説明

表示装置及び撮像装置

【課題】階層構造を有する情報に対して、3次元的な操作により直感的な選択を行うことができる表示装置等を提供する。
【解決手段】表示装置は、3次元画像の表示が可能な表示部14と、階層構造を有する情報の内の階層ごとの情報を含み、表示部14を介して上記階層に応じた位置に3次元的に表示される複数の画像を生成する3D画像生成部20cと、上記複数の画像の表示領域を含む3次元空間に存在する物体の代表点の座標を3次元的に検出する指位置センサ16と、該指位置センサ16によって検出された上記代表点の座標に基づいて、複数の画像の各々に含まれる情報に対する入力を受け付ける入力信号受付部20dとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の3次元表示を行う表示装置及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像の3次元(3D)表示が可能な表示装置の開発が進められている。具体的には、テレビジョンや、パーソナルコンピュータのディスプレイや、デジタルカメラに備えられた表示部等において、3D表示が行われるようになっている。3D表示は、人の右目と左目とに、互いに視点の異なる画像を独立に与えることにより、表示画面から飛び出した立体画像や表示画面よりも引っ込んだ立体画像を脳に認識させる表示技術である。
【0003】
一方、表示装置を有する機器に対して入力を行うデバイスとしては、2次元平面のパネルにタッチすることにより直感的な入力が可能なタッチパネルが広く用いられている。
また、3次元的な操作により入力を行う技術も考案されている。例えば、特許文献1に開示されたデータ入力装置においては、3次元的に空間を移動する指や指し棒等の指示手段の位置を検出し、3次元位置情報の高度成分(データ入力装置の入力面に直交する軸における成分)に基づいて、例えば画面の拡大・縮小や階層化されたメニュー項目の選択等を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−219676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3D画像を表示する表示装置に、タッチパネルのように2次元的な操作により入力を行うデバイスを組み合わせると、ユーザは、3次元的な視覚と2次元的な操作感との間にギャップを感じることがある。一方、特許文献1においては、3次元的な操作により階層化された情報の選択を行っているが、選択対象である情報の表示領域とデータ入力装置とが物理的に離れているので、直感的な操作を行うことは困難である。また、特許文献1の場合、2次元的に表示される画像に対して3次元的な操作により入力を行うので、やはり、視覚と操作感との間にギャップが生じてしまう。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、階層化された情報に対して3次元的な操作により直感的な選択を行うことができる表示装置と、そのような表示装置を備えた撮像装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、3次元画像の表示が可能な表示部と、階層構造を有する情報の内の階層ごとの情報を含み、前記表示部を介して前記階層に応じた位置に3次元的に表示される複数の画像を生成する3次元画像生成部と、前記複数の画像の表示領域を含む3次元空間に存在する物体の代表点の座標を3次元的に検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記代表点の座標に基づいて、前記複数の画像の各々に含まれる情報に対する入力を受け付ける入力信号受付部と
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記表示装置において、前記複数の画像は、各々が階層ごとの情報を含む複数の表示窓であって、前記表示部の表示画面からの距離が互いに異なる位置に表示される複数の表示窓であることを特徴とする。
【0009】
上記表示装置において、前記複数の表示窓は、各々に含まれる階層ごとの情報の概念的な上下関係に応じた距離だけ前記表示画面から離れた位置に表示されることを特徴とする。
【0010】
上記表示装置において、前記複数の表示窓の各々は、階層ごとの情報に対応する複数のアイコンを含むことを特徴とする。
【0011】
上記表示装置において、前記複数の表示窓の内の隣接する2つの表示窓に含まれる複数のアイコンは、該2つの表示窓を前記表示画面に投影したときに互いに重ならないように配置されていることを特徴とする。
【0012】
上記表示装置において、前記入力信号受付部は、前記代表点の座標が前記複数の表示窓に含まれる複数のアイコンの内のいずれかの表示領域に重なったときに、該表示領域上のアイコンに応じた信号を出力することを特徴とする。
【0013】
上記表示装置は、前記複数の表示窓の内のいずれかの表示窓を表示させ、該表示窓に含まれる複数のアイコンの内のいずれかに対応する信号が前記入力信号受付部から出力された場合に、前記表示窓の少なくとも一部を消去すると共に、前記複数の表示窓の内の前記信号に応じた表示窓を表示させる表示制御部をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る撮像装置は、上記表示装置と、視野領域からの光を集光するレンズ部と、前記レンズ部が集光した光を用いて電子的な画像データを生成する撮像部と、前記入力信号受付部によって受け付けられた入力信号に基づいて、前記撮像部に対する撮影条件の設定を行う撮影条件設定部とを備え、前記3次元画像生成部は、前記撮像部によって生成された画像データに基づいて3次元画像を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、階層構造を有する情報に対し、階層ごとの情報を含む画像を階層に応じた位置に3次元的に表示すると共に、3次元的に検出された物体の代表点の座標に基づいて各画像に対する情報の入力を受け付けるので、ユーザは、3次元的な操作により直感的に情報を選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す撮像装置の背面側の構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、指位置センサにおける検出原理を説明する図である。
【図4】図4は、指位置のZ座標の検出原理を説明する図である。
【図5】図5は、撮影条件の階層構造を示す図である。
【図6】図6は、撮影条件設定用の表示窓の表示位置を示す上面図である。
【図7】図7は、図1に示す撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、撮影条件の設定処理における撮像装置の動作を示すフローチャートである。
【図9A】図9Aは、3次元画像の第1階層窓の位置を示す上面図である。
【図9B】図9Bは、3次元画像の第1階層窓を示す正面図である。
【図10A】図10Aは、3次元画像の第2階層窓の位置を示す上面図である。
【図10B】図10Bは、3次元画像の第2階層窓を示す正面図である。
【図11】図11は、第1階層窓及び第2階層窓に表示されるアイコンの位置関係を説明する図である。
【図12A】図12Aは、3次元画像の第3階層窓の位置を示す上面図である。
【図12B】図12Bは、3次元画像の第3階層窓を示す正面図である。
【図13】図13は、表示部によって表示される3次元画像の表示位置の変形例1を示す図である。
【図14】図14は、表示部によって表示される3次元画像の表示位置の変形例2を示す図である。
【図15A】図15Aは、変形例2における第1階層窓の表示内容を例示する図である。
【図15B】図15Bは、変形例2における第2階層窓の表示内容を例示する図である。
【図15C】図15Cは、変形例2における第3階層窓の表示内容を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、図1に示す撮像装置のユーザに面する側(背面側)の構成を示す図である。図1及び図2に示すように、撮像装置1は、2つの撮像部10L及び10Rと、手ブレ検出部11と、姿勢検出部12と、操作入力部13と、表示部14と、タッチパネル15と、指位置センサ16と、記録媒体インタフェース17と、不揮発性メモリ18と、揮発性メモリ19と、システムコントローラ20とを備える。
【0019】
撮像部10Lは、レンズ部2Lと、レンズ駆動機構3Lと、絞り駆動機構4Lと、シャッタ駆動機構5Lと、撮像素子6Lと、信号処理部7Lとを含んでいる。また、撮像部10Rは、レンズ部2Rと、レンズ駆動機構3Rと、絞り駆動機構4Rと、シャッタ駆動機構5Rと、撮像素子6Rと、信号処理部7Rとを含んでいる。
【0020】
レンズ部2Lは、フォーカスレンズ及びズームレンズ等によって構成され、所定の視野領域から光を集光する。レンズ部2Lは、ズームレンズが光軸Q上を移動することによって画角を変化させる光学ズーム機能を有する。
【0021】
レンズ駆動機構3Lは、DCモータ等によって構成されており、レンズ部2Lのフォーカスレンズやズームレンズを光軸QL上で移動させることによってレンズ部2Lの焦点位置や焦点距離の変更を行う。
【0022】
絞り駆動機構4Lは、絞り4a及びステッピングモータ等によって構成され、絞り4aを駆動することによってレンズ部2Lが集光した光の入射量を調整する。
【0023】
シャッタ駆動機構5Lは、シャッタ5a及びステッピングモータ等によって構成され、シャッタ5aを駆動することによって撮像素子6Lの状態を露光状態又は遮光状態に設定する。
【0024】
撮像素子6Lは、レンズ部2Lが集光した光を受光して電気信号(アナログ信号)に変換するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等によって実現され、変換した電気信号を信号処理部7Lに出力する。
【0025】
信号処理部7Lは、撮像素子6Lから出力される電気信号に増幅等の信号処理を施した後、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データに変換し、システムコントローラ20を介して揮発性メモリ19に出力する。
【0026】
一方、レンズ部2Rにおいては、光軸Qと平行で、光軸Qから6〜8cm程度離れた光軸Q上をズームレンズが移動する。その他の撮像部10Rの構成は上記撮像部10Lと共通であるため、説明を省略する。
【0027】
このような撮像部10L及び10Rは、レンズ部2L及び2Rがそれぞれ集光した光を用いて電子的な画像データを連続的に生成する。レンズ部2L及び2Rは、撮像装置1の筐体の左右に隔離して設けられており、互いに異なる角度から被写体を撮影する。このような撮像部10L及び10Rにおいて、シャッタ駆動機構5L及び5Rを同期して動作させることにより、視点の異なる2つの画像(左目用画像及び右目用画像)が得られる。これらの画像を合成し、後述する表示部14に表示させることにより、3次元空間に浮き出た3次元画像を生成することができる。
【0028】
手ブレ検出部11は、ジャイロセンサによって構成され、撮像装置1の角速度を検出することにより、ユーザの手ブレによる画像のブレ状態を検出する。具体的には、手ブレ検出部11は、レンズ部2L及び2Rの光軸Q、Qに直交する平面をXY平面としたときのX軸、Y軸、及びXY平面に直交するZ軸の各軸回りの角速度を個別のジャイロセンサで検出することによって、ユーザの手ブレを検出する。
【0029】
姿勢検出部12は、加速度センサによって構成され、撮像装置1の加速度を検出することにより、撮像装置1の姿勢状態を検出する。具体的には、姿勢検出部12は、撮像装置1の重力方向と直交する面である水平面を基準としたときの撮像装置1の姿勢を検出する。
【0030】
操作入力部13は、図2に示すように、撮像装置1の電源状態をオン状態又はオフ状態に切り替える電源スイッチ13aと、静止画撮影の指示を与えるレリーズ信号を入力するレリーズスイッチ13bと、撮像装置1の各種モード(撮影モード、再生表示モード)を切り替えるモード切換スイッチ13cと、撮像装置1の各種設定を行う操作スイッチ13dと、レンズ部2L及び2Rのズーム操作を行うズームスイッチ13eと、2D撮影と3D撮影とを交互に切り換える2D/3D撮影切換スイッチ13fを有する。
【0031】
表示部14は、2次元画像及び3次元画像の表示が可能な表示装置であり、液晶又は有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルに視差バリアを設けることによって実現される。視差バリアとは、所定の間隔で遮光部が設けられたパネルであり、表示パネルに表示される画像を、ユーザの左目用の画像と右目用の画像とに分離する。この視差バリアを、印加される電圧に応じて遮光状態が変化する液晶パネル等によって構成することにより、3次元画像の表示状態(遮光バリアON)と、2次元画像の表示状態(遮光バリアOFF)とを切替えることができる。表示部14は、撮像素子6L又は撮像素子6Rにより生成された画像データに対応する通常の2次元画像や、撮像素子6L及び6Rによりそれぞれ生成された画像データに基づいて生成された3次元表示用画像を表示する。また、表示部14は、撮像装置1の操作情報及び撮影に関する情報を2次元又は3次元的に適宜表示する。なお、視差バリアの代わりに、シリンドリカルレンズをアレイ状に配置したレンチキュラーレンズを設けても良い。また、本実施の形態においては、裸眼であっても3次元画像を認識可能な表示装置を示しているが、その代わりに、3Dテレビジョンで使用されている「フレームシーケンシャル方式」の表示装置を用いても良い。
【0032】
タッチパネル15は、例えば表示部14上に重ねて設けられる。タッチパネル15は、表示部14に表示される情報に基づいてユーザが接触(タッチ)した位置を検出し、この接触位置に応じた操作信号の入力を受け付ける。一般に、タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等がある。本実施の形態では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。なお、本実施の形態において、タッチパネル15が入力部の一部として機能する。
【0033】
指位置センサ16は、表示部14によって3次元画像が表示される3次元空間内において、ユーザの指や入力ペン等の物体の代表点(例えば、先端等)の座標を3次元的に検出して検出信号を出力する。指位置センサ16としては、モーションセンサ、ステレオカメラ、フォトセンサ、超音波センサ等を組み合わせて構成でき、本実施の形態においては、CCD又はCMOS等の撮像素子と、赤外線距離センサとを用いている。図2に示すように、指位置センサ16は、表示部14の表示画面14aのX軸方向の辺に沿って配置された指検出用撮像素子16aと、表示画面14aのY軸方向の辺に沿って配置された指検出用撮像素子16bと、アレイ状に配列された複数の赤外線発光素子(IRFD)16c及び複数の赤外線受光素子(フォトダイオード)16dを含む赤外線距離センサとを有している。
【0034】
図3は、指位置センサ16における検出原理を説明する図である。指検出用撮像素子16aは、表示画面14a上の空間を臨むように、表示画面14aに対して所定の角度で配置されており、視野範囲内に入ってきた物体(指等)100からの光を受光して電気信号に変換し、代表点PのX座標を検出する。同様に、指検出用撮像素子16bは、表示画面14a上の空間を臨むように、表示画面14aに対して所定の角度で配置されており、視野範囲内に入ってきた物体100からの光を受光して電気信号に変換し、代表点PのY座標を検出する。
【0035】
赤外線発光素子16cは、表示画面14aの周囲の1つの辺に沿って配列されている。また、赤外線受光素子16dは、赤外線発光素子16cが配列された辺に対向する辺に沿って、複数列に渡って配列されている。なお、図3において、赤外線発光素子16c及び赤外線受光素子16dは、X軸方向に配列されているが、Y軸方向に配列されていても良い。また、図3において、赤外線受光素子16dは3列に渡って配列されているが、配列数をさらに増やしても良い。
【0036】
図4は、赤外線距離センサによる距離の検出原理を説明する図である。赤外線発光素子16cは、表示画面14a上の空間に向けて赤外線を出射する。また、赤外線受光素子16d(1)〜16d(3)は、物体100によって反射された赤外線を、互いに異なる位置で受光するように配置されている。赤外線発光素子16cから出射された赤外線は、あるXY座標(x,y)上で、代表点P、P、Pの高さ(Z座標)z、z、zに応じた角度で反射される。そこで、赤外線受光素子16d(1)〜16d(3)のいずれの素子によって赤外線が受光されたかを検出することにより、物体100の高さを導出することができる。なお、図4においては、表示画面14aをZ座標の原点(z=0)としている。
指位置センサ16は、このようにして代表点Pの3次元座標(x,y,z)を検出し、その検出信号をシステムコントローラ20に出力する。
【0037】
再び図1を参照すると、記録媒体インタフェース17は、撮像装置1の外部から装着される記録媒体のメモリカード17aに対して画像データ等の情報を記憶する一方、メモリカード17aが記憶する情報を読み出す。
【0038】
不揮発性メモリ18は、フラッシュメモリ等によって実現される。不揮発性メモリ18は、撮像装置1を動作させるための各種プログラムを記憶したプログラムコード18aと、タッチパネル15のセンサ座標位置と表示部14の画素の位置との相関データのように、プログラムの実行中に使用される各種データ等を記憶した制御パラメータ18bとを有する。
【0039】
揮発性メモリ19は、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)によって実現される。揮発性メモリ19は、信号処理部7L及び7Rから出力される画像データやシステムコントローラ20による処理中の情報が一時的に記録されるワークエリア19aを有する。具体的には、揮発性メモリ19は、撮像素子6L及び6Rが1フレーム(例えば1/30秒)毎に出力する画像データに対応する画像(ライブビュー画像)やレリーズスイッチ13bが操作された際に撮像素子6L及び6Rが出力する画像データに対応する画像等を一時的に記憶する。
【0040】
システムコントローラ20は、CPU(Central Processing Unit)等によって実現され、操作入力部13からの操作信号等に応じて不揮発性メモリ18からプログラムを読み出して実行し、撮像装置1を構成する各部に対する指示やデータの転送等を行って撮像装置1の動作を統括的に制御する。システムコントローラ20は、画像処理部20aと、圧縮・伸長部20bと、3D画像生成部20cと、入力信号受付部20dと、撮影条件設定部20eと、AF(Auto Focus)制御部20fと、AE(Auto Exposure)制御部20gと、タイマカウンタ19hと、表示制御部20iとを有する。
【0041】
画像処理部20aは、信号処理部7L及び7Rから出力された画像データに対して各種の画像処理を施し、揮発性メモリ19に出力する。具体的には、画像処理部20aは、信号処理部7L及び7Rから出力される画像データに対してエッジ強調、カラーバランス(RGB)、色補正及びγ補正等の処理を施す。
【0042】
圧縮・伸長部20bは、揮発性メモリ19のワークエリア19aに記憶された画像データをメモリカード17aに記憶させる場合又はメモリカード17aに記録されている画像データを表示部14に表示させる場合に、JPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮方式等に基づいて画像データの圧縮処理や伸長処理を行う。
【0043】
3D画像生成部20cは、信号処理部7L及び7Rからそれぞれ出力された画像データに基づいて、表示画面14aから所定の距離だけ隔離された位置に仮想的に画像を表示するための3次元表示用画像を生成する。具体的には、信号処理部7Lから出力された画像データに対応する左目用画像を構成する画素と、信号処理部7Rから出力された画像データに対応する右目用画像を構成する画素とを、表示部14の視差バリアの間隔に応じて配列構成し直して、表示部14に出力する。
【0044】
また、3D画像生成部20cは、後述する撮影条件設定部20eから指示があった場合に、不揮発性メモリ18に記憶されているプログラムコード18aに基づいて、撮影条件等の設定に用いられる表示窓の画像を表示画面14aから所定の距離だけ隔離された位置に仮想的に表示するための3次元表示用画像を生成して、表示部14に出力する。
【0045】
入力信号受付部20dは、上記3D画像生成部20cによって生成された撮影条件等の設定用の表示窓が表示されている場合に、指位置センサ16から出力された代表点Pの座標を表す検出信号を、上記表示窓に対する入力信号として受け付ける。また、入力信号受付部20dは、受け付けた入力信号が所定の条件を満たす場合に、後述する撮影条件設定部20e等に対して信号を出力する。
【0046】
撮影条件設定部20eは、撮像装置1が被写体の撮影を行う際に、種々の撮影条件の設定を行う。具体的には、モード切換スイッチ13cが撮影モードに設定されると、撮影条件設定部20eは、不揮発性メモリ18に記憶されているプログラムコード18aに従って、撮影条件の設定に用いられる表示窓を3D画像生成部20cに生成させる。また、撮影条件設定部20eは、入力信号受付部20dから出力された信号に応じて、所定の撮影条件を撮像装置1の各部に設定することにより、撮像部10L及び10Rに対する制御を行う。
【0047】
図5は、撮像装置1において設定可能な撮影条件の階層構造を示している。本実施の形態において、撮影条件は、上位概念の撮影条件を選択するための第1階層21と、それよりも下位概念の撮影条件を選択するための第2階層22とを通じて段階的に設定される。第1階層21は、撮影条件の種類を選択するためのものであり、撮影画像に対して所定の視覚効果を設定する「フィルタ」や、自動露出の制御方式を設定する「プログラム」や、撮影する際の各種条件を設定する「シーン」を含んでいる。一方、第2階層22a〜22cは、各撮影条件の種類の中で具体的な撮影条件を選択するためのものである。例えば、「フィルタ」の第2階層22aは、被写体の輪郭を線画で描写する「スケッチ」モードと、超広角レンズで撮影したような歪み効果が得られる「魚眼」モードと、4隅にピンホールカメラで撮影したようなシェード効果が得られる「ピンホール」モードとを含んでいる。「プログラム」の第2階層22bは、絞りを優先してシャッタ速度を自動的に調節することにより適正な露出値を得る「絞り優先」モードと、シャッタ速度を優先して絞りを調節することにより適正な露出値を得る「シャッタ優先」モードとを含んでいる。「シーン」の第2階層22cは、シーンに応じて感度や、ダイナミックレンジや、シャッタスピード等を設定する「人物」モードと、「夜景」モードと、「風景」モードとを含んでいる。
【0048】
AF制御部20fは、信号処理部7L及び7Rから出力される画像データに基づいて、自動焦点調整を行う。例えば、AF制御部20fは、画像データのコントラストに基づいて、レンズ駆動機構3L及び3Rを駆動し、撮影する被写体像の鮮鋭度が最大となるようにレンズ部2L及び2Rを光軸Q上で移動させる。
【0049】
AE制御部20gは、信号処理部7L及び7Rから出力される画像データ及び撮影条件設定部20eに設定された撮影条件(「絞り優先」又は「シャッタ優先」)に基づいて、静止画撮影を行う際の条件、例えば絞り4aの設定値、シャッタ速度等を決定することで自動露出を行う。
【0050】
タイマカウンタ20hは、撮像装置1の動作の基準となる時間信号を生成する。これにより、システムコントローラ20は、画像データの取得間隔、撮像素子6L及び6Rの露光時間等を設定することができる。
【0051】
表示制御部20iは、2次元又は3次元画像が所定の形式で表示部14に表示されるように制御を行う。
【0052】
図6は、3D画像生成部20cによって生成される撮影条件設定用の表示窓の表示位置を示す上面図である。本実施の形態において撮影条件の設定は3段階で行われるため、撮影条件設定用の表示窓として、各段階に対応する第1階層窓31、第2階層窓32、及び第3階層窓33が用意されている。これらの階層窓は、表示部14の表示画面14aから互いに異なる距離だけ仮想的に離れた位置にそれぞれ3次元的に表示される。即ち、第1階層窓31は、表示画面14aから距離L3だけ離れた位置に表示される。言い換えると、表示画面14aから距離L3だけ離れた位置に第1階層窓33が存在するとユーザが認識するように、表示部14に対する制御が行われる(以下、同様)。また、第2階層窓32は、表示画面14aから距離L2(L2<L3)だけ離れた位置に表示される。さらに、第3階層窓33は、表示画面14aから距離L1(L1<L2)だけ離れた位置に表示される。これらの距離L1、L2、及びL3は、表示画面14aの面積等に応じて設定され、本実施の形態においては、L1≒3cm、L2≒6cm、L3≒9cmとしている。なお、各階層窓の表示内容については後述する。
【0053】
次に、図1に示す撮像装置1の動作(以下、単に動作ともいう)について、図7を参照しながら説明する。図7は、撮像装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、システムコントローラ20は、撮像装置1の電源がオンになっているか否かを判断する(ステップS1)。撮像装置1の電源がオンになっている場合(ステップS1:Yes)、動作はステップS2に移行する。一方、撮像装置1の電源がオンになっていない場合(ステップS1:No)、撮像装置1は動作を終了する。
【0054】
続いて、システムコントローラ20は、モード切換スイッチ13cが撮影モードに設定されているか否かを判断する(ステップS2)。モード切換スイッチ13cが撮影モードに設定されている場合(ステップS2:Yes)、動作は後述するステップS3に移行する。一方、撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS2:No)、動作は後述するステップS10に移行する。
【0055】
ステップS3において、システムコントローラ20は、撮像素子6L及び/又は6Rにより一定の微小な時間間隔で連続的に生成される画像データに対応するライブビュー画像(スルー画像)を表示部14に表示させる。このとき、2D/3D撮影切換スイッチ13fにより2D撮影モードが設定されていると、システムコントローラ20は、撮像素子6L又は6Rのいずれか一方のみを動作させることにより、2Dのライブビュー画像を表示させる。一方、3D撮影モードが設定されている場合、システムコントローラ20は、撮像素子6L及び6Rの両方を動作させることにより、3Dのライブビュー画像を表示させる。
【0056】
続いて、システムコントローラ20は、操作スイッチ13dが操作され、撮影条件設定の指示信号が入力されたか否かを判断する(ステップS4)。撮影条件設定の指示信号が入力された場合(ステップS4:Yes)、システムコントローラ20は撮影条件の設定を行う(ステップS5)。その後、動作はステップS6に移行する。なお、ステップS5における動作については、後で詳しく説明する。一方、撮影条件設定の指示信号が入力されない場合(ステップS4:No)、動作は直接ステップS6に移行する。
【0057】
ステップS6において、システムコントローラ20は、レリーズスイッチ13bが操作(全押)されて撮影を指示するレリーズ信号が入力されたか否かを判断する。撮影を指示するレリーズ信号が入力されない場合(ステップS6:No)、動作はステップS1に戻る。一方、撮影を指示するレリーズ信号が入力された場合(ステップS6:Yes)、動作はステップS7に移行する。
【0058】
ステップS7において、システムコントローラ20は、被写体に対して撮影を行う。このとき、2D撮影モードが設定されていると、システムコントローラ20は、シャッタ駆動機構5L又は5Rのいずれか一方のみを動作させ、1つの2D画像を表す画像データを撮像素子6L又は6Rに生成させる。一方、3D撮影モードが設定されている場合、システムコントローラ20は、シャッタ駆動機構5L及び5Rを同期して動作させることにより、視点の異なる2つの画像を表す画像データを、撮像素子6L及び6Rにそれぞれ生成させる。
【0059】
続いて、ステップS8において、システムコントローラ20は、撮像素子6L及び/又は6Rによって生成された画像データを、メモリカード17aに記憶させる。その後、動作はステップS1に戻る。
【0060】
次に、ステップS2において、撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS2:No)について説明する。この場合、システムコントローラ20は、メモリカード17aに記憶された画像データを再生する再生表示処理を行う(ステップS10)。その後、動作はステップS1に戻る。
【0061】
次に、ステップS5における撮影条件の設定処理について説明する。図8は、撮影条件の設定処理における撮像装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、撮影条件設定部20eは、指位置センサ16の動作を開始させ、入力信号受付部20dを介して、指位置センサ16の検出範囲内に入ってきた物体100の代表点Pの座標(x,y,z)を取得する。
【0062】
続いて、ステップS102において、撮影条件設定部20eは、例えば図9Aに示すような撮影条件設定用の画像である第1階層窓31及び選択状況表示窓34を3D画像生成部20cに生成させて表示部14に表示させる。この第1階層窓31には、撮影条件設定の第1階層21(図5参照)における選択を行うための「フィルタ」アイコン31aと、「プログラム」アイコン31bと、「シーン」アイコン31cとが表示されている。一方、選択状況表示窓34は、撮影条件(モード)の選択状況を表示するための領域である。なお、この段階ではいずれのアイコンも選択されていないので、選択状況の内容自体は表示されていない。また、図9Bに示すように、第1階層窓31は、表示部14の表示画面14aから距離L3だけ離れた位置に表示される。選択状況表示窓34も同様に、表示画面14aから距離L3だけ離れた位置に表示される。
【0063】
続いて、ステップS103において、入力信号受付部20dは、物体100の代表点Pが、第1階層窓31の表示位置に達したか否かを、代表点PのZ座標の値zと、第1階層窓31と表示画面14aの間の距離L3とに基づいて判定する。なお、以下の説明においては、表示画面14aをZ座標の原点(z=0)とする。
【0064】
図9Bに示すように、代表点PのZ座標が第1階層窓31の表示位置に達していない場合(ステップS103:No)、操作スイッチ13dの操作による撮影条件設定の解除を指示する信号が入力されない限り(ステップS121:No)、撮影条件設定部20eは、ステップS103における判定を繰り返す。また、操作スイッチ13dが操作されて撮影条件設定を解除する信号が入力されると(ステップS121:Yes)、指位置センサ16の動作を停止した後で(ステップS116)、動作はメインルーチンに戻る。
【0065】
一方、物体100が図9Bに示す状態からさらに表示画面14aに近づき、代表点Pが第1階層窓31の表示位置に達すると(ステップS103:Yes)、入力信号受付部20dは、代表点PのXY座標(x,y)がアイコン31a〜31cのいずれの表示領域に含まれるかを判断し、代表点Pが含まれるアイコン31a〜31cの選択信号を出力する(ステップS104:Yes)。この場合、いずれかのアイコン31a〜31cがユーザにより選択されたものと判断され、動作はステップS105に移行する。一方、代表点Pが含まれるアイコンが存在しない場合には選択信号は出力されず(ステップS104:No)、この場合、動作はステップS103に戻る。
【0066】
ステップS105において、表示制御部20iは、入力信号受付部20dから出力された選択信号に対応するアイコンを点滅させた後、選択状況表示窓34に撮影条件の選択状況を表示する。さらに、表示制御部20iは、第1階層窓31の一部を残して消去する。本実施の形態においては、第1階層窓31の左右の端部のみを残して消去する。このとき、表示制御部20iは、第1階層窓31の中心から左右に向かって幕が開くようなアニメーションにより、表示状態を遷移させても良い。
【0067】
続いて、ステップS106において、撮影条件設定部20eは、入力信号受付部20dから出力された選択信号に応じて、例えば図10Aに示すような第2階層窓32を3D画像生成部20cに生成させて表示部14に表示させる。なお、図10Aは、第1階層窓31において「フィルタ」アイコン31aが選択された場合を示している。また、このステップS106の動作は、ステップS105における第1階層窓31の消去とほぼ同時に行うようにしても良い。或いは、第1階層窓31の表示状態に応じて、第2階層窓32の表示量を徐々に増やすようにしても良い。
【0068】
第2階層窓32には、撮影条件設定の第2階層22a〜22c(図5参照)の内、ステップS104において選択された「フィルタ」設定の第2階層22aを選択するための「スケッチ」アイコン32aと、「魚眼」アイコン32bと、「ピンホール」アイコン32cとが表示されている。また、第2階層窓32には、第1階層窓31におけるアイコンの選択をやり直すための「戻る」アイコン32dも表示されている。この第2階層窓32は、図10Bに示すように、表示画面14aから距離L2だけ離れた位置に表示されるため、ユーザにとっては、左右に残された第1階層窓31の端部や選択状況表示窓34に比べて、表示画面14a側に引っ込んでいるように見える。
【0069】
図11は、第1階層窓31上のアイコン31a〜31cに対する第2階層窓32上のアイコン32a〜32dの位置関係を示す図である。本実施の形態において、アイコン31a〜31c及びアイコン32a〜32dは、同一のXY平面(例えば、表示画面14a)の投影した場合に、互いに重ならないようにずらして配置されている。それにより、ユーザが第1階層窓31上でいずれかのアイコン31a〜31cを選択した際に、指を表示画面14aに近づけ過ぎたとしても、誤って第2階層窓32上のいずれかのアイコン32a〜32dを選択してしまうといった事態を防ぐことができる。
【0070】
続いて、ステップS107において、入力信号受付部20dは、物体100の代表点Pが、第2階層窓32の表示位置に達したか否かを、代表点PのZ座標の値zと、第2階層窓32と表示画面14aの間の距離L2とに基づいて判定する。図10Bに示すように、代表点PのZ座標が第2階層窓32の表示位置に達していない場合(ステップS107:No)、動作はステップS122に移行する。この場合、操作スイッチ13dの操作による撮影条件設定の解除を指示する信号が入力されない限り(ステップS122:No)、入力信号受付部20dは、ステップS107における判定を繰り返す。また、操作スイッチ13dが操作されて撮影条件設定を解除する信号が入力されると(ステップS122:Yes)、指位置センサ16の動作を停止した後で(ステップS116)、動作はメインルーチンに戻る。
【0071】
一方、物体100が図10Bに示す状態からさらに表示画面14aに近づき、代表点Pが第2階層窓32の表示位置に達すると(ステップS107:Yes)、入力信号受付部20dは、代表点PのXY座標(x,y)がアイコン32a〜32dのいずれの表示領域に含まれるかを判断し、代表点Pが含まれるアイコン32a〜32dの選択信号を出力する(ステップS108:Yes)。この場合、いずれかのアイコン32a〜32dがユーザにより選択されたものと判断され、動作はステップS109に移行する。一方、代表点Pが含まれるアイコンが存在しない場合には選択信号は出力されず(ステップS108:No)、この場合、動作はステップS107に戻る。
【0072】
ステップS109において、撮影条件設定部20eは、入力信号受付部20dから出力された選択信号に対応するアイコンが「戻る」アイコン32dであるか否かを判断する。当該アイコンが「戻る」アイコン32dである場合(ステップS109:Yes)、動作はステップS131に移行する。一方、当該アイコンが「戻る」アイコン32dでない場合には(ステップS109:No)、動作はステップS110に移行する。
【0073】
ステップS110において、表示制御部20iは、選択されたアイコンを点滅させた後、選択状況表示窓34に撮影条件の選択状況を表示する。さらに、表示制御部20iは、第2階層窓32の一部を残して消去する。
【0074】
ステップS111において、撮影条件設定部20eは、入力信号受付部20dから出力された選択信号に基づいて、例えば図12Aに示すような第3階層窓33を3D画像生成部20cに生成させて表示部14に表示させる。なお、図12Aは、第2階層窓32において「魚眼」アイコン32bが選択された場合を示している。また、このステップS111の動作は、ステップS110における第2階層窓32の消去とほぼ同時に行うようにしても良い。或いは、第2階層窓32の表示状態に応じて、第3階層窓33の表示量を徐々に増やすようにしても良い。
【0075】
第3階層窓33には、ステップS108において選択されたアイコンに表示された撮影条件設定内容を確定させるための「確定」アイコン33aと、第2階層窓32におけるアイコンの選択をやり直すための「戻る」アイコン33bとが表示されている。また、図12Bに示すように、第3階層窓33は、表示画面14aから距離L1だけ離れた位置に表示されるため、ユーザにとっては、左右に残された第2階層窓32の端部に比べて、さらに表示画面14a側に引っ込んでいるように見える。
【0076】
続いて、ステップS112において、入力信号受付部20dは、物体100の代表点Pが、第3階層窓33の表示位置に達したか否かを、代表点PのZ座標の値zと、第3階層窓33と表示画面14aの間の距離L1とに基づいて判定する。図12Bに示すように、代表点PのZ座標が第3階層窓33の表示位置に達していない場合(ステップS112:No)、操作スイッチ13dの操作による撮影条件設定の解除を指示する信号が入力されない限り(ステップS123:No)、入力信号受付部20dは、ステップS112における判定を繰り返す。また、操作スイッチ13dが操作されて撮影条件設定を解除する信号が入力されると(ステップS123:Yes)、指位置センサ16の動作を停止した後で(ステップS116)、動作はメインルーチンに戻る。
【0077】
一方、物体100が図12Bに示す状態からさらに表示画面14aに近づき、代表点Pが第3階層窓33の表示位置に達すると(ステップS112:Yes)、入力信号受付部20dは、代表点PのXY座標(x,y)がアイコン33a、33bのいずれかの表示領域に含まれるか否かを判断し、代表点Pが含まれるアイコン33a、33bの選択信号を出力する(ステップS113:Yes)。この場合、いずれかのアイコン33a、33bがユーザにより選択されたものと判断され、動作はステップS114に移行する。一方、代表点Pが含まれるアイコンが存在しない場合には選択信号は出力されず(ステップS113:No)、この場合、動作はステップS112に戻る。
【0078】
ステップS114において、撮影条件設定部20eは、入力信号受付部20dから出力された選択信号に対応するアイコンが「戻る」アイコン33bであるか否かを判断する。当該アイコンが「戻る」アイコン33bである場合(ステップS114:Yes)、動作はステップS132に移行する。一方、当該アイコンが「戻る」アイコン33bでない場合には(ステップS114:No)、動作はステップS115に移行する。
【0079】
ステップS115において、撮影条件設定部20eは、第2階層窓32において選択されたアイコンに表示された撮影条件を、制御パラメータとして、揮発性メモリ19のワークエリア19aに記憶させる。続いて、撮影条件設定部20eは、指位置センサ16の動作を停止させる(ステップS116)。この後、動作はメインルーチンに戻る。
【0080】
次に、ステップS131における動作について説明する。
ステップS131において、入力信号受付部20dは、物体100の代表点Pが、第1階層窓31の表示位置よりも表示画面14aから離れたか否かを、代表点PのZ座標の値zに基づいて判断する。z>L3となった場合(ステップS131:Yes)、代表点Pが第1階層窓31の表示位置よりも離れたと判断され、動作はステップS102に戻る。これにより、ユーザは、第1階層窓31上でのアイコンの選択をやり直すことができる。一方、z≦L3の場合(ステップS131:No)、入力信号受付部20dは、z>L3となるまで待機する。なお、この場合、「戻る」アイコン32dが選択されてから所定時間が経過した後で、動作をステップS102に戻すようにしても良い。
【0081】
次に、ステップS132における動作について説明する。
ステップS132において、入力信号受付部20dは、物体100の代表点Pが、第2階層窓32の表示位置よりも表示画面14aから離れたか否かを、代表点PのZ座標の値zに基づいて判断する。z>L2となった(ステップS132:Yes)、代表点Pが第2階層窓32の表示位置よりも離れたと判断され、動作はステップS106に戻る。これにより、ユーザは、第2階層窓32上でのアイコンの選択をやり直すことができる。一方、z≦L2の場合(ステップS132:No)、入力信号受付部20dは、z>L2となるまで待機する。なお、この場合、「戻る」アイコン33bが選択されてから所定時間が経過した後で、動作をステップS102に戻すようにしても良い。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態によれば、撮影条件のように階層構造を有する情報に対して、第1階層窓31〜第3階層窓33を3次元的に順次表示すると共に、ユーザの指等の物体100の代表点Pを3次元的に検出することにより入力信号を受け付けるので、ユーザは、3次元的な操作により直感的にアイコンを選択することが可能となる。
【0083】
また、本実施の形態においては、各階層窓に表示される情報が上位概念であるほど、表示画面14aから浮き出す量を大きくし(例えば、第1階層窓31に対して距離L3)、情報が下位概念になるほど、表示画面14aから浮き出す量を小さくしている(例えば、第2階層窓32に対して距離L2)。それにより、表示される情報が下位概念化されるに従って指等の物体100を奥に進める(即ち、表示画面14aに近付ける)感覚をユーザに与えるので、ユーザは、概念の広さに応じて直感的な入力操作を行うことができる。
【0084】
(変形例1)
次に、本実施の形態に係る撮像装置の変形例1について説明する。
図13に示すように、この変形例1においては、第1階層窓31、第2階層窓32、及び第3階層窓33の表示位置とは異なる所定の面において検出された物体100の代表点Pの座標に基づいて、入力信号を受け付けている。即ち、表示画面14aからの距離L3に表示される第1階層窓31に対する入力を、表示画面14aから距離D3(D3>L3)だけ離れた入力面PL1において受け付ける。同様に、表示画面14aからの距離L2に表示される第2階層窓32に対する入力を、表示画面14aから距離D2(D2<D3)だけ離れた入力面PL2において受け付ける。さらに、表示画面14aからの距離L1に表示される第3階層窓33に対する入力を、表示画面14aから距離D1(D1<D2)だけ離れた入力面PL3において受け付ける。それにより、第1階層窓31〜第3階層窓33の表示画面14aからの浮き出し量(距離L3〜L1)が小さい場合であっても、ユーザが誤って物体100を表示画面14aに接触させてしまうといった事態を防ぐことができる。また、第1階層窓31と第2階層窓32との間隔(L3−L2)や、第2階層窓32と第3階層窓33との間隔(L2−L1)が小さい場合であっても、入力面PL1と入力面PL2との間隔(D3−D2)や、入力面PL2と入力面PL3との間隔(D2−D1)を広く設定することにより、ユーザの操作を容易にすることが可能になる。
【0085】
(変形例2)
次に、本実施の形態に係る撮像装置の変形例2について説明する。
上記実施の形態においては、表示される情報が上位概念であるほど、表示画面14aから浮き出す量を大きくしたが、その逆であっても良い。例えば、図14及び図15A〜図15Cに示すように、より上位概念の情報が記載されたアイコン(例えば、地方名)41aを含む第1階層窓41を表示画面14aから距離L1だけ離れた位置に表示させ、その下位概念の情報(例えば、都道府県名)が記載されたアイコン42aを含む第2階層窓42を表示画面14aから距離L2だけ離れた位置に表示させ、さらに下位概念の情報(例えば、市区町村名)が記載されたアイコン43aを含む第3階層窓43を表示画面14aから距離L3だけ離れた位置に表示させる。この場合には、下位概念になるに従って増加する情報を、より広い画面に表示することが可能になる。
【0086】
また、上記実施の形態においては、下位の階層窓(例えば、第2階層窓32)が表示されている間、上位の階層窓(例えば、第1階層窓31)を、例えば、左右の端部を残して消去している。しかしながら、この時、下位の階層窓が見える状態であれば、上位の階層窓については、いずれの部分を残しても構わない。また、上位の階層窓の全部を消去するようにしても良い。
【0087】
以上説明した実施の形態においては、撮像装置1を3次元画像の撮影が可能なデジタルカメラとして説明したが、本発明は、2次元画像の撮影を行う一般的なデジタル一眼レフカメラ、デジタルビデオカメラ又はカメラ付き携帯電話等の撮影機能及び表示機能を備えた各種電子機器に適用することができる。また、本発明は、テレビジョンや、パーソナルコンピュータのディスプレイや、タブレット型コンピュータ等の表示装置に適用することもできる。
【符号の説明】
【0088】
1 撮像装置
2L、2R レンズ部
3L、3R レンズ駆動機構
4L、4R 絞り駆動機構
5L、5R シャッタ駆動機構
5a シャッタ
6L、6R 撮像素子
7L、7R 信号処理部
10L、10R 撮像部
11 手ブレ検出部
12 姿勢検出部
13 操作入力部
13a 電源スイッチ
13b レリーズスイッチ
13c モード切換スイッチ
13d 操作スイッチ
13e ズームスイッチ
13f 2D/3D撮影切換スイッチ
14 表示部
14a 表示画面
15 タッチパネル
16 指位置センサ
16a 指検出用撮像素子
16b 指検出用撮像素子
16c 赤外線発光素子
16d、16d(1)〜16d(3) 赤外線受光素子
17 記録媒体インタフェース
17a メモリカード
18 不揮発性メモリ
18a プログラムコード
18b 制御パラメータ
19 揮発性メモリ
19a ワークエリア
20 システムコントローラ
20a 画像処理部
20b 圧縮・伸長部
20c 3D画像生成部
20d 入力信号受付部
20e 撮影条件設定部
20f AF制御部
20g AE制御部
20h タイマカウンタ
20i 表示制御部
21 第1階層
22a、22b、22c 第2階層
31、41 第1階層窓
32、42 第2階層窓
33、43 第3階層窓
31a、31b、31c、32a、32b、32c、32d、33a、33b、41a、42a、43a アイコン
34 選択状況表示窓
100 物体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元画像の表示が可能な表示部と、
階層構造を有する情報の内の階層ごとの情報を含み、前記表示部を介して前記階層に応じた位置に3次元的に表示される複数の画像を生成する3次元画像生成部と、
前記複数の画像の表示領域を含む3次元空間に存在する物体の代表点の座標を3次元的に検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記代表点の座標に基づいて、前記複数の画像の各々に含まれる情報に対する入力を受け付ける入力信号受付部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記複数の画像は、各々が階層ごとの情報を含む複数の表示窓であって、前記表示部の表示画面からの距離が互いに異なる位置に表示される複数の表示窓であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記複数の表示窓は、各々に含まれる階層ごとの情報の概念的な上下関係に応じた距離だけ前記表示画面から離れた位置に表示されることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記複数の表示窓の各々は、階層ごとの情報に対応する複数のアイコンを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の表示窓の内の隣接する2つの表示窓に含まれる複数のアイコンは、該2つの表示窓を前記表示画面に投影したときに互いに重ならないように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記入力信号受付部は、前記代表点の座標が前記複数の表示窓に含まれる複数のアイコンの内のいずれかの表示領域に重なったときに、該表示領域上のアイコンに応じた信号を出力することを特徴とする請求項4又は5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の表示窓の内のいずれかの表示窓を表示させ、該表示窓に含まれる複数のアイコンの内のいずれかに対応する信号が前記入力信号受付部から出力された場合に、前記表示窓の少なくとも一部を消去すると共に、前記複数の表示窓の内の前記信号に応じた表示窓を表示させる表示制御部をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置と、
視野領域からの光を集光するレンズ部と、
前記レンズ部が集光した光を用いて電子的な画像データを生成する撮像部と、
前記入力信号受付部によって受け付けられた入力信号に基づいて、前記撮像部に対する撮影条件の設定を行う撮影条件設定部と、
を備え、
前記3次元画像生成部は、前記撮像部によって生成された画像データに基づいて3次元画像を生成することを特徴とする撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図15C】
image rotate


【公開番号】特開2012−33104(P2012−33104A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173793(P2010−173793)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】