説明

表示装置

【課題】回転体と画像表示装置との双方を用いて画像を表示する場合に、画像の視認性を低下することなく、多種にわたる図柄表示を行う。
【解決手段】外形が略中空円柱形状に形成された回転体21と、回転体21の外周面上に周方向に並べて複数配置された液晶表示装置(画像表示装置)22とを備える。回転体21上には開口部21bが形成されており、この開口部21b上に液晶表示装置22が配置されている。液晶表示装置22のバックライト22aは、回転体21の内周側に配置されており、液晶表示装置22のバックライト22a以外の部分が回転体21上に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の動力によって回転される回転体の外周面に、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス等の画像表示装置を配置した表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、略円柱形状の回転体(「リール」とも称される。)の外周面に複数種類の図柄を並べて表示し(例えば、図柄を表示したテープを回転体の外周面に貼付し)、その回転体を回転させることで、回転前後において、見える図柄を変化させるようにした表示装置が知られている。
しかし、回転体に複数の図柄を表示しただけでは、表示した図柄の数しか変化させることができない。そこで、回転体の前方に、透明(後方の回転体が目視可能な)液晶表示装置を配置し、回転体の回転による図柄の変化と、液晶表示装置による画像表示とを組み合わせたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−268173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前述の特許文献1の技術において、回転体の回転中に、同時に液晶表示装置による画像表示を行うと、回転体の回転中における図柄の視認性が低下する。したがって、液晶表示装置による画像表示は、回転体の停止中にのみ行うことに限定されるという問題がある。このため、回転体の回転中における図柄の移動表示と、液晶表示装置による画像表示とは、別個独立して行われ、両者が一体となった表示ではないという問題がある。
【0004】
また、回転体の前方に透明液晶表示装置を配置しても、その後方に位置する回転体の図柄は目視可能である。しかし、透明液晶表示装置といっても完全な透明体ではないので、回転体の図柄の視認性が低下することは避けられないという問題がある。
【0005】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、回転体と画像表示装置との双方を用いて画像を表示する場合に、画像の視認性を低下することなく、多種にわたる図柄表示を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
本発明の1つである請求項1に記載の発明は、外形が略円柱形状又は略多角注形状に形成された回転体と、前記回転体の外周面上に周方向に並べて複数配置され、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス、又は複数の発光素子を縦横に並べて配置したドット表示装置からなる画像表示装置とを備えることをことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記回転体は、略中空円柱形状又は略中空多角注形状に形成されているとともに、所定の部材に回転自在に支持されており、前記画像表示装置は、前記液晶表示装置であり、前記回転体の前記液晶表示装置が配置される一部は、開口となっているか、又は透明若しくは半透明に形成され、前記液晶表示装置のバックライトは、前記回転体の内周側に配置されているとともに、支持部材に固定されていることを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の表示装置において、前記画像表示装置は、平板状に形成されるとともに可撓性を有し、前記画像表示装置が前記回転体の外周面に貼付されたときは、前記画像表示装置の下面が前記回転体の外周面と略同一の曲率を有して貼付されることを特徴とする。
【0007】
(作用)
上記発明においては、回転体の外周面に表示される図柄は、液晶表示装置等の画像表示装置によって表示される。このため、回転体の図柄は、多種に変化可能となる。また、画像表示装置として液晶表示装置を用いた場合(請求項2)には、液晶表示装置のバックライトを回転体内に配置することが可能となる。さらにまた、画像表示装置として可撓性を有する場合には、回転体の外周と略同一曲率で回転体上に設けることができる。
【発明の効果】
【0008】
上記発明によれば、回転体と画像表示装置との双方を用いて画像を表示する場合に、画像の視認性を低下することなく、多種にわたる図柄表示を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明において、「画像」とは、静止画及び動画(映像)の双方を含む意味で使用する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における表示装置10の一部の構成を示す図であり、(a)は外観図、(b)は回転体21の内部が見えるように図示した正面図である。
図1において、表示装置10は、回転体21と、複数の画像表示装置22とを備える。
【0010】
回転体21は、本実施形態では、樹脂材料からなり、略中空円柱形状に形成されている。回転体21の中心部には、空中円柱形状の回転軸部21aが形成されている。
また、画像表示装置22は、回転体21の外周面において、周方向に等間隔で並べて配置されている。本実施形態では、10個の画像表示装置22が等間隔で並べられることにより、回転体21の外周を1周している。画像表示装置22は、本実施形態では、透過型の液晶表示装置(フルカラーTFT)である。
【0011】
さらにまた、モータ23は、本実施形態ではステッピングモータであり、固定台24に固定されている。そして、モータ23の回転軸23aと、回転体21の回転軸部21aとが連結されることにより、回転体21は、モータ23によって回転自在に支持されている。なお、回転体21は、回転してもモータ23や固定台24に干渉することはない。
さらに、回転体21の内周面側には、画像表示制御基板25が固定されている。画像表示制御基板25は、全ての画像表示装置22と電気的に接続されている。
【0012】
図2は、回転体21と画像表示装置22等を分解して示す斜視図である。図2に示すように、回転体21の外周面において、画像表示装置22が取り付けられる部分には、略四角形状の開口部21bが形成されている。
本実施形態において、画像表示装置22は、対角が約2〜3インチ程度であり、開口部21bは、それよりもやや小さい大きさに(開口部21b上に画像表示装置22を載置したときに、画像表示装置22と回転体21の一部とが接触して両者を接着可能に)形成されている。
なお、開口部21bは、回転体21の形成後に切削で形成しても良いが、略はしご形状に形成された部材の両端を接続し、外形を略円柱形状したものであっても良い。
【0013】
また、画像表示装置22は、全ての部品が回転体21の外周面上に配置されているのではなく、画像表示装置22のうち、バックライト22aを除く部分、すなわち偏光フィルタ、ガラス基板、透明電極、配向膜、液晶、スペーサ、カラーフィルタの部分が回転体21の外周面に配置され、バックライト22aのみ、回転体21の内部に配置されている。
【0014】
図2の例では、全ての画像表示装置22に対して照光するために、バックライト22aは、円筒形状に形成されている。
また、バックライト22aは、図示しないが、図1で示した固定台24に固定され、回転体21の回転によっても回転しないように形成されている。このように、回転体21の内周側にバックライト22aを配置しても、開口部21bを通して光を画像表示装置22の偏光フィルタに入射することができる。
なお、回転体21を透明又は半透明材料から形成することにより、バックライト22aの光を回転体21の内周側から外周側に透過できれば、開口部21bは不要である。
【0015】
また、図3は、バックライト22aの形状を示す側面の断面図である。図3中、(a)は、図2のものを示している。図3(a)、すなわち図2のように、バックライト22aを略円柱形状に形成しても良いが、図3(b)に示すように、一部分にのみバックライト22aを形成しても良い。
図3(b)の例では、表示装置10のうち、回転体21及び画像表示装置22を含む部分が筐体26に収納されている。なお、図1で示したモータ23や固定台24等は、筐体26の内外のいずれであっても良い。
【0016】
図3(b)において、筐体26は、前面(図3(b)中、左側)に開口面26aを有する。そして、回転体21上の画像表示装置22は、上下に連続する3個が開口部26aから露出する(筐体26の前面から見える)ように形成されている。この場合に、バックライト22aは、全ての画像表示装置22を照光する必要はなく、外部に見える3個の画像表示装置22を照光できれば十分である。このため、図3(b)に示すバックライト22aは、略円弧形状に形成され、3個の画像表示装置22のみを照光する形状に形成されている。
【0017】
図4は、表示装置10の電源や基板等の配置を示す正面の断面図であり、図5は、表示装置10のブロック図である。
図5において、モータ23は、駆動制御基板29に電気的に接続され、この駆動制御基板29によって回転及び停止が制御される。駆動制御基板29には、電源30によって電力が供給される。また、電源30は、モータ23に対しても電力を供給する。
【0018】
また、バックライト22aには、電源30から電力が供給される。
一方、画像表示装置22は、画像表示制御基板25と電気的に接続され、画像表示制御基板25によってその画像表示が制御される。
【0019】
ここで、画像表示制御基板25及び画像表示装置22には、電力を供給する必要があるが、画像表示制御基板25及び画像表示装置22は、回転体21の回転に伴って回転するので、固定された電源と接続して電力を供給すると、電線がねじれてしまう。そこで、本実施形態では、回転体21の回転中心部にバッテリ27を配置している(図4参照)。また、このバッテリ27に対して接触/非接触状態となることが可能な可動式の電源28を設けている。そして、回転体21の停止中には、バッテリ27と電源28とが電気的に接続され、電源28によってバッテリ27を充電する。一方、回転体21の回転中は、電源28がバッテリ27から離れ、非接触となる。
【0020】
以上のように構成すれば、電線がねじれることなく、回転体21の回転中においても、画像表示制御基板25、及び画像表示制御基板25を介して画像表示装置22にも電力を供給することができ、所定の画像を表示することができる。
なお、バッテリ27と電源28との接触面が耐磨耗性を有せば、両者を常時接続しておく(回転中に電源28を退避させない)ようにしても良い。
【0021】
なお、本実施形態では、バックライト22aを固定としたが、例えば回転体21の内周面に沿って回転体21と一体でバックライト22aを配置し、回転体21の回転に伴ってバックライト22aも同時に回転するように形成した場合には、画像表示制御基板25を介してバッテリ27とバックライト22aとを電気的に接続し、バックライト22aの電力の供給をバッテリ27により行えば良い。
【0022】
また、図5に示すように、回転体21の位置は、位置検出センサ31によって検出され、駆動制御基板29は、その検知結果に基づいて、モータ23を駆動制御する。図示しないが、回転体21には、検知子が形成されており、回転体21が1回転するごとに、検知子が位置検出センサ31によって検知されるように構成されている。そして、駆動制御基板29は、位置検出センサ31の検知結果と、位置検出センサ31を検知した時点からのモータ23のステップ数をカウントすることにより、回転体21の現在の位置を知ることができる。これにより、駆動制御基板29は、モータ23を駆動制御して、回転体21を所望の位置に停止させることができる。
【0023】
続いて、画像表示装置22による画像表示例を説明する。
画像表示制御基板25は、画像表示のための画像データをROM等に記憶している。例えば、最初にデフォルトで、各画像表示装置22ごとに、特定の図柄を画像表示しておき、図柄を変化させるための条件を満たしたときに、画像データを読み出し、少なくとも1つの画像表示装置22の画像表示を変化させるように制御する。
【0024】
画像表示の変化としては、
(1)図柄(背景を含む。以下同じ。)の点灯、点滅、消灯を行う。
(2)図柄の色彩を変化させる。
(3)図柄の大きさを変化させる。
(4)瞬時に、又は消灯若しくは点灯後に異なる図柄に変化させるか、又は消灯若しくは点灯後に同一図柄を表示する。
(5)図柄を動かす(動画の表示)。
【0025】
(6)1つの画像表示装置22と、他の1つの画像表示装置22とで、連動して一連の又は関連する画像を表示する。例えば回転体21を1つ設けた場合において、図3(b)に示すように、上下に連続する3つの画像表示装置22を見えるように配置した場合には、これら3つの画像表示装置22で、連動して一連の又は関連する画像を表示する。あるいは、回転体21を並列に複数配置した場合(後述する図11参照)には、1つの回転体21上の少なくとも1つの画像表示装置22と、他の1つの回転体21上の少なくとも1つの画像表示装置22とで、連動して一連の又は関連する画像を表示する。
【0026】
(7)1つの回転体21の全ての画像表示装置22において、同一の図柄を表示することで、回転中においても、1つの図柄しか見えないように表示する。
(8)1つの回転体21の回転中において、各画像表示装置22に少しずつ変化する図柄を表示して、見る者に対して動画の感覚を与える。
【0027】
図6は、表示装置10の配置例を示す図である。例えば、図6に示すように、回転体21の回転軸が上下になるように表示装置10を配置する。回転体21は、回転軸32により図中、上下方向には移動不能に、かつ回転自在に支持されている。そして、回転体21を、上方から見て時計回りに回転させる。これを用いてコメント等の画像表示が可能となる。なお、図6では、10個の画像表示装置22が設けられているものとする。
【0028】
例えば、表示装置10をスーパーに設置した場合において、回転体21をゆっくりと回転させつつ、各画像表示装置22に1文字ずつ、例えば「き」「ょ」「う」「は」「お」「肉」「の」「特」「売」「日」「で」「す」「。」と画像表示する。ここで、画像表示装置22が10個であるときは、「き」から「日」までを異なる画像表示装置22で画像表示することができる。そして、最初の「き」と表示した画像表示装置22が1回転して前面に戻ってくるまでの間に(例えば真後ろの位置に配置されたときに)、「き」を「で」に変化させるように制御する。同様に、2番目の「ょ」を「す」に変化させるように制御する。このようにすれば、10個の画像表示装置22を用いて、10文字を超えるコメント等であっても表示が可能となる。
【0029】
なお、図6の場合には、モータ23で回転体21を回転させても良いが、他の動力を利用することも可能である。例えば空調装置の近くに表示装置10を設置し、空調装置からの風が回転体21に常に当たるようにすれば、回転体21を駆動力なく風のみで回転させ続けることも可能である。
また、図6のように回転体21を1つ設ける場合には、モータ23は、回転体21の内側に配置されるように(図1(b)に示すように)配置しても良く、あるいは、回転体21の外側に配置されるようにしても良い。
【0030】
(第2実施形態)
図7は、画像表示装置22を回転体21に取り付ける(貼り付ける)ときの第2実施形態を示す図である。第1実施形態では、図2に示すように、1つ1つ独立した画像表示装置22を回転体21に取り付けたが、図7の場合は、取り付けるべき複数の画像表示装置22を、予め1枚の帯状のシート33に設けておき、これを回転体21の外周に貼り付けるようにしたものである。このように画像表示装置22を取り付ければ、容易に回転体21に取り付けることができ、組立時間を削減することができる。
なお、図7では、画像表示装置22は7個の場合を図示しているが、この個数に限られるものではない。また、図7では、図2と異なり、開口部21bは省略している。
【0031】
(第3実施形態)
図8及び図9は、図7のように1枚のシート33に画像表示装置22を形成したときの画像表示装置22の配線を示す図である。
先ず図8(a)では、各画像表示装置22から電線34をシート33外に引き出すとともに、その外側で1本の電線34に束ねたものを示している。
また、図8(b)では、各画像表示装置22から電線34をシート33の裏面側に引き出すとともに、シート33の裏面上において1本の束ねた電線34に形成したものである。
【0032】
さらにまた、図9では、図8(a)の場合において、各画像表示装置22と、1本に束ねた電線34との間に、コネクタ35(画像表示装置22側が凹コネクタ35a、電線34側が凸コネクタ35b)を設けたものである。
画像表示装置22と電線34とを接合する際に、接合不良が発生するおそれがある場合には、全ての画像表示装置22を1つの電線34を繋ぐと、歩溜まり低下の原因となってしまうおそれがあるため、図9のようにコネクタ35で接続する。そして、不良が発生した場合には、個々の画像表示装置22を交換できるようにする。
【0033】
(第4実施形態)
上記各実施形態では、画像表示装置22と画像表示制御基板25は、いずれも、回転体21に取り付けられている。これに対し、画像表示装置22の電線を外部に引き出し、画像表示制御基板25を回転体21とともに回転させないことも可能である。
図10は、この場合の電線の配線を示す図である。先ず、図10(a)の場合には、個々の画像表示装置22から出る電線34を、回転体21の中心部に集約する。そして、回転体21の回転中心部に、中空円柱部21cを設け、この中空円柱部21cの内部に電線34を通し、外部に送り出すようにしたものである。
【0034】
また、図10(b)の場合には、図8や図9で示したように、個々の画像表示装置22の電線34を1本に束ねるとともに、中空円柱部21c内にその電線34を通し、外部に送り出すようにしたものである。
【0035】
なお、画像表示装置22は、常に回転体21側に取り付けられるが、画像表示制御基板25を回転体21の外部で固定した場合(回転体21とともに回転しないようにした場合)には、回転体21が回転すればするほど、画像表示装置22と画像表示制御基板25との間を接続している電線34がねじれてしまう。これを回避するためには、回転体21の回転数が所定数に到達したときは、回転体21を逆回転させてねじれを解消すること等が挙げられる。また、例えば、1回転目は正回転、2回転目は逆回転、3回転目は正回転、・・・というように、正回転と逆回転とを交互に行うことが挙げられる。
【0036】
(第5実施形態)
第5実施形態では、回転体21の回転と、画像表示装置22による画像表示とを連動させるようにしたものであり、例えば遊技機に適用することができる。
図11は、3つの表示装置10(表示装置10A、10B、及び10C)を並設した遊技機を示す図である。各表示装置10の各画像表示装置22には、図柄が表示されている。そして、3つの回転体21を回転させ、停止させたときに、ラインLに停止した図柄の組合せが所定の図柄の組合せであるとき、例えば「7」−「7」−「7」となったときは、その図柄の組合せに応じた利益(例えば所定枚数のメダルの払い出し)が行われるものである。
なお、図11のように複数の回転体21を近づけて配置する場合には、個々のモータ23は、図1(b)に示すように、回転体21の内部に配置することが好ましい。
【0037】
図12は、第5実施形態である遊技機のブロック図を示す図である。なお、表示装置10Aの各構成には添字Aを付し、表示装置10Bの各構成には添字Bを付し、表示装置10Cの各構成には添字Cを付している。
図12において、制御基板50は、基板の中で最も上位に位置し、遊技全体を統括制御する基板であり、各表示装置10A〜10Cの駆動制御基板29A〜29C、及び画像表示制御基板25A〜25Cと電気的に接続されている。また、図5と異なり、各バックライト22aA〜22aCは、それぞれ画像表示制御基板25A〜25Cと電気的に接続されている。
また、スタートボタン40、及びストップボタン41A〜41Cは、制御基板50と電気的に接続されている。
【0038】
遊技者によりスタートボタン40が操作(オン)されると、その信号が制御基板50に入力される。制御基板50は、この信号を受信すると、全ての駆動制御基板29A〜29Cに対し、モータ23A〜23Cの駆動を開始すべきコマンドを送信する。これにより、駆動制御基板29A〜29Cは、それぞれモータ23A〜23Cを駆動し、各回転体21を回転させるように制御する。
なお、各駆動制御基板29A〜29Cは、上述したように、現在、回転体21がどの位置にいるかを把握することができる。
【0039】
また、各画像表示制御基板25A〜25Cには、画像表示装置22にデフォルトとして表示すべき画像データが記憶されており、各画像表示制御基板25A〜25Cは、画像表示装置22A〜22Cを制御して、所定の図柄を画像表示するように制御する。
また、スタートボタン40が操作されたときに、制御基板50は、抽選を行う。例えば制御基板50は、電源が投入されている間は、常時、乱数を発生させており、スタートボタン40が操作された旨の信号を受信した時に、乱数を抽出する。そして、抽出した乱数に基づき、停止可能な図柄の組合せと停止不可な図柄の組合せとを判定する。
【0040】
次に、遊技者によりストップボタン41A〜41Cが操作されると、その信号が制御基板50に入力される。制御基板50は、この信号を受信すると、操作されたストップボタン41A〜41Cに対応する駆動制御基板29A〜29C(例えば、ストップボタン41Aが操作されたときは、駆動制御基板29A)に対し、モータ23A〜23Cの駆動を停止すべきコマンドを送信する。これにより、駆動制御基板29A〜29Cは、それぞれモータ23A〜23Cの駆動を停止し、回転体21を停止させるように制御する。
【0041】
さらに、制御基板50は、上記の抽選結果に基づいて、回転体21の停止可能な位置及び停止不可な位置に係る情報を駆動制御基板29A〜29Cに送信する。そして、駆動制御基板29A〜29Cは、ストップボタン41A〜41Cが操作された瞬間のラインL上に位置する画像表示装置22の図柄に基づいて停止位置を決定し、その決定した位置に回転体21を停止させる。
【0042】
例えば、抽選の結果、「7」−「7」−「7」の図柄の組合せを停止させないときは、駆動制御基板29A〜29Cは、回転体21の停止時にモータ23A〜23Cを制御し、「7」の図柄がラインL上に停止しないように制御する。例えば、「7」の図柄がラインL上を通過する瞬間にストップボタン41A〜41Cが操作されたときは、「7」の図柄が表示された画像表示装置22がラインLよりも下側に停止し、「7」以外の図柄が表示された画像表示装置22がラインL上に停止しないように制御する。
【0043】
これに対し、抽選の結果、「7」−「7」−「7」を停止させることができるときは、駆動制御基板29A〜29Cは、回転体21の停止時にモータ23A〜23Cを制御し、「7」の図柄がラインL上に停止するように制御する。例えば、ストップボタン41A〜41Cが操作された瞬間から回転体21が停止するまでの移動図柄数が、その図柄を含めて2図柄以内に設定されていると仮定する。この場合には、「7」の図柄がラインLの1つ上を通過する瞬間にストップボタン41A〜41Cが操作されたときは、停止時に1図柄だけ移動制御し、「7」の図柄が表示された画像表示装置22がラインL上に停止するように制御する。
【0044】
また、本実施形態の遊技機においては、制御基板50が、回転体21の回転の制御(駆動制御基板29A〜29Cの制御)と、バックライト22aA〜22aCを含む画像表示装置22A〜22Cによる画像表示(画像表示制御基板25A〜25Cの制御)とを同時に行うことができる。
【0045】
したがって、例えば、スタートボタン40が操作された旨の信号が制御基板50に入力されたときには、回転体21A〜21Cの回転と同時に、各画像表示装置22の図柄を一瞬点滅させる(バックライト22aA〜22aCへの電源の供給を一瞬だけ切断する)こと等が可能となる。また、制御基板50により抽選が行われた結果、遊技者に不利な結果(例えば非当選)であったときは、画像表示装置22による画像表示を変化させないが、遊技者に有利な結果、例えば「7」−「7」−「7」が停止可能となったときは、各画像表示装置22の図柄を一瞬点滅させたり、変化させたりする演出を行うことが可能となる。
なお、上記のような制御は、毎遊技行っても良く、あるいは、抽選の結果、当選したときにだけ行っても良い。
【0046】
(第6実施形態)
図13は、第6実施形態における回転体21と画像表示装置22とを示す側面図である。第6実施形態では、略円柱形状の回転体21に対し、平板の画像表示装置22を6個取り付けたものを示している。
ここで、図3(a)に示したように、回転体21に取り付ける画像表示装置22の数が多くなるほど、外周形状が円形状に近づくが、図13のように画像表示装置22の個数が少ないときは、回転体21は略円柱形状であるにもかかわらず、その外形は、略六角注形状となる。
そして、このままでも表示装置10として使用が可能であるが、図13に示すように、各画像表示装置22上に、略偏平ドーム状の透明又は半透明のレンズ36を装着すれば、外形を、略円柱形状に近づけることができる。
【0047】
(第7実施形態)
図14は、第7実施形態を示す部分断面図である。上記実施形態では、画像表示装置22を液晶表示装置から構成し、バックライト22aを除く偏光フィルタ、ガラス基板、透明電極、配向膜、液晶、スペーサ、及びカラーフィルタを回転体21の外周面上に配置し、バックライト22aを回転体21の内周側に配置した。しかし、これに限らず、図14に示すように、バックライト22aを含めて(画像表示装置22の全てを)回転体21の外周面上に配置しても良い。この場合には、回転体21の内周側にバックライト22aを配置することは不要である。また、回転体21には開口部21bを形成する必要はなく、あるいは、透明又は半透明でなくても良い。
【0048】
(第8実施形態)
図15は、第8実施形態を示す部分断面図である。上記実施形態では、画像表示装置22を液晶表示装置から構成した。これに対し、第8実施形態は、エレクトロルミネッセンス(EL)から構成したものである。
ここで、ELには、有機ELと無機ELとが挙げられるが、消費電力等の観点からは、有機ELの方が好ましい。また、有機ELをマトリックス状に配置するとともに、有機EL素子ごとに駆動手段(TFT)を設けたアクティブマトリックス形式が好ましい。
【0049】
さらに、ELの基材(ベース)としては、ガラス基板が用いられるが、この場合の画像表示装置22は、平板状となり、図14に示したように回転体21に取り付けられる。
これに対し、プラスチックフィルム上に有機薄膜トランジスタ(TFT)と有機EL素子を集積化して、可撓性(柔軟性)を有するように形成したものであっても良い。
このように形成した場合には、図15に示すように、回転体21の外周面において、回転体21の曲率と略同一の曲率に変形させて回転体21に貼付することができ、回転体21への画像表示装置22の配置後も、外形が略円柱形状となり、画像が見やすいものとなる。
なお、ELは、自発光であるので、上記実施形態のようにバックライトは不要である。また、ELは、液晶よりも薄く、視野角が広いので、表示装置として好ましい。
【0050】
また、画像表示装置22が液晶表示装置からなる場合であっても、その液晶表示装置を可撓性を有するように形成し、図15と同様に貼付しても良い。
さらにまた、画像表示装置22の全体又は少なくとも下面を、回転体21の外周面と略同一の曲率を有するように形成し、その画像表示装置22を回転体21の外周面に貼付すれば、貼付後は、図15の形状と同様にすることができる。
【0051】
(その他の実施形態)
(1)画像表示装置22として、液晶表示装置やEL表示装置の他に、例えば発光ダイオード、蛍光管、蛍光灯、白熱球その他の発光素子を、縦横に並べて配置したドット表示装置を用いても良い。
(2)画像表示装置22として、反射型又は半透過型の液晶表示装置を用いても良い。この場合には、バックライト22aは不要となる。また、反射型又は半透過型の液晶表示装置を用いる場合には、画像表示装置22から所定距離離れた位置に光源を設けることが好ましい。
(3)回転体21の配置として、図1に示した縦置き、図6に示した横置きの他、斜めに配置することも可能である。
【0052】
(4)表示装置10の外側(上側、下側、左側、又は右側のうち、少なくとも1か所)に、他の画像表示装置(液晶表示装置、EL表示装置、又はドット表示装置)を配置したり、あるいは、他の回転体(図柄を表示(印刷)したもの、あるいは本実施形態のように外周面に画像表示装置を取り付けたもの)を配置しても良い。そして、第5実施形態のように遊技機に適用した場合に、これらの他の画像表示装置や他の回転体について、表示装置10と連動させた演出を行うように制御することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施形態における表示装置の一部の構成を示す図であり、(a)は外観図、(b)は回転体の内部が見えるように図示した正面図である。
【図2】回転体と画像表示装置等を分解して示す斜視図である。
【図3】バックライトの形状を示す側面の断面図である。
【図4】表示装置の電源や基板等の配置を示す正面の断面図である。
【図5】表示装置のブロック図である。
【図6】表示装置の配置例を示す図である。
【図7】画像表示装置を回転体に取り付けるときの第2実施形態を示す図である。
【図8】1枚のシートに画像表示装置を形成したときの画像表示装置の配線を示す図である。
【図9】1枚のシートに画像表示装置を形成したときの画像表示装置の配線を示す図である。
【図10】電線の配線を示す図である。
【図11】3つの表示装置を並設した図である。
【図12】第5実施形態のブロック図を示す図である。
【図13】第6実施形態における回転体と画像表示装置とを示す側面図である。
【図14】第7実施形態を示す部分断面図である。
【図15】第8実施形態を示す部分断面図である。
【符号の説明】
【0054】
10 表示装置
21 回転体
21b 開口部
22 画像表示装置
22a バックライト
23 モータ
25 画像表示制御基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が略円柱形状又は略多角注形状に形成された回転体と、
前記回転体の外周面上に周方向に並べて複数配置され、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス、又は複数の発光素子を縦横に並べて配置したドット表示装置からなる画像表示装置と
を備えることをことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記回転体は、略中空円柱形状又は略中空多角注形状に形成されているとともに、所定の部材に回転自在に支持されており、
前記画像表示装置は、前記液晶表示装置であり、
前記回転体の前記液晶表示装置が配置される一部は、開口となっているか、又は透明若しくは半透明に形成され、
前記液晶表示装置のバックライトは、前記回転体の内周側に配置されているとともに、支持部材に固定されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記回転体は、略中空円柱形状又は略中空多角注形状に形成されているとともに、所定の部材に回転自在に支持されており、
前記画像表示装置は、前記液晶表示装置であり、
前記液晶表示装置のバックライトは、前記回転体の外周面上において前記液晶表示装置の下層に設けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1に記載の表示装置において、
前記画像表示装置は、平板状に形成されるとともに可撓性を有し、
前記画像表示装置が前記回転体の外周面に貼付されたときは、前記画像表示装置の下面が前記回転体の外周面と略同一の曲率を有して貼付される
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1に記載の表示装置において、
前記画像表示装置の下面は、前記回転体の外周面と略同一の曲率を有するように形成されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1に記載の表示装置において、
前記回転体には、中空の回転軸が設けられており、
各前記画像表示装置に接続された電線は、前記回転軸内を通り外部に導出されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1に記載の表示装置において、
前記画像表示装置の画像表示を制御するための画像表示制御基板を備え、
前記画像表示制御基板は、前記回転体の内周側に固定されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の表示装置において、
前記画像表示装置の画像表示を制御するための画像表示制御基板と、
前記画像表示制御基板と電気的に接続され、前記画像表示制御基板、及び前記画像表示装置に電力を供給するための電源と
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項1に記載の表示装置において、
前記回転体に固定され、前記画像表示装置に電力を供給するためのバッテリと、
前記バッテリの充電を行うための電源と
を備え、
前記回転体の停止中は、前記バッテリと前記電源とが電気的に接続されて前記電源によって前記バッテリの充電を行うとともに、前記回転体の回転中は、前記バッテリと前記電源とが非接触となるように形成されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項10】
請求項1に記載の表示装置において、
前記画像表示装置の画像表示を制御するための画像表示制御基板を備え、
前記画像表示制御基板は、前記回転体の停止中と回転中とで、又は前記回転体の回転前後で、少なくとも1つの前記画像表示装置の画像を変化させるように制御する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の表示装置において、
前記画像表示制御基板は、前記回転体の回転中と停止中とで、又は前記回転体の回転前後で、特定方向からの視認領域における前記画像表示装置の画像を変化させるように制御する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項12】
請求項1に記載の表示装置において、
前記回転体の回転中心部に連結され、前記回転体の回転及び停止を行うためのモータを備える
ことを特徴とする表示装置。
【請求項13】
請求項12に記載の表示装置において、
前記モータの駆動を制御する駆動制御基板を備え、
前記駆動制御基板は、前記回転体の回転開始のコマンドを受信したときは前記モータの回転を開始するように制御するとともに、前記回転体の停止のコマンドを受信したときは前記モータの回転を停止させるように制御する
ことを特徴とする表示装置。
【請求項14】
請求項13に記載の表示装置において、
前記表示装置の操作者によって操作され、前記回転体の回転開始のコマンド、又は前記回転体の停止のコマンドの少なくとも一方を、前記駆動制御基板に送信するための操作手段を備える
ことを特徴とする表示装置。
【請求項15】
請求項14に記載の表示装置において、
前記操作手段の操作が行われたときに、前記回転体の停止可能位置及び停止不可位置を決定する抽選手段を備え、
前記駆動制御手段は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記回転体の停止のコマンドを受信したときに、前記回転体を所定位置に停止するように制御するとともに、
前記画像表示制御基板は、前記抽選手段による抽選結果に基づいて、前記回転体の回転中と停止中とで、又は前記回転体の回転前後で、前記画像表示装置に表示される画像を変化させるように制御する
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−183492(P2009−183492A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27011(P2008−27011)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】