源1408との接点には、モニタ用発光素子の電位を出力するためのサンプリング回路1410の入力端子が接続されている。サンプリング回路1410の出力端子には、電流供給線1401が接続されている。したがって、電流供給線1401の電位は、サンプリング回路1410の出力によって制御される。
【0170】
次に、モニタ用回路の動作について述べる。まず、モニタ用電流源1408は、最も明るい階調数で発光素子1404を発光させる場合に、発光素子1404に流したい大きさの電流を流す。この時の電流値をImaxとする。
【0171】
すると、モニタ用発光素子1409の両端の電圧には、Imaxの大きさの電流を流すのに必要な大きさの電圧が加わる。もし、モニタ用発光素子1409の電圧電流特性が劣化や温度などによって変わったとしても、それに応じて、モニタ用発光素子1409の両端の電圧も変化し、最適な大きさになる。よって、モニタ用発光素子1409の変動(劣化や温度変化など)の影響を補正することが出来る。
【0172】
サンプリング回路1410の入力端子には、モニタ用発光素子1409にかかる電圧が入力されている。したがって、サンプリング回路1410の出力端子、つまり、電流供給線1401の電位は、モニタ用回路によって補正されることになり、発光素子1404は劣化や温度による変動が補正される。
【0173】
なお、サンプリング回路は、入力電圧に応じた電圧を出力する回路であればなんでもよい。例えば、電圧フォロア回路等の電流増幅回路が挙げられるが、これに限定されない。オペアンプ、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタのいずれかもしくは複数を組み合わせて、回路を構成すればよい。
【0174】
なお、モニタ用発光素子1409は、画素の発光素子1404と同時に、同じ製造方法で、同じ基板上に作成されることが望ましい。なぜなら、モニタ用の発光素子と、画素に配置されている発光素子とで、特性が異なれば、補正がずれてしまうからである。
【0175】
なお、画素に配置されている発光素子1404は、頻繁に電流を流さないような期間が生じるため、モニタ用発光素子1409に、ずっと電流を流し続けていると、モニタ用発光素子1409の方が、劣化が大きく進む。そのため、サンプリング回路1410から出力される電位は、補正が過度にかかったような電位となる。そこで、モニタ用発光素子を実際の画素での劣化度合いに合わせるようにしてもよい。例えば、平均的に、画面全体の点灯率が30%であれば、30%の輝度に相当するような期間だけ、モニタ用発光素子1409に電流を流すようにしてもよい。そのとき、モニタ用発光素子1409に電流が流れない期間が生じてしまうが、サンプリング回路1410の出力端子からは、変わりなく電圧が供給されているようにすれば良い。それを実現するためには、サンプリング回路1410の入力端子に容量素子をもうけて、そこに、モニタ用発光素子1409に電流を流していた時の電位を保持するようにすればよい。
【0176】
なお、最も明るい階調数のものに合わせてモニタ用回路を動作させると、補正が過度にかかったような電位を出力することになるが、それによって、画素での焼き付き(画素ごとの劣化度合いの変動による輝度むら)が目立たなくなるため、最も明るい階調数のものに合わせてモニタ用回路を動作させることが望ましい。
【0177】
本実施例においては、駆動トランジスタ1403は線形領域で動作させることがさらに好適である。線形領域で動作させることで駆動トランジスタ1403は、概ねスイッチとして動作する。そのため、駆動トランジスタ1403の劣化や温度などによる特性の変動の影響を出にくくすることができる。線形領域のみで動作させる場合は、発光素子1404に電流が流れるかどうかをデジタル的に制御することが多い。その場合、多階調化をはかるため、時間階調方式や面積階調方式などを組み合わせることが好適である。
【0178】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0179】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【実施例10】
【0180】
本発明の表示装置は、消費電力を抑えつつ、狭額縁化を高めることができるので、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、手で支えて用いる携帯用機器等の電子機器が有する表示部として用いるのに最適である。
【0181】
その他、本発明の表示装置を用いることができる電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図15に示す。
【0182】
図15(A)は携帯電話であり、本体2101、表示部2102、音声入力部2103、音声出力部2104、操作キー2105を含む。本発明の半導体表示装置を用いて表示部2102を作製することで、本発明の電子機器の一つである携帯電話を完成させることができる。
【0183】
図15(B)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明の半導体表示装置を用いて表示部2602を作製することで、本発明の電子機器の一つであるビデオカメラを完成させることができる。
【0184】
図15(C)は表示装置であり、筐体2401、表示部2402、スピーカー部2403等を含む。本発明の半導体表示装置を用いて表示部2402を作製することで、本発明の電子機器の一つである表示装置を完成させることができる。なお、表示装置には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0185】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
【0186】
なお、本実施例は、本明細書中の実施の形態及び他の実施例と適宜組み合わせることが可能である。表示装置の駆動方法の一つである時分割階調法(時間階調方式ともいう)では、行書き込み期間を2つに分割し、前半の行書き込み期間(第1の行書き込み期間)において画素へのビデオ信号の書き込みを行ない、後半の行書き込み期間(第2の行書き込み期間)において、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込む。発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を画素に書き込むことで非表示期間を設け、サブフレーム期間の長さを書き込み期間の長さよりも短くする。上記実施形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、発光素子への電流の供給を強制的に停止するための信号を入力する期間である消去期間における全走査線の充放電を繰り返す必要はなくなり、消費電力を大幅に低減することができる。また、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、切替回路等を設ける必要なくなる。さらに、上記実施の形態の構成を具備する走査線駆動回路を用いることで、走査線駆動回路を片側に配置するだけで動作させることができ、回路規模を大幅に減少させることができる。
【0187】
加えて、1フレーム期間内に出現するサブフレーム期間の数を増やしても、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、階調数を高めることができる。またサブフレーム期間をさらに分割する場合でも、書き込み期間の長さを確保することができるので、駆動回路の駆動周波数を抑えつつ、疑似輪郭の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0188】
【図1】本発明の走査線駆動回路を示した図。
【図2】本発明の走査線駆動回路のタイミングチャート図。
【図3】本発明の実施例1について示した図。
【図4】本発明の実施例1について示した図。
【図5】本発明の実施例1について示した図。
【図6】本発明の実施例2について示した図。
【図7】本発明の実施例3について示した図。
【図8】本発明の実施例3について示した図。
【図9】本発明の実施例4について示した図。
【図10】本発明の実施例5について示した図。
【図11】本発明の実施例6について示した図。
【図12】本発明の実施例7について示した図。
【図13】本発明の実施例8について示した図。
【図14】本発明の実施例9について示した図。
【図15】本発明の実施例10について示した図。
【図16】従来の画素構成を示した図。
【図17】従来の走査線駆動回路を含む表示装置を示した図。
【図18】本発明の走査線駆動回路を示した図。
【符号の説明】
【0189】
10 画素
11 画素部
12 信号線駆動回路
13 走査線駆動回路
101 シフトレジスタ
102 フリップフロップ
103 レベルシフタ
104 バッファ回路
210 信号線
211 走査線
212 電流供給線
213 書込トランジスタ
214 駆動トランジスタ
215 容量
216 発光素子
217 陰極
301 書込用走査線駆動回路
302 消去用走査線駆動回路
303 切替回路
304 信号線
305 書込トランジスタ
306 駆動トランジスタ
307 発光素子
310 画素
311 表示エリア
312 信号線駆動回路
313 走査線
401 発光素子
402 スイッチング用トランジスタ
403 駆動用トランジスタ
404 電流制御用トランジスタ
501 基板
1010 画素
1011 スイッチング用トランジスタ
1012 駆動用トランジスタ
1013 発光素子
1016 容量素子
1017 電源
1018 電源
1019 導電層
1020 基板
1021 半導体層
1022 導電層
1023 導電層
1024 導電層
1025 導電層
1026 導電層
1027 導電層
1028 絶縁層
1029 絶縁層
1030 絶縁層
1031 絶縁層
1032 隔壁層
1033 電界発光層
1034 導電層
1035 幅
1037 幅
1038 幅
1301 スイッチング用トランジスタ
1302 駆動用トランジスタ
1304 発光素子
1310 ゲート
1311 半導体膜
1312 半導体膜
1313 半導体膜
1314 配線
1314 配線
1315 配線
1317 ゲート絶縁膜
1320 ゲート
1321 半導体膜
1322 半導体膜
1323 半導体膜
1324 配線
1325 配線
1350 電極
1351 電界発光層
1352 電極
1401 電流供給線
1402 対向電極
1403 駆動トランジスタ
1404 発光素子
1406 モニタ電源線
1407 モニタ電源線
1408 モニタ用電流源
1409 モニタ用発光素子
1410 サンプリング回路
2101 本体
2102 表示部
2103 音声入力部
2104 音声出力部
2105 操作キー
2401 筐体
2402 表示部
2403 スピーカー部
2601 本体
2602 表示部
2603 筐体
2604 外部接続ポート
2605 リモコン受信部
2606 受像部
2607 バッテリー
2608 音声入力部
2609 操作キー
2610 接眼部
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 走査線駆動回路
4006 基板
4007 充填材
4008 トランジスタ
4009 駆動用トランジスタ
4010 スイッチング用トランジスタ
4011 発光素子
4012 電極
4014 配線
4015 配線
4016 接続端子
4016 接続端子
4017 配線
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 シール材
5011 モニタ用発光素子
5013 モニタ用電流源
6001 駆動用トランジスタ
6003 発光素子
6004 電極
6005 電界発光層
6006 電極
6007 層間絶縁膜
6008 隔壁
6011 駆動用トランジスタ
6013 発光素子
6014 電極
6015 電界発光層
6015 電界発光層
6016 電極
6021 駆動用トランジスタ
6023 発光素子
6024 電極
6025 電界発光層
6026 電極
6031 駆動用トランジスタ
6033 発光素子
6034 電極
6035 電界発光層
6036 電極
6041 駆動用トランジスタ
6043 発光素子
6044 電極
6045 電界発光層
6045 電界発光層
6046 電極
6051 駆動用トランジスタ
6053 発光素子
6054 電極
6055 電界発光層
6056 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する第1選択信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する第2選択信号とが、前記走査線に出力されることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する第1選択信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する第2選択信号とが、前記走査線に出力されることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素にビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に入力されたビデオデータを消去するための信号とが、前記走査線に出力されることを特徴とする表示装置。
【請求項4】
m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素にビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に入力されたビデオデータを消去するための信号とが、前記走査線に出力されることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素に第1のビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に第2のビデオデータを入力するための信号とが、前記走査線に出力されることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素に第1のビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に第2のビデオデータを入力するための信号とが、前記走査線に出力されることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する信号とが、前記走査線に出力され、
前記第1の期間及び前記第2の期間における前記走査線を出力される信号は、前記走査線の1本に対応する4k段のフリップフロップ回路のうち、いずれか一のフリップフロップ回路より出力される信号であることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の前半期間において前記走査線を選択する信号と、前記一走査線選択期間の後半期間において前記走査線を選択する信号とが、前記走査線に出力され、
前記第1の期間及び前記第2の期間における前記走査線を出力される信号は、前記走査線の1本に対応する4k段のフリップフロップ回路のうち、いずれか一のフリップフロップ回路より出力される信号であることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
m本(mは自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素にビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に入力されたビデオデータを消去するための信号とが、前記走査線に出力され、
前記第1の期間及び前記第2の期間における前記走査線を出力される信号は、前記走査線の1本に対応する4k段のフリップフロップ回路のうち、いずれか一のフリップフロップ回路より出力される信号であることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
m本(mは2以上の自然数)の走査線に信号を供給する走査線駆動回路を有する表示装置であって、
前記走査線駆動回路を構成するシフトレジスタには、前記走査線のうち、第1乃至第(m−1)本目の走査線毎に対応するフリップフロップ回路が少なくとも4k段(kは自然数)ずつ設けられ、m本目の走査線に対応するフリップフロップ回路が少なくとも1段設けられており、
前記シフトレジスタに異なるタイミングのスタートパルスが入力されることにより、一走査線選択期間の第1の期間において前記走査線に接続された画素にビデオデータを入力するための信号と、前記一走査線選択期間の第2の期間において前記走査線に接続された画素に入力されたビデオデータを消去するための信号とが、前記走査線に出力され、
前記第1の期間及び前記第2の期間における前記走査線を出力される信号は、前記走査線の1本に対応する4k段のフリップフロップ回路のうち、いずれか一のフリップフロップ回路より出力される信号であることを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項において、
前記スタートパルスは、1本目の前記走査線に対応するフリップフロップ回路の側から入力されることを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれか一項において、
前記走査線駆動回路において、前記スタートパルスが入力される前記走査線の1本目に対応するフリップフロップ回路の前段には、少なくとも1つのフリップフロップ回路がさらに設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一項において、
前記表示装置は、複数の画素と、信号線駆動回路と、前記走査線駆動回路を有し、
前記複数の画素と、前記信号線駆動回路と、前記走査線駆動回路は、同じ基板上に設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記複数の画素には、それぞれ発光素子と、前記発光素子を駆動するためのトランジスタと、前記画素を選択するためのトランジスタとが設けられていることを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14に記載の表示装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−213038(P2007−213038A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2129(P2007−2129)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】