表示装置
【課題】非常用電源の駆動時間を大幅に伸ばすことが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】常時には商用電源ACからの給電により機能し、非常時には非常用電源Vdcからの給電により機能する表示装置であって、商用電源ACの停電を検出する停電検出手段5を備え、前記停電検出手段5からの停電検出信号を受けて、全表示画面のうち一部の領域のみを表示するように切替える手段(Q1,Q2,D1)を備えた。前記非常用電源Vdcはバッテリーであって、前記商用電源ACと前記バッテリーとを前記停電検出手段5からの検出信号を受けて切替える。
【解決手段】常時には商用電源ACからの給電により機能し、非常時には非常用電源Vdcからの給電により機能する表示装置であって、商用電源ACの停電を検出する停電検出手段5を備え、前記停電検出手段5からの停電検出信号を受けて、全表示画面のうち一部の領域のみを表示するように切替える手段(Q1,Q2,D1)を備えた。前記非常用電源Vdcはバッテリーであって、前記商用電源ACと前記バッテリーとを前記停電検出手段5からの検出信号を受けて切替える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常時には商用電源で、非常時には非常用電源で動作する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送に対応した液晶テレビやプラズマテレビなどの普及が一般家庭を中心に急速に進んでいる。さらに、一般家庭だけでなく、画面サイズが40インチを超える大型のものが駅や空港、ショッピングモールなど公共の施設にインフォメーション用のディスプレーとして普及が進んでいる。インフォメーション用のディスプレーは、主に広告や宣伝を表示するものであるが、デジタル放送信号を受信してテレビとして機能させることもできる。また、インフォメーション用のディスプレーは、主に多くの人が集まる公共の場に設置されるため、非常時における混乱や不安を解消するために、非常時の照明、誘導灯としての機能も担うことが望まれる。
【0003】
通常、インフォメーション用のディスプレーは、商用電源からの給電によって動作しているが、非常時においても機能させるためには非常用電源からの給電により動作させる必要がある。非常用電源はバッテリーが一般的であり、内蔵方式や別置方式がある。また、一部では外部に無停電電源を備えている場合や、発電システムを備えている場合もある。いずれにせよ、非常時の限られた電源である非常用電源を使用し、非常時における照明機能、誘導灯としての機能をなるべく長時間継続させるためには、消費電力を極力抑えて駆動時間を大幅に伸ばすことが課題となる。また、非常時の消費電力を抑えることは非常用電源の小型化に繋がる。
【0004】
前記のような課題を解決するために、非常用に使用されるものではないが、バッテリーでの駆動時間を伸ばすことができる表示装置が特許文献1(特開2005−210707号公報)に開示されている。特許文献1の表示装置は、放送内容検出部と、前記放送内容検出部で検出したCM情報に基づいてバックライト輝度、液晶駆動の空間解像度、または時間解像度の少なくともいずれか一つを制御する表示制御部とを備え、前記表示制御部はCM情報に基づいてバックライトの輝度、または液晶パネルの液晶駆動を制御して消費電力を低減し、バッテリーの駆動時間を伸ばすものである。特許文献1の実施形態としては、CM時に表示画面を小画面表示にし、小画面に合わせたバックライトの部分点灯を併用することにより消費電力を低減する形態が開示されている。
【特許文献1】特開2005−210707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の表示装置は、バックライトが部分点灯することで省電力効果を生み出しているが、液晶パネルを一つの液晶駆動回路で駆動しているため、液晶パネルは全体として動作することになり、映像を表示しない箇所でも黒表示が出るように液晶駆動回路によって制御されている。したがって、特許文献1の表示装置は、映像を表示しない箇所においても液晶パネルを駆動する必要があり、その分の消費電力が必要になる。また、特許文献1のバックライトは、インバータへ入力されるPWM信号により調光制御されている。例えば、バックライトを消灯する場合も、PWM信号としてDuty:0%の信号をインバータに入力して消灯制御を行う必要がある。つまり、特許文献1の表示装置は、放電ランプを消灯する場合でも、インバータの制御部においては、消灯制御のための制御電力を必要とする。
【0006】
以上のように、特許文献1の表示装置においては、映像を表示しない箇所の液晶パネルを駆動するための電力、及び消灯しているバックライトのインバータ制御のための電力が必要になる課題がある。特にインフォメーション用など大型の表示装置においては、これらの消費電力は非常用電源の駆動時間を短縮する要因となり得る。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、非常用電源の駆動時間を大幅に伸ばすことが可能な表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、図1に示すように、常時には商用電源ACからの給電により機能し、非常時には非常用電源Vdcからの給電により機能する表示装置であって、商用電源ACの停電を検出する停電検出手段5を備え、前記停電検出手段5からの停電検出信号を受けて、全表示画面のうち一部の領域のみを表示するように切替える手段(Q1,Q2,D1)を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、図1に示すように、前記非常用電源Vdcはバッテリーであって、前記商用電源ACと前記バッテリーとを前記停電検出手段5からの検出信号を受けて切替えることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、図8に示すように、外部から非常信号を受信する非常信号受信部25を備え、前記停電検出手段5にて停電を検出し、且つ前記非常信号受信部25にて非常信号を受信した場合に、前記表示画面の一部の領域に非常信号の情報に対応した表示(図9参照)を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3の発明において、図11に示すように、前記停電検出手段5bは、前記非常用電源(予備電源装置7b)からの信号を受けて停電を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜4の発明において、図1に示すように、複数の光源La1〜La3からなるバックライトBLを備えた表示装置であって、前記複数の光源La1〜La3は、前記表示画面の一部の領域のみを照射する第一の光源グループLa3とそれ以外の領域を照射する第二の光源グループLa1,La2に分けられ、前記光源グループLa1〜La3は各々に点灯回路1〜3を備え、前記停電検出手段5にて停電を検出した場合には、図3に示すように、前記第一の光源グループLa3の点灯回路3のみが前記非常用電源Vdcからの給電を受けて前記第一の光源グループLa3を点灯させることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、図4に示すように、液晶パネル20と、前記複数の光源La1〜La3のうち第一の光源グループLa3が照射する領域の液晶パネルを駆動する第一の液晶パネルドライバ24と、第二の光源グループLa1,La2が照射する領域の液晶パネルを駆動する第二の液晶パネルドライバ23とを備え、前記停電検出手段5にて停電を検出した場合には、前記第一の液晶パネルドライバ24のみが前記非常用電源Vdcからの給電を受けて動作することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項5又は6の発明において、前記停電検出手段5にて停電を検出した場合には、前記第一の光源グループLa3は、臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯することを特徴とする。ここで、臨界フリッカ周波数とは、人間が点滅を感知できなくなる限界の周波数のことである。
【0015】
請求項8の発明は、請求項5〜7の発明において、前記バックライトの光源は放電灯または発光ダイオードであり、それらを用いて構成される直下方式のバックライトユニット(図2)を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項5〜7の発明において、前記バックライトの光源は放電灯または発光ダイオードであり、それらを用いて構成されるサイドライト方式のバックライトユニット(図5)を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の表示装置は、停電検出手段にて停電を検出し、非常用電源からの給電によって動作する場合に、全表示画面のうち一部の領域のみを表示するように切り替えるので、全表示画面に表示を行う場合に比べると、大幅に消費電力を低減できる。したがって、非常時の限られた電源である非常用電源による表示装置の駆動時間を大幅に伸ばすことが可能であり、非常用電源の小型化を実現できる。また、通常時にはテレビ、広告、宣伝用のディスプレーとして利用されている各種の表示装置を、非常時の照明、誘導灯として利用できる。
【0018】
請求項2の表示装置は、停電検出手段からの停電検出信号を受けて、商用電源と非常用電源であるバッテリーとを切替えるので、非常時に電源の切替えをスムーズに行うことができる。
【0019】
請求項3の表示装置は、停電検出手段にて停電を検出し、且つ非常信号受信部にて非常信号を受信した場合には、全表示画面のうち一部の表示領域に非常信号の情報に対応した表示を行うので、非常時の混乱、不安を解消すると共に、停電の原因、避難経路など非常時の有益情報を提供することができる。
【0020】
請求項4の表示装置は、外部の非常用電源から信号を受けて、非常用電源が動作しているか否かを判別することで、容易に停電、非停電を判別することができる。
【0021】
請求項5の表示装置は、非常時において、第二の光源グループの点灯装置は給電を受けないので、消灯のための制御に費やす電力を削減できる。
【0022】
請求項6の表示装置は、非常時において、第二の液晶パネルドライバは給電を受けないので、第二の液晶パネルドライバ及び第二の液晶パネルドライバが駆動する液晶パネルで消費される電力を削減できる。
【0023】
請求項7の表示装置は、第一の光源グループを人間が点滅を感じることができる臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯するので、全表示画面のうち一部の表示領域に表示される表示内容を人間が気づきやすくすることができる。
【0024】
請求項8の表示装置は、直下方式のバックライトユニットを備えているので、バックライトからの光の取り出し効率が高い。
【0025】
請求項9の表示装置は、サイドライト方式のバックライトを備えているので、少数のバックライトで表示装置を構成することができ、低コストである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(実施形態1)
本発明に係る表示装置の実施形態について、液晶表示装置の例を用いて説明する。
【0027】
まず、本実施形態の液晶表示装置の構成を図2を用いて簡単に説明する。本液晶表示装置は、液晶表示装置のバックライトBLであるコ字形の放電灯La1〜La3と、前記放電灯La1〜La3を収納し、例えば金属からなる前面が開放された収納ケース11と、前記収納ケース11の開放側の底面に配される反射板12と、前記収納ケース11の開放面に設置され、前記放電灯La1〜La3から放出される光を平均化された平行光として液晶パネル20に供給するための光学シート類13と、前記光学シート類13から放出される光束をバックライトとして利用し、映像を表示する液晶パネル20から構成される直下照明方式の液晶表示装置である。ここで、前記光学シート類13は、例えば裏側から順に、拡散板13a、拡散シート13b、レンズシート13cを積層してなる。また、前記放電灯La1〜La3の点灯装置、及び前記液晶パネル20のドライバについては不図示であるが、それらは一般的に前記収納ケース11の裏側、もしくは側面側に配置される。
【0028】
本実施形態の液晶表示装置においては、一例として前記のようにコ字管の放電灯La1〜La3でバックライトを構成しているが、一般的にインフォメーション用のディスプレーは40インチを超える大型のものが主流であり、実際には40インチの液晶表示装置では直管の冷陰極ランプ16本前後でバックライトが構成されている。なお、冷陰極ランプ1本辺りの消費電力は、冷陰極ランプの管径や封入ガスにも依存するが、10W前後である。
【0029】
次に、本実施形態の液晶表示装置のシステム構成について、図1を用いて説明する。本液晶表示装置のシステムは、商用電源ACの交流電圧を全波整流するダイオードブリッジDBと、前記ダイオードブリッジDBの両端に接続され全波整流された脈流電圧をリップルの少ない直流電圧に平滑する電解コンデンサC1と、前記電解コンデンサC1の両端に接続され例えば前記直流電圧を降圧するチョッパー回路4と、前記チョッパー回路4の出力電圧を入力電圧とし、放電灯La1〜La3を点灯させる点灯回路1〜3と、液晶パネル20を駆動する液晶パネルドライバ21と、外部からの映像信号に基づいた映像を液晶パネル20に表示するために前記液晶パネルドライバ21を制御する映像処理回路22とから構成されている。また、前記チョッパー回路4の出力端には、前記チョッパー回路4から前記点灯回路1〜3、前記液晶パネルドライバ21及び前記映像処理回路22への電源電圧の供給と遮断を切替える切替手段Q2が設けられている。
【0030】
また、商用電源ACに接続される非常用電源充電器6によって充電される非常用電源Vdcの出力端には、前記点灯回路3、前記液晶パネルドライバ21、及び前記映像処理回路22への非常用電源Vdcからの電源電圧の供給と遮断を切替える切替手段Q1が設けられている。なお、前記チョッパー回路4から前記点灯回路3への電源供給ラインにダイオードD1が設けられているため、非常用電源Vdcから前記点灯回路1及び点灯回路2への電源供給は行われない。さらに、本液晶表示装置には、前記電解コンデンサC1の電圧を監視し停電を検出する停電検出手段5が設けられている。前記非常用電源充電器6及び非常用電源Vdcは液晶表示装置に内蔵されていてもよいし、液晶表示装置の外部に設置されていてもよい。
【0031】
続いて、本実施形態の液晶表示装置の動作について、図1、図3(A)〜(D)を用いて説明する。本液晶表示装置のシステムは常時と非常時で動作が異なるものであり、ここでの非常時とは少なくとも停電を伴っている状態である。
【0032】
まず、図1を参照して、常時における本液晶表示装置のシステム動作について説明すると、停電検出手段5は、停電を検出していない状態(常時と判定している状態)であり、切替手段Q2はオン、切替手段Q1はオフに制御されている。つまり、常時においては、点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ21、及び映像処理回路22の電源電圧は、チョッパー回路4から供給されることになる。また、常時において、液晶パネル20には外部からの映像信号に基づいた映像が表示されている。さらに、商用電源ACに接続される非常用電源充電器6によって非常用電源Vdcが充電される。
【0033】
次に、非常時における本液晶表示装置の動作について説明する。停電検出手段5は、電解コンデンサC1の電圧が低下したことを検出することにより停電を検出し、切替手段Q2をオフすると共に切替手段Q1をオンする。つまり、非常時においては、チョッパー回路4から点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ21、及び映像処理回路22への電源供給ラインを切替手段Q2をオフすることにより遮断し、代わって切替手段Q1をオンすることにより非常用電源充電器6によって充電されていた非常用電源Vdcから放電灯La3を点灯するための点灯回路3、液晶パネルドライバ21、及び映像処理回路22へ電源電圧が供給される。この時、ダイオードD1の作用により、非常用電源Vdcから点灯回路1及び点灯回路2へは電源電圧は供給されない。
【0034】
従って、停電検出手段5にて停電を検出した非常時においては、点灯回路1〜3のうち、点灯回路3のみが非常用電源Vdcからの電源供給を受けて、図3(A)に示すバックライトのうち放電灯La3のみが点灯することになるので、本液晶表示装置の表示領域は図3(B)に示すように、全表示領域のうち、直下に放電灯La3が配置されている表示領域のみとなる。全表示領域のうち、直下に放電灯La1、La2が配置されている表示領域は、非表示領域となる。
【0035】
また、映像処理回路22は、停電検出手段5からの停電検出信号を受けて、液晶パネル(全表示領域)のうち、放電灯La3が照射可能な領域に、外部の映像信号に基づいた表示から、非常用の表示に切替えるように液晶パネルドライバ21を制御する。例えば、図3(B)のように表示領域に白色画面を表示して、その光束を非常照明用として利用したり、また、図3(C)のように表示領域に「停電中」などの文字表示をしたり、図3(D)のように表示領域に誘導情報を表示するように制御される。
【0036】
以上のように、本実施形態の液晶表示装置は、常時においては商用電源ACからの給電により機能し、非常時においては商用電源ACから非常用電源Vdcへ切替えて給電を行い、且つバックライトBLの一部のみを点灯することにより全表示画面のうち一部を表示領域とするものである。
【0037】
次に本実施形態の効果について説明する。まず、本実施形態の表示装置は、通常、テレビ、広告、宣伝用のディスプレーとして利用されている表示装置を、非常時の照明、誘導灯として利用できる。さらに、非常時においては、停電検出手段5にて停電を検出し、商用電源ACから非常用電源Vdcへ給電手段が切替わるように切替手段Q2をオフすると共に切替手段Q1をオンし、さらにはダイオードD1の作用により、バックライトBLのうち放電灯La3のみが点灯するように動作するので、全表示画面のうち、直下に放電灯La3が配された液晶パネル20の領域のみが表示領域となり、全表示画面で表示を行う場合に比べて大幅に消費電力を低減でき、非常時の限られた電源である非常用電源Vdcによる表示装置の駆動時間を大幅に伸ばすことが可能である。
【0038】
(実施形態2)
本実施形態の液晶表示装置の構成は、実施形態1の図2と同様であるので説明を省略する。
【0039】
次に本実施形態の液晶表示装置のシステム構成を図4に示す。本液晶表示装置のシステムは、商用電源ACの交流電圧を全波整流するダイオードブリッジDBと、前記ダイオードブリッジDBの両端に接続され、全波整流された脈流電圧をリップルの少ない直流電圧に平滑する電解コンデンサC1と、前記電解コンデンサC1の両端に接続され例えば前記直流電圧を降圧するチョッパー回路4と、前記チョッパー回路4の出力電圧を入力電圧とし、放電灯La1〜La3を点灯させる点灯回路1〜3と、液晶パネル20を駆動する液晶パネルドライバ23、24と、外部からの映像信号に基づいた映像を液晶パネル20に表示するために前記液晶パネルドライバ23、24を制御する映像処理回路22とから構成されている。ここで、液晶パネルドライバ23は放電灯La1,La2の前方に配される液晶パネル領域を駆動するための液晶パネルドライバであり、液晶パネルドライバ24は放電灯La3の前方に配される液晶パネル領域を駆動するための液晶パネルドライバである。
【0040】
また、前記チョッパー回路4の出力端には、前記チョッパー回路4から前記点灯回路1〜3、前記液晶パネルドライバ23、24及び前記映像処理回路22への電源電圧の供給と遮断を切替える切替手段Q2が設けられている。
【0041】
一方、商用電源ACに接続される非常用電源充電器6によって充電される非常用電源Vdcの出力端には、前記点灯回路3、液晶パネルドライバ24、及び映像処理回路22への非常用電源Vdcからの電源電圧の供給と遮断を切替える切替手段Q1が設けられている。なお、チョッパー回路4から点灯回路3への電源供給ラインにダイオードD1が設けられているため、非常用電源Vdcから点灯回路1、点灯回路2、及び液晶パネルドライバ23への電源供給は行われない。さらに、本液晶表示装置には、前記電解コンデンサC1の電圧を監視し停電を検出する停電検出手段5が設けられている。
【0042】
続いて、本実施形態の液晶表示装置の動作について、図4、図3(A),(B)を用いて説明する。まず、図4を参照して、常時における本液晶表示装置のシステム動作について説明すると、停電検出手段5は、停電を検出していない状態(常時と判定している状態)であり、切替手段Q2はオン、切替手段Q1はオフに制御されている。つまり、常時においては、点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、24、及び映像処理回路22の電源電圧は、チョッパー回路4から供給されることになる。また、常時において、液晶パネル20には外部からの映像信号に基づいた映像が表示されている。さらに、商用電源ACに接続される非常用電源充電器6によって非常用電源Vdcが充電される。
【0043】
次に、非常時における本液晶表示装置の動作について説明すると、停電検出手段5は、電解コンデンサC1の電圧が低下したことを検出することにより停電を検出し、切替手段Q2をオフすると共に切替手段Q1をオンする。つまり、非常時においては、チョッパー回路4から点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、24、及び映像処理回路22への電源供給ラインを切替手段Q2をオフすることにより遮断し、代わって切替手段Q1をオンすることにより非常用電源充電器6によって充電されていた非常用電源Vdcから放電灯La3を点灯するための点灯回路3、液晶パネルドライバ24、及び映像処理回路22へ電源電圧が供給される。この時、ダイオードD1の作用により、非常用電源Vdcから点灯回路1、点灯回路2、及び液晶パネルドライバ23へは電源電圧は供給されない。
【0044】
従って、停電検出手段5にて停電を検出した非常時においては、非常用電源Vdcからの電源供給を受けて、図3(A)に示すバックライトのうち放電灯La3のみが点灯することになる。また、本液晶表示装置の表示領域は図3(B)に示すように、全表示領域のうち、直下に放電灯La3が配置され、さらに液晶パネルドライバ24が駆動する液晶パネルの領域のみとなる。全表示領域のうち、直下に放電灯La1、La2がバックライトとして配置され、さらに液晶パネルドライバ23が駆動する液晶パネル20の領域は非表示領域となる。また、映像処理回路22は、停電検出手段5からの停電検出信号を受けて、外部の映像信号に基づいた表示から、例えば表示領域に白色画面を表示するように液晶パネルドライバ24を制御する。但し、非常時の表示については前記白色画面に限ったものではなく、図3(C),(D)のような表示としても良い。
【0045】
以上のように、本実施形態の液晶表示装置は、非常時に消灯する放電灯La1及びLa2が直下に配された液晶パネル領域を駆動する液晶パネルドライバ23と、非常時に点灯する放電灯La3が直下に配された液晶パネル領域を駆動する液晶パネルドライバ24とを別々に設けた構成である。そして、非常時において、液晶パネルドライバ23、24のうち、放電灯La3が直下に配された液晶パネル領域を駆動する液晶パネルドライバ24のみが非常用電源Vdcから給電を受け、放電灯La1及びLa2が直下に配された液晶パネル領域を駆動する液晶パネルドライバ23は給電を受けない。つまり、放電灯La1及びLa2が消灯している場合に、液晶パネルドライバ23も併せて停止させることで、液晶パネルドライバ23での消費電力、及び液晶パネルドライバ23が駆動する液晶パネル20での消費電力を削減できる。
【0046】
(実施形態3)
本実施形態の液晶表示装置の構成を、図5を用いて説明する。本液晶表示装置は、例えば金属からなり、前面が開放された収納ケース(不図示)と、前記収納ケースの開放側の底面に配される反射板12と、例えばアクリルからなり前記反射板12の上に配され前記収納ケースに収納される導光板14と、前記導光板14の側面側に配されるバックライトBLである発光ダイオードLED1〜LED6と、前記発光ダイオードLED1〜LED6が実装され前記収納ケースに収納される実装基板15と、前記導光板14の前面に配される光学シート類13と、前記光学シート類13の前面に配される液晶パネル20から構成されるサイドライト方式の液晶表示装置である。前記導光板14は、前記発光ダイオードLED1〜LED6から導光板14内に導かれた光を全反射を利用して前面の全体が均一に光るように機能する。また、前記反射板12は前記導光板14の裏面に漏れた光を導光板14の前面に反射するように機能するものである。発光ダイオードLED1〜LED6の点灯装置、及び液晶パネル20のドライバについては不図示であるが、それらは一般的に前記収納ケースの裏側、もしくは側面側に配置されることが一般的である。
【0047】
次に、本実施形態の液晶表示装置のシステム構成を図6に示す。本液晶表示装置のシステムは、点灯回路1〜3の負荷が発光ダイオードであり、直列接続された発光ダイオードLED1とLED2、発光ダイオードLED3とLED4、発光ダイオードLED5とLED6をそれぞれ点灯回路1、点灯回路2、点灯回路3で点灯するが、その他は実施形態2のシステム構成図である図4と同様であるので、システム構成及び動作説明は省略する。
【0048】
本液晶表示装置において、停電検出手段5にて停電を検出した非常時における動作を説明すると、非常用電源Vdcからの電源供給を受けて、図7(A)に示すバックライトのうち、発光ダイオードLED5とLED6のみが点灯することになる。また、本液晶表示装置の表示領域は図7(B)に示すように全表示領域のうち、サイドライトに発光ダイオードLED5とLED6が配された液晶パネル領域であり、その領域の液晶パネルは非常用電源Vdcからの電源供給を受ける液晶パネルドライバ24によって駆動される。
【0049】
次に本実施形態の効果について説明する。本実施形態は、サイドライト方式の液晶表示装置であるので、バックライトが少数で低コストな構成を実現できる。
【0050】
(実施形態4)
本実施形態の液晶表示装置のシステム構成図を図8に示す。本液晶表示装置のシステム構成は実施形態2のシステム構成を示す図4に加えて、外部からの非常信号を受信するための非常信号受信部25が搭載されている。ここで、外部からの非常信号とは、具体的には大地震、火災などの災害を知らせるための信号である。
【0051】
まず、図8を参照して、常時における本液晶表示装置の動作について説明すると、停電検出手段5は、停電を検出していない状態(常時と判定している状態)であり、切替手段Q2はオン、切替手段Q1はオフに制御されている。つまり、常時においては、点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、液晶パネルドライバ24、及び映像処理回路22の電源電圧は、チョッパー回路4から供給されることになる。また、常時において、液晶パネル20には外部からの映像信号に基づいた映像が表示されるが、停電を伴っていない状態で外部からの非常信号を受信した場合には、映像処理回路22は非常信号受信部25からの非常信号を受けて、表示映像を映像信号に基づいた表示から非常信号の内容に対応した表示に切り替えて、全画面に表示する。
【0052】
次に、非常時における本液晶表示装置の動作について説明すると、停電検出手段5は、電解コンデンサC1の電圧が低下したことを検出することにより停電を検出し、切替手段Q2をオフすると共に切替手段Q1をオンする。つまり、非常時においては、チョッパー回路4から点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、24、及び映像処理回路22への電源供給ラインを切替手段Q2をオフすることにより遮断し、代わって切替手段Q1をオンすることにより非常用電源充電器6によって充電されていた非常用電源Vdcから放電灯La3を点灯するための点灯回路3、液晶パネルドライバ24、及び映像処理回路22へ電源電圧が供給される。この時、ダイオードD1の作用により、非常用電源Vdcから点灯回路1、点灯回路2及び液晶パネルドライバ23へは電源電圧は供給されない。
【0053】
従って、停電検出手段5にて停電を検出した非常時においては、非常用電源Vdcからの電源供給を受けて、図3(A)に示すバックライトのうち放電灯La3のみが点灯する。また、本液晶表示装置の表示領域は図3(B)に示すように、全表示領域のうち、直下に放電灯La3が配置され、さらに液晶パネルドライバ24が駆動する液晶パネル20の領域のみとなる。全表示領域のうち、直下に放電灯La1、La2がバックライトとして配置され、さらに液晶パネルドライバ23が駆動する液晶パネル20の領域は非表示領域となる。
【0054】
さらに、本実施形態の液晶表示装置のシステムにおいては、停電検出手段5にて停電を検出した状態で、且つ非常信号受信部25にて外部から非常信号を受信した場合は、映像処理回路22が非常信号受信部25からの非常信号を受けて、表示領域に、図9(A)、(B)に示すような非常信号の内容に対応した情報を表示する。図9(A)は地震発生時、図9(B)は火災発生時における表示内容の例を示している。
【0055】
ここで、図9(A)、(B)に示すような非常信号に応じた表示を行う際に、前記表示内容を人間が気づき易くするために、放電灯La3が点灯回路3によって臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯されるように制御すると良い。臨界フリッカ周波数とは、人間が点滅を感知できなくなる限界の周波数のことである。具体的には点滅点灯の周期を30(ms)以上の周期とすることが望ましい。また、図8には不図示であるが、例えば点灯回路3に入力される調光用のPWM信号の周期を前記臨界フリッカ周波数の周期以上に設定することで、点滅点灯は容易に実現できる。
【0056】
以上のように、本実施形態の液晶表示装置は、常時においては商用電源ACからの給電により機能し、非常時においては商用電源ACから非常用電源Vdcへ切替えて給電を行い、さらに停電を検出し且つ外部からの非常信号を受信した状態においては、全表示画面のうち一部の表示領域に非常信号の情報に対応した表示を行うものであるから、非常時の混乱、不安を解消すると共に、停電の原因、避難経路など非常時の有益情報を提供することができる。また、非常時において、バックライトを臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯するので、前記非常信号の情報に対応した表示を人間が気づき易いという利点がある。
【0057】
(実施形態5)
本実施形態の液晶表示装置のシステム構成図を図10に示す。本実施形態の液晶表示装置は、停電を伴う非常時において、商用電源ラインに設けられた予備電源装置7aからの電源供給によって動作する。予備電源装置7aとは、具体的には無停電電源(UPS電源)であり、無停電電源には交流のものと直流のものがあるが、本実施形態においては、直流のものを想定する。また、予備電源装置7aは液晶表示装置の外部に設けられており、停電発生時に非常用電源として商用電源ACに替わって液晶表示装置の入力電源になる。また、図10における点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、24、及び映像処理回路22の機能については、実施形態2と同等であるので説明を割愛する。
【0058】
次に本実施形態の液晶表示装置の動作について図10を用いて説明する。本実施形態の液晶表示装置において、停電検出手段5aは電源ラインに接続され、交流電圧と直流電圧を判別して停電を検出する。
【0059】
ここで、商用電源ACからの交流電圧を検出した状態は常時(停電なし)であり、予備電源装置7aからの直流電圧を検出した状態が非常時(停電)である。停電検出手段5aは常時においては、切替手段Q2をオン、切替手段Q1をオフに制御し、非常時においては、切替手段Q2をオフ、切替手段Q1をオンに制御すると共に映像処理回路22に非常信号を入力する。常時においては、商用電源ACを入力電源とし、前記制御によって、チョッパー回路4の出力電圧が切替手段Q2を介して、点灯回路1〜3と、液晶パネルドライバ23、24と、映像処理回路22に供給される。また、非常時においては、予備電源装置7aを入力電源とし、前記停電検出手段5aの制御により、チョッパー回路4の出力電圧が切替手段Q1を介して、点灯回路3と、液晶パネルドライバ24と、映像処理回路22に供給される。ここで、ダイオードD1の作用により、点灯回路1,2と、液晶パネルドライバ23には、チョッパー回路4からの出力電圧は供給されない。
【0060】
つまり、本実施形態の液晶表示装置は、非常時においては、商用電源ACに替わって予備電源装置7aが入力電源となり、予備電源装置7aに切替ったことを停電検出手段5aにて検出し、またその検出信号を受けて、バックライトBLのうち放電灯La3のみが点灯すると共に、液晶パネルドライバ23、24のうち液晶パネルドライバ24のみが動作するように制御される。従って、本液晶表示装置の表示領域は全表示領域のうち、直下に放電灯La3が配置され、さらに液晶パネルドライバ24が駆動する液晶パネルの領域のみとなる。
【0061】
次に、本実施形態の液晶表示装置の効果について述べると、予備電源装置を入力電源とする非常時において、液晶表示装置の全画面のうち、一部の領域のみが表示領域となるので、消費電力を削減でき、予備電源装置による表示装置の駆動時間を伸ばすことができる。
【0062】
(実施形態6)
本実施形態の液晶表示装置のシステム構成図を図11に示す。前記実施形態5の液晶表示装置における予備電源装置7aは直流電源であったが、本実施形態の液晶表示装置においては予備電源装置7bは交流電源を想定したものである。しかしながら、予備電源装置7bが交流電源である場合、同じく交流電源である商用電源ACとの判別がつかず、前記実施形態5に示すように電源ラインに接続された停電検出手段5aにおいて停電を検出することができない。したがって、本実施形態の液晶表示装置においては、停電検出手段5bで予備電源装置7bからの動作状態を伝える信号を受けて停電を判定するものである。
【0063】
次に、本実施形態の液晶表示装置の効果について説明すると、交流電源である予備電源装置7bを非常時の入力電源とした場合でも、予備電源装置7bからの信号を受けて、停電検出手段5bで停電を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態1の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明の実施形態1の液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1の動作説明図であり、(A)は非常時におけるバックライト動作の説明図、(B)は非常時における表示領域の説明図、(C)と(D)は非常時における表示内容の例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態2の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図5】本発明の実施形態3の液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態3の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図7】本発明の実施形態3の動作説明図であり、(A)は非常時におけるバックライト動作の説明図、(B)は非常時における表示領域の説明図である。
【図8】本発明の実施形態4の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図9】本発明の実施形態4の動作説明図であり、(A)は地震発生時における表示領域の説明図、(B)は火災発生時における表示内容の例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態5の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図11】本発明の実施形態6の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
【0065】
1〜3 点灯回路
5 停電検出手段
AC 商用電源
Vdc 非常用電源
La1〜La3 放電灯
Q1,Q2 切替手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、常時には商用電源で、非常時には非常用電源で動作する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル放送に対応した液晶テレビやプラズマテレビなどの普及が一般家庭を中心に急速に進んでいる。さらに、一般家庭だけでなく、画面サイズが40インチを超える大型のものが駅や空港、ショッピングモールなど公共の施設にインフォメーション用のディスプレーとして普及が進んでいる。インフォメーション用のディスプレーは、主に広告や宣伝を表示するものであるが、デジタル放送信号を受信してテレビとして機能させることもできる。また、インフォメーション用のディスプレーは、主に多くの人が集まる公共の場に設置されるため、非常時における混乱や不安を解消するために、非常時の照明、誘導灯としての機能も担うことが望まれる。
【0003】
通常、インフォメーション用のディスプレーは、商用電源からの給電によって動作しているが、非常時においても機能させるためには非常用電源からの給電により動作させる必要がある。非常用電源はバッテリーが一般的であり、内蔵方式や別置方式がある。また、一部では外部に無停電電源を備えている場合や、発電システムを備えている場合もある。いずれにせよ、非常時の限られた電源である非常用電源を使用し、非常時における照明機能、誘導灯としての機能をなるべく長時間継続させるためには、消費電力を極力抑えて駆動時間を大幅に伸ばすことが課題となる。また、非常時の消費電力を抑えることは非常用電源の小型化に繋がる。
【0004】
前記のような課題を解決するために、非常用に使用されるものではないが、バッテリーでの駆動時間を伸ばすことができる表示装置が特許文献1(特開2005−210707号公報)に開示されている。特許文献1の表示装置は、放送内容検出部と、前記放送内容検出部で検出したCM情報に基づいてバックライト輝度、液晶駆動の空間解像度、または時間解像度の少なくともいずれか一つを制御する表示制御部とを備え、前記表示制御部はCM情報に基づいてバックライトの輝度、または液晶パネルの液晶駆動を制御して消費電力を低減し、バッテリーの駆動時間を伸ばすものである。特許文献1の実施形態としては、CM時に表示画面を小画面表示にし、小画面に合わせたバックライトの部分点灯を併用することにより消費電力を低減する形態が開示されている。
【特許文献1】特開2005−210707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の表示装置は、バックライトが部分点灯することで省電力効果を生み出しているが、液晶パネルを一つの液晶駆動回路で駆動しているため、液晶パネルは全体として動作することになり、映像を表示しない箇所でも黒表示が出るように液晶駆動回路によって制御されている。したがって、特許文献1の表示装置は、映像を表示しない箇所においても液晶パネルを駆動する必要があり、その分の消費電力が必要になる。また、特許文献1のバックライトは、インバータへ入力されるPWM信号により調光制御されている。例えば、バックライトを消灯する場合も、PWM信号としてDuty:0%の信号をインバータに入力して消灯制御を行う必要がある。つまり、特許文献1の表示装置は、放電ランプを消灯する場合でも、インバータの制御部においては、消灯制御のための制御電力を必要とする。
【0006】
以上のように、特許文献1の表示装置においては、映像を表示しない箇所の液晶パネルを駆動するための電力、及び消灯しているバックライトのインバータ制御のための電力が必要になる課題がある。特にインフォメーション用など大型の表示装置においては、これらの消費電力は非常用電源の駆動時間を短縮する要因となり得る。
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、非常用電源の駆動時間を大幅に伸ばすことが可能な表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、図1に示すように、常時には商用電源ACからの給電により機能し、非常時には非常用電源Vdcからの給電により機能する表示装置であって、商用電源ACの停電を検出する停電検出手段5を備え、前記停電検出手段5からの停電検出信号を受けて、全表示画面のうち一部の領域のみを表示するように切替える手段(Q1,Q2,D1)を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、図1に示すように、前記非常用電源Vdcはバッテリーであって、前記商用電源ACと前記バッテリーとを前記停電検出手段5からの検出信号を受けて切替えることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、図8に示すように、外部から非常信号を受信する非常信号受信部25を備え、前記停電検出手段5にて停電を検出し、且つ前記非常信号受信部25にて非常信号を受信した場合に、前記表示画面の一部の領域に非常信号の情報に対応した表示(図9参照)を行うことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3の発明において、図11に示すように、前記停電検出手段5bは、前記非常用電源(予備電源装置7b)からの信号を受けて停電を検出することを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜4の発明において、図1に示すように、複数の光源La1〜La3からなるバックライトBLを備えた表示装置であって、前記複数の光源La1〜La3は、前記表示画面の一部の領域のみを照射する第一の光源グループLa3とそれ以外の領域を照射する第二の光源グループLa1,La2に分けられ、前記光源グループLa1〜La3は各々に点灯回路1〜3を備え、前記停電検出手段5にて停電を検出した場合には、図3に示すように、前記第一の光源グループLa3の点灯回路3のみが前記非常用電源Vdcからの給電を受けて前記第一の光源グループLa3を点灯させることを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、図4に示すように、液晶パネル20と、前記複数の光源La1〜La3のうち第一の光源グループLa3が照射する領域の液晶パネルを駆動する第一の液晶パネルドライバ24と、第二の光源グループLa1,La2が照射する領域の液晶パネルを駆動する第二の液晶パネルドライバ23とを備え、前記停電検出手段5にて停電を検出した場合には、前記第一の液晶パネルドライバ24のみが前記非常用電源Vdcからの給電を受けて動作することを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明は、請求項5又は6の発明において、前記停電検出手段5にて停電を検出した場合には、前記第一の光源グループLa3は、臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯することを特徴とする。ここで、臨界フリッカ周波数とは、人間が点滅を感知できなくなる限界の周波数のことである。
【0015】
請求項8の発明は、請求項5〜7の発明において、前記バックライトの光源は放電灯または発光ダイオードであり、それらを用いて構成される直下方式のバックライトユニット(図2)を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明は、請求項5〜7の発明において、前記バックライトの光源は放電灯または発光ダイオードであり、それらを用いて構成されるサイドライト方式のバックライトユニット(図5)を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の表示装置は、停電検出手段にて停電を検出し、非常用電源からの給電によって動作する場合に、全表示画面のうち一部の領域のみを表示するように切り替えるので、全表示画面に表示を行う場合に比べると、大幅に消費電力を低減できる。したがって、非常時の限られた電源である非常用電源による表示装置の駆動時間を大幅に伸ばすことが可能であり、非常用電源の小型化を実現できる。また、通常時にはテレビ、広告、宣伝用のディスプレーとして利用されている各種の表示装置を、非常時の照明、誘導灯として利用できる。
【0018】
請求項2の表示装置は、停電検出手段からの停電検出信号を受けて、商用電源と非常用電源であるバッテリーとを切替えるので、非常時に電源の切替えをスムーズに行うことができる。
【0019】
請求項3の表示装置は、停電検出手段にて停電を検出し、且つ非常信号受信部にて非常信号を受信した場合には、全表示画面のうち一部の表示領域に非常信号の情報に対応した表示を行うので、非常時の混乱、不安を解消すると共に、停電の原因、避難経路など非常時の有益情報を提供することができる。
【0020】
請求項4の表示装置は、外部の非常用電源から信号を受けて、非常用電源が動作しているか否かを判別することで、容易に停電、非停電を判別することができる。
【0021】
請求項5の表示装置は、非常時において、第二の光源グループの点灯装置は給電を受けないので、消灯のための制御に費やす電力を削減できる。
【0022】
請求項6の表示装置は、非常時において、第二の液晶パネルドライバは給電を受けないので、第二の液晶パネルドライバ及び第二の液晶パネルドライバが駆動する液晶パネルで消費される電力を削減できる。
【0023】
請求項7の表示装置は、第一の光源グループを人間が点滅を感じることができる臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯するので、全表示画面のうち一部の表示領域に表示される表示内容を人間が気づきやすくすることができる。
【0024】
請求項8の表示装置は、直下方式のバックライトユニットを備えているので、バックライトからの光の取り出し効率が高い。
【0025】
請求項9の表示装置は、サイドライト方式のバックライトを備えているので、少数のバックライトで表示装置を構成することができ、低コストである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(実施形態1)
本発明に係る表示装置の実施形態について、液晶表示装置の例を用いて説明する。
【0027】
まず、本実施形態の液晶表示装置の構成を図2を用いて簡単に説明する。本液晶表示装置は、液晶表示装置のバックライトBLであるコ字形の放電灯La1〜La3と、前記放電灯La1〜La3を収納し、例えば金属からなる前面が開放された収納ケース11と、前記収納ケース11の開放側の底面に配される反射板12と、前記収納ケース11の開放面に設置され、前記放電灯La1〜La3から放出される光を平均化された平行光として液晶パネル20に供給するための光学シート類13と、前記光学シート類13から放出される光束をバックライトとして利用し、映像を表示する液晶パネル20から構成される直下照明方式の液晶表示装置である。ここで、前記光学シート類13は、例えば裏側から順に、拡散板13a、拡散シート13b、レンズシート13cを積層してなる。また、前記放電灯La1〜La3の点灯装置、及び前記液晶パネル20のドライバについては不図示であるが、それらは一般的に前記収納ケース11の裏側、もしくは側面側に配置される。
【0028】
本実施形態の液晶表示装置においては、一例として前記のようにコ字管の放電灯La1〜La3でバックライトを構成しているが、一般的にインフォメーション用のディスプレーは40インチを超える大型のものが主流であり、実際には40インチの液晶表示装置では直管の冷陰極ランプ16本前後でバックライトが構成されている。なお、冷陰極ランプ1本辺りの消費電力は、冷陰極ランプの管径や封入ガスにも依存するが、10W前後である。
【0029】
次に、本実施形態の液晶表示装置のシステム構成について、図1を用いて説明する。本液晶表示装置のシステムは、商用電源ACの交流電圧を全波整流するダイオードブリッジDBと、前記ダイオードブリッジDBの両端に接続され全波整流された脈流電圧をリップルの少ない直流電圧に平滑する電解コンデンサC1と、前記電解コンデンサC1の両端に接続され例えば前記直流電圧を降圧するチョッパー回路4と、前記チョッパー回路4の出力電圧を入力電圧とし、放電灯La1〜La3を点灯させる点灯回路1〜3と、液晶パネル20を駆動する液晶パネルドライバ21と、外部からの映像信号に基づいた映像を液晶パネル20に表示するために前記液晶パネルドライバ21を制御する映像処理回路22とから構成されている。また、前記チョッパー回路4の出力端には、前記チョッパー回路4から前記点灯回路1〜3、前記液晶パネルドライバ21及び前記映像処理回路22への電源電圧の供給と遮断を切替える切替手段Q2が設けられている。
【0030】
また、商用電源ACに接続される非常用電源充電器6によって充電される非常用電源Vdcの出力端には、前記点灯回路3、前記液晶パネルドライバ21、及び前記映像処理回路22への非常用電源Vdcからの電源電圧の供給と遮断を切替える切替手段Q1が設けられている。なお、前記チョッパー回路4から前記点灯回路3への電源供給ラインにダイオードD1が設けられているため、非常用電源Vdcから前記点灯回路1及び点灯回路2への電源供給は行われない。さらに、本液晶表示装置には、前記電解コンデンサC1の電圧を監視し停電を検出する停電検出手段5が設けられている。前記非常用電源充電器6及び非常用電源Vdcは液晶表示装置に内蔵されていてもよいし、液晶表示装置の外部に設置されていてもよい。
【0031】
続いて、本実施形態の液晶表示装置の動作について、図1、図3(A)〜(D)を用いて説明する。本液晶表示装置のシステムは常時と非常時で動作が異なるものであり、ここでの非常時とは少なくとも停電を伴っている状態である。
【0032】
まず、図1を参照して、常時における本液晶表示装置のシステム動作について説明すると、停電検出手段5は、停電を検出していない状態(常時と判定している状態)であり、切替手段Q2はオン、切替手段Q1はオフに制御されている。つまり、常時においては、点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ21、及び映像処理回路22の電源電圧は、チョッパー回路4から供給されることになる。また、常時において、液晶パネル20には外部からの映像信号に基づいた映像が表示されている。さらに、商用電源ACに接続される非常用電源充電器6によって非常用電源Vdcが充電される。
【0033】
次に、非常時における本液晶表示装置の動作について説明する。停電検出手段5は、電解コンデンサC1の電圧が低下したことを検出することにより停電を検出し、切替手段Q2をオフすると共に切替手段Q1をオンする。つまり、非常時においては、チョッパー回路4から点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ21、及び映像処理回路22への電源供給ラインを切替手段Q2をオフすることにより遮断し、代わって切替手段Q1をオンすることにより非常用電源充電器6によって充電されていた非常用電源Vdcから放電灯La3を点灯するための点灯回路3、液晶パネルドライバ21、及び映像処理回路22へ電源電圧が供給される。この時、ダイオードD1の作用により、非常用電源Vdcから点灯回路1及び点灯回路2へは電源電圧は供給されない。
【0034】
従って、停電検出手段5にて停電を検出した非常時においては、点灯回路1〜3のうち、点灯回路3のみが非常用電源Vdcからの電源供給を受けて、図3(A)に示すバックライトのうち放電灯La3のみが点灯することになるので、本液晶表示装置の表示領域は図3(B)に示すように、全表示領域のうち、直下に放電灯La3が配置されている表示領域のみとなる。全表示領域のうち、直下に放電灯La1、La2が配置されている表示領域は、非表示領域となる。
【0035】
また、映像処理回路22は、停電検出手段5からの停電検出信号を受けて、液晶パネル(全表示領域)のうち、放電灯La3が照射可能な領域に、外部の映像信号に基づいた表示から、非常用の表示に切替えるように液晶パネルドライバ21を制御する。例えば、図3(B)のように表示領域に白色画面を表示して、その光束を非常照明用として利用したり、また、図3(C)のように表示領域に「停電中」などの文字表示をしたり、図3(D)のように表示領域に誘導情報を表示するように制御される。
【0036】
以上のように、本実施形態の液晶表示装置は、常時においては商用電源ACからの給電により機能し、非常時においては商用電源ACから非常用電源Vdcへ切替えて給電を行い、且つバックライトBLの一部のみを点灯することにより全表示画面のうち一部を表示領域とするものである。
【0037】
次に本実施形態の効果について説明する。まず、本実施形態の表示装置は、通常、テレビ、広告、宣伝用のディスプレーとして利用されている表示装置を、非常時の照明、誘導灯として利用できる。さらに、非常時においては、停電検出手段5にて停電を検出し、商用電源ACから非常用電源Vdcへ給電手段が切替わるように切替手段Q2をオフすると共に切替手段Q1をオンし、さらにはダイオードD1の作用により、バックライトBLのうち放電灯La3のみが点灯するように動作するので、全表示画面のうち、直下に放電灯La3が配された液晶パネル20の領域のみが表示領域となり、全表示画面で表示を行う場合に比べて大幅に消費電力を低減でき、非常時の限られた電源である非常用電源Vdcによる表示装置の駆動時間を大幅に伸ばすことが可能である。
【0038】
(実施形態2)
本実施形態の液晶表示装置の構成は、実施形態1の図2と同様であるので説明を省略する。
【0039】
次に本実施形態の液晶表示装置のシステム構成を図4に示す。本液晶表示装置のシステムは、商用電源ACの交流電圧を全波整流するダイオードブリッジDBと、前記ダイオードブリッジDBの両端に接続され、全波整流された脈流電圧をリップルの少ない直流電圧に平滑する電解コンデンサC1と、前記電解コンデンサC1の両端に接続され例えば前記直流電圧を降圧するチョッパー回路4と、前記チョッパー回路4の出力電圧を入力電圧とし、放電灯La1〜La3を点灯させる点灯回路1〜3と、液晶パネル20を駆動する液晶パネルドライバ23、24と、外部からの映像信号に基づいた映像を液晶パネル20に表示するために前記液晶パネルドライバ23、24を制御する映像処理回路22とから構成されている。ここで、液晶パネルドライバ23は放電灯La1,La2の前方に配される液晶パネル領域を駆動するための液晶パネルドライバであり、液晶パネルドライバ24は放電灯La3の前方に配される液晶パネル領域を駆動するための液晶パネルドライバである。
【0040】
また、前記チョッパー回路4の出力端には、前記チョッパー回路4から前記点灯回路1〜3、前記液晶パネルドライバ23、24及び前記映像処理回路22への電源電圧の供給と遮断を切替える切替手段Q2が設けられている。
【0041】
一方、商用電源ACに接続される非常用電源充電器6によって充電される非常用電源Vdcの出力端には、前記点灯回路3、液晶パネルドライバ24、及び映像処理回路22への非常用電源Vdcからの電源電圧の供給と遮断を切替える切替手段Q1が設けられている。なお、チョッパー回路4から点灯回路3への電源供給ラインにダイオードD1が設けられているため、非常用電源Vdcから点灯回路1、点灯回路2、及び液晶パネルドライバ23への電源供給は行われない。さらに、本液晶表示装置には、前記電解コンデンサC1の電圧を監視し停電を検出する停電検出手段5が設けられている。
【0042】
続いて、本実施形態の液晶表示装置の動作について、図4、図3(A),(B)を用いて説明する。まず、図4を参照して、常時における本液晶表示装置のシステム動作について説明すると、停電検出手段5は、停電を検出していない状態(常時と判定している状態)であり、切替手段Q2はオン、切替手段Q1はオフに制御されている。つまり、常時においては、点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、24、及び映像処理回路22の電源電圧は、チョッパー回路4から供給されることになる。また、常時において、液晶パネル20には外部からの映像信号に基づいた映像が表示されている。さらに、商用電源ACに接続される非常用電源充電器6によって非常用電源Vdcが充電される。
【0043】
次に、非常時における本液晶表示装置の動作について説明すると、停電検出手段5は、電解コンデンサC1の電圧が低下したことを検出することにより停電を検出し、切替手段Q2をオフすると共に切替手段Q1をオンする。つまり、非常時においては、チョッパー回路4から点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、24、及び映像処理回路22への電源供給ラインを切替手段Q2をオフすることにより遮断し、代わって切替手段Q1をオンすることにより非常用電源充電器6によって充電されていた非常用電源Vdcから放電灯La3を点灯するための点灯回路3、液晶パネルドライバ24、及び映像処理回路22へ電源電圧が供給される。この時、ダイオードD1の作用により、非常用電源Vdcから点灯回路1、点灯回路2、及び液晶パネルドライバ23へは電源電圧は供給されない。
【0044】
従って、停電検出手段5にて停電を検出した非常時においては、非常用電源Vdcからの電源供給を受けて、図3(A)に示すバックライトのうち放電灯La3のみが点灯することになる。また、本液晶表示装置の表示領域は図3(B)に示すように、全表示領域のうち、直下に放電灯La3が配置され、さらに液晶パネルドライバ24が駆動する液晶パネルの領域のみとなる。全表示領域のうち、直下に放電灯La1、La2がバックライトとして配置され、さらに液晶パネルドライバ23が駆動する液晶パネル20の領域は非表示領域となる。また、映像処理回路22は、停電検出手段5からの停電検出信号を受けて、外部の映像信号に基づいた表示から、例えば表示領域に白色画面を表示するように液晶パネルドライバ24を制御する。但し、非常時の表示については前記白色画面に限ったものではなく、図3(C),(D)のような表示としても良い。
【0045】
以上のように、本実施形態の液晶表示装置は、非常時に消灯する放電灯La1及びLa2が直下に配された液晶パネル領域を駆動する液晶パネルドライバ23と、非常時に点灯する放電灯La3が直下に配された液晶パネル領域を駆動する液晶パネルドライバ24とを別々に設けた構成である。そして、非常時において、液晶パネルドライバ23、24のうち、放電灯La3が直下に配された液晶パネル領域を駆動する液晶パネルドライバ24のみが非常用電源Vdcから給電を受け、放電灯La1及びLa2が直下に配された液晶パネル領域を駆動する液晶パネルドライバ23は給電を受けない。つまり、放電灯La1及びLa2が消灯している場合に、液晶パネルドライバ23も併せて停止させることで、液晶パネルドライバ23での消費電力、及び液晶パネルドライバ23が駆動する液晶パネル20での消費電力を削減できる。
【0046】
(実施形態3)
本実施形態の液晶表示装置の構成を、図5を用いて説明する。本液晶表示装置は、例えば金属からなり、前面が開放された収納ケース(不図示)と、前記収納ケースの開放側の底面に配される反射板12と、例えばアクリルからなり前記反射板12の上に配され前記収納ケースに収納される導光板14と、前記導光板14の側面側に配されるバックライトBLである発光ダイオードLED1〜LED6と、前記発光ダイオードLED1〜LED6が実装され前記収納ケースに収納される実装基板15と、前記導光板14の前面に配される光学シート類13と、前記光学シート類13の前面に配される液晶パネル20から構成されるサイドライト方式の液晶表示装置である。前記導光板14は、前記発光ダイオードLED1〜LED6から導光板14内に導かれた光を全反射を利用して前面の全体が均一に光るように機能する。また、前記反射板12は前記導光板14の裏面に漏れた光を導光板14の前面に反射するように機能するものである。発光ダイオードLED1〜LED6の点灯装置、及び液晶パネル20のドライバについては不図示であるが、それらは一般的に前記収納ケースの裏側、もしくは側面側に配置されることが一般的である。
【0047】
次に、本実施形態の液晶表示装置のシステム構成を図6に示す。本液晶表示装置のシステムは、点灯回路1〜3の負荷が発光ダイオードであり、直列接続された発光ダイオードLED1とLED2、発光ダイオードLED3とLED4、発光ダイオードLED5とLED6をそれぞれ点灯回路1、点灯回路2、点灯回路3で点灯するが、その他は実施形態2のシステム構成図である図4と同様であるので、システム構成及び動作説明は省略する。
【0048】
本液晶表示装置において、停電検出手段5にて停電を検出した非常時における動作を説明すると、非常用電源Vdcからの電源供給を受けて、図7(A)に示すバックライトのうち、発光ダイオードLED5とLED6のみが点灯することになる。また、本液晶表示装置の表示領域は図7(B)に示すように全表示領域のうち、サイドライトに発光ダイオードLED5とLED6が配された液晶パネル領域であり、その領域の液晶パネルは非常用電源Vdcからの電源供給を受ける液晶パネルドライバ24によって駆動される。
【0049】
次に本実施形態の効果について説明する。本実施形態は、サイドライト方式の液晶表示装置であるので、バックライトが少数で低コストな構成を実現できる。
【0050】
(実施形態4)
本実施形態の液晶表示装置のシステム構成図を図8に示す。本液晶表示装置のシステム構成は実施形態2のシステム構成を示す図4に加えて、外部からの非常信号を受信するための非常信号受信部25が搭載されている。ここで、外部からの非常信号とは、具体的には大地震、火災などの災害を知らせるための信号である。
【0051】
まず、図8を参照して、常時における本液晶表示装置の動作について説明すると、停電検出手段5は、停電を検出していない状態(常時と判定している状態)であり、切替手段Q2はオン、切替手段Q1はオフに制御されている。つまり、常時においては、点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、液晶パネルドライバ24、及び映像処理回路22の電源電圧は、チョッパー回路4から供給されることになる。また、常時において、液晶パネル20には外部からの映像信号に基づいた映像が表示されるが、停電を伴っていない状態で外部からの非常信号を受信した場合には、映像処理回路22は非常信号受信部25からの非常信号を受けて、表示映像を映像信号に基づいた表示から非常信号の内容に対応した表示に切り替えて、全画面に表示する。
【0052】
次に、非常時における本液晶表示装置の動作について説明すると、停電検出手段5は、電解コンデンサC1の電圧が低下したことを検出することにより停電を検出し、切替手段Q2をオフすると共に切替手段Q1をオンする。つまり、非常時においては、チョッパー回路4から点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、24、及び映像処理回路22への電源供給ラインを切替手段Q2をオフすることにより遮断し、代わって切替手段Q1をオンすることにより非常用電源充電器6によって充電されていた非常用電源Vdcから放電灯La3を点灯するための点灯回路3、液晶パネルドライバ24、及び映像処理回路22へ電源電圧が供給される。この時、ダイオードD1の作用により、非常用電源Vdcから点灯回路1、点灯回路2及び液晶パネルドライバ23へは電源電圧は供給されない。
【0053】
従って、停電検出手段5にて停電を検出した非常時においては、非常用電源Vdcからの電源供給を受けて、図3(A)に示すバックライトのうち放電灯La3のみが点灯する。また、本液晶表示装置の表示領域は図3(B)に示すように、全表示領域のうち、直下に放電灯La3が配置され、さらに液晶パネルドライバ24が駆動する液晶パネル20の領域のみとなる。全表示領域のうち、直下に放電灯La1、La2がバックライトとして配置され、さらに液晶パネルドライバ23が駆動する液晶パネル20の領域は非表示領域となる。
【0054】
さらに、本実施形態の液晶表示装置のシステムにおいては、停電検出手段5にて停電を検出した状態で、且つ非常信号受信部25にて外部から非常信号を受信した場合は、映像処理回路22が非常信号受信部25からの非常信号を受けて、表示領域に、図9(A)、(B)に示すような非常信号の内容に対応した情報を表示する。図9(A)は地震発生時、図9(B)は火災発生時における表示内容の例を示している。
【0055】
ここで、図9(A)、(B)に示すような非常信号に応じた表示を行う際に、前記表示内容を人間が気づき易くするために、放電灯La3が点灯回路3によって臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯されるように制御すると良い。臨界フリッカ周波数とは、人間が点滅を感知できなくなる限界の周波数のことである。具体的には点滅点灯の周期を30(ms)以上の周期とすることが望ましい。また、図8には不図示であるが、例えば点灯回路3に入力される調光用のPWM信号の周期を前記臨界フリッカ周波数の周期以上に設定することで、点滅点灯は容易に実現できる。
【0056】
以上のように、本実施形態の液晶表示装置は、常時においては商用電源ACからの給電により機能し、非常時においては商用電源ACから非常用電源Vdcへ切替えて給電を行い、さらに停電を検出し且つ外部からの非常信号を受信した状態においては、全表示画面のうち一部の表示領域に非常信号の情報に対応した表示を行うものであるから、非常時の混乱、不安を解消すると共に、停電の原因、避難経路など非常時の有益情報を提供することができる。また、非常時において、バックライトを臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯するので、前記非常信号の情報に対応した表示を人間が気づき易いという利点がある。
【0057】
(実施形態5)
本実施形態の液晶表示装置のシステム構成図を図10に示す。本実施形態の液晶表示装置は、停電を伴う非常時において、商用電源ラインに設けられた予備電源装置7aからの電源供給によって動作する。予備電源装置7aとは、具体的には無停電電源(UPS電源)であり、無停電電源には交流のものと直流のものがあるが、本実施形態においては、直流のものを想定する。また、予備電源装置7aは液晶表示装置の外部に設けられており、停電発生時に非常用電源として商用電源ACに替わって液晶表示装置の入力電源になる。また、図10における点灯回路1〜3、液晶パネルドライバ23、24、及び映像処理回路22の機能については、実施形態2と同等であるので説明を割愛する。
【0058】
次に本実施形態の液晶表示装置の動作について図10を用いて説明する。本実施形態の液晶表示装置において、停電検出手段5aは電源ラインに接続され、交流電圧と直流電圧を判別して停電を検出する。
【0059】
ここで、商用電源ACからの交流電圧を検出した状態は常時(停電なし)であり、予備電源装置7aからの直流電圧を検出した状態が非常時(停電)である。停電検出手段5aは常時においては、切替手段Q2をオン、切替手段Q1をオフに制御し、非常時においては、切替手段Q2をオフ、切替手段Q1をオンに制御すると共に映像処理回路22に非常信号を入力する。常時においては、商用電源ACを入力電源とし、前記制御によって、チョッパー回路4の出力電圧が切替手段Q2を介して、点灯回路1〜3と、液晶パネルドライバ23、24と、映像処理回路22に供給される。また、非常時においては、予備電源装置7aを入力電源とし、前記停電検出手段5aの制御により、チョッパー回路4の出力電圧が切替手段Q1を介して、点灯回路3と、液晶パネルドライバ24と、映像処理回路22に供給される。ここで、ダイオードD1の作用により、点灯回路1,2と、液晶パネルドライバ23には、チョッパー回路4からの出力電圧は供給されない。
【0060】
つまり、本実施形態の液晶表示装置は、非常時においては、商用電源ACに替わって予備電源装置7aが入力電源となり、予備電源装置7aに切替ったことを停電検出手段5aにて検出し、またその検出信号を受けて、バックライトBLのうち放電灯La3のみが点灯すると共に、液晶パネルドライバ23、24のうち液晶パネルドライバ24のみが動作するように制御される。従って、本液晶表示装置の表示領域は全表示領域のうち、直下に放電灯La3が配置され、さらに液晶パネルドライバ24が駆動する液晶パネルの領域のみとなる。
【0061】
次に、本実施形態の液晶表示装置の効果について述べると、予備電源装置を入力電源とする非常時において、液晶表示装置の全画面のうち、一部の領域のみが表示領域となるので、消費電力を削減でき、予備電源装置による表示装置の駆動時間を伸ばすことができる。
【0062】
(実施形態6)
本実施形態の液晶表示装置のシステム構成図を図11に示す。前記実施形態5の液晶表示装置における予備電源装置7aは直流電源であったが、本実施形態の液晶表示装置においては予備電源装置7bは交流電源を想定したものである。しかしながら、予備電源装置7bが交流電源である場合、同じく交流電源である商用電源ACとの判別がつかず、前記実施形態5に示すように電源ラインに接続された停電検出手段5aにおいて停電を検出することができない。したがって、本実施形態の液晶表示装置においては、停電検出手段5bで予備電源装置7bからの動作状態を伝える信号を受けて停電を判定するものである。
【0063】
次に、本実施形態の液晶表示装置の効果について説明すると、交流電源である予備電源装置7bを非常時の入力電源とした場合でも、予備電源装置7bからの信号を受けて、停電検出手段5bで停電を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態1の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図2】本発明の実施形態1の液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態1の動作説明図であり、(A)は非常時におけるバックライト動作の説明図、(B)は非常時における表示領域の説明図、(C)と(D)は非常時における表示内容の例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態2の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図5】本発明の実施形態3の液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図6】本発明の実施形態3の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図7】本発明の実施形態3の動作説明図であり、(A)は非常時におけるバックライト動作の説明図、(B)は非常時における表示領域の説明図である。
【図8】本発明の実施形態4の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図9】本発明の実施形態4の動作説明図であり、(A)は地震発生時における表示領域の説明図、(B)は火災発生時における表示内容の例を示す説明図である。
【図10】本発明の実施形態5の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【図11】本発明の実施形態6の液晶表示装置の回路構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
【0065】
1〜3 点灯回路
5 停電検出手段
AC 商用電源
Vdc 非常用電源
La1〜La3 放電灯
Q1,Q2 切替手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
常時には商用電源からの給電により機能し、非常時には非常用電源からの給電により機能する表示装置であって、商用電源の停電を検出する停電検出手段を備え、前記停電検出手段からの停電検出信号を受けて、全表示画面のうち一部の領域のみを表示するように切替える手段を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1において、前記非常用電源はバッテリーであって、前記商用電源と前記バッテリーとを前記停電検出手段からの検出信号を受けて切替えることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、外部から非常信号を受信する非常信号受信部を備え、前記停電検出手段にて停電を検出し、且つ前記非常信号受信部にて非常信号を受信した場合に、前記表示画面の一部の領域に非常信号の情報に対応した表示を行うことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記停電検出手段は、前記非常用電源からの信号を受けて停電を検出することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、複数の光源からなるバックライトを備え、前記複数の光源は、前記表示画面の一部の領域のみを照射する第一の光源グループとそれ以外の領域を照射する第二の光源グループに分けられ、前記光源グループは各々に点灯装置を備え、前記停電検出手段にて停電を検出した場合には、前記第一の光源グループの点灯装置のみが前記非常用電源からの給電を受けて前記第一の光源グループを点灯させることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5において、液晶パネルと、前記複数の光源のうち第一の光源グループが照射する領域の液晶パネルを駆動する第一の液晶パネルドライバと、第二の光源グループが照射する領域の液晶パネルを駆動する第二の液晶パネルドライバとを備え、前記停電検出手段にて停電を検出した場合には、前記第一の液晶パネルドライバのみが前記非常用電源からの給電を受けて動作することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項5又は6において、前記停電検出手段にて停電を検出した場合には、前記第一の光源グループは、臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかにおいて、前記バックライトの光源は放電灯または発光ダイオードであり、それらを用いて構成される直下方式のバックライトユニットを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれかにおいて、前記バックライトの光源は放電灯または発光ダイオードであり、それらを用いて構成されるサイドライト方式のバックライトユニットを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項1】
常時には商用電源からの給電により機能し、非常時には非常用電源からの給電により機能する表示装置であって、商用電源の停電を検出する停電検出手段を備え、前記停電検出手段からの停電検出信号を受けて、全表示画面のうち一部の領域のみを表示するように切替える手段を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1において、前記非常用電源はバッテリーであって、前記商用電源と前記バッテリーとを前記停電検出手段からの検出信号を受けて切替えることを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、外部から非常信号を受信する非常信号受信部を備え、前記停電検出手段にて停電を検出し、且つ前記非常信号受信部にて非常信号を受信した場合に、前記表示画面の一部の領域に非常信号の情報に対応した表示を行うことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記停電検出手段は、前記非常用電源からの信号を受けて停電を検出することを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、複数の光源からなるバックライトを備え、前記複数の光源は、前記表示画面の一部の領域のみを照射する第一の光源グループとそれ以外の領域を照射する第二の光源グループに分けられ、前記光源グループは各々に点灯装置を備え、前記停電検出手段にて停電を検出した場合には、前記第一の光源グループの点灯装置のみが前記非常用電源からの給電を受けて前記第一の光源グループを点灯させることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項5において、液晶パネルと、前記複数の光源のうち第一の光源グループが照射する領域の液晶パネルを駆動する第一の液晶パネルドライバと、第二の光源グループが照射する領域の液晶パネルを駆動する第二の液晶パネルドライバとを備え、前記停電検出手段にて停電を検出した場合には、前記第一の液晶パネルドライバのみが前記非常用電源からの給電を受けて動作することを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項5又は6において、前記停電検出手段にて停電を検出した場合には、前記第一の光源グループは、臨界フリッカ周波数の周期以上で点滅点灯することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかにおいて、前記バックライトの光源は放電灯または発光ダイオードであり、それらを用いて構成される直下方式のバックライトユニットを備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項9】
請求項5〜7のいずれかにおいて、前記バックライトの光源は放電灯または発光ダイオードであり、それらを用いて構成されるサイドライト方式のバックライトユニットを備えたことを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−117682(P2010−117682A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292625(P2008−292625)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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